厚生労働委員会

2015-05-22 参議院 全91発言

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会議録情報#0
平成二十七年五月二十二日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     武見 敬三君     高橋 克法君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     白  眞勲君
     西村まさみ君     野田 国義君
     森本 真治君     石橋 通宏君
     杉  久武君     山本 香苗君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         丸川 珠代君
    理 事
                大沼みずほ君
                羽生田 俊君
                福岡 資麿君
                津田弥太郎君
                長沢 広明君
    委 員
                赤石 清美君
                石井みどり君
                木村 義雄君
                島村  大君
                高階恵美子君
                高橋 克法君
                滝沢  求君
               三原じゅん子君
                足立 信也君
                石橋 通宏君
                野田 国義君
                白  眞勲君
                牧山ひろえ君
                山本 香苗君
                川田 龍平君
                小池  晃君
                行田 邦子君
               薬師寺みちよ君
                福島みずほ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   参考人
       全国知事会社会
       保障常任委員会
       委員長
       栃木県知事    福田 富一君
       全国町村会行政
       委員会委員
       新潟県聖籠町長  渡邊 廣吉君
       健康保険組合連
       合会副会長    白川 修二君
       三重短期大学生
       活科学科教授   長友 薫輝君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○持続可能な医療保険制度を構築するための国民
 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────
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丸川珠代#1
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、武見敬三君が委員を辞任され、その補欠として高橋克法君が選任されました。
 また、本日、櫻井充君、森本真治君及び西村まさみ君が委員を辞任され、その補欠として白眞勲君、石橋通宏君及び野田国義君が選任されました。
    ─────────────
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丸川珠代#2
○委員長(丸川珠代君) 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、保険者関係について四名の参考人から御意見を伺います。
 御出席をいただいております参考人は、全国知事会社会保障常任委員会委員長・栃木県知事福田富一君、全国町村会行政委員会委員・新潟県聖籠町長渡邊廣吉君、健康保険組合連合会副会長白川修二君及び三重短期大学生活科学科教授長友薫輝君でございます。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、お忙しいところ当委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十五分以内で順次御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。
 なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず福田参考人にお願いをいたします。福田参考人。
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福田富一#3
○参考人(福田富一君) 私は、全国知事会社会保障常任委員長を務めております栃木県知事の福田でございます。
 本日は、全国知事会を代表しまして、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対しまして意見を述べさせていただく機会を与えてくださいまして、誠にありがとうございます。本法案に賛成の立場から意見を申し上げます。
 さて、皆様御案内のとおり、我が国の医療保険制度は、昭和三十六年に国民健康保険が全国に普及し、国民皆保険が達成されましたが、それ以来五十年以上、国保はその最後のセーフティーネットとしての役割を果たしてまいりました。この間にも、高齢化の進展、高度な医療の普及等による医療費の増加に対応するため、高齢者医療制度の創設など様々な改革が行われてきたところでございます。
 しかしながら、皆保険を支える現在の国保の世帯主の内訳は、年金生活者等の無職者や非正規の被用者などが約七割を占め、かつて中心だった自営業者、農林水産業者は一五%程度であることから、一つ目に、年齢構成が高く、一人当たりの医療費が非常に高い。二つ目に、低所得者の方が多く、結果として所得に対する保険料負担率も重くなっている。三つ目に、このため財政基盤が脆弱で、市町村は一般会計から多額の決算補填等を目的とした繰入れを行わざるを得ない状況であります。四つ目に、加えて、一人当たりの保険料等の都道府県内市町村間格差や都道府県間格差も大きいなどの構造的な課題を抱えております。
 また、被保険者の保険料負担率につきましては、被用者保険と比べ非常に高い水準にあり、その格差は極めて大きくなっております。
 今後も高齢化が進行し、医療費の増大が見込まれる中、このままでは、被保険者も保険者である市町村もその負担に耐えられる限度を超え、最後のセーフティーネットである国保制度は破綻するおそれがございます。これを回避するため、将来的に持続可能な制度を構築することは国の大きな責務であると考えております。
 我々知事会といたしましては、従前から、国保の構造的な問題が解決され、持続可能な制度が構築されるならば、市町村とともに積極的に責任を担う覚悟であると申し上げてきたところでございます。
 私は、全国知事会の社会保障常任委員長として、各都道府県と情報共有を図り、様々な意見を丁寧に集約しながら、それらを踏まえて、国民健康保険制度の基盤強化に関する国と地方の協議等におきまして、国や市長会、町村会と長きにわたり議論を重ねてまいりました。
 今回の改革の大きな論点は、次の二点でございます。
 一点目は、財政上の構造問題の解決に向けた方策についてでありますが、知事会からは国に対しまして、国民の保険料負担の公平の観点から、更なる公費の投入によって抜本的な財政基盤の強化を図ること、また、今後も医療費の増大が見込まれる中、将来にわたり持続可能な制度とするため、法案に、国の財政支援の在り方について検討し、必要な財政上の措置を講ずる旨を明記するよう強く要請してきたところでございます。
 本法案は、こうした議論を踏まえ、公費拡充により一定の国保の財政基盤の強化を図ろうとするものでありますが、法律附則の内容は、法施行後においても、医療保険制度間における公平に留意しつつ検討を加え、必要な措置を講ずるとの表現にとどまりました。しかしながら、この点につきましては、塩崎大臣から、知事会の指摘を十分踏まえてしっかりと取り組むとの力強い御発言をいただいております。
 二点目は、都道府県と市町村の役割分担の在り方についてでありますが、知事会からは、被保険者である地域住民と最も身近な関係にある市町村が、資格管理、保険給付、保険料の賦課徴収、保健事業等を一体的に担うことにより、医療費適正化や保険料収納に対するインセンティブ、さらに、被保険者の利便性や制度の安定性、連続性が確保され、制度の持続可能性も担保されることから、従来どおり市町村に担っていただきたいと申し上げてまいりました。
 これにつきましては、国保制度の安定化を図るため、都道府県が財政運営の責任主体となるなど、国保運営に中心的な役割を担い、市町村は、資格管理、保険給付等を引き続き担うという役割分担が示されたところでございます。
 以上のような点から、知事会といたしましても、持続可能な制度の構築に向けて一定の前進があったと捉えまして、地方自治法第二百六十三条の三第二項の規定に基づく意見は提出しないことといたしました。
 法案の成立後は、国、市町村と連携を図りながら、新たな国保制度への移行に向けまして準備作業を進めてまいる所存でありますが、本日は、国保の財政運営等を担うこととなる立場から、今後の制度の具体化におきまして考慮願いたい事項等について意見を申し上げます。
 最初は、法案の早期成立でございます。
 都道府県におきまして、平成三十年度から新たに国保運営の責任の一翼を担うことになりますが、新制度の詳細な内容や運用方法は、法案成立後、政省令等で定められることとなっておりますので、法案の早期成立を要望いたします。
 また、政府におかれましては、政省令の制定を始め運用に関するガイドライン等の決定に当たって、引き続き地方と協議し、地方の意見を十分反映させるとともに、できる限り十分な準備期間を確保することができるよう、速やかに御提示願いたいと考えております。
 なお、この度の制度改革は、国民皆保険を達成して以来の大きな改革となります。新たな制度が国民の理解の下で円滑に実施できるよう、法律の施行に当たりましては、国民に対し的確に周知を図るとともに、地方に対しましても丁寧な説明をお願いいたします。
 次に、制度の運用等に当たりまして、今後留意していただきたい点について申し上げます。
 まず、更なる財政基盤の強化についてでございます。
 この度の改革で、国保に対しまして毎年三千四百億円の公費による財政支援が実施されるとともに、都道府県が財政運営の主体を担うこととなりましたが、これだけでは安定的な財政運営はできません。
 国におきましては、持続可能な制度の堅持に最終的な責任を持つ立場から、財政運営の全体像を早期に明らかにするとともに、都道府県ごとの財政運営の見通しをお示し願いたいと考えております。
 また、改革後におきましても、持続可能な制度の確立と国民の保険料負担の格差是正に向けて様々な財政支援の方策を講じ、今後の医療費の増大に耐え得る財政基盤の確立を図っていただくことが必要と考えております。
 その際は、子供に係る均等割保険料の軽減措置の導入や地方単独事業に係る国庫負担金調整措置の廃止といった、国保基盤強化協議会で都道府県が提案した方策につきましても、実施に向けて御検討願いたいと思います。
 次に、運営の在り方の見直しについて申し上げます。
 改革後は、都道府県と市町村がそれぞれの役割分担の下で互いに協力し新制度を運営することとなりますが、都道府県が中心的な役割を担うこととなる財政運営等につきましては、国保運営方針や市町村ごとに決定する国保事業費納付金、標準保険料率の算定などにつきまして、政省令やガイドライン等にできる限り具体的に明記していただきたいと考えております。
 結びに、本日、国保制度の安定化のため知事会を代表いたしまして意見を申し上げましたが、法施行までの短い期間ではありますけれども、都道府県といたしましても、本法案の目的であります持続可能な医療保険制度を構築するため、国、市町村と連携を図りながら、円滑な制度の実施に向け準備を進めてまいる所存でございます。
 以上で私の意見陳述を終わります。
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丸川珠代#4
○委員長(丸川珠代君) ありがとうございました。
 次に、渡邊参考人にお願いをいたします。渡邊参考人。
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渡邊廣吉#5
○参考人(渡邊廣吉君) 全国町村会行政委員会の委員を務めております新潟県聖籠町長の渡邊でございます。
 本日は、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案を審議する参議院厚生労働委員会に私どもが参考人として意見を述べる機会をいただき、まずは心から感謝を申し上げます。
 また、平素から町村行政の運営につきましては格別な御理解と御高配を賜っておりますことに、この場を借りまして厚く感謝と御礼を申し上げます。
 さて、この度の法案には各種の措置が盛り込まれておりますが、何分にも時間が限られておりますので、法案の最重要事項であり、かつ私ども町村にとって最も関係が深い国民健康保険に絞って意見を述べさせていただきます。
 初めに、国保の現状について申し述べます。
 委員の先生方には十分に御理解いただいているとは存じますが、国民皆保険制度の基盤を成す国民健康保険は、農林水産業や商工業などの自営業者を中心に私ども市町村が保険者となり運営する医療保険制度で、昭和三十六年に創設されて以来、五十年以上が経過いたしております。
 ほかの医療保険に属さない方全てを被保険者としているために、高齢化や産業構造の変化などの影響を受けやすく、制度の発足した当時と比べて農林水産業や自営業者の割合が減少する一方、高齢化の進展に伴い年金受給者を主とする無職者の割合が四割に達するとともに、社会経済情勢の変化により、被用者保険に加入できない失業者、非正規雇用者、長期療養者等も増加いたしております。このため、現在では、年齢構成が高く、所得の低い方が多いという構造的な問題を抱えております。
 さらに、年々、医療給付費が、後期高齢者医療支援金が増加していくという状況の中で、各市町村では、制度の安定的な運営を図るため、被保険者に何とか御理解いただきながら保険料を引き上げる努力をいたしているところでございます。
 加入者の所得に対する保険料負担の割合は平成二十四年度で九・九%、協会けんぽの七・六%、組合健保の五・三%と比較し著しく高くなっており、負担能力も限界に達しているため、多くの市町村では、苦しい財政状況ではあるものの、法律で定められた負担のほかに、やむなく一般会計からの繰入れをしなければならない状況下にあります。ここ数年は、このような法定外の負担分として約三千五百億円もの巨費が投入されております。
 一般会計から法定外で繰入れを行うということは、本来市町村が行うべき他の事業の予算を減額するという意味を示し、各種の福祉施策や行政サービスを阻害することにもなります。また、国保の被保険者のみならず、他の被用者保険の加入者を含めた全住民が国保の赤字を補填するための負担をしていることにもなります。
 このようなことから、私の聖籠町では、法定外の繰入れは極力行わないで、被保険者の皆さんに何とか御理解をいただきながら、三年ごとをめどに保険料の見直しを行ってきております。しかし、結果として私の町では、新潟県内においては割合医療費が低い現状にあるにもかかわらず、保険料は県平均を上回る高い水準になっており、これ以上の引上げは非常に厳しく、被保険者の御理解が得られない状況となっております。
 また、市町村間の格差の問題もございます。新潟県には合併後三十の市町村となっておりますが、平成二十四年度の県民一人当たりの保険料は、全国平均が約八万二千円であるのに対し約七万九千円と、若干低い水準となっておりますが、最も高い市町村の平均は約八万九千円、最も低い市町村の平均は約五万七千円と、一・六倍の格差が生じております。加えまして、被保険者数が少ない保険者においては、財政運営が不安定になるリスクを抱えております。例えば、人工透析の患者が一名出れば、年間五百万円以上の医療費が掛かり、直ちに保険財政が逼迫するおそれがあるなど、制度の持続可能性が危ぶまれる状況にもあります。
 こうしたことから、私たち全国町村会は、かねてより、都道府県を軸とした保険者の再編統合の推進を主張してきました。今回の改革はそのような方向に向けた第一歩となるものと大いに期待しておりますので、基本的に賛成の立場から改革案について意見を述べさせていただきます。
 まず、今回の国保改革の主なポイントとしては三点挙げられます。一つ目は財政基盤の安定と強化、二つ目は保険料負担の公平確保、三つ目が都道府県と市町村の役割分担についてです。
 初めに、一つ目の財政基盤の安定と強化でありますが、国保は被保険者の年齢構成が高く医療費が高い、低所得者が多いといった構造的な問題を解決するために、平成二十七年度から、低所得者が多い自治体を支援する制度の保険者支援制度を拡充するために、消費税財源を活用して千七百億円の公費を投入することが決定されました。さらに加えて、新たな国保制度がスタートする平成三十年度から、後期高齢者支援金の全面総報酬割導入により生ずる財源のうち千七百億円を優先的に投入することとされました。結果として、合わせて三千四百億円ものかつてない規模の公費が投入されますので、これまで三千億円の実質赤字を抱えて、赤字補填のため法定外で毎年度一般会計から三千五百億円もの繰入れを余儀なくされてきた保険者たる市町村の現状を考えますと、当面の財政基盤の強化策としては十分評価できるものと考えております。
 あわせて、国保改革では、財政運営の責任主体が市町村から都道府県に移り、財政基盤の強化が図られることは、小規模な保険者の多い町村にとっては重要な改革であると評価し、歓迎できます。
 また、改革では、財政リスクの分散、軽減のため財政安定化基金を創設し、予期せぬ給付の増加や保険料の収納不足に対応するため、基金の貸付け、交付を行うこととされました。介護保険や後期高齢者医療制度と異なり、これまで国保には財政安定化基金がありませんでしたので、このこと自体については率直に歓迎いたしておりますが、仮に安易な形で交付が行われることとなると、市町村の保険料収納に対する意欲がそがれ、モラルハザードとなるおそれがあります。今後、交付の基準や補填のルールにつきましては、地方と引き続き慎重に議論を行うよう求めてまいりたいと存じます。
 二つ目に、保険料負担の公平確保についてですが、現在、国保の保険料は、都道府県ごとに見た場合、最大で約三倍の格差があります。
 保険料格差が生ずる要因としては、医療水準や所得水準など様々なことが考えられますが、一般的には、町村地域は県庁所在地などの都市地域と比較して医療供給体制が必ずしも十分とは言えない地域事情があり、結果として医療費総額が低廉な実態であることから保険料水準が低く抑えられております。このため、保険者が都道府県に移行し、都道府県単位の保険料の算定をするとなると、町村地域の保険料は平準化されますので、大幅に上昇することが懸念され、危惧されてきました。
 私たち全国町村会は、このような実態に鑑み、納付金の算定に当たっては医療水準による保険料の格差に配慮するように強く求めてきたところでありますが、御理解いただき、医療水準と所得水準を反映させる算定方式を取ることになりました。このことは、社会保障制度改革国民会議において、医療費適正化のインセンティブとなるものとするという提言の方向性にも合致する結果となったことから、評価いたしております。さらに、激変緩和措置も講じられることとなっていますので、当面は急激な保険料の変動は回避されるものと考えています。
 なお、保険料水準の平準化を推進する必要性は私たち全国町村会も十分に理解はしておりますが、平準化を急ぐ余り議論を拙速に進めて無用な混乱を招くことのないように、時間を掛けて私ども町村の関係者の理解を得ながら進めていただきたく、お願いいたします。
 次に、三つ目の都道府県と市町村の役割分担についてであります。
 プログラム法では、財政運営は都道府県、保険料の賦課徴収と保健事業の実施は市町村が担うこととなり、残りの保険給付と資格管理の役割分担をどうするか国保基盤強化協議会では議論となり、私たち全国町村会は、都道府県が保険者になるのだから、できる限り都道府県に集約し、簡素で効率的な事務処理体制とすべきでないかと原則論に即した立場の主張を申し上げてきました。しかしながら、都道府県及び市町村は、国保改革の問題や課題に共通の認識と理解を示しながら、大義に立って政府の意向を尊重し、前向きに意見を主張し議論をさせていただいた結果と経過を踏まえて、国保基盤強化協議会の取りまとめの最後に、今回の改革後においても、国保制度の安定的な運営が持続するよう、都道府県と市町村との役割分担の在り方も含め、国保制度全般について必要な検討を進め、当該検討結果に基づき、所要の措置を講ずることとするという一文を入れていただくとともに、その趣旨を踏まえた法案の附則に盛り込んでいただきましたので、私たち全国町村会は、都道府県と市町村の役割分担のうち資格審査と保険給付に係る部分については、制度施行後においてできる限り早く見直しを行っていただくことを願っております。
 最後に、今回の法案にはございませんが、地方単独事業により医療費助成を行った自治体に係る国保の国庫補助の減額調整措置につきましても、引き続き地方の意見を踏まえて制度の見直しを検討していただきたいと思います。
 この度の見直しは国保制度創設以来の大きな改革でありまして、今後は都道府県と市町村が協力して制度運営に当たっていくこととなりますが、私ども市町村といたしましては、保険料の徴収や保健事業の実施などについてこれまで以上に尽力いたす所存でございます。
 特に、保健事業につきましては、一昨年六月に日本再興戦略が閣議決定され、効果的な予防サービスや健康管理を充実させるという方針が示され、レセプト等のデータの分析とそれに基づく加入者の健康増進のための計画の作成、事業実施、評価等の取組を行うこととされたところであります。いわゆるデータヘルス計画であり、国保保険者は今年度から計画を実施していくこととされており、今年度はまさにデータヘルス元年でもあります。集約できる部分は可能な限り集約して効率化し、一方で市町村は市町村にしかできない対人サービスに注力する、こうした適切な役割分担を行うことで国保制度の安定的な運営が確保され、被保険者の利益が向上するものと考えております。
 以上、基本的に法案に賛成の立場から主な課題について意見を申し上げましたが、今後、国に対しましては、制度施行に向けて詳細な検討を行っていく中でこれらの課題について地方と十分協議するよう改めて求めたいと思います。そして、今後、国と地方で協議の上、政省令やガイドラインなどで新たな制度の詳細を決定する必要があります。また、円滑に施行するためには、システム構築など十分な準備期間の確保が必要でありますので、委員の先生方には法案の早期成立をお願いいたしまして、私の意見陳述といたします。
 ありがとうございました。
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丸川珠代#6
○委員長(丸川珠代君) ありがとうございました。
 次に、白川参考人にお願いいたします。白川参考人。
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白川修二#7
○参考人(白川修二君) 健康保険組合連合会、白川でございます。
 本日はこのような意見陳述の機会を与えていただいたことにつきまして、厚生労働委員会に感謝申し上げます。また、平素から、健保組合、健保連に対しまして様々な御指導、御支援を賜っていることについても、併せてこの場を借りて厚く御礼を申し上げます。
 さて、今回の法案につきましては、評価できる部分も多いのですけれども、不十分な点もあり、満足できる内容ではないというふうに考えております。本日は、法案の中で一点のみ健保組合としては納得できない部分、総報酬割制の導入問題について意見を述べさせていただくとともに、また、今次法案には含まれておりませんが、皆保険制度を維持していくための重要課題と考える事項に関し、二点意見を述べさせていただきたいと思います。資料を提出させていただいておりますので、必要に応じて御覧いただければと思います。
 最初に、総報酬割についての意見でございます。
 今次法案では、後期高齢者支援金の被用者保険負担分に関し、平成二十九年度から全面総報酬割制度を導入することとなっております。
 提出させていただいた資料の一ページを御覧いただければと思いますけれども、厚生労働省の試算によれば、この全面総報酬割導入により、健保組合は約千五百億円の負担増、共済組合は約一千億円の負担増となる一方、公費は、協会けんぽに対する助成金が不要になることから約二千四百億円が削減されるということになっております。
 私どもは、後期高齢者支援金の算定方法を全面総報酬割に変更するということ自体には反対しておりません。ただし、それによって生じる国費二千四百億円の活用方法については、大いに問題と考えております。
 資料二ページにお示ししたとおり、この二千四百億円のうち約七割の千七百億円を国民健康保険に投入するとする政府の計画は、二つの意味で納得できかねます。
 第一に、国民健康保険の財政支援は本来国が負担すべきものであるにもかかわらず、今回は全面総報酬割という手段を使って被用者保険の保険料から調達しようとする点であります。まさに、被用者保険の保険料による国費の肩代わりの構図になっております。被用者保険と国民健康保険の間での保険料による所得再分配にもつながるものであり、保険の役割を超えている点が問題というふうに考えております。
 第二の問題点は、保険財政の悪化に苦しんでいるのは国民健康保険だけではなく、被用者保険も同様の状況にあるということにもかかわらず、一方の国民健康保険に余りに偏った支援策を講じている点であります。
 健保組合の財政状況につきましては資料の四ページ以降にお示ししてございますけれども、千四百三、今、健康保険組合ございますけれども、全体としては、現行の高齢者医療制度が導入された平成二十年度から二十七年度予算まで八年連続で経常赤字を計上し、この間の赤字累計は約二兆五千億円に上ります。財政悪化の最大の要因は、後期高齢者支援金、前期高齢者納付金等の拠出金負担の増加にあります。
 資料五ページ、六ページにお示ししてございますけれども、保険料収入に占める拠出金負担の割合は平均四三%を超えており、この割合が五〇%以上の健保組合は実に三百五組合、全体の二二%に当たります。こうした財政状況から、健保組合では財政の硬直化が進み、保険者機能の発揮を制限せざるを得ない、まさに異常な状態が続いております。健保組合の財政面での疲弊を改善しなければ、我が国の皆保険制度にも大きな影響を与えかねないと懸念される状況であります。
 したがって、総報酬割により捻出される国費二千四百億円は、拠出金負担の軽減、つまり高齢者医療費、特に団塊の世代の前期高齢者入りにより顕著な医療費の増加が進んでいる前期高齢者納付金の負担軽減に活用すべきと我々は主張しております。前期高齢者の医療費の負担構造、すなわち税と現役世代の保険料による負担の割合を見直せば、被用者保険のみならず、国民健康保険の財政にとってもプラスに働くと考える次第です。
 この考えは、単に健康保険組合連合会の意見というわけではございません。被用者保険関係五団体、健保連、協会けんぽ、連合、日本商工会議所、日本経団連、共通の意見でありまして、本日提出した資料の七ページに五団体の共同意見書を添付させていただいております。
 次に、今次法案に含まれております総報酬割以外の項目、すなわち、患者申出療養制度導入や食事療養費の見直し等については基本的に賛成の立場でありますので、時間の関係で意見は省略させていただきます。
 しかしながら、法案には非常に重要な問題が取り上げられていないということを危惧しておりますので、二点要望を申し上げたいと思います。
 一点目は、高齢者医療費の負担構造改革が焦眉の急であるという点であります。
 現在、国民医療費約四十兆円の約六割は六十五歳以上の高齢者に係る医療費でありますが、この割合は、特に団塊の世代の高齢化の進行に合わせて増えていくと推計されております。この負担を全国民で支え合うことは当然でありますが、この場合、高齢者と現役世代の負担割合や保険料と税金の投入割合等をデザインし、国民に提示していくことが重要というふうに考えます。医療費の増加は当然国民負担の増加を招来するわけですから、将来の負担のイメージを示すことによって国民の納得感を醸成していくことが不可欠というふうに考えます。
 健保連の意見は、高齢者医療は全国民で公平に支える必要があるということ。ただし、現役世代の保険料による支援は既に限界に達しており、これ以上の負担増は皆保険制度の基盤を揺るがす危険性が高いし、経済的にも成長戦略に悪影響を及ぼしかねないということ。したがって、消費税引上げ等によって生じる新たな税財源を高齢者医療に投入する方向で高齢者医療費の負担構造改革を断行すべきというものであります。いずれにしても、高齢者医療を国民全体でどのように支えるかが我が国の皆保険制度を維持するための最も重要な課題と認識しております。
 今次法案には、残念ながらこの問題に関する方向性が含まれておりません。今次法案の成立後も、医療保険制度全体の更なる改革に取り組むべく、議論を継続させ、積極的に検討を進められることを強く要望いたします。
 二点目の要望は、医療費適正化施策を更に推進することであります。
 今次法案でも、都道府県による医療費適正化計画の取組強化や食事療養費の自己負担の見直し等が織り込まれておりまして、大いに賛成するところでありますが、残念ながら、まだまだ増加の一途をたどる国民医療費への対応という点では不十分と感じております。今次法案にも検討規定が定められておりまして、それによれば、この法律の公布後において、持続可能な医療保険制度を構築する観点から、医療に要する費用の適正化、医療保険の保険給付の範囲及び加入者の負担能力に応じた医療に要する費用の負担の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするというふうに記載されております。
 また、衆議院におきましても附帯決議が採択されており、「高齢者医療制度を含めた医療保険制度体系、保険給付の範囲、負担能力に応じた費用負担の在り方等について、必要に応じ、盤石な医療保険制度を再構築するための検討を行うこと。」ということも決議されております。
 国民医療費は、高齢化という要因のみならず、最近は医療技術の高度化によっても増加することは確実と思われます。一方、保険財政はまさに瀬戸際の状態であります。法案の中の検討規定や衆議院の附帯決議に沿った医療費適正化に関する検討を迅速に、かつ広範囲に開始するよう要望するものであります。
 最後に、我が国の医療保険制度は世界でもまれなすばらしい制度であります。しかしながら、保険財政面から見ますと、我が国の皆保険制度はかなり危うい状況に陥っていると認識すべきであります。直ちに必要かつ適切な措置をとり、このすばらしい制度を維持していく必要があるということを強く訴えたいと思います。また、地域と職域の保険者が共存し、それぞれが保険者機能を発揮してきたことも国民皆保険制度の発展、充実に大きく貢献してきたと考えております。今後も、現行の保険体制を維持あるいは強固にしていくことが何より重要と考える次第です。
 健保組合は、今後も全力を傾注して国民皆保険制度の維持や向上に貢献していきたいというふうに考えております。議員先生方には、引き続き御指導、御支援賜りますようお願い申し上げて、結びといたします。
 どうも御清聴ありがとうございました。
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丸川珠代#8
○委員長(丸川珠代君) ありがとうございました。
 次に、長友参考人にお願いいたします。長友参考人。
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長友薫輝#9
○参考人(長友薫輝君) 私からは主に国民健康保険に関連して御意見を申し上げたいというふうに思います。
 委員長を始め各委員の皆様には、発言の場を与えていただき、ありがとうございます。
 大きくは三点にわたって述べたいというふうに考えています。一点目は医療保障と皆保険体制、二点目は国保への公費拡充策、三点目は国保の都道府県単位化、三点にわたって述べていきたいというふうに思っております。
 まず、医療保障についてですが、改めて確認させていただきたいというふうに思います。
 医療保障は主に次の二つによって実現しています。一つは公的医療保険による皆保険体制、もう一つは医療提供体制ということになります。今回の法案は、この両者において都道府県の役割を強化し、医療保障の在り方を変える可能性を持っているというものであります。
 また、次の(2)のところですが、医療保険制度改革、今回の法案においては皆保険体制の堅持ということがうたわれております。今後も、社会保険である公的医療保険による皆保険体制を通じて医療保障を支えるという強い国民への決意表明であろうというふうに思います。この点から、私も以下の問題点あるいは評価ということを進めていきたいというふうに思います。
 皆保険体制を堅持するということですが、堅持するということで申し上げると、公的医療保険においては特に国保の安定を図るということが重要な鍵ということになります。その上で、後ほど触れていきたいというふうに思います。
 その前に、公的医療保険については社会保険であるということを改めて確認したいというふうに考えています。
 社会保険は二つの原理を持っています。一点目は社会原理というもので、これは、自己責任あるいは地縁、血縁といった相互扶助、こういったものでは対応できない問題に対して社会的な対応を進める。例えば、病気ですとか失業ですとか老齢、障害、こういったものですね。こういったものに対して社会的な対応を行うというもので、この原理から国庫負担や事業主負担の論理が導き出されるということになります。もう一つの原理として保険原理というのがあります。これは、保険の技術的な側面に注目したもので、保険料を納めた人にのみサービスを提供するというものです。民間保険はこの原理で運営されています。
 ですが、残念ながら、私の知る限りということで限定させていただいてお話し申し上げますが、保険原理のみを強調する対応が国保の自治体の窓口等で起きているということになります。これは非常に公平性に欠け、社会保険に対する正確な認識を著しく欠いたものであり、皆保険体制の堅持という視点からも早急に是正が必要ではないかというふうに懸念を申し上げたいというふうに思います。あくまでも皆保険体制は社会保険として社会保障の一環として整備しているものであるということになります。
 この皆保険体制において、次の(4)のところですが、皆保険体制における国保の位置付けということを確認したいというふうに思います。
 先ほど福田参考人もお話しされましたが、被用者保険などに加入しない方は全て国保に加入する構造ということになっており、国保は皆保険体制においてセーフティーネットの機能、そして下支えする役割を果たしています。制度当初から、一つは、農業者や都市部の自営業者の公的医療保険という色彩、もう一つは、無業者、低所得者、高齢者の公費医療制度という色彩を持って制度をスタートさせています。ですから、先ほどもお話にあったように、加入率が変化してきているということになります。そして、後者の方々が増加の一途をたどっているというところです。そもそも、ですから公費負担医療の対象となる人々が多く加入する構造であり、高齢者も無業者も、つまり負担能力が高くない方々が流入して、加入してくるという構造になっています。
 この国民健康保険の現状に対する認識として、次のところですが、国保の現状というのはやはり不安定というのが大方の方々の共通認識ではないかというふうに考えています。これ、保険者も被保険者も含めて不安定ということが共通認識であろうというふうに思います。
 安定のために必要なことはというふうに考えますと、例えば、保険者については財政支援の拡充が必要である、被保険者については応能負担の原則に基づいた負担を求めるということが必要であろうというふうに思います。今回の法案では財政支援策として三千四百億円が投入される、この点については非常に評価できる点でありますが、この三千四百億円によって年額一万円の財政改善効果を想定している、そういうことが言われているということになります。
 次に、国保への公費拡充策についてお話ししたいというふうに思います。
 拡充策について、二ページの方ですが、今年度から保険者支援制度として千七百億円、二〇一八年度から毎年約千七百億円ということで、合わせて三千四百億円、今回の財政支援規模が三千四百億円ということになっています。ただ、この金額については、市町村の独自負担である法定外繰入額三千五百億円とほぼ同額ということで、保険者である市町村の財政負担を軽減する性格が強いものだというふうに思います。
 ただ、この点について憂慮する点が次のところです。
 実際には保険料の引下げにつながらない場合があるのではないかということに留意しなければならないというふうに考えています。法定外繰入れを実施している市町村では、法定外繰入額を減らすと保険料軽減にはなりません。引き続き法定外繰入れを継続して行わなければ保険料負担の軽減にはつながらないということになります。また、市町村による独自負担として進められている法定外繰入れは、皆保険体制を堅持するための補完ないし代替的役割を担っているというふうに考えています。よって、今後の国保の保険給付額増加予測を踏まえれば、定額という国庫負担から定率の国庫負担が必要となるということは言うまでもありません。
 こういったところを今後の課題というふうに記しております。
 続いて、大きく三つ目の国保の都道府県単位化についてです。
 引き続き市町村は国保を担うということが今回の都道府県単位化の趣旨です。
 保険者である市町村が求めてきた都道府県の、言わば単独の都道府県保険者論ではありません。市町村と都道府県が共同で国保を運営する公的医療費抑制の新たな仕組みであるというのが中身ではないかなというふうに思います。そして、その影響は国保加入者にとどまらないということを周知する必要があるというふうに思っています。
 二点目、都道府県と市町村の役割についてです。
 先ほど来もお話ありましたが、都道府県は国保の運営及び医療提供体制の両者において責任を持ちます。都道府県が市町村ごとの医療費水準、そして所得水準を基に納付金というものを決定するという仕組みです。ということは、医療費水準が高い自治体については納付金負担額が重くなるという懸念が当然のことながら生じます。
 また、標準保険料率というものがつくられ、これは都道府県が設定しますが、この標準保険料率を参考に各市町村は保険料を賦課徴収するという役割を持ちます。ただ、あくまでも参考程度ということになっていますが、参考程度で本当に済むのかどうか、市町村を誘導することになるのではないか、そういった懸念が浮上します。あわせて、医療提供体制の再編が進められ、医療費水準を下げることへの手段として今回の標準保険料率が設定されるというふうに見るのが妥当ではないかというふうに考えています。
 次の三点目、(3)のところですが、医療費適正化計画と保険者協議会について申し上げたいというふうに思います。
 都道府県ごとに医療費適正化目標というのが設定されるということで、あわせて医療費適正化計画については策定等に関して保険者協議会に協議するということになっています。
 先ほど申し上げた標準保険料率と医療費適正化目標の設定は、過剰な医療費抑制策となり、新たに地域医療の崩壊現象を招くのではないかという声が既に現場から出ています、そういった懸念が浮上しています。
 なぜかというところですが、医療費適正化計画に盛り込まれた医療費水準、そしてジェネリック医薬品普及率等の目標は、医療費抑制のために保険給付削減策の展開を求めるものです。本来は、健康で病気にならないための保健事業あるいは健康増進事業、こういったものを充実するという視点が必要であるんですが、こういった視点が残念ながら欠落しているというふうに言わざるを得ません。
 今後は、都道府県がより医療保険の運営者としての視点ないし性格を強めることが予想されます。そうすると、医療提供体制の再編が進む可能性があります。医療提供体制の再編は、先ほど申し上げたように、保険給付削減策を意味するというものです。
 今申し上げた都道府県が策定する医療費適正化計画や地域医療構想によって国保加入者が、もちろん国保加入者だけではありませんが、主に国保加入者がまともな医療を受けることができない状況を生み出すのではないかという懸念が生じます。あわせて、医療費適正化計画や地域医療構想について、やはり十分な議論と慎重な対応が必要ではないかというふうに考えています。
 最後にですが、三ページのところです。
 今回の法案は、保険者のみならず医療機関、地域住民までもが公的医療費抑制に駆り出されるような仕組みとなっているんですが、こういった内容はまだまだ知られていないというふうに思います。不信感ばかりが増幅されるのであれば、これほど不幸なことはないというふうに思います。政策への理解、参加、こういったものを想定するのであれば、信頼を得るためにも、そして、冒頭申し上げたように、皆保険体制の堅持という姿勢を貫徹するためにも、過剰な公的医療費抑制の展開とならないよう丁寧な説明と慎重な配慮が必要とされるというふうに思います。
 また、社会保険であり社会保障としての国保、先ほど申し上げた社会原理の部分ですね、保険原理を不当に強調することなく、社会保険であること、そして社会保障としての国保であるということを浸透を図っていただき、保険者、被保険者とともに地域の医療保障をつくる、そういう視点が求められているのではないかというふうに思います。
 以上で発言を終わります。ありがとうございました。
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丸川珠代#10
○委員長(丸川珠代君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
    ─────────────
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丸川珠代#11
○委員長(丸川珠代君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、杉久武君が委員を辞任され、その補欠として山本香苗君が選任されました。
    ─────────────
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丸川珠代#12
○委員長(丸川珠代君) これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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福島みずほ#13
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今日は、四人の参考人の皆さん、それぞれ評価できる点、課題、的確に教えてくださいまして、本当に感謝をしております。また、順番を変えていただいたことに関して、委員各位の皆さんに御礼を申し上げます。どうもありがとうございます。
 まず、長友参考人にお聞きをいたします。
 各市町村というか全国回っておりますと、例えば子供たちの医療費助成を始め非常に市区町村で様々なんですが、今後、国保だけではもちろんありませんが、どうなっていくのか。県単位になって、医療を非常に頑張っている、例えば医療費水準が高い自治体がむしろ納付金負担が重くなるとか、やっぱり子供への中学校までの医療費助成をやめようとか、小学校高学年までのをやめようとか、いろんな考慮が市町村に掛かってくるのではないかという思いもあるんですが、その点についてはどうお考えでしょうか。
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長友薫輝#14
○参考人(長友薫輝君) 御質問いただき、ありがとうございます。
 今お話しいただいたように、実際のところ、市町村、まあ都道府県もそうですが、特に市町村の方々はまだまだこの法案についての理解が進んでいないということと、あわせて、どういうイメージを描いて、そして例えば国保の加入者、被保険者の方にどういうふうに説明をしていくかというところもまだまだ理解が進んでいないのが現状ではないかなというふうに思います。
 あわせて、自治体の今おっしゃったような子供に対する医療の助成ですとかも、残念ながら国からの国庫負担の減額のペナルティーというものが存在していて、まだまだこれも継続するという方向性ですので、こういったところも是正していただかないと、せっかく自治体がいいことをやっても、国から入るお金が減るということは本末転倒ではないかなというふうに思っています。御質問に合わせて少し敷衍してお話ししましたが、そういった懸念もあります。
 そういったところを含めて、自治体がもっと市民に対してサービスを良くしたいということについては、もう少しやりやすいようなインセンティブを持たせるということも必要ではないかなというふうに思います。
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福島みずほ#15
○福島みずほ君 都道府県と市町村の役割がどうなるのかということなんですが、先ほど渡邊参考人が、思っていたのと少し違うけれども評価をするということをちょっとおっしゃったと思うんですが、保険者である市町村が求めてきた都道府県保険者論ではないということに関してはどうお考えでしょうか。
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渡邊廣吉#16
○参考人(渡邊廣吉君) 先ほども意見の中で申し述べさせていただきましたけれども、実質的に都道府県が保険者となって、そして、より住民に近いいろんな所掌事務については当然私ども市町村がこれまでどおりそれを行っていくというのが原則だと思っております。
 ですから、その原則論に立ちながらも、資格審査とか保険給付、これは現在も私ども保険者として各都道府県に国保連合会という組織を取っております。その中で、資格審査の一部分もしかりですし給付事務もしかりですが、委託をしながら、共通したシステムを構築しながら、電算システム等も含めてでありますが、そんな形の中に効率的な運用を図らせてもらっております。
 ですから、都道府県が保険者となった場合、資格審査なんか、全てじゃないんですけれども、協議によって、これまでの国保連合会という都道府県単位のそういう組織を活用した中で、お互いの運用における部分的なシステムを構築することによって、今まで我々市町村が委託しているものを都道府県が一括して委託すれば足りることでありますし、それから、いわゆる電算システムの改修等も、余計なお金を使って行わなくても一部改修によってそれが容易にできるようなことも可能でありますので、そういう観点からいっても、今後、前向きに議論をさせていただきながら対応していただければということでお話し申し上げたところであります。
 以上です。
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福島みずほ#17
○福島みずほ君 都道府県は国保の運営と医療提供体制の両者において責任を持つわけで、都道府県の責任というのはとても大きくなるというふうに思います。
 それで、福田参考人にお聞きをしますが、都道府県が市町村ごとの医療費水準、所得水準を基に納付金を決定するということで、どういうふうな形で、都道府県が標準保険料率を決めるわけですけれども、どういう例えばファクターでそういうのを決めるのかとか、都道府県のこういうことになるだろうとか、そういうのをちょっとお教えいただけますでしょうか。
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福田富一#18
○参考人(福田富一君) お答えいたします。
 まず、法案ができまして、政省令あるいはガイドラインなどが発表になるわけでございますが、栃木県といたしましては、もう既に国民健康保険制度に関する検討会、これは県と市町村、保険者が一体となって検討会を立ち上げまして取組を開始いたしました。検討項目につきましては、ガイドライン等が出るまでの間は市町村の事務の効率化等に向けた検討を中心に行ってまいりたいというふうに考えております。
 さらに、法案が成立しますと、都道府県の国民健康保険事業の運営に関する協議会を、これは法定協議会になりますけれども、これを立ち上げることになります。そこで、国民健康保険事業費の納付金の徴収、あるいは都道府県国民健康保険運営方針の作成などが審議事項になりますので、そこで被保険者、保険者代表、被保険者代表ですね、こういった方々と保険料の額などについて方向性を出していくという順番を踏んでいくことになると思います。
   〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕
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福島みずほ#19
○福島みずほ君 長友参考人にお聞きをいたします。
 去年、国会で介護と医療の改正法案が成立をして、国が医療などの基本計画を作り、そして都道府県がまたそれを参考にして基本計画を作るということになりました。いろいろな病院やいろんな医療の基本計画を作るわけですが、今回にある医療費適正化計画との関係でいって、だんだん医療費削減やいろんなことがボトムアップではなくトップダウンで割と基本計画や適正化計画という名の下に行われてしまうんではないか。それが、適正化はいいんですが、医療費抑制や違う形で展開すると問題が起きると思っているんですが、この点についてどうお考えでしょうか。
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長友薫輝#20
○参考人(長友薫輝君) 御質問いただき、ありがとうございます。
 今お話しされたように、医療費適正化という名前で医療費抑制ということを進めるわけですが、医療費抑制ありきではなくて、国、自治体というのは、基本的にやはり住民の命や生活を守る、特にそういう責務を持っていて、なおかつ住民の方々の、健康で、先ほど申し上げたように、病気にならないように健康づくりですとか保健事業ですね、そういったことを進める必要があるというふうに思います。
 ところが、残念ながら、医療費抑制のために、先ほどお話ししたように、保険給付の削減ですとか、こういった方にやや性急に進められているのではないかなというふうな懸念を持っています。
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福島みずほ#21
○福島みずほ君 時間ですので終わります。どうもありがとうございました。
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羽生田俊#22
○羽生田俊君 自由民主党の羽生田でございます。
 本日は、皆様方大変お忙しいところ、ありがとうございました。
 まず初めに、今回の改正ということに限らず、非常に単純な、ただ答えは難しいだろうと思いますけれども、今の日本の医療費が高いと思われるか、また安いと思われるか、これについてお一人ずつ、高いのか安いのかという点だけお答えをいただければ。よろしくお願いいたします。福田知事からお願いしたいと思います。
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福田富一#23
○参考人(福田富一君) 国において、今後、医療費適正化計画に関する様々な指標が提示されて、我々もそれに基づいて計画を策定していくと、こういうことになっていくんだと思います。
 その中で、何をどう適正化を図っていくのかというのは、十分議論をしながら、今お話がありましたような医療費抑制、そういうところに立ち入らないように、適正な医療が受けられるような仕組みをつくっていきながら計画も作っていくということが重要だというように思っています。
   〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕
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渡邊廣吉#24
○参考人(渡邊廣吉君) 医療費が高いか低いかという極端な質問でございますけれども、やはり医療費そのものというのは、その積算根拠が、お医者様の報酬の問題とか、それから薬剤の報酬の問題とか、いろんなやっぱり過去の歴史上、日本の場合は積み上げられてきた経過があって、また、金銭的又は経済的な価値の中に今の水準があるわけでありますので、一般庶民として捉えれば高いというイメージはあります。
 しかしながら、国全体の医療費として、又は構造的にこれまでの経過をたどっていくのであれば、これはやっぱり政府も当然のごとくそのような考え方でこの制度改革を進めながら今日あるわけでありますので、水準的には適正化されているという。
 ただ、先ほど申し上げたように、国保そのものについては私ども市町村が国保会計を担っているわけでありますので、そういう現状からすると、脆弱な財政基盤の中に国保財政を担っていることでありますので、非常に厳しい財政環境にある。また、法定外繰入れもせざるを得ないという現実があるということから見れば、そういう医療費そのものを聞かれれば高い水準にある、またそのことが市町村の財政を逼迫しているということにもなり得るということでしか回答できません。
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白川修二#25
○参考人(白川修二君) 私は診療報酬を議論する中医協の委員なものですから、今、羽生田先生の質問に対しては高いとか低いとかいう発言は失礼させていただかざるを得ない立場でございますけれども、私は、日本の医療費は適正であるというふうに思っております。
 ただ、一般の国民の方々は、窓口の負担が一割から三割ということもありますので、医療は安いというふうに誤解をされているんではないかなということを私は危惧をしております。
 以上でございます。
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長友薫輝#26
○参考人(長友薫輝君) 私は、政府関係各位、そして国、自治体の方々、そして何より医療現場の方々の非常に大変な努力によって医療は公的に管理されていて、なおかつ安く、安くというのは、つまり実際の現状の努力が評価されている状況ではないんじゃないかというふうに思います。
 例えば、市場原理を導入すると医療費は総額として増えます。ですので、今現在はかなり現場の方々の努力によってということで低く抑えられているのではないかなというふうに思います。ですので、これ以上の医療費抑制をすると非常に危険だというふうに考えています。
 御質問いただき、ありがとうございます。
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羽生田俊#27
○羽生田俊君 ありがとうございます。質問は簡単なんですけどお答えが難しかった、大変失礼をいたしました。
 まず、渡邊町長さんにお聞かせいただきたいんでございますけれども、国保の場合には非常に加入者の年齢構成が高いということ、それから所得水準が低い。年齢構成が高いということは医療費も高いということにつながるわけでございますけれども、非常に運営が大変だということになっておりますけれども、今回、県とともに国保を運営していくということに対して率直にどのようにお考えになっていますか。いま一度ちょっとお聞かせいただければというふうに思います。
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渡邊廣吉#28
○参考人(渡邊廣吉君) 先ほども申し上げましたように、第一点は、財政基盤の強化につながるということにほかならないと思います。そして、私どもが今保険者としていろんな経営をせざるを得ない状況になっているわけですが、いろんな一般会計からの繰入れや、それからそのほかにも、先ほども御質問の中にありましたけれども、子供に対する医療費の助成措置とか、いろんな運用をやっておるわけであります。
 そんな中で、財政基盤が強化されて、そして都道府県化されることによって、その統一的な運営上の理解が伴ってくるわけでありますので、また、強化によって財源のいろんな懸念も払拭されるわけでありますから、そのことによって一般会計からの繰入れもしなくてもいい、余剰財源というとちょっと語弊もあるか分かりませんが、いわゆる予防事業や保健事業に、またデータヘルスという計画もございますけれども、そういう中にやっぱりきちんとやることによって医療費の抑制効果も出てくるんではなかろうかなと基本的に考えます。
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羽生田俊#29
○羽生田俊君 ありがとうございます。
 今、保健事業、予防事業というお話ございましたけれども、特に国保の方々の特定健診の受診率も低いし、こういった予防事業等々もまだまだ不十分というふうに思うんですけど、その点、いかがでしょうか。
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