厚生労働委員会

2016-12-07 衆議院 全107発言

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会議録情報#0
平成二十八年十二月七日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 丹羽 秀樹君
   理事 後藤 茂之君 理事 田村 憲久君
   理事 高鳥 修一君 理事 とかしきなおみ君
   理事 三ッ林裕巳君 理事 井坂 信彦君
   理事 柚木 道義君 理事 桝屋 敬悟君
      あべ 俊子君    青山 周平君
      赤枝 恒雄君    秋葉 賢也君
      穴見 陽一君    江渡 聡徳君
      大隈 和英君    木原 誠二君
      木村 弥生君    小松  裕君
      白須賀貴樹君    新谷 正義君
      田中 英之君    田畑 裕明君
      高橋ひなこ君    谷川 とむ君
      豊田真由子君    中川 郁子君
      長尾  敬君    丹羽 雄哉君
      福山  守君    星野 剛士君
      堀内 詔子君    村井 英樹君
      山下 貴司君    阿部 知子君
      大西 健介君    岡本 充功君
      郡  和子君    田嶋  要君
      中島 克仁君    長妻  昭君
      初鹿 明博君    水戸 将史君
      伊佐 進一君    角田 秀穂君
      中野 洋昌君    高橋千鶴子君
      堀内 照文君    河野 正美君
    …………………………………
   参議院厚生労働委員長   羽生田 俊君
   参議院議員        そのだ修光君
   参議院議員        牧山ひろえ君
   参議院議員        山本 香苗君
   参議院議員        東   徹君
   厚生労働大臣       塩崎 恭久君
   厚生労働副大臣      橋本  岳君
   厚生労働大臣政務官    堀内 詔子君
   厚生労働大臣政務官    馬場 成志君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           瀧本  寛君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           松尾 泰樹君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  福島 靖正君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       吉田  学君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    堀江  裕君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  鈴木 康裕君
   厚生労働委員会専門員   中村  実君
    —————————————
委員の異動
十二月七日
 辞任         補欠選任
  田中 英之君     星野 剛士君
  高橋ひなこ君     青山 周平君
  村井 英樹君     穴見 陽一君
  阿部 知子君     田嶋  要君
同日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     高橋ひなこ君
  穴見 陽一君     村井 英樹君
  星野 剛士君     田中 英之君
  田嶋  要君     阿部 知子君
    —————————————
十二月六日
 がん対策基本法の一部を改正する法律案(参議院提出、参法第五〇号)
 民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律案(参議院提出、参法第五三号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 がん対策基本法の一部を改正する法律案(参議院提出、参法第五〇号)
 民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律案(参議院提出、参法第五三号)
 厚生労働関係の基本施策に関する件
     ————◇—————
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丹羽秀樹#1
○丹羽委員長 これより会議を開きます。
 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、政府参考人として文部科学省大臣官房審議官瀧本寛君、大臣官房審議官松尾泰樹君、厚生労働省健康局長福島靖正君、雇用均等・児童家庭局長吉田学君、社会・援護局障害保健福祉部長堀江裕君、保険局長鈴木康裕君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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丹羽秀樹#2
○丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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丹羽秀樹#3
○丹羽委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀内照文君。
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堀内照文#4
○堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文です。
 きょうは、がん対策にかかわって、最初に幾つか質問させていただきたいと思います。
 きょう、ようやくこの後議題となりますがん対策基本法改正案では、がん患者の尊厳を保持し、安心して暮らせる社会の構築を基本理念に書き込み、予防と検診の推進、患者と家族の療養生活の質の向上、研究の推進、就労、雇用と学習への支援などが盛り込まれています。私の事務所の部屋にも患者団体の皆さんから、何としても成立をということで連日たくさんファクスが届けられておりまして、まさに患者、家族の皆さんの願いに沿ったものとして、ぜひ成立させていきたいと思っております。
 同時に、このがん対策というのはまだおくれもあるし、課題もあると思っております。二〇一二年に閣議決定されたがん対策推進基本計画では、「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」というのが全体目標に加えられ、その中で、社会的な問題についての施策として、「がん患者も含めた患者の長期的な経済負担の軽減策については、引き続き検討を進める。」とされております。しかし、なかなか検討された形跡というのがありません。
 こうした経済的な負担という点では、全日本民主医療機関連合会、民医連が全国六百四十六事業所を対象に、経済的理由から受診がおくれ死亡した事例の調査を継続して行っております。二〇一五年も三十二都道府県で六十三事例があったといいます。
 資料でその一端を入れておきました。リーマン・ショックのあった二〇〇八年の後、二〇〇九年以降で急増しております。保険料が払えなくて、無保険や短期証、資格証明書しかなく、手おくれになった例がふえたまま高どまりしている一方で、正規の保険証を持っていても手おくれになっている事例が急増したまま減らない傾向になっています。そして、これは資料の二枚目につけておきましたが、死亡原因の六割ががんによるものだとなっています。
 大臣に最初にお伺いしたいと思います。こうした現状について、さきに挙げた基本計画でも、経済負担の軽減について検討するとうたっているんですが、その後どう対応されてきたでしょうか。
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塩崎恭久#5
○塩崎国務大臣 がん患者の皆さん方の経済的な負担についてのお尋ねでございますけれども、がん患者のうちで二・七%が経済的理由でがん治療を変更または断念したことがあると報告をされているのが、がん対策推進基本計画中間評価報告書にございますが、一方で、二七%のがん患者が治療中の悩みとして治療にかかる費用のことを挙げておられます。がん患者の経済的負担というのは重要な問題だというふうに思っております。
 がん治療も含めた治療にかかる経済負担に対する制度としては、医療費の自己負担額を抑える高額療養費制度、それから被用者保険の加入者が病気で休業している期間に一定の収入を保障する傷病手当金、さらには障害年金などの制度がございます。
 こうした制度について知らないという患者さんがおられるわけでありまして、がん診療連携拠点病院などに設置をされました四百二十七カ所の相談支援センターにおいて、これらの制度について周知をしているわけでございますけれども、これまた、相談支援センターそのものを利用している方は、拠点病院のがん患者のうちの約七・七%にとどまっているということもあります。相談支援センターの役割について広く周知を図っていくこと、これもまた必要だというふうに思っているわけであります。
 こういうような現状を踏まえて、現在、第三期がん対策推進基本計画の策定に向けて議論を行っておりますので、がん患者の経済負担という課題について引き続き検討してまいりたいというふうに思っております。
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堀内照文#6
○堀内(照)委員 今示していただきましたように、治療中断という例がやはり相当あるということですし、その支援センターの周知という点でも課題があるということでありました。
 特に長期的な経済負担の軽減ということが、特にがん患者の場合は療養が長くなる、ですので、さきに示しました民医連の調査の場合はアクセスできないという問題があったわけですけれども、アクセスしたとしても、なかなかやはりそういう課題があるということだと思うんです。
 高額療養費のことがありました。後でも触れますけれども、七十歳未満の高額療養費はむしろ上限を引き上げられてきたわけでありまして、これはやはり対策に逆行するんだと私は思うわけであります。
 民医連の調査の中で、こういう事例がありました。スナック経営をされている女性が、七十歳代になって、結局、末期で受診されて手おくれだったんですが、よく聞きますと、三十代後半で子宮がんにかかって放射線治療も受けていたんだ、ところが、やはりバブルも崩壊して経営も傾くという中で、治療を中断して、調子の悪いときには市販薬でごまかしていたと。そういう実態がやはりあると思うんです。
 今も言いましたが、本当に療養が長期になって、働いていても療養のための諸費用というのは、これは交通費や装具費、差額ベッド代、それから、未承認薬なんかを利用すればさらに重い負担になるということであります。そういう実態をさらにしっかりつかむ必要があるんじゃないかと思っています。
 今調査の一端を示していただきましたけれども、この十月二十六日に行われたがん対策推進協議会の資料の中に、都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会議長から、がん対策推進協議会長宛てに文書が出されています。「がん相談支援センターからみたがん対策上の課題と必要と考えられる対応についてのご報告」ということでありまして、今ありましたがん相談支援センターでアンケートをとっている。七百四十六件中、三十五件でやはり経済的支援制度の限界ということが指摘をされ、高額医療費がかかるために治療中断がある、そういう言及が多いと報告されています。
 この文書では、調査対象とならなかった人、つまり非拠点病院において治療を受けている人、また、回答しなかった人の状況もあわせて把握をし、その結果を踏まえた対応方針を検討する必要があると。改めてこの時点でそういう把握が必要だということが提言されているわけですが、そういう踏み込んだ実態調査、必要じゃないでしょうか。
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塩崎恭久#7
○塩崎国務大臣 先ほど申し上げたように、今、第三期の計画の議論をしているわけでありまして、先ほど申し上げたような経済的な負担ということが患者の皆さん方にも一定程度やはり大事な問題としてあるということもわかっているわけでありますから、これらについてどういう実態なのかということがさらにわかるようにしていくことが大事だというふうに思っておりますので、今御提案をいただいたようなことも含めて、何ができるか考えていきたいというふうに思います。
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堀内照文#8
○堀内(照)委員 ぜひ進めていただきたいと思うんです。
 治療費の負担軽減という点で、今もございました高額療養費制度なんですが、現行でやはりなお負担が重く、十分治療が受けられないという現状があると思うんです。にもかかわらず、今度、社保審の医療保険部会では、世代間の負担の公平としまして、七十歳以上の高齢者の高額療養費の負担限度額を現役並みに引き上げようとしております。
 大臣にこれを伺いたいんですが、世代間の公平というなら、必要なことは、現役世代の負担を高齢者世帯並みに引き下げて経済的負担をさらに軽減することで、全てのがん患者が必要な医療を受けられるようにする、このことじゃないでしょうか。
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塩崎恭久#9
○塩崎国務大臣 今、改革工程表に基づいて、七十歳以上の高額療養費制度の見直しが議論をされているわけであります。
 医療費の増加が続く中で、社会保障制度の持続可能性を高める、そして同時に、世代間、世代内の公平性を図って負担能力に応じた負担を求める観点から行っているということでございまして、保険料、そして税、さらに自己負担、この三つの中の組み合わせでどういうふうによりよい医療を提供できるようにするかということが絶えず課題になっているわけで、さまざまな制約の中で道を切り開いていかなきゃいけないというふうに思います。
 十一月三十日の医療保険部会では、こうした観点から、低所得者の方への配慮は残しつつ高齢者の負担を見直す案をお示しして御議論をいただいておりますが、引き続き、関係者の御意見をよくお聞きしながら、年末に向けて具体的な見直し内容を検討していきたいと思っております。
 なお、現役世代の高額療養費制度については、平成二十七年一月に所得区分をきめ細かくする見直しを既に行っております。したがって、今般、現役世代に関して見直しを行うという必要性は低いと考えているところでございます。
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堀内照文#10
○堀内(照)委員 低所得者への配慮ということですが、提案の中には、非課税世帯にも外来負担の上限引き上げの提案があるわけであります。
 応分の負担ということですが、一般世帯で区分されている層は、年収三百七十万未満で住民税を払っている層であります。これは東京二十三区で単身の方であれば、年金収入年間百五十五万円、それぐらいの収入で、つまり月十三万円程度で、そこからいろいろな支払いなどがあるわけで、生活費は数万円になるわけですね。それらの人に上限五万七千六百円ということでありますので、本当に負担は応分どころか重い。これで本当によりよい医療が提供できるんだろうかと私は思うわけであります。
 民医連の調査でも、経済的理由による手おくれの死亡事例のうち、三割近くが七十歳以上になっております。現役世代の負担をさらに引き下げるのは当然必要だと思いますし、今計画されている負担の引き上げというのはやるべきじゃないと思うんです。
 医療保険部会で検討されている負担増はこれだけじゃありません。後期高齢者医療保険の軽減特例の見直し、医療療養型病床での光熱水費負担の見直しなど、まさに負担増のオンパレードであります。こんなことをしたら、ますます受診抑制が広がって、手おくれの方や治療中断に追い込まれる方が激増しかねないと思います。
 大臣、さらにちょっと伺いたいんです。こういう負担増計画はやはりやめるべきだ、重ねて伺いたいと思います。
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塩崎恭久#11
○塩崎国務大臣 負担によって受診抑制がなされるのではないかという問題点、指摘があることはよくわかっておりまして、結果として医療費がかかるようなことも私たちは避けなきゃいけないということでありますが、いずれにいたしましても、今検討中でございますので、この検討をしっかりと深めていくということだろうというふうに思います。
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堀内照文#12
○堀内(照)委員 大臣が言われたように、結果として医療費が膨らむということになるわけですから、アクセスしやすい、治療中断のないように負担軽減をぜひやるべきだ。年金の審議のときに医療も介護もあるんだと言っていましたけれども、医療も介護も負担増ということでますます厳しくなりますので、ぜひ、こういう負担増はやめるべきだと重ねて申し上げておきたいと思います。
 関連して、患者申し出療養について伺いたいと思います。
 先日、この制度の一例目として、あるがん治療が承認をされました。この制度については、厚労省は、困難な病気と闘う患者の思いに応えるために、先進医療に次いで、患者の申し出を起点として、安全性、有効性を確認しつつ、身近な医療機関で迅速に受けられるようにするものだと説明してきました。
 しかし、患者らの願いというのは、安全で有効性が認められた治療を早く保険収載して、経済的な不安なく治療が続けられるようにしてほしいというものだと思います。承認されるに当たって評価会議で議論されているわけですが、それを私、見ておりまして、本当に患者の願いに添うのかという懸念を持っております。
 その一つが、やはり費用負担なんです。
 二〇一六年度の報酬改定疑義解釈によれば、プロトコールの作成やモニタリングの費用などの事務費や人件費について、文書により同意できれば患者に負担を請求できるとされています。評価会議でもこれは議論になりまして、外注するなどすればモニタリングだけでも数百万、二千万という数字も飛び出しています。
 評価会議で、厚労省側は、請求できるのは、社会的に見て妥当、適切な範囲、こう言っているんですけれども、これは一体どれぐらいの額になるんでしょうか。
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鈴木康裕#13
○鈴木政府参考人 患者申し出療養の患者負担についてお尋ねがございました。
 今御指摘がございましたように、保険外部分の費用については、医療保険の給付は行われずに、患者と医療機関の合意により決定されるということでございます。
 プロトコールと言われる研究計画の作成ですとか研究データのモニタリング、管理、こういうものについての運営費用については、今御指摘いただきましたように、中央社会保険医療協議会、中医協において、現に必要であるかどうか、それから社会的に見て妥当であるかどうかという観点から審査をしております。
 技術の内容によってこの額が異なるために、一概にお答えすることはなかなか難しいということでございますけれども、事前に具体的な費用の計画を提出させてその妥当性を審議することとしておりますので、適切な患者負担になるように努めてまいりたいというふうに思っております。
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堀内照文#14
○堀内(照)委員 これは本当に、金の切れ目が命の切れ目ということになってはならないと思うんです。
 この費用負担、患者に求めることができなければ医療機関がかぶるということにもなるわけで、ここにはやはり何らかの対策、検討が必要だと私は申し上げておきたいと思うんです。
 同時に、安全性、有効性が確認された治療は、やはり早く保険収載に結びつけて経済的な負担を軽減するということは本当に求められていると思います。この点で、この患者申し出療養制度によってきちんと保険収載に向かうのかということももう一つの懸念であります。
 一例目になったのは、腹膜播種陽性の胃がんへの抗がん剤治療で、もともと先進医療で行われてきました。適格基準外の患者からの申し出で、適格基準を七項目緩和して、百例実施する計画であります。
 先進医療で適格基準を設けて、有効性を確認し、エビデンスを積み上げてきたわけで、今、未承認薬迅速実用化スキームに乗り、薬事承認に向けて進んでいると伺いました。
 そこへ、基準を緩めた患者申し出療養が始まるわけであります。そのことによって条件が変わってしまい、積み上げたエビデンスとは違う傾向、有効性にマイナスな結果が出ることもあり得る。しかし、この制度の趣旨は、基準を緩和して患者の申し出に応えるということがやはり望ましいということであります。
 また、先進医療では対照群を設けて比較をする、そういう中でエビデンスを積み上げてきましたが、患者申し出療養ではそのような対照群はつくれません。
 保険収載のためというこの制度でありますが、そのためのエビデンスを得るということは非常に難しいんじゃないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
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塩崎恭久#15
○塩崎国務大臣 これは、先進医療もそうでございますけれども、患者申し出療養についても、将来の保険収載に向けて、医療機関に実施計画の作成を求めて、患者申出療養評価会議において、安全性、有効性等を確認するとともに、実施状況等の報告を求めるということをやっているわけでございます。
 患者申し出療養の一例目のお話がございましたけれども、その技術につきましては、この技術を必要とする患者の申請に基づいて、患者申出療養評価会議における安全性、有効性等についての検討をしていただいて、審議された結果、既に実施されている先進医療の対象患者の基準を一部広げて実施することとされたものだというふうに理解をしております。
 困難な病気と闘う患者からの要請に応えつつも、既に実施をされている先進医療等の実績も含めて、保険収載に必要なデータ、エビデンスを集積いたしまして、安全性、有効性等の確認を経た上で、将来的な保険適用について検討していきたいというふうに考えております。
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堀内照文#16
○堀内(照)委員 緩和した基準の一つに、前化学療法に関する規定を削除、つまり、以前に化学療法を受けていれば、当該治療の有効性を確認するのに障害になるために、これまでは排除していた。しかし、今回は、適用するに当たって、この規定を削除して、以前に化学療法を受けていても構わないということになったわけであります。これで有効なエビデンスが得られるんだろうかと思っております。
 法案審議のときには、保険収載に近づけるためだと、今も大臣からありました。しかし、今回の一例目を通してはっきりしたと思うのは、適格基準外の患者を受け入れようとすれば、治療の有効性の確認が難しくなる。これは、制度のあり方から来る原理的な問題だと私は思うんです。この制度の枠組みでは、結局、保険収載できずに保険外診療にとどまり、高い医療費に加え、事務費の負担までさせられる、これが続きかねないと思うんです。混合診療の拡大ではなくて、先進医療も含めた保険外併用制度の全体のあり方を見直して、安全で有効性が認められた治療を速やかに保険収載する、患者の願いのためになるような制度と運用が必要だと指摘をしておきたいと思います。
 ちょっともう時間がなくなりましたので、最後に、簡潔に聞きたいと思います。自治体が取り組んでいる子供医療費助成の国保の減額調整の見直しについて、これも医療保険部会で方向性が示されました。資料の三ページ、四ページにつけておきました。
 二案示されていますが、いずれも未就学児までで、見直しによって生じた財源は助成の拡大には使うなと対象と財源の使い道まで縛って、さらに案の二では、一部負担金や所得制限を設けている場合に限定すると。これはとんでもないと思うんです。これでは、完全無料化をしている自治体に対して、減額調整をやめてほしければ一部負担金や所得制限を設けよと国が誘導しているようなものじゃありませんか。
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塩崎恭久#17
○塩崎国務大臣 この仕組みについては、もう御案内のとおりであって、増加した医療費分、公費負担を減額調整しているということでありますが、一方で、子供医療費助成に係る国保の減額調整措置については、ことしの六月二日に閣議決定されたニッポン一億総活躍プランにおいて、子どもの医療制度の在り方等に関する検討会の取りまとめを踏まえて、見直しを含め検討し、年末までに結論を得ることとされておりまして、今議論が進んでいます。
 医療保険部会、子育て支援の充実等に努めている自治体の理解を得る観点から、一部負担や所得制限を条件とするべきではないという意見があった一方で、コスト意識を持つため自己負担を残すべき、それから、応能負担の観点から所得制限をすべしというような意見もあったわけであります。
 先日の十一月三十日の部会では、これらの議論や現在の各自治体の取り組み状況を踏まえて、見直し対象は未就学児までとし、特段の条件を付さないという案の一、そしてまた、見直し対象は未就学児までとし、何らかの一部負担金や所得制限を設けている場合に限定をするという案の二という二つの案を示しておりました。
 今後、医療保険部会における議論も踏まえながら、ニッポン一億総活躍プランに記載されたとおり検討を進めて、年末までに結論を得ることとしたいと思います。
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堀内照文#18
○堀内(照)委員 全国の自治体から寄せられているのは、国の制度として無料化してほしいというものであります。特に案二では、子育て支援逆行でありますので、せめて減額調整ぐらいは早急に全廃、撤廃すべきだということを求めて、質問を終わります。
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丹羽秀樹#19
○丹羽委員長 次に、田嶋要君。
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田嶋要#20
○田嶋(要)委員 民進党の田嶋要でございます。
 きょうは、厚生労働委員会、このような機会をいただきまして、委員各位の皆様に心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。
 昨年の十二月に民進党の中でのワーキングチームの座長にさせていただきまして、特別養子縁組に関する取り組みをスタートさせました。本当に感無量でございます。ちょうど一年たった今、きょう午後に、この法案の審議、採決というふうに伺ってございますが、塩崎大臣におかれては、ことしの二月二十五日の分科会で一度御質問させていただき、私と同じか、それ以上にこの問題に思いを持っていただいている、そういう熱い御答弁をいただいたということをありがたく思っております。
 改めまして、きょう、総括的な意味も含めて、それから、これからの発展を願って幾つか確認の質問をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 まず、政府参考人からで結構でございますが、児童虐待がずっとふえ続けておるわけでございますが、児童の、子供の命が最も多く失われているのは、今のデータでは生後どれぐらいの子供たちかということを確認させていただきます。
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吉田学#21
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 児童虐待による死亡事例につきましては、厚生労働省において自治体と協力して調査を行いまして、有識者の専門委員会で検証を実施しております。
 まず直近、二十六年度の子供の虐待死は七十一人になってございます。このうち、心中以外の虐待死の四十四人を見ますと、死亡時点の子供の年齢ではゼロ歳児が二十七人と最も多く、特に生後二十四時間に満たない死亡と考えられますゼロ日児死亡が十五人、これは今申しましたゼロ歳児の五五・六%、心中以外の虐待死四十四人の三四・一%と最も多い状況でございます。
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田嶋要#22
○田嶋(要)委員 今のデータからもわかるように、やはり、命を授かった、その赤ちゃんが生まれたそのときに多くの命が失われている、こういう事態が今でも続いておるわけでございますが、私も訪問し、そして私より先に大臣が訪ねられた愛知県の愛知方式は、まさにそうした社会の矛盾というか問題に取り組むために、三十年以上前から、生まれたばかりの赤ちゃんを特別養子縁組につなげていく、そういう取り組みをされておるわけでございます。
 もちろん、愛知方式だけが全てではございませんけれども、前回の二月の大臣の御答弁の中でも、ゼロ歳から二歳のそうした子供たちの愛着障害の問題も含めて、やはり一番大事だということを大臣も強く御認識されております。こうした命が失われるケースを防ぐためにも、今回のこの特別養子縁組が一日も早く広く認知をされて、愛知県のみならず、全国で広く推進できていきますように、強く期待を申し上げたいと思います。
 次の質問をさせていただきます。
 今回、与野党でいろいろ話し合わせていただきまして、きょうの日に至ったわけでございますが、事件なども起きております。私の千葉県で起きた事件もございまして、人身売買みたいなことが起きかねない、だからこそ、今回、許可制度という形にして、しかし、そういったところにはしっかり支援をしていくという枠組みができることになるわけでございますが、児童相談所に持ちかけられるケース、それから民間、現在ですと二十二団体ございますが、そうした団体に持ちかけられるケース、どちらにおいてもやはり大事なことは、その子供たちの命を守って幸せな家庭に入れるように、少しでも多くのマッチングの可能性をふやしていくということが何より大事であるというふうに思っております。
 そのためには、情報共有ということは、民間の方に入ってきたそういう子供のケースのみならず、児童相談所、もう既に児童福祉法は改正されましたけれども、児童相談所の方に入ってきたケースも同様に情報共有を行っていく、そして、日本全体でマッチングの確率が高まっていくように、言ってみれば左右対象に、そういう取り組みがこれから強化されるというふうに期待をしていいのかどうか、その点に関して確認で質問させていただきます。
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塩崎恭久#23
○塩崎国務大臣 まず第一に、今回、議員立法、これは自民党では野田聖子代議士、そして公明党の遠山代議士など、そしてまた、先生にあっては民進党でお取りまとめをいただいてまいりまして、改めて、私からも敬意を、そしてまた感謝申し上げたいと思います。
 今、養子縁組を推進するに当たって、当事者の意向等を踏まえて、必要に応じて児童相談所と民間のあっせん機関が連携をしながら、家庭における養育が困難な子供さんに関する情報を共有するということは重要なことだというふうに思っております。
 このため、さきの通常国会で成立をいたしました改正児童福祉法、ここにおきまして、養子縁組に関する相談、支援を初めて児童相談所の業務に位置づけたわけでありまして、このことを踏まえて、今後、児童相談所と民間のあっせん機関の連携をしっかりと確保していきたいというふうに思います。
 現在、議員立法として提出されているこの養子縁組あっせんに関する法案が成立した暁には、法案の趣旨も踏まえて、児童相談所による養子縁組のあっせんに当たっても、必要に応じて、やはり子供やあるいはその養親候補者に関する情報を民間のあっせん機関と共有するなど、さらなる連携を図りながら、養子縁組の一層の推進に努めてまいらなければいけないというふうに思っております。
 なかなか、特別養子縁組は、まだまだなじみが日本は低い。他のイギリスなどと比べても圧倒的にまだ少ないというか、人口はこちらの半分しかないのに、こちらの多分十倍ぐらい養子縁組がイギリスで行われているというようなこともあります。そういうことを考えてみれば、やはり官民挙げて、連携しながらしっかりと対応していかなきゃいけないというふうに思います。
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田嶋要#24
○田嶋(要)委員 大臣も前回も引用されました愛知県や熊本のようなケースはむしろ例外で、やはり官である児童相談所と民間のそうした団体の情報共有とか連携は必ずしも進んでいないというふうに私は感じますし、敷居が高いとか、余り近づきたくないとか、やはり役所には役所特有のイメージもございまして、そういったことから、役所にせっかく情報が入ってきても、それがそこにとどまってしまっては、やはりその子供が幸せな家庭につながる確率が下がってしまいますので、そこは今回、民間の方にかかわる法案が提出されておるわけでございますけれども、やはり児童相談所のそうしたオープンな姿勢というのも、ぜひこれから強化をしていただきたいというふうにお願い申し上げます。
 次の質問ですが、さまざま、出産後に経済的な問題等を抱えそうな、いわゆる特定妊婦などの支援でございますけれども、そうしたケースの方々と直接の接点のある現場ということでは産科のお医者様方だというふうに思いますが、こうした新たな制度というか、既に存在はするわけでございますけれども、この制度の周知をしていくということが、やはり何より大事だと思います。もう国も本気になってやっていくんだぞということでございますけれども、その周知の取り組みに関しましての見解をいただきたいと思います。
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塩崎恭久#25
○塩崎国務大臣 特別養子縁組制度というのは、子供の健全な育成を図る仕組みであることはもう言うまでもないわけでありますけれども、子供の最善の利益となると認められる場合には、特定妊婦の方などに対して積極的に支援を行うことが重要だというふうに思います。御指摘のとおりだと思います。
 産科医療機関につきましては、特定妊婦の方などがまず接点を持つことになるわけでありますので、この特別養子縁組制度の趣旨とか、あるいは中絶以外の選択肢がちゃんとあるんだということを、この産科医療機関にまず十分理解をしていただく、そして、産科医療機関が、必要に応じて、養子縁組に関する相談支援を行う児童相談所を紹介できるようにすることも重要だというふうに思っております。
 また、患者の個別の状況に応じて、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行うために、今つくりつつあります子育て世代包括支援センター、これにつないでいくことも重要ではないかというふうに思っておりまして、現在策定中でございますこの子育て世代包括支援センターのガイドライン、これらの中で、こうした医療機関と行政機関との連携を明確にし、産科医療機関や都道府県等に周知を徹底していかなければならないというふうに思っております。
 さらに、これとあわせて、妊婦健診を受けに来られた方に対して、気兼ねなく匿名で電話相談を受けられる体制を都道府県等において整備する、そして同時に、その相談窓口の周知に今取り組みつつあるところでございます。
 こうした取り組みを通じて、産科医療の現場で、特別養子縁組制度に関する周知が行われるように努めてまいりたいと考えております。
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田嶋要#26
○田嶋(要)委員 児童相談所によっては……。大丈夫ですか、何か間違えましたか。
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塩崎恭久#27
○塩崎国務大臣 先ほど、妊婦健診を受けに来られた方と申し上げましたが、来られない方に対してはということで、訂正させていただきたいと思います。
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田嶋要#28
○田嶋(要)委員 児童相談所によっては、妊娠している女性が相談に来ると、産んでからもう一回相談に来てくださいというふうに追い返すところもあるという話はよく聞きます。先ほど、ゼロ歳、ゼロ日で命を落とす赤ちゃんが多いということを見ても、それでは遅いわけでありまして、そうしたケースをゼロにするためには、いわゆる予期せぬ妊娠をした方々が安心して相談できる現場というのがやはり充実されなければいけないし、そして、産科の先生方がこういった制度的枠組みの存在をしっかり認識する必要もあろうかと思います。
 今大臣に御答弁いただきましたが、特に、例えばリーフレットを用意するとか、それからもう一つは、お忙しい産科の先生方がワンストップで連絡をとれる行政の窓口、ここにとにかく駆け込めば、電話一本で、その後はきっちりそうした妊婦さんの方のフォローをしていただける、そういうような簡易な枠組みの希望が非常に強いわけでございますが、こうした具体的な話はまだ検討されていないかもしれませんが、何か大臣、前向きな御答弁いただけますか。こういったものを、しっかりと全国で用意していただきたいというふうに思っております。
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塩崎恭久#29
○塩崎国務大臣 熊本の慈恵病院のように、医療機関そのものが熱心に特別養子縁組に取り組んでいるというところもございます。日本医師会も、産婦人科の先生方の中で、この特別養子縁組ということについて、特に日本では、今先生御指摘のように、生まれてから来てくださいみたいなことを言うところがありますが、アメリカなどでは、おなかの中に子供さんがいるときに、もう行き先が決まっているというようなことがあるんだということは、私は日本医師会の産婦人科の先生からお聞きをいたしました。そういう認識でもって対応しているということでありますから、医療機関ともしっかりと連携をし、産婦人科の待合室にポスターを張るぐらいのことをやることが私は大事ではないかということを内部でも話をしております。
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