文部科学委員会

2020-05-20 衆議院 全246発言

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会議録情報#0
令和二年五月二十日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 橘 慶一郎君
   理事 池田 佳隆君 理事 白須賀貴樹君
   理事 田畑 裕明君 理事 馳   浩君
   理事 村井 英樹君 理事 川内 博史君
   理事 城井  崇君 理事 浮島 智子君
      青山 周平君    安藤  裕君
      石川 昭政君    上杉謙太郎君
      小此木八郎君    大串 正樹君
      上川 陽子君    神山 佐市君
      櫻田 義孝君    柴山 昌彦君
      高木  啓君    谷川 弥一君
      出畑  実君    中村 裕之君
      根本 幸典君    福井  照君
      福山  守君    藤井比早之君
      船田  元君    古田 圭一君
      本田 太郎君    宮路 拓馬君
      吉良 州司君    菊田真紀子君
      中川 正春君    日吉 雄太君
      牧  義夫君    村上 史好君
      山本和嘉子君    吉川  元君
      笠  浩史君    高木 陽介君
      鰐淵 洋子君    畑野 君枝君
      串田 誠一君
    …………………………………
   文部科学大臣       萩生田光一君
   文部科学大臣政務官
   兼内閣府大臣政務官    青山 周平君
   経済産業大臣政務官    宮本 周司君
   国立国会図書館長     吉永 元信君
   政府参考人
   (内閣府知的財産戦略推進事務局長)        三又 裕生君
   政府参考人
   (文部科学省総合教育政策局長)          浅田 和伸君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          丸山 洋司君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            伯井 美徳君
   政府参考人
   (文化庁次長)      今里  讓君
   参考人
   (一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構代表理事)            後藤 健郎君
   参考人
   (出版広報センター副センター長)
   (株式会社集英社代表取締役社長)         堀内 丸恵君
   参考人
   (弁護士)        福井 健策君
   文部科学委員会専門員   吉田 郁子君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十日
 辞任         補欠選任
  神山 佐市君     福山  守君
  宮路 拓馬君     本田 太郎君
  村上 史好君     日吉 雄太君
  森  夏枝君     串田 誠一君
同日
 辞任         補欠選任
  福山  守君     藤井比早之君
  本田 太郎君     宮路 拓馬君
  日吉 雄太君     村上 史好君
  串田 誠一君     森  夏枝君
同日
 辞任         補欠選任
  藤井比早之君     神山 佐市君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四九号)
     ――――◇―――――
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橘慶一郎#1
○橘委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案審査のため、参考人として、一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構代表理事後藤健郎君、出版広報センター副センター長・株式会社集英社代表取締役社長堀内丸恵君及び弁護士福井健策君、以上三名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございました。本案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、参考人各位からお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えいただきたいと存じます。
 なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきください。
 それでは、まず後藤参考人に意見開陳をお願いいたします。
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後藤健郎#2
○後藤参考人 おはようございます。後藤でございます。
 本日は、陳述の機会をいただきまして、厚く御礼申し上げます。
 さて、私からは、一九八五年より海賊版対策に従事している私の経験を踏んまえまして、このCODAのオンライン上の海賊版対策と著作権法改正の必要性について述べさせていただきたいと思います。
 おめくりいただきまして、まず、CODAでございますけれども、二〇〇二年、当時の小泉総理大臣が、施政方針演説で知財立国というのを宣言されました。その際に、経産省と文化庁の支援を受けましてCODAが設立されております。海外へのコンテンツの流通促進、そして海賊版対策でございます。
 実際上、費用対効果等を含めまして、我々のメーンの仕事ということで、今、民間が一丸となって海賊版対策というのに従事をしております。
 めくりまして、二ページ目、三ページ目が、我々の会員社でございます。日本のほとんどのコンテンツホルダーがお入りになっているという状況でございます。
 四ページ目です。
 CODAの主な事業は何かということでございますが、一番最初は侵害対策ということで、共同エンフォースメント。海外で一人の権利者が権利行使するのには費用対効果が非常によくありません。ということで、コンテンツホルダーが集まって共同で権利行使をするという方法をとっております。
 そして二つ目としまして、各国の取締り機関との連携ということで、昔は非常に中国と関係が悪かったんですが、ここ最近は国家版権局等々とバイですぐにコミュニケーションがとれる状況でございます。
 三つ目といたしましては、国内外の関係団体との連携ということでございまして、MPA、アメリカの映画の団体ですが、いわゆるロビーのすごい団体なんですけれども、ここともMOUを締結しまして、世界じゅうの海賊版対策について情報共有をしているというところでございます。
 それと四番目として、大切なのが、やはり、一般消費者への、知的財産を保護するということが大切だということのための消費者向けの広報啓発活動を行っているというところであります。
 五ページ目ですが、具体的にどういう侵害があるかということでございます。一番から七番ということでありますが、オンラインに関しては二から六ということでございます。
 この五、六、オンラインストレージ、サイバーロッカーとも言います。この五、六につきましては、いわゆるダウンロード型ということで、非常に書籍等のダウンロードが多い。
 それと、三、四、二ということで、海賊版サイトや今回問題になっているリーチサイト、そして、二、UGCやSNSというのは、今後主戦場になってくるというふうに思われております。
 いわゆるダウンロード型も非常に多うございますので、侵害コンテンツのダウンロードの違法化というのが非常に求められているということであります。
 続きまして、六ページです。オンライン環境でございますが、非常にコンテンツは脆弱であるということが言えます。
 一つ目として、流通チャンネルということで、今非常に低年齢化しておりまして、スマホ、子供でも今スマホを持っている時代ということであります。
 さらに、二としまして、SNSが普及しているということです。したがいまして、フェイスブックですとかツイッター、LINE等々で著作権侵害が拡散されるという状況にございます。
 さらに、三としまして、5Gの時代を迎えます。非常にいい環境ではございます。ここにございますように、ハイビジョン映画が一・五秒から三秒でダウンロードできるということがございます。書籍や漫画は容量が軽いですから、これが大量にダウンロードされてしまうという環境が出てくるということでございます。
 そして、厄介なのは、コンテンツの場合、七ページです、非常に匿名性や秘匿性を売りにしたサービスというのが出回っております。
 一つは、一としまして、ドメイン登録ですね。ここにございますように、ドメイン登録を、完全な匿名性を売りにしているサービスがあります。Njallaといいます。これは、世界で流通したパイレート・ベイという非常に大きな海賊版組織があったんですが、その主犯が捕まりまして、その主犯が刑を終えた後につくったサービスです。したがって、秘匿性が非常に高い。
 更に厄介なのは、このオフショアホスティングということで、サーバーが非常に幾層にもなっていまして、特定するのが難しい。特に、防弾サーバーと下にございます、こういうのがございまして、これの企業ポリシーも、聞くな、答えるなということでサービスを提供している。
 更に厄介なのは、ここにございます国ですね。いわゆる知財に寛容な国でサーバーは設置されている。非常に厄介でございます。こういった形で複雑化している。さらに、お金もうけの広告でありますけれども、広告も多層化しておりまして、非常に厄介ということであります。
 続きまして、CODAは何をやっているかということですが、こういった形で、権利者との間に自動コンテンツ監視センターというのをつくりまして、侵害サイトに対して削除要請というのを行っています。自動化で行うという形です。おかげさまで、高い削除率を誇っています。
 ここに監視チームというのがありますが、CODA職員は二十二名ですが、そのうち十一名のスタッフが目視で海賊版を日夜探しているというところでございます。
 近年の削除要請数としまして、三月におきましては約七万件を削除しているというところであります。
 さらには、間接対策ということで、先ほど広告の話をしましたが、広告の対策ということで、広告の事業者の皆さんと会議体をつくりまして、日々協議をしております。我々がつくったブラックリストを共有しまして、そのブラックリストのアドレスには、URLの海賊版には広告を載せないでください、わかりました、そこには広告は載せませんという形で連携をとっています。さらに、コンテンツの抑止ということで、グーグルさん等の協力をいただきまして、グーグルの検索サイトから海賊版が載らないというような形をとって、させていただいています。
 今回問題となっていますリーチサイトでございますが、例えば、グーグルとかそういう検索サイトで無料アニメと打ち込みます。そうすると、上位に出てくるのはこういうリーチサイトです。これはアニメNEWというサイトでありますけれども、こういった形でインデックスが非常についています。これも、広告はちょっと省略していますけれども、上や下に広告がいっぱい張ってあるということになります。こういう形で、曜日ごとに自分が見たいアニメをクリックすることができたり、非常に、言葉は悪いですけれども、見やすい、見やすいというか、海賊版サイトを見つけやすいという形です。
 十二ページには、アプリということで、スマホにおいてもこのような形でリーチアプリが存在しています。
 最後のページになりますが、リーチサイト運営者については、自分がなお合法だといったような解釈を勝手にとりまして営業を続けているというところであります。我々は違法はしていないんだよ、違法をしているのはリーチしている先の人間だよ、我々は大丈夫だというような形で営業をしているというところであります。
 非常に彼らは確信犯でありまして、このようなリーチサイトを、いち早く法制化いただきまして、対策を今後講じてまいりたいというふうに思いますので、ぜひとも法制化に向けて皆様の御審議を賜りたいというところでございます。
 早口で恐縮でございましたが、私からは以上でございます。ありがとうございました。拍手
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橘慶一郎#3
○橘委員長 ありがとうございました。
 次に、堀内参考人にお願いいたします。
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堀内丸恵#4
○堀内参考人 出版広報センターで副センター長を務めております、集英社の堀内でございます。
 本日はこういう機会を与えていただきまして、御礼申し上げます。
 本日は、インターネット上の海賊版サイトがもたらす深刻な被害実態を御説明した後、被害を防ぐための法改正が必要と考える理由などについて意見を申し上げます。
 なお、申し上げる内容は、出版社と一枚岩となって海賊版に対峙してきた漫画家を含めた権利者側の総意でもございます。
 まず、私ども出版社と漫画家は、海賊版対策を推し進めるため、緊密に連携をしております。具体的には、出版九団体の横断的組織である出版広報センターと、漫画家の主要団体である公益社団法人日本漫画家協会とがその連携の中心となって活動しております。ちなみに、出版広報センターの概要については、配付資料一を御参照いただければと思います。
 こうした連携に基づいた具体的アクションを御紹介いたします。
 出版広報センターと日本漫画家協会は、昨年九月に、海賊版対策のための侵害コンテンツのダウンロード違法化とリーチサイト対策を求める声明を共同で発表いたしました。配付資料二がこれに当たります。
 この声明では、脱法行為を容易に招かず、かつ、善良なユーザーに過度な萎縮が生じない、バランスのとれた法整備を両者がそろって要望いたしました。パブリックコメントでも、この趣旨に沿って、それぞれから政府に意見をお届けしました。
 さらに、法整備の具体化に向けて、昨年十一月から文化庁のもとで開催された政府有識者検討会の構成員として、私堀内が出版社を代表する形、そして、漫画家であり日本漫画家協会常務理事の赤松健さんが漫画家を代表する形で、詳細な要件設定を含む議論に参加させていただきました。
 この有識者検討会の後、ことし二月には、今国会での迅速な法改正を求めて二度目の共同声明を発表しました。こちらが配付資料三でございます。
 このように出版社と漫画家とが連携を続けてきた経緯を踏まえ、本日は、この後の質疑も含めて、漫画家の思いも私が代弁できればと思っております。
 さて、二〇一七年秋から二〇一八年春にかけて猛威を振るった巨大海賊版サイトの漫画村は先生方も御存じかと思います。およそ三千二百億円相当の漫画がただ読みされたと試算される漫画村は、既に閉鎖され、運営者とされる人物は逮捕に至り、現在は裁判中です。
 しかし、今もってなお多数の海賊版サイトがばっこし、その被害は重大かつ深刻です。出版社や漫画家だけでなく、電子取次、電子書店など、正規版コンテンツの流通にかかわる全ての当事者にとって、今や死活問題でもございます。
 漫画村はもう存在しないんだから海賊版対策はそれほど必要ないというようなことは、実態に即していません。今、こうしてお話ししている瞬間にも、海賊版サイトが悪質な被害を生じさせているのが実態です。
 四月末の時点のデータを御紹介しますと、出版広報センターが把握しているだけでも、重立った海賊版サイトはおよそ五百サイトございます。この五百サイトのうち、アクセス数上位の十サイト合計で、四月、延べ八千八百万近くのアクセスがございました。また、この上位十サイトのうち、月間アクセス数が延べ一千万を超えるサイトが四つございます。その四つのうち三つがダウンロード型海賊版サイトでございます。
 ダウンロード型海賊版サイトとは、ユーザー自身の端末に海賊版コンテンツのダウンロードと保存をさせた上で、ユーザーに閲覧させることを目的としたサイトのことです。したがって、現在の海賊版サイトによる被害は、主にダウンロード型海賊版サイトによるものというように御理解いただければと思います。
 深刻な被害を受けているのは、漫画に限りません。定期刊行されている雑誌、あるいは有名作家の文芸書、また、人気タレントの写真集ほか、最近では辞書など、多くの出版物が、特殊な方法を用いることなくダウンロードできる状況が続いております。
 ダウンロード型海賊版サイトは、サイト運営者だけでなく、サイトを利用するユーザーにも都合がよいものです。ユーザーが海賊版コンテンツを一旦ダウンロードしてしまえば、そのサイトが閉鎖されても、その後も、自身の端末に保存されている海賊版コンテンツを引き続き閲覧できます。
 つまり、ダウンロード型海賊版サイトを抑え込むには、サイト運営者への対策だけでは不十分で、海賊版と知りつつダウンロード行為を試みるユーザーへの対策の組合せこそ、十分な実効性が確保されます。
 したがって、海賊版コンテンツをダウンロードする行為を防ぐには、そのような行為を違法とすることが欠かせません。なおかつ、海賊版サイトや海賊版コンテンツにアクセスしやすくする悪質な行為を防ぐため、リーチサイト対策も欠かせません。この二つの法整備が組み合わされることによって実効性の高い海賊版対策が進むものと確信しております。
 ここで、漫画家の赤松健さんの訴えを御紹介します。赤松さんは、私とともに有識者検討会での議論に参加しましたが、御自身が漫画家である立場から、海賊版の被害をわかりやすく、繰り返し訴えられております。
 すなわち、正規版コンテンツ発売開始の翌日には、早速海賊版サイトに御自身の作品がアップロードされてしまうこと、それが正規版コンテンツ並みの高画質であること、さらに、もっと重要なのは、電子版のみで活動している新人、若手漫画家が海賊版サイトによって収入源を断たれ、筆を折らざるを得ない。こういった訴えは創作者として悲痛な叫びに近いものでした。
 赤松さんの訴えからわかるのは、ダウンロード型に限らず海賊版サイトというのは、今後の漫画文化それ自体を回復不能なまでに破壊するということです。これから時代や国を超えて多くのファンに愛される作品を新たに生み出す漫画家は、今の新人、若手漫画家の中にこそいるはずだからです。彼らの才能や夢が大きく花開く前に、海賊版によって根こそぎ奪われるようなことがあってはならないと思います。
 また、コンテンツ産業という面から見ても、海賊版サイトが奪うのは漫画の単行本の売上げや利益だけではありません。今や漫画は、アニメ、映画、ドラマ、ゲーム、グッズ、イベント、舞台など立体的でグローバルなコンテンツ展開の基盤となっています。漫画の海賊版がはびこれば、この基盤を失い、日本のコンテンツエコシステム全体にも悪影響が及びます。
 このように文化、産業の両面で海賊版が及ぼす影響が極めて深刻であることをぜひ御理解いただきたいと思います。
 私ども出版社や漫画家は、海賊版撲滅のための自主的努力として、海賊版コンテンツの削除要請や国内外での訴訟提起を始め、一般ユーザーへの普及啓発活動、また、正規版コンテンツであることを示すABJマーク、オーソライズド・ブックス・ジャパンを略してABJマークというのを正規版に今つけております、の創設、運用など、さまざまな取組を重ねてまいりました。こうした取組を今後もより一層強化していく一方、海賊版に対峙する被害当事者の背中を強力に後押しする内容の法改正と、この法改正によって効果的な海賊版対策が進むことを心から希望しています。
 最後に、御審議いただく著作権法改正案の内容につきましては、かねてより出版社と漫画家が一貫して求めてきた、脱法行為を容易に招かず、かつ、善良なユーザーに過度な萎縮が生じない、バランスに配慮された適切な内容と受けとめております。御審議の後、一刻も早く成立することを切望しております。
 私からの陳述は以上です。どうもありがとうございました。拍手
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橘慶一郎#5
○橘委員長 ありがとうございました。
 次に、福井参考人にお願いいたします。
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福井健策#6
○福井参考人 福井でございます。
 本日は、お招きいただきましてありがとうございます。
 海賊版の状況につきましては、さきのお二人が十分お話しいただきましたので、私の方からは、個別の、個社の対策、その現状と課題についてまずは御紹介いたしたいというふうに思います。
 確かに、この数年、海賊版に対する対策は急速に進化を遂げているということは言えようかと思います。まずは、お話にもありましたが、国内外での直接の削除通知や、あるいは弁護士名による強い警告、それでもきかない場合には、国内外で直接の法的手続、訴訟、これはかなり果断に行っていると思います。その結果、相当数の海賊版サイトは停止に追い込めているという実績もあります。
 また同時に、一昨年のブロッキングと言われる論争をきっかけに、通信界や広告業界と、それから出版社、この両者の間での協力体制を築こうという機運も高まりまして、私も加わって、定期的な協議をずっとこれらの業界関係者が行っています。
 その中でさまざまな協力の成果は上がってきていると思いますが、例えば、海賊版のサイトリスト、悪質と思われるものを共有化していこう、それによって通信界や広告界が早期に対策をとれるようにしようというような取組も進行中です。
 そして、こうした広告の出稿の抑制や、検索結果の上位に海賊版サイトが上がってくると、ユーザーというのはまずそこで海賊版に行きますので、これを下げてやるというような取組も進んでおりますし、また、今はSNSのアカウントで、海賊版というのは短期間でわあっと広まってしまいますので、このアカウントを早期に削除するというようなことも、SNS大手の協力で随分可能になってきました。
 警察との連携は既にお話しのとおり。
 さらに、こうした海賊版を中継するCDNと言われる中継サーバーに対しても、大手、代表格に対して裁判を行い、では一定の手続でキャッシュを削除しましょうというような協定も結ばれています。
 こんなふうに対策は進んでいるにもかかわらず、なお海賊版対策は多くの壁にぶつかっています。その最大のものは、やはり、所要時間、コスト、こうしたことです。特に、海外での法的手続、これは短期間で済むケースも中にはありますけれども、多くの場合は、やはり、数カ月の期間と、数百万円かそれ以上の経費を要します。そして、現在、産業財産権と異なりまして、こうした著作権侵害の海外での対策に対する直接の政府費用助成制度はありません。全て個社が負担して、これらを行わなければいけない。中小には不可能です。
 これを、特に最近の海賊版サイトは、匿名化の技術を最大限に活用し、サーバーとかドメイン名を次々と変えていってしまいます。本当に短いときには一日単位で変わります。それに対して法的手続をやっていれば、やっている間にもう対象が変わってしまう。こういうことが起きる。
 それを支えているのは、海外の、御紹介もあった悪質な事業者、アウトサイダーの活用です。オフショア、あるいは、もっとひどくて防弾ホスティングなどと言われる、削除要請を無視することを売りにしている、特定の国、地域に特に多く見られる確信犯的なサーバー事業者。
 また、特にきょう御紹介したいのは、確信犯的なレジストラーです。レジストラーとは何かというと、ドメインの登録事業者。このドメインの登録事業者がドメイン名を各サイトに割り振るわけですけれども、そういう悪質な海賊版サイトに対して、本来のルールからいえば、ドメインを適宜に削除する、契約違反ですからドメインを削除するというようなことをレジストラーがやるべきなんですが、これも対応しないことを売りにしている確信犯的なレジストラーがいます。ICANNと言われる国際的なドメイン管理団体のルールに明確に違反した行為のはずなんですが、現在のところはほぼ野放しになっているような状況があります。
 こうしたことの結果、海賊版対策はぎりぎりの攻防、これだけの対策を全て駆使しても横ばいというような状況が続いていると言えようかと思います。
 今回の改正案についてです。
 三番をごらんいただくと、リーチサイト規制、これは、従来から異論は少なく、待望論の大きい対策でした。抑止力はかなり期待できるかなと思います。御質問があれば詳しくお答えしたいと思いますが。
 四番です、ダウンロードの違法化。これは一昨年の暮れから大きな論争になりました。というのは、懸念が寄せられました。例えば、スクリーンショットをする、あれもダウンロードである、そこに小さな違法アップロード物が写り込んでいて、それも違法か。あるいは、二次創作と言われるパロディー作品は、今、多く花開いているわけですけれども、形式的には違法アップロードである、原作に対するですね。それを、同時に作家は納得していても、ダウンロードすると原作に対する違法ダウンロードということになってしまうのか、ちょっと広範過ぎるんじゃないかというような指摘もありました。
 今回の現行法は、それらに対する対応を試みたものと言えようと思います。
 例えば、軽微性という要件が入りました。分量が少ない、画質が低いなど、鑑賞の用をなさない、そういうダウンロードは違法化の対象外にしよう、あるいは、二次創作、パロディー、これについてのダウンロードは対象外にしよう。
 そして、最も大きな議論になったのが、権利者の利益を不当に害する場合、これに対象を絞るべきかどうかです。
 この点では、先ほどの検討会議で私も後藤さんなどと大分やり合ったりいたしましたけれども、心配する声もある。それによって利用の萎縮が広がってしまう、適正な研究利用が阻まれてしまっては困るじゃないか。他方では、その要件を入れれば、特に悪質な人ほどこれを利用するのはもう目に見えているという、抜け穴に使われるという懸念もありました。
 結果、不当に害しない特段の事情がある場合というふうに、立証責任を利用者側に寄せることで妥結が図られた。いわば、海賊版防止と利用者の需要のぎりぎりの妥協が図られた案というふうに私自身は評価しております。
 あるいは、知りながら要件ですね。違法アップロードということが不明である、あるいはそれについて誤認したような場合は含まないというような、そういうセーフガードもとられている、そんな制度かなというふうに思います。
 さらに、御質問があればお答えしていくことにいたしまして、その他の改正案についてもお話をいたしたいと思います。
 海賊版をただ取り締まるだけでは、それは何の役にも立たないことです。それとあわせて、正規版が十分に流通し、人々に適正対価で届かなければ、本当の意味でのコンテンツ振興にはなりません。その意味でとても大きな改正が今回の著作権法案には含まれています。それはライセンシーの保護法制です。
 驚くことに、これまで著作権法には利用権という概念は直接的には規定されていませんでした。しかし、実際のコンテンツビジネスは、著作権者がみずからビジネスを行うということは余りなくて、そこから利用権の許諾を受けた多くのライセンシーがビジネスを行うわけですね。映画化だろうが、商品化だろうが、全てそうです。
 この利用権を設定されている存在、ライセンシーは、著作権者が例えば経済的に苦しくなって著作権を誰かに譲渡しちゃったとか、あるいは差押えを受けて著作権が流出しちゃったとか、管財人が登場したというと、実を言うと、この新所有者には利用権を対抗できない。つまり、利用権を否定されても何の文句も言えないというのが従来の通説でした。
 今回、初めて、これに対して、利用権は新所有者に、新著作権者に対抗できるという制度が入りました。大変期待しているところです。
 最後に、ポストコロナの著作権制度について少しだけお話をしたいと思います。
 今回、コロナ禍で人々が外出できなくなったとき、例えば欧米のオペラ劇場は過去の高画質の舞台映像を無料で配信するということを直ちに始めて、出かけられない人々に力を与えました。しかし、日本のライブイベント界はそれができなかった。なぜか。権利の壁、アーカイブが進んでいなかったから、配信するコンテンツが十分なかったからです。出版界はやりました。
 こうした権利の壁に阻まれることによって、過去のあるいは現在のクリエーターたちが生きたあかしである作品が人々に届かない、これは大変に悲劇的なことです。作品は人々に見られたがっています。作品が人々に見られ聞かれることで、そして適正な対価がクリエーターに還元される、それこそがポストコロナの本当の著作権制度だというふうに考えるのです。
 それについても幾つかここに項目を並べましたが、これについては御質問があればお答えしていきたいというふうに思っております。
 御清聴、どうもありがとうございました。拍手
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橘慶一郎#7
○橘委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の方々からの意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
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橘慶一郎#8
○橘委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。馳浩君。
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馳浩#9
○馳委員 おはようございます。自由民主党の馳浩です。
 本日は、こういう時節柄ではありますが、参考人の皆さんには、こうしてお出ましいただき、本当にありがとうございます。
 今ほどいただきました参考人の御意見に対して、それぞれ、私の方から懸念するところを改めてお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 特に弁護士の福井健策先生は、著作権管理の問題について長年取り組んできておられますので、今のお話を伺った上でお聞きしたいと思いますが、まず一つ目は、リーチサイト規制、百十三条の二項ほかの改正案についてであります。
 今回の改正案について、この制度は実効性を持って使える制度になっているとお考えでしょうか。まず、弁護士の立場からお答えいただきたいと思います。
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福井健策#10
○福井参考人 ありがとうございます。
 この制度は、御存じのとおり、殊さらに侵害物に人々を誘導する、あるいは主としてそうした侵害物の公衆の利用に供されている、こうしたウエブサイトやプログラム、つまりリーチサイト、リーチアプリに対象を絞りまして、こうしたリーチサイト、アプリそのもの、あるいはそれを通じて侵害物を提供する行為、これをみなし侵害化及び刑事罰を導入するという制度であります。
 従来、リンクというものは、単に相手の置き場所を示すだけであるので著作権侵害ではない、だから自由であるということが世界的な通説でした。そして、これは情報社会にとってはとても重要な自由です。この原則は守り抜かなければいけません。しかし、同時に、それを悪用するリーチサイト、リーチアプリの暗躍によって多くのクリエーターが苦しんでいるということもまた事実であります。
 そこで、これを違法化しようという動きは欧米でも先行して進んでおりまして、日本でもこうした制度が導入されたことは時代のニーズに合っていると思います。深刻なリーチサイト、リーチアプリの現状に対して抑止力はかなり期待できるのではないか、抜け道というものが必ずしも見られない、それでいながら本当に悪質なリーチサイト、リーチアプリに的が絞れているのではないか、これが一般的な見方であろうと思い、私も同意するところです。
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馳浩#11
○馳委員 専門家の立場から実効性が期待できるという御指摘でしたが、むしろ逆に権利者側の方であるCODAの後藤さんと、また堀内さんの方からも、出版界からも、今回の改正案が実効性を持って対応できるという期待を持っておられるかどうか、お聞きしたいと思います。
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後藤健郎#12
○後藤参考人 ありがとうございます。
 先ほどの資料の十一ページにも記載しておりますが、私どもCODAは、二〇一六年の二月から、政府に対しまして、リーチサイトを規制してほしいということを言っております。
 ここの一例にもございますように、まとめサイトということで、いわゆる海賊版を誘導するサイトでございます。言葉は悪いですけれども、非常に簡単にアクセスすることができるということでございます。したがって、これがゲートウエーになっている可能性が非常に多うございまして、これを取り締まる法律、先ほど福井先生からもありましたけれども、白黒でいうと、グレーなんですね。今までは、わからなかった、はっきりしていなかったという部分があります。今回これを黒にしていただくことによって、我々としては非常に実効性が高まるというふうに思っております。
 法が施行された暁には、もちろん、リーチサイトに対して警告をします、何回も警告します、それでもやめないものにつきましては、警察庁に御相談をさせていただきまして、摘発をしていただきたいというふうに考えている次第でございます。
 以上です。
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堀内丸恵#13
○堀内参考人 我々も、権利者側としては、今回のリーチサイト規制というのは大いに期待をしております。
 冒頭のCODAの資料にもありましたように、リーチサイトの運営者は堂々と、我々は合法的なサービスだ、こういうことをうたって、我々から言っても聞く耳を持たないというのが今まででしたけれども、今回の法整備が整えば、こういうことにも有効に対抗していく強力な武器になるというふうに思って期待をしております。
 以上です。
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馳浩#14
○馳委員 ここで一点、先ほども福井先生も御懸念だったと思いますが、海外サーバーにおける対応ですね。やはり手続に時間がかかってしまう。また、一人一人の権利者は、残念ながら法的な背景を持ち得ていないわけでありますから、どこにどう対応を求めていくのか。また、警察等の対応も海外との連携が求められると思っています。
 ここら辺の実効性を高めるという意味で、今後どういうふうな施策が期待されると思うか、福井先生にお聞きしたいと思います。
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福井健策#15
○福井参考人 ありがとうございます。
 まず考えられる施策としては、先ほどもお話をいたしましたけれども、実は、産業財産権と異なりまして、個社の対策に対して費用助成の制度がないんですね。産業財産権については、特許庁の中小企業等海外侵害対策支援事業と言われるものがございまして、個別案件も助成されている。しかし、著作権の個別の侵害案件はこの対象になっていないのですね。
 確かに、CODAさんのような組織的な対応がまずは一義的に重要であることは言うまでもないわけですけれども、悪質なものになれば、個社の対応がやはり最後の生命線になってきます。こうした助成制度を取り入れていくこと、これをまずはぜひ御検討いただければというふうに思うところであります。
 それから、海賊版のサイトリスト、これを国際的にも共有化するような試みは政府にもぜひ考えていただきたいと思います。つまり、国の中でここが巣窟だというところはかなりもう特定されております。先ほど名前が挙がった以外でも、具体名を挙げればベトナムとかオランダとか、ここというような常連の国というのはあるわけですね。そういう国に対して国際的な包囲網をつくっていく。これも、書かれた条約などよりも、そういう現場の情報交換が重要になることというのは多いと思います。
 幾つかほかにもありますが、まずはここまでといたします。
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馳浩#16
○馳委員 次に、第三十条の一項四号、三十条の二、ダウンロードの違法化についてこの改正案で定めておりますが、この課題点を挙げるとすれば那辺にあるのか、このことについて福井参考人にお伺いしたいと思います。
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福井健策#17
○福井参考人 もちろん、これは、大変な議論の末に関係者がぎりぎりの努力で妥結に至ったものですから、利用者にとっても権利者にとっても百点ではないわけであります。しかし、一方にとって百点の制度というのは、他方にとって必ず懸念が残りますから、双方にとってぎりぎり我慢できる、それでいながら海賊版の悪質なダウンロードを抑え込めるという制度である点で、私は評価をしております。
 が、一点、ずっと残っている心残りがあります。それは、余りに多くの懸念に応えようとした結果、ごらんのとおり、なかなか長い条文になってしまったということであります。これはリーチサイトもそうなのですが、著作権法は今や万人のルールですから、万人が読んですぐわかることが重要です。その点では、長いのをつくっちゃったなという思いは、かかわった多くの人に残っているかもしれません。
 しかし、今回は、長くすることで人々の安心材料をふやそうとしたものですから、これはしようがなかったかなと。あとは、せめて正当な利用が萎縮しないように、人々が正しくこのルールを理解できるように十分な説明、情報発信を行っていくべきではないかなというふうに思っております。
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馳浩#18
○馳委員 三点目としての質問をいたしますが、いわゆるポストコロナ時代の著作権制度として、いわゆる正規版を今後流通促進させていくことこそが、本来、権利者や権利者団体の利益につながり、それが好循環として創作者の意欲につながっていくもの、こういうふうに考えております。
 私も、この著作権法改正は、当選以来二十五年間、大体十回以上、法改正に取り組ませていただきました。なかなか、どんどん片仮名が出てくるので覚え切れませんし、条文も、片仮名を使えばいいのに日本語が多過ぎてよく理解できないところも正直ありますが。
 ただ、今後、まさしく、ポストコロナということは、オンライン社会、デジタル社会に応えていくためには著作権の正当な管理が行われていかなければならないし、その上で、国立国会図書館などでも、ジャパンサーチ、このデジタルアーカイブの活用などを進めておりますが、正直言って、私たちの努力が足りず予算措置が少ないのか、なかなか進んできていないようにも、正直反省しております。
 むしろ我々にハッパをかける意味で、このジャパンサーチを軸としてデジタルアーカイブをより一層推進していく社会、そのためにどういうことが必要なのか、そういった考えを福井先生の方からお伺いしたいと思います。
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福井健策#19
○福井参考人 ありがとうございます。
 まさにおっしゃるとおり、日本でのデジタルアーカイブの拠点はジャパンサーチであります。これは何の影響、刺激を受けたかといえば、先生方も御存じのとおり、EUの巨大電子博物館、ユーロピアーナ、これの影響を受けています。
 これは、人々の生きたあかしである文化の所産、さまざまなコンテンツを人々に届ける、そのこと自体の喜びももちろんではありますが、グーグルなど巨大プラットフォームへの対抗軸という大きな経済戦略でもあるわけです。
 その上では、多くのコンテンツが既に権利処理が済んで、人々が無償、あるいは場合によっては簡単な課金によってそれらのコンテンツを楽しめるようになっているわけですが、日本のジャパンサーチは、国会図書館が中心となったポータル、いわば巨大電子博物館の萌芽になり得るものですけれども、今のところは権利情報、作品情報が中心で、権利処理の済んだコンテンツが見られるという形にはまだまだなっていないのですね。
 例えば、EUは、こうしたデジタルアーカイブを支えるための新著作権ルールを最近導入いたしました。そこでは、特に絶版のように市場では既に流通していない作品、これが実を言うと過去作品では大半なんですが、これについては、非営利のデジタルアーカイブでは権利処理なしに収録、公開して構わない、ただし、権利者や出版社がやめてくれと言ったときにはそれは直ちに停止するという、オプトアウトと言われる、まず載せて構わないという制度、これを取り入れた新著作権ルールです。
 我が国でも、こうした、絶版資料の活用のために、オプトアウト制度を取り入れた新たな著作権ルール、これを取り入れていくことは重要かなというふうに思います。
 これと関連して、権利者不明問題についての対策も必要なんですが、これについてはまた御質問があればということにいたしたいと思います。
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馳浩#20
○馳委員 そこで、その権利者不明問題でありまして、文化庁の利用裁定制度は本当に使いやすいものになっているのかどうか。制度はあるものの、使い勝手が悪ければ、権利者不明問題のところがいわゆるボトルネックになってしまいます。この辺についてのお考えや今後の課題等があれば、福井先生にお伺いしたいと思います。
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福井健策#21
○福井参考人 まさに、著作権が残っているであろうと思われる過去のあらゆる作品、資料のうちで、約半数までは、捜しても捜しても権利者が見つからない、いわゆるオーファン作品であるというのが国内外の調査結果です。
 これらは、許可のとりようがない、本当に胸の痛む作品群なわけですけれども、それについては、文化庁が利用裁定というかわりの許諾を出してくれる制度があります。これは随分と制度の改善も進んでいるのですが、なお、率直に言えば、大型プロジェクト以外では使いにくい制度ということが言えようかと思います。
 期間が、申請の準備、権利者を捜して捜して捜して、そのことを納得してもらってという準備も含めて、二カ月ぐらい利用開始まで恐らくかかってしまうと思うんですが、この期間も負担です。
 しかし、何より今最大のボトルネックになっているのは、事前の供託制度です。つまり、将来、万一権利者があらわれたときのために、事前に利用料を今のうちから算出して、それを国に供託せよという制度なんですね。今、自治体や独法など一部だけ対象から除かれていますが、残りの民間団体はみんなこれをやらなきゃいけない。相手がいれば、連絡をとって、済みません、今回は非営利のデジタルアーカイブなので、ただにしてくださいという話もできるかもしれないけれども、相手がいないときに、一体幾らが正当な対価なのか、どう算出し、文化庁を説得するか。
 しかし、そうやって納めたお金は、権利者が出現する率は一%程度ですから、ほぼそのまま埋蔵金になります。これはもう事後の請求制度に切りかえるのが正しいことではないかなというふうに思うわけです。
 以上です。
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馳浩#22
○馳委員 事後の請求制度をとるとして、その事後の請求制度で全て丸くおさまると考えてよろしいんですか、福井先生。
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福井健策#23
○福井参考人 一定の利用については、もはや補償金を事後に請求したところで、余りに微々たる金額で振り込み手数料の方が高いということに間違いなくなりますので、一定の小規模、非営利利用についてはこうした利用料は不要ということも考えるべきであろうし、ただ、ほとんどあらわれませんので、事後請求にしたとしても現場にとっては大きな障害にはならないだろうと思います。
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馳浩#24
○馳委員 五点目。またコロナ問題に関連しますけれども、実は、オンライン教育の必要性が高まっておりまして、先日は、今年度の補償金をゼロとするということで、広くオンライン講義に著作物を利用できるという三十五条改正が前倒しで施行されました。この制度について御意見があれば伺いたい。福井先生に質問いたします。
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福井健策#25
○福井参考人 最後に記載いたしましたが、重要性では他の問題に全く劣るところではないと思います。
 今の学生たちの苦難を思うと、教育の一端を担う者として、学校にも行けず、学費を払い、バイトもない、その学生たちをどう国が支援できるのか真剣に考えなければいけないそのときに、オンライン教育で著作物を利用することが許諾なく可能になった。それは、本来は出版社あるいはクリエーターに対する補償金を伴う制度でした。それは、出版社やクリエーターたちの権利なのです。しかし、この早期施行のために、出版社、クリエーターは今年度の補償金を不要とするという英断を下しました。
 私は、そのことに敬意を表するものですが、本来は、コロナ禍で収入がなくなってしまったクリエーターに、なぜ対価を返上させているんですか、それは国が支えるべきものだった。これから先も、この補償金が払えない自治体が出てきて、じゃ、補償金が払えないからオンライン教育で資料を使うのはやめようとなったら、どうしますか、その教育格差は。
 これは、国が追加の予算をもって、自治体への負担をさせるのではなく支えていくべき補償金ではないかというふうに私は思うのです。また、そこを充実させなければ、海外の教育機関に学生をとられるだけです。こんなふうに思います。
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馳浩#26
○馳委員 実は、私ども、与野党協力してGIGAスクール構想を推進してまいりましたが、教育における権利の利用に当たって、本当に今回の英断は権利者団体に心から敬意を表するものでありますが、これを放置しておいてはなりません。
 改めて、ここは一つの政治課題があるということを私からも申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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橘慶一郎#27
○橘委員長 次に、城井崇君。
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城井崇#28
○城井委員 国民民主党の城井崇です。
 後藤参考人、堀内参考人、そして福井参考人、大変お忙しい中、当委員会にお越しいただきましてありがとうございます。私どもからもお礼を申し上げたいと思います。
 きょういただきました意見陳述に対しまして、一つ一つお伺いをしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず冒頭、堀内参考人に、一つ出版界の立場、そして今回は漫画家を始めとしたクリエーターの方の立場も代表してということで伺っておりますので、その点を含めてお伺いしたいと思います。
 先ほどより、意見陳述などでも、今回の法律案が成立をいたしますとできる対策の効果などを含めて、これまでの期待値も含めてお話しいただいたかと思いますが、後ほどほかの方にも伺うんですが、必ずしも百点満点ということではないのではないかというふうに思っています。
 お立場というところからで構わないんですが、今回の法律案による対策によって足りないところがあるとすればどこか、今後どのような追加の対策を期待したいかという点がありましたら教えてください。
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堀内丸恵#29
○堀内参考人 今回の法改正が成立すれば相当な効果があるというように思っております。
 ただ、法律だけではなく、先ほどCODAの後藤参考人から、それから私もお話ししましたけれども、私ども当事者がやらなければいけないこともたくさんございます。既に、資料にあるかと思いますけれども、さまざまな取組をやってまいりました。これを一層強化する。それから、法改正の附則にもございますように、普及啓発、教育、こういうことも、行政それから民間の我々当事者もしっかりやっていく。
 こういうことをあわせて総合的な取組をやっていくことで、法改正によって全てが解決するというわけではございませんけれども、こういう法律が整えば相当な効果がある。その上で、我々も、今まででき得る限り、さらには、何か新しい取組があれば更にそれを進めていく。そういうことがあわせてあって相当な効果を生むということで、百点にそれがなるかどうかは、まずやってみてというように思っております。
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