原子力問題調査特別委員会
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会
会議録情報#0
令和四年六月八日(水曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 赤澤 亮正君
理事 大西 英男君 理事 神田 憲次君
理事 鈴木 淳司君 理事 古川 康君
理事 三ッ林裕巳君 理事 野間 健君
理事 伴野 豊君 理事 伊東 信久君
理事 中野 洋昌君
畦元 将吾君 石川 昭政君
今村 雅弘君 江渡 聡徳君
勝俣 孝明君 門山 宏哲君
神田 潤一君 新谷 正義君
鈴木 英敬君 高木 啓君
高木 宏壽君 中川 貴元君
西田 昭二君 堀井 学君
堀内 詔子君 宮内 秀樹君
宮澤 博行君 簗 和生君
山本 左近君 阿部 知子君
江田 憲司君 菅 直人君
米山 隆一君 渡辺 創君
早坂 敦君 堀場 幸子君
吉田とも代君 河西 宏一君
平林 晃君 浅野 哲君
笠井 亮君
…………………………………
参考人
(公益財団法人原子力安全研究協会理事) 山口 彰君
参考人
(国際環境経済研究所理事)
(東北大学特任教授(客員)) 竹内 純子君
参考人
(獨協医科大学国際疫学研究室福島分室長・准教授) 木村 真三君
参考人
(龍谷大学政策学部教授) 大島 堅一君
衆議院調査局原子力問題調査特別調査室長 飯野 伸夫君
―――――――――――――
委員の異動
六月八日
辞任 補欠選任
井林 辰憲君 中川 貴元君
大西 英男君 高木 啓君
長坂 康正君 山本 左近君
簗 和生君 鈴木 英敬君
藤巻 健太君 早坂 敦君
同日
辞任 補欠選任
鈴木 英敬君 簗 和生君
高木 啓君 大西 英男君
中川 貴元君 井林 辰憲君
山本 左近君 長坂 康正君
早坂 敦君 藤巻 健太君
同日
理事大西英男君同日理事辞任につき、その補欠として三ッ林裕巳君が理事に当選した。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
理事の辞任及び補欠選任
原子力問題に関する件(原子力規制行政の在り方)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 赤澤 亮正君
理事 大西 英男君 理事 神田 憲次君
理事 鈴木 淳司君 理事 古川 康君
理事 三ッ林裕巳君 理事 野間 健君
理事 伴野 豊君 理事 伊東 信久君
理事 中野 洋昌君
畦元 将吾君 石川 昭政君
今村 雅弘君 江渡 聡徳君
勝俣 孝明君 門山 宏哲君
神田 潤一君 新谷 正義君
鈴木 英敬君 高木 啓君
高木 宏壽君 中川 貴元君
西田 昭二君 堀井 学君
堀内 詔子君 宮内 秀樹君
宮澤 博行君 簗 和生君
山本 左近君 阿部 知子君
江田 憲司君 菅 直人君
米山 隆一君 渡辺 創君
早坂 敦君 堀場 幸子君
吉田とも代君 河西 宏一君
平林 晃君 浅野 哲君
笠井 亮君
…………………………………
参考人
(公益財団法人原子力安全研究協会理事) 山口 彰君
参考人
(国際環境経済研究所理事)
(東北大学特任教授(客員)) 竹内 純子君
参考人
(獨協医科大学国際疫学研究室福島分室長・准教授) 木村 真三君
参考人
(龍谷大学政策学部教授) 大島 堅一君
衆議院調査局原子力問題調査特別調査室長 飯野 伸夫君
―――――――――――――
委員の異動
六月八日
辞任 補欠選任
井林 辰憲君 中川 貴元君
大西 英男君 高木 啓君
長坂 康正君 山本 左近君
簗 和生君 鈴木 英敬君
藤巻 健太君 早坂 敦君
同日
辞任 補欠選任
鈴木 英敬君 簗 和生君
高木 啓君 大西 英男君
中川 貴元君 井林 辰憲君
山本 左近君 長坂 康正君
早坂 敦君 藤巻 健太君
同日
理事大西英男君同日理事辞任につき、その補欠として三ッ林裕巳君が理事に当選した。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
理事の辞任及び補欠選任
原子力問題に関する件(原子力規制行政の在り方)
――――◇―――――
赤
赤澤亮正#1
○赤澤委員長 これより会議を開きます。
理事辞任の件についてお諮りいたします。
理事大西英男君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →理事辞任の件についてお諮りいたします。
理事大西英男君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
赤
赤澤亮正#2
○赤澤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
赤
赤
赤澤亮正#4
○赤澤委員長 原子力問題に関する件、特に原子力規制行政の在り方について調査を進めます。
本日は、本件調査のため、参考人として、公益財団法人原子力安全研究協会理事山口彰君、国際環境経済研究所理事、東北大学特任教授(客員)竹内純子君、獨協医科大学国際疫学研究室福島分室長・准教授木村真三君及び龍谷大学政策学部教授大島堅一君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に委員会を代表いたしまして一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜れれば幸いに存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からそれぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得ていただくようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず山口参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →本日は、本件調査のため、参考人として、公益財団法人原子力安全研究協会理事山口彰君、国際環境経済研究所理事、東北大学特任教授(客員)竹内純子君、獨協医科大学国際疫学研究室福島分室長・准教授木村真三君及び龍谷大学政策学部教授大島堅一君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に委員会を代表いたしまして一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜れれば幸いに存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からそれぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得ていただくようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず山口参考人にお願いいたします。
山
山口彰#5
○山口参考人 皆様、おはようございます。原子力安全研究協会の山口でございます。
本日は、原子力問題調査特別委員会におきましてこういう発言の場を与えていただき、大変光栄に存じます。
これから、十五分という時間をいただきましたので、私の考えを述べさせていただきたいと思います。
お手元に資料をお配りしてございます。タイトルに、原子力規制行政の在り方についての意見ということで書いてございます。
まず、原子力規制というのはとても難しいことであるということを申し上げたいと思います。上の方に四角で囲ってありますように、原子力規制というものは、原子力の利用により享受する恩恵、それと適切に均衡するように原子力の利用に伴うリスクを管理する、そういったことでございます。したがいまして、利用による恩恵ということと原子力の利用に伴うリスクというものにどう向き合うかというところが問題なわけであります。
それに対して、安全の確保ということで、日本で、原子力基本法にはこのように書いてございます。安全の確保については、確立された国際的な基準を踏まえ、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として、行う。そして、さらに、第三条の二に、その安全の確保を図るため、原子力規制委員会を置くということで定めてございます。
ここで、ポイントは、安全の確保ということは一体どういうものであるのか、どうすれば安全の確保が実現されたと我々は考えるのか、そういう点でございます。
さて、それを踏まえまして、元々、震災後、日本の原子力規制委員会は、アメリカの原子力規制委員会をモデルとして、その構成、組織が検討されました。さて、では、アメリカはどう考えているか、これを御説明したいと思います。
二、リスクの管理というところを御覧ください。
アトミック・エナジー・アクト、これは原子力基本法に相当するものでありますが、一九五四年のアトミック・エナジー・アクトの中で、不当なリスクがないこと、アディクエートプロテクション、適切な規制ということがありますが、まずこれをやりなさいということが書いてございます。しかし、ここでも、適切な規制というものは何なのか、それが当然問題になるわけです。そこで、米国は、二階層構造の安全確保ということを書いてございます。それが、この不当なリスクがないということと、原子力規制に、規制委員会に自由裁量の権限を与えるということでございます。
もう少し説明いたしますと、まず、不当なリスクがないということにつきましては、受容可能で適切な公衆防護レベルを確保するべきであると述べた上で、そのためには、必要なコストが幾らであろうが、それにかかわらず実施を求めなさいということで、そのように書いてございます。しかしながら、同時に、原子力発電所がゼロリスクであることを要求すべきではないということが書いてあります。
これはどういうことかといいますと、米国では、一九八五年にバックフィットルールというものが導入されました。日本でも、新しい規制基準では、新しい知見が得られればそれを適切にバックフィットする、そういうバックフィットルールが確立してございます。
そのときに、アメリカの規制委員会では、バックフィットルールの中で、その下の方にちょっと書いてございますが、委員会がどのようなバックフィットを求めるかについては、経済的なコストやそのほかの政策的な観点を考慮することは適切であるというふうに書いてあるわけです。そして、それに対して裁判になりました。その結果、一九八七年に自由裁量の権限ということが認められて、そして、二階層の構造ができ上がったわけです。
自由裁量の権限の中では、事業者に対して、規制委員会は、(1)で述べましたアディクエート、これを超える安全対策を求める権限を持つんだということでございます。そして、その権限をどこまで執行するか、それには、経済的コスト、それからそのほかの政策的観点、例えばエネルギーセキュリティーとか、そういったものを考慮することは適切である。さらに、バックフィットの便益、すなわち、どの程度安全の質が向上したかということでございますが、それは、コストと比べてそのバックフィットが正当化されるということを求めたわけでございます。
さて、この不当なリスクがない、あるいはリスクが管理されたということは一体どのようなことか、それが次の三ポツに書いてございます。英語をちょっと日本語にしてございますので、裏のページ、御覧いただきますと、リスクの同定、分析、コミュニケーション、受容、これはリスクを受け入れることですね、それからリスクの回避、それから転換、制御、こういったことを行って、コストと恩恵の観点から受容可能なレベルとするプロセス、これがリスク管理であるというふうに言っているわけです。
この過程では、米国は、一九七九年にスリーマイル島の事故を経験し、そして、一九八六年に安全目標の政策声明を出し、そしてリスク評価を行ってリスクを管理し、一九九五年にリスクを活用するということのまた政策声明を出し、そういった長い経緯を経て確立された考え方、これが二階層構造の安全確保ということでございます。
さて、こういったことが一体何に依拠して実現可能になるか、それがよい規制の五つの原則というところに書いてございます。安全を確保しつつ、しかも、コスト、それの経済性、あるいは便益、そういったものを考えながらリスクを管理していく、これはなかなか難しいことであります。そういった難しい意思決定、判断を行っていく上で、複数の価値軸を調和させるということが必要になってまいります。その根拠となるものがよい規制の五つの原則ということになります。
まず第一に、自立性。これは、あるいは独立性でもいいんですが、ただの独立性ではなく、自立性というものが、高い倫理観と専門性によって判断がされること、そして規制が孤立しないこと、これをインディペンデンスといって定義していて、いずれかの考え方に偏らないようにきちんとコントロールしているわけでございます。
二つ目、寛容性、オープンネスでございますが、これは、関係者というのは、公衆だけでなく、議会、行政機関、事業者、公衆、国際的なコミュニティー、そういうところと自由なコミュニケーションを常に維持していなさい、そういうことがこの二つ目、寛容性でございます。
三つ目、費用対効果性。すなわち、規制の行政というものは、納税者それから事業者が最善のものを享受する、そういうことが必要であるということから、現実的な規制であること、そして、リスクの低減効果と整合させつつ投入する資源を最小化すること、それを費用対効果性として、三つ目の原則に述べているわけでございます。
四つ目ですが、明瞭性。これは、規制が首尾一貫して論理的で現実的であること。
そして最後に、信頼感、リライアビリティーですが、これは、研究、運転経験、そういった最新知見に基づいていて、規制の判断が安易に覆されないように、そして原子力の利用というものが安定的に行われるように、これが公衆から見ても、あるいは事業者から見ても信頼感につながるということでございます。
すなわち、安全の確保を行うためにどういう考え方でやるのか、何と何を考慮してやるのか、こういった原則があればこそ、極めて難しい規制判断、これができるものだというふうに考える次第です。
最後に、五ポツのところを御覧ください。
今、原子力、これは極めて社会に対して様々なメリットをもたらすものであり、多くの国が持続的に活用していこうということを考えてございます。では、そのようなことをどうやって実現するか。
米国を始め海外では、新しい革新炉の開発、これが進んでおります。その革新炉の開発をしっかり規制としても受け止めるために、米国は、ニュークリア・エナジー・イノベーション・アンド・モダナイゼーション・アクトという法律を作りました。これは、原子力エネルギーのイノベーション、それから規制の近代化、それを推進する法律でございます。
その中に書いてございますのは、原子力規制委員会は、環境の変化に対して規制プロセスを向上させるとともに、非軽水炉のレビューに備え、対応すること。すなわち、非軽水炉と申しますのは、今議論になっています小型モジュラー炉、あるいは高速炉、高温ガス炉、そういった革新炉でございます。当然、こういった革新炉は新しい考え方の原子炉でございますので、規制がそれに対してきちんと適合するよう準備をきちんとしなさい、そういうことを決めているわけでございます。
そして二つ目、原子力規制委員会は、ビジョンと戦略を策定し、非軽水炉技術の申請があった場合に効果的に効率よくレビューできるようにしなさい。こうやって、規制が持つべき専門性をしっかり高めなさいということを書いているわけでございます。
こういった取組があればこそ、新しい革新炉というものが導入する、そういったプロセスが開けてくるということだと考えてございます。
最後に、一番下、ここが私の結論でございますが、このように、現代は多様なリスクにさらされております。それは、エネルギーのセキュリティー、もちろん原子力のリスクもあるわけですが、様々な資源の導入リスク、それから地政学的なリスク、多くのリスクがございます。そういった中で、原子力技術を持続的に活用するということは、我が国にとって大変重要なことであります。そういった環境を踏まえますと、原子力規制行政において、これまで、安全の確保を行っていくというふうな考え方で規制を行っていたものを、リスクの管理をもって安全の確保を行う、つまり、適切にリスクを管理するという考え方に進化させていくべきではないかと考えます。これは、既に米国の例でお示ししましたように、原子力基本法に、確立された国際的な考え方に倣いということが書いてございますが、こういった考え方が確立された国際的なプラクティスであるというふうに考えるところでございます。
以上で私の発言を終わらせていただきます。御清聴どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、原子力問題調査特別委員会におきましてこういう発言の場を与えていただき、大変光栄に存じます。
これから、十五分という時間をいただきましたので、私の考えを述べさせていただきたいと思います。
お手元に資料をお配りしてございます。タイトルに、原子力規制行政の在り方についての意見ということで書いてございます。
まず、原子力規制というのはとても難しいことであるということを申し上げたいと思います。上の方に四角で囲ってありますように、原子力規制というものは、原子力の利用により享受する恩恵、それと適切に均衡するように原子力の利用に伴うリスクを管理する、そういったことでございます。したがいまして、利用による恩恵ということと原子力の利用に伴うリスクというものにどう向き合うかというところが問題なわけであります。
それに対して、安全の確保ということで、日本で、原子力基本法にはこのように書いてございます。安全の確保については、確立された国際的な基準を踏まえ、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として、行う。そして、さらに、第三条の二に、その安全の確保を図るため、原子力規制委員会を置くということで定めてございます。
ここで、ポイントは、安全の確保ということは一体どういうものであるのか、どうすれば安全の確保が実現されたと我々は考えるのか、そういう点でございます。
さて、それを踏まえまして、元々、震災後、日本の原子力規制委員会は、アメリカの原子力規制委員会をモデルとして、その構成、組織が検討されました。さて、では、アメリカはどう考えているか、これを御説明したいと思います。
二、リスクの管理というところを御覧ください。
アトミック・エナジー・アクト、これは原子力基本法に相当するものでありますが、一九五四年のアトミック・エナジー・アクトの中で、不当なリスクがないこと、アディクエートプロテクション、適切な規制ということがありますが、まずこれをやりなさいということが書いてございます。しかし、ここでも、適切な規制というものは何なのか、それが当然問題になるわけです。そこで、米国は、二階層構造の安全確保ということを書いてございます。それが、この不当なリスクがないということと、原子力規制に、規制委員会に自由裁量の権限を与えるということでございます。
もう少し説明いたしますと、まず、不当なリスクがないということにつきましては、受容可能で適切な公衆防護レベルを確保するべきであると述べた上で、そのためには、必要なコストが幾らであろうが、それにかかわらず実施を求めなさいということで、そのように書いてございます。しかしながら、同時に、原子力発電所がゼロリスクであることを要求すべきではないということが書いてあります。
これはどういうことかといいますと、米国では、一九八五年にバックフィットルールというものが導入されました。日本でも、新しい規制基準では、新しい知見が得られればそれを適切にバックフィットする、そういうバックフィットルールが確立してございます。
そのときに、アメリカの規制委員会では、バックフィットルールの中で、その下の方にちょっと書いてございますが、委員会がどのようなバックフィットを求めるかについては、経済的なコストやそのほかの政策的な観点を考慮することは適切であるというふうに書いてあるわけです。そして、それに対して裁判になりました。その結果、一九八七年に自由裁量の権限ということが認められて、そして、二階層の構造ができ上がったわけです。
自由裁量の権限の中では、事業者に対して、規制委員会は、(1)で述べましたアディクエート、これを超える安全対策を求める権限を持つんだということでございます。そして、その権限をどこまで執行するか、それには、経済的コスト、それからそのほかの政策的観点、例えばエネルギーセキュリティーとか、そういったものを考慮することは適切である。さらに、バックフィットの便益、すなわち、どの程度安全の質が向上したかということでございますが、それは、コストと比べてそのバックフィットが正当化されるということを求めたわけでございます。
さて、この不当なリスクがない、あるいはリスクが管理されたということは一体どのようなことか、それが次の三ポツに書いてございます。英語をちょっと日本語にしてございますので、裏のページ、御覧いただきますと、リスクの同定、分析、コミュニケーション、受容、これはリスクを受け入れることですね、それからリスクの回避、それから転換、制御、こういったことを行って、コストと恩恵の観点から受容可能なレベルとするプロセス、これがリスク管理であるというふうに言っているわけです。
この過程では、米国は、一九七九年にスリーマイル島の事故を経験し、そして、一九八六年に安全目標の政策声明を出し、そしてリスク評価を行ってリスクを管理し、一九九五年にリスクを活用するということのまた政策声明を出し、そういった長い経緯を経て確立された考え方、これが二階層構造の安全確保ということでございます。
さて、こういったことが一体何に依拠して実現可能になるか、それがよい規制の五つの原則というところに書いてございます。安全を確保しつつ、しかも、コスト、それの経済性、あるいは便益、そういったものを考えながらリスクを管理していく、これはなかなか難しいことであります。そういった難しい意思決定、判断を行っていく上で、複数の価値軸を調和させるということが必要になってまいります。その根拠となるものがよい規制の五つの原則ということになります。
まず第一に、自立性。これは、あるいは独立性でもいいんですが、ただの独立性ではなく、自立性というものが、高い倫理観と専門性によって判断がされること、そして規制が孤立しないこと、これをインディペンデンスといって定義していて、いずれかの考え方に偏らないようにきちんとコントロールしているわけでございます。
二つ目、寛容性、オープンネスでございますが、これは、関係者というのは、公衆だけでなく、議会、行政機関、事業者、公衆、国際的なコミュニティー、そういうところと自由なコミュニケーションを常に維持していなさい、そういうことがこの二つ目、寛容性でございます。
三つ目、費用対効果性。すなわち、規制の行政というものは、納税者それから事業者が最善のものを享受する、そういうことが必要であるということから、現実的な規制であること、そして、リスクの低減効果と整合させつつ投入する資源を最小化すること、それを費用対効果性として、三つ目の原則に述べているわけでございます。
四つ目ですが、明瞭性。これは、規制が首尾一貫して論理的で現実的であること。
そして最後に、信頼感、リライアビリティーですが、これは、研究、運転経験、そういった最新知見に基づいていて、規制の判断が安易に覆されないように、そして原子力の利用というものが安定的に行われるように、これが公衆から見ても、あるいは事業者から見ても信頼感につながるということでございます。
すなわち、安全の確保を行うためにどういう考え方でやるのか、何と何を考慮してやるのか、こういった原則があればこそ、極めて難しい規制判断、これができるものだというふうに考える次第です。
最後に、五ポツのところを御覧ください。
今、原子力、これは極めて社会に対して様々なメリットをもたらすものであり、多くの国が持続的に活用していこうということを考えてございます。では、そのようなことをどうやって実現するか。
米国を始め海外では、新しい革新炉の開発、これが進んでおります。その革新炉の開発をしっかり規制としても受け止めるために、米国は、ニュークリア・エナジー・イノベーション・アンド・モダナイゼーション・アクトという法律を作りました。これは、原子力エネルギーのイノベーション、それから規制の近代化、それを推進する法律でございます。
その中に書いてございますのは、原子力規制委員会は、環境の変化に対して規制プロセスを向上させるとともに、非軽水炉のレビューに備え、対応すること。すなわち、非軽水炉と申しますのは、今議論になっています小型モジュラー炉、あるいは高速炉、高温ガス炉、そういった革新炉でございます。当然、こういった革新炉は新しい考え方の原子炉でございますので、規制がそれに対してきちんと適合するよう準備をきちんとしなさい、そういうことを決めているわけでございます。
そして二つ目、原子力規制委員会は、ビジョンと戦略を策定し、非軽水炉技術の申請があった場合に効果的に効率よくレビューできるようにしなさい。こうやって、規制が持つべき専門性をしっかり高めなさいということを書いているわけでございます。
こういった取組があればこそ、新しい革新炉というものが導入する、そういったプロセスが開けてくるということだと考えてございます。
最後に、一番下、ここが私の結論でございますが、このように、現代は多様なリスクにさらされております。それは、エネルギーのセキュリティー、もちろん原子力のリスクもあるわけですが、様々な資源の導入リスク、それから地政学的なリスク、多くのリスクがございます。そういった中で、原子力技術を持続的に活用するということは、我が国にとって大変重要なことであります。そういった環境を踏まえますと、原子力規制行政において、これまで、安全の確保を行っていくというふうな考え方で規制を行っていたものを、リスクの管理をもって安全の確保を行う、つまり、適切にリスクを管理するという考え方に進化させていくべきではないかと考えます。これは、既に米国の例でお示ししましたように、原子力基本法に、確立された国際的な考え方に倣いということが書いてございますが、こういった考え方が確立された国際的なプラクティスであるというふうに考えるところでございます。
以上で私の発言を終わらせていただきます。御清聴どうもありがとうございました。拍手
赤
竹
竹内純子#7
○竹内参考人 皆様、おはようございます。国際環境経済研究所の竹内と申します。
今日は、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、早速意見陳述に入らせていただきます。
まず、原子力規制行政の在り方を議論する上で、原子力規制行政の役割を考えてみたいというふうに思います。
お配りしておりますペーパーの一というところに書いてございますけれども、これは原子力にかかわらず、一般的に、規制行政というものは、技術利用に伴う、全ての技術には利用に伴ってリスクがあるわけでございますけれども、そうした潜在的危険性というものが顕在化をする確率を最小化する、また、仮に顕在化した場合でも被害を最小限に抑えるための措置を講じ、その技術が社会にもたらす便益を最大化することに貢献すること、これを目的にしているというふうに理解をされます。
原子力につきましては、原子力災害の特殊性から、事前予防、安全規制といったようなところと事後救済の制度、これの整備が特に重要な技術というふうに考えられます。
一般的に、技術の利用につきましては、施設の安全性の責任というのは事業者が一義的に負うということでございます。では、それに当たって原子力規制行政というのはどんな役割を果たすのかといえば、施設の運転に際しての安全に関する必要条件、これを提示をすること、そして、その条件に適合しているかどうかの審査を行うということ、これが役割として求められることでございます。
原子力規制は、国民、立地地域の住民からの原子力技術に対する信頼、これを大きく左右するものでございます。私の著書から、原子力に対する安心というのは、つまるところ、安全をつかさどる者への信頼感に尽きると書かせていただいておりますけれども、これまでのところ、少ないとはいえ、我が国で、福島事故後、再稼働というようなものを始めた原子力発電所、こういったものが数基出てきているということは、これは、原子力規制委員会、規制庁の皆様が非常に厳しい審査を行っているという信頼が国民からあり、そして、加えて申し上げれば、事故、トラブル等なく再稼働した炉が運転されているといったようなところかと思います。
もう一つ、原子力規制というのは、原子力事業の事業性にも当然影響を及ぼします。原子力発電というのは、燃料コストはほとんどかからないものの、発電及び廃炉、こういったものの費用、これらの大宗が固定費といったような性質を持っております。損益分岐点となる設備稼働率は約七〇%ぐらい、これは非常に雑駁な仮定を置いて計算をしたものでございますけれども、高い稼働率、安定的な運転というようなこと、これを満たすことによって初めて大量で安定的、安価な電気を生む技術として存在する、貢献することができるというものでございます。
そういった特徴を持つということを踏まえてこの原子力規制行政ということについて考える必要があるというところでございます。
次の、二に書かせていただいておりますけれども、日米の原子力行政、これに対する相違点から見る我が国の課題というところを申し述べたいというふうに思います。
なぜ日米を比較するのかといったようなところでございますけれども、国際的な核物質の管理の必要性、あるいは、各国の政策や安全規制の影響を強く受けること、もう一つ、大規模な投資を必要とすることから、原子力というのは、資金調達コスト、これを圧縮しないとプロジェクトとして非常に成立しづらいというような、こういった特徴がございまして、そのためにはやはり国が後ろにいるということが重要であったために、多くの国では、原子力事業というのは国営体制の下、発展をしてまいりましたが、日米というのは、事業創成期から民間、民営体制を取ってまいりました。
ただ、両者の原子力規制行政には黎明期から差があり、福島原子力発電所事故後、特に差が拡大したというふうに認識をしております。
日米の原子力基本法及び関連の法制、これを読み比べてみますと、大きく二つの特徴があるというふうに思います。
一つは、米国では、具体的に政府の行うべきプログラムが書かれているというようなこと、もう一つは、これは原子力に限らずでございますけれども、米国は、連邦行政機関の規制的活動全般に対して費用便益分析といったようなものが要求されるというようなところでございます。
原子力のまずプログラム化といったようなところでございますけれども、米国では、それまで軍事技術として発展をしてきた原子力技術、これを民間が利用することを促していく、要は原子力発電を導入していくということに国が方針転換をした際に、民間事業に参画を促した。その際に、民間事業者からは、技術開発、そして何かあったときの事故、そうしたときには国が必ず責任を持ってくれるということでなければ参画できないというような、ある意味、明確な意思表示が米国ではなされたというようなところ。
こういったところに比べて、我が国では、国策として推進されることへの強い信頼があったということと、電力事業者も規模が大きかったというようなところもあって、ある意味、非常に積極的な姿勢を民間事業者が見せたということが、当時の東京電力あるいは関西電力に勤めていた方の著書からもうかがうということができます。
こうしたところから、プログラムについての部分でございますけれども、国の関与というところについてでございますが、導き出される課題として、国の関与の曖昧さを残して、これまでは、本来民間事業者が取り得るリスクを超えた民営体制が確立をされてきた、その下で発展してきたというふうに我が国の原子力事業は言うことができると思います。それが、福島事故後に行われました電力システム改革、いわゆる電力自由化によって、そのリスクを取り切るということが難しい状況になっているというところでございます。
これは本日の主要テーマではございませんけれども、一方で、原子力規制の在り方の中においても、自由化に対する変化に対して、抜けや漏れがないかというようなことを改めて確認をする必要が出るということを意味しております。
もう一つ、日米との違いという中で申し上げると、米国の連邦行政機関の規制的な活動には費用便益分析を要求するということ、これは非常に歴史が、古くから行われているところでございます。
要は、新しい規制を導入するときには、その規制によって国民が受けるメリット、これが規制に対応するために必要とするコストよりも大きくなければその規制は入れてはいけないという考え方、これが一般的に取られているというところでございますし、それが原子力規制においても例外ではなく適用されるというところになってございます。
我が国の原子力規制を、そういった米国の方針、これを踏まえた上で概観をいたしますと、我が国の原子力規制委員会、こちらの行動原則、活動原則の中では、米国の規制委員会、これをなぞらえるような形で活動原則が定められているんですけれども、あえて効率性の原則というのが除外をされております。
安全性の向上を目指した対策を取ったとしても、取り続けたとしても、あるところ以降は、不確かさが大きくなり過ぎたり、あるいはかえって逆効果になるということすら起こり得る、こういった領域においてむやみに多くの資源を投じるというようなこと、これを、若干批判的な言葉として、「滑稽な安全の姿」というふうに私を含む二名の先生方との共著の中で書かせていただきましたが、やはり効率性の原則というのは必要な考え方であろうというふうに認識をしております。
日米の原子力発電関係の事業者あるいは規制機関、こういったものがどのように異なるのか、非常に似てはいるんですけれども異なるということを図解をさせていただいたのがその下に置いております図でございます。
こちらはちょっと細かくなってしまいましたので、後でゆっくり御覧いただければと思いますけれども、非常に似ているんだけれども異なるという点が、例えば、原子力規制あるいは原子力政策、エネルギー政策というものに対する議会のチェック、こういったものが機能しているかといったようなこと、あるいは、事業者代表の組織が、事業者が安全を考える代表機関として規制と綿密なコミュニケーションを取っているか。よい規制というのは、規制機関だけがつくるというものではなくて、やはりその技術を使う人たちとの綿密なコミュニケーションによって成り立つということだとすると、そういったものが成り立っているかというようなところ、ここを書かせていただいているところでございます。
おめくりいただきまして、三ページ目でございますけれども、こういった視点を踏まえまして、我が国の原子力規制行政改善に向けて必要な視点というようなことで申し述べたいと思います。
原子力エネルギーを持続的に利用することの価値は小さいものではないわけですが、一方で、安全の規制というようなところは非常に重要であるというのは先ほどの山口参考人も述べられたところかと思います。
適切なリスク管理と政策的意思、社会の理解に支えられて初めて原子力というのは役割を果たすということが可能になるわけですが、そうした中で、懸念をされる規制機関の方の御発言としてちょっと引用させていただいております。
審査ガイドよりも個々の審査官の判断の方が上位である。あるいは、審査というのはいつでも誰でもどの時点からでもひっくり返せる仕組みが大事、あらゆるメンバーがちゃぶ台返しができることが大事。あるいは、規制の立場では審査において制約条件が課されていない。
これは、安全最優先という点では同意をする向きもあろうかとは思うんですが、行政は憲法によって制約をされるのではないかといった根本的な原則、あるいは、ひっくり返るちゃぶ台の上で継続的な安全性向上を考えることができるかといった本質的な問題といったような課題がここからうかがえるというふうに思います。
こうした点で、必要なこととしまして、適切なチェックと健全な批判。行政機関としての当然有するべき規制の効率性や首尾一貫性について、やはり規制機関としてチェックを受けるという体制整備、あるいは判断根拠の明示化、明文化といったようなところを徹底する。
あるいは、積極的な外部の知見の取り入れや関係者とのコミュニケーション。独立性というのは孤立性を意味するものではないということの徹底、そしてもう一つ申し上げたいのが、国民、立地地域住民ともう少しコミュニケーションを取るというようなこと。米国のNRCでは、立地計画や、あるいは原子力防災についてもNRCが積極的に関与をしているというところがございます。
三点目が、継続的改善に向けたシステムデザインということでございます。特に、規制基準を満たすことはゴールではないというのが今の一般的な認識でございます。そこをむしろスタートとして、事業者が自主的安全性向上に取り組み続ける、こういったことができる、機能するシステムを設計する必要がございます。
ただ、その中で、自由化された市場においてコスト競争を求めるという制度と自主的安全性向上といったようなものを同時に求めるには、やはり社会として、どこがゴールだと、安全目標といったような議論が非常に重要になってまいります。そういった議論において、原子力規制委員会に期待される役割、社会とのコミュニケーション等においても期待される役割というのは非常に大きいというふうに理解をしております。
具体的に求められる措置としまして、三点列記をさせていただきました。これは、全て、これがなければといったようなところを申し上げたというよりは、これを基に議論をしていただく、させていただくということが重要であろうと思います。
まずは、我が国にとっての原子力技術の意義を原子力基本法で改めて議論をする、それにひもづいて原子炉等規制法というようなものが運営されるように、行う。
規制行政として、福島事故後、急遽立ち上げられた原子力規制委員会でございますけれども、改めて、活動原則といったようなものの中に効率性あるいは首尾一貫性を取り込むべきではないか。
そして、どのような機関であっても、やはり相互にチェック機関、チェックを受けるといったようなことがなければ独善に陥ってしまう、こういった考えから、原子力委員会なのか国会なのか、これはいろいろな考え方があるかと思いますけれども、チェックを相互的に受けるというようなことが必要ではないかということを集約させていただきましたのが次の図二でございます。こちらの図につきましては、私の私案でございますので、後で御覧をいただければというふうに思います。
私からの意見陳述はこちらで終わらせていただきます。
御清聴いただきまして、ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →今日は、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、早速意見陳述に入らせていただきます。
まず、原子力規制行政の在り方を議論する上で、原子力規制行政の役割を考えてみたいというふうに思います。
お配りしておりますペーパーの一というところに書いてございますけれども、これは原子力にかかわらず、一般的に、規制行政というものは、技術利用に伴う、全ての技術には利用に伴ってリスクがあるわけでございますけれども、そうした潜在的危険性というものが顕在化をする確率を最小化する、また、仮に顕在化した場合でも被害を最小限に抑えるための措置を講じ、その技術が社会にもたらす便益を最大化することに貢献すること、これを目的にしているというふうに理解をされます。
原子力につきましては、原子力災害の特殊性から、事前予防、安全規制といったようなところと事後救済の制度、これの整備が特に重要な技術というふうに考えられます。
一般的に、技術の利用につきましては、施設の安全性の責任というのは事業者が一義的に負うということでございます。では、それに当たって原子力規制行政というのはどんな役割を果たすのかといえば、施設の運転に際しての安全に関する必要条件、これを提示をすること、そして、その条件に適合しているかどうかの審査を行うということ、これが役割として求められることでございます。
原子力規制は、国民、立地地域の住民からの原子力技術に対する信頼、これを大きく左右するものでございます。私の著書から、原子力に対する安心というのは、つまるところ、安全をつかさどる者への信頼感に尽きると書かせていただいておりますけれども、これまでのところ、少ないとはいえ、我が国で、福島事故後、再稼働というようなものを始めた原子力発電所、こういったものが数基出てきているということは、これは、原子力規制委員会、規制庁の皆様が非常に厳しい審査を行っているという信頼が国民からあり、そして、加えて申し上げれば、事故、トラブル等なく再稼働した炉が運転されているといったようなところかと思います。
もう一つ、原子力規制というのは、原子力事業の事業性にも当然影響を及ぼします。原子力発電というのは、燃料コストはほとんどかからないものの、発電及び廃炉、こういったものの費用、これらの大宗が固定費といったような性質を持っております。損益分岐点となる設備稼働率は約七〇%ぐらい、これは非常に雑駁な仮定を置いて計算をしたものでございますけれども、高い稼働率、安定的な運転というようなこと、これを満たすことによって初めて大量で安定的、安価な電気を生む技術として存在する、貢献することができるというものでございます。
そういった特徴を持つということを踏まえてこの原子力規制行政ということについて考える必要があるというところでございます。
次の、二に書かせていただいておりますけれども、日米の原子力行政、これに対する相違点から見る我が国の課題というところを申し述べたいというふうに思います。
なぜ日米を比較するのかといったようなところでございますけれども、国際的な核物質の管理の必要性、あるいは、各国の政策や安全規制の影響を強く受けること、もう一つ、大規模な投資を必要とすることから、原子力というのは、資金調達コスト、これを圧縮しないとプロジェクトとして非常に成立しづらいというような、こういった特徴がございまして、そのためにはやはり国が後ろにいるということが重要であったために、多くの国では、原子力事業というのは国営体制の下、発展をしてまいりましたが、日米というのは、事業創成期から民間、民営体制を取ってまいりました。
ただ、両者の原子力規制行政には黎明期から差があり、福島原子力発電所事故後、特に差が拡大したというふうに認識をしております。
日米の原子力基本法及び関連の法制、これを読み比べてみますと、大きく二つの特徴があるというふうに思います。
一つは、米国では、具体的に政府の行うべきプログラムが書かれているというようなこと、もう一つは、これは原子力に限らずでございますけれども、米国は、連邦行政機関の規制的活動全般に対して費用便益分析といったようなものが要求されるというようなところでございます。
原子力のまずプログラム化といったようなところでございますけれども、米国では、それまで軍事技術として発展をしてきた原子力技術、これを民間が利用することを促していく、要は原子力発電を導入していくということに国が方針転換をした際に、民間事業に参画を促した。その際に、民間事業者からは、技術開発、そして何かあったときの事故、そうしたときには国が必ず責任を持ってくれるということでなければ参画できないというような、ある意味、明確な意思表示が米国ではなされたというようなところ。
こういったところに比べて、我が国では、国策として推進されることへの強い信頼があったということと、電力事業者も規模が大きかったというようなところもあって、ある意味、非常に積極的な姿勢を民間事業者が見せたということが、当時の東京電力あるいは関西電力に勤めていた方の著書からもうかがうということができます。
こうしたところから、プログラムについての部分でございますけれども、国の関与というところについてでございますが、導き出される課題として、国の関与の曖昧さを残して、これまでは、本来民間事業者が取り得るリスクを超えた民営体制が確立をされてきた、その下で発展してきたというふうに我が国の原子力事業は言うことができると思います。それが、福島事故後に行われました電力システム改革、いわゆる電力自由化によって、そのリスクを取り切るということが難しい状況になっているというところでございます。
これは本日の主要テーマではございませんけれども、一方で、原子力規制の在り方の中においても、自由化に対する変化に対して、抜けや漏れがないかというようなことを改めて確認をする必要が出るということを意味しております。
もう一つ、日米との違いという中で申し上げると、米国の連邦行政機関の規制的な活動には費用便益分析を要求するということ、これは非常に歴史が、古くから行われているところでございます。
要は、新しい規制を導入するときには、その規制によって国民が受けるメリット、これが規制に対応するために必要とするコストよりも大きくなければその規制は入れてはいけないという考え方、これが一般的に取られているというところでございますし、それが原子力規制においても例外ではなく適用されるというところになってございます。
我が国の原子力規制を、そういった米国の方針、これを踏まえた上で概観をいたしますと、我が国の原子力規制委員会、こちらの行動原則、活動原則の中では、米国の規制委員会、これをなぞらえるような形で活動原則が定められているんですけれども、あえて効率性の原則というのが除外をされております。
安全性の向上を目指した対策を取ったとしても、取り続けたとしても、あるところ以降は、不確かさが大きくなり過ぎたり、あるいはかえって逆効果になるということすら起こり得る、こういった領域においてむやみに多くの資源を投じるというようなこと、これを、若干批判的な言葉として、「滑稽な安全の姿」というふうに私を含む二名の先生方との共著の中で書かせていただきましたが、やはり効率性の原則というのは必要な考え方であろうというふうに認識をしております。
日米の原子力発電関係の事業者あるいは規制機関、こういったものがどのように異なるのか、非常に似てはいるんですけれども異なるということを図解をさせていただいたのがその下に置いております図でございます。
こちらはちょっと細かくなってしまいましたので、後でゆっくり御覧いただければと思いますけれども、非常に似ているんだけれども異なるという点が、例えば、原子力規制あるいは原子力政策、エネルギー政策というものに対する議会のチェック、こういったものが機能しているかといったようなこと、あるいは、事業者代表の組織が、事業者が安全を考える代表機関として規制と綿密なコミュニケーションを取っているか。よい規制というのは、規制機関だけがつくるというものではなくて、やはりその技術を使う人たちとの綿密なコミュニケーションによって成り立つということだとすると、そういったものが成り立っているかというようなところ、ここを書かせていただいているところでございます。
おめくりいただきまして、三ページ目でございますけれども、こういった視点を踏まえまして、我が国の原子力規制行政改善に向けて必要な視点というようなことで申し述べたいと思います。
原子力エネルギーを持続的に利用することの価値は小さいものではないわけですが、一方で、安全の規制というようなところは非常に重要であるというのは先ほどの山口参考人も述べられたところかと思います。
適切なリスク管理と政策的意思、社会の理解に支えられて初めて原子力というのは役割を果たすということが可能になるわけですが、そうした中で、懸念をされる規制機関の方の御発言としてちょっと引用させていただいております。
審査ガイドよりも個々の審査官の判断の方が上位である。あるいは、審査というのはいつでも誰でもどの時点からでもひっくり返せる仕組みが大事、あらゆるメンバーがちゃぶ台返しができることが大事。あるいは、規制の立場では審査において制約条件が課されていない。
これは、安全最優先という点では同意をする向きもあろうかとは思うんですが、行政は憲法によって制約をされるのではないかといった根本的な原則、あるいは、ひっくり返るちゃぶ台の上で継続的な安全性向上を考えることができるかといった本質的な問題といったような課題がここからうかがえるというふうに思います。
こうした点で、必要なこととしまして、適切なチェックと健全な批判。行政機関としての当然有するべき規制の効率性や首尾一貫性について、やはり規制機関としてチェックを受けるという体制整備、あるいは判断根拠の明示化、明文化といったようなところを徹底する。
あるいは、積極的な外部の知見の取り入れや関係者とのコミュニケーション。独立性というのは孤立性を意味するものではないということの徹底、そしてもう一つ申し上げたいのが、国民、立地地域住民ともう少しコミュニケーションを取るというようなこと。米国のNRCでは、立地計画や、あるいは原子力防災についてもNRCが積極的に関与をしているというところがございます。
三点目が、継続的改善に向けたシステムデザインということでございます。特に、規制基準を満たすことはゴールではないというのが今の一般的な認識でございます。そこをむしろスタートとして、事業者が自主的安全性向上に取り組み続ける、こういったことができる、機能するシステムを設計する必要がございます。
ただ、その中で、自由化された市場においてコスト競争を求めるという制度と自主的安全性向上といったようなものを同時に求めるには、やはり社会として、どこがゴールだと、安全目標といったような議論が非常に重要になってまいります。そういった議論において、原子力規制委員会に期待される役割、社会とのコミュニケーション等においても期待される役割というのは非常に大きいというふうに理解をしております。
具体的に求められる措置としまして、三点列記をさせていただきました。これは、全て、これがなければといったようなところを申し上げたというよりは、これを基に議論をしていただく、させていただくということが重要であろうと思います。
まずは、我が国にとっての原子力技術の意義を原子力基本法で改めて議論をする、それにひもづいて原子炉等規制法というようなものが運営されるように、行う。
規制行政として、福島事故後、急遽立ち上げられた原子力規制委員会でございますけれども、改めて、活動原則といったようなものの中に効率性あるいは首尾一貫性を取り込むべきではないか。
そして、どのような機関であっても、やはり相互にチェック機関、チェックを受けるといったようなことがなければ独善に陥ってしまう、こういった考えから、原子力委員会なのか国会なのか、これはいろいろな考え方があるかと思いますけれども、チェックを相互的に受けるというようなことが必要ではないかということを集約させていただきましたのが次の図二でございます。こちらの図につきましては、私の私案でございますので、後で御覧をいただければというふうに思います。
私からの意見陳述はこちらで終わらせていただきます。
御清聴いただきまして、ありがとうございました。拍手
赤
木
木村真三#9
○木村参考人 それでは、お話しさせていただきます。
まず、原子力規制委員会の適格性について、皆さん、論じたいと思います。
原子力規制委員会及び原子力規制庁の立ち位置が、原発は経済活動に必要というもの、つまり、原発をスムーズに稼働させることを当然の前提としている機関であるということです。米国のNRCも同じ立ち位置です。
実際、規制委員会の履歴を見ていけば、原発を積極的に推進してきた委員が多数を占めており、これまでの新規制基準の下での適格性審査や老朽原発の延長申請について、全て、適合、適格で許可を与えてきたことからも分かります。電力会社は、原子力規制委員会に申し出ればその望みの結果が得られるとたかをくくっていることは確かです。
その意味で、原子力規制委員会の原発の適格性審査に対する中立性や市民性を満たしているかどうか、その適格性には大いに疑問が残ります。原発は必要であるとして、稼働させるための審査であって、稼働させない審査ではないというのが現状でございます。
続きまして、規制委員会の検証審査機関の必要性というところを論じてまいります。
原子力規制委員会は、準立法、準行政、準司法機関としての位置づけであり、立法権、行政権、司法権の行使において瑕疵がないかを審査する機関が必要です。つまり、規制委員会が行った決定の当否、それによる権力行使の正邪、第三者として下す判断の誤りなどについては、監視、審査、勧告を与える検証審査機関を備えねば、独走しても歯止めが利かなくなるという可能性がございます。
こういった点から申し上げて、実際に規制委員会自体としての独立性というものを踏まえた上で、きちんとした第三者機関がそれが正しいかどうかを考えていくということが重要になろうかと思います。
こういったことを前提に置いて、これから申し上げます問題というのを原子力規制委員会ではこれまでほとんど検討されてこられませんでした。現場に即して具体的に俎上に上げてもらいたいと思います。
まず一つは、福島第一原子力発電所事故において、福島では、除染によって線量が下がったというのはもちろんございます。それは、農地と宅地の一部。
森林は、ウェザリング効果と呼ばれる、気象現象を含めて、効果で下がってまいりました。それはほとんど、特に、ここで申し上げますのは、ウェザリング効果としての森林の部分です。それは、短寿命核種と呼ばれる放射性物質、非常に線量が高かったものが一気に下がっていく現象、そこを取り込んでしまえば明らかに事故当初からいえば低くなっていますが、半減期が比較的長いセシウム134、また、半減期が三十年というセシウム137においては、それでは説明がつきません。
なぜならば、これは植物の三大栄養素と呼ばれる窒素、リン酸、カリ、そのカリウムの同族元素としてセシウムが存在します。このセシウムとカリウムの植物は見分けがつきません。そのため、栄養素としてセシウムを吸収、濃縮していくということになります。その結果として、成長点に集まって、それが落葉や落実となって地表面に落ちていく、放射性物質が森林の場合では常に地表面に蓄積されているということになってしまいます。
次のページをお願いします。
こういったことが実際には森林の中で行われていますし、中山間地域、福島県は約七割の山間部になっております、そういったところでは除染の効果というのは非常に限定的であるということです。こういったような、除染によっての劇的な線量の低下というのは考えにくいものです。実際、チョルノービリでも同じようなことが言われております。
続きまして、甲状腺がんについてちょっとお話をさせていただきたいと思います。
こちらに述べる、ベラルーシ共和国ブレスト州における甲状腺がんの推移というグラフがございます。
その前に、ベラルーシ共和国というところでチェルノブイリとの位置関係を見ていただきますと、お分かりにもなりますように、ブレスト州というのは、汚染の比較的強い部分から弱い部分、ほとんどないというところまでを含んでいる状況です。これはヨウ素131という半減期が僅か八日間という非常に短い半減期のものの汚染地図でございますが、こうした汚染の中で暮らす人々の中に、以下のような甲状腺がんの推移というものが見えてまいります。
この甲状腺検査というのは、チェルノブイリの原発事故前から行われております。それは、ベラルーシ共和国というのは内陸性であって、大きな、海もなく、河川のみしか存在しませんので、ヨウ素の欠乏が見受けられる、ヨウ素欠乏症ぎみの地域であるということがございます。そういった観点から、甲状腺疾患を抱えた国民が非常に多うございまして、それに対しての検査ということで、新生児からの検査を行っております。
その結果として、事故前から見ていってもお分かりのように、事故から数年たってから子供の甲状腺がんが出てくるということになっています。その子供の甲状腺がんが徐々に増えていくところで、ベラルーシと米国との協定によって甲状腺検査が更に進められた結果、急激な上昇が見られるようになりました。
このように、時間を経過していくと、小児から、こちらにお示ししておりますように、思春期の甲状腺がん出現者が増えてまいり、最終的には大人へ移行します。
実際、二〇〇二年からは、このブレスト州では、移動検診車によって、穿刺吸引細胞診といって、疑わしい部分の、甲状腺部位にあるがんとおぼしき部分に対して針を刺して細胞診を行うということをしてまいりました。その結果、思春期から、さらには大人の人たちへの甲状腺がんが非常に増えてきていることが明らかとなりました。
実際に、事故から三十年たった二〇一六年には二百六十三人、翌年、二〇一七年には三百十人というふうに、現在も甲状腺がんの出現者が増えてまいります。
このように、原発事故というものは長期にわたる影響があるということを、皆さん、御理解していただきたいと思います。
続きまして、三枚目の記事なんですが、原発へのミサイル攻撃というふうなタイトルにしておりますが、実は、皆さん、日本では報じられていない情報です。これは、私もネット検索でいろいろ探したんですが、一切出てきません。
ちなみに、私のところには、今年の四月五日に政府専用機で来日したウクライナの避難民を私が預かっております。その避難民から直接私のところに、今日こういう話をするんだという話をしたところ、六月五日の情報を知っているかという話を言われるので、私は知りませんということになると、その方から実際に情報を、これはウクライナ語で書いてあるんですが、二〇二二年六月五日午前五時半、ユジノウクラインスカ原発の上空をロシアから発射されたミサイルが超低空で飛行し、原子力災害や河川の放射能汚染を引き起こす可能性があったという記事が報じられており、それはアメリカの三大ネットワークであるCNNも大々的に報じました。
こういったことが、日本の中での情報の中で埋もれてしまい、出されていない。こういう危機感を、じゃ、誰がどう判断していくのかというところの問題点というのは十分考えないといけません。
原子力規制委員会は、本来、環境と人体への影響を議論すべきところでありますが、そういったところよりも、技術的な部分しか述べておりません。こういったような状況の中で安心して暮らせる世の中を構築していくためには、きちんとした情報を入手し、かつ、それを判断していく機関としても動かなくてはいけないと私は思います。
原発事故が起きた場合、実際、その影響というのは十年や二十年では収まり切れない常識があります。それにもかかわらず、僅か十年という形で東京電力福島第一原子力発電所事故は矮小化されました。影響はほとんどないという原子放射線に関する国連科学委員会の報告をうのみにすることなく、長期的影響を考えていかないといけないというのは、私が示したベラルーシの現状を見ていただくとお分かりと思います。
まして、ウクライナへのロシアの侵攻により、原子炉への攻撃が起こる可能性が出てきました昨今、地震、火山などの自然災害にとどまらず、こうした議論をし、その安全性を議論すべきではないでしょうか。
また、自然災害や戦争、テロリズムによる重大事故に対し、原子力規制委員会は、国際原子力機関が採用している深層防護、第一層から第五層の考えでいえば、第五層に当たる避難計画を適合性審査の対象に組み入れていないということも重要です。こうした議論を原子力規制委員会は真摯に受け止め、国民の安全を守るための議論をするように強く求めます。
以上です。拍手
この発言だけを見る →まず、原子力規制委員会の適格性について、皆さん、論じたいと思います。
原子力規制委員会及び原子力規制庁の立ち位置が、原発は経済活動に必要というもの、つまり、原発をスムーズに稼働させることを当然の前提としている機関であるということです。米国のNRCも同じ立ち位置です。
実際、規制委員会の履歴を見ていけば、原発を積極的に推進してきた委員が多数を占めており、これまでの新規制基準の下での適格性審査や老朽原発の延長申請について、全て、適合、適格で許可を与えてきたことからも分かります。電力会社は、原子力規制委員会に申し出ればその望みの結果が得られるとたかをくくっていることは確かです。
その意味で、原子力規制委員会の原発の適格性審査に対する中立性や市民性を満たしているかどうか、その適格性には大いに疑問が残ります。原発は必要であるとして、稼働させるための審査であって、稼働させない審査ではないというのが現状でございます。
続きまして、規制委員会の検証審査機関の必要性というところを論じてまいります。
原子力規制委員会は、準立法、準行政、準司法機関としての位置づけであり、立法権、行政権、司法権の行使において瑕疵がないかを審査する機関が必要です。つまり、規制委員会が行った決定の当否、それによる権力行使の正邪、第三者として下す判断の誤りなどについては、監視、審査、勧告を与える検証審査機関を備えねば、独走しても歯止めが利かなくなるという可能性がございます。
こういった点から申し上げて、実際に規制委員会自体としての独立性というものを踏まえた上で、きちんとした第三者機関がそれが正しいかどうかを考えていくということが重要になろうかと思います。
こういったことを前提に置いて、これから申し上げます問題というのを原子力規制委員会ではこれまでほとんど検討されてこられませんでした。現場に即して具体的に俎上に上げてもらいたいと思います。
まず一つは、福島第一原子力発電所事故において、福島では、除染によって線量が下がったというのはもちろんございます。それは、農地と宅地の一部。
森林は、ウェザリング効果と呼ばれる、気象現象を含めて、効果で下がってまいりました。それはほとんど、特に、ここで申し上げますのは、ウェザリング効果としての森林の部分です。それは、短寿命核種と呼ばれる放射性物質、非常に線量が高かったものが一気に下がっていく現象、そこを取り込んでしまえば明らかに事故当初からいえば低くなっていますが、半減期が比較的長いセシウム134、また、半減期が三十年というセシウム137においては、それでは説明がつきません。
なぜならば、これは植物の三大栄養素と呼ばれる窒素、リン酸、カリ、そのカリウムの同族元素としてセシウムが存在します。このセシウムとカリウムの植物は見分けがつきません。そのため、栄養素としてセシウムを吸収、濃縮していくということになります。その結果として、成長点に集まって、それが落葉や落実となって地表面に落ちていく、放射性物質が森林の場合では常に地表面に蓄積されているということになってしまいます。
次のページをお願いします。
こういったことが実際には森林の中で行われていますし、中山間地域、福島県は約七割の山間部になっております、そういったところでは除染の効果というのは非常に限定的であるということです。こういったような、除染によっての劇的な線量の低下というのは考えにくいものです。実際、チョルノービリでも同じようなことが言われております。
続きまして、甲状腺がんについてちょっとお話をさせていただきたいと思います。
こちらに述べる、ベラルーシ共和国ブレスト州における甲状腺がんの推移というグラフがございます。
その前に、ベラルーシ共和国というところでチェルノブイリとの位置関係を見ていただきますと、お分かりにもなりますように、ブレスト州というのは、汚染の比較的強い部分から弱い部分、ほとんどないというところまでを含んでいる状況です。これはヨウ素131という半減期が僅か八日間という非常に短い半減期のものの汚染地図でございますが、こうした汚染の中で暮らす人々の中に、以下のような甲状腺がんの推移というものが見えてまいります。
この甲状腺検査というのは、チェルノブイリの原発事故前から行われております。それは、ベラルーシ共和国というのは内陸性であって、大きな、海もなく、河川のみしか存在しませんので、ヨウ素の欠乏が見受けられる、ヨウ素欠乏症ぎみの地域であるということがございます。そういった観点から、甲状腺疾患を抱えた国民が非常に多うございまして、それに対しての検査ということで、新生児からの検査を行っております。
その結果として、事故前から見ていってもお分かりのように、事故から数年たってから子供の甲状腺がんが出てくるということになっています。その子供の甲状腺がんが徐々に増えていくところで、ベラルーシと米国との協定によって甲状腺検査が更に進められた結果、急激な上昇が見られるようになりました。
このように、時間を経過していくと、小児から、こちらにお示ししておりますように、思春期の甲状腺がん出現者が増えてまいり、最終的には大人へ移行します。
実際、二〇〇二年からは、このブレスト州では、移動検診車によって、穿刺吸引細胞診といって、疑わしい部分の、甲状腺部位にあるがんとおぼしき部分に対して針を刺して細胞診を行うということをしてまいりました。その結果、思春期から、さらには大人の人たちへの甲状腺がんが非常に増えてきていることが明らかとなりました。
実際に、事故から三十年たった二〇一六年には二百六十三人、翌年、二〇一七年には三百十人というふうに、現在も甲状腺がんの出現者が増えてまいります。
このように、原発事故というものは長期にわたる影響があるということを、皆さん、御理解していただきたいと思います。
続きまして、三枚目の記事なんですが、原発へのミサイル攻撃というふうなタイトルにしておりますが、実は、皆さん、日本では報じられていない情報です。これは、私もネット検索でいろいろ探したんですが、一切出てきません。
ちなみに、私のところには、今年の四月五日に政府専用機で来日したウクライナの避難民を私が預かっております。その避難民から直接私のところに、今日こういう話をするんだという話をしたところ、六月五日の情報を知っているかという話を言われるので、私は知りませんということになると、その方から実際に情報を、これはウクライナ語で書いてあるんですが、二〇二二年六月五日午前五時半、ユジノウクラインスカ原発の上空をロシアから発射されたミサイルが超低空で飛行し、原子力災害や河川の放射能汚染を引き起こす可能性があったという記事が報じられており、それはアメリカの三大ネットワークであるCNNも大々的に報じました。
こういったことが、日本の中での情報の中で埋もれてしまい、出されていない。こういう危機感を、じゃ、誰がどう判断していくのかというところの問題点というのは十分考えないといけません。
原子力規制委員会は、本来、環境と人体への影響を議論すべきところでありますが、そういったところよりも、技術的な部分しか述べておりません。こういったような状況の中で安心して暮らせる世の中を構築していくためには、きちんとした情報を入手し、かつ、それを判断していく機関としても動かなくてはいけないと私は思います。
原発事故が起きた場合、実際、その影響というのは十年や二十年では収まり切れない常識があります。それにもかかわらず、僅か十年という形で東京電力福島第一原子力発電所事故は矮小化されました。影響はほとんどないという原子放射線に関する国連科学委員会の報告をうのみにすることなく、長期的影響を考えていかないといけないというのは、私が示したベラルーシの現状を見ていただくとお分かりと思います。
まして、ウクライナへのロシアの侵攻により、原子炉への攻撃が起こる可能性が出てきました昨今、地震、火山などの自然災害にとどまらず、こうした議論をし、その安全性を議論すべきではないでしょうか。
また、自然災害や戦争、テロリズムによる重大事故に対し、原子力規制委員会は、国際原子力機関が採用している深層防護、第一層から第五層の考えでいえば、第五層に当たる避難計画を適合性審査の対象に組み入れていないということも重要です。こうした議論を原子力規制委員会は真摯に受け止め、国民の安全を守るための議論をするように強く求めます。
以上です。拍手
赤
大
大島堅一#11
○大島参考人 龍谷大学の大島と申します。
本日は、貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
二枚目を御覧ください。
本日は、原子力発電をめぐる諸課題を踏まえつつ、原子力規制行政に関する意見を四点述べさせていただきます。
まず、三ページ目、原発事故処理、廃炉について述べさせていただきます。
二〇二二年で東京電力福島第一原子力発電所事故から十一年がたちました。周辺はいまだに放射性物質で汚染されている地域が広がっています。いまだに多くの人が避難を強いられています。福島には原発事故の影響が色濃く残っています。また、福島第一原子力発電所そのものの処理、廃炉、後始末の課題が残されています。
事故を起こした原発そのものの処理の基礎となっているものは、廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚会議が二〇一九年に策定した東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所一から四号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ、いわゆる中長期ロードマップです。
ところが、この中長期ロードマップに関しては重大な問題があります。それは、ステップ2完了、すなわち二〇一一年十二月を起点にして、三十から四十年で廃止措置を完了するとしている点です。
一F廃炉に対し、原子力規制委員会は、特定原子力施設監視・評価検討会で、東京電力が行っている様々な廃止措置の取組を評価、検討しています。ところが、原子力規制委員会は、東京電力が行う作業の大本になっている中長期ロードマップそのものについては評価、検討を行っておりません。
現実的に考えれば、三十から四十年、残り十九年から二十九年で廃炉するということは不可能です。むしろ、無理なスケジュールをそのままにしていることが様々な問題を引き起こしているというふうに考えます。
廃炉に要する期間について、ごく簡単に申し上げます。
早稲田大学の松岡俊二教授は、昨年、二〇二一年に、一F廃炉についての論文を発表しています。この論文では、スリーマイル島原発事故を参考に、一Fの燃料デブリを取り出すのに要する時間を推計しています。推計の結果、燃料デブリの取り出しのみで、甘く見て六十八年、厳しく見て百七十年かかるとしています。この期間は、燃料デブリの取り出しにのみ要する期間です。膨大に発生する放射性廃棄物の処理処分は検討の対象外となっています。つまり、三十から四十年で廃炉するという中長期ロードマップは、もはや実現性のないものとなっております。
費用面でも重大な問題が生じています。
四枚目のスライドを御覧ください。
東京電力は、燃料デブリの本格取り出しまでに一兆三千七百億円かかると発表しています。表にありますように、二号機の試験的取り出しと二号機での若干の規模拡大のみで一兆三千七百億円となっています。デブリ取り出しの規模の更なる拡大は、想定困難とされています。つまり、燃料デブリの取り出し費用は現時点で予測不可能というふうになっているわけです。
もちろん、費用面以外の問題もあります。高線量の下での作業となりますので、被曝労働の増大や放射性物質拡散のリスクは払拭できません。また、膨大な放射性廃棄物の処分方法や、行き先が決まらないという状況もあります。一Fの安全な処理を進めるためには、まずは、中長期ロードマップそのものの見直し、再評価を行うべきです。
私が座長をしております原子力市民委員会では、まずは、福島第一原子力発電所の安定化のために外構シールドを設置することを提唱しております。資料を配付しておりますので、是非後ほど御検討いただきますようよろしくお願いいたします。
二点目、原子力規制委員会の独立性と不偏性について述べさせていただきます。
五ページ目を御覧ください。
原子力規制委員会設置法が可決、成立して今月で十年となります。改めて、原子力規制委員会の独立性と不偏性が確保され、更に発展させる必要があると考えます。
まず、何について、何からの独立性かという点について絞って強調したいと思います。
原子力規制委員会は、御承知のように、三条機関であります。つまり、原子力規制委員会に求められる独立性とは、専門的知見に基づく職権行為について、他の行政機関、大臣から指揮監督を受けないということです。
加えて、国会事故調査報告書でも指摘されましたとおり、福島原発事故の原因となった規制のとりこに陥らないためにも、規制と利用推進が分離されていることが独立性の観点から極めて重要です。これは、原子力に関する安全を確保する上で極めて重要です。政治やその他の行政機関からの不当な圧力や要求に原子力規制委員会は応じてはなりません。また、政治やそのほかの行政機関においても、利用推進の観点から原子力規制の在り方にあれこれ要求するべきではないと考えます。
六ページ目を御覧ください。
一方、国会は国権の最高機関です。そこで、国会としては、何より、原子力規制委員会の目的である原発事故防止、安全性の確保の取組について厳重なチェックを行っていただきたいと考えております。
加えて、独立性とともに、不偏性もまた原子力規制委員会には求められると考えます。不偏性は、単に制度があるだけではなく、運用面での改善により、日々向上させていくべきです。例えば、独立性や不偏性を担保するには、形式的に情報が開示されていたりプロセスが透明であったりするだけでは不十分で、広く一般国民や、原子力事業者とは直接関係のない専門家がチェックし、批判すること、また、原子力規制委員会がこれを受け取り、コミュニケーションを行う場が設定される必要があります。さらに、情報は単に公開、開示されていればよいというわけではなく、独立性、不偏性が外部から確認、チェックできるようにする必要があると考えます。
なお、原子力規制においては安全性が何よりも優先される理由について申し上げます。
一般の産業技術とは異なり、原子力発電は、一旦事故が起きれば、天文学的な被害がもたらされます。これが一般の産業技術とは著しい違いです。人が扱う技術である以上、一〇〇%安全はあり得ないのは当然のことですが、一般の産業技術であれば、事故被害は一〇〇%事故を引き起こした企業が賠償しなければなりません。そのため、一般企業では、事故を起こさないインセンティブが企業に働きます。ところが、原子力発電は、事業者に形式的な損害賠償責任はありますが、実質的には国民がその費用負担をしています。
したがって、原子力発電では、安全を最優先させる経済的インセンティブが事業者にはほとんどありません。取り返しのつかない被害がもたらされる可能性があるにもかかわらず、損害賠償責任は実質的に一部免除されていること、これが決定的な違いです。であるからこそ、原子力においては安全規制が何よりも重視されるというふうに考えます。
これらの点に関しましても、原子力安全の確保の観点から、今後御検討いただきたく思っております。
三点目です。原発の高経年化、つまり老朽化と運転延長について述べます。
七ページ目を御覧ください。
まず、原則ですけれども、原子炉等規制法において原子力発電所の運転期間は四十年とされております。また、原子力規制委員会の認可を受けて、例外的に二十年を超えない期間で一回限り延長することもできるとされております。
最近、六十年運転があたかも容易になってきているかのように政策議論が進められています。本当に六十年運転が世界の当たり前になっているのかということについて見る必要があります。
確かに、アメリカでは、六十年の運転期間について、延長が出ております。ところが、実際には六十年運転を達成した原発は世界では存在しておりません。
例えば、一枚飛ばしまして八ページ目を御覧いただきますと、許可された年数以前に原子力発電所の多くが廃止となっております。つまり、六十年の運転認可があったとしても次々廃炉されていくわけです。
その理由は、ほとんどが、丸に囲まれましたマーケットコンディションズです。簡単に言いますと、原発が経済性を失って競争力を持たなくなったため閉鎖されていくというわけです。
現在アメリカで運転されている最も古い原子力発電所は、七ページに戻りまして、ナインマイルポイント1という原子力発電所です。運転期間は今年で五十三年です。
これらの既設の原発であっても経済性が失われていることが現実なので、運転延長を安易に進めることは経済性の観点からも合理的とは言えません。
最後に、原子力発電と戦争の関係について述べさせていただきます。
九ページ目を御覧ください。
御承知のように、本年二月二十四日にロシアがウクライナに軍事侵攻を開始いたしました。ロシアは、侵攻当初から二つの原子力発電所を攻撃しました。特に重大なのはザポリージャ原発への攻撃でした。
ザポリージャ原発には六基の原子炉があります。ヨーロッパ最大の原子力発電所です。三月四日以降、ロシアの管理下にあり、ウクライナのエネルゴアトム社が二基の原発を運転しております。五月三十一日には、エネルゴアトム社の総裁代理が、核の大惨事につながるおそれがあると警告しています。
十ページ目の図は、ザポリージャ原発が事故を起こした場合、放射性物質がどのように拡散していくか、ウクライナ規制当局が評価した地図です。これに日本地図を重ねますと、その影響の広さが容易に理解できることと思います。
これに加えて、武力攻撃を受けている最中に原発を運転していた事実も重大な事実です。
十二ページを御覧ください。
ウクライナの原発依存度は、二〇二一年に五五%でした。このような高い原発依存度のために、戦争中ですら原発を動かさざるを得ないという危険な状態にあります。
したがって、日本の原子力規制に関して次の二点が指摘できます。
第一点は、日本は沿岸に原発が集中立地しており、武力攻撃を受けた場合の重大事故発生の可能性が否定できません。そのため、早急に、武力攻撃を受けた場合のリスク評価を具体的に行う必要があると考えます。
十一ページに戻っていただきます。
かつて、一九八四年に、日本の外務省の委託で日本国際問題研究所が、原子炉施設に対する攻撃の影響に関する一考察というレポートを発表しております。改めてこのような検討を各原子力発電所について行うべきです。その上で、原子力規制の在り方や原子力利用の在り方について再検討を行うべきと考えます。
第二に、福島原発事故という過酷事故を経験した日本としては、原発依存を続けることのリスクを改めて検討すべきです。SMR、小型炉ですけれども、検討が行われつつありますが、この原発というのは、小型である以上、経済性がないため、大量生産、大量設置ということが前提とされている原子炉です。人の住むところの近傍にSMRが大量に設置されれば、戦闘地域になった場合に非常に大きなリスクとなります。このようなことがウクライナでなくてよかったというふうに私は思っておる次第です。
以上、簡単に四点を御意見申し上げました。
この度は、貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
二枚目を御覧ください。
本日は、原子力発電をめぐる諸課題を踏まえつつ、原子力規制行政に関する意見を四点述べさせていただきます。
まず、三ページ目、原発事故処理、廃炉について述べさせていただきます。
二〇二二年で東京電力福島第一原子力発電所事故から十一年がたちました。周辺はいまだに放射性物質で汚染されている地域が広がっています。いまだに多くの人が避難を強いられています。福島には原発事故の影響が色濃く残っています。また、福島第一原子力発電所そのものの処理、廃炉、後始末の課題が残されています。
事故を起こした原発そのものの処理の基礎となっているものは、廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚会議が二〇一九年に策定した東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所一から四号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ、いわゆる中長期ロードマップです。
ところが、この中長期ロードマップに関しては重大な問題があります。それは、ステップ2完了、すなわち二〇一一年十二月を起点にして、三十から四十年で廃止措置を完了するとしている点です。
一F廃炉に対し、原子力規制委員会は、特定原子力施設監視・評価検討会で、東京電力が行っている様々な廃止措置の取組を評価、検討しています。ところが、原子力規制委員会は、東京電力が行う作業の大本になっている中長期ロードマップそのものについては評価、検討を行っておりません。
現実的に考えれば、三十から四十年、残り十九年から二十九年で廃炉するということは不可能です。むしろ、無理なスケジュールをそのままにしていることが様々な問題を引き起こしているというふうに考えます。
廃炉に要する期間について、ごく簡単に申し上げます。
早稲田大学の松岡俊二教授は、昨年、二〇二一年に、一F廃炉についての論文を発表しています。この論文では、スリーマイル島原発事故を参考に、一Fの燃料デブリを取り出すのに要する時間を推計しています。推計の結果、燃料デブリの取り出しのみで、甘く見て六十八年、厳しく見て百七十年かかるとしています。この期間は、燃料デブリの取り出しにのみ要する期間です。膨大に発生する放射性廃棄物の処理処分は検討の対象外となっています。つまり、三十から四十年で廃炉するという中長期ロードマップは、もはや実現性のないものとなっております。
費用面でも重大な問題が生じています。
四枚目のスライドを御覧ください。
東京電力は、燃料デブリの本格取り出しまでに一兆三千七百億円かかると発表しています。表にありますように、二号機の試験的取り出しと二号機での若干の規模拡大のみで一兆三千七百億円となっています。デブリ取り出しの規模の更なる拡大は、想定困難とされています。つまり、燃料デブリの取り出し費用は現時点で予測不可能というふうになっているわけです。
もちろん、費用面以外の問題もあります。高線量の下での作業となりますので、被曝労働の増大や放射性物質拡散のリスクは払拭できません。また、膨大な放射性廃棄物の処分方法や、行き先が決まらないという状況もあります。一Fの安全な処理を進めるためには、まずは、中長期ロードマップそのものの見直し、再評価を行うべきです。
私が座長をしております原子力市民委員会では、まずは、福島第一原子力発電所の安定化のために外構シールドを設置することを提唱しております。資料を配付しておりますので、是非後ほど御検討いただきますようよろしくお願いいたします。
二点目、原子力規制委員会の独立性と不偏性について述べさせていただきます。
五ページ目を御覧ください。
原子力規制委員会設置法が可決、成立して今月で十年となります。改めて、原子力規制委員会の独立性と不偏性が確保され、更に発展させる必要があると考えます。
まず、何について、何からの独立性かという点について絞って強調したいと思います。
原子力規制委員会は、御承知のように、三条機関であります。つまり、原子力規制委員会に求められる独立性とは、専門的知見に基づく職権行為について、他の行政機関、大臣から指揮監督を受けないということです。
加えて、国会事故調査報告書でも指摘されましたとおり、福島原発事故の原因となった規制のとりこに陥らないためにも、規制と利用推進が分離されていることが独立性の観点から極めて重要です。これは、原子力に関する安全を確保する上で極めて重要です。政治やその他の行政機関からの不当な圧力や要求に原子力規制委員会は応じてはなりません。また、政治やそのほかの行政機関においても、利用推進の観点から原子力規制の在り方にあれこれ要求するべきではないと考えます。
六ページ目を御覧ください。
一方、国会は国権の最高機関です。そこで、国会としては、何より、原子力規制委員会の目的である原発事故防止、安全性の確保の取組について厳重なチェックを行っていただきたいと考えております。
加えて、独立性とともに、不偏性もまた原子力規制委員会には求められると考えます。不偏性は、単に制度があるだけではなく、運用面での改善により、日々向上させていくべきです。例えば、独立性や不偏性を担保するには、形式的に情報が開示されていたりプロセスが透明であったりするだけでは不十分で、広く一般国民や、原子力事業者とは直接関係のない専門家がチェックし、批判すること、また、原子力規制委員会がこれを受け取り、コミュニケーションを行う場が設定される必要があります。さらに、情報は単に公開、開示されていればよいというわけではなく、独立性、不偏性が外部から確認、チェックできるようにする必要があると考えます。
なお、原子力規制においては安全性が何よりも優先される理由について申し上げます。
一般の産業技術とは異なり、原子力発電は、一旦事故が起きれば、天文学的な被害がもたらされます。これが一般の産業技術とは著しい違いです。人が扱う技術である以上、一〇〇%安全はあり得ないのは当然のことですが、一般の産業技術であれば、事故被害は一〇〇%事故を引き起こした企業が賠償しなければなりません。そのため、一般企業では、事故を起こさないインセンティブが企業に働きます。ところが、原子力発電は、事業者に形式的な損害賠償責任はありますが、実質的には国民がその費用負担をしています。
したがって、原子力発電では、安全を最優先させる経済的インセンティブが事業者にはほとんどありません。取り返しのつかない被害がもたらされる可能性があるにもかかわらず、損害賠償責任は実質的に一部免除されていること、これが決定的な違いです。であるからこそ、原子力においては安全規制が何よりも重視されるというふうに考えます。
これらの点に関しましても、原子力安全の確保の観点から、今後御検討いただきたく思っております。
三点目です。原発の高経年化、つまり老朽化と運転延長について述べます。
七ページ目を御覧ください。
まず、原則ですけれども、原子炉等規制法において原子力発電所の運転期間は四十年とされております。また、原子力規制委員会の認可を受けて、例外的に二十年を超えない期間で一回限り延長することもできるとされております。
最近、六十年運転があたかも容易になってきているかのように政策議論が進められています。本当に六十年運転が世界の当たり前になっているのかということについて見る必要があります。
確かに、アメリカでは、六十年の運転期間について、延長が出ております。ところが、実際には六十年運転を達成した原発は世界では存在しておりません。
例えば、一枚飛ばしまして八ページ目を御覧いただきますと、許可された年数以前に原子力発電所の多くが廃止となっております。つまり、六十年の運転認可があったとしても次々廃炉されていくわけです。
その理由は、ほとんどが、丸に囲まれましたマーケットコンディションズです。簡単に言いますと、原発が経済性を失って競争力を持たなくなったため閉鎖されていくというわけです。
現在アメリカで運転されている最も古い原子力発電所は、七ページに戻りまして、ナインマイルポイント1という原子力発電所です。運転期間は今年で五十三年です。
これらの既設の原発であっても経済性が失われていることが現実なので、運転延長を安易に進めることは経済性の観点からも合理的とは言えません。
最後に、原子力発電と戦争の関係について述べさせていただきます。
九ページ目を御覧ください。
御承知のように、本年二月二十四日にロシアがウクライナに軍事侵攻を開始いたしました。ロシアは、侵攻当初から二つの原子力発電所を攻撃しました。特に重大なのはザポリージャ原発への攻撃でした。
ザポリージャ原発には六基の原子炉があります。ヨーロッパ最大の原子力発電所です。三月四日以降、ロシアの管理下にあり、ウクライナのエネルゴアトム社が二基の原発を運転しております。五月三十一日には、エネルゴアトム社の総裁代理が、核の大惨事につながるおそれがあると警告しています。
十ページ目の図は、ザポリージャ原発が事故を起こした場合、放射性物質がどのように拡散していくか、ウクライナ規制当局が評価した地図です。これに日本地図を重ねますと、その影響の広さが容易に理解できることと思います。
これに加えて、武力攻撃を受けている最中に原発を運転していた事実も重大な事実です。
十二ページを御覧ください。
ウクライナの原発依存度は、二〇二一年に五五%でした。このような高い原発依存度のために、戦争中ですら原発を動かさざるを得ないという危険な状態にあります。
したがって、日本の原子力規制に関して次の二点が指摘できます。
第一点は、日本は沿岸に原発が集中立地しており、武力攻撃を受けた場合の重大事故発生の可能性が否定できません。そのため、早急に、武力攻撃を受けた場合のリスク評価を具体的に行う必要があると考えます。
十一ページに戻っていただきます。
かつて、一九八四年に、日本の外務省の委託で日本国際問題研究所が、原子炉施設に対する攻撃の影響に関する一考察というレポートを発表しております。改めてこのような検討を各原子力発電所について行うべきです。その上で、原子力規制の在り方や原子力利用の在り方について再検討を行うべきと考えます。
第二に、福島原発事故という過酷事故を経験した日本としては、原発依存を続けることのリスクを改めて検討すべきです。SMR、小型炉ですけれども、検討が行われつつありますが、この原発というのは、小型である以上、経済性がないため、大量生産、大量設置ということが前提とされている原子炉です。人の住むところの近傍にSMRが大量に設置されれば、戦闘地域になった場合に非常に大きなリスクとなります。このようなことがウクライナでなくてよかったというふうに私は思っておる次第です。
以上、簡単に四点を御意見申し上げました。
この度は、貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございました。拍手
赤
赤
神
神田憲次#14
○神田(憲)委員 おはようございます。自由民主党の神田憲次でございます。
今日は、こうして四名の先生方に大変貴重な時間にもかかわらずお越しいただきましたことに、まずもって感謝申し上げます。ありがとうございます。
早速、私の持ち時間二十分ですので、質疑に入らせていただきます。
本年三月二十二日には、電力需給が逼迫しまして、東北と首都圏では停電寸前までに至りました。昨日には、この夏及び冬、国が、電力の需給逼迫についての節電のお願いがございました。さらには、ロシア軍のウクライナへの侵攻なんですが、エネルギー価格の高騰という形で影響が広がりまして、資源エネルギーの安定供給が最優先であること、この点を改めて示したわけです。
こうした事態に備えて、エネルギーの安定供給のためにバランスの取れた現実的な電源構成が求められると考えるわけですが、その上で、岸田総理大臣も、エネルギーの安定的な供給の確保のために、原子力規制委員会の審査体制の効率という観点、この点を図りながら、新しい規制基準に適合すると認められた原発は可能な限り活用していきたいという意向を示しておられます。
しかしながら、実際のところ、原子力発電所の適合審査が長期化しておりまして、これまで、十七基に対して設置変更許可がなされているものの、原子力規制委員会において審査中が十基となっております。
審査体制の効率化それから合理化を図る必要性について、山口参考人と竹内参考人の御見解をお伺いしたいと存じます。
この発言だけを見る →今日は、こうして四名の先生方に大変貴重な時間にもかかわらずお越しいただきましたことに、まずもって感謝申し上げます。ありがとうございます。
早速、私の持ち時間二十分ですので、質疑に入らせていただきます。
本年三月二十二日には、電力需給が逼迫しまして、東北と首都圏では停電寸前までに至りました。昨日には、この夏及び冬、国が、電力の需給逼迫についての節電のお願いがございました。さらには、ロシア軍のウクライナへの侵攻なんですが、エネルギー価格の高騰という形で影響が広がりまして、資源エネルギーの安定供給が最優先であること、この点を改めて示したわけです。
こうした事態に備えて、エネルギーの安定供給のためにバランスの取れた現実的な電源構成が求められると考えるわけですが、その上で、岸田総理大臣も、エネルギーの安定的な供給の確保のために、原子力規制委員会の審査体制の効率という観点、この点を図りながら、新しい規制基準に適合すると認められた原発は可能な限り活用していきたいという意向を示しておられます。
しかしながら、実際のところ、原子力発電所の適合審査が長期化しておりまして、これまで、十七基に対して設置変更許可がなされているものの、原子力規制委員会において審査中が十基となっております。
審査体制の効率化それから合理化を図る必要性について、山口参考人と竹内参考人の御見解をお伺いしたいと存じます。
山
山口彰#15
○山口参考人 山口でございます。御質問ありがとうございます。
審査体制、審査の効率化を図ることの必要性という御質問でございます。
まず、規制委員会、一番最初の審査のときには、当然、新しい規制基準の下で時間がかかるということを述べられておりました。しかしながら、これまでに多くの審査の経験、知見、これを得ております。それを踏まえて、六か月とか一年とか、そういうふうに効率化されるということをおっしゃっておられました。そういう技術的、あるいは審査のプロセスとしての見通しもある中で、何より、審査は、国民のために行う行政でございます、規制は。そうしますと、まずは、一番国民の便益を増やす方向で、これまでの審査の経験を十分に活用して審査の効率化を図っていくということは、これはもう言うまでもなく、非常に重要なことでございます。
そういう中で、規制委員会としては審査の効率化を図るという考え方を一つの軸として審査の取組方をこれから議論していくということを、是非希望しているところでございます。
以上でございます。
この発言だけを見る →審査体制、審査の効率化を図ることの必要性という御質問でございます。
まず、規制委員会、一番最初の審査のときには、当然、新しい規制基準の下で時間がかかるということを述べられておりました。しかしながら、これまでに多くの審査の経験、知見、これを得ております。それを踏まえて、六か月とか一年とか、そういうふうに効率化されるということをおっしゃっておられました。そういう技術的、あるいは審査のプロセスとしての見通しもある中で、何より、審査は、国民のために行う行政でございます、規制は。そうしますと、まずは、一番国民の便益を増やす方向で、これまでの審査の経験を十分に活用して審査の効率化を図っていくということは、これはもう言うまでもなく、非常に重要なことでございます。
そういう中で、規制委員会としては審査の効率化を図るという考え方を一つの軸として審査の取組方をこれから議論していくということを、是非希望しているところでございます。
以上でございます。
竹
竹内純子#16
○竹内参考人 竹内でございます。御質問いただきまして、ありがとうございます。
今、山口参考人からもございましたとおり、規制というものは、国民のためにその技術のもたらす便益を最大化する、これを目的に行われるものでございます。
効率化といいますと、あるいは迅速化といいますと、大切なもの、安全をむしろないがしろにするのではないかというふうな御不安を持たれるというようなことがあろうかと思いますが、それを求めているわけでは決してございません。ただ、効率的な審査の中に必要な、例えば事業者との綿密なコミュニケーション、こういったものをすることで、よりよくこの技術を使うといったような方向に規制が向かうこと、そういったようなことが必要であろうと思います。
そしてまた、安全というようなものを、共通ゴールを、事業者側と規制側が共通の目標を持って取り組んでいくというようなこと、これに向けては、やはり首尾一貫であるといったようなことも必要なわけでございまして、例えば、令和元年だったと思いますけれども、規制委員会の委員長、北海道電力株式会社の泊原子力発電所に関する規制活動につきまして、言うことが大きく変わったというようなこと、これは自分たちも反省すべきであるということをおっしゃっておられます。
こういった今までの知見も含めて蓄積をして、やはり活動原則の中に効率性というようなものを入れることによってよりよい規制になるということを含めて、期待を申し上げているところでございます。
私からは以上でございます。
この発言だけを見る →今、山口参考人からもございましたとおり、規制というものは、国民のためにその技術のもたらす便益を最大化する、これを目的に行われるものでございます。
効率化といいますと、あるいは迅速化といいますと、大切なもの、安全をむしろないがしろにするのではないかというふうな御不安を持たれるというようなことがあろうかと思いますが、それを求めているわけでは決してございません。ただ、効率的な審査の中に必要な、例えば事業者との綿密なコミュニケーション、こういったものをすることで、よりよくこの技術を使うといったような方向に規制が向かうこと、そういったようなことが必要であろうと思います。
そしてまた、安全というようなものを、共通ゴールを、事業者側と規制側が共通の目標を持って取り組んでいくというようなこと、これに向けては、やはり首尾一貫であるといったようなことも必要なわけでございまして、例えば、令和元年だったと思いますけれども、規制委員会の委員長、北海道電力株式会社の泊原子力発電所に関する規制活動につきまして、言うことが大きく変わったというようなこと、これは自分たちも反省すべきであるということをおっしゃっておられます。
こういった今までの知見も含めて蓄積をして、やはり活動原則の中に効率性というようなものを入れることによってよりよい規制になるということを含めて、期待を申し上げているところでございます。
私からは以上でございます。
神
神田憲次#17
○神田(憲)委員 ありがとうございます。
原子力発電における安全性向上の取組という観点からちょっと御質問をさせていただきたいと思います。
先ほど来出ておりますように、二〇一一年の福島第一原発の事故、この反省と教訓を踏まえて、原子力の安全規制というのは世界で一番厳しいというレベルまでになって見直されてきているわけです。
原子力規制委員会によって非常に厳格な規制基準ができまして、原子力事業者の自主的な安全性の向上というのは、ずっとこの間、進められてきておるわけなんですが、これまで十一年余りの原子力安全規制を含めた原子力の安全性の向上の取組については、どう評価されておりますでしょうか。山口参考人、竹内参考人に御見解をお願い申し上げます。
この発言だけを見る →原子力発電における安全性向上の取組という観点からちょっと御質問をさせていただきたいと思います。
先ほど来出ておりますように、二〇一一年の福島第一原発の事故、この反省と教訓を踏まえて、原子力の安全規制というのは世界で一番厳しいというレベルまでになって見直されてきているわけです。
原子力規制委員会によって非常に厳格な規制基準ができまして、原子力事業者の自主的な安全性の向上というのは、ずっとこの間、進められてきておるわけなんですが、これまで十一年余りの原子力安全規制を含めた原子力の安全性の向上の取組については、どう評価されておりますでしょうか。山口参考人、竹内参考人に御見解をお願い申し上げます。
山
山口彰#18
○山口参考人 山口でございます。
質問にお答えしたいと思います。
自主的な安全向上の取組についてどう考えておるかということでございます。
御承知のとおり、新しい規制基準を策定したときには、これまでの安全設計審査指針、これは前の安全基準ですが、それをしっかり見た上で、福島事故の様々な教訓に関するレポート、これを徹底的に調査し、海外の規制の現状、これを全て調べ上げて、いずれにも遜色のないように、ちゃんとカバーできるように、そういう形で策定された基準でございます。それで、そういう基準を踏まえて、この十一年間、いろいろな安全向上の取組をやってきたわけでございます。
さらに、あわせて、確率論的リスク評価の導入というものが進みまして、実際に、新しい規制基準で、対応した設備、自主的安全向上の取組というものが定量的に評価されてございます。これは、規制の要求として一部既に公表されているものがございますし、あるいは研究段階としてやられておるものもございます。
その数字を御紹介するのが一番適切かと思いますけれども、今回、新しい規制基準で、シビアアクシデント、いわゆる過酷事故に対する要求が厳しくなったことに加えて、テロや自然災害、そういうものへの厚み、さらに可搬型機器への取組、そういった多層的な、多様性を備えた取組によって、確率論的リスク評価の評価結果がおおむね一桁あるいは二桁ぐらいリスクが小さくなるという結果が出てございます。
このことからも、自主的安全向上の取組に効果があったということは十分分かることではございますが、しかしながら、最も重要なことは、そういった評価に満足することなく、安寧することなく、引き続き事業者の方々が、安全評価、それから安全向上の取組、海外新知見の取組、そういうものを続けているということこそ極めて大切なことであると考えてございます。
以上です。
この発言だけを見る →質問にお答えしたいと思います。
自主的な安全向上の取組についてどう考えておるかということでございます。
御承知のとおり、新しい規制基準を策定したときには、これまでの安全設計審査指針、これは前の安全基準ですが、それをしっかり見た上で、福島事故の様々な教訓に関するレポート、これを徹底的に調査し、海外の規制の現状、これを全て調べ上げて、いずれにも遜色のないように、ちゃんとカバーできるように、そういう形で策定された基準でございます。それで、そういう基準を踏まえて、この十一年間、いろいろな安全向上の取組をやってきたわけでございます。
さらに、あわせて、確率論的リスク評価の導入というものが進みまして、実際に、新しい規制基準で、対応した設備、自主的安全向上の取組というものが定量的に評価されてございます。これは、規制の要求として一部既に公表されているものがございますし、あるいは研究段階としてやられておるものもございます。
その数字を御紹介するのが一番適切かと思いますけれども、今回、新しい規制基準で、シビアアクシデント、いわゆる過酷事故に対する要求が厳しくなったことに加えて、テロや自然災害、そういうものへの厚み、さらに可搬型機器への取組、そういった多層的な、多様性を備えた取組によって、確率論的リスク評価の評価結果がおおむね一桁あるいは二桁ぐらいリスクが小さくなるという結果が出てございます。
このことからも、自主的安全向上の取組に効果があったということは十分分かることではございますが、しかしながら、最も重要なことは、そういった評価に満足することなく、安寧することなく、引き続き事業者の方々が、安全評価、それから安全向上の取組、海外新知見の取組、そういうものを続けているということこそ極めて大切なことであると考えてございます。
以上です。
竹
竹内純子#19
○竹内参考人 御質問いただきまして、ありがとうございます。
竹内からも申し上げたいというふうに思います。
リスク管理の安全工学的な、その数字ですとかそういったものについては山口参考人から今御発言がありましたので割愛をさせていただきますけれども、改めまして、世界で一番といったようなこと、そういったところに安寧することなくといったようなところが非常に重要な観点かというふうに認識をしております。
原子力規制というものが、先ほど、求められる役割、私は、必要条件を提示して、それに合格しているかどうかの審査を行う、その役割であるというふうに申し上げました。そういった審査をしたときの、断面で切ったときの安全性というようなものではなくて、そこから継続的に向上していくというような仕組みづくりが非常に重要であって、その観点からいいますと、若干やはり懸念がありますのが、長いこと停止をさせた状態で審査を行っているということによって、現場で運転すると、運転しながら設備と向き合う、そういったような、何かちょっとした不具合を察知するような、現場の能力というんでしょうか、そういったようなものは磨かれているんだろうかというようなところ、こういったところも懸念するところではございます。
そういったところも含めまして、継続的な改善の仕組みということを規制の皆様にどうやって盛り込んでいただくか、システムにデザインしていただくかということが重要な観点ではないかというふうに考えてございます。
以上でございます。
この発言だけを見る →竹内からも申し上げたいというふうに思います。
リスク管理の安全工学的な、その数字ですとかそういったものについては山口参考人から今御発言がありましたので割愛をさせていただきますけれども、改めまして、世界で一番といったようなこと、そういったところに安寧することなくといったようなところが非常に重要な観点かというふうに認識をしております。
原子力規制というものが、先ほど、求められる役割、私は、必要条件を提示して、それに合格しているかどうかの審査を行う、その役割であるというふうに申し上げました。そういった審査をしたときの、断面で切ったときの安全性というようなものではなくて、そこから継続的に向上していくというような仕組みづくりが非常に重要であって、その観点からいいますと、若干やはり懸念がありますのが、長いこと停止をさせた状態で審査を行っているということによって、現場で運転すると、運転しながら設備と向き合う、そういったような、何かちょっとした不具合を察知するような、現場の能力というんでしょうか、そういったようなものは磨かれているんだろうかというようなところ、こういったところも懸念するところではございます。
そういったところも含めまして、継続的な改善の仕組みということを規制の皆様にどうやって盛り込んでいただくか、システムにデザインしていただくかということが重要な観点ではないかというふうに考えてございます。
以上でございます。
神
神田憲次#20
○神田(憲)委員 ありがとうございます。
安全性、それが第一義的に重要で、問われるべき観点だと思います。
一方で、今度は二〇五〇年のカーボンニュートラルという観点から申し上げると、原子力を欠いた状態では我が国のカーボンニュートラルの実現というのは本当に困難な状況にありますでしょうし、政府がもう少し原子力技術の位置づけを明確にすべきだという指摘もあるわけです。
再生可能エネルギーを最大限活用すべきだという御意見もあるんですが、どうしても、現状では、天候に左右される再生エネルギーのみに頼ることには限界があるわけです。
昨年改定されました第六次エネルギー基本計画の中では、原子力については、国民からの信頼確保に努めて、安全性の確保を大前提に、必要な規模を持続的に活用していくという方針が示されておりますし、同計画では、原子力は二〇%から二二%という比率になっておりますが、原子力規制委員会の適合審査の合格に加えて、地元同意がしっかり得られないと進められないわけで、もう少し原子力発電への位置づけというものを明確にしていくことが必要であると考えるわけですが、この原子力発電の位置づけについて、山口、竹内両参考人の先生にお伺いしたいと存じます。
この発言だけを見る →安全性、それが第一義的に重要で、問われるべき観点だと思います。
一方で、今度は二〇五〇年のカーボンニュートラルという観点から申し上げると、原子力を欠いた状態では我が国のカーボンニュートラルの実現というのは本当に困難な状況にありますでしょうし、政府がもう少し原子力技術の位置づけを明確にすべきだという指摘もあるわけです。
再生可能エネルギーを最大限活用すべきだという御意見もあるんですが、どうしても、現状では、天候に左右される再生エネルギーのみに頼ることには限界があるわけです。
昨年改定されました第六次エネルギー基本計画の中では、原子力については、国民からの信頼確保に努めて、安全性の確保を大前提に、必要な規模を持続的に活用していくという方針が示されておりますし、同計画では、原子力は二〇%から二二%という比率になっておりますが、原子力規制委員会の適合審査の合格に加えて、地元同意がしっかり得られないと進められないわけで、もう少し原子力発電への位置づけというものを明確にしていくことが必要であると考えるわけですが、この原子力発電の位置づけについて、山口、竹内両参考人の先生にお伺いしたいと存じます。
山
山口彰#21
○山口参考人 山口でございます。
原子力発電の位置づけについて考えるところを申し述べさせていただきます。
原子力発電というものは、御承知のとおり、運転中に二酸化炭素を出さない。それから、実際に、一回燃料を炉心に入れますと数年間運転が続けられる。しかも、そのウランを効率的に使えば、数千年にわたってエネルギーを確保できる。しかも、多くの雇用を生み出す。それも、原子力発電所、既に五十年を超えて運転する原子炉が十基以上世界にはございます。日本は、アメリカに、それからヨーロッパに比べると、アメリカより平均年齢で二十年、ヨーロッパより十年ほど若いという状況でございます。ということは、それを使えば、六十年、あるいは廃止措置の間もいろいろな事業がありますので、七十年、八十年というふうな雇用や経済に対する効果をもたらすものでございます。
そういう観点で、国の原子力の利用に対する考え方は、様々な、多くの副次的な効果も含めて位置づけるべきだということで考えてございます。
当面、我々の極めて重要度の高い、プライオリティーの高い問題は、エネルギー源の確保、それからカーボンニュートラルへの実現、これは、あらゆるシナリオ分析を行っても、原子力抜きでは実現できないというものは、日本のみでなく世界各国のシナリオ研究が物語っているところでございます。
是非、そういった特性を持っている、価値を持っている原子力の役割、実力を再評価して、しっかり国の重要なエネルギー源の中核として位置づけていただきたいというふうに考えてございます。
この発言だけを見る →原子力発電の位置づけについて考えるところを申し述べさせていただきます。
原子力発電というものは、御承知のとおり、運転中に二酸化炭素を出さない。それから、実際に、一回燃料を炉心に入れますと数年間運転が続けられる。しかも、そのウランを効率的に使えば、数千年にわたってエネルギーを確保できる。しかも、多くの雇用を生み出す。それも、原子力発電所、既に五十年を超えて運転する原子炉が十基以上世界にはございます。日本は、アメリカに、それからヨーロッパに比べると、アメリカより平均年齢で二十年、ヨーロッパより十年ほど若いという状況でございます。ということは、それを使えば、六十年、あるいは廃止措置の間もいろいろな事業がありますので、七十年、八十年というふうな雇用や経済に対する効果をもたらすものでございます。
そういう観点で、国の原子力の利用に対する考え方は、様々な、多くの副次的な効果も含めて位置づけるべきだということで考えてございます。
当面、我々の極めて重要度の高い、プライオリティーの高い問題は、エネルギー源の確保、それからカーボンニュートラルへの実現、これは、あらゆるシナリオ分析を行っても、原子力抜きでは実現できないというものは、日本のみでなく世界各国のシナリオ研究が物語っているところでございます。
是非、そういった特性を持っている、価値を持っている原子力の役割、実力を再評価して、しっかり国の重要なエネルギー源の中核として位置づけていただきたいというふうに考えてございます。
竹
竹内純子#22
○竹内参考人 御質問ありがとうございます。竹内でございます。
まず、カーボンニュートラルに向けてというところが冒頭ございました。カーボンニュートラルに向けて大幅な脱炭素化を図っていくためには、需要の側の電化、例えば、ガソリン車をバッテリーを積んだ車に替えていく、そういった電化という部分と、あるいは、電源の脱炭素化、これを同時に進めるということが大きなセオリーになります。
そうしますと、低炭素電源、脱炭素電源というものを大量に必要とする社会にこれからなるというようなところでございますが、再生可能エネルギーを主力化していくというところは、これは政府も掲げておられるところでございますが、やはり移行に時間がかかるというようなところは大きくございます。
そして、まだ現状では、主力となる太陽光発電あるいは風力発電というのは、自然変動性を持つということと、やはり土地の取り合いというようなところ、日本は既に太陽光発電導入量でいえば世界第三位、国土面積当たりでいえば世界断トツで一位という状況でございますが、やはり自然変動性があるといったようなところは乗り越えられないところでございます。
この長い移行期間をどのように国民にとってのリスクをできるだけ最小化して乗り越えていくかという観点の中で、原子力の位置づけを明確化するというようなことは非常に重要でございまして、国の方針がはっきりしない限り、地方自治体はこれをどのように考えればいいのか分からない、置き去りにされてしまうというようなところがあるかと思いますし、事業者も投資判断に悩む、これはエネルギー全体に対して悩んでしまうということになりかねないということを申し上げたいと思います。
この発言だけを見る →まず、カーボンニュートラルに向けてというところが冒頭ございました。カーボンニュートラルに向けて大幅な脱炭素化を図っていくためには、需要の側の電化、例えば、ガソリン車をバッテリーを積んだ車に替えていく、そういった電化という部分と、あるいは、電源の脱炭素化、これを同時に進めるということが大きなセオリーになります。
そうしますと、低炭素電源、脱炭素電源というものを大量に必要とする社会にこれからなるというようなところでございますが、再生可能エネルギーを主力化していくというところは、これは政府も掲げておられるところでございますが、やはり移行に時間がかかるというようなところは大きくございます。
そして、まだ現状では、主力となる太陽光発電あるいは風力発電というのは、自然変動性を持つということと、やはり土地の取り合いというようなところ、日本は既に太陽光発電導入量でいえば世界第三位、国土面積当たりでいえば世界断トツで一位という状況でございますが、やはり自然変動性があるといったようなところは乗り越えられないところでございます。
この長い移行期間をどのように国民にとってのリスクをできるだけ最小化して乗り越えていくかという観点の中で、原子力の位置づけを明確化するというようなことは非常に重要でございまして、国の方針がはっきりしない限り、地方自治体はこれをどのように考えればいいのか分からない、置き去りにされてしまうというようなところがあるかと思いますし、事業者も投資判断に悩む、これはエネルギー全体に対して悩んでしまうということになりかねないということを申し上げたいと思います。
神
神田憲次#23
○神田(憲)委員 ありがとうございます。
先ほど来、安全性の観点、これは皆様からも出ている話なんですが、お伺いした両参考人、何度も答弁の方でお話しになられている点でございます。その安全性を重視した上で、国家としての原子力の位置づけ、大変私も大事だと思っているんですが、その安全性を確保する上で、原子力を支える人材とか産業の問題も重要な課題であるかと思います。
福島第一原発事故以来、原発の長期停止によって、原子力の人材とか技術、それから産業基盤に深刻な影響が生じていると感じております。技術の承継と人材の長期的な育成の観点からも本当に切に求められているんだと思います。
そこで、原子力の人材、技術、それから産業基盤の強化に直ちに着手する必要性について、山口、竹内両参考人にお伺いしたいと存じます。
この発言だけを見る →先ほど来、安全性の観点、これは皆様からも出ている話なんですが、お伺いした両参考人、何度も答弁の方でお話しになられている点でございます。その安全性を重視した上で、国家としての原子力の位置づけ、大変私も大事だと思っているんですが、その安全性を確保する上で、原子力を支える人材とか産業の問題も重要な課題であるかと思います。
福島第一原発事故以来、原発の長期停止によって、原子力の人材とか技術、それから産業基盤に深刻な影響が生じていると感じております。技術の承継と人材の長期的な育成の観点からも本当に切に求められているんだと思います。
そこで、原子力の人材、技術、それから産業基盤の強化に直ちに着手する必要性について、山口、竹内両参考人にお伺いしたいと存じます。
山
山口彰#24
○山口参考人 山口でございます。
人材、あるいは、サプライチェーンといいますか産業の基盤、それについてお答え申し上げます。
ここのところ、最後に運転を行った原子力発電所は北海道電力の泊三号機でございます。それでももう十数年たってございまして、その間新設がなかったこと、それから、この十年間、多くの発電所が建設していなかったこと、そのダメージは極めて重大な、大きなものであるという認識でございます。
一方で、今年、ニュースで流れましたように、米国で、テラパワー社、これはビル・ゲイツ率いる会社でございますが、そちらが我が国の高速炉の技術に対して技術協力をしてほしいと。それは日本で培ってきたナトリウム高速炉技術に対する評価が国際的にも高いということを示しているものでございますし、それは軽水炉におきましても、例えばイギリス、ベトナムといったところが日本に是非原子力発電所を協力してほしいということでプロジェクトが進んでおったわけでございます。
しかしながら、昨今の福島事故の影響、それから経済性等の問題によってなかなかうまくいっていない、こういう中で、人材それからサプライチェーン、相当苦労してございます。
今がちょうど福島の事故から十年たったところですから、その十年間の空白というのは、一番若い二十数歳から三十数歳にかけて、脂の乗り切ったようなところの世代がおおむね抜けておる、弱体化している。それから、十年間新設がないということによって、産業界、どんどん原子力の事業から抜けるというところも出てございます。
しかしながら、今の時点では、先ほどのテラパワー社の例でお示ししましたように、まだ間に合う。しかしながら、次のリプレースを考えるということをしない限り、カーボンニュートラルの実現という観点でももちろんそうなんですが、人材が損なわれる、あるいはサプライチェーンが切れてしまうということになりますと、イギリスとかアメリカが一時期苦しんだような状況に陥っているという認識です。
私もこの三月まで大学におりましたので、急ぎ人材育成を強化していくこと、これの重要性、ひしひしと感じてございます。
以上です。
この発言だけを見る →人材、あるいは、サプライチェーンといいますか産業の基盤、それについてお答え申し上げます。
ここのところ、最後に運転を行った原子力発電所は北海道電力の泊三号機でございます。それでももう十数年たってございまして、その間新設がなかったこと、それから、この十年間、多くの発電所が建設していなかったこと、そのダメージは極めて重大な、大きなものであるという認識でございます。
一方で、今年、ニュースで流れましたように、米国で、テラパワー社、これはビル・ゲイツ率いる会社でございますが、そちらが我が国の高速炉の技術に対して技術協力をしてほしいと。それは日本で培ってきたナトリウム高速炉技術に対する評価が国際的にも高いということを示しているものでございますし、それは軽水炉におきましても、例えばイギリス、ベトナムといったところが日本に是非原子力発電所を協力してほしいということでプロジェクトが進んでおったわけでございます。
しかしながら、昨今の福島事故の影響、それから経済性等の問題によってなかなかうまくいっていない、こういう中で、人材それからサプライチェーン、相当苦労してございます。
今がちょうど福島の事故から十年たったところですから、その十年間の空白というのは、一番若い二十数歳から三十数歳にかけて、脂の乗り切ったようなところの世代がおおむね抜けておる、弱体化している。それから、十年間新設がないということによって、産業界、どんどん原子力の事業から抜けるというところも出てございます。
しかしながら、今の時点では、先ほどのテラパワー社の例でお示ししましたように、まだ間に合う。しかしながら、次のリプレースを考えるということをしない限り、カーボンニュートラルの実現という観点でももちろんそうなんですが、人材が損なわれる、あるいはサプライチェーンが切れてしまうということになりますと、イギリスとかアメリカが一時期苦しんだような状況に陥っているという認識です。
私もこの三月まで大学におりましたので、急ぎ人材育成を強化していくこと、これの重要性、ひしひしと感じてございます。
以上です。
竹
竹内純子#25
○竹内参考人 竹内でございます。御質問ありがとうございます。
原子力技術の日本のサプライチェーンというのは、福島事故前、非常に充実したものでございまして、福島事故前に新設された原子力発電所、国産化率は九五、六%、七%と非常に高いものを誇っておりました。
こういった中で、例えば、米国の原子力、自由化をしてしばらく新設が途絶えた状態で書かれた原子力再興のレポートが二〇〇〇年代初頭に出されたんですけれども、そのときには、新設をするためには日本のサプライチェーンのここを押さえなければいけないから早めに言わなければ駄目だと書かれたほど、世界的に、ある意味、高い評価を受けていたサプライチェーンを誇っていたわけでございますけれども、問題意識、提示してくださったとおり、やはりこの十年間動いてもいない、二十年ほど新設もしていないというような形になりますと、やはり技術というのが、支える人材というのが弱体化していくというのは、これは避け難いところであろうと思います。
もちろん、今、福島の廃炉の現場、あるいは原子力のそれぞれの現場において頑張ってくださっている、こういうときだから入りたいと言ってくださっている若者にお会いしたこともございますけれども、そういった若者の、ある意味、気持ちに甘えるのではなくて、国として、この技術を使うのであれば、方針として示して、この技術に対しての教育のサポートであるとか、そういったところをしていくということが必要になるかというふうに認識をしております。
以上でございます。
この発言だけを見る →原子力技術の日本のサプライチェーンというのは、福島事故前、非常に充実したものでございまして、福島事故前に新設された原子力発電所、国産化率は九五、六%、七%と非常に高いものを誇っておりました。
こういった中で、例えば、米国の原子力、自由化をしてしばらく新設が途絶えた状態で書かれた原子力再興のレポートが二〇〇〇年代初頭に出されたんですけれども、そのときには、新設をするためには日本のサプライチェーンのここを押さえなければいけないから早めに言わなければ駄目だと書かれたほど、世界的に、ある意味、高い評価を受けていたサプライチェーンを誇っていたわけでございますけれども、問題意識、提示してくださったとおり、やはりこの十年間動いてもいない、二十年ほど新設もしていないというような形になりますと、やはり技術というのが、支える人材というのが弱体化していくというのは、これは避け難いところであろうと思います。
もちろん、今、福島の廃炉の現場、あるいは原子力のそれぞれの現場において頑張ってくださっている、こういうときだから入りたいと言ってくださっている若者にお会いしたこともございますけれども、そういった若者の、ある意味、気持ちに甘えるのではなくて、国として、この技術を使うのであれば、方針として示して、この技術に対しての教育のサポートであるとか、そういったところをしていくということが必要になるかというふうに認識をしております。
以上でございます。
神
赤
米
米山隆一#28
○米山委員 それでは、立憲・無所属会派を代表して、米山から御質問させていただきます。
実は予定していた質問じゃないんですけれども、今ほど神田委員からの御質問で、効率化、安全への取組の評価、また原子力発電の位置づけ、また人材の確保ということについて、山口委員、竹内委員のみから御意見を伺ったんですが、せっかくですので私は木村委員、大島委員から伺いたいということで、木村委員、大島委員それぞれ簡潔に、規制基準の適合性審査を効率化することについての意見、また今までの安全の取組への評価、また、カーボンニュートラル等も含めて、原子力発電の国の政策に対する位置づけ、また人材確保に対する意見をそれぞれお伺いできればと思います。
この発言だけを見る →実は予定していた質問じゃないんですけれども、今ほど神田委員からの御質問で、効率化、安全への取組の評価、また原子力発電の位置づけ、また人材の確保ということについて、山口委員、竹内委員のみから御意見を伺ったんですが、せっかくですので私は木村委員、大島委員から伺いたいということで、木村委員、大島委員それぞれ簡潔に、規制基準の適合性審査を効率化することについての意見、また今までの安全の取組への評価、また、カーボンニュートラル等も含めて、原子力発電の国の政策に対する位置づけ、また人材確保に対する意見をそれぞれお伺いできればと思います。
木
木村真三#29
○木村参考人 それでは、お話しさせていただきます。
私自身としては、適合性というものは、まず技術ありきで話をされているということが前提となっております。この技術ありきでやってしまうこと、今まで皆さんがおっしゃっていたように、こういう安全性を担保するためには技術者をそのまま維持しなくてはいけないということは、確かにあろうとは思います。実際の具体例としては、柏崎刈羽原発での不祥事続きというものに対しては、こうした人材不足が露見したものだとは思います。
しかしながら、こうしたものを、じゃ、技術をそのまま維持するためにやっていくかどうかというものと原子力の安全性については、やはり大きな隔たりがあるかと思います。
ですので、私自身としては、適格性等について議論することというのは、やはり持続とはまた別個のものであるというふうに考えております。
続きまして、カーボンニュートラルの件に関してですが、私自身としての意見としては、じゃ、カーボンニュートラルをするために原子力は必要である、ベースロード電源ということを元首相もおっしゃられておられましたが、これを維持するためには原子力があるということを前提として考える必要があるのかどうかも、もう少し議論していただきたいと思います。
なぜならば、私は常に、ずっとこれまでも話をしているんですが、蓄電能力、実際に、超電導蓄電というようなもの、そういう技術を用いてしまえば、かなりのエネルギーロスが減じられることになると思います。
そうしたような状況下の下で、原子力が必要ありきという前提ではなくて、基本的には、それ自身の、蓄電能力を向上させるという技術を世界に先駆けて日本がやっていけば、新しい技術立国としての日本が成り立つと思います。
ということで、私の発表は終わりたいと思います。
どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →私自身としては、適合性というものは、まず技術ありきで話をされているということが前提となっております。この技術ありきでやってしまうこと、今まで皆さんがおっしゃっていたように、こういう安全性を担保するためには技術者をそのまま維持しなくてはいけないということは、確かにあろうとは思います。実際の具体例としては、柏崎刈羽原発での不祥事続きというものに対しては、こうした人材不足が露見したものだとは思います。
しかしながら、こうしたものを、じゃ、技術をそのまま維持するためにやっていくかどうかというものと原子力の安全性については、やはり大きな隔たりがあるかと思います。
ですので、私自身としては、適格性等について議論することというのは、やはり持続とはまた別個のものであるというふうに考えております。
続きまして、カーボンニュートラルの件に関してですが、私自身としての意見としては、じゃ、カーボンニュートラルをするために原子力は必要である、ベースロード電源ということを元首相もおっしゃられておられましたが、これを維持するためには原子力があるということを前提として考える必要があるのかどうかも、もう少し議論していただきたいと思います。
なぜならば、私は常に、ずっとこれまでも話をしているんですが、蓄電能力、実際に、超電導蓄電というようなもの、そういう技術を用いてしまえば、かなりのエネルギーロスが減じられることになると思います。
そうしたような状況下の下で、原子力が必要ありきという前提ではなくて、基本的には、それ自身の、蓄電能力を向上させるという技術を世界に先駆けて日本がやっていけば、新しい技術立国としての日本が成り立つと思います。
ということで、私の発表は終わりたいと思います。
どうもありがとうございました。