文部科学委員会

2018-05-16 衆議院 全180発言

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会議録情報#0
平成三十年五月十六日(水曜日)
    午後一時一分開議
 出席委員
   委員長 冨岡  勉君
   理事 安藤  裕君 理事 神山 佐市君
   理事 亀岡 偉民君 理事 工藤 彰三君
   理事 鈴木 淳司君 理事 川内 博史君
   理事 城井  崇君 理事 浮島 智子君
      池田 佳隆君    石川 昭政君
      石崎  徹君    上杉謙太郎君
      尾身 朝子君    大岡 敏孝君
      大見  正君    金子 俊平君
      金子万寿夫君    木村 弥生君
      小林 茂樹君    斎藤 洋明君
      櫻田 義孝君    下村 博文君
      田野瀬太道君    高木  啓君
      冨樫 博之君    根本 幸典君
      馳   浩君    船田  元君
      船橋 利実君    古田 圭一君
      星野 剛士君    松本 剛明君
      宮内 秀樹君    宮路 拓馬君
      八木 哲也君    櫻井  周君
      日吉 雄太君    山本和嘉子君
      西岡 秀子君    平野 博文君
      中野 洋昌君    鰐淵 洋子君
      金子 恵美君    畑野 君枝君
      串田 誠一君    吉川  元君
      笠  浩史君
    …………………………………
   文部科学大臣       林  芳正君
   文部科学副大臣      丹羽 秀樹君
   政府参考人
   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        村上 敬亮君
   政府参考人
   (文部科学省生涯学習政策局長)          常盤  豊君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          高橋 道和君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            義本 博司君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局私学部長)         村田 善則君
   政府参考人
   (スポーツ庁次長)    今里  讓君
   政府参考人
   (文化庁次長)      中岡  司君
   文部科学委員会専門員   鈴木 宏幸君
    —————————————
委員の異動
五月十六日
 辞任         補欠選任
  上杉謙太郎君     金子 俊平君
  宮内 秀樹君     金子万寿夫君
  宮川 典子君     石崎  徹君
  宮路 拓馬君     木村 弥生君
  八木 哲也君     冨樫 博之君
同日
 辞任         補欠選任
  石崎  徹君     斎藤 洋明君
  金子 俊平君     上杉謙太郎君
  金子万寿夫君     大岡 敏孝君
  木村 弥生君     宮路 拓馬君
  冨樫 博之君     八木 哲也君
同日
 辞任         補欠選任
  大岡 敏孝君     星野 剛士君
  斎藤 洋明君     船橋 利実君
同日
 辞任         補欠選任
  船橋 利実君     宮川 典子君
  星野 剛士君     宮内 秀樹君
    —————————————
五月十五日
 文部科学省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出第二六号)
同日
 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(伊藤渉君紹介)(第一〇九四号)
 同(大見正君紹介)(第一〇九五号)
 同(近藤昭一君紹介)(第一〇九六号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一〇九七号)
 同(八木哲也君紹介)(第一〇九八号)
 同(熊田裕通君紹介)(第一一〇三号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一一〇四号)
 同(鈴木淳司君紹介)(第一一一一号)
 同(松田功君紹介)(第一一一二号)
 同(左藤章君紹介)(第一一五八号)
 同(古川元久君紹介)(第一一五九号)
 同(工藤彰三君紹介)(第一一六五号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一一七六号)
 同(志位和夫君紹介)(第一一七七号)
 同(古本伸一郎君紹介)(第一二〇八号)
 同(大塚高司君紹介)(第一二一六号)
 同(武村展英君紹介)(第一二一七号)
 同(山尾志桜里君紹介)(第一二一八号)
 同(根本幸典君紹介)(第一二五二号)
 同(伊藤俊輔君紹介)(第一二六〇号)
 同(生方幸夫君紹介)(第一二六一号)
 同(吉田統彦君紹介)(第一二六二号)
 同(神田憲次君紹介)(第一二七二号)
 障害児学校の設置基準策定に関する請願(田村貴昭君紹介)(第一一一三号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一一七八号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一一七九号)
 同(日吉雄太君紹介)(第一二三七号)
 七十万人の給付制奨学金と学費値下げに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一一七四号)
 専任・専門・正規の学校司書の配置に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一一七五号)
 学費負担の大幅軽減と私大助成の増額に関する請願(穀田恵二君紹介)(第一一八〇号)
 同(日吉雄太君紹介)(第一二四〇号)
 私立幼稚園の充実と発展に関する請願(吉川元君紹介)(第一二〇九号)
 同(日吉雄太君紹介)(第一二六三号)
 国の責任による三十五人学級の前進、教育の無償化、教育条件の改善を求めることに関する請願(牧義夫君紹介)(第一二二六号)
 学校現業職員の法的位置づけに関する請願(日吉雄太君紹介)(第一二三八号)
 国の責任による三十五人以下学級の前進、教育の無償化、教育条件の改善に関する請願(日吉雄太君紹介)(第一二三九号)
 同(金子恵美君紹介)(第一二七三号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三五号)
     ————◇—————
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冨岡勉#1
○冨岡委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府地方創生推進事務局審議官村上敬亮君、文部科学省生涯学習政策局長常盤豊君、初等中等教育局長高橋道和君、高等教育局長義本博司君、高等教育局私学部長村田善則君、スポーツ庁次長今里讓君及び文化庁次長中岡司君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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冨岡勉#2
○冨岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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冨岡勉#3
○冨岡委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。尾身朝子君。
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尾身朝子#4
○尾身委員 自由民主党、群馬一区選出の尾身朝子です。
 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案についてお伺いいたします。
 近年、過疎化や少子高齢化などを背景に、文化財の滅失や散逸などの防止、また無形文化財などの担い手不足への対応が緊急の課題となっております。我が国の文化財について適切な保存、活用を図り、次世代に確実に継承していくことは大変重要であり、今回の法改正もそのための一つのステップだと考えております。
 そこでまず、法案の全体について御質問いたします。
 今回の法改正に当たっての背景、問題意識、そして改正の趣旨はどういったものなのか、林文部科学大臣にお伺いいたします。
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林芳正#5
○林国務大臣 我が国には、地域の風土や生活、他国の文化との交流等を通じて育まれ、守り伝えられてきた多様な文化財が数多く存在をしております。
 これらは、我が国の文化的な発展や地域のきずなの維持などにおいてなくてはならない国民の宝ですが、近年、過疎化や少子高齢化などを背景に、文化財の滅失や散逸、担い手不足への対応が喫緊の課題となっております。
 その一方で、文化財を町づくりの核に据えてその活用を図ったり、いまだ価値づけのされていない地域の文化財を掘り起こしたりすることによって、地域活性化を進めたいとのニーズも多く見られるところでございます。
 このため、今回の改正は、地域における文化財の計画的な保存、活用の促進や、地方における文化財保護行政の推進力の強化を図り、未指定を含めた地域のさまざまな文化財を町づくり等に生かしつつ、次世代に確実に継承することができるよう、地域社会総がかりで取り組んでいくことを広く推進することを目指すものでございます。
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尾身朝子#6
○尾身委員 大臣、大変心強いお言葉、ありがとうございました。
 法改正の趣旨について大臣より御説明いただきましたけれども、その趣旨の実現を図るために具体的にはどのような制度改革を行っていくのか、文化庁より御説明いただければと思います。
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中岡司#7
○中岡政府参考人 お答えいたします。
 今回の改正の内容は、大きく三つございます。
 第一には、地域における文化財の総合的な保存と活用を図るため、都道府県は総合的な施策の大綱を、市町村はその大綱を勘案した地域計画を作成できることといたします。地域計画につきまして国の認定を受けた市町村は、国指定等文化財の現状変更等の許可など、文化庁長官の権限に属する事務の一部をみずから行うことを可能とするなど、計画の円滑な実施を促進することといたします。
 また、地域計画の作成や実施に当たりましては、地域のさまざまな関係者で構成される協議会を組織できることといたしまして、当該市町村や都道府県だけではなく、文化財の所有者や学識経験者、商工関係団体や観光関係団体など、民間も含めた幅広い主体の協力を得ながら進めることを可能といたします。
 第二に、個々の文化財の確実な継承のために、文化財の所有者等は個々の文化財の保存、活用のための計画を作成することができることといたしまして、作成した計画につきまして国の認定を得た場合には、国指定等文化財の現状変更等を行う際に、通常はその都度必要とされる許可や事前の届出が事後の届出となるなど、手続の弾力化を図ることといたします。
 第三に、地方の文化財保護行政に関しまして、現在教育委員会が所管することとしております地方教育行政の組織及び運営に関する法律を見直し、地方文化財保護審議会を必置とすることを条件に、条例により地方公共団体の長が所管することができることといたします。
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尾身朝子#8
○尾身委員 詳細にわたる御説明、ありがとうございました。
 地域計画の作成に当たりましては、市町村が地域の文化財を総合的に把握調査する必要があります。しかし、小規模な市町村では、専門的な人材が不足しているなど、なかなか体制が十分ではなく、この計画を作成すること自体が困難なところも多いと聞いております。
 そこで、何らかの支援が必要だと思います。国としてどのようなことを検討しておられますでしょうか。御説明ください。
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中岡司#9
○中岡政府参考人 委員御指摘のように、規模の小さい市町村に対しましては、国としても技術的な助言を行うこととするほか、都道府県におきましては、大綱の中で小規模市町村への対応を明示したり、協議会への参加を通じて当該市町村への助言を行ったりするなど、積極的な支援が行われることが期待されるところでございます。
 このために、こうした支援が適切に行われるように、今後国が策定する指針におきましてその旨を明示し、小規模市町村においても文化財の保存、活用のための取組が促進されますよう、国、都道府県、市町村で連携して取組を進めてまいりたいと考えております。
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尾身朝子#10
○尾身委員 ありがとうございました。
 市町村はまさに専門的な助言を求めていると思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
 美術工芸品についても、維持管理に向けた早急な取組が必要です。現状では、重要文化財として指定されている美術工芸品が高額の場合には、その相続に際して発生する相続税も高額となります。そのため、泣く泣く手放さなければならないようなケースがあるとも聞いております。
 そうした点などにも勘案し、今回の法改正では、文化財の所有者などが保存活用計画を作成し、国の認定を受けることで、相続税の納税猶予などの措置が講じられることになります。
 今回の法改正により、美術工芸品の継承や公開がどのように確保されるとお考えでしょうか。政府の見解をお聞かせください。
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中岡司#11
○中岡政府参考人 お答えいたします。
 保存活用計画の作成による効果といたしましては、当該文化財の保存、活用の考え方や、厳密に保存すべき箇所と改変が許容される部分、程度などが明確化され、所有者等がみずからの判断に基づき迅速に修理や活用を行うことができることや、保存、管理の的確性が向上し、特定の行為を行う場合に必要な許可や届出など、文化財保護法に基づく手続等がわかりやすくなること、また、保存、活用のために必要な事項等が地域、行政によっても目に見える形となりまして、所有者等だけでは対応し切れない部分への支援強化が期待できることなどの効果が期待されます。
 美術工芸品は、脆弱な材質によって構成されているものも多うございます。その種類や性質などに応じまして、適切な環境を維持しながら保管する必要がございます。今後、地域の美術館、博物館、自治体、文化庁の専門家などの支援を得ながら、保存活用計画を作成することにより、保存、活用の充実が図られることとなります。
 また、美術工芸品につきましては、保存活用計画の認定を受けた個人の所有者が当該美術工芸品を美術館に長期寄託し公開した場合、当該美術工芸品に係る相続税の納税の一部を猶予されることになります。
 これらを通じまして、国指定文化財を次世代へ確実に継承するとともに、公開などの活用が確保されるよう進めてまいりたいと考えております。
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尾身朝子#12
○尾身委員 ありがとうございました。
 次に、無形文化財の継承についてお伺いいたします。
 伝統的なお祭りや神楽、農村歌舞伎など、各地域で受け継がれてきた無形の文化財が、伝承者の高齢化、担い手である子供たちの減少などに伴って消滅の危機に瀕しており、早急な対策が必要です。
 そこで、御質問いたします。
 まず、地域のお祭りや神楽などの無形文化財の継承のために、国としてはこれまでどのような保護措置を講じてきたのか、御説明願います。また、今回制度化される地域計画や個別の保存活用計画は、こうした無形の文化財の継承にどのように生かされるのか、あわせて御説明ください。
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中岡司#13
○中岡政府参考人 お答え申し上げます。
 無形の文化財につきましての御質問でございます。
 地域の祭りや神楽を始めといたしました無形の民俗文化財は、日本の歴史、風土の中で生まれ、世代から世代へと繰り返し受け継がれてきました貴重な地域の財産でございます。
 国といたしましては、現在、これらの無形の民俗文化財のうち、特に重要なものを重要無形民俗文化財に指定し、その伝承、活用を図るため、行事等に用いられる用具の修理、新調、伝承者養成等への補助を行ってございます。
 また、重要無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財のうち特に必要のあるものを、記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財として選択して、記録作成等への補助も行っております。
 未指定の無形民俗文化財につきましても、地域活性化を支える伝統文化の継承基盤整備を行うという観点で、地域文化遺産活性化事業を通じまして、用具の修理、新調、あるいは伝承者養成、記録の作成等への補助も実施してございます。
 しかし、このような無形の文化財の保護につきましては、これまで、わざの保持者個人や保存団体の自主的な取組を頼みにしてきたという問題がございました。
 そこで、今回の制度改正によりまして、都道府県の大綱や市町村の地域計画におきまして、文化財としての価値や伝承者の養成など保護のための取組を明確に位置づけることで、地域住民や関係者等に当該文化財の価値が再認識をされて、地域全体でその継承に取り組んでいくことが可能となると考えてございます。
 また、個別の保存活用計画を作成いたしますと、計画の作成過程で、保持者、保持団体、地方公共団体等の関係者等がその継承に向けた課題の共通認識を図るということができること、また、関係者がどのような活動を行っていくのかが見える化されることや、国の認定を受けることによりまして、行政や民間団体からの支援が得やすくなるという効果が期待されるということ、さらには、従来、主に対象としておりましたわざの直接の後継者の養成だけではなくて、一般への普及啓発、発信等の取組が保存活用計画に位置づけられますことによりまして、より幅広い人々に対して文化財の価値を伝えていくことが期待されるといった効果がございまして、その継承に大いに資するものとなると考えております。
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尾身朝子#14
○尾身委員 ありがとうございました。
 私の地元、群馬県利根沼田地区においても、利根沼田伝承古典芸能祭が毎年開催されるなど、地域の伝統文化の維持活用に向けてさまざまな取組が行われています。祭りばやし、太々神楽や獅子舞など地元に脈々と伝わる文化伝統は、少子高齢化で担い手不足の中、ごく一部の関係者の方々の懸命でひたむきな努力によって辛うじて受け継がれているというのが現状です。
 形ある文化財に比べて無形文化財の維持活用は難しく、一たび失われてしまうと復活ができないということを危惧する声も地元でもよく耳にします。映像で記録を保存するなどの取組も大切だと考えておりますので、先ほどの回答は大変心強いものと受けとめさせていただきました。
 今回の法改正は、そうした地域の関係者の方々の取組に対して光を当てる希望の法案だと考えており、ぜひとも地域の文化財の保存、活用へとつながっていくよう、政府の取組を力強く進めていただきたいというふうに思います。
 続いて、地方公共団体に対する財政措置についてお伺いいたします。
 今回の法改正により、都道府県では総合的な施策の大綱を策定できるようになり、市町村では、文化財の保存、活用に関する総合的な計画を作成し、国に認定を申請することができるようになります。こうした計画の作成、実施において、特に市町村に対する財政上の支援が不可欠であると考えますが、政府としてはどのような支援措置を講ずる方針なのか、お答えください。
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中岡司#15
○中岡政府参考人 お答えいたします。
 今回の改正に伴う、特に市町村に対する財政上の支援ということでございますが、まず、地域計画につきまして、今回の改正法案の施行は平成三十一年度からでございまして、法案が成立した際には、改正法を踏まえました平成三十一年度予算のあり方につきまして、概算要求に向けて検討を進めていきたいと考えております。
 また、平成三十年度の予算におきましても、市町村が準備を進めることができますように、先行いたしまして、地域計画の作成に対して必要経費を支援する予算を盛り込んでいるところでございます。
 さらに、個々の保存活用計画につきましても、先行的に実施している建造物とかあるいは史跡名勝天然記念物に関しましては、平成三十年度予算におきまして、計画作成への補助を行う予算を盛り込んでいるところでございまして、他の文化財類型につきましても、法案が成立した際には、平成三十一年度概算要求に向けて必要な検討を進めていきたいと考えております。
 さらに、保存活用計画に基づき地方公共団体が行います案内板の多言語化や、情報発信、普及啓発などのソフト事業にかかわります経費の一部につきましては、平成三十年度から先行的に特別交付税措置が創設されております。
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尾身朝子#16
○尾身委員 ありがとうございました。
 今回の法改正は、昨年改正された新たな文化芸術基本法に基づいて、我が国として文化施策をより一層重視していくという大きな流れの中に位置づけられるものと考えています。
 一方、我が国の国家予算に占める文化予算の割合は、諸外国に比べて極めて不十分と言わざるを得ません。文化大国であるフランスと比較しますと、国家予算に占める我が国の文化関連予算は約八分の一しかないというのが残念ながら現状でございます。今後、文化財を含む文化予算の一層の充実が図られるべきだと強く考えております。
 昨年六月に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針二〇一七、いわゆる骨太方針でも、文化芸術立国の実現に向けた取組が盛り込まれておりますが、林文部科学大臣のこの点につきましての御決意をお伺いいたします。
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林芳正#17
○林国務大臣 平成二十九年の六月に成立した文化芸術基本法に基づきまして、文部科学省では、観光や町づくり、国際交流、福祉、教育、産業等、関係府省庁の文化芸術関連施策も盛り込まれた文化芸術推進基本計画をことし三月に策定したところでございます。
 今、委員からお話がありましたように、我が国においても、観光インバウンド、増加しておりますし、文化や文化財の活用が求められております。
 また、この文化芸術基本法の成立により文化の対象範囲が広がりまして、従来の文化振興にとどまらず、観光や町づくり、こういったほかの分野との連携が求められているということでございまして、こうした動向をしっかり踏まえて対応できますように、必要な予算の確保に今後とも努めてまいりたいというふうに思っております。
 そして、確保に努めながら、この文化芸術推進基本計画に盛り込まれた各取組を関係府省庁と連携して着実に実施いたしまして、文化芸術立国の実現に向けて取り組んでまいりたいと思っております。
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尾身朝子#18
○尾身委員 大臣、大変心強い、力強いお言葉、ありがとうございました。
 今回、私が質問に立たせていただくに当たりまして、地元の皆様方にこの法案につきましての意義などもお伺いして、さまざまな意見を伺ってまいりました。
 その際に皆様方から伺いましたことは、例えば、町内ごとにお祭りの山車と、それから祭りばやしが全部違う音楽だ、それが、その音楽を奏でることのできる人が高齢化してしまって、この方がいなくなってしまったらもう二度と復活ができないというようなこと、またさらに、文化庁からもお話がございましたけれども、太々神楽や農村歌舞伎などの用具や衣装なども老朽化してしまったり、それを保存するに当たっても保存する場所がない、それから修理をしなければ伝えていけない、そのようなときに、お金がなくて地元ではどうすることもできないというような切実な声をさまざま聞かせていただきました。またさらに、それにおきまして、本当に細々と保存会の方たちが頑張ってくださっているけれども、それにも限界があるというようなお話も聞いてございます。
 そのような中で、今回の法改正によりまして、我が国の文化財の保存、活用が進み、先祖代々続く文化、伝統が確実に継承されていくということが本当に希望が持てるということで、非常に心強く思っております。
 また、地域独特の文化財の価値がこれを契機に見直され、また一般の皆様方にも広く周知されることによって積極的に地域で活用されていくということを強く願っております。
 先ほど大臣がおっしゃりましたとおり、文化という幅が広がり、それが町づくり、地域おこし、またさらには、インバウンドで日本を訪れてくださる外国の皆様方にとっても、日本のよさを認識していただく契機になればというふうに心より思っております。
 林大臣からお話をいただきましたけれども、我が国が目指す文化芸術立国の実現のためには、フランスのような大幅な予算の拡充も必要だというふうに考えております。本改正案は、地域の文化財の保存、活用へと光を当てる本当に希望の光であるとともに、文化芸術立国の実現への一つのステップでもあります。地域の皆様方の期待も大変強いものでございますので、今後の、今年度もそうですけれども、次年度以降の予算措置などもしっかりと講じていただければというふうに考えております。
 本改正案の成立を契機に新たに発見されたものもたくさんあると思います。新たに発見された個別の文化財の指定、保存、活用のための財政措置など、具体的な取組が更に前進し進展することを期待申し上げまして、私からの質問を終わります。
 ありがとうございました。
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冨岡勉#19
○冨岡委員長 次に、浮島智子君。
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浮島智子#20
○浮島委員 公明党の浮島智子でございます。
 本日は、文化財保護法等の改正案についての質問をさせていただけますこと、心より感謝を申し上げます。大変にありがとうございます。
 私は、これまで、文化財、美術工芸品修理の現場や博物館を視察させていただいてまいりました。多くの現場の方からお声をいただきまして、本日は、これまでいただいた現場のお声、これを、視察等で得た観点も踏まえまして、質問をさせていただきたいと思います。
 先日ですけれども、五月の七日の月曜日、和歌山県の県立博物館、教育委員会、また和歌山県立工業高校、盲学校、そして大学、市町村関係者が地域の総がかりで文化財を保存そして活用するという仕組みを視察してまいりました。
 そこで、学芸員の方、そして工業高校の教員の指導のもとで生徒さんたちが中心となって、3Dのプリンターを使いまして、最新の技術を活用して、さわって鑑賞できる文化財、レプリカを作製し、盲学校との連携による図録を作成しているといった、きょうは皆様のところに資料とともに図録を、ちょっとさわっていただこうと思って配付させていただいているところでございますけれども、このさわって見れる、学べる図録を使って障害者の方々が鑑賞できる事業、あるいは中学校の総合学習において、南海トラフ地震が想定されている県内地域においての過去に津波の被害があった文化財の現地調査による防災教育など、地域の文化財の防犯、防災対策にも有効な取組を行っており、大変感銘を受けました。
 本日は、その概要を配付して、今さわっていただいておりますけれども、ぜひお手にとっていただいたら、文字のところだけではなくて、仏像とかいろいろな絵があるんですけれども、そこも全部点字でわかるようになっております。
 これは学芸員の方が、盲学校の生徒さんが博物館に視察に来られた、そして皆さんガラスケースの前に立ったときに、どうぞ説明をしてくださいと学芸員の方が言われ、急に頭が真っ白になったと。なぜかというと、盲学校の生徒さんたちはケースの中のものを見ることもできない、またさわることもできないので、どうやって説明をしていいかわからない、本当にその場から逃げ出したくなったというふうに学芸員の方がおっしゃっておりました。そこで、生徒さんたちといろいろ相談して、これをつくろうということで決められたということでございました。
 この3Dプリンターでつくった仏像、そしてこの本を読みながら、まず第一に、視覚障害を持った方がその本をさわってその仏像を手にしたとき、私たちだったら普通に手にこうやってしますけれども、手にしたときにこうやって抱え込んだ。そして、心でこれを感じ取ることができたというふうにおっしゃったということで、健常者の人と一緒に楽しむことができたとおっしゃって、学芸員の方が本当に熱く、もうこんなにうれしいことはないと語っていたのを本当に今でも思い出します。
 そんな中、一方で、我が国において引き継がれてきた多様な文化財については、大臣の提案趣旨のところにもありましたけれども、担い手不足への対応が喫緊の課題となっている、また、地域総がかりで取り組むことが必要であるともおっしゃっておりましたけれども、そのとおりで、少子高齢化や生活様式の変化などの社会状況の急速な変化の中で、継承の危機に今立たされています。
 視察先で拝見したようなこの取組は、まだ国内外でも実施がされておりません。大変すばらしい取組がこれから全国に展開され、多くの地域でさまざまな創意工夫ある取組が広がっていくということが私は望まれると思っております。
 文化財保護法の今回の改正案では、文化財を、子供たちの教育や町づくりにも生かしつつ、地域社会総がかりで次世代へ確実に引き継いでいくことを目指しているということでございますけれども、現場の方々が置かれている状況は本当に大変に厳しく、人員や資金、それが不足する中、日々懸命な努力がなされていると私は思っております。
 本日は、今回の改正案によって各地域や我が国全体としてどのように変わっていくことができるのかについて、より具体的に考えるという観点から質問をさせていただきたいと思います。
 初めに、改正案の全体について、経緯や目指すべき方向性を確認させていただきたいと思います。
 まず、今回の改正案の課題認識や改正により目指そうとしている方向性、また今回の改正の理念について、大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
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林芳正#21
○林国務大臣 我が国には、地域の風土や生活、他国の文化との交流等を通じて育まれ、守り伝えられてきた多様な文化財が数多く存在しております。これらは、我が国の文化的な発展や地域のきずなの維持などにおいてなくてはならない国民の宝ですが、近年、過疎化や少子高齢化などを背景に、文化財の滅失や散逸、担い手不足への対応が喫緊の課題となっております。
 その一方で、文化財を町づくりの核に据えてその活用を図ったり、いまだ価値づけのされていない地域の文化財を掘り起こしたりすることによって地域活性化を進めたいとのニーズも多く見られるところでございます。
 このため、今回の改正は、地域における文化財の計画的な保存、活用の推進や地方における文化財保護行政の推進力の強化、これを図りまして、未指定を含めた地域のさまざまな文化財を町づくり等に生かしつつ、次世代に確実に継承することができるよう、地域社会総がかりで取り組んでいくことを広く推進することを目指すものでございます。
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浮島智子#22
○浮島委員 高齢化や過疎化の急激な進展の中で、文化財の保存、活用のための取組の強化は本当に待ったなしの状況だと思っておりますので、直ちにしっかりと取り組んでいただけるよう強く要請をさせていただきたいと思います。
 また次に、今回の改正案の内容について、まず、地域における文化財の総合的な保存、活用の観点についてでございますけれども、文化財の活用については、教育や観光分野における期待が大きくなる一方で、地方の文化財行政については、職員の数が足りないなど体制が脆弱である場合も多く、その中で、予算、人員の確保にも困難があると伺っています。
 地域の文化財を継承していくため、このような現場の課題を踏まえた、今、大臣もおっしゃりましたけれども、地域総がかりで文化財の保存、活用に取り組む体制を構築し、具体的な、また長期的な観点に立つ視点が重要であると私は考えております。
 この改正案に盛り込まれている都道府県の大綱や市町村の地域計画について、どのようなことを盛り込むことを想定し、また、大綱や市町村の地域計画を策定することによって地域がどのように変わるとお考えか、大臣の見解をお伺いさせていただきたいと思います。
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林芳正#23
○林国務大臣 今回の法改正では、文化財の継続的、計画的な保存、活用を図るため、都道府県が大綱、市町村が地域計画を作成できることとしております。
 まず、大綱についてですが、都道府県が、域内の市町村を包括する立場から、複数の市町村にまたがる広域的な取組や、また災害発生時の対応、小規模市町村への支援など、あらかじめ当該都道府県における文化財の保存、活用に係る取組の方向性を記載することを考えております。
 また、地域計画の方ですが、市町村が、文化財やそれを支える地域住民に最も身近な基礎自治体としての立場から、域内の文化財に関する現状把握、これを行った上で、当該市町村における文化財の保存、活用に関しまして、基本的な方針、そして市町村が講ずる措置の内容、さらには文化財を把握するための調査に関する事項などを記載することを考えております。
 このうち、市町村が講ずる措置の内容については、文化財の修理や整備、それから防災対策などのほか、地域住民や子供たちへの文化財の普及啓発、景観、観光、町づくり部局などとも連携した地域振興方策、保存技術や原材料確保に向けた措置なども盛り込むことを想定しております。
 こうした仕組みによりまして、地域で守るべき文化財の掘り起こしや後継者の確保などに向けた課題の洗い出しができ、地域の現状を踏まえて、今後どのような文化財の保存、活用方策を計画的に講じていくのかを明確化する、そして、地方公共団体や民間団体との役割分担、これも見える化をされ、関係者間の連携をより活性化できるなど、先ほど申しましたような、地域社会総がかりとなって取組を進められるようになる効果を期待しておるところでございます。
 なお、大綱や地域計画の具体的な記載内容については、今回の改正法案を国会でお認めいただければ、文化審議会等で議論いただいた上で、国として運用指針を作成して、わかりやすく示していきたいと考えているところでございます。
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浮島智子#24
○浮島委員 ぜひとも、多くの地域において計画作成が進むよう、文化庁としても、大臣としても、この計画の作成の推進に対して強力に支援をしていただけるようお願いをさせていただきたいと思います。
 また次に、もう一つの柱であります、個別の文化財について所有者が保存活用計画を作成し、国が計画を認定するという仕組みについてお伺いをさせていただきたいと思います。
 我が国の文化を次世代に確実に継承するためには、観光のみならず、今も大臣もおっしゃっておりましたけれども、地域住民や子供たちがその価値に触れられる教育、防災活動など、地域の活性化などの具体的な活動においての活用を進めるとともに、文化財の状態に応じた修理による保存に取り組むことが不可欠だと私は思っております。
 私は、これまで、京都や奈良、そして装こう師連盟の坂田理事長がされている滋賀、ここの美術工芸品の修理の現場を視察させていただきました。一つの文化財を次世代に継承していくためには、適切な周期での修理、そして日常的な管理が必要であり、所有者や修理技術者の関係者にとって非常に大きな労力が必要であるということを痛感いたしました。
 この改正案の個々の保存活用計画は、その保存、活用のために必要ないわゆる人の健康診断の問診票のようなものとして、確実に効果を上げられるように、現場の方々へのサポートもしっかりと対応していただきたいと思っているところでございます。
 また一方で、実際に治療が必要な国の美術工芸品の修理の支援は十分とは言えません。修理の材料となるものが足りない、また、手すき和紙なども後継者の確保が大変難しい、厳しいという現場のお声もたくさんいただいているところでもございます。
 そこで、我が国の文化を次世代に確実に継承するために、保存と、文化財を教育や町づくりに生かす活用を進めるため、保存活用計画の作成を進めるとともに、全国国宝、重要文化財なる美術工芸品について、適切な周期による修理、そして修理に必要な原材料、用具の確保への支援、これを一層充実すべきと考えますけれども、大臣の御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
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林芳正#25
○林国務大臣 文化財の次世代への確実な継承を図っていく上で、個別文化財の保存活用計画の作成は非常に有意義なことであるわけでございます。
 これまでも、重要文化財建造物や史跡名勝天然記念物については、予算事業としてその推進を図っているところですが、個人所有の場合が多い美術工芸品など、ある文化財類型については、これまで計画作成を推進していない状況でした。
 今回の法改正では、美術工芸品を含む幅広い文化財類型につきまして保存活用計画の作成を制度化することとしており、今後、文化庁としても、所有者等に対してその作成を積極的に促していくこととしております。これによりまして、御指摘の適切な周期での修理や、そのために必要な原材料、用具に関する事項も見える化されまして、その確実な継承に資することとなると考えております。
 また、美術工芸品に係る平成三十年度予算においては、外観を健全で美しい状態に回復、美装化と申しますが、回復する事業を開始するとともに、美術工芸品の修理を支援する経費として、対前年度比二億円増の約八億円を計上しているところですが、さらに今後とも、今回の法改正を踏まえ、必要な財政的支援に努めてまいります。
 また、美術工芸品等の修理に必要な文化財保存技術の保持団体等に対する原材料、用具の確保への支援についても取り組んでまいりたいと思っております。
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浮島智子#26
○浮島委員 ありがとうございます。
 文化財の確実な継承のために一番大切なのは、計画的に取り組んでいく、推進をしていくこと、また、国が必要な予算を安定的に、そして計画的な修理がしっかりと行えるよう、そこが私は重要だと思っておりますので、しっかりと安定的にこの財源を確保して、そして計画的に修理ができるようお願いをさせていただきたいと思います。
 また次に、文化財や文化の振興について、改正文化芸術基本法の観点も含めてお伺いをさせていただきたいと思います。
 今回の和歌山県の例のように、子供たちが文化財の将来の担い手としてさまざまな活動に参画できるような取組、また、博物館、美術館と学校、文化財、防災対策など、多様な分野と連携した具体的な取組が推進されることは非常に重要だと私は考えております。
 一方で、二〇二〇年には小中学校の新学習指導要領がスタートしますが、美術、社会科、総合的な学習の時間などにおける、美術館、博物館との連携による授業づくりのモデルが少ないと私は思っております。現場の方にお伺いをすると、現場では、どうしていいのかわからない、でもやっていきたいという声が多数あります。
 昨年度は、議員立法によりまして、文化芸術基本法が改正されたところでございますけれども、子供、若者、障害者、高齢者の全ての方がユニバーサルな環境の中で、誰もが豊かな人間性、創造力、感性を育み、文化的な豊かさを享受できるような環境を整えることが重要であると思います。
 そこで、文化芸術基本法の理念である児童生徒への教育、観光、町づくり、国際交流、福祉、産業などの分野との連携を実現していくために、和歌山の県立工業高校の皆さんが作製しているレプリカ、さわって読む図録などの教育事業のような、地域総がかりで行う具体的な取組を含めてどのように今後取り組んでいくか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
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林芳正#27
○林国務大臣 今、浮島先生がおっしゃったとおりでございまして、平成二十九年六月に成立した文化芸術基本法におきまして、今後の文化芸術に関する施策の推進に当たっては、児童生徒等に対する文化芸術に関する教育の重要性に鑑み、学校や地域等における活動の連携や、観光、町づくり、国際交流、福祉、教育、産業等の関連分野との有機的な連携、これが求められておるところでございます。
 具体的な取組の一例として、和歌山県立博物館が文化財の寄託を受けて、地元の工業高校や盲学校等の生徒がその文化財の複製、レプリカを製作して地元へ提供し、先ほども見せていただきましたけれども、これは大変喜ばれているというふうに伺っております。
 このような取組は、やはり地域における文化財の活用と保存、それから高校生らの文化芸術に関する教育や地域貢献活動、若手芸術家の育成、福祉活動等の観点からも大変に意義が高く、文化活動としても非常に興味深いものであり、文化を核とした関連分野との連携実現の好事例というふうに考えております。
 文部科学省としては、今国会に提出しております文部科学省設置法の一部を改正する法律案の成立を機に、こうした新しい切り口からの文化振興を、各府省庁、各地方の文化関連施策と連携を一層深めながら、よりよい事例が次々と生まれるように取り組んでまいりたいと思っております。
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浮島智子#28
○浮島委員 ありがとうございます。
 私は、この和歌山の取組を今回見せていただいて、本当の心のバリアフリーであり、またソサエティー五・〇社会に対応した教育のあり方にも資すると思っているところでございます。なので、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
 また、最後になりますけれども、国際博物館会議、ICOMについてお伺いをさせていただきたいと思います。
 これは、平成二十年、今からちょうど十年前の六月の三日でございましたけれども、私が参議院のときに委員会で質問をさせていただきました。この国際博物館会議というのは、一九四六年に創設された、世界の博物館の関係者、ミュージアムの関係者等が集う会議でございますけれども、一度も日本で開かれたことがない、これをしっかりと日本に誘致して開くべきだということで質問をさせていただきました。
 十年かかりましたけれども、やっと来年、二〇一九年九月一日から七日、京都で開催が決まりました。これは、世界の約百四十カ国と、あと約三千人のミュージアムの専門家が集まる大会でございます。
 そこで、このような大型の国際会議が開かれる今こそ、日本の文化に対して世界の注目が集まると私は思っております。まだ国内外でも実施されていない今回の取組のようなものを子供たちからプレゼンテーションしたり、また、日本の美術に関心の高い海外の博物館関係者がエクスカーションとしていろいろなところに行かれますけれども、ルーブル美術館の文化財の修復にも使用されている福井の越前和紙の工房を見学するなど、積極的に打ち出すことが必要であると思います。国として博物館会議を支援していくべきだと私は思いますけれども、大臣の見解をお伺いさせていただきたいと思います。
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林芳正#29
○林国務大臣 二〇一九年に開催される国際博物館会議、ICOM京都大会は、世界各国から三千人規模の博物館関係者が一堂に会する世界大会で、我が国で初めて開催されるものでございます。
 京都大会では、今、先生から御紹介いただいた和歌山県のような取組など、我が国の博物館の取組やプレゼンスを大いにアピールしたいと思っておりますし、世界各地の博物館関係者が我が国の文化や伝統に触れるまたとない機会ともなり得るものと考えております。
 このため、文科省としては、主催者であるICOM本部や大会組織委員会等と緊密に連携協力しながら、大会の成功に向けて取り組んでまいりたいと思っております。
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