予算委員会公聴会
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会
会議録情報#0
令和五年三月九日(木曜日)
午前九時三分開会
─────────────
委員の異動
三月八日
辞任 補欠選任
臼井 正一君 長谷川英晴君
古庄 玄知君 藤井 一博君
島村 大君 田中 昌史君
長谷川 岳君 生稲 晃子君
船橋 利実君 岩本 剛人君
石井 苗子君 音喜多 駿君
浜口 誠君 嘉田由紀子君
伊藤 岳君 田村 智子君
三月九日
辞任 補欠選任
朝日健太郎君 佐藤 啓君
猪口 邦子君 三浦 靖君
岩本 剛人君 船橋 利実君
中田 宏君 加田 裕之君
石川 大我君 福島みずほ君
水野 素子君 辻元 清美君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 末松 信介君
理 事
足立 敏之君
大野 泰正君
片山さつき君
高橋はるみ君
藤川 政人君
石橋 通宏君
杉尾 秀哉君
矢倉 克夫君
片山 大介君
委 員
朝日健太郎君
有村 治子君
生稲 晃子君
猪口 邦子君
岩本 剛人君
加田 裕之君
小林 一大君
佐藤 啓君
田中 昌史君
中田 宏君
長谷川英晴君
広瀬めぐみ君
藤井 一博君
船橋 利実君
堀井 巌君
松川 るい君
松下 新平君
三浦 靖君
山田 俊男君
若林 洋平君
石垣のりこ君
古賀 千景君
塩村あやか君
辻元 清美君
福島みずほ君
村田 享子君
塩田 博昭君
宮崎 勝君
山本 香苗君
若松 謙維君
青島 健太君
音喜多 駿君
串田 誠一君
礒崎 哲史君
嘉田由紀子君
田村 智子君
山添 拓君
大島九州男君
浜田 聡君
事務局側
常任委員会専門
員 星 正彦君
公述人
PwCコンサル
ティング合同会
社チーフエコノ
ミスト 片岡 剛士君
昭和女子大学特
命教授 八代 尚宏君
恵泉女学園大学
学長 大日向雅美君
東京大学大学院
教育学研究科教
授 本田 由紀君
東京大学公共政
策大学院教授 鈴木 一人君
防衛ジャーナリ
スト 半田 滋君
─────────────
本日の会議に付した案件
○令和五年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
付)
○令和五年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送
付)
○令和五年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議
院送付)
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この発言だけを見る →午前九時三分開会
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委員の異動
三月八日
辞任 補欠選任
臼井 正一君 長谷川英晴君
古庄 玄知君 藤井 一博君
島村 大君 田中 昌史君
長谷川 岳君 生稲 晃子君
船橋 利実君 岩本 剛人君
石井 苗子君 音喜多 駿君
浜口 誠君 嘉田由紀子君
伊藤 岳君 田村 智子君
三月九日
辞任 補欠選任
朝日健太郎君 佐藤 啓君
猪口 邦子君 三浦 靖君
岩本 剛人君 船橋 利実君
中田 宏君 加田 裕之君
石川 大我君 福島みずほ君
水野 素子君 辻元 清美君
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出席者は左のとおり。
委員長 末松 信介君
理 事
足立 敏之君
大野 泰正君
片山さつき君
高橋はるみ君
藤川 政人君
石橋 通宏君
杉尾 秀哉君
矢倉 克夫君
片山 大介君
委 員
朝日健太郎君
有村 治子君
生稲 晃子君
猪口 邦子君
岩本 剛人君
加田 裕之君
小林 一大君
佐藤 啓君
田中 昌史君
中田 宏君
長谷川英晴君
広瀬めぐみ君
藤井 一博君
船橋 利実君
堀井 巌君
松川 るい君
松下 新平君
三浦 靖君
山田 俊男君
若林 洋平君
石垣のりこ君
古賀 千景君
塩村あやか君
辻元 清美君
福島みずほ君
村田 享子君
塩田 博昭君
宮崎 勝君
山本 香苗君
若松 謙維君
青島 健太君
音喜多 駿君
串田 誠一君
礒崎 哲史君
嘉田由紀子君
田村 智子君
山添 拓君
大島九州男君
浜田 聡君
事務局側
常任委員会専門
員 星 正彦君
公述人
PwCコンサル
ティング合同会
社チーフエコノ
ミスト 片岡 剛士君
昭和女子大学特
命教授 八代 尚宏君
恵泉女学園大学
学長 大日向雅美君
東京大学大学院
教育学研究科教
授 本田 由紀君
東京大学公共政
策大学院教授 鈴木 一人君
防衛ジャーナリ
スト 半田 滋君
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本日の会議に付した案件
○令和五年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
付)
○令和五年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送
付)
○令和五年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議
院送付)
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末
末松信介#1
○委員長(末松信介君) ただいまから予算委員会公聴会を開会いたします。
本日は、令和五年度一般会計予算、令和五年度特別会計予算及び令和五年度政府関係機関予算につきまして、六名の公述人の方々から順次項目別に御意見をお伺いしたいと存じます。
この際、公述人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
本日は、令和五年度総予算三案につきまして皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
次に、会議の進め方について申し上げます。
まず、お一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
それでは、経済・財政・雇用について、公述人PwCコンサルティング合同会社チーフエコノミスト片岡剛士君及び昭和女子大学特命教授八代尚宏君から順次御意見を伺います。
まず、片岡公述人にお願いいたします。片岡公述人。
この発言だけを見る →本日は、令和五年度一般会計予算、令和五年度特別会計予算及び令和五年度政府関係機関予算につきまして、六名の公述人の方々から順次項目別に御意見をお伺いしたいと存じます。
この際、公述人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
本日は、令和五年度総予算三案につきまして皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
次に、会議の進め方について申し上げます。
まず、お一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
それでは、経済・財政・雇用について、公述人PwCコンサルティング合同会社チーフエコノミスト片岡剛士君及び昭和女子大学特命教授八代尚宏君から順次御意見を伺います。
まず、片岡公述人にお願いいたします。片岡公述人。
片
片岡剛士#2
○公述人(片岡剛士君) 皆さん、おはようございます。PwCコンサルティングの片岡と申します。本日はこのような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私の方からは、主に四点、経済・雇用・財政に関連する話題についてお話をさせていただければと思います。お手元の方に資料がございますので、そちらに沿って順次お話をしたいと思います。
まず、一枚おめくりをいただきまして二ページ目のところを御覧いただければと思いますけれども、最初に物価の動向についてであります。
図表の一のとおり、日米ユーロ圏の消費者物価上昇率の推移を見ますと、二〇二一年に入った辺りからじわじわと物価が上昇しております。その中で、日本も二〇二三年の一月になりますと、全ての財を含むベースで四・三%、それから、食料、エネルギーを除いたいわゆる欧米型コアと呼ばれている物価上昇率でも一・九%と、こういう形で、欧米の物価上昇に引きずられるような形で上昇していると、こういう形になっております。
図表の二の方を御覧いただければと思うんですけれども、この物価上昇というのがどういう形で起こっているのかというものを消費者物価を構成している財別に見たものであります。日本のケースは一番下の方に書いてございますけれども、四・三%の物価上昇率のうち、日本が輸入品等から影響を受けています食料、エネルギーといったものが二・四%分ございまして、ある意味半分ちょっとぐらいでしょうか、いわゆる国内の需給関係というよりかは輸入品価格の上昇によってインフレが起こっていると、こういうことでございます。ただ、一・九%、食料、エネルギー除く物価上昇率というのは、これは一九九三年以来でございまして、いわゆる需要要因で物価が高まっているといった話もかなり強くなってきているということが言えるかと思います。
先ほど申し上げましたように、物価上昇につきましては全ての品目で四%を超えるという状況でございますので、日本銀行として、例えば二%の物価安定目標、これで達成できるのかどうかというところが焦点になってくるわけでございますけれども、図表の三のように、消費者物価の基調的な変動というものをいろんな指標で見ていきますと、こちらは、刈り込み平均値というものにつきましては既に三・一%という状況でして、二%を上回っている。それから、加重中央値、最頻値といったところも一%台というところで、かなり二%に近接しているという状況であります。
私自身は、この三つの指標が二%に近づく、ないしは二%を超えるというような状況になりますと二%の物価安定目標というのが達成されると、こういうふうに判断してもいいんじゃないかなというふうに考えている次第であります。
図表の四の方を御覧いただければと思うんですが、これは、消費者物価を構成しております五百品目以上の品目を取り上げまして、それぞれの価格上昇率というものを横軸に取り、その価格上昇率というのが全体の中で何%ぐらいの割合を占めているかというものを見たものであります。
一九九二年十二月といいますのは、これは、食料、エネルギーを除く総合ベースの指数で二%超の物価上昇率を記録したときの品目別の価格変動分布であると。で、これに近いような状況であれば、まあ二%、食料やエネルギー除いても物価上昇しているということなので大丈夫だという話になるわけですね。オレンジの棒グラフといいますのが二〇二三年の一月というところでありますけれども、七%以上の価格上昇率を示している品目の割合というのは、実は一九九二年十二月と比較しても割合としては大きくなっているわけですね。ですから、こういった高くなっている品目が三%以上の物価上昇まで落ち着くと、価格上昇まで落ち着くということになれば、おおむね二%の安定目標が達成できるということになります。ですので、今後は持続性が焦点ということになろうかと思います。
次のページを御覧いただければと思いますけれども、では、こうした物価上昇を支える経済動向はどうであったのかというところであります。
図表五、図表六、図表七といいますのは、物価、マネー、それから企業利益、賃金、そして図表七が価格判断、需給判断と、こういったようなものを見ておりますけれども、コロナ禍以降、日銀は政府と協力しつつコロナ対策という形でマネーを供給しました。このマネーの供給というのが、一つは物価上昇の力になっているということであります。それから、企業利益もコロナ禍以降落ち込んだところから改善をしておりまして、足下でも前年比で経常利益というのは高まっていると、こういう状況であります。
それから、価格判断なんですけれども、図表の七の方を御覧いただければと思いますが、販売価格判断、それから仕入価格判断といいますのは、これは価格上昇しているというふうに見ている企業さんというのが非常に増えている状況です。
従来であれば、こういった中で人々の所得が価格上昇に追い付かないという状況になりますと、そうしますと早晩需要がもたなくなりますので価格が下がっていくと、こういうふうになるわけですけれども、今回がこれまでとはちょっと違うのが、この国内需給判断の小売というものが、これが需要超という格好になっている部分というのが違いであります。もちろん全品目では需要超過という形にはなっておりませんけれども、小売に限っていいますと需要超過の状況になってきていると、こういうことになります。ただ、こちらの指標をそれぞれ御覧いただいてもお分かりのとおり、足下でちょっと上昇度合いが緩やかに垂れてきていると、こういう形になります。
図表の八の方を御覧いただければと思いますが、これは先行きの景気を示したCI先行指数というものを見ておりますけれども、二〇一八年の十月といいますのが直近の景気後退期の始まりの時期でありました。この指標の数字と比べますと、足下二〇二二年の十二月の数字というのは、いずれも景気後退が始まりました二〇一八年の十月の水準を下回っております。そして、トレンドとして見ますとやや下がっていくような、そういった動きになっております。
こうしたような動きというのが広がっていくということになりますと、景気後退というのが現実的に起こるかもしれないと、そういう情勢であるということで、先行きの景気には不安材料もあるということであります。
続きまして、雇用状況についてお話をしたいと思います。
四つ図表を挙げさせていただいておりますけれども、アベノミクス前後の経済動向ということで図表の九に掲げさせていただいておりますが、名目GDP、企業収益、就業者数、完全失業者数、倒産件数、国、地方の税収、いずれも改善したということが言えると思います。
特に大きく改善したのが雇用であります。図表の十の方を御覧いただければと思いますが、こちらは十五歳以上人口に占める就業者の割合、つまり働ける可能性のある方の中で実際職に就いた方の割合、それから実際の就業者数というものをグラフにしたものであります。
一九九八年以降のデフレ期、二〇一二年辺りまで続きましたが、こちらの時期といいますのは、就業率でいいますと六〇・七%当時あったものが二〇一二年には五六・五%まで低下し、就業者数は六千五百十四万人であったものが六千二百八十万人まで減少すると、こういうことになりました。二〇一三年以降のアベノミクスを通じて雇用は大きく改善し、就業率は六〇・九%、それから就業者数は六千七百二十三万人という形で、ようやくデフレ期前の状態に戻ったということがこの数字から言えるのかと思います。
そして、図表の十一の方ですけれども、正規雇用、非正規雇用の動きということで、ちょうど今年、アベノミクス十年みたいな話が言われるわけですが、二〇〇二年から二〇一二年の十年間、それから二〇一二年から二〇二二年の十年間で正規雇用、非正規雇用の方たちというのがどれぐらい増減したのかというのを、まず図表の十一の左では見ております。
正規雇用を見ていきますと、二〇〇二年から二〇一二年の十年間で正規雇用は百四十四万人減りました。そして非正規雇用は三百六十五万人増えたと、こういう状況になっております。一方で、二〇一二年から二〇二二年の間を見ますと、正規雇用は二百四十三万人、そして非正規雇用は二百八十五万人という格好になっていまして、共に増えると、こういう格好になっています。
それから、非正規雇用についてなんですけれども、理由別の非正規雇用者数というものを見ますと、自分の都合の良い時間に働きたいと答える方の割合というのが二〇一三年以降ずっと高まっているということが分かります。他方で、正規の職業がないからと、こういう理由で非正規職業を選んでいる方の度合いというのは逆に少なくなっていると、こういう形になっています。ですので、理由が変わってきていると、こういうことになります。
そして、昨今、名目賃金どれぐらい上がれば二%の物価安定目標の達成できるんだろうかと、そういう議論がございますけれども、図表の十二はその参考ということで、横軸に所定内給与の前年比を取りまして、縦軸に物価上昇率を見たというものであります。過去のデータを通じて見ますと、所定内給与の伸びが前年比で三%以上になりますと大体物価上昇率が二%ぐらいになると、こういうことになっております。
今、足下で二〇二二年の十二月時点の所定内給与の伸びは二・三%ということでありますから、まあもう少し伸びれば二%に近づいてくると、こういうことが言えると思います。ですので、そうした意味では、強固かつ持続的な名目賃金の上昇を通じた所得拡大というものをやっていくというのが必要になると、こういうことになるわけです。
次のページ御覧いただければと思いますけれども、財政の話なんですが、図表の十三、こちらは、二〇一二年の第四・四半期、つまりアベノミクス始まる直前の消費、それから設備投資、輸出といったものにつきまして、そこを一〇〇として足下までずっと推移を見たものであります。
輸出とそれから設備投資、もちろん上下はありますけれども、輸出の場合は二〇一二年の第四・四半期と比べますと四割超増加したと。それから、設備投資は一五・六%伸びたということでございますけれども、民間最終消費を見ますと、これは九九・八というふうになっていまして、二〇一二年の第四・四半期の水準よりもやや低いと、こういう状況になっております。
やや細かくこの指標を見ていただきますと、二〇一四年の第一・四半期辺りまでは緩やかに拡大していることが分かります。二〇一四年の第二・四半期に落ち込んで、そこからずっと横ばいになり、さらに、二〇一九年の第四・四半期に落ちて、二〇二〇年、コロナ禍の下で更に落ち、今、回復過程にあると、こういう流れになりますけれども、落ち込んでいる二つの時期といいますのは、これはまさに消費税を増税した時期なんですよね。ですから、ある意味、これは何を示しているかといいますと、消費税を増税したということが民間消費の落ち込みの背景にあるということであります。こういう状況になりますと、経済成長なかなか進められないということになるわけですね。
昨今話題になっております防衛費なんですが、図表の十四といいますのは、赤い線で当初予算ベースの防衛関係費、これは実績の値を挙げておりますけれども、黄色い線、こちらは名目GDPの成長率で毎年三%成長したら足下の防衛関係費、実はどれぐらいになっているのかというものを示したものであります。
現状、五・四兆円の防衛費なんですけれども、一九九七年、デフレに日本が陥った以降、仮に名目GDPが三%成長をずっと続けていたら、GDP比一%ぐらいの防衛費でも実は十一・〇兆円になると、こういうことになります。つまり、経済成長をしていれば、GDP比二%という形で防衛費を積まなくても、実は防衛費は増えているんだということです。
これは何を意味しているかといいますと、我々の暮らしを支えるためには経済成長が必要であるということです。経済成長と両立する形での財政を考えていく必要があるという話になります。
図表の十五、十六は、そうした意味で財政政策の在り方という話について書いております。デフレ期、なかなか長期金利が上がらないと、こういう時期においては、経済学の世界では積極的な財政支出を行っても問題ないということが言われます。
それから、図表の十六にこれからの財政の在り方ということで少し書かせていただいておりますけれども、私は三点必要なことがあるんじゃないかというふうに見ています。
一つは、正しい情報ということであります。例えば、六十年償還ルール、債務償還費の扱いと、こういったものは日本としては正しいというふうに使っておられるのかもしれませんけれども、グローバルスタンダードの視点で見ますと、こうしたものを使っている国というのはほとんどない。それから、グロスとネットの違いというものを財政においては押さえる必要がありますし、予算と決算額というものの違いというのもしっかり押さえていく必要があるというふうに思います。
それから、正しい認識と書きましたけれども、デフレ下とインフレ下で財政政策の在り方は異なります。デフレ下の中では長期金利なかなか上がりませんので、むしろデフレから早期に脱却するために積極的な財政が必要になります。他方で、インフレ率が高まってきて、日本銀行が、仮にですけれども、二%の物価安定目標を達成したと、こういう話になりますと、長期金利は緩やかに上がってきますので、こうなったときに初めて財政健全化と、こういう議論を開始していけばいいんじゃないかと、こういう話になります。
それから、正しい戦略ということで書かせていただいておりますけれども、本予算と補正予算の位置付けを明確にすべきだというふうに思います。補正予算は例えば景気の下押しを回避するための使途に限定するとか、そういうような話が必要で、本予算は中長期的な観点に立ってしっかりお金を支出していくと、こういうことが求められるのかなというふうに思います。
済みません、私からは以上です。
この発言だけを見る →私の方からは、主に四点、経済・雇用・財政に関連する話題についてお話をさせていただければと思います。お手元の方に資料がございますので、そちらに沿って順次お話をしたいと思います。
まず、一枚おめくりをいただきまして二ページ目のところを御覧いただければと思いますけれども、最初に物価の動向についてであります。
図表の一のとおり、日米ユーロ圏の消費者物価上昇率の推移を見ますと、二〇二一年に入った辺りからじわじわと物価が上昇しております。その中で、日本も二〇二三年の一月になりますと、全ての財を含むベースで四・三%、それから、食料、エネルギーを除いたいわゆる欧米型コアと呼ばれている物価上昇率でも一・九%と、こういう形で、欧米の物価上昇に引きずられるような形で上昇していると、こういう形になっております。
図表の二の方を御覧いただければと思うんですけれども、この物価上昇というのがどういう形で起こっているのかというものを消費者物価を構成している財別に見たものであります。日本のケースは一番下の方に書いてございますけれども、四・三%の物価上昇率のうち、日本が輸入品等から影響を受けています食料、エネルギーといったものが二・四%分ございまして、ある意味半分ちょっとぐらいでしょうか、いわゆる国内の需給関係というよりかは輸入品価格の上昇によってインフレが起こっていると、こういうことでございます。ただ、一・九%、食料、エネルギー除く物価上昇率というのは、これは一九九三年以来でございまして、いわゆる需要要因で物価が高まっているといった話もかなり強くなってきているということが言えるかと思います。
先ほど申し上げましたように、物価上昇につきましては全ての品目で四%を超えるという状況でございますので、日本銀行として、例えば二%の物価安定目標、これで達成できるのかどうかというところが焦点になってくるわけでございますけれども、図表の三のように、消費者物価の基調的な変動というものをいろんな指標で見ていきますと、こちらは、刈り込み平均値というものにつきましては既に三・一%という状況でして、二%を上回っている。それから、加重中央値、最頻値といったところも一%台というところで、かなり二%に近接しているという状況であります。
私自身は、この三つの指標が二%に近づく、ないしは二%を超えるというような状況になりますと二%の物価安定目標というのが達成されると、こういうふうに判断してもいいんじゃないかなというふうに考えている次第であります。
図表の四の方を御覧いただければと思うんですが、これは、消費者物価を構成しております五百品目以上の品目を取り上げまして、それぞれの価格上昇率というものを横軸に取り、その価格上昇率というのが全体の中で何%ぐらいの割合を占めているかというものを見たものであります。
一九九二年十二月といいますのは、これは、食料、エネルギーを除く総合ベースの指数で二%超の物価上昇率を記録したときの品目別の価格変動分布であると。で、これに近いような状況であれば、まあ二%、食料やエネルギー除いても物価上昇しているということなので大丈夫だという話になるわけですね。オレンジの棒グラフといいますのが二〇二三年の一月というところでありますけれども、七%以上の価格上昇率を示している品目の割合というのは、実は一九九二年十二月と比較しても割合としては大きくなっているわけですね。ですから、こういった高くなっている品目が三%以上の物価上昇まで落ち着くと、価格上昇まで落ち着くということになれば、おおむね二%の安定目標が達成できるということになります。ですので、今後は持続性が焦点ということになろうかと思います。
次のページを御覧いただければと思いますけれども、では、こうした物価上昇を支える経済動向はどうであったのかというところであります。
図表五、図表六、図表七といいますのは、物価、マネー、それから企業利益、賃金、そして図表七が価格判断、需給判断と、こういったようなものを見ておりますけれども、コロナ禍以降、日銀は政府と協力しつつコロナ対策という形でマネーを供給しました。このマネーの供給というのが、一つは物価上昇の力になっているということであります。それから、企業利益もコロナ禍以降落ち込んだところから改善をしておりまして、足下でも前年比で経常利益というのは高まっていると、こういう状況であります。
それから、価格判断なんですけれども、図表の七の方を御覧いただければと思いますが、販売価格判断、それから仕入価格判断といいますのは、これは価格上昇しているというふうに見ている企業さんというのが非常に増えている状況です。
従来であれば、こういった中で人々の所得が価格上昇に追い付かないという状況になりますと、そうしますと早晩需要がもたなくなりますので価格が下がっていくと、こういうふうになるわけですけれども、今回がこれまでとはちょっと違うのが、この国内需給判断の小売というものが、これが需要超という格好になっている部分というのが違いであります。もちろん全品目では需要超過という形にはなっておりませんけれども、小売に限っていいますと需要超過の状況になってきていると、こういうことになります。ただ、こちらの指標をそれぞれ御覧いただいてもお分かりのとおり、足下でちょっと上昇度合いが緩やかに垂れてきていると、こういう形になります。
図表の八の方を御覧いただければと思いますが、これは先行きの景気を示したCI先行指数というものを見ておりますけれども、二〇一八年の十月といいますのが直近の景気後退期の始まりの時期でありました。この指標の数字と比べますと、足下二〇二二年の十二月の数字というのは、いずれも景気後退が始まりました二〇一八年の十月の水準を下回っております。そして、トレンドとして見ますとやや下がっていくような、そういった動きになっております。
こうしたような動きというのが広がっていくということになりますと、景気後退というのが現実的に起こるかもしれないと、そういう情勢であるということで、先行きの景気には不安材料もあるということであります。
続きまして、雇用状況についてお話をしたいと思います。
四つ図表を挙げさせていただいておりますけれども、アベノミクス前後の経済動向ということで図表の九に掲げさせていただいておりますが、名目GDP、企業収益、就業者数、完全失業者数、倒産件数、国、地方の税収、いずれも改善したということが言えると思います。
特に大きく改善したのが雇用であります。図表の十の方を御覧いただければと思いますが、こちらは十五歳以上人口に占める就業者の割合、つまり働ける可能性のある方の中で実際職に就いた方の割合、それから実際の就業者数というものをグラフにしたものであります。
一九九八年以降のデフレ期、二〇一二年辺りまで続きましたが、こちらの時期といいますのは、就業率でいいますと六〇・七%当時あったものが二〇一二年には五六・五%まで低下し、就業者数は六千五百十四万人であったものが六千二百八十万人まで減少すると、こういうことになりました。二〇一三年以降のアベノミクスを通じて雇用は大きく改善し、就業率は六〇・九%、それから就業者数は六千七百二十三万人という形で、ようやくデフレ期前の状態に戻ったということがこの数字から言えるのかと思います。
そして、図表の十一の方ですけれども、正規雇用、非正規雇用の動きということで、ちょうど今年、アベノミクス十年みたいな話が言われるわけですが、二〇〇二年から二〇一二年の十年間、それから二〇一二年から二〇二二年の十年間で正規雇用、非正規雇用の方たちというのがどれぐらい増減したのかというのを、まず図表の十一の左では見ております。
正規雇用を見ていきますと、二〇〇二年から二〇一二年の十年間で正規雇用は百四十四万人減りました。そして非正規雇用は三百六十五万人増えたと、こういう状況になっております。一方で、二〇一二年から二〇二二年の間を見ますと、正規雇用は二百四十三万人、そして非正規雇用は二百八十五万人という格好になっていまして、共に増えると、こういう格好になっています。
それから、非正規雇用についてなんですけれども、理由別の非正規雇用者数というものを見ますと、自分の都合の良い時間に働きたいと答える方の割合というのが二〇一三年以降ずっと高まっているということが分かります。他方で、正規の職業がないからと、こういう理由で非正規職業を選んでいる方の度合いというのは逆に少なくなっていると、こういう形になっています。ですので、理由が変わってきていると、こういうことになります。
そして、昨今、名目賃金どれぐらい上がれば二%の物価安定目標の達成できるんだろうかと、そういう議論がございますけれども、図表の十二はその参考ということで、横軸に所定内給与の前年比を取りまして、縦軸に物価上昇率を見たというものであります。過去のデータを通じて見ますと、所定内給与の伸びが前年比で三%以上になりますと大体物価上昇率が二%ぐらいになると、こういうことになっております。
今、足下で二〇二二年の十二月時点の所定内給与の伸びは二・三%ということでありますから、まあもう少し伸びれば二%に近づいてくると、こういうことが言えると思います。ですので、そうした意味では、強固かつ持続的な名目賃金の上昇を通じた所得拡大というものをやっていくというのが必要になると、こういうことになるわけです。
次のページ御覧いただければと思いますけれども、財政の話なんですが、図表の十三、こちらは、二〇一二年の第四・四半期、つまりアベノミクス始まる直前の消費、それから設備投資、輸出といったものにつきまして、そこを一〇〇として足下までずっと推移を見たものであります。
輸出とそれから設備投資、もちろん上下はありますけれども、輸出の場合は二〇一二年の第四・四半期と比べますと四割超増加したと。それから、設備投資は一五・六%伸びたということでございますけれども、民間最終消費を見ますと、これは九九・八というふうになっていまして、二〇一二年の第四・四半期の水準よりもやや低いと、こういう状況になっております。
やや細かくこの指標を見ていただきますと、二〇一四年の第一・四半期辺りまでは緩やかに拡大していることが分かります。二〇一四年の第二・四半期に落ち込んで、そこからずっと横ばいになり、さらに、二〇一九年の第四・四半期に落ちて、二〇二〇年、コロナ禍の下で更に落ち、今、回復過程にあると、こういう流れになりますけれども、落ち込んでいる二つの時期といいますのは、これはまさに消費税を増税した時期なんですよね。ですから、ある意味、これは何を示しているかといいますと、消費税を増税したということが民間消費の落ち込みの背景にあるということであります。こういう状況になりますと、経済成長なかなか進められないということになるわけですね。
昨今話題になっております防衛費なんですが、図表の十四といいますのは、赤い線で当初予算ベースの防衛関係費、これは実績の値を挙げておりますけれども、黄色い線、こちらは名目GDPの成長率で毎年三%成長したら足下の防衛関係費、実はどれぐらいになっているのかというものを示したものであります。
現状、五・四兆円の防衛費なんですけれども、一九九七年、デフレに日本が陥った以降、仮に名目GDPが三%成長をずっと続けていたら、GDP比一%ぐらいの防衛費でも実は十一・〇兆円になると、こういうことになります。つまり、経済成長をしていれば、GDP比二%という形で防衛費を積まなくても、実は防衛費は増えているんだということです。
これは何を意味しているかといいますと、我々の暮らしを支えるためには経済成長が必要であるということです。経済成長と両立する形での財政を考えていく必要があるという話になります。
図表の十五、十六は、そうした意味で財政政策の在り方という話について書いております。デフレ期、なかなか長期金利が上がらないと、こういう時期においては、経済学の世界では積極的な財政支出を行っても問題ないということが言われます。
それから、図表の十六にこれからの財政の在り方ということで少し書かせていただいておりますけれども、私は三点必要なことがあるんじゃないかというふうに見ています。
一つは、正しい情報ということであります。例えば、六十年償還ルール、債務償還費の扱いと、こういったものは日本としては正しいというふうに使っておられるのかもしれませんけれども、グローバルスタンダードの視点で見ますと、こうしたものを使っている国というのはほとんどない。それから、グロスとネットの違いというものを財政においては押さえる必要がありますし、予算と決算額というものの違いというのもしっかり押さえていく必要があるというふうに思います。
それから、正しい認識と書きましたけれども、デフレ下とインフレ下で財政政策の在り方は異なります。デフレ下の中では長期金利なかなか上がりませんので、むしろデフレから早期に脱却するために積極的な財政が必要になります。他方で、インフレ率が高まってきて、日本銀行が、仮にですけれども、二%の物価安定目標を達成したと、こういう話になりますと、長期金利は緩やかに上がってきますので、こうなったときに初めて財政健全化と、こういう議論を開始していけばいいんじゃないかと、こういう話になります。
それから、正しい戦略ということで書かせていただいておりますけれども、本予算と補正予算の位置付けを明確にすべきだというふうに思います。補正予算は例えば景気の下押しを回避するための使途に限定するとか、そういうような話が必要で、本予算は中長期的な観点に立ってしっかりお金を支出していくと、こういうことが求められるのかなというふうに思います。
済みません、私からは以上です。
末
八
八代尚宏#4
○公述人(八代尚宏君) おはようございます。昭和女子大学の八代と申します。本日はこのような機会を与えていただきまして、ありがとうございました。
私は、二〇〇六年から第一次安倍内閣のときの経済財政諮問会議の民間議員として、特に規制改革、労働市場改革等の分野で安倍総理の指示の下で参加しておりました。そのときと比べて今の日本経済の状況は更に悪化しているわけでありまして、そういう意味でも安倍総理がやり残されたこの三本の矢のうちの成長戦略というものをどんどんやっていく必要があろうかと思っております。
一枚めくっていただきまして、日本経済の現状ですけれども、私は実は、また八〇年代末まで、パリにあるOECDという国際機関で日本担当の経済分析の責任をやっておりましたが、その当時、諸外国はこの強過ぎる日本をどうするかということに随分議論をしておりまして、なぜこんなに日本経済が強いのかというようなことが重要な要素になってきたわけです。しかし、現在はその逆に、何で日本がこんなに弱いのか、全く正反対の議論が行われているわけですね。
ですから、なぜこんなに大きく変わったのか、誰か悪者がいるんじゃないかと、誰か悪い人が日本をこんなに苦しめているんじゃないかというようなことがよく言われるわけですが、私はそれは間違っていると、日本は何も変わっていない。日本の企業も日本の労働者も、八〇年代前も現在も一生懸命働いているわけですが、それでなぜこんなに日本経済がうまくいかなくなっているのかということが大きなポイントかと思います。
かつて日本は、GDPで見ますとアメリカとほぼ同じペースで成長しており、一人当たりGDPで見ましても一時はアメリカを上回った時期があるわけですね。それが、GDPでは二〇一〇年に中国に追い抜かれ、どんどん差は広がっている。一人当たりGDPで見ますと、もう韓国とほとんど同じレベルで、また、追い抜かれる危険性が高いわけですね。
ですから、この違いはなぜかというと、私は、日本は何も変わっていないと、問題は世界が変わったんだということですね。九〇年代にベルリンの壁が壊れて社会主義経済が市場経済化した、旧ソ連や東欧、それから中国が経済発展をして、特に製造業の分野で日本を急速にキャッチアップしてきたと。こういうような大きな海外の変化、それから国内では少子高齢化、デジタル化、そういう大きな変化になかなか対応できなかった。
ですから、日本の企業も政府も、過去の成功体験が余りにもすばらしかったがゆえに変えようとしなかった。で、こういう問題は一時的なもので、いずれ台風が去ったら青空が広がるというような感じで、まあその場しのぎの対応でやってきたわけですが、もうそれはやめるべきであって、基本的なやっぱり構造改革を進める必要があるんじゃないかということです。
次のページを見ていただきますと、ですから大事なのは、その不作為ということですね。企業の不作為、政府の不作為、それがやっぱり今の大きな問題ではないか。
日本の産業構造は元々二重構造と言われていまして、製造業は市場経済に基づいて世界で戦ってきたわけですが、農業やサービス業はとかく政府の保護を求めるという、まあ社会主義に近い仕組みになっていた。言わば、昔のドイツが西ドイツと東ドイツに分かれていた状況が日本の現状ではないか。そうした中で、効率的な製造業がどんどん海外に出ていってしまうことで、その穴を埋めるべき農業やサービス業の生産性の低さというのが大きな問題になっているんじゃないか。
しかし、これは逆に言うと、それだけある意味で含み資産があるわけでして、農業やサービス業の制度や規制の改革をすることによって製造業並みの生産性を実現すれば、日本は立派に立ち直ることができるんじゃないかということであります。
もう一枚めくっていただきまして、アベノミクスの評価。
アベノミクスから十年ということなんですが、アベノミクスが失敗したという意見が一部にあるわけですが、私はそうは思っておりません。アベノミクスの一本の矢、金融政策、二本目の矢、財政政策、三本目の矢の成長戦略で、一、二本はまあそれなりにうまくいったと思いますが、三本目の肝腎のその成長戦略が腰砕けになってしまったと、これを是非継承していくのが現在の政府の役割ではないかと思っております。
ですから、せっかく労働需給が逼迫しているのになぜ賃金が上がらないかという問題が大きいわけですが、やはりこれは生産性の低さが足を引っ張っている。ですから、制度、規制の改革を通じて、特に今は農業とサービス業を中心としてやる余地は大きいんじゃないかと思っております。
それから、次のページで、少子高齢化への対応、これが一番大きなポイントだと思われます。
少子化の方は、最近既にもう岸田総理が異次元の少子化対策というのを打ち出されたわけですが、実は少子化よりも重要なのが私は高齢化だと思います。
日本の人口は二〇六〇年ぐらいに一億人を下回るという予測があるわけですが、しかし、まだ一億人いるわけです。この一億人というのは一九六〇年ぐらいの水準と変わらないわけで、問題は、一九六〇年は高齢化率が六%にすぎなかった、それが今度の一億人を切る二〇六〇年にはもう三八%まで上がるという予測があるわけで、この違いが極めて大きいわけです。ですから、この膨大な高齢者に、高齢化問題にどう対応するか、基本的な考え方をやっぱり検討していただく必要があるんじゃないか。
右のグラフがありますが、これは、一概に高齢者といっても二つに分かれるわけですね、七十四歳までの前期高齢者と七十五歳以上の後期高齢者。それが赤線で示してありますが、今起こっていることは、単に高齢者が増えるだけじゃなくて、後期高齢者が今後急速に増えていく、言わば高齢者の高齢化という現象が起こっているわけです。
これに対してどう考えるかといいますと、なぜ高齢者が増えるかというと、それは一つは、最大の要因は、寿命が延びるわけですね。で、寿命が延びるということはいいことなんです、個人にとっても家族にとっても。なぜそれが社会にとって悪いことになるのか。それは社会の仕組みが間違っているからであって、寿命が延びた分だけ高齢者が活躍できるようにする。
具体的に言いますと、前期高齢者、六十五から七十四歳は、支えられる側じゃなくて支える側に回っていただくということですね。そうしますと、七十五歳以上の高齢者というのは、実は高齢化のピークでも二五%にすぎない、四人に一人なんですね。これは十分支えられるわけです。ですから、具体的に言えば、今の労働慣行とかあるいは社会保障制度を七十五歳以上の高齢者をきちっと守るという方向に持っていく。もちろん、高齢者は多様でありますから、六十歳でもう働けなくなる人もいる、しかし八十歳になっても元気で働ける人もいるわけで、そういう、高齢者を一括に扱うんじゃなくて、エージフリーという言葉が英語にあるわけですが、年齢を問わない社会に変えていくというのが大きなポイントではないかと思います。
それから、次を見ていただきますと、この異次元の少子化対策ということで、岸田総理がいろいろ御苦労されているわけですが、これに対してはやっぱり抜本的な制度改革が必要である。具体的に言えば、少子化のための固有財源が必要だと思っております。今、政府の一部には、残念ながら、そういう抜本的な財源は難しいから、年金とか医療とか既存の保険から少しずつお金を出してもらってやりくりしようという非常にこそくな考え方がはびこっているわけで、これは間違っていると思います。本当の少子化対策をするためには、やっぱりそれのための固有の財源が必要であります。
これは日本では既にあったことで、介護保険がそうなんですね。二〇〇〇年にできました介護保険というのは、当時の厚生省で、私も審議会に入れていただきましたが、これから増える高齢者に対して家族では対応できない、だから高齢者の介護を社会全体で負担するために医療保険のような介護保険が必要だという大英断をしたわけですよね。
同じことが子育てにも必要だと思います。これからの社会を支える大事な子供を家族だけに任せるんじゃなくて、介護保険と同じように社会全体でシェアするという考え方が大事で、そのためには子供保険というようなものが必要になるんじゃないか。で、これを新たにつくる必要はないわけです。
具体的に言いますと、今の介護保険は幸か不幸か四十歳以上が被保険者という非常に変な形になって、いろんな経緯があるわけですけれども、幸いにして二十から三十九歳の被保険者が空いていますので、ここにすっぽり子供保険という形で介護保険に間借りすると。で、全体を合わせて家族保険という形にしていくと。
これを負担増だという批判する方もおられますが、将来の宝である子供を育てるためには、子供がいる人、ない人も合わせてきちっとした負担をしていくということについて、国民がそんなに大きな反対をするかというと、私は疑問に思うわけです。
介護保険にすることによって、家族が働くか働かないかに無関係に介護サービスを活用できたわけですが、今の保育というのは保育認定が必要なんですね。これは、ですから働いていないと保育所を使えないという非常にひずんだ形になっているわけで、こういう過去の福祉としての保育という考え方をやめて、サービスとしての保育でどのような家族でも使えるという方向に持っていく必要があろうかと思います。
もう一つめくっていただきまして、ですから、少子化対策というのは、そういう意味で女性の社会進出と並行してやるということに考えないといけないと思います。
それから、時間も押しておりますので、一番大きな改革の一つの柱としては、やはり日本的雇用慣行の改革というのがあります。
今の日本の働き方というのは、過去の高い高度成長期を支えた非常に貴重なものであります。未熟練の大卒や高卒の人を企業が喜んで採用してくれる国はほとんどないわけで、それによって若年失業率を随分低く下げているというメリットはあります。
しかし、今の低成長、少子高齢化の中でこれをいつまでも続けていくことはできないわけです。高齢化が進む中で高齢者に年功賃金を払い続けていたら企業ももたない。それによって正社員の数も相対的に小さくなっているわけですね。ですから、正規、非正規の格差をなくすためにも、やはり今の日本的雇用慣行を部分的に修正していくと。
具体的に言うと、同一労働同一賃金ですね。これは安倍総理が、元安倍総理が強く言われた同一労働同一賃金の法律なんですが、法律自体はよくできています。ただ、問題は、ガイドラインというものがありまして、このガイドラインに問題が潜んでいるわけです。
規制の弊害は細部に宿ると昔から言われておりますが、このガイドラインに何が書いてあるかというと、正規社員と同じ勤続年数の非正規社員で同じ仕事をしている人には同じ賃金でなきゃいけないと書いてあるわけで、しかし、そんな非正社員はほとんどいないわけですね。正社員と非正社員の大きな違いは勤続年数の違いなわけで、こういうことをやめて、勤続年数にかかわらず、同じ労働をしていれば同じ賃金だという欧米のやり方をやっぱり導入する必要がある。それによって本当の正規、非正規の格差の是正にもつながるわけです。
それからもう一つは、高齢者になっても働き続けるためには、やっぱりリスキリングというのが必要になってくるわけです。これも今重視されておりますが、リスキリングというのはオン・ザ・ジョブ・トレーニングではできないわけであって、あくまでも、やっぱり仕事を離れて、少なくとも一年、大学とか大学院に来て勉強していただく。
そのためには、やっぱり雇用保険から補助が必要なわけです。現在も学費等については補助はありますけれども、休んでいる間の所得保障はないわけですね。ですから、これを育児休業と同じような形の教育休業制度にしていくと。それによって安心して勉強することができるという仕組み、これができれば育児休業の男性による取得も更に高まることになると思います。こういうふうに、やっぱりリスキリングの重要性を考えるなら、それに伴う財源ということも同時に考えていかなければいけないわけです。
今後の社会保障制度を支えるためにも高齢者が長く働く、それによって年金財政を守るためにも平均寿命の延びに応じた年金の支給開始年齢の引上げというのが絶対不可欠なわけですが、残念ながら、今始まった年金の審議会でも支給開始年齢の引上げについては全く触れてないわけですよね。だけど、これはやっぱり高齢化社会を乗り切るときには国民にきちっと説明した上でエージフリーの社会にしていく、働ける高齢者はいつまでも働いてもらえるような制度的な仕組みを是非御審議いただければと思います。
御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →私は、二〇〇六年から第一次安倍内閣のときの経済財政諮問会議の民間議員として、特に規制改革、労働市場改革等の分野で安倍総理の指示の下で参加しておりました。そのときと比べて今の日本経済の状況は更に悪化しているわけでありまして、そういう意味でも安倍総理がやり残されたこの三本の矢のうちの成長戦略というものをどんどんやっていく必要があろうかと思っております。
一枚めくっていただきまして、日本経済の現状ですけれども、私は実は、また八〇年代末まで、パリにあるOECDという国際機関で日本担当の経済分析の責任をやっておりましたが、その当時、諸外国はこの強過ぎる日本をどうするかということに随分議論をしておりまして、なぜこんなに日本経済が強いのかというようなことが重要な要素になってきたわけです。しかし、現在はその逆に、何で日本がこんなに弱いのか、全く正反対の議論が行われているわけですね。
ですから、なぜこんなに大きく変わったのか、誰か悪者がいるんじゃないかと、誰か悪い人が日本をこんなに苦しめているんじゃないかというようなことがよく言われるわけですが、私はそれは間違っていると、日本は何も変わっていない。日本の企業も日本の労働者も、八〇年代前も現在も一生懸命働いているわけですが、それでなぜこんなに日本経済がうまくいかなくなっているのかということが大きなポイントかと思います。
かつて日本は、GDPで見ますとアメリカとほぼ同じペースで成長しており、一人当たりGDPで見ましても一時はアメリカを上回った時期があるわけですね。それが、GDPでは二〇一〇年に中国に追い抜かれ、どんどん差は広がっている。一人当たりGDPで見ますと、もう韓国とほとんど同じレベルで、また、追い抜かれる危険性が高いわけですね。
ですから、この違いはなぜかというと、私は、日本は何も変わっていないと、問題は世界が変わったんだということですね。九〇年代にベルリンの壁が壊れて社会主義経済が市場経済化した、旧ソ連や東欧、それから中国が経済発展をして、特に製造業の分野で日本を急速にキャッチアップしてきたと。こういうような大きな海外の変化、それから国内では少子高齢化、デジタル化、そういう大きな変化になかなか対応できなかった。
ですから、日本の企業も政府も、過去の成功体験が余りにもすばらしかったがゆえに変えようとしなかった。で、こういう問題は一時的なもので、いずれ台風が去ったら青空が広がるというような感じで、まあその場しのぎの対応でやってきたわけですが、もうそれはやめるべきであって、基本的なやっぱり構造改革を進める必要があるんじゃないかということです。
次のページを見ていただきますと、ですから大事なのは、その不作為ということですね。企業の不作為、政府の不作為、それがやっぱり今の大きな問題ではないか。
日本の産業構造は元々二重構造と言われていまして、製造業は市場経済に基づいて世界で戦ってきたわけですが、農業やサービス業はとかく政府の保護を求めるという、まあ社会主義に近い仕組みになっていた。言わば、昔のドイツが西ドイツと東ドイツに分かれていた状況が日本の現状ではないか。そうした中で、効率的な製造業がどんどん海外に出ていってしまうことで、その穴を埋めるべき農業やサービス業の生産性の低さというのが大きな問題になっているんじゃないか。
しかし、これは逆に言うと、それだけある意味で含み資産があるわけでして、農業やサービス業の制度や規制の改革をすることによって製造業並みの生産性を実現すれば、日本は立派に立ち直ることができるんじゃないかということであります。
もう一枚めくっていただきまして、アベノミクスの評価。
アベノミクスから十年ということなんですが、アベノミクスが失敗したという意見が一部にあるわけですが、私はそうは思っておりません。アベノミクスの一本の矢、金融政策、二本目の矢、財政政策、三本目の矢の成長戦略で、一、二本はまあそれなりにうまくいったと思いますが、三本目の肝腎のその成長戦略が腰砕けになってしまったと、これを是非継承していくのが現在の政府の役割ではないかと思っております。
ですから、せっかく労働需給が逼迫しているのになぜ賃金が上がらないかという問題が大きいわけですが、やはりこれは生産性の低さが足を引っ張っている。ですから、制度、規制の改革を通じて、特に今は農業とサービス業を中心としてやる余地は大きいんじゃないかと思っております。
それから、次のページで、少子高齢化への対応、これが一番大きなポイントだと思われます。
少子化の方は、最近既にもう岸田総理が異次元の少子化対策というのを打ち出されたわけですが、実は少子化よりも重要なのが私は高齢化だと思います。
日本の人口は二〇六〇年ぐらいに一億人を下回るという予測があるわけですが、しかし、まだ一億人いるわけです。この一億人というのは一九六〇年ぐらいの水準と変わらないわけで、問題は、一九六〇年は高齢化率が六%にすぎなかった、それが今度の一億人を切る二〇六〇年にはもう三八%まで上がるという予測があるわけで、この違いが極めて大きいわけです。ですから、この膨大な高齢者に、高齢化問題にどう対応するか、基本的な考え方をやっぱり検討していただく必要があるんじゃないか。
右のグラフがありますが、これは、一概に高齢者といっても二つに分かれるわけですね、七十四歳までの前期高齢者と七十五歳以上の後期高齢者。それが赤線で示してありますが、今起こっていることは、単に高齢者が増えるだけじゃなくて、後期高齢者が今後急速に増えていく、言わば高齢者の高齢化という現象が起こっているわけです。
これに対してどう考えるかといいますと、なぜ高齢者が増えるかというと、それは一つは、最大の要因は、寿命が延びるわけですね。で、寿命が延びるということはいいことなんです、個人にとっても家族にとっても。なぜそれが社会にとって悪いことになるのか。それは社会の仕組みが間違っているからであって、寿命が延びた分だけ高齢者が活躍できるようにする。
具体的に言いますと、前期高齢者、六十五から七十四歳は、支えられる側じゃなくて支える側に回っていただくということですね。そうしますと、七十五歳以上の高齢者というのは、実は高齢化のピークでも二五%にすぎない、四人に一人なんですね。これは十分支えられるわけです。ですから、具体的に言えば、今の労働慣行とかあるいは社会保障制度を七十五歳以上の高齢者をきちっと守るという方向に持っていく。もちろん、高齢者は多様でありますから、六十歳でもう働けなくなる人もいる、しかし八十歳になっても元気で働ける人もいるわけで、そういう、高齢者を一括に扱うんじゃなくて、エージフリーという言葉が英語にあるわけですが、年齢を問わない社会に変えていくというのが大きなポイントではないかと思います。
それから、次を見ていただきますと、この異次元の少子化対策ということで、岸田総理がいろいろ御苦労されているわけですが、これに対してはやっぱり抜本的な制度改革が必要である。具体的に言えば、少子化のための固有財源が必要だと思っております。今、政府の一部には、残念ながら、そういう抜本的な財源は難しいから、年金とか医療とか既存の保険から少しずつお金を出してもらってやりくりしようという非常にこそくな考え方がはびこっているわけで、これは間違っていると思います。本当の少子化対策をするためには、やっぱりそれのための固有の財源が必要であります。
これは日本では既にあったことで、介護保険がそうなんですね。二〇〇〇年にできました介護保険というのは、当時の厚生省で、私も審議会に入れていただきましたが、これから増える高齢者に対して家族では対応できない、だから高齢者の介護を社会全体で負担するために医療保険のような介護保険が必要だという大英断をしたわけですよね。
同じことが子育てにも必要だと思います。これからの社会を支える大事な子供を家族だけに任せるんじゃなくて、介護保険と同じように社会全体でシェアするという考え方が大事で、そのためには子供保険というようなものが必要になるんじゃないか。で、これを新たにつくる必要はないわけです。
具体的に言いますと、今の介護保険は幸か不幸か四十歳以上が被保険者という非常に変な形になって、いろんな経緯があるわけですけれども、幸いにして二十から三十九歳の被保険者が空いていますので、ここにすっぽり子供保険という形で介護保険に間借りすると。で、全体を合わせて家族保険という形にしていくと。
これを負担増だという批判する方もおられますが、将来の宝である子供を育てるためには、子供がいる人、ない人も合わせてきちっとした負担をしていくということについて、国民がそんなに大きな反対をするかというと、私は疑問に思うわけです。
介護保険にすることによって、家族が働くか働かないかに無関係に介護サービスを活用できたわけですが、今の保育というのは保育認定が必要なんですね。これは、ですから働いていないと保育所を使えないという非常にひずんだ形になっているわけで、こういう過去の福祉としての保育という考え方をやめて、サービスとしての保育でどのような家族でも使えるという方向に持っていく必要があろうかと思います。
もう一つめくっていただきまして、ですから、少子化対策というのは、そういう意味で女性の社会進出と並行してやるということに考えないといけないと思います。
それから、時間も押しておりますので、一番大きな改革の一つの柱としては、やはり日本的雇用慣行の改革というのがあります。
今の日本の働き方というのは、過去の高い高度成長期を支えた非常に貴重なものであります。未熟練の大卒や高卒の人を企業が喜んで採用してくれる国はほとんどないわけで、それによって若年失業率を随分低く下げているというメリットはあります。
しかし、今の低成長、少子高齢化の中でこれをいつまでも続けていくことはできないわけです。高齢化が進む中で高齢者に年功賃金を払い続けていたら企業ももたない。それによって正社員の数も相対的に小さくなっているわけですね。ですから、正規、非正規の格差をなくすためにも、やはり今の日本的雇用慣行を部分的に修正していくと。
具体的に言うと、同一労働同一賃金ですね。これは安倍総理が、元安倍総理が強く言われた同一労働同一賃金の法律なんですが、法律自体はよくできています。ただ、問題は、ガイドラインというものがありまして、このガイドラインに問題が潜んでいるわけです。
規制の弊害は細部に宿ると昔から言われておりますが、このガイドラインに何が書いてあるかというと、正規社員と同じ勤続年数の非正規社員で同じ仕事をしている人には同じ賃金でなきゃいけないと書いてあるわけで、しかし、そんな非正社員はほとんどいないわけですね。正社員と非正社員の大きな違いは勤続年数の違いなわけで、こういうことをやめて、勤続年数にかかわらず、同じ労働をしていれば同じ賃金だという欧米のやり方をやっぱり導入する必要がある。それによって本当の正規、非正規の格差の是正にもつながるわけです。
それからもう一つは、高齢者になっても働き続けるためには、やっぱりリスキリングというのが必要になってくるわけです。これも今重視されておりますが、リスキリングというのはオン・ザ・ジョブ・トレーニングではできないわけであって、あくまでも、やっぱり仕事を離れて、少なくとも一年、大学とか大学院に来て勉強していただく。
そのためには、やっぱり雇用保険から補助が必要なわけです。現在も学費等については補助はありますけれども、休んでいる間の所得保障はないわけですね。ですから、これを育児休業と同じような形の教育休業制度にしていくと。それによって安心して勉強することができるという仕組み、これができれば育児休業の男性による取得も更に高まることになると思います。こういうふうに、やっぱりリスキリングの重要性を考えるなら、それに伴う財源ということも同時に考えていかなければいけないわけです。
今後の社会保障制度を支えるためにも高齢者が長く働く、それによって年金財政を守るためにも平均寿命の延びに応じた年金の支給開始年齢の引上げというのが絶対不可欠なわけですが、残念ながら、今始まった年金の審議会でも支給開始年齢の引上げについては全く触れてないわけですよね。だけど、これはやっぱり高齢化社会を乗り切るときには国民にきちっと説明した上でエージフリーの社会にしていく、働ける高齢者はいつまでも働いてもらえるような制度的な仕組みを是非御審議いただければと思います。
御清聴ありがとうございました。
末
末松信介#5
○委員長(末松信介君) ありがとうございました。
以上で公述人の御意見の陳述は終わりました。
それでは、これより公述人に対する質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →以上で公述人の御意見の陳述は終わりました。
それでは、これより公述人に対する質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
足
足立敏之#6
○足立敏之君 自由民主党の足立敏之でございます。
お二人の先生方には、大変著名な先生方で、大変お忙しい中、予算の審議のために御出席をいただきまして、ありがとうございます。心から感謝申し上げたいと思います。
私は、長年、建設省、国土交通省で勤務をした、インフラ整備や災害対策を専門とする技術屋でございます。その辺をベースにして今日は御質問させていただきたいと思います。
日本のGDP、先ほど八代先生の資料の中にもありましたけれども、アメリカだとか中国などが持続的に上げてきているのに対しまして、日本はここのところほとんど横ばいということになっています。現在、世界第三位ですけれども、間もなくドイツに抜かれるという話もあります。一時は世界第二位を誇っていたわけですので、とても残念なことだというふうに思いますが。
特に、アメリカ、イギリスが、この二十年ぐらい見ていますと、二・五倍ぐらいですかね、伸びているのと、それから韓国なんかは四倍ぐらいに伸びているんですけれども、そういう状況を見ると、何とかしなくちゃいけない、そんなふうに思います。さらに、国全体のGDPではなくて、先ほどの資料にもありましたけれども、人口一人当たりのGDPとなると、日本の順位はもう二十何位というようなことで、大変低迷しております。
一方、日本の賃金レベルにつきましても、OECD加盟国の中で見ますと、平均の八割ぐらいという非常に低いレベルで、二十四位ということになっています。韓国が二十位ですので、それにも後れを取っている状況でございますけれども。GDPが、先ほど一人当たりのGDPが二十何位と言っているのと同じ傾向で、賃金レベルも低い。これはまだ相関しているんだと思いますけれども、そんな状況になっています。
賃金レベルが低いと、日本の優秀な人材が海外に流れ出していったり、あるいは海外の人たちが日本でなかなか働いてくれない、そんなことになってしまいますので、賃金レベルはしっかり上げていかなくちゃいけない。そのためには、日本のGDPをしっかり上げていく、経済成長をしていくことが大事だというふうに思っています。
で、お二人にお聞きしたいんですけれども、先ほども申しましたけれども、私、建設省、国土交通省で長年勤務をしまして、やっぱりインフラ整備だとか防災のためのインフラ投資、こういったものが非常に重要だというふうに思っている立場なんですけれども、これから日本の経済を再び立て直して日本が光り輝く活力のある国に戻っていくためには、どのように、特にインフラ整備なんかにつきましてどういうようなやはり考え方で進めていくべきなのか、御教示いただければ有り難いと思います。よろしくお願いします。
この発言だけを見る →お二人の先生方には、大変著名な先生方で、大変お忙しい中、予算の審議のために御出席をいただきまして、ありがとうございます。心から感謝申し上げたいと思います。
私は、長年、建設省、国土交通省で勤務をした、インフラ整備や災害対策を専門とする技術屋でございます。その辺をベースにして今日は御質問させていただきたいと思います。
日本のGDP、先ほど八代先生の資料の中にもありましたけれども、アメリカだとか中国などが持続的に上げてきているのに対しまして、日本はここのところほとんど横ばいということになっています。現在、世界第三位ですけれども、間もなくドイツに抜かれるという話もあります。一時は世界第二位を誇っていたわけですので、とても残念なことだというふうに思いますが。
特に、アメリカ、イギリスが、この二十年ぐらい見ていますと、二・五倍ぐらいですかね、伸びているのと、それから韓国なんかは四倍ぐらいに伸びているんですけれども、そういう状況を見ると、何とかしなくちゃいけない、そんなふうに思います。さらに、国全体のGDPではなくて、先ほどの資料にもありましたけれども、人口一人当たりのGDPとなると、日本の順位はもう二十何位というようなことで、大変低迷しております。
一方、日本の賃金レベルにつきましても、OECD加盟国の中で見ますと、平均の八割ぐらいという非常に低いレベルで、二十四位ということになっています。韓国が二十位ですので、それにも後れを取っている状況でございますけれども。GDPが、先ほど一人当たりのGDPが二十何位と言っているのと同じ傾向で、賃金レベルも低い。これはまだ相関しているんだと思いますけれども、そんな状況になっています。
賃金レベルが低いと、日本の優秀な人材が海外に流れ出していったり、あるいは海外の人たちが日本でなかなか働いてくれない、そんなことになってしまいますので、賃金レベルはしっかり上げていかなくちゃいけない。そのためには、日本のGDPをしっかり上げていく、経済成長をしていくことが大事だというふうに思っています。
で、お二人にお聞きしたいんですけれども、先ほども申しましたけれども、私、建設省、国土交通省で長年勤務をしまして、やっぱりインフラ整備だとか防災のためのインフラ投資、こういったものが非常に重要だというふうに思っている立場なんですけれども、これから日本の経済を再び立て直して日本が光り輝く活力のある国に戻っていくためには、どのように、特にインフラ整備なんかにつきましてどういうようなやはり考え方で進めていくべきなのか、御教示いただければ有り難いと思います。よろしくお願いします。
片
片岡剛士#7
○公述人(片岡剛士君) 御質問にお答えしたいと思います。
先ほどお話しいただきましたように、日本の、特に名目GDPでしょうか、こちらは過去二十年、三十年間ほとんど横ばいの状況でして、特に諸外国と比べますとその差は歴然としているわけです。
これは様々な理由があると思いますけれども、一つ大きなポイントとしては、デフレがずっと続いていたというところが大きなポイントなんだと思うんですね。ですから、デフレが続いたことで賃金が上がらない、その結果、国民の所得が全体として伸びないと、こういう状況が長らく続いていたわけであります。
ただ、二〇一三年以降は、やや成長率については名目成長率も二%弱ぐらい伸びていると、こういう状況でありますので、ですから、その辺りは少しずつ改善が図られてきているのかなというふうにも私は見ております。ただ、そうした改善の中で、今後、製造業、サービス業、特にサービス業だと思いますが、そちらの方々で働いている賃金が上がっていくということが重要であるということです。
お尋ねの点なんですが、インフラ投資、これはちょうど、御承知だと思いますけれども、高度経済成長期の頃にかなりインフラ整備をしまして、それが今耐用年数を迎えていると。もう超過したものもかなりあると思うんですが、そういう状況であります。こうした中では、防災絡みだけにかかわらず、広く国民の生産性を高めるためのインフラ整備というのは必要だと思います。
その中で、どのような形でインフラ整備を進めていくのかということなんですが、これは、単年度の決算ないしは予算で毎年毎年計上していくというよりかは、中長期的な観点に立ってしっかり毎年インフラ整備の投資を支出していくと、これが大事だと思います。
これがなければ、例えば建設業者の方々たちから見ても、来年も再来年も安定的な仕事があるという前提に立たないと人が雇えません。それから、現状ですと、例えばブルドーザー等の工事用の機械を扱う方というのも非常に少なくなっていますし、スキルも非常に必要であります。こういったようなところを考えると、中長期的な公共投資の計画というものをしっかり立て、それを明示していくということが必要なんじゃないかと、このように考えています。
この発言だけを見る →先ほどお話しいただきましたように、日本の、特に名目GDPでしょうか、こちらは過去二十年、三十年間ほとんど横ばいの状況でして、特に諸外国と比べますとその差は歴然としているわけです。
これは様々な理由があると思いますけれども、一つ大きなポイントとしては、デフレがずっと続いていたというところが大きなポイントなんだと思うんですね。ですから、デフレが続いたことで賃金が上がらない、その結果、国民の所得が全体として伸びないと、こういう状況が長らく続いていたわけであります。
ただ、二〇一三年以降は、やや成長率については名目成長率も二%弱ぐらい伸びていると、こういう状況でありますので、ですから、その辺りは少しずつ改善が図られてきているのかなというふうにも私は見ております。ただ、そうした改善の中で、今後、製造業、サービス業、特にサービス業だと思いますが、そちらの方々で働いている賃金が上がっていくということが重要であるということです。
お尋ねの点なんですが、インフラ投資、これはちょうど、御承知だと思いますけれども、高度経済成長期の頃にかなりインフラ整備をしまして、それが今耐用年数を迎えていると。もう超過したものもかなりあると思うんですが、そういう状況であります。こうした中では、防災絡みだけにかかわらず、広く国民の生産性を高めるためのインフラ整備というのは必要だと思います。
その中で、どのような形でインフラ整備を進めていくのかということなんですが、これは、単年度の決算ないしは予算で毎年毎年計上していくというよりかは、中長期的な観点に立ってしっかり毎年インフラ整備の投資を支出していくと、これが大事だと思います。
これがなければ、例えば建設業者の方々たちから見ても、来年も再来年も安定的な仕事があるという前提に立たないと人が雇えません。それから、現状ですと、例えばブルドーザー等の工事用の機械を扱う方というのも非常に少なくなっていますし、スキルも非常に必要であります。こういったようなところを考えると、中長期的な公共投資の計画というものをしっかり立て、それを明示していくということが必要なんじゃないかと、このように考えています。
八
八代尚宏#8
○公述人(八代尚宏君) 御質問ありがとうございました。
まさにこれからの社会資本投資というのは更新投資がやっぱり重要になってくるわけで、そのときに今ある社会資本を全部更新しようとしたらもうとても財源は足らないわけで、集中と選択が必要になってくるわけですね。ですから、そこがやっぱり政治的にすごく難しいところだと思いますが、それを是非やらなければいけない。
それから、都市と地方との格差ということが言われてきて、これまでは、どっちかというと生産性の低い地方に重点的に公共投資をすることで格差を是正しようという、公共投資を所得再分配の手段のように使ってきた面があって、これはやはり間違っているんじゃないか、公共投資はあくまでもそれが民間投資をどういうふうに刺激するかという補完的な役割で進めないといけないと思います。
その意味で、是非先生方に御議論いただきたいのは、今の東京一極集中是正というのがあたかも当然のように議論されている。東京一極集中に、人が集まり過ぎるから問題だ、で、昔の工場等立地規制法のように、今回は大学の二十三区の規制ということが行われたわけですけれども、こういう規制によって日本経済を発展させるというのは不可能なわけです。
ですから、地方は地方で知恵を絞って頑張る、それも全体的に頑張るというのは無理ですから、地方の中核都市に集中して、福岡とか札幌とか仙台とか、そういう元気のいいところに人口とお金を集中して発展させるというようなことで、東京はやはりこれからもっと世界の主要都市と競争するために発展しなきゃいけない面もあるわけですので、国内と国際の両面を見て適切な社会資本投資の配分をするということが必要ではないかと思います。
以上です。
この発言だけを見る →まさにこれからの社会資本投資というのは更新投資がやっぱり重要になってくるわけで、そのときに今ある社会資本を全部更新しようとしたらもうとても財源は足らないわけで、集中と選択が必要になってくるわけですね。ですから、そこがやっぱり政治的にすごく難しいところだと思いますが、それを是非やらなければいけない。
それから、都市と地方との格差ということが言われてきて、これまでは、どっちかというと生産性の低い地方に重点的に公共投資をすることで格差を是正しようという、公共投資を所得再分配の手段のように使ってきた面があって、これはやはり間違っているんじゃないか、公共投資はあくまでもそれが民間投資をどういうふうに刺激するかという補完的な役割で進めないといけないと思います。
その意味で、是非先生方に御議論いただきたいのは、今の東京一極集中是正というのがあたかも当然のように議論されている。東京一極集中に、人が集まり過ぎるから問題だ、で、昔の工場等立地規制法のように、今回は大学の二十三区の規制ということが行われたわけですけれども、こういう規制によって日本経済を発展させるというのは不可能なわけです。
ですから、地方は地方で知恵を絞って頑張る、それも全体的に頑張るというのは無理ですから、地方の中核都市に集中して、福岡とか札幌とか仙台とか、そういう元気のいいところに人口とお金を集中して発展させるというようなことで、東京はやはりこれからもっと世界の主要都市と競争するために発展しなきゃいけない面もあるわけですので、国内と国際の両面を見て適切な社会資本投資の配分をするということが必要ではないかと思います。
以上です。
足
足立敏之#9
○足立敏之君 お二人の先生から貴重な御意見、ありがとうございました。
八代先生の御指摘の、まあ恐らく地方を切り捨てるという意味ではないんだと思いますけれども、東京を強くして国際競争力を高める、そして私は、併せてやはり地方もしっかりインフラ基盤を整備をして、経済的にもある程度自立していくようなそういう地方にしていかなくちゃいけない、そんなふうに思っています。
そんな中で、公共投資の話を引き続きお聞きしたいと思いますけれども、予算、百十兆を超える予算の中で今公共投資というのは、先ほど片岡先生からお話がありました当初予算において六兆円ぐらいの規模でございますので、規模的には本当に六%切るような、そんな予算になってしまっています。もう少し、今言われたようなインフラ投資というのは改めてしっかり日本も再構築していって、老朽化対策のみならず、やはり世界にもう既に負けてしまっている、例えば高速道路ネットワークだとか鉄道だとか港湾だとか空港だとか、こういった交通物流ネットワークをしっかり整える、再構築していくというような、インフラ整備をしっかりやっぱりやり直さなくちゃいけないというふうに思います。
いろんな国に行って、日本のインフラ投資、公共事業、これじゃ駄目だなって多分先生方も皆さん思っていらっしゃると思うんです。私もこの間シンガポールに行きまして、もう日本はもう全然付いていけないぐらいひどい状態になってしまっているなって痛感したんですけれども、そういったところを、やっぱりしっかり将来のことを考えて立て直していく必要があるというふうに思います。
残り時間限られていますので、申し訳ありませんが、片岡先生の方からお話を聞かせていただければというふうに思います。
この発言だけを見る →八代先生の御指摘の、まあ恐らく地方を切り捨てるという意味ではないんだと思いますけれども、東京を強くして国際競争力を高める、そして私は、併せてやはり地方もしっかりインフラ基盤を整備をして、経済的にもある程度自立していくようなそういう地方にしていかなくちゃいけない、そんなふうに思っています。
そんな中で、公共投資の話を引き続きお聞きしたいと思いますけれども、予算、百十兆を超える予算の中で今公共投資というのは、先ほど片岡先生からお話がありました当初予算において六兆円ぐらいの規模でございますので、規模的には本当に六%切るような、そんな予算になってしまっています。もう少し、今言われたようなインフラ投資というのは改めてしっかり日本も再構築していって、老朽化対策のみならず、やはり世界にもう既に負けてしまっている、例えば高速道路ネットワークだとか鉄道だとか港湾だとか空港だとか、こういった交通物流ネットワークをしっかり整える、再構築していくというような、インフラ整備をしっかりやっぱりやり直さなくちゃいけないというふうに思います。
いろんな国に行って、日本のインフラ投資、公共事業、これじゃ駄目だなって多分先生方も皆さん思っていらっしゃると思うんです。私もこの間シンガポールに行きまして、もう日本はもう全然付いていけないぐらいひどい状態になってしまっているなって痛感したんですけれども、そういったところを、やっぱりしっかり将来のことを考えて立て直していく必要があるというふうに思います。
残り時間限られていますので、申し訳ありませんが、片岡先生の方からお話を聞かせていただければというふうに思います。
片
片岡剛士#10
○公述人(片岡剛士君) どうもありがとうございます。
私自身も、日本国内のインフラというのがやはり他国と比べて見劣りするんじゃないかという思いは海外に行くと非常に強く思っております。
特に、そのインフラ整備ということについて是非先生方に考えていただきたいのは、足下の予算の手当てですね。例えば六兆円というお話がございましたけれども、これが財政上非常にこれ以上出すのは厳しいなというふうにお考えの部分もあるかもしれませんけれども、公共投資というのは将来的に国民のメリットにもなるということですよね。生産性を高めたりとか、ないしは事業をするために必要な道路とか、そういったものというのは、今の支出であるんだけれども、将来はそれが経済成長という形でお釣りとして戻ってくると。そこの部分をやっぱりよく考えていただいて判断していただくことが大事なんだと思います。
この発言だけを見る →私自身も、日本国内のインフラというのがやはり他国と比べて見劣りするんじゃないかという思いは海外に行くと非常に強く思っております。
特に、そのインフラ整備ということについて是非先生方に考えていただきたいのは、足下の予算の手当てですね。例えば六兆円というお話がございましたけれども、これが財政上非常にこれ以上出すのは厳しいなというふうにお考えの部分もあるかもしれませんけれども、公共投資というのは将来的に国民のメリットにもなるということですよね。生産性を高めたりとか、ないしは事業をするために必要な道路とか、そういったものというのは、今の支出であるんだけれども、将来はそれが経済成長という形でお釣りとして戻ってくると。そこの部分をやっぱりよく考えていただいて判断していただくことが大事なんだと思います。
足
村
村田享子#12
○村田享子君 おはようございます。立憲民主・社民の村田享子です。
今日は、両先生方、貴重な話、どうもありがとうございます。
まず、片岡公述人にお聞きをいたします。
先生の五ページ目の資料の中にも、経済成長なしの財政健全化、そして防衛費拡大は亡国への道である、そういった記述がございました。この防衛費につきましては、今、岸田総理の方からは、このGDP二%にする財源、それを、一兆円を増税で賄うということで、法人税、たばこ税、また復興特別所得税の流用といった話が出ております。また、この増税について今国民が納得している状況とは言えませんし、また、先ほどの先生の資料の中にも、消費税の増税がやっぱり消費が落ち込んだ要因であったといった御指摘もございました。
また、私、元々物づくり、製造業の労働組合の出身でございまして、今まさに春闘が行われているわけなんですけれども、やっぱりその中でも法人税の増税というのはやっぱり労使交渉に影響を与えているというふうにお聞きをしております。
今回の防衛費についての増税について片岡公述人の御見解と、これから所得拡大が課題だという意味で今回の春闘どのように受け止めていらっしゃるか、この二点について教えてください。
この発言だけを見る →今日は、両先生方、貴重な話、どうもありがとうございます。
まず、片岡公述人にお聞きをいたします。
先生の五ページ目の資料の中にも、経済成長なしの財政健全化、そして防衛費拡大は亡国への道である、そういった記述がございました。この防衛費につきましては、今、岸田総理の方からは、このGDP二%にする財源、それを、一兆円を増税で賄うということで、法人税、たばこ税、また復興特別所得税の流用といった話が出ております。また、この増税について今国民が納得している状況とは言えませんし、また、先ほどの先生の資料の中にも、消費税の増税がやっぱり消費が落ち込んだ要因であったといった御指摘もございました。
また、私、元々物づくり、製造業の労働組合の出身でございまして、今まさに春闘が行われているわけなんですけれども、やっぱりその中でも法人税の増税というのはやっぱり労使交渉に影響を与えているというふうにお聞きをしております。
今回の防衛費についての増税について片岡公述人の御見解と、これから所得拡大が課題だという意味で今回の春闘どのように受け止めていらっしゃるか、この二点について教えてください。
片
片岡剛士#13
○公述人(片岡剛士君) 御質問ありがとうございます。
防衛費の件についてお答えしたいと思います。
名目GDP比で二%にするというのは、これは私自身、諸外国と比べてもやはりもう一%というのは少ない水準だったわけですから、諸外国並みの水準にするということは望ましいんだというふうに理解をしています。
ただ、名目GDPが伸びない状態で二%をしても、一旦は一%から倍に増えるかもしれませんが、それ以降は全く増えない状況になります。そうなりますと、今、台湾情勢等々で非常に諸外国からのプレッシャーというものが意識されている中、結果的に支出が伸びないという話になりますと、更に名目GDP比三%、四%という形で国民に過大な負担を課すということにもつながるわけですよね。
ですから、何が言いたいかといいますと、成長なくしてこういった防衛費の拡大という話も持続不可能であると、こういうことが重要なんだと思います。ですから、成長と財政的な負担というものを両立させていくということが大事だというふうに思っています。
それから、二点目の御質問なんですが、済みません、もう一度お願いしてもよろしいですか。
この発言だけを見る →防衛費の件についてお答えしたいと思います。
名目GDP比で二%にするというのは、これは私自身、諸外国と比べてもやはりもう一%というのは少ない水準だったわけですから、諸外国並みの水準にするということは望ましいんだというふうに理解をしています。
ただ、名目GDPが伸びない状態で二%をしても、一旦は一%から倍に増えるかもしれませんが、それ以降は全く増えない状況になります。そうなりますと、今、台湾情勢等々で非常に諸外国からのプレッシャーというものが意識されている中、結果的に支出が伸びないという話になりますと、更に名目GDP比三%、四%という形で国民に過大な負担を課すということにもつながるわけですよね。
ですから、何が言いたいかといいますと、成長なくしてこういった防衛費の拡大という話も持続不可能であると、こういうことが重要なんだと思います。ですから、成長と財政的な負担というものを両立させていくということが大事だというふうに思っています。
それから、二点目の御質問なんですが、済みません、もう一度お願いしてもよろしいですか。
村
片
片岡剛士#15
○公述人(片岡剛士君) 分かりました。ありがとうございます。
春闘の件なんですが、インフレ率が高まる中で、かつてないほど賃上げの力というか圧力というものが加わってきているように思います。
例えば、皆様方も報道等でよく御案内かもしれませんけれども、大企業の一部では五%、六%、ないしは一〇%というような賃上げを行う会社さんも出ていっています。こうした話というのはこれまでなかった動きですし、その中で中小企業も大企業の動きに引きずられるような形で賃上げをしていくという流れが出てきています。
こうしたものは、私自身、先ほど八代先生の方からアベノミクスは効果がなかったという議論があるという話がありましたが、私自身はアベノミクス効果があると思っているんですけれども、じわじわと、特に雇用の面を中心に労働需要を刺激し続けることで賃上げの圧力、コストプッシュの圧力というものが企業に掛かっていると。こういったものが今限界を迎えてきているんだと思うんですね。
売上げを立てるためには売値を上げないといけない、そのためにいい人を雇うためには当然ながら賃金を上げなければいけない、こういう流れというのがだんだん本格化してきているというふうに見えますので、この流れが続いていくということを非常に期待しているという次第であります。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →春闘の件なんですが、インフレ率が高まる中で、かつてないほど賃上げの力というか圧力というものが加わってきているように思います。
例えば、皆様方も報道等でよく御案内かもしれませんけれども、大企業の一部では五%、六%、ないしは一〇%というような賃上げを行う会社さんも出ていっています。こうした話というのはこれまでなかった動きですし、その中で中小企業も大企業の動きに引きずられるような形で賃上げをしていくという流れが出てきています。
こうしたものは、私自身、先ほど八代先生の方からアベノミクスは効果がなかったという議論があるという話がありましたが、私自身はアベノミクス効果があると思っているんですけれども、じわじわと、特に雇用の面を中心に労働需要を刺激し続けることで賃上げの圧力、コストプッシュの圧力というものが企業に掛かっていると。こういったものが今限界を迎えてきているんだと思うんですね。
売上げを立てるためには売値を上げないといけない、そのためにいい人を雇うためには当然ながら賃金を上げなければいけない、こういう流れというのがだんだん本格化してきているというふうに見えますので、この流れが続いていくということを非常に期待しているという次第であります。
ありがとうございます。
村
村田享子#16
○村田享子君 片岡先生、どうもありがとうございました。
続きまして、八代公述人にお聞きをいたします。
今、片岡公述人の方からも、いい人を雇うためには賃上げをしないといけないということで、ここについては、岸田総理、新しい資本主義というのを掲げて、リスキリング、日本型職務給の確立、そして成長分野への労働移動といったことで構造的な賃上げを実現しようとしておりますけれども、ずっと制度・規制改革、労働市場改革に携われてこられた八代先生から見られて、この新しい資本主義であったりこの構造的な賃上げで本当に日本の賃金が持続的に上がっていくのか、これについての先生の御見解をお聞かせください。
この発言だけを見る →続きまして、八代公述人にお聞きをいたします。
今、片岡公述人の方からも、いい人を雇うためには賃上げをしないといけないということで、ここについては、岸田総理、新しい資本主義というのを掲げて、リスキリング、日本型職務給の確立、そして成長分野への労働移動といったことで構造的な賃上げを実現しようとしておりますけれども、ずっと制度・規制改革、労働市場改革に携われてこられた八代先生から見られて、この新しい資本主義であったりこの構造的な賃上げで本当に日本の賃金が持続的に上がっていくのか、これについての先生の御見解をお聞かせください。
八
八代尚宏#17
○公述人(八代尚宏君) 御質問ありがとうございました。
その前に一言。
私は、アベノミクスが失敗したとは言っておりません。アベノミクスは、最初の大幅な円高を是正して日本経済を立ち直させるために非常に大きな影響を及ぼしたわけで、その点では成功していると。ただ、肝腎の三本の矢が十分に実現できなかったので、言わば一段目、二段目のロケットは噴射したけど、三段目が失速してしまったということで、これを継続するのがやはり今の政府に是非求められることだと思います。
その上で、難しいのはやはり、今の新しい資本主義ということですが、一番大事なのはやっぱりいかにして継続的な成長を実現できるか。そのためには生産性を上げていかなきゃいけない。生産性が上がって初めて賃上げも実現するわけですね。
ですから、今労働組合が賃上げを求めているというのは私は大事なことだと思いますが、画一的な賃上げはやっぱり好ましくないんじゃないか。特に、春闘においては、ベアと定昇という区別があるわけですが、ベアの方は幾ら上げても問題ないと思いますが、定期昇給を強く要求されるとこれは年功賃金をそのまま維持することになって、連合の特に若い組合員の立場を考えて中高年の方は少し我慢するというような、そのめり張りの利いた賃上げというのが重要になってくるんじゃないか。
それから、今一部の企業でやっていますが、ベアの中身を一律にするんじゃなくて、ちゃんと能力主義に応じた労働者の中の再配分をすると、こういうことにやっぱり組合の方も協力していただきたいと思います。
それから、先ほども言いましたように、教育投資、これは政府だけじゃなくて企業の中でもできる部分が多いわけですので、労働者の能力を上げて、より高い賃金を上げていくということが大事ではないかと思います。
ですから、その意味で、日本の労働市場のいいところは、やっぱり企業と労働組合が欧米のように対立するんじゃなくて、ちゃんと協調してやっていけるという点は重要なわけですが、そのときに、正規だけじゃなくて非正規社員との賃金格差の是正についても組合の方も考えていただく。そのためには、例えば今の正規社員の方もある程度歩み寄りが必要じゃないか。
例えば、今一部で行われている限定正社員ですね。雇用は守られるけれども、今の、現在の普通の正社員のように長時間労働あるいは頻繁な転勤、そういうことは何でも受け入れなきゃいけないという働き方じゃなくて、ある程度職種や転勤を抑制するというような限定した働き方の正社員というものをつくろうという動きが厚労省であるんですが、どうしてもやはり組合の方は心配されて余り賛成をされないわけですが。
これはやはり、特に女性の働き方において転勤というのが一番の障害なわけですね、夫か妻かどっちかが転勤すると家庭が崩壊してしまうと。だから、転勤なしの雇用保障というのをやっぱり組合としてもやはり追求していただければ有り難いと思います。
以上でございます。
この発言だけを見る →その前に一言。
私は、アベノミクスが失敗したとは言っておりません。アベノミクスは、最初の大幅な円高を是正して日本経済を立ち直させるために非常に大きな影響を及ぼしたわけで、その点では成功していると。ただ、肝腎の三本の矢が十分に実現できなかったので、言わば一段目、二段目のロケットは噴射したけど、三段目が失速してしまったということで、これを継続するのがやはり今の政府に是非求められることだと思います。
その上で、難しいのはやはり、今の新しい資本主義ということですが、一番大事なのはやっぱりいかにして継続的な成長を実現できるか。そのためには生産性を上げていかなきゃいけない。生産性が上がって初めて賃上げも実現するわけですね。
ですから、今労働組合が賃上げを求めているというのは私は大事なことだと思いますが、画一的な賃上げはやっぱり好ましくないんじゃないか。特に、春闘においては、ベアと定昇という区別があるわけですが、ベアの方は幾ら上げても問題ないと思いますが、定期昇給を強く要求されるとこれは年功賃金をそのまま維持することになって、連合の特に若い組合員の立場を考えて中高年の方は少し我慢するというような、そのめり張りの利いた賃上げというのが重要になってくるんじゃないか。
それから、今一部の企業でやっていますが、ベアの中身を一律にするんじゃなくて、ちゃんと能力主義に応じた労働者の中の再配分をすると、こういうことにやっぱり組合の方も協力していただきたいと思います。
それから、先ほども言いましたように、教育投資、これは政府だけじゃなくて企業の中でもできる部分が多いわけですので、労働者の能力を上げて、より高い賃金を上げていくということが大事ではないかと思います。
ですから、その意味で、日本の労働市場のいいところは、やっぱり企業と労働組合が欧米のように対立するんじゃなくて、ちゃんと協調してやっていけるという点は重要なわけですが、そのときに、正規だけじゃなくて非正規社員との賃金格差の是正についても組合の方も考えていただく。そのためには、例えば今の正規社員の方もある程度歩み寄りが必要じゃないか。
例えば、今一部で行われている限定正社員ですね。雇用は守られるけれども、今の、現在の普通の正社員のように長時間労働あるいは頻繁な転勤、そういうことは何でも受け入れなきゃいけないという働き方じゃなくて、ある程度職種や転勤を抑制するというような限定した働き方の正社員というものをつくろうという動きが厚労省であるんですが、どうしてもやはり組合の方は心配されて余り賛成をされないわけですが。
これはやはり、特に女性の働き方において転勤というのが一番の障害なわけですね、夫か妻かどっちかが転勤すると家庭が崩壊してしまうと。だから、転勤なしの雇用保障というのをやっぱり組合としてもやはり追求していただければ有り難いと思います。
以上でございます。
村
村田享子#18
○村田享子君 先生、どうもありがとうございます。
確かに、共働きの世帯が増えてきて女性も働くことが当たり前になってきた中で、やっぱり多様な働き方というのは私も必要だというふうに思います。
最後、一問、片岡先生にお尋ねします。
同じく資料の先ほどの五ページのところで、やっぱり本予算と補正予算の位置付けを明確にといった先生の御提案がありました。
昨年の補正予算におきましても、新たな基金の造成であったり、また巨額な予備費を積むということがちょっとよく見られるなというふうに感じておりますけれども、こういったところにつきまして先生の御見解をお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →確かに、共働きの世帯が増えてきて女性も働くことが当たり前になってきた中で、やっぱり多様な働き方というのは私も必要だというふうに思います。
最後、一問、片岡先生にお尋ねします。
同じく資料の先ほどの五ページのところで、やっぱり本予算と補正予算の位置付けを明確にといった先生の御提案がありました。
昨年の補正予算におきましても、新たな基金の造成であったり、また巨額な予備費を積むということがちょっとよく見られるなというふうに感じておりますけれども、こういったところにつきまして先生の御見解をお聞きしたいと思います。
片
片岡剛士#19
○公述人(片岡剛士君) 御質問ありがとうございます。
本予算と補正予算の使い分けの話なんですけれども、昨今、私自身統計を見ておりますと、本予算の中で、歳出圧力を避けようとする余りに、必要な支出というものをあえて立てずに、それをその本予算に回すという事例が散見されるようにちょっとお見受けします。
これは、先ほど委員御指摘されていた予備費を積んだりとか、そういった話もございますし、それから補正予算の中で、十年、二十年ぐらいの中長期的な効果をもたらす支出といった話も補正予算に積まれていると。ですから、こういったものはある意味是正する必要があるのではないかというふうに考えています。
この発言だけを見る →本予算と補正予算の使い分けの話なんですけれども、昨今、私自身統計を見ておりますと、本予算の中で、歳出圧力を避けようとする余りに、必要な支出というものをあえて立てずに、それをその本予算に回すという事例が散見されるようにちょっとお見受けします。
これは、先ほど委員御指摘されていた予備費を積んだりとか、そういった話もございますし、それから補正予算の中で、十年、二十年ぐらいの中長期的な効果をもたらす支出といった話も補正予算に積まれていると。ですから、こういったものはある意味是正する必要があるのではないかというふうに考えています。
村
若
若松謙維#21
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
片岡委員、八代委員、今日はありがとうございます。
まず、片岡委員にお伺いいたします。
私も、「正論」ですか、読ませていただきましたが、本当にリフレ派、そして国債償還、予算計上不要、借換えで対応可能と、非常にすっきりとした分かりやすい議論なんですが、どうしても、私も会計士なんで、どうしてもリスクというのを考えてしまいます。
特に私は、いわゆる世界恐慌というんですか、三つあると思って、まず一つ目は、御存じの一九三〇年代の世界恐慌、いわゆる貿易信用収縮ですね。二度目が、二〇〇七年から一〇年までのリーマン・ショックの世界金融危機、いわゆる金融信用収縮と。三回目が、いわゆる先進国の国債、いわゆる国債発行の拡大による信用収縮リスク。これが現在の例えばIMFとかG7とかG20、財務、中央銀行の対応等でリスクが回避できるのか。そこら辺はどういうふうに先生お考えでしょうか。
この発言だけを見る →片岡委員、八代委員、今日はありがとうございます。
まず、片岡委員にお伺いいたします。
私も、「正論」ですか、読ませていただきましたが、本当にリフレ派、そして国債償還、予算計上不要、借換えで対応可能と、非常にすっきりとした分かりやすい議論なんですが、どうしても、私も会計士なんで、どうしてもリスクというのを考えてしまいます。
特に私は、いわゆる世界恐慌というんですか、三つあると思って、まず一つ目は、御存じの一九三〇年代の世界恐慌、いわゆる貿易信用収縮ですね。二度目が、二〇〇七年から一〇年までのリーマン・ショックの世界金融危機、いわゆる金融信用収縮と。三回目が、いわゆる先進国の国債、いわゆる国債発行の拡大による信用収縮リスク。これが現在の例えばIMFとかG7とかG20、財務、中央銀行の対応等でリスクが回避できるのか。そこら辺はどういうふうに先生お考えでしょうか。
片
片岡剛士#22
○公述人(片岡剛士君) 御質問ありがとうございます。
先ほど私の記事を御紹介いただきまして、誠にありがとうございます。
国債の金利上昇のお話だというふうに理解をしておりますけれども、資料の方にも書かせていただいたとおり、これはインフレ期とデフレ期で考え方が随分違うんじゃないかというふうに思います。
デフレ期の状況ですと、中央銀行もそうですが、むしろ金利が上がるというよりは金利が世界経済ないしは経済の先行きに応じて下がってしまうと。これはデフレの影響もあると思うんですが、そういう中でどのように経済を再生化していくのかというのが課題になるわけですね。こういう状況ですと、財政を支出をかなり増やしたとしてもなかなか金利が上がらないという状況で、むしろ経済を活性化して金利を上げられるような形で正常化するということがポイントになります。
インフレの状況ですと話は逆になりまして、むしろ金利はプラスで上がりますので、こういったときには過度な財政支出というのは控えるべきであるということであります。
日本の問題というのは、デフレ期なのに過度に財政支出を心配し過ぎているということに私自身はあるんじゃないかなと、こういうふうに考えております。
以上です。
この発言だけを見る →先ほど私の記事を御紹介いただきまして、誠にありがとうございます。
国債の金利上昇のお話だというふうに理解をしておりますけれども、資料の方にも書かせていただいたとおり、これはインフレ期とデフレ期で考え方が随分違うんじゃないかというふうに思います。
デフレ期の状況ですと、中央銀行もそうですが、むしろ金利が上がるというよりは金利が世界経済ないしは経済の先行きに応じて下がってしまうと。これはデフレの影響もあると思うんですが、そういう中でどのように経済を再生化していくのかというのが課題になるわけですね。こういう状況ですと、財政を支出をかなり増やしたとしてもなかなか金利が上がらないという状況で、むしろ経済を活性化して金利を上げられるような形で正常化するということがポイントになります。
インフレの状況ですと話は逆になりまして、むしろ金利はプラスで上がりますので、こういったときには過度な財政支出というのは控えるべきであるということであります。
日本の問題というのは、デフレ期なのに過度に財政支出を心配し過ぎているということに私自身はあるんじゃないかなと、こういうふうに考えております。
以上です。
若
若松謙維#23
○若松謙維君 多少心配しているのが強い私の質問になるんですけど。
いわゆる日本の政府の資金繰りというんですか、全てキャッシュフローで動いていますから、そうすると、今のところはまさにアベノミクスで中央銀行の国債購入、さらに植田新総裁ですか、日銀、替わりますけれども、いわゆるこういう流れの中で、今御存じのように経常収支がかなり厳しくなっていると。それをカバーするように、過去には三百兆円ぐらいあるんですか、海外投資のいわゆる配当とか利子ですね、こういうリターンによって何とか日本のキャッシュフローはもっているけれども、先ほどのこの日本の生産性なり、やっぱり為替が弱いというのは日本経済のファンダメンタルでしょうし、そういったリスクというのは乗り越えなくちゃいけないんですけど、かなりそういうものがあると思うんです。
そのリスクについては先生はどういうふうにお考えなのか。いわゆる日本発の、先ほどの世界、まあ国債信用収縮ですか、起きるかどうか、それについてはどのようにお考えですか。
この発言だけを見る →いわゆる日本の政府の資金繰りというんですか、全てキャッシュフローで動いていますから、そうすると、今のところはまさにアベノミクスで中央銀行の国債購入、さらに植田新総裁ですか、日銀、替わりますけれども、いわゆるこういう流れの中で、今御存じのように経常収支がかなり厳しくなっていると。それをカバーするように、過去には三百兆円ぐらいあるんですか、海外投資のいわゆる配当とか利子ですね、こういうリターンによって何とか日本のキャッシュフローはもっているけれども、先ほどのこの日本の生産性なり、やっぱり為替が弱いというのは日本経済のファンダメンタルでしょうし、そういったリスクというのは乗り越えなくちゃいけないんですけど、かなりそういうものがあると思うんです。
そのリスクについては先生はどういうふうにお考えなのか。いわゆる日本発の、先ほどの世界、まあ国債信用収縮ですか、起きるかどうか、それについてはどのようにお考えですか。
片
片岡剛士#24
○公述人(片岡剛士君) 御質問の件にお答えしたいと思います。
結論から申し上げると、現状ではそのような危機的な状況を心配する必要はないのかなと思います。ただ、日本の財政状況自体は、これは二十年超の経済停滞の結果として起こっている事態でありますので、ですからこれを改善に向かわしめるためには相応の時間が掛かるということがまず重要なんだと思います。
その中で、経済成長を進めつつ、まずはデフレから完全に脱却すること。そこの中で、デフレから脱却した状況を維持しながら、増税、歳出カットを含めた財政健全化の方策というのを考え、実行していくと。これを長期にわたってしっかり行っていくということが問題解決には必要なのかなというふうに理解しています。
この発言だけを見る →結論から申し上げると、現状ではそのような危機的な状況を心配する必要はないのかなと思います。ただ、日本の財政状況自体は、これは二十年超の経済停滞の結果として起こっている事態でありますので、ですからこれを改善に向かわしめるためには相応の時間が掛かるということがまず重要なんだと思います。
その中で、経済成長を進めつつ、まずはデフレから完全に脱却すること。そこの中で、デフレから脱却した状況を維持しながら、増税、歳出カットを含めた財政健全化の方策というのを考え、実行していくと。これを長期にわたってしっかり行っていくということが問題解決には必要なのかなというふうに理解しています。
若
若松謙維#25
○若松謙維君 そうしますと、片岡委員、そうすると、いわゆる現在の、あのアベノミクスをベースに引き継いで、今、岸田政権としていわゆるDX、GX、働き方改革、そして異次元の子育て政策と、こういう形の方向性、それは恐らく間違っていない、だけど大きな課題、そこはどういうふうに総括されていますか。
この発言だけを見る →片
片岡剛士#26
○公述人(片岡剛士君) ありがとうございます。
政策という意味では、私自身は基本的な発想というのは間違えていないと思うんですけれども、個人的には、日本の企業の生産性というものをどうやって高めていくかというのがこれからの課題なんだと思います。
ですから、規制緩和とかそういった形で政府が市場機能を改善するための方策を講じることも重要ですし、それから、インフレが高まりつつある状況の中で、企業として新しいサービス、製品というものを値段を上げることを通じて消費者の方にいかに受容してもらうのか、そうした形で、働き方ということも含めて、どういう生産性を高める方策をやっていくのかというところがこれからの日本の課題なのかなというふうに感じています。
この発言だけを見る →政策という意味では、私自身は基本的な発想というのは間違えていないと思うんですけれども、個人的には、日本の企業の生産性というものをどうやって高めていくかというのがこれからの課題なんだと思います。
ですから、規制緩和とかそういった形で政府が市場機能を改善するための方策を講じることも重要ですし、それから、インフレが高まりつつある状況の中で、企業として新しいサービス、製品というものを値段を上げることを通じて消費者の方にいかに受容してもらうのか、そうした形で、働き方ということも含めて、どういう生産性を高める方策をやっていくのかというところがこれからの日本の課題なのかなというふうに感じています。
若
若松謙維#27
○若松謙維君 ありがとうございます。
それでは、八代委員にお尋ねをいたします。
私もマネーという記事を読ませていただきました。いわゆるこの企業の賃金体系、日本型職務給導入を政府が直接指導は本末転倒だと、大変これ厳しい御指摘なんですけれども、今度、三月十五日に八年ぶりの政労使会議が行われますね。この会議はどのような会議とすることが望ましいのか、もし先生のお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
この発言だけを見る →それでは、八代委員にお尋ねをいたします。
私もマネーという記事を読ませていただきました。いわゆるこの企業の賃金体系、日本型職務給導入を政府が直接指導は本末転倒だと、大変これ厳しい御指摘なんですけれども、今度、三月十五日に八年ぶりの政労使会議が行われますね。この会議はどのような会議とすることが望ましいのか、もし先生のお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
八
八代尚宏#28
○公述人(八代尚宏君) 御質問ありがとうございました。
今の労働市場の問題というのは、やっぱり企業ができることとできないことというのがあるわけでして、企業の方も一生懸命改革には取り組んでいるわけですね。だけど、先生が先ほど言われたような私の記事は、政府がこういう職務給制度が望ましいからこれを企業にやれというようなことを押し付ける、これは私は社会主義だと思うんですよね。政府がやるべきことは最低賃金を決めると、これはもう当然政府の役割ですが、それを上回る普通の賃金体系というのはやっぱり労使で決めるものであって、それがなかなか進まないから政府の言うことを聞けというのは本末転倒だと思います。
そもそも、政府がどれだけ、何というか、そういう企業の中の賃金体系についての知識があるのか、できるのか。ですから、やっぱりそこは、政府は政府、民間は民間で、お互いの役割分担をきちっと考える必要があるんじゃないか。
私は、よくそれについては、サッカーの試合を考えたときに、選手は自由にプレーするようにすると、で、審判は選手の不正なことをやめさせるということであって、審判が特定の選手をえこひいきしたり、あるいは選手に対して、おまえたちは下手だから審判が見本を示してやるとゴールキックをするとか、そういうようなことは断じてするべきじゃないんですが、とかく日本の政府は、何か民間不信といいますか、民間に任せておくとろくなことがないから政府を指導するという、かつての産業政策のような思想がまた首をもたげているということを懸念しているわけですね。
ですから、政労使の会議においても、あくまで政府は審判の立場に立って、労使がきちっと決めることを尊重していくというのが何より大事ではないかと思います。
以上です。
この発言だけを見る →今の労働市場の問題というのは、やっぱり企業ができることとできないことというのがあるわけでして、企業の方も一生懸命改革には取り組んでいるわけですね。だけど、先生が先ほど言われたような私の記事は、政府がこういう職務給制度が望ましいからこれを企業にやれというようなことを押し付ける、これは私は社会主義だと思うんですよね。政府がやるべきことは最低賃金を決めると、これはもう当然政府の役割ですが、それを上回る普通の賃金体系というのはやっぱり労使で決めるものであって、それがなかなか進まないから政府の言うことを聞けというのは本末転倒だと思います。
そもそも、政府がどれだけ、何というか、そういう企業の中の賃金体系についての知識があるのか、できるのか。ですから、やっぱりそこは、政府は政府、民間は民間で、お互いの役割分担をきちっと考える必要があるんじゃないか。
私は、よくそれについては、サッカーの試合を考えたときに、選手は自由にプレーするようにすると、で、審判は選手の不正なことをやめさせるということであって、審判が特定の選手をえこひいきしたり、あるいは選手に対して、おまえたちは下手だから審判が見本を示してやるとゴールキックをするとか、そういうようなことは断じてするべきじゃないんですが、とかく日本の政府は、何か民間不信といいますか、民間に任せておくとろくなことがないから政府を指導するという、かつての産業政策のような思想がまた首をもたげているということを懸念しているわけですね。
ですから、政労使の会議においても、あくまで政府は審判の立場に立って、労使がきちっと決めることを尊重していくというのが何より大事ではないかと思います。
以上です。
若
若松謙維#29
○若松謙維君 ちょっと私、政府の立場、ちょっと弁解するわけじゃないんですけど、まあ、どちらかというとデフレ、もちろん日本政府のいろんな対応のミスもあると思います。しかし、やはり本当に労使が向き合ってこなかったという現実もあると思います。そこを後押しするのが、今おっしゃったように政労使の会議の大きな目的かなと、それはもう理解できます。
その上で、特に企業のある意味内部留保が大きくなっている、いわゆる投資の不足、また、社員の皆さんのそれぞれの、何というんですかね、いわゆる子育て優先ということをなかなか勇気を持って言えない、そんなところをやっぱり議論しなくちゃいけないんですけれども。
そこで、先ほど異次元の少子化対策、お話ございました。二〇一九年にも消費税上げさせていただきました。現実には、そこからやはり子育て政策頑張ると、そういう機運になってきたこともありまして、その上で、子供保険がいいのか、いわゆる消費型の消費税がいいのか、恐らく財源の問題だと思うんですけど、やはりこの少子化対策は非常に重要なので、そこに対しての財源、そこはやっぱり知恵の出し方であって、こうじゃなくちゃいけないという問題よりも、どうやって国民の皆さん理解をして負担していくか、そういう議論だと思いますが、どんなふうにお考えでしょうか。
この発言だけを見る →その上で、特に企業のある意味内部留保が大きくなっている、いわゆる投資の不足、また、社員の皆さんのそれぞれの、何というんですかね、いわゆる子育て優先ということをなかなか勇気を持って言えない、そんなところをやっぱり議論しなくちゃいけないんですけれども。
そこで、先ほど異次元の少子化対策、お話ございました。二〇一九年にも消費税上げさせていただきました。現実には、そこからやはり子育て政策頑張ると、そういう機運になってきたこともありまして、その上で、子供保険がいいのか、いわゆる消費型の消費税がいいのか、恐らく財源の問題だと思うんですけど、やはりこの少子化対策は非常に重要なので、そこに対しての財源、そこはやっぱり知恵の出し方であって、こうじゃなくちゃいけないという問題よりも、どうやって国民の皆さん理解をして負担していくか、そういう議論だと思いますが、どんなふうにお考えでしょうか。