財務金融委員会

2016-02-12 衆議院 全227発言

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会議録情報#0
平成二十八年二月十二日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 宮下 一郎君
   理事 うえの賢一郎君 理事 神田 憲次君
   理事 藤井比早之君 理事 古川 禎久君
   理事 松本 洋平君 理事 木内 孝胤君
   理事 古川 元久君 理事 伊藤  渉君
      あかま二郎君    井上 貴博君
      井林 辰憲君    越智 隆雄君
      大岡 敏孝君    大野敬太郎君
      勝俣 孝明君    國場幸之助君
      助田 重義君    鈴木 隼人君
      薗浦健太郎君    田野瀬太道君
      中山 展宏君    根本 幸典君
      野中  厚君    福田 達夫君
      堀内 詔子君    務台 俊介君
      宗清 皇一君    村井 英樹君
      山田 賢司君    落合 貴之君
      玄葉光一郎君    鈴木 克昌君
      前原 誠司君    宮崎 岳志君
      鷲尾英一郎君    上田  勇君
      斉藤 鉄夫君    宮本 岳志君
      宮本  徹君    丸山 穂高君
      小泉 龍司君
    …………………………………
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       麻生 太郎君
   内閣府副大臣       高鳥 修一君
   内閣府副大臣       福岡 資麿君
   財務副大臣        坂井  学君
   財務大臣政務官      大岡 敏孝君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 時澤  忠君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   可部 哲生君
   政府参考人
   (財務省主税局長)    佐藤 慎一君
   政府参考人
   (財務省財務総合政策研究所長)          冨永 哲夫君
   政府参考人
   (国税庁次長)      星野 次彦君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           堀江  裕君
   政府参考人
   (観光庁観光地域振興部長)            加藤 庸之君
   参考人
   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君
   財務金融委員会専門員   駒田 秀樹君
    —————————————
委員の異動
二月十二日
 辞任         補欠選任
  井上 貴博君     あかま二郎君
  國場幸之助君     堀内 詔子君
  竹本 直一君     村井 英樹君
同日
 辞任         補欠選任
  あかま二郎君     薗浦健太郎君
  堀内 詔子君     國場幸之助君
  村井 英樹君     竹本 直一君
同日
 辞任         補欠選任
  薗浦健太郎君     井上 貴博君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 財政及び金融に関する件
     ————◇—————
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宮下一郎#1
○宮下委員長 これより会議を開きます。
 財政及び金融に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 両件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁黒田東彦君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として総務省大臣官房審議官時澤忠君、財務省主計局次長可部哲生君、主税局長佐藤慎一君、財務総合政策研究所長冨永哲夫君、国税庁次長星野次彦君、厚生労働省大臣官房審議官堀江裕君、観光庁観光地域振興部長加藤庸之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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宮下一郎#2
○宮下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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宮下一郎#3
○宮下委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山田賢司君。
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山田賢司#4
○山田(賢)委員 私は、自由民主党、山田賢司でございます。本日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 早速、質問に移らせていただきます。
 一昨日の麻生大臣の所信表明を受けまして、本日は財政に関して質問させていただきたいと思います。
 まず、安倍内閣においては、経済再生と財政健全化の両立を目指すということでございます。そもそも、経済再生というのは当然のことながら、なぜ財政健全化が必要なのか。
 よく、日本政府の借金が一千兆を超えているだとかGDPの倍あって大変だという話を聞くんですが、私自身は、この借金の額それ自体が問題ではないというふうに考えております。もちろん、多くていいということではありませんけれども、むしろ問題なのは、歳入を上回る歳出、これが続いていけばどんどん財政赤字が膨らんでいく、このことが問題ではないかと考えております。
 仮に無借金の会社であっても、毎年毎年四十兆円もの赤字を出していれば、十年間でそれは四百兆円になってしまう。だからこそ、しっかりと財政健全化の道筋をつけていかなければならないんだと思っております。
 歳入不足の解消のめどが立たないとどうなるかというと、やはり、これは返済能力に疑義が生じる。ということは、すなわち国債の償還能力に疑義が生じることではないかと考えております。
 ただ、幸い今、足元においては、マイナス金利と言われるように、国債の金利も十年でもう〇・二というように、日本国債の償還に疑問を持つ人はどなたもいらっしゃらない。投資家の中でやや一部にいるかもしれませんが、ほとんどの方は日本国債の償還については疑義を持っていないのではないかと考えておりまして、だからこそ、今の時点で、将来に向けてきっちりと借金が返せる、この道筋をつけていくことが大事だと考えます。
 これがすなわち、歳入と歳出のバランス、プライマリーバランスを黒字化させることだと考えますが、麻生大臣、改めまして、プライマリーバランスの黒字化の必要性について御所見をお願いいたします。
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麻生太郎#5
○麻生国務大臣 今御質問がありましたけれども、大事なことは、まず第一点、これは日本の借金ではなくて政府の借金ですから。国民の借金と混同して書いている新聞はいっぱいありますけれども、政府の借金と国民の借金は違いますから、そこのところだけきちんとまず踏まえた上で。
 現世代の負担というものは、すなわち税収なので、きちんと現世代の受益、すなわち政策経費を賄うんだという考え方もできるわけですから、その意味で、ある種の歳入と歳出をバランスさせるということとこれは同じことだと。それがプライマリーバランス、基礎的財政収支という意味だとそう思っております。
 ただ、プライマリーバランスをまた黒字化ということによって、これは借金が一千兆とかよく言われます債務残高と、いわゆるGDP比、約五百兆というもののGDP比を引き下げていくことができることになりますから、これも御指摘のように、将来に向けて政府の借金を返せるようになっているという道筋がきちんと示されているということになります。そこが、ゼロにするということはそういう意味です。
 したがって、ある種の歳入歳出のバランスをとる、または借金を返せるというようなちゃんと道筋になっているということを示せるということが大事だということだと思っておりますので、今から五年後に先取って二〇一五年度ということでまず半分にしますという計画を立てたときも、できないんじゃないかとかいろいろ当時言われていましたし、これまでの計画もその目的をきちっと達成できたことがありませんでしたので、そういった意味では、今回、半分にするということを三年、四年ほど前に申し上げて、きちんと一応半分にというところまでできたということはそれなりの成果だと思っておりますが、引き続いて、二〇二〇年度にはその基礎的財政収支の赤字幅をさらに縮めてゼロにしますというところにして黒字化にしていくということは、これは将来のためであって、ここは極めて今後とも日本の政府としてきちんとしたことがやれていく、国際的な信用、マーケットからの信用、いろいろなものを含めまして、極めて重要だと考えております。
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山田賢司#6
○山田(賢)委員 ありがとうございます。財政健全化の道筋をつけるということが大事だということをお伺いいたしました。
 そこで、では具体的にどうやってやっていくのかということですが、政府におかれましては、中長期の経済財政に関する試算ということを定期的に出しておられまして、二十八年一月二十一日に経済財政諮問会議で出されましたこの試算によりますと、改革工程表の中で、二〇二〇年度でPB黒字化を目指すんですが、名目三%の経済成長を見越した経済再生ケースでも、二〇二〇年にはまだマイナス六・五兆円のギャップとなっております。
 そこで、改革工程表に織り込まれたような歳出削減をどんどんやっていくことによってこの六・五兆円のギャップを埋めていくことだというふうに理解しておりますけれども、ここで、これは大岡政務官にお尋ねしますが、このPB黒字化に向けて六・五兆円のギャップを埋めるのがこの改革工程表の中身だ、こういう理解でよろしいでしょうか。
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大岡敏孝#7
○大岡大臣政務官 財務政務官の大岡でございます。山田議員にお答えを申し上げます。
 先ほど大臣から答弁ございましたとおり、平成二十七年度、今年度におけるプライマリーバランス赤字半減目標はほぼ達成しつつあるということでございますが、問題は、二〇二〇年にプライマリーバランス黒字化できるかどうかという御質問でございます。
 既にもう公開しておりますとおり、中長期の経済財政に関する試算ということで、経済再生ケースにおきましても、先ほど山田議員から御指摘のとおり、二〇二〇年度には六・五兆円のまだギャップが残っているということ。つまり、四年間ですので、一年間に一・五兆円ずつ詰めていかないとこのギャップが解消されないということでございます。
 あわせて、ベースラインケースで申し上げますと、まだ十二・四兆円のギャップ。これは、名目成長一・四%、実質〇・八%の成長の場合はマイナス十二・四兆円のギャップが残っている。つまり、四年間ですので、一年間に三兆円ずつこのギャップを詰めていかないといけないということでございまして、目安と言われております実質的な増加額を一・六兆円に抑えるということを進めてもまだこれだけのギャップがあるということでございますので、歳入歳出両面におきましてさらなる合理化、効率化等を進めまして、何としてもこの目標達成に向けて全力で努力をしていかなければならないというふうに認識をしております。
 以上でございます。
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山田賢司#8
○山田(賢)委員 ありがとうございます。
 今おっしゃられたように、仮にそうだとするならば、経済再生ケースであっても六・五兆円のギャップがあって、これを埋めるために歳出削減をしていくということだとすると、まずこれはそもそも、経済再生が名目三%の経済成長というものが前提になっているということですね。言うまでもなく、財政健全化のためには経済再生が不可欠になっているということでございます。
 これはどんどん詰めていかないといけないということもそのとおりなんですけれども、歳出をどんどん削減していくことで経済再生が滞ってしまう、これでは、やはり何をやっているかわからないと思います。
 今おっしゃられたように、改革工程表の中でも、歳出削減ということはある程度道筋が具体的に工程表という形で出ているんですけれども、経済再生の方、どうやって経済を活性化して税収を伸ばしていくんだ、こちらの方が、いろいろ一億総活躍社会とか賃金の引き上げの実現によって消費を喚起していくとか、こういった理念的なものは結構あって期待感はあるものの、なかなか具体的な道筋が見えてこないのではないかと考えております。
 麻生大臣は所信表明の中で「民需主導の好循環を」と述べられておられますが、まだまだ民間の需要が本格的に追いついてきていないというふうな認識をしております。
 こういう場合、先行して政府部門において積極的な財政出動を行うべきではないかと考えております。もちろん、税収増に結びつかないような費用性のものというのは極力抑制していかないといけないということは言うまでもありませんが、税収増につながるような、経済波及効果の高いインフラ投資、研究開発、こういったものにはむしろ積極的に財政出動を行って、ちょっとずつPB赤字を削減していくというのではなくて、仮に足元は多少ぐっとPB赤字がふえたとしても、五年後に向けて復活していくような、収入がふえていくような、こういった財政健全化の方策をとった方が、私は、財政出動をやった方が財政健全化には資するのではないか、このように考えますが、大臣のお考えをお伺いできますでしょうか。
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麻生太郎#9
○麻生国務大臣 これは山田先生御指摘のとおり、この安倍内閣においては、これまでの金融政策や成長戦略とあわせて累次の経済政策などを、機動的ないわゆる財政政策を進めてきたんだと思っておりますが、これによって結果として今は企業収益は過去最高ということになって、日本経済というものの民間ベースで見ました場合、これはファンダメンタルズとしては過去最高というところまでなってきていますので、極めてしっかりしているんだと思っています。
 こうした中で財政状況というものを踏まえると、財政出動に安易に頼り続けるというのは極めて問題なのでして、そういった意味では、やはり次なる課題というのは、三本の矢でいえば金融であり財政であり、今度は三本目の矢の民間ということで、ことしの正月の経済三団体のそれぞれの代表の発言というものは、これまで三年間政府にやってもらった、今度は民間の番だ、簡単に言えばこういう話を皆それぞれしておられますので、企業の収益というものが、今後、設備投資とか賃金とか配当とか、そういったところに回していかれるということになっていくんだ、私どもはそう期待をいたしております。
 また、政府としても、ちょっと自由主義経済下においてはいかがなものかとは思いましたけれども、企業に対してもう少し賃金とか賞与とかいうものについていろいろ働きかけをさせていただきましたし、官民対話とかコーポレートガバナンスを強化するとか、いろいろな話でやらせていただき、法人税の改革におきましても我々は取り組みを進めて後押しをしてきたんだと思っておりますが、ただ、そういったことをやってこれまで三年間は、やはり長いことインフレマインドというものが経営者の方もしみついていることもこれあり、ことしはそうだったけれども来年もそうかということに関しては、政府の安定感もないという時代が長く続いていましたので、そういった状況もあったのでなかなか信用を得ておられない、得られていないというところもあった。企業家のマインドとしてはわからぬことはないんですが。
 いずれにしても、私どもとしては、きちっとやり続けますということを申し上げて選挙を二回勝たせていただきましたので、そういった意味では今回も、予算編成に当たりましては、投資の促進とか生産性を上げるとか、そういったものの実現に対して、また、国際競争力の強化につながっていくような、そういった効率的なものに関しましては、ネットワークを整備しますとかいろいろな話で支援をさせていただきますとかいうような話で、政策効果の高いものに関して我々は主に重点的に予算を配分するなど、いろいろそれなりの配慮はいたしておりますけれども、これのバランスというものは、財政と民間のバランスというものは、これまでやはりGDPを上げていくということですから、それはもう個人消費と政府支出とそして民間の設備投資、この三つが主力ですから、その民間の消費が一番大きな部分なんですけれども、そこのところはいま一つ、まだ給料が上がるかどうかわからないのに財布が緩むわけがありませんからというふうないろいろなこともあろうと思いますので、ぜひそういったような気分として、景気の気の部分というものが極めて大きな要素を今後とも占めるとは思いますけれども、政府としての体制として、ただただ財政緊縮でいわゆる金融収縮を起こしてみたり財政収縮を起こして、結果としてGDPを縮小するというようなことにはならないという配慮はきちんとしておかねばならぬとそう思っております。
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山田賢司#10
○山田(賢)委員 ありがとうございます。
 それではちょっと話題をかえまして、今、日銀においてマイナス金利という政策がとられておるんですけれども、これについてなかなかまだどういうものか世の中の方は御理解が進んでいないのと、これはそもそも何のためにやっているのか、その狙いは何なのか、そして、その狙いどおりの効果が出ているのかということについて財務省の御見解をお聞きしたいんですが、これも大岡政務官、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。
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大岡敏孝#11
○大岡大臣政務官 お答え申し上げます。
 先日一月二十九日に、日銀におきましてマイナス金利つき量的・質的金融緩和が決定されたわけでございますが、これは、物価安定目標を確実に達成するために手当てされたものというふうに認識をしております。
 今回の決定は、まず量、量はマネタリーベース八十兆円、それから質、さまざまな資産の買い入れを行うというこの質に加えまして、今回マイナス金利を加えた三つの次元で追加的な金融緩和をすることによりましてこうした効果を出していこうという狙いで、そうしたことを内外の経済情勢につきまして丹念に分析をされた上で金融政策決定会合において決定されたものというふうに認識をしております。
 先ほど御質問のありました効果につきましては、日銀は、金利が、短期から長期まで貸出金利を含めて全体にわたって引き下げられるということによりまして、消費や投資にプラスにきくということが一点目。
 そして二点目として、資産のポートフォリオリバランスを促す。これはちょっと難しい言葉ですので、簡単に言うと、銀行が国債によって運用していたのを少し企業等の貸し出しあるいは投資に回してくれるんじゃないかということなんですけれども、それを促すことによって経済の拡大にプラスに影響するということを説明されております。
 日銀による今回の金融緩和策の効果につきましては、今後とも期待を持って見守ってまいりたいというふうに考えております。
 あわせて、今後とも、政府、日銀が一体となりまして、デフレ脱却を目指してしっかりと経済を成長させてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
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山田賢司#12
○山田(賢)委員 ありがとうございます。
 要するに、日銀が量的緩和をやったけれども、ほとんど日銀当座にお金がたまっていて世の中に回っていかないじゃないか。金利をマイナスにすることによって、日銀当座に預けていたら逆に金利を払わないといけなくなっちゃう。だったら市中に回した方がいい。そのために、マイナス金利にすることで、当座に置くより、貸し出しに回したり株式に投資なり、そういったものに使った方がいいんだろう。わかりやすく言うとこういうことだと思うんですが、なかなかその効果が本当に出ているのか。これは出ていないんじゃないかなと私なんかは思うんですけれども、これを評価するにはまだまだちょっと時期尚早なのかもしれません。
 だから、何が言いたいかというと、もう量的緩和だけではなくて、先ほどの話に関連しますけれども、積極的な財政出動、こういったことについてもぜひ御検討いただきたいと思っております。
 そしてもう一つ、法人税改革、法人税減税というのが一つの目玉となっておりますけれども、この主たる目的というのは、民間の設備投資の促進、そして賃金引き上げの実現を目指すためだというふうに言われておるんですけれども、この効果というのがどうも、考えてみると間接的なような気がいたします。
 法人税というのは、麻生大臣は経営者をやられていたから僕がこんなことを言うのもあれですけれども、売り上げがあって、経費や設備投資なんかを差っ引いた後の、残った税引き前利益に対して税金をかける分を軽くするということですから、これを軽くしても、どっちかというと、投資に回るというよりは内部留保の方に回るんじゃないかなというふうに考えております。
 もちろん、こういうことをやることによって、稼げる企業がより稼ごうというインセンティブが出ていく、そういったこともあるし、もちろん、安倍総理含め安倍内閣においては、経済界に対して賃上げを要請していっていただいている。このことも重要なんですが、ただ、最終利益をどう使うかというのは、民間企業ですから、結局は企業の自由になってくると思います。内部留保をため込むことがけしからぬとか批判するのはまたちょっと筋違いな話で、内部留保をため込もうがどう使おうが、これはもう民間企業の経営判断でございますから。
 むしろ、それを要請することも大事なんですが、使いたくなるような、内部留保をため込んでいるよりも吐き出したくなるような、先ほどの日銀でいうと、当座預金に置いているよりも外に出した方がいいな、こういうふうな税制に持っていくことが、実は賃金引き上げとかあるいは設備投資に向かっていくのではないかと考えますが、大臣のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
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麻生太郎#13
○麻生国務大臣 これは、山田先生おっしゃるように、いわゆる特定の政策目的というものを実現させようと思えば、いわゆる租税特別措置法のような方が有効な手段なんだということは、御指摘のとおりだと思います。
 個別の租特の性質というものを踏まえてその取り扱いを考えた方がわかりやすいと思いますので、例えば所得拡大促進税制というのがありますけれども、政労使会議の取り組みなどと相まって賃金の引き上げの動きにつながっているというのは、これはもう今この租特は効果があったと思いますし、引き続きこれをしっかり活用されることを期待をしております。
 また、設備投資の促進、租特としては生産性向上設備投資促進税制というものがありますけれども、これは、いわゆる企業に対して投資判断を前倒ししてくれということを促しているものでありますので、この方はいたずらに期限を延長してくれという話も来ていますけれども、それは政策効果が薄れてしまうということになろうと思いますので、二十八年度の税制改正において、期限を延ばすとかいうことはせず、予定どおり削減、廃止するという方向で明確にしたところであります。
 いずれにしても、こういったものは一般的にいろいろな話がありますけれども、要は、設備投資とか賃金の引き上げとか、そういったものに直接つながっていくようなものに傾斜するというか、主に配分するべきだということなのであって、ただただ二〇%の税制改正というのは、国際競争として二九・七四というのは、ドイツ、フランスというところにほぼ並びましたので、そういったところまでは来ていると思いますが、おっしゃるように、それによっていわゆる純益というものを何に使うかというのは、かかって経営者の判断ということになろうと思いますので、今言われたようなものの方がより効果があるのではないかという御指摘が正しいと思います。
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山田賢司#14
○山田(賢)委員 時間が参りましたので、これで質問を終わらせていただきます。
 本日はどうもありがとうございました。
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宮下一郎#15
○宮下委員長 次に、井林辰憲君。
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井林辰憲#16
○井林委員 自由民主党の井林辰憲でございます。
 本日は、財務金融委員会につきまして質問いただく機会をいただきまして、厚く御礼を申し上げたいというふうに思います。この委員会に配属されて一年たちましたけれども、初めての機会ということでございますので、先輩各位の御指導を賜れればというふうに思います。
 まず、法人税改革についてお伺いをしたいというふうに思います。
 我が国が直面をする最重要課題は、デフレ脱却と経済再生だ。特に安倍政権は、この三年間で、大胆な金融緩和、そして機動的な財政出動、そして民間投資を刺激する成長戦略という三本の矢を推進してまいりました。
 大臣の所信にもありましたように、企業の経常収益は過去最高になるとともに、雇用や所得環境も着実に改善をしつつあります。それが消費や投資の増加に結びつくという経済の好循環が生まれ始めており、政権の大きな功績として高く評価されるべきだと私も認識をしているところでございます。
 しかしながら、私の地元静岡県でございますけれども、地方にまでそうした多くの方々が本当に景気が回復したというような実感を持っているかというと、これはまだまだ道半ばではないかなというのが実感でございます。
 ですから、大臣の所信にもありましたように、引き続き、民需主導の好循環を確固たるものにして、そして、強い経済の実現に向けてこれまでの経済政策をより一層強化していくことが必要だと考えます。
 このような観点から、企業がさらなる投資拡大や賃上げに積極的に取り組むことを促すためにも、課税ベースを拡大しつつ、法人実効税率を引き下げるという成長志向の法人税改革は極めて重要な意義を持つものであり、またあわせて、租税特別措置を必要なものに限定していくことで税負担のゆがみを是正していくことも重要だと考えております。
 大臣は、昨年の七月二十四日の閣議後の記者会見で、法人税改革などさまざまなテーマが予想されているところでありますが、課税ベースの拡大に向けて租税特別措置をゼロベースで見直すなど、要望段階から主体的に取り組んでいただきたい旨、各大臣に伝えたとおっしゃっております。
 こうしたことを踏まえまして、財務省から、今般の法人税改革と租税特別措置の見直しについて、その内容と狙いをお聞かせください。
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坂井学#17
○坂井副大臣 法人税改革と租税特別措置の見直しについてということで御質問がございました。
 委員、ほとんど御理解をいただいているようではございますけれども、今般の法人税改革は、課税ベースを拡大しつつ、税率を下げるということによって、法人課税をより広く負担を分かち合う構造へと改革するものでありまして、この改革を進めることによって、課税ベースの拡大によって財源をしっかりと確保しながら、税率を下げて、目標としていた法人実効税率二〇%台というものを改革二年目にして実現をしようというものでございます。
 稼ぐ力のある企業等の税負担を軽減することで、企業が投資を拡大しよう、もしくは賃金を引き上げよう、こう考えていただき、それが経済の好循環の定着につながればということで考えております。
 また、租税特別措置につきましては、この特徴として、特定の政策目的を実現するための有効な政策手法となり得る一方で、一定の産業等に税負担のゆがみを生じさせるというような面もあることから、必要性、政策効果を見きわめた上で適切に見直していくべきものと考えております。
 先ほど大臣の答弁でもございましたが、今回の税制改正でも、生産性向上設備投資促進税制は期限どおり縮減、廃止をするということなどを決めましたけれども、今回、期限が到来する十七項目の全てにつきまして廃止または縮減を伴う見直しというものを行っておりまして、今後ともしっかり対応してまいりたいと考えております。
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井林辰憲#18
○井林委員 ありがとうございます。
 今回の法人税改革と租税特別措置ということで、景気回復に資するようにさらに進めていただきたいというふうにお願いを申し上げたいというふうに思います。
 景気回復による税収増が、大変多くなってきたという御説明があります。また、歳出改革の積み重ねも大変努力をいただいているところでございますけれども、依然として基礎的財政収支は赤字の状態が続いておりまして、国と地方を合わせた借金は一千兆円を超えるという厳しい状況であります。地元の方でも、国の将来について、この借金を見て大変心配をいただく声を数多くいただいているのが現状でございます。
 こういう状況を越えるために、まずは経済成長ということで、名目GDPが五百兆円を超えて、リーマン・ショック前の水準を回復いたしました。安倍政権発足後だけで見れば、名目GDPが約二十八兆円増加をしております。
 また、企業部門も大変な好決算を背景にして内部留保を大変積み上げておりまして、これは、二年前の二〇一四年末で三百五十四兆円という分厚さを実現しております。安倍政権、新政権が発足後、二年間ではございますが、こちらは五十兆円を積み上げているということでございます。
 GDPが二十八兆円伸びていて、内部留保が五十兆円、こういう状況を考えると、法人税減税に対して、財源なき減税ということはなかなか国民の皆様に御理解を得られないんじゃないか。そういう中でも、稼ぐ力を持った企業をさらに応援していくことはこれからも必要だと考えております。
 さらに、税と社会保障の一体改革では、消費税の増税ということをこれからお願いしていくということが法律に明記をされております。こちらも、少子高齢化を初めとして社会構造が大きく変化する中で、将来世代に負担を先送りしないためにも、税・社会保障の一体改革をきちんと実現することも極めて重要だと考えております。
 こうした、法人事業税の外形標準課税ですとか消費税といったような景気によって大きく税収が変動しない税については、安定的に税収が得られるという長所がございますけれども、こうしたような安定的な税収というものが今どれぐらい割合としてふえてきているのか。例えばということでございますけれども、消費税が税収に占める割合というのを少し時系列でお示しいただきたいと思います。
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坂井学#19
○坂井副大臣 消費税の創設以来の一般会計税収に占める割合ということでございますが、税収が平年度化した年度で見てまいりたいと思いますが、創設時三%におきましては、平成二年度の決算ベースで七・七%でございます。五%への引き上げ時につきましては、平成十年度の決算ベースで二〇・四%、そして八%への引き上げ時につきましては、平成二十七年度の補正予算のベースで三〇・三%となっております。
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井林辰憲#20
○井林委員 ありがとうございます。年々、消費税が国税に占める割合というのが非常に大きくなってきているということでございます。
 消費税は、当初は福祉のためということで導入をされ、また、近年では社会保障のためにということで多くの国民の皆様方に御説明を申し上げ、時には大変厳しい声をいただきながらも、御理解をいただいて進めてきたというのが実情ではないかというふうに考えております。こうした消費税、景気に左右されない安定財源として、これまた景気に左右されない安定的な支出である福祉ですとか社会保障の財源として大変適しているものだというふうに私も考えているところでございます。
 しかしながら、消費税だけではなくて、外形標準課税のような景気変動に左右されないような税の割合がこれだけふえてくると、景気の大きな変動を防ぐためにもともと財政が持っている機能として、ビルトインスタビライザーという機能が言われてございます。不景気のときには、税収が減る、そして民間部門の負担を減らしていく、そして景気が過熱局面に入ってくると、税収がふえて自然と景気の過熱を防いでいく、そういう機能を持っているということでございますけれども、景気に変動されない税収が多くなってくると、そのビルトインスタビライザーの機能が大変弱くなってくるのではないかというふうに考えてございます。
 こうしたことが収入の面から起きますので、今度は財政出動とか財政の支出の面でさまざまな工夫をしていかなければいけないというふうに考えてございますけれども、これからさらにこうした消費税ですとか外形標準課税というものをお願いしていかなければいけない局面で、柔軟な歳出面での対応の意義はこれまで以上に大きくなるというふうに考えてございますけれども、これは大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。
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麻生太郎#21
○麻生国務大臣 いわゆる税のビルトインスタビライザー、自動安定化装置というんですかね、制度というんですか、これに関して、その機能が小さくなったかどうかについてはちょっと一概には申し上げられないんですが、政府として、民間需要主導型の強い経済というものを実現させる方向に向けて、今、経済状況というものを踏まえて適切に対応をするということはしていかねばならぬというのは、井林先生おっしゃるとおりなんだと思います。
 政府として、経済再生と財政健全化の両立を図るという観点から、例えば、平成二十四年度の補正予算においては、景気の底割れ懸念というものがあの当時ありましたものですから、その対応策として五兆二千億の公債発行というのを追加発行させていただいて、十兆三千億の景気対策というか経済対策を実施させていただきました一方、平成二十七年度の補正予算においては、経済の下振れリスクというものを適切に回避させつつ、いわゆる二年連続で公債の減額というものを実施したりして、これまでのところ、税収の伸びもこれありで、適切な対応ができつつあるんだと思っております。
 いずれにしても、この経済状況というものを踏まえた上でいわゆる経済財政運営というのにいかに取り組んでいくかというのは極めて重要な課題だ、我々もそう認識いたしております。
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井林辰憲#22
○井林委員 ありがとうございます。
 景気の面で、これまで以上に財政の面が非常に重要になってくるという見解をいただいたというふうに認識をしてございます。
 デフレ脱却、経済再生の両立とともに実現をしなければいけないもう一つの大きな課題が、これは大臣が所信でも述べられておりますけれども、財政健全化でございます。アベノミクスの経済成長により税収も十五兆円増加をする一方で、歳出の伸びの抑制にも努めてきて、二〇一五年のプライマリーバランスの赤字半減目標、これは、もうすぐ年度末でございますけれども、達成をする見込みだというふうに伺っております。財政健全化は着実に進んでおります。
 その一方、先ほども申し上げましたように、まだまだ我が国の財政は深刻な状況でございまして、ここで手綱を緩めるわけにはいかないということで、日本銀行がマイナス金利を導入したことで、国債金利が初めてマイナスになる、ゼロ%を下回るといったような事態が起きてございます。
 財政健全化に向けた政府の取り組み姿勢が明示的、継続的に示されないと、マイナスになったとはいえ、日銀による国債購入が財政ファイナンスであるとみなされかねないということで、国債に対する信認が低下する可能性が生じるということに大変注意をしていただかなければいけない。
 そしてまた、先ほど大臣がおっしゃいましたように、支出の面でさまざま経済対策を補正予算で行ってきているということでございます。
 政治が経済に対する一層鋭い感覚を持ちながら財政運営をしていかなければいけないということでございます。
 きょう、ニュースでもよく流れていますけれども、株価も大変乱高下をしております。為替もなかなか今安定しているという状況ではないというふうに思います。こういう状況を眼前に見ながら、さらにしっかりした経済対策をやっていかなければいけない、財政も引き締めていかなければいけないという状況の中で、最後に、二〇二〇年、プライマリーバランスの黒字化に向けて、経済財政一体改革とその前提となるデフレ脱却、経済再生をさらに推進していく必要があるというふうに考えますけれども、大臣の決意をお伺いしたいと思います。
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麻生太郎#23
○麻生国務大臣 今御指摘がありましたように、二〇二〇年度の基礎的財政収支のバランスというものを、いわゆる黒字化に向けまして、今まずは経済の成長戦略というものを着実に実施することによって経済再生ケースを実現するということがまず第一なんですが、それでやりましても、内閣府の出しました中長期試算で示されております六・五兆円の赤字というものにつきましては、これは我々としては、経済・財政再生計画で示されております目安というものは出しておりますので、その改革工程表というものに基づいて歳出改革を実行していかねばならぬということだと思っています。
 加えて、五年先の話ですので、まずは二〇一八年度にその進捗状況というものをきちんと評価して、必要な場合には歳出歳入というもの双方にわたって追加的な対応を検討するということと既にいたしてその方向で動いております。
 いずれにしても、不退転の決意でこの二〇二〇年の目標というものをきちんと達成するということにしていくことによって、市場の信頼であり、また先ほど言われた財政ファイナンスに対するそしり等々、いろいろなものにきちっと対応できるという姿勢を示し続けるというのは国家の財政運営として極めて重要なことだ、我々もそう思って臨んでまいりたいと思っております。
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井林辰憲#24
○井林委員 ありがとうございました。
 大臣の所信について御質問をさせていただきました。
 財政健全化と両立をして、デフレ脱却、経済再生、ぜひとも実現ができるように、そして二〇二〇年のプライマリーバランスの黒字化を目指して、私も努力をしてまいりたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
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宮下一郎#25
○宮下委員長 次に、上田勇君。
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上田勇#26
○上田委員 おはようございます。公明党の上田勇でございます。
 限られた時間でありますので、早速質問に入らせていただきます。
 麻生大臣は所信の中で、デフレ不況から脱却しつつあると述べられて、そしてその根拠として、雇用また企業収益などの指標を取り上げられております。
 ただ、デフレ不況というからには、物価動向に対する認識というのも重要だというふうに考えておりますので、その点を伺いたいというふうに思います。
 我が国では、二〇〇〇年ごろから今日まで、ほとんどの期間を通じてデフレ状態が続いてきました。その間、消費や設備投資が減少して経済が縮小してきた。このデフレから脱却をしなければ経済の再生は実現できない。その意味で、安倍内閣も日銀も、デフレからの脱却を目標として政策を進めてまいりました。
 現在の物価動向をどのように見るかというのは、政策判断をする上での重要な要素であるというふうに考えております。
 直近の物価動向を見てみますと、生鮮食品を除く消費者物価上昇率、コアの上昇率は、二〇一四年では、消費税率引き上げの影響を除いたとしても、大体一%以上のところで推移をしてきました。しかし、原油価格の大幅な下落の影響もあって、直近ではゼロ近くの横ばいという状況になっております。生鮮食品、石油製品、そしてその他の特殊要因を除いたよくコアコアと言われている指数で見ると、今度は二〇一四年から一五年を通じてプラスで、大体一%前後というところになっております。
 これは後からわかる数字でありますけれども、デフレーターは、二〇一四年からプラスに転じて、直近では一・八%ということであります。
 消費者から見ると、生活実感というのから見ると、コアの数字というのが物価という認識に近いのかなと。一方で、企業から見ると、それぞれの業態にもよりますけれども、コアコアの認識に近いところもあるのかなというふうに思います。
 こうしたさまざまな指標がある中なんですけれども、大臣は、今後の政策判断をするに当たりまして、現状の物価動向はどういうふうに認識を持たれているのか、御見解を伺いたいというふうに思います。
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麻生太郎#27
○麻生国務大臣 アベノミクスと言われる経済政策、いわゆる三本の矢とかいうような、いろいろな表現がありますけれども、これによって、生鮮食品とかエネルギーを除いたいわゆる物価の基準が従来のマイナスからプラスに転じたということは確かだと思っておりますし、また、実質GDPの伸びが名目GDPの伸びを上回るとかいうようなものも、逆転現象とよく言われていましたけれども、これの解消もできたと思っておりますので、もはやデフレではないという状況をつくり出したことまでは間違いないと思っております。
 デフレでも景気のよかったときは戦前を見ますとあるわけで、デフレ不況になるところが問題なので、インフレでも好不況があるのと同じなんですが、そういった意味で、我々は、デフレ不況からの脱却まであと一歩というところまでは来ているんだと思っております。
 ただ、足元では、御存じのように、きょうのWTI、ウエスト・テキサス・インターミディエート、いわゆるニューヨークで取引されております石油の価格、ドバイの価格とかいろいろ石油価格があるんですが、WTIと言われるものでいきますと、二十七ドルとか八ドルまで下がってきております。
 おととしになりますか、一年前はほぼ百ドルを超えていましたので、それからいきますと、四分の一まで石油価格が下がってきているというのは、石油を輸入しております我々、石油生産国ではない我々にとりましては、経済に与える影響は極めていい影響を与えるわけですし、ドルが高くなって円が安くなって、本当でしたら石油の値段がもっとふえるはずが、下がった分で我々は助かっておるというので、貿易収支にも非常にいい影響を与えたんだと思います。
 消費者物価という点から見ますと、これはなかなかそっちの方にはプラスには作動しにくいという状況にありますので、先月閣議決定をいたしました政府の経済見通しでは、平成二十八年度の消費者物価、これはコアとかではなくて、いわゆる総合物価指数ですけれども、経済の好循環の進展によって需給が引き締まっていく中で、一・二%程度の上昇というものを見込んでおります。
 今後も、賃上げ等々の流れを受けると同時に、雇用とか所得の拡大というものが続いていくということで考えますと、経済の好循環ということに回すことによってデフレ不況からの脱却というものも確実なものになる、そういった方向で事は進みつつある。我々が考えていたより遅くなっているのは、極めて外的な要因が多いのであって、そのほかの意味においては、きちんとした対応がそれなりにでき上がりつつある、我々としてはそのように考えております。
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上田勇#28
○上田委員 今、答弁にもございましたけれども、いわゆる需給ギャップによるデフレというのは解消しつつあるんだけれども、石油製品というような特殊要因があって、まだなかなかこのデフレから脱却をするというところまでは至っていないというのが現状だというふうに思っております。
 もう一つ、先ほど大臣もお話をされておりましたけれども、やはり、消費者も企業もデフレマインドがしみついていて、今後も物価は下落を続けるんじゃないかという意識が潜在的には非常に強くて、ちょっと新聞にも出ていましたけれども、価格据え置きの呪縛みたいなものがあって、なかなかそこから抜け出せないという状況があるんじゃないかというふうに思います。
 また、デフレが何で悪いのか、どういう悪い影響があるのかという問題意識が企業あるいは消費者に広く共有できていないという部分があるんじゃないかというふうに思います。やはり、物価が緩やかに上がっていくことが日本経済にとっていいことであって、そして、結果的に、所得の増加を通じて、それは生活の向上にもつながっていくんだということを実感してもらうようにしなければならない。これからがそういう意味で、非常にここのところが重要なところだというふうに考えております。
 その意味からは、先ほどもお話がありましたけれども、政労使会議であるとか官民対話を通じて、働きかけるということと同時に広くコンセンサスをつくっていく、そういうコンセンサスをつくっていくということが重要なんだろうなというふうに思っておりますので、また引き続き政府においては取り組みをお願いしたいというふうに思っております。
 そこで、次に、所得税の給与所得控除の上限額の話について御質問させていただきたいというふうに思います。
 所得税の給与所得控除の上限額が、平成二十八年分から給与収入一千二百万円超について二百三十万円に、そして二十九年分からは給与収入一千万円超について二百二十万円に引き下げられるということが決まっております。給与が一千万円超のいわゆる高所得世帯の税負担がふえて、その分税収がふえるということであります。
 私は、この改正によって所得税の累進度が高まって、結果的には所得税の所得再分配効果が高まるというふうに考えております。以前からもこうした措置が必要であるということは私自身も提案をさせていただいておりましたけれども、二十六年度の税制改正でこれが盛り込まれたというわけでございます。
 こうした改正を行う目的、また、それによってどの程度の効果を期待されているのか、財務省の御見解を伺いたいというふうに思います。
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坂井学#29
○坂井副大臣 給与所得控除につきましてのお尋ねでございます。
 この改正につきましては、給与所得者の実際の勤務関係経費等に比べて、控除額の額が、ちょっと水準が過大ではないかという御指摘があったり、また、委員もお触れになりましたが、所得の再分配機能というような、この機能回復を図るという観点がございますが、これを踏まえたものでございまして、この改正によって八百十億円程度の増収を見込んでいるということでございます。
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