農林水産委員会

2024-05-08 衆議院 全157発言

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会議録情報#0
令和六年五月八日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 野中  厚君
   理事 伊東 良孝君 理事 小島 敏文君
   理事 古川  康君 理事 山口  壯君
   理事 近藤 和也君 理事 野間  健君
   理事 池畑浩太朗君 理事 角田 秀穂君
      東  国幹君    五十嵐 清君
      上田 英俊君    江藤  拓君
      加藤 竜祥君    神田 憲次君
      小寺 裕雄君    高鳥 修一君
      橘 慶一郎君    中川 郁子君
      西野 太亮君    細田 健一君
      堀井  学君    宮下 一郎君
      保岡 宏武君    簗  和生君
      山口  晋君    梅谷  守君
      金子 恵美君    神谷  裕君
      川内 博史君    緑川 貴士君
      山田 勝彦君    渡辺  創君
      一谷勇一郎君    掘井 健智君
      稲津  久君    山崎 正恭君
      田村 貴昭君    長友 慎治君
      北神 圭朗君
    …………………………………
   農林水産大臣       坂本 哲志君
   農林水産副大臣      武村 展英君
   農林水産大臣政務官    舞立 昇治君
   政府参考人
   (総務省大臣官房総括審議官)           海老原 諭君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         杉中  淳君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房技術総括審議官)       川合 豊彦君
   政府参考人
   (農林水産省農産局長)  平形 雄策君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  村井 正親君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局長)            長井 俊彦君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           田中 一成君
   農林水産委員会専門員   飯野 伸夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月一日
            補欠選任
             山田 勝彦君
    ―――――――――――――
四月二十六日
 食料自給率向上を政府の法的義務とすることに関する請願(渡辺創君紹介)(第一二〇〇号)
 同(新垣邦男君紹介)(第一三一六号)
 国産食料の増産、食料自給率向上、家族農業支援強化に関する請願(渡辺創君紹介)(第一二〇一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 食料供給困難事態対策法案(内閣提出第二七号)
 食料の安定供給のための農地の確保及びその有効な利用を図るための農業振興地域の整備に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)
 農業の生産性の向上のためのスマート農業技術の活用の促進に関する法律案(内閣提出第四八号)
     ――――◇―――――
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野中厚#1
○野中委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、食料供給困難事態対策法案、食料の安定供給のための農地の確保及びその有効な利用を図るための農業振興地域の整備に関する法律等の一部を改正する法律案及び農業の生産性の向上のためのスマート農業技術の活用の促進に関する法律案の各案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各案審査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房総括審議官杉中淳君、大臣官房技術総括審議官川合豊彦君、農産局長平形雄策君、経営局長村井正親君、農村振興局長長井俊彦君、総務省大臣官房総括審議官海老原諭君、経済産業省大臣官房審議官田中一成君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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野中厚#2
○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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野中厚#3
○野中委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。金子恵美君。
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金子恵美#4
○金子(恵)委員 立憲民主党の金子恵美でございます。よろしくお願いいたします。
 三つの法案を一括で審議となりましたが、それぞれ大変重要な法案でありまして、十分な時間をしっかりと取っていただいて審議ができますよう願っているところでございます。
 まず最初に、食料供給困難事態対策法案について質問をさせていただきたいと思います。
 まずは、食料危機にどう備えるかということが問われるわけでありますけれども、国民の皆様の不安を払拭できるか、そういう内容になっているかということを確認をしていかなくてはいけないというふうにも思っています。
 問題は、やはり、生産基盤の弱体化で、有事への実効性ある対応が担保できないのではないかというところであります。農畜産物の輸入自由化を推し進め、家族農業を軽視した新自由主義的な農政の帰結が今日の事態を招いたことは否めません。まず、その反省と総括を先にすべきだというふうに思っています。
 その上で、食料供給をどうしていくかということでありますけれども、本法律案の提案理由説明においては、食料の供給不足の兆候の段階から政府が一体となり対策を実施することが重要とされています。政府の検討会の取りまとめにおいては、平時からの食料の安定供給の確保という項目が設けられ、農業者の減少や高齢化が急速に進み、農業の生産基盤の脆弱化や地域コミュニティーの衰退など、国内農業をめぐる厳しい情勢がある中で、不測時に備えて、平時から食料の安定供給に向けた取組を進め、過度な輸入依存を軽減すること等による不測の事態の未然防止や、不測の事態における対応力の強化にも触れられていました。
 大規模な自然災害等に対しては、国土強靱化基本法が、事前防災、減災の観点からの強靱な国づくりの推進について定め、今すぐにでも発生し得る大規模自然災害等に備えて早急に事前防災及び減災に係る施策を進めるためには、大規模自然災害等に対する脆弱性を評価し、優先順位を定め、事前に的確な施策を実施することが必要であるとしています。食料の供給不足に対しても、これと同様の危機意識を持つとともに、事前に的確な施策を実施することが求められるのではないでしょうか。
 本法律案における平時の施策は、第三条の基本方針の策定と第四条の特定食料等の需給状況に関する報告徴収のみとなっています。農業者の減少、高齢化、農地の減少、荒廃を始めとする食料の生産基盤の脆弱性を評価し、優先順位の高い課題に集中的に対策を講ずるなど平時の施策を充実させることにより、過度な輸入依存から脱却し、食料供給困難事態の未然防止を図ることが必要であるというふうに考えますけれども、政府の認識をお伺いしたいというふうに思います。大臣、お願いいたします。
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坂本哲志#5
○坂本国務大臣 委員おっしゃいますように、食料供給につきましては、平時の施策の充実というのが最も大事だというふうに考えております。しかし、近年、気候変動による食料生産の不安定化、さらには、世界的な人口増加によります食料争奪の激化、国際情勢の不安定化、こういったリスクにいかに備えるかということも大事であります。
 平時の施策を充実させた上で、国内生産基盤の強化や確保、それから、過度な輸入依存からの脱却に向けた構造転換等を進めることによりまして、食料供給困難事態を未然に防ぐというようなことで今後農政を展開していかなければいけないというふうに考えております。
 そのために、これまでも、意欲のある担い手の育成の確保、それから農地の集積、集約化、さらにはスマート技術の導入による生産性の向上、それによりまして生産基盤を強化する、さらには麦、大豆、飼料作物、加工原料用野菜等の輸入依存度の高い品目からの国産への転換、それでもなお輸入に依存せざるを得ない品目については輸入の安定化を図るというようなことで、これまで平時からの施策を充実させて食料の安定供給を図ってきたところでございます。
 これからも、その方向性でしっかりと安定供給を図ってまいりたいというふうに思っております。
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金子恵美#6
○金子(恵)委員 我が国は、食料自給率四五%目標、これも達成することができないという弱い状況にもあります。反省すべきところは反省して、そして今後の対応ということをしっかりと考えていかなくてはいけない。そうでなければ、強い指示などを出すような法律を成立させることは、私は絶対にでき得ることではないというふうに思っています。
 今回、生産の促進ということで、本法律案では、食料の生産を促進することが必要であると認めるときは、当該食料の生産業者等に対して生産の促進を要請等することができるとされていますが、生産業者等が生産を拡大するためには、土地、資材、労働力を確保する、そういう必要があります。
 そのうち土地については、現存する農地の最大限の活用、荒廃農地の再生利用、現に農業の用に供されていない土地の利用等が考えられますが、荒廃農地や現に農業の用に供されていない土地に関しては、整地や農業用水の確保に時間や費用が必要となります。
 このため、生産の促進を要請等するに当たっては、食料生産に要する期間や効率性を考慮した優先順位などを位置づけることも必要だというふうにも思っておりますけれども、生産の促進を要請する土地の選定の在り方について、政府の見解をお伺いしたいというふうに思います。
 また、重ねて申し上げますと、その措置において、生産の拡大に適した土地に関する情報を提供するなど、土地の確保に向けた支援を想定することも必要になってくるのではないかというふうに思いますけれども、政府の御認識をお伺いしたいと思います。
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武村展英#7
○武村副大臣 お答え申し上げます。
 生産に関する要請につきましては、まず、現に当該品目を生産している事業者又は生産することが可能な事業者に対して行うこととしておりまして、対象となる土地については要請を受けた事業者が決定をすることとなります。
 更に増産が必要になって、第十七条第三項に基づいて生産計画の変更を指示する場合につきましては、追加的な土地利用が必要となりますが、比較的容易かつ早期に活用可能な同一農地における裏作の実施や不作付地の活用を想定し、そのような土地利用を行える事業者を省令で定めることとなります。
 なお、国民が最低限度必要とする食料の確保ができない場合には、荒廃農地や農地以外の土地の活用をする可能性も排除しておりませんが、これらには時間や労力を要する等の課題があることから、まずは活用の可能性の高い土地から優先的に活用していくことになると考えております。
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金子恵美#8
○金子(恵)委員 実際に我が国の農地は減ってきているという状況、そして耕作放棄地は増えているという状況を考え、当然、時間と手間暇かけた形での整備がもしかすると必要になってくるということだというふうにも思っているんですが、優先順位をしっかりと定めながら、使えるところはどんどん使って、そしてしっかりと食料の生産を促進するというような御答弁をいただいたわけですけれども。
 やはり、生産者に任せるということだけではなくて、今申し上げたように、適切な土地に関する情報をしっかりと提供することが必要だというふうに思いますが、それをしっかりとやっていくということでよろしいでしょうか。もう一度お願いいたします。
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杉中淳#9
○杉中政府参考人 ただいま御答弁がありましたように、追加的な土地利用については、段階を踏んで増やしていくということになると思いますので、政府本部の中で、必要な追加的土地利用が可能な土地についての情報提供などについても政府としてしっかり取り組んでいきたいと考えております。
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金子恵美#10
○金子(恵)委員 それでは次に、生産の拡大には、肥料、農薬等の資材が必要となってきます。
 本法律案では特定食料の生産に必要不可欠な資材について政令で定め、供給を確保するための措置を講ずることとしていますが、十分な供給が確保された場合であっても、生産業者等がこれらの資材を入手するために必要な資金を確保することができなければ、生産の拡大にはつながらないと思います。
 そこで、本法律案で定める財政上の措置について、生産の拡大に必要な資材を十分に入手できる水準の金額とすることが必要であると考えますけれども、いかがでしょうか。
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武村展英#11
○武村副大臣 お答え申し上げます。
 生産者に対し生産促進の要請を行う状況下におきまして、生産資材が追加で必要になることや生産資材自体の価格が高騰していることが想定をされます。
 財政上の措置につきましては、このことも考慮に入れ、対象品目、需給の状況など個々の事態に応じた具体的な支援内容を検討してまいります。
 また、生産拡大に必要な生産資材を特定資材として政令で指定し、これらの必要な供給量が確保されるよう、食料と同様に、輸入の拡大などの対策を講じることとしております。
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金子恵美#12
○金子(恵)委員 しっかりと資材を十分に入手できる、そういう財政措置をしていただきたいというふうに思います。
 そして、次でありますけれども、農林水産物を生産することができる見込みがあるものを主務省令で農林水産物生産可能業者と定め、これらのものに対し、生産に協力するよう要請することができるものとされているわけですけれども、生産することができる見込みというのは余りにも漠然としていて、対象範囲が拡大解釈されていくおそれもあるというふうにも思います。
 このため、主務省令で定めることができる範囲を、法律上、明確に限定しておくことが必要であるというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
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武村展英#13
○武村副大臣 お答え申し上げます。
 農林水産物生産可能業者は、現に生産をしていないが耕作地を有し、当該品目の生産経験があるなど比較的容易に生産をすることができる生産者を想定しています。
 要件としましては、措置対象特定食料等と農林水産物生産可能業者の現在生産する品目との生産手段が類似をしていること、また、土地の形質の変更を要しないこと等を規定することを想定しています。
 また、農林水産物生産可能業者による円滑な生産の拡大が進むよう、財政上の措置その他の措置を講じるほか、実施方針の策定に当たりましては、農林水産物生産可能業者に対する生産面での技術的な助言等の必要性等についても検討をしてまいります。
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金子恵美#14
○金子(恵)委員 経験者、そして、でき得る人ということだというふうには思うのですけれども、是非、現在生産を行う農業者等の知識や経験を有する方々との連携というのをしっかりと取っていただいて、あくまでも効率的な生産活動を進めることができるような、そういう支援をしていただきたいというふうに思います。そういうことでよろしいですね。
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武村展英#15
○武村副大臣 お答え申し上げます。
 要請等に基づき生産者が生産を拡大する場合には、例えば、追加の生産資材や収穫等に必要な機械の確保、不作付地の除草、整理などが必要になることが想定をされます。
 財政上の措置につきましては、これらのことを考慮に入れ、対象品目、需給の状況など個々の事態に応じた具体的な支援内容を検討することになります。
 その際、第十九条の規定に基づきまして、要請に当たっては、事業者が要請に応じようと考えていただける環境を整えること、計画の変更指示に当たっては、経営への悪影響などを回避する措置であることといった観点から検討してまいります。
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金子恵美#16
○金子(恵)委員 いずれにいたしましても、農林水産物生産可能業者の範囲というのがこれから明確になっていくというふうに思うんですが、どういう方々が生産することができる、見込みがあるというふうに受け止められるかということをしっかりと発信をしていっていただきたいし、プラス、しっかりと支援策というのを講じていただきたいというふうに思っています。
 次になりますが、本法律案においては、第二十三条第一項の規定によって、計画の届出の指示に従わなかった農業者等には二十万円以下の罰金が科されます。また、立入検査を拒んだ農業者等には二十万円以下の過料が科されるということであります。この罰金についてはいろいろな御意見があろうかというふうに思います。
 いずれにしましても、金額は同じですけれども、罰金と過料には大きな違いがありまして、例えば、新型コロナ禍における感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の改正に際しては、政府の提出法案の罰則部分に議員修正が加えられ、入院の拒否や疫学調査の拒否に対して設けられた罰則等が過料に改められています。
 同法案の質疑においては、過料と罰金の違いについて、政府参考人は、過料の多くは、一定の法律秩序を維持するために、法令に違反した者に対する制裁的処分として科されるものであるとする一方、罰金は、過料の対象となる行為と比較すると、一般的には、より違法性の高い行為を犯罪行為と捉えて、これに対して刑罰として科されるものであると答弁しています。
 この政府参考人答弁に照らすと、本法律案においては、農業者等が計画の届出の指示に従わないことを違法性の高い犯罪行為と捉えているのでしょうか。御認識をお伺いしたいと思います。
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坂本哲志#17
○坂本国務大臣 食料供給困難事態が公示されるということは、国民の生活、そして国民の経済上に支障が既に生じているという状態のときを指します。
 政府といたしましては、そういうときどうするかといいますと、やはり、どれだけの食料を確保できるかというのをまず把握しなければなりません。そして、把握した上で、国民の皆様にどうやってお届けするかという供給計画の届出をやはりしっかりと出していただいて、その届出に対しての指示をするということを国の責務としてやらなければいけないというふうに考えております。
 そういうことで、食料供給困難事態につきましては、食料供給に関わる事業者と国が協力をして食料供給を確保する必要があるために、計画届出指示に違反した者については、生産者だけではなくて、輸入事業者や出荷、販売事業者など全ての事業者を対象にし、さらには、計画の届出は、供給確保の対策を講ずる際の現状を把握する上で不可欠なものであるということを踏まえまして、法目的を達成するために必要最小限度の二十万円以下の罰金というのを規定したところであります。
 感染症法のことについてお触れになりました。
 感染症法のときは、入院を拒否した者は罰金百万円というふうになっておりましたけれども、これが議員修正によりまして五十万円になりました。それから、保健所の調査に対して虚偽の申告をした者につきましては五十万円という過料になっておりましたけれども、これが三十万円になりました。この過料の引下げにつきましては、人としての権利の行使に関する罰則の適用、いわゆる権利の問題であります。
 しかし、今回はやはり、例えば、買い占めとか、あるいは闇ルートの形成とか、こういった収益事業を行う上で一定の社会的責任を負う事業者の事業活動に対する罰則というふうになりまして、感染症法上の引下げとは考え方が違います。
 そういうことで、感染症法上の基本となる医薬品や、例えばマスクを買い占める、あるいは薬を、ワクチンを買い占める、こういった者については、やはり届出義務違反として二十万円罰金が科されているところでございますので、それと同等のことということで、二十万円以下の罰金を規定をしたところであります。
 本法案においては、これまでの感染症法等も参考にしながら、計画届出の義務や義務違反への罰則規定ということで、この二十万の罰則というものを設けたところであります。
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金子恵美#18
○金子(恵)委員 そうしますと、農業者等が計画の届出の指示に従わないことは、違法性の高い犯罪行為と捉えているということでしょうか。
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坂本哲志#19
○坂本国務大臣 計画の作成、届出違反に対する罰金は、事業者の確実な計画届出を担保するために行われるものであります。そういうことで、いろいろな、苦痛の制裁とかいうようなものではなくて、これは、その届出に対しての義務違反というようなことになります。
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金子恵美#20
○金子(恵)委員 数万円から数十万円の罰金については、制裁金額よりも取調べを受ける苦痛が制裁になっている面が指摘されています。過料であれば警察が関与することはありませんが、罰金については警察の捜査対象となります。
 感染症法の議員修正については、提案者が、刑事罰を導入して警察が関与することになると、これは本当に国民を萎縮させてしまうおそれがあると説明しています。警察の捜査においては、刑事訴訟法に基づく強制捜査も必要に応じて可能であり、身柄の逮捕、家宅捜索、証拠物の押収等の規定が適用されます。
 本法律案の二十三条が過料ではなく罰金としているのは、強制捜査による苦痛を制裁として用いようとするものなんでしょうか。警察の捜査対象となることが国民を萎縮させるおそれと併せて認識をお伺いしたいと思います。
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坂本哲志#21
○坂本国務大臣 今お答えいたしましたように、計画の作成、届出違反に対する罰金は、事業者の確実な計画届出を担保するために行われるものでありまして、苦痛を制裁として用いようとするものではなく、御指摘には当たらないというふうに思います。
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金子恵美#22
○金子(恵)委員 実態としてそうなる可能性というのはあるわけです。そして、本当に個人農業者も対象となっている。
 これだけ過料と罰金の違いというのが言われていて、罰金というのは、実際には前科がつくという点もあります。例えば、就職する際に履歴書の賞罰欄に前科を記載せず前科を隠していた場合、後に発覚すると解雇の合理的な理由となる可能性もあるというぐらい、前科がつくということは大きいことで、また、海外渡航しようとする場合にも、前科を理由に相手国からビザの発給が拒否されるという可能性もあるわけです。
 特に、私がちょっと気になっているのは、例えば、調理師等の一定の職業については、罰金以上の刑を科された者には免許を与えないことがあるというふうにされているわけです。例えば、農業者の方々が、地産地消も含めまして、地元の自分が生産したものを活用したカフェをやりたい、そういう事業を発展される方々もいますけれども、そういう方々の中には調理師等の免許を取りたいという方もいます。もし、このようなことから免許を与えられない、そういうことが起きてしまった場合、大きな人生の転換ということになってしまうわけです。そのぐらい罰金は、単なる金銭的な不利益だけでなくて、様々な社会的な不利益を伴う制裁であります。
 感染症法の議員修正について、提案者は、刑事罰は量刑均衡の観点から明らかに過重であるというふうに考えて修正した旨を述べています。本法律案において、計画を届け出ない農業者等に刑事罰を科すことは、量刑均衡の観点から過重ではないでしょうか。いかがですか。
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坂本哲志#23
○坂本国務大臣 食料供給困難事態というのは、いわば国家国民の非常事態であります。その際に、やはり計画の届出をもって供給の確保対策を講ずるというのは、これは国としてやらなければならない責務であるというふうに考えております。
 本法案と同様に、事業者に対しまして計画作成指示や計画変更指示を行う仕組みを有しておりますのは、例えば、内閣府が持っております国民生活安定緊急措置法、それから、先ほども言いましたように感染症法上において、マスク、医薬品、そういったものの買占め等を行う場合、こういったものについては、計画届出義務違反について、同様に二十万円以下の罰金を規定していることとしております。
 そういったものも踏まえまして、今回の罰則規定の二十万円というのを設けているところでありまして、過重な担保措置であるということは考えておりません。
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金子恵美#24
○金子(恵)委員 今例示として出していただいたのは、どちらかというと事業者の中でも法人という、そういう方々だというふうに思います。個人が対象になりやすいというか、なる可能性が極めて高い農業という観点でいきますと、やはり、この罰金というのは大変重いものだというふうに思っています。なぜ過料では駄目なのか、なぜそこまで国民を萎縮させるような、そういう法律を作らなくてはいけないのかということです。
 そもそもは、先ほども申し上げましたように、平時の状況でしっかりと食料供給ができるような、そういう体制をつくり上げなくてはいけなかったわけですけれども、それがここまで脆弱化してしまったことによって、改めて食料供給困難事態対策法案というものを提出されたということもあるというふうに思います。だから、そこの部分の反省をしないまま、国民を萎縮させてしまうようなおそれのある法案というのは大変問題があるということを申し上げさせていただき、時間が限られているものですから、この件についてはまた次回質問させていただきたいというふうに思います。
 農振法等の改正案について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 これも、実は束ねられています。農振法、農地法、農業経営基盤強化促進法、三つの法律改正を束ねたものでありますが、一つずつがとても重要であります。
 その中で、農地や農業従事者の確保等のために政府はこれまで施策を講じてきたところだと思いますけれども、やはり、この法律案によって新たな施策を講じるということであれば、これまでの施策の評価について、改めてどうだったのかということを政府に聞きたいというふうに思います。いかがでしょうか。
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坂本哲志#25
○坂本国務大臣 農地面積につきましては、現在、基本法制定時から約五十七万ヘクタール、おおむね一割減少をいたしました。農業生産基盤の整備や農地中間管理機構を活用した農地の集積、集約化によりまして、荒廃農地の発生防止に一定の効果があったというふうに考えております。農地の面積等につきましては、そのような効果があったというふうに思っております。
 また、基幹的農業従事者につきましては、基本法制定時からおおむね半減はいたしましたものの、法人化が進みまして、この法人等が農地面積の約四分の一、販売金額の四割を担うまでになった結果、全体として農地面積や農業者数が減少しても、農業総生産額は基本法制定時と同水準である約九兆円を維持しております。
 ということは、やはり、これまでの農地政策は機能的、合理的に行われて、非常に、そのことによりまして、大区画化もすることによって、生産性が引き上げられたというふうに思っております。
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金子恵美#26
○金子(恵)委員 農地の見通しと確保、これは基本計画に係るものであります。そしてまた、農振法に係る面積目標ということでありますけれども、この関係で申し上げますと、食料・農業・農村基本計画の農地の見通しと確保ということであると、二〇三〇年で確保される農地面積を四百十四万ヘクタールと見込んでいるわけですね。近年の農地減少の実績からすると、この見込みを下回るのではないかと思われます。
 また、二つ目の部分ですが、農振法に基づくものですけれども、現行の国の基本指針では、二〇三〇年で確保される農用地区域内の農地面積の目標を三百九十七万ヘクタールと設定しています。
 一つ目の基本計画の見通しが農地全体であるのに対して、農振法に係る国の目標は農用地区域内の農地ということで、政府の資料では、農地全体の減少と比べて農用地区域内農地の減少は抑えられているとの認識が示されています。
 しかしながら、実態を見ていきますと、既に公表されている二〇二二年十二月三十一日現在の農用地区域内の農地面積は、前年から一・二万ヘクタール減の三百九十七・八万ヘクタールでした。仮にこの減少規模が続いていたとしたら、二〇二三年末、つまり昨年末でありますけれども、もう既に目標である三百九十七万ヘクタールを割り込んでいる可能性があるというふうに思います。その可能性が高いのではないでしょうか。
 このような大変厳しい状況に至っている要因と、本法律案による改善の見通しについて、政府の見解を伺います。
 恐らく、大臣としては、もう厳しい状況ではない、大丈夫だとおっしゃるのではないかというふうに思いますが、反対に言うと、でも、目標には達することがない可能性がもう出てきている、数字上出てきているわけですね。ということであれば、基本計画に係る農地の見通しと農振法における農用地区域内の農地の面積目標について一体的な検討を経て見直しを行うべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
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舞立昇治#27
○舞立大臣政務官 先生御指摘のとおり、現行の基本計画と農振法の基本指針の関係につきまして、確かに、現行の基本計画においては、農地面積の見通し、食料自給率の目標の前提となる生産努力目標が実現可能となる面積として見通しておりまして、これは農業施策の対象とならないような市街化区域内の農地等、生産性の低い農地も含めた面積として定めているところでございます。
 そして一方で、農振法に基づく国の基本指針における農用地区域内農地面積の目標につきましては、農業の健全な発展と国土資源の合理的な利用を目的として、農業振興施策を集中的に行う農用地区域内の農地について設定し、優良農地を確保していくための目標を定めたものでございます。
 このように、両者は異なる目的の下で設定しているものでございましたが、今回の農振法の改正法案におきまして、農振法に基づく農地面積の目標は、食料の安定供給の確保のための農業生産に必要な農用地区域内農地の面積目標を設定することとしておりまして、次期基本計画における農地面積の指標と関係の深い目標として検討しているところでございます。
 農地減少の要因なり今回の改正法案による改善の見通しというところでございますが、農地面積の減少の要因といたしましては、宅地や工場等の建設に伴う農地転用、そして高齢化や労働力不足などによる荒廃農地の発生によるものと考えております。
 今回の農振法の改正によりまして、集団的農地の農用地区域からの除外につきまして都道府県知事の同意基準を明確化すること、そして地域計画内の農地を農用地区域に定めるべき土地として追加すること等によります農用地区域の除外の抑制、編入面積の増加、荒廃農地の発生抑制といった改善効果を目標としておりまして、そういったことがしっかりと図られるように取り組んでまいりたいと考えております。
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金子恵美#28
○金子(恵)委員 農水省の農用地区域内の農地面積の推移の資料の中では、面積目標三百九十七万ヘクタールの確保に向けて予断を許さない状況だというふうに言っています。
 危機的な状況にあるという認識でいいということですね。
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舞立昇治#29
○舞立大臣政務官 そういったような危機意識も持った上で、今回の改正法案に臨ませていただいております。
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