予算委員会公聴会
⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。
会
会議録情報#0
令和七年三月十三日(木曜日)
午前九時開会
─────────────
委員の異動
三月十二日
辞任 補欠選任
石井 正弘君 佐藤 正久君
古庄 玄知君 越智 俊之君
佐藤 啓君 森屋 宏君
船橋 利実君 田中 昌史君
三浦 靖君 清水 真人君
山下 雄平君 北村 経夫君
山田 宏君 長峯 誠君
宮崎 勝君 安江 伸夫君
浜口 誠君 田村 まみ君
紙 智子君 岩渕 友君
三月十三日
辞任 補欠選任
梶原 大介君 太田 房江君
佐藤 正久君 加田 裕之君
本田 顕子君 小川 克巳君
山本 啓介君 有村 治子君
古賀 千景君 奥村 政佳君
三上 えり君 小沼 巧君
高橋 次郎君 塩田 博昭君
藤巻 健史君 松野 明美君
大門実紀史君 山添 拓君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 鶴保 庸介君
理 事
臼井 正一君
自見はなこ君
進藤金日子君
中西 祐介君
永井 学君
杉尾 秀哉君
徳永 エリ君
上田 勇君
金子 道仁君
委 員
有村 治子君
石田 昌宏君
猪口 邦子君
江島 潔君
小川 克巳君
小野田紀美君
越智 俊之君
太田 房江君
加田 裕之君
北村 経夫君
佐藤 正久君
清水 真人君
田中 昌史君
長峯 誠君
堀井 巌君
本田 顕子君
宮本 周司君
森屋 宏君
吉川ゆうみ君
石川 大我君
小沼 巧君
奥村 政佳君
川田 龍平君
柴 愼一君
高木 真理君
塩田 博昭君
平木 大作君
三浦 信祐君
安江 伸夫君
嘉田由紀子君
串田 誠一君
松野 明美君
伊藤 孝恵君
田村 まみ君
岩渕 友君
大門実紀史君
山添 拓君
大島九州男君
事務局側
常任委員会専門
員 星 正彦君
公述人
立教大学経済学
部経済政策学科
教授 首藤 若菜君
株式会社日本総
合研究所調査部
主任研究員 成瀬 道紀君
気仙沼市長 菅原 茂君
茨城大学准教授 西川 邦夫君
筑波大学教授 東野 篤子君
特定非営利活動
法人環境エネル
ギー政策研究所
所長 飯田 哲也君
─────────────
本日の会議に付した案件
○令和七年度一般会計予算(衆議院送付)
○令和七年度特別会計予算(衆議院送付)
○令和七年度政府関係機関予算(衆議院送付)
─────────────
この発言だけを見る →午前九時開会
─────────────
委員の異動
三月十二日
辞任 補欠選任
石井 正弘君 佐藤 正久君
古庄 玄知君 越智 俊之君
佐藤 啓君 森屋 宏君
船橋 利実君 田中 昌史君
三浦 靖君 清水 真人君
山下 雄平君 北村 経夫君
山田 宏君 長峯 誠君
宮崎 勝君 安江 伸夫君
浜口 誠君 田村 まみ君
紙 智子君 岩渕 友君
三月十三日
辞任 補欠選任
梶原 大介君 太田 房江君
佐藤 正久君 加田 裕之君
本田 顕子君 小川 克巳君
山本 啓介君 有村 治子君
古賀 千景君 奥村 政佳君
三上 えり君 小沼 巧君
高橋 次郎君 塩田 博昭君
藤巻 健史君 松野 明美君
大門実紀史君 山添 拓君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 鶴保 庸介君
理 事
臼井 正一君
自見はなこ君
進藤金日子君
中西 祐介君
永井 学君
杉尾 秀哉君
徳永 エリ君
上田 勇君
金子 道仁君
委 員
有村 治子君
石田 昌宏君
猪口 邦子君
江島 潔君
小川 克巳君
小野田紀美君
越智 俊之君
太田 房江君
加田 裕之君
北村 経夫君
佐藤 正久君
清水 真人君
田中 昌史君
長峯 誠君
堀井 巌君
本田 顕子君
宮本 周司君
森屋 宏君
吉川ゆうみ君
石川 大我君
小沼 巧君
奥村 政佳君
川田 龍平君
柴 愼一君
高木 真理君
塩田 博昭君
平木 大作君
三浦 信祐君
安江 伸夫君
嘉田由紀子君
串田 誠一君
松野 明美君
伊藤 孝恵君
田村 まみ君
岩渕 友君
大門実紀史君
山添 拓君
大島九州男君
事務局側
常任委員会専門
員 星 正彦君
公述人
立教大学経済学
部経済政策学科
教授 首藤 若菜君
株式会社日本総
合研究所調査部
主任研究員 成瀬 道紀君
気仙沼市長 菅原 茂君
茨城大学准教授 西川 邦夫君
筑波大学教授 東野 篤子君
特定非営利活動
法人環境エネル
ギー政策研究所
所長 飯田 哲也君
─────────────
本日の会議に付した案件
○令和七年度一般会計予算(衆議院送付)
○令和七年度特別会計予算(衆議院送付)
○令和七年度政府関係機関予算(衆議院送付)
─────────────
鶴
鶴保庸介#1
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから予算委員会公聴会を開会いたします。
本日は、令和七年度一般会計予算、令和七年度特別会計予算及び令和七年度政府関係機関予算につきまして、六名の公述人の方々から順次項目別に御意見をお伺いいたしたいと思います。
この際、公述人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用中のところ、誠にこの本委員会に出席をしていただきありがとうございます。委員会を代表して厚く御礼を申し上げたいと思います。
今後の、令和七年度総予算三案につきまして皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の審査の参考にさせていただきたいというふうに思いますので、何とぞよろしくお願いをいたします。
次に、会議の進め方について申し上げます。
まず、お一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと思います。
なお、御発言は着席のままで結構です。公述人の方には、ちょっと手を挙げていただけると有り難いと思います。
それでは、経済・財政・社会保障について、公述人立教大学経済学部経済政策学科教授首藤若菜君及び株式会社日本総合研究所調査部主任研究員成瀬道紀君から順次御意見を伺います。
まず、首藤公述人にお願いをいたします。首藤公述人。
この発言だけを見る →本日は、令和七年度一般会計予算、令和七年度特別会計予算及び令和七年度政府関係機関予算につきまして、六名の公述人の方々から順次項目別に御意見をお伺いいたしたいと思います。
この際、公述人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用中のところ、誠にこの本委員会に出席をしていただきありがとうございます。委員会を代表して厚く御礼を申し上げたいと思います。
今後の、令和七年度総予算三案につきまして皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の審査の参考にさせていただきたいというふうに思いますので、何とぞよろしくお願いをいたします。
次に、会議の進め方について申し上げます。
まず、お一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと思います。
なお、御発言は着席のままで結構です。公述人の方には、ちょっと手を挙げていただけると有り難いと思います。
それでは、経済・財政・社会保障について、公述人立教大学経済学部経済政策学科教授首藤若菜君及び株式会社日本総合研究所調査部主任研究員成瀬道紀君から順次御意見を伺います。
まず、首藤公述人にお願いをいたします。首藤公述人。
首
首藤若菜#2
○公述人(首藤若菜君) 立教大学の首藤若菜と申します。
本日、このような場でお話しさせていただく機会をいただき、大変光栄に感じております。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、賃上げと年収の壁、選択的夫婦別姓の三点についてお話しさせていただきます。
最初に、賃上げについてです。
昨日は春闘の集中回答日でしたが、報道によりますと、今年は昨年と同様若しくは昨年を超えるような賃上げ水準となっておりまして、大変喜ばしいことだと思っておりますが、中小企業での春闘というのはこれからが本番ですので、そこへ波及できるかどうかというのが課題となっております。その見通し等について幾つかお話ししたいと思います。
まず、現時点で高い賃上げ率を達成した背景には、一つには労働組合による高い要求があったというふうに考えております。資料の四ページ、図一を御覧いただければと思います。
これは、連合が出しておるデータに基づきまして、企業規模別に要求と回答を過去五年間示したグラフになります。今年の要求水準高いということが示されていると思いますが、要求と回答は、その差を見ていただきますと、企業規模が小さくなるほど当然差が開いていくわけですが、それを考慮しても、今年の要求水準を踏まえますと中小企業でも高い賃上げが期待されるところです。図一が定昇込みの賃上げ率、図二が定昇を除く賃上げ率、いわゆるベースアップ分となっております。
さらに、六ページに図三がございますが、これは商工中金が取引先の中小企業を対象に行った調査結果になっております。これはベースアップの数値です。上が実績で下が計画となっておりまして、これによりますと、中小企業では、まず計画と実績を同じ年度で比較していただきますと、計画よりも実績が高くなる、つまり上振れをするという傾向が中小企業では見られるということが分かります。今年の計画が二・九〇ですので、これ十分な数値かどうかはちょっと別として、物価がもし昨年と同様でありますと、物価を超えるベースアップが期待されるというところでございます。
ただ、これらのデータと社会全体の賃金上昇には乖離も見られます。スライドの七ページ目の図四が賃金構造基本統計調査ですけれども、二〇二四年の所定内給与額の増加率になっております。百人未満を見ますと一・七%という水準で、二〇二四年の消費者物価の総合指数は二・七%増となっておりますので、賃金の上昇が物価の上昇に追い付いていないという状況です。昨年の実質賃金マイナスとなっていますので、こちらの方が実は現実には近い数値なのかもしれないと思っております。
つまり、中小企業の中でもかなり賃上げ状況に差が開いていると。組合のあるなしでかなり差が大きいというのは幾つかの研究で指摘されていますけれども、それ以外にも、上げられる企業と上げられない企業があるというふうに考えております。人手不足ですので、賃上げができない企業は淘汰されても仕方がないんだというような指摘もありますが、これがもしかすると産業ごとの違いと重なっている可能性があるというふうに見ております。
八ページの図五を御覧いただければと思いますが、これは産業別に見た二〇二三と二〇二四の賃上げ率になっています。金融・保険業や不動産業で高い一方で、医療、福祉では低く、教育業界ではマイナスというふうになっております。でも、低い、この賃上げ率が低い産業も社会インフラを担っているというような部分がありまして、ここに十分な人が集まらなければ社会が成り立たないという状況です。
では、どのようにして社会の隅々にまで賃上げを行き渡らせることができるのかという点ですが、まず、中小企業は労働分配率既に高い水準にありますので、生産性を高めつつ、やはり価格転嫁が重要だと思います。この間、政府は、価格転嫁を強力に呼びかけて下請法の改正も進めたり、公正取引委員会も監視を強化してきました。こうした動きが一定の効果を発揮していると私は高く評価をしております。
ただ、価格転嫁が十分かと言われると、そうではないというふうに考えております。例えば、中小企業庁の調査によりますと、二〇二二年の九月、今から二年前の九月の価格転嫁率四六・九%でしたけれども、その後、二年後の二〇二四年九月では四九・七%と、実は余り価格転嫁率は変わっていない状況です。かつ、全く転嫁できなかった、いや、むしろマイナスになったという割合も両時点共に約二割を占めています。結局、その中小企業の価格交渉力が弱いままでは、幾ら呼びかけをしてもなかなか転嫁が進まないという実態があると思っております。
例えばですけれども、その多層的な下請構造がある中では、その四次請け、五次請けの事業者に価格転嫁を呼びかけたところで、実際には価格交渉すらできていないような実態があります。下請法の改正も確かにすごく重要なんですけれども、そもそもその多層的な下請構造自体を見直すというような取組が必要なのではないかというふうに考えております。
もう一つは、施策としてのもう一つとしましては、その公的セクターの給与改定が重要だというふうに考えています。昨年の人事院勧告では月例給が大幅に引き上げられましたが、これが今年も継続できるかどうかが問われていると思っております。もちろん、人事院勧告は民間給与を反映しますので、民間の賃金が上がらなければいけないというのは当然なんですけれども、ただ、実態としましては公務員の給与が民間に影響を及ぼすという面があります。特に地方の中小企業においては、その地元の公務員給与に準じて賃金を決めているというようなところもございます。
最後に、医療、介護、物流など社会インフラを支える労働についてです。
これらの労働は、資格や熟練を必要としているのに、それに見合った賃金が支払われていないために人手が不足しているというような面がございます。これについては特定最低賃金などの形で賃金の底支えをする、このことがこれらの業界の賃上げには非常に効果的だというふうに私は思っております。
続いて、年収の壁についてです。
これまでの年収の壁の議論は、主に手取りを増やすためということと、働き控えを減らすためという二点からその引上げや廃止が論じられてきていると思っております。
まず、年収の壁というふうに呼ばれるものは複数ございますが、その勤労収入が増えると手取りが減ってしまうという意味での壁は、私は、税ではなく社会保険の壁だというふうに考えております。いわゆる百六万、百三十万円の壁であるというふうに思っています。
そして、この壁については、手取り、働き控え以外に、第三号被保険者制度に関する中立性、公平性の問題もあるというふうに思っています。この点は長年指摘されてきたことですので繰り返しませんが、今の時代にそぐわない制度なのではないかというふうに私は思っております。
働き控えについては、確かに大きな課題なんですけれども、これは扶養されて働くことを控えることができる人たちの話でありまして、自分の収入で生計を維持していたり、例えばシングルで子育てをしているような人にとっては、働くことを控える余裕すらないというのが実態だと思っております。そうした点からも、公平性の観点から壁の縮小が求められているというふうに考えています。
以下では働き控えについてお話ししていきたいと思いますが、十一ページの図六を御覧いただきたいと思います。
日本の就業者は、まだ縮小は、減少はしていないんですけれども、この間、女性、高齢者がたくさん増えた、女性と高齢者が増えたことから短時間労働者が増加をしていまして、就業者数と労働時間を掛け合わせた、いわゆる労働投入量というふうに呼ばれますが、赤い線で示しているところです、これが減少をずっとしてきているという状況です。
今後この傾向ますます強まるというふうに予測されますので、人手不足を緩和していくためには労働参加率を引き上げるとともに、短時間で働く人たちの労働時間をいかに延ばしていくのかという施策が重要だと思っております。
特に、時間の関係もありますので、女性の短時間労働者に焦点を当ててちょっと考えていきたいと思います。
十二ページの図七を見ていただきますと、日本は国際的に見ても女性雇用者に占める短時間労働者の割合は高い方であるということです。ですので、これを見直していくためにも、その年収の壁が、撤廃をしていくという議論が起きていると思いますが、これが就労抑制にどう働くのかということが、研究が幾つかありますので御紹介したいと思います。
十三ページの図八を御覧ください。
これは明治学院大学の児玉直美先生らの研究で、就業調整の理由別に示したグラフになっています。上の、一番上のオレンジの部分が就業調整をしていない割合で、真ん中の黄緑色が税、社会保険を理由に就業調整をしている割合、一番下のグレーの部分がそのほかの理由で就業調整をしている割合になります。男女別、既婚、未婚別の六つのグラフとなっています。
就業調整をしているのは圧倒的に既婚女性が多いですので、下の段の真ん中のグラフを見ていただきたいと思います。横軸が所得階層となっておりまして、百万から百三十万の辺りで黄緑の割合が増えて、税、社会保険を理由とした就業調整が多いということが分かります。
ただ、この所得階層でも、そのほかの動機で就業調整をしている人が実はかなりの割合を占めています。そして、大抵の人は就業調整を行う理由というのは複合的だというふうに思っております。年収の壁もありますが、家庭の事情もあるので就業を抑制するといった具合です。この図は、その税、社会保険の影響を最大限高く見積もった場合です。
次のページの図九は、その影響を最小に見積もった場合ということになります。この研究では、税、社会保険の影響が最も大きいと言われる既婚女性においても、労働時間を抑制するのは税、社会保険よりも、家庭の事情であったりとか個人の志向という部分が強くて、仮に年収の壁がなくなっても就労抑制の効果は限定的だという結果を導き出しています。
十五ページに整理してありますのが、短時間の女性労働者の賃金と労働時間の変化を過去二十年ぐらいのものを出しています。二〇〇〇年と二〇二三年の値です。
女性の短時間労働者の一時間当たりの所定内給与額、いわゆる時給ですけれども、二〇〇〇年時点、全国平均で八百九十一円でしたが、二〇二三年は千三百十二円と、およそ五割上昇しました。この増加率は、ほぼ最低賃金の上昇率と一致をしています。しかし、月当たりの実労働時間数は百五時間から七十九時間に二五%ほど減少し、その結果、年収の増加が一割増にとどまるというのが実態となっています。
仮に、女性の短時間労働者が現在の、二〇二三年の時給及び賞与の金額で二〇〇〇年段階の労働時間数を働く場合ですけれども、そうすると、平均年収百七十万円になります。年収の壁は一般的に年収百五十三万円を超えたら働き損にならないというふうに言われていますが、つまり、かつての時間を働けばそれを超える時給が達成しているという状況なんですけれども、そこまで働こうとしていない実態があるということです。
政府は年収の壁を議論するに当たって、私が政府にお願いしたいなというふうに思っていることは、今後の労働の在り方についてグランドデザインを示していただきたいというふうに思っております。
先ほどの、ちょっと戻ってしまうんですけれど、十二ページの図七の国際比較の図を見ていただきたいんですが、例えばオランダは短時間労働者が特に多い国です。オランダは、正規、非正規の均等待遇を徹底しまして、かなり戦略的に短時間雇用を拡大してきたことで知られています。逆にスウェーデンは、フルタイムの共働きを標準モデルとしておりまして、短時間労働者が少ないということが分かります。
日本がどのような方向を目指していくのか、税、社会保障の在り方とともに労働の在り方を一緒に議論をし、全体像を示していくことが重要だというふうに思っております。
年収の壁の見直しを、ちょっと元に戻りますけれども、その労働時間を延ばしていくという上で年収の壁を見直していくというのは、ある意味ディスインセンティブを取り除くという意味で重要性が高いというふうに思っております。ただ、働き控えを減らすには、それと同時に、より長く働くことのインセンティブを高めていくという施策が重要だと思っています。
日本は、正規、非正規の処遇格差がすごく大きい国として知られています。賃金格差も大きいですが、図十に示してあるのが退職金、賞与の適用率が正社員と非正社員でどれほどの差があるのかということが分かります。
十一も見ていただきますと、その非正社員の多くが退職金や賞与の適用を望んでいるという実態も分かります。つまり、非正規になると、ボーナスも退職金もなく、何年働いても時給がいつも最低賃金で、昇給も昇進も適用されていないと。なのに、人手不足だからもっと働こうというふうに言われても、そう思えない気持ちは十分に理解できます。正社員と非正社員の壁こそ取り除くということが重要だと思っております。
そもそも、あとフルタイムで働く割合を高めていくこともできると思っておりまして、十九ページの十二を御覧いただければと思います。
これ、三十五歳から三十九歳の女性の労働力率と、女性の雇用者の中に占める正規雇用の比率を都道府県別にプロットしたものになります。これを見ますと、三十歳代の就労の中断がなく働き続けている地域では正規雇用の比率も高いということが分かります。因果関係はこれは分かりませんので、正規だから働き続けられるということかもしれません。
就労を継続するには、要するにワーク・ライフ・バランスの支援というのが肝要なのですが、大切なことは、女性ではなく男性のワーク・ライフ・バランスを進めるということだと思っております。就労抑制の理由とも重なりますが、多くの女性が家庭責任との兼ね合いで非正規に転じたり、働く時間を短くしたりしていますので、男性の長時間労働の是正が求められているというふうに考えております。
以上のとおり、今後も女性の活躍がもっと求められているところですが、それの障壁となっているのが夫婦別姓を選択できない実態にあるというふうにも思っております。
二十ページにあるものが連合の調査の結果ですけれども、別姓を選択できる方がよいとの回答が四六・八%、夫婦は同氏がよいという回答を大きく上回る状況にございます。通称使用では不利益があるとの回答も全体の二五・八%で、五十代の女性では三六%に上っています。
次のページが経団連の調査になりますけれども、同じような質問を女性役員に尋ねますと、八八%の女性役員が、旧姓使用が可能であったとしても不便や不都合、不利益が生じるというふうに回答しております。この問題は、経団連が指摘しているとおりだと私は思っていますが、企業が女性活躍を進める障壁の一つになっています。働く場で多様性を推進できないということは、企業の競争力にも関わる問題だと思っております。
他方で、選択的夫婦別姓の導入が家族のきずなを弱めたり、子供に悪影響を及ぼすのではないかという懸念の声も上がっております。ただ、現在、海外で別姓を選択できる国の中には、かつては夫婦の同姓を強制していた国も多数あります。そうした国で選択的夫婦別姓が導入された後、その家族のきずなが弱まったり、子供の発達に悪影響が及んだりするというような研究を私は読んだことも見たこともございません。家族のつながりの強さは文化や宗教などによって強弱があるということは様々な研究で指摘をされていますが、家族構成員が同姓か別姓かでそれが変わるという実証研究も私は見たことがございません。
この問題は様々な意見があることは承知しております。ただ、少なくとも国会ではファクトに基づいて議論していただきたいと思っております。同一姓であれば家庭が安定し子供が健やかに育つというのであれば、その根拠を示しながら論じるということが重要だろうと思っております。
私からは以上となります。御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →本日、このような場でお話しさせていただく機会をいただき、大変光栄に感じております。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、賃上げと年収の壁、選択的夫婦別姓の三点についてお話しさせていただきます。
最初に、賃上げについてです。
昨日は春闘の集中回答日でしたが、報道によりますと、今年は昨年と同様若しくは昨年を超えるような賃上げ水準となっておりまして、大変喜ばしいことだと思っておりますが、中小企業での春闘というのはこれからが本番ですので、そこへ波及できるかどうかというのが課題となっております。その見通し等について幾つかお話ししたいと思います。
まず、現時点で高い賃上げ率を達成した背景には、一つには労働組合による高い要求があったというふうに考えております。資料の四ページ、図一を御覧いただければと思います。
これは、連合が出しておるデータに基づきまして、企業規模別に要求と回答を過去五年間示したグラフになります。今年の要求水準高いということが示されていると思いますが、要求と回答は、その差を見ていただきますと、企業規模が小さくなるほど当然差が開いていくわけですが、それを考慮しても、今年の要求水準を踏まえますと中小企業でも高い賃上げが期待されるところです。図一が定昇込みの賃上げ率、図二が定昇を除く賃上げ率、いわゆるベースアップ分となっております。
さらに、六ページに図三がございますが、これは商工中金が取引先の中小企業を対象に行った調査結果になっております。これはベースアップの数値です。上が実績で下が計画となっておりまして、これによりますと、中小企業では、まず計画と実績を同じ年度で比較していただきますと、計画よりも実績が高くなる、つまり上振れをするという傾向が中小企業では見られるということが分かります。今年の計画が二・九〇ですので、これ十分な数値かどうかはちょっと別として、物価がもし昨年と同様でありますと、物価を超えるベースアップが期待されるというところでございます。
ただ、これらのデータと社会全体の賃金上昇には乖離も見られます。スライドの七ページ目の図四が賃金構造基本統計調査ですけれども、二〇二四年の所定内給与額の増加率になっております。百人未満を見ますと一・七%という水準で、二〇二四年の消費者物価の総合指数は二・七%増となっておりますので、賃金の上昇が物価の上昇に追い付いていないという状況です。昨年の実質賃金マイナスとなっていますので、こちらの方が実は現実には近い数値なのかもしれないと思っております。
つまり、中小企業の中でもかなり賃上げ状況に差が開いていると。組合のあるなしでかなり差が大きいというのは幾つかの研究で指摘されていますけれども、それ以外にも、上げられる企業と上げられない企業があるというふうに考えております。人手不足ですので、賃上げができない企業は淘汰されても仕方がないんだというような指摘もありますが、これがもしかすると産業ごとの違いと重なっている可能性があるというふうに見ております。
八ページの図五を御覧いただければと思いますが、これは産業別に見た二〇二三と二〇二四の賃上げ率になっています。金融・保険業や不動産業で高い一方で、医療、福祉では低く、教育業界ではマイナスというふうになっております。でも、低い、この賃上げ率が低い産業も社会インフラを担っているというような部分がありまして、ここに十分な人が集まらなければ社会が成り立たないという状況です。
では、どのようにして社会の隅々にまで賃上げを行き渡らせることができるのかという点ですが、まず、中小企業は労働分配率既に高い水準にありますので、生産性を高めつつ、やはり価格転嫁が重要だと思います。この間、政府は、価格転嫁を強力に呼びかけて下請法の改正も進めたり、公正取引委員会も監視を強化してきました。こうした動きが一定の効果を発揮していると私は高く評価をしております。
ただ、価格転嫁が十分かと言われると、そうではないというふうに考えております。例えば、中小企業庁の調査によりますと、二〇二二年の九月、今から二年前の九月の価格転嫁率四六・九%でしたけれども、その後、二年後の二〇二四年九月では四九・七%と、実は余り価格転嫁率は変わっていない状況です。かつ、全く転嫁できなかった、いや、むしろマイナスになったという割合も両時点共に約二割を占めています。結局、その中小企業の価格交渉力が弱いままでは、幾ら呼びかけをしてもなかなか転嫁が進まないという実態があると思っております。
例えばですけれども、その多層的な下請構造がある中では、その四次請け、五次請けの事業者に価格転嫁を呼びかけたところで、実際には価格交渉すらできていないような実態があります。下請法の改正も確かにすごく重要なんですけれども、そもそもその多層的な下請構造自体を見直すというような取組が必要なのではないかというふうに考えております。
もう一つは、施策としてのもう一つとしましては、その公的セクターの給与改定が重要だというふうに考えています。昨年の人事院勧告では月例給が大幅に引き上げられましたが、これが今年も継続できるかどうかが問われていると思っております。もちろん、人事院勧告は民間給与を反映しますので、民間の賃金が上がらなければいけないというのは当然なんですけれども、ただ、実態としましては公務員の給与が民間に影響を及ぼすという面があります。特に地方の中小企業においては、その地元の公務員給与に準じて賃金を決めているというようなところもございます。
最後に、医療、介護、物流など社会インフラを支える労働についてです。
これらの労働は、資格や熟練を必要としているのに、それに見合った賃金が支払われていないために人手が不足しているというような面がございます。これについては特定最低賃金などの形で賃金の底支えをする、このことがこれらの業界の賃上げには非常に効果的だというふうに私は思っております。
続いて、年収の壁についてです。
これまでの年収の壁の議論は、主に手取りを増やすためということと、働き控えを減らすためという二点からその引上げや廃止が論じられてきていると思っております。
まず、年収の壁というふうに呼ばれるものは複数ございますが、その勤労収入が増えると手取りが減ってしまうという意味での壁は、私は、税ではなく社会保険の壁だというふうに考えております。いわゆる百六万、百三十万円の壁であるというふうに思っています。
そして、この壁については、手取り、働き控え以外に、第三号被保険者制度に関する中立性、公平性の問題もあるというふうに思っています。この点は長年指摘されてきたことですので繰り返しませんが、今の時代にそぐわない制度なのではないかというふうに私は思っております。
働き控えについては、確かに大きな課題なんですけれども、これは扶養されて働くことを控えることができる人たちの話でありまして、自分の収入で生計を維持していたり、例えばシングルで子育てをしているような人にとっては、働くことを控える余裕すらないというのが実態だと思っております。そうした点からも、公平性の観点から壁の縮小が求められているというふうに考えています。
以下では働き控えについてお話ししていきたいと思いますが、十一ページの図六を御覧いただきたいと思います。
日本の就業者は、まだ縮小は、減少はしていないんですけれども、この間、女性、高齢者がたくさん増えた、女性と高齢者が増えたことから短時間労働者が増加をしていまして、就業者数と労働時間を掛け合わせた、いわゆる労働投入量というふうに呼ばれますが、赤い線で示しているところです、これが減少をずっとしてきているという状況です。
今後この傾向ますます強まるというふうに予測されますので、人手不足を緩和していくためには労働参加率を引き上げるとともに、短時間で働く人たちの労働時間をいかに延ばしていくのかという施策が重要だと思っております。
特に、時間の関係もありますので、女性の短時間労働者に焦点を当ててちょっと考えていきたいと思います。
十二ページの図七を見ていただきますと、日本は国際的に見ても女性雇用者に占める短時間労働者の割合は高い方であるということです。ですので、これを見直していくためにも、その年収の壁が、撤廃をしていくという議論が起きていると思いますが、これが就労抑制にどう働くのかということが、研究が幾つかありますので御紹介したいと思います。
十三ページの図八を御覧ください。
これは明治学院大学の児玉直美先生らの研究で、就業調整の理由別に示したグラフになっています。上の、一番上のオレンジの部分が就業調整をしていない割合で、真ん中の黄緑色が税、社会保険を理由に就業調整をしている割合、一番下のグレーの部分がそのほかの理由で就業調整をしている割合になります。男女別、既婚、未婚別の六つのグラフとなっています。
就業調整をしているのは圧倒的に既婚女性が多いですので、下の段の真ん中のグラフを見ていただきたいと思います。横軸が所得階層となっておりまして、百万から百三十万の辺りで黄緑の割合が増えて、税、社会保険を理由とした就業調整が多いということが分かります。
ただ、この所得階層でも、そのほかの動機で就業調整をしている人が実はかなりの割合を占めています。そして、大抵の人は就業調整を行う理由というのは複合的だというふうに思っております。年収の壁もありますが、家庭の事情もあるので就業を抑制するといった具合です。この図は、その税、社会保険の影響を最大限高く見積もった場合です。
次のページの図九は、その影響を最小に見積もった場合ということになります。この研究では、税、社会保険の影響が最も大きいと言われる既婚女性においても、労働時間を抑制するのは税、社会保険よりも、家庭の事情であったりとか個人の志向という部分が強くて、仮に年収の壁がなくなっても就労抑制の効果は限定的だという結果を導き出しています。
十五ページに整理してありますのが、短時間の女性労働者の賃金と労働時間の変化を過去二十年ぐらいのものを出しています。二〇〇〇年と二〇二三年の値です。
女性の短時間労働者の一時間当たりの所定内給与額、いわゆる時給ですけれども、二〇〇〇年時点、全国平均で八百九十一円でしたが、二〇二三年は千三百十二円と、およそ五割上昇しました。この増加率は、ほぼ最低賃金の上昇率と一致をしています。しかし、月当たりの実労働時間数は百五時間から七十九時間に二五%ほど減少し、その結果、年収の増加が一割増にとどまるというのが実態となっています。
仮に、女性の短時間労働者が現在の、二〇二三年の時給及び賞与の金額で二〇〇〇年段階の労働時間数を働く場合ですけれども、そうすると、平均年収百七十万円になります。年収の壁は一般的に年収百五十三万円を超えたら働き損にならないというふうに言われていますが、つまり、かつての時間を働けばそれを超える時給が達成しているという状況なんですけれども、そこまで働こうとしていない実態があるということです。
政府は年収の壁を議論するに当たって、私が政府にお願いしたいなというふうに思っていることは、今後の労働の在り方についてグランドデザインを示していただきたいというふうに思っております。
先ほどの、ちょっと戻ってしまうんですけれど、十二ページの図七の国際比較の図を見ていただきたいんですが、例えばオランダは短時間労働者が特に多い国です。オランダは、正規、非正規の均等待遇を徹底しまして、かなり戦略的に短時間雇用を拡大してきたことで知られています。逆にスウェーデンは、フルタイムの共働きを標準モデルとしておりまして、短時間労働者が少ないということが分かります。
日本がどのような方向を目指していくのか、税、社会保障の在り方とともに労働の在り方を一緒に議論をし、全体像を示していくことが重要だというふうに思っております。
年収の壁の見直しを、ちょっと元に戻りますけれども、その労働時間を延ばしていくという上で年収の壁を見直していくというのは、ある意味ディスインセンティブを取り除くという意味で重要性が高いというふうに思っております。ただ、働き控えを減らすには、それと同時に、より長く働くことのインセンティブを高めていくという施策が重要だと思っています。
日本は、正規、非正規の処遇格差がすごく大きい国として知られています。賃金格差も大きいですが、図十に示してあるのが退職金、賞与の適用率が正社員と非正社員でどれほどの差があるのかということが分かります。
十一も見ていただきますと、その非正社員の多くが退職金や賞与の適用を望んでいるという実態も分かります。つまり、非正規になると、ボーナスも退職金もなく、何年働いても時給がいつも最低賃金で、昇給も昇進も適用されていないと。なのに、人手不足だからもっと働こうというふうに言われても、そう思えない気持ちは十分に理解できます。正社員と非正社員の壁こそ取り除くということが重要だと思っております。
そもそも、あとフルタイムで働く割合を高めていくこともできると思っておりまして、十九ページの十二を御覧いただければと思います。
これ、三十五歳から三十九歳の女性の労働力率と、女性の雇用者の中に占める正規雇用の比率を都道府県別にプロットしたものになります。これを見ますと、三十歳代の就労の中断がなく働き続けている地域では正規雇用の比率も高いということが分かります。因果関係はこれは分かりませんので、正規だから働き続けられるということかもしれません。
就労を継続するには、要するにワーク・ライフ・バランスの支援というのが肝要なのですが、大切なことは、女性ではなく男性のワーク・ライフ・バランスを進めるということだと思っております。就労抑制の理由とも重なりますが、多くの女性が家庭責任との兼ね合いで非正規に転じたり、働く時間を短くしたりしていますので、男性の長時間労働の是正が求められているというふうに考えております。
以上のとおり、今後も女性の活躍がもっと求められているところですが、それの障壁となっているのが夫婦別姓を選択できない実態にあるというふうにも思っております。
二十ページにあるものが連合の調査の結果ですけれども、別姓を選択できる方がよいとの回答が四六・八%、夫婦は同氏がよいという回答を大きく上回る状況にございます。通称使用では不利益があるとの回答も全体の二五・八%で、五十代の女性では三六%に上っています。
次のページが経団連の調査になりますけれども、同じような質問を女性役員に尋ねますと、八八%の女性役員が、旧姓使用が可能であったとしても不便や不都合、不利益が生じるというふうに回答しております。この問題は、経団連が指摘しているとおりだと私は思っていますが、企業が女性活躍を進める障壁の一つになっています。働く場で多様性を推進できないということは、企業の競争力にも関わる問題だと思っております。
他方で、選択的夫婦別姓の導入が家族のきずなを弱めたり、子供に悪影響を及ぼすのではないかという懸念の声も上がっております。ただ、現在、海外で別姓を選択できる国の中には、かつては夫婦の同姓を強制していた国も多数あります。そうした国で選択的夫婦別姓が導入された後、その家族のきずなが弱まったり、子供の発達に悪影響が及んだりするというような研究を私は読んだことも見たこともございません。家族のつながりの強さは文化や宗教などによって強弱があるということは様々な研究で指摘をされていますが、家族構成員が同姓か別姓かでそれが変わるという実証研究も私は見たことがございません。
この問題は様々な意見があることは承知しております。ただ、少なくとも国会ではファクトに基づいて議論していただきたいと思っております。同一姓であれば家庭が安定し子供が健やかに育つというのであれば、その根拠を示しながら論じるということが重要だろうと思っております。
私からは以上となります。御清聴ありがとうございました。
鶴
成
成瀬道紀#4
○公述人(成瀬道紀君) 日本総合研究所の成瀬と申します。発言の機会をいただき、ありがとうございます。
本日は、OTC類似薬の問題について意見を述べさせていただきます。短い時間ですので、最も強調したい結論から入ります。
一ページ目を御覧ください。
既に通常国会に薬機法改正案が提出されていますが、以下の項目を削除すべきと考えております。処方箋なしでの医療用医薬品の販売の原則禁止という項目です。処方箋なしで薬局が医療用医薬品を販売することを零売と呼びますので、零売規制の法制化とも呼ばれている項目です。
医療用医薬品は、現在もほとんどが処方箋に基づき販売されていますが、法律、すなわち薬機法上は現時点では処方箋を必要とされておらず、実際、零売を行っている薬局もあります。他方、二〇〇五年から、厚生労働省はやむを得ない場合を除き処方箋が必要であるという趣旨の通知を発出しています。法律と通知で整合性を取るという趣旨は理解できますが、私は、改正されるべきは薬機法ではなく通知の方であると考えております。
次のページをおめくりください。二ページ目です。
このように考えるのは、以下のようなビジョンを持っており、その実現のために不可欠と考えるからです。一つが、プライマリーケアの中に薬剤師を位置付けることです。もう一つが、医療保険財政の持続可能性の確保です。
OTC類似薬をめぐる昨今の報道を見ますと、医療保険財政の方が注目されていますが、私はプライマリーケアの中に薬剤師を位置付けることこそ、より重視しなければならないと思っています。それを実現することによって、医療の質を高めつつ、医療保険財政を改善させることもできると考えています。なお、プライマリーケアとは何でも相談できる身近な医療を指し、診療所や薬局、海外ではナースプラクティショナーなどが担い手として期待されています。
我が国の薬剤師を取り巻く状況は極めて深刻であります。簡単に言えば、高度専門職を大量に養成しながら、本来の役割を担わせず単調な業務に長時間従事させ、その割高なコストを国民が負担するという構図となっています。
参考資料にもグラフを載せましたが、我が国の人口当たりの薬剤師数は国際的に突出しています。こんなに多くの薬剤師がいるのに、本来の役割を担えていないとはどういうことか、御説明いたします。
海外の薬局は、処方箋調剤にとどまらず、セルフメディケーションの支援やワクチン接種を始めとした予防に取り組み、患者が何か健康に気になるところがあったら最初に相談に行く地域の健康づくりの拠点となっています。これに対し我が国の薬局は、約六万件ある薬局の九割が門前薬局である、近接する医療機関の発行した処方箋の調剤に特化しています。
この処方箋調剤という業務の中で、処方箋に書かれた薬を取り出して袋に詰めるようないわゆる対物業務の部分は、海外では以前から調剤補助員あるいはテクニシャンと呼ばれる別の職種が担ってきた業務です。薬剤師の本来の業務ではありません。しかも、こうした業務は近年急速に機械化が進められています。
我が国では、こうした業務を薬剤師がやり続けているために、人数はたくさんいるのに、ほかの本来的な業務に時間を割けない上、多大なコストが生じています。我が国では、調剤に関する技術料が年間約二兆円と、これと薬価差益の数千億円が薬局の調剤に係るコストとなりますが、これをイギリスやドイツと比べると、対GDP比で見て約三倍の規模となっています。これを税や保険料を通じて国民が負担しているということになります。
こうした状況になったのは、背景を理解するには、我が国の医薬分業と薬学部教育の歴史を押さえておく必要があります。
欧米では何百年も医薬分業が根付いていたのに対し、我が国で医薬分業が本格的に進んだのは一九七〇年代以降で、五十年程度のことです。我が国で医薬分業が推進した狙いは、薬漬け医療の是正がありました。院内処方だと、薬を出せば出すほど医療機関の収益が大きくなるものですから、薬漬け医療といった状況が社会問題となり、そこで医療機関は処方箋を出し、薬局で調剤するようになれば薬漬け医療が是正されると考えられたわけです。この目的に照らすと、調剤を医療機関から切離しさえすればよいわけですから、極論すると調剤するのは誰でもよいということになります。
他方、我が国の薬学部教育は、伝統的に研究が重視され、医療者として薬剤師を育ててきませんでした。明治維新後は輸入薬の鑑定、第一次世界大戦でドイツからの医薬品の輸入が途絶えると、医薬品の国産化、さらに第二次世界大戦後は国内での医薬品開発が大きな課題であり、これを支える研究の人材の育成が重視されました。
私自身も、薬学部を卒業し薬剤師の免許も持っていますが、研究が中心で医療者としての教育は受けていません。しかし、薬学部教育で医療者として薬剤師を育てないのはおかしいということになり、二〇〇六年度入学生から薬学部教育は従来の四年制から六年制に変更され、臨床教育が大幅に強化されました。
このように、せっかく薬学部教育が変わり薬剤師を医療者として養成するようになったのに、卒業生が社会に出て薬剤師となったときに担う役割は従来と変わらず、本来の役割を担えないという状況は人的資源の甚大な損失と考えます。
それでは、肝腎のOTC類似薬の議論に入ります。
三ページ目を御覧ください。
我が国の処方箋の要否を決める基準はダブルスタンダードになっています。薬機法でリスクの高い医薬品を処方箋医薬品と定め、処方箋が必須とされています。諸外国では、処方箋医薬品以外はOTC医薬品であり、処方箋は不要です。ところが、我が国は、リスクの低い医薬品であっても、メーカーが医療用医薬品として申請して承認されれば医療用医薬品となり、先ほど御説明した厚生労働省の通知により、原則処方箋が必要とされています。
この赤字の部分、処方箋医薬品以外の医療用医薬品、約七千品目ありますが、本日はこれをOTC類似薬と定義してお話しします。漢方薬、胃腸薬、湿布、アレルギー用薬などをイメージしていただければと思います。金額では約一兆円となります。
この医療用医薬品という区分は、我が国独自の区分であり、医療の中で使われることを目的にした医薬品であるから、処方箋なしで薬剤師は販売するべきではないと言われています。要は、薬剤師は医療の担い手ではないという発想の下に創設された区分でございます。実際、医療用医薬品という区分が創設されたのは一九六七年ですが、当時はドラッグストアによる医薬品の乱売などもあり、医療の担い手と言えないような薬剤師が販売していた実態があったのも事実だと思います。
しかし、薬学部教育が六年制となって約二十年たとうとしており、状況は大きく変化しています。私は、もう諸外国と同様に、処方箋医薬品以外は処方箋なしで薬剤師が販売できるようにすべきタイミングにあると考えます。OTC医薬品が販売できれば、OTC類似薬を販売できなくてもよいのではないかと考える方もいらっしゃるかもしれません。
次のページを御覧ください。
しかし、以下に述べますように、OTC類似薬はOTC医薬品より優れている傾向がありますから、OTC類似薬を処方箋なしで販売できないことは、結果として薬剤師の職能を制限し、セルフメディケーションに取り組みたい患者に不利益を与えます。
一つ目は、OTC類似薬はOTC医薬品より価格が低い傾向があります。OTC類似薬は医療用医薬品であり、ジェネリック医薬品メーカーが大量生産して規模の利益を得られるほか、OTC医薬品は、一般的にテレビコマーシャルに多額の広告宣伝費を掛け、価格が高めになっております。
二つ目は、OTC医薬品は有効成分を含む、有効成分を複数含む配合剤が多いのに対し、医療用医薬品であるOTC類似薬は有効成分が一つの単味剤がほとんどです。プロである薬剤師としては、単味剤の方が患者の症状に合った成分を選べるという特徴があります。
三つ目は、OTC類似薬はOTC医薬品より有効成分の含有量が多い傾向があります。これは、OTC医薬品は独自の承認基準があり、有効成分の含有量を少なく設定しているためです。当然、有効成分の含有量が多い方が効果は高くなると考えられます。
四つ目は、OTC類似薬はOTC医薬品より有効成分のレパートリーが広いです。とりわけ我が国は、セルフメディケーションの普及が低調のため、リスクの低い有効成分であっても採算が見込めずOTC医薬品が開発されていないものや、一旦開発されても市場から撤退したためOTC医薬品が存在しない有効成分も多々あります。
では、次のページ、五ページ目を御覧ください。最後のスライドです。
OTC類似薬をめぐっては保険給付の是非と処方箋の要否が混同して議論されがちであるため、ここで整理しておきたいと思います。この二つは所管法も本来の基準も異なり、別々に考えることができます。
まず、保険給付の是非については、健康保険法の所管で、本来的判断基準は医療へのアクセスです。OTC類似薬は、一般に安価で、保険適用されなくても購入できないということは少なく、かつ、軽症患者が使うことが多いため、仮に服用しなくても健康に重大な影響を及ぼす影響は少ないと考えられます。このため、原則としてOTC類似薬に保険給付は不要と考えられます。ただし、重症な患者が使う場合や低所得者のことなどもありますので、医療へのアクセスの観点から保険給付が必要なケースを例外的に定めれば、必要があると思います。
次に、処方箋の要否については、所管法は薬機法で、本来的判断基準はリスクの高低です。OTC類似薬はリスクが低いとされている医薬品ですから、本来処方箋は不要です。OTC類似薬を処方箋不要としても患者に不利益はありません。医療機関で処方してもらってもよいし、直接薬局で購入してもよい状態となり、患者にとっては選択肢が増えることとなります。
現在、OTC類似薬の保険適用除外が国会の内外で議論されますが、これから本格的に保険適用除外を検討していくタイミングで処方箋要とする法改正を行うのは明らかに非合理であると考えられます。なぜなら、保険適用外で処方箋が必要という状態は、患者にとって最も負担の大きい状態であるためです。そうなると、薬が全額自己負担である上に、薬を入手するためには時間を掛けて医療機関を受診し、その費用も三割負担しなければならないということになります。よって、冒頭述べたように、薬機法改正案から零売規制の法制化の項目を削除すべきと考えます。
本日は薬機法改正案の一部の項目の削除という一見細かいお話をメインにしましたが、今、我が国の薬剤師が明治以降の歴史を乗り越え、本来の職能を発揮できるようになるか否かの岐路に立っていると考えます。委員の先生方には、本件事案の重要性を十分御認識いただき、国民の利益にかなう判断をお願いし、私の発言を終えます。
御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →本日は、OTC類似薬の問題について意見を述べさせていただきます。短い時間ですので、最も強調したい結論から入ります。
一ページ目を御覧ください。
既に通常国会に薬機法改正案が提出されていますが、以下の項目を削除すべきと考えております。処方箋なしでの医療用医薬品の販売の原則禁止という項目です。処方箋なしで薬局が医療用医薬品を販売することを零売と呼びますので、零売規制の法制化とも呼ばれている項目です。
医療用医薬品は、現在もほとんどが処方箋に基づき販売されていますが、法律、すなわち薬機法上は現時点では処方箋を必要とされておらず、実際、零売を行っている薬局もあります。他方、二〇〇五年から、厚生労働省はやむを得ない場合を除き処方箋が必要であるという趣旨の通知を発出しています。法律と通知で整合性を取るという趣旨は理解できますが、私は、改正されるべきは薬機法ではなく通知の方であると考えております。
次のページをおめくりください。二ページ目です。
このように考えるのは、以下のようなビジョンを持っており、その実現のために不可欠と考えるからです。一つが、プライマリーケアの中に薬剤師を位置付けることです。もう一つが、医療保険財政の持続可能性の確保です。
OTC類似薬をめぐる昨今の報道を見ますと、医療保険財政の方が注目されていますが、私はプライマリーケアの中に薬剤師を位置付けることこそ、より重視しなければならないと思っています。それを実現することによって、医療の質を高めつつ、医療保険財政を改善させることもできると考えています。なお、プライマリーケアとは何でも相談できる身近な医療を指し、診療所や薬局、海外ではナースプラクティショナーなどが担い手として期待されています。
我が国の薬剤師を取り巻く状況は極めて深刻であります。簡単に言えば、高度専門職を大量に養成しながら、本来の役割を担わせず単調な業務に長時間従事させ、その割高なコストを国民が負担するという構図となっています。
参考資料にもグラフを載せましたが、我が国の人口当たりの薬剤師数は国際的に突出しています。こんなに多くの薬剤師がいるのに、本来の役割を担えていないとはどういうことか、御説明いたします。
海外の薬局は、処方箋調剤にとどまらず、セルフメディケーションの支援やワクチン接種を始めとした予防に取り組み、患者が何か健康に気になるところがあったら最初に相談に行く地域の健康づくりの拠点となっています。これに対し我が国の薬局は、約六万件ある薬局の九割が門前薬局である、近接する医療機関の発行した処方箋の調剤に特化しています。
この処方箋調剤という業務の中で、処方箋に書かれた薬を取り出して袋に詰めるようないわゆる対物業務の部分は、海外では以前から調剤補助員あるいはテクニシャンと呼ばれる別の職種が担ってきた業務です。薬剤師の本来の業務ではありません。しかも、こうした業務は近年急速に機械化が進められています。
我が国では、こうした業務を薬剤師がやり続けているために、人数はたくさんいるのに、ほかの本来的な業務に時間を割けない上、多大なコストが生じています。我が国では、調剤に関する技術料が年間約二兆円と、これと薬価差益の数千億円が薬局の調剤に係るコストとなりますが、これをイギリスやドイツと比べると、対GDP比で見て約三倍の規模となっています。これを税や保険料を通じて国民が負担しているということになります。
こうした状況になったのは、背景を理解するには、我が国の医薬分業と薬学部教育の歴史を押さえておく必要があります。
欧米では何百年も医薬分業が根付いていたのに対し、我が国で医薬分業が本格的に進んだのは一九七〇年代以降で、五十年程度のことです。我が国で医薬分業が推進した狙いは、薬漬け医療の是正がありました。院内処方だと、薬を出せば出すほど医療機関の収益が大きくなるものですから、薬漬け医療といった状況が社会問題となり、そこで医療機関は処方箋を出し、薬局で調剤するようになれば薬漬け医療が是正されると考えられたわけです。この目的に照らすと、調剤を医療機関から切離しさえすればよいわけですから、極論すると調剤するのは誰でもよいということになります。
他方、我が国の薬学部教育は、伝統的に研究が重視され、医療者として薬剤師を育ててきませんでした。明治維新後は輸入薬の鑑定、第一次世界大戦でドイツからの医薬品の輸入が途絶えると、医薬品の国産化、さらに第二次世界大戦後は国内での医薬品開発が大きな課題であり、これを支える研究の人材の育成が重視されました。
私自身も、薬学部を卒業し薬剤師の免許も持っていますが、研究が中心で医療者としての教育は受けていません。しかし、薬学部教育で医療者として薬剤師を育てないのはおかしいということになり、二〇〇六年度入学生から薬学部教育は従来の四年制から六年制に変更され、臨床教育が大幅に強化されました。
このように、せっかく薬学部教育が変わり薬剤師を医療者として養成するようになったのに、卒業生が社会に出て薬剤師となったときに担う役割は従来と変わらず、本来の役割を担えないという状況は人的資源の甚大な損失と考えます。
それでは、肝腎のOTC類似薬の議論に入ります。
三ページ目を御覧ください。
我が国の処方箋の要否を決める基準はダブルスタンダードになっています。薬機法でリスクの高い医薬品を処方箋医薬品と定め、処方箋が必須とされています。諸外国では、処方箋医薬品以外はOTC医薬品であり、処方箋は不要です。ところが、我が国は、リスクの低い医薬品であっても、メーカーが医療用医薬品として申請して承認されれば医療用医薬品となり、先ほど御説明した厚生労働省の通知により、原則処方箋が必要とされています。
この赤字の部分、処方箋医薬品以外の医療用医薬品、約七千品目ありますが、本日はこれをOTC類似薬と定義してお話しします。漢方薬、胃腸薬、湿布、アレルギー用薬などをイメージしていただければと思います。金額では約一兆円となります。
この医療用医薬品という区分は、我が国独自の区分であり、医療の中で使われることを目的にした医薬品であるから、処方箋なしで薬剤師は販売するべきではないと言われています。要は、薬剤師は医療の担い手ではないという発想の下に創設された区分でございます。実際、医療用医薬品という区分が創設されたのは一九六七年ですが、当時はドラッグストアによる医薬品の乱売などもあり、医療の担い手と言えないような薬剤師が販売していた実態があったのも事実だと思います。
しかし、薬学部教育が六年制となって約二十年たとうとしており、状況は大きく変化しています。私は、もう諸外国と同様に、処方箋医薬品以外は処方箋なしで薬剤師が販売できるようにすべきタイミングにあると考えます。OTC医薬品が販売できれば、OTC類似薬を販売できなくてもよいのではないかと考える方もいらっしゃるかもしれません。
次のページを御覧ください。
しかし、以下に述べますように、OTC類似薬はOTC医薬品より優れている傾向がありますから、OTC類似薬を処方箋なしで販売できないことは、結果として薬剤師の職能を制限し、セルフメディケーションに取り組みたい患者に不利益を与えます。
一つ目は、OTC類似薬はOTC医薬品より価格が低い傾向があります。OTC類似薬は医療用医薬品であり、ジェネリック医薬品メーカーが大量生産して規模の利益を得られるほか、OTC医薬品は、一般的にテレビコマーシャルに多額の広告宣伝費を掛け、価格が高めになっております。
二つ目は、OTC医薬品は有効成分を含む、有効成分を複数含む配合剤が多いのに対し、医療用医薬品であるOTC類似薬は有効成分が一つの単味剤がほとんどです。プロである薬剤師としては、単味剤の方が患者の症状に合った成分を選べるという特徴があります。
三つ目は、OTC類似薬はOTC医薬品より有効成分の含有量が多い傾向があります。これは、OTC医薬品は独自の承認基準があり、有効成分の含有量を少なく設定しているためです。当然、有効成分の含有量が多い方が効果は高くなると考えられます。
四つ目は、OTC類似薬はOTC医薬品より有効成分のレパートリーが広いです。とりわけ我が国は、セルフメディケーションの普及が低調のため、リスクの低い有効成分であっても採算が見込めずOTC医薬品が開発されていないものや、一旦開発されても市場から撤退したためOTC医薬品が存在しない有効成分も多々あります。
では、次のページ、五ページ目を御覧ください。最後のスライドです。
OTC類似薬をめぐっては保険給付の是非と処方箋の要否が混同して議論されがちであるため、ここで整理しておきたいと思います。この二つは所管法も本来の基準も異なり、別々に考えることができます。
まず、保険給付の是非については、健康保険法の所管で、本来的判断基準は医療へのアクセスです。OTC類似薬は、一般に安価で、保険適用されなくても購入できないということは少なく、かつ、軽症患者が使うことが多いため、仮に服用しなくても健康に重大な影響を及ぼす影響は少ないと考えられます。このため、原則としてOTC類似薬に保険給付は不要と考えられます。ただし、重症な患者が使う場合や低所得者のことなどもありますので、医療へのアクセスの観点から保険給付が必要なケースを例外的に定めれば、必要があると思います。
次に、処方箋の要否については、所管法は薬機法で、本来的判断基準はリスクの高低です。OTC類似薬はリスクが低いとされている医薬品ですから、本来処方箋は不要です。OTC類似薬を処方箋不要としても患者に不利益はありません。医療機関で処方してもらってもよいし、直接薬局で購入してもよい状態となり、患者にとっては選択肢が増えることとなります。
現在、OTC類似薬の保険適用除外が国会の内外で議論されますが、これから本格的に保険適用除外を検討していくタイミングで処方箋要とする法改正を行うのは明らかに非合理であると考えられます。なぜなら、保険適用外で処方箋が必要という状態は、患者にとって最も負担の大きい状態であるためです。そうなると、薬が全額自己負担である上に、薬を入手するためには時間を掛けて医療機関を受診し、その費用も三割負担しなければならないということになります。よって、冒頭述べたように、薬機法改正案から零売規制の法制化の項目を削除すべきと考えます。
本日は薬機法改正案の一部の項目の削除という一見細かいお話をメインにしましたが、今、我が国の薬剤師が明治以降の歴史を乗り越え、本来の職能を発揮できるようになるか否かの岐路に立っていると考えます。委員の先生方には、本件事案の重要性を十分御認識いただき、国民の利益にかなう判断をお願いし、私の発言を終えます。
御清聴ありがとうございました。
鶴
鶴保庸介#5
○委員長(鶴保庸介君) ありがとうございました。
以上で公述人の御意見の陳述は終わりました。
それでは、これより公述人に対する質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →以上で公述人の御意見の陳述は終わりました。
それでは、これより公述人に対する質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
自
自見はなこ#6
○自見はなこ君 参議院の自民党の自見はなこです。本日よろしくお願いいたします。
また、首藤公述人、成瀬公述人、誠にありがとうございました。専門的な見地からの御発言、大変勉強になっております。
まず、首藤委員にお尋ねをさせていただきたいと思っております。
委員のお示しをいたしました十九ページの図十二のグラフでございます。この御説明をしていただきました際に委員の方からは、男性のワーク・ライフ・バランスを整えることが非常に大切であるという御発言があったと思います。現在、石破政権の下では地方創生ということも進められている中で、また、女性版の骨太方針等におきましても、やはり地方に女性が、特に若い女性が戻らないその要因として、男女の賃金格差であるとか、あるいは地域におけるアンコンシャスバイアスが根強い地域には女性が戻りづらいんだというところから、政府の中では、特に賃金格差の大きい五つの業種に絞ってアクションプランというものを作成し着手をする。これは例えば地域の金融・保険業とか食品小売業、こういったところにも集中的に取組をしているところではあります。
ですが、今委員の御発言を聞いている中で、それだけではやっぱり十分じゃないんではないかと。賃金格差だけではなくて、男性のワーク・ライフ・バランスという御発言もございましたので、もう少しここについて踏み込んだ御発言をいただけたらと思います。
この発言だけを見る →また、首藤公述人、成瀬公述人、誠にありがとうございました。専門的な見地からの御発言、大変勉強になっております。
まず、首藤委員にお尋ねをさせていただきたいと思っております。
委員のお示しをいたしました十九ページの図十二のグラフでございます。この御説明をしていただきました際に委員の方からは、男性のワーク・ライフ・バランスを整えることが非常に大切であるという御発言があったと思います。現在、石破政権の下では地方創生ということも進められている中で、また、女性版の骨太方針等におきましても、やはり地方に女性が、特に若い女性が戻らないその要因として、男女の賃金格差であるとか、あるいは地域におけるアンコンシャスバイアスが根強い地域には女性が戻りづらいんだというところから、政府の中では、特に賃金格差の大きい五つの業種に絞ってアクションプランというものを作成し着手をする。これは例えば地域の金融・保険業とか食品小売業、こういったところにも集中的に取組をしているところではあります。
ですが、今委員の御発言を聞いている中で、それだけではやっぱり十分じゃないんではないかと。賃金格差だけではなくて、男性のワーク・ライフ・バランスという御発言もございましたので、もう少しここについて踏み込んだ御発言をいただけたらと思います。
首
首藤若菜#7
○公述人(首藤若菜君) 御質問ありがとうございます。
確かに、ちょっと今日時間もなくてほかのデータをお示しすることができなかったんですけれども、女性のいわゆるM字カーブ、労働力率が三十代ぐらいで下がってしまって、一旦就業を中断するというような傾向というのはかつてはかなり地域差が大きかったというふうに言われていまして、特に都市部においては女性は中断をし、地方においては、ここでもこう書いていますけれども、例えば山形の東北ですとか福井、富山の北陸の地方とかはかなり女性の労働力率はかつてから高いということは知られています。
その地域はなぜ高いのかというのも分析がありまして、三世代同居率が高かったりして女性がやっぱりその子育てと仕事を両立しやすいような環境が、その文化的、家族的な背景も含めてあるというようなことは言われています。
逆に、都市部においてなぜそれが低いのかということについては、やはり男性の長時間労働が非常に大きな影響を及ぼしているという指摘は研究上はされていまして、ただ、この二十年ぐらいを見ますと、その都市部でも相当女性の労働力率は上昇してきていまして、なので日本全体でいわゆるM字カーブから台形のカーブへ随分変わってきたことは確かなんですけれども、ただ、その都市部で労働力率は上昇したけれども、結局、都市部の女性たちはかなりパートで働く比率というのがやっぱりすごく高くて、そこで都市部と地方においては差がまだありますというのが、この図十二のですね、地方ではかなり正規で働く比率が今日は増えてきているということなんですね。
なので、もちろんどうやって働き続けるかというときに、じゃ、みんな三世代で同居しましょうみたいな話もあり得るのかもしれないですけれども、やはり男性も子育てですとか家事、育児と、男女が一緒になって携われるような環境整備というのは一つ重要な視点だと私は思っております。
この発言だけを見る →確かに、ちょっと今日時間もなくてほかのデータをお示しすることができなかったんですけれども、女性のいわゆるM字カーブ、労働力率が三十代ぐらいで下がってしまって、一旦就業を中断するというような傾向というのはかつてはかなり地域差が大きかったというふうに言われていまして、特に都市部においては女性は中断をし、地方においては、ここでもこう書いていますけれども、例えば山形の東北ですとか福井、富山の北陸の地方とかはかなり女性の労働力率はかつてから高いということは知られています。
その地域はなぜ高いのかというのも分析がありまして、三世代同居率が高かったりして女性がやっぱりその子育てと仕事を両立しやすいような環境が、その文化的、家族的な背景も含めてあるというようなことは言われています。
逆に、都市部においてなぜそれが低いのかということについては、やはり男性の長時間労働が非常に大きな影響を及ぼしているという指摘は研究上はされていまして、ただ、この二十年ぐらいを見ますと、その都市部でも相当女性の労働力率は上昇してきていまして、なので日本全体でいわゆるM字カーブから台形のカーブへ随分変わってきたことは確かなんですけれども、ただ、その都市部で労働力率は上昇したけれども、結局、都市部の女性たちはかなりパートで働く比率というのがやっぱりすごく高くて、そこで都市部と地方においては差がまだありますというのが、この図十二のですね、地方ではかなり正規で働く比率が今日は増えてきているということなんですね。
なので、もちろんどうやって働き続けるかというときに、じゃ、みんな三世代で同居しましょうみたいな話もあり得るのかもしれないですけれども、やはり男性も子育てですとか家事、育児と、男女が一緒になって携われるような環境整備というのは一つ重要な視点だと私は思っております。
自
自見はなこ#8
○自見はなこ君 ありがとうございます。
ちょうど北陸、福井、富山ということがこのグラフにもございますけれども、ちょうど私、去年の十月一日まで地方創生の担当の国務大臣させていただいた中で、特に北陸三県が合同してこの問題に取り組む、すなわち男女の賃金格差や女性の働きやすさについてのわざわざシンポジウムを福井県の杉本知事が音頭を取って開催をしていただいたということがございます。
ですから、やはりなぜかというと、特にやはり福井は、ここにあるように、グラフの方では上、正規雇用率は上になっているんですが、そもそも戻ってくる人が少ないというところから、なぜだというところに踏み込んで、県挙げて、あるいは業界団体挙げての取組ということに発展し、またそれを北陸三県に広げていったということで、すばらしい取組をしていただいているというふうにも思っております。
なかなか一筋縄でこの話はいかないということも重々承知はしているものの、やはり今委員がおっしゃったような、男性の側から見た働きやすさの追求ということも合わせ技でやっていくことが非常に重要だ、女性だけがフォーカス当たるものではないということが確認をさせていただきました。ありがとうございます。
続きまして、委員がお示しいただきました十二ページの資料のこれは二ですかね、ちょっとお待ちください、いっぱいたくさん有益な図を示していただきまして、資料七ですね、七です。就業者に占める短時間労働者の国際比較をお示しいただきました。また、委員のお話の中で、これからの我が国においては特にその労働の在り方についてのグランドデザインを示してほしいとおっしゃっておられて、かつ、この図七の中でオランダとスウェーデンを比較して、お話の多分これ入口をしていただいたと思います。
是非、首藤委員が考えられる女性の、女性だけではないと思いますが、この短時間労働者の我が国における在り方の特徴、我が国の特徴を捉えた上での在り方ということで、もう少し具体的に御示唆いただけましたら有り難く存じます。
この発言だけを見る →ちょうど北陸、福井、富山ということがこのグラフにもございますけれども、ちょうど私、去年の十月一日まで地方創生の担当の国務大臣させていただいた中で、特に北陸三県が合同してこの問題に取り組む、すなわち男女の賃金格差や女性の働きやすさについてのわざわざシンポジウムを福井県の杉本知事が音頭を取って開催をしていただいたということがございます。
ですから、やはりなぜかというと、特にやはり福井は、ここにあるように、グラフの方では上、正規雇用率は上になっているんですが、そもそも戻ってくる人が少ないというところから、なぜだというところに踏み込んで、県挙げて、あるいは業界団体挙げての取組ということに発展し、またそれを北陸三県に広げていったということで、すばらしい取組をしていただいているというふうにも思っております。
なかなか一筋縄でこの話はいかないということも重々承知はしているものの、やはり今委員がおっしゃったような、男性の側から見た働きやすさの追求ということも合わせ技でやっていくことが非常に重要だ、女性だけがフォーカス当たるものではないということが確認をさせていただきました。ありがとうございます。
続きまして、委員がお示しいただきました十二ページの資料のこれは二ですかね、ちょっとお待ちください、いっぱいたくさん有益な図を示していただきまして、資料七ですね、七です。就業者に占める短時間労働者の国際比較をお示しいただきました。また、委員のお話の中で、これからの我が国においては特にその労働の在り方についてのグランドデザインを示してほしいとおっしゃっておられて、かつ、この図七の中でオランダとスウェーデンを比較して、お話の多分これ入口をしていただいたと思います。
是非、首藤委員が考えられる女性の、女性だけではないと思いますが、この短時間労働者の我が国における在り方の特徴、我が国の特徴を捉えた上での在り方ということで、もう少し具体的に御示唆いただけましたら有り難く存じます。
首
首藤若菜#9
○公述人(首藤若菜君) ありがとうございます。
これも意見がいろいろあるとは思うんですけれども、まず私は、男性、女性限らず、働いてやはりその経済的に自立ができるということは極めて重要だと思っております。
ですので、まず短時間で働く割合、日本は高いんですけれども、高いとしても、その短時間労働者が短時間で働きながらも自分の生計を維持できたり子育てができる、そのためには例えば短時間労働者の最低賃金上げていくとか、さらには正規、非正規との間の格差をもっと縮めていくというような施策が当然求められているとは思います。
ただ、やはり短時間労働者が短時間で働くことを保障していくと、オランダもそうなんですけれども、やっぱり女性が短時間で働く割合はどうしても高くなります。なので、スウェーデンは、やはり結果としての男女の平等性みたいなものを重視した場合には、やはり短時間ではなかなか、労働時間が短い分その経済的な自立が難しくなる実態もありますので、やはりフルタイムである程度働けるような体制をつくっていくことが重要だということを、スウェーデンの例えば労働組合なんかはそういう主張をしています。
私は、結局これをちゃんと選択できるような、女性たちが選択できるような形に今なっていないというふうに思っておりますので、やはりこれをきちんと選択できるようにしていくということは重要ですし、原則はやはり、経済的な自立を望んでいる人はきちんとできるような体制をつくっていくという意味ではやはり、フルタイムとまでは行かないかもしれませんけれども、労働時間はある程度延ばしていくということは必要だろうというふうに私は思っています。
ただ、そうするとなかなか、何ですか、子育てとの両立が難しいというような実態があるのは、結局、フルタイムで日本は今働こうとすると、漏れなく残業が付いてきたり休日出勤が付いてきたりして、労働時間がすごい長時間労働か若しくは物すごく短い短時間労働かという選択肢になっていると思うんですよね。やはり定時で帰れて子育てと仕事なんかが両立ができるというような働き方こそを目指していくべきなのではないかというふうに、これは男性、女性に限らずですけれども、私はそのように考えています。
この発言だけを見る →これも意見がいろいろあるとは思うんですけれども、まず私は、男性、女性限らず、働いてやはりその経済的に自立ができるということは極めて重要だと思っております。
ですので、まず短時間で働く割合、日本は高いんですけれども、高いとしても、その短時間労働者が短時間で働きながらも自分の生計を維持できたり子育てができる、そのためには例えば短時間労働者の最低賃金上げていくとか、さらには正規、非正規との間の格差をもっと縮めていくというような施策が当然求められているとは思います。
ただ、やはり短時間労働者が短時間で働くことを保障していくと、オランダもそうなんですけれども、やっぱり女性が短時間で働く割合はどうしても高くなります。なので、スウェーデンは、やはり結果としての男女の平等性みたいなものを重視した場合には、やはり短時間ではなかなか、労働時間が短い分その経済的な自立が難しくなる実態もありますので、やはりフルタイムである程度働けるような体制をつくっていくことが重要だということを、スウェーデンの例えば労働組合なんかはそういう主張をしています。
私は、結局これをちゃんと選択できるような、女性たちが選択できるような形に今なっていないというふうに思っておりますので、やはりこれをきちんと選択できるようにしていくということは重要ですし、原則はやはり、経済的な自立を望んでいる人はきちんとできるような体制をつくっていくという意味ではやはり、フルタイムとまでは行かないかもしれませんけれども、労働時間はある程度延ばしていくということは必要だろうというふうに私は思っています。
ただ、そうするとなかなか、何ですか、子育てとの両立が難しいというような実態があるのは、結局、フルタイムで日本は今働こうとすると、漏れなく残業が付いてきたり休日出勤が付いてきたりして、労働時間がすごい長時間労働か若しくは物すごく短い短時間労働かという選択肢になっていると思うんですよね。やはり定時で帰れて子育てと仕事なんかが両立ができるというような働き方こそを目指していくべきなのではないかというふうに、これは男性、女性に限らずですけれども、私はそのように考えています。
自
自見はなこ#10
○自見はなこ君 大変勉強になりました。ありがとうございます。
是非、また今後の議論として、例えばオランダ、スウェーデンというその二つの違うある意味グランドデザインを示している国々における子育て支援の違いというものも合わせ技でまた御検討、また御教授いただけたら有り難いなと思いました。ありがとうございます。
続きまして、成瀬公述人にお伺いをしたいと思ってございます。
様々な御提案、誠にありがとうございます。私も、当選をさせていただいて、私、小児科医でございまして、また内科医としても病棟で働いていた経験がございまして、本当に日頃から病棟で一緒に働いてきた薬剤師さんはすばらしい方々ばかりでして、難しい血液疾患の患者さんの子供が例えば感染症になって真菌薬を使わなきゃいけないというときに、例えば抗がん剤とまた抗真菌薬の血中濃度を一緒に計算したりしながら投薬量を決めたり、様々な専門分野においても御一緒させていただいておりますので、委員のその薬剤師の方々の活躍のフィールドを広げたいということ、また是非ともということは本当に気持ちが理解をするところでもございます。
ただ一方で、やはり医療安全ですとか、あと患者様の安心、安全というところは大変重要だと思っております。
例えば、委員も薬学部御卒業ですのでお分かりかもしれませんが、心筋梗塞があるかなというふうに我々医師が思う症例の中でやはり要注意なのは、例えば心窩部痛です。これは、食道、逆流性食道炎との鑑別疾患になります。また、心筋梗塞は放散痛がございますので、歯が痛いと言って来られる方の心筋梗塞もありますし、肩が痛いもあります。また、腎盂腎炎ですね、腎臓の中にばい菌が入るお病気ですけれども、これ腰痛で来られてロキソニンで我慢している方がいる。そうすると、発熱が、マスクされる、その間、抗生剤飲みませんから、あるいは投与されませんので、敗血症になるリスクがある。また、子供たちも、胃腸炎かなと思っていたら、いや、実は急に腸重積になって処置が必要だとか、あるいはインフルエンザだと思って、もちろんインフルエンザなんですが、脳症になるお子さんもいる。
こういう様々な急変するリスク、あるいは初発の症状が実は結果として、一瞬軽症に見えても重症だったということが山のように日常的に経験をしているものですから、委員がおっしゃった世界観を実現するのは相当に国民の理解が要る話だなと思っております。
一問になってしまって恐縮なんですが、委員にお尋ねしたいのは、仮にですね、いわゆる委員がおっしゃる世界観が実現された場合に、診断が遅れたときの薬剤師の医療訴訟のリスク、また患者様の受ける、医療がもたらす安心、安全、命を守るということについての御見解を端的に教えていただければと思います。
この発言だけを見る →是非、また今後の議論として、例えばオランダ、スウェーデンというその二つの違うある意味グランドデザインを示している国々における子育て支援の違いというものも合わせ技でまた御検討、また御教授いただけたら有り難いなと思いました。ありがとうございます。
続きまして、成瀬公述人にお伺いをしたいと思ってございます。
様々な御提案、誠にありがとうございます。私も、当選をさせていただいて、私、小児科医でございまして、また内科医としても病棟で働いていた経験がございまして、本当に日頃から病棟で一緒に働いてきた薬剤師さんはすばらしい方々ばかりでして、難しい血液疾患の患者さんの子供が例えば感染症になって真菌薬を使わなきゃいけないというときに、例えば抗がん剤とまた抗真菌薬の血中濃度を一緒に計算したりしながら投薬量を決めたり、様々な専門分野においても御一緒させていただいておりますので、委員のその薬剤師の方々の活躍のフィールドを広げたいということ、また是非ともということは本当に気持ちが理解をするところでもございます。
ただ一方で、やはり医療安全ですとか、あと患者様の安心、安全というところは大変重要だと思っております。
例えば、委員も薬学部御卒業ですのでお分かりかもしれませんが、心筋梗塞があるかなというふうに我々医師が思う症例の中でやはり要注意なのは、例えば心窩部痛です。これは、食道、逆流性食道炎との鑑別疾患になります。また、心筋梗塞は放散痛がございますので、歯が痛いと言って来られる方の心筋梗塞もありますし、肩が痛いもあります。また、腎盂腎炎ですね、腎臓の中にばい菌が入るお病気ですけれども、これ腰痛で来られてロキソニンで我慢している方がいる。そうすると、発熱が、マスクされる、その間、抗生剤飲みませんから、あるいは投与されませんので、敗血症になるリスクがある。また、子供たちも、胃腸炎かなと思っていたら、いや、実は急に腸重積になって処置が必要だとか、あるいはインフルエンザだと思って、もちろんインフルエンザなんですが、脳症になるお子さんもいる。
こういう様々な急変するリスク、あるいは初発の症状が実は結果として、一瞬軽症に見えても重症だったということが山のように日常的に経験をしているものですから、委員がおっしゃった世界観を実現するのは相当に国民の理解が要る話だなと思っております。
一問になってしまって恐縮なんですが、委員にお尋ねしたいのは、仮にですね、いわゆる委員がおっしゃる世界観が実現された場合に、診断が遅れたときの薬剤師の医療訴訟のリスク、また患者様の受ける、医療がもたらす安心、安全、命を守るということについての御見解を端的に教えていただければと思います。
成
成瀬道紀#11
○公述人(成瀬道紀君) 軽症と思われても重症である場合もあるということなんですけれども、セルフメディケーションをするということは、今でも一般用医薬品は薬剤師の判断で買うということができるわけですので、そのOTC類似薬を薬剤師が売れなくしてもしなくても結局薬局に行ってしまう、しまうというか、薬局に行ってよいと私は思っているんですけれども、薬局に行かれる患者も多いし、それがまさにセルフメディケーションであるわけですから、それを理由にOTC類似薬を薬局で販売できないというのは少し違うのかなというふうに思っているところでございます。
気軽に行ける薬局で相談できるからこそ逆に受診勧奨をして、この症状であれば医師にちゃんと受診した方がいいよということも薬剤師がしっかりできる能力を身に付ければ、むしろ薬局に気軽に行けることで医療につなげることができると、そういうこともあるかと思います。
御質問の医療訴訟については、法的にどうなのかということ等私も詳しいところは存じ上げませんので、そこは申し訳ございません。
この発言だけを見る →気軽に行ける薬局で相談できるからこそ逆に受診勧奨をして、この症状であれば医師にちゃんと受診した方がいいよということも薬剤師がしっかりできる能力を身に付ければ、むしろ薬局に気軽に行けることで医療につなげることができると、そういうこともあるかと思います。
御質問の医療訴訟については、法的にどうなのかということ等私も詳しいところは存じ上げませんので、そこは申し訳ございません。
自
鶴
杉
杉尾秀哉#14
○杉尾秀哉君 立憲民主・社民・無所属の杉尾秀哉でございます。
首藤公述人、それから成瀬公述人、お忙しい中、当委員会にお越しいただきまして、本当に貴重な意見賜りまして、大変ありがとうございます。
まず、首藤公述人に伺います。
たしか去年も来ていただきまして、何か毎年のようで大変恐縮なんですけれども、ちょうどタイミングが、冒頭にお話をされた昨日、春闘の集中回答日ということで、お話しになられたように、大手の方は今年も順調で、企業によっては組合の要求を上回る回答が出ているところもあるということなんですけど、やはり問題は、これからその中小、さっきおっしゃったとおりだというふうに思うんですね。ちなみに、去年は大手が五・三八%で、中小が四・たしか〇一%ぐらいだったと思うんですが。
このいただいた資料の九ページに、継続的な賃上げのためにということで、この価格転嫁ですね、これは確かに極めて重要だというふうに思います。公的セクターのその給与の改定、それから、おっしゃった医療、介護等々のいわゆる社会インフラの分野ですね。これ以外にも、例えば賃上げ税制というふうな形で促進税制、様々なインセンティブを政府付けようとしておりますけれども、こういったその諸施策が果たしてどこまで有効なのか。
まず、首藤参考人に、この賃上げ税制を含む今の政府のその施策の足りない点、それから問題点、課題ありましたら聞かせていただけますか。
この発言だけを見る →首藤公述人、それから成瀬公述人、お忙しい中、当委員会にお越しいただきまして、本当に貴重な意見賜りまして、大変ありがとうございます。
まず、首藤公述人に伺います。
たしか去年も来ていただきまして、何か毎年のようで大変恐縮なんですけれども、ちょうどタイミングが、冒頭にお話をされた昨日、春闘の集中回答日ということで、お話しになられたように、大手の方は今年も順調で、企業によっては組合の要求を上回る回答が出ているところもあるということなんですけど、やはり問題は、これからその中小、さっきおっしゃったとおりだというふうに思うんですね。ちなみに、去年は大手が五・三八%で、中小が四・たしか〇一%ぐらいだったと思うんですが。
このいただいた資料の九ページに、継続的な賃上げのためにということで、この価格転嫁ですね、これは確かに極めて重要だというふうに思います。公的セクターのその給与の改定、それから、おっしゃった医療、介護等々のいわゆる社会インフラの分野ですね。これ以外にも、例えば賃上げ税制というふうな形で促進税制、様々なインセンティブを政府付けようとしておりますけれども、こういったその諸施策が果たしてどこまで有効なのか。
まず、首藤参考人に、この賃上げ税制を含む今の政府のその施策の足りない点、それから問題点、課題ありましたら聞かせていただけますか。
首
首藤若菜#15
○公述人(首藤若菜君) ありがとうございます。御質問ありがとうございます。
賃上げ税制につきましては、全く影響がないというふうには思っておりませんが、中小企業は赤字経営のところもすごく多いというような実態もありますし、それほど効果的だというふうには私は見ていません。
ただ、政府がその価格転嫁の呼びかけをあれだけしたり、政労使会議をやったりとか、下請法の改正したりというところは非常に、取り組まれているところは方向性は私はよろしいのではないかと評価をしているところですけれども、ただ、実態として価格転嫁もそこまで進んでいないという状況があります。これどうしたらいいんだろうかということに、やっぱりもう一歩踏み込む必要があるというふうに思っています。
私は物流とかトラックドライバーの研究をフィールドでやっていまして、価格転嫁が最も遅れている業界でトラック運送業があります。トラック運送業ですと、例えば東京―大阪間で十万円の運賃で運べば賃上げができますと。でも、結局八万円でみんな運んでいると。で、十万にしたいというふうに思っても、結局転嫁をすると何が起きているかというと、十万で交渉したら、ああ、いいですよと、で、十万になるんですけれども、その後仕事が来なくなるわけですね。結局、八万で運ぶところがあり続ける限り、やっぱり八万円になってしまうと。
これ、大企業にそのパートナーシップ構築だとか価格転嫁は大事だというふうに言っても、企業側にとっても、八万円で運んでいるところがあるのに十万円を選ぶかといったら、それはやっぱり選ばないわけです。だから、やっぱりそこに対して何ができるかを考えないといけないというふうに思っています。
例えば、やはり過当競争が原因というのは一つありますので、やっぱり過当競争を是正していくとか、多層下請が原因というのがあれば、下請法で取り締まるだけではなくて、やっぱり多層な下請自体を直していくとかいうような、市場の競争環境の整備がなくして、意識が変われば価格が転嫁していくほど価格転嫁は甘くないというふうに私は思っています。
この発言だけを見る →賃上げ税制につきましては、全く影響がないというふうには思っておりませんが、中小企業は赤字経営のところもすごく多いというような実態もありますし、それほど効果的だというふうには私は見ていません。
ただ、政府がその価格転嫁の呼びかけをあれだけしたり、政労使会議をやったりとか、下請法の改正したりというところは非常に、取り組まれているところは方向性は私はよろしいのではないかと評価をしているところですけれども、ただ、実態として価格転嫁もそこまで進んでいないという状況があります。これどうしたらいいんだろうかということに、やっぱりもう一歩踏み込む必要があるというふうに思っています。
私は物流とかトラックドライバーの研究をフィールドでやっていまして、価格転嫁が最も遅れている業界でトラック運送業があります。トラック運送業ですと、例えば東京―大阪間で十万円の運賃で運べば賃上げができますと。でも、結局八万円でみんな運んでいると。で、十万にしたいというふうに思っても、結局転嫁をすると何が起きているかというと、十万で交渉したら、ああ、いいですよと、で、十万になるんですけれども、その後仕事が来なくなるわけですね。結局、八万で運ぶところがあり続ける限り、やっぱり八万円になってしまうと。
これ、大企業にそのパートナーシップ構築だとか価格転嫁は大事だというふうに言っても、企業側にとっても、八万円で運んでいるところがあるのに十万円を選ぶかといったら、それはやっぱり選ばないわけです。だから、やっぱりそこに対して何ができるかを考えないといけないというふうに思っています。
例えば、やはり過当競争が原因というのは一つありますので、やっぱり過当競争を是正していくとか、多層下請が原因というのがあれば、下請法で取り締まるだけではなくて、やっぱり多層な下請自体を直していくとかいうような、市場の競争環境の整備がなくして、意識が変われば価格が転嫁していくほど価格転嫁は甘くないというふうに私は思っています。
杉
杉尾秀哉#16
○杉尾秀哉君 まあそういった多層的な取り組み方というんですかね、それが重要だというのはよく分かります。
それと、今度、百三万円、百三十万円、百六万円の壁。この国会でも百三万円の壁の問題、大きなテーマになりました。一定の結論はこれまでのところは出ているわけですけれども、その百六万円の壁の話なんですけれども、これ、年金改革の中で本当はその百六万円の壁の撤廃という話が入っていたというか、いるわけですけれども、いまだにその閣議決定がされていないと、出されるかどうかも分からないと、重要広範議案ということでちょっと異例の事態になっているんですが、この今の公的年金改革、ちょっとお話をされた中からは若干はみ出るかもしれませんけれども、これ極めて重要な問題だと思いますので、公述人はどういうふうに考えておられるか、聞かせていただけますか。
この発言だけを見る →それと、今度、百三万円、百三十万円、百六万円の壁。この国会でも百三万円の壁の問題、大きなテーマになりました。一定の結論はこれまでのところは出ているわけですけれども、その百六万円の壁の話なんですけれども、これ、年金改革の中で本当はその百六万円の壁の撤廃という話が入っていたというか、いるわけですけれども、いまだにその閣議決定がされていないと、出されるかどうかも分からないと、重要広範議案ということでちょっと異例の事態になっているんですが、この今の公的年金改革、ちょっとお話をされた中からは若干はみ出るかもしれませんけれども、これ極めて重要な問題だと思いますので、公述人はどういうふうに考えておられるか、聞かせていただけますか。
首
首藤若菜#17
○公述人(首藤若菜君) ありがとうございます。
年金改革もそうですし、高額療養費の問題もこの間ありましたけれども、医療もそうですけれども、やはり百六万円、百三十万円の壁をどう取り払うかということはそれ自体で多分すごく重要なので、議論を私はした方がいいと思っていますけれども、やはり日本の社会保障全体が、かなりいろんなところで持続可能性が危うくなっているというふうに見ています。例えば、就職氷河期世代の年金問題なんかもあります。
ですので、全体を通じて、どこか部分的に議論するというよりは全体でやはり議論をしていくことが重要ですし、与党側も野党に対して理解を求めるような、何か国民会議のようなものを例えばつくって、社会保障全体を論じていくような場が重要になってくるんじゃないかなというふうに私は思っています。
この発言だけを見る →年金改革もそうですし、高額療養費の問題もこの間ありましたけれども、医療もそうですけれども、やはり百六万円、百三十万円の壁をどう取り払うかということはそれ自体で多分すごく重要なので、議論を私はした方がいいと思っていますけれども、やはり日本の社会保障全体が、かなりいろんなところで持続可能性が危うくなっているというふうに見ています。例えば、就職氷河期世代の年金問題なんかもあります。
ですので、全体を通じて、どこか部分的に議論するというよりは全体でやはり議論をしていくことが重要ですし、与党側も野党に対して理解を求めるような、何か国民会議のようなものを例えばつくって、社会保障全体を論じていくような場が重要になってくるんじゃないかなというふうに私は思っています。
杉
杉尾秀哉#18
○杉尾秀哉君 この百三万円、百三十万円、百六万円、税の壁が段階になっていたり、社会保険もやっぱり段階になっていたり、百三十万円の場合はいきなり保険料が掛かって三十万円がくんと下がるみたいな、税と社会保障が今別々のシステムになっていますけれども、これをひとつ合算をして、しかも壁をつくらずに、なだらかなスムーズな曲線にしていくという、これ、こういった改革が本当に必要じゃないかとおっしゃる専門家の方いらっしゃいますが、それについて公述人はどういう御意見お持ちですか。
この発言だけを見る →首
首藤若菜#19
○公述人(首藤若菜君) 私も同意見です。もちろん、こうなだらかにしていって、就労に対して、何ですかね、その影響を及ぼさないような形にしていくということが重要だと思っております。
でも同時に、やはり年金の問題について言うと、同時にやっぱり例えば最低保障年金ですとかそういったものもつくっていくことが多分必要になってくるというふうに思いますので、きちんと納めて就労に影響を及ぼさないような体系づくりとともに、幅広く人々が老後も含めて安心して暮らせるような設計ということが求められているというふうに思っております。
この発言だけを見る →でも同時に、やはり年金の問題について言うと、同時にやっぱり例えば最低保障年金ですとかそういったものもつくっていくことが多分必要になってくるというふうに思いますので、きちんと納めて就労に影響を及ぼさないような体系づくりとともに、幅広く人々が老後も含めて安心して暮らせるような設計ということが求められているというふうに思っております。
杉
杉尾秀哉#20
○杉尾秀哉君 首藤公述人はここまでに一応させていただきまして、ちょっと成瀬公述人に伺いたいんですけれども、私の余り得意な分野ではないんですが、セルフメディケーションの話を何回かされました。私、たまたま前職、テレビでニュースの仕事をしていたんですけど、そのときにちょっと知人に頼まれまして、セルフメディケーションを考えるシンポジウムで司会をしてくれと言われて、そのとき林現官房長官も出てきていただきまして何人かで議論をしたんですけれども、確かに考え方としては極めてもっともだというふうに思うんですが、そのシンポジウム自体はちょうど十年ちょっと前だと思うんですけれども、それから一向にセルフメディケーションがやっぱり進んでいかない。ここの最大の原因はどういうところにあるというふうに成瀬公述人は考えていらっしゃいますでしょうか。
この発言だけを見る →成
成瀬道紀#21
○公述人(成瀬道紀君) 御質問ありがとうございます。
最大二つ挙げさせていただくと、一つはやっぱり薬局が門前薬局が中心になっている。調剤業務が比較的高い報酬が付くようになっておりますから、門前薬局が中心になっている。そこで、医療機関の目の前でセルフメディケーションを余りやると医療機関に来る方が少なくなるというようなことで、なかなか今の構造というのはセルフメディケーションを進めにくいというところがあるのが一つと。
もう一つが、本日お話ししましたOTC類似薬、価格は安くて効果は高いもの、これを使えない。これは医療機関に行かないと今処方、手に入れることができないという状況に基本的にはなっておりますから、この二つが大きいのかなというふうに考えております。
この発言だけを見る →最大二つ挙げさせていただくと、一つはやっぱり薬局が門前薬局が中心になっている。調剤業務が比較的高い報酬が付くようになっておりますから、門前薬局が中心になっている。そこで、医療機関の目の前でセルフメディケーションを余りやると医療機関に来る方が少なくなるというようなことで、なかなか今の構造というのはセルフメディケーションを進めにくいというところがあるのが一つと。
もう一つが、本日お話ししましたOTC類似薬、価格は安くて効果は高いもの、これを使えない。これは医療機関に行かないと今処方、手に入れることができないという状況に基本的にはなっておりますから、この二つが大きいのかなというふうに考えております。
杉
杉尾秀哉#22
○杉尾秀哉君 それで、OTC類似薬のことなんですけれども、これ、自民、公明、維新の三党合意の中に、教育の無償化、高等教育、高校ですね、教育の無償化と同じ、社会保障の改革というのがあって、その中に四兆円削減の目標というこの数字も実際に示されているわけですが、念頭に置くというふうな表現だったらしいんですが。
先ほどのちょっと資料の三ページに、ちょうどOTC類似薬とOTC医薬品とそれから処方箋医薬品、三つ書いてあって、このOTC類似薬のところ、一兆円程度というふうにおっしゃいましたけれども、どれぐらい、OTC類似薬のこの非処方箋化、保険適用外、これでどれぐらいその、何というんですかね、コストが浮くというふうにお考えなのか、聞かせていただけますか。この四兆円という目標はこうしたことだけで達成できるものではないというふうに思うんですけど、いかがでしょう。
この発言だけを見る →先ほどのちょっと資料の三ページに、ちょうどOTC類似薬とOTC医薬品とそれから処方箋医薬品、三つ書いてあって、このOTC類似薬のところ、一兆円程度というふうにおっしゃいましたけれども、どれぐらい、OTC類似薬のこの非処方箋化、保険適用外、これでどれぐらいその、何というんですかね、コストが浮くというふうにお考えなのか、聞かせていただけますか。この四兆円という目標はこうしたことだけで達成できるものではないというふうに思うんですけど、いかがでしょう。
成
成瀬道紀#23
○公述人(成瀬道紀君) おっしゃるとおり、これだけで四兆円というのは難しいと思います。
薬剤費については、この七千品目を完全に外すとすると一兆円ということになりますけれども、実際にはお子様であったり所得の少ない方、こういったものでも重症患者に使う場合もありますから、そういったケースで、これはまさに国会で、国会か厚生労働省か分かりませんけれども、例外的に給付するというものを決めていく。どこまで例外をつくっていくかということにかなり依存する部分があるかと思います。場合によっては、五千億円とか半分ぐらいになる可能性も十分考えられます。また、すぐにできることではなくて、特に何のルールもないままやってしまうと、医師の処方が処方箋医薬品の保険が利く方にシフトしてしまうという可能性があるんですね。ですので、そのルール作りなんかもやっていきながらやらないといけないので、数年時間を掛けながら、五千億とか七千億とかそういう数字に近づいていくものかと考えます。
もう一つ大事なのが、医療機関の受診、診察料と薬局の技術料、この部分はどれだけ人々の行動が変容して直接薬局に行くようになるかに左右される部分が大きいですが、過去の先行研究ですとOTC類似薬だけを処方された医療費で一兆円ぐらい掛かっているということもありますので、場合によってはプラスで一兆円ぐらい削減できるポテンシャルはあるのかなというふうに考えております。
この発言だけを見る →薬剤費については、この七千品目を完全に外すとすると一兆円ということになりますけれども、実際にはお子様であったり所得の少ない方、こういったものでも重症患者に使う場合もありますから、そういったケースで、これはまさに国会で、国会か厚生労働省か分かりませんけれども、例外的に給付するというものを決めていく。どこまで例外をつくっていくかということにかなり依存する部分があるかと思います。場合によっては、五千億円とか半分ぐらいになる可能性も十分考えられます。また、すぐにできることではなくて、特に何のルールもないままやってしまうと、医師の処方が処方箋医薬品の保険が利く方にシフトしてしまうという可能性があるんですね。ですので、そのルール作りなんかもやっていきながらやらないといけないので、数年時間を掛けながら、五千億とか七千億とかそういう数字に近づいていくものかと考えます。
もう一つ大事なのが、医療機関の受診、診察料と薬局の技術料、この部分はどれだけ人々の行動が変容して直接薬局に行くようになるかに左右される部分が大きいですが、過去の先行研究ですとOTC類似薬だけを処方された医療費で一兆円ぐらい掛かっているということもありますので、場合によってはプラスで一兆円ぐらい削減できるポテンシャルはあるのかなというふうに考えております。
杉
杉尾秀哉#24
○杉尾秀哉君 ちょっと時間が微妙なんですが、若干時間がありますので、せっかく首藤参考人、選択的夫婦別姓の話、最後されましたので、ファクトに合ったその議論をという話でしたけれども、ちょっと時間になったからやめようかな、ちょっと、じゃ、済みません、ゼロになりましたのでやめます。残念ですけれども、じゃ、また委員会外で伺います。よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →鶴
上
上田勇#26
○上田勇君 公明党の上田勇でございます。
今日は、首藤参考人、そして成瀬参考人、御両名に大変お忙しいところ御出席をいただきまして、今大変貴重な御意見頂戴をいたしましたこと、改めて御礼を申し上げたいというふうに思います。
まず、首藤参考人にお伺いしたいというふうに思いますが、今御意見伺った中で、いわゆる三号被保険者のことについて、時代にそぐわなくなっているとお話がございました。確かに三号被保険者制度というのは片働き世帯をモデルとしている部分がこれあるんだというふうに思うんですけれども、これまでこの三号被保険者の問題についても含めて、これまで社会保険加入の対象をなるべく広げていこうという取組をしてきましたし、これについては一定のコンセンサスがあるのではないかというふうに思います。
ただ、具体的になるといろんな御意見があるのはもう承知のことなんですが、今先生の御意見の中で、この就労抑制の原因には、収入の壁という問題もあるけれども、それ以外の理由の方がむしろ大きいのではないかと、働き方の志向性の問題もあるし、それから家庭事情もあるということでございました。そういうことになる、特にとりわけ家庭事情ということもあると、やはりこの三号被保険者制度というようなことについてもまあ一定の役割もあるのかなというような感じがいたします。
そうすると、三号被保険者のこの在り方、これから段階的ではあるんだというふうに思うんですけれども、廃止をしていくという方向性が正しいのか、今後のあるべき姿について御意見を伺えればというふうに思います。
この発言だけを見る →今日は、首藤参考人、そして成瀬参考人、御両名に大変お忙しいところ御出席をいただきまして、今大変貴重な御意見頂戴をいたしましたこと、改めて御礼を申し上げたいというふうに思います。
まず、首藤参考人にお伺いしたいというふうに思いますが、今御意見伺った中で、いわゆる三号被保険者のことについて、時代にそぐわなくなっているとお話がございました。確かに三号被保険者制度というのは片働き世帯をモデルとしている部分がこれあるんだというふうに思うんですけれども、これまでこの三号被保険者の問題についても含めて、これまで社会保険加入の対象をなるべく広げていこうという取組をしてきましたし、これについては一定のコンセンサスがあるのではないかというふうに思います。
ただ、具体的になるといろんな御意見があるのはもう承知のことなんですが、今先生の御意見の中で、この就労抑制の原因には、収入の壁という問題もあるけれども、それ以外の理由の方がむしろ大きいのではないかと、働き方の志向性の問題もあるし、それから家庭事情もあるということでございました。そういうことになる、特にとりわけ家庭事情ということもあると、やはりこの三号被保険者制度というようなことについてもまあ一定の役割もあるのかなというような感じがいたします。
そうすると、三号被保険者のこの在り方、これから段階的ではあるんだというふうに思うんですけれども、廃止をしていくという方向性が正しいのか、今後のあるべき姿について御意見を伺えればというふうに思います。
首
首藤若菜#27
○公述人(首藤若菜君) ありがとうございます。
第三号被保険者については、私は廃止をしていくべきだと思っております。廃止の仕方とかそのスパンとかやり方というのはいろいろ議論があるところだと思いますけれども、もちろん短時間で働く人がこれだけ多い中で、その人たちにもきちんと年金が支給されるような形をつくっていくという意味では、第三号の被保険者制度の果たしてきた役割というのは当然あることはあるわけですけれども、ただ、シングルで働いている人もいますし、働いていない学生もいますし、様々な人たちとのやっぱり公平性、中立性に問題があるというふうに思っております。
そういう点から、やはりもしそうであるならば、シングルで働いていたって、例えば一定の収入減だったらもう全部その社会保険料、保険料を納めなくてもいいというような形にするとかいうような、やっぱり公平性を保っていくということは納める側からしてみると非常に重要な観点だと思っていますので、そういう意味でやっぱり公平中立な制度設計にしていくべきだというふうに考えています。
この発言だけを見る →第三号被保険者については、私は廃止をしていくべきだと思っております。廃止の仕方とかそのスパンとかやり方というのはいろいろ議論があるところだと思いますけれども、もちろん短時間で働く人がこれだけ多い中で、その人たちにもきちんと年金が支給されるような形をつくっていくという意味では、第三号の被保険者制度の果たしてきた役割というのは当然あることはあるわけですけれども、ただ、シングルで働いている人もいますし、働いていない学生もいますし、様々な人たちとのやっぱり公平性、中立性に問題があるというふうに思っております。
そういう点から、やはりもしそうであるならば、シングルで働いていたって、例えば一定の収入減だったらもう全部その社会保険料、保険料を納めなくてもいいというような形にするとかいうような、やっぱり公平性を保っていくということは納める側からしてみると非常に重要な観点だと思っていますので、そういう意味でやっぱり公平中立な制度設計にしていくべきだというふうに考えています。
上
上田勇#28
○上田勇君 ありがとうございます。
これから、多分もう今、家族構成とか世帯の働き方も大きく変わってきているので、そういう方向に行くことが私も自然なんではないかというふうには思っているんですが、ただ、やっぱりこの問題というのはどうしても、直近の問題として、負担が増える人、それから、変な話すると、得する人と損する人がいるという問題があります。
そうすると、これは段階的にある程度移行していかなければいけないんだろうというふうに思うんですけれども、その辺の、何というか、タイムフレームみたいなことについて何かお考えがあれば御教示いただければと思います。
この発言だけを見る →これから、多分もう今、家族構成とか世帯の働き方も大きく変わってきているので、そういう方向に行くことが私も自然なんではないかというふうには思っているんですが、ただ、やっぱりこの問題というのはどうしても、直近の問題として、負担が増える人、それから、変な話すると、得する人と損する人がいるという問題があります。
そうすると、これは段階的にある程度移行していかなければいけないんだろうというふうに思うんですけれども、その辺の、何というか、タイムフレームみたいなことについて何かお考えがあれば御教示いただければと思います。
首
首藤若菜#29
○公述人(首藤若菜君) 社会保障制度は、私、社会保障自体は専門としていませんので、ちょっと詳しいところまで私が申し上げるのは難しいんですけれども、やはり当然、何ですかね、これまで納めてきてこなかった人たちにこれまでの分を全部納めなさいというような形は難しいと思っております。
ですので、段階的に、今後加入していく人たちに対して適用していくであるとか、あとは、もちろん共働きにするのか片働きにするのかというのは各御家庭で判断されたらいいわけですけれども、片働きにしたとしても、その働いている方が働いていない配偶者の分の保険料もきちんと納めるような形にするとかいうような形の設計をしていけば、段階的にやっていけば、解消していくことは私はできない話ではないだろうというふうには思っております。
この発言だけを見る →ですので、段階的に、今後加入していく人たちに対して適用していくであるとか、あとは、もちろん共働きにするのか片働きにするのかというのは各御家庭で判断されたらいいわけですけれども、片働きにしたとしても、その働いている方が働いていない配偶者の分の保険料もきちんと納めるような形にするとかいうような形の設計をしていけば、段階的にやっていけば、解消していくことは私はできない話ではないだろうというふうには思っております。