厚生労働委員会
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会
会議録情報#0
令和四年五月十日(火曜日)
午後一時開会
─────────────
委員の異動
五月二日
辞任 補欠選任
有村 治子君 三原じゅん子君
こやり隆史君 島村 大君
安江 伸夫君 秋野 公造君
五月九日
辞任 補欠選任
比嘉奈津美君 小野田紀美君
本田 顕子君 世耕 弘成君
五月十日
辞任 補欠選任
世耕 弘成君 本田 顕子君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 山田 宏君
理 事
石田 昌宏君
小川 克巳君
川田 龍平君
山本 香苗君
田村 まみ君
委 員
衛藤 晟一君
小野田紀美君
島村 大君
そのだ修光君
羽生田 俊君
藤井 基之君
古川 俊治君
本田 顕子君
三原じゅん子君
石垣のりこ君
打越さく良君
福島みずほ君
森屋 隆君
秋野 公造君
竹谷とし子君
足立 信也君
石井 苗子君
梅村 聡君
倉林 明子君
事務局側
常任委員会専門
員 佐伯 道子君
参考人
和歌山県立医科
大学薬学部教授
京都大学名誉教
授 赤池 昭紀君
特定非営利活動
法人ネットワー
ク医療と人権理
事
全国薬害被害者
団体連絡協議会
代表世話人 花井 十伍君
公益社団法人日
本薬剤師会副会
長 森 昌平君
江戸川大学メデ
ィアコミュニケ
ーション学部教
授
薬害オンブズパ
ースン会議メン
バー 隈本 邦彦君
─────────────
本日の会議に付した案件
○医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性
の確保等に関する法律等の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────
この発言だけを見る →午後一時開会
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委員の異動
五月二日
辞任 補欠選任
有村 治子君 三原じゅん子君
こやり隆史君 島村 大君
安江 伸夫君 秋野 公造君
五月九日
辞任 補欠選任
比嘉奈津美君 小野田紀美君
本田 顕子君 世耕 弘成君
五月十日
辞任 補欠選任
世耕 弘成君 本田 顕子君
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出席者は左のとおり。
委員長 山田 宏君
理 事
石田 昌宏君
小川 克巳君
川田 龍平君
山本 香苗君
田村 まみ君
委 員
衛藤 晟一君
小野田紀美君
島村 大君
そのだ修光君
羽生田 俊君
藤井 基之君
古川 俊治君
本田 顕子君
三原じゅん子君
石垣のりこ君
打越さく良君
福島みずほ君
森屋 隆君
秋野 公造君
竹谷とし子君
足立 信也君
石井 苗子君
梅村 聡君
倉林 明子君
事務局側
常任委員会専門
員 佐伯 道子君
参考人
和歌山県立医科
大学薬学部教授
京都大学名誉教
授 赤池 昭紀君
特定非営利活動
法人ネットワー
ク医療と人権理
事
全国薬害被害者
団体連絡協議会
代表世話人 花井 十伍君
公益社団法人日
本薬剤師会副会
長 森 昌平君
江戸川大学メデ
ィアコミュニケ
ーション学部教
授
薬害オンブズパ
ースン会議メン
バー 隈本 邦彦君
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本日の会議に付した案件
○医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性
の確保等に関する法律等の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────
山
山田宏#1
○委員長(山田宏君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、安江伸夫君、こやり隆史君、有村治子君、比嘉奈津美君及び本田顕子君が委員を辞任され、その補欠として秋野公造君、島村大君、三原じゅん子君、小野田紀美君及び世耕弘成君が選任されました。
また、本日、世耕弘成君が委員を辞任され、その補欠として本田顕子君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、安江伸夫君、こやり隆史君、有村治子君、比嘉奈津美君及び本田顕子君が委員を辞任され、その補欠として秋野公造君、島村大君、三原じゅん子君、小野田紀美君及び世耕弘成君が選任されました。
また、本日、世耕弘成君が委員を辞任され、その補欠として本田顕子君が選任されました。
─────────────
山
山田宏#2
○委員長(山田宏君) 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、和歌山県立医科大学薬学部教授・京都大学名誉教授赤池昭紀君、特定非営利活動法人ネットワーク医療と人権理事・全国薬害被害者団体連絡協議会代表世話人花井十伍君、公益社団法人日本薬剤師会副会長森昌平君及び江戸川大学メディアコミュニケーション学部教授・薬害オンブズパースン会議メンバー隈本邦彦君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を伺い、今後の審査の参考にさせていただきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、赤池参考人、花井参考人、森参考人、隈本参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず赤池参考人からお願いいたします。赤池参考人。
この発言だけを見る →本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、和歌山県立医科大学薬学部教授・京都大学名誉教授赤池昭紀君、特定非営利活動法人ネットワーク医療と人権理事・全国薬害被害者団体連絡協議会代表世話人花井十伍君、公益社団法人日本薬剤師会副会長森昌平君及び江戸川大学メディアコミュニケーション学部教授・薬害オンブズパースン会議メンバー隈本邦彦君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を伺い、今後の審査の参考にさせていただきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、赤池参考人、花井参考人、森参考人、隈本参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず赤池参考人からお願いいたします。赤池参考人。
赤
赤池昭紀#3
○参考人(赤池昭紀君) よろしくお願いいたします。
和歌山県立医科大学薬学部の赤池と申します。本日は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する考え方を御説明する機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私は、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会の部会長代理として、昨年末に緊急承認制度の方向性につきまして取りまとめに関わりました。元々の専門分野は薬理学でございますが、現在は薬局や薬剤師の将来的な在り方に関する研究に従事しており、厚生労働省の薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会の薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループの座長も務めております。
私は、本改正案に賛成の立場から、主に三点、緊急承認制度、リアルワールドデータ活用、電子処方箋につきまして、考え方を申し上げたいと思います。
まず、緊急承認制度についての考え方です。
緊急時に極めて迅速な医薬品等の承認を行うということは大変重要です。これまで新型コロナウイルスワクチンや治療薬につきましては、感染拡大防止のため、特例承認や優先的な審査等により、早期の薬事承認に最大限に取り組まれてきました。しかし、承認の更なる早期化を実現するために、緊急時における薬事承認の必要性が高まってきています。より速い速度で、いわゆる迅速に審査ができるような体制を整えていただきますよう、是非お願いいたしたいと考えています。
制度自体が迅速な審査を可能にするようにと法律が改正されましても、制度の施行後に、結果として薬事承認の速度が速まらなければ意味がありません。実際の審査及び薬事承認の迅速化を実現するためには、制度と並行して緊急時の薬事承認に関わる審査体制の整備なども進めることが重要であると考えます。
また、緊急時の薬事承認であっても、対象となる医薬品等の安全性についてはきちんと確認するということが重要です。医薬品医療機器制度部会におきましても、緊急時であったとしても、安全性は通常の薬事承認と同等の水準で確認することを前提とするとの議論がございました。これまでの現行制度、例えば特例承認等において審査対象となる医薬品等の安全性が確認されていますが、そこで見られている安全性の確認のレベルが緊急時の承認でも維持される必要があると考えます。
次に、より効率的な有効性、安全性の評価を行うためのリアルワールドデータの活用について申し上げます。
リアルワールドデータを収集する場合に、どれだけ信頼できる臨床データをできるだけ効率よく漏れなく取れるかということが非常に重要であると考えます。そのためには、データ収集に向けた体制の整備、また、リアルワールドデータを医薬品等の安全性や有効性に活用する情報として生かすための体制の整備が重要です。
安全性評価に当たっては、これまでの個別事例の因果関係の評価に基づいた安全対策に加えて、より効率的な安全性の評価のために、リアルワールドデータの活用や集積する事例を統計的に解析した上での安全対策にも重点を置くことが望まれます。
さらに、緊急時承認では、例えば検証的臨床試験、いわゆる第三相臨床試験になりますけど、こういった試験が完了していない場合でも、入手可能な臨床試験の成績に関する資料を基に有効性が十分に推定でき、さらにその有効性に比して安全性が確認できる場合には申請が可能となると考えられます。
このようなケースでは、本承認に向けて更に有効性及び安全性に関する臨床データの蓄積が必要となってまいります。本承認に向けたリアルワールドデータの審査体制につきましても、これから整備していく必要があると考えられます。
例えば、緊急承認制度の対象には、ワクチン以外の医薬品、医療機器等も入ってくることが考えられます。これらの製品が緊急時承認を受けた後、本承認を受ける際には、従来の制度に戻って本承認に持っていくというよりは、臨床データをデータベースとして構築していき、リアルワールドデータとして有効性と安全性を確認し、審査にかかるような形に整えていくということが重要と思われます。今後、薬事審査を担うPMDAにおきまして、リアルワールドデータの活用について検討を行い、ガイドラインなどを示していただくことが重要だと考えております。
最後に、電子処方箋について申し上げます。
電子処方箋を含む医療のデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXの背景として、まず、医療機関や薬局は極めて多忙であり、時間的なゆとりを持つためのツールの一つとしてICTの活用が極めて重要であるということがあります。
薬局を例に取りましても、ICTを活用した対物業務の効率化による服薬指導の時間の確保、あるいは電子処方箋を活用した医療機関への効率的なフィードバックなど、様々な効果が期待されます。厚生労働省の薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会のワーキングにおきましても、薬局薬剤師のDXの観点から、電子処方箋の導入については高い期待が寄せられました。
二〇一五年に取りまとめられました患者のための薬局ビジョンにおいて、対物から対人業務にシフトしていく薬局のあるべき将来像が示されましたが、一方で、これまで薬局の薬剤師が対人業務に必要とする医療情報を取得するための情報基盤が十分に整っていなかったということもありまして、薬局に来局した患者さんからの聞き取り等の断片的な情報に基づいて対人業務に従事せざるを得ないということが多いという状況にあります。必ずしもこれだけが原因とは申せませんが、このような状況もありまして、薬局ビジョンに示された薬局の価値が十分に発揮されているとは言い難い状況となっています。
他方、世界的に見れば、コロナ禍でオンライン診療、服薬指導を始め医療分野のDXに対して飛躍的に関心が高まってきており、海外ではコロナ以前から電子処方箋を含めてDXの取組が先行しています。このような医療のデジタル化や医療情報ネットワークの構築が進んでいる米国、英国、カナダあるいはエストニアなどの北欧諸国では、既に電子処方箋が導入されています。
一方、日本ですが、国が主導する形で医療データ情報基盤が整いつつあり、ウエアラブル端末等から得られる情報も急増しています。昨年十月には、レセプト、薬剤情報や特定健診情報等のマイナポータル経由での閲覧が可能となり、オンライン診療、服薬指導の恒久ルールについても昨年度策定されました。また、PHRに関わるコミュニケーションツールとして、電子版お薬手帳アプリの利活用推進についても取組が進んでいる状況です。
こういった状況を踏まえ、さらに、電子処方箋、オンライン服薬指導、マイナポータルを通じた各種医療情報の共有等のデジタル技術の進展を踏まえるとともに、さらに、諸外国のDX動向も踏まえまして、医療機関や薬局薬剤師のデジタルトランスフォーメーションに取り組んでいくべきであると考えております。特に、調剤後の患者フォローアップ情報を収集、分析することや、個人にオーダーメードしたヘルスケアサービスを提供し、必要に応じて受診勧奨を行うことについては、地域の薬剤師が中心となって担っていくべき重要な役割と考えています。その際、患者さんから収集したフォローアップ情報だけではなく、IoTデバイス等の活用により得られるPHR情報も含めた種々の情報を薬剤師が関わる医療及び健康サポートに有効活用するとともに、薬剤師自身も医療データ利活用できる人材に生まれ変わっていく必要があると考えています。
来年一月に予定されている電子処方箋の導入については大いに賛成いたしますが、関連して、特に二点申し上げたいと思います。
一点目は、サイバーセキュリティーについてです。
最近、マルウエアやランサムウエアなどの悪意のあるプログラムによる攻撃が医療機関にも来るようになってしまっています。電子処方箋導入に当たり、ここをどのように守っていくか、現在システム設計中だと承知していますが、セキュリティー確保については万全を期すようにお願いいたします。
二点目は、電子処方箋に加えて、医療情報の更なる共有についてです。
薬局が電子処方箋や電子カルテ情報の共有を通じて病名や検査値を含めた患者さんの医療情報にきちんとアクセスできるということは非常に重要です。地域によっては、医療情報ネットワークに薬局が参加して実際にそういったことが実現できているところもございます。例えば、長崎のあじさいネットですとか福島のキビタンネットがあり、また、和歌山にも青洲リンクという医療情報ネットワークがありまして、これらの地域では多くの薬局が参加して医療情報をネットワークから取得しています。そういったネットワークから薬局が必要となる医療情報を取得して、服薬管理、さらに指導に生かしていくということは非常に重要なことであり、当然、患者さんの利益になることであります。
将来的には、処方箋情報だけではなく、電子カルテを含めた包括的な医療データの共有、連携の在り方につきましても検討を加速して取り組むよう、お願いいたします。
以上が、簡単ではございますけれども、今回の改正法案に対する私の認識でございます。将来の有事への備えとして、本改正案の速やかな成立、施行をお願いいたします。
御清聴、誠にありがとうございました。
この発言だけを見る →和歌山県立医科大学薬学部の赤池と申します。本日は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する考え方を御説明する機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私は、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会の部会長代理として、昨年末に緊急承認制度の方向性につきまして取りまとめに関わりました。元々の専門分野は薬理学でございますが、現在は薬局や薬剤師の将来的な在り方に関する研究に従事しており、厚生労働省の薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会の薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループの座長も務めております。
私は、本改正案に賛成の立場から、主に三点、緊急承認制度、リアルワールドデータ活用、電子処方箋につきまして、考え方を申し上げたいと思います。
まず、緊急承認制度についての考え方です。
緊急時に極めて迅速な医薬品等の承認を行うということは大変重要です。これまで新型コロナウイルスワクチンや治療薬につきましては、感染拡大防止のため、特例承認や優先的な審査等により、早期の薬事承認に最大限に取り組まれてきました。しかし、承認の更なる早期化を実現するために、緊急時における薬事承認の必要性が高まってきています。より速い速度で、いわゆる迅速に審査ができるような体制を整えていただきますよう、是非お願いいたしたいと考えています。
制度自体が迅速な審査を可能にするようにと法律が改正されましても、制度の施行後に、結果として薬事承認の速度が速まらなければ意味がありません。実際の審査及び薬事承認の迅速化を実現するためには、制度と並行して緊急時の薬事承認に関わる審査体制の整備なども進めることが重要であると考えます。
また、緊急時の薬事承認であっても、対象となる医薬品等の安全性についてはきちんと確認するということが重要です。医薬品医療機器制度部会におきましても、緊急時であったとしても、安全性は通常の薬事承認と同等の水準で確認することを前提とするとの議論がございました。これまでの現行制度、例えば特例承認等において審査対象となる医薬品等の安全性が確認されていますが、そこで見られている安全性の確認のレベルが緊急時の承認でも維持される必要があると考えます。
次に、より効率的な有効性、安全性の評価を行うためのリアルワールドデータの活用について申し上げます。
リアルワールドデータを収集する場合に、どれだけ信頼できる臨床データをできるだけ効率よく漏れなく取れるかということが非常に重要であると考えます。そのためには、データ収集に向けた体制の整備、また、リアルワールドデータを医薬品等の安全性や有効性に活用する情報として生かすための体制の整備が重要です。
安全性評価に当たっては、これまでの個別事例の因果関係の評価に基づいた安全対策に加えて、より効率的な安全性の評価のために、リアルワールドデータの活用や集積する事例を統計的に解析した上での安全対策にも重点を置くことが望まれます。
さらに、緊急時承認では、例えば検証的臨床試験、いわゆる第三相臨床試験になりますけど、こういった試験が完了していない場合でも、入手可能な臨床試験の成績に関する資料を基に有効性が十分に推定でき、さらにその有効性に比して安全性が確認できる場合には申請が可能となると考えられます。
このようなケースでは、本承認に向けて更に有効性及び安全性に関する臨床データの蓄積が必要となってまいります。本承認に向けたリアルワールドデータの審査体制につきましても、これから整備していく必要があると考えられます。
例えば、緊急承認制度の対象には、ワクチン以外の医薬品、医療機器等も入ってくることが考えられます。これらの製品が緊急時承認を受けた後、本承認を受ける際には、従来の制度に戻って本承認に持っていくというよりは、臨床データをデータベースとして構築していき、リアルワールドデータとして有効性と安全性を確認し、審査にかかるような形に整えていくということが重要と思われます。今後、薬事審査を担うPMDAにおきまして、リアルワールドデータの活用について検討を行い、ガイドラインなどを示していただくことが重要だと考えております。
最後に、電子処方箋について申し上げます。
電子処方箋を含む医療のデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXの背景として、まず、医療機関や薬局は極めて多忙であり、時間的なゆとりを持つためのツールの一つとしてICTの活用が極めて重要であるということがあります。
薬局を例に取りましても、ICTを活用した対物業務の効率化による服薬指導の時間の確保、あるいは電子処方箋を活用した医療機関への効率的なフィードバックなど、様々な効果が期待されます。厚生労働省の薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会のワーキングにおきましても、薬局薬剤師のDXの観点から、電子処方箋の導入については高い期待が寄せられました。
二〇一五年に取りまとめられました患者のための薬局ビジョンにおいて、対物から対人業務にシフトしていく薬局のあるべき将来像が示されましたが、一方で、これまで薬局の薬剤師が対人業務に必要とする医療情報を取得するための情報基盤が十分に整っていなかったということもありまして、薬局に来局した患者さんからの聞き取り等の断片的な情報に基づいて対人業務に従事せざるを得ないということが多いという状況にあります。必ずしもこれだけが原因とは申せませんが、このような状況もありまして、薬局ビジョンに示された薬局の価値が十分に発揮されているとは言い難い状況となっています。
他方、世界的に見れば、コロナ禍でオンライン診療、服薬指導を始め医療分野のDXに対して飛躍的に関心が高まってきており、海外ではコロナ以前から電子処方箋を含めてDXの取組が先行しています。このような医療のデジタル化や医療情報ネットワークの構築が進んでいる米国、英国、カナダあるいはエストニアなどの北欧諸国では、既に電子処方箋が導入されています。
一方、日本ですが、国が主導する形で医療データ情報基盤が整いつつあり、ウエアラブル端末等から得られる情報も急増しています。昨年十月には、レセプト、薬剤情報や特定健診情報等のマイナポータル経由での閲覧が可能となり、オンライン診療、服薬指導の恒久ルールについても昨年度策定されました。また、PHRに関わるコミュニケーションツールとして、電子版お薬手帳アプリの利活用推進についても取組が進んでいる状況です。
こういった状況を踏まえ、さらに、電子処方箋、オンライン服薬指導、マイナポータルを通じた各種医療情報の共有等のデジタル技術の進展を踏まえるとともに、さらに、諸外国のDX動向も踏まえまして、医療機関や薬局薬剤師のデジタルトランスフォーメーションに取り組んでいくべきであると考えております。特に、調剤後の患者フォローアップ情報を収集、分析することや、個人にオーダーメードしたヘルスケアサービスを提供し、必要に応じて受診勧奨を行うことについては、地域の薬剤師が中心となって担っていくべき重要な役割と考えています。その際、患者さんから収集したフォローアップ情報だけではなく、IoTデバイス等の活用により得られるPHR情報も含めた種々の情報を薬剤師が関わる医療及び健康サポートに有効活用するとともに、薬剤師自身も医療データ利活用できる人材に生まれ変わっていく必要があると考えています。
来年一月に予定されている電子処方箋の導入については大いに賛成いたしますが、関連して、特に二点申し上げたいと思います。
一点目は、サイバーセキュリティーについてです。
最近、マルウエアやランサムウエアなどの悪意のあるプログラムによる攻撃が医療機関にも来るようになってしまっています。電子処方箋導入に当たり、ここをどのように守っていくか、現在システム設計中だと承知していますが、セキュリティー確保については万全を期すようにお願いいたします。
二点目は、電子処方箋に加えて、医療情報の更なる共有についてです。
薬局が電子処方箋や電子カルテ情報の共有を通じて病名や検査値を含めた患者さんの医療情報にきちんとアクセスできるということは非常に重要です。地域によっては、医療情報ネットワークに薬局が参加して実際にそういったことが実現できているところもございます。例えば、長崎のあじさいネットですとか福島のキビタンネットがあり、また、和歌山にも青洲リンクという医療情報ネットワークがありまして、これらの地域では多くの薬局が参加して医療情報をネットワークから取得しています。そういったネットワークから薬局が必要となる医療情報を取得して、服薬管理、さらに指導に生かしていくということは非常に重要なことであり、当然、患者さんの利益になることであります。
将来的には、処方箋情報だけではなく、電子カルテを含めた包括的な医療データの共有、連携の在り方につきましても検討を加速して取り組むよう、お願いいたします。
以上が、簡単ではございますけれども、今回の改正法案に対する私の認識でございます。将来の有事への備えとして、本改正案の速やかな成立、施行をお願いいたします。
御清聴、誠にありがとうございました。
山
花
花井十伍#5
○参考人(花井十伍君) 本日は、このような機会を与えていただいて、ありがとうございます。
私は、特定非営利活動法人ネットワーク医療と人権の理事をやっています花井十伍と言います。このNPOは、薬害エイズ原告団、大阪HIV訴訟原告団の呼びかけによってつくられたNPO法人で、主に薬害や人権問題に関する調査研究事業、あるいは薬害エイズの被害者の支援、あるいは患者会の支援ということを行っているNPOです。また同時に、全国薬害被害者団体連絡協議会、おめくりください、一枚。この十薬害十二団体によって構成される薬害団体を構成しています。
本日のお話は、残念ながら、この十二団体の意思統一というのはなかなか時間的には難しいので、おおむね、薬害エイズ被害者あるいは患者としての立場からのある種個人的な見解だというふうにお受け止めいただければ幸いです。
薬害という概念自体は日本固有の概念でありまして、英訳だとドラッグ・インデュースド・サファリングスというふうに英訳されますが、例えばエイズの被害者は世界的にいるわけですけれども、世界で交流しても、サリドマイドの被害者とは、そちらは交流していないということで、日本の場合は、この薬害というコンセプトと、それからそれぞれの被害の経験世界に共感があり、このような十二団体が薬害根絶を目指して活動を展開しております。
次のスライドをお願いします。
薬事制度と薬害の関係なんですが、私たちはこの被害を二度と起こしてほしくないということで、薬害被害の教訓を生かしたいというふうなことをこれまでも申し上げてきたんですが、実は世界的にもそうですし、国内の行政機関においても実は教訓は生かされているというのがこのちょっとビジーなポンチ絵です。
上にあります色付きの赤い系統の線が、被害が、被害者が増えている期間ですね。ブルーの線は訴訟をやっている期間であります。そうやって、こうやって見ますと、大体一九六〇年代から今に至るまで、継続していろいろ起こってきているというのが分かると思います。一方、下で示しているのは、それに関連した薬事制度の変遷です。特にサリドマイド被害は世界的なインパクトがありまして、下にあります、日本でいえば一九六七年に、ここは通知なんですけれども、世界で医薬品というのはやっぱり有効性と安全性が大事なんだという今の常識ですね、これがまさにサリドマイドによって世界が自覚したということで、いまだにこの一九六七年が今の薬事行政の原点と言えると思います。
さらに、スモンを踏まえて、その後の薬事法改正ですね、七九年改正ですが、これこそが、今でも常識である副作用の報告義務とか緊急命令、回収命令などという今の立て付けですけれども、これがまさに世界的にもこの一九六〇年代から七〇年代にかけて、今の常識的な枠組みというのが形成されたと言えます。
それからその後、エイズ、ヤコブということが起こりますけれども、そこでいわゆる生物由来製品という概念ができるわけですけれども、原料の上流ですね、病原体があるかないかということの規制ということを必要だと。血液でいえばルックバック、遡及調査システムですね、こういったものが二〇〇二年法によってつくられているわけです。
その後も、薬害が起こるたびに見直して、どこが悪かったんだろうということになっているというのがこの図であって、薬害被害というのは、やはり薬事制度とある意味密接に関連してきたというのがこの図です。
ただし、特に二〇〇〇年代、つまり、この右下の緑の二〇一四年改正の議論の辺りから、まあ医薬品を安全にしようと思ったら、臨床試験の数を増やして、サブグループを山ほどつくって、時間を掛けて安全性を調べればいいわけですけれども、それをどんどん増やしていくということになると、コストもそうですし、時間も掛かるわけですね。この辺りから実はドラッグラグという問題が生じてきます。すなわち、欧米で使える医薬品が日本で使えないじゃないかと。それを何とか改善するという問題が出てきます。つまり、より良い薬を、より安全な薬をより早くというのは誰もが賛同しますけれども、意外にここはコンフリクトするということですね。だから、急いで出すと安全性はどうかと、かといって、ゆっくり出したら、じゃ、逆にそれを待っている患者さんが疾病によって死亡しては元も子もないと。このバランスというのが非常に難しいということになります。
日本においては、この二〇一四年、二〇〇〇年代にかかってから、おめくりください、このドラッグラグの解消、特にはPMDAの組織の強化による審査機関の向上であったり、それから、特に二〇一四年改正においては再生医療等製品という仮免許制度ですね、仮承認制度を導入したり、期限付の早期承認、それから、二〇一九年には先駆け審査指定制度、条件付早期承認制度という運用で行っていた制度の法制化という形で、ドラッグラグの解消ということでより良い薬を早く出すという制度も整備してきたと。
これは、開発メーカーにとってもある程度、制度化によって計画性が立つということで歓迎されている制度であります。ただし、このたびごとに私たちは、やはり、だからといって安全性を損なってはいけないということは繰り返し申し上げてきたということになります。
おめくりいただいて、次のスライドですが、今回は特にこの緊急承認制度というものについて中心に意見を述べたいと思いますが、これは、実は患者さんが待っている薬を早く届けようという早期承認制度とは筋の違うお話であるというのがこのスライドです。
いわゆる特例承認制度というのは一九九六年改正で導入された制度ですけれども、これ言わば緊急時に欧米で実績のある医薬品を緊急輸入できるようにしようというのが一つの理由付けで導入されたものです。
似たような制度のように思える今回の緊急承認制度ですね。これ、特例承認制度の思想的には延長線上にあると解すことは問題ないと思いますし、私もそう考えますが、問題なのは、緊急承認制度は国内開発新薬等にも適用されるわけですから、新薬にも対応するわけですね。そうすると、医薬品承認における有効性、安全性評価基準が本質的に緩和するという問題がここに生じるというのが大きな問題です。
先ほど赤池参考人の方からもありましたし、同じ検討会に私も同席しておりましたので、その辺のことは理解するところですけれども、ただ、この緩和というのをどの程度すべきかというところで、一応、有効性の推定と確認という言葉を使い分けていますけれども、事実上、推定と確認というのは、言葉上は異なっていますけれども、実際の運用になると、やはりどこまで行けば推定されたとするかというクライテリア、無限のグラデーションの中で決めていかなきゃいけないという問題になるので、やはり、このような制度をつくることによっていわゆるセキュリティーホール的なものになっては困るというのが私どもの主張であります。
次のスライドをお願いします。
実は、この法律にはちょっと問題がありまして、薬機法という法律自体がこういう制度になじむか問題というのが私も検討会で繰り返ししつこく主張してきたことであって、これは、基本的には薬機法というのは製販業者に対する規制法なんですね、もちろん薬局に対する規制も入っていますけど。基本的には規制行政なのであって、そうすると、薬機規律というものは元々、製販業者が医薬品として上市したいという動機付けからスタートします。それをするために必要なデータを出す、RCTとか第三相試験とかそういう話がその中身ですが。で、国がどれどれと、このデータを評価、審査し、ちょっと足りないのでこれを追加しろとか、それから、承認はするけど市販後に承認条件で、こういうところにしか売っちゃ駄目よとか、それから添付文書はこういうふうにちゃんと書きなさいとか、それからリスク管理計画、RMPですね、RMPの中身をちゃんとしましょうということで、注文を付けて国が承認するということですね。
ところがです、今回の制度は国が導入をお願いする局面があるわけですね。現にワクチンは優先的に売ってほしいとか日本に出してほしいとお願いするわけですから、これ全然出発点が異なっているので、本来、薬機規律ではクリアできない問題があるんですね。
ここに書いてあるように、国が導入をお願いするような局面においては主導権が入れ替わるかもしれない。売ってあげてもいいけど余りうるさいことを言ってもらっては困るとか、いろいろ条件付けられたら、じゃ、ほかの国の、欲しい国はたくさんあるとか、そういうことになることを懸念しています。この薬機規律が機能しなくなるんですね。
あくまで薬機規律というのは製販業者発で売りたい商品を承認するという立て付けなので、国が欲しい医薬品を世界のどこかから手に入れてきて、持ってきたいから早く承認するというのにはなじまないようになっています。
なので、原則を言えば、緊急承認制度は、承認ではなくてやっぱり暫定使用許可とするのが筋であるというふうには考えます。これは、論理としてはそうしかあり得ないというふうに繰り返し私は主張しております。
アメリカのエマージェンシー・ユース・オーソライゼーションというものの立て付けというのがありますけれども、あれと比較して、日本型というふうにするのはちょっと難しい問題があります。それは次のスライドであります。
今回、検討会でも結局、いろいろ意見はありましたけれども、取りまとめに最終的には賛成したわけですけれども、その理由は、ここにちょっと細かいいろいろ法律が書いていますけど、現行医療関連法と統制技術的整合性という問題が常に日本の医療の場合生じてしまうという問題があります。つまり、例えば承認した医薬品が全部薬価収載されて保険でカバーされるというのも日本の特徴なわけであって、つまり医療システムと薬事承認というのはリンクしているんですね。
そういうことから考えて、もしその適応外で使う、承認されていない形で使うという用い方を、例えば特例承認、あっ、済みません、緊急承認ではなくて緊急使用許可とした場合は、ほかの法律でどう扱うか問題というのは常に生じてしまうので、統制技術的整合性の観点からは今回のように薬機規律を利用するという考え方にも一定の理解は示すということが言えるかなと思います。それがゆえに検討会でも最終的には賛同させていただいたわけです。
下にあるように、もうこれは先生方にはもう釈迦に説法でございますけど、特に保険療養のシステムというのは日本固有の皆保険制度で成り立っていまして、これ自体も相当細かい制度になっているので、こうしたこととの関連とか、あと臨床研究法のようにオフラベルが特定臨床研究になるとか、そういった薬機制度と関連して医療、ヘルスケアシステムを統制する法律が並んでいるので、そことどう整合させるかという話なので、逆に言えば、このようなテロ対策とか、例えばこんなパンデミックに対するいわゆる医薬品の使用というのは、本来は国家、政府レベルの統制システムの設計の問題であって、薬機、中身だけで議論する問題ではないということはここで留保していただきたいというふうに思います。
次のスライドをお願いいたします。
以上の懸念を踏まえまして、この制度を薬機改正に盛り込むに当たってはこのようにしていただきたいというこれはお願い、若しくは意見ですが、一つ目は、緊急承認品目の承認はできるだけ速やかに対照群を設定したプロトコルによって安全性評価を求めると。ただし、RCTを厳密にやると時間も掛かるので、じゃ五年後に分かりましたというのも困るので、ここはルールを決めて割と早期に有効性の評価ということをしてほしいと。
それから、安全対策については、原則、ワクチン何千万人は難しいかもしれませんが、原則全数登録というのを原則としつつ、対照群を設け、検出したシグナルを評価できる体制整備、これは国の責任においてすると。
これは実は前にも議論をしておりまして、ワクチンに関して、結局、対照群、つまり住民台帳があるんですね。あれを対照群とすれば、対照群を据えて、いや、ワクチンの安全性評価は日本でもできるんですけれども、実はそれができていないし、現状それをお願いしてはいるんですが、やはり市町村との関係になるので医薬当局がいろいろ言ってもなかなか協力も難しいし、それからAMEDというところで研究でやっている部分もありますが、そういうレベルじゃないでしょうというのが私の主張で、国家的に緊急事態に対応するものなのだから、その安全についても国家的にやはり保障するために、やっぱり国家が持つ制度を動員してこのようにシグナル評価をできるようにするのは、もうこれ政府の責任だろうということを繰り返し主張しておりますし、ここでも一番強く主張したいと思います。
リアルワールドデータという言葉が出ていますけれども、現にあるものを使わないというのは非常に問題があると思います。なので、そこら辺のところは是非先生方に御理解いただきたいということです。
それから、次にです。先ほど言ったことと同じですけれども、企業と国とが優先契約交渉する、優先供給契約とかするわけですよね。そうすると、企業は何言うかというと、いや、安全対策でいろいろ注文付けられるといろいろコストが掛かるからそれは勘弁してくれなんということを言う可能性がありますよね。それを聞いて政府がPMDAに、いや、配慮するようになんという話は、これも薬機統制がゆがむのでやめていただきたい。
それから、緊急承認品目であるということを国民がやっぱり分かっていなきゃいけないということで、情報提供、できれば緊急承認品目という表示があるべきですし、それからインフォームド・コンセントはやはり書面によって、これは普通の医薬品と違いますよということを患者に徹底していただきたい。
それから次、おめくりいただいて、救済制度ですね。もちろんそういうものを導入する、日本には世界に誇る医薬品副作用被害救済制度がありますし、予防接種法に基づく救済制度がありますが、因果関係を完全に否定できない症例というのをやはり救済されないとセーフティーネットになりませんので、この運用を徹底していただきたい。
ただし、これも疑念があるんですけれども、HPVワクチンあるいはCOVID―19のワクチン被害救済においては、本来救済されるべき国民が政策的意図によって除外されるようなことはあってはならないというふうに思います。もちろん、こういうグレー、救済なので、メーカーの拠出も入っているとかいろいろあると思いますけれども、基本的には因果関係を完全に否定できない場合はこれはやめていただきたいと。
最後のスライドになります。
あと、臨床研究法という関連法で、医師主導治験以外の医薬品開発においてもPMDAが対応する範囲を拡大するということが今議論されていて、それはいいことだなと思っています。
国際的にはFDAが一括して、臨床研究も治験も同じなわけですよね、やっていることは、なので、やるのが理想なので、今後はそうしていただきたいと。また、日本版のNIHを構想したAMEDですね、これ、今は単なるファンディングエージェンシーなんですけれども、それがゆえに研究支援機能や評価機能が不足していますし、それから、HTA機関は存在していなくて、保健科学院の一セクション、C2Hが費用対効果を行っていますと。これも、イギリスのNICEのようなものが日本にないということであって、これらの機関が十分にやっぱり機能するような体制が必要だと思います。
また、これらの機関が過去の薬害の歴史をちゃんと理解してほしいと思います。単に僕は被害者だから言っているんじゃなくて、やっぱり薬害を学ぶと、いわゆる今の安全性向上にいろいろ示唆するものがあるということを私たちは思っていますので、是非、歴史を踏まえた上で、これはレギュラトリーサイエンスでもあります、日本の医療、国民の健康に寄与することを切望しております。
以上です。ありがとうございました。
この発言だけを見る →私は、特定非営利活動法人ネットワーク医療と人権の理事をやっています花井十伍と言います。このNPOは、薬害エイズ原告団、大阪HIV訴訟原告団の呼びかけによってつくられたNPO法人で、主に薬害や人権問題に関する調査研究事業、あるいは薬害エイズの被害者の支援、あるいは患者会の支援ということを行っているNPOです。また同時に、全国薬害被害者団体連絡協議会、おめくりください、一枚。この十薬害十二団体によって構成される薬害団体を構成しています。
本日のお話は、残念ながら、この十二団体の意思統一というのはなかなか時間的には難しいので、おおむね、薬害エイズ被害者あるいは患者としての立場からのある種個人的な見解だというふうにお受け止めいただければ幸いです。
薬害という概念自体は日本固有の概念でありまして、英訳だとドラッグ・インデュースド・サファリングスというふうに英訳されますが、例えばエイズの被害者は世界的にいるわけですけれども、世界で交流しても、サリドマイドの被害者とは、そちらは交流していないということで、日本の場合は、この薬害というコンセプトと、それからそれぞれの被害の経験世界に共感があり、このような十二団体が薬害根絶を目指して活動を展開しております。
次のスライドをお願いします。
薬事制度と薬害の関係なんですが、私たちはこの被害を二度と起こしてほしくないということで、薬害被害の教訓を生かしたいというふうなことをこれまでも申し上げてきたんですが、実は世界的にもそうですし、国内の行政機関においても実は教訓は生かされているというのがこのちょっとビジーなポンチ絵です。
上にあります色付きの赤い系統の線が、被害が、被害者が増えている期間ですね。ブルーの線は訴訟をやっている期間であります。そうやって、こうやって見ますと、大体一九六〇年代から今に至るまで、継続していろいろ起こってきているというのが分かると思います。一方、下で示しているのは、それに関連した薬事制度の変遷です。特にサリドマイド被害は世界的なインパクトがありまして、下にあります、日本でいえば一九六七年に、ここは通知なんですけれども、世界で医薬品というのはやっぱり有効性と安全性が大事なんだという今の常識ですね、これがまさにサリドマイドによって世界が自覚したということで、いまだにこの一九六七年が今の薬事行政の原点と言えると思います。
さらに、スモンを踏まえて、その後の薬事法改正ですね、七九年改正ですが、これこそが、今でも常識である副作用の報告義務とか緊急命令、回収命令などという今の立て付けですけれども、これがまさに世界的にもこの一九六〇年代から七〇年代にかけて、今の常識的な枠組みというのが形成されたと言えます。
それからその後、エイズ、ヤコブということが起こりますけれども、そこでいわゆる生物由来製品という概念ができるわけですけれども、原料の上流ですね、病原体があるかないかということの規制ということを必要だと。血液でいえばルックバック、遡及調査システムですね、こういったものが二〇〇二年法によってつくられているわけです。
その後も、薬害が起こるたびに見直して、どこが悪かったんだろうということになっているというのがこの図であって、薬害被害というのは、やはり薬事制度とある意味密接に関連してきたというのがこの図です。
ただし、特に二〇〇〇年代、つまり、この右下の緑の二〇一四年改正の議論の辺りから、まあ医薬品を安全にしようと思ったら、臨床試験の数を増やして、サブグループを山ほどつくって、時間を掛けて安全性を調べればいいわけですけれども、それをどんどん増やしていくということになると、コストもそうですし、時間も掛かるわけですね。この辺りから実はドラッグラグという問題が生じてきます。すなわち、欧米で使える医薬品が日本で使えないじゃないかと。それを何とか改善するという問題が出てきます。つまり、より良い薬を、より安全な薬をより早くというのは誰もが賛同しますけれども、意外にここはコンフリクトするということですね。だから、急いで出すと安全性はどうかと、かといって、ゆっくり出したら、じゃ、逆にそれを待っている患者さんが疾病によって死亡しては元も子もないと。このバランスというのが非常に難しいということになります。
日本においては、この二〇一四年、二〇〇〇年代にかかってから、おめくりください、このドラッグラグの解消、特にはPMDAの組織の強化による審査機関の向上であったり、それから、特に二〇一四年改正においては再生医療等製品という仮免許制度ですね、仮承認制度を導入したり、期限付の早期承認、それから、二〇一九年には先駆け審査指定制度、条件付早期承認制度という運用で行っていた制度の法制化という形で、ドラッグラグの解消ということでより良い薬を早く出すという制度も整備してきたと。
これは、開発メーカーにとってもある程度、制度化によって計画性が立つということで歓迎されている制度であります。ただし、このたびごとに私たちは、やはり、だからといって安全性を損なってはいけないということは繰り返し申し上げてきたということになります。
おめくりいただいて、次のスライドですが、今回は特にこの緊急承認制度というものについて中心に意見を述べたいと思いますが、これは、実は患者さんが待っている薬を早く届けようという早期承認制度とは筋の違うお話であるというのがこのスライドです。
いわゆる特例承認制度というのは一九九六年改正で導入された制度ですけれども、これ言わば緊急時に欧米で実績のある医薬品を緊急輸入できるようにしようというのが一つの理由付けで導入されたものです。
似たような制度のように思える今回の緊急承認制度ですね。これ、特例承認制度の思想的には延長線上にあると解すことは問題ないと思いますし、私もそう考えますが、問題なのは、緊急承認制度は国内開発新薬等にも適用されるわけですから、新薬にも対応するわけですね。そうすると、医薬品承認における有効性、安全性評価基準が本質的に緩和するという問題がここに生じるというのが大きな問題です。
先ほど赤池参考人の方からもありましたし、同じ検討会に私も同席しておりましたので、その辺のことは理解するところですけれども、ただ、この緩和というのをどの程度すべきかというところで、一応、有効性の推定と確認という言葉を使い分けていますけれども、事実上、推定と確認というのは、言葉上は異なっていますけれども、実際の運用になると、やはりどこまで行けば推定されたとするかというクライテリア、無限のグラデーションの中で決めていかなきゃいけないという問題になるので、やはり、このような制度をつくることによっていわゆるセキュリティーホール的なものになっては困るというのが私どもの主張であります。
次のスライドをお願いします。
実は、この法律にはちょっと問題がありまして、薬機法という法律自体がこういう制度になじむか問題というのが私も検討会で繰り返ししつこく主張してきたことであって、これは、基本的には薬機法というのは製販業者に対する規制法なんですね、もちろん薬局に対する規制も入っていますけど。基本的には規制行政なのであって、そうすると、薬機規律というものは元々、製販業者が医薬品として上市したいという動機付けからスタートします。それをするために必要なデータを出す、RCTとか第三相試験とかそういう話がその中身ですが。で、国がどれどれと、このデータを評価、審査し、ちょっと足りないのでこれを追加しろとか、それから、承認はするけど市販後に承認条件で、こういうところにしか売っちゃ駄目よとか、それから添付文書はこういうふうにちゃんと書きなさいとか、それからリスク管理計画、RMPですね、RMPの中身をちゃんとしましょうということで、注文を付けて国が承認するということですね。
ところがです、今回の制度は国が導入をお願いする局面があるわけですね。現にワクチンは優先的に売ってほしいとか日本に出してほしいとお願いするわけですから、これ全然出発点が異なっているので、本来、薬機規律ではクリアできない問題があるんですね。
ここに書いてあるように、国が導入をお願いするような局面においては主導権が入れ替わるかもしれない。売ってあげてもいいけど余りうるさいことを言ってもらっては困るとか、いろいろ条件付けられたら、じゃ、ほかの国の、欲しい国はたくさんあるとか、そういうことになることを懸念しています。この薬機規律が機能しなくなるんですね。
あくまで薬機規律というのは製販業者発で売りたい商品を承認するという立て付けなので、国が欲しい医薬品を世界のどこかから手に入れてきて、持ってきたいから早く承認するというのにはなじまないようになっています。
なので、原則を言えば、緊急承認制度は、承認ではなくてやっぱり暫定使用許可とするのが筋であるというふうには考えます。これは、論理としてはそうしかあり得ないというふうに繰り返し私は主張しております。
アメリカのエマージェンシー・ユース・オーソライゼーションというものの立て付けというのがありますけれども、あれと比較して、日本型というふうにするのはちょっと難しい問題があります。それは次のスライドであります。
今回、検討会でも結局、いろいろ意見はありましたけれども、取りまとめに最終的には賛成したわけですけれども、その理由は、ここにちょっと細かいいろいろ法律が書いていますけど、現行医療関連法と統制技術的整合性という問題が常に日本の医療の場合生じてしまうという問題があります。つまり、例えば承認した医薬品が全部薬価収載されて保険でカバーされるというのも日本の特徴なわけであって、つまり医療システムと薬事承認というのはリンクしているんですね。
そういうことから考えて、もしその適応外で使う、承認されていない形で使うという用い方を、例えば特例承認、あっ、済みません、緊急承認ではなくて緊急使用許可とした場合は、ほかの法律でどう扱うか問題というのは常に生じてしまうので、統制技術的整合性の観点からは今回のように薬機規律を利用するという考え方にも一定の理解は示すということが言えるかなと思います。それがゆえに検討会でも最終的には賛同させていただいたわけです。
下にあるように、もうこれは先生方にはもう釈迦に説法でございますけど、特に保険療養のシステムというのは日本固有の皆保険制度で成り立っていまして、これ自体も相当細かい制度になっているので、こうしたこととの関連とか、あと臨床研究法のようにオフラベルが特定臨床研究になるとか、そういった薬機制度と関連して医療、ヘルスケアシステムを統制する法律が並んでいるので、そことどう整合させるかという話なので、逆に言えば、このようなテロ対策とか、例えばこんなパンデミックに対するいわゆる医薬品の使用というのは、本来は国家、政府レベルの統制システムの設計の問題であって、薬機、中身だけで議論する問題ではないということはここで留保していただきたいというふうに思います。
次のスライドをお願いいたします。
以上の懸念を踏まえまして、この制度を薬機改正に盛り込むに当たってはこのようにしていただきたいというこれはお願い、若しくは意見ですが、一つ目は、緊急承認品目の承認はできるだけ速やかに対照群を設定したプロトコルによって安全性評価を求めると。ただし、RCTを厳密にやると時間も掛かるので、じゃ五年後に分かりましたというのも困るので、ここはルールを決めて割と早期に有効性の評価ということをしてほしいと。
それから、安全対策については、原則、ワクチン何千万人は難しいかもしれませんが、原則全数登録というのを原則としつつ、対照群を設け、検出したシグナルを評価できる体制整備、これは国の責任においてすると。
これは実は前にも議論をしておりまして、ワクチンに関して、結局、対照群、つまり住民台帳があるんですね。あれを対照群とすれば、対照群を据えて、いや、ワクチンの安全性評価は日本でもできるんですけれども、実はそれができていないし、現状それをお願いしてはいるんですが、やはり市町村との関係になるので医薬当局がいろいろ言ってもなかなか協力も難しいし、それからAMEDというところで研究でやっている部分もありますが、そういうレベルじゃないでしょうというのが私の主張で、国家的に緊急事態に対応するものなのだから、その安全についても国家的にやはり保障するために、やっぱり国家が持つ制度を動員してこのようにシグナル評価をできるようにするのは、もうこれ政府の責任だろうということを繰り返し主張しておりますし、ここでも一番強く主張したいと思います。
リアルワールドデータという言葉が出ていますけれども、現にあるものを使わないというのは非常に問題があると思います。なので、そこら辺のところは是非先生方に御理解いただきたいということです。
それから、次にです。先ほど言ったことと同じですけれども、企業と国とが優先契約交渉する、優先供給契約とかするわけですよね。そうすると、企業は何言うかというと、いや、安全対策でいろいろ注文付けられるといろいろコストが掛かるからそれは勘弁してくれなんということを言う可能性がありますよね。それを聞いて政府がPMDAに、いや、配慮するようになんという話は、これも薬機統制がゆがむのでやめていただきたい。
それから、緊急承認品目であるということを国民がやっぱり分かっていなきゃいけないということで、情報提供、できれば緊急承認品目という表示があるべきですし、それからインフォームド・コンセントはやはり書面によって、これは普通の医薬品と違いますよということを患者に徹底していただきたい。
それから次、おめくりいただいて、救済制度ですね。もちろんそういうものを導入する、日本には世界に誇る医薬品副作用被害救済制度がありますし、予防接種法に基づく救済制度がありますが、因果関係を完全に否定できない症例というのをやはり救済されないとセーフティーネットになりませんので、この運用を徹底していただきたい。
ただし、これも疑念があるんですけれども、HPVワクチンあるいはCOVID―19のワクチン被害救済においては、本来救済されるべき国民が政策的意図によって除外されるようなことはあってはならないというふうに思います。もちろん、こういうグレー、救済なので、メーカーの拠出も入っているとかいろいろあると思いますけれども、基本的には因果関係を完全に否定できない場合はこれはやめていただきたいと。
最後のスライドになります。
あと、臨床研究法という関連法で、医師主導治験以外の医薬品開発においてもPMDAが対応する範囲を拡大するということが今議論されていて、それはいいことだなと思っています。
国際的にはFDAが一括して、臨床研究も治験も同じなわけですよね、やっていることは、なので、やるのが理想なので、今後はそうしていただきたいと。また、日本版のNIHを構想したAMEDですね、これ、今は単なるファンディングエージェンシーなんですけれども、それがゆえに研究支援機能や評価機能が不足していますし、それから、HTA機関は存在していなくて、保健科学院の一セクション、C2Hが費用対効果を行っていますと。これも、イギリスのNICEのようなものが日本にないということであって、これらの機関が十分にやっぱり機能するような体制が必要だと思います。
また、これらの機関が過去の薬害の歴史をちゃんと理解してほしいと思います。単に僕は被害者だから言っているんじゃなくて、やっぱり薬害を学ぶと、いわゆる今の安全性向上にいろいろ示唆するものがあるということを私たちは思っていますので、是非、歴史を踏まえた上で、これはレギュラトリーサイエンスでもあります、日本の医療、国民の健康に寄与することを切望しております。
以上です。ありがとうございました。
山
森
森昌平#7
○参考人(森昌平君) 日本薬剤師会の森でございます。
本日は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する考え方を御説明する機会を頂戴し、ありがとうございます。
私は、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会委員として、昨年末に緊急承認制度の方向性についての議論に参画しております。また、現在、日本薬剤師会の役員として、現場の薬局薬剤師として、新型コロナウイルス感染症対応に日々従事しております。
令和二年一月より始まった新型コロナウイルス感染症は、現在になってもなお完全な終息を見通すことができず蔓延し、関係行政、団体、医療機関、薬局等も含め、必死の対応を続けているところであります。
薬局薬剤師は、感染症の蔓延期にも徹底した感染防止対策に努め、自宅・宿泊療養者など、様々な環境にいる地域住民へコロナ治療薬を始めとする必要な医薬品の提供、手洗い、換気、消毒などの感染防止対策の普及、ワクチン接種への協力、医療用抗原定性検査キットの販売、ワクチン・検査パッケージに基づく無料検査事業などに取り組んでまいりました。
本日は、現場の薬剤師として、本改正案に賛成の立場から、主に三点、緊急承認制度、安全対策、電子処方箋についての考え方を中心に申し上げたいと思います。
まず一点目、緊急承認制度について申し上げます。
今後の有事に備えて、緊急事態のときに国民の生命、健康を守るために、必要性が高い医薬品等に国民がアクセスできるための制度構築は必要です。平時と異なるために、法制化をした上で、具体的な承認審査や安全対策を含め、運用面での要件、基準等をしっかりと政府としても決めていただく必要があると思います。パンデミック時には多くの患者が必要な医薬品に迅速にアクセスできることが求められます。治療薬が存在するかしないかという視点のみならず、たとえ治療薬が存在していても、国民への供給の観点も踏まえて、治療の選択肢を拡大し、治療等が必要な患者に迅速に対応できるよう、複数の選択肢を確保できる体制が不可欠だと考えます。
現在、コロナウイルス感染症の治療薬やワクチンはそれぞれ何種類か流通しておりますが、中には飲み合わせが悪い薬が多く、使用できる患者が限られているものがあります。また、この薬は併用薬の確認に時間を要し、パンデミック時、医療提供体制が逼迫しているときに現場の負担となり得る要素も含んでいます。その他にも、投与方法が点滴のため、自宅での治療や短期間に多くの患者さんに投与することが難しいもの、マイナス九十度からマイナス六十度での輸送、保管が必要で、輸送はもちろん、現場での保管についても特別な設備、対応を求められるワクチンなどあり、これらは短期間、多人数に使用する観点から、利便性が高いとは言えません。
今後のパンデミック発生時に国民の生命を守る上で迅速に対応できるよう、治療薬が既に承認されている場合でも治療の選択肢を拡大できる体制整備が不可欠だと考えます。
次に、各種特例の中で、容器包装等の特例措置についてです。
医薬品の容器包装等を通常承認と同様に対応するためには生産ラインの整備、変更などの必要があり、非常に時間が掛かります。そのため、緊急承認に伴う生産ということから特例措置の配慮は必要だと思い、賛成いたします。ただし、医療現場で医薬品を扱うことになるので、医療安全の点から、必要かつ最低限の情報は容器包装等に載せていただくようにお願いします。
また、現在、添付文書は電子化されておりますが、医薬品は情報があって初めて安全に使用できます。そのため、医薬品と情報は一緒に動くことが不可欠です。医療現場で安全に医薬品が使用できるよう、添付文書は緊急承認された医薬品と共に届くようにお願いします。
次に、供給体制です。
緊急承認後すぐに大量に生産することが必要となることが考えられ、今般のコロナワクチン治療薬では国が買い上げ、流通を主導しておりますが、緊急承認制度で承認された医薬品についても同様に国主導で届けるような体制確保が必要になると考えます。たとえ大量に生産できても、現場へ必要な医薬品が迅速に届かなくては治療はできません。
さきに述べましたが、薬局薬剤師は徹底した感染防止対策に努め、自宅・宿泊療養者など様々な環境にいる患者へコロナ治療薬を始めとする医薬品の提供を行ってきました。医療機関、薬局、卸が機能して初めて緊急時の対応が可能となります。日本の医薬品卸は、毛細血管型の流通網を整備して、必要な場所に品質を確保して迅速に確実に供給する機能を有しており、緊急時にも医薬品卸の協力が不可欠です。製薬企業のみならず、サプライチェーン全体への支援もお願いします。
次に、二番目の安全対策についてです。
これは、薬剤師として非常に重要だと思っております。通常承認された医薬品でも、承認前には捉えられなかった未知の重篤な副作用が出現したり、予測できなかった頻度で副作用が発現したりするおそれがあります。そのため、薬剤師としてふだんから積極的にフォローアップを行い、市販後安全対策に取り組んでおります。
緊急承認された医薬品は、特に注意深い使用を促すとともに、市販後の調査、評価が不可欠だと思います。未知等のリスクに加えて効果についてのフォローと評価が必要で、例えば今回の新型コロナウイルスワクチンの先行接種で行ったように、使用直後は一定期間全例調査することなども検討する必要があると思います。
また、使用後の評価ではリアルワールドデータを質、量共に増やしていく必要があり、そのため、副作用報告を含め、薬剤師が積極的に患者のフォローアップを行い、更なるデータ収集、報告に取り組んでまいります。また、薬によっては特に厳格な使用を求められるものや残薬の管理、回収が必要となってくるものもあり、そのことへも積極的に取り組んでまいります。
承認後、新たに既知化されたリスクが重大なときや、その時点でリスクがベネフィットを上回ると認められたときにはすぐに承認を取り消すような措置も必要で、その際にはちゅうちょなく取り消す運用をお願いします。
現在、国は新興感染症に対応できる医療提供体制の構築を目指しています。第八次医療計画に向けた議論の中でも、今後の新興感染症等の感染拡大時にも機動的に対策を講じられるよう、医療計画の記載事項に新興感染症等の感染拡大時における医療が追加されています。
繰り返しになりますが、今後の有事に備え、緊急時に国民の生命、健康を守るため、必要性が高い医薬品等に特別に使用を認め、国民が必要な医薬品にアクセスできる制度の構築が必要で、そのための今回の法改正だと思います。
続いて、三番目、電子処方箋についての意見です。
現在、国はマイナンバーカードの保険証利用を推進しており、薬局でもオンライン資格確認システムの導入を進めております。来年一月には、オンライン資格確認システムの基盤を活用した電子処方箋の運用がスタートします。日本薬剤師会でも、薬局薬剤師業務のデジタルトランスフォーメーションに積極的に取り組んでおり、薬局では、オンライン資格確認の基盤を活用した電子処方箋を伝達する仕組みを活用し、より安全で有効な薬物治療の実施に取り組んでいきたいと考えています。
ただ、処方情報、調剤情報は非常に機微な情報であること、偽造処方箋が電子処方箋を伝達する仕組みに入ることや電子処方箋の内容が書き換えられたりすることがないよう、また、薬剤師が調剤時にそれらを確認できるように、セキュリティーを含めた安全、安心な仕組みづくりが不可欠であり、その上で効果が十分に発揮できるような仕組み、体制整備が必要だと考えます。電子処方箋の運用を開始するに当たっては、十分に安全性の検証を行ってからスタートしていただきたいと思います。
国民、患者にとっても、これまでと大きく仕組みが変わります。国民、患者は、長年、医療機関で診察を受けて、薬物治療の必要があるときには医師から治療の説明を受けて処方箋を交付され、自身でも処方内容を確認し、処方箋を持って患者が選んだ薬局に来局しています。法改正事項の一つに、医師が電子処方箋を支払基金等に提供すれば患者に交付したものとみなすという規定があります。電子処方箋となっても、患者が処方内容を確認できる仕組み、フリーアクセスを担保する仕組みが必要だと思います。
これらのためには制度としての位置付けが不可欠で、そして何よりも患者、国民に混乱、不利益をもたらさないために国が責任を持って体制整備を進めることが必要で、そのための法改正が必要と考えます。
次に、医療現場への負担軽減です。
電子処方箋のメリットは十分理解しており、薬局側の導入意欲は大変高いものがあります。医療情報化推進基金三百八十三億円で、医療機関、薬局のシステム改修の一部補助をいただけると承知しておりますが、この補助金をいただいたとしても、導入する資金的な体力がない地域の薬局も存在します。できるだけ多くの薬局が導入することで電子処方箋のメリットが多く発揮できると考えておりますので、薬局が電子処方箋の受入れをちゅうちょすることがないように、一層の支援拡充について御検討をお願いします。
以上、法改正関連事項について述べましたが、最後に、法改正そのものではありませんが、昨年末から後発医薬品の生産、流通体制に大きな問題が生じていて、医薬品への信頼が大きく損なわれるとともに、医療の現場では非常に混乱を来しております。平時のみならず、緊急時の医薬品の安定供給のためには、サプライチェーン全体への支援とともに、現場への供給状況の把握、情報提供、代替薬の確保の調整など、デジタル技術の活用を含めた対応を是非お願いしたいと思っております。
以上、簡単でございますけれども、今回の法改正案に対する私の認識でございます。本改正案の速やかな成立、施行をお願いいたします。
御清聴、誠にありがとうございました。
この発言だけを見る →本日は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する考え方を御説明する機会を頂戴し、ありがとうございます。
私は、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会委員として、昨年末に緊急承認制度の方向性についての議論に参画しております。また、現在、日本薬剤師会の役員として、現場の薬局薬剤師として、新型コロナウイルス感染症対応に日々従事しております。
令和二年一月より始まった新型コロナウイルス感染症は、現在になってもなお完全な終息を見通すことができず蔓延し、関係行政、団体、医療機関、薬局等も含め、必死の対応を続けているところであります。
薬局薬剤師は、感染症の蔓延期にも徹底した感染防止対策に努め、自宅・宿泊療養者など、様々な環境にいる地域住民へコロナ治療薬を始めとする必要な医薬品の提供、手洗い、換気、消毒などの感染防止対策の普及、ワクチン接種への協力、医療用抗原定性検査キットの販売、ワクチン・検査パッケージに基づく無料検査事業などに取り組んでまいりました。
本日は、現場の薬剤師として、本改正案に賛成の立場から、主に三点、緊急承認制度、安全対策、電子処方箋についての考え方を中心に申し上げたいと思います。
まず一点目、緊急承認制度について申し上げます。
今後の有事に備えて、緊急事態のときに国民の生命、健康を守るために、必要性が高い医薬品等に国民がアクセスできるための制度構築は必要です。平時と異なるために、法制化をした上で、具体的な承認審査や安全対策を含め、運用面での要件、基準等をしっかりと政府としても決めていただく必要があると思います。パンデミック時には多くの患者が必要な医薬品に迅速にアクセスできることが求められます。治療薬が存在するかしないかという視点のみならず、たとえ治療薬が存在していても、国民への供給の観点も踏まえて、治療の選択肢を拡大し、治療等が必要な患者に迅速に対応できるよう、複数の選択肢を確保できる体制が不可欠だと考えます。
現在、コロナウイルス感染症の治療薬やワクチンはそれぞれ何種類か流通しておりますが、中には飲み合わせが悪い薬が多く、使用できる患者が限られているものがあります。また、この薬は併用薬の確認に時間を要し、パンデミック時、医療提供体制が逼迫しているときに現場の負担となり得る要素も含んでいます。その他にも、投与方法が点滴のため、自宅での治療や短期間に多くの患者さんに投与することが難しいもの、マイナス九十度からマイナス六十度での輸送、保管が必要で、輸送はもちろん、現場での保管についても特別な設備、対応を求められるワクチンなどあり、これらは短期間、多人数に使用する観点から、利便性が高いとは言えません。
今後のパンデミック発生時に国民の生命を守る上で迅速に対応できるよう、治療薬が既に承認されている場合でも治療の選択肢を拡大できる体制整備が不可欠だと考えます。
次に、各種特例の中で、容器包装等の特例措置についてです。
医薬品の容器包装等を通常承認と同様に対応するためには生産ラインの整備、変更などの必要があり、非常に時間が掛かります。そのため、緊急承認に伴う生産ということから特例措置の配慮は必要だと思い、賛成いたします。ただし、医療現場で医薬品を扱うことになるので、医療安全の点から、必要かつ最低限の情報は容器包装等に載せていただくようにお願いします。
また、現在、添付文書は電子化されておりますが、医薬品は情報があって初めて安全に使用できます。そのため、医薬品と情報は一緒に動くことが不可欠です。医療現場で安全に医薬品が使用できるよう、添付文書は緊急承認された医薬品と共に届くようにお願いします。
次に、供給体制です。
緊急承認後すぐに大量に生産することが必要となることが考えられ、今般のコロナワクチン治療薬では国が買い上げ、流通を主導しておりますが、緊急承認制度で承認された医薬品についても同様に国主導で届けるような体制確保が必要になると考えます。たとえ大量に生産できても、現場へ必要な医薬品が迅速に届かなくては治療はできません。
さきに述べましたが、薬局薬剤師は徹底した感染防止対策に努め、自宅・宿泊療養者など様々な環境にいる患者へコロナ治療薬を始めとする医薬品の提供を行ってきました。医療機関、薬局、卸が機能して初めて緊急時の対応が可能となります。日本の医薬品卸は、毛細血管型の流通網を整備して、必要な場所に品質を確保して迅速に確実に供給する機能を有しており、緊急時にも医薬品卸の協力が不可欠です。製薬企業のみならず、サプライチェーン全体への支援もお願いします。
次に、二番目の安全対策についてです。
これは、薬剤師として非常に重要だと思っております。通常承認された医薬品でも、承認前には捉えられなかった未知の重篤な副作用が出現したり、予測できなかった頻度で副作用が発現したりするおそれがあります。そのため、薬剤師としてふだんから積極的にフォローアップを行い、市販後安全対策に取り組んでおります。
緊急承認された医薬品は、特に注意深い使用を促すとともに、市販後の調査、評価が不可欠だと思います。未知等のリスクに加えて効果についてのフォローと評価が必要で、例えば今回の新型コロナウイルスワクチンの先行接種で行ったように、使用直後は一定期間全例調査することなども検討する必要があると思います。
また、使用後の評価ではリアルワールドデータを質、量共に増やしていく必要があり、そのため、副作用報告を含め、薬剤師が積極的に患者のフォローアップを行い、更なるデータ収集、報告に取り組んでまいります。また、薬によっては特に厳格な使用を求められるものや残薬の管理、回収が必要となってくるものもあり、そのことへも積極的に取り組んでまいります。
承認後、新たに既知化されたリスクが重大なときや、その時点でリスクがベネフィットを上回ると認められたときにはすぐに承認を取り消すような措置も必要で、その際にはちゅうちょなく取り消す運用をお願いします。
現在、国は新興感染症に対応できる医療提供体制の構築を目指しています。第八次医療計画に向けた議論の中でも、今後の新興感染症等の感染拡大時にも機動的に対策を講じられるよう、医療計画の記載事項に新興感染症等の感染拡大時における医療が追加されています。
繰り返しになりますが、今後の有事に備え、緊急時に国民の生命、健康を守るため、必要性が高い医薬品等に特別に使用を認め、国民が必要な医薬品にアクセスできる制度の構築が必要で、そのための今回の法改正だと思います。
続いて、三番目、電子処方箋についての意見です。
現在、国はマイナンバーカードの保険証利用を推進しており、薬局でもオンライン資格確認システムの導入を進めております。来年一月には、オンライン資格確認システムの基盤を活用した電子処方箋の運用がスタートします。日本薬剤師会でも、薬局薬剤師業務のデジタルトランスフォーメーションに積極的に取り組んでおり、薬局では、オンライン資格確認の基盤を活用した電子処方箋を伝達する仕組みを活用し、より安全で有効な薬物治療の実施に取り組んでいきたいと考えています。
ただ、処方情報、調剤情報は非常に機微な情報であること、偽造処方箋が電子処方箋を伝達する仕組みに入ることや電子処方箋の内容が書き換えられたりすることがないよう、また、薬剤師が調剤時にそれらを確認できるように、セキュリティーを含めた安全、安心な仕組みづくりが不可欠であり、その上で効果が十分に発揮できるような仕組み、体制整備が必要だと考えます。電子処方箋の運用を開始するに当たっては、十分に安全性の検証を行ってからスタートしていただきたいと思います。
国民、患者にとっても、これまでと大きく仕組みが変わります。国民、患者は、長年、医療機関で診察を受けて、薬物治療の必要があるときには医師から治療の説明を受けて処方箋を交付され、自身でも処方内容を確認し、処方箋を持って患者が選んだ薬局に来局しています。法改正事項の一つに、医師が電子処方箋を支払基金等に提供すれば患者に交付したものとみなすという規定があります。電子処方箋となっても、患者が処方内容を確認できる仕組み、フリーアクセスを担保する仕組みが必要だと思います。
これらのためには制度としての位置付けが不可欠で、そして何よりも患者、国民に混乱、不利益をもたらさないために国が責任を持って体制整備を進めることが必要で、そのための法改正が必要と考えます。
次に、医療現場への負担軽減です。
電子処方箋のメリットは十分理解しており、薬局側の導入意欲は大変高いものがあります。医療情報化推進基金三百八十三億円で、医療機関、薬局のシステム改修の一部補助をいただけると承知しておりますが、この補助金をいただいたとしても、導入する資金的な体力がない地域の薬局も存在します。できるだけ多くの薬局が導入することで電子処方箋のメリットが多く発揮できると考えておりますので、薬局が電子処方箋の受入れをちゅうちょすることがないように、一層の支援拡充について御検討をお願いします。
以上、法改正関連事項について述べましたが、最後に、法改正そのものではありませんが、昨年末から後発医薬品の生産、流通体制に大きな問題が生じていて、医薬品への信頼が大きく損なわれるとともに、医療の現場では非常に混乱を来しております。平時のみならず、緊急時の医薬品の安定供給のためには、サプライチェーン全体への支援とともに、現場への供給状況の把握、情報提供、代替薬の確保の調整など、デジタル技術の活用を含めた対応を是非お願いしたいと思っております。
以上、簡単でございますけれども、今回の法改正案に対する私の認識でございます。本改正案の速やかな成立、施行をお願いいたします。
御清聴、誠にありがとうございました。
山
隈
隈本邦彦#9
○参考人(隈本邦彦君) 江戸川大学の隈本です。
私は、元々NHKで記者をしておりました。社会部の厚生省担当として薬事行政を取材したこともあります。現在は、医薬品監視のNGOである薬害オンブズパースン会議のメンバーとして活動しております。
今日は、お手元にお配りしたこのスライド資料に沿って、同時にお配りした緊急承認制度に対する我々の意見書の趣旨を説明させていただきます。
このスライドの下の方、スライド番号二を御覧ください。
緊急時に例外的な制度が必要なことは分かります。しかし、それが抜け穴になってしまわないようにするために、主に三点、承認ではなく使用許可とすべき、例外的制度が通常になってしまわないような仕組み、歯止め、そしてさらに、例外を認めるのであれば、その分、安全性確認と被害救済にも例外的な対応をしてほしいというのが我々の考えです。
一つずつ詳しく述べたいと思います。次のページのスライド三を御覧ください。
まず、名前を使用許可にすべきという理由ですが、薬として承認されると、国民の多くが国が有効性、安全性を保証したと受け取るおそれがあります。また、医療現場も、承認薬があるんだったらそれを使わないとという状況になり得ます。私の友人の元厚労省の医系技官のお医者さんが、経口コロナ薬のモルヌピラビル、ラゲブリオについて、個人的には効かないと思うんだけれども、お年寄りが入院してきたら使わないわけにはいかない、もし亡くなってしまったら、それがコロナが原因じゃなかったとしても、重症化リスクがあるのになぜ承認薬を使わなかったと責められるからと嘆いていました。
この下のスライドの四、御覧ください。
現状でも、少ないデータで承認する例外的制度あります。海外で販売されているものを認める特例承認、条件付承認制度等々ですね。いずれも厚労省の通知だけで始められて、その後に国会の審議があって法制化されるという経過をたどっています。しかし、制度の結果の検証が十分なされないままに前例だけが積み重ねられているというふうに感じています。
次のページのスライド五を御覧ください。
先ほど紹介したラゲブリオの例ですが、去年十月の中間解析の段階では、重症化を約五〇%減少させた期待の薬と報道されました。しかし、最終的な治験の結果は約三〇%の減少にとどまりました。その経過を下のスライドに、グラフに表しました。一番左のグラフ、中間解析の時点では、確かに重症化率はプラセボに対して半分に下がっています。一番右側のグラフを見てください。治験全症例では約三〇%の減少にとどまっていて、統計的な有意差はぎりぎりでした。その途中を見てみますと、六百四十六例についてはむしろラゲブリオ群の方が重症化率が高かったんですね。今回の緊急承認制度では、治験第二相の少ないデータでも有効性は推定できるというのが政府答弁です。まさにそれが裏切られたのがこのラゲブリオだということですね。つまり、一番左の中間解析の七百六十二例だけでは薬の実力は分からなかったということです。
次のページの上を御覧ください。
治験の第三相ではこんなデータもありました。被験者が新型コロナ抗体を既に持っていた場合、重症化率は二・九%とプラセボ群と全く変わりがなかったんですね。下の八を見ていただくと、まとめますと、つまりこういうことです。この薬は、治験の後半は成績が振るわず、しかもコロナ抗体を持っている人、つまり既に感染した人やワクチンを打った人には無効かもしれないというデータが出ていた。ですから、重症化率が低いオミクロン株が流行して、国民の多くが二回接種を終えている日本で本当に効くのかということについてはよく分からない、疑問だと言っているんです。ところが、去年十二月に特例承認されて、先月十五日までにもう十五万人に使われています。そして、市販直後調査では、二千八百件余りの副作用が報告され、うち三百四十三件が重篤です。そして、このうち三十二人が亡くなっています。しかし、その詳細は公表されていません。メーカーに問い合わせても、詳しいことは教えられないということでした。問題だと思います。
私が疑問なのは、このスライドにあるような有効性の限界とか副作用のデータが患者さんに適切に伝えられて、患者さん自身の選択でこの薬を投与しているのか。それについてはそうは思えないんですね。やはり、国が承認しているから使うべきだと思っていらっしゃるんじゃないでしょうか。
次の九ページを、スライド九を御覧ください。
一方で、今回の緊急承認のモデルとなったアメリカのEUAはあくまで緊急の使用許可であり、政治的、恣意的な運用をされないように徹底的な審議の公開とか、審議会メンバーの利益相反管理が行われているということです。そして、ここ大事だと思うんですけど、インフォームド・コンセントに関して、希望する患者にはファクトシートを渡すことが制度として決められています。この下の方に書いてあります、これがファクトシートの実例です。ラゲブリオのものですが、一番上に患者に渡すシートですと書いてあります。
次のページの十一を御覧ください。
これはあくまで試験的性格の薬であるということ、未承認の薬だということも強調されています。それから、下の方には、EUAとは何かという説明もこの患者さんに渡すシートの中に書いてあるんですね。
このEUAでは、新たなデータが出たら迅速に取消しあるいは使用中止ということが行われています。トランプ前大統領が推していたヒドロキシクロロキンも今現在取消しです。それから、ソトロビマブなどの抗体薬も、効かないというデータが出ると、今FDAのウエブサイトを見ますと、これは全米どこの地域でも使えないと書いてあります。
一方、日本では、このうちゼビュディとロナプリーブは特例承認されていますが、まだそれは取り消されていませんし、通知などで使う患者を限定するというふうな対応をしているだけで、国民がすぐに見て分かるようなウエブサイトには何も書いてありません。
まとめますと、通常承認と誤解されることのないように別の名称とし、取消し、中止なども迅速に行うことが期待されます。
次のページの上、十五を御覧ください。
意見書の趣旨の二番目ですが、この例外的制度が抜け穴として使われないように歯止めをしっかりとという点をお願いしたいと思います。
かつてサリドマイド薬害が起こった頃、日本では海外で流通する有名な薬は簡易な検査でいいということになっていました。サリドマイドの審査も一時間半ぐらいだったと言われています。その結果、三百人以上の被害児が出ました。その後、スモン、薬害エイズ、薬害肝炎などの苦い経験を基に、日本の薬事制度は科学的になり、曲がりなりにも米国、EU並みというふうに言われるようになりました。
その下の十六を御覧ください。
ところが、最近、例外的な制度の前例だけが積み重なってきていると先ほど申し上げました。薬害の歴史を考えれば、薬事承認というのはより慎重にやるというのが国民のためであったし、そうやって実践してきたのに、今は逆に前のめりで、何でも認めるのが国民のためというふうに誤解されているんではないかと感じています。
次のスライドの十七番、御覧ください。
例えば国内企業の画期的新薬を優先審議するという先駆け審査指定制度、この第一弾にゾフルーザというのがあります。市販された翌冬のシーズンに爆発的に売れまして、推定四百二十七万人に使われました。その結果、三十七人の死亡症例が報告され、これはほかの抗インフルエンザ薬のレベルをはるかに上回る頻度でした。それから、耐性ウイルスも高率に発生しました。そのことは全部後から分かってきました。
また、条件付・期限付承認制度ではステミラックが認められましたが、対照群を置いていない少数の症例だけで認めたことが非科学的であるとして、ネイチャー誌に強く批判されました。
私たちは、この事例にその都度、意見書、要望書を出して、国内企業を過度に優先するということの危険性を指摘してきました。その典型がアビガンです。
次の十八を御覧ください。
抗インフルエンザ薬アビガンがコロナに効くかもしれないというレベルのデータに基づいて、政府主導で未承認薬を観察研究という形で異例の形で国民に提供して、もう既に一万五千人に投与されています。ところが、この観察研究では、入院時に酸素投与が必要なかった方、軽症患者ですね、この方の致死率が、一か月以内の致死率が三・九%とこれは非常に高かったんです。治療法を問わない全国のコロナの入院患者を登録したCOVID―19レジストリー研究というのが比較対照になるんですけれども、その場合は軽症患者の致死率は〇・四%ですから、約十倍ということになります。
次のページの十九にそのグラフを載せました。
観察研究は中間報告で一報、四報と出ていったんですが、その間、一年半の間、軽症患者の致死率はずっと高い状態が続いていました。この間、何度も我々は意見書を出したんですが、藤田医科大も国もそれを止めようとはしませんでした。去年の年末にようやく止まりました。
今回の緊急承認制度では、承認を与えた後、検証的臨床試験ができない場合にはいわゆるリアルワールドデータでもいいというのが政府の答弁です。でも、このアビガン観察研究って、まさにリアルワールドデータです。投与してみたらどうだったということです。軽症患者の致死率が高いという、こういうシグナルが出続けているのに、プラセボ群と比較していないから、また藤田医科大がその後の安全性の解析をしていませんので、結局この研究は自分たちの力では止めることができませんでした。リアルワールドデータの限界を示す実例ではないかと思います。
下の二十を御覧ください。
厚労省もリアルワールドデータのガイドライン、基本的な考え方というのを明らかにしていますが、その中で、御覧のように、恣意的な解析が可能なので注意が必要だと厚労省自身が言っているんですね。
次のページの二十一を御覧ください。
じゃ、有効性はということは、国内の三つの治験第三相でいずれも有効性の証明に失敗しています。それから、国内のやり直しの治験も今組入れが中止になったことは皆さん御存じのとおりです。
下の二十二を御覧ください。
このような前のめりの薬事政策の結果、妊娠していた可能性のある女性が飲んでしまった事件がありました。それから、外来で使われていたという事件も発生しました。しかし、国は規定方針どおり百三十万人分の追加備蓄なども行い、多額の税金を企業に払っているというのが現状です。
次のページの二十三を御覧ください。
我々も日本企業には頑張ってほしいと思っています。しかし、それは科学的でフェアな戦い方であってほしい。ひいきの引き倒しは困ります。例えば、今一部報道されていますが、経口コロナ薬で日本の企業が、条件付承認制度で駄目なら新しくつくられる今度の緊急承認制度でいこうかという話があるそうです。もしこんなことが実現したら、日本の薬事行政は国際的な信頼を失うことになりかねません。
下の二十四を御覧ください。
二番目の論点のまとめですが、とにかく例外が通常になって、抜け穴になってしまわないように、第三相の臨床試験は承認後に必ず出してもらうこと、そしてリアルワールドデータで代替することは不十分だということを強調したいと思います。
次の二十五を御覧ください。
三番目の論点です。これまでの政府答弁では、一定期間に高頻度で生じる副作用は治験の第二相で見付けることができる、それで大丈夫だと、安全性は確認できるということですが、じゃ、現状なぜ第三相の安全性チェックをしているんでしょうか。本当は、第三相で見付けられる副作用というのも当然あるはずです。第三相なしで認めるんだったら、その分市販後の安全性チェックを厳しくしないとバランスが取れません。
具体的な方法については、第二相までの生データを公開させる、市販直後調査の早期公開だけではなくて、それを患者に伝えることを義務付ける、さらには、今安全対策にはほとんど生かされていない患者からの副作用報告を確実にこの安全対策に使う、こういうことを考えていただきたいです。そういう意味で、現状の特例承認は考え方が逆行しているんじゃないかと思います。
次の二十六、下の二十六を御覧ください。
特例承認された新型コロナワクチン、これまでに接種後千六百三十五人の方が亡くなっています。この全てが因果関係が認められないか評価できないということで、安全性に重大な懸念はないということで今も進められています。厚労省が依頼した専門家がその因果関係をそう評価したと言うんですけれども、じゃ、その専門家というのがどこの誰かということは公表されていませんし、その基準も明確ではありません。
次のページの二十七を見てください。
これは、二〇一〇年、当時新型インフルエンザワクチンで百三十三人の接種後死亡報告があった頃の資料ですが、その頃は、下の二十八にありますように、評価した専門家の名前も、その個別の内容も公表されていました。
こうして、なぜ十年前には公表していたのに今公表しないのかということを、政府答弁では、公表すると公正、中立な審議に支障が出るからと言っているんですが、意味分かりませんね。やましいことがなければ、堂々と名前を出して、専門家としての意見を出すべきなんです。今はそれをやっていないんですね。特例承認なんだから、なおさらのことです。
次のページの二十九を御覧ください。
少ない安全性のデータで認めるなら、被害救済の方も幅広く認めるべきだと思います。しかし、現状では、新型コロナワクチン接種後に死亡した事例は保留されていまして、死亡事例についてまだ補償されたことが一例もありません。死亡以外のものだけが補償されているのが現状です。
因果関係の明確に否定できないものを補償するというのがこの予防接種健康被害救済制度の趣旨です。厚労省もそれを公に出しています。それに沿った運用をしていただきたい。判定会議に患者や薬害被害者代表を入れるといった改善策も必要だと思います。
ここの下にありますこの三つ、この三つのことを強く求めまして、私の意見表明といたします。
御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →私は、元々NHKで記者をしておりました。社会部の厚生省担当として薬事行政を取材したこともあります。現在は、医薬品監視のNGOである薬害オンブズパースン会議のメンバーとして活動しております。
今日は、お手元にお配りしたこのスライド資料に沿って、同時にお配りした緊急承認制度に対する我々の意見書の趣旨を説明させていただきます。
このスライドの下の方、スライド番号二を御覧ください。
緊急時に例外的な制度が必要なことは分かります。しかし、それが抜け穴になってしまわないようにするために、主に三点、承認ではなく使用許可とすべき、例外的制度が通常になってしまわないような仕組み、歯止め、そしてさらに、例外を認めるのであれば、その分、安全性確認と被害救済にも例外的な対応をしてほしいというのが我々の考えです。
一つずつ詳しく述べたいと思います。次のページのスライド三を御覧ください。
まず、名前を使用許可にすべきという理由ですが、薬として承認されると、国民の多くが国が有効性、安全性を保証したと受け取るおそれがあります。また、医療現場も、承認薬があるんだったらそれを使わないとという状況になり得ます。私の友人の元厚労省の医系技官のお医者さんが、経口コロナ薬のモルヌピラビル、ラゲブリオについて、個人的には効かないと思うんだけれども、お年寄りが入院してきたら使わないわけにはいかない、もし亡くなってしまったら、それがコロナが原因じゃなかったとしても、重症化リスクがあるのになぜ承認薬を使わなかったと責められるからと嘆いていました。
この下のスライドの四、御覧ください。
現状でも、少ないデータで承認する例外的制度あります。海外で販売されているものを認める特例承認、条件付承認制度等々ですね。いずれも厚労省の通知だけで始められて、その後に国会の審議があって法制化されるという経過をたどっています。しかし、制度の結果の検証が十分なされないままに前例だけが積み重ねられているというふうに感じています。
次のページのスライド五を御覧ください。
先ほど紹介したラゲブリオの例ですが、去年十月の中間解析の段階では、重症化を約五〇%減少させた期待の薬と報道されました。しかし、最終的な治験の結果は約三〇%の減少にとどまりました。その経過を下のスライドに、グラフに表しました。一番左のグラフ、中間解析の時点では、確かに重症化率はプラセボに対して半分に下がっています。一番右側のグラフを見てください。治験全症例では約三〇%の減少にとどまっていて、統計的な有意差はぎりぎりでした。その途中を見てみますと、六百四十六例についてはむしろラゲブリオ群の方が重症化率が高かったんですね。今回の緊急承認制度では、治験第二相の少ないデータでも有効性は推定できるというのが政府答弁です。まさにそれが裏切られたのがこのラゲブリオだということですね。つまり、一番左の中間解析の七百六十二例だけでは薬の実力は分からなかったということです。
次のページの上を御覧ください。
治験の第三相ではこんなデータもありました。被験者が新型コロナ抗体を既に持っていた場合、重症化率は二・九%とプラセボ群と全く変わりがなかったんですね。下の八を見ていただくと、まとめますと、つまりこういうことです。この薬は、治験の後半は成績が振るわず、しかもコロナ抗体を持っている人、つまり既に感染した人やワクチンを打った人には無効かもしれないというデータが出ていた。ですから、重症化率が低いオミクロン株が流行して、国民の多くが二回接種を終えている日本で本当に効くのかということについてはよく分からない、疑問だと言っているんです。ところが、去年十二月に特例承認されて、先月十五日までにもう十五万人に使われています。そして、市販直後調査では、二千八百件余りの副作用が報告され、うち三百四十三件が重篤です。そして、このうち三十二人が亡くなっています。しかし、その詳細は公表されていません。メーカーに問い合わせても、詳しいことは教えられないということでした。問題だと思います。
私が疑問なのは、このスライドにあるような有効性の限界とか副作用のデータが患者さんに適切に伝えられて、患者さん自身の選択でこの薬を投与しているのか。それについてはそうは思えないんですね。やはり、国が承認しているから使うべきだと思っていらっしゃるんじゃないでしょうか。
次の九ページを、スライド九を御覧ください。
一方で、今回の緊急承認のモデルとなったアメリカのEUAはあくまで緊急の使用許可であり、政治的、恣意的な運用をされないように徹底的な審議の公開とか、審議会メンバーの利益相反管理が行われているということです。そして、ここ大事だと思うんですけど、インフォームド・コンセントに関して、希望する患者にはファクトシートを渡すことが制度として決められています。この下の方に書いてあります、これがファクトシートの実例です。ラゲブリオのものですが、一番上に患者に渡すシートですと書いてあります。
次のページの十一を御覧ください。
これはあくまで試験的性格の薬であるということ、未承認の薬だということも強調されています。それから、下の方には、EUAとは何かという説明もこの患者さんに渡すシートの中に書いてあるんですね。
このEUAでは、新たなデータが出たら迅速に取消しあるいは使用中止ということが行われています。トランプ前大統領が推していたヒドロキシクロロキンも今現在取消しです。それから、ソトロビマブなどの抗体薬も、効かないというデータが出ると、今FDAのウエブサイトを見ますと、これは全米どこの地域でも使えないと書いてあります。
一方、日本では、このうちゼビュディとロナプリーブは特例承認されていますが、まだそれは取り消されていませんし、通知などで使う患者を限定するというふうな対応をしているだけで、国民がすぐに見て分かるようなウエブサイトには何も書いてありません。
まとめますと、通常承認と誤解されることのないように別の名称とし、取消し、中止なども迅速に行うことが期待されます。
次のページの上、十五を御覧ください。
意見書の趣旨の二番目ですが、この例外的制度が抜け穴として使われないように歯止めをしっかりとという点をお願いしたいと思います。
かつてサリドマイド薬害が起こった頃、日本では海外で流通する有名な薬は簡易な検査でいいということになっていました。サリドマイドの審査も一時間半ぐらいだったと言われています。その結果、三百人以上の被害児が出ました。その後、スモン、薬害エイズ、薬害肝炎などの苦い経験を基に、日本の薬事制度は科学的になり、曲がりなりにも米国、EU並みというふうに言われるようになりました。
その下の十六を御覧ください。
ところが、最近、例外的な制度の前例だけが積み重なってきていると先ほど申し上げました。薬害の歴史を考えれば、薬事承認というのはより慎重にやるというのが国民のためであったし、そうやって実践してきたのに、今は逆に前のめりで、何でも認めるのが国民のためというふうに誤解されているんではないかと感じています。
次のスライドの十七番、御覧ください。
例えば国内企業の画期的新薬を優先審議するという先駆け審査指定制度、この第一弾にゾフルーザというのがあります。市販された翌冬のシーズンに爆発的に売れまして、推定四百二十七万人に使われました。その結果、三十七人の死亡症例が報告され、これはほかの抗インフルエンザ薬のレベルをはるかに上回る頻度でした。それから、耐性ウイルスも高率に発生しました。そのことは全部後から分かってきました。
また、条件付・期限付承認制度ではステミラックが認められましたが、対照群を置いていない少数の症例だけで認めたことが非科学的であるとして、ネイチャー誌に強く批判されました。
私たちは、この事例にその都度、意見書、要望書を出して、国内企業を過度に優先するということの危険性を指摘してきました。その典型がアビガンです。
次の十八を御覧ください。
抗インフルエンザ薬アビガンがコロナに効くかもしれないというレベルのデータに基づいて、政府主導で未承認薬を観察研究という形で異例の形で国民に提供して、もう既に一万五千人に投与されています。ところが、この観察研究では、入院時に酸素投与が必要なかった方、軽症患者ですね、この方の致死率が、一か月以内の致死率が三・九%とこれは非常に高かったんです。治療法を問わない全国のコロナの入院患者を登録したCOVID―19レジストリー研究というのが比較対照になるんですけれども、その場合は軽症患者の致死率は〇・四%ですから、約十倍ということになります。
次のページの十九にそのグラフを載せました。
観察研究は中間報告で一報、四報と出ていったんですが、その間、一年半の間、軽症患者の致死率はずっと高い状態が続いていました。この間、何度も我々は意見書を出したんですが、藤田医科大も国もそれを止めようとはしませんでした。去年の年末にようやく止まりました。
今回の緊急承認制度では、承認を与えた後、検証的臨床試験ができない場合にはいわゆるリアルワールドデータでもいいというのが政府の答弁です。でも、このアビガン観察研究って、まさにリアルワールドデータです。投与してみたらどうだったということです。軽症患者の致死率が高いという、こういうシグナルが出続けているのに、プラセボ群と比較していないから、また藤田医科大がその後の安全性の解析をしていませんので、結局この研究は自分たちの力では止めることができませんでした。リアルワールドデータの限界を示す実例ではないかと思います。
下の二十を御覧ください。
厚労省もリアルワールドデータのガイドライン、基本的な考え方というのを明らかにしていますが、その中で、御覧のように、恣意的な解析が可能なので注意が必要だと厚労省自身が言っているんですね。
次のページの二十一を御覧ください。
じゃ、有効性はということは、国内の三つの治験第三相でいずれも有効性の証明に失敗しています。それから、国内のやり直しの治験も今組入れが中止になったことは皆さん御存じのとおりです。
下の二十二を御覧ください。
このような前のめりの薬事政策の結果、妊娠していた可能性のある女性が飲んでしまった事件がありました。それから、外来で使われていたという事件も発生しました。しかし、国は規定方針どおり百三十万人分の追加備蓄なども行い、多額の税金を企業に払っているというのが現状です。
次のページの二十三を御覧ください。
我々も日本企業には頑張ってほしいと思っています。しかし、それは科学的でフェアな戦い方であってほしい。ひいきの引き倒しは困ります。例えば、今一部報道されていますが、経口コロナ薬で日本の企業が、条件付承認制度で駄目なら新しくつくられる今度の緊急承認制度でいこうかという話があるそうです。もしこんなことが実現したら、日本の薬事行政は国際的な信頼を失うことになりかねません。
下の二十四を御覧ください。
二番目の論点のまとめですが、とにかく例外が通常になって、抜け穴になってしまわないように、第三相の臨床試験は承認後に必ず出してもらうこと、そしてリアルワールドデータで代替することは不十分だということを強調したいと思います。
次の二十五を御覧ください。
三番目の論点です。これまでの政府答弁では、一定期間に高頻度で生じる副作用は治験の第二相で見付けることができる、それで大丈夫だと、安全性は確認できるということですが、じゃ、現状なぜ第三相の安全性チェックをしているんでしょうか。本当は、第三相で見付けられる副作用というのも当然あるはずです。第三相なしで認めるんだったら、その分市販後の安全性チェックを厳しくしないとバランスが取れません。
具体的な方法については、第二相までの生データを公開させる、市販直後調査の早期公開だけではなくて、それを患者に伝えることを義務付ける、さらには、今安全対策にはほとんど生かされていない患者からの副作用報告を確実にこの安全対策に使う、こういうことを考えていただきたいです。そういう意味で、現状の特例承認は考え方が逆行しているんじゃないかと思います。
次の二十六、下の二十六を御覧ください。
特例承認された新型コロナワクチン、これまでに接種後千六百三十五人の方が亡くなっています。この全てが因果関係が認められないか評価できないということで、安全性に重大な懸念はないということで今も進められています。厚労省が依頼した専門家がその因果関係をそう評価したと言うんですけれども、じゃ、その専門家というのがどこの誰かということは公表されていませんし、その基準も明確ではありません。
次のページの二十七を見てください。
これは、二〇一〇年、当時新型インフルエンザワクチンで百三十三人の接種後死亡報告があった頃の資料ですが、その頃は、下の二十八にありますように、評価した専門家の名前も、その個別の内容も公表されていました。
こうして、なぜ十年前には公表していたのに今公表しないのかということを、政府答弁では、公表すると公正、中立な審議に支障が出るからと言っているんですが、意味分かりませんね。やましいことがなければ、堂々と名前を出して、専門家としての意見を出すべきなんです。今はそれをやっていないんですね。特例承認なんだから、なおさらのことです。
次のページの二十九を御覧ください。
少ない安全性のデータで認めるなら、被害救済の方も幅広く認めるべきだと思います。しかし、現状では、新型コロナワクチン接種後に死亡した事例は保留されていまして、死亡事例についてまだ補償されたことが一例もありません。死亡以外のものだけが補償されているのが現状です。
因果関係の明確に否定できないものを補償するというのがこの予防接種健康被害救済制度の趣旨です。厚労省もそれを公に出しています。それに沿った運用をしていただきたい。判定会議に患者や薬害被害者代表を入れるといった改善策も必要だと思います。
ここの下にありますこの三つ、この三つのことを強く求めまして、私の意見表明といたします。
御清聴ありがとうございました。
山
山田宏#10
○委員長(山田宏君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。
石
石田昌宏#11
○石田昌宏君 自由民主党の石田昌宏と申します。
参考人の皆様方には、本当に連休中もきっと準備をしてくださったというふうに思います。今日の日を迎えまして、本当にありがとうございます。
私の方からは、余りにも基本的なことかもしれませんけど、ちょっとどうしても今回、衆議院、またこれまでの参議院の議論等を通じていて頭が整理できないところがありまして、一回ちょっと頭をクリアにしたいと思っています。
国民一人一人が薬を飲んで、それによって一人一人の生活や命が変わってくるとても大事なものですから、国民一人一人に対して分かりやすくクリアに説明しないとこの課題が見えないんだというふうに思いますので、それをちょっとお助けいただけたらというふうに思っています。
今回の議論を聞いていると、やはり効果や副作用の問題がやっぱりかなり出ているんですけれども、その議論の中で、効果や副作用が十分証明できないじゃないかとか、安全性、有効性というふうに並列で語って同時に話すとかという場面がかなり多いと思うんですけれども、今日、最初の赤池参考人の御説明にもありましたけど、今回の主なテーマであります緊急時の薬事の承認制度に関しては、発動、あっ、運用の基準があって、やはり安全性と有効性をそれぞれ分けて考えていると思います。
安全性に関しては、通常の薬事承認と同等の水準で確認することというのがあるので、基本的には今までのやり方と変わらないということが大前提になっています。一方、有効性に関しては、時間とかがなくて検証的臨床試験が完了していない場合でも、入手可能な臨床試験の試験成績から有効性が推定できれば承認可能ということになりますので、有効性については推定でもいいという話になるので、ここを単純に考えれば、安全性は変わらないけれども有効性に関する問題がここにあるといったことなので、本来、この緊急承認、薬事承認制度に関しては有効性についての議論が中心になるというふうに思うんですが、どうも議論全体からすると、むしろそこじゃなくて、副作用とかの安全性のことがどっちかというと中心で議論があるんだというふうに思います。
ここは有効性と安全性が完全に分けられるかというと、必ずしもそうじゃありませんし、今、隈本参考人のお話とか資料、データ見ていても、確かに明確に分けれないということがあるのかもしれません。とすると、この法律の考え方の立て付け自体が疑問ということにもなってしまわざるを得ないこともあります。
そこで、ちょっと確認させてほしいんですけれども、この安全性と有効性について、薬事承認全般の話じゃなくて、今回の緊急承認に限った話としてそれぞれどこに課題があるのか若しくはないのか、若しくはそのものの分けて考えること自体が問題なのかといったことにつきまして、それぞれの参考人の方々の立場で簡単にお話しいただけたら有り難いというふうに思います。よろしくお願いします。
この発言だけを見る →参考人の皆様方には、本当に連休中もきっと準備をしてくださったというふうに思います。今日の日を迎えまして、本当にありがとうございます。
私の方からは、余りにも基本的なことかもしれませんけど、ちょっとどうしても今回、衆議院、またこれまでの参議院の議論等を通じていて頭が整理できないところがありまして、一回ちょっと頭をクリアにしたいと思っています。
国民一人一人が薬を飲んで、それによって一人一人の生活や命が変わってくるとても大事なものですから、国民一人一人に対して分かりやすくクリアに説明しないとこの課題が見えないんだというふうに思いますので、それをちょっとお助けいただけたらというふうに思っています。
今回の議論を聞いていると、やはり効果や副作用の問題がやっぱりかなり出ているんですけれども、その議論の中で、効果や副作用が十分証明できないじゃないかとか、安全性、有効性というふうに並列で語って同時に話すとかという場面がかなり多いと思うんですけれども、今日、最初の赤池参考人の御説明にもありましたけど、今回の主なテーマであります緊急時の薬事の承認制度に関しては、発動、あっ、運用の基準があって、やはり安全性と有効性をそれぞれ分けて考えていると思います。
安全性に関しては、通常の薬事承認と同等の水準で確認することというのがあるので、基本的には今までのやり方と変わらないということが大前提になっています。一方、有効性に関しては、時間とかがなくて検証的臨床試験が完了していない場合でも、入手可能な臨床試験の試験成績から有効性が推定できれば承認可能ということになりますので、有効性については推定でもいいという話になるので、ここを単純に考えれば、安全性は変わらないけれども有効性に関する問題がここにあるといったことなので、本来、この緊急承認、薬事承認制度に関しては有効性についての議論が中心になるというふうに思うんですが、どうも議論全体からすると、むしろそこじゃなくて、副作用とかの安全性のことがどっちかというと中心で議論があるんだというふうに思います。
ここは有効性と安全性が完全に分けられるかというと、必ずしもそうじゃありませんし、今、隈本参考人のお話とか資料、データ見ていても、確かに明確に分けれないということがあるのかもしれません。とすると、この法律の考え方の立て付け自体が疑問ということにもなってしまわざるを得ないこともあります。
そこで、ちょっと確認させてほしいんですけれども、この安全性と有効性について、薬事承認全般の話じゃなくて、今回の緊急承認に限った話としてそれぞれどこに課題があるのか若しくはないのか、若しくはそのものの分けて考えること自体が問題なのかといったことにつきまして、それぞれの参考人の方々の立場で簡単にお話しいただけたら有り難いというふうに思います。よろしくお願いします。
赤
赤池昭紀#12
○参考人(赤池昭紀君) 大変重要な御質問だと思います。
ただ、非常に難しいのは、これは結局、医薬品のいわゆる有効な治療作用ですね、作用と副作用という問題になってくるというふうに思います。要するに、副作用がなければ安全性は問題ないわけですので特に議論する必要はありませんが、医薬品の場合は、作用とそれから副作用というのが基本的には同時に起こってくる場合もあれば、投与量が高くなると副作用が出てくるという場合、いろいろなケースが想定されます。そういった中でその有効性と安全性を考えていかなければいけないということになってまいりますので、一つは、一律に、全部一緒に考えることが難しいという点が一つはあろうかと思います。
医薬品医療機器制度部会では、先ほどの繰り返し、御指摘になったところの繰り返しにもなるかもしれませんけれども、やはりその中で安全性はきちんと確認する必要があるということで、緊急時の承認ということであっても、通常の薬事承認と同等の水準での確認は必要であるということになりました。
ただ、ここで重要なのは、安全性が確認されるということと、その薬に副作用がないということではないということになります。ですから、薬は、副作用は当然、まあケース・バイ・ケースですけれども、ある程度出てくる場合はあるということになります。
そういった場合に、今度は実際に治療薬として効く有効性の方になってまいりますけれども、有効性が当然なければ薬にはならないわけで、推定という言葉で表現されていますけど、具体的には、まず前臨床の段階で、これは人の前の話ですけれども、実験動物で有効性が確認され、さらに、小規模な臨床試験、いわゆる探索的臨床試験と言われますけれども、少なくともそういったレベルにおいて、ただし、これもきちんと科学的に、特に統計的に意味のある有効性が確認されているということがもちろん大前提になりますけれども、そういった形で、限られた中ではあっても医薬品の治療薬としての有効性は確認されているということであろうかと思います、ということが前提になってまいります。
ただ、当然、従来の医薬品で行われているような大規模な臨床試験、いわゆる検証的臨床試験が少なくとも最後まで進んでいないというケースが想定されますので、そういった場合には、ですから従来のレベルと比べるとどうしても推定のレベルになってしまうという意味で推定という言葉が使われているというふうになるという、そういった議論が制度部会でもされていたと記憶しています。
そういう意味で、どうしてもリスク・アンド・ベネフィットという言い方になろうかと思いますけれども、想定される副作用と、それから治療作用としての有効性、それが患者さんに対して利益が十分に上回るということが認められれば、いわゆる緊急時の承認の対象になると、そういったような考え方で制度部会では議論が進められたということでございます。私も全くそういう考え方でおります。
この発言だけを見る →ただ、非常に難しいのは、これは結局、医薬品のいわゆる有効な治療作用ですね、作用と副作用という問題になってくるというふうに思います。要するに、副作用がなければ安全性は問題ないわけですので特に議論する必要はありませんが、医薬品の場合は、作用とそれから副作用というのが基本的には同時に起こってくる場合もあれば、投与量が高くなると副作用が出てくるという場合、いろいろなケースが想定されます。そういった中でその有効性と安全性を考えていかなければいけないということになってまいりますので、一つは、一律に、全部一緒に考えることが難しいという点が一つはあろうかと思います。
医薬品医療機器制度部会では、先ほどの繰り返し、御指摘になったところの繰り返しにもなるかもしれませんけれども、やはりその中で安全性はきちんと確認する必要があるということで、緊急時の承認ということであっても、通常の薬事承認と同等の水準での確認は必要であるということになりました。
ただ、ここで重要なのは、安全性が確認されるということと、その薬に副作用がないということではないということになります。ですから、薬は、副作用は当然、まあケース・バイ・ケースですけれども、ある程度出てくる場合はあるということになります。
そういった場合に、今度は実際に治療薬として効く有効性の方になってまいりますけれども、有効性が当然なければ薬にはならないわけで、推定という言葉で表現されていますけど、具体的には、まず前臨床の段階で、これは人の前の話ですけれども、実験動物で有効性が確認され、さらに、小規模な臨床試験、いわゆる探索的臨床試験と言われますけれども、少なくともそういったレベルにおいて、ただし、これもきちんと科学的に、特に統計的に意味のある有効性が確認されているということがもちろん大前提になりますけれども、そういった形で、限られた中ではあっても医薬品の治療薬としての有効性は確認されているということであろうかと思います、ということが前提になってまいります。
ただ、当然、従来の医薬品で行われているような大規模な臨床試験、いわゆる検証的臨床試験が少なくとも最後まで進んでいないというケースが想定されますので、そういった場合には、ですから従来のレベルと比べるとどうしても推定のレベルになってしまうという意味で推定という言葉が使われているというふうになるという、そういった議論が制度部会でもされていたと記憶しています。
そういう意味で、どうしてもリスク・アンド・ベネフィットという言い方になろうかと思いますけれども、想定される副作用と、それから治療作用としての有効性、それが患者さんに対して利益が十分に上回るということが認められれば、いわゆる緊急時の承認の対象になると、そういったような考え方で制度部会では議論が進められたということでございます。私も全くそういう考え方でおります。
花
花井十伍#13
○参考人(花井十伍君) 大変重要な御質問だと思います。
安全性と有効性というのは、概念としては今おっしゃられたとおりでいいんです。制度上も、安全性については譲らないと書くのはもうそれはそのとおりなんですけど、残念ながら安全性というのは単独でやっぱりスタートできなくて、例えば有効性がゼロであればゼロリスクじゃないと困るわけですし、極めて重篤ながんのような場合はある程度の害作用をアクセプトするということで、使い方と疾病の病態によるんですね。
これは別の部会ですけれども、例えば再生医療等委員会でも、あそこでは安全性だけを評価するといいながら、結局、全く効かない再生医療だったらゼロリスクじゃないわけだからということで、やっぱり有効性が分からないと安全性の評価はできないというのは、やっぱり実態上はそうなっています。
なので、今回、隈本参考人も言ったように、やはり安全性については、やっぱり症例が少なければ少ないほど未知であって、安全性は十年ぐらい、市場に出て十年たったらそろそろ大丈夫かなというのが薬の育薬の、なので早く出すということはやはり安全性にリスクがあるということはもう間違いないので、だから、どのような安全対策を特段取りますかと、こういう立案になるかというふうに理解しています。
以上です。
この発言だけを見る →安全性と有効性というのは、概念としては今おっしゃられたとおりでいいんです。制度上も、安全性については譲らないと書くのはもうそれはそのとおりなんですけど、残念ながら安全性というのは単独でやっぱりスタートできなくて、例えば有効性がゼロであればゼロリスクじゃないと困るわけですし、極めて重篤ながんのような場合はある程度の害作用をアクセプトするということで、使い方と疾病の病態によるんですね。
これは別の部会ですけれども、例えば再生医療等委員会でも、あそこでは安全性だけを評価するといいながら、結局、全く効かない再生医療だったらゼロリスクじゃないわけだからということで、やっぱり有効性が分からないと安全性の評価はできないというのは、やっぱり実態上はそうなっています。
なので、今回、隈本参考人も言ったように、やはり安全性については、やっぱり症例が少なければ少ないほど未知であって、安全性は十年ぐらい、市場に出て十年たったらそろそろ大丈夫かなというのが薬の育薬の、なので早く出すということはやはり安全性にリスクがあるということはもう間違いないので、だから、どのような安全対策を特段取りますかと、こういう立案になるかというふうに理解しています。
以上です。
森
森昌平#14
○参考人(森昌平君) ありがとうございました。
ちょっと現場の薬剤師としての感覚なんですけど、薬剤師は、地域に必要な医薬品を過不足なく提供して地域住民が安全に安心に医薬品を使用するようにできることが自分たちの責務となります。そうしたときに、緊急事態のときに、ほかの、他の医薬品で代替ができない、じゃ、そのときどうするんだということを考えたときに、そういうときであっても安全性に関してはやはり通常の承認制度と、やっぱり前提であるべきだというふうに思っています。
ただ、先ほど赤池委員からもありましたけれども、じゃ効果はどうするんだ。それは、効果がなければしようがないですけれども、効果があるだろうということが分かっていれば、そのときに国民を守るために必要性が高い医薬品に国民がアクセスできるための制度構築は必要だというふうに考えています。
ただ、その上で、緊急承認を行うかどうかについては、その時点での専門家の意見を踏まえて、その時点の最善の判断を行って承認をすることと同時に、先ほど花井先生、花井委員の方からも薬を育てるというお話がありましたけれども、市販後の安全対策を徹底することが必要だというふうに考えます。
以上です。
この発言だけを見る →ちょっと現場の薬剤師としての感覚なんですけど、薬剤師は、地域に必要な医薬品を過不足なく提供して地域住民が安全に安心に医薬品を使用するようにできることが自分たちの責務となります。そうしたときに、緊急事態のときに、ほかの、他の医薬品で代替ができない、じゃ、そのときどうするんだということを考えたときに、そういうときであっても安全性に関してはやはり通常の承認制度と、やっぱり前提であるべきだというふうに思っています。
ただ、先ほど赤池委員からもありましたけれども、じゃ効果はどうするんだ。それは、効果がなければしようがないですけれども、効果があるだろうということが分かっていれば、そのときに国民を守るために必要性が高い医薬品に国民がアクセスできるための制度構築は必要だというふうに考えています。
ただ、その上で、緊急承認を行うかどうかについては、その時点での専門家の意見を踏まえて、その時点の最善の判断を行って承認をすることと同時に、先ほど花井先生、花井委員の方からも薬を育てるというお話がありましたけれども、市販後の安全対策を徹底することが必要だというふうに考えます。
以上です。
隈
隈本邦彦#15
○参考人(隈本邦彦君) 安全性のチェックを同じ水準でというふうに政府は答弁されていますけど、それは、第三相を今やっているのに、やらなくなるのに同じ水準でというのは絶対無理だと思います。
ただ、今言っているように、一定期間に高頻度で生じる副作用は見付けることができるはずだから、だから安全性は確認したんだというふうに言っていますが、一方で、まれで重篤な副作用は市販後のチェックで見付けるんですと言っていて、まさにその途中の第三相のことがすぽんと抜けているわけです。
だから、今の通常の承認制度と同じ安全だ、安全基準が本当に第二相だけでできるんだったら、今第三相やる必要がなくなってきます。少なくとも、第三相は有効性だけ確認して安全性のチェックはしなくていいということになりますが、そうなっていないわけですから、必ず通常承認よりは安全性の水準は、まあ水準といってもある程度の幅がありますから、その幅の範囲に入るということを言っているだけであって、同じ安全性が証明できるとは私たちは考えていません。
三倍の法則というのを先生方はよく御存じだと思いますが、千人に一人の副作用を見付けるためには三千人調べないと分からないという、確率論的にはそうだそうです。
ということは、例数が少なくなるということはそれだけ見付かる副作用の範囲が狭くなるけれども、まあ緊急時だから許そうというふうに考えていただきたい、これで、同じ安全性のレベルが第二相までで分かるんだというふうにもし国民に説明されるのであれば、それは違いますよと私たちは思っています。
以上です。
この発言だけを見る →ただ、今言っているように、一定期間に高頻度で生じる副作用は見付けることができるはずだから、だから安全性は確認したんだというふうに言っていますが、一方で、まれで重篤な副作用は市販後のチェックで見付けるんですと言っていて、まさにその途中の第三相のことがすぽんと抜けているわけです。
だから、今の通常の承認制度と同じ安全だ、安全基準が本当に第二相だけでできるんだったら、今第三相やる必要がなくなってきます。少なくとも、第三相は有効性だけ確認して安全性のチェックはしなくていいということになりますが、そうなっていないわけですから、必ず通常承認よりは安全性の水準は、まあ水準といってもある程度の幅がありますから、その幅の範囲に入るということを言っているだけであって、同じ安全性が証明できるとは私たちは考えていません。
三倍の法則というのを先生方はよく御存じだと思いますが、千人に一人の副作用を見付けるためには三千人調べないと分からないという、確率論的にはそうだそうです。
ということは、例数が少なくなるということはそれだけ見付かる副作用の範囲が狭くなるけれども、まあ緊急時だから許そうというふうに考えていただきたい、これで、同じ安全性のレベルが第二相までで分かるんだというふうにもし国民に説明されるのであれば、それは違いますよと私たちは思っています。
以上です。
石
川
川田龍平#17
○川田龍平君 今日は、四人の参考人の皆さん、ありがとうございました。今日は、本当にこの参考人の皆さんのお話を是非参考にして審議を更に進めていきたいと思います。
本日は、以前の、新型インフルエンザ予防接種法の副反応部会の資料を隈本参考人の二十七の資料で示していただきました。この三、専門家の氏名の公表のお話がありましたが、今の状況では氏名を公表しないということに私も違和感も覚えました。全く隈本参考人の言うとおりだと思います。
今、この新型コロナワクチンもそうですが、今訴訟になっているこのHPVワクチンについても、例えば百二十九名の原告のうち副反応部会で重症と扱われているのは十九名のみですが、残る百十名中三十八名の方が副作用被害救済制度その他の制度で後遺症と診断されていると報告されています。
このような状況は、副反応部会が長引く症例を把握できない可能性を示しているのではないかと思いますが、隈本参考人に見解をお願いしたいと思います。
この発言だけを見る →本日は、以前の、新型インフルエンザ予防接種法の副反応部会の資料を隈本参考人の二十七の資料で示していただきました。この三、専門家の氏名の公表のお話がありましたが、今の状況では氏名を公表しないということに私も違和感も覚えました。全く隈本参考人の言うとおりだと思います。
今、この新型コロナワクチンもそうですが、今訴訟になっているこのHPVワクチンについても、例えば百二十九名の原告のうち副反応部会で重症と扱われているのは十九名のみですが、残る百十名中三十八名の方が副作用被害救済制度その他の制度で後遺症と診断されていると報告されています。
このような状況は、副反応部会が長引く症例を把握できない可能性を示しているのではないかと思いますが、隈本参考人に見解をお願いしたいと思います。
隈
隈本邦彦#18
○参考人(隈本邦彦君) まさにそのとおりで、二段構えになっているんですね。つまり、副反応検討部会そのものは公開されています、ユーチューブを見れば全部傍聴できます。ところが、副反応検討部会に出される資料、つまりこういうことですけどというふうに事務局から出される資料の、そこの判断をした専門家というのは名前が隠されているわけです。かつては公表されていたのに今は隠されている。その方がどういう利益相反をお持ちの方なのか、はっきり、さっぱり分からないわけです。
ただ、被害救済の方、健康被害救済の認定委員会の方は、委員のお名前は公表され、それぞれの方々の利益相反状況、つまりワクチンメーカーから金銭を受け取っているかどうかは明らかになっています。
だから、そういう意味では、毎日の安全対策に役立てるために、一つ一つの副反応疑い報告あるいは死亡報告を、これ関係あるかなというふうに一生懸命検討されているんだと思うんですが、その方は全部黒子になっていて、そして重大な懸念はないという事務局の作った文書、安全において特段重大な懸念はないということでよろしいでしょうかと言われたら、皆さん、はいと。でも、委員の皆さん、専門家ですよ。ところが、じゃ、私の集めた論文ではこういうふうなデータが出ているけど一体今どうなっているんだというような議論を、副反応検討部会でその激しいちょうちょうはっしのやり取りって見たことありません、ずっと傍聴しているんですけど。
そういう意味では、事務局から出てくるものを認めるだけ。じゃ、事務局が出してくるもののデータの元のデータ、千六百三十五人が因果関係が評価できないとなっている、その評価できないと言った人は全くブラックボックスの中にあるという、これは非常に、この二段構えは大変良くないと思います。
以上です。
この発言だけを見る →ただ、被害救済の方、健康被害救済の認定委員会の方は、委員のお名前は公表され、それぞれの方々の利益相反状況、つまりワクチンメーカーから金銭を受け取っているかどうかは明らかになっています。
だから、そういう意味では、毎日の安全対策に役立てるために、一つ一つの副反応疑い報告あるいは死亡報告を、これ関係あるかなというふうに一生懸命検討されているんだと思うんですが、その方は全部黒子になっていて、そして重大な懸念はないという事務局の作った文書、安全において特段重大な懸念はないということでよろしいでしょうかと言われたら、皆さん、はいと。でも、委員の皆さん、専門家ですよ。ところが、じゃ、私の集めた論文ではこういうふうなデータが出ているけど一体今どうなっているんだというような議論を、副反応検討部会でその激しいちょうちょうはっしのやり取りって見たことありません、ずっと傍聴しているんですけど。
そういう意味では、事務局から出てくるものを認めるだけ。じゃ、事務局が出してくるもののデータの元のデータ、千六百三十五人が因果関係が評価できないとなっている、その評価できないと言った人は全くブラックボックスの中にあるという、これは非常に、この二段構えは大変良くないと思います。
以上です。
川
川田龍平#19
○川田龍平君 ありがとうございます。
隈本参考人に続けて、少ない安全性データで認めるのであれば被害者救済も幅広くする必要があると述べられておりました。これは花井参考人の資料にもありましたが、この死亡事例については保留されて、死亡事例以外ばかりが補償されているという点について、この判定会議に患者、薬害被害者を入れるといった点、非常に重要なことだと思います。その点について、もう少し詳しく御説明いただけますでしょうか。
この発言だけを見る →隈本参考人に続けて、少ない安全性データで認めるのであれば被害者救済も幅広くする必要があると述べられておりました。これは花井参考人の資料にもありましたが、この死亡事例については保留されて、死亡事例以外ばかりが補償されているという点について、この判定会議に患者、薬害被害者を入れるといった点、非常に重要なことだと思います。その点について、もう少し詳しく御説明いただけますでしょうか。
隈
隈本邦彦#20
○参考人(隈本邦彦君) この判定会議のメンバーを見ますと、お医者さんと法学部の先生だけなんです。そういう意味では、ワクチンを受ける側から意見を言う人が一人も入っていないんですね。で、当然、その利益相反が公表されているんですが、実は、メンバーのお医者さん五人ともいわゆるワクチンメーカーから謝礼を受け取っている方でした。
そういう意味では、やっぱり国民の目ということを考えると、第三者の、しかも、できれば花井さんのような薬害被害者の方がそのメンバーに入っている、で、その人の前でちゃんと議論をしているんだ、それは透明性、公正性を国民にアピールする意味で絶対重要だと思いますので、こういう予防接種健康被害の審査、それに薬害被害者や消費者代表が入るということを是非考えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →そういう意味では、やっぱり国民の目ということを考えると、第三者の、しかも、できれば花井さんのような薬害被害者の方がそのメンバーに入っている、で、その人の前でちゃんと議論をしているんだ、それは透明性、公正性を国民にアピールする意味で絶対重要だと思いますので、こういう予防接種健康被害の審査、それに薬害被害者や消費者代表が入るということを是非考えていただきたいと思います。
川
川田龍平#21
○川田龍平君 ありがとうございます。
リアルワールドデータの活用についてお話が赤池参考人からもありました。
赤池参考人と隈本参考人に聞きたいんですが、リアルワールドデータ、これは安全性の担保には限界があるというお話がありました。厚生労働省も認めている、この恣意的な解析というのが行われる可能性があるこのリアルワールドデータについて、今後どのように、注意して使うべき、改善を行っていくべきところがあれば教えていただけますでしょうか。
この発言だけを見る →リアルワールドデータの活用についてお話が赤池参考人からもありました。
赤池参考人と隈本参考人に聞きたいんですが、リアルワールドデータ、これは安全性の担保には限界があるというお話がありました。厚生労働省も認めている、この恣意的な解析というのが行われる可能性があるこのリアルワールドデータについて、今後どのように、注意して使うべき、改善を行っていくべきところがあれば教えていただけますでしょうか。
赤
赤池昭紀#22
○参考人(赤池昭紀君) そうしたら、私の方からまず、お答えになるのかどうか分かりませんけど、これは個人的な考え方ということで申し上げさせていただきます。
リアルワールドデータを使うということは、私自身は極めて重要であるというふうに考えております。ただ、私自身の意見の中でも申し上げましたけれども、やはり体制の整備ということが、今御指摘になられたようなことも含めて非常に重要であろうというふうに思います。
その上で、要するに、どれだけ正しいデータを漏れなくきちんと拾ってくれるかというところで、そこをこれから更に検討していく、特にPMDAを中心として検討していって、ある種のガイドラインを示していくと。恐らくトライアルも必要になってくるんではないかと思いますけれども、今すぐ完成されたものがあるというわけではないということですので、その中でより良いものをつくっていくということが重要ではないかというふうに考えております。
あと、では、じゃ、それをしないで現行のままでいいかという問題も一方であると思います。
もちろん、リアルワールドデータだけが全てというわけではないとは思いますけれども、少なくともいろいろな安全性に関する情報が出てきているわけですけれども、今、それをビッグデータとしてきちんと収集して、それをさらに、例えば統計解析に持っていくとか、いろんな対応に持っていくといった場合に、まだそこの部分、ネットワーク、医療ネットワークも含めて、完全に日本国内で完成されているわけではないという状況もありますので、リアルワールドデータもそうですけれども、そういったいろんな形でその安全性情報を、今が十分拾えていないというわけじゃないですけど、よりよくきちんと拾えるような形で、特に諸外国、アメリカ等でそうですけれども、全国でネットワーク、医療ネットワークが張り巡らされて、かなりリアルタイムに拾えてくるというところがあります。
そういったようなところにやはり追い付けるようなところまで持っていくという意味で、リアルワールドデータの活用ということは非常に重要なツールになりますし、これがしっかりと動き出すようになれば、結果的に患者さんの利益になってくるということにもなるんだというふうに考えております。
この発言だけを見る →リアルワールドデータを使うということは、私自身は極めて重要であるというふうに考えております。ただ、私自身の意見の中でも申し上げましたけれども、やはり体制の整備ということが、今御指摘になられたようなことも含めて非常に重要であろうというふうに思います。
その上で、要するに、どれだけ正しいデータを漏れなくきちんと拾ってくれるかというところで、そこをこれから更に検討していく、特にPMDAを中心として検討していって、ある種のガイドラインを示していくと。恐らくトライアルも必要になってくるんではないかと思いますけれども、今すぐ完成されたものがあるというわけではないということですので、その中でより良いものをつくっていくということが重要ではないかというふうに考えております。
あと、では、じゃ、それをしないで現行のままでいいかという問題も一方であると思います。
もちろん、リアルワールドデータだけが全てというわけではないとは思いますけれども、少なくともいろいろな安全性に関する情報が出てきているわけですけれども、今、それをビッグデータとしてきちんと収集して、それをさらに、例えば統計解析に持っていくとか、いろんな対応に持っていくといった場合に、まだそこの部分、ネットワーク、医療ネットワークも含めて、完全に日本国内で完成されているわけではないという状況もありますので、リアルワールドデータもそうですけれども、そういったいろんな形でその安全性情報を、今が十分拾えていないというわけじゃないですけど、よりよくきちんと拾えるような形で、特に諸外国、アメリカ等でそうですけれども、全国でネットワーク、医療ネットワークが張り巡らされて、かなりリアルタイムに拾えてくるというところがあります。
そういったようなところにやはり追い付けるようなところまで持っていくという意味で、リアルワールドデータの活用ということは非常に重要なツールになりますし、これがしっかりと動き出すようになれば、結果的に患者さんの利益になってくるということにもなるんだというふうに考えております。
隈
隈本邦彦#23
○参考人(隈本邦彦君) リアルワールドデータに関しては使いようなんだと思います。例えば、ワクチン接種した人全員をずうっと全部電子登録しておいて、その方がその後どんな病気になったかということを調べるその臨床データというか、いわゆる医療データと突合するワクチンデータリンクシステムというのがアメリカにはありますが、日本では残念ながら今はまだ研究中ということで、要するに、ちゃんとある目的を持って現実社会を見るんだという、そういうデザインをされたようなリアルワールドデータだったらとてもいいと思うんですが、薬の承認、有効性のチェックとかにこういうものを使おうとすると本当に駄目なことが起こるということは、もう既にこのリアルワールドデータの導入がかなり進んでいるヨーロッパやアメリカで随分議論になっています。
私はゴルフをやらないので知らなかったんですが、マリガンという言葉がゴルフにあるらしくて、一番最初のティーショット失敗したら、そこでなかったことにして、次にもう一回打ち直すということがある地域ではできるというふうに、実はそのマリガンというのは、アメリカの薬のいろいろ研究者の間での一つの隠語になっています。
つまり、一回、リアルワールドデータですから、データはそこにあるので、コンピューターにやらせれば何百回だって解析ができるわけです。その中で一番いい、調子のいいやつをすぐ出してきて、ほら、こんなにいいデータがあるでしょうって出してくるということが現実に行われていると、それをマリガンと皮肉っているわけです。
こういうことが起こらないようにするためのシステムはまだ日本では構築されていませんので、もうにわかにこのリアルワールドデータでいいんじゃないかと、検証的臨床試験はできないので諦めようというふうに諦めないでくださいというのが我々の意見です。
少なくとも、この緊急承認したものについては、ある期限を区切って必ず第三相を出してください。で、そのある期限も延長も一回までというような答弁がありましたが、延長一回ならその最終期限も必ず切った上で、何かだらだらと緊急承認されたものが何年も何年も使われているというようなことになっては困るということが我々の意見です。
以上です。
この発言だけを見る →私はゴルフをやらないので知らなかったんですが、マリガンという言葉がゴルフにあるらしくて、一番最初のティーショット失敗したら、そこでなかったことにして、次にもう一回打ち直すということがある地域ではできるというふうに、実はそのマリガンというのは、アメリカの薬のいろいろ研究者の間での一つの隠語になっています。
つまり、一回、リアルワールドデータですから、データはそこにあるので、コンピューターにやらせれば何百回だって解析ができるわけです。その中で一番いい、調子のいいやつをすぐ出してきて、ほら、こんなにいいデータがあるでしょうって出してくるということが現実に行われていると、それをマリガンと皮肉っているわけです。
こういうことが起こらないようにするためのシステムはまだ日本では構築されていませんので、もうにわかにこのリアルワールドデータでいいんじゃないかと、検証的臨床試験はできないので諦めようというふうに諦めないでくださいというのが我々の意見です。
少なくとも、この緊急承認したものについては、ある期限を区切って必ず第三相を出してください。で、そのある期限も延長も一回までというような答弁がありましたが、延長一回ならその最終期限も必ず切った上で、何かだらだらと緊急承認されたものが何年も何年も使われているというようなことになっては困るということが我々の意見です。
以上です。
川
川田龍平#24
○川田龍平君 ありがとうございました。
花井参考人、森参考人、ちょっと質問の時間がなくなりまして、済みません。ありがとうございました。
終わります。ありがとうございます。
この発言だけを見る →花井参考人、森参考人、ちょっと質問の時間がなくなりまして、済みません。ありがとうございました。
終わります。ありがとうございます。
秋
秋野公造#25
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。
四人の先生方、今日はありがとうございました。
花井先生にお伺いをしたいと思います。
私、さっき花井先生が、薬事の制度を話し合うとき過去の薬害を踏まえつつということは、非常に私も重要だと思っています。よって、四月の二十八日に、過去に薬害を起こしたフィブリノゲン製剤のこれまでの推移、それから、今般適応拡大に至った道のり、こういったものについて話をさせていただいたわけでありますけれども、過去の経緯がありましたので、国も製造販売業者も真に必要な適応についてそれを拡大するための動きに動くこともできず、患者さんたちの呼びかけのおかげで議論が進み、薬事の承認以外の事項だと思いますけど、適正使用や安定供給まで話し合って、未承認薬・適応外薬検討会といった制度を使って行政を巻き込んで、開発要請の流れでメーカーを巻き込んで、そして不採算算定まで進んだと。こういう、きちっと薬事については透明性を高めて、丁寧に丁寧に話し合うということが非常に重要だと、それをしたからこそ二十年の空白も埋めることができたんだと思いますけれども。
花井先生にはこの一連の流れにずっと関わっていただいたわけでありますが、御自身も関わった上での、ちょっとこれについての評価をいただきたいというのが一点目。
二点目は、この取組に関わった専門家の学会は、輸血・細胞治療学会と産科学会と、それから心臓血管外科学会ですけれども、ここに、産科学会はもう全例登録をしてフィブリノゲンを使用すると、心臓血管外科学会は観察研究、特定臨床研究まで行って、そこでちゃんと基準を作って、そこから保険適用の動きを目指すと、非常に丁寧に対応してくれているわけなんですけど、この患者さん等の呼びかけに応じなかった医学会もありまして、これが適応拡大へ向けてAMEDに対して申請を行ったと聞いていまして、採択されたということも聞いているんですが、一方で、製造販売業者はこのフィブリノゲンを提供する意向は示しておらず、何が言いたいかというと、緊急使用というのは、この新しい医薬品だけの問題ではなくて、既存の医薬品の適応拡大にも道を開くということになりますので、過去の経緯を踏まえていないこの医学会又はAMEDに対してコメントがありましたらいただきたいと思います。
二点お願いします。
この発言だけを見る →四人の先生方、今日はありがとうございました。
花井先生にお伺いをしたいと思います。
私、さっき花井先生が、薬事の制度を話し合うとき過去の薬害を踏まえつつということは、非常に私も重要だと思っています。よって、四月の二十八日に、過去に薬害を起こしたフィブリノゲン製剤のこれまでの推移、それから、今般適応拡大に至った道のり、こういったものについて話をさせていただいたわけでありますけれども、過去の経緯がありましたので、国も製造販売業者も真に必要な適応についてそれを拡大するための動きに動くこともできず、患者さんたちの呼びかけのおかげで議論が進み、薬事の承認以外の事項だと思いますけど、適正使用や安定供給まで話し合って、未承認薬・適応外薬検討会といった制度を使って行政を巻き込んで、開発要請の流れでメーカーを巻き込んで、そして不採算算定まで進んだと。こういう、きちっと薬事については透明性を高めて、丁寧に丁寧に話し合うということが非常に重要だと、それをしたからこそ二十年の空白も埋めることができたんだと思いますけれども。
花井先生にはこの一連の流れにずっと関わっていただいたわけでありますが、御自身も関わった上での、ちょっとこれについての評価をいただきたいというのが一点目。
二点目は、この取組に関わった専門家の学会は、輸血・細胞治療学会と産科学会と、それから心臓血管外科学会ですけれども、ここに、産科学会はもう全例登録をしてフィブリノゲンを使用すると、心臓血管外科学会は観察研究、特定臨床研究まで行って、そこでちゃんと基準を作って、そこから保険適用の動きを目指すと、非常に丁寧に対応してくれているわけなんですけど、この患者さん等の呼びかけに応じなかった医学会もありまして、これが適応拡大へ向けてAMEDに対して申請を行ったと聞いていまして、採択されたということも聞いているんですが、一方で、製造販売業者はこのフィブリノゲンを提供する意向は示しておらず、何が言いたいかというと、緊急使用というのは、この新しい医薬品だけの問題ではなくて、既存の医薬品の適応拡大にも道を開くということになりますので、過去の経緯を踏まえていないこの医学会又はAMEDに対してコメントがありましたらいただきたいと思います。
二点お願いします。
花
花井十伍#26
○参考人(花井十伍君) 大変難しい質問なんですけれども。
フィブリノゲンにつきましては、かなり薬害肝炎の検証会議で厳しい指摘があって、その使用実態そのものがサイエンティフィックではないというところで、適応を慢性、先天性だけに限ったという経緯があります。
いわゆる本当の救急時にはその凝固系を入れるということは非常に延命に効くんですけれども、残念ながらRCTをデザインできないぐらいの緊急時に有効だというところが問題があったわけです。ただ、フィブリノゲンにつきましては、当時はやっぱり輸血用のシングルドナーと比べてプール血漿は危険だったわけですね。ところが、今逆転していて、血漿分画については十の九乗分の一のウイルスリダクションを求めていて、むしろ輸血用血液の方がリスクが高かった、逆転しているわけですね。
そうした中で、安全性についてはまあいいと、そうすると、あと有効性についてはどうかというところが論点になったと承知しています。そのときに、本来はメーカーが開発、適応拡大するわけですけれども、PMDAとしてはやっぱりRCTをちゃんとやれというところなんですが、今言ったとおり、難しい場合に各学会がきちんとサイエンティフィックなことをやってそれを承認を受けようよという動きとしては非常に画期的だったんじゃないかとは思います。ただし、その学会に参加しないところが後からまたうちも使うということでやり出すと、これまた変な適応拡大になるというおそれがあるというふうに考えています。
最後のスライドにお書きした点はこの点で、実は日本は特定臨床研究と薬機のICHは地続きになっているんですね。これ海外とはかなり異質な状況になっていまして、いわゆるそのクリニカルトライアル法を臨床研究法という名前にしている辺りもちょっとややこしいんですけれども、なので本来医薬品の開発に関わる部分はちゃんとPMDAが見るべきで、ただし、今回のように学会がちゃんとする場合はそれはうまくいったからいいんですけど、やっぱり制度としては、きっちりとやっぱり責任を持てる学会が責任を持って安全な使い方というのを提示してそれを承認条件にしていく。メーカーも、それを承認した形でメーカーがやると。臨床研究については、それを今度スポンサー制度を入れようという議論をしていますので、ちゃんとスポンサーとして顔を出して、いわゆる治験に近くなるわけですけれども、それをPMDAが見るという形がやっぱり国際的にも整合するのではないかと思います。
なので、AMEDがそこに、さっきファンディングエージェンシーにすぎないということ、批判は、単にお金出しているだけでしょうということです。NIHみたいに、もちろんインハウスも含めて一兆円も持っているような組織と比べるのはちょっと酷ですけれども、しかしながら、やはり政府の研究エージェンシーとしてその辺をちゃんと理解しないでプロトコルを審査し、お金流すというのはちょっといかがなものかということで、やっぱりAMEDも、ここに書いてあるとおり、国の理想をつくるための一翼を担うのであれば、薬害のことは理解してほしいし、さらに国としてもやはりNIHに負けないようにできれば育てていただきたいというふうに思っています。
以上です。
この発言だけを見る →フィブリノゲンにつきましては、かなり薬害肝炎の検証会議で厳しい指摘があって、その使用実態そのものがサイエンティフィックではないというところで、適応を慢性、先天性だけに限ったという経緯があります。
いわゆる本当の救急時にはその凝固系を入れるということは非常に延命に効くんですけれども、残念ながらRCTをデザインできないぐらいの緊急時に有効だというところが問題があったわけです。ただ、フィブリノゲンにつきましては、当時はやっぱり輸血用のシングルドナーと比べてプール血漿は危険だったわけですね。ところが、今逆転していて、血漿分画については十の九乗分の一のウイルスリダクションを求めていて、むしろ輸血用血液の方がリスクが高かった、逆転しているわけですね。
そうした中で、安全性についてはまあいいと、そうすると、あと有効性についてはどうかというところが論点になったと承知しています。そのときに、本来はメーカーが開発、適応拡大するわけですけれども、PMDAとしてはやっぱりRCTをちゃんとやれというところなんですが、今言ったとおり、難しい場合に各学会がきちんとサイエンティフィックなことをやってそれを承認を受けようよという動きとしては非常に画期的だったんじゃないかとは思います。ただし、その学会に参加しないところが後からまたうちも使うということでやり出すと、これまた変な適応拡大になるというおそれがあるというふうに考えています。
最後のスライドにお書きした点はこの点で、実は日本は特定臨床研究と薬機のICHは地続きになっているんですね。これ海外とはかなり異質な状況になっていまして、いわゆるそのクリニカルトライアル法を臨床研究法という名前にしている辺りもちょっとややこしいんですけれども、なので本来医薬品の開発に関わる部分はちゃんとPMDAが見るべきで、ただし、今回のように学会がちゃんとする場合はそれはうまくいったからいいんですけど、やっぱり制度としては、きっちりとやっぱり責任を持てる学会が責任を持って安全な使い方というのを提示してそれを承認条件にしていく。メーカーも、それを承認した形でメーカーがやると。臨床研究については、それを今度スポンサー制度を入れようという議論をしていますので、ちゃんとスポンサーとして顔を出して、いわゆる治験に近くなるわけですけれども、それをPMDAが見るという形がやっぱり国際的にも整合するのではないかと思います。
なので、AMEDがそこに、さっきファンディングエージェンシーにすぎないということ、批判は、単にお金出しているだけでしょうということです。NIHみたいに、もちろんインハウスも含めて一兆円も持っているような組織と比べるのはちょっと酷ですけれども、しかしながら、やはり政府の研究エージェンシーとしてその辺をちゃんと理解しないでプロトコルを審査し、お金流すというのはちょっといかがなものかということで、やっぱりAMEDも、ここに書いてあるとおり、国の理想をつくるための一翼を担うのであれば、薬害のことは理解してほしいし、さらに国としてもやはりNIHに負けないようにできれば育てていただきたいというふうに思っています。
以上です。
秋
秋野公造#27
○秋野公造君 ありがとうございます。
全く同じ思いで、今回のAMEDの対応はちょっと私、情けない、役所が一生懸命頑張っても、こんなにして独法が足を引っ張る、薬害を理解をしていないというようなことはもうあってはならないと、本当に同じ思いです。
ただ、これまでの取組、これまでの御指導にこの場を借りて花井先生に感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
赤池先生に一点お伺いしたいと思いますけど、今回取りまとめに当たりまして、緊急使用の発動の条件でありますけど、最初の疾病の蔓延のところはいいんですけど、その他の健康被害の拡大を防止するために緊急に使用されることが必要な医薬品、医療機器等であり、ほかに代替手段が存在しないこと、ここの部分は、これ今私が取り上げたフィブリノゲン、これはまさにRCTさえ組めないようなときに非常に効果があったりするものですけれども、こういったものも想定しているということで話し合ったのかどうか、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。
この発言だけを見る →全く同じ思いで、今回のAMEDの対応はちょっと私、情けない、役所が一生懸命頑張っても、こんなにして独法が足を引っ張る、薬害を理解をしていないというようなことはもうあってはならないと、本当に同じ思いです。
ただ、これまでの取組、これまでの御指導にこの場を借りて花井先生に感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
赤池先生に一点お伺いしたいと思いますけど、今回取りまとめに当たりまして、緊急使用の発動の条件でありますけど、最初の疾病の蔓延のところはいいんですけど、その他の健康被害の拡大を防止するために緊急に使用されることが必要な医薬品、医療機器等であり、ほかに代替手段が存在しないこと、ここの部分は、これ今私が取り上げたフィブリノゲン、これはまさにRCTさえ組めないようなときに非常に効果があったりするものですけれども、こういったものも想定しているということで話し合ったのかどうか、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。
赤
赤池昭紀#28
○参考人(赤池昭紀君) 私の記憶が正しければというちょっと前提にさせていただきます。
そこまでは話し合われていなかったと思います。やはり、コロナ禍の状況でいろいろと議論を進めてまいりましたので、特にそこに絞っただけというわけではありませんけれども、やはり感染の拡大による緊急事態ということが念頭に置かれて議論がされたということでございます。私の記憶の限りでは、今御指摘のようなところまで広げて議論したということはなかったんではないかと思います。
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秋
秋野公造#29
○秋野公造君 ありがとうございます。
隈本先生にお伺いをしたいと思いますけど、パワポの二十四で第三相の臨床試験結果を必ず提出させるべきとお話でありましたけれども、市販後調査を行うこととか全例登録をすべきとの花井先生の御提案は私賛成をするんですが、先生がおっしゃるこの第三相試験の結果、つまりプラセボを置いてまで行うということが必要とお考えなのかということについてちょっと確認をしたいと思います。
この発言だけを見る →隈本先生にお伺いをしたいと思いますけど、パワポの二十四で第三相の臨床試験結果を必ず提出させるべきとお話でありましたけれども、市販後調査を行うこととか全例登録をすべきとの花井先生の御提案は私賛成をするんですが、先生がおっしゃるこの第三相試験の結果、つまりプラセボを置いてまで行うということが必要とお考えなのかということについてちょっと確認をしたいと思います。