厚生労働委員会

2024-04-11 参議院 全72発言

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会議録情報#0
令和六年四月十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         比嘉奈津美君
    理 事
                羽生田 俊君
                福岡 資麿君
                星  北斗君
                打越さく良君
                秋野 公造君
    委 員
                生稲 晃子君
                石田 昌宏君
                片山さつき君
                神谷 政幸君
                友納 理緒君
                三浦  靖君
                山田  宏君
                石橋 通宏君
                大椿ゆうこ君
                高木 真理君
                杉  久武君
                山本 香苗君
                猪瀬 直樹君
                梅村  聡君
                田村 まみ君
                倉林 明子君
                天畠 大輔君
                上田 清司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐伯 道子君
   参考人
       早稲田大学理事
       ・法学学術院教
       授        菊池 馨実君
       一般社団法人つ
       くろい東京ファ
       ンド代表理事   稲葉  剛君
       座間市福祉部参
       事兼地域福祉課
       長        林  星一君
       大阪人間科学大
       学人間科学部准
       教授       石川久仁子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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比嘉奈津美#1
○委員長(比嘉奈津美君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、早稲田大学理事・法学学術院教授菊池馨実君、一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事稲葉剛君、座間市福祉部参事兼地域福祉課長林星一君及び大阪人間科学大学人間科学部准教授石川久仁子君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、菊池参考人、稲葉参考人、林参考人、石川参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際には、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 まず、それでは菊池参考人からお願いいたします。菊池参考人。
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菊池馨実#2
○参考人(菊池馨実君) 早稲田大学、菊池でございます。よろしくお願いいたします。
 今般法案審議がなされています生活困窮者自立支援法、生活保護法の見直しに向けた議論は、令和三年十月から生活困窮者自立支援のあり方等に関する論点整理のための検討会ワーキンググループで開始されました。私は社会保障法学を専攻する法学研究者ですが、この検討会の構成員として参画し、令和四年四月に生活困窮者自立支援のあり方等に関する論点整理をまとめました。
 次いで、この論点整理を踏まえ、社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会で議論を開始しました。私は平成二十九年に開催された第一回部会から委員として参画しておりましたが、令和四年六月の第十四回部会から始まった今回の見直し議論では、部会長として意見調整に当たらせていただきました。以来二年近く、合計十五回にわたり熱心な議論が行われ、令和四年十二月に中間取りまとめ、令和五年十二月に最終取りまとめを行いました。
 本法案は審議会の最終報告書の内容に即したものであり、ここで若干意見を述べさせていただきます。
 まず、生活困窮者自立支援法等の前回改正は平成三十年に行われました。お手元に簡単なレジュメを置かせていただいております。その際の主要改正項目は、生活困窮者自立支援法二条に基本理念の規定を追加したこと、また、生活困窮者の定義を見直し、経済的困窮に至る要因として就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情を明記することで、経済的困窮をそれをもたらし得る諸状況と関連付けることにより、経済的困窮に陥る可能性のある状況を広く同法の支援対象に含み得るという解釈を可能にし、支援の可能性が拡大したことでした。
 そのほかにも、生活困窮者自立支援制度と生活保護制度の連携や、任意事業である就労準備支援事業、家計改善支援事業の一体的実施の促進、子どもの学習・生活支援事業の拡充、一時生活支援事業の拡充、福祉事務所を設置していない町村による相談支援の実施などを含むものであり、今回の法案もこうした平成三十年改正の延長線上に位置付けられる改正であると捉えられます。
 審議会での議論は、地域や自治体の第一線で支援に当たっておられる実務家の委員が多いこともあり、平成三十年の前回改正後の各法の施行状況に加え、新型コロナウイルス感染症の感染拡大下において生活困窮者自立支援制度等がどのような役割を担いどのような課題が顕在化したかを踏まえ、現場の熱気が伝わる雰囲気の中で行われました。
 この間、生活保護の受給者数自体はそれほど増加しなかったものの、生活困窮者支援の窓口における相談件数や生活困窮者住居確保給付金の支給件数などは飛躍的に増大し、社会福祉協議会が行った生活福祉資金の特例貸付けの件数も合計三百八十万件を超える状況となりました。仮に生活困窮者自立支援制度を始めとするいわゆる第二のセーフティーネットが整備されていなかったら、コロナ禍にあって、自治体や支援の現場はもちろん、日本社会全体が大混乱に陥ったのではないかと想像されます。それゆえ、平成二十七年施行された生活困窮者自立支援法は、我が国の社会保障制度の歴史的展開にあって、画期を成すものであったと言うことができます。
 また、審議会の議論の中で、個人事業主、外国人、若年層からの相談が増加するなど相談者の属性の多様化や、三つ以上の生活課題を抱える相談者が半数以上に増加するなど相談内容の複雑化も明らかになり、このような状況に対応した支援の在り方やセーフティーネットの在り方を検討する視点からの制度改正の必要性についても活発な議論が交わされました。
 さて、本法案の特徴の一つは、居住支援に焦点を当てた点です。
 私自身参画している内閣官房の全世代型社会保障構築会議が令和四年十二月に報告書を取りまとめた際、独居高齢者、生活困窮者を始めとする地域住民が安心して日々の生活を営むことができるよう、入居後の総合的な生活支援も含めて、地域住民の生活を維持するための基盤となる住まいが確保されるための環境整備が必要であるとされ、住まい支援を社会保障の重要な課題として位置付けることが明記されました。これを受けて、令和五年には、省庁間の縦割りを超えて厚労省、国交省、法務省の三省合同の検討会も開催され、去る二月、中間とりまとめが出されています。我々の部会も、この三省合同検討会と連携しながら議論を進めてきました。
 生活を支える基本要素として衣食住が挙げられますが、このうち住まいについては、戦後以来、国の政策として公営住宅と持家施策が主流であり、社会保障制度としての位置付けは希薄でした。今回、住まい保障のための施策として家賃負担軽減のための給付の仕組みの在り方が重要な論点となり、本法案では、家賃負担を軽減するため、低廉な家賃の住宅への引っ越し費用を補助できるよう、住居確保給付金の拡充が盛り込まれました。コロナ禍で一定の役割を果たした住居確保給付金の役割を更に広げる改正と評価できます。
 ただし、単身高齢者の増加、持家率の低下といった状況の中、所得再分配政策としての給付の仕組みだけでは、生活困窮者や高齢者などが賃貸住宅を借りることができないという課題自体は解決されません。そこで必要なのは、生活困窮者や高齢者などの賃貸住宅への入居に対する大家さんの不安感を払拭し、地域の中で支え合いながら安定した居住環境を確保していくことです。
 本法案では、生活困窮者の自立相談支援機関や重層的支援体制整備事業を通じて住まいに関する相談支援を行うことの明確化や、生活困窮者及び被保護者への見守り支援の強化などを通じて地域とつながりながら住宅確保が困難な方への居住支援を行うという重要な改正が盛り込まれています。今国会に上程されている国交省所管の住宅セーフティーネット法改正法案に盛り込まれている居住サポート住宅等の仕組みとも併せて、本法案により住まい支援が前進していくことを期待しています。
 また、本法案のもう一つの柱である子供の貧困の対応に関して申し上げますと、生活保護を受給している子育て世帯に対し、訪問などのアウトリーチ型手法により学習、生活環境の改善、進路選択、奨学金の活用などに関する相談、助言を行うことができる事業の創設や、生活保護受給世帯の子供が高等学校などを卒業した後の新生活の立ち上げ費用に対する支援について、これまで大学進学等のみが対象となっていたものを、就職の場合も対象とする内容が盛り込まれました。これらの改正は、子供本人の希望に沿った進路選択を平等に支援し、自立を後押しし、貧困の連鎖を断ち切ることに資するものと考えます。
 なお、生活保護受給世帯の大学等への進学支援の充実も審議会では論点となりました。ただ、大学等への進学支援の充実は一般世帯にも共通する課題であり、教育施策の中で幅広く検討すべきであるとまとめさせていただいています。
 このほか、本法案では、例えば注目すべき改正として、平成二十五年、生活困窮者自立支援法の制定当初、被保護者は制度の対象の射程外として整理されていたものの、今般、生活困窮者自立支援制度に位置付けられる就労準備支援、家計改善支援、地域居住支援について、被保護者も支援可能とする改正を盛り込んでいます。この改正は、平成二十五年の制定時には実現がかなわず宿題となっていた課題であり、自立相談支援事業は生活保護ケースワークとの重なりがありますので依然として認めておりませんが、今回一定の対応をしたものと評価できるとともに、被保護者に対し、就労による経済的自立のみならず、日常生活における自立や社会生活における自立も含む自立支援を強化すべきとして行われてきた取組の一つの出口となり得るような改正と評価できます。
 また、本法案においては、生活困窮者への支援方針の検討や地域における生活困窮者への支援体制の整備に関する議論を行う支援会議設置の努力義務化と併せて、これまでケースワーカーが担ってきた複雑な課題を抱える被保護者への支援方針の検討や地域における被保護者への支援体制整備に関する議論を行う会議体の新たな創設が盛り込まれています。
 こうした会議体については、こういったものがなくても関係機関の連携はできるのではないかという声もありますが、複雑な課題を抱える方の支援に当たっては、自治体の庁内の関係部署だけではなく民間団体との連携も必要になる中で、官民が円滑に情報共有を行うには、構成員に法的な守秘義務を掛けた会議体が重要なツールになり得ます。
 とはいえ、昨今の法改正により社会福祉法の支援会議や孤独・孤立対策推進法の孤独・孤立対策地域協議会など類似の会議体が次々に法定化されており、同じ案件について幾つも会議を別々に開催するのは非効率であることから、本法案にはこれらの会議体同士の連携を図る努力義務についても盛り込まれています。実際には、各自治体の特徴を生かし、どの会議体を軸に据え、あるいは相互の役割分担をどうするかなど自治体の独自性や創意工夫に期待する部分も大きく、本法案の改正と相まって、地域における様々な主体が相互に連携し、互いに支え合う地域づくりの後押しとなることを期待したいと思います。
 なお、生活保護ケースワークは、従前、ともすれば他の施策から孤立した形での対応を余儀なくされ、ケースワーカーの過重負担となっていたとの実態があり、さきに述べた生活困窮者自立支援制度の各事業の活用とともに、生活保護受給世帯を地域の中、連携の中で支えていく体制づくりがこういった新たなその会議体の設置を機に加速化することを期待したいと考えています。
 総じて本法案は、居住支援を始めとする生活困窮者や被保護者への各種の支援策を地域の実情に応じてより一層充実させるものであり、そうしたことと併せて、他制度や他施策との連携を深めつつ、個々人が主体性を持って自らの幸福を追求し、自らの生き方を選び取っていけるようにするための個別的な支援を更に一歩前進させていく方向にあるものであり、憲法十三条の幸福追求権、個人の自律を軸として社会保障を再構成してきた私の持論ないし構想からしても高く評価できるものと考えております。
 とはいえ、特に人が人を支える支援においては、全国一律の給付を半ば義務的に全ての国民に行き渡らせるといった手法は取りづらく、法律を改正しただけですぐに困難を抱えた全ての住民に対する具体的な支援内容まで変わるわけではありません。この改正が形だけのメニュー変更にとどまることなく各自治体において着実に実行されるよう、改正の趣旨の周知や具体的なノウハウの提供も含め、国において必要な支援が行われることを期待しております。
 最後に、今後の展望について述べさせていただきます。
 そもそも、生活困窮者自立支援制度は、従来の社会保障の捉え方が二十一世紀を機に社会が大きく変容する中で限界を迎えつつある状況の中から誕生したものです。すなわち、日本の社会保障制度は、老齢や障害、疾病、失業、労働災害といった経済的困窮をもたらし得る社会的リスクの発生に際しての所得やサービスなどの給付として理解されてきました。
 しかしながら、こうした事故又はリスクに対する保障というセーフティーネット的な捉え方、それはもちろん大事ですが、それだけでは本人の自立や成長、発達、社会とのつながりの回復といった観点とは結び付きにくく、こうした所得保障やサービス保障といった物質的ニーズを一方的に充足する保障方法である給付のみでは、孤独、孤立の問題、社会とのつながりの断絶などの問題に対応することができないことが、特にいわゆるリーマン・ショック以降明らかになりました。また、世帯が抱える問題が多様化し複合化していく中で、個別制度の谷間に落ちて支援に結び付かないケースも目立ってきました。
 こうした局面を迎える中で、社会保障を単に給付につなげるための仕組みとしてでなく、社会とのつながりを奪われた人が、人と人の支え合い、つまり一方的でなく双方向の支援関係の中で再び社会とのつながりを回復し、地域で自己実現を図ることを可能にする社会的包摂の実現を目指したことが生活困窮者自立支援法の重要な意義であり、その予算規模にもかかわらず、戦後、社会保障の歴史的展開に画期を成す重要な立法と位置付けられます。このような法の基礎となる考え方は、その後の社会福祉法改正などに基づく地域共生社会の理念の広がりにおいて維持され、更に広がりを見せています。
 この点にも関連して、審議会の議論では、本法案が前提としている単身高齢世帯が増加の一途をたどっていくという今後の見通しの下では、生活困窮者自立支援法における生活困窮者の範囲を経済的困窮者に限定せず、社会的孤立を含むより広い対象に捉え直す必要があるという意見も有力に展開されておりました。こうした問題意識は、法の制定時から検討課題として議論され続けてきたものでもあります。
 本法案の先にあるのは、こうした生活困窮者自立支援制度の更なる見直しを含めた社会的孤立の問題への包括的な取組であり、住まい支援の先にあるいわゆる高齢者等の身寄り問題への対応や、令和八年に予定されている民法改正による成年後見制度見直しとも関連した権利擁護支援の仕組みの充実とも関連して、政府を挙げた取組が求められています。
 そうした死後事務の処理まで見据えた支援体制の整備により、戦後日本を含む先進各国の社会保障制度の構築に多大な影響を与えたと言われるウィリアム・ビバレッジが言うところの揺り籠から墓場までの社会保障制度、給付のみならず個別的、包括的相談支援まで含めた社会保障制度が、人口減少社会日本にあって、ひとまず、完結とまでは言えないにせよ、一定の到達段階に達するのではないかと考えます。今後、検討が更に深められていくことを期待しております。
 以上でございます。
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比嘉奈津美#3
○委員長(比嘉奈津美君) ありがとうございました。
 次に、稲葉参考人にお伺いいたします。稲葉参考人。
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稲葉剛#4
○参考人(稲葉剛君) 一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事の稲葉剛と申します。
 本日は、国会の場において意見陳述をさせていただく機会を与えていただき、ありがとうございます。
 私からは、住まいを失った生活困窮者への居住支援を進めてきた立場から、厚生労働省が進めてきた生活困窮者自立支援制度と生活保護制度の一体的な見直しを私は注視してまいりました。今回、この二つの法律が一体として改正されるに当たり、その法案のそれぞれが持つ課題と私が抱いている懸念点についてお話をさせていただきます。
 資料の方を御覧ください。
 二〇二〇年春以降のコロナ禍は、日本国内で住まいの貧困が拡大していることを顕在化させました。
 日本学術会議は、昨年九月二十二日に発表した見解、コロナ禍で顕在化した危機・リスクと社会保障・社会福祉において、居住支援、居住保障の重要性を強調、ハウジングファーストの理念が示すように、まずは適切な住まいを確保することが、生活の再建や貧困の予防を図り、危機を回避する前提条件となる、そのためには、住居確保給付金を就労や年齢要件と切り離した普遍的な制度とし、あわせて、個々人のニーズに寄り添う伴走型の居住支援を充実させることが重要であると提言しています。
 しかし、今回の法改正案では、居住支援の強化がうたわれてはいるものの、生活保護の手前で家賃を補助する住居確保給付金については、低廉な家賃の住宅への転居費用補助が追加されただけで、極めて小さな小幅の改正にとどまっております。居住支援のための対人サービスを充実させ、単身高齢者がアクセスできる住宅ストックを増やしたとしても、それぞれの家計の家賃負担のハードルが高ければ住宅の確保維持はできません。住まいの貧困を解決するためには、住居確保給付金を大幅に拡充し、普遍的な家賃補助制度に改変するしかないんではないかという考えは、今や住宅政策、生活困窮者支援に関わる人の共通認識になっています。国はこの課題から逃げないでください。
 生活保護と生活困窮者支援の一体的見直しを議論してきた社会保障審議会の専門部会は、昨年十二月二十七日に発表した最終報告書の終わりににおいて、制度をより良いものにしても、支援が必要な人に適切に利用されないと意味を成さない、必要な人に的確かつ速やかに支援を届けることができるよう、生活困窮者自立支援制度や生活保護制度の周知、広報等が必要だと強調しています。
 しかしながら、昨年来、必要な人に的確かつ速やかに支援を届けるどころか、役所の窓口に来た住民を制度から遠ざけることに注力し、制度につながった住民にも職員が暴言、恫喝、ハラスメントの限りを尽くし、短期間で制度から締め出すことに躍起になっていた自治体の存在が明らかになりました。群馬県桐生市です。
 桐生市福祉事務所では、生活保護費を一日千円のみ、ハローワークで求職活動をしたことを確認した上で手渡しで行い、国が定める生活保護基準額の半額程度しか渡さない、ケース記録上は保護費を全額支給したことにした上で、実際には支給していなかった残金を職員が手提げ金庫で保管していた。数十年にわたって生活保護世帯から預かった印鑑を計千九百四十八本保管し、本人の同意なく押印していた、その中には恐らく稲葉という名前もあったんだと思いますけれども、同じ名字の判こを押していた、職員が本人に確認せず押していた。また、生活保護申請から五十日以上たっても保護費を渡していない事例があった、税金で飯を食っている自覚はあるのか等、職員による暴言、恫喝が日常的に行われていた。二〇一一年からの十年間で生活保護利用者が半減していた、母子世帯については二〇一一年の二十六世帯から二〇二二年には僅か二世帯まで急減していた、人口約十万人の都市で生活保護を利用している母子世帯が僅か二世帯しか存在しない、そういう状況になっていました。また、辞退届による廃止が異様に多い等々、数え切れないほどの違法かつ異常な制度運用が行われていました。詳しくは、桐生市の公文書を分析した桐生市生活保護違法事件全国調査団の要望書を、資料の一、五ページから、ちょっと長文になりますけれども付けましたので、是非御一読いただければと思います。
 桐生市は、相談者を水際作戦によって制度に寄せ付けない、制度につながった人も恫喝、暴言、ハラスメント、日常生活への過度な介入、辞退届の強要などの手法を駆使して短期間で締め出すという排除と監理のシステムを築き上げました。その責任の一端は厚生労働省にもあります。以下にその理由を述べたいと思います。
 全国調査団は桐生市で生活保護利用者が半減した要因を調査してまいりましたが、情報公開で明らかになった公文書から、桐生市は国の補助金を活用し、最大時四名の警察官OBを福祉課に配置していたことが明らかになりました。
 厚生労働省は二〇一二年三月、暴力団関係者などの不正受給対策として各福祉事務所に警察官OBを積極的に配置することを促す通知を発出していましたが、桐生市ではこの通知を受けて二〇一二年度から警察官OBの配置を進め、近年は生活保護の新規面接相談のほとんどに警察官OBが同席し、家庭訪問にも同行する、就労支援相談員、生活保護世帯の就労支援相談員にも警察官OBが担当する、生活困窮者自立支援事業の窓口、生活保護の手前で相談を受ける生活困窮者自立支援事業の窓口にも警察官OBが配置されている等、明らかに趣旨を逸脱する運用を行っていました。情報公開によって明らかになった文書、資料の十四ページに出ております。御覧ください。
 令和二年度、桐生市が群馬県警に提出した紹介のお願いについては、刑事課での暴力団対応経験者を希望ということで、いわゆるマル暴の警察官OBを群馬県警に紹介を依頼していたということも明らかになっています。
 桐生市による数々の人権侵害は、窓口に相談に来る住民を保護や支援の対象として見るのではなく、排除や取締りの対象として見るまなざしが職場全体に浸透していた結果ではないだろうかというふうに私は考えております。
 生活保護問題対策全国会議は、二〇一二年三月に厚生労働省が警察官OBの積極活用を打ち出した際、厚労大臣宛ての要望書を提出し、市民と直接やり取りをする現業に元警察官が社会福祉主事の資格もなく従事すると、警察目的が福祉目的に先行し、結果的に市民の生存権行使を阻害する事態をもたらす危険性、保護受給者あるいは保護を受給しようとする者を犯罪者視し、その人格権、生存権を侵害する危険性があると警告を発していました。この要望書は十七ページに記載しておりますので、是非御覧ください。桐生市ではまさにこのような事態が起こっていたんだろうというふうに思います。
 資料三、二十一ページの資料三にありますように、厚生労働省は今年度より警察官OBの配置を更に進めようとしておりますが、自らが政策として進めた警察官OBの積極配置が支援を必要としている人を制度から遠ざけるツールとして利用されているということを重く受け止め、各自治体における警察官OBの活用状況を検証し、少なくともその役割を暴力団対応等に限定してください。警察官OBを面接相談、家庭訪問、就労相談などには同席させない仕組みをつくるべきです。
 また、桐生市は、職員が保護費を手提げ金庫に入れて分割、減額支給していただけでなく、利用者に家計簿の提出を指導してレシートを百円近く、百円単位まで細かくチェックしたり、民間の金銭管理団体を活用した被保護者家計相談支援事業を実施する等、生活保護利用者の家計支出を徹底的に監督管理するシステムをつくり上げていました。
 桐生市の家計相談支援事業は、市が選んだ生活保護世帯に民間の金銭管理団体を紹介するという事業です。奇妙なことに、市は各民間団体とは委託契約、一切の契約を結んでおらず、表面上は市が紹介した、市が生活保護世帯に紹介した民間団体とそれぞれの生活保護世帯が個々に任意で契約をするという形を取っております。二〇二二年度には、一般社団法人日本福祉サポートが二十六件、NPO法人ほほえみの会が二十九件、桐生市社会福祉協議会が十一件など計六十八件、桐生市の生活保護世帯の実に一三・九%が民間の金銭管理団体に金銭を管理されているという状況になっております。
 生活保護の開始時に市の職員から民間金銭管理団体の利用を紹介されている方も多く、当事者には、その日初めて会う民間団体の関係者、名前も初めて聞く民間団体に家計を管理される、通帳と印鑑を渡すということがあたかも生活保護の利用の条件であるかのように受け取られています。民間団体活用の問題点は資料の二十一ページ、東京新聞の記事に詳しく書いてありますので、是非そちらも御覧ください。ここでは、この民間金銭管理団体の関与というのは経済的虐待に当たるのではないかという問題提起がなされております。
 実は、この桐生市の家計相談支援事業も厚生労働省の通知が関わっております。厚生労働省は二〇一八年三月三十日に被保護者家計改善支援事業の実施についてという通知を発出し、各自治体に家計改善支援事業の実施を促してまいりました。桐生市はこの年、この通知を踏まえて、民間の金銭管理団体の活用という事業を始めました。
 今回の生活保護法改正案には、第五十五条の十、三において、これまで予算事業、予算措置として実施されてきた被保護者家計相談支援事業を法定化するという内容が盛り込まれていますが、厚生労働省は、これまで各地方自治体が実施してきた家計支援を名目とする事業において人権侵害が行われていないかどうか検証すべきだというふうに考えます。具体的には、各自治体の事業を全て調査し、それぞれの事業において利用者本人の契約の自由が尊重されているのか、例えば、解約したいというときに解約できるような内容になっているのか、事業者と利用者との契約内容が適法、適切なものなのか、事業の利用拒否、停止、もうこの事業を解約したいと、民間団体との契約を打ち切りたいといったときに、それが生活保護の停止や廃止につながっていないか、そうした利用者の権利を不当に侵害するものになっていないかどうか、徹底した検証を行い、違法、不適切な行為を見付けたら直ちに是正する措置をとってください。
 私は、過去三十年間、民間の立場で生活困窮者の相談支援に取り組んでまいりましたが、私たち支援者が支援だと思って行っている行為は、支援する側、支援される側という非対称的な関係性の中で、容易に支配やコントロールに転化し得るリスクを持っているということを常に痛感してきました。特に、公的機関が現金給付を伴って実施する支援は、本人の意思を飛び越えて日常生活やプライバシーの隅々に介入し、干渉するパターナリズムに陥りやすい傾向があります。
 私は、生活保護や生活困窮者自立支援事業をめぐる国の事業で、国の議論で欠けているのは、支援が暴力になり得るという観点だというふうに思います。福祉事務所が、福祉行政が住民を虐待する加害者になってしまった桐生市の事件はそのことを私たちに警告してくれています。
 自立支援の名の下に相談者、制度利用者の自己決定権が無視、軽視されていないか、本人の尊厳を傷つける対応が行われていないか、行政は常に確認、検証をしていく必要があります。桐生市の福祉課が切り刻み、粉々にしたのは保護費だけではありません。制度を利用する住民の尊厳が切り刻まれ、人間らしく生きるための権利が粉々にされたのです。
 桐生市による違法運用、人権侵害は、現在、市が設置した第三者委員会及び群馬県による特別監査で検証が行われていますが、この事件は一自治体の問題にとどまらず、生活保護制度及び生活困窮者自立支援制度に対する住民の信頼を根底から揺るがしています。また、水際作戦や辞退届の強要などの違法行為はほかの自治体でも珍しくないということも指摘しておきたいと思います。
 厚生労働委員の皆様、厚生労働省を始めとする政府関係者の皆様は、桐生市で起こった事態を重く受け止め、徹底した検証と再発防止策に取り組んでください。今回の一括改正案の審議においても、事件の教訓が生かされることを心から願っています。
 最後に、桐生市の生活保護行政の問題は、長年群馬県で生活困窮者支援を続けてこられた司法書士の仲道宗弘さんが被害者の相談を受け、行政に働きかけ、社会に発信したことで世の中に知られるようになりました。誠に残念なことに、仲道さんは先月三月二十日に急逝されましたが、仲道さんの御活動に敬意と感謝を表して、この意見陳述を締めくくらせていただきます。
 ありがとうございました。
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比嘉奈津美#5
○委員長(比嘉奈津美君) ありがとうございました。
 次に、林参考人にお願いいたします。林参考人。
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林星一#6
○参考人(林星一君) 神奈川県座間市福祉部の林星一です。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 私は、平成十八年に中途採用で座間市に入庁し、九年間の生活保護ケースワーカーの経験後、平成二十七年度から生活困窮者自立支援制度に関わっている者です。以下、生困制度と呼びます。本日は、これまでの経験や現場の仲間の声も踏まえ、大きく四点お伝えさせていただきます。
 大きな一点目は、居住支援のための措置についてです。
 今回の法改正で示されている居住に関する相談支援等の明確化や一貫した居住支援の強化の措置について、賛成です。その上で、関連した小項目として、四つ意見を述べさせていただきます。
 まず、自立相談支援事業に関してです。
 新たに居住を支援内容として明確化したことで、人材の確保や養成が課題となると思います。
 神奈川県居住支援協議会では、令和五年度から居住支援コーディネーター育成研修を始めています。この研修では、住まい探しや福祉サービスの基本的な知識だけでなく、住まいの課題を生活全般の課題と捉え、困り事を受け止めて整理する力を習得し、課題の発見から専門部署へ寄り添いながらつなぐことができるコーディネーターの養成を目指しています。こうした取組なども参考に、居住支援の包括性を意識した人材の確保や養成をお願いしたいと思います。
 小項目二つ目に、居住支援法人との連携です。
 住まいの相談窓口ができても、不動産事業者や大家さんの居住支援への理解がなければ住まいの確保は進みません。そういった意味で、生困法改正案で居住支援法人との連携が努力義務として規定されたことは重要なことだと考えますので、これまでの経験から感じていることを述べます。
 一言で言えば、関係機関が連携して住まい支援が機能するためには、お互いの立場の理解が必要です。
 座間市では、居住支援を事業化する以前から、主に入居支援について市内で活動する居住支援法人のNPO、ワンエイドと連携をしていました。
 あるとき、自立の就労支援とワンエイドによるアパートの入居支援の後、生活が安定し、自立の支援を終結した五十代単身の方が、しばらくして病気のためアパートの自室で亡くなられ、時間がたってから発見されるということが起きました。当時は支援終結時の個人情報の取扱いについて取決めをしていなかったため、市はワンエイドに支援終結について連絡していませんでした。一方で、ワンエイド側では、自立相談支援事業が現在も本人と継続的に関わっているものと思っており、支援が終結したと考えていなかったとのことでした。すぐに連絡が取れる身寄りもなく、部屋の残置物などの問題が残されましたが、行政の立場でできることは限られ、結局、不動産会社やワンエイドさんが対応を行ってくださいました。
 ワンエイド代表の松本さんからは、こうしたことがあると、ようやく説得して開拓した大家さんとの関係を失ってしまう場合がある、相談者だけでなく物件の向こう側にいる不動産関係者や大家さんを守ることも私たちの役目、相談支援には終結があるが、住まいの支援はずっと続くというお話を伺いました。
 不動産事業者や居住支援法人の立場への理解が浅かったことについて深く反省し、かなり落ち込みましたが、松本さんから、私たちも行政の立場を理解します、支援に関わるそれぞれが相手の立場を理解して相談者のために手をつなぐことが大事、お互いに頑張りましょうと言われたことが自治体として何ができるかを考えるきっかけとなり、一時生活支援事業や地域居住支援事業の実施、さらには座間市居住支援協議会の立ち上げにつながりました。単に住まいの確保が必要だから住まい支援をお願いしますと居住支援に相談者をつなぐのではなく、相談者を中心にチームで関われる環境づくりが必要と考えます。
 小項目三つ目は、住居確保給付金です。
 今回の改正案に、家賃が低廉な住宅等への転居により安定した生活環境が実現するよう、住居確保給付金の支給対象者の範囲を拡大する方向が盛り込まれたことは良かったと考えております。
 その上で意見を申し上げますと、収入が著しく減少し、収入に対して家賃が高額で転居が必要なのにもかかわらず、収入基準額が低過ぎるため該当にならない場合が生じるのではないか、算定する収入等の範囲について、給与収入の場合、社会保険料等天引き前の総支給額で算定するため、実際の生活が苦しくても制度に該当しない場合がある、転居のためには、契約に関わる費用のほかに引っ越しに係る費用や不要な家財の処分費用なども捻出しなければ転居できないことも多いといったことがありますので、住居確保給付金が現場でこれまで以上に効果的に活用できるよう、収入基準額や収入算定方法の見直し、転居費用の範囲について検討をお願いします。
 また、地域によっては、低廉な住居が少ないために、比較的低廉な住居が多い市外の自治体に転居する場合もあると思います。転居費用を支給された方が市外に転居した際の支援の引継ぎや転居後の生活保護申請の実施責任などについても整理を行い、現場で混乱なくスムーズに支援が行われるよう、必要な検討もお願いいたします。
 小項目四つ目は、今後の居住支援の検討についてです。
 居住支援については、全世代型社会保障構築会議の報告書で提言された社会保障としての住まい政策について具体的な施策の詳細を検討するため、昨年度中間取りまとめを取りまとめた三省合同の検討会を継続していただきたいと思います。
 また、その際には、中間取りまとめや生困制度の在り方に関する論点整理にも記載がありましたとおり、既に住宅を確保している方についても、心身の機能の変化、収入の減少等により住宅の確保に配慮が必要となり得ることを踏まえ、その居住の安定が図られるような支援、具体的には、普遍的な社会保障施策としての住宅手当といった家賃補助的な施策も引き続き検討をお願いしたいと思います。
 次に、大きな二点目ですが、生活困窮者向けの支援会議の努力義務化などについて、賛成です。
 私は、生困制度が始まった頃、国の研修を受講し、TTPという言葉を覚えました。これは、良い取組は徹底的にパクれの略がTTPです。座間では、生活困窮者支援の先駆的な自治体である滋賀県野洲市さんの取組を徹底的にパクりたいと思い立ち、包括的支援体制構築ワーキングチームを中心に、研修やつなぐシート、相談チャートなど、全庁的に取組を進めてきました。
 本日参考で配付しておりますのは、昨年度の研修会のアンケート結果です。先輩職員の豊富な知識を今回吸収することができとても勉強になった、研修を通じて庁舎内に困っている人々を助ける制度や施策が数多くあるということが分かったなど、有意義だったとする感想が多くあり、全庁的に生活困窮者支援に取り組むことは自治体職員のスキルアップ、レベルアップにもつながると実感しております。
 前述の野洲市には、野洲市くらし支えあい条例という条例があります。この条例の二十三条から二十五条には、生活困窮者等の発見、生活上の諸課題の解決及び生活再建を図るための必要な情報の提供、助言その他支援を行うことや支援会議が規定されております。
 今回の生困改正法案では、第八条第一項で生活困窮者の状況の把握、第二項で生困制度の利用勧奨、第九条に支援会議の設置や関連会議体との連携が都道府県等の努力義務として示されましたが、この箇所は先ほど紹介しました野洲市の条例の箇所にとても似ていると私は感じました。
 野洲市で取組をリードしてきた生水裕美さんは、生困制度が、頑張ろうとしている自治体職員のやりがいを生み出す糧となって、市民の命と暮らしを守るために思いっ切り働ける、そうした心強い味方として頼れる存在に成長していってもらえることを心から願っていますとお話しされています。
 生活困窮者向けの支援会議設置の努力義務化等の改正は、現場で市民の命と暮らしを守るために頑張ろうとしている自治体職員の後押しになる改正と考えますので、賛成です。
 大きな三点目は、生活保護制度及び生困、生保両制度の連携です。
 ここでは小項目として二つ意見を述べます。
 まず、子供の貧困への対応のための措置として、情報提供や助言を行うための事業を生活保護法に法定化することに賛成です。
 先日、異動してケースワーカー一年目が終わった職員から、収入認定除外や奨学金の制度や手続の流れがよく分からず、御本人や保護者にきちんと説明するために非常に苦労したという話を聞き、振り返って自分もそうだったと思い出しました。事業の実施により、御本人や保護者への情報提供や助言が充実するだけでなく、個々のケースワーカーの理解も深まることも期待されます。
 座間市では、生困、生保両制度の家計改善支援事業や子どもの学習・生活支援事業を座間市社会福祉協議会に委託して実施しております。現状でも、家計改善支援事業により進路選択に必要な奨学金などの教育費に関する情報提供を保護者に行ったり、子どもの学習・生活支援事業で高校受験に向けたアドバイスなどを学校と連携して行ったりしておりますので、新たな子供の進路選択事業はこうした事業と連携することで更に効果的な支援が行えるのではないかと期待しております。
 つきましては、子どもの学習・生活支援事業とともに、生困、生保両制度の家計改善支援事業について、子供の貧困への対策からも推進していただきたいと考えます。
 二つ目、保護受給者の支援に関する会議体の設置や、生活困窮者に就労準備支援事業、家計改善支援事業、居住支援事業を行う事業について、新たに生活保護受給者も利用できる仕組みを創設し、両制度の連携を強化することについて、支援力の向上の点から賛成です。
 その前提として、生活困窮者に対する就労準備支援、家計改善支援、居住支援事業が全国どこででも受けられることにすることが大事ですので、これらの必須事業化を今後も継続して検討していただきたいと思います。
 生困、生保両制度が連携した支援は、地域共生社会や一人一人の尊厳の保持など、共通の理念に基づいて行われることが大切だと思います。また、新たに生活保護受給者も生困の任意事業を利用する、利用できる仕組みを創設することで、生活保護ケースワークの業務の公的責任が後退したり生困制度の理念が失われたりすることのないよう留意するとともに、生活保護制度、生困制度の自治体担当者、さらに両制度の事業従事者の合同の研修の検討をお願いします。
 大きな四点目は、自治体の体制整備や事務負担軽減策の必要性です。
 座間市の就労準備支援事業所はたらっく・ざま代表の岡田さんは、自分たちの団体は他市でも就労準備支援事業を受託しているが、生困と生保の事業を一体的にやっている場合は被保護者の率が徐々に増えてくる傾向がある、会議体の連携や研修はもちろん大事だが、一番肝腎なのはケースワーカーが生活保護の利用者本人や外部の支援者と一緒に支援を考える時間を十分に確保できるかどうかだと話されていました。
 日頃の業務に忙殺され、新たな取組を行う余裕のない福祉事務所も多いと思います。改正法が現場で有効に改正されるため、ケースワーカーの人員確保や事務負担軽減の策について検討していただきたいと思います。
 また、今回の法改正で生活困窮者自立支援制度や生活保護制度に期待されているような多岐にわたる連携体制の構築やその維持のためには、そうした取組のためのマンパワーの確保が必要です。生困制度については、一定規模以上の福祉事務所設置自治体においては専従職員を必置とするなどの検討をお願いしたいと思います。
 生活保護のケースワーカーをしていた頃、先輩職員に、制度や仕組みだけがあっても駄目、困っている人がいたら、まずは気付いた人が声を掛けられるようになることが大事と教わり、その言葉は自分にとって自治体職員としての原点の一つとなりました。
 今、基礎自治体の職場は様々な課題に対応しなければならない一方で、新しい職員が採用できず人手不足だったり、ストレスにさらされる中でしんどさを抱える職員が増えたりということで、業務に追われ、困っている人に気が付いても声を掛けることをついちゅうちょしてしまうような現実もあります。今回の生困制度、生活保護制度の改正が、困っている住民の役に立ちたいという自治体職員の素朴な願いを後押しするものとなってほしいと思っております。
 以上です。ありがとうございます。
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比嘉奈津美#7
○委員長(比嘉奈津美君) ありがとうございました。
 次に、石川参考人にお願いいたします。石川参考人。
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石川久仁子#8
○参考人(石川久仁子君) 大阪人間科学大学の石川と申します。
 この度は、このような貴重な機会をいただき、大変感謝しております。
 私は大阪で社会福祉士養成の仕事をしております。地域福祉を専門としておりますが、地域福祉の議論、実践の中に、今まで住まいというふうな要素が少なかったというふうに思っております。そのような中、この度の生活困窮者自立支援法改正において居住支援の強化が目指されているということを大変うれしく思いますし、また、目指す姿として示されている中に、相談支援体制の強化、そして見守り支援の強化、サポート付き住宅、住居確保給付金の拡充などというキーワードがありますが、これらは民間居住支援団体が訴え続けてきたことでありますので、このようなものが反映されているということは非常に居住支援が拡充していくのに非常にプラスになっているというふうに思いますが、しかし、やはり質、量とも足らないのではないかというふうに思っております。
 私は地域福祉を研究する過程の中でいろいろな居住支援に関わる活動を行ってきました。私の意見の陳述のベースになる活動につきましては補足資料の一の方を見ていただきたいんですが、三つの活動をしております。まず、日本居住福祉学会における活動。そして、住宅セーフティーネット法以前より各地で居住支援の実践をつくり上げてきた団体同士のネットワーク組織である居住支援全国ネットワーク、このネットワークでは特に、後ほど申し上げますが、当事者から見た居住支援という調査活動を特に担当をしてまいりました。また、私の地元である大阪では、居住支援法人の指定を受けた社会福祉法人間の勉強会を行ってきました。このような三つの活動を背景に、ベースとして、主に居住支援に関する意見を申し上げたいというふうに思います。
 まず、一点目です。居住支援の在り方を考えるに当たっては、居住困窮者の視点から考えることが重要だというふうに考えます。
 居住支援の量、質がこれから拡大、量をどう増やしていくのかというふうなことが今まで考えられてきましたが、やはりもう質をどうしていくのかということがとても大切だと思います。それにおいては、質を何で測るかということでありますが、やはりこれは居住困窮を体験した当事者の視点からチェックするというふうなことが大変重要かというふうに思います。
 住まいの確保は大切ではありますが、確保すればそれでいいというふうなことではありません。居住支援全国ネットワークが二〇二二年に実施した当事者調査において、居住困窮を経験したことのある百三十四人の利用者に対し、生活満足度、まあ生活満足度ということで質を測ろうとしたんですが、それに何が影響しているのかを分析しました。
 私は地域福祉の関係者ですので、見守り活動とか社会参加とか、そういったものが生活満足度にプラスになっているんじゃないかというふうに分析したんですが、なかなかそこは優位ではなくて、はっきりと影響しているのは物件の満足度だったわけですね。
 フリーアンサーを少し紹介したいと思います。
 自分が部屋を探そうと思ったときに、理解のある業者さんと言われて会った業者から、制約を受けている人に貸せる部屋はここしかないみたいなことを言われた。アパートの部屋が老朽化して崩壊、そしてそこから転落、入院した。ほかのヒアリング調査を行ったときも、アパートのベランダが落ちたというふうなことであったり、風呂釜が二つある、それは、故障したので入れてもらったんですけど、それが元の物が撤去されないというふうな、このような状態。いずれも、非常に熱心な居住支援団体の支援を受けていての物件がこのような状況にとどまっているというふうなことなんですね。それが現状なんです。
 居住支援においては、先ほど菊池参考人のお話の中にもあったと思いますが、一番肝腎なのは、私は本人の居住力、自ら住まいを整え、維持し、そして他者とつながりながら共に地域で暮らしていくことを高めるということが最も肝要だと思います。
 見守り支援、トラブル相談、契約サポート、いろいろな仕組みが検討されていますが、それは何のためにするのか。本人の居住力を高めるということのためにそれを行うということが肝腎だと思います。そして、本人の力が高まるためには、その前提に、自分らしい生活の尊重がされる、何よりもやはり住まいを自分で選択できるというふうな、優良な住まいを、納得できる住まいを選択することが生活の質に非常に直接影響しているというふうなことです。
 今回、単身高齢者の居住問題が大きく取り上げられていますが、障害を持つ方に関しても非常に問題があると思います。不動産会社の忌避感、いろんな調査がありますが、私の関わっている居住支援法人が大阪で行った調査によると、高齢者の忌避感よりも圧倒的に障害者、特に精神障害を持つ方への忌避感が強いです。ですので、このような状況をどうするかというところでグループホームに期待が集まるわけではありますが、その質も課題になっております。
 私が大阪で開いている、呼びかけて開催させていただいている居住支援の法人の勉強会の中の基幹相談支援センターのある方の発言を少し紹介します。
 住まいで一番大きな課題は、家を見付けることよりも、いわゆる貧困ビジネスに関わっているヘルパー事業所が入り込んでいるマンションなどで、本人は世話になっていると思っているかもしれないけれど、実質的にはお金を取られているし外出制限もされているような相談が何件もあると、この問題についてどうしたらいいのか一番悩んでいますと。権利擁護という面では、僕はキャッチした人がどれだけ踏み込んでいくのかということが大切だと思います。何でこのマンション、生活保護ワーカーが訪問してこれをよしとしているのか、基幹に言うなり虐待通報するなり、問題意識をどれだけ広められるか、人権意識をどういうふうに高めていくのかということが重要だと。皆、制度上はうまくやっていますというふうな発言がありました。つまり、居住支援の現状の中にアドボカシー、権利擁護の機能が欠落しているのではないか、非常に弱いのではないか。少し補足しますと、熱心な生活保護ワーカーの方もいらっしゃることもこの後に発言しておりますので、ちょっと付け加えたいと思います。
 また、住まいの選択に当たっては、民間賃貸住宅だけではなく、シェルターだったり多様な施設入所というような選択肢もあります。これらの質も非常に重要だと思います。
 先ほど紹介しました居住支援全国ネットワークが二〇二二年に行った調査によると、実は、その回答者の中で、かなり福祉施設であったりシェルターを利用経験がある方が結構多かったんですけれども、しかし、特にシェルターを経由して、でもその後もう一度居住困窮状態に戻ってしまったという人も多いんですね。ということは、福祉施設とかシェルターの運用、内容について課題もやはりあるのではないか。
 ですので、居住支援においては、このようなシェルターであったり既存の福祉施設の役割、もう少し、例えばもっと活用できるのではないかと、その機能の向上についても併せて考える必要があるというふうに思います。
 そして、二番目の意見が、居住保障の増強が必要というふうなことであります。やはり行政による公的責任を明確にする必要があると思います。
 また、大阪での勉強会のある職員の発言を紹介したいと思います。
 セーフティーネット住宅が始まっていますが、実際にはそんなに広がっていない、上質な住まいを提供するというところは余り広がらず、空き家を安普請で改修して生活保護受給者向けに住まい提供するという風景が全国に広がっているだけというふうな発言がありました。
 住居確保給付金の拡大そのものは大変望ましい方向であると思いますが、やはり私も非常に限定的であると、やっぱり必要なのは普遍的な家賃補助制度であるというふうに思います。コロナ禍の居住支援において、居住支援全国ネットワークが加盟団体に対して調査を行わせていただきましたが、その中でも改めて住居確保給付金の特例措置が非常に効果的だった。
 ですので、居住支援というのは、入居支援、そして連帯保証問題の解決、居住生活、その後の生活支援だけではなくて、やはりそもそも家を失わないように、居住を、今の住んでいる家を継続するための支援もとても重要であり、これに対して住居確保給付金、やはりお金の給付、やはり給付もすごくパワフルであるというふうなことで、改めて検討いただきたいというふうに思います。
 そして、市町村の役割も大きいと思います。資料の項目でいうと、三、市町村におけるプラットフォーム、市町村居住支援協議会の役割というふうなところであります。
 まず、住宅セーフティーネット法改正において、この度、市町村居住支援協議会を九割まで拡大させようというような方向が出ているのは大変望ましいことだと思いますが、大阪でも幾つかの自治体が居住支援協議会を立ち上げました。しかし、しかしですね、この事務局が民間団体に委託しているパターンが増えています。しかし、民間団体に委託しても、やはりこの取組というのは公的な取組でありますので、地方自治体のやはりプレゼンスというか存在感、その責任、役割というのははっきりしていただきたいんですね。
 事業委託を受けている民間団体が不動産屋さんに回っても、えっ、何で民間団体がそれをしているのというふうなことで、公的な取組というふうになかなか理解していただきにくいというふうな、これ発展途上だというふうに思うんですけれども、そのような問題が起こっております。
 そして、次、四の方に移りたいと思います。つまり、この居住支援を広めていくためには、やはり関係者への研修及び地域住民の啓発というふうなことが非常に重要だというふうに思います。
 二〇一七年の住宅セーフティーネット法改正以後、居住支援に関する研修の機会はかなり増えたというふうに体感しております。私も幾つか講師をさせていただいていますが、それでもまだまだ居住困窮に関する知識や居住支援の現状であったりということが福祉関係者、住宅関係者双方に決定的にやはり不足しているというふうに思います。
 そもそも居住支援の範疇というのは非常に幅広く、また制度が改変するスピード、そして実践のある意味で望ましいモデルのようなものがどんどん生まれますので、非常にこの変化が速いんですね。ですので、渦中の、それらを参考にしようにも、渦中の実践者たちも全体像が難しい状況というふうなことがあります。
 ですので、今回の改正も、この後審議されるでしょう住宅セーフティーネット法の改正におきましても、このようなことが変わりましたと、こういうふうな新しい仕組みがありますよというふうなことは望ましいことではあるんですけれども、地方レベルに下りたときに、その制度が淡々と説明されるだけではなかなか伝わらないんですよね。ですので、それぞれの地域ごとのやはり居住困窮の実態とか支援の現状というふうなものを把握した上で、そこに参加している人々が納得して理解していく、それを広めていこうというふうな、そのような研修の在り方というのが非常に重要かと思います。
 そして、その場においてやはり改めて重要なのは、居住困窮を体験した当事者の声を生かす、御本人さんの体験から学ぶというふうなことが大切だと思います。支援者ベースではなくて、当事者ベースの研修が必要ではないか。
 何度も紹介しておりますが、居住支援全国ネットワークの行った調査においても、全国、この法改正について何か意見がありますかというと、皆さん結構いろいろ意見を持っていらっしゃるんですよね。自分のように部屋探しに苦労する人はたくさんいるので、物件を団体が所有していただいて、もっと障害を持つ人が地域で住みやすくしてくれるとうれしいと、理解ある大家さん、不動産屋さんが増えるようにセミナーなどを開催してほしいというふうに、皆さん大きな意見を持っています。そして、彼ら自身が実はこの制度を改変して動かしていく力を本人さんが持っているというふうなことを認識すべきだというふうに思います。
 そして最後に、終わりにというところでありますが、私は、改めまして、居住支援というのは町づくりでもあるというふうに思います。
 そもそも生活困窮者自立支援法においても町づくりというふうな要素は非常に重要であるというふうに位置付けられてはいますが、しかし、個人への支援に比べてやはり町づくりというふうな取組は非常に弱いというふうに思います。この居住支援に関しましても、ここに関わる当事者の方々同士やそれに関わろうとする住民の人たちの組織化であったり活動の支援、そして、繰り返しますけど、そのためには、核にある困窮の現状の把握と学習、そしていろんな団体の連携、そして居住福祉資源というか、地域に資源を開発していくというような居住に関わるコミュニティーワークが必要だというふうに思います。
 また、実は地域の中にそのようないろんな資源、つまり、居住困窮を体験した当事者同士が共に過ごしたり住民の方々と関わるような場が、つくっていかないといけないんですけど、既に存在もしていたりもします。そういった機能のある共同空間を掘り起こしていく、まあコモンとも言えると思いますけど、掘り起こしていく活動をどんどん広めていく必要があると思います。
 そして、最後の最後になるんですが、福祉関係者が居住支援を促進するためには、やはり物件がないと始まらない。福祉関係者は思いもあってネットワークもあるんですけれども、でもやっぱり物件が、住まいにしても居場所にしても、場所がないと始まらないところがありまして、これらを獲得したり、また獲得しても、借りることができても、例えば公営住宅を活用させてもらえることになっても、これを維持するようななかなかそのための資金もまた必要だったりするというふうなところがあって、なかなかパワーが足らないところがあります。こういった、もちろん制度も変わっていく、居住保障制度がしっかりと構築されていくことも必要なんですが、民間の人たちの取組が発展するようなことを支えるような仕組みも検討いただければというふうに思います。
 以上で私の意見を終了させていただきます。
 御清聴ありがとうございました。
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比嘉奈津美#9
○委員長(比嘉奈津美君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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石田昌宏#10
○石田昌宏君 自由民主党の石田昌宏と申します。
 参考人の皆様方には、多様で、そして貴重な御意見、どうもありがとうございました。
 私からは時間がないので全員には御質問できないと思うんですけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 生活困窮者自立支援法の制定に全体的に関わっていらっしゃった菊池先生に、先ほどの今後の展望の辺りにつきましてちょっと御質問したいというふうに思います。
 生活困窮者自立支援は生活保護の前の第二のセーフティーネットと言われていますけれども、法律の目的を比較すると、生活保護は生活困窮者に対する給付というどちらかというと静的な仕組みであって、生活困窮者自立支援制度はまずは自立に向けた動的な仕組みに感じます。かなり体系が異なりますので、生活保護の手前に生活困窮者自立支援があるという段階的なイメージと若干違うのかなというふうに感じます。第二のセーフティーネットというのであれば、例えば生活保護の前の人に対して医療扶助だけとか住宅扶助だけとか、生活の再建ができる人もいると思います。つまり、生活保護法の柔軟化の方がある意味きめ細かい対応ができるかもしれません。また、若しくは生活保護をもっと静的じゃなくて動的に考えていって、生活困窮者自立支援法での手法を生活保護に応用していくような考え方もあるんだと思います。
 つきましては、生活保護と生活困窮者自立支援をどのように連続的に整理していいのか、御意見をお伺いしたいと思います。
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菊池馨実#11
○参考人(菊池馨実君) 御質問ありがとうございます。
 大変大きな質問で、私の手に負えるところではございませんが、まず、先生のおっしゃるように、最後のセーフティーネットと、いわゆる第二のセーフティーネットという、そういう位置付けがあるということ、私もそう理解しております。ただ、その両方の、生活保護における自立、それから生困法における自立、この自立概念は共通であるというのが、そういう解釈を少なくとも政府、行政解釈としては取っております。そういう前提で我々も議論しているということがございます。
 その上で、先生おっしゃるように、住居確保給付金ありますけれども、生活保護は給付中心で、生困法は支援、相談支援が軸になっているということで、そこの違いはあると思います。ただ、生活保護にもケースワークがあって、そこは相談支援なんですね。そこが給付と結び付いているので、先ほど稲葉参考人からありましたように、そこは注意しないと権力的な要素がどうしても入り込んでしまうという部分はあると思います。
 その中で、生活保護をもう少し使い勝手のいいものにしていく方法もあるのではないかという先生のお話、私も発想としてはそのように思っている部分ございまして、例えば単給化ですね、医療扶助、単給今はありますけれども、ほかの扶助もそれだけを取り出して受けられるようにする、住宅扶助も含めてですね、はあり得るとは思います。ただ、そのためにはいろいろちょっと法的に整理する必要がある。つまり、憲法二十五条一項の健康で文化的な最低限度の生活をどう理解するかと、それをそのパーツごとに切り分けられるかとか、そういったことをちょっと整理する作業は必要だと思いますが、それはあり得ると私は思っていますし、また、今日、ほかの方からも御発言ありましたが、住宅手当的なものをまた別途給付化していくという方策も、私も今までそういう発言をしてきたこともございますし、あり得る方策だとは思ってございます。
 以上でございます。
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石田昌宏#12
○石田昌宏君 ありがとうございます。多分、今後の議論で必要になると思いますので、非常に参考になりました。ありがとうございます。
 もう一点あるんですけれども、経済困窮からの自立支援の考え方は、ちょっとざくっとし過ぎかもしれませんけれども、二つ考えられると思うんですけど、本人が努力して経済困窮から脱することができるので、その努力できる環境をつくっていくということと、まあ努力はさておき、支えていくことによって経済困窮から脱すると、大きくその二つがあるんじゃないかというふうに思います。
 このような議論をするときに、非常に難しいんですけれども、よくいろんなところに引用されているのが、安丸良夫さんですかね、歴史思想学者の方が唱えている通俗道徳という考え方だと思うんですけど、つまり、勤勉に働くとか倹約するという普通の人たちが善い行いだと考える行為が、勤勉に働けば豊かになるとか倹約して貯蓄すれば困らないとかといった考え方になって、それがひっくり返って、そうならないのは善い行いをしていないからといういわゆる自己責任論というところにつながっていくという、こういう考え方なんですけれども、言ってみたら、道徳的に正しい行動をすれば成功するとか、努力した人が報われるとか、こういった考え方になるわけです。この通俗道徳に従うのであれば、人は道徳的に生き、努力することを基本にするので、自立支援法は生活困窮者が自立するための努力をできる環境をつくることが大事だということになると思います。
 ただ一方で、人には、人生って偶然があるわけで、努力や道徳を幾ら極めても貧困から脱せられない、脱せられるかどうかは別だという考え方もあると思います。最近の親ガチャとかそういった言葉はこれに類する言葉の一つなのかもしれないなと思っています。とするのであれば、生活困窮者支援は、道徳や努力だけではどうしようもない面を強調して、周囲や社会からの支えこそがまず最初に考えるべきだということになるというふうに思います。
 この通俗道徳をいろいろと調べてみると、元々日本の古来からの考え方ではないというのが安丸さんの論でして、むしろ江戸時代後半から始まった。つまり、市場経済がだんだんだんだんと盛んになっていくと、商人はもうかっていくんだけど地主たちが没落し始めると。そうなると、その没落の理由を自分は道徳的な行いができなかったからだと考えることで、不満が社会じゃなくて自罰的に自分自身に向かう、その結果、社会が安定していくといった考え方だそうです。これ、明治時代にこのことが更に進化したというんですけど、それは、明治時代は財政的に政府がゆとりがなくて貧弱だったために、国民が通俗道徳に従ってきた方が社会不満が抑えられたといった発想のようです。
 こういう見方からしちゃうと、生活困窮者自立支援というのは、努力を背景にした自立を強調するというよりも、生活困窮者の生活を支援する、支え合うといったことにより重きを置いて考えた方がいいのかなとも思われるわけですね。
 このように、どうしても出てくる本人の努力とか道徳みたいな考え方とやっぱり自立を支援していくということについて菊池先生に御教授いただきたいと思いまして、ちょっとお考えを聞かせていただきたいと思います。
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菊池馨実#13
○参考人(菊池馨実君) 非常に哲学的な問いでございまして、これも私の手に余るのですが、先生おっしゃいますように、自立のための環境づくりというのは、広い意味では共通だと思いますけれども、仕事がない方にハローワークに行っていただいて、そこで自分に合った仕事を選んで就いていただく、あるいはその訓練の機会を提供するという、それでまあ自分で仕事に就いていけるという、もちろんそういう方たくさんおられますけれども、生困法が念頭に置いている、なぜそこにセーフティーネット、仕組みをつくったかというのは、直ちにはそうはいかないという。なぜいかないか。それは本人の責任というわけではなく、様々なそれまでの人生や偶然や様々なものが積み重なっている。ただ、その方にもその生きていく、自分のその主体性に目覚めて前向きに生きていこうという、そういうときが来ると、やはり人間はそういうものだと私は思っているので、そのために寄り添って支えていくところから始めていく。支えるといっても、支える、支えられるというような一方的な権力的な関係ではない、やっぱり対等な関係性をつくって歩んでいくという、そこから本人のその何か主体性が芽生えてくるという。
 そういう、時間も掛かりますし、個別的な支援もありますが、そういったものを法律を作ってやろうということがこの生困法だと思いますので、そういう意味では、私、先ほど申しましたように、画期的な法律だと思っているわけです。
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石田昌宏#14
○石田昌宏君 時間なのでこれで終わりになってしまいますけれども、今、非常に参考になりました。今後やっぱり議論を深める上ではとても大事だと思いますので、しっかりとまた学んでいきたいと思います。
 ありがとうございました。
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大椿ゆうこ#15
○大椿ゆうこ君 立憲・社民会派の社民党、大椿ゆうこと申します。
 本日は、四人の参考人の皆さん、本当に貴重な御意見を聞かせていただき、本当にありがとうございます。研究の現場、そして行政の現場、支援の現場で皆さんが御経験されてきたことを、非常に今日は学びの時間になりました。
 そこで質問をさせていただきたいと思いますが、稲葉参考人に御質問をさせていただきます。
 先ほど桐生市福祉事務所のケースについてお話をしてくださいました。聞いている皆さん非常に衝撃を受けたのではないかと思いますが、私、やっぱりこの点で一番大きなポイントが、厚労省が特に警察OBに働きかけて配置をしているというところが非常に大きな問題ではないかなというふうに感じているんですけれども、稲葉参考人から見て、福祉の専門家でもない警察OBをこの分野に配置するその目的、意図みたいなものをどのように現場から受け止められているでしょうか。御意見、お聞かせください。
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稲葉剛#16
○参考人(稲葉剛君) ありがとうございます。
 二〇一二年に厚生労働省が警察官OBを積極的に配置するようにと、国の補助金を使って積極配置するようにという通知を出した際に、生活保護問題対策全国会議が出した要望書が資料の十七ページにあります。
 厚生労働省としては、恐らくですね、暴力団などの不正受給対策ということで始めたんだろうというふうに推察いたしますが、ここに、この要望書にも書かれていますように、確かにそうした行政対象暴力であったりとか暴力団対応などで警察の力を借りなきゃいけない場面というのはあるかというふうに思いますが、そのたびに連携をしていけばいいんじゃないかと。常時警察官OBを福祉事務所に配置するということを行えば、福祉事務所の職場の雰囲気自体が大きく変わってしまう、生活困窮者に、相談に来る住民に向けるまなざし自体が変わってしまうというところが一番問題であろうというふうに思っております。
 特に、今回、群馬県桐生市で最大四人の警察官OBが配置されていたと。記録を見てみますと、新規の相談ですね、住民の方が、明らかに暴力団じゃない方もたくさん来られると思うんですけれども、住民の方が生活に困っているという相談を来る、その新規の面接相談のほとんどに警察官OBが同席していると。その後、生活保護を利用するようになって、就労の支援の、就労支援相談員というのが各福祉事務所に配置されています。通常、ハローワークの経験者、職員経験者などが配置されているんですけれども、なぜかそこにも警察官OBが雇われている。警察官OBの方が就労支援そんなにスキルあるのかと疑問を持ちますけれども、雇われていて、どの方がそうした暴言を吐いたのかは分かりませんけれども、当事者の方々からは、税金で食っている自覚はあるのかと連日言われ続けたというような被害の声というのが上がっているという状況になっております。
 今年度更に、厚生労働省、警察官OBの配置を進めようとしているようですけれども、これが更に、桐生市のように、窓口に来た人を追い返したりとか住民に対して最初から犯罪者予備軍のような目で見るというような福祉事務所が増える結果につながらないか、大変懸念をしているところであります。
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大椿ゆうこ#17
○大椿ゆうこ君 稲葉参考人、御意見どうもありがとうございました。
 続いて、林参考人にお話を聞きたいというふうに思います。
 資料、大変興味深く読まさせていただきました。断らない相談支援ということで、やっぱりその市役所の中でいろんな部署と連携をしながら支援を進めていらっしゃるというところも大変興味深かったんですけれども、やはり居住支援法人等との関係も丁寧に進められていらっしゃるんだなということを受け止めました。
 この間、貧困ビジネスの現場に直接視察に行かせていただくこともあって、今回のこの法改正に関しても、やっぱり居住支援法人等の役割というのが非常に重くなっているように受け止めるんですが、ほとんどの支援に携わっている団体は丁寧なお仕事をされていると思うんですけれども、しかしながら、そこに貧困ビジネスが入り込んでいるというのも事実です。福祉事務所に相談に行ったところ、その居住支援法人紹介されたけど、そこが貧困ビジネスだったというケースもあります。
 こういったものをできるだけ排除していくために、行政としてどのような取組、注意が必要だと考えるか、御意見をお聞かせください。
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林星一#18
○参考人(林星一君) ありがとうございます。
 今回、法改正の中で無料低額宿泊所の届出の制度等ができ上がったことというのは一つ前進なのだろうと思っております。
 困窮のところでいいますと、やはりそこについては、御利用者との御相談の部分というのが例えば入居後もそのまま続いていることで、やはりその住環境が実際紹介されたのはこういうことだったとかという話が継続支援の中で御本人からお話をされる場合というのが恐らくあると思いますので、先ほども申し上げましたけれども、住まいの支援が必要だからということで居住支援法人にお願いしますと、その後、それでもう、何というんですか、丸投げというか、それで終わってしまうと、やはりそういうことというのが、その後の経過が分かりませんので、やはりしっかりとその後の経過、その方がどう生活されているかというところも含めて把握していくということが大事ではないかと思います。
 以上です。
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大椿ゆうこ#19
○大椿ゆうこ君 どうも、林参考人、御意見ありがとうございました。
 続きまして、イシイ参考人にお話を聞きたいと思います。あっ、ごめんなさい、石川参考人にお話を聞きたい。どうも名前間違えて申し訳ございません。
 資料の中でも、そして先ほどのお話の中でも、低所得者層を広く含めた全世代型の家賃補助制度、これを実現していくことが必要なんじゃないかというお話がありました。私自身も長年非正規労働者として働いてきたんですけど、そのときにやっぱり家賃というのが一番大きな負担なんです。そこを基準に暮らせるかどうかということをやっぱり考えざるを得なかった。
 そういう意味では、この家賃補助制度という提案、非常にいいなと思ったんですけれども、どうやってこれを自治体の中で実現していくか、ビジョンみたいなものがございましたら是非御意見お聞かせください。
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石川久仁子#20
○参考人(石川久仁子君) なかなか難しい御質問かと思います。
 まず、これは、地方自治体でというか、やっぱり国で変えていくものだというふうに思いますので、まさにこのような場で検討いただければというふうに思います。なかなか地方が頑張っても、ちょっとそこはできないことなんじゃないかなと思います。
 ただ、少し地方自治体の役割で私が重視したいのは、もちろん国でできた制度をどうそれを適切に活用していくのかということもそうなんですけれども、やっぱり地域の現状を国に上げるというふうな役割も地方にはあると思いますので、そういったところで、どのようにこういった制度が必要なのか、どう有効なのかということ、地方の現状に応じてそれを国に上げるというふうなことを地方に期待したいと思います。
 以上です。
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大椿ゆうこ#21
○大椿ゆうこ君 どうも御意見ありがとうございます。
 最後に、稲葉参考人に再度お話を聞きたいと思います。
 この間、様々な取組をされていらっしゃいますけど、空き家、公営住宅の活用について、これ進めていく上でネックになっていることがあれば教えてください。
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稲葉剛#22
○参考人(稲葉剛君) ありがとうございます。
 私が代表を務めております一般社団法人つくろい東京ファンドは、ハウジングファースト型の住宅支援ということで、東京都内でアパート、マンションの空き家、空き室を現在五十四室借り上げまして、住まいがない生活困窮者の方、年代でいうと下は十代から上は八十代まで、本当に幅広い老若男女の方々、最近ではいわゆる外国籍の難民の方々でホームレス化する方も増えているんですけれども、そうした方々の受入れを行っております。
 最近は、近年はその居住支援ということが一般にも知られるようになってきましたので、民間の不動産業者の方とか物件のオーナーの方々の協力というのも得られやすくはなっております。ただ、なかなか、東京の場合は特にやはり家賃が高いという問題がありますので、民間団体、NPOで物件を借り上げると、当然オーナーさんに家賃を支払わないといけないというので、その分の負担というのも大きくなっていると。ですので、可能であれば公営住宅の空きストックを活用したいというふうには考えております。
 御存じの方も多いかと思いますけれども、兵庫県の尼崎市では、公営住宅の建て替えに伴う政策空き家、数年間建て替えのために空いている部屋を、民間の団体のネットワーク、コープこうべがハブとなって、そこにホームレスの支援をしている団体であるとか児童養護施設の出身者の若者を支援している団体、女性の支援をしている団体など、NPOがネットワークを組んでこの公営住宅の尼崎市営住宅の空き室を活用するという事業を行っておりまして、私が共同代表を務めているNPO法人ビッグイシュー基金でもこの尼崎市の公営住宅の空き室活用を行っております。ビッグイシューの販売者の方が月額六千五百円で公営住宅の空き室に入居できるという仕組みが始まっておりますので、是非、まず公営住宅のストック活用という点で、こうした事業を各地、各自治体でも進めていただければというふうに考えております。
 以上でございます。
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比嘉奈津美#23
○委員長(比嘉奈津美君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。
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大椿ゆうこ#24
○大椿ゆうこ君 菊池参考人、御意見聞く時間がなくて申し訳ありませんでした。
 どうも四人の参考人の皆さん、ありがとうございました。質問を終わります。
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山本香苗#25
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。
 本日は、四名の参考人の皆様、大変お忙しい中、貴重なお話聞かせていただきまして、本当にありがとうございます。
 十分という話なので立て続けにお伺いしたいと思っておりますが、まず菊池先生にお伺いしたいと思います。
 先生が座長に、部会長になられて最終報告書をまとめていただきまして、本当にありがとうございました。その中で、最終報告書のところで、今後増加が見込まれる身寄りのない単身高齢者等については、生活面で様々な課題を抱えているものの、現在の生活困窮者自立支援法の枠組みでこうした課題の解決を図ることが難しい場合も想定されると、しかしながら、これらの者の支援については早急に検討すべき課題というふうな形で明記をしていただきました。二〇三〇年は単身高齢者世帯が八百万世帯というふうに推計もされているところでありますけれども、ここに具体的にどう取り組んでいくのかというのが本当に急がれる課題だなと認識しております。
 私自身の、私の私見ですけど、今回の社会福祉法の改正も入れさせていただいている中に、重層の中に居住支援も入れるという形になったので、実はここ中身が全然ないんですね、今の段階で。これを具体化していくことが一つの解になるんじゃないかなと思っておりますが、いかがでしょうか。
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菊池馨実#26
○参考人(菊池馨実君) ありがとうございます。
 結論的には、先生おっしゃる形が一つのあり得る選択肢だと思っています。
 この問題、非常に間口が広くて、判断能力のある方、十分ない方、それから資力のある方、ない方、また高齢者だけの問題でもないということで難しいんですが、一定の資力があって判断能力もある方には、民間のいわゆる身元保証サポート事業者と言われる事業者さんが最近出てきていて、そことの契約でサービスを受けるということもあり得るでしょうけど、例えばその契約のガイドラインを設定するといったことも考えられるでしょうが、それで終わりというわけでは全くないと思います。
 やはり公的な仕組みとしてどうしていくかということを考えることは必須で、その中の一つあり得るのは、先生おっしゃるように、その次の、本法案の次の課題だと私は思いますけれども、社会福祉法改正の中で、その包括的支援体制整備ですとか重層事業の更なる改革の中に、住まい支援の更にその先を見据えたいわゆるその身寄り問題的なものの支援も含めていくというのが私は十分考えられると思っています。
 どちらかというと、後見、成年後見にも関わっています。民法改正、令和八年を予定されていて、成年後見制度の役割が縮小していく予定ですので、そうするとそこは福祉が担っていかなければいけないという意味でも大事なんですけれども、そこの仕組み、後見人のような何か特定の人がずっと支え続けるというのではなく、まさに重層や包括的支援体制整備のイメージで官民を含む関係機関が連携して支えていく、ネットワークを組んで支えていく、そういうイメージを持っています。
 いずれにしても、私も、自治体、あるいは社協さん、福岡市社協さんの終活サポートセンターとかNPOさんとか、今地方でいろんな取組がされていますので、それらを生かすような形での連携の仕組みづくりという方向性を考えているところです。
 以上です。
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山本香苗#27
○山本香苗君 ありがとうございます。
 私も、ガイドラインで済む問題じゃないと、逆に言うと、ガイドラインで済んだら、またいろんなその貧困ビジネスじゃないですけれども、いろんな問題が惹起するんじゃないかと思っておりますので、この辺りはしっかり見てまいりたいと思います。
 次に、林参考人にお伺いしたいと思います。
 もう本当に林さん、現場で頑張っていただいておりまして、今回の私、生困の法案の一番やっぱり大事なところは、市町村の役割、市がやっぱり頑張ってもらわないといけないところでありまして、そのトップバッターをやっていただいていると、トップランナーでいただいていると思っているんですけれども、今回の改正案を一〇〇%、皆さんいろんな御意見あります、一〇〇%ではないにしろ、これをてこにして最大限効果を発現していただきたいと思っておりまして、どのような活用を市役所としてやっていこうかと考えていただいているのかということと、やっぱり住まい支援って今まで市町村やっていないんですね。公営住宅の管理ぐらいしかしていなくて、はっきりとこれどうしようという声が上がっています。ここをこうやったらいいんだよということを御示唆いただけるような、TTPを居住支援でどう活用していくかというところも是非お話ししていただければと思います。
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林星一#28
○参考人(林星一君) ありがとうございます。
 まず、今後の市町村の活用のことなんですけれども、こちらの座間市の場合なんですが、生困制度を担当しています地域福祉課が居住支援協議会の事務局を担当しておりますので、今後につきましては、本改正案と住宅セーフティーネット法の改正案併せて考えていきたいと思っております。
 住宅セーフティーネット法の改正案では居住支援協議会の設置が努力義務化されまして、また、その内容ですね、構成員ですとか協議内容につきまして、住宅と福祉の連携がこれまで以上に強く打ち出されております。また、生困法の支援会議ですとか介護の地域ケア会議ですとか、こういったものとの連携も相互連携という形で努力義務になっております。
 こうしたことから、住まいの窓口になります自立相談支援機関が居住支援にも対応する包括的な相談窓口となるということですので、まずはその関係の制度の、各関係機関に知っていただくというのが大事ですし、また、地域の不動産関係者の方からの、そういった方からの相談にも応じられるような体制というのを居住支援協議会の活動と併せて構築したいと思っております。
 二つ目のところですけれども、特にこういった居住支援協議会の立ち上げに当たりまして、住宅部局との連携というのは福祉部局サイドから考えるとちょっとハードルが高いということで、我々も本当にそうだったんですけれども、居住支援協議会の伴走支援プロジェクトという国土交通省の事業を活用させていただいたときに、大牟田市の牧嶋さんという方にちょっと教えていただいたんですけど、要は、住宅部局も市営住宅やっているので、市営住宅の大家さんだと思ってちょっと最初付き合ってみたらどうかなということで言われまして、ちょっとほっとしまして、そこから始めました。
 結局、住宅部局も市営住宅持たれているので、そこに住まわれている方の多様な相談対応というのをしていて結構苦労しているということがありますので、そういったところは最初連携していくというのができるところかということはあるかなと思います。
 以上です。
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山本香苗#29
○山本香苗君 ありがとうございます。
 この居住支援やっていくに当たって、行政だけでは絶対に対応できないと、民間の皆様方のお力もいただかなくちゃいけないと、その何か、これをどういう形でやっていこうかなと思って、石川参考人の方にお伺いしたいと思いますが、私はまさしくこの研修、これも単なる制度説明の研修じゃなくて、実例から、当事者の経験から、これが一番やっぱり効果的かなと、当事者中心にですね、やったときに、単身高齢者もそうなんです、身寄りのない方もそうなんですけど、もういろんな例が出てくると思うんです。そういう形をやっていくのが一番いいかなと。
 私も、障害のある方と、あと外国人のところですね、そういったところがまだまだ共有されていない部分があって、特に障害者団体の方々なんかはこの仕組みすら知らないと、居住支援法人って何とかいう世界で、もうそういう団体の方にこそ知ってもらいたいのに、そこは伝わっていなかったりとかする部分があって、この研修の在り方ですね、是非また学ばせていただきたいとも思いますけれども、より効果的な研修方法で何か具体例みたいなのを挙げていただくと大変有り難いかなと思います。
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