法務委員会

2019-11-19 衆議院 全207発言

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会議録情報#0
令和元年十一月十九日(火曜日)
    午前九時十五分開議
 出席委員
   委員長 松島みどり君
   理事 伊藤 忠彦君 理事 越智 隆雄君
   理事 鬼木  誠君 理事 田所 嘉徳君
   理事 葉梨 康弘君 理事 稲富 修二君
   理事 山尾志桜里君 理事 浜地 雅一君
      畦元 将吾君    安藤 高夫君
      井野 俊郎君    奥野 信亮君
      門山 宏哲君    神田  裕君
      黄川田仁志君    国光あやの君
      小林 茂樹君    出畑  実君
      中曽根康隆君    藤井比早之君
      古川  康君    宮崎 政久君
      山下 貴司君    吉川  赳君
      和田 義明君    逢坂 誠二君
      落合 貴之君    高木錬太郎君
      日吉 雄太君    松田  功君
      松平 浩一君    山川百合子君
      藤野 保史君    串田 誠一君
    …………………………………
   法務大臣         森 まさこ君
   法務副大臣        義家 弘介君
   法務大臣政務官      宮崎 政久君
   財務大臣政務官      井上 貴博君
   政府参考人
   (警察庁刑事局組織犯罪対策部長)         田中 勝也君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    小出 邦夫君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 山名 規雄君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           森  和彦君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           中原 裕彦君
   法務委員会専門員     藤井 宏治君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十九日
 辞任         補欠選任
  和田 義明君     安藤 高夫君
同日
 辞任         補欠選任
  安藤 高夫君     畦元 将吾君
同日
 辞任         補欠選任
  畦元 将吾君     和田 義明君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 会社法の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)
 会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第一一号)
     ――――◇―――――
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松島みどり#1
○松島委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、会社法の一部を改正する法律案及び会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として警察庁刑事局組織犯罪対策部長田中勝也さん、法務省民事局長小出邦夫さん、財務省大臣官房審議官山名規雄さん、厚生労働省大臣官房審議官森和彦さん及び経済産業省大臣官房審議官中原裕彦さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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松島みどり#2
○松島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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松島みどり#3
○松島委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。田所嘉徳さん。
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田所嘉徳#4
○田所委員 皆さん、おはようございます。自民党の田所嘉徳でございます。
 発言の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
 私はいつも、あの霞が関の巨大な官庁街に行きますと、思うことがあります。それは、本当に多くの官僚の皆さんが働いていて、大きな組織があって、これらを維持するそのコストというものは大変なものなんだろうなというふうに思っています。
 さらに、国の予算をハンドリングするわけでありますけれども、そういう中にあっての国の予算というものも、福祉や教育や、さらには昨今の災害多発の中での対応ということで、大きなコストが、負担がかかるわけでありますけれども、これを経済的利益を原則的に生まない官庁街が、見るたびに、やはりどこでその財源が生まれるのかということに私は思いをいたさなければならないというふうにいつも思っているわけであります。
 この原資は、まさに全国津々浦々の人々の労働によって生み出される経済的価値、そして税金、そういったもので賄われるわけであります。したがって、経済が円滑に行われなければ、国家の運営にも大きな支障を来すというものだと思っております。経済の持続的な発展を可能ならしめるということが大変重要だというふうに思っております。
 とりわけ、会社組織の果たす役割は大変大きくて、その健全な発展を推進する必要があると思います。しかしながら、大手自動車会社や電力会社などで企業統治が破綻しているんではないかと思われるような事件が相次いでおります。会計不祥事やコンプライアンス違反ということが起きないようにしなければなりません。
 会社が持続性を保ちながらその社会的役割を果たせるようにすることは大変重要であると思いますけれども、これについてどのように考えているのか、あわせて、どのような制度にし、規制をしようとしているのか、森法務大臣にお伺いいたします。
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森まさこ#5
○森国務大臣 田所委員にお答えいたします。
 委員御指摘のとおり、会社が成長し、我が国の経済の発展に継続的に寄与することは重要であると認識しております。
 これを実現するためには、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を達成するための基盤となるコーポレートガバナンスの向上が必要であります。コーポレートガバナンスの向上のためには、業務を執行する役員から独立した立場にある者が役員を監督する体制を構築することや、役員に適切なインセンティブを付与するとともに、客観的にその業績を評価すること、これらに関する情報が早期に株主に対して提供されることなどが重要であると考えております。
 改正法案は、そのような観点からの制度改正を内容とするものでありまして、コーポレートガバナンスの向上が図られる基盤を整備するものとして意義があると考えております。
 その上で、会社が健全に機能するためには、改正法案の施行後の制度と、これに関連する各種の制度、すなわち、いわゆる内部統制システムや、監査役、会計監査人による業務監査、会計監査の体制、株主代表訴訟制度、情報開示などの制度等が一体となって機能することが重要であると考えております。
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田所嘉徳#6
○田所委員 会社といえば、私は渋沢栄一だろうというふうに思っております。二〇二四年から一万円札の肖像画になるというんですけれども、キャッシュレス化が進むので申しわけないなという感じもしなくはないんですが、いずれにしましても、百四十年以上も前に会社制度の有用性をフランスから学んで、約五百社もの会社をつくって、帝国ホテルとか王子製紙、東洋紡績など、その六割は今日に至っても形態を変えて存続しているということであって、資本主義の父などと言われるようであります。
 会社の持続性を確保することによって行政の継続性が維持され、そして、会社が持続的に成長すれば社会も発展するということだと思いますので、会社は社会の公器と言うこともできるのではないかと思っております。
 そこで、先ほど大臣から答弁がありました。今般の法改正における内容を述べていただければよかったのでありますが、非常にすぐれた見識も示されまして、内部統制システム、そして、監査役、会計監査人、さらには、株主代表訴訟、社外取締役、こういったものが関連して、合わせわざで力を発揮する、私も全くそのとおりだというふうに思っております。
 そういうことをしっかりと考えておられて立派だなと思うんですけれども、であるならば、申し上げたいことがありまして、私は、今回の法改正は法務省らしからぬ、ちょっと対症療法的な、ちまちましたものじゃないかなという印象を非常に持っております。
 法務省は非常に豊かな見識があって、例えば、技能実習法の改正、適正化等についても、私は関与させていただきましたけれども、これは、二国間取決めから始まって、外国人技能実習機構をつくったり、実習計画の認定、そして、実習実施者の届出義務、さまざまな報告、さらには、監理団体の許可とかサンクションとか、そういうものも定めておりますし、さらには、特定技能に至っては、出入国在留管理庁にしたわけであります。そして、登録支援機関や外国人の相談窓口などもあわせて外部も固めていった。そして、試験を行って、その送り出し国との連携もする。非常に遠大な、すばらしい構想をしてつくってきたわけですが、会社法のこの改正は、どうもそんなにダイナミックではない。
 大臣、就任したばかりでありますので、先ほど言われたように、総合的な、ダイナミックな、その会社が伸びるようなあり方というものをぜひ進めてもらいたいというふうに思っております。
 きょうは、ニュースで、見てみましたら、ゴーン逮捕から一年目というふうなことをけさのニュースでやっておりました。九月中間決算では、半期の昨対で営業利益が八五%減少している、本決算では半減するだろうというようなことが言われております。そういう中で、指名委員会設置会社としたり、あるいは、社外取締役を半数以上導入するというようなこと、そして、さまざま改革も進めているわけでありますけれども、外国人経営者が救世主になるはずであったんですけれども、搾取の対象になってしまったというようなことは、非常に問題があるというふうに思っております。
 そういう中で、情報公開等についても私は考えるところがありまして、公益通報者保護法もあります。消費者庁でありますけれども、対象となる法律に会社法も含まれております。
 この前、憲法審査会では外国の事例が報告されましたが、スウェーデンの憲法は、これは、法律で定めて列挙したもの以外は、公務員が知り得た情報をマスコミに流すことを情報提供権として憲法上認めているというようなことがあります。
 透明性とかいろいろなことを含めて、しっかりとしたリードをしてもらいたいと思います。
 それで、非常に各論でありますが、昭和五十六年の商法改正によって導入された株主提案権についてであります。
 これは、株主がみずからの意思を株主総会に直接訴えることができるもので、この権利を保障することは大変重要だというふうに思っております。特に、少数株主にとって大きな意味があります。そのような株主提案権に対して制限を加えるということは、十分な理由と慎重な検討が必要であるというふうに思っております。
 今般の改正法において株主提案権を制限することとしておりますけれども、どのような点が問題なのか、立法事実について法務大臣にお伺いしたいと思います。
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森まさこ#7
○森国務大臣 お答えいたします。
 近年、一人の株主により膨大な数の議案が提案されたり、株式会社を困惑させる目的で議案が提案されたりするなど、株主提案権が濫用的に行使される事例が見受けられます。
 株主提案権が濫用的に行使されますと、株主総会における審議の時間等が濫用的な提案に割かれることで、株主総会の意思決定機関としての機能が害されたり、株式会社における検討や招集の通知の印刷等に要するコストが増加したりするなどの弊害が生ずるという問題がございます。
 また、近年の裁判例においては、株主提案権の行使が、株式会社を困惑させる目的のためにされるなど、株主としての正当な目的を有するものでない場合等には、権利濫用として許されないとの判断が示されております。
 しかし、どのような場合に株主提案権の行使が権利濫用に該当すると認められるかは必ずしも明確ではなく、実務上、株主提案権が行使された場合に、取締役等において株主提案権の行使が権利濫用に該当するか否かを的確に判断することは難しいという現状がございます。
 そこで、改正法案では、株主提案権の濫用的な行使を制限するための措置を設けることとしておるところでございます。
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田所嘉徳#8
○田所委員 たくさんの株主提案が濫用的に出されているというようなことでありますが、本当にそうなのだろうかというところもございます。平成二十九年からの一年間に出されたものは、回答は千七百二十七社あったんですけれども、五十六社でありますし、十年間の平均で年一・七程度でありますので、これも必ずしもそうも言えないだろうというふうに思っておりますけれども、やはり、濫用的に行われることはコストに響く、問題があるということであります。
 続けて、株主提案権の濫用的な行使を防止するためにどのような対策を考えているのか、お伺いしたいと思います。
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小出邦夫#9
○小出政府参考人 お答えいたします。
 株主が同一の株主総会において提案することができる議案の数を制限いたしまして、また、株主による不当な目的等による議案の提案を制限する規定を新たに設けることとしております。
 具体的には、取締役会設置会社の株主が議案要領通知請求権を行使する場合に、同一の株主総会において提案することができる議案の数の上限を十とし、十を超える部分については、会社は提案を拒絶することができることとしております。
 また、株主が、専ら人の名誉を侵害し、人を侮辱し、若しくは困惑させ、又は自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で株主提案権を行使する場合や、株主提案権の行使によって、株主総会の適切な運営が著しく妨げられ、株主の共同の利益が害されるおそれがあると認められる場合には、会社は株主提案権の行使を拒絶することができることとしております。
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田所嘉徳#10
○田所委員 荒唐無稽な提案、そういうことで事務手続あるいは株主総会の機能が阻害されるということであって、定款変更とつければ株主総会決議事項になるとするのはやはりおかしいだろうというわけであります。
 どのような提案があったのか、しかし必ずしも明らかではありません。トイレを和式にして鍛錬して株価を上げろとか、そんなものとか変なものがありますけれども、これは、余りよくわかっていないのに、なかなか、会社のことですからよく情報がつかめない、よく調べたけれどもわからない、そういう中で、濫用が著しいというのも、なかなか具体例をつかめない中ではわかりにくい論理だなというふうに思っております。
 濫用の事例について、これは権利の濫用という一般法理で採用しない、ブロックすることができるんだろうと思いますけれども、今回、濫用事例の明文化というものをして対応しようとしておりますが、どんな意味を持つと考えているのか、お伺いをしたいと思います。
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小出邦夫#11
○小出政府参考人 現行法のもとでは、どのような場合に株主提案権の行使が権利濫用に該当すると認められるかは必ずしも明確ではないことから、実務上、株主提案権の行使がされた場合に、取締役等において株主提案権の行使が権利濫用に該当するか否かを的確に判断することは難しく、株主提案権の行使が権利濫用に該当すると考えた場合でも、これを制限することにちゅうちょする場合があるという指摘がされております。
 それで、今回、このような指摘を踏まえまして、改正法案におきましては、株主提案権の行使が権利の濫用に該当するであろう典型的な場合を明文化いたしまして、このような場合に株式会社が議案の提案の制限を必要以上にちゅうちょすることがないようにすることとしたものでございます。
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田所嘉徳#12
○田所委員 あわせて、株主が提案できる議案の数を十までとしている、この根拠を示してもらいたいと思います。
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小出邦夫#13
○小出政府参考人 株主が提案することができる議案の数の上限を十といたしましたのは、近年の株主提案権の行使の状況を見ましても、各提案株主について多くとも十程度にとどまっており、これを超える議案を提案する必要があるとは通常考えにくいことなどを考慮したものでございます。
 また、法制審議会の会社法制部会におきましては、外国の法制等を参考にして、株主が提案することができる議案の数を更に少ない数、例えば一ないし三とすべきであるという意見もございました。
 しかし、実務上合理的と考えられる株主提案であっても議案の数がこれを超えることは十分にあり得るものと考えられますし、また、改正法案におきましては、取締役等の選任や解任、また定款の変更に関する議案については、関連する二以上の議案であっても、これを一の議案とみなすことができる場合を法定しておりますが、株主が提案する議案の中でも最も大きな割合を占めております定款の変更に関する議案につきましては、判断基準の明確性を重視いたしまして、一の議案とみなすことができる場合を限定的なものにしております。
 改正法案では、これらの点を考慮いたしまして、株主提案権が不当に制限されることがないよう、株主が提案することができる議案の数の上限を十としたものでございます。
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田所嘉徳#14
○田所委員 株主提案権のこの流れを本質的に見ると、私は、直接経営陣に申し入れて、それがかなわなかった場合の次善の策、そういったことで使われる場合がある。少数株主の権利の保護とともに、広く問題点とか改善点を発見、表現する、そういう機能もあると私は思っております。故意に害悪を与えようとするものでなければ、最後の株主の手段として、過度に制限してはならないんだろうと思っております。取締役が株主総会をしのげれば後はいいんだというような、そういうものであってはならないので、やはり株主のしっかりとした発言の権利というものを守っていく必要があるというふうに思っています。
 それでは、取締役に関する規律の見直しについて。
 会社経営のかじ取りを行う取締役、これが法とか定款を遵守して適切な仕事をしなければなりません。その適正性を確保するために、上場企業等で社外取締役の設置を義務づけるというようにしているわけでありますけれども、なぜ今これを定めるのか、法務大臣にお伺いしたいと思います。
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森まさこ#15
○森国務大臣 社外取締役には、少数株主を含む全ての株主に共通する株主の共同の利益を代弁する立場にある者として、業務執行者から独立した客観的な立場から会社経営の監督を行い、また、経営者あるいは支配株主と少数株主との利益相反の監督を行うという役割を果たすことが期待されております。
 そして、機関投資家等からは、コーポレートガバナンスを実効的に機能させ、我が国の資本市場が信頼される環境を整備する観点から、上場会社等については、最低限の基本的な要件として、画一的に社外取締役を置くことを義務づけるべきであるとの指摘がされているところでございます。
 また、東京証券取引所の全上場会社における社外取締役の選任比率は、令和元年七月調査時点においては九八・四%になっております。このように、社外取締役の選任が進んだことなどに照らすと、社外取締役の有用性は一般的に広く認知されていると言うことができると考えております。
 そこで、改正法案においては、我が国の資本市場が信頼される環境を整備し、上場会社等においては、社外取締役による監督が保障されているというメッセージを内外に発信するため、会社法において上場会社等に社外取締役を置くことを義務づけることとしたところでございます。
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田所嘉徳#16
○田所委員 社外取締役の選任比率が東証で九八%、一部では九九・九%ということですから、非常に理解が深まっているんだ、皆さん、理解をされております。
 しかし、黙っていても設置されているわけでありまして、これを法制、しかも義務化することにどれだけの意味があるんだという感じがしなくはありません。社外取締役を設置しなかった〇・一%の企業に問題があったというならばそれは必要なのかもしれませんが、どうも後追いというような感じは否めないんではないかと思っております。社外取締役がいても問題が起きているということをよく考えなければならない。
 さらに、我が国の資本市場の信頼性の向上と言いますけれども、やはりいろいろな不祥事やコンプライアンス違反が起きている。さらには、もう既にソフトローにおいてはそれが明記されているんですけれども、今ごろハードローの整備をしたというと、市場の評価が下がっちゃうんじゃないか、日本の評価が、私はそう思ったりもするわけであります。
 そういう中で、しっかりと社外取締役がその役割を果たせるようにしなければならないというふうに思っております。例えば会計学等についての専門性を有するとか、あるいは、人数を一定程度多くして、しっかりとした管理体制がしけるとか。私は、本質は、やはり内部統制システムを管理していくというのが社外取締役の一つの役割だと思っております。任期や再任の制限、関係性など、実効性が確保できるようなものにしなければならないと考えておりますけれども、その点についてどう考えるのか、お聞きしたいと思います。
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小出邦夫#17
○小出政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、社外取締役による監督の実効性を確保するためには、法制度として形式を整えるだけでなく、その制度を実質的に機能させることが重要であると考えております。
 上場会社等に社外取締役を置くことを義務づける改正法案は、コーポレートガバナンスを実質的に向上させる上で必要となる基盤を整備するものとして、意義があると考えているところでございます。
 その上で、社外取締役による監督の実効性を高めるためには、期待される役割を適切に遂行することができる知見と経験を兼ね備えた者を社外取締役に選任することや、社外取締役の機能が発揮しやすい環境を整備することなどの運用面の取組が重要でございます。そのような知見等を備えた社外取締役候補者の確保については、関係団体において、人材プールの充実などの取組が進められております。
 法務省としても、関係省庁と連携して、必要な協力をしていきたいと考えております。
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田所嘉徳#18
○田所委員 実際に問題を起こさないような抑止力の効果を持った、緊張感ある社外取締役との関係というものが非常に重要だというふうに考えております。取締役会でなあなあになってしまったのでは、これはその効果が出せないわけであります。
 そのことについては、既にもうソフトローの方で、コーポレートガバナンス・コードの中でも示されております、独立社外取締役というふうな言い方もしておりますけれども、報酬とか、会社との関係の中でそれ以外のものを受け取ったり、これまでに勤務関係があったりして、余り強い関係があり過ぎないということ、そういったことを含めて、お手盛りの社外取締役で、先ほど言いました、株主総会をしのげばいいんだというようなことで取締役が業務を執行するということがないようにしなければならないと思います。
 そこで、報酬についてお聞きしたいと思います。
 かつて日本は、日本的経営と言われまして、終身雇用制あるいは家族的経営で、役員の報酬も社員に比べてそんなに高くなかったわけであります。しかし、今日、会社は、取締役にとって、個人的な利益を得るためのものという風潮も強くなっているというふうに思っております。日産自動車のように、会社が取締役の搾取の対象になってしまったというものもあります。これから国際化が進み、外国人の取締役もふえるだろうと思いますし、考えるべきことがあるだろうというふうに思います。
 みずからの利益を追求するのは人間の本質であって、それがあるから成長し、力を発揮するというものでありますから、これは全て悪いとは言いませんけれども、しかし、それが高じてしまえば、これは、みずからの利益を優先して、株主や会社自体の価値を損ねることになってしまう、そういったことがお手盛りで利益獲得に走る取締役をつくるということになってしまうんだろうと思っております。
 適切に報酬を定める制度を整えることは大変重要である、無限定ではこれは暴走してしまうということだろうと思いますので、今回の法改正において取締役の報酬等に関する規定の見直しというものが打ち出されましたけれども、その具体的な意味について説明をしてもらいたいと思います。
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小出邦夫#19
○小出政府参考人 現行法上、取締役の報酬等につきましては、当該株式会社が指名委員会等設置会社である場合を除きまして、定款又は株主総会の決議によりその総額を定めれば足り、取締役の個人別の報酬等の内容について定款又は株主総会の決議により具体的に定める必要はないなどと解されておりまして、取締役の報酬等の内容の決定手続等が不透明であると指摘されております。
 他方で、近年、取締役の報酬等には、取締役に対して適切に職務を執行する動機、インセンティブを付与する重要な機能があると考えられております。取締役の報酬等の種類や内容の適切な水準は企業の置かれている経営環境等に応じて異なるものではございますが、投資家等からは、このような取締役の報酬等の機能に照らすと、取締役の報酬等の内容を適切に定めるための仕組みを整備することは企業統治の強化の観点から重要であると指摘されております。
 また、法律実務家等からは、現行法の規律に対して、業績等に連動した報酬等の付与に係る規律に明確でない部分があり、このことが先ほど述べた取締役の報酬等の機能を活用する上で阻害要因となっているという指摘がございます。
 これらの指摘を踏まえまして、改正法案におきましては、取締役の報酬等の内容の決定手続等に関する透明性を向上させ、また、インセンティブ付与の機能を有する業績連動報酬等を適正かつ簡易に取締役に付与することができるようにするため、取締役の報酬等に関する規律の見直しを行っているところでございます。
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田所嘉徳#20
○田所委員 報酬決定についてしっかりとした規律をつくっていくということでありますけれども、報酬決定の透明性の向上というものが非常に重要だろうというふうに思っております。それは情報開示の充実によってもたらされるものでもありますし、その点をしっかりと図ってもらって、客観性があるような、そういう報酬決定によって適切な業務をしてもらえるようにするべきだろうというふうに思っています。
 あわせて、次のことも聞いていきたいと思っておりますけれども、やはり、人が力を発揮するその源泉というものは、その努力が報酬等の形で評価されるということが非常に意味もあるというふうに思っております。適切なインセンティブを付与することによって持てる力を十分に発揮できるようにする、大変重要だと思っております。
 しかし一方で、過剰な利益供与になってしまってはこれは適切ではありませんので、この点をどうバランスをとって適正な報酬によって取締役が力が発揮できるようにしようとしているのか、お聞きしたいと思います。
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小出邦夫#21
○小出政府参考人 改正法案におきましては、株式会社が業績等に連動した報酬等を適正かつ簡易に取締役に付与することができるようにするために、上場会社が取締役の報酬等として株式の発行等をする場合には、募集株式と引きかえにする金銭の払込み等を要しないこととするなどの見直しを行っております。
 他方で、改正法案におきましては、これとあわせて、取締役の報酬等の決定手続の透明性を向上させるための措置も講じております。例えば、上場会社等におきましては、定款又は株主総会の決議により取締役の個人別の報酬等の内容が定められない場合には、取締役会においてその決定方針を定めなければならないこととし、また、取締役の報酬等として当該株式会社の株式を付与しようとする場合には、定款又は株主総会の決議によって当該株式の数の上限等を定めなければならないこととしております。
 このように、改正法案におきましては、取締役に適切なインセンティブが付与されるようにしつつ、取締役に過剰な報酬等が付与され、株主や会社に不利益が生じることを抑止するための方策も講じているところでございます。
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田所嘉徳#22
○田所委員 取締役にしっかりとしたインセンティブも与えて仕事をしてもらうということが重要だろうというふうに思っております。
 やはり、経営判断というものはなかなか、一足す一が二になるような単純にいくものではないんだろうというふうに思っております。そういう中にあって、果断な決断をして、経営判断をして、厳しい競争の中でしっかりと勝ち抜いて利益を得るようにするということは大変重要なんだろうというふうに思っておりますが、報酬によるインセンティブでしっかりと働いてもらうとともに、やはりそういった判断やダイナミックな経営というものができるような支えというものも必要だろうと思っております。訴訟とか損害賠償の不安におびえていたのでは仕事もできないわけでありますので。
 そういう中にあって、会社補償というようなものもここで打ち出されているわけでありますけれども、これをどのように意義あるものとしているのか、ちょっと説明をしてもらいたいと思います。
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小出邦夫#23
○小出政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のございました会社補償とは、役員等が、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したとして裁判においてその責任を追及されるなどした場合に、これに対処するために支出する費用や、その請求が認められて第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合の賠償金の全部又は一部を株式会社が当該役員等に対して補償することをいいます。
 会社補償には、役員等として優秀な人材を確保するとともに、役員等が、その職務の執行に関し、第三者に生じた損害を賠償する責任を負うことを過度に恐れることによってその職務の執行が萎縮することがないように、役員等に対して適切なインセンティブを付与するという意義が認められるところでございます。
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松島みどり#24
○松島委員長 質疑時間が終了していますから、短くお願いします。
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小出邦夫#25
○小出政府参考人 はい。
 また、役員等が、その職務の執行に関し、訴訟等で責任の追及を受けた場合には、当該役員等が適切な防御活動をすることができるように当該株式会社においてこれに要する費用を負担するということが株式会社の損害の拡大の抑止にも資するものとも考えられます。
 ただ、他方で、会社補償が認められる範囲によっては、役員等の職務の執行の適正性が損なわれたりするおそれがあるという問題等もございます。
 そこで、改正法案におきましては、会社補償するために株式会社が役員等との間で締結する契約である補償契約につきまして、その内容の決定をする手続や補償契約に基づき補償することができる費用等の範囲に関する規律を定めることとしております。
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田所嘉徳#26
○田所委員 ありがとうございました。
 国家を支える社会の公器であります会社がしっかりと持続的に成長していく、大変重要なことであります。しかも、これは一つの政策だけで健全化が図られるわけではありませんので、先ほどさまざま森大臣から示されました、そういったものをしっかりと総合的に整備をして、またすばらしい会社法というものをつくってもらいたいというふうに思っております。
 以上です。ありがとうございました。
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松島みどり#27
○松島委員長 午前十時十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前九時四十八分休憩
     ――――◇―――――
    午前十時十分開議
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松島みどり#28
○松島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。浜地雅一さん。
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浜地雅一#29
○浜地委員 公明党の浜地雅一です。
 私も、会社法の改正案、順次質問をしたいと思っております。結構細かく聞きたいと思いますので、大事なところは大臣にお聞きしまして、あと細かなところは政府参考人の皆様方に答弁をいただきたいと思っております。
 まず、私は、株主総会資料の電子提供措置についてお聞きをしたいと思っています。
 この改正法ではなく、二十六年以前のもので既に、会社法二百九十九条の第三項では、株主総会の招集通知、これも株主の個別の承諾があれば電磁的方法により通知を発することができる、書面によらなくてもよいという規定もございますし、そういった、株主の承諾があれば株主総会資料についてもいわゆる書面ではなく電磁的方法による通知を発することができるという規定が既にあるわけでございますけれども、その中にありまして、今回、定款で定めることによって、株主総会資料等につきまして、いわゆるウエブサイトに掲示をすれば書面による通知を省略できるという規定を設けられました。
 この必要性について、法務大臣に御答弁をお願いしたいと思います。
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