国土交通委員会
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会
会議録情報#0
令和六年四月五日(金曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 長坂 康正君
理事 あかま二郎君 理事 泉田 裕彦君
理事 小林 茂樹君 理事 武井 俊輔君
理事 城井 崇君 理事 白石 洋一君
理事 三木 圭恵君 理事 國重 徹君
石橋林太郎君 尾崎 正直君
大西 英男君 勝目 康君
金子 俊平君 菅家 一郎君
小島 敏文君 小林 鷹之君
小林 史明君 小森 卓郎君
佐々木 紀君 櫻田 義孝君
田所 嘉徳君 田中 英之君
高木 啓君 谷 公一君
谷川 とむ君 土井 亨君
中根 一幸君 中村 裕之君
西野 太亮君 古川 康君
武藤 容治君 石川 香織君
枝野 幸男君 小宮山泰子君
神津たけし君 伴野 豊君
馬淵 澄夫君 谷田川 元君
赤木 正幸君 漆間 譲司君
高橋 英明君 伊藤 渉君
日下 正喜君 高橋千鶴子君
古川 元久君 福島 伸享君
たがや 亮君
…………………………………
国土交通大臣政務官 石橋林太郎君
国土交通大臣政務官 尾崎 正直君
参考人
(公益社団法人全日本トラック協会副会長) 馬渡 雅敏君
参考人
(敬愛大学特任教授) 根本 敏則君
参考人
(全日本運輸産業労働組合連合会中央執行委員長) 成田 幸隆君
参考人
(立教大学経済学部教授) 首藤 若菜君
国土交通委員会専門員 國廣 勇人君
―――――――――――――
委員の異動
四月五日
辞任 補欠選任
小林 史明君 西野 太亮君
田中 英之君 勝目 康君
同日
辞任 補欠選任
勝目 康君 田所 嘉徳君
西野 太亮君 小林 史明君
同日
辞任 補欠選任
田所 嘉徳君 田中 英之君
―――――――――――――
四月五日
建設労働者の雇用改善、担い手確保・育成に関する請願(伊藤渉君紹介)(第八八九号)
同(吉田統彦君紹介)(第八九〇号)
同(寺田学君紹介)(第九一二号)
同(宮本徹君紹介)(第九一三号)
同(笹川博義君紹介)(第九三九号)
同(重徳和彦君紹介)(第九四〇号)
同(御法川信英君紹介)(第九四一号)
同(山口壯君紹介)(第九四二号)
同(逢沢一郎君紹介)(第九五五号)
同(近藤昭一君紹介)(第九五六号)
同(井坂信彦君紹介)(第九七三号)
同(緑川貴士君紹介)(第九七四号)
同(冨樫博之君紹介)(第一〇一二号)
同(山崎正恭君紹介)(第一〇一三号)
危険なライドシェアを許さず安全な公共交通を守ることに関する請願(吉田統彦君紹介)(第八九一号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案(内閣提出第一九号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 長坂 康正君
理事 あかま二郎君 理事 泉田 裕彦君
理事 小林 茂樹君 理事 武井 俊輔君
理事 城井 崇君 理事 白石 洋一君
理事 三木 圭恵君 理事 國重 徹君
石橋林太郎君 尾崎 正直君
大西 英男君 勝目 康君
金子 俊平君 菅家 一郎君
小島 敏文君 小林 鷹之君
小林 史明君 小森 卓郎君
佐々木 紀君 櫻田 義孝君
田所 嘉徳君 田中 英之君
高木 啓君 谷 公一君
谷川 とむ君 土井 亨君
中根 一幸君 中村 裕之君
西野 太亮君 古川 康君
武藤 容治君 石川 香織君
枝野 幸男君 小宮山泰子君
神津たけし君 伴野 豊君
馬淵 澄夫君 谷田川 元君
赤木 正幸君 漆間 譲司君
高橋 英明君 伊藤 渉君
日下 正喜君 高橋千鶴子君
古川 元久君 福島 伸享君
たがや 亮君
…………………………………
国土交通大臣政務官 石橋林太郎君
国土交通大臣政務官 尾崎 正直君
参考人
(公益社団法人全日本トラック協会副会長) 馬渡 雅敏君
参考人
(敬愛大学特任教授) 根本 敏則君
参考人
(全日本運輸産業労働組合連合会中央執行委員長) 成田 幸隆君
参考人
(立教大学経済学部教授) 首藤 若菜君
国土交通委員会専門員 國廣 勇人君
―――――――――――――
委員の異動
四月五日
辞任 補欠選任
小林 史明君 西野 太亮君
田中 英之君 勝目 康君
同日
辞任 補欠選任
勝目 康君 田所 嘉徳君
西野 太亮君 小林 史明君
同日
辞任 補欠選任
田所 嘉徳君 田中 英之君
―――――――――――――
四月五日
建設労働者の雇用改善、担い手確保・育成に関する請願(伊藤渉君紹介)(第八八九号)
同(吉田統彦君紹介)(第八九〇号)
同(寺田学君紹介)(第九一二号)
同(宮本徹君紹介)(第九一三号)
同(笹川博義君紹介)(第九三九号)
同(重徳和彦君紹介)(第九四〇号)
同(御法川信英君紹介)(第九四一号)
同(山口壯君紹介)(第九四二号)
同(逢沢一郎君紹介)(第九五五号)
同(近藤昭一君紹介)(第九五六号)
同(井坂信彦君紹介)(第九七三号)
同(緑川貴士君紹介)(第九七四号)
同(冨樫博之君紹介)(第一〇一二号)
同(山崎正恭君紹介)(第一〇一三号)
危険なライドシェアを許さず安全な公共交通を守ることに関する請願(吉田統彦君紹介)(第八九一号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案(内閣提出第一九号)
――――◇―――――
長
長坂康正#1
○長坂委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、公益社団法人全日本トラック協会副会長馬渡雅敏君、敬愛大学特任教授根本敏則君、全日本運輸産業労働組合連合会中央執行委員長成田幸隆君及び立教大学経済学部教授首藤若菜さん、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人の方々に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。本案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、馬渡参考人、根本参考人、成田参考人、首藤参考人の順で、それぞれ十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。
なお、念のため参考人の方々に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願いいたします。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないこととなっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
それでは、まず馬渡参考人、お願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、公益社団法人全日本トラック協会副会長馬渡雅敏君、敬愛大学特任教授根本敏則君、全日本運輸産業労働組合連合会中央執行委員長成田幸隆君及び立教大学経済学部教授首藤若菜さん、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人の方々に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。本案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、馬渡参考人、根本参考人、成田参考人、首藤参考人の順で、それぞれ十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。
なお、念のため参考人の方々に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願いいたします。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないこととなっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
それでは、まず馬渡参考人、お願いいたします。
馬
馬渡雅敏#2
○馬渡参考人 公益社団法人全日本トラック協会の副会長を務めております馬渡雅敏でございます。本日は、トラック業界を代表して意見を述べさせていただきます。
皆さんのお手元に、物流の二〇二四年問題という冊子がありますけれども、大体これに沿って発言をさせていただきます。
一ページから五ページに書いておりますけれども、トラック運送業は暮らしと経済を支えるライフラインですが、全国約六万三千社の約六割が、保有車両台数十両以下の小規模トラック事業者であります。保有車両台数の少ない事業者ほど、経営状況が悪いという傾向にあります。
また、エッセンシャルワーカーたるトラックドライバーの長時間労働が課題となる中、平成三十年六月に働き方改革関連法が成立し、五年間の猶予期間をいただき、いよいよ今月から、トラックドライバーにも罰則つきの時間外労働の上限規制、年九百六十時間というものが適用されました。
あわせて、ドライバーの拘束時間、休息期間、運転時間等の基準である自動車運転者の労働時間等の改善のための基準、いわゆる改善基準告示が見直され、ドライバーの拘束時間は、一年当たり原則三千三百時間に制限されます。今まで三千五百十六時間ございましたけれども、三千三百時間に制限をされる。
現状、トラック事業者の約三割、長距離事業者の約四割が、年間九百六十時間の上限を超過するドライバーを抱えている状況に鑑みれば、規制の適用により、ドライバーの労働時間が短くなることで輸送能力が不足し、物が運べなくなる可能性が懸念をされております。いわゆる、物流の二〇二四年問題と言われております。三ページに、大体、全体の構図を描いております。
一方、トラックドライバーの労働時間は、全産業と比較して約二割長く、年間所得では中小型ドライバーで約一割低い、トラックドライバーの有効求人倍率は全職業と比べて約二倍高いなど、若者を中心に担い手不足が続いている状況でございます。ドライバーの待遇と労働環境が改善され、今よりも短い労働時間で、今よりも稼げる魅力的な産業とならなければ、担い手確保は困難であることから、ドライバーの労働時間の短縮と、適正運賃収受による賃上げが喫緊の課題となっております。
こうした状況を踏まえ、平成三十年に、議員立法により貨物自動車運送事業法が改正され、令和五年度末までの時限措置として、荷主対策の深度化と標準的な運賃制度が創設されました。
まず、荷主対策の深度化は、長時間の荷待ちや運賃・料金の不当な据置きといった、トラック事業者の法令違反の原因になる行為を荷主や元請事業者が行っている疑いがある場合に、国土交通大臣が荷主に対し、是正を要請することができる制度であり、ドライバーの労働条件の改善や取引環境の適正化に資するものであります。
標準的な運賃については、ドライバーの労働条件の改善等を図るため、法令を遵守して持続的に事業を運営するための参考となる運賃を示すことが効果的という趣旨から、ドライバーの賃金を全産業の標準的な水準に是正することなどを前提として、業界の実勢運賃の水準と比較すると、一定程度高い水準に設定されておりますけれども、業界としては、この高みを目指して果敢に運賃交渉に臨むべきと考えております。
改正法の成立以降、国土交通省が中心となって様々な取組が進められており、年間労働時間や年間賃金について、全産業平均との差は縮まりつつあります。一方、新型コロナウイルスの蔓延や原油価格の高騰により、赤字企業の割合は増加傾向にあるなど、取組は道半ばとなっております。
こうした状況を踏まえ、昨年六月には、再び議員立法により貨物自動車運送事業法が改正され、これらの制度が当分の間の措置として延長されました。
こうした中、議員立法による制度を幹として、二〇二四年を目前に、政府全体としても二〇二四年問題への対応を抜本強化していただいております。昨年六月の関係閣僚会議で取りまとめられた、物流革新に向けた政策パッケージ等に基づき、政府を挙げて、商慣行の見直し、物流の効率化、荷主、消費者の行動変容といった、物流革新に向けた政策パッケージに基づいて、政府を挙げて様々な施策を講じていただいております。
特に、荷主対策の深度化については、昨年七月に国土交通省において全国百六十二名規模のトラックGメンを創設し、悪質な荷主等への是正指導を大幅強化しているほか、標準的な運賃については、先月、運賃水準の平均八%の引上げや、荷役料金や下請手数料等の新たな運賃項目の設定等、見直しを行っていただき、着実に取組を進めていただき、大いに期待しております。
六ページになりますけれども、トラックドライバーの長時間労働の要因は、発荷主、着荷主の、積込み、積卸し場所における長時間の荷待ちや荷役作業であります。国交省さんの調査によりますと、一運行当たりの平均荷待ち、荷役時間は約三時間程度であります。ドライバーの労働時間の短縮を図るためには、この荷待ち、荷役に係る時間を削減していくことが不可欠であります。
一方、これはトラック事業者の努力だけでは到底実現が困難でありますので、発着荷主の御理解と御協力が極めて重要であります。例えば、荷物の受取、引渡日時やパレットの利用など、荷待ち、荷役作業時間の削減に大きく貢献する事項については、荷主が決定権をお持ちであることから、荷主側が主体的に改善に向けて取り組んでいただくことが必要であります。
本法案では、荷主等に対し、荷待ち、荷役時間の削減、納品までのリードタイムの延長等の努力義務を課した上で、一定規模以上の荷主さんには、具体的な取組に関する計画の作成等を義務づけることとされております。これにより、ドライバーの労働時間削減のための取組が大きく前進するのではないでしょうか。
我々トラック事業者がドライバーの賃金を上げるためには、その原資となる運賃を十分にいただく必要があります。しかし、トラック運送業は中小企業が多く、荷主や元請事業者に対する交渉力が弱いということがありまして、適正な運賃を収受できていないのが現状です。また、トラック業界における多重下請構造も、実運送事業者の適正運賃収受が進まない要因の一つと考えられることから、多重下請構造の是正に向けて取り組む必要がございます。
トラック運送は輸送需要の繁閑の差が激しく、需要の変動に柔軟に対応するために、自社のドライバー不足の補填や、荷主からの突発的な運送依頼への対応のため、一定の下請構造が生じることはやむを得ないというふうに考えておりますけれども、一方、過度な下請構造により、実運送事業者の適正運賃収受が妨げられている実態にあるほか、荷主や元請事業者においても、数次の下請の事業者が実運送を行っているということを把握をしていないなど、前提となる環境がまだ整っておりません。
業界としても、下請次数を二次までに制限すること、また、下請手数料を運賃に上乗せして収受できるよう荷主と交渉を進めること、契約の書面化を推進することなどを掲げておりまして、多重下請構造の是正に向けた取組を進めているところ、本法案により措置されている実運送体制管理簿や、新たに下請手数料の項目が設定された標準的な運賃を活用しながら、業界一丸となって多重下請構造の是正に取り組む所存であります。
トラックドライバーの労働環境の改善は、トラック事業者のみでは実現が難しいです。荷主さんの理解と協力が必要不可欠であります。前述のトラックGメンは、荷主に対して交渉力の弱い立場にあるトラック業界にとっては、この取組は大変心強いところであります。百六十名程度のトラックGメンに対して、トラック事業者は六万三千社存在しております。
今般の法案によって、悪質な荷主の情報について、地方実施機関から国土交通大臣へ通知する規定が設けられておりますが、業界としてもトラックGメンの活動に協力、後押しをしていきたいと考えております。そのためには、更なる連携強化のために、地方実施機関の機能強化などが必要であるというふうに考えております。
結びになりますけれども、今般の法案は、トラック業界を含む物流産業全体の持続的な成長のために必要不可欠であるというふうに思います。二〇二四年問題をスタートとして、トラック業界の構造的な課題を解決するためにも、是非、本法案を可決、成立していただきたいというふうに思っております。業界としても、ドライバーの長時間労働是正と賃上げによる処遇改善に向けて、全力で取り組んでいく所存でございます。
御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →皆さんのお手元に、物流の二〇二四年問題という冊子がありますけれども、大体これに沿って発言をさせていただきます。
一ページから五ページに書いておりますけれども、トラック運送業は暮らしと経済を支えるライフラインですが、全国約六万三千社の約六割が、保有車両台数十両以下の小規模トラック事業者であります。保有車両台数の少ない事業者ほど、経営状況が悪いという傾向にあります。
また、エッセンシャルワーカーたるトラックドライバーの長時間労働が課題となる中、平成三十年六月に働き方改革関連法が成立し、五年間の猶予期間をいただき、いよいよ今月から、トラックドライバーにも罰則つきの時間外労働の上限規制、年九百六十時間というものが適用されました。
あわせて、ドライバーの拘束時間、休息期間、運転時間等の基準である自動車運転者の労働時間等の改善のための基準、いわゆる改善基準告示が見直され、ドライバーの拘束時間は、一年当たり原則三千三百時間に制限されます。今まで三千五百十六時間ございましたけれども、三千三百時間に制限をされる。
現状、トラック事業者の約三割、長距離事業者の約四割が、年間九百六十時間の上限を超過するドライバーを抱えている状況に鑑みれば、規制の適用により、ドライバーの労働時間が短くなることで輸送能力が不足し、物が運べなくなる可能性が懸念をされております。いわゆる、物流の二〇二四年問題と言われております。三ページに、大体、全体の構図を描いております。
一方、トラックドライバーの労働時間は、全産業と比較して約二割長く、年間所得では中小型ドライバーで約一割低い、トラックドライバーの有効求人倍率は全職業と比べて約二倍高いなど、若者を中心に担い手不足が続いている状況でございます。ドライバーの待遇と労働環境が改善され、今よりも短い労働時間で、今よりも稼げる魅力的な産業とならなければ、担い手確保は困難であることから、ドライバーの労働時間の短縮と、適正運賃収受による賃上げが喫緊の課題となっております。
こうした状況を踏まえ、平成三十年に、議員立法により貨物自動車運送事業法が改正され、令和五年度末までの時限措置として、荷主対策の深度化と標準的な運賃制度が創設されました。
まず、荷主対策の深度化は、長時間の荷待ちや運賃・料金の不当な据置きといった、トラック事業者の法令違反の原因になる行為を荷主や元請事業者が行っている疑いがある場合に、国土交通大臣が荷主に対し、是正を要請することができる制度であり、ドライバーの労働条件の改善や取引環境の適正化に資するものであります。
標準的な運賃については、ドライバーの労働条件の改善等を図るため、法令を遵守して持続的に事業を運営するための参考となる運賃を示すことが効果的という趣旨から、ドライバーの賃金を全産業の標準的な水準に是正することなどを前提として、業界の実勢運賃の水準と比較すると、一定程度高い水準に設定されておりますけれども、業界としては、この高みを目指して果敢に運賃交渉に臨むべきと考えております。
改正法の成立以降、国土交通省が中心となって様々な取組が進められており、年間労働時間や年間賃金について、全産業平均との差は縮まりつつあります。一方、新型コロナウイルスの蔓延や原油価格の高騰により、赤字企業の割合は増加傾向にあるなど、取組は道半ばとなっております。
こうした状況を踏まえ、昨年六月には、再び議員立法により貨物自動車運送事業法が改正され、これらの制度が当分の間の措置として延長されました。
こうした中、議員立法による制度を幹として、二〇二四年を目前に、政府全体としても二〇二四年問題への対応を抜本強化していただいております。昨年六月の関係閣僚会議で取りまとめられた、物流革新に向けた政策パッケージ等に基づき、政府を挙げて、商慣行の見直し、物流の効率化、荷主、消費者の行動変容といった、物流革新に向けた政策パッケージに基づいて、政府を挙げて様々な施策を講じていただいております。
特に、荷主対策の深度化については、昨年七月に国土交通省において全国百六十二名規模のトラックGメンを創設し、悪質な荷主等への是正指導を大幅強化しているほか、標準的な運賃については、先月、運賃水準の平均八%の引上げや、荷役料金や下請手数料等の新たな運賃項目の設定等、見直しを行っていただき、着実に取組を進めていただき、大いに期待しております。
六ページになりますけれども、トラックドライバーの長時間労働の要因は、発荷主、着荷主の、積込み、積卸し場所における長時間の荷待ちや荷役作業であります。国交省さんの調査によりますと、一運行当たりの平均荷待ち、荷役時間は約三時間程度であります。ドライバーの労働時間の短縮を図るためには、この荷待ち、荷役に係る時間を削減していくことが不可欠であります。
一方、これはトラック事業者の努力だけでは到底実現が困難でありますので、発着荷主の御理解と御協力が極めて重要であります。例えば、荷物の受取、引渡日時やパレットの利用など、荷待ち、荷役作業時間の削減に大きく貢献する事項については、荷主が決定権をお持ちであることから、荷主側が主体的に改善に向けて取り組んでいただくことが必要であります。
本法案では、荷主等に対し、荷待ち、荷役時間の削減、納品までのリードタイムの延長等の努力義務を課した上で、一定規模以上の荷主さんには、具体的な取組に関する計画の作成等を義務づけることとされております。これにより、ドライバーの労働時間削減のための取組が大きく前進するのではないでしょうか。
我々トラック事業者がドライバーの賃金を上げるためには、その原資となる運賃を十分にいただく必要があります。しかし、トラック運送業は中小企業が多く、荷主や元請事業者に対する交渉力が弱いということがありまして、適正な運賃を収受できていないのが現状です。また、トラック業界における多重下請構造も、実運送事業者の適正運賃収受が進まない要因の一つと考えられることから、多重下請構造の是正に向けて取り組む必要がございます。
トラック運送は輸送需要の繁閑の差が激しく、需要の変動に柔軟に対応するために、自社のドライバー不足の補填や、荷主からの突発的な運送依頼への対応のため、一定の下請構造が生じることはやむを得ないというふうに考えておりますけれども、一方、過度な下請構造により、実運送事業者の適正運賃収受が妨げられている実態にあるほか、荷主や元請事業者においても、数次の下請の事業者が実運送を行っているということを把握をしていないなど、前提となる環境がまだ整っておりません。
業界としても、下請次数を二次までに制限すること、また、下請手数料を運賃に上乗せして収受できるよう荷主と交渉を進めること、契約の書面化を推進することなどを掲げておりまして、多重下請構造の是正に向けた取組を進めているところ、本法案により措置されている実運送体制管理簿や、新たに下請手数料の項目が設定された標準的な運賃を活用しながら、業界一丸となって多重下請構造の是正に取り組む所存であります。
トラックドライバーの労働環境の改善は、トラック事業者のみでは実現が難しいです。荷主さんの理解と協力が必要不可欠であります。前述のトラックGメンは、荷主に対して交渉力の弱い立場にあるトラック業界にとっては、この取組は大変心強いところであります。百六十名程度のトラックGメンに対して、トラック事業者は六万三千社存在しております。
今般の法案によって、悪質な荷主の情報について、地方実施機関から国土交通大臣へ通知する規定が設けられておりますが、業界としてもトラックGメンの活動に協力、後押しをしていきたいと考えております。そのためには、更なる連携強化のために、地方実施機関の機能強化などが必要であるというふうに考えております。
結びになりますけれども、今般の法案は、トラック業界を含む物流産業全体の持続的な成長のために必要不可欠であるというふうに思います。二〇二四年問題をスタートとして、トラック業界の構造的な課題を解決するためにも、是非、本法案を可決、成立していただきたいというふうに思っております。業界としても、ドライバーの長時間労働是正と賃上げによる処遇改善に向けて、全力で取り組んでいく所存でございます。
御清聴ありがとうございました。拍手
長
根
根本敏則#4
○根本参考人 敬愛大学の根本でございます。
本日は、物流生産性向上による持続可能な物流の実現というテーマで意見を述べさせていただきます。
スライド二枚目を御覧ください。
物流の二〇二四年問題を説明しようとしましたけれども、馬渡さんの方から概略を説明いただいたので、私の方からは、多重下請構造、店着価格制度というものが悪い影響を与えているということをお話ししたいと思います。
三枚目をお願いいたします。
店着価格制度というのは、御存じのように、発荷主と着荷主が運賃込みの店着価格で取引する商慣行です。着荷主は、運賃、運送契約に含まれる条件を知らされません。
多重下請構造というのは、発荷主と元請事業者が運送契約を結び、二次、三次、四次の下請に実運送を依頼する商慣行です。その都度一〇%程度の手数料が発生します。このようなケースでは、貨物を実運送する下請のドライバーも、運送契約の内容は必ずしも知らされません。その結果、下請のドライバーが配達時に、着荷主に行きますけれども、荷待ち、荷役などを要請されたときに断りにくいということが起きます。
要するに、荷主、特に着荷主、元請の責任の明確化が必要だということであります。
四枚目をお願いいたします。
物流効率化のためには、労働生産性を高めることが重要です。ただ、労働生産性というのはちょっと厄介な概念でありまして、二つの労働生産性を区別する必要があります。
普通は付加価値労働生産性を指しますけれども、これは付加価値、すなわち、売上げから費用を引いたものを時間で割ったものです。しかし、物流政策を評価するときには、物的な労働生産性、すなわち、輸送トンキロを労働時間で割ったものが役に立ちます。
さて、これまでの動きを振り返ってみると、デフレが長く続きました。そして、荷主は利益を上げるためにあらゆるコストの削減を図ってきたわけですけれども、物流コストも例外ではなく、物流コストの削減、すなわち支払い運賃の削減に努めました。その結果、運賃、ドライバー賃金が下がったわけです。
二〇二一年に総合物流施策大綱が策定されまして、二〇二五年までに付加価値労働生産性を二〇%上げるという目標を立てましたけれども、今のところ改善の兆しはありません。
次のページをお願いいたします。
トラックの運賃は、一九九〇年以降、ほとんど上がっていません。最近になって一五%ぐらい上がっていますけれども、燃料費の上昇をカバーするには至っておりません。
そして、その下の方にグラフがありますけれども、これは、去年の夏に総合物流施策大綱のフォローアップ会合というのがありまして、その中で、付加価値労働生産性がどれだけ改善したかを紹介されたわけですけれども、二〇二一年からほとんど改善していなくて、二〇二五年の目標値に届くかどうか心配されているところであります。
次のページをお願いします。
どうしてこのようなことになったのかということを検討する中で、検討会のメンバーが非常に面白いグラフを持ってきてくれたわけですけれども、物流コストとドライバー賃金には正の相関があることが分かりました。四十五度線上に点がプロットされているんですね。この縦軸は何かというと、荷主の売上高に占める物流コストの割合です。横軸は、道路貨物運送業の年間賃金水準です。トラック会社では、事務の方もいますけれども、ほとんどドライバーの賃金が大宗を占めるので、これはドライバー賃金と読み替えてください。
そうすると、一九九五年には物流コストが六・五%であって、賃金も高かったんですが、それが年を経るごとにどんどん下がってきた。これはやはり明らかに、物流コストを下げる結果として賃金が下がったというふうに考えていいのではないかと思うわけです。
次のスライドをお願いします。
そこで、これまでの関係を逆回転させる必要があるというわけです。すなわち、これからはドライバーの賃金を上げることが最重要課題なわけですから、ドライバーの賃金を上げるために、その原資となる運賃も上げてもらい、そして物流コストは上がる。若干価格に跳ね返るということは、やはり許容してもらわないといけません。
例えば、仮に物的な労働生産性を二五%向上させることができるとしましょう。この二五%を仮置きさせてください。そうしたらば、その果実を皆で分け合えるんじゃないでしょうか。労働時間の減、二〇%削減、それからドライバーの所得を一〇%アップ。それから、若干の運賃値上げということですけれども、これは、その果実を分け合うというんですから、荷主は運賃が下がることを期待するかもしれませんけれども、今、実は、二割も三割も高くなって当然だという意見が多いんですね、学者の中でも。ですから、その上げ幅を一〇%に抑えることができるということで、荷主さんも御の字というふうにしたらどうかというのが私の意見であります。
次のページをお願いいたします。
八枚目に、物流政策の方向性を示しています。これは検討会の取りまとめに加筆したものですけれども、荷主による物流生産性向上の取組、物流事業者による物流生産性の取組に大きく分かれますけれども、真ん中、オーバーラップしているのは、両者が連携して取り組むべきものであります。
そして、荷主、物流業者に対する新たな規制としては、物流生産性向上の中長期計画を策定してもらい、その取組状況を報告してもらうこと。そして、荷主にあっては、物流統括管理者を役員クラスで選んでもらい、この物流生産性向上の中長期計画を、責任を持って策定してもらうということです。
また、元請トラック事業者に対する規制としては、実運送体制管理簿の作成、それから、運送契約の書面化をお願いしたいというふうに思うわけであります。
九枚目、お願いいたします。
さて、先ほど、物流生産性向上の目安、二五%と申し上げましたけれども、実は、労働時間が二〇%、全産業平均よりも多いわけですけれども、八〇%の労働力で仕事をこなそうとすると、一割る〇・八で一・二五、要するに、二五%生産性を向上させると、二〇%労働時間が削減できます。ただし、もし、その運んだことに対して同じ運賃を収受できれば、ドライバーの賃金は上がりません。ですから、若干の運賃の値上げもお願いしたいということなんです。
この二五%、例えば、施策ミックスA、分かりやすいところでいうと、モーダルシフトですね。今、海上、鉄道輸送で四億トン運んでいますけれども、これで五億トン運べば、長距離トラック輸送一億トン分のドライバーの時間がまた別のところに使えますので一億トン生み出せる、そういうことですね。荷待ち時間九十四分を八十一分に減らせば、その荷待ち時間に割いていたのを運転に回せる、一億トン生み出せる。そういうことで、合計すると六億トンなんですけれども、実は、荷役と荷待ちだけを四〇%減らすだけで六億トンが生み出せる。
ですから、そんなに難しい目標ではないということを、ここで強調したいわけですね。着荷主さんの協力が得られれば二五%の生産性向上は達成できるというふうに思うわけで、それによって、結果的に物流の付加価値労働生産性を改善していければいいんじゃないかというふうに思います。
以上です。拍手
この発言だけを見る →本日は、物流生産性向上による持続可能な物流の実現というテーマで意見を述べさせていただきます。
スライド二枚目を御覧ください。
物流の二〇二四年問題を説明しようとしましたけれども、馬渡さんの方から概略を説明いただいたので、私の方からは、多重下請構造、店着価格制度というものが悪い影響を与えているということをお話ししたいと思います。
三枚目をお願いいたします。
店着価格制度というのは、御存じのように、発荷主と着荷主が運賃込みの店着価格で取引する商慣行です。着荷主は、運賃、運送契約に含まれる条件を知らされません。
多重下請構造というのは、発荷主と元請事業者が運送契約を結び、二次、三次、四次の下請に実運送を依頼する商慣行です。その都度一〇%程度の手数料が発生します。このようなケースでは、貨物を実運送する下請のドライバーも、運送契約の内容は必ずしも知らされません。その結果、下請のドライバーが配達時に、着荷主に行きますけれども、荷待ち、荷役などを要請されたときに断りにくいということが起きます。
要するに、荷主、特に着荷主、元請の責任の明確化が必要だということであります。
四枚目をお願いいたします。
物流効率化のためには、労働生産性を高めることが重要です。ただ、労働生産性というのはちょっと厄介な概念でありまして、二つの労働生産性を区別する必要があります。
普通は付加価値労働生産性を指しますけれども、これは付加価値、すなわち、売上げから費用を引いたものを時間で割ったものです。しかし、物流政策を評価するときには、物的な労働生産性、すなわち、輸送トンキロを労働時間で割ったものが役に立ちます。
さて、これまでの動きを振り返ってみると、デフレが長く続きました。そして、荷主は利益を上げるためにあらゆるコストの削減を図ってきたわけですけれども、物流コストも例外ではなく、物流コストの削減、すなわち支払い運賃の削減に努めました。その結果、運賃、ドライバー賃金が下がったわけです。
二〇二一年に総合物流施策大綱が策定されまして、二〇二五年までに付加価値労働生産性を二〇%上げるという目標を立てましたけれども、今のところ改善の兆しはありません。
次のページをお願いいたします。
トラックの運賃は、一九九〇年以降、ほとんど上がっていません。最近になって一五%ぐらい上がっていますけれども、燃料費の上昇をカバーするには至っておりません。
そして、その下の方にグラフがありますけれども、これは、去年の夏に総合物流施策大綱のフォローアップ会合というのがありまして、その中で、付加価値労働生産性がどれだけ改善したかを紹介されたわけですけれども、二〇二一年からほとんど改善していなくて、二〇二五年の目標値に届くかどうか心配されているところであります。
次のページをお願いします。
どうしてこのようなことになったのかということを検討する中で、検討会のメンバーが非常に面白いグラフを持ってきてくれたわけですけれども、物流コストとドライバー賃金には正の相関があることが分かりました。四十五度線上に点がプロットされているんですね。この縦軸は何かというと、荷主の売上高に占める物流コストの割合です。横軸は、道路貨物運送業の年間賃金水準です。トラック会社では、事務の方もいますけれども、ほとんどドライバーの賃金が大宗を占めるので、これはドライバー賃金と読み替えてください。
そうすると、一九九五年には物流コストが六・五%であって、賃金も高かったんですが、それが年を経るごとにどんどん下がってきた。これはやはり明らかに、物流コストを下げる結果として賃金が下がったというふうに考えていいのではないかと思うわけです。
次のスライドをお願いします。
そこで、これまでの関係を逆回転させる必要があるというわけです。すなわち、これからはドライバーの賃金を上げることが最重要課題なわけですから、ドライバーの賃金を上げるために、その原資となる運賃も上げてもらい、そして物流コストは上がる。若干価格に跳ね返るということは、やはり許容してもらわないといけません。
例えば、仮に物的な労働生産性を二五%向上させることができるとしましょう。この二五%を仮置きさせてください。そうしたらば、その果実を皆で分け合えるんじゃないでしょうか。労働時間の減、二〇%削減、それからドライバーの所得を一〇%アップ。それから、若干の運賃値上げということですけれども、これは、その果実を分け合うというんですから、荷主は運賃が下がることを期待するかもしれませんけれども、今、実は、二割も三割も高くなって当然だという意見が多いんですね、学者の中でも。ですから、その上げ幅を一〇%に抑えることができるということで、荷主さんも御の字というふうにしたらどうかというのが私の意見であります。
次のページをお願いいたします。
八枚目に、物流政策の方向性を示しています。これは検討会の取りまとめに加筆したものですけれども、荷主による物流生産性向上の取組、物流事業者による物流生産性の取組に大きく分かれますけれども、真ん中、オーバーラップしているのは、両者が連携して取り組むべきものであります。
そして、荷主、物流業者に対する新たな規制としては、物流生産性向上の中長期計画を策定してもらい、その取組状況を報告してもらうこと。そして、荷主にあっては、物流統括管理者を役員クラスで選んでもらい、この物流生産性向上の中長期計画を、責任を持って策定してもらうということです。
また、元請トラック事業者に対する規制としては、実運送体制管理簿の作成、それから、運送契約の書面化をお願いしたいというふうに思うわけであります。
九枚目、お願いいたします。
さて、先ほど、物流生産性向上の目安、二五%と申し上げましたけれども、実は、労働時間が二〇%、全産業平均よりも多いわけですけれども、八〇%の労働力で仕事をこなそうとすると、一割る〇・八で一・二五、要するに、二五%生産性を向上させると、二〇%労働時間が削減できます。ただし、もし、その運んだことに対して同じ運賃を収受できれば、ドライバーの賃金は上がりません。ですから、若干の運賃の値上げもお願いしたいということなんです。
この二五%、例えば、施策ミックスA、分かりやすいところでいうと、モーダルシフトですね。今、海上、鉄道輸送で四億トン運んでいますけれども、これで五億トン運べば、長距離トラック輸送一億トン分のドライバーの時間がまた別のところに使えますので一億トン生み出せる、そういうことですね。荷待ち時間九十四分を八十一分に減らせば、その荷待ち時間に割いていたのを運転に回せる、一億トン生み出せる。そういうことで、合計すると六億トンなんですけれども、実は、荷役と荷待ちだけを四〇%減らすだけで六億トンが生み出せる。
ですから、そんなに難しい目標ではないということを、ここで強調したいわけですね。着荷主さんの協力が得られれば二五%の生産性向上は達成できるというふうに思うわけで、それによって、結果的に物流の付加価値労働生産性を改善していければいいんじゃないかというふうに思います。
以上です。拍手
長
成
成田幸隆#6
○成田参考人 おはようございます。運輸労連の執行委員長の成田でございます。
まず、本日は、このような場で意見陳述の機会をいただいたことに感謝を申し上げたいというふうに思います。
運輸労連は、運輸産業に集う仲間が結集する労働組合でございます。中央本部登録は四百組合で十万九千名ですが、加盟四百組合には十五万五千人の組合員を抱えており、その多くはトラックドライバーであります。日々、現場最前線で活躍をしている、運輸産業で働く仲間の立場から、業界の現状、課題について意見を申し上げたいと思います。
まず、今回提出されている法案については、いわゆる物流の二〇二四年問題への対応に当たり必要不可欠な法案であると理解しており、早期の成立を求めるものであります。
私たち物流事業者で働く仲間は、コロナ禍でもそうでありましたが、物流は、経済、国民生活を支える重要な社会インフラであり、決して物流を止めてはいけないという思いで日々業務に就いていることをまず申し上げておきたいと思います。
そこで、お手元に配付している資料を御覧いただけますか。
まず、運輸労連の二〇二四年春季生活闘争における三月末の解決状況でありますが、四月二日になりますかね。昨年は、平均賃金引上げ額が、単純平均で前年を千八百四十六円上回る四千九十三円となり、二十七年ぶりに四千円台での解決に至りました。本年は、四月二日現在で解決組合の平均賃上げ額は六千四百五十三円となり、加重平均でも八千四百五十二円と、前年からは大きく前進をしていますが、メディアで報道されているように、昨日段階の連合全体での賃上げ平均額は一万六千三十七円となっており、他産業と比較すると更に格差は拡大しているのが実態であります。
次の資料は、一九九〇年以降の加盟組合の賃金引上げ解決額の分布図であります。一九九〇年に物流二法が施行された以降、賃上げ解決額が低額に移行しているのがお分かりになると思います。
一九九〇年代半ばから、日本の多くの製造業が海外進出をしていったことなどもあり、日本国内の貨物総輸送量は減少傾向となっていきましたが、いわゆる規制緩和をきっかけに新規参入事業者数が反比例して増えていった結果、事業者間の過当競争が激化し、今に至る多重下請構造を生み出し、現在のような荷主の優越的な商慣行が醸成されたと考えております。
そこで、このような課題をどのように改善をしていくかでありますが、冒頭申し上げましたが、物流は、経済、国民生活を支えるインフラであり、物流事業者のみならず、荷主企業、そして一般の消費者を含め、物流に関わる全ての方々の理解と協力が必要であると考えます。
これまで日本の物流は、長時間労働、そして、全産業と比較して、低い、厳しい労働条件で業務に当たっているトラックドライバーに支えられてきたと言っても過言ではありません。このことなどから、トラックドライバーは、脳・心臓疾患による労災支給決定件数が統計開始以降ワーストワンの状況にもあります。事業継続に向けては、こうした状況の改善は不可欠であり、トラックドライバーの労働時間の管理の変更が急務と考えています。
今、トラックドライバーは、慢性的な人手不足に加え、高齢化も著しく、一九八九年の大型トラック運転手の平均年齢は四十・三歳であったものが、二〇二一年には四十九・九歳と、ほぼ五十歳であります。今後更に高齢化と労働力不足に拍車がかかることが想定できるため、若い入職者を増やすためには、賃金の引上げを始め、労働条件の改善は不可欠であります。
加えて、私たちの産業では、長らく、労働時間の長さで給与支給を維持してきましたが、今後、労働時間の長さや歩合給に依存する賃金体系から脱却を図っていかないといけないというふうに考えております。
とりわけ、今回の法改正では、全ての荷主や物流事業者に対し、荷待ち、荷役の削減等の取組について努力義務を課すほか、一定規模以上の事業者には中長期的な計画策定を義務づけることとされており、国が取組状況をしっかりとフォローアップする仕組みとなっております。これにより、荷主と物流事業者が協力して効率化に向けて取り組むことになり、その結果、トラックドライバーの労働時間や労働環境の改善につながっていくものと考えています。
また、元請事業者に対し、実運送体制管理簿の作成が義務づけられますが、多重下請構造を明らかにすることはその是正に向けた第一歩であり、さらに、先月告示された新たな標準的運賃では、運賃表が平均八%引上げとなっていることに加え、下請手数料が新たな運賃項目として設定されており、元請事業者は、荷主から収受した運賃からこの下請手数料を差し引くのではなく、必要な分、運賃に上乗せして収受することになります。
そのためには、管理簿による下請構造の把握が不可欠であり、法律と標準的運賃が相まって、実運送を担う下請事業者が適正運賃を収受できるようになると期待をしています。そのことで、若い人たちに選んでいただける業界へ変革をしていきたいですし、持続可能な物流を実現につながるものと考えております。
繰り返しになりますが、物流産業の持続性のためには良質なドライバーの確保が必要であり、そのためにも、安全、安心とともに、労働条件、賃金の引上げが大前提であります。そのためには、労務費、物流費がサプライチェーン全体の中で適正に価格転嫁されていく仕組みが有効に働くことが大切だと思います。
現在、厚生労働省が発表している二〇二三年毎月勤労統計調査によると、道路貨物運送事業は、総実労働時間が二千三百七十三・六時間で前年比一・一%増、現金給与総額が四百四十八万五千百九十二円で一%減となっています。こうしたことから、全産業との比較では、労働時間が二割長く、年間所得は一割から一割五分低い現状は変わっておりません。
労働組合としては、こうした現状の改善を図り、年間労働時間は全産業と同水準になるよう、そして、年間総収入は全産業を上回るような水準となるよう、様々な課題にチャレンジをしていきたいと思います。
是非、今後も国、行政のこれまで以上の環境整備をよろしくお願いしたいと思います。
以上であります。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →まず、本日は、このような場で意見陳述の機会をいただいたことに感謝を申し上げたいというふうに思います。
運輸労連は、運輸産業に集う仲間が結集する労働組合でございます。中央本部登録は四百組合で十万九千名ですが、加盟四百組合には十五万五千人の組合員を抱えており、その多くはトラックドライバーであります。日々、現場最前線で活躍をしている、運輸産業で働く仲間の立場から、業界の現状、課題について意見を申し上げたいと思います。
まず、今回提出されている法案については、いわゆる物流の二〇二四年問題への対応に当たり必要不可欠な法案であると理解しており、早期の成立を求めるものであります。
私たち物流事業者で働く仲間は、コロナ禍でもそうでありましたが、物流は、経済、国民生活を支える重要な社会インフラであり、決して物流を止めてはいけないという思いで日々業務に就いていることをまず申し上げておきたいと思います。
そこで、お手元に配付している資料を御覧いただけますか。
まず、運輸労連の二〇二四年春季生活闘争における三月末の解決状況でありますが、四月二日になりますかね。昨年は、平均賃金引上げ額が、単純平均で前年を千八百四十六円上回る四千九十三円となり、二十七年ぶりに四千円台での解決に至りました。本年は、四月二日現在で解決組合の平均賃上げ額は六千四百五十三円となり、加重平均でも八千四百五十二円と、前年からは大きく前進をしていますが、メディアで報道されているように、昨日段階の連合全体での賃上げ平均額は一万六千三十七円となっており、他産業と比較すると更に格差は拡大しているのが実態であります。
次の資料は、一九九〇年以降の加盟組合の賃金引上げ解決額の分布図であります。一九九〇年に物流二法が施行された以降、賃上げ解決額が低額に移行しているのがお分かりになると思います。
一九九〇年代半ばから、日本の多くの製造業が海外進出をしていったことなどもあり、日本国内の貨物総輸送量は減少傾向となっていきましたが、いわゆる規制緩和をきっかけに新規参入事業者数が反比例して増えていった結果、事業者間の過当競争が激化し、今に至る多重下請構造を生み出し、現在のような荷主の優越的な商慣行が醸成されたと考えております。
そこで、このような課題をどのように改善をしていくかでありますが、冒頭申し上げましたが、物流は、経済、国民生活を支えるインフラであり、物流事業者のみならず、荷主企業、そして一般の消費者を含め、物流に関わる全ての方々の理解と協力が必要であると考えます。
これまで日本の物流は、長時間労働、そして、全産業と比較して、低い、厳しい労働条件で業務に当たっているトラックドライバーに支えられてきたと言っても過言ではありません。このことなどから、トラックドライバーは、脳・心臓疾患による労災支給決定件数が統計開始以降ワーストワンの状況にもあります。事業継続に向けては、こうした状況の改善は不可欠であり、トラックドライバーの労働時間の管理の変更が急務と考えています。
今、トラックドライバーは、慢性的な人手不足に加え、高齢化も著しく、一九八九年の大型トラック運転手の平均年齢は四十・三歳であったものが、二〇二一年には四十九・九歳と、ほぼ五十歳であります。今後更に高齢化と労働力不足に拍車がかかることが想定できるため、若い入職者を増やすためには、賃金の引上げを始め、労働条件の改善は不可欠であります。
加えて、私たちの産業では、長らく、労働時間の長さで給与支給を維持してきましたが、今後、労働時間の長さや歩合給に依存する賃金体系から脱却を図っていかないといけないというふうに考えております。
とりわけ、今回の法改正では、全ての荷主や物流事業者に対し、荷待ち、荷役の削減等の取組について努力義務を課すほか、一定規模以上の事業者には中長期的な計画策定を義務づけることとされており、国が取組状況をしっかりとフォローアップする仕組みとなっております。これにより、荷主と物流事業者が協力して効率化に向けて取り組むことになり、その結果、トラックドライバーの労働時間や労働環境の改善につながっていくものと考えています。
また、元請事業者に対し、実運送体制管理簿の作成が義務づけられますが、多重下請構造を明らかにすることはその是正に向けた第一歩であり、さらに、先月告示された新たな標準的運賃では、運賃表が平均八%引上げとなっていることに加え、下請手数料が新たな運賃項目として設定されており、元請事業者は、荷主から収受した運賃からこの下請手数料を差し引くのではなく、必要な分、運賃に上乗せして収受することになります。
そのためには、管理簿による下請構造の把握が不可欠であり、法律と標準的運賃が相まって、実運送を担う下請事業者が適正運賃を収受できるようになると期待をしています。そのことで、若い人たちに選んでいただける業界へ変革をしていきたいですし、持続可能な物流を実現につながるものと考えております。
繰り返しになりますが、物流産業の持続性のためには良質なドライバーの確保が必要であり、そのためにも、安全、安心とともに、労働条件、賃金の引上げが大前提であります。そのためには、労務費、物流費がサプライチェーン全体の中で適正に価格転嫁されていく仕組みが有効に働くことが大切だと思います。
現在、厚生労働省が発表している二〇二三年毎月勤労統計調査によると、道路貨物運送事業は、総実労働時間が二千三百七十三・六時間で前年比一・一%増、現金給与総額が四百四十八万五千百九十二円で一%減となっています。こうしたことから、全産業との比較では、労働時間が二割長く、年間所得は一割から一割五分低い現状は変わっておりません。
労働組合としては、こうした現状の改善を図り、年間労働時間は全産業と同水準になるよう、そして、年間総収入は全産業を上回るような水準となるよう、様々な課題にチャレンジをしていきたいと思います。
是非、今後も国、行政のこれまで以上の環境整備をよろしくお願いしたいと思います。
以上であります。ありがとうございました。拍手
長
首
首藤若菜#8
○首藤参考人 おはようございます。よろしくお願いいたします。立教大学の首藤若菜と申します。
本日、このような場でお話しする機会をいただき、大変光栄に存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
私は、労使関係を専門に研究しておりまして、物流の専門家ではございません。労働問題としてトラックドライバーの研究をしてまいりましたので、本日はその観点からお話をさせていただきたいと思います。
まず、トラックドライバーの労働時間と賃金の推移を御紹介したいと思います。
三ページの図一を御覧ください。
この図は、大型のトラックドライバーを対象としたものですが、一月当たりの実労働時間数を青い線で示し、時間当たり賃金額を赤い線で示しております。
労働時間数の方は、中長期的に見ますと減少傾向が確認されますけれども、近年はコロナの影響もあってアップダウンが見られていまして、どこまで削減されているのかははっきり言えない状況です。他方で、赤い線の方の賃金水準は上昇の傾向が確認されるということが分かるかと思います。
続いて、次のページの図二を御覧いただければと思います。
では、賃金の中身、どこで賃金が上がっているのかというところですけれども、青い線が賞与、赤い線が所定内給与ですけれども、所定内給与はさほど増えておらず、賞与のところで増大しているということが分かるかと思います。
トラックドライバーの賃金体系は、そもそも歩合給の比率が高いということを特徴としておりまして、基本給の低さがドライバーの収入の不安定さにもつながってきたと言われています。現在見られているこの賃金の増加についても、長期に安定したものであるのかどうかというのは、まだ不透明な部分が残されているというふうに考えています。
続いて、五ページ目の図の三を御覧いただければと思います。
上昇が見られるというふうに先ほど申し上げましたが、より長期の視点から見てみますと、これは、一九八五年から二〇二三年までの賃金の、年収の推移を、男性労働者の平均との格差を示したものになります。トラックドライバーは九六%が男性でありまして、日本は男女間の賃金格差が極めて大きいという特徴がありますので、男性の賃金と比較するということがすごく重要だと私は考えています。
赤い線が大型のトラックで、青い線が普通、小型のトラックで、トラックドライバーは高卒労働者が多いので、緑の線で高卒労働者の平均を示しております。これを見てみますと、赤い線がずっと、二〇一〇年頃までかけて格差が拡大してきているということが分かると思います。
トラックドライバーの賃金水準、先ほどほかの参考人の方々からもございましたが、一九九〇年、二〇〇三年の規制緩和を受けて、賃金水準は一貫して低下をしてきました。およそ九〇年から二〇一〇年頃までに二割ぐらいの賃金水準の低下が見られております。
この間、男性労働者の平均年収も伸び悩み、高卒男性の平均年収も低下をしましたが、それ以上にこの業界の労働者の賃金水準というのは下がりましたので、格差が拡大してきているというふうに思っております。
さらに、二〇〇〇年代に入ってからは、賃金の低下のみならず、例えば社会保険料を支払わない事業者であるとか、従業員に健康診断を受けさせない事業者というのも増大してきたということも分かっております。
ですので、二〇一〇年以降、確かに賃金水準は上がってきていますが、これは、それまでに下がってきた賃金の揺り戻しというような面があると思っております。大型トラックドライバーの賃金は、いまだに年収レベルにおいて高卒男性の平均に追いついていない、こういうものが実態となっております。
続いて六ページから、この十年ほど、十年から十五年ほどにどのような政策が打たれてきたのかということを簡単に御紹介したいというふうに思います。
私は、労使関係の観点から労働基準法の改正に着目をして御説明をしていきたいと思いますが、現在、物流の二〇二四年問題が叫ばれていますが、労働時間の規制は段階的に行われてきており、実は、この業界では二〇二三年問題というふうに呼ばれるものもございました。
二〇二三年問題というのは、二〇二三年四月から中小企業にも月六十時間を超える時間外労働の割増し賃金率の引上げが適用されるということになりました。トラック業界は、月六十時間を超える時間外労働の従事者が非常に割合が高いということから、この影響が極めて大きいというふうに考えられていました。
次のページ、御覧いただければと思います。
この労基法の改正に合わせて労働時間をどうやって短縮していくのかということで、全国には、取引環境・労働時間改善協議会というものが設置をされまして、各地域で、トラック運送会社、労働組合、荷主らが集まって、労働時間の削減のためのパイロット事業等が進められてきました。
ただ、この協議会の中でも盛んに意見が出されたものは、その労働時間を減らしていくためには運賃や商慣行を見直さなければならないという点でした。
これは既に出ておりますので、簡単に御説明しますが、例えば、トラックで荷物を輸送する際、高速道路を使った方が早く運ぶことができます。でも、実態としては運賃が非常に安くて高速代金を捻出することができず、下道を走って荷物を運んでいるというような実態が多々あります。
ですので、そういったところで適正な運賃を死守していく、高速代金を死守していくというようなことが進められてきました。運賃の交渉の目安を示す標準的な運賃も、二〇一八年に導入されたということになります。
さらに、そういった取組が進む中で労基法が改正されまして、二〇二四年問題と言われる残業時間の上限規制の導入が決まります。
八ページにあるとおり、持続可能な物流の実現検討会が設置されまして、その中で議論された内容が、昨年六月にはその政策パッケージとして提出されました。それらの内容を前提に今回の法案が提出されたというふうに理解しております。
この間進んできたこうした動きにいかなる特徴があるのかという点を、私が専門とします労使関係の観点から述べますと、これは四者構成にあるというふうに私は考えています。
九ページになります。
労働時間の削減であるとか賃金の水準の低さであるとか、こういった労働問題の解決は、通常は政労使の三者で議論されるというのが労使関係の中では一般的です。政労使の三者間で法案が作られ、制度の見直しが図られる、この三者構成主義というのはILOが規定していることで、国際的な標準でもあります。
しかし、トラック業界で起きてきました長時間労働や社会保険料の未払いといった問題は、顧客である荷主の行動やこの業界の商慣行が要因となっているというふうに考えられています。
こうした問題は、もちろん物流に限らない問題ですけれども、トラックで特に顕著だというふうに思います。ですので、改善協議会でも、荷主を巻き込み、話合いが進められてきました。
さらに、厚生労働省は、改善基準告示の見直しに当たり新たな制度を導入していまして、長時間にわたる悪質な荷待ちをさせている荷主に対して労基署が配慮要請をするというようなことも行っています。
もちろん、荷主は使用者ではありませんので、ドライバーを何時間待たせても労基法の違反で追及されるということはございません。しかし、荷主の行動が変わっていただかないと、ドライバーの労働実態というのはなかなか変容しないという実態があります。ですので、荷主の行動変容というものを求めてきたというのが、この四者構成というような特徴にあるのではないかと思います。
最後、十ページを御覧いただければと思います。
ただ、非常に大きな問題となるのは、荷主にとっては、その自身の行動を変容するインセンティブを持ちにくいという特徴があります。
荷主にドライバーの労働時間の削減の協力を要請しても、その必要性は理解していただいても、もしその協力にコストがかかるような場合には、行動を変えるということはそんな簡単なことではありません。高速代金の負担をすれば、当然、その分運賃が上がりますし、パレットを使うにしても、荷待ちを減らすにしても、それに対するコストがかかってくるという可能性があります。
運賃を極力安くしようというのは、ある意味、荷主にとっては経済合理的な行動ではあります。ただ、多くの荷主が適正な運賃を支払わないということに寄れば、ドライバーの労働時間を短くすることは難しく、その結果、なり手が減り、物流の停滞が引き起こされます。
こうしたミクロにおいて経済合理的な行動が、社会全体、マクロにおいて不合理な事態をもたらすということは度々起こり得るわけですけれども、経済学ではこうした事象を合成の誤謬というふうに呼びます。
合成の誤謬を克服していくためには、私は政治の力が必要だというふうに考えています。持続可能な物流という意味でのマクロな合理性を担保するために、政府による規制的な措置が必要だと考えておりまして、今回の法案の意義は、まさにそこにあるというふうに思っております。
さらに、現在、こうした法規制がかかるということを前提に、多くの大手の荷主が実際に行動の変容に移っています。今まで、いろいろ話合いに参加したり呼びかけられたりしても、なかなか変化してこなかった物流の現場が、今、できるだけ小荷物をまとめて運ぼう、ドライバーの待ち時間を減らそうといった取組が始まっております。
こうした物流の効率化は、もちろん簡単なことではございません。現場の方々は大変な苦労をされていると思いますが、こうした取組こそが、今、日本社会で求められている生産性の向上につながっているというふうに私は思っております。
何時間働かせても安い賃金で幾らでも働いてくれる労働者がいるという状況の中では、なかなか生産性の向上は進みません。労働時間の削減が現場に様々な負担をかけていましたが、こうした努力が日本経済をまさに強くしていくのだというふうに考えております。
以上となります。拍手
この発言だけを見る →本日、このような場でお話しする機会をいただき、大変光栄に存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
私は、労使関係を専門に研究しておりまして、物流の専門家ではございません。労働問題としてトラックドライバーの研究をしてまいりましたので、本日はその観点からお話をさせていただきたいと思います。
まず、トラックドライバーの労働時間と賃金の推移を御紹介したいと思います。
三ページの図一を御覧ください。
この図は、大型のトラックドライバーを対象としたものですが、一月当たりの実労働時間数を青い線で示し、時間当たり賃金額を赤い線で示しております。
労働時間数の方は、中長期的に見ますと減少傾向が確認されますけれども、近年はコロナの影響もあってアップダウンが見られていまして、どこまで削減されているのかははっきり言えない状況です。他方で、赤い線の方の賃金水準は上昇の傾向が確認されるということが分かるかと思います。
続いて、次のページの図二を御覧いただければと思います。
では、賃金の中身、どこで賃金が上がっているのかというところですけれども、青い線が賞与、赤い線が所定内給与ですけれども、所定内給与はさほど増えておらず、賞与のところで増大しているということが分かるかと思います。
トラックドライバーの賃金体系は、そもそも歩合給の比率が高いということを特徴としておりまして、基本給の低さがドライバーの収入の不安定さにもつながってきたと言われています。現在見られているこの賃金の増加についても、長期に安定したものであるのかどうかというのは、まだ不透明な部分が残されているというふうに考えています。
続いて、五ページ目の図の三を御覧いただければと思います。
上昇が見られるというふうに先ほど申し上げましたが、より長期の視点から見てみますと、これは、一九八五年から二〇二三年までの賃金の、年収の推移を、男性労働者の平均との格差を示したものになります。トラックドライバーは九六%が男性でありまして、日本は男女間の賃金格差が極めて大きいという特徴がありますので、男性の賃金と比較するということがすごく重要だと私は考えています。
赤い線が大型のトラックで、青い線が普通、小型のトラックで、トラックドライバーは高卒労働者が多いので、緑の線で高卒労働者の平均を示しております。これを見てみますと、赤い線がずっと、二〇一〇年頃までかけて格差が拡大してきているということが分かると思います。
トラックドライバーの賃金水準、先ほどほかの参考人の方々からもございましたが、一九九〇年、二〇〇三年の規制緩和を受けて、賃金水準は一貫して低下をしてきました。およそ九〇年から二〇一〇年頃までに二割ぐらいの賃金水準の低下が見られております。
この間、男性労働者の平均年収も伸び悩み、高卒男性の平均年収も低下をしましたが、それ以上にこの業界の労働者の賃金水準というのは下がりましたので、格差が拡大してきているというふうに思っております。
さらに、二〇〇〇年代に入ってからは、賃金の低下のみならず、例えば社会保険料を支払わない事業者であるとか、従業員に健康診断を受けさせない事業者というのも増大してきたということも分かっております。
ですので、二〇一〇年以降、確かに賃金水準は上がってきていますが、これは、それまでに下がってきた賃金の揺り戻しというような面があると思っております。大型トラックドライバーの賃金は、いまだに年収レベルにおいて高卒男性の平均に追いついていない、こういうものが実態となっております。
続いて六ページから、この十年ほど、十年から十五年ほどにどのような政策が打たれてきたのかということを簡単に御紹介したいというふうに思います。
私は、労使関係の観点から労働基準法の改正に着目をして御説明をしていきたいと思いますが、現在、物流の二〇二四年問題が叫ばれていますが、労働時間の規制は段階的に行われてきており、実は、この業界では二〇二三年問題というふうに呼ばれるものもございました。
二〇二三年問題というのは、二〇二三年四月から中小企業にも月六十時間を超える時間外労働の割増し賃金率の引上げが適用されるということになりました。トラック業界は、月六十時間を超える時間外労働の従事者が非常に割合が高いということから、この影響が極めて大きいというふうに考えられていました。
次のページ、御覧いただければと思います。
この労基法の改正に合わせて労働時間をどうやって短縮していくのかということで、全国には、取引環境・労働時間改善協議会というものが設置をされまして、各地域で、トラック運送会社、労働組合、荷主らが集まって、労働時間の削減のためのパイロット事業等が進められてきました。
ただ、この協議会の中でも盛んに意見が出されたものは、その労働時間を減らしていくためには運賃や商慣行を見直さなければならないという点でした。
これは既に出ておりますので、簡単に御説明しますが、例えば、トラックで荷物を輸送する際、高速道路を使った方が早く運ぶことができます。でも、実態としては運賃が非常に安くて高速代金を捻出することができず、下道を走って荷物を運んでいるというような実態が多々あります。
ですので、そういったところで適正な運賃を死守していく、高速代金を死守していくというようなことが進められてきました。運賃の交渉の目安を示す標準的な運賃も、二〇一八年に導入されたということになります。
さらに、そういった取組が進む中で労基法が改正されまして、二〇二四年問題と言われる残業時間の上限規制の導入が決まります。
八ページにあるとおり、持続可能な物流の実現検討会が設置されまして、その中で議論された内容が、昨年六月にはその政策パッケージとして提出されました。それらの内容を前提に今回の法案が提出されたというふうに理解しております。
この間進んできたこうした動きにいかなる特徴があるのかという点を、私が専門とします労使関係の観点から述べますと、これは四者構成にあるというふうに私は考えています。
九ページになります。
労働時間の削減であるとか賃金の水準の低さであるとか、こういった労働問題の解決は、通常は政労使の三者で議論されるというのが労使関係の中では一般的です。政労使の三者間で法案が作られ、制度の見直しが図られる、この三者構成主義というのはILOが規定していることで、国際的な標準でもあります。
しかし、トラック業界で起きてきました長時間労働や社会保険料の未払いといった問題は、顧客である荷主の行動やこの業界の商慣行が要因となっているというふうに考えられています。
こうした問題は、もちろん物流に限らない問題ですけれども、トラックで特に顕著だというふうに思います。ですので、改善協議会でも、荷主を巻き込み、話合いが進められてきました。
さらに、厚生労働省は、改善基準告示の見直しに当たり新たな制度を導入していまして、長時間にわたる悪質な荷待ちをさせている荷主に対して労基署が配慮要請をするというようなことも行っています。
もちろん、荷主は使用者ではありませんので、ドライバーを何時間待たせても労基法の違反で追及されるということはございません。しかし、荷主の行動が変わっていただかないと、ドライバーの労働実態というのはなかなか変容しないという実態があります。ですので、荷主の行動変容というものを求めてきたというのが、この四者構成というような特徴にあるのではないかと思います。
最後、十ページを御覧いただければと思います。
ただ、非常に大きな問題となるのは、荷主にとっては、その自身の行動を変容するインセンティブを持ちにくいという特徴があります。
荷主にドライバーの労働時間の削減の協力を要請しても、その必要性は理解していただいても、もしその協力にコストがかかるような場合には、行動を変えるということはそんな簡単なことではありません。高速代金の負担をすれば、当然、その分運賃が上がりますし、パレットを使うにしても、荷待ちを減らすにしても、それに対するコストがかかってくるという可能性があります。
運賃を極力安くしようというのは、ある意味、荷主にとっては経済合理的な行動ではあります。ただ、多くの荷主が適正な運賃を支払わないということに寄れば、ドライバーの労働時間を短くすることは難しく、その結果、なり手が減り、物流の停滞が引き起こされます。
こうしたミクロにおいて経済合理的な行動が、社会全体、マクロにおいて不合理な事態をもたらすということは度々起こり得るわけですけれども、経済学ではこうした事象を合成の誤謬というふうに呼びます。
合成の誤謬を克服していくためには、私は政治の力が必要だというふうに考えています。持続可能な物流という意味でのマクロな合理性を担保するために、政府による規制的な措置が必要だと考えておりまして、今回の法案の意義は、まさにそこにあるというふうに思っております。
さらに、現在、こうした法規制がかかるということを前提に、多くの大手の荷主が実際に行動の変容に移っています。今まで、いろいろ話合いに参加したり呼びかけられたりしても、なかなか変化してこなかった物流の現場が、今、できるだけ小荷物をまとめて運ぼう、ドライバーの待ち時間を減らそうといった取組が始まっております。
こうした物流の効率化は、もちろん簡単なことではございません。現場の方々は大変な苦労をされていると思いますが、こうした取組こそが、今、日本社会で求められている生産性の向上につながっているというふうに私は思っております。
何時間働かせても安い賃金で幾らでも働いてくれる労働者がいるという状況の中では、なかなか生産性の向上は進みません。労働時間の削減が現場に様々な負担をかけていましたが、こうした努力が日本経済をまさに強くしていくのだというふうに考えております。
以上となります。拍手
長
長
古
古川康#11
○古川(康)委員 自由民主党、古川康でございます。
参考人の皆様方には、朝早くから、お忙しい中、こうして来ていただき、見解について開陳いただきましたことを心から感謝を申し上げる次第でございます。
まず、馬渡参考人にお伺いをいたします。
お話にもありましたように、全日本トラック協会として、二〇二四問題、更に言えば、もっとその前の時代から、この業界における様々な課題について問題提起をしていただいておりました。御尽力いただいていたことに心から敬意を表する次第でございます。また、先ほどは法案の成立に対する思いも述べていただき、本当にありがとうございました。
そこで、一点お伺いをいたします。
今回の法案で、全ト協として盛り込んでもらってよかったこと、あるいはこの法案に期待する点、まずお聞かせください。
この発言だけを見る →参考人の皆様方には、朝早くから、お忙しい中、こうして来ていただき、見解について開陳いただきましたことを心から感謝を申し上げる次第でございます。
まず、馬渡参考人にお伺いをいたします。
お話にもありましたように、全日本トラック協会として、二〇二四問題、更に言えば、もっとその前の時代から、この業界における様々な課題について問題提起をしていただいておりました。御尽力いただいていたことに心から敬意を表する次第でございます。また、先ほどは法案の成立に対する思いも述べていただき、本当にありがとうございました。
そこで、一点お伺いをいたします。
今回の法案で、全ト協として盛り込んでもらってよかったこと、あるいはこの法案に期待する点、まずお聞かせください。
馬
馬渡雅敏#12
○馬渡参考人 御質問に答えたいと思います。
今回の法案は、今まで我々が、物流二法以降、我々も失われた三十年という形になってきたんですけれども、それに対して、荷主さんにも規制的措置を考えていただいたということは非常にうれしいことでございます。
ただ、反面、着荷主さんを含めた荷主さん、それから消費者の方の行動変容がなければ、我々はなかなか交渉力が弱くて進めることができませんので、これから先、チェック機能も含めて、是非、国会の先生方にもお願いをしたいというふうに思っております。
以上でございます。
この発言だけを見る →今回の法案は、今まで我々が、物流二法以降、我々も失われた三十年という形になってきたんですけれども、それに対して、荷主さんにも規制的措置を考えていただいたということは非常にうれしいことでございます。
ただ、反面、着荷主さんを含めた荷主さん、それから消費者の方の行動変容がなければ、我々はなかなか交渉力が弱くて進めることができませんので、これから先、チェック機能も含めて、是非、国会の先生方にもお願いをしたいというふうに思っております。
以上でございます。
古
古川康#13
○古川(康)委員 ありがとうございました。
それでは、根本参考人にお伺いをいたします。
生産性の向上なくして持続可能な物流の実現なしということ、全くそのとおりかと思います。その中でのお話にもございましたが、着荷主の問題でございます。下請の実運送を担っておられる会社が貨物を届けに行ったとき、着荷主から長時間の荷待ちや荷役作業を要求されてもなかなか断るのが難しいんだ、このようなお話もございました。まさに、着荷主の行動変容、意識改革が求められると思いますが、今回の法改正あるいはそれを含むところのパッケージなど、様々な政策によって改善されていく見通しがあるとお考えでしょうか。
この発言だけを見る →それでは、根本参考人にお伺いをいたします。
生産性の向上なくして持続可能な物流の実現なしということ、全くそのとおりかと思います。その中でのお話にもございましたが、着荷主の問題でございます。下請の実運送を担っておられる会社が貨物を届けに行ったとき、着荷主から長時間の荷待ちや荷役作業を要求されてもなかなか断るのが難しいんだ、このようなお話もございました。まさに、着荷主の行動変容、意識改革が求められると思いますが、今回の法改正あるいはそれを含むところのパッケージなど、様々な政策によって改善されていく見通しがあるとお考えでしょうか。
根
根本敏則#14
○根本参考人 結論から言えば、改善されていくと思います。
まず、荷役時間、荷待ち時間というのをちゃんと荷主が記録をしてほしい、そしてそういうものに対して削減する目標を立ててほしい、そしてそれがどの程度進んだのかを報告してほしい、そういう仕組みになっていますから、着荷主、荷主の責任としてそういうことが管理されれば自然と減っていくのかなと。
あと、やはり運賃と荷役というのを別々にして、料金としてちゃんと払ってくださいということも含まれていますから、やはり荷主さんとしては払いたくありませんから、なるべくそれを短くしたいというインセンティブが働くと思います。
以上です。
この発言だけを見る →まず、荷役時間、荷待ち時間というのをちゃんと荷主が記録をしてほしい、そしてそういうものに対して削減する目標を立ててほしい、そしてそれがどの程度進んだのかを報告してほしい、そういう仕組みになっていますから、着荷主、荷主の責任としてそういうことが管理されれば自然と減っていくのかなと。
あと、やはり運賃と荷役というのを別々にして、料金としてちゃんと払ってくださいということも含まれていますから、やはり荷主さんとしては払いたくありませんから、なるべくそれを短くしたいというインセンティブが働くと思います。
以上です。
古
古川康#15
○古川(康)委員 ありがとうございました。
次に、成田参考人にお伺いをさせていただきます。
この春の賃上げの状況のことについてなんですが、どのような状況でございましょうか。特に、大手と中小零細ではかなり状況が違うのではないかというふうにも思っております。まだ中小零細については、四月が始まったばかりですので、結果は出ていないと思うんですが、手応えをどのように感じていらっしゃるのか、教えてください。
この発言だけを見る →次に、成田参考人にお伺いをさせていただきます。
この春の賃上げの状況のことについてなんですが、どのような状況でございましょうか。特に、大手と中小零細ではかなり状況が違うのではないかというふうにも思っております。まだ中小零細については、四月が始まったばかりですので、結果は出ていないと思うんですが、手応えをどのように感じていらっしゃるのか、教えてください。
成
成田幸隆#16
○成田参考人 ありがとうございます。
運輸労連の集計、先ほどありましたように、まだ途中ではありますけれども、感触でいいますと、大手の、十三組合あるんですが、そこの賃上げの率の平均よりも中小の方が、今の解決している中では、少し増えているという感じがありますので、いろいろ、労働力不足の中で、それぞれの事業者を含めて、労使でしっかりそこを話し合って結果が出てきているというふうに思っております。
この発言だけを見る →運輸労連の集計、先ほどありましたように、まだ途中ではありますけれども、感触でいいますと、大手の、十三組合あるんですが、そこの賃上げの率の平均よりも中小の方が、今の解決している中では、少し増えているという感じがありますので、いろいろ、労働力不足の中で、それぞれの事業者を含めて、労使でしっかりそこを話し合って結果が出てきているというふうに思っております。
古
古川康#17
○古川(康)委員 ありがとうございました。
首藤参考人にお伺いをさせていただきます。
本来、二〇二四問題という言い方になっていますが、働く人から見たら、働く時間が減り、そしてしっかり賃金、給料が支払われるようになる、更にそれが増えていくということ自体は問題ではなく、むしろ目指していくべき方向ということではなかったかと思います。その方向に向けての一里塚が今回の法案になるのではないかというふうに思いますが、様々、それでも解決すべき課題は残されていると思います。
多重構造の話、着荷主の話など様々ある中で、首藤参考人の目から御覧になったときには、これから解決しなければならない最優先の課題というのは何であるのか、教えていただければと思います。
この発言だけを見る →首藤参考人にお伺いをさせていただきます。
本来、二〇二四問題という言い方になっていますが、働く人から見たら、働く時間が減り、そしてしっかり賃金、給料が支払われるようになる、更にそれが増えていくということ自体は問題ではなく、むしろ目指していくべき方向ということではなかったかと思います。その方向に向けての一里塚が今回の法案になるのではないかというふうに思いますが、様々、それでも解決すべき課題は残されていると思います。
多重構造の話、着荷主の話など様々ある中で、首藤参考人の目から御覧になったときには、これから解決しなければならない最優先の課題というのは何であるのか、教えていただければと思います。
首
首藤若菜#18
○首藤参考人 まず、二〇二四問題という言葉の使い方については私も違和感を抱いておりまして、必ず括弧をつけて使っております。労働者にとってみればこれはプラスのことであるというのは、おっしゃるとおりだと思っています。
今回の法案によって様々なことの改善が期待されておりますけれども、私は、やはり最大の問題としてあることの一つは多重構造の問題であると思っておりまして、多重構造の是正については、十分なメスが入るかどうかというのは、まだちょっと不透明な部分があると思っております。
取りあえず、今回の法案がもし可決、成立すれば、それで一歩前進ではあると思いますけれども、さらに、この多重構造をどのようにしてなくしていくのか、減らしていくのかということは、更なる取組が必要だというふうに考えております。
この発言だけを見る →今回の法案によって様々なことの改善が期待されておりますけれども、私は、やはり最大の問題としてあることの一つは多重構造の問題であると思っておりまして、多重構造の是正については、十分なメスが入るかどうかというのは、まだちょっと不透明な部分があると思っております。
取りあえず、今回の法案がもし可決、成立すれば、それで一歩前進ではあると思いますけれども、さらに、この多重構造をどのようにしてなくしていくのか、減らしていくのかということは、更なる取組が必要だというふうに考えております。
古
古川康#19
○古川(康)委員 ありがとうございました。
今、多重構造の話が出ましたが、馬渡参考人にお伺いします。
馬渡参考人は、この多重構造のいわば構造的な解決に向けて、どのようにお考えでございましょうか。国によっては、例えば二次までしか下請は駄目だというような立法をしているところもあると伺っております。その点も含めて、お考えをお聞かせいただければと思います。
この発言だけを見る →今、多重構造の話が出ましたが、馬渡参考人にお伺いします。
馬渡参考人は、この多重構造のいわば構造的な解決に向けて、どのようにお考えでございましょうか。国によっては、例えば二次までしか下請は駄目だというような立法をしているところもあると伺っております。その点も含めて、お考えをお聞かせいただければと思います。
馬
馬渡雅敏#20
○馬渡参考人 多重下請のことについて返答いたします。
他国では、下請は二次までというところもあるというふうに聞いておりますけれども、我が国でもそういうふうに決めていただいて、そこで、労働者のいろいろな健康問題であるとか、いろいろな労働時間であるとか、そういったものを解決していくべきだというふうに思っておりますし、一番は、いわゆる水屋さんという方々がたくさんいらっしゃいます。ただ、水屋が悪いと言ってしまうと、中小零細のところはもうほとんど自分で、本当の、真の荷主さんを持たなくて経営をされているところもありますので、それよりも、やはり今後、行政によってそこら辺のところのチェックを厳しくやっていただければなというふうに思っております。
今、マッチングアプリみたいな形で、我々が知らないところで、いわゆる水屋さんとは違った形で、ネット上でやられている部分もございますので、そういった方々が、運送の責任、安全、リスクを負わずに固定の手数料を受け取られる、こういったところは問題というふうに認識をしておりますので、是非そういったチェックをお願いしたいと思います。
以上でございます。
この発言だけを見る →他国では、下請は二次までというところもあるというふうに聞いておりますけれども、我が国でもそういうふうに決めていただいて、そこで、労働者のいろいろな健康問題であるとか、いろいろな労働時間であるとか、そういったものを解決していくべきだというふうに思っておりますし、一番は、いわゆる水屋さんという方々がたくさんいらっしゃいます。ただ、水屋が悪いと言ってしまうと、中小零細のところはもうほとんど自分で、本当の、真の荷主さんを持たなくて経営をされているところもありますので、それよりも、やはり今後、行政によってそこら辺のところのチェックを厳しくやっていただければなというふうに思っております。
今、マッチングアプリみたいな形で、我々が知らないところで、いわゆる水屋さんとは違った形で、ネット上でやられている部分もございますので、そういった方々が、運送の責任、安全、リスクを負わずに固定の手数料を受け取られる、こういったところは問題というふうに認識をしておりますので、是非そういったチェックをお願いしたいと思います。
以上でございます。
古
根
根本敏則#22
○根本参考人 私は、今回、法案の中にあります実運送体制管理簿を作るというのは効果的なんじゃないかというふうに思っています。
国交省の資料を見ましたらば、そこに、誰が実運送を担うのか、トラック会社の名前、さらに、ドライバーの名前まで書くようになっているんですね。発荷主さんが、この方が届けに行きますよということを着荷主さんにお知らせできる。着荷主さんは、誰々さんが来るんですねという、そういうドライバーに対するリスペクトが生まれると思うんですね。発荷主さんが運賃を払ったときに、それが多段階になって、実際にドライバーさんに届くのかどうかということにも思いをはせることができると思うんですね。ですから、この管理簿を作ることによって、私は改善していくと思っています。
この発言だけを見る →国交省の資料を見ましたらば、そこに、誰が実運送を担うのか、トラック会社の名前、さらに、ドライバーの名前まで書くようになっているんですね。発荷主さんが、この方が届けに行きますよということを着荷主さんにお知らせできる。着荷主さんは、誰々さんが来るんですねという、そういうドライバーに対するリスペクトが生まれると思うんですね。発荷主さんが運賃を払ったときに、それが多段階になって、実際にドライバーさんに届くのかどうかということにも思いをはせることができると思うんですね。ですから、この管理簿を作ることによって、私は改善していくと思っています。
古
古川康#23
○古川(康)委員 ありがとうございました。
多くの場合、着荷主から見たら、自分の荷物を運んできた人が、どこの会社の何という人なのかということが分からない、そういう状態になっているなということを、確かに思うところでございます。こうしたことを含めて、この多重構造の問題については、しっかり解決に向けて取り組む必要があるということを改めて感じた次第でございました。
また一方で、消費者の行動変容というか、意識の変革ということも求められていると思います。それが象徴的な表現として、送料無料問題というのがあると思います。
これは馬渡参考人があちこちで、問題だということをずっとかねてから御指摘をいただいていたところでございます。政府としても動き始めているというふうに理解をしておりますが、ただで運ぶ者はなく、それを言うならば、例えば医療費の無料化という言葉がありますが、お医者さんが何も医療をただで診てくれているわけではなくて、公費で負担しているから利用者の負担がゼロあるいは低額になるということであって、こうした無料という言葉に、どうしても人間は引かれてしまうことは事実でありますが、これが誤解を生むということになっていると思います。
この送料無料問題についての御所見を、馬渡参考人、お聞かせください。
この発言だけを見る →多くの場合、着荷主から見たら、自分の荷物を運んできた人が、どこの会社の何という人なのかということが分からない、そういう状態になっているなということを、確かに思うところでございます。こうしたことを含めて、この多重構造の問題については、しっかり解決に向けて取り組む必要があるということを改めて感じた次第でございました。
また一方で、消費者の行動変容というか、意識の変革ということも求められていると思います。それが象徴的な表現として、送料無料問題というのがあると思います。
これは馬渡参考人があちこちで、問題だということをずっとかねてから御指摘をいただいていたところでございます。政府としても動き始めているというふうに理解をしておりますが、ただで運ぶ者はなく、それを言うならば、例えば医療費の無料化という言葉がありますが、お医者さんが何も医療をただで診てくれているわけではなくて、公費で負担しているから利用者の負担がゼロあるいは低額になるということであって、こうした無料という言葉に、どうしても人間は引かれてしまうことは事実でありますが、これが誤解を生むということになっていると思います。
この送料無料問題についての御所見を、馬渡参考人、お聞かせください。
馬
馬渡雅敏#24
○馬渡参考人 送料無料におきましては、消費者庁の皆様にも御協力をいただいて、一定のハレーションはあったような気がします。
ただ、やはり、送料を当社で負担しますとか、送料を我々が何円以上は負担しますとか、そういった形で、誰が負担されているのかをはっきりされれば、この問題というのは、送料無料、ネットワークのインフラをやられている方々が負担されているのか、それとも、各出店者が負担をされているのかというのがはっきりすれば、やはり皆さん、そこの御理解を得やすいのかなというふうに思いますので、是非、言葉狩りじゃないんですけれども、変えていただいて、誰が負担しているかをはっきりしていただければなというふうに思っております。
以上でございます。
この発言だけを見る →ただ、やはり、送料を当社で負担しますとか、送料を我々が何円以上は負担しますとか、そういった形で、誰が負担されているのかをはっきりされれば、この問題というのは、送料無料、ネットワークのインフラをやられている方々が負担されているのか、それとも、各出店者が負担をされているのかというのがはっきりすれば、やはり皆さん、そこの御理解を得やすいのかなというふうに思いますので、是非、言葉狩りじゃないんですけれども、変えていただいて、誰が負担しているかをはっきりしていただければなというふうに思っております。
以上でございます。
古
古川康#25
○古川(康)委員 まさに、そういう意味では、送料当社負担という言い方をしているような事業者さんもいらっしゃいますけれども、まさにそういったものが正しい表現と言えるんだなということを思った次第でございます。
働いていただく方、運んでいただく方に対するリスペクトが必要ということの中で、成田参考人にお伺いをいたしますが、今、こうしたことでいろいろな改善策に取り組まれているわけでございますが、この業界で、この世界で働こうとする人たちというのは増えつつあるのか、それとも、まだまだなかなかそういったところまではたどり着いていないというふうにお考えなのか、率直な感じをお聞かせいただければありがたく存じます。
この発言だけを見る →働いていただく方、運んでいただく方に対するリスペクトが必要ということの中で、成田参考人にお伺いをいたしますが、今、こうしたことでいろいろな改善策に取り組まれているわけでございますが、この業界で、この世界で働こうとする人たちというのは増えつつあるのか、それとも、まだまだなかなかそういったところまではたどり着いていないというふうにお考えなのか、率直な感じをお聞かせいただければありがたく存じます。
成
成田幸隆#26
○成田参考人 ありがとうございました。
率直に、まだたどり着いていないというのが本音だと思います。その背景には、あるいは長時間労働、そして低賃金というところがあると思いますので、今回のいろいろな法案の中でその辺が改善していって、若い人たちを含めて、この業界に入っていただく方をしっかり増やしていくことを努力していきたいと思っています。
この発言だけを見る →率直に、まだたどり着いていないというのが本音だと思います。その背景には、あるいは長時間労働、そして低賃金というところがあると思いますので、今回のいろいろな法案の中でその辺が改善していって、若い人たちを含めて、この業界に入っていただく方をしっかり増やしていくことを努力していきたいと思っています。
古
古川康#27
○古川(康)委員 ありがとうございました。
首藤参考人にお伺いします。
様々な課題がありながらも、社会全体としていい方向に向かわなければという方向性だけは見えてきているように思います。この法案に対する期待をお聞かせください。
この発言だけを見る →首藤参考人にお伺いします。
様々な課題がありながらも、社会全体としていい方向に向かわなければという方向性だけは見えてきているように思います。この法案に対する期待をお聞かせください。
首
首藤若菜#28
○首藤参考人 この法案は、まだ可決、成立していませんけれども、この法案が出ていることだけでも、かなり多くの、荷主さんを含めて、行動変容が起き始めているということでは、私は非常に強く期待しているところではあります。可決、成立されれば、非常に、これまで動かなかった物流の状況が大きく変わっていく一歩になるというふうに期待しています。
この発言だけを見る →古
古川康#29
○古川(康)委員 ありがとうございました。
最後に、馬渡参考人に、この法案に対する期待を先ほど伺ったので、逆に、残された部分、これからこういった点に力を入れてほしいということをお尋ねしたいと思います。
この発言だけを見る →最後に、馬渡参考人に、この法案に対する期待を先ほど伺ったので、逆に、残された部分、これからこういった点に力を入れてほしいということをお尋ねしたいと思います。