法務委員会

2025-04-25 衆議院 全218発言

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会議録情報#0
令和七年四月二十五日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 西村智奈美君
   理事 小泉 龍司君 理事 津島  淳君
   理事 中野 英幸君 理事 鎌田さゆり君
   理事 黒岩 宇洋君 理事 米山 隆一君
   理事 金村 龍那君 理事 円 より子君
      井出 庸生君    上田 英俊君
      鬼木  誠君    上川 陽子君
      神田 潤一君    工藤 彰三君
      河野 太郎君    土田  慎君
      寺田  稔君    平沢 勝栄君
      森  英介君    山本 大地君
      若山 慎司君    有田 芳生君
      篠田奈保子君    柴田 勝之君
      寺田  学君    平岡 秀夫君
      藤原 規眞君    松下 玲子君
      萩原  佳君    藤田 文武君
      小竹  凱君    大森江里子君
      平林  晃君    本村 伸子君
      吉川 里奈君    島田 洋一君
    …………………………………
   法務大臣         鈴木 馨祐君
   法務大臣政務官      神田 潤一君
   外務大臣政務官      生稲 晃子君
   最高裁判所事務総局総務局長            小野寺真也君
   最高裁判所事務総局民事局長            福田千恵子君
   最高裁判所事務総局家庭局長            馬渡 直史君
   政府参考人
   (消費者庁審議官)    尾原 知明君
   政府参考人
   (法務省大臣官房司法法制部長)          松井 信憲君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    竹内  努君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    小山 定明君
   政府参考人
   (外務省大臣官房長)   大鶴 哲也君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 柏原  裕君
   法務委員会専門員     三橋善一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十五日
 辞任         補欠選任
  井出 庸生君     鬼木  誠君
  稲田 朋美君     土田  慎君
  棚橋 泰文君     工藤 彰三君
同日
 辞任         補欠選任
  鬼木  誠君     井出 庸生君
  工藤 彰三君     棚橋 泰文君
  土田  慎君     山本 大地君
同日
 辞任         補欠選任
  山本 大地君     稲田 朋美君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 民事裁判情報の活用の促進に関する法律案(内閣提出第四二号)
     ――――◇―――――
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西
西村智奈美#1
○西村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、民事裁判情報の活用の促進に関する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として消費者庁審議官尾原知明さん、法務省大臣官房司法法制部長松井信憲さん、法務省民事局長竹内努さん、法務省矯正局長小山定明さん、外務省大臣官房長大鶴哲也さん及び外務省大臣官房参事官柏原裕さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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西
西村智奈美#2
○西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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西
西村智奈美#3
○西村委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局総務局長小野寺真也さん、民事局長福田千恵子さん及び家庭局長馬渡直史さんから出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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西
西村智奈美#4
○西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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西
西村智奈美#5
○西村委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。若山慎司さん。
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若山慎司#6
○若山委員 おはようございます。自由民主党の若山慎司でございます。
 本日は、民事裁判情報の活用の促進に関する法律案ということで質問をさせていただきます。
 この民事裁判情報を提供するという意義として、司法の透明性の向上であったり、また、行動規範、紛争解決指針の提示、そして紛争解決を補助するAIの開発基盤整備などということが意義として挙げられていますけれども、これまで年間二十万件ほどあった民事判決のうち利活用されてきたものというのは、私も学生時代、いろいろ文献をあさったりもいたしましたが、出版社等で個別に集めてきて、人手と費用をかけて処理をして世に出てくるというのは、やはり全体の中で数%しかありませんでした。
 そうしたときに、このようなシステムができて網羅的なデータベースができることによって様々な可能性が生まれてくることは、実に歓迎すべきことであると思っております。特に、若い法曹人であったり図書館にこもっている学生にとっては、近く、もう少し楽になるのではないかというようなことも予想されます。
 そうした中で、このシステムを用いて裁判例の統計的、横断的な分析が行われることで、例えば、特定の事件類型における慰謝料の額であったり、また、交通事故の態様ごとに事故の形態の分類分けの中で過失割合なんかの目安についても、判例の積み上げの中でAIによって分析され、出される、そうすると、様々な企業や団体にとって、業務の効率化であったり、また適正化が図られるというようなことが期待されるのではないかと思われます。
 他方で、特定の民事裁判情報を一件だけ取得したいとか、また、交通事案など特定の分野に限って小口に取得したいというようなニーズもあることも事実ではないでしょうか。
 そうしたとき、検討会の有識者ヒアリングでは、システムの構築に一億五千万、年間のランニングコストで四千四百万円程度かかるというようなことも数字としてはお示しされているようですけれども、一件ずつ入手したいというニーズに応えようと思うと、どうしてもやはり単価はかかるんだろうなと思っているときに、いろいろなものを見てきますと、決済システムやいろいろなものにお金がかかる、だから小口はちょっと最初は無理かなというようなお話も検討会でも出ているやに伺っております。
 提供料金としては、指定法人が決まってから定められることとは思いますけれども、小口提供のこういったニーズに対して、今後、長期的な視野に立って、技術的な課題や運用上の課題を踏まえて、法務省として、制度として検討いただけるものかということをまずはお聞きしたいと思います。
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松井信憲#7
○松井政府参考人 お答え申し上げます。
 本制度は、大量の情報を処理する技術を用いて多数の裁判例の横断的分析を行うなど、デジタル社会における新たなニーズに応えるために、指定法人において基幹となる網羅的な民事裁判情報のデータベースを整備、提供し、民事裁判情報の幅広い利用を可能とするものでありまして、基本的に、その一次利用者においては、利用料金を支払ってデータベースの全部を利用するということを想定しております。
 御指摘のようなニーズは有識者検討会においても指摘されましたが、指定法人に対して特定の類型や一件ずつの民事裁判情報の提供を求めることについては、委員御指摘のとおり、そのための検索機能や決済手段等所要のシステムの整備に相応の費用を要すること、また、一件ずつの提供を求められるのは先例性や社会的関心の高い事案に係るものと想定されますが、こうした事案については既に裁判所ウェブサイトにおいて無償で公開されていることなどを踏まえ、まずは、先ほど申し上げた新たなニーズに応えるために本制度を整備することとしたものです。
 御指摘のニーズへの対応は、民事裁判情報のより幅広い利用に向けて有用なものとなり得ると思っておりますが、指定法人のデータベースの運用状況やデジタル技術の進展状況に応じて、将来的に検討されるべき課題であると考えております。
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若山慎司#8
○若山委員 ありがとうございました。
 これからこれが成立をしてシステムとして構築されていく過程の中で、また検討していただける機会があればということを思う次第でございます。
 他方で、今出ました網羅的なビッグデータを構築していくということも、今回、そのビッグデータを使って様々に利活用していこうとしているわけですので、まずはその網羅的なビッグデータをどう構築するのかということが第一義的にはあるんだと思います。
 その中で、今回はまずシステムの構築に、いわゆる電子判決書を対象にして行うということなんだと思いますが、それが成った後ということにはなるのでしょうけれども、紙媒体の判決書、これについてもデータベース化することを、より網羅的なビッグデータをということであれば、将来的にこれも考えていかなければならない課題だと思いますが、いかがでしょうか。
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松井信憲#9
○松井政府参考人 お答え申し上げます。
 本法律案では、既存の紙媒体の判決書については、デジタル化して指定法人のデータベースに収録することとはしておりません。
 より網羅的なデータベースを整備するという観点からは、既存の紙媒体の判決書についてもデジタル化した上でデータベース化することが望ましいとは考えられます。しかし、現在、判決原本の保存期間が五十年とされるなど、対象となる判決書の物量、ひいてはデジタル化の作業に伴う負担が膨大なものとなりまして、また、紙媒体で作成された判決書等の原本とデジタル化した情報の同一性を確認し、情報の正確性を担保する方策を講ずる必要があるなど、様々な課題がございます。
 そこで、まずは、デジタル化された後の民事、行政事件の訴訟手続で作成される電子判決書等を対象として、基幹データベースの円滑な整備及び安定的な運用を図ることとしており、紙媒体の判決書の収録については、費用対効果も含め、将来的に別途検討すべき課題であると認識をしております。
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若山慎司#10
○若山委員 ありがとうございました。
 今、二点、小口のお話と紙媒体のお話を申し上げましたが、たまたま私も、図書議員連盟、国会図書館の関係の議連の活動に事務方としてちょっと関わらせていただいたことが秘書としてございましたけれども、やはり、マイクロフィルムに残していかないといけないということもあって、図書館もデジタル化にはいろいろ苦労を、国立国会図書館も苦労してまいりましたけれども、今の話で、本当に、保存期間が限られておりますので、そうした中で、なかなか容易には成りませんけれども、意識してそういったものも取り組めるようになってくるといいなと願う一人でございます。
 他方で、私は、このデジタル化のデータベースを作っていくことというのは、紛争の予防にも寄与してくれるのではないかと思うところでございます。
 例えば、AIがODR等において活用される、AIで学習した、このデータベースを基にして活用した内容がODR等で活用されることで、適切な紛争解決に資する知見や助言を提供できるようになってきたり、また、紛争の傾向やパターンが明らかになることで、紛争の解決のみならず予防にも寄与するのではないかというのが私の思いでございます。
 例えば、基幹データベースに含まれる名誉毀損に関する大量の裁判例を放り込むことによって学習させたAIをソーシャルメディアのコンテンツモデレーションに活用することによって、名誉毀損に関する紛争を事前に予防できるのではないか。これは、要は、SNSで公開される情報に、これは名誉毀損に該当し、過去の判例にもこういうのがあるなということになった場合に、自動的に排除するような仕組みも可能になるかもしれない。
 また、先ほどちょっと挙げましたけれども、交通事故紛争処理への活用という点では、損保業界も新たな利活用機関というふうに数えられるのかもしれません。
 紛争予防への期待と新たな利活用機関の拡大という点でどのようにお考えになっておられるか、お聞かせいただけますでしょうか。
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松井信憲#11
○松井政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、民事裁判情報は、民間企業、団体にとってもその事業を行う指針となり得る情報であり、指定法人のデータベースについては、様々な企業、団体によって活用される可能性があると考えております。
 この法律案の提出に至る検討の課題においても、例えば、民事司法制度改革推進に関する関係府省庁連絡会議においては、民事裁判情報の活用が国家経済の活性化にもつながり得るものであると指摘されたところです。
 また、有識者検討会においては、委員から、企業が訴訟への対応のみならず訴訟前の紛争への対応を検討する際に、類似の判決情報を容易に入手できるため、企業活動の利便性向上の観点から大いに価値のあるものと評価しているとの意見や、また、法律において示された規範をより具体化することができ、ビジネスの基盤になるとともに、市民生活の安定や発展に関係し、ひいては対外的な日本の信用の向上にもつながるだろうとの意見があったところです。
 法務省としては、指定法人のデータベースが適切に運用され、より多くの主体に利用されるよう努めてまいりたいと考えております。
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若山慎司#12
○若山委員 ありがとうございました。
 ここまで、データベース化されることでのメリットについて、メリットや今後の課題について少しお話ししてまいりましたが、一番やはり大事なところは、データベース化した後のシステムの中で、プライバシーが脅かされるというような事態があってはならないということだと思っております。
 個人情報を含む判決書がデータベース化されることで、訴訟関係者のプライバシーが脅かされたり、差別的な判断に用いられるおそれも高まる。特に、DVやストーカー被害者に、被害に関わる損害賠償請求事案等、当事者を含む訴訟関係者のプライバシー等には格別の配慮を要する案件があろうかと思いますが、そうしたときに徹底した安全管理が求められております。
 個人に関する情報を含む民事裁判情報を提供するための規律は、どのように考えておられるでしょうか。
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松井信憲#13
○松井政府参考人 お答え申し上げます。
 本法律案においては、指定法人の保有する民事裁判情報等の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の安全管理に関する事項を業務規程に定めなければならないものとし、法務大臣による認可の対象とすることで、適切な管理が行われることを担保しております。
 安全管理の具体的な内容については指定法人の業務規程において定められることになりますが、有識者検討会においては、業務マニュアルの整備等の組織的安全管理措置、従業者に対する教育等の人的安全管理措置、端末の盗難防止等の物理的安全管理措置、情報セキュリティー対策等の技術的安全管理措置などを講ずる必要があると指摘されております。
 法務省としては、こうした指摘を踏まえつつ、十分な安全管理措置が講じられるよう、業務規程の認可を適切に行ってまいります。
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若山慎司#14
○若山委員 ありがとうございました。
 実は、いま一問、企業の営業秘密の保護ということについても用意はしておりましたのですけれども、ここについては、多分、今の個人情報の延長線上にもあろうかと思いますけれども、しっかりと取り組んでいただけることであるという前提で、ちょっと質問ではなく、少し私自身が今回のことについて思うところを述べて終わりにしたいと思います。
 AIによるデータ分析というのは、様々な相関関係を明らかにすることでは非常に有意義なことだと思います。しかし、不正確な結果を招くこと、そういうおそれがあることもまた事実だと思います。
 というのは、時代の流れによって、過去の判決に、必ずしも今の社会に過去の判決が追いついていないというようなものもデータ化されるわけですから、そうしたときには、そこに予測の限界というものがあるんだということを十分に留意する必要があるんだと思います。
 司法分野における真のDXの実現という意味では、あくまでこれはスタート地点にすぎず、新制度については、広く国民の理解を得ながら、よりよい制度としていくべく、創設後も制度の在り方については不断の見直しを行っていく必要があると考えます。
 利用しやすい検索システムとともに、法律実務家等にこういったものを提供することで、法的な安定性、公平性、そして一貫性が高まることを期待して、私の質問を終わりとさせていただきます。
 ありがとうございました。
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西
西村智奈美#15
○西村委員長 次に、篠田奈保子さん。
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篠田奈保子#16
○篠田委員 おはようございます。立憲民主党・無所属の篠田奈保子でございます。
 今回の法案は、民事判決をデータベース化し、それを活用するということで、大変意義のある法案だというふうには思っております。
 しかしながら、弁護士として、民事裁判の実務の立場から、若干懸念をする点もございますので、今日は、その点をまず中心に御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、今回の法案に関する資料をいただきました。この統計資料によりますと、令和五年の民事判決、簡裁、地裁、高裁、最高裁の判決の総数が年間約二十五万件と多数に及ぶんですけれども、まず、このような大量の判決を匿名処理、この法案では仮名処理と言っておりますが、を実施するということでございます。どの程度の規模の人員でこのような作業をすることを想定されているのでしょうか。
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松井信憲#17
○松井政府参考人 お答え申し上げます。
 本法律案においては、仮名処理やデータベースの整備、運用について、民間に蓄積された知見や技術を生かして、適正かつ確実に業務が行われるよう、一定の要件を備える民間団体に当該業務を行わせることとしており、業務効率化を図るためのAI技術を積極的に活用するなどして、適正かつ確実に仮名処理を始めとする業務を遂行することが期待されております。
 仮名処理に必要な人員体制については、指定法人において業務の効率化を図るためにどのようなシステムを用いるかなどといった事情によることになりますので、現時点で確定的なお答えをすることは困難ではございます。
 なお、有識者検討会において紹介された実証実験の結果では、AIを利用して仮名処理を行い、出力された結果を人手で二重に確認する方法を前提として、一件当たりの作業時間は平均十数分であり、年間約二十万件の判決の仮名処理を十六人程度の体制で確認、処理できるというふうに言われております。
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篠田奈保子#18
○篠田委員 御説明ありがとうございました。
 そして、先ほど若山委員からも御指摘がありましたけれども、やはり仮名処理、匿名処理をしっかりと徹底していただくことがプライバシー保護の観点から重要だというふうに思います。
 今回、データベースを運用する指定法人は、法務省の承認を得てですが、業務の一部を他の者に委託でき、また、委託を受けた者も、指定法人の同意を得て、業務の一部を更に再委託できるということになっております。
 民事裁判情報は個人のプライバシーの情報の宝庫でございまして、センシティブな内容も多く含まれる関係で、委託、再委託と、このような形になると、より情報漏えいのリスクなどが高まるのではないのかなということが懸念されるんですけれども、その辺のリスクの手当てをする方策としてどのようなものが予定されているか、御説明いただけますか。
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松井信憲#19
○松井政府参考人 お答え申し上げます。
 本法律案においては、指定法人の保有する民事裁判情報等の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の安全管理に関する事項を業務規程の記載事項とし、法務大臣の認可を受けなければならないものとしており、指定法人は、御指摘のとおり、委託先及び再委託先における取扱いも含めて、その安全管理を確保すべき義務を負っております。
 したがって、指定法人が、民事裁判情報管理提供業務の一部を委託し、又は、再委託に同意をするに当たっては、指定法人において、委託先との契約及び再委託に係る同意を通じて、それらの委託先等を適切に監督することにより、情報セキュリティーを確保することが求められます。
 加えて、本法律案では、業務の一部の委託又は再委託に当たり、指定法人が法務大臣の承認を受けなければならないということにしております。
 法務省としては、業務委託が行われることによって、民事裁判情報に係るデータベースの整備、運用を適格性のある法人が行うこととする本法律案の趣旨を損なうことがないよう、情報セキュリティーの適切な確保の観点も含め、承認の可否について適切に判断してまいります。
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篠田奈保子#20
○篠田委員 是非徹底いただきたいというふうに思います。
 あと、民事裁判情報、判決の中には、いじめによる自殺、それからいじめに対する損害賠償事件や、学校などでの子供の事故、子供の虐待事件、性被害に関する損害賠償請求など、未成年の子供や家庭を取り巻く事案も当然含まれてまいります。
 判決の中で詳細に、家庭の事情、子供の生育歴、高度なプライバシーに及ぶ情報が当然含まれてまいります。当事者が特定された場合には、子供や関係者の生活において重大な影響が及びます。
 そこで、仮名処理、匿名処理が大変大事なんですけれども、匿名処理をしたとしても、近時、報道やSNSなど、様々なほかの情報を合わせることによって当事者が特定される、こういったことを何かネット上で得意げにやる方とかということも一部あるようでございますけれども、そういったリスクは消えないと思うんですね。
 特に、私は、小さな町で弁護士をしております。小さな裁判所の支部ですと、そこで管轄される自治体は、一万人だったり数千人だったりするわけです。支部の裁判所の名前だけで判決を見ると、大体ここの、この人の事案なのかというようなことが特定されることも想定されて、都会で、大きな裁判所で、いつも匿名性が保たれて、裁判所に行けば傍聴人がいて、裁判が公開されているということを体感している当事者の方々とはまた違う感覚で、地方では民事裁判の原告や被告になっておられる方々もいらっしゃいます。
 こういった匿名処理を、仮名処理を仮にしても、当事者の特定されるリスクがなかなか消えないというふうには思うんですけれども、これに対してどのような対処が予定されているか、お答えいただけますか。
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松井信憲#21
○松井政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、民事裁判情報には、訴訟関係者の権利利益に特に配慮する必要がある事案も含まれます。
 そのため、本制度においては、法務省令及び業務規程の定めるところに従い、氏名、生年月日その他の特定の個人を識別することができることとなる情報などに仮名処理を行うことに加えて、そもそも、指定法人は、民事訴訟法上の秘匿決定や閲覧等制限決定の対象となった情報については取得しない、また、個別の事情を踏まえた申出を受けて、必要に応じた追加的な仮名処理を行うことによって、事案の性質に応じた訴訟関係者の権利利益に対する配慮を行うこととしております。
 この申出の処理に関する事項は、指定法人の業務規程の必要的記載事項とされた上で法務大臣が認可することになりますが、有識者検討会では、民事裁判情報が利用者に提供される前の段階においても、訴訟関係者等による追加的な仮名処理を求める申出を受け付けることが考えられる、そのために、指定法人が行う第一次的な仮名処理の基準を公開することが考えられるなどと指摘されているところです。
 法務省としては、有識者検討会における議論も参考にしながら、訴訟関係者の権利利益に対する適切な配慮が行われるよう、業務規程の認可等を通じて適切に対応してまいります。
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篠田奈保子#22
○篠田委員 是非よろしくお願いを申し上げます。
 それから、私は、女性の弁護士として、女性の方々の御依頼に応じることが大変多くございまして、DV被害者、それから性犯罪、ストーカーの被害者に係る損害賠償請求などを手がけておりました。
 判示される、判決される内容は、これもまた高度にプライバシーに及ぶ情報が含まれております。仮名処理が仮になされるとしても、被害者としては、自らの判決が、民事裁判情報のデータベースとして、指定法人に管理されて、利用されるということにすら、やはり心理的な嫌悪感ということを生じる方もいらっしゃるのではないのかなというふうに、私の過去の依頼者などを思い出して、そう考えております。それにより、訴訟提起そのものや判決に至ることをちゅうちょするようになったりはしないかとの懸念もございます。
 こういった懸念があることもちょっと念頭に置きつつ、そういったことに対する手当ては何かございますでしょうか。
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松井信憲#23
○松井政府参考人 お答え申し上げます。
 御懸念の点につきましては、有識者検討会においても議論されました。そこでは、御指摘のような事案に係る民事裁判情報についても、同種事案において参考にすべき規範が示されたり、規範への当てはめに際して考慮された重要な事実関係が明らかにされたりするものが少なからずある、これらを活用することで、むしろ同種事案の解決に役立ち、適切な権利の実現に資することになることから、指定法人は、これらの事案を含め、あらゆる事案の民事裁判情報を取得し、データベースに収録する必要があるとされたところです。
 本法律案では、先ほど申し上げたとおり、指定法人による民事裁判情報の取得、管理、提供の各場面において訴訟関係者の権利利益に対する配慮をしておりまして、具体的には、指定法人は、民事訴訟法上の秘匿決定や閲覧等制限決定の対象となった情報を取得しない、保有する民事裁判情報等については、目的外使用を禁止するとともに、漏えい、滅失又は毀損の防止その他の安全管理措置を講じる、利用者への提供に当たっては、氏名、生年月日その他の特定の個人を識別することができることとなる情報等に仮名処理を行う、さらに、個別の事情を踏まえた申出を受けて、必要に応じた追加的な仮名処理を行うこととしております。
 法務省としては、このような制度の意義、内容を適切に周知するなどして、訴訟手続を利用しようとする方々がちゅうちょを覚えることのないように努めてまいりたいと考えております。
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篠田奈保子#24
○篠田委員 御答弁ありがとうございました。
 今も、民事訴訟の関係者に対して、訴訟記録の閲覧制限の制度や住所、氏名の秘匿制度、それから、指定法人が行った仮名処理に対する苦情申立ての制度など、しっかりと活用するというお話がございました。
 実務の立場からすると、閲覧制限とか秘匿決定というのはなかなか裁判所で実はハードルがまだまだ高くて、これをするためには精神科医の診断書を出してくださいとかいって、なかなか精神科にかかることもハードルが高いところで、診断書を出してようやく決定が認められるとかというような実務上のハードルもあるんですが、その辺をしっかりと、ちょっと下げていただくような形になればいいかな、ここは私の意見でございます。
 こういった制度なんですけれども、具体的に、では当事者にどのような方法で周知をするのかということがやはり大事になってくるというふうに思います。ちょっと、この点に関しては裁判所に対して質問通告をしていないので私の意見になりますけれども、民事裁判の判決書が当事者に送達、郵送されるときなどに、あなたのこの民事裁判の判決はそういった民事情報のデータベースに仮名処理をされて掲載をされます、これに関しては様々に、仮名処理に苦情申立て等の制度がありますよみたいな形で、裁判所からそういった注意書きを判決の送達のときに同封いただくとか、そういった工夫を是非裁判所には善処いただきたいというふうに思います。済みません、ここに関しては通告しておりませんので、裁判所の回答は結構でございます。
 この法案に関して最後に、民事裁判情報の提供料金についてはどの程度の額を想定をしているのかということが、やはり実務家にとっては大変気になるところでございます。
 私は、法律事務所で判例を検索するというシステムを自分の法律事務所でも導入しており、今回の法律では二次利用の利用者ということになると思うんですけれども、私の実情をお話ししますと、今うちの法律事務所で利用している検索システムは、月額で五千二百八十円ということでございます。割と低額に抑えて検索システムを使っているんですけれども、何とか現在のこういった利用金額を目安として提供料金を設定いただければ大変助かるなと思います。これが五万円ぐらいになるとちょっとなかなか導入にも厳しいものがあるなと思っているんですが、その辺の二次利用者の利用料金についてはどのようにお考えになっているということになりますでしょうか。
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鈴木馨祐#25
○鈴木国務大臣 私どもとしては、この制度、今、一次利用者、二次利用者というお話がありましたけれども、民間の判例データベース事業者等の一次利用者が、指定法人から提供を受けた民事裁判情報に判例解説あるいは高度な検索機能等を付加した利用性の高いデータベースを整備、提供する。国民等の幅広い利用者ということで申し上げれば、今申し上げた一次利用者の提供する製品、サービスを二次的に利用するということを想定しているところであります。
 この一次利用者が二次利用者に民事裁判情報を提供する料金ということであろうかと思いますけれども、そこについては、民間事業者の事業活動ということで、自由競争に委ねられるということとなろうかと思います。
 そういった意味で、そこに、法務省において、直接その設定に関与するということは適切ではないと思っておりますが、その一方で、一次利用者からの提供料金、これは、指定法人から一次利用者に対する提供料金、その影響も当然受けることになると思いますので、この法律案におきましては、指定法人が一次利用者に民事裁判情報を提供するための料金に関する事項、これについては、業務規程の必要記載事項として、法務大臣が認可をするということとなっております。
 そういった中で、不当に高額な料金設定とならないこと、これは指定法人から一次利用者のところでは担保をしているところでありますので、そういったことを踏まえて、私どもとしましては、そこのところが高額とならないことをもって二次利用の状況についても適切な対応となるように、我々としては期待をしたいと思っております。
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篠田奈保子#26
○篠田委員 是非、今どんな料金体系で二次利用者が利用しているかということをしっかり調査の上、できるだけそれに合わせた適切な料金設定をいただければ大変助かるかなというふうに思います。
 残りの時間で、いわゆる離婚後共同親権制度の施行に向けた準備について御質問させていただきます。
 今、いわゆるQアンドAの解説資料を作成中ということで聞き及んでおります。前回の委員会のときに、いわゆる関係省庁の連絡会議の幹事会の三回の会議が開催されたということをお聞きをいたしました。この関係省庁連絡会議幹事会においてはQアンドAの資料が具体的に提示されて議論されたのかどうか、そこをまずお聞かせいただけますでしょうか。
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竹内努#27
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のQアンドA形式の解説資料でございますが、今月二十二日に開催をされました関係府省庁等連絡会議幹事会の第三回会議においても意見交換等が行われたところでございます。
 QアンドA形式の解説資料は、民法改正法の円滑な施行の観点から、関係府省庁等連絡会議に参加している各府省庁それぞれの所管に係る様々な場面を含む内容となっておりまして、その全体が同会議における検討対象となっております。
 この解説資料でございますが、先日の会議におきまして、たたき台段階のものを資料として配付をしております。
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篠田奈保子#28
○篠田委員 全体を網羅する形でたたき台として検討されたということで、若干前進をしているのかなというふうに安心をいたしました。
 この解説資料なんですけれども、検討会のホームページにアップされる予定ということでよろしいでしょうか。
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竹内努#29
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 QアンドA形式の解説資料でございますが、完成後は速やかに法務省のウェブサイトに掲載する等、適切な方法で周知、広報を行っていく予定というふうにしておりますが、現在はまだたたき台段階のものでございまして、これは関係府省庁等との検討、調整の途上にあるものでありますので、現時点での公表の有無や時期については未定でございます。
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