経済産業委員会

2025-04-16 衆議院 全288発言

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会議録情報#0
令和七年四月十六日(水曜日)
    午前八時四十分開議
 出席委員
   委員長 宮崎 政久君
   理事 小泉進次郎君 理事 新谷 正義君
   理事 山下 貴司君 理事 荒井  優君
   理事 山岡 達丸君 理事 山崎  誠君
   理事 斉木 武志君 理事 丹野みどり君
      岩田 和親君    鬼木  誠君
      小池 正昭君    坂本竜太郎君
      島田 智明君    鈴木 英敬君
      関  芳弘君    土田  慎君
      西村 康稔君    細野 豪志君
      松本 洋平君    宮内 秀樹君
      向山  淳君    森下 千里君
      東  克哉君    梅谷  守君
      大島  敦君    岡田 克也君
      落合 貴之君    小山 展弘君
      鈴木 岳幸君    田嶋  要君
      福森和歌子君    森山 浩行君
      吉田はるみ君    東   徹君
      村上 智信君    岡野 純子君
      平岩 征樹君    福重 隆浩君
      山口 良治君    佐原 若子君
      辰巳孝太郎君    吉良 州司君
    …………………………………
   経済産業大臣       武藤 容治君
   国務大臣         伊東 良孝君
   財務副大臣        斎藤 洋明君
   国土交通副大臣      高橋 克法君
   経済産業大臣政務官    加藤 明良君
   政府特別補佐人
   (公正取引委員会委員長) 古谷 一之君
   政府参考人
   (公正取引委員会事務総局官房デジタル・国際総括審議官)          佐久間正哉君
   政府参考人
   (公正取引委員会事務総局官房政策立案総括審議官) 品川  武君
   政府参考人
   (公正取引委員会事務総局官房審議官)       向井 康二君
   政府参考人
   (公正取引委員会事務総局審査局長)        大胡  勝君
   政府参考人
   (国税庁長官官房審議官) 斎須 朋之君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       巽  慎一君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房長) 片岡宏一郎君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房商務・サービス審議官)    南   亮君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           浦田 秀行君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           田中 一成君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           浦上健一朗君
   政府参考人
   (経済産業省イノベーション・環境局長)      菊川 人吾君
   政府参考人
   (経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官)         江澤 正名君
   政府参考人
   (経済産業省商務情報政策局首席国際博覧会統括調整官)           茂木  正君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官)         木原 晋一君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        和久田 肇君
   政府参考人
   (中小企業庁長官)    山下 隆一君
   政府参考人
   (中小企業庁事業環境部長)            山本 和徳君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房審議官)           堤  洋介君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房審議官)           木村  大君
   政府参考人
   (国土交通省航空局航空ネットワーク部長)     秋田 未樹君
   経済産業委員会専門員   花島 克臣君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十六日
 辞任         補欠選任
  坂本竜太郎君     森下 千里君
  鈴木 英敬君     土田  慎君
  落合 貴之君     森山 浩行君
  吉田はるみ君     梅谷  守君
同日
 辞任         補欠選任
  土田  慎君     鈴木 英敬君
  森下 千里君     坂本竜太郎君
  梅谷  守君     吉田はるみ君
  森山 浩行君     落合 貴之君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案(内閣提出第四八号)
     ――――◇―――――
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宮崎政久#1
○宮崎委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、経済産業省大臣官房長片岡宏一郎君外二十名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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宮崎政久#2
○宮崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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宮崎政久#3
○宮崎委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。大島敦君。
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大島敦#4
○大島委員 大島です。
 今日も質問をさせてください。
 まず、五十四年前のニクソン・ショック、八月十五日、そのときのニクソンの演説の中にこういう文案がある。
 他国は、他国というのはヨーロッパとアジア、戦後、アメリカの資金供与によって、工業国は経済が壊滅状態にありましたが、彼らは復興し、その自由を維持できるように、合衆国は二十五年間に一千四百三十億ドルもの対外援助を提供してきたのですと書いてあって、この他国、ヨーロッパとアジアが経済的に力をつけた今こそ、各地で自由を守るための負担をそれぞれが平等に負担する時期に来ましたと。
 トランプ大統領が言っている内容と同じで、このときに、テレビ、ラジオを通しての国民に向けた演説の中で、一〇%の輸入課徴金を導入している。その二年後に変動相場制に移行して、金融資本主義になって今に至っていて、五十四年ぶりの大きな変化だと思っているんです。ですから、トランプ氏が言っている製造業回帰ということは、多分、この金融資本主義に対して一定の理解があるのかなという見方もできるのかなとは思っていまして。
 私がずっと価格転嫁の問題を強く訴えて、この委員会でも大島が作ろうとしている法案、取引価格適正統括者を大企業、大きな企業の役員として位置づけて下請構造をしっかりと把握するということは、実は私たちの社会はまだ分断はされていないと思っています。何ゆえに中間層が必要かというと、極端な意見を中間層が包摂するからこそ中間層が必要だと思っています。
 ですから、五十四年前のニクソン・ショック、そして変動相場制、金融資本主義で、二〇〇八年のリーマン・ショックのとき、多分、当時は恐らく、私がある識者の方から伺ったのは、世界のGDPの十倍を超えたマネーが流通しているという話を聞いて、一旦世界は反省したとは思ったんですけれども、その後続いて今に至っていると思うので、是非、この下請価格の転嫁問題はしっかり取り組んでほしいと思っています。
 特に、今回、三月までに、連合を始め大企業の賃金交渉は極めてうまくいって、サラリーマンにとっては物価高に見合った、あるいは超えた賃金アップは確保できたと思います。
 ただ、今後の局面の、大手から下請に対する価格交渉は厳しくなると想定しているんです。やはり、局面が変わりましたので、大手も含めてこれからは経営が結構厳しくなることが想定されるので、下請に対しても、その代金については、こういう状況だから、なかなか下請価格への転嫁、特に賃金を含めた転嫁が難しくなる局面だと思っています。
 したがって、経済産業省及び政府の役割は大きいと考えておりまして、その点について、まず大臣の御所見をお伺いをさせてください。
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武藤容治#5
○武藤国務大臣 おはようございます。
 今、中小企業と大企業の格差の視点で価格転嫁の御質問をいただいたと思います。
 我々、価格転嫁対策の目的というのは、我が国の雇用の約七割を支える中小・小規模事業者が、コスト上昇分を売上げに適切に反映をして収益を上げ、そして成長への投資だとか賃上げの原資をしっかり確保していただくことであると認識をしているところであります。
 価格転嫁が進まなければ大企業から部品等を受注する中小企業に適正な利益が行き渡らない、そして賃上げを阻害してしまう、まさに、委員おっしゃられるように、賃金格差の拡大につながることも懸念をされるところであると思います。
 また、足下では、米国の関税措置、これが価格転嫁の取組に影響を与えないことが重要であると思っております。自動車業界と産業機械業界のトップに対して私から直接要請を行い、約千七百の事業者団体に対しても事業所管の大臣の配慮要請を行っているところです。
 委員がおっしゃられるように、まさに、ここ数年、賃金アップということが、今までの勾配からすると急激に上がってきているというのも、これも現実なんですけれども、中小企業の経営者にしてみれば、これからの予見性が極めて難しいということになれば、当然ですけれども、賃上げの抑制につながる意識が働くと思いますし、そういう意味では、しっかりと賃上げができるように、公正取引委員会を始め各省と緊密に連携をしながら、価格転嫁を今こそ一層やっていかなきゃいけないという認識をしているところです。
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大島敦#6
○大島委員 大臣、御答弁ありがとうございます。
 私は、製造業は、大統領任期が四年間だとすれば、今後、工場閉鎖だけは避けたいと思っている。生産現場は、一度でも工場を閉鎖すると、それまで積み上げてきたあらゆる蓄積が消滅してしまいます。
 例えば、NCマシンなどを微調整しながら築き上げてきた工作機械の精度、機械を扱う従業員の熟練度、従業員が取得した資格、元請からの品質認証、ISOなど工場への各種認証、品質を保証するための検査の精度、カイゼンによって積み上げられてきた生産性、労働災害を防止するための安全管理など、日本の付加価値の源泉が私は工場だと思っていまして、一回工場を閉じると再開したり同じものを作ることは難しいと考えています。
 前回も指摘をさせていただきました。今の五人、十人の小さな物づくりの現場、NCマシンは入っています。ただ、減価償却は終わっています。従業員の年齢、NCマシンを動かしている従業員は五十代後半ぐらい、六十を超えています。子供も成人して、ローンも全部返済が終わっているかもしれない。ですから、検査工程にいる小さい部品を何百万個も検査している女性の方も、この間お伺いをしましたら、最低賃金です。ほかに職場がないから。ほかに移ろうとも思わないしというところもあります。
 ですから、今、そういう中での下支えをしているのが日本の中小企業、特に小規模企業であって、ここが崩れると、結構これからボディーブローのように。多分、今のアメリカがそうかもしれない。なかなか、製造業といっても、製造業自身が復活しないのは、そのような、従業員の皆さん、工場がないので、だから、物は言ってもなかなかうまく製造業が盛り上がらない。日本の貢献としては、一番大きな貢献が、米国の製造業の復権を助けるということもあるかなとは考えています。
 今日は法案の審議ですので、あとは法案の行間を埋める確認答弁をお願いしたいと考えておりまして、是非よろしくお願いします。
 それでは、まず、下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案に関し、以下の点について質問します。
 適正価格の推進と価格転嫁による労務費の確保について。
 原材料価格やエネルギーコストのみならず、賃上げ原資の確保も含めて、適切な価格転嫁によりサプライチェーン全体で適正な価格設定を定着させ、物価に負けない賃上げを行うことは、経済の好循環を実現するために不可欠と考えます。
 政府は、令和五年十一月、内閣官房及び公正取引委員会連名で労務費の適正な転嫁のための価格交渉に関する指針を作成し、急激な物価上昇を乗り越え、持続的な構造的賃上げを実現するための原資を確保できる取引環境の整備に取り組んでいることは承知をしております。
 こうした取組が進められる一方、例えば、建設資材を製造する現場では、部材単価や人件費の高騰分を製品価格に転嫁することが課題であるといった声が上がっています。
 このような状況を踏まえると、発注者の地位の優先により、立場の弱い中小受託事業者等が価格高騰に伴う不利益やリスクを一方的に被ることがないよう、独占禁止法に基づいて適切な措置等の実効性のある対策を講じることが必要と考えますが、政府としての見解を伺います。
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向井康二#7
○向井政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおりでございまして、取引上の立場の弱い事業者が物価上昇に負けない賃上げの原資を確保できるようにするため、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させる、そういう取引環境の整備というものが極めて重要でございます。
 そして、政府といたしましては、令和三年十二月でございますが、パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージというものを作りまして、公正取引委員会におきましても、そのパッケージに基づきまして、例えば、特別調査の実施、これは、令和四年、五年、六年ということで大規模な調査をしておりまして、その調査結果に基づきまして、価格転嫁が進んでいない事業者に対して注意喚起文書を送ったり、先ほど御指摘のありました、令和五年十一月にはいわゆる労務費転嫁指針というものを策定し、周知に努めておるということでございます。
 今回の改正法案が成立いたしますと、更に一層の適切な価格転嫁及び取引の適正化につながるというふうに考えてございますので、この改正法のみならず、御指摘の独禁法の優越的地位の濫用、こういうものに違反する行為があれば厳正に対処していきたいと考えてございます。
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大島敦#8
○大島委員 適正契約の推進と必要な価格転嫁を実現するためには、政府が一人当たりの実質賃金や労働分配率といった実態を十分に把握しつつ、中小受託事業者を含めた適正な労務費の確保について発注者の理解を得られるよう、積極的に働きかけることが重要です。
 その上で、本法案の趣旨を周知徹底するとともに、適正な取引環境を整備するための現行のガイドライン改定なども検討すべきと考えますが、政府としてどのようにお考えでしょうか。
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向井康二#9
○向井政府参考人 お答えいたします。
 今回の改正法が成立した場合には、委員御指摘のとおりでございまして、改正法案の趣旨、こういうものを周知徹底を図るということが重要と考えてございます。
 先ほど指摘いたしました労務費転嫁指針、こういうものも改正法とは関係なく周知をするということが極めて重要でございますので、こういうものにつきましては、中小企業庁や事業所管省庁と連携いたしまして、引き続き取り組んでまいりたいと考えてございます。
 そして、御指摘の、独禁法に基づく優越的地位の濫用に関する規制でございます。これにつきましても、今回の改正法に伴いまして見直しをするということを考えてございますので、そのようなガイドラインというものを見直しまして、それに基づきまして、取引適正化の推進、価格転嫁の実現というものを図ってまいる所存でございます。
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大島敦#10
○大島委員 法改正の実効性を担保するに当たっては、ガイドラインの改定に加えて、行政による監視、指導の徹底が必要だと考えます。
 実際の現場では、営業活動の一環として、部材価格や労務費の高騰分を販売価格へ転嫁するための交渉を進めているといった取組がなされている一方、ダンピングや賃上げの妨げとなる不適切な契約を是正する必要も指摘されています。
 先般の建設業法改正においては、附帯決議で、建設Gメンの機能や体制を強化し、関係機関が一丸となって監視や指導を徹底することが明記されていましたが、本法案に基づいても同様の対応をすべきと考えます。政府としての見解をお聞かせください。
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向井康二#11
○向井政府参考人 お答えいたします。
 公正取引委員会におきましては、これまで、定員の緊急増員や、取引適正化担当の官房審議官を令和六年四月に新設するなど、同じく法執行を担う中小企業庁とともに、調査、執行体制の強化に努めてきたところでございます。
 今回の改正法案でございますが、各業界に関して知見を有する事業所管省庁に対しましても、現行の調査権限に加えまして、問題行為につきまして直接指導助言をする権限というものが付与されたということでございます。これによりまして事業所管省庁との連携強化を進めるということでございまして、当委員会、公正取引委員会におきましても、関係当局などとも相談いたしまして必要な体制の確保を図りまして、更なる価格転嫁、取引適正化の推進に取り組んでまいりたいと考えてございます。
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大島敦#12
○大島委員 本法案を施行するに当たって、構造的な価格転嫁を確実に進めるためにも、公正取引委員会や中小企業庁、厚生労働省、国土交通省などの関係機関が連携し、監視、指導を徹底することが必要と考えますが、政府としてはどのように取り組まれるおつもりでしょうか。
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向井康二#13
○向井政府参考人 お答え申し上げます。
 公正取引委員会におきましては、これまでも、この法律の執行を共に担当しております中小企業庁との間で、人事交流や調査担当者同士の定期的な連絡会議などを通じまして、各種情報や調査のノウハウ、そういうものの共有を図ってきたところでございます。
 また、国土交通省との間でございますが、いわゆるトラック・物流Gメンに対しまして、この法律につきまして研修を行うとか、違反のおそれのあるような行為がありますと通報をしていただけるような仕組みを設けるなど、現在連携を強化しているところでございます。
 そして、先ほども御説明いたしましたが、今回の改正法につきましては、関係省庁と連携をしようということでございまして、関係省庁が問題行為に対しまして直接指導助言ができるという権限が付与される、そして関係機関間での相互の情報提供というものが行われるということでございます。
 このようなものも踏まえまして、従来やっております中小企業庁や国交省と行ってきた連携につきまして更に強化する、その他の事業所管省庁にも同様な取組を広げていくということでございます。
 このような連携強化のために、今年の四月からでございますが、公正取引委員会におきまして関係省庁との連携を強化する企画官級の担当官を設置したところでございまして、そういう者も活用いたしまして、関係省庁との連携強化というものを図ってまいる所存でございます。
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大島敦#14
○大島委員 適正契約や価格転嫁を推進するためには、国民全体の理解を醸成することが鍵となると考えます。というのも、こうした取組によって一時的に費用負担が増す場合があるかもしれず、政府が前面に立って国民に対して丁寧に説明することが求められるからです。
 負担増の可能性も含め、適正契約と適正転嫁の意義や必要性について、国民全体の理解を得るため、政府が主体的に広報啓発を行うことが必要だと考えますが、政府としての見解を伺います。
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山本和徳#15
○山本政府参考人 お答えいたします。
 先ほど武藤大臣からも答弁を差し上げたところでございますけれども、価格転嫁、取引適正化対策の目的は、我が国の雇用の約七割を支える中小・小規模事業者が、コスト上昇分を売上げに適切に反映して収益を上げ、成長への投資や賃上げの原資をしっかり確保していただくことであると認識しております。
 この価格転嫁によりまして、消費者の皆様にとっては製品、サービスの価格が上昇し得るところでありますけれども、同時に、価格転嫁分が原資となりまして、中小・小規模事業者におきましても従業員への賃上げを促進することが可能となるものでありまして、こうした流れをつくることは極めて重要であると認識しております。
 価格転嫁、取引適正化は、サプライチェーン全体を強くし、結果的に発注事業者にも裨益するものであります。こうした観点も含めまして、下請法の遵守や適正取引に関する呼びかけを多くの事業者にお届けするよう、価格交渉促進月間の実施や講習会の開催等を通じた周知啓発を、主体的に、今後も積極的に行ってまいる所存でございます。
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大島敦#16
○大島委員 今の質問の中で、費用負担が増す場合というのは、国民の今の局面だと極めて厳しいと思います。
 実は、私の事務所にこれまでなかった問合せがあって、今回の給付はあるのかという問合せがあった。昨日も、駅でレポートを配布しておりましたら、御高齢の御婦人の方から声をかけられて、報道等だと給付金が報道されているんだけれども、これは行われるかどうかという問合せがある。今までなかったんです、こういうことは。
 やはり、ここは相当、今、年金生活者の皆さんを中心に、一人親家庭の皆さんもそうですし、物価高は直撃、生活を本当に厳しくしているなという実感があります。ですから、米の価格が高止まりしているというのは、思い切って、半分の、百万トン放出した方が私はいいのではないかなと考えるところもある。思い切ってやらないと、マーケットは多分このまま推移すると思うので。
 ですから、この物価高対策、中長期的に、下請価格が上がって小さな会社の賃金も上がってくればこの負担ものみ込めるかもしれないけれども、今の局面はここをうまくやっていかないとまずい局面かなと思うので、そこのハンドルは政府として慎重に、まずは中小・小規模企業の価格を転嫁することと、この問題は是非注力しながら丁寧にやってほしいと思います。
 では、続いて。
 本法案に基づく取組は、物価高に苦しむ国民生活を守り、物価上昇を上回る賃上げを実現し、分厚い中間層を再生するために不可欠だと考えております。そのためにも、価格転嫁と賃上げの好循環が生まれるよう、産業界や労働界など、実務の最前線で携わる方々の意見を広く徴収した上で具体的な制度設計を進めることが大切です。
 今後の具体的な制度設計や運用に当たって、産業界や労働界などの実態や要望を十分に踏まえた上で検討すべきと考えますが、政府の方針をお聞かせください。
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伊東良孝#17
○伊東国務大臣 大島議員の質問にお答えします。
 この法律の改正の検討に当たりましては、昨年の七月から公正取引委員会と中小企業庁の共催で有識者検討会を計六回開催をしたところであります。この研究会には、経済団体、中小企業団体、労働者団体、消費者団体、中小企業経営者、弁護士、法学者、経済学者といった幅広い分野の有識者に御参画いただき、取引実態や実務上の支障など、現場の声を踏まえた御意見を多数いただいたところであります。
 さらに、有識者団体の検討と並行いたしまして、計二十八の事業者団体へヒアリングを行ったほか、約五百の事業者団体に対しまして説明会を実施し、検討の方向性についての御意見も伺ったところでございます。
 この改正法案は、これら産業界や労働界の当事者や関係者の現場の声を踏まえたものとなっているところでありまして、委員御指摘のとおり、今後の具体的な制度設計に当たりましても、産業界や労働界などの御意見を十分に踏まえることが必要であると考えているところであります。
 この改正法案が成立した場合には、引き続き、下位法令の整備などの施行準備におきましても関係者から広く御意見を伺うとともに、一定の期間をかけて周知広報活動を行うことが重要である、このように考えているところであります。
 以上でございます。
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大島敦#18
○大島委員 二〇二一年三月に閣議決定された成長戦略実行計画において、五年後の約束手形の利用廃止に向けた取組を促進するとされました。
 先月、全国銀行協会は、手形等の決済システム、電子交換所運用を二〇二六年度末で終えることを決定しており、手形の取扱いを続ける金融機関はほとんどなくなる見通しです。
 手形の利用を廃止することの意義について、政府の考えをお伺いします。
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伊東良孝#19
○伊東国務大臣 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、政府におきましては、約束手形につきまして、令和三年六月に閣議決定をされた成長戦略実行計画におきまして、五年後の利用廃止を目標と定め、産業界や金融業界と連携して、五年後となる令和八年の利用廃止に向けた取組を進めてきたところであります。
 約束手形は、実質的に支払いを繰り延べる効果を持つことに加え、早期に約束手形を現金化する際の割引料が受注者の負担とされることが多くなっているなど、受注者へのしわ寄せが大きい支払い手段となっております。さらに、紙である約束手形を取り扱うことによる紛失のリスクや、管理あるいは取立てに伴うコストも存在をするわけでありまして、約束手形の利用廃止によりこうした受注者の負担が軽減されることで、事業者間の取引が適正に向かっていくものと考えているところであります。
 以上であります。
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大島敦#20
○大島委員 時間が来ましたので、ここで終わりたいと思います。誠にありがとうございました。
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宮崎政久#21
○宮崎委員長 次に、鈴木岳幸君。
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鈴木岳幸#22
○鈴木(岳)委員 立憲民主党の鈴木岳幸でございます。
 では、今回の下請法改正案に関する質疑ということで、お願いをいたします。
 今回のこの下請法、まず改正に至る背景とか経緯ということについてお聞きしたいと思っております。
 地方の経済というのが大変に今疲弊しておりまして、私も静岡県の藤枝市というところでございますけれども、武藤大臣も同じ東海地区の議員でいらっしゃいますけれども、やはり大都市に比べると地方都市というのは相当に厳しい状況でございます。
 私の地元の藤枝市というところ、人口十四万人程度の小さな町でありまして、静岡市に通うベッドタウンでもありますけれども、ほとんどの方は中小零細企業、そして、もちろん大きな企業がある企業城下町とかでもございません。
 私は、地元では藤枝商工会議所という商工会議所に所属しております。私の地元の商工会議所は議員でも特別会員という立場で所属することができるものですから、十一年前に市議会議員に初当選したときから特別会員として入会しておりまして、商工会議所の青年部にも入っておりまして、様々な会員の方とお話しする機会がたくさんございます。
 やはり、中小零細企業の方というのは大手から仕事をもらうこともありますし、そうすると、今回テーマになっている価格転嫁が非常にやりづらい状況がありますし、例えば、それだけでもなくて、仕事をやった後に、支払いの段になってちょっと値切られるなんということも間々あることでありまして、中小零細の経済状況というのはなかなか上向いてこないので、そういう意味では、この下請法の改正というものには大変期待をするところであると多くの方が感じているかと思います。
 今まででも、この下請法というのがあったにもかかわらず、なかなか厳しい状況で、価格転嫁ができてこなかったということがあるので、今回の改正案に至っているということは感じるわけでありますけれども、今回のこの改正案提出に至るまでに、現状、政府側としてはどのような認識を行ってきたか。特に、昨今の取引適正化に関する実態調査ですとか、あるいは中小の下請事業者の皆様からの声をどのように把握してこられたかという点について、まずお聞かせいただければと思います。
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武藤容治#23
○武藤国務大臣 委員の御地元藤枝、私の地元でも、うちは十五万人ぐらいですから、ほぼ同じ。中小企業九九・九%。まさに物づくりの集積地でもありますけれども、委員おっしゃられるように、今、こういう形で、やっと下請法の改正がやれるという形になりました。
 この背景に至っては、下請Gメンというものによって年間一万社を超えるヒアリングに加えまして、毎年二回、三十万社から価格交渉、転嫁できたかなどを調査するとか、また、中小・小規模事業者の取引実態について把握に努めてきているところであります。
 個別の事業者からは、価格交渉にすら応じてもらえない等の声も伺っておりまして、また、価格転嫁率というのも直近の調査ではまだ四九%、まだ道半ばでございます。価格転嫁は本当に厳しいなというのが正直なところですけれども。
 昨年七月から、公正取引委員会と中小企業庁、これが企業取引研究会というものを開催しまして、中小企業経営者、また中小企業団体から直接伺った厳しい取引実態を踏まえて、下請法の改正の検討を進めてきたところです。
 この研究会と並行して、中小企業が所属する団体も含めて計二十八の業界団体へのヒアリングも行い、そうした声を十分に踏まえ、下請法の改正案を提出させていただいたところです。
 今日もこの審議でいろいろと、各委員の先生方から様々な御指摘もあろうかと思います。いずれにしましても、さっき大島先生がおっしゃられたように関税問題もあり、刻々と世の中が変化する中で、何とか皆さんの御指導、御意見をいただきながらこの法律がしっかりできるように、よろしくお願い申し上げたいと思います。
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鈴木岳幸#24
○鈴木(岳)委員 現状認識、非常に厳しいということを把握されているということで、今回の改正案の提出に至ったということでありますけれども、様々に調査して、入り込んで、様々な中小企業の方のお声を聞いていただいているというのは大変ありがたいことかなと感じます。
 今お話の中で出てきました下請Gメンというものが様々に活動されているということでございますけれども、この下請Gメンという方々にはどれほどの権限が付与されて、行使されてきたのか。
 私のイメージでいくと、例えば麻薬Gメンという方がいますよね、麻取というやつですか、あのような方々は捜査権があって逮捕権があって拳銃も持っていいとか、あるいはトラックGメンとか、先ほど大島先生がおっしゃられた建設Gメンとか、Gメンというと物すごい権限があって、悪をばっさばっさと切っていくような、そんなイメージもあって、我々庶民のために役立ってくれるのかなと思うんですが、この下請Gメンというのはどのような権限があるのかという点についてお尋ねいたします。
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山本和徳#25
○山本政府参考人 お答えいたします。
 下請Gメンは、本省と地方局を合わせ約三百三十名体制でありまして、全国の中小企業の取引実態につきまして、先ほど大臣からもございましたが、年間一万件を超えるヒアリングを行っておるところでございます。
 ヒアリングの内容といたしましては、価格交渉や転嫁など価格決定方法や、手形等の支払い条件、型の保管状況など、中小企業の取引適正化に関連する幅広い事項についてこれを行っているところでございます。
 この下請Gメンの調査結果につきましては、例えば自動車や産業機械などの業種別に取りまとめをいたしまして、各業界団体へ問題点等を指摘し、取引適正化に向けた自主行動計画の策定や見直し、その遵守のために活用してきているところでございます。
 また、毎年三月、九月の価格交渉促進月間では、下請Gメンのヒアリングも活用して、価格転嫁の状況の芳しくない発注事業者への指導助言も行ってきているところでございます。
 さらには、公正取引委員会とも連携しまして、このヒアリング結果を下請法の執行強化の側面でも活用しておりまして、こうした連携を一層深めてまいる所存でございます。
 このような下請Gメンが、取引の実態を把握する中で、事業者に対しまして、取引適正化に有益な施策情報を提供するという役割も果たしております。
 下請Gメンにお寄せいただいた貴重な現場情報は、秘密を厳格に管理した上で、個別の発注企業の取引方針の改善から業界全体での取引慣行の改善まで幅広く活用し、日本経済の取引適正化の推進に引き続き役立ててまいる所存であります。
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鈴木岳幸#26
○鈴木(岳)委員 下請Gメンの方は、大変多くの仕事をされて、何万件ものヒアリングを行っているということでございますけれども、ただ、そこで、私が思うところは、指導助言、連携強化ということでございますけれども、もう少し権限を強化して、強力な、捜査権とまでは言いませんけれども、強制的にやらなければならないということまでできるようなものも今後御検討いただいた方がいいんじゃないかと思います。
 もちろん、ほとんどの発注側の経営者の方も発注担当の方も、そういった下請Gメンの方とかが来れば、ある程度、やらなきゃならないという意識にはなると思いますが、やはり海千山千の経営者の中には、面従腹背といいますか、聞いたふりだけして実行しないという方も恐らくはいることはもう容易に予想がつきますので、今後その権限強化ということも是非お考えいただいた方がよろしいんじゃないかということをここでちょっとお願いをさせていただきたいと思います。
 今回の法案は、何といってもやはり価格転嫁を進めなければならないということがメインになってくるかと思うんですが、その中で、先ほど来お話も出ていますパートナーシップ構築宣言のことについてお尋ねをしたいと思います。
 このパートナーシップ構築宣言が、パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージなどというものが政府によって進められてきたということを聞いておりますけれども、この施策パッケージと価格転嫁対策との連動性というのがちゃんとできているのかどうか、又は、パートナーシップ構築宣言によって価格交渉がしやすくなってきたという実績がこれまでどれほどあるのか、あるいは、パートナーシップ構築宣言を発しても価格転嫁に応じていない発注側の企業というのもあるかと思うんですが、その辺りにどのように対応してきたかという点についてお聞かせいただけますでしょうか。
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山本和徳#27
○山本政府参考人 お答えいたします。
 パートナーシップ構築宣言の拡大、実効性強化は、政府全体の価格転嫁対策として令和三年に打ち出されておりますパートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージの重要な取組の一つに位置づけられております。
 このパートナーシップ構築宣言による価格交渉への影響につきましては、中小受託事業者向けのアンケートを行っておりまして、このアンケートにおきまして、取引の相手方、中小受託事業者から見てパートナーシップ構築宣言企業は、価格交渉、価格転嫁、いずれについても、パートナーシップ構築宣言を行っていない企業と比べて優れた対応を行っている傾向があるとの結果が出ておりまして、一定の効果があるものと考えてございます。
 また、パートナーシップ構築宣言は下請振興法の振興基準を遵守することとしておりまして、価格転嫁に係る協議、労務費指針に沿った行動や適切なコスト増加分の全額転嫁等を求めているところでございます。
 宣言企業が下請法の勧告を受けた場合など、宣言を履行していない場合、宣言のポータルサイトへの掲載を取りやめることとしております。この結果、賃上げ促進税制の利用ができなくなるといった効果もついてまいりますけれども、引き続き、こうした宣言の実効性向上に向けて取組を進めてまいる所存であります。
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鈴木岳幸#28
○鈴木(岳)委員 やはりパートナーシップ構築宣言をやってくださる企業はちゃんとその対応も行ってくださる、一定の効果があるということで、その点は非常に安心をします。
 このパートナーシップ構築宣言は、私も地方に住んでおりますけれども、私の地元でも静岡県が県庁を挙げて取り組んでくださっているようでございます。主に、どうも都道府県の方々が熱心に取り組んでいるということを感じるわけでありますけれども、これは国と都道府県がどのように連携してやっているか、あるいは、パートナーシップ構築宣言を宣言しない企業でもちゃんと価格交渉にも応じているというところもあるかと思うんですけれども、それらの企業が宣言を行わない理由というのもあるかもしれないと思うんですけれども、そういったものは把握されておられますでしょうか。
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山本和徳#29
○山本政府参考人 お答えいたします。
 パートナーシップ構築宣言につきましては、経済産業大臣から各地方経済産業局長に対しまして、地方自治体や経済団体に対し宣言拡大に向けた働きかけを行うよう指示をしておるところでございます。これを踏まえまして、各自治体と各地方経済産業局が宣言普及のための会議を共催するなど、地域における更なる宣言の拡大を図ってきているところでございます。
 この結果、各都道府県におきましては、宣言の普及に向けた自治体と経済団体の協定の締結でありますとか宣言企業への自治体補助金による加点措置を講じるなど、地域での宣言拡大に向けた取組が行われまして、今や全ての都道府県において行われておるところでございます。また、今般改正する下請振興法の中でも国、地方公共団体の責務規定を新たに設けること等によりまして、一層の自治体との連携強化を図ってまいる予定としております。
 引き続き、自治体と連携しながら取組を進めてまいります。
 また、パートナーシップ構築宣言につきましては、先週、四月の十一日時点で、既に約六万四千社が宣言を行っていただいております。価格交渉にきちんと向き合う、しかしながら宣言をしておられない企業におきまして、宣言を行わない理由を承知しているかとの御質問でありますけれども、これはつまびらかには把握をしてございませんけれども、価格交渉に真摯に向き合う姿勢であるとすれば、それは振興基準に則したものでございますので、そのような取組は称揚されるべきすばらしいものと考えてございます。
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