厚生労働委員会

2021-04-27 参議院 全85発言

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会議録情報#0
令和三年四月二十七日(火曜日)
   午後一時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     本田 顕子君     世耕 弘成君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     本田 顕子君
     東   徹君     音喜多 駿君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 克巳君
    理 事
                石田 昌宏君
                自見はなこ君
                石橋 通宏君
                矢倉 克夫君
                足立 信也君
    委 員
                衛藤 晟一君
                こやり隆史君
                島村  大君
                そのだ修光君
                羽生田 俊君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                本田 顕子君
               三原じゅん子君
                打越さく良君
                川田 龍平君
                田島麻衣子君
                福島みずほ君
                塩田 博昭君
                山本 博司君
                梅村  聡君
                音喜多 駿君
                田村 まみ君
                倉林 明子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   参考人
       医師
       元大阪府健康医
       療部長      上家 和子君
       公益社団法人全
       日本病院協会会
       長
       公益社団法人日
       本医師会副会長  猪口 雄二君
       全日本自治団体
       労働組合衛生医
       療局長      福井  淳君
       全国過労死を考
       える家族の会会
       員
       医師の働き方を
       考える会共同代
       表        中原のり子君
       独立行政法人地
       域医療機能推進
       機構理事
       一般社団法人全
       国医学部長病院
       長会議臨床系教
       員の働き方改革
       WG座長     山本 修一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の
 確保を推進するための医療法等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
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小川克巳#1
○委員長(小川克巳君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、本田顕子君が委員を辞任され、その補欠として世耕弘成君が選任されました。
 また、本日、東徹君及び世耕弘成君が委員を辞任され、その補欠として音喜多駿君及び本田顕子君が選任されました。
    ─────────────
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小川克巳#2
○委員長(小川克巳君) 良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、五名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、医師・元大阪府健康医療部長上家和子君、公益社団法人全日本病院協会会長・公益社団法人日本医師会副会長猪口雄二君、全日本自治団体労働組合衛生医療局長福井淳君、全国過労死を考える家族の会会員・医師の働き方を考える会共同代表中原のり子君及び独立行政法人地域医療機能推進機構理事・一般社団法人全国医学部長病院長会議臨床系教員の働き方改革WG座長山本修一君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、上家参考人、猪口参考人、福井参考人、中原参考人、山本参考人の順にお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず上家参考人からお願いいたします。上家参考人。
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上家和子#3
○参考人(上家和子君) 上家和子でございます。よろしくお願いします。貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。
 私からは、これまで関与しました三つの調査を基に、医師への支援について述べさせていただきます。
 一つ目の調査は、一ページ目の上にありますように日本医師会が二〇一七年に実施したもので、分析を私が担当いたしました。病院に勤務する女性医師への調査でございます。有効回答数は一万人を超えておりまして、当時の病院勤務女性医師の四分の一から回答を得たというものでございます。
 二番目の調査は、さきのこの大規模な調査を補完するために実施した、キャリアを変更した二十人の女性医師と九人の管理者等へのディープインタビューです。
 三番目は、平成三十年度、令和元年度の二か年にわたる厚生労働科学研究費補助金によるICTを活用した医師に対する支援方策の策定のための研究として私が研究代表者で行ったものですが、この研究では、当時の臨床研修病院千三十五病院のうち五百四十四病院の病院長、そして診療科長四千三百五十一人から得た回答を基にまとめたものでございます。
 一ページめくっていただきまして、女性医師、勤務女性医師の状況を見ますと、三分の一が小学生以下の子供を育てている方でございました。インタビュー、その後のインタビューで妊娠中について聞いたところ、その下、円グラフの下にありますが、妊娠を報告したとき、医局長は舌打ちした、教授は辞めるの、続けるのと言ったという具合に、おめでとうと言ってもらえないと、そういうことを口々に言われたのに驚いた次第でございます。
 でも、こういった上司の反応というのの背景にはそれなりの理由があります。
 右上のグラフを御覧いただきますと、ちょっと分かりにくいグラフで申し訳ないんですが、真ん中の二つの、中の二つのバーは、子育てをしている女性医師の勤務時間、実勤務時間です。それに対して一番上側と一番下側は、二〇〇九年と二〇一七年の子育てをしていない女性医師の勤務時間です。明らかに異なります。二〇〇九年に比べ二〇一七年は、いずれも勤務時間が多少は短くなってきていますけれども、それよりも、八年の差よりも、子育てをしているかしていないかで歴然と勤務時間が違うということでございます。
 赤枠で囲っております週六十時間以上というのが、これ月に直しますと時間外が八十時間以上、つまり過労死ラインを超えている人たちということになります。こういった中でも子育てを頑張っている先生方多いわけですけれども、母体の健康確保というのは、産前産後の休業の補償が医療保険で手当てされるように、母体保護ですけれども、育児休業は、これは就労の確保、子育て支援ということで、雇用保険から手当が出るという仕組みなわけです。
 そういった中で、労働者としての医師は当然労働法やこういった育児休業法等で守られているわけなんですが、例えば三六協定なんかでもそうですけれども、労働者を守る仕組みというのは労使双方で合意する協定、労働協定を基本として仕組みがつくられています。三六協定、育休取得、それから子育て中にかなり大きな役割を果たすと思われる時間単位で取れる有給休暇、こういったもの全て、労働者の過半数で組織される労働組合、労働組合がないところでは過半数を代表する者と締結するという仕組みになっています。
 私の調査しました臨床研修病院における医師の労働組合への参加、左下の円グラフですけれども、これを見ますと五・六%がほぼ参加している。ただ、このほぼ参加しているの中には労働協定締結権のない組合への参加も含めて、それでも五%台でございます。九五%近くの病院で医師は労働組合にほぼ参加していません。こういった中でも、労働組合と医師の働き方や休暇の取り方について取決めを行わなければならないというのが現在の労働法制です。
 医師の雇用というのは、右下にまとめておりますけれども、パートナーシップ型ではなくジョブ型です。それから、診療と自己研さんが不可分で、臨床の経験を積むためにも、常勤であっても流動性が高く、様々な病院を経験することが資質の向上につながります。大学との、医局の関係からも、必ずしも雇用主に人事権、人事の決定権がない場合も多いことも通常とは異なるかと思います。
 こういったことから、労働組合への加入率が低いのはある程度やむを得ないことかとも思われます。労働法制への医師の理解が不足しているというのは明らかだと思われますし、労働法制への理解の促進は必要ではありますが、それだけでは労働者の過半数を医師が占めることはまずないような病院という環境の中で、労働組合に加入すれば医師の働き方について様々なものが解決するというものではないのかもしれません。
 次のページですけれども、仕事を続けるために何が必要かという調査では、宿直、日直の免除というのが出てきています。ですが、実際には、二十代の病院勤務の女性医師の大半が週一回、二回、それ以上、宿直、オンコールを行っています。
 円グラフにありますように、このオンコールのときに病院の外で診療録にアクセスすることはほとんどできません。本当は、実際にはそういうことをやっている病院も既にあって、ICTを使えば診療録を見ていろいろな判断が自宅、病院外でもできるシステムはあるわけですけれども、病院長の先生方からはセキュリティーの問題があるということで導入をためらわれているという実態があります。
 さて、医師の場合、自己研さんと診療不可分と先ほど申し上げましたけれども、それに対して、その中で学会への参加というのも非常に大きな位置を占めるものであります。
 医学会におけるICTの活用ですが、これは新型コロナの前の段階ですけれども、お答えいただいた六十七学会のうち、ICT活用に関する態度の表明ですとか指針の整備を行っているのは二学会しかありませんでした。一方で、病院側は学会への参加についてはほとんど出張扱いを認めていて、大きな理解を示してはいます。出張はできる、でも子育てをしていたりするとなかなかそうもいかないということで、新型コロナ禍で急速に広まった学会へのウエブ参加は非常に歓迎されています。
 自己研さんでは、学会の参加とともに、論文を書いたり論文を読んだりということもあるわけですが、カンファレンスへの参加も重要ですが、診療科内のカンファレンス、四千三百五十一の診療科でお答えいただいた中で、時間内、いわゆる時間内の、勤務時間内にカンファレンスが開始されているのは全体の三分の一にすぎませんでした。
 次のページを御覧ください。
 時間外勤務、まあ診療科によって随分違うわけですけれども、宿日直、宿直の翌日の勤務体制に何らかの手当てがあるかというのも限られています。
 ちょっと細かくて申し訳ありませんが、小児科とか麻酔科、そして病理検査、そして救急といったシフト勤務、あるいは主治医のいない、主治医制をしいていない診療科ではある程度対応ができると。こういった診療科ごとの違いを受けて、女性医師の割合は診療科によって随分異なります。整形外科、脳外科、泌尿器科といったところの女性医師の割合は極めて低い。いずれも長時間労働であって、宿直の翌日も何ら手当てがされないような科です。ですが、女子医学生、女性医師の多くがそういった科に向かないのかというと、そうではない。本人として適性があり、希望があっても、その勤務時間とかいろいろな環境が整わないために選ばないということが起こっているのではないか。自ら規制しているのではないか。そうすると、こういうことが進んでしまうと、現在四割を女子学生が占めていますが、診療科の偏りというのが絶対に深刻になってくると思われます。
 それから、子育て中の女性医師に家族環境を聞いたところ、夫と同居していない、いわゆるワンオペ育児をしている割合が乳児を抱えている先生で五%程度、小学生を抱えている先生では二割に達そうとしています。女性医師のその子育て環境という問題の大半は、実は家庭の中にあるのかもしれません。
 それからもう一つ、現在御審議いただいているこの医療法の中には、既に第六条の二の第三項に国民の努力義務が書かれています。しかし、国民はどういう形で医療を受けるのか学習する機会があったかどうか疑問です。増え続ける救急受診ありますけれども、シャープ八〇〇〇番やシャープ七一一九によって、救急受診をしようかなと思った人の八割以上が思いとどまって普通の診療を受けることができる。更に言えば、小児科の専門医や在宅医療の専門医がオンラインで医療相談を受ければ、それを九九%、救急受診ではなく一般受診に向けていくことができるという実態があります。
 最後です。
 こういった調査から見えてきたものとして、医師の勤務環境を守りながら安全な医療を供給するためには、労働組合を代表とする労使関係を基本に置いた労働法制だけでは勤務医の労働環境は守れないのではないかと思います。それから、医師の負担軽減、医療の質の向上につながるICTの積極活用については、セキュリティー対応を分かりやすく示すなど、管理者への支援が不可欠と考えられます。それから、社会全体、家庭内や社会全体の性別役割分担を前提としない社会を目指さなくてはなりません。
 そして最後に、医療のかかり方について、具体的な教育を大人だけではなく子供の時代から教育の中に取り込んで展開していただきたい。こういったことがなければなかなか仕組みを整えても実態として進まない部分があるのではないかと思いました。
 以上でございます。ありがとうございました。
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小川克巳#4
○委員長(小川克巳君) ありがとうございました。
 次に、猪口参考人にお願いをいたします。猪口参考人。
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猪口雄二#5
○参考人(猪口雄二君) 猪口です。よろしくお願いいたします。
 私の方からは、今回の法改正に係る意見を述べさせていただきます。
 一枚めくっていただきますと、まず、医師の働き方改革についてでございます。
 これにつきましては、医療法等の改正で、医師の働き方を地域医療とのバランスを見ながら改革していかなければならないと思います。医師の厳しい勤務環境の改善は長年の課題であり、医師の労働時間短縮への取組や健康確保等の推進は重要だと考えます。一方、二〇二四年四月施行というスケジュールがあることで拙速に進めることは、地域医療の混乱を招きかねないと考えます。コロナ禍により混乱している病院の医療現場が医師の働き方改革に取り組める状況であるのかどうか、これを注視していく必要があると思います。
 働き方の新制度を早期に幅広く浸透させる必要があります。特に、大学病院や基幹病院などにおいては、派遣医師の引揚げで地域医療に影響が出ないよう早期に周知が求められます。病院の宿日直が労働時間の適用となるかどうかは医師派遣に大きな影響を与えています。地域の実情等も勘案できるよう、労基署に弾力的、謙抑的な運用と医療機関への支援を求めたいと思います。
 続きまして、各医療関係職種の専門性の活用ということで、まず、医療関係職種の業務範囲の見直しについてです。
 タスクシフト・シェアについては、新たな職種の創設ではなく、既に認められている業務の着実な実施が基本であると考えます。タスクシフト・シェアを受ける側の医療関係職種に対する支援も必要であると考えます。今回の法改正による業務の拡大については、医療安全の観点から充実した教育、研修体制が必須であります。あわせて、需給見通しに基づく育成の視点も重要です。
 医師の育成課程の見直しについてです。
 いわゆるスチューデントドクターに関する制度創設などの今回の改正概要は、医師育成課程において極めて重要なものと考えます。医療安全と国民の医療への信頼を守るため、CBTやOSCEの更なる改善と臨床参加型臨床実習の充実を求めます。
 続きまして、地域の実情に応じた医療提供体制の確保についてです。
 地域医療構想の実現に向けた医療機関の再編支援。病床機能再編支援事業の対象地域、医療機関の選定や執行に当たっては、それが当事者だけではなく、地域の関係者間の十分な協議と合意に基づいて行われることが実際の運用においても担保されることが必要だと思われます。都道府県行政や病床機能再編支援補助金申請者は、交付条件を満たしていると同時に、地域医療構想調整会議や医療審議会等の場において十分かつ丁寧な説明を行い、関係者の理解を得るように努めることが大切だと思います。
 続きまして、新興感染症等の感染拡大時における医療提供体制の確保に関する事項の医療計画への位置付けについてです。
 平時から有事に備え、新興・再興感染症の感染拡大や災害等にも強い医療提供体制の構築をすべきと考えます。医療計画におけるいわゆる五疾病五事業に新興・再興感染症対策を追加することには賛同いたします。新型コロナウイルス感染症の感染拡大で強く認識されたとおり、新興・再興感染症による医療崩壊を防ぐためには、感染症法上の予防計画だけでなく、感染症への対応と通常の医療が両立し得る医療提供体制を整備していくことが重要と考えます。
 続きまして、外来機能の明確化、連携についてです。
 特定機能病院や地域医療支援病院以外であっても、地域の基幹的な医療機関について紹介患者への外来を基本とする医療計画として位置付ける。すなわち、都道府県が、地域の医療機関の中から医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関として明確化するということになろうかと思います。
 なお、地域における協議の場においては、各医療機関の自主的な手挙げ方式、それが基本であり、さらに、地域における必要な調整を行うことを十分に担保されたいと思います。また、同一病院内でも診療科により高度医療を提供する頻度は大きく異なると考えられるため、総合的に勘案することが重要と思われます。
 上記の機能を担う医療機関は、紹介外来だけでなく、逆紹介により再診患者を地域に戻す役割も担うべきと考えます。その促進策は、地域の関係者にとっても納得が得られるものとすべきであろうと思います。
 続きまして、持分の定めのない医療法人への移行計画認定制度の延長。持分の定めのない医療法人への移行計画の認定制度については、昨年九月三十日をもって一旦期限が切れているところであります。改正案のとおり延長し、公布日に施行されたいと考えて、願っております。現在、移行計画の認定を得るべく厚生労働省に事前相談をしている医療法人に対しては、新法が施行され次第、速やかに厚生労働省において認定を進めることが必要であると考えます。
 最後になりますが、改正法案と今後の対応についてです。
 各地の医療機関、特に病院は、公か民か、あるいは施設の大小、機能にかかわらず、新型コロナウイルス感染症への対応に大変な尽力をしております。今回の制度改正は、そうした現場の苦労を報い、支えとなるものでなければなりません。
 大規模な制度改革は想定外の問題を生じやすく、また、硬直的な制度運営がなされれば、現場に不安や混乱を招きかねないと思います。今回の医療法改正、改正法の施行に際しては、政省令、告示や関係通知等による具体的な制度設計を含め、地域の実情に応じ、かつ柔軟に運営されることを求めます。
 また、国や地方公共団体に対して、地域の不安惹起や混乱の発生を未然に防ぐために、現場に対して丁寧かつ詳細な説明を行うことを求めます。今回の医療法改正による制度改革を確実に進めていくために、様々な財政支援、これが不可欠であると考えます。
 以上です。どうもありがとうございました。
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小川克巳#6
○委員長(小川克巳君) ありがとうございました。
 次に、福井参考人にお願いいたします。福井参考人。
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福井淳#7
○参考人(福井淳君) 御紹介にあずかりました全日本自治団体労働組合衛生医療局長の福井でございます。
 本日は、法律案の審議の場に参考人として意見を述べる機会をいただきましたことに感謝申し上げます。
 私は、地方独立行政法人静岡県立病院機構に所属する放射線技師であります。医療労働者の立場から、本法案について幾つか論点を絞って意見陳述させていただきます。
 まず、医師の働き方改革です。
 これまでも長時間労働が課題になっていた勤務医に対して時間外労働の上限規制を行うことについては、継続的な医療提供体制を確保する意味でも重要だと考えます。また、医師も医療従事者と同様の労働者です。医療提供体制の維持という課題はありつつも、医師の健康を確保する観点から上限時間については原則として一般の労働者に合わせるべきと考えますが、まずは、この法律案に基づき、各医療機関において改善計画の策定と実効性のある取組を着実に進めていくことが必要だと考えます。国においても、医療機関の自主的な努力に任せることなく、積極的なサポート体制の充実が図られるよう求めたいと思います。
 一方、公立病院の重要な役割であるへき地医療においては地域偏在による医師不足が深刻であり、周産期や小児科などのいわゆる不採算医療は、診療科偏在による担い手不足が地域医療を維持、確保していく上で大きな課題となっています。医師の働き方と地域医療構想の実現、医師の診療科や地域偏在対策は、一体的な取組として早期かつ重点的な対応を進める必要があると考えます。
 次は五ページになります。各医療関係職種の専門性の活用についてです。
 医師の負担軽減を目的としたタスクシフト・シェアですが、最初に申し上げておきたいのは、タスクシフト・シェアの受皿となる診療放射線技師や臨床検査技師、臨床工学技士は、各医療機関において潤沢な人員配置がなされているわけではないという点であります。
 医師の働き方改革と関連して、医療業務のタスクシフト・シェアすることはチーム医療の推進の観点からも必要と考えますが、本来業務に加えて医師の業務の一部をシフト、シェアされることは、他の職種に時間外業務を受け渡すことにすぎません。タスクシフト・シェアされる人材の拡充など、医師のみでなく医療機関全体の労働時間のマネジメントが行われなければ、実際の課題解決になり得ないと考えます。このことは、医師の働き方改革を進めるタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会におけるヒアリングにおいても同様の指摘がなされていたと承知しております。
 加えて、安心して医療を提供するためには、タスクシフト・シェアされる業務に対する十分な研修や研さんも必要と考えます。研修に係る費用や時間の課題、協働する他職種の理解や協力、また、新たに追加される業務に対する賃金面も含めた評価なども考慮する必要があると考えます。
 新興感染症等の拡大時における医療提供体制の確保に関する事項の医療計画への位置付けです。
 まず、現状の数字から申し上げますと、感染症指定医療機関の約六割を公立病院が担っております。また、厚生労働省の発表によれば、新型コロナウイルス感染症に当たっては、患者の受入れ可能医療機関は、民間の医療機関が二六%、公立医療機関が七三%、公的医療機関が八五%となっています。また、人工呼吸器やECMOを使用した重症の入院患者数の受入れ割合においても、公立・公的医療機関が多数を占める状況です。
 こうした新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえ、今後いつ起こるか分からない新興感染症への備えという観点において、公立・公的医療機関が対応すべき事項として感染症対応を医療計画に追加する改正案については評価できるものと考えます。
 一方で、日本における医療機関の約八割は民間医療機関であり、二割にとどまる公立・公的医療機関ができることには限りがあります。新興感染症に備えるのであれば、医療計画への追加にとどまらず、日本の医療全体で果たしていくべき役割を考え、公立・公的医療機関の機能強化が必要と考えます。
 さらに、今後、医療計画の変更に伴って、感染の拡大に対応する地域の医療提供体制について平時における基準病床数が検討されると思いますが、重要となる点は、病床数の確保とともに、感染拡大時を想定した人材の確保であると考えます。
 一年半にわたる新型コロナウイルス感染症拡大の局面で、沖縄などに医療従事者が派遣され、今また大阪にも派遣されようとしています。感染症病棟の確保は一般病棟の一時的な変更で可能であっても、迅速な人材確保、特に感染症に対応できる人材の確保は容易ではありません。大阪の医療が逼迫した状況は、病床とともに人員が足りなかったことも理由の一つではないでしょうか。
 感染は急拡大します。新たに位置付けられる新興感染症等の感染拡大時における医療を公立・公的医療機関で確実に提供するには、有事に備えて人員に余分を持たせる冗長性という災害対策の発想に基づいた人員の拡充と財政的支援が求められると思います。
 地域医療構想の実現に向けた医療機関の取組の支援についてです。
 今回の法律案は、再編を行う医療機関に対して税制優遇などを行い、地域医療構想の実現に向け再編を促していく取組です。新型コロナウイルス感染症の第四波が到来している中、またこれから新興感染症を医療計画の事業に加えることが法案で審議されようとしている中、現在が本当に医療計画の再編を促す時期にあるのでしょうか。また、地域医療を確保していく観点でいえば、医療機関の再編統合は住民がその地域で暮らし続けられるかどうかに直結する課題であります。そして、病院職員にとっても賃金削減や、場合にとっては職場を失うことにもつながるため、労働者の課題であるとも言えます。
 病床機能再編支援事業を進めるに当たっては、地域の住民や職員への丁寧な合意形成が不可欠であると考えます。この間、一部の地域においては、地域住民の十分な合意形成がなされないまま、首長の決定において公立病院の再編が行われようとした事例もあると聞き及んでおります。本法案については、あくまでも自主的な病床削減や統合を行う医療機関への支援に限り、結果的に地域医療を損なうことにならないような国によるサポートや助言が必要だと考えます。
 そして、二〇一九年九月に公表された公立・公的医療機関の具体的対応方針の再検証リストの扱いについては、一旦取り下げるべきと考えます。厚生労働省は、このリストの公表は地域の調整会議の議論を活性化するためであり、必ずしも統廃合を決めるものではないとしています。民間医療機関のデータは都道府県に提供しているとのことですが、なぜ公立・公的医療機関だけのリストを公表することが調整会議での議論を活性化させるのでしょうか。リストの公表は、単に地域住民の皆さんや公立・公的医療機関で働いている者を不安にさせたにすぎないと考えます。
 最後に、私ども自治労が昨年末に実施した調査によると、コロナ対応した看護師の二割にうつ的症状が見られ、三割が差別、偏見に遭ったと回答いたしました。また、コロナ禍においては、保健所の機能の脆弱性も露見いたしました。入院調整や検体搬送などにより保健所職員は二十四時間対応を迫られましたが、私どもの調査によると、九割の保健所、保健センター、衛生研究所においては、待機手当等が整備されていなかったため、長時間拘束されていても手当が支払われない状態が発生しています。
 コロナ禍において保健所や医療が逼迫したのは、それを支える職員が逼迫したからにほかなりません。その背景にある最も大きな原因は、平時における慢性的な人員不足です。感染症の医療計画への位置付けが始まるのは二〇二四年からとなりますが、それを待たずとも、医療や公衆衛生を支える職員の確保を進め、処遇等を早急に改善、整備することが重要と考えます。
 いずれにしましても、本法案が現在約一年半にわたり医療の現場で頑張り続ける医療従事者を応援し、励ます内容となりますよう御審議いただくことを申し添え、私からの陳述は終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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小川克巳#8
○委員長(小川克巳君) ありがとうございました。
 次に、中原参考人にお願いいたします。中原参考人。
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中原のり子#9
○参考人(中原のり子君) 私は、過労死遺族の中原のり子と申します。
 早速ですけれども、お手元のスライド資料に沿って話を進めさせていただきます。
 夫、中原利郎は、都内の民間病院に勤務する小児科医師でした。一九九九年、部長代行になって半年後、真新しい白衣に着替えて、勤務先の病院から投身自殺しました。享年四十四歳でした。そして、少子化と経営効率のはざまでという文章が残されました。医療費抑制政策、診療報酬の問題点、長時間労働による医療安全や女性医師支援の問題を訴えていました。小児科医局には、女性医師が五人、男性医師は夫一人だけでした。夫は、女性医師を支援するために誰よりも多く当直勤務し、またベッドの稼働率を上げるように事務方からの指示もあり、全力を使い切ってしまいました。
 小児科医は天職と公言する夫が、亡くなる前には、馬車馬のように働かされている、小児科医師なんて誰にも感謝されない職業だと私に漏らしていました。過労死裁判は十一年に及び、最高裁判所からも、より良い医療を実現する観点から和解を勧告したと、この和解で医師労働の改善に希望を持ったのですが、なりませんでした。医師の労働環境改善のために医系技官になりたいと言って医学部に進学した娘は、父親を追い求めるように小児科医師になりました。和解後の記者会見では、自分のような子持ちの女医でも働き続けることのできる労働環境になってほしいと語りました。
 多くの医療者の命や健康が損なわれています。循環器病院に勤務する二十五歳の村上優子さんは、くも膜下出血で死亡しました。都内のオペ室勤務だった二十四歳の高橋愛依さんは致死性不整脈で亡くなり、二十三歳の杉本綾さんは就職して僅か九か月で自ら命を絶ちました。新人教育も支援もない中、一人苦しみ、亡くなりました。さらに、北海道では、新人男性看護師の過労死事案もあります。二人とも、看護部長や医師らのパワハラが原因で自死しています。
 新潟の研修医木元文さんは、医者になんかなるんじゃなかった。夫も同じように言っていました。時に娘には厳しく、医者にだけはなるなと言っていました。二十九歳の外科医師は、毎日の生活に疲れ、休息したいと訴え、医師不足の解消を訴えていたへき地の産婦人科医は、ぜいたくは要らない、普通の人間の生活がしたいというメモを残しています。
 大学病院勤務の研修医は、寝ているときに起こされるんだよ、しかも大した病気じゃないのに来るんだよと家族に訴えていました。当直明けの夫も、三時間寝られたから大丈夫だったよとか、深夜と明け方の救急外来はなぜ昼間に受診してくれないのかなとこぼすこともありました。この研修医のお父さんは、医師の働き方について、一般労働者と同じような規制をしないといけない、医者はスーパーマンでもロボットでもない生身の人間と、過労死ラインを超えた医師の働き方に反対表明をされました。
 おととしの七夕に、倒れるような病気や悪いことが起きませんように、長生きしますようにと五歳の子供が短冊に願いを書きました。長崎メディカルセンターで三十三歳の内科医師が、子供のお食い初めのお祝いをした翌々日の朝、致死性の不整脈で亡くなりました。昨年四月に赴任された新理事長と院長先生は、労務管理を徹底し安全配慮義務を尽くしていればこの医師の死亡は避けられたと判断し、多くの可能性を残したまま無念の過労死という最期を遂げられた医師の御霊に心からおわびを申し上げます、想像を絶する悲しみと困難に直面している御遺族に心よりの謝罪を申し上げますとおわびの言葉を述べ、ホームページには重要なお知らせとして、医師の働き方改革はもちろん、医療スタッフの働き方を改革し、医療現場の労働環境を改善する責務を負っていると明記されています。遺族の、病院は命を守る場所です、働く職員の命も必ず守ってくださいという願いに向き合う約束もしてくれました。人権意識の高いリーダーに替わったことが大きな改革をもたらしました。医者の不養生は医療安全にはつながらないことを改めて申し上げます。
 また、残念ながら、いまだ無給医問題は改善されません。無給医であれ研修医であれ、診療報酬は発生します。それでも病院経営が赤字なのは、診療報酬制度が適正ではないからなのでしょうか。長時間労働を強いる働き方が改善されるのは、原因は医師不足と考えます。日本の医師数がOECD平均と比較して十三万人も不足しています。それなのに、さらに二三年度から医学部定員削減を図ろうとしています。大丈夫なのでしょうか。
 二〇一九年三月に、医師の働き方改革に関する検討会が報告書を取りまとめました。副座長でいらした渋谷健司先生は、検討会では患者の命を人質にして神風特攻隊的な話ばかりと、報告書取りまとめの一月前に退任されました。この報告書の働き方では過労死はなくならないと思われたのです。
 本日、私の資料の後ろの方の添付資料にもお示ししているとおり、医師の労働に関しては難問が山積しております。
 厚労省の平成二十八年の調査によれば、病院勤務医の約四割は過労死ラインを超え、約一割は過労死ラインの約二倍を超え、一・六%は過労死ラインの三倍を超えています。そこで、五年の猶予期間を定めて過労死ラインの二倍を認め、その後、二〇三五年までに一般の労働者と同様の上限規制とすることを目標とする。なぜ過労死ラインの二倍を認めるのかが私は理解できません。これに対して、若手医師の有志と医師の働き方を考える会を結成し、私たちは、医政局長に長時間労働反対という八千名の電子署名を手渡し、過労死ラインを超えた働き方は受け入れられないと表明しました。
 さて、医師の過労死と労災認定状況にも大きな問題があります。表を御覧ください。
 労災補償状況表の一番右側の平成二十九年度の脳・心臓疾患の請求件数二(〇)というのは、二件が請求があり、死亡数、括弧が死亡数という意味です。その下の三(二)は、労災補償課がこの年は三件決定し、うち死亡数は二件です。三段目の支給決定件数が〇(〇)というのは、生存、死亡事案共に一件も認定されなかったということです。
 下のページになりますが、平成三十年度の脳・心臓疾患の請求件数は三件、死亡件数は一件です。労災補償課が決定した支給決定数は生存、死亡も共にゼロ件。つまり、脳・心臓疾患において、平成二十九年度、平成三十年度と二年続けて医師の過労死として労災認定された件数はゼロ件ということです。
 長時間労働と人の命に向き合う極めて緊張感の高い労働が、遺族や当事者がやっとの思いで労災申請しても、二年連続して一件も労働災害として認定されていないのです。一般の労働者の認定率は三一・六%と言われていますが、医師の過労死認定率は〇%だったということです。過酷な医師労働が適切に審査されていなかったと思える極めて残念な実態です。また、精神疾患の請求、認定数は年々高い数字を出しています。
 今、厚生労働省では、二十年ぶりに脳・心臓疾患の認定基準の改正についての検討会が行われています。どんな疾患があるのかとか過労死ライン八十時間という数字に縛られ、労災認定する制度の話合いも大切ですが、どうしたら過労死をしない働き方にするかが重要です。誰も仕事が原因で命や健康を害してはならない、この仕組みを早急に確立していただきたいのです。
 この新型コロナよりも前から医療現場は逼迫していました。ブルーインパルスや感謝の拍手では医療現場の改善にはつながりません。適切な人とお金を配置する必要があります。看護師や医師の大量退職のニュースも目にします。私は、退職していく医療者を見守ることしかできません。医療者が希望と誇りを持ち続ける働き方にかじを取り直さないと、日本の医療は完全に崩壊していきます。
 新しい感染症との闘いはこれからもどんどん強敵が現れてくるに違いないのです。そんな中で、私たちは、感染症対応の最前線を含め、過酷な環境で働く医師の働き方改革の必要性を改めて認識し、今こそ、国民の命を守る医療者の働き方を政府主導で全力で見直す時期であると思います。
 私たち医師遺族、家族は、医療者の全てが患者に最高の医療を提供することを願っています。しかし、それと引換えに自らの生と幸せを差し出すことは望んでおりません。医療者の聖職者意識、犠牲的精神の上に成り立つ労働環境をこれ以上許してはなりません。医療者も患者も共に幸せに働き続けることのできる真の働き方改革の実現を心から望んでいます。
 どうもありがとうございました。
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小川克巳#10
○委員長(小川克巳君) ありがとうございました。
 次に、山本参考人にお願いいたします。山本参考人。
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山本修一#11
○参考人(山本修一君) 山本でございます。
 私、三月まで千葉大学におりまして、六年間、千葉大学病院長を務めておりましたので、本日は、大学病院の立場からお話をさせていただきます。
 資料を一枚おめくりいただきましたところが全国医学部長病院長会議の概要でございますが、全国に八十二あります大学医学部の医学部長及び病院長で構成されております。
 もう一枚おめくりいただいて、三枚目、この大学病院の本院の概要でございます。
 真ん中辺を見ていただきたいんですが、ここで働く医師数は六万人でございます。日本の勤務医の数、およそ二十万人でございますから、三分の一が大学病院で働いています。しかも、そこの年齢構成を見ていただきますと、二十代から三十代、今回働き方改革の主役となるべきこの若手の医師がその六割を占めております。これまで厚労省の検討会では、大学病院の事例は特殊だからということで余り深く議論をされてきておりませんでしたが、このデータを見ていただくと、ここを避けては医師の働き方改革は成し遂げられないということは御理解いただけるのではないかと思います。
 四枚目を御覧ください。
 これは、厚労省の研究班が全国の十大学を対象として、かなり詳細な聞き取り及びアンケート調査を行った結果でございます。
 このグラフは、横軸に大学病院での労働時間、縦軸は兼業先での労働時間を取っております。この斜めの線がございますが、黒の斜めの線よりも右側にあるぽつぽつは、年間の時間外労働が千八百六十時間を超える人たちということになります。上のこの散布図の左側は大学での待機時間、出待ちの時間を労働時間に含めた場合、そして右側は大学病院での待機時間を外した場合ということでございますが、見ていただくと分かるように、かなりの数がこの千八百六十のラインより右側に来ています。
 これを今厚労省で進めています水準に当てはめると、下のグラフになります。一番左端の紫色はいわゆるA水準、時間外労働が九百六十時間未満でありますが、右端の黄色、これは千八百六十を超えます。一番下の、この大学病院の待機を含めて、それから兼業先の待機を除いても、まだ一割の医師がこの千八百六十を超えるということであります。ここのドクターの働き方を何とかするのがまず喫緊の課題というふうに考えております。
 次、五枚目を御覧ください。
 このような状況を受けまして、全国医学部長病院長会議では、大学病院の取組が遅いとか認識が甘いとかいろいろお叱りを受けておりますが、AJMCとしても各病院長に対して様々な教育活動を行っているというところでございます。
 次、六ページ目を御覧ください。
 今申し上げましたように、大学病院の働き方というのはいささか特殊ではございますがかなりの数を占めているということで、問題点を以下に列挙させていただきます。
 まず一つ目でありますが、一般病院の医師はほぼ一〇〇%診療だけを行っていますが、大学病院の医師の場合には、診療に加えて教育と研究というこの二つのタスク、要するに三つのタスクを同時にこなすことが求められております。働き方改革による長時間労働の是正を行いつつ、なおかつ我が国の医学、医療の発展に寄与するような仕組みと環境整備が求められるというふうに考えております。
 次、おめくりください。
 この医師の働き方改革に関する検討会の報告の中で、医師の診療業務の特殊性としては公共性、不確実性、高度の専門性、そして技術革新と水準向上、これが掲げられておりますけれども、これに、先ほど申し上げたように、これに加えて教育と研究が加わっております。しかも、これは非常にモザイク状に入り交じっている、あるいはもう裏表とも言っていいかもしれません。きれいに分けることが不可能な状態であります。
 例えば、診療におきましては、その診療によって得られた臨床データというのが研究に使われますし、あるいは、その診療行為そのものが医学部の学生であったり研修医の教育に使われます。また、研究を通じて学生や大学院生の教育を行ったり、あるいは、その診療の結果から新たな医療技術あるいは薬物の開発というのも行われます。また、兼業に代表される地域医療への貢献というのも、これも大学病院の医師の極めて重要な仕事でございます。
 次、おめくりください。
 また、医師は、患者に最適な医療を提供するために、知識や技能の向上に日夜努めております。具体的に申し上げると、勤務終了後あるいは業務の合間などに論文を読む、論文を書く、あるいは技術の修練を行うというようなことに取り組んでおりますが、働き方改革を進める中で、このような時間が決して犠牲になることがないようにするべきというふうに考えております。
 また、四番目でございますが、大学病院に勤務する医師の働き方改革には、我が国の医学、医療の発展、あるいは安定した地域医療の確立等、現在抱えている、医療体制が抱えているこの様々な課題を同時に解決しないと進められないというふうに考えております。
 私たち大学病院も、古くからの慣例とかあるいは習慣というのもございますので、これはもう抜本的に見直す必要があるということは十分承知しておりますし、それを現在進めているところではございますけれども、しかしながら、やはり国及び地方自治体による制度設計及び人的、財政的支援も不可欠であるということを考えております。またあわせて、地域の医療機関の御協力、あるいは患者となり得る国民の皆さんの理解というのも必要であるということでございます。
 したがいまして、今回のこの医師の働き方改革を実現するために、単にこの法令等で規制を掛けるのではなく、今申し上げたような点に配慮して、国としての財政支援も含めた総合的な取組を望むところでございます。
 九枚目でございます。
 このように、研究者に対しましては、医学部以外の研究者に対しては一般的に専門業務型裁量労働制が適用されております。なかなか、ただ、診療部分に関してこの裁量労働の適用というのが難しい部分がございますが、これを可能な限り適用拡大して、そして各大学病院の診療体制あるいは地域医療の実情に即した労働が可能となるような制度設計を是非していただきたいというふうに思います。
 また、今申し上げたように非常に複雑、業務が複雑にモザイク状になっているこの労働時間の把握というのもなかなか難しいところがございます。したがいまして、このような複雑な労働時間の適正かつ効率的な把握のためのシステムの開発というのも是非お願いしたいというところでございます。
 また、今回の働き方改革ではタスクシフティングなどが有効というふうに言われておりますが、例えば特定行為、看護師に対する特定行為研修というのもなかなかまだ進んでおりませんし、人材そのものが少ないという問題がございます。また、雇用には新たな財源も必要でございますので、このような人材の育成と、そして財政的な支援というのも強くお願いしたいところでございます。
 また、七番目にもございますが、医師の働きやすい環境整備ということで、今全ての、ほとんど全ての大学病院が院内保育は整備しておりますが、更に充実させるとやはり病児保育ということが必要になってまいります。ただ、これは非常にお金が掛かって、一つの大学病院で賄うと、例えば千葉大学はそれだけで四千万を投資したりとかしておりますので、ここはやはり国としても制度設計が必要ではないかというふうに考えるところでございます。
 最後のペーパーでございますが、今後の検討課題というのをまとめてございます。
 制度面では、先ほど申し上げました専門業務型裁量労働制、これは、明文としては講師まで適用ということになっていて、助教はまだ検討ということになっていて、助教への適用が明文化されておりません。この辺も明確にしていただきたい。あるいは、裁量労働の場合には宿日直ができないというような読み方になっておりまして、この辺もなかなか裁量労働の適用を難しくしているところではないかなというふうに思います。
 また、財政面では、この大学病院の機能を維持するためには増員が不可欠でございます。この働き方改革を進めつつ大学病院の機能を守るためには増員が不可欠と考えますので、この辺の財源確保、あるいはタスクシフト、タスクシェアに必要な財源確保などもお願いしたいところでございます。
 そして最後に、やはりこの地域医療を守るということは非常に重要でございますが、今までのように医師の長時間労働でこれを守るのではなくて、適正な労働時間でそれが行えるように、やはり地域医療の医療体制の見直し、効率化、集約化などもしっかり進めていただきたいというふうに考えるところでございます。
 以上でございます。ありがとうございました。
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小川克巳#12
○委員長(小川克巳君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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島村大#13
○島村大君 自民党の島村大です。
 本日は、参考人の五名の方々、お忙しい中、また本当に貴重な御意見をいただき、感謝をさせていただきたいと思います。
 今日は、ちょっと五名という多い中で、できれば皆様方にお聞きしたいので、質問は多分一問になると思いますが、質問させていただきたいと思います。
 まず、私の、この日本の国の医療の在り方、制度に関しまして、私が知っている限りは、戦後この日本はやはり国が財政的に非常に厳しく、医療、特に病院とかクリニックを国が、また公的に公立病院をつくることがなかなか難しかった。そのせいで、民間の方々に是非とも御協力をお願いしたいということで、日本の国の民間医療が進んだということを私も聞いております。
 その中で、もう一つは、財政面でやはり厳しい点がありましたので、診療報酬が最初から世界各国から見て残念ながら低かったと、これを私も理解しているつもりでございます。
 ただ、この国は、財政面、いわゆる診療報酬だけじゃなくて、もう一つの考え方は、税制で相当最初のうちはこの医療機関に手厚いある意味じゃ保護をしていたということを聞いております。その一つが、あるときに医師優遇税制とかいろんなことを言われて残念ながら廃止されましたが、特措法のことに関しましてもそうですし、今辛うじて残っているのが事業税だと思っております。
 そういうふうに、この民間病院が税制面、それから診療報酬をそういう意味で低くてもどうにかやってきたのが今まででございますが、残念ながら今はそういう税制面ではなかなか厳しくなった。ですから、一つはこの診療報酬を、今の世界各国から見てこれだけ低い点数をいかに上げていくかということをしなくちゃいけないということも私も理解はしているつもりです。ただ、今のこの国の情勢、それから国民負担をこれ以上どこまで上げられるか、これはやはりある意味では難しい点も皆様方も御理解していただいていると思っております。
 そういう中で、じゃ、しっかりとどうするのか。この国民皆保険制度、昭和三十六年にできた国民皆保険制度が、WHOも認めています世界冠たる医療制度だと。このおかげで健康寿命、平均寿命も健康寿命もこれだけ日本が良くなったというのは皆様方のおかげだと、私も本当に感謝をさせていただいております。
 ただ、これからなんですが、じゃ、何の制度でもそうですが、この国民皆保険制度、昭和三十六年にできているわけですから今年で六十年、何の制度でもそうだと思いますが、抜本的に六十年、まあ少しは改定していますが、ほぼほぼ改定していなくて、それの制度が今の時勢に合っているかというと、これは合っていないと思います。
 ですから、この今の時勢にどうこれを合わせていくか、その一つが私は医療関係者の働き方改革が大きな一つの柱だったと思っておりますし、じゃ、その働き方をするためにはどうしてもやっぱり財政面の問題、これを本当に、これは我々が考えなくちゃいけないことだと思いますが、ただ、皆様方からもいろんなお知恵はあると思いますので、もしそういうお知恵もあれば教えていただきたいのと、もう一点は、何名かの方々がおっしゃっていただいたように、私も、この国民の方々が医療に対してどう本当にこれは受けるのか、その考え方を今のままで、応招の義務があるからといっていつでもある意味ではいいのかどうかということもしっかりと考えていかないと、これは医療関係者だけの方々、それから財政の考えだけではやはりこれは難しいと思っておりますので、そこを含めていわゆる働き方改革を含めた制度面の考え方、それから財政をどうするのか、それから国民の医療に対しての考え方と、こういうことを、この三つを柱にして、皆さん今御説明していただいたんですが、その中で、特にやっぱり皆様方の立場としてはもっとこれを大切にしなくちゃいけない、深掘りしてもし一つでも御意見がありましたら教えていただきたいと思いますので、五人の方々に一人ずつ聞いてください。
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小川克巳#14
○委員長(小川克巳君) 上家参考人からよろしいですか。
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上家和子#15
○参考人(上家和子君) 私からは、組織を代表する者ではないので難しいことは申し上げられませんが、三点目の国民の理解という部分が非常に重要だと思っておりますけれども、それを国民が理解するための機会がないということだと思います。
 医療がどういう仕組みで成り立っているのか、今、新型コロナで医療者が大変ということが取り上げられてやっと注目され始めましたけれども、医師の働き方を含め、医療者の働き方、仕組み、医療保険制度、そういったものを理解する機会がない。これを進めるための、大人への啓発も大事かもしれませんけれども、子供の教育、学校教育に是非取り込んでいただきたいと思います。
 以上でございます。
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猪口雄二#16
○参考人(猪口雄二君) 私からは、その医療の提供体制を今後どうするか、それから財政のことということですが、やはりなかなか日本はこれから少子高齢化の中で財政は厳しくなるだろうと思っております。ましてや、このコロナの中でまた更に厳しさを増すと。そうした中で、やはり医療は守っていかなきゃいけないということになろうかと思います。そこに一つは消費税というものが大きく関与するであろうというふうには考えます。
 そしてまた、提供体制についてですけれども、やはりもう少しこの機能分化が今後は進むのだろうというふうに思います。特に、そのかかりつけ医として、これは地域の中で中小病院を始め診療所の先生方が日常の生命、生活、健康を守っていくというような立場と、あと急性疾患は急性疾患で、起きたときに高度なものというのはやっぱりある程度集約されていく。まあそういうものが地域医療構想ということで表れるのかもしれませんが、これは時間が掛かると思いますけれども。
 そういうことで、機能分化が進むことによってある程度のその過重、過労にもならないで済むような区分けができていけばいいのかなというふうに思っています。
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福井淳#17
○参考人(福井淳君) 今、財政面、それから診療報酬が低いのではないか等々の島村先生からの御意見がありました。
 まず、病院の経営自体を診療報酬だけで賄っていくというのはなかなか難しい局面があるのかなというふうに思っております。医療の中には当然不採算医療もありますし、そうしたものもあるということだと思っております。ですので、医療自体をソーシャルキャピタルという形、社会資本ということで考えると、ベースのものはある程度、公であれ民であれ、ある程度税金、消費税なりなんなりで見ていく、その上で、プラスアルファのところを診療報酬で見ていくとかいうふうな形のものも考えていくのもいいのかなというふうに思っております。
 一方、医療費ですけれども、医療費適正化というのがこの間言われていて、地域ごとに一人ごとの診療費とか医療費が違っているというところがあるというふうに存じております。そこのところをどう考えるのか。多いのが、一人当たりの医療費が多いところが無駄な医療をしているのか、それともどうなのかというのも含めて少し考えることが必要なのかなというふうに思っています。
 そうはいいましても、医療というのは暮らしていく上での一つのツールといいますか、そこで人たちが、人たちが暮らしていくためのものですので、地域医療を守るという観点で病院がどういうふうに収支も含めて自力でやっていくのかということも考えていかなければならないのかなと思っております。
 以上です。
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中原のり子#18
○参考人(中原のり子君) 私は、常々、医療と教育は本当に公共のものである、そして平等であるべきというふうに思っております。
 そのためにはやはり、今、今まで私もちょっとお話しさせていただきましたけれども、やはり個人のそういう頑張りだけではもうとても無理なので、やはり財政面としてきちっと手当てが必要かと思います。診療報酬だけで足りないのであればそれなりの補助をするというような、そういった仕組みも必要かと思います。
 今だんだん、私も薬剤師なので、薬剤も薬価がびっくりするぐらい高くなったりするものもございまして、そういうものを全て保険で賄うということはこれから大変なこともあるかと思いますけれども、やはりこの治るということを信じて、やっぱりこれは国が一丸となって医療と教育に関してはサポートしていただきたいというふうに思います。
 以上です。
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山本修一#19
○参考人(山本修一君) 私は、診療報酬の点と、それから医療提供体制の点で二つ申し上げさせていただきたいと思います。
 まず、診療報酬の点に関しましては、急性期医療に対する診療報酬が極めて薄いと。生かさず殺さずという言葉もございますが、本当に一生懸命経営しても、数%黒字が出るかどうかであります。その黒字は決して何か外車に化けるわけではございませんで、次の新しい医療機器の購入に充てる費用なわけです。ここができない。ちょっと油断するともう赤字に転落して、機器の更新すらままならないと。何十年も使う古い機械で診療しなければいけないということがございます。
 それからもう一つは、大学病院に働く医師の給料が極めて安いということであります。国立大学病院と国立病院、NHOで比較すると、同年代だと大学病院の医師は六割です、国立病院の医師の。当然、その分の差額は兼業、バイトで補わないととても生活がやっていけないというようなことがございます。
 このような大学病院では低い人件費を基にそもそも診療報酬が設定されておりますので、例えば大学病院で一生懸命頑張って若い子たちにいい顔をしたくて給料を上げても、その分はどこからも入ってきませんから、ただ単に赤字が増えるだけということで、やはりこの大学病院に対する診療報酬の体系そのものの見直しが必要ではないかというふうに考えます。
 それから、医療提供体制に関しましては、しばしば過疎地から大学が医師を引き揚げたといって悪者にされることも少なくありませんけれども、本当にその過疎地なりそのエリアの医療提供体制がしっかり効率化されているのか、集約化されているのか、やはりそこは我々医師を出す側からすると非常に疑問に思うところであります。
 人口例えば十万人ぐらいの二次医療圏にこれだけの医療が必要でこれだけの医者が必要だよね、だから大学に出してくれということであれば我々も最善を尽くすことでありますけれども、民間、公立含めて中小規模の医療機関が散在して、それぞれが医者を出してくれ出してくれと言われても、もう医者の数に限りがございますから、そこにみんな出していたらこれは無駄になるということでございます。
 やはり、先ほど申し上げましたように、そもそもの地域医療提供体制の見直しをしっかりやっていただきたいというふうに希望するところでございます。
 ありがとうございます。
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島村大#20
○島村大君 もう時間なので委員長がやめろという顔をしているんですけど。
 先生方の今日のお話聞いてつくづくそうだと思うんですが、私もちょっと小さい診療室持っているんですが、今回のコロナ禍までは自転車操業というのは医療界というのは余りないと思っていたんです。
 というのは、二か月、毎月毎月診療報酬が入ってくるわけですから、そういう意味では、回っていれば自転車操業という意味では、ある意味では関係ないのかなと思っていたんですけど、これだけいわゆるコロナ禍でいろんなことが起きますと、診療報酬が下がると、一割、二割下がっただけでこの医療機関というのは相当きついなということを私も肌感覚を感じさせていただいたので、そういう意味では、ああ、逆に言うと、医療界というのはみんな自転車操業していたんだなというのをつくづく感じておりますので、そこはしっかりと我々も、医療のいわゆる経営が安定してこそ、その患者さんやそれから国民に対して医療を提供できるわけですから、そこはしっかりと底辺を忘れずに我々もしっかりやりたいと思っていますので、よろしくお願いします。
 以上です。
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田島麻衣子#21
○田島麻衣子君 立憲民主・社民の田島麻衣子です。
 参考人の方々には、本当に今日、ためになるお話、ありがとうございました。
 まず、私は、福井参考人に質問させていただきたいと思います。
 地域医療構想についてなんですが、この病床機能再編支援事業の対象になった四百三十六病院は全て公的な医療機関になっています。民間の病院を考慮せずに、公的医療機関だけを検討することで本当にいいのかどうか御意見を伺いたいことと、それから、今コロナ起こっていて、公的機関というのは八五%コロナを受け入れているというふうに今ここでも、資料でもおっしゃっていますが、コロナ禍でこの医療地域構想を進めていくことに対する御見解を伺わせていただきたいと思います。
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福井淳#22
○参考人(福井淳君) ありがとうございます。
 まず、我々は、公立・公的医療機関のリストを出されて、民間医療機関のリストが出ていないので不公平だから公表しろと、別に公立と民間との争いを際立たせるというつもりでこの発言をしたわけではありません。
 この厚生労働省、このいわゆる四百三十六病院のリストというのが、二〇一七年六月の実績、診療実績、しかも急性期の医療実績を対象としているということで、まず、今回の災害時のような感染症の状況を想定しているわけではないということです。
 もう一つは、それが、厚生労働省は、調整会議での議論を活性化するためであって、決して再編や統合するものではないと言っておるんですけれども、実際に今回、新興感染症が医療計画に追加されるということですので、新たにもし地域医療構想調整会議の中で議論を活性化するものが必要だとするならば、一旦この再検証リストは撤回し、新たに議論を活性化させるものを提供するべきではないかと考えます。
 それでも厚生労働省が、医療機関のリストこそが調整会議を活性化するために必要だということであるならば、今回のコロナ禍の状況の総括と分析を行って、全ての医療機関を対象としたリストを公表するべきだと思っております。ただ、公表することがこの間少しハレーションを起こしたので、公表しないにしても地域の方に提供するべきだというふうに思っております。
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田島麻衣子#23
○田島麻衣子君 ありがとうございます。
 次に、猪口参考人に伺いたいと思います。
 続いて、地域医療構想なんですけれども、これ、コロナが起こる前のデータを使って四百三十六公的医療機関のを出していますけれども、このリストをそのまま使ってしまうことに対する御見解伺わせていただいてもよろしいでしょうか。
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猪口雄二#24
○参考人(猪口雄二君) まず、地域医療構想調整会議に関して、そのワーキンググループというのがありまして、そこでの議論でいきますと、一つには、このコロナがあるのでしばらく、その四百三十六病院ですか、そこの議論は取りあえずストップということになっております。
 それから、その公立、公的、民間のお話を少しさせていただきますと、実は、公立は公立なんですけれども、公的医療機関の中には民間の大きい、比較的大きい地域医療支援病院、これは民間の方に入らずに実は公的に入っているんです。
 ですから、それを民間の方に戻すと割合がまた変わってくるというようなことがありますので、あれはあくまで地域医療構想調整会議の中の公立、公的のその法的に定められた仕事、五疾病五事業含め、それがどれぐらいやられているかということと、近隣の医療機関を比較した場合にどのような違いがあるかと、それを調べるために分類したものであって、コロナでどれぐらい受けているかということのためにあの三つを分類したものではないので、ちょっと実数と違っているということだけは申し上げておきたいと思います。
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田島麻衣子#25
○田島麻衣子君 ありがとうございます。
 続いて、猪口参考人にお聞きしたいんですが、このタスクシェアリングについてです。
 この各医療関係職種の専門性を活用するためにタスクシェアリングをしますけれども、まず研修の費用が掛かると。自分たちの仕事以上のものを受け入れることによって残業も出てしまうかもしれないといった費用の面が掛かってくると思うんですね。
 この費用というのを病院はどのように捻出していくべきか、それに対する国の役割について御意見伺いたいと思います。
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猪口雄二#26
○参考人(猪口雄二君) まず、幾つかのタスクシフトに関しては、新たな技術の習得ということが必要になるのと、新たにその職業に就く方の教育というのが両方必要になります。ですから、これはかなりやっぱり時間が必要だということと、それから、既に資格をお持ちで新たにその技術を習得するための講習会とか、そういうものは、そのそれぞれの技術者の集まりの会と国とがよく相談をして講習会をつくっていく、また、それぞれの学校にはその教育課程にそれを入れ込んでいくということを丁寧にやらないと、一方的に仕事をやりなさいということだけになるとやっぱり医療安全からも問題が出てくるのではないかというふうに思っております。
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田島麻衣子#27
○田島麻衣子君 ありがとうございます。
 次に、山本参考人に伺いたいと思います。
 医師の業務負担の話しされましたが、新型コロナワクチンの接種で更に医師の方々の負担というのは増えていくんじゃないのかなと思うんですよね。
 新型コロナワクチン、今後打っていく中でどのように医師の方々の業務負担を軽減していくべきであるのか、もし御意見があったら伺いたいと思います。
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山本修一#28
○参考人(山本修一君) ありがとうございます。
 今、新型コロナワクチンの接種に関する御質問というふうに承っておりますけれども、私が知る限り、今、大学病院は余りそのワクチン、一般の方も含めてワクチン接種には関わりは余りないのではないか。一部の地域では医療機関に対する接種を請け負っているという部分はございますが、まず、自分のところの組織が数千名を擁しておりますので、まずそこの接種ということで、むしろ、より広い国民の皆さんへの接種というところの負担業務はむしろ日本医師会あるいは都道府県の医師会の先生方が御担当なのではないかなというふうに考えております。
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田島麻衣子#29
○田島麻衣子君 分かりました。
 どの方であったとしてもお医者さんと看護師さんである限りワクチン接種はしていかなければならないので、今後、その医師の負担軽減、看護師の負担軽減というのはやっぱり国もしっかり考えていかなきゃいけないのかなというのを、私見ですが、思っています。
 次に、上家参考人に伺いたいと思います。
 私もこれ、前回の厚労委員会で女性医師の働き方について取り上げさせていただきまして、自分自身が子供を育てている環境にあることからやっぱり育休のことについても詳しく伺ったんですが、厚労省の方々は育児休業を取得できない女性医師の実態を把握していないと。理由というのは、それはもう当たり前に取るべきものであるからということをお答えになっていたんですが、実際これ、上家参考人の資料を見てみますと、労使協定がある場合に限られると。大体、数をしっかり言えなくても全然いいんですが、大体どの程度の病院が今、日本で労使協定があって女性医師が育児休業を取れるような環境にあるのかということをちょっと興味を持って今拝見していたんですが、どうでしょうか。
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