国土交通委員会

2024-04-24 衆議院 全167発言

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会議録情報#0
令和六年四月二十四日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 長坂 康正君
   理事 あかま二郎君 理事 泉田 裕彦君
   理事 小林 茂樹君 理事 武井 俊輔君
   理事 城井  崇君 理事 白石 洋一君
   理事 三木 圭恵君 理事 國重  徹君
      石橋林太郎君    尾崎 正直君
      大西 英男君    金子 俊平君
      菅家 一郎君    小島 敏文君
      小林 鷹之君    小林 史明君
      小森 卓郎君    佐々木 紀君
      櫻田 義孝君    田中 英之君
      高木  啓君    谷  公一君
      谷川 とむ君    土井  亨君
      中根 一幸君    中村 裕之君
      古川  康君    武藤 容治君
      石川 香織君    小宮山泰子君
      神津たけし君    堤 かなめ君
      伴野  豊君    馬淵 澄夫君
      谷田川 元君    赤木 正幸君
      漆間 譲司君    高橋 英明君
      伊藤  渉君    日下 正喜君
      高橋千鶴子君    古川 元久君
      櫛渕 万里君
    …………………………………
   国土交通大臣       斉藤 鉄夫君
   国土交通副大臣      堂故  茂君
   国土交通大臣政務官    石橋林太郎君
   国土交通大臣政務官    尾崎 正直君
   政府参考人
   (公正取引委員会事務総局官房審議官)       向井 康二君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 小林  豊君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           田中 一成君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房長) 寺田 吉道君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房公共交通政策審議官)     石原  大君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房上下水道審議官)       松原  誠君
   政府参考人
   (国土交通省水管理・国土保全局長)        廣瀬 昌由君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  丹羽 克彦君
   政府参考人
   (国土交通省住宅局長)  石坂  聡君
   政府参考人
   (国土交通省鉄道局長)  村田 茂樹君
   政府参考人
   (国土交通省物流・自動車局長)          鶴田 浩久君
   政府参考人
   (国土交通省海事局長)  海谷 厚志君
   政府参考人
   (国土交通省港湾局長)  稲田 雅裕君
   政府参考人
   (観光庁次長)      加藤  進君
   政府参考人
   (気象庁長官)      森  隆志君
   国土交通委員会専門員   國廣 勇人君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十四日
 辞任         補欠選任
  枝野 幸男君     堤 かなめ君
  たがや 亮君     櫛渕 万里君
同日
 辞任         補欠選任
  堤 かなめ君     枝野 幸男君
  櫛渕 万里君     たがや 亮君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 国土交通行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
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長坂康正#1
○長坂委員長 これより会議を開きます。
 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長寺田吉道君、大臣官房公共交通政策審議官石原大君、大臣官房上下水道審議官松原誠君、水管理・国土保全局長廣瀬昌由君、道路局長丹羽克彦君、住宅局長石坂聡君、鉄道局長村田茂樹君、物流・自動車局長鶴田浩久君、海事局長海谷厚志君、港湾局長稲田雅裕君、観光庁次長加藤進君、気象庁長官森隆志君、公正取引委員会事務総局官房審議官向井康二君、警察庁長官官房審議官小林豊君及び経済産業省大臣官房審議官田中一成君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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長坂康正#2
○長坂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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長坂康正#3
○長坂委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。田中英之君。
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田中英之#4
○田中(英)委員 おはようございます。自民党の田中英之でございます。
 質問の機会を頂戴しまして、本当にありがとうございます。
 限られた時間ですので、早速質問に入りたいと思います。観光とオーバーツーリズムの件と道路の問題になりますけれども、まず、観光の方からお伺いしたいと思います。
 去年の五月にコロナの類型が変わって、やはり、どの地域にも、観光地と言われるところは、多くの皆さんが今訪れられているんだというふうに思っております。コロナ前の様々な目標値というのは、コロナでなかなか達成できなかった部分がありますけれども、観光庁では、残念としつつも、新たな指針、方針を出して、インバウンドをしっかりと受け入れていくんだということを考えていただいたと思います。
 例えば、外国人観光客の受入れの環境の整備であったり、バリアフリー化、また、これは日本人向けなのか分かりませんけれども、新しい旅行スタイルというものを定着させようとする動きや徹底的な感染症対策、訪日プロモーションというものにも力を入れていくということであります。二〇三〇年には六千万人を目標にして、十五兆円を、しっかりとお金を落としていただくという高い目標に関して取り組んでいるところでもあるんだというふうに思います。
 今日もテレビで見ていましたけれども、主要な駅のバスなんかでも大変なことになっておりますし、飲食店なんかも長蛇の列になって、いよいよ本当に、インバウンドを始め、多くの観光の皆さんがこのゴールデンウィークに向けても動いてくることなんだというふうに思います。
 ポイ捨てもすごかったですね、テレビで見ていると。食べ歩きをする方が最近は多いのかなと思いますけれども、串だけを入れるごみ箱とか、そんなものを駆使しながらやっておられる姿を見ると、地元で、そういった地域で、いろいろなことを考えながら、ごみ対策なんかもやっておられるんだと思います。
 ここで取り上げるのは、公共交通機関に関して、ちょっと取り上げたいと思います。
 本当に、観光客で、多くのところはとんでもないことにやはりなっているんだと思います。東京とか大阪、非常に公共インフラが発達しているところでは、バスに換えるのに二台、三台も待ったなんてことはないんだと思うんですけれども、実は私の京都なんかでは頻繁でありまして、ちょっと困っているなというのがございます。やはり、その地で生活される方を中心に、こういった公共交通を使っている地域なんかでは、まさにお手上げ状態なんだなというようなことだと思います。
 多くのインバウンドの皆さんや観光の皆さんがお越しいただけるということは、地域にとっては本当に喜ばしい、うれしいことなんでしょうけれども、でも、やはりその人と、インバウンドを始めとした観光客の方々が調和を取れる環境をどうやってつくるかということ、これは地元住民の皆さんも自治体も頭を抱えて、本当にいろいろなことを工夫をしながら考えているんだと思います。
 そこで、観光庁では、そんな地域に対して、オーバーツーリズムの未然防止・抑制によって持続可能な観光推進事業として、先駆的モデル地域などというところを指定しようということがありまして、自治体手挙げ方式でこの間も選定されたと伺っております。
 オーバーツーリズム対策として、地域によって本当にいろいろな課題があるんだと思いますが、その手の挙がった地域を、どのような理由があったり条件があって採択したか、そのことについてまずお伺いしたいと思います。
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加藤進#5
○加藤政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の、オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業、これを令和五年度補正予算において措置したところでございます。
 この事業では、地方公共団体が中心となって、住民の方々を含めた地域の関係者による協議、これに基づく計画の策定や、具体的な取組の実施を総合的に支援する先駆モデル地域として二十地域を採択したところでございます。
 特に、先駆モデル地域型におきましては、地域の関係者による協議の場の立ち上げ、こういったことも念頭に置き、また、実際にそういった立ち上げが進んでいるというふうに認識しておりますが、例えば、京都市における観光特急バス新設や、比較的すいている地下鉄への乗換促進など、公共交通などの混雑対策、あるいは、北海道美瑛町における、AIカメラの活用やデジタルサイネージの設置を通じた私有地への無断立入り行為の抑制を図るマナー違反対策など、各地域の実情に応じた取組が進められる予定となっております。
 こういった取組を踏まえ、観光庁といたしましては、地域の実情に応じた具体策が進み、観光客の受入れと住民の生活の両立が図られるよう、地域における意欲的な取組をしっかりと支援してまいります。
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田中英之#6
○田中(英)委員 ありがとうございます。
 本当に地域の実情、様々あるんだというふうに思います。公共交通の問題もあれば、様々なマナーの違反、今おっしゃった環境保護の対策とか需要の分散、周遊、そういったものを、先駆的モデルだったり一般モデルということで、先駆的モデルが二十、さらに、一般型が五十一だったかなというふうに思いますけれども、そういうように指定をされたところというのは地元と協議をしたり、また、先駆的モデルのところは、また国ともいろいろと協議をする機会を持って、そういう対策を取っていただけるものだというふうに思います。
 公共交通機関では、今、京都の話もいただきましたけれども、そういった意味では、観光特急バスというものをやられるというふうに聞いております。
 運賃の話をした際に、いろいろと制限というかルールがやはりあって、どうなのかなと、実は不安の声もあるわけでありますけれども、例えば、道路運送法の上で、九条の七項の二を読み解いてみると、特定の旅行者に対して不当な差別扱いをするものは基本的には駄目なんだと。でも、そこには合理的な理由があれば、何とかそういったことができるんだろうというふうに私自身は解釈をいたしております。
 確認のため、これはお伺いしたいんですが、観光特急バス、これを六月のかかりぐらいからやっていきたいなという思いがあるようであります。これは、いわゆる不当な差別扱いとならないので問題はないと聞いていますが、いかがでしょうか。
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石原大#7
○石原政府参考人 お答えいたします。
 今委員御指摘ございました観光特急バスでございますけれども、この運賃は、ほかの路線バスよりも高い水準の額を設定することになりますけれども、これは、当該バスを利用される全ての利用者の方に適用されるものでございます。特定の利用者に対してのみ何か高い運賃を求める、こういうものではございませんので、不当な差別的取扱いには該当しない、このように考えております。
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田中英之#8
○田中(英)委員 ありがとうございます。
 若干そういったところで、いろいろなルール上で制限がかかっていますので、いろいろと考えながら、相談もしながら、そういうことに取り組んでいけるということであります。
 公共交通、そういったところでは、他の地域なんかも、実は、上限を設定した上で、例えば、マイナンバーカードのデータを交通系のICカードに読み込ませて、市民の皆さんには割引をするなんという、そういったこともできているところがあるとは聞いております。外国人の観光の皆さんだけ価格を上げるというのは、実は、今の道路運送法上で大変なかなかハードルが高い部分であったりするんだというふうに思います。
 ただ、世の中で今よく出ているのは、インバウンドに対して、いろいろな形で更なるいいおもてなしをしようとすると、二重価格や二重料金の話が出ているのも、これは事実であると思います。例えば交通であったり、宿泊もよく聞きます。さらには、いろいろなところの入場料なんかもお聞きするわけであります。
 いいか悪いか、賛否は正直言ってたくさんあると思います。価格が上がると、やんぺという形になってしまうこともあるのかも分かりませんので、あるわけではありますけれども、でもやはり、インバウンド受入れ体制をしていく上で、これまで国が準備してきたものは、多言語表記もやってきましたし、フリーWiFi、コロナ禍ではありましたけれども、高付加価値の補助金を使いながら、宿泊施設も、これは日本人の皆さんにとってもでありますが、実は改善をして、更に付加価値の高い宿泊、そういったものをしてもらえるようにやってきたと思います。
 ですから、インバウンドに対して、国内旅行者、地元住民、こういった方と調和を取る環境は、やはりしっかりとつくっていかなければならないんだというふうに思っています。
 やはり、地域を挙げておもてなしをしたい、そんな気持ちを高めていくためにも、住民の暮らしに対する満足感とか納得感、今までこうだったのにななんて思えるような環境はしっかりと維持すべきだというふうに思います。
 仮にこの二重価格というものを導入すれば、公の部分でありましたら、バスの本数を増やしたりとか、いろいろな形で、住民の皆さんにも観光の皆さんにもサービスができるんだと思います。民間でも、賃上げというものにつながれば、またその他のサービスにもつながるというふうに思います。まさに、住んでいる方と観光の皆さん、外国人の旅行者の皆さんにとって、ウィン・ウィンの関係をつくっていくということのためには、やはりこういったことも必要なんじゃないかなというふうに思うわけであります。
 そこで、訪日外国人の観光客に対しての二重価格についてどのように考えておられるか、お願いします。
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石原大#9
○石原政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員、訪日客への二重価格全般についての御質問でございましたけれども、御指摘のありましたバスについて、私の方から御説明させていただきたいと思います。
 先ほど委員御指摘ございましたように、乗り合いバスの運賃につきましては、道路運送法で、特定旅客に対する不当な差別的取扱い、これを禁じているところでございます。
 どのような運賃が不当差別となるかということでございますけれども、これは個別の事案ごとに判断をすることになりますけれども、一般論として申し上げれば、人種や性別など、利用者の属性を理由に同一区間で異なる運賃額を設定するということは、この法律が禁じている不当な差別的取扱いに該当するおそれがあると考えております。
 このため、例えば京都市で、仮にインバウンドの方とそれ以外の方で別の異なる運賃設定を行うというようなことでありますれば、その目的ですとか、その目的を達成する手段としてそういったことが適切なのかどうか、そういったことについて、いろいろバス事業者などの皆様からお考えをお聞きして個別に判断をしていきたい、このように考えているところでございます。
 今、京都市で少しそのようなこともお考えになっている、このように伺っております。現在、国土交通省におきましては、京都市交通局とその件につきまして定期的に協議を実施しているところでございます。引き続き、市交通局などの相談に対して必要な助言、検討を行ってまいります。
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田中英之#10
○田中(英)委員 公共交通の部分に触れていただきました。
 恐らく、いろいろな事案がこれから、そういった意味では出てくるんだと思います。これは京都だけじゃないと思います。特にちょっと京都は特別なのかも分かりません。だけれども、そういった意味では、寄り添いながら、どういうふうにすれば、日常の生活と観光の部分、これをうまく区別すれば、少しはそういった和らぐ部分もあると思います。
 そういう意味で、しっかりと考えていただきたいなというのと、実際、この二重価格全般像で見たときには、憲法とか法律、さらには国際的な条約なんというものもいろいろとこれは影響するものなんだというふうに思います。
 受け入れる環境、これは観光庁の方の政策では整えていくということでありますし、その部分では、ハード面にしてもソフト面にしても、やはり税金を使いながらこれをやることもあると思いますし、全くお金のかからないこともこれはあるんだと思います。ただ、世の中で、少しそういう二重価格のことも検討してはどうかなという声がある中で、やはり合理的な理由があって目的もしっかりしていてというところは、個々別、個別の部分で出てきた際には、これは国交省のみならず、様々な省庁に関係する部分があるかも分かりませんけれども、そういったことをしっかりと検討して、自治体と連携をしながら、いいアドバイスそして解決策が見つけられる、そんな状況をしっかりとつくっておいていただきたい、これは入口の部分だというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 限られた時間で、もう最後になります。
 道路問題、昨日もやはり地震がありましたし、そういった意味では、陸の孤島になってしまうというところは、これはたくさんあるんだと思います。私の地域も、高規格道路と直轄国道、これをダブルネットワーク化にして、やはり陸の孤島にならないようにしてほしいという声はいっぱいあります。
 全国、半島もそうであれば、町中の、町と町をつなぐ、そんな道もやはり充実していかなければならないし、道路が崩落したり土砂崩れがあったりすると、本当に身動きが取れません。
 最後になりますけれども、決意を述べていただきたいわけでありますけれども、本当に命の道でありますので、道路整備をしっかりと促進をしていく、陸の孤島にしない、そのことの決意をお聞きして、質問を終わりたいと思います。
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堂故茂#11
○堂故副大臣 お答えします。
 能登半島地震など、激甚化、頻発化する災害に対し、国民の生命と財産を守る観点からも、高規格道路のミッシングリンクの解消や直轄国道とのダブルネットワーク化など、災害に強い高規格道路のネットワークを構築することが重要と考えます。
 例えば、御地元の国道九号の京都市から亀岡市の間については、積雪や豪雨により京都縦貫道との同時通行止めが発生するなど、防災面での課題があると認識しています。令和三年三月に京都府が策定した新広域道路交通計画において、京都亀岡連絡道路が高規格道路として位置づけられました。現在、国土交通省において、整備効果など調査を進めているところであります。
 災害に強い高規格道路ネットワークの構築を図ってまいります。
 以上です。
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田中英之#12
○田中(英)委員 どうもありがとうございました。
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長坂康正#13
○長坂委員長 次に、城井崇君。
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城井崇#14
○城井委員 立憲民主党の城井崇です。
 斉藤国土交通大臣、今日もよろしくお願いいたします。
 まず、国が発注する公共工事の事業費チェック体制について改めて伺います。
 国が発注する公共工事で、人件費単価や物価の伸びを上回って、工事の着工後に事業費が増額する事例が生じています。日本経済新聞によりますと、計画から十年以上が経過した公共工事三百八十二件のうち、四二%もの公共工事において、合計五・二兆円も事業費が増額したとのことでした。先日の質疑で一例を紹介し、国の計画や見通しが甘かったのではないかとの質問をいたしましたが、大臣からは認めない趣旨の答弁でした。
 本当にそうでしょうか。先日の質疑で挙げた例のほかにも、事業費を増額した事例があります。例えば、二〇〇一年度に事業化した国道横浜湘南道路では、掘削発生土の処理方法やトンネルの安全対策の変更で、二〇一九年度に何と当初の二・一倍となる四千六百億円に増えたとのことです。具体的には、地元住民や行政間の調整不足が要因とのことでした。二〇二二年度には一千百十億円も増えたとの報道です。
 国土交通省横浜国道事務所は、日本経済新聞の取材に対し、事業が進み、よりよくするために事業費が増えていると説明したそうであります。
 指摘されている公共事業費の増額は事実でしょうか。どのような理由から生ずるのか。やはり国による計画に問題があった、あるいは国による見通しが甘かったのではないか。大臣の認識をお示しください。
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斉藤鉄夫#15
○斉藤(鉄)国務大臣 お尋ねのありました横浜湘南道路につきましては、当初の全体事業費は約二千百四十億円でしたが、発生土の再利用のための土砂の改良作業の追加、トンネル地中接合部の可燃性ガス対策の追加、地元や関係機関協議を踏まえた遮音壁や調整池の追加などの理由により、当初計画から約三千五百六十億円増額し、現在の全体事業費は約五千七百億円となっております。そういう意味では、その増額は事実でございます。
 横浜湘南道路については、当初の計画段階において、地質情報など、その時点で判明していた現場条件を基に事業費を算出しておりましたが、事業実施段階において、不確定要素のある地下のトンネル工事であり、調査や工事の進展に伴い、予期しなかった地中の可燃性ガス対策などの技術的課題が確認されたこと、地元や関係機関と随時調整していく中で地域の生活環境に配慮しながら周辺への影響を最小限にする形で工事を進める必要が生じたことなどの理由により、事業費が増額したものと認識しております。
 なお、これらの事業費の増額に当たっては、有識者委員会での審議などの事業再評価の手続を実施し、事業費増加や事業継続の妥当性について御審議いただいた上で、了承されているところでございます。
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城井崇#16
○城井委員 地元住民ですとか行政間の調整不足という部分もあり、増額した点を先ほども御説明いただきましたが、これらは着工前に想定すべきだし、対応できたのではないかというふうに考えます。
 先ほどの再評価委員会についても触れていただきましたが、計画変更段階で、さて、発注者、受注者以外の目が、国民そして国会に対しての説明も含めて届いていたんだろうか、この点は問題だというふうに考えています。
 別の公共工事での事業費増額についても確認をいたしたいと思います。
 北海道三笠市の幾春別川総合開発事業では、二つのダムを建設しています。二〇〇四年度完成予定であったところを二〇三〇年度完成予定に延長。災害の影響などもあったとのことですが、事前に把握することができなかった地盤などの影響もあり、事業費は二・四倍の一千六百六十七億円となったとのことであります。
 ここで指摘されている公共事業費の増額や完成予定の延長は事実でしょうか。追加工事や工期延期などはどのような理由から生ずるのか。国による計画に問題があった、あるいは、国による見通しが甘かったのではないかというふうに考えますが、大臣の認識をお示しください。
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斉藤鉄夫#17
○斉藤(鉄)国務大臣 お尋ねのありました幾春別川総合開発事業につきましては、一九九四年度に策定した当初の全体事業費は約七百億円、完成予定は二〇〇四年度でしたが、直近の二〇二一年度の変更後の計画では、全体事業費が約千六百六十七億円、完成予定が二〇三〇年度となっております。こういう意味でも、これも事実でございます。
 幾春別川総合開発事業については、当初の計画段階において、地質情報など、その時点で判明していた現場条件や、類似のダムでの実績を基に事業費や工期を設定しておりましたが、事業実施段階におきまして、ダムの基礎となる岩盤が想定より深かったことにより掘削量が増加したこと、二〇一八年北海道胆振東部地震など、工事現場の被災に伴う追加対策が発生したことなどの理由により、変更の必要が生じたものと認識しております。
 なお、これらの変更に当たりましては、有識者委員会での審議などの事業再評価の手続を実施し、事業費や工期、事業継続の妥当性について御審議いただき、了承されているところでございます。
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城井崇#18
○城井委員 災害の影響は致し方なかったというふうに考えましても、例えば、着工後に見つかった想定外の地盤への対応、着工前の事業費の内数でやはり行うことができなかったということ、しかも、完成予定を大きく後ろ倒しをした上で、当初事業費の二・四倍にも事業費が膨れ上がっている事実、この辺りからしても、やはり国による見通しは甘かったということは指摘せざるを得ないというふうに考えます。
 そもそも、公共工事の発注は競争入札で決まります。しかし、変更契約は競争入札ではなく事実上の随意契約となることから、値決めやコスト管理が十分に行き届かない場合があるとの指摘があります。
 日本経済新聞によりますと、二〇二一年度時点で継続中のダム、道路、河川、港湾の工事について、計画当初と二〇二一年度の事業費が分かる資料を国土交通省から入手して、計画から十年以上のいわゆる大型案件を抽出して分析したところ、公共工事の事業費が増額していたのが全体の七七%に当たる二百九十四件で、増額幅は六・五兆円にもなっていたとのことでした。さらに、三百八十二件全体の費用は、当初計画比二六%増の三十一兆二千九十一億円にまで膨らんでいたということです。人件費単価や資材費の上昇の範囲に収まる物価高を要因とする増額が、このうち百三十五件とのことでした。
 このような事業費増額の実情がある一方、事業費の増額に伴う変更契約は受注者と発注者の交渉で決まることから、外部からの検証を十分に行うことができません。先ほどお話しのように、事業費全体、大きな視点の部分では再評価委員会が動くケースもありますが、さて、個別の契約まで一つ一つ目が届いているかといえば、そこは不十分だ、現在の仕組みの下では契約変更はいわばブラックボックスとなっています。
 国会の行政監視も届きにくいことに加えまして、メディアが契約変更された公共事業の事業費を追いかける際には、現地を見に行って取材をかけるか、時間をかけて情報公開請求を行うかといった形を取るほかなく、当初予算や補正予算案、新しい政策の説明とは異なりまして、政府からの情報提供や説明を詳しくお聞きできないとのことでした。
 事ほどさように、発注者と受注者以外のチェックの視点が届かないんです。大型案件だけでも着工後に六・五兆円もの事業費増額となっていた事実、発注者と受注者以外での視点のチェックが届いてこなかった現状について、大臣の受け止めをお聞かせください。
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斉藤鉄夫#19
○斉藤(鉄)国務大臣 公共事業の実施に当たりましては、事業着手後に実施した地質調査の結果や、地元や関係機関との協議を踏まえた追加対応などにより、事業費の増額や工期延長が生じることがございます。
 国土交通省では、事業着手後、五年に一度、都道府県の意見を聞くとともに、学識経験者などの第三者から構成される委員会において事業の妥当性を御審議いただき、費用の増加要因や最新データに基づく費用便益分析なども示した上で評価を行い、この評価結果を公表しているところでございます。事業費が大幅に増加する場合などは五年を待たずにこの評価を行っている、こういう場合もございます。
 また、個別工事の契約変更に当たっては、変更する工事の内容を発注者と受注者の間で協議して決めることとなりますが、その際には、発注者である国において、公表されている積算基準などに基づき予定価格を作成し、これを踏まえて適切な価格で契約変更を行っていると認識しております。加えて、契約変更の内容は、本年四月以降、原則インターネットで公表することとしております。現地に行かなくても、また役所に来なくても分かるようにいたしました。
 こうした取組によりまして、事業費などについては適切に見直されていると考えておりますが、引き続き、計画や契約における透明性を確保しつつ、公共事業を実施していきたい、このように考えております。
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城井崇#20
○城井委員 私も事前に、国土交通省での、事業費全体や個別契約における事業費増額時の実態、そしてそのチェックの仕組みの現状については説明を受けました。
 資料を御覧ください。
 遺跡が出たり、想定した地層と異なる地層だったりなど、事前の想定が難しい理由により着工後の計画変更を行っている。一方で、着工後に計画変更する場合、先ほど再評価委員会なども含めて見ているということでしたが、結果的には、既に動いている工事を完全に止めるわけにはいかず、計画変更時には随意契約での対応等を行っている、こういう説明でした。
 発注者と受注者以外で、着工後の事業費増額時における契約変更が本当に適正だったかどうかという、チェックする役割の存在が個別の契約も含めていないのではないか、その積み重なりが雪だるま的な事業費増額を防げていない一因となっているのではないかというふうに考えます。
 国土交通省の説明では、着工後の事業費増額のチェックについては設計変更審査会が活用可能とのことでした。
 そこで、伺います。
 この設計変更審査会はどのくらいの開催実績がありますか。それは、事業費を増額した国発注の公共事業数のどのくらいの割合で開催されていますか。大臣、お答えください。
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斉藤鉄夫#21
○斉藤(鉄)国務大臣 個別工事の契約変更に当たりましては、追加すべき工事の内容を発注者と受注者の間で協議して決めることとなりますが、必要に応じて、迅速に協議を行うため、受注者、発注者が一堂に会して協議を行う設計変更審査会を開催しております。今委員御指摘のあったとおりでございます。
 設計変更審査会の開催実績につきましては、網羅的に把握してはおりませんけれども、例えば、令和三年度に契約し、完了した関東地方整備局の道路、河川の改築工事など三百三十四件のうち、増額変更した工事は二百五十二件で、そのうち約五割に当たる百三十二件で設計変更審査会を開催しております。
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城井崇#22
○城井委員 今の大臣からの御説明によりますと、関東の事例で約半数では開催されたということでした。つまり、残りのもう半分については、そうした、ある意味で違う、外部での視点を含めてチェックをする場というのが、目が届いていない、こういう状況だというふうに受け止めました。
 この契約変更時の事業費増額は、発注者と受注者以外の視点で常にチェックをすべきだと考えます。なぜならば、先ほどの事例のほかにも、これまでにチェックが行き届かなかった事例、例えば、競争入札も随意契約も経ることなく既存の事業に予算を上乗せし、施工した事例があるからであります。
 例えば、東北の復興工事では、競争入札も随意契約も経ることなく既存の事業に予算を上乗せし施工した事例が五件もあったと、本年二月十九日に日本経済新聞が報じています。
 大臣、この五件の事例は事実でしょうか。これらの工事の取扱いは、会計法などの法律違反ではないですか。このような問題をどのように取り扱う考えか、大臣から明確にお示しください。
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斉藤鉄夫#23
○斉藤(鉄)国務大臣 東北地方整備局が発注した復興工事におきまして、報道がありました五件で工事内容の変更を行ったことは事実でございます。
 例えば、このうち、東北中央自動車道掛田トンネル工事については、調整の結果、トンネル工事に伴い発生した土砂の運搬先を、より近傍の工事現場へ変更可能となったこと等を踏まえ、施工中の工事との一体性の観点から、土砂運搬に関する工事等を追加したものでございます。
 工事で出た土砂を、遠くに運ぶ計画だったんですが、近くの、それも同じ東北中央自動車道の工事の現場に使って、そこでその土を使った工事を行うということで、同じ工事というようなこともございまして、一体という観点からこの工事等を追加したということでございます。
 このように、これら五件は、いずれも施工中の工事との一体性の観点から、契約変更により工事を追加したものであり、会計法令の趣旨に反するものではないと考えております。
 いずれにいたしましても、契約手続の透明性を確保することは大変重要でございます。委員御指摘のとおりです。引き続き、より適切な仕組みづくりに努めてまいりたいと考えております。
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城井崇#24
○城井委員 同じ工事であっても、適切かどうかということは、きちんと外部の目からチェックをすることが必要だというふうに考えます。こうした事例だけでも、着工後の契約変更時の事業費増額は、やはり発注者と受注者以外の視点で常にチェックすべきだという理由になるというふうに考えます。
 事業費全体にしても、そして個別の契約にしても、事業費の増額を行う場合のルールの見直しと、そして検証の仕組みが必要です。大臣、着工後の契約変更時の事業費増額を発注者と受注者以外の視点で常にチェックをする仕組みを国土交通大臣のリーダーシップでつくっていただけませんか。大臣から明確にお答えください。
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斉藤鉄夫#25
○斉藤(鉄)国務大臣 繰り返しになりますけれども、事業費全体につきましては、事業着手後、五年に一度、都道府県の意見を聞くとともに、学識経験者などの第三者から構成される委員会におきまして事業の妥当性を御審議いただき、事業再評価の結果を公表しているところでございます。また、事業費が大幅に増加する場合などは、五年を待たずに、この評価を行っております。
 個別工事の契約変更においても透明性の確保は重要と認識しており、例えば、本年四月より、契約変更の内容を原則インターネット公開とするなどの取組を実施しております。
 今後、更に透明性の確保を図るため、委員の御指摘も踏まえまして、新たに、契約変更前に発注者と受注者以外の第三者からの意見聴取を行うことを含め、具体的な取組について検討してまいりたいと思います。
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城井崇#26
○城井委員 今、大臣から大事な答弁をいただけたと思います。発注者、受注者以外の第三者から意見を聴取するという仕組みの創設について言及いただけたかと思います。
 この検討、いつまでに行っていただけますか。
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斉藤鉄夫#27
○斉藤(鉄)国務大臣 第三者の視点を入れるという新たな仕組みの具体化に当たりましては、進行中の工事等への影響、対象工事の選定方法、対発注者以外の第三者の選定の考え方などを整理するとともに、現場への周知徹底を行うため、一定の期間が必要と考えておりますけれども、早ければ来年度にも実施できるよう検討してまいりたいと思います。
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城井崇#28
○城井委員 是非速やかなお取組をお願いしたいと思います。
 次に参ります。
 二〇二四年四月十七日の衆議院国土交通委員会理事会にて報告されたタクシー特措法に基づく国会報告について、大臣に伺います。
 タクシー事業者に改めて現状を伺いました。日本版ライドシェア対応もありますが、当面は、激しい超円安と原油価格高騰によるLPガスの高止まりに対して、燃料対策のリッター二十五円を超えた分の助成金措置がないと、地方の運輸事業者はライドシェアどころではないとの悲痛な声が届きました。また、ゼロゼロ融資の先延ばし分の返済が本格的に始まり、大都会の売上げの高い事業者でさえ単月赤字決算基調となっているため、カーボンニュートラル対応で燃費のよいEV車、プラグインハイブリッド車、水素自動車などのリースを行う際の与信が通らなくなるといった厳しい見込みをお聞きしました。
 タクシー事業者のこれらの現実に国の支援が必要だというふうに考えますが、大臣の見解をお願いします。
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斉藤鉄夫#29
○斉藤(鉄)国務大臣 国土交通省では、これまでもタクシー事業者に対して必要な支援を行ってきたところでございますが、令和五年度補正予算におきましても、LPガスを使用するタクシー事業者に対する燃料価格激変緩和対策事業、交通DX、GXによる経営改善支援、旅客運送事業者への二種免許取得支援等の人材確保支援などを盛り込んだところでございます。
 なお、政府全体としては、民間ゼロゼロ融資の返済開始の最後のピーク、今年の四月でございますが、に万全を期すため、コロナ資金繰り支援策を本年六月末まで延長するとともに、再生支援のニーズの高まりを踏まえて、中小企業の経営改善、再生支援を強化することとしております。
 これら全体としての支援と、先ほど申し上げましたタクシー業界への支援と、引き続き必要な支援を行ってまいりたい、このように思っております。
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