政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会

2023-12-06 参議院 全99発言

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会議録情報#0
令和五年十二月六日(水曜日)
   午前十時二十六分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月一日
    辞任         補欠選任
     永井  学君     高橋 克法君
 十二月五日
    辞任         補欠選任
     高橋 克法君     永井  学君
     中西 祐介君     越智 俊之君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤川 政人君
    理 事
                青木 一彦君
                今井絵理子君
                江島  潔君
                高橋はるみ君
                田島麻衣子君
                窪田 哲也君
                清水 貴之君
    委 員
                青山 繁晴君
                朝日健太郎君
                有村 治子君
                上野 通子君
                臼井 正一君
                越智 俊之君
                大家 敏志君
                白坂 亜紀君
                永井  学君
                本田 顕子君
                松山 政司君
               三原じゅん子君
                勝部 賢志君
                古賀 之士君
                塩村あやか君
                徳永 エリ君
                水野 素子君
                秋野 公造君
                河野 義博君
                安江 伸夫君
                猪瀬 直樹君
                音喜多 駿君
                浜口  誠君
                舟山 康江君
                紙  智子君
                山下 芳生君
                高良 鉄美君
   国務大臣
       外務大臣     上川 陽子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  自見はなこ君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  深澤 陽一君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        中西  渉君
   政府参考人
       内閣官房アイヌ
       総合政策室次長  田村 公一君
       内閣府政策統括
       官        水野  敦君
       内閣府沖縄振興
       局長       望月 明雄君
       内閣府北方対策
       本部審議官    矢作 修己君
       外務省大臣官房
       審議官      竹谷  厚君
       外務省大臣官房
       審議官      北村 俊博君
       外務省大臣官房
       参事官      藤本健太郎君
       外務省大臣官房
       参事官      林   誠君
       外務省大臣官房
       参事官      高橋美佐子君
       外務省北米局長  有馬  裕君
       外務省欧州局長  中込 正志君
       外務省国際協力
       局長       遠藤 和也君
       水産庁資源管理
       部長       魚谷 敏紀君
       環境省大臣官房
       審議官      前田 光哉君
       環境省大臣官房
       環境保健部長   神ノ田昌博君
       防衛省大臣官房
       審議官      井上 主勇君
       防衛省地方協力
       局次長      山野  徹君
       防衛装備庁プロ
       ジェクト管理部
       長        片山 泰介君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○政府開発援助等及び沖縄・北方問題対策樹立に
 関する調査
 (政府開発援助等の諸方針に関する件)
 (沖縄及び北方問題に関しての諸施策に関する
 件)
    ─────────────
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藤川政人#1
○委員長(藤川政人君) ただいまから政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、中西祐介君が委員を辞任され、その補欠として越智俊之君が選任されました。
    ─────────────
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藤川政人#2
○委員長(藤川政人君) この際、深澤外務大臣政務官から発言を求められておりますので、これを許します。深澤外務大臣政務官。
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深澤陽一#3
○大臣政務官(深澤陽一君) おはようございます。
 政府開発援助等及び沖縄・北方問題について、上川大臣を補佐し、外務大臣政務官としての職責を全うすべく尽力してまいります。
 藤川委員長始め、理事、委員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
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藤川政人#4
○委員長(藤川政人君) 御苦労さまです。
 深澤外務大臣政務官は御退席いただいて結構です。
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藤川政人#5
○委員長(藤川政人君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 政府開発援助等及び沖縄・北方問題対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房アイヌ総合政策室次長田村公一君外十七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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藤川政人#6
○委員長(藤川政人君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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藤川政人#7
○委員長(藤川政人君) 政府開発援助等及び沖縄・北方問題対策樹立に関する調査を議題とし、政府開発援助等の諸方針に関する件及び沖縄及び北方問題に関しての諸施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
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田島麻衣子#8
○田島麻衣子君 立憲民主・社民の田島麻衣子です。
 上川外務大臣、そして自見大臣、関係者全ての皆様、今日はどうぞよろしくお願いいたします。
 私は、ODAについて、特に、女性・平和・安全保障、WPSについて上川大臣に質問したいと思います。
 十二月一日の当委員会における所信表明では、大臣は、女性・平和・安全保障、すなわちWPSに関してもしっかりと取り組むと発言がありました。WPSの推進は、人道支援、復興におけるジェンダー主流化、女性の人権の保護及びジェンダー平等の促進はもちろんのこと、国際的な地位における女性のエンパワーメントの観点からも大変重要であると考えております。
 日本政府、外務省は、二〇〇〇年に平和、安全保障の文脈に女性を関連付けた初めての安保理決議第千三百二十五号が採択されて以降、決議のための行動計画を策定してきており、本年から令和十年を計画期間とする第三次行動計画が策定されております。安保理決議履行のためにも、行動計画に基づき、実効性のある形で各種施策を実施していることが求められると考えております。
 そこで、大臣に伺いたいと思います。
 日本外交の主要政策として、WPS、すなわち女性・平和・安全保障の分野を力強く推進していくために、具体的にどのような取組に力を入れていくおつもりでしょうか。
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上川陽子#9
○国務大臣(上川陽子君) 私自身、外務大臣就任前から、このWPS、ウーマン・ピース・アンド・セキュリティーの課題につきまして取り組んでまいりました。現在は外務大臣として、外務省の中での政策をしっかりと位置付けて、そして更に力強く推進していくということで取組を加速化しているところであります。
 本年九月におきましては、国連ハイレベルウイークに際しましてニューヨークに出張した際には、「女性・平和・リーダーシップ」シンポジウムを始めとして様々なWPSの関連行事がございまして、それに参加をしたところであります。また、本年十月には、東南アジア諸国を訪問した際にも、あらゆる機会にWPSについて問題を提起し、いずれの際も先方からは大変前向きな反応を得てきているところでございます。
 先般、APECの閣僚会議に際しましてはサンフランシスコを訪問したところでありますが、その際、「WPS+イノベーション」というシンポジウム開催に際しまして基調講演を行ってまいりました。講演におきましては、平和と安定が揺らいでいる現代におきまして、経済と平和と安定とを不可分のテーマとして議論すべきではないかとの問題提起を行いまして、パネリストの方々にWPSとイノベーションの相互作用について議論をしていただいたところでございます。
 一連の外交活動を通じまして、日本外交の一環としてWPSを推進していくことの重要性について改めて確信をしたところでございました、確信をしたところでございまして、こうした活動につきましては精力的に続けてまいりたいと考えております。
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田島麻衣子#10
○田島麻衣子君 この分野は、超党派、党派を超えて協力して進めていく分野と考えておりますので、是非頑張っていただきたいと思っております。
 国連の話に移りますけれども、日本は二〇二三年一月一日より国連安保理で非常任理事国を務めています。この安保理理事国として日本がWPSの議論を国連の重要アジェンダとして推進し、WPSに関する国際的な協力を進めていく上で、日本政府としてどのように取り組んでいかれるおつもりでしょうか。
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上川陽子#11
○国務大臣(上川陽子君) 女性・平和・安全保障、WPSは、女性や女児の保護や救済に取り組みつつ、女性自身が指導的な立場に立って紛争の予防やまた復興、平和構築に参画をすることでより持続可能な平和に近づくことができる、そうした考え方に立っているところであります。紛争下において特に影響を受けるのは、女性や子供など脆弱な立場にいる人々でございます。国際情勢が不透明さを増す中でありまして、そういう中におきまして、WPSの考え方はますます重要になっていると認識をしております。
 日本政府は、これまでも、国連を含む国際機関、またJICAを通じまして、中東、アフリカ諸国、アジア等の紛争影響国におきまして、性的暴力の被害者の保護や、また女性の経済的エンパワーメントに資する支援を実施してきております。今国会におきましても、先日、ウクライナやまた中東地域向けの緊急人道支援策を含む補正予算について御承認をいただいたところでございます。
 我が国のこの支援案件の形成に当たりましては、緊急支援から復興に至る全てのフェーズにおきましてWPSの考え方を積極的に取り入れていく考えでございます。その際には、防災、災害対応への取組に係る我が国の知見も踏まえていくことが重要と考えております。これらの取組をしっかりと実施しつつ、我が国が掲げる人間の安全保障など、人間中心の外交の一環として力強く発信をしてまいりたいというふうに考えております。
 また、安保理理事国でございますので、この安保理における議論にも積極的に貢献し、WPS推進に一層取り組んでまいりたいと考えております。
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田島麻衣子#12
○田島麻衣子君 ありがとうございます。
 女性の外務大臣として、是非とも国連でもこのWPSの議論、リーダーシップ取っていただきたいなというふうに期待しております。
 次に、外務省が二〇二三年九月に発表しました戦略文書、パートナーとの共創のためのオファー型協力について伺いたいんですが、この中で、資源と人材を集中的に投下し戦略的に取り組む分野を、気候変動への対応、GX、そして経済強靱化、そしてデジタル化の推進、DXの三分野とする戦略文書を公表されています。
 このWPSを推進していくためには、ジェンダー平等の促進もこうした分野の重点分野とするべきではないかというふうに考えますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
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上川陽子#13
○国務大臣(上川陽子君) ジェンダー平等の促進につきましては、本年六月に閣議決定されました開発協力大綱におきましても、開発協力のあらゆる段階においてジェンダー主流化を通じたジェンダー平等及び女性のエンパワーメントを推進する、そうしたことを明記をしているところであります。
 同大綱におきましては、ジェンダー平等の推進を含むジェンダー主流化を開発協力の適正性確保のための実施原則の一つとして位置付けておりまして、重点分野の一つというよりは、全ての分野における開発協力の実施に当たりまして、分野横断的に当然考慮すべき重要原則であると考えているところであります。各案件におきます勘案状況のチェックの在り方も含めまして、ジェンダー主流化の一層の徹底のための具体的な方策を更に検討してまいりたいと考えております。
 御指摘がございましたオファー型協力の具体化に当たりましても、ジェンダー主流化を含むインクルーシブな社会の促進、公正性の確保を図りつつ取り組んでまいりたいと考えております。
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田島麻衣子#14
○田島麻衣子君 ジェンダー主流化、それからWPSはクロスカッティング、横断的なテーマであるというような御回答、答弁いただきました。ありがとうございます。
 最後の質問になると思いますけれども、上川大臣は今回の所信表明で、ODAの開発効果を最大化させるために、民間企業、公的金融機関、国際機関、NGO、地方自治体などとの連携を強化していくと発言されており、まさに多様なステークホルダーと連携しながら、エコシステム、すなわち強みを、お互いに協力しながら強みを生かして、より大きな効果を実践していくことが課題解決に必須となりますけれども、ジェンダー関連のODAにおけるこのエコシステム形成の見通しはあるかどうか、御見解を伺いたいと思います。
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上川陽子#15
○国務大臣(上川陽子君) 開発協力のあらゆる段階におきましてジェンダー主流化を推進していくためには、多様な担い手の関与、協力を推進していくということは極めて重要であると考えております。新たな開発協力大綱におきましても、様々な主体との共創を基本方針の一つとして掲げたところでございます。
 これまでも、例えば、国際機関や我が国の地方自治体との連携により途上国における防災や災害対応にジェンダーの視点を取り入れる技術協力や、途上国の金融機関との連携により女性の金融へのアクセス改善に寄与する事業を行ってまいりました。
 今後、より一層連携を強化していくために、外務省におきましても、私の下で、省内横断的な連携を目的とした女性・平和・安全保障、WPSタスクフォースの設置を検討しているところでございます。そうした中におきましても、ODAに係る取組も更に検討をしてまいりたいというふうに思っております。
 また、途上国政府機関や現地コミュニティー自身が、ジェンダー主流化の当事者として、SDGsを始めとする国際社会共通の目標につき適切に意識した上で行動していくことが重要と考えております。その観点から、まさにマルチステークホルダー・パートナーシップの考え方の中で、現地の大使館、またJICAの事務所とも連携をして取り組んでまいりたいと考えております。
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田島麻衣子#16
○田島麻衣子君 大臣のお取組は私も応援しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 これをもって、私の質問を終わりにさせていただきます。
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塩村あやか#17
○塩村あやか君 おはようございます。立憲民主・社民の塩村でございます。今日はよろしくお願いいたします。
 私は、今日は、大臣所信の中から、沖縄に係る問題について質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 所信にありましたように、沖縄は、昭和四十七年の本土復帰以降、政府においては、沖縄の特殊事情に鑑み、多岐にわたる振興策に取り組んできたわけです。私は、さきの大戦における沖縄の特殊事情の中にフィリピンの残留二世の問題も入っているというふうに考えております。こうした認識、政府が持っているのか分かりませんけれども、本日はフィリピン残留日本人二世問題について質疑をしたいと思います。
 資料一をまず御覧ください。
 これは、残留二世の来日の渡航費用を募るクラウドファンディングの記事でございます。実は、ほかに方法がなくて、私とリーガルサポートセンターの代表理事が呼びかけ人となりまして、クラウドファンディングを立ち上げさせていただきました。
 資料の二を御覧ください。
 この夏にダバオの、フィリピン・ダバオの日系人の慰霊祭に私は国会議員として初参加をいたしまして、実際に多くの残留日本人二世の方とお会いをしてまいりました。多くがもう八十代と九十代になっておりまして、私の参加を本当に心から歓迎をしてくださいまして、終わった後に、私と写真を撮りたいということで、式典が終了して三十分も行列ができたというような状況になりました。それだけ日本人というアイデンティティーが彼女たちそして彼らの中に強くて、そして愛着があるからこそ、毎年、七十八年たっても慰霊祭に参加を皆さんしているわけです。そうした皆さんの多くが無国籍になりまして、戦後から今を生きていらっしゃいます。
 まず、委員の皆さんの理解のために、なぜ残留二世が今なお無国籍となって生きていくことになったのか、外務省に包括的な説明を求めます。
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林誠#18
○政府参考人(林誠君) お答えいたします。
 まず、フィリピン残留日系人問題の経緯でございますけれども、第二次世界大戦前、多くの日本人労働者が職を求めてフィリピンに移住しており、一九三〇年代後半の最盛期には、フィリピン残留邦人数は約二万四千人に達したとされております。しかしながら、第二次世界大戦とその後の混乱の中で、在留邦人の戦死や米軍による本邦への強制送還などの結果、日本人と結婚していたフィリピン人配偶者とその子供、いわゆるフィリピン残留日系人の多くの方々がフィリピンに取り残されたところでございます。
 これらフィリピン残留日系人の方々は、大戦中から、フィリピン国内での反日感情の高まりにより、戸籍関係の書類を焼却するなど、身分を隠して生活せざるを得ない状況となり、そのため日本人父の国籍確認ができない状態となり、また、一九七三年まではフィリピン憲法が父親の国籍を基に子の国籍を認定する父系血統主義を採用しておりましたため、その多くの方々が無国籍の状態になりました。
 その後、日・フィリピン関係の改善とともに徐々に反日感情が和らいだことを受けまして、一九八〇年のダバオ日系人会発足を皮切りにフィリピン各地に日系人会が組織されたほか、一九九二年にはフィリピン日系人会連合会が発足し、残留日系人が一体となって国籍確認を求めるようになったところでございます。
 また、フィリピン残留日系人問題の未解決の理由といたしましては、一九九五年以降、日本政府は、日系人会等の協力を得て実態調査等を通じた身元確認や就籍を進めてきたところでございますけれども、家庭裁判所等での就籍手続のために必要な過去の資料の収集等に時間を要しているといった課題があるというふうに認識してございます。
 以上です。
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塩村あやか#19
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 本当に二万四千人の方がいらっしゃって、そして戦後無国籍で生きてきて、今、NPOの助けもありながら就籍に取り組んでいるというのが現状で、今おさらいをしたように、戦後、反日感情の中で父親が日本人であるということを隠して生きていかなくてはならなかったということで無国籍になってしまっているということです。
 お話を聞いていくと、父親がある程度分かったとしても、沖縄の特殊事情というところで、戦中に父親などの戸籍なども消失してしまっているというようなこともありまして、なかなか解決が今に至るまでスムーズにいっていないという理由がある。日本人として生まれたにもかかわらず、日本人にまだ国籍が回復しない、就籍ができない人が多数いる、そして多くの方が亡くなってしまっているというような状況が現状であるということを皆さんと共有をしておきたいというふうに思っています。
 そこで、次の質問なんですけれども、出生当時、フィリピンも、今御説明がありましたように、そして日本も父系血統主義という形で、つまり、出生届などの書類があるかないかをおいておけば、当時フィリピンで生まれた父が日本人の子は日本人であるということに間違いないか、これを外務大臣にお伺いいたします。
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上川陽子#20
○国務大臣(上川陽子君) 御指摘のフィリピン残留日系人の方々は、まさに今説明したとおりでございますが、日本人父の国籍確認ができない状態でございまして、さらに一九七三年までフィリピン憲法が父親の国籍を基に子の国籍を認定すると、こうした父系血統主義を採用していたことから、その多くが無国籍の状態となったところでございます。
 また、一部の残留日系人は、母方の祖父等との養子縁組等を通じましてフィリピン国籍を取得をするということになったと承知をしております。
 フィリピン残留日系人の方々の高齢化が進む中におきまして、希望する方々の一日も早い国籍回復を始めとする支援、これを進める必要があると認識をしております。
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塩村あやか#21
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 フィリピンの方にも頑張っていただいて、フィリピンの国籍が取れるような応援もしていただいているというふうに聞いておりますけれども、御本人たちは基本的には日本の国籍を望まれている方も多いというところ、ここもやっぱり共有しておきたいというふうに思っております。
 無国籍であれ、証明する書類があれば日本人ということは間違いないというふうに思いますから、日本人であるという前提で話を今日進めていきたいというふうに思っております。
 資料の三、一と二、御覧ください。
 これは招聘理由書と言われるものです。資料にありますように、親族の可能性のある家系が見付かったと、今回の訪日で父親方の親族の可能性のある人々と対面をする予定というところ、記入させていただいております。
 残留二世である金城マサコさん、フィリピン名はロサ・コリアス・カナシロさんなんですけれども、そしてサムエル・オルミド・アカヒチさん、このお二人の身元が判明しつつあります。お二人とも沖縄に多い名字で、特にアカヒチさんという名字は沖縄特有の名字であると、今回の調査の結果、判明をしています。これまで、日本に見捨てられたという気持ちもありながら、戦後七十八年間生きてきたお二人であります。
 私は八月のダバオの日系人の慰霊祭の後、国会議員のこのバッジを付けて会わせていただきました。これは、日本の国会議員が日本人であるあなたに会いに来たという意思表示をさせていただきました。金城マサコさん、直接お会いに行きまして、彼女の複雑な気持ちを聞いてきました。それでもやっぱり日本を信じて、父の姿を写真でもいいから一目見たい、親族と会いたい、日本を感じたいというふうに涙を流して私に訴えてくださいました。その姿が資料二の左側一番下の写真になります。
 私は、そうした彼女たちの思いを日本として、そして日本人としてかなえるべきだというふうに感じます。国として責任を持って対応していくべきだともいうふうに思いましたけれども、何せ私、野党議員でございますから、何かを強力に進めていくというような権限もありませんし、限界に比較的短期間にぶつかってしまいました。ですから、クラウドファンディングをNPOと一緒に立ち上げさせていただいたという経緯になります。
 そして、調査が進みまして、いよいよ来日が決まりました。クラウドファンディングに参加をした皆さんだけではなくて、この調査やフィリピンとの交渉に、フィリピンの大使ですね、越川大使を筆頭に大使館や領事館の皆さんの絶大なる御支援、そして努力を重ねていただいた結果だというふうに聞いております。私もそういったことをすごい今回感じておりますので、こうした観点からも深い感謝をここで述べておきたいというふうに思っております。
 残留二世なんですけれども、十二月十四日にフィリピンからまず福岡に到着をいたします。そして沖縄に向かうことになります。先般の内閣委員会で私の方から、政府からも是非お出迎えを一緒にお願いしたいというふうに要望をさせていただきました。御答弁としましては、外務省としましては、フィリピン残留日系人の問題についてこの対応を重視しておりまして、御質問のあったこのお二人の出迎えにつきましては、今後何ができるか検討してまいりたいとの御答弁をいただいております。
 質問から半月以上、三週間が経過をいたしまして、来日も間近となりました。検討した結果、お伺いをさせていただきます。
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林誠#22
○政府参考人(林誠君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の点につきましては、外務省といたしまして、フィリピン残留日系人の問題の対応は重視してきておるところでございますから、御指摘のありました出迎えを含め、今後何ができるか、引き続き今検討しているところでございます。
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塩村あやか#23
○塩村あやか君 ありがとうございます。引き続き検討をしていただくということで、質問から半月たってはいるんですけれども、きっと多分誠実に検討を重ねている結果、特に外務省、今忙しいと思いますので、その辺りは理解はしております。できる限り何かが伝わる結果を出していただけたらうれしいと思いますので、是非、引き続き検討をお願いしたいと思っております。
 続いてなんですけれども、出迎えに限らず、二名の来日に対して政府としてできることや検討をしていることがほかにあるのかお伺いをしたいというふうに思っております。
 コロナ禍以降、初となる来日になりまして、現在確認できる残留日本人というのはもう百五十一人しかいないんですね。百五十一人にまで減ってしまいました。
 大臣の所信の言葉にありました、日本は責任ある主要国としてできることはほかにないのか、ないか、外務大臣にお伺いをしたいと思います。
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上川陽子#24
○国務大臣(上川陽子君) 外務省といたしましては、このフィリピン残留日系人の方々の高齢化が進む中におきまして、フィリピン残留日系人の方々への聞き取り調査を含め、一九九五年から計十七回の身元確認につながる実態調査を実施してきているところであります。
 特に、直近の取組といたしましては、二〇一六年以降、当該聞き取り調査に在フィリピン日本大使館員及び領事館員を立ち会わせ、聞き取り調査の実施及びその内容を証明する証明書を発行しているほか、当該実態調査に係る予算をここ三年間で約六倍に拡大をし、就籍申請に係る書類作業の迅速化や、また、厚生労働省に対します残留日系人の親族の軍歴等の身元照会を支援をしているところであります。
 フィリピン残留日系人の方々の一日も早い国籍回復等に向けまして、この実態調査の拡充を含め、フィリピン政府とも意思疎通しながら、これまでの取組を加速化させるための方策につきまして積極的に検討してまいりたいと考えております。
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塩村あやか#25
○塩村あやか君 ごめんなさい、ちょっと私、多分理解ができていないと思うんですけれども、今回の来日に対して何か政府としてできることはないかというものを聞かせていただいた、今回の来日について質問の、多分、答弁の順番が多分違ったのかもしれないと思うんですけれども、改めてちょっと聞かせていただいてもよろしいでしょうか。
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上川陽子#26
○国務大臣(上川陽子君) 今答弁申し上げたところでございまして、今委員からは出迎えを含めということで御指摘がございましたけれども、今どんなことができるのかということについて検討している状況でございます。なるべく早く結論を出していきたいというふうに思っております、でよろしいでしょうか。
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塩村あやか#27
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 先ほどの質問の出迎えと、そして今質問させていただいた、ほかに何かできることがないのか、出迎えができるかどうかというのも非常に微妙なところだというふうには私は思っておりますので、どちらの質問に対しても、何か、来ていただいた、来日していただいたお二人に対してできることがないかということを今検討していただいているという御答弁だったと認識をしております。
 引き続き、日程も迫ってまいりましたので、是非、加速化して検討していただきたいと思います。ありがとうございます。
 続きまして、自見大臣にお伺いをしたいと思います。
 フィリピンの残留日本人の二世は、父親の出身地が圧倒的に沖縄なんですね。これ御存じだったでしょうか。戦前に日本人が移民として一番多く移住したのがハワイです。そして次がフィリピンになります。そして、フィリピンは、日本人だけでも五十万人が現地で戦争の犠牲になっております。
 そして、沖縄では、先ほどでも申し上げましたように、父親の戸籍などが消失をしているということから無国籍になっている方も多いという歴史がございます。無国籍のまま残留日本人が今なお苦しんでいるのは、紛れもなく、戦前の移民政策とそして戦争が原因だと私は思います。
 沖縄担当の特命大臣としまして、今回の来日でできることあれば是非何かやっていただけないかなというふうに思っております。
 例えば、沖縄での出迎え、そして、親族が気持ちよく名のり出ることができる環境づくり、メディアでの呼びかけなど、そして、沖縄でお二人と対話をする時間などです。生存確認者は今もう百五十一人まで減ってしまいました。日本の大臣がお会いをしてくださるということは、七十八年分のある種の日本の不義理を埋めるということにもつながると私は考えています。
 外務省がフィリピンで粘り強く日系人を支えてくださって今いるんですけれども、内閣府も政府の一員として、今回の来日に関して何か御協力をいただくことはできないのか、お伺いをいたします。
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自見はなこ#28
○国務大臣(自見はなこ君) お答えいたします。
 お尋ねの件につきましては、政府としては、外務省において、これまでも残留日系人の実態調査等を通じ、身元の確認や国籍の回復を支援していると承知をしているところでございます。
 今回訪沖されるフィリピン残留日系人のお二人でございますが、沖縄県にルーツがあると思われる方々と伺ってございます。
 現在、外務省において検討が進められており、私の立場から具体的なコメントは差し控えたいと思いますが、その上で申し上げれば、戦前そして戦後を通じて沖縄から海外に多くの県民が移り住んでおられると認識をしてございます。沖縄担当大臣としても、外務省における支援の検討状況を注意深く見守ってまいりつつ、自治体による海外に住む沖縄出身者のネットワーク支援など、沖縄振興の枠組みから対応ができることがあれば協力してまいりたいと考えてございます。
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塩村あやか#29
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 自治体も含めて何かということで、是非外務省と連携をしていただきまして対応していただきたいと思います。
 と申しますのも、あとどれぐらいの方が身元が判明して日本に来れるか分かりません。私も、現地で多くの二世の方にお会いしたんですけれども、飛行機に乗れる体力があるか分からないという方も多くいらっしゃいました。本当にあと何人日本に来ることができるのか分からない状況でございますから、できる限り何かしていただいて、来ていただいて、そして政府が対応したことは現地で、間違いなくもう強いネットワークがありますから、シェアをすることになると思います。皆さん、どうか希望を与える対応を今回、切にお願いを申し上げたいというふうに思っております。
 幾つか質問飛ばさせていただきまして、最後の質問に移らさせていただきたいと思っております。
 前回、二〇一九年に来日をした二世も陳情していたんですけれども、中国残留邦人支援法を改正して、そこに是非私たちも加えてほしいとのことでした。
 政府は、国策で移住を進めた中国残留孤児に対しましては、国籍回復そして身元調査など救済策を講じてまいりましたけれども、フィリピン残留二世については救済措置がないまま戦後七十八年を経過しております。生存確認が百五十一人、国籍回復希望者七十六人。中国残留邦人支援法の改正など、そしてフィリピンの二世の救済をしていただきたい。中国残留孤児と同等に扱うことなど、そろそろ本気で検討すべき時期ではないでしょうか。
 そして、今回の一時捜しの、肉親の、費用はクラウドファンディング、NPOと一緒に今回やらせていただきましたけれども、次回できるかというと、これ結構大変で、そんなにすぐ集まるかというとそうでもないということも今回経験して分かりました。こうしたことはやっぱり政府がやるべきだというふうに考えておりますので、併せてこちらの方も政府に負担していただきたいと。何よりも、本来は上川大臣のおっしゃった、日本は責任ある主要国として政府が負担すべきだと思いますので、この二点の答弁を求めます。
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