財政金融委員会

2025-03-24 参議院 全297発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
令和七年三月二十四日(月曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         三宅 伸吾君
    理 事
                白坂 亜紀君
                西田 昌司君
                船橋 利実君
                柴  愼一君
                杉  久武君
    委 員
                大家 敏志君
                櫻井  充君
                野上浩太郎君
                古川 俊治君
                牧野たかお君
                松山 政司君
                宮沢 洋一君
                勝部 賢志君
                熊谷 裕人君
                上田  勇君
                横山 信一君
                浅田  均君
                藤巻 健史君
                上田 清司君
                堂込麻紀子君
                小池  晃君
                大野 泰正君
                神谷 宗幣君
   衆議院議員
       修正案提出者   後藤 茂之君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        加藤 勝信君
   副大臣
       内閣府副大臣   穂坂  泰君
       内閣府副大臣   瀬戸 隆一君
       内閣府副大臣   辻  清人君
       財務副大臣    横山 信一君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        西野 太亮君
       厚生労働大臣政
       務官       吉田 真次君
       経済産業大臣政
       務官       加藤 明良君
       国土交通大臣政
       務官       吉井  章君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村田 和彦君
   政府参考人
       内閣官房行政改
       革推進本部事務
       局次長      山口 最丈君
       人事院事務総局
       審議官      植村 隆生君
       金融庁総合政策
       局長       屋敷 利紀君
       金融庁企画市場
       局長       油布 志行君
       金融庁監督局長  伊藤  豊君
       こども家庭庁長
       官官房審議官   高橋 宏治君
       総務省大臣官房
       審議官      伊藤 正志君
       法務省大臣官房
       審議官      内野 宗揮君
       財務省大臣官房
       総括審議官    寺岡 光博君
       財務省主税局長  青木 孝徳君
       財務省関税局長  高村 泰夫君
       財務省理財局長  窪田  修君
       国税庁次長    小宮 敦史君
       文部科学省大臣
       官房審議官    今井 裕一君
       文部科学省大臣
       官房審議官    奥野  真君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    尾田  進君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    大隈 俊弥君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    榊原  毅君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    武藤 憲真君
       農林水産省大臣
       官房輸出促進審
       議官       高山 成年君
       農林水産省大臣
       官房新事業・食
       品産業部長    小林 大樹君
       経済産業省大臣
       官房審議官    河野 太志君
       経済産業省大臣
       官房審議官    奥家 敏和君
       中小企業庁事業
       環境部長     山本 和徳君
       国土交通省大臣
       官房審議官    横山 征成君
       国土交通省総合
       政策局国際統括
       官補佐官     飯塚 秋成君
   参考人
       株式会社日本政
       策金融公庫代表
       取締役総裁    田中 一穂君
       株式会社国際協
       力銀行代表取締
       役総裁      林  信光君
       日本銀行総裁   植田 和男君
       日本銀行副総裁  内田 眞一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○令和七年度一般会計予算(衆議院送付)、令和七年度特別会計予算(衆議院送付)、令和七年度政府関係機関予算(衆議院送付)について
 (内閣府所管(金融庁)、財務省所管、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行)
○所得税法等の一部を改正する法律案(閣法第一号)(衆議院送付)
    ─────────────
この発言だけを見る →
三宅伸吾#1
○委員長(三宅伸吾君) ただいまから財政金融委員会を開会します。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁総合政策局長屋敷利紀君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
三宅伸吾#2
○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
この発言だけを見る →
三宅伸吾#3
○委員長(三宅伸吾君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に株式会社日本政策金融公庫代表取締役総裁田中一穂君、株式会社国際協力銀行代表取締役総裁林信光君、日本銀行総裁植田和男君及び同副総裁内田眞一君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
三宅伸吾#4
○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
この発言だけを見る →
三宅伸吾#5
○委員長(三宅伸吾君) 去る十八日、予算委員会から、本日一日間、令和七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁、財務省所管、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 審査を委嘱されました予算について政府から説明を聴取いたします。加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣。
この発言だけを見る →
加藤勝信#6
○国務大臣(加藤勝信君) 令和七年度一般会計歳入予算並びに財務省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。
 まず、一般会計歳入予算額は、政府案において、百十五兆五千四百十五億円余となっております。
 この内訳について申し上げますと、租税及び印紙収入は七十八兆四千四百億円、その他収入は八兆四千五百二十五億円余、公債金は二十八兆六千四百九十億円となっております。
 その上で、衆議院における修正において、所得税の収入の六千二百十億円の修正減少、税外収入の二千七百九十二億円余の修正増加、公債金の十九億円余の修正減少により、総額で三千四百三十六億円余の修正減少が行われております。
 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、政府案において、三十兆四千三十億円余となっております。
 このうち主な事項について申し上げますと、国債費は二十八兆二千百七十八億円余、予備費は一兆円となっております。
 その上で、衆議院における修正において、予備費の二千五百億円の修正減少が行われています。
 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。
 国債整理基金特別会計におきましては、歳入歳出いずれも二百二十二兆一千百八十五億円余となっております。
 このほか、地震再保険等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等を御覧いただきたいと存じます。
 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。
 株式会社日本政策金融公庫国民一般向け業務におきましては、収入二千二十億円余、支出一千二百七十九億円余となっております。
 このほか、同公庫の農林水産業者向け業務等の各業務及び株式会社国際協力銀行の収入支出予算につきましては、予算書等を御覧いただきたいと存じます。
 以上、財務省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。
 なお、時間の関係もございまして、既に配付しております資料をもちまして詳しい説明に代えさせていただきますので、記録にとどめていただきますようお願いいたします。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
 引き続きまして、令和七年度における内閣府所管金融庁の歳出予算について御説明申し上げます。
 金融庁の令和七年度における歳出予算額は二百三十八億円余となっております。
 このうち主な事項について申し上げますと、金融庁の一般行政に必要な経費として二百十八億円余、国際会議等に必要な経費として五億円余、金融政策の推進に必要な経費として四億円余となっております。
 以上、内閣府所管金融庁の歳出予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
この発言だけを見る →
三宅伸吾#7
○委員長(三宅伸吾君) 以上で予算の説明の聴取は終わりました。
 なお、財務省関係の予算の説明については、お手元に配付しております詳細な説明書を本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
三宅伸吾#8
○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →
白坂亜紀#9
○白坂亜紀君 おはようございます。自由民主党の白坂亜紀でございます。
 早速ですが、今後の財政健全化に向けた取組姿勢について加藤大臣にお尋ねいたします。
 内閣府が作成をしている中長期の経済財政に関する試算において、昨年七月の試算では国、地方のプライマリーバランスの対GDP比が令和七年度に黒字化する姿が描かれていました。しかし、本年一月の試算では赤字が見込まれております。政府はこれまで財政健全化目標として国、地方のプライマリーバランスを令和六年度に黒字化する目標を掲げてきましたが、現時点では達成が難しくなっている状況です。
 政府は、経済あっての財政という基本的認識に立ちつつ、財政健全化も重要であるとの立場かと思いますが、来月から新年度入りし、令和七年度を迎えようとする中、財政健全化について引き続き国、地方のプライマリーバランスを指標として取り組むこととするのか、それとも新たな目標を立てて取り組むこととするのか、大事な視点となりますので、加藤大臣の御見解をお聞かせください。
この発言だけを見る →
加藤勝信#10
○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のように、内閣府から公表されました中長期試算では、二〇二五年度のプライマリーバランスは黒字化しない見込みが示され、一方で、PB黒字化目標を初めて掲げた二〇〇一年度以降で最も赤字幅が縮小する見通しでもあります。これまでの経済財政運営の成果もあり、着実に財政状況は改善しており、試算結果においては二〇二六年度にPBが黒字化するということとなっております。
 政府としては、早期のPB黒字化の実現に向け、我が国の潜在成長率の引上げに重点を置いた政策運営に取り組むとともに、歳入歳出両面からの取組を継続していくことが重要と考えております。
 また、先般、一月十七日の経済財政諮問会議で、総理から、骨太方針二〇二四で示された経済・財政新生計画の枠組みの下、今年の骨太方針において、早期のPB黒字化実現を含め、今後の財政健全化に向けた取組を示すべく、諮問会議においても検討を進めると指示があったところであります。
 政府としては、今後こうした指示を踏まえ、具体的な検討を進めていきたいと考えております。
この発言だけを見る →
白坂亜紀#11
○白坂亜紀君 ありがとうございます。
 続きまして、今後の法人税の在り方についてお尋ねをします。
 法人税については、設備投資や賃上げの促進、立地競争力の強化を図るため、法人税率を引き下げる改革を行ってまいりました。これにより、我が国の法人税収は企業収益が伸びていることに比較すると穏やかとなっており、法人税の税収力が低下しているとの指摘があります。
 法人税は、平成十年と十一年に三七・五%から三〇%に段階的に引き下げ、平成二十四年には二五・五%に、平成二十七年から三十年にかけても段階的に現行の二三・二%に引き下げられております。
 企業の税負担が軽減されることで設備投資や賃上げなどが積極的に行われていれば法人税改革の効果があったと言えるのですが、現実には、企業の内部留保や現預金が増加していることと比較して設備投資や賃上げの状況は物足りないものとなっております。
 このような状況を踏まえ、与党の税制改正大綱においては、企業が国内投資や賃上げに機動的に取り組むよう、減税措置の実効性を高める観点からも、レベニュー・ニュートラル、税収中立の観点からも、法人税率を引き上げつつターゲットを絞った政策対応を実施するなど、めり張りのある法人税体系の構築が必要であることを指摘されております。
 この指摘について、財務大臣としてはどのように考えていらっしゃるのか、また、今後、法人税をどのように改革していこうと考えていらっしゃるのか、その方向性をお聞かせください。
この発言だけを見る →
加藤勝信#12
○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘いただきましたこの間の法人税の引下げの経緯などを踏まえた上で、令和七年度与党税制改正大綱では、今お話をいただいたように、預貯金等の積み上がりが指摘されつつ、こうした振り返りを踏まえれば、法人税改革は意図した成果を上げてこなかったと言わざるを得ずと評価をされているところであります。その上で、今後の法人税の在り方については、法人税率を引き上げつつターゲットを絞った政策対応を実施するなど、めり張りのある法人税体系を構築していくとされております。
 政府としては、今後の法人税の在り方について、このような与党税制改正で示された認識、考え方、また経済情勢の変化、国際的な動向などを踏まえながら検討していきたいというふうに考えております。
この発言だけを見る →
白坂亜紀#13
○白坂亜紀君 ありがとうございました。
 続きまして、金融・資産運用特区の推進についてお尋ねをいたします。
 政府は、貯蓄から投資への流れを着実なものとし、国民の資産形成を後押しする資産運用立国の政策を推進しております。具体的には、金融経済教育の充実やコーポレートガバナンスの改革の推進、家計金融資産等の運用を担う資産運用業の改革等に取り組んでいると承知しております。資産運用業の改革に当たっては、資産運用業への国内外からの新規参入と競争の促進に向けた取組の一つとして、金融・資産運用特区の創設が重要施策の一つとして位置付けられております。
 金融庁は、対象地域となることを希望する自治体から特区に関する提案募集を実施し、昨年六月に金融・資産運用特区実現パッケージを公表いたしました。パッケージでは、特区として北海道の札幌市、東京都、大阪市、福岡市、この四地域を対象に定め、国内外の金融・資産運用業者の集積、金融・資産運用業者等による地域の成長産業の育成支援、グリーントランスフォーメーション、スタートアップといった成長産業の振興、育成に向けて国、地域で取り組んでいくこととしております。
 金融・資産運用特区については、四つの地域がそれぞれの特徴を生かし、地域間での連携を図っていくことを通じて、我が国全体として魅力的な国際金融センターを実現することが期待されております。各地域の特徴を生かした金融・資産運用特区の推進に向けた金融庁の取組について、加藤大臣にその考えをお伺いいたします。
この発言だけを見る →
加藤勝信#14
○国務大臣(加藤勝信君) 金融庁では、昨年六月、四地域を金融・資産運用特区と指定をし、我が国が魅力的な国際金融センターとなるために、特区に指定された各地域がそれぞれの特徴を生かし、金融・資産運用サービスを集積し、地域の産業、企業の発展につなげていくことが重要と考えております。
 こうした各特区の取組を後押しをするため、今お話をいただきました金融・資産運用特区実現パッケージを昨年六月に公表し、それに沿って、関係省庁と連携しつつ、銀行によるGX関連事業に対する出資規制の緩和など金融面での各種規制改革、商業登記等の開業に関する行政手続の英語化等、ビジネス環境の整備を着実に進めております。
 加えて、今後は、海外資産運用業等の金融・資産運用特区への投資、進出を促す観点から、各自治体と連携し、それぞれの特区や日本市場の魅力の発信など、海外向けの周知、広報にも注力をしていきたいと考えております。
 こうした特区関連の取組を含め、世界に開かれた国際金融センターの実現に向けて、金融庁として引き続きしっかりとした取組を進めていきたいと考えております。
この発言だけを見る →
白坂亜紀#15
○白坂亜紀君 ありがとうございました。
 続きまして、金融犯罪への対応強化についてお伺いをいたします。
 先日の当委員会における熊谷委員の所信質疑でも取り上げられましたが、AI等の進展が金融犯罪に悪用される懸念が高まっており、例えば、AI音声を悪用した不正送金など、実際に生成AIを利用した金融犯罪が生じていると承知しております。
 こうした中、金融庁は、警察庁と連携して、様々な金融犯罪に関して、関係する業界団体への対策強化の要請などに随時取り組んでいるところと承知しております。例えば、SNS等を通じたやり取りで相手を信頼させ、投資等の名目で金銭をだまし取るSNS型投資、ロマンス詐欺が近年急増しているほか、法人口座を悪用した事案が見られるなど、預貯金口座を通じて行われる金融犯罪への対応が急務であることから、昨年八月には、法人口座を含む預貯金口座の不正利用等防止に向けた対策の一層の強化について警察庁と連名で預金取扱金融機関の業界団体に対し要請するなどしているとのことです。
 金融庁が公表している令和七年度予算、機構・定員(案)についてを見ると、安心して投資できる環境を整備し、資産運用立国の実現を図るという観点から、金融犯罪への対応強化等に係る相談体制の強化や周知徹底といった予算を計上しております。
 AI等の進展により金融犯罪が更に高度化する中、こうした対応に予算を計上して対処していくことは重要であると思います。予算を計上する以上は効果的な施策でなければなりませんが、金融犯罪への対応強化等に係る相談体制の強化や周知徹底について具体的にどのような施策を講じるつもりなのか、金融庁の見解をお伺いいたします。
この発言だけを見る →
屋敷利紀#16
○政府参考人(屋敷利紀君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、AIなど科学技術の進展によって金融犯罪の手口が巧妙化しております。
 こうした中、金融庁では、政府が昨年六月に策定した国民を詐欺から守るための総合対策を踏まえて、金融業界と連携しながら金融犯罪を防止するための様々な対策を講じてきたところでございます。また、委員御指摘の金融庁における相談体制を強化するとともに、様々な媒体を用いた官民一体、業界横断的な広報活動によって利用者への周知徹底を図るために必要な経費を令和七年度予算案にも計上しているところでございます。
 金融庁といたしましては、このほかにも金融機関との対話を通じて口座の不正利用防止に係る対策の実効性向上を図るなど、国民が金融犯罪の被害に遭わない環境づくりに向けて引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
白坂亜紀#17
○白坂亜紀君 ありがとうございました。
 続きまして、事業性融資の推進についてお伺いをいたします。
 金融機関においては、担保、保証へ過度に依存することなく、事業の実態や将来性に着目した融資を推進することが求められています。事業性融資の推進に向けては、昨年、ノウハウや顧客基盤などの無形資産を含む事業全体を担保とする企業価値担保権の創設を含む事業性融資推進法案が政府から提出され、当委員会における審査も経て六月に成立をいたしました。企業価値担保権の創設により、不動産等の有形資産に乏しいスタートアップ等の幅広い事業者が融資を受けやすくなることが期待されております。
 金融庁では、来年春頃の制度の施行を目指し、昨年七月発足した事業性融資推進プロジェクトチームを中心に施行に向けた準備を進めていると承知しております。他方で、民間調査会社が昨年十月に公募した企業価値担保権に対する企業の意識調査では、企業価値担保権の企業における認知度は三割弱との結果でした。アンケートの回答からは、取引金融機関から情報をもらえない状態であるなどというような意見が出ております。新しい制度の情報が容易に得られない点を指摘する声も上がっております。
 企業価値担保権に対する事業者側の認知度について、金融庁の現状の評価をお聞かせください。また、事業者が企業価値担保権を資金調達の新たな選択肢の一つとして捉えるようになるためには、制度内容の周知に向けたより積極的な取組が求められると考えますが、金融庁の見解をお伺いいたします。
この発言だけを見る →
伊藤豊#18
○政府参考人(伊藤豊君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘がございました民間調査会社の調査結果につきましては私どもも拝見をしておりまして、私どもといたしましても、事業者の皆様の新しい担保権の認知度はまだまだ高くないという状況にあるというふうに考えておりまして、今後、周知、広報により一層努めていかなければならないものというふうに認識をしております。
 今月の頭からプロモーション動画を配信を始めておりまして、足下、再生回数が三十六万回というふうにカウントをしております。こうしたことを更に進めていきたいと思っておりますほか、リーフレットを作成し、今月末からを予定しておりますけれども、商工会議所などとも連携をして配布をしていくという予定にしております。
 他方で、企業価値担保権を新たな事業性融資の選択肢として浸透させるには、金融機関におけるこの担保権に関する実務的な論点の検討、活用に向けた体制構築なども不可欠であるというふうに考えておりまして、こうしたところを整備いたしませんと事業者の皆様への周知も進まないのではないかというふうに考えております。
 先ほど御紹介ございました金融庁のプロジェクトチームが中心になりまして、関係する業界団体と企業価値担保権の活用が想定される融資事例、与信審査、期中管理の在り方等の実務上のポイントなどについて議論を行っているところでございます。
 企業価値担保権が新たな選択肢の一つとして、事業性融資の選択肢として浸透していくように、引き続き、周知、広報を含め、来年の法律の施行及びその後の利用の普及に向けた環境整備に取り組んでまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
三宅伸吾#19
○委員長(三宅伸吾君) 時間が来ておりますので。
この発言だけを見る →
白坂亜紀#20
○白坂亜紀君 ありがとうございました。
 金融庁が長年取り組んでこられたすばらしい取組だと思いますので、推進をお願いいたします。
 以上で終わります。
この発言だけを見る →
熊谷裕人#21
○熊谷裕人君 立憲民主・社民・無所属の熊谷でございます。
 前回の大臣所信に対する質疑でちょっと積み残した質問がございましたので、そこから最初に質問させていただきたいなというふうに思っております。
 いわゆる政策保有株式のウォッシュが行われているというような報道もありました。それからの脱却に向けて、今金融庁でも様々な取組をされているというふうに私も承知をしております。
 この政策保有株については、企業のガバナンスの低下につながっているんではないかというようなことが常々言われておりまして、その指摘を受けてかどうかというのと、それから、大手の損保会社が保険料調整行為で金融庁の業務改善命令を受けて、これも持ち合いというか、お互いに持っていたものの政策保有株を売却をしようという機運が高まっていて、今その政策保有株を売却をしていこうという状況につながっているんだというふうに私は考えておりますが、一方、この政策保有株を売却をして純資産の方へ形だけ変更している、いわゆる政策保有株のウォッシュが問題視を今されているんではないかなというふうに思っております。この政策保有株式の残高の多い地銀、特に地銀ですけれど、取引の実態は実際変わっていないのに、地元企業との、この政策保有株を持っているものを純資産に移して見かけ上だけ減らしたというような形が往々にして行われているというような報道もございました。
 こういった中で、先ほど言ったように、金融庁の方では開示ルールを厳格化するというような取組を進められているというふうに思っておりますが、これは金融庁や内閣府の政令改正でこれをいろいろと行っているようでございますが、保有目的を変更した株式について、その銘柄だったり株式数だったり、そしてその売却方針等の開示をしなければいけない、そしてその開示は二五年の三月期からだというふうに、有価証券報告書に書かなければいけないというようなルールにしていこうというふうに考えられているのは私も理解をさせていただいております。
 この開示ルールを変更して、今年の三月期から有価証券報告書、適用されていくんですけれど、その記載内容をどれくらいの水準を求めていくのかというところにつきまして、金融庁、金融大臣の見解を求めたいと思っております。よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →
加藤勝信#22
○国務大臣(加藤勝信君) 委員の御指摘の問題意識を踏まえて、有価証券報告書における政策保有株式の開示については、本年一月、開示内容に関するガイドラインを改正し、純投資目的の概念を明確化しました。その上で、内閣府令を改正し、二〇二五年三月期の有価証券報告書から、株式の保有目的を純投資以外から純投資に変更した場合には変更の理由や変更後の売却又は保有の方針等の開示を求めることとしております。
 具体的な記載内容としては、個々の企業の保有実態に応じて投資家との対話に資する適切な情報を開示させると、こういう観点から、例えば保有株式の将来的な売却の方針として保有目的変更後の売却予定時期を明示することを想定しているところでございます。
 こうした対応を通じて、企業が保有する株式に係る開示の質と透明性の向上を図り、引き続き政府保有株式をめぐる課題、この解消に取り組んでいきたいと考えております。
この発言だけを見る →
熊谷裕人#23
○熊谷裕人君 いろいろと開示ルールを厳格化をするということになっていますけれど、やはりこれ見かけだけ純資産の方に移したとしても、なかなかそこの部分が、これは見かけだけなのか本当なのかというところの判断が付かないんではないのかなというふうにちょっと思っておりまして、その点につきまして、報道でもあったいわゆる政策保有株式のウォッシュ、見かけだけというところをしっかりと脱却ができるように金融庁としてもしっかりウォッチをしていただいて、時々に応じて、指導監督と言っていいのかどうか分かりませんが、本当にそれがきちんとした売却に、純資産へ移行していることにつながっているのか見かけだけなのかというところを御指導していただければというふうに思っております。
 なかなか金融機関がその株を、しっかり企業さんの株を持っているということになりますと、金融機関の顔色だけ見て、政策保有株を持っている金融機関の顔色だけ見て企業の政策決定も行われてしまうという懸念はやっぱり払拭できないと思っていますので、しっかりそこのところはウォッチしていただければなというふうに思っております。
 次の質問に移ります。
 やはり、地銀と先ほど言いましたけれど、やっぱり地方の企業にとって地域の金融機関さんとの関係は、やはり、何というんですか、企業を経営していくにとって一番の大きな株主さんになってもらえるということで、企業の安定化ということを含めて、この政策保有株というところにずっとかじが切られていたんではないかなというふうに思っておりまして、その部分で、金融、株式市場からもやっぱりここは企業のガバナンスが利かないんじゃないかというような指摘がずっとされてきていますので、これの縮減計画をしている事例も地銀さんの中では見られております。そして、この政策保有株を私の方はしっかり、ウォッシュされないように純資産に移行してほしいというふうに考えているんですが、逆に言うと、その地銀さんも、企業さんも、いわゆる物言う株主さん、ちょっと株主としてうるさい方に株を持ってもらうということについて、いろいろと経営上負担が増すんじゃないかというような懸念があるという声も聞いております。
 こういった地銀が政策保有株を縮減、持っている量を縮減をしていこうという考え方が地元のその企業さんにとって、そして地域経済にとっていかなる影響が与えられるのかなというふうに思っておりまして、この、何というんでしょう、今まで何となく地域のためにお互いに持っていたものをほかの株主さんに持っていただくということが地域経済に与える影響を考えて、金融庁、金融大臣としては、どのような縮減計画を地銀が立てていくことがその地域の企業さんや地域経済にとって望ましい在り方なのかということで、御見解があればお聞かせいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
加藤勝信#24
○国務大臣(加藤勝信君) これから政策保有株式の売却が進んでいく中で、地域経済の影響について、仮に地域の中核となる企業の株主構成が企業に予測不能な形で大きく変化した場合には、新たな株主の意向により企業の経営方針が急激に変化をし、地域経済にも影響をもたらす可能性、これは考えられるところであります。
 地域銀行が政策保有株式を売却する場合には、一般的には対象企業の理解を得ながら売却が行われておるもの、また、これまでの事例を見ている限りでは、地域経済において不測の影響が生じた事例を承知しているところではございません。
 地域銀行における政策保有株式の縮減計画については、例えば個々の政策保有株式について、地域経済に必要不可欠な企業への再生支援を目的として株式を保有するといった合理的な保有目的の有無を検証した上で、合理的な保有目的が認められない株式の売却に際しては、対象企業の理解も得つつ、流動性の低い上場株式については株価や市場への影響を考慮しながら売却のタイミングなどを検討するといったことが望ましいと考えております。
 大事なことは、地域銀行も含む上場企業が持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けてコーポレートガバナンスの改革を実施していただくことであります。金融庁としても、そうした企業の取組をしっかりと促してまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
熊谷裕人#25
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 ゴールドマン・サックスがちょっと二四年度のこの政策保有株の売却状況というものを調査をしたというのが新聞記事に出ておりまして、それを見ると、政策保有株を持たれている側の企業が、その金融機関、持っている側に働きかけて、自らその、何というんでしょうか、うるさい株主じゃない、自分の企業にとっていいと思われる株主、売り先を見付けたいという金額はここ二三年、二四年はぐんと増えているというような報道もございまして、それは自らの価値を、今大臣答弁いただきましたけど、企業が高めていくためにはいい手段だなというふうに思っております。
 その点をしっかり金融庁の方も、地銀さんのその経営状況ということもありますし、地域経済やっぱり冷え込みをさせてはいけませんし、無用な混乱を地域の企業さんにもたらしてもいけないので、そこはよく対話をしながら、本当に地域が活性化をするような形で新たな株主さんを見付けていただいて、理想とまでは言いませんけれど、きっちりとその企業としてのガバナンスが利くような形を取っていただければなというふうに要望させていただきたいと思います。
 次の質問も地銀の方の関係なんですが、地銀が今まで長期の債券から中期の債券への買換えを今進めているというような話もございまして、金利がやっぱりここのところ上昇をずっと続けている中で、二十年国債の需要不足が目立っているというような報道も見ました。なかなか買手がいないという報道でした。
 二月の十八日に財務省の方で二十年国債の入札を行っておりますけれど、大きな入札不調だったというような報道もありました。平均落札価格と最低落札価格の差がかなり広がってしまったというような報道を見ておりまして、このことによって長い国債の売りのきっかけがなってしまっているんじゃないかというようなふうに報道もされておりまして、それに伴って中期の国債、二十年国債の利回りも二・二%というような利回りに達しているというようなことが事実だというふうに思っております。
 この中長期、中期の国債を買い支えていたのが地銀だったというふうに言われておりますけれど、この地銀の二十年国債からの支えていたのに離れていくという状況がこれからどのような影響になっていくのか。これから様々な国債の金利が上がっていくということが考えられる中で、長期の国債から中期の国債、地銀の方が買換えというかシフトしていった場合にどのような影響が国内の債券市場に影響があるのか、そして国の財政にも影響があることがあるのかどうか、こういった観点から財務省と金融庁のお考えをお聞かせいただければというふうに思っております。
この発言だけを見る →
横山信一#26
○副大臣(横山信一君) 国債には地方銀行のほかにも都市銀行、生命保険会社、年金基金、外国人投資家など様々な投資家がいる中で、地方銀行が特定の投資行動を取った場合の債券市場、ひいては財政の影響について一概に申し上げることは難しいと考えております。
 その上で、一般論としては、投資家の需要変化を踏まえて国債の発行年限を短期化した場合、当初の金利負担が抑えられる一方、借換え時の金利変動リスクが高まると考えられます。
 いずれにしても、財務省としては、市場の状況や投資家の動向等を注視しつつ、市場参加者との丁寧な対話を行いながら安定的な国債発行に努めてまいります。
この発言だけを見る →
屋敷利紀#27
○政府参考人(屋敷利紀君) お答えいたします。
 副大臣が今御答弁されましたとおり、国内債券の金利や価格につきましては、地銀以外の市場参加者の動向や内外の経済情勢など様々な要因によって市場で形成されるものでございますので、地銀の投資行動の影響のみを一概に申し上げることは困難ではございますが、一般論として申し上げますと、市場参加者の債券需要の変化は金利や価格の形成に影響を与えるものと考えられます。
 いずれにいたしましても、金融庁におきましては、引き続き金融市場の動向や金融機関の投資行動を注視してまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
熊谷裕人#28
○熊谷裕人君 御答弁ありがとうございます。
 長期の国債は、やはり生命保険会社とかそういうところが主戦場として今まで買ってもらっていて、中期のところから主戦場にしていた地銀が短期の方へ流れていくということになると、短期、中期、長期というところでバランスを取っていたものが崩れてくるのかなというふうに思っております。
 そういったところをしっかりと金融庁としても見ながら、国債の金利が上がるということが、やっぱりこれだけ国債発行している我が国の財政にはかなりの影響があるんではないかなというふうに思っておりますし、その国債を大量保有してもらっている日銀にも影響があるんではないかなというふうに思っていますので、ここの国債の金利動向というものにはしっかりと我々も注視をしていきますし、財務省、金融庁の方でも動向を注意をしていただいて、その時々に応じたやはり政策を打っていただきたいなというふうに思っております。
 それから、地域の金融機関から今都市部に預金がシフトしているんではないか、流れてしまっているんではないかというような指摘もあります。やはり、メガバンクの方へ預金も集まって都市に集中するというようなことが地域経済の冷え込みだったり地域の活性化というところに影を落としているんではないかなというふうに思っておりまして、金融庁として、地銀さん、地域の金融機関の経営プランをこれから見ていこうという、経営プランについての聞き取りを進めていくというようなことも承知をしておりますけれど、この地域から都市部への預金の流出について、このリスクの高まり、これは人口減少というか地域から都市部への人口流入というところもあろうかと思いますけれど、この聞き取りを始めた、経営プランの聞き取りを始めたその経緯と意図について、金融庁の見解をお聞かせいただければと思います。
この発言だけを見る →
伊藤豊#29
○政府参考人(伊藤豊君) 地域金融機関の経営プランといいますか経営の方針につきましては、私ども不断に聞き取り若しくはその検査などを通じて把握をしようと努めているところでございます。
 ただいま委員御指摘の預金、個人預金につきましては、これも委員御指摘のとおり、中長期的に見ますと、地域、地方から都市圏に、例えば相続の際に、今まで地方銀行にあった預金が、都会の相続をした方の預金口座、都市圏にあったりするとそちらの方に移動してしまうというようなことですとか、若しくは高齢化の比率が都市圏と地方圏では違っていて、これがその預金の減少に影響を及ぼしているですとか、いろいろな懸念点がございまして、こうした点につきましては、私どもとしても注視をしているところでございます。
 こうした点を踏まえまして、先ほどの経営プランの点でございますけれども、地銀にはこうした預金動向、それから将来見通しについてはしっかりと設計、予測をしてプランを立てるということですとか、例えば仮に徐々に預金が減少するという予想があった場合であっても、収益性、流動性を確保できる経営戦略を検討するべき、また預金、貸出し、市場運用の一体的なリスク管理をするべしというような点について対話を進めているところでございまして、引き続きこうした観点からモニタリングを進めていきたいと考えております。
この発言だけを見る →
← 戻る