農林水産委員会

2019-03-20 衆議院 全145発言

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会議録情報#0
平成三十一年三月二十日(水曜日)
    午後一時三十分開議
 出席委員
   委員長 武藤 容治君
   理事 伊東 良孝君 理事 小島 敏文君
   理事 齋藤  健君 理事 野中  厚君
   理事 細田 健一君 理事 亀井亜紀子君
   理事 近藤 和也君 理事 稲津  久君
      池田 道孝君    泉田 裕彦君
      稲田 朋美君    今枝宗一郎君
      上杉謙太郎君    大隈 和英君
      加藤 寛治君    金子 俊平君
      木原  稔君    木村 哲也君
      小寺 裕雄君    斎藤 洋明君
      坂本 哲志君    杉田 水脈君
      西田 昭二君    百武 公親君
      福山  守君    藤井比早之君
      藤原  崇君    古川  康君
      宮路 拓馬君    山本  拓君
      阿久津幸彦君    大串 博志君
      金子 恵美君    神谷  裕君
      近藤 昭一君    佐々木隆博君
      櫻井  周君    高井 崇志君
      長尾 秀樹君    長谷川嘉一君
      堀越 啓仁君    関 健一郎君
      玉木雄一郎君    西岡 秀子君
      緑川 貴士君    濱村  進君
      田村 貴昭君    串田 誠一君
    …………………………………
   農林水産大臣       吉川 貴盛君
   農林水産副大臣      小里 泰弘君
   農林水産大臣政務官    濱村  進君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  大角  亨君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         光吉  一君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         横山  紳君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房審議官)           小川 良介君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房統計部長)          大杉 武博君
   政府参考人
   (農林水産省生産局長)  枝元 真徹君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局長)            室本 隆司君
   農林水産委員会専門員   梶原  武君
    —————————————
委員の異動
三月二十日
 辞任         補欠選任
  木村 次郎君     百武 公親君
  小寺 裕雄君     杉田 水脈君
  宮路 拓馬君     大隈 和英君
  石川 香織君     櫻井  周君
  佐々木隆博君     阿久津幸彦君
  関 健一郎君     玉木雄一郎君
  森  夏枝君     串田 誠一君
同日
 辞任         補欠選任
  大隈 和英君     宮路 拓馬君
  杉田 水脈君     小寺 裕雄君
  百武 公親君     木村 哲也君
  阿久津幸彦君     高井 崇志君
  櫻井  周君     長尾 秀樹君
  玉木雄一郎君     西岡 秀子君
  串田 誠一君     森  夏枝君
同日
 辞任         補欠選任
  木村 哲也君     木村 次郎君
  高井 崇志君     近藤 昭一君
  長尾 秀樹君     石川 香織君
  西岡 秀子君     関 健一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  近藤 昭一君     佐々木隆博君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 農業用ため池の管理及び保全に関する法律案(内閣提出第二九号)
     ————◇—————
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武藤容治#1
○武藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、農業用ため池の管理及び保全に関する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房総括審議官光吉一君、大臣官房総括審議官横山紳君、大臣官房審議官小川良介君、大臣官房統計部長大杉武博君、生産局長枝元真徹君、農村振興局長室本隆司君及び内閣官房内閣審議官大角亨君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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武藤容治#2
○武藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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武藤容治#3
○武藤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。池田道孝君。
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池田道孝#4
○池田(道)委員 自由民主党の池田道孝でございます。よろしくお願いを申し上げます。
 本日は、農業用ため池の管理及び保全に関する法律案の審議でございますが、ため池は、皆さん方御承知のように、農業生産にとりまして欠かすことのできない施設でございますし、また、いつの時代につくられたかわからないというような先人たちがつくってくれたため池を今も利用させていただいておるという現実があります。
 また、特に地方では、ため池は、その昔には、今でこそ遊泳禁止でございますが、プールのかわりに水泳をするとか、あるいは野菜を洗うとか、冬になりますと池を干して魚をとる、中には、今でもあるかどうかわかりませんが、お金を出して魚をとりに行く、そういう、地域に密着したあるいは生活に密着した施設でございます。
 特に、ため池は全国にありますけれども、西日本に多く集中しておりますし、中でも瀬戸内沿岸、大阪から山口まで、そして四国の香川、愛媛。一番多いのは藤井委員のおられる兵庫県でございますけれども、私の地元岡山県にもかなりのため池がございます。
 ちなみに、私の地元では、後で管理の状況は質問させていただきますが、わずかな、四十戸未満の町内で三つ、小さい池を入れますと四つの池を管理をいたしております。それだけに、昔から私も地元の土地改良区のお世話をさせていただいておりますし、せっかくこの法案が提出をされたのではありますが、我々にとりましては遅きに失したなという感じもいたしております。
 しかしながら、農家離れあるいは高齢化社会に入りまして、そうした管理がなかなか行き届かないという状況の中で、堤防の決壊等があって被害が出る。特に昨年は、全国各地で台風、地震、集中豪雨がございました。私の岡山県でも、あの七月六日からの集中豪雨によりまして、大きな、今まで経験したことのないような被害が発生をいたしました。河川の堤防決壊のみならず、ため池の決壊、それによりまして、広島県、愛媛県を含めて大きな被害が出ました。
 そうしたため池というものは、今後も大変重要な施設でございます。そうした中での法案でございますが、このため池に関する、そしてまた、そうした災害のときには吉川大臣も全国いろいろな被災地へ出向かれたことと思います。
 そういう状況の中で、ため池に対する現状、そして法案に対する意気込みにつきまして、まず冒頭、大臣にお尋ねをいたします。
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吉川貴盛#5
○吉川国務大臣 農業用ため池は、農業生産上不可欠な水を供給する施設として、江戸時代以前から築造されております。全国で約二十万カ所が設置されるなど、我が国農業の発展に大きな役割を果たしてきたところでもございます。
 しかしながら、ただいま池田委員からも御指摘がありましたように、昨年の七月豪雨では、西日本を中心に三十二カ所の農業用ため池が決壊をしました。そのうち、委員御地元の岡山県におきましては、四カ所の農業用ため池が決壊したと承知をいたしております。
 このように、近年、豪雨や大規模な地震により被災するケースが多発している一方で、築造から相当な期間が経過する中、権利者の世代交代が進み、権利関係が不明確かつ複雑となっております。離農や高齢化によりまして管理組織が弱体化しているなどにより、日常の維持管理が適正に行われなくなることも懸念をされるような状況になってきております。
 このため、今後も農業用ため池が農業用水を供給する施設としてその機能が発揮されますように、本法案により、施設の所有者、管理者や行政機関の役割分担を明らかにして、農業用ため池の適正な管理及び保全が行われる仕組みを早急に整備をしてまいりたいと存じます。
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池田道孝#6
○池田(道)委員 ありがとうございました。
 未来永劫、ため池というものは必要不可欠なものでございます。今後も、ハード、ソフトあわせての整備をよろしくお願いを申し上げます。
 続いて、管理状況でございますが、先ほども申し上げましたように、農家離れ、高齢化によってなかなか管理が行き届きません。地域によっては、改良区あるいは水利組合というところでやっておられると思いますが、私のところのことを申し上げますと、三つのため池を年に二回、五月と八月に草刈りをやります。これは非農家も含めて全員でやるわけでございますが、通常は、水番、いわゆる池の守りをしてくれる人を指名をいたしております。その方が、平素は池に水を入れ、大雨のときには唐戸を上げて小川へ流すということをやっております。
 手当はわずかしか出ませんけれども、そういう形で管理をしておりますけれども、所有者不明の土地はなかなか管理が行き届かないと思いますが、全国的な状況をまずお尋ねをいたします。
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室本隆司#7
○室本政府参考人 まず、全国的なため池のデータについては、ため池のデータベースというのを平成二十五年から二十七年度にかけまして整備をしております。
 これは、全国に二十万カ所あると言われるうちの九万六千カ所、約半分のデータになっておりますが、このデータベースにおいては、アンケート形式で整備したものであって、その中で所有者不明となっているものの中には、アンケートで未記入になっているものというのも入っております。
 今申し上げたとおり、ため池の所有者等については現時点では正確に把握し切れているわけではないという状況にはありますが、仮に、管理が不十分なため池というのを所有者若しくは管理者が不明なため池というふうに解釈すれば、このデータベースに整備されている九万六千カ所のうち、所有者不明のため池は二万八千七百カ所、約三割、管理者不明のため池は二千四百カ所、約三%というふうな状況でございます。
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池田道孝#8
○池田(道)委員 所有者不明のため池もかなりあるわけでございますが、管理をされておられるため池の中で、当然、災害による、あるいは通常の改修等が起きてくるわけでございますけれども、その中で、いわゆる個人の方々が所有をしておるというため池も相当あろうかと思います。
 例えば、これも全て私の地元を言うんですが、工事をするときに地籍を調べたら、個人の方が何筆もおられた。通常の方はすぐ寄附をしていただけるわけでございますが、中には、そうはいかないという方もおられます。
 特に、土手は、先人たちは非常に知恵を絞ってつくられたんだろうと思いますが、土手の中心にはいわゆる刃金というのがございます。最近の重機あるいはランマー等を使ってはできないであろうという、昔の方々が土を少しずつ入れながら、丸太か何かで突きながら刃金をつくったんだろうと思いますが、それを残して工事をするということを多々やっておられます。
 どうしてもできないというときには、もう仕方がなくて、その個人の土地を差しさわりのない池の真ん中へ移動していただくということをやっておるわけでございますけれども、そうした個人所有のため池というのがどのぐらいあるかというのは把握をしておられますか。
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室本隆司#9
○室本政府参考人 これも、先ほど申し上げたため池データベース、二十万あると言われるもののうちの九万六千カ所のデータで申し上げれば、約一万八千カ所のため池が個人所有だというふうになっております。
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池田道孝#10
○池田(道)委員 個人所有の方がおられますと、いざ工事に着手するときに非常に手間がかかるということでございます。
 その池の管理について一点、要望というかお尋ねをするんですが、池というものは非常に傾斜がきつうございます。草を刈らないと、木が生えるとまたため池がもたないということで、草刈りをするわけでございますが、中には、長靴のスパイクのついたものを履いてきてもらってするとかいうことをやっておりますが、年々高齢化して、毎年その日には一日保険に加入して、もう命がけですわ。
 そういう形で作業するわけでございますが、考えるに、今草刈り機をどんどん改良しておりますが、市町村あるいは改良区でもいいんですが、一つへ一台ということは到底できませんが、市町村等へ貸与あるいは購入していただいて、それを実際にやられる方のところへ貸出しをするということが、何か国の方である程度補助を出していただいてできないものかな。
 というのが、先般の集中豪雨のときにも、広範囲に農地が水没をいたしました。皆さん方は家の修理の方で一生懸命で、田んぼまで手が回らないということで、草はぼうぼう、草刈り機で刈るというわけにもいかないということもあって、それもあわせてでございますけれども、傾斜地を刈れる、今私のところは、真ん中に鉄ぐいを打って、板を敷いて、三十センチぐらいの幅をつくって、散土を入れて刈る道をつくるようなことを計画しているんですけれども、そういう制度は考えられないでしょうか。
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室本隆司#11
○室本政府参考人 まず、原則論を申し上げますと、ため池にかかわらず、土地改良施設の維持管理に係る費用というのは、その受益者である農家が負担することが基本であるというふうに考えております。
 委員の御指摘の、傾斜面を刈る、これは自動草刈り機でしょうか。(池田(道)委員「リモコンで」と呼ぶ)リモコンの草刈り機ですかね。こういった機械の導入支援については、堤体斜面の草刈り以外にも使おうと思えば使えるというようなことから、一般論として申し上げれば、公共事業の予算の中で市町村が購入する費用を支援することは難しいのではないかというふうに考えております。
 一方で、地域共同活動を支援するための多面的機能支払交付金というのがございまして、これは、地域共同で草刈りを、人手を使ってやるものでございますが、こういったことをやりながら受益者のいわゆる草刈り等の負担を軽減しているということが全国的に行われております。
 加えまして、ため池管理の負担軽減のため、監視するための水位計の設置やあるいは現場のパトロール、こういったことに対しても定額の支援を来年度から措置することとしておりまして、こうした制度を活用していただくことによって農家負担の実質的な軽減が図られるものというふうに考えてございます。
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池田道孝#12
○池田(道)委員 ありがとうございましたというよりか、多面的機能あるいは改良区の方から予算を出しながら草刈りをやっているので、それは当たり前のことであって、その上に、傾斜地が刈れないからどうかなりませんでしょうかという質問をさせていただいているんですけれども、まあよろしいわ、それは。
 続きまして、受益者負担ということを言われましたが、受益者がだんだん減っているというようなため池を廃止するということ、これも私のところの例を出しますが、受益者がもうほとんどいなくなって荒廃地になったので、ため池を一つ廃止をいたしました。これは、樋を抜いて、あるいは荒土手を切って、重機が入りませんから、ある程度以上はもう水がたまらないということにして廃止をしたわけでございます。
 そういう、全国的に、今は平野部でも農地がなくなって、必要がないというため池もあろうかと思いますが、その廃止の状況、これは町内会、自治会、あるいは改良区と、いろいろな行政も含めて話合いが必要だろうと思いますけれども、その状況は現在どういうふうになっておりますでしょうか。
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室本隆司#13
○室本政府参考人 今御指摘のあったとおり、現に利用されていないため池や、今後利用が見込めないと判断されるため池については、決壊することがないよう、堤体のV字カット、撤去、埋立て、こういった工法によりまして貯水機能を廃止していくということにしております。
 このため池の廃止に当たりましては、私どもの補助事業を活用することが可能でありますが、事前に所有者、管理者、水のユーザー、それから都道府県、市町村、こういったところで十分に話し合っていただきまして、事業実施主体や廃止後の河川への取付け水路の維持管理主体をどこが担うかといったようなところについて役割分担を決めていただいた上で、廃止の工事を行っていくということになろうかと思います。
 今回、広島県ではかなり、二十三カ所決壊をしておりまして、全国的に要らなくなったため池が廃止されるというふうな方向づけが今回されるのではないかと思っておりまして、しっかりそのことも踏まえて私どもも御支援申し上げたいというふうに考えてございます。
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池田道孝#14
○池田(道)委員 広島県でも、東部の福山地方を中心として今答弁されたような状況になっておるわけでございますが、実際にそういう、必要がないだろうというため池もかなり出てきておると思いますが、それはどういう形で、誰が、なかなか、地元の方が言ってこられる場合とそうでない場合があるわけでございますが、そのあたりはどういう手順で、地域によって全くまちまちなんでしょうか。
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室本隆司#15
○室本政府参考人 まずは、地域の農家の方々がそのため池の水を使うか使わないかというあたりは、これは地域の方で御相談をいただくということになろうかと思います。
 その上で、仮にその水を使うということになれば、例えば、受益者が二、三人しかおらずに、今あるため池の貯水量ほど要らないというような場合は、ため池があることのリスクを除去するために、それを撤去して、別途、井戸水とか河川水を手当てするという、代替水源を確保するような調整も可能でございます。
 したがいまして、そういう相談をする際には、やはり、市町村、県と相談の上、最終的には農林水産省の補助事業をお使いいただいて、それで、廃止なり、あるいは廃止した上で代替水源を確保していく、こういったことを整備していくことになるというふうに思っております。
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池田道孝#16
○池田(道)委員 時間が参りました。
 最後に、昨年の西日本豪雨の被災を受けまして、ため池の一斉点検をされておられると思います。この一斉点検をした後の措置方法が一番大事なのであって、今後どういう形で危険なため池を含めて改修等をされていかれるのか、お尋ねをいたします。
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室本隆司#17
○室本政府参考人 昨年の七月末から、委員御指摘のように、一カ月間かけて八万八千カ所のため池の一斉点検を行いました。
 その結果、幾つか判明したことがございまして、一つは、多くのため池で老朽化等によって施設機能に影響を与えかねない状況が非常に多いということ、ため池に至る道路に草木が繁茂していて小規模なため池の位置情報が整備されていない、そういったことによってため池に迅速に到達できないというようなこと、既に廃止や荒廃が進んでいてため池データベースにも反映されていない状況、こういったことが明らかになって、これを解消することが必要であろうということで、このことは岡山県とも情報共有を図っております。
 この結果を踏まえた対応でございますが、まず、ため池の規模によらず、決壊した場合の浸水区域への影響の観点から、防災重点ため池の選定の考え方を見直すこととしまして、この五月末を目途に各都道府県で再選定作業をやっていただいております。それで、緊急時の状況把握や避難行動につなげる対策、これを強化していく、それから、施設の保全管理体制の強化や、ため池の機能を維持するための補強対策を実施していくということ、先ほど来申し上げているとおり、利用度が低下しているため池は統廃合していくということで、今後の対策の進め方を昨年十一月に取りまとめまして、こういった内容について三十一年度予算に反映させているということでございます。
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池田道孝#18
○池田(道)委員 危険なため池も全国的に数多くありますので、そうした対応を早く早くお願いをいたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
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武藤容治#19
○武藤委員長 次に、稲津久君。
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稲津久#20
○稲津委員 公明党の稲津でございます。
 きょうは、農業用ため池管理保全法ということで質問させていただきますが、もう御案内のとおり、昨年来もそうですけれども、この多発する豪雨で農業用のため池の被害が相次いでいるということで、法律に基づいて適正な管理、必要な工事、これを実施していこうということで、本法律が新法として今、案が出されているわけでございます。
 それで、特にやはり柱になってくるのが、特定農業用ため池の指定のことと、それから、これに関して、所有者等に適正な管理の努力義務を課すということ、それから、都道府県による防災工事の施行命令、代執行、これを可能にするということだろうと思っております。
 現場サイドからも、やはりこれから梅雨どきになる、また台風も昨今多いわけですから、早くこの法律を制定、施行していただきたい、こういう声がございますので、そうした観点に立って、特に新法ですから、少し具体的な、懸念する事項等についての質疑をさせていただきたいと思っています。
 まず一点目が、特定農業用ため池と防災重点ため池の相違についてということで、今回、特定農業用ため池を新たに創設する意義も含めてお伺いしたいと思いますけれども、第七条に、都道府県知事は、農業用ため池であってその決壊による水害その他の災害によりその周辺の区域に被害を及ぼすおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するものを、関係市町村長の意見を聞いて、特定農業用ため池として指定することができるものとするとあります。
 これはもう御案内のとおりですけれども、これまでも、ため池に関しては、防災重点ため池、こういう概念があるわけでございます。
 そこで、特定農業用ため池を新たに創設することとした趣旨について、あわせて、特定農業用ため池の指定要件と防災重点ため池との相違について、これは現場からも非常に、どういう違いがあるのかという意見もありましたので、この点について、まずお示しをいただきたいと思います。
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濱村進#21
○濱村大臣政務官 お答え申し上げます。
 これまでは、農林水産省の、平成二十七年、課長通達に基づきまして、下流に住宅や公共施設などが存在し、決壊した場合に影響を与えるおそれのあるため池を防災重点ため池として各都道府県で選定していたところでございますが、課題としては、選定の考え方が統一されていないという状況にございました。また、行政機関、所有者等の果たすべき役割を明文化したものがない等の課題がございましたもので、今回、特定農業用ため池は、防災重点ため池の仕組みを法定化し、また、各都道府県の考え方を統一するとともに、行政機関、所有者等の果たすべき役割を明確にしたところでございます。
 このため、特定農業用ため池は、新たに現在選定中の防災重点ため池と同一の選定基準とする考えでございますけれども、国又は地方公共団体という行政機関以外の、個人や改良区、水利組合等の民間で所有する防災重点ため池につきましては、適切な管理が行われなくなるおそれがございますものから、防災工事命令など、本法案に基づく措置を講ずることができるように、特定農業用ため池として指定することといたしたものでございます。
 なお、行政機関が所有するため池に対しても、予算措置として補修、補強等の防災・減災対策を講ずる必要が引き続きあることから、法施行後も防災重点ため池という名称は引き続き併存させる考えでございます。
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稲津久#22
○稲津委員 明確にお示しいただいたので、非常にわかりやすく、理解をさせていただきました。
 そこで、ポイントになるのが、決壊、水害その他の災害、こういうところがポイントだろうと思うんですけれども、これは、第十九条に農林水産大臣の指示として書かれております。この中で、特に、農林水産大臣が緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事に対して必要な指示をすることができるものとする、こうあります。
 そこで、その指示のことについてなんですけれども、勧告、それから特定農業用ため池の指定、立入調査等々ございますけれども、この緊急の必要があると認めるときの状況、それから、必要な指示の具体的な内容についてお示しをいただきたいと思います。
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室本隆司#23
○室本政府参考人 十九条の農林水産大臣による指示でございます。
 緊急の必要があると認める、例示をしますと、一つは、第六条の勧告については、堤体の補修、洪水吐けの流木とか堆積土砂の除去、こういったことが行われないまま放置をされ、大雨により決壊するおそれがある状態、あるいは、第七条の特定農業用ため池の指定の関係でございますが、下流に家屋等が存在しているものの、管理者が不在のまま選任されていないような状態、第十条の防災工事命令、十一条の代執行については、堤体の老朽化が著しいにもかかわらず、例えば所有者不明によって防災工事についての権利者間の合意形成が困難で、放置されたままの状態である。そういったことが、必要があると認める状態だというふうに考えてございます。
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稲津久#24
○稲津委員 それで、今ここまで御答弁いただいて、一つ意見というか申し上げておきたいと思うんですけれども、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構、これはつくば市にありますけれども、ため池防災支援システムを開発したということで、ぜひ、今後、そういった中で、こうしたシステムの本格運用がされると聞いていますので、こうしたものも活用を本格的にしていっていただければこうしたことについての対応がまた十分できるのかな、こう思っていますので、御検討いただければと思います。
 次に、現場からいろいろいただいている声として、所有者や地方公共団体に対する国の補助や援助はどうなっているのかということなんです。
 昨年の七月の西日本豪雨、二府四県三十二カ所のため池決壊、人的被害も含めて、被害の拡大につながった、こうしたことから本法案の提出に至ったということは、これはもう十分理解できるわけなんですけれども、届出の義務化に伴って、地域では、所有者や管理者など一部の者に義務や責任が集中するのではないか、こういう不安感もあるということなんですね。
 二十条と二十一条のところには補助それから援助ということが書かれています。例えば二十条のところには、国は、都道府県に対し、予算の範囲内において、市町村等の施行する防災工事に対して都道府県が補助する費用の一部又は都道府県がみずから施行する防災工事に要する費用の一部を補助することができる、二十一条は、援助に努めるということを、国そして地方公共団体に課しているわけなんですね。
 それで、所有者や地方公共団体がため池の管理や改修工事を行う、それに当たっての人的あるいは財政的な負担が発生するだろう、困ったものだと。例えば所有者についても、高齢化している、あるいは自治体についても、いわゆる財政状況の中で人員の削減ですとか、果たしてまた専門的なそうした技術を持った人材がいるのかいないのか、こうしたこともあるわけでございまして、改めて、この二十条、二十一条に関連して、国が本法律案で行おうとする補助及び援助のあり方についてお伺いしたいと思います。
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吉川貴盛#25
○吉川国務大臣 国の補助につきましては、今御指摘をいただいた第二十条におきましては、都道府県を経由して、市町村を含む所有者等が行う防災工事に対する間接補助、都道府県が代執行によりみずから実施する防災工事に対する補助を規定しているところでございます。
 また、農業用ため池の適正管理義務を負う所有者等に対する援助につきましては、第二十一条において、ため池の監視や保全管理のための研修、ため池の管理者が行う点検や軽微な補修にかかわる技術的な指導など、資金面、技術面からの援助について規定をしているところでございます。
 平成三十一年度の当初予算におきましては、例えば、公共事業である農村地域防災減災事業につきましては、前年度比一二六%となる六百三十八億円を計上いたしておりまして、この中で、施設の補強等のハード対策や、ため池マップの作成等のソフト対策を重点的に進めていくことにしているところでございます。
 地方公共団体の行政事務に要する経費につきましては、普通交付税の中で適切に措置されることになると承知もいたしております。
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稲津久#26
○稲津委員 今大臣から、防災工事にかかわって今私が質問したことに関しての明快な御答弁をいただきましたけれども、今の御答弁の中でも、予算措置、ハード、ソフトにわたって、また普通交付税の措置もあるんだ、こういうお話でした。
 そこで、この防災工事の定義について改めてここでお伺いしておきたいと思うんですけれども、今回のこの法律案において、防災工事とは、農業用ため池の決壊を防止するために施行する工事、ここにはため池の廃止も入っているわけなんですね。そのようにしてありますけれども、じゃ、どの程度の改良を対象とするのかということも一つ懸念材料です。
 工事の具体的な種類、規模、このことは明らかにしていただきたいと思いますし、これは党内でも一部議論があったんですけれども、それでは、農業用ため池の廃止には、例えば水を抜いたり埋め戻す、こうした工事も防災工事として入るのか否か、このようなことの質問もありましたので、ぜひこのことについてもお伺いさせていただきたいと思います。
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室本隆司#27
○室本政府参考人 この法律案の第二条第三項に規定する防災工事とは、農業用ため池の決壊を防止するために施行する工事で、豪雨対策、耐震対策、老朽化対策のほか、農業用ため池を廃止するために施行する工事も含むものとして定義をしております。
 委員おっしゃっています防災工事の内容でございますけれども、例えば、豪雨時における堤体の越流等に対し安全性を確保するための洪水吐き能力の拡大あるいは堤体のかさ上げ、地震時における安定性を確保するための堤体の拡幅などの補強、老朽化による損傷に対し安全性を確保するための堤体や護岸の補修、そして、これは廃止でございますけれども、ため池に貯水できないような、堤体をV字カットするとか、そもそも撤去をしてしまうということとか、埋立てを行う、こういったことを想定しております。
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稲津久#28
○稲津委員 具体的にお答えいただきまして、ここもかなり明確になったと思います。
 それで、一つ意見を申し上げたいと思うんですけれども、全国に二十万ですか、ため池があって、現在の調査の状況等についても先ほどの質疑の中でも明快になりました。
 それで、使われていないことが明らかなため池については、防災上、これを埋め戻したりしていくこともやはり十分視野に入れていかなくてはならないと思っています。
 それから、現在使用されているため池の中でも、大変危険度が高いんじゃないかとか、しかし、さりとて今ため池を廃止するわけにもいかない、代替の水源をどうするんだ、こういう議論もありますから、そこは慎重の上にも慎重を期すべきと思いますけれども、よく、この調査を進めていく中で、やはり危険度の高いものについては、そうした考え方も含めて、これから十分、所有者やあるいは自治体とも連携しながら、そのあり方について検討、協議を進めていただきたいと思います。
 次に、土地改良区等への管理の委託ということでお伺いしておきたいと思うんですけれども、今回のこの法律案では、市町村長は、裁定に係る特定農業用ため池の管理に関し特に必要があると認めるときは、当該特定農業用ため池の施設管理権に基づく措置の一部を土地改良区その他の者に行わせることができるとされております。これは十六条ですけれども。土地改良区は、それでは、市町村長からの委託による業務の負担の増加というものがどの程度になるんだろうかという懸念もやはりあるわけでございます。
 それから、予算措置等は十分なのかということですね。
 先ほど大臣からも、一部、当初予算等についての考え方も触れていただきましたけれども、私がお伺いしている中では、ため池には大体年二百億程度の農業農村整備事業予算を投入しているということも伺っています。防災工事がこれからため池にふえていくことになると、この農業、農村の予算についてもやはり不足してくるというか、ある程度、そちらの方に、ため池の方に回っていくんじゃないか、そうしたときに、では、その予算は十分確保していけるかどうか。
 こうした関係者の方々の懸念に対して、お答えいただきたいと思います。
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吉川貴盛#29
○吉川国務大臣 十六条第四項に基づきまして、市町村長が管理を土地改良区等に行わせる場合でありますが、これは、土地改良区等の技術職員の有無、本来業務の状況等を踏まえ、土地改良区が受託可能な範囲で、管理内容や費用負担の方法などを定めた協定を締結をして、市町村長が委託をするということになろうかと思います。このため、土地改良区等が管理を受託することにより業務に支障が生じることはないと考えております。
 予算面でありますけれども、先ほども申し上げさせていただきましたが、六百三十八億円、平成三十一年度当初予算で計上いたしておりまするけれども、中でも、補強などの防災工事に関しましては、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策の予算を活用して、推進していかなければと思っております。
 なお、稲津委員御指摘の、防災工事の増加に伴う他事業への影響についてでありますけれども、これまでと同様に、農業農村整備事業全体を推進できますように、必要な予算の確保に全力を挙げて努めてまいりたいと思います。
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