国民生活・経済及び地方に関する調査会
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会
会議録情報#0
令和七年二月五日(水曜日)
午後一時開会
─────────────
委員氏名
会 長 福山 哲郎君
理 事 清水 真人君
理 事 田中 昌史君
理 事 長峯 誠君
理 事 古賀 千景君
理 事 河野 義博君
理 事 中条きよし君
理 事 伊藤 孝恵君
理 事 山添 拓君
今井絵理子君
白坂 亜紀君
堂故 茂君
友納 理緒君
長谷川英晴君
星 北斗君
山本 啓介君
山本佐知子君
若林 洋平君
三上 えり君
森屋 隆君
竹内 真二君
三浦 信祐君
高木かおり君
大島九州男君
木村 英子君
─────────────
委員の異動
二月四日
辞任 補欠選任
三浦 信祐君 伊藤 孝江君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 福山 哲郎君
理 事
清水 真人君
田中 昌史君
長峯 誠君
古賀 千景君
河野 義博君
中条きよし君
伊藤 孝恵君
山添 拓君
委 員
今井絵理子君
白坂 亜紀君
堂故 茂君
友納 理緒君
長谷川英晴君
星 北斗君
山本 啓介君
山本佐知子君
若林 洋平君
三上 えり君
森屋 隆君
伊藤 孝江君
竹内 真二君
高木かおり君
大島九州男君
木村 英子君
事務局側
第二特別調査室
長 高嶋 久志君
参考人
独立行政法人労
働政策研究・研
修機構主任研究
員 高見 具広君
東京大学社会科
学研究所教授 近藤 絢子君
早稲田大学名誉
教授 浅倉むつ子君
─────────────
本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国民生活・経済及び地方に関する調査
(「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」のうち、社会経済、地方及び国民生活における希望の実現(希望が持てる雇用・労働環境の整備)について)
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この発言だけを見る →午後一時開会
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委員氏名
会 長 福山 哲郎君
理 事 清水 真人君
理 事 田中 昌史君
理 事 長峯 誠君
理 事 古賀 千景君
理 事 河野 義博君
理 事 中条きよし君
理 事 伊藤 孝恵君
理 事 山添 拓君
今井絵理子君
白坂 亜紀君
堂故 茂君
友納 理緒君
長谷川英晴君
星 北斗君
山本 啓介君
山本佐知子君
若林 洋平君
三上 えり君
森屋 隆君
竹内 真二君
三浦 信祐君
高木かおり君
大島九州男君
木村 英子君
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委員の異動
二月四日
辞任 補欠選任
三浦 信祐君 伊藤 孝江君
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出席者は左のとおり。
会 長 福山 哲郎君
理 事
清水 真人君
田中 昌史君
長峯 誠君
古賀 千景君
河野 義博君
中条きよし君
伊藤 孝恵君
山添 拓君
委 員
今井絵理子君
白坂 亜紀君
堂故 茂君
友納 理緒君
長谷川英晴君
星 北斗君
山本 啓介君
山本佐知子君
若林 洋平君
三上 えり君
森屋 隆君
伊藤 孝江君
竹内 真二君
高木かおり君
大島九州男君
木村 英子君
事務局側
第二特別調査室
長 高嶋 久志君
参考人
独立行政法人労
働政策研究・研
修機構主任研究
員 高見 具広君
東京大学社会科
学研究所教授 近藤 絢子君
早稲田大学名誉
教授 浅倉むつ子君
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本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国民生活・経済及び地方に関する調査
(「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」のうち、社会経済、地方及び国民生活における希望の実現(希望が持てる雇用・労働環境の整備)について)
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福
福山哲郎#1
○会長(福山哲郎君) ただいまから国民生活・経済及び地方に関する調査会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、三浦信祐君が委員を辞任され、その補欠として伊藤孝江君が選任されました。
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この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、三浦信祐君が委員を辞任され、その補欠として伊藤孝江君が選任されました。
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福
福山哲郎#2
○会長(福山哲郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
国民生活・経済及び地方に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →国民生活・経済及び地方に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
福
福山哲郎#3
○会長(福山哲郎君) 御異議ないと認めます。
なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
福
福
福山哲郎#5
○会長(福山哲郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
国民生活・経済及び地方に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →国民生活・経済及び地方に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
福
福
福山哲郎#7
○会長(福山哲郎君) 国民生活・経済及び地方に関する調査を議題といたします。
本日は、「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」のうち、「社会経済、地方及び国民生活における希望の実現」に関し、「希望が持てる雇用・労働環境の整備」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
御出席をいただいております参考人は、独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員高見具広君、東京大学社会科学研究所教授近藤絢子君及び早稲田大学名誉教授浅倉むつ子君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、高見参考人、近藤参考人、浅倉参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず高見参考人からお願いいたします。高見参考人。
この発言だけを見る →本日は、「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」のうち、「社会経済、地方及び国民生活における希望の実現」に関し、「希望が持てる雇用・労働環境の整備」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
御出席をいただいております参考人は、独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員高見具広君、東京大学社会科学研究所教授近藤絢子君及び早稲田大学名誉教授浅倉むつ子君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、高見参考人、近藤参考人、浅倉参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず高見参考人からお願いいたします。高見参考人。
高
高見具広#8
○参考人(高見具広君) 独立行政法人労働政策研究・研修機構の高見と申します。
本日は、意見陳述の機会をいただき、誠にありがとうございます。
お配りした資料に沿って御説明いたします。
早速二ページ目を御覧ください。
御承知のところと存じますが、働き方改革関連法が二〇一八年に成立し、二〇一九年四月より施行されております。同法によって労働時間関連の法政策は大きく変化しました。
一番のポイントは時間外労働の上限規制です。二〇二四年には、建設事業、自動車運転業務、医師といった適用猶予事業、業務にも上限規制が適用されました。
長時間労働是正などの働き方改革が求められる社会的背景については様々ございます。
まずは、後ほどお示ししますが、過労死等の労災認定事案が今日でも多くを数えております。過重労働の是正が喫緊の課題です。
また、少子高齢化などを背景に生産年齢人口は減少しております。人手不足の中で多様な人材が活躍できるよう、働き方を見直す必要があります。
関連して、この少子化を食い止めるためにも、家庭生活の時間を確保することが重要です。仕事と生活の両立、ワーク・ライフ・バランスのために働き方を見直すことが必要です。
さらには、日本は諸外国に比べてホワイトカラーの生産性が低いと言われてきました。その背景として長時間労働が指摘されてきました。こうしたことも残業削減などの働き方改革が求められるゆえんとなっております。
では、労働時間は近年どのような状況にあるのでしょうか。
三ページ目を御覧ください。
公的統計を基に平均年間労働時間を見ますと、まず、長期的な減少傾向が目に付きます。近年の労働時間についても減少傾向にあることが確認されます。この間、企業において残業削減が進んできたところがあると考えられます。
ただ、急いで付け加えたいことは、平均労働時間の長期的な減少傾向には短時間労働のパートタイムの増加等も関係します。必ずしも正社員の労働時間が減ったことを意味するわけではありません。また、近年の労働時間の減少には、二〇二〇年以降のコロナ禍の影響も排除できません。実際、統計を見ますと、労働時間長い労働者は一定程度残存しております。長時間労働は依然として重大な問題と考えます。
本日の発表の前半では、仕事と生活の両立、特に、生活といっても、命、健康に関わる長時間労働、過重労働の問題にフォーカスを当てます。その上で、本日後半に申し上げたいことは、家庭生活や余暇を含め、仕事と生活の両立を実現するためには労働時間の長さだけに目を奪われては足りないということです。具体的には、就業時間帯や通勤時間など、様々な観点から今日の働き方の課題を洗い出すことが重要と考えます。後ほど改めて御説明いたします。
では、四ページを御覧ください。
まず、前半のテーマとして、過重労働の状況、課題について御説明いたします。
過労死等、脳・心臓疾患、精神障害の労災認定件数は、近年も多くを数えております。特に、精神障害の労災請求、認定件数は増加が著しいことが示されています。
この労災認定基準というのは、近年改正を重ねております。例えば、脳・心臓疾患の労災認定基準においては、時間外労働に加えて、拘束時間や休日のない連続勤務、不規則な勤務、交代制勤務、深夜勤務、勤務間インターバルといった勤務状況など、負荷要因を総合的に評価するということが明確化されました。精神障害の労災認定基準では、パワーハラスメントやカスタマーハラスメントなどが心理的負荷を伴う出来事として負荷評価されるようになりました。
労災認定された事案の状況は様々です。事案の示す過重労働の状況をよく踏まえて過重労働の防止策を考案することが重要と考えます。この点、私が行ってまいりました過労死等の労災認定事案の研究を基に事案状況を少しお示しします。
五ページにお進みください。
長時間労働が関わる過労死等の事案について勤務状況を分析しました。事案では、頻繁な深夜労働、連続勤務、勤務間インターバルが短いといった休憩時間や休息時間や休日が取れない過酷な労働状況が確認されました。
こうした長時間労働の背景は、業務負荷が関係します。例えば、人手不足や繁忙期に伴って膨大な業務量が課されていたケースがありました。そのほか、小売や飲食店といった業態的に長い労働時間や顧客都合によるタイトなスケジュールで休めなかった事案、専門性、個別性の高い業務特性のため一人で抱え込んでしまった事案、あるいは店長といった業務責任者のため休めなかったケースなどが確認されました。
こうした事案では、業務負担の重さに加えて事業場における労働時間管理の問題もありました。例えば、自己申告制といった形を取る中で労働時間の把握が不十分な事案があります。その一形態として、過少申告の慣行があった事案もあります。また、管理職や店長、専門職の、専門性の高い業務において労働実態の把握がおろそかであったというケースもあります。また、出勤簿の押印によって出勤有無の確認しか行われていなかったような事案も労働時間の把握が不十分と言えると思います。さらには、タイムカードなどで客観的に始業・終業時刻の把握がされていた事案も含めて、打刻なしの残業とか申請のない休日出勤、あるいは持ち帰り残業といった形で、事業場が十分把握しない形で過重労働に陥っていたケースもありました。
こうした過重労働をいかになくしていくか、そういう方策が今問われていると考えます。
次、六ページにお進みください。
ここで、過労死等の事案から離れまして、残業削減などを目的として現在企業で行われている働き方改革の状況、課題を見てまいりましょう。
二〇二〇年にフルタイム労働者を対象に行ったアンケート調査を基にすれば、労働時間関連の取組として企業が多く行っているものは、ノー残業デー、あるいは年次有給休暇、年休ですね、の取得促進であります。ほかにも、長時間労働の者に注意を促すですとか、声を掛けて退勤を促すなどの取組も見られました。こうした労働時間管理の取組と並行して、業務遂行の方法の見直しというのも行われております。例えば、ペーパーワークの削減、会議の見直し、テレワーク、業務配分のむらをなくす、進捗管理や情報共有などの取組が行われています。
このように、近年、企業においては労働時間管理や業務遂行方法の見直しが行われています。
反面、残業削減の取組を進める中で、職場管理の課題も見えてきております。
七ページを御覧ください。
企業の部長、課長級の管理職者にヒアリング調査を行いました。その結果から幾つかの事例を御紹介します。
一番のポイントとしまして、管理職の負荷の増大が課題になっております。課長、部長相当の管理職はプレーイングマネジャーである場合が多いのが背景にあります。プレーイングマネジャーとは、部門の業務管理、部下管理といったマネジメント業務をこなしながら、同時に自分も顧客を持っているなどのプレーヤーであるという状態をいいます。
こうしたプレーイングマネジャーである管理職において、残業削減、会社の取組が負荷の増大になっている場合があります。負荷の一つは、時間管理が厳格化することに伴って部下管理の負担が増えるということがあります。もう一つは、部下の一般社員の残業時間に制限が課された中で、その上司である管理職が言わば仕事を肩代わりしているということによって負担が生じているということがあります。そのほか、職場では、人材育成の時間が取れなくなっている例や、持ち帰り残業として残業の実態が見えなくなっているという例などが聞かれます。
ここで申し上げたいのは、働き方改革という政策の方向性に問題があるというものではありません。そうではなくて、こうした事例ではその運用に大きな問題があります。働き方改革の基本は、社員誰もが働きやすい環境をつくって生産性を高めることだったはずです。その原点に立ち返って職場の課題を克服する必要があるというふうに考えます。
次に、八ページを御覧ください。
ここから後半の話題に移ります。少し話題が変わります。本日の後半では、家庭生活や余暇を含めた仕事と生活の両立の実現の観点から、長時間労働に限らず今日の働き方にどのような課題があるのかというのを考えてまいります。
表は、有業者の平日の生活時間配分を男女別に示したものです。日本は、仕事や家事が忙しくて余暇の時間が極めて短いというふうに言われてきました。社会生活基本調査という国の生活時間統計を見ますと、男女差が大きいことが示されています。つまり、男性では仕事、女性では家事や育児といった時間が長いということが分かります。
国際比較に基づいても、日本は、男性では仕事の時間、女性では家事関連の時間が長いということ、またフルタイム雇用者の余暇時間が短いということが指摘されます。生活時間配分から見て、日本は時間的ゆとりが課題があるということが言えると思います。
ここで、仕事と生活の両立というのを阻害するものは長時間労働だけではありません。
次の九ページを御覧ください。
生活時間の阻害を考えるに当たっては、まず、就業時間帯が重要です。例えば、夕方以降まで仕事に時間が掛かりますと、家族と一緒に夕飯を食べれる機会が減ります。また、子育てを考えてみますと、食事、お風呂、寝かし付けといった、それに適した時間があります。帰宅時刻がそれにマッチしなければ、当然のことながら、家事、育児参加が大きく制約されるということになります。
ここで、就業時間帯というのは職業によって異なる部分があります。例えば、二十二時から五時といった深夜勤務ですね、深夜勤務が多いのは、この図の六を見ますと、警備、保安、配送、輸送、機械運転、こういうふうな職業に偏っているというところがあります。
これに対して、十八時から二十二時と、夕方以降の勤務というものを見ますと、もう少し幅広い職業にあるということが分かります。具体的には、管理職ですね、管理的職業ですとか、販売職ですとか専門職などにも頻繁にあるということが示されています。これは、残業が日常的にあるということを考えれば、決して不思議なことではありません。当たり前のように残業があるわけですけれども、このように夕方以降に残業があれば、当然帰宅時刻が遅くなります。
日本の正社員の帰宅時刻を見ますと、男性が十九時台半ば、女性も十九時近くになります。これは、欧米諸国に比べて遅いということが知られています。この仕事と生活の両立と、生活時間の確保に当たって、時間帯はやっぱり無視できないポイントというふうに考えます。
ここで、日本の帰宅時刻の遅さには通勤時間の長さというのも大いに関わります。
十ページを御覧ください。
通勤時間は、言うまでもなく、地域差が大きな現象です。端的に述べるならば、長時間通勤の問題は東京圏などの大都市部の問題と言うことができます。そして、通勤時間が長いと、当然、生活時間、休息時間を制約してきます。
ここでは、ちょっと分かりにくいグラフかもしれませんが、通勤時間と睡眠時間について、都道府県別の平均値を算出して、その二つの関係を図に示しました。御覧いただきますと分かるとおり、右下ですね、神奈川、埼玉、東京、千葉といった東京圏の通勤時間が際立って長くて、近畿圏や中京圏の通勤時間も比較的長いということが分かります。そして、通勤時間が長い県ほど睡眠時間が短いという関係にあるということも明瞭に示されております。
これ、通勤時間どうするかということですが、人々の居住地選択の自由というのがありますので、社会政策や企業の雇用管理でどうにかできるという部分は少ないかもしれません。しかし、現状、労働者にとっては生活時間、休息時間の制約に関わる問題となっているということが分かります。これは認識する必要があるというふうに考えます。
ここで、こうした生活時間、休息時間の確保に当たって、テレワークの活用というのは一つの方策となり得ると思います。
十一ページを御覧ください。
十一ページ、テレワークですが、主に在宅勤務ですが、仕事と生活の両立にプラスとなる働き方として注目されております。
考えてみますと、テレワークは、コロナ禍で非常に拡大したわけですけれども、コロナ禍以前から政策的に推進されてきました。しかし、私どもも調査いたしましたが、余り普及しておりませんでした。それが、二〇二〇年以降のコロナ禍で、感染対策としてテレワークが急拡大しました。現在、ポストコロナという局面においてテレワークがどの程度定着するのかというものが注視されるところと存じます。
当然のことながら、テレワークはどのような仕事でも同じように可能な働き方ではありません。コロナ禍においても、地域や業種、職種によってテレワーク実施率に大きな違いがあるということが様々な調査研究で示されました。
今後、テレワークという働き方を選択肢として定着させていくためには、克服すべき課題が幾つかあると思います。一つは、一番大事なことではあると思いますが、テレワークでいかに生産性を保つかということだと思います。そのためには、テレワークで業務を進める際の課題、いろいろコロナ禍で見えてきたところもありますが、それに一つ一つ対処していく必要があるというふうに考えます。
次に、十二ページを御覧ください。
テレワークを行うことで労働者の生活配分がどう変わるのかを見てみたいと思います。ここでは、テレワーカーと通勤勤務者の生活時間配分について男女別に比較した研究を御紹介します。
これを御覧いただきますと、男女とも、テレワーカーほど家事、育児、あるいは余暇、睡眠時間が長いということが示されております。これは、当然のことながら、テレワークで通勤時間が削減されるということによるものだと考えられますが、このように、テレワークは生活時間配分にゆとりをもたらすプラスの効果があるというふうに示唆されます。
ただし、注意しなきゃいけない点もあります。テレワーク、在宅勤務の場合によく言われることですが、仕事と生活の境界が曖昧になりやすいということが言われます。これは、ともすると、仕事と生活をミックスさせやすいんですが、仕事から心理的に解放されにくい状況になってしまう場合もあります。こうなると、仕事と生活の両立という観点からは全く望ましくない、望ましい状態ではないということが言えると思います。
ここまでの発表をまとめます。十三ページを御覧ください。
本日の前半では、仕事と生活の両立と、特に、働く者の健康に関わる過重労働の現状と企業の残業削減策の状況、課題を見てまいりました。
過重労働はいまだなくなっておりません。長時間労働、過重労働の背景には、業務量やタイトなスケジュールといった業務負荷や事業場の労働時間管理の問題がありました。また、御覧いただきましたように、残業削減策が進んでいる企業でも幾つかの課題が見えてきております。その代表的なものが管理職の負担です。こうした課題にいかに対処していくかということが今求められていると考えます。
本日の後半では、生活時間、健康確保のための働き方の課題として、労働時間の長さ以外にも、就業時間帯や通勤時間の問題があるということをお示ししました。この点、在宅勤務などのテレワークは両立のための有効な手だてです。ただ、先ほど申し上げたとおり、仕事と生活の両立の観点からは注意すべき点もあります。
テレワークに限らず、情報通信技術、ICTの発展の中、働く時間、場所を柔軟に選択できる余地が拡大しております。しかし、曜日や時間を問わず、例えば業務連絡が頻繁にあると、生活や健康というのは容易に阻害されてしまいます。つながらない権利という言葉もありますが、業務時間外の連絡について社内ルールを作るなど、働く者の生活や健康を守る取組が必要と考えるところです。
総じて、日本社会はこれまで長時間労働を評価する、あるいは是認するというところがございました。社会構造や人々の意識が変化する中で、長時間労働を前提としない働き方に向けて社会や企業の意識変革が必要と考えます。
以上で発表を終わります。御清聴、誠にありがとうございました。
この発言だけを見る →本日は、意見陳述の機会をいただき、誠にありがとうございます。
お配りした資料に沿って御説明いたします。
早速二ページ目を御覧ください。
御承知のところと存じますが、働き方改革関連法が二〇一八年に成立し、二〇一九年四月より施行されております。同法によって労働時間関連の法政策は大きく変化しました。
一番のポイントは時間外労働の上限規制です。二〇二四年には、建設事業、自動車運転業務、医師といった適用猶予事業、業務にも上限規制が適用されました。
長時間労働是正などの働き方改革が求められる社会的背景については様々ございます。
まずは、後ほどお示ししますが、過労死等の労災認定事案が今日でも多くを数えております。過重労働の是正が喫緊の課題です。
また、少子高齢化などを背景に生産年齢人口は減少しております。人手不足の中で多様な人材が活躍できるよう、働き方を見直す必要があります。
関連して、この少子化を食い止めるためにも、家庭生活の時間を確保することが重要です。仕事と生活の両立、ワーク・ライフ・バランスのために働き方を見直すことが必要です。
さらには、日本は諸外国に比べてホワイトカラーの生産性が低いと言われてきました。その背景として長時間労働が指摘されてきました。こうしたことも残業削減などの働き方改革が求められるゆえんとなっております。
では、労働時間は近年どのような状況にあるのでしょうか。
三ページ目を御覧ください。
公的統計を基に平均年間労働時間を見ますと、まず、長期的な減少傾向が目に付きます。近年の労働時間についても減少傾向にあることが確認されます。この間、企業において残業削減が進んできたところがあると考えられます。
ただ、急いで付け加えたいことは、平均労働時間の長期的な減少傾向には短時間労働のパートタイムの増加等も関係します。必ずしも正社員の労働時間が減ったことを意味するわけではありません。また、近年の労働時間の減少には、二〇二〇年以降のコロナ禍の影響も排除できません。実際、統計を見ますと、労働時間長い労働者は一定程度残存しております。長時間労働は依然として重大な問題と考えます。
本日の発表の前半では、仕事と生活の両立、特に、生活といっても、命、健康に関わる長時間労働、過重労働の問題にフォーカスを当てます。その上で、本日後半に申し上げたいことは、家庭生活や余暇を含め、仕事と生活の両立を実現するためには労働時間の長さだけに目を奪われては足りないということです。具体的には、就業時間帯や通勤時間など、様々な観点から今日の働き方の課題を洗い出すことが重要と考えます。後ほど改めて御説明いたします。
では、四ページを御覧ください。
まず、前半のテーマとして、過重労働の状況、課題について御説明いたします。
過労死等、脳・心臓疾患、精神障害の労災認定件数は、近年も多くを数えております。特に、精神障害の労災請求、認定件数は増加が著しいことが示されています。
この労災認定基準というのは、近年改正を重ねております。例えば、脳・心臓疾患の労災認定基準においては、時間外労働に加えて、拘束時間や休日のない連続勤務、不規則な勤務、交代制勤務、深夜勤務、勤務間インターバルといった勤務状況など、負荷要因を総合的に評価するということが明確化されました。精神障害の労災認定基準では、パワーハラスメントやカスタマーハラスメントなどが心理的負荷を伴う出来事として負荷評価されるようになりました。
労災認定された事案の状況は様々です。事案の示す過重労働の状況をよく踏まえて過重労働の防止策を考案することが重要と考えます。この点、私が行ってまいりました過労死等の労災認定事案の研究を基に事案状況を少しお示しします。
五ページにお進みください。
長時間労働が関わる過労死等の事案について勤務状況を分析しました。事案では、頻繁な深夜労働、連続勤務、勤務間インターバルが短いといった休憩時間や休息時間や休日が取れない過酷な労働状況が確認されました。
こうした長時間労働の背景は、業務負荷が関係します。例えば、人手不足や繁忙期に伴って膨大な業務量が課されていたケースがありました。そのほか、小売や飲食店といった業態的に長い労働時間や顧客都合によるタイトなスケジュールで休めなかった事案、専門性、個別性の高い業務特性のため一人で抱え込んでしまった事案、あるいは店長といった業務責任者のため休めなかったケースなどが確認されました。
こうした事案では、業務負担の重さに加えて事業場における労働時間管理の問題もありました。例えば、自己申告制といった形を取る中で労働時間の把握が不十分な事案があります。その一形態として、過少申告の慣行があった事案もあります。また、管理職や店長、専門職の、専門性の高い業務において労働実態の把握がおろそかであったというケースもあります。また、出勤簿の押印によって出勤有無の確認しか行われていなかったような事案も労働時間の把握が不十分と言えると思います。さらには、タイムカードなどで客観的に始業・終業時刻の把握がされていた事案も含めて、打刻なしの残業とか申請のない休日出勤、あるいは持ち帰り残業といった形で、事業場が十分把握しない形で過重労働に陥っていたケースもありました。
こうした過重労働をいかになくしていくか、そういう方策が今問われていると考えます。
次、六ページにお進みください。
ここで、過労死等の事案から離れまして、残業削減などを目的として現在企業で行われている働き方改革の状況、課題を見てまいりましょう。
二〇二〇年にフルタイム労働者を対象に行ったアンケート調査を基にすれば、労働時間関連の取組として企業が多く行っているものは、ノー残業デー、あるいは年次有給休暇、年休ですね、の取得促進であります。ほかにも、長時間労働の者に注意を促すですとか、声を掛けて退勤を促すなどの取組も見られました。こうした労働時間管理の取組と並行して、業務遂行の方法の見直しというのも行われております。例えば、ペーパーワークの削減、会議の見直し、テレワーク、業務配分のむらをなくす、進捗管理や情報共有などの取組が行われています。
このように、近年、企業においては労働時間管理や業務遂行方法の見直しが行われています。
反面、残業削減の取組を進める中で、職場管理の課題も見えてきております。
七ページを御覧ください。
企業の部長、課長級の管理職者にヒアリング調査を行いました。その結果から幾つかの事例を御紹介します。
一番のポイントとしまして、管理職の負荷の増大が課題になっております。課長、部長相当の管理職はプレーイングマネジャーである場合が多いのが背景にあります。プレーイングマネジャーとは、部門の業務管理、部下管理といったマネジメント業務をこなしながら、同時に自分も顧客を持っているなどのプレーヤーであるという状態をいいます。
こうしたプレーイングマネジャーである管理職において、残業削減、会社の取組が負荷の増大になっている場合があります。負荷の一つは、時間管理が厳格化することに伴って部下管理の負担が増えるということがあります。もう一つは、部下の一般社員の残業時間に制限が課された中で、その上司である管理職が言わば仕事を肩代わりしているということによって負担が生じているということがあります。そのほか、職場では、人材育成の時間が取れなくなっている例や、持ち帰り残業として残業の実態が見えなくなっているという例などが聞かれます。
ここで申し上げたいのは、働き方改革という政策の方向性に問題があるというものではありません。そうではなくて、こうした事例ではその運用に大きな問題があります。働き方改革の基本は、社員誰もが働きやすい環境をつくって生産性を高めることだったはずです。その原点に立ち返って職場の課題を克服する必要があるというふうに考えます。
次に、八ページを御覧ください。
ここから後半の話題に移ります。少し話題が変わります。本日の後半では、家庭生活や余暇を含めた仕事と生活の両立の実現の観点から、長時間労働に限らず今日の働き方にどのような課題があるのかというのを考えてまいります。
表は、有業者の平日の生活時間配分を男女別に示したものです。日本は、仕事や家事が忙しくて余暇の時間が極めて短いというふうに言われてきました。社会生活基本調査という国の生活時間統計を見ますと、男女差が大きいことが示されています。つまり、男性では仕事、女性では家事や育児といった時間が長いということが分かります。
国際比較に基づいても、日本は、男性では仕事の時間、女性では家事関連の時間が長いということ、またフルタイム雇用者の余暇時間が短いということが指摘されます。生活時間配分から見て、日本は時間的ゆとりが課題があるということが言えると思います。
ここで、仕事と生活の両立というのを阻害するものは長時間労働だけではありません。
次の九ページを御覧ください。
生活時間の阻害を考えるに当たっては、まず、就業時間帯が重要です。例えば、夕方以降まで仕事に時間が掛かりますと、家族と一緒に夕飯を食べれる機会が減ります。また、子育てを考えてみますと、食事、お風呂、寝かし付けといった、それに適した時間があります。帰宅時刻がそれにマッチしなければ、当然のことながら、家事、育児参加が大きく制約されるということになります。
ここで、就業時間帯というのは職業によって異なる部分があります。例えば、二十二時から五時といった深夜勤務ですね、深夜勤務が多いのは、この図の六を見ますと、警備、保安、配送、輸送、機械運転、こういうふうな職業に偏っているというところがあります。
これに対して、十八時から二十二時と、夕方以降の勤務というものを見ますと、もう少し幅広い職業にあるということが分かります。具体的には、管理職ですね、管理的職業ですとか、販売職ですとか専門職などにも頻繁にあるということが示されています。これは、残業が日常的にあるということを考えれば、決して不思議なことではありません。当たり前のように残業があるわけですけれども、このように夕方以降に残業があれば、当然帰宅時刻が遅くなります。
日本の正社員の帰宅時刻を見ますと、男性が十九時台半ば、女性も十九時近くになります。これは、欧米諸国に比べて遅いということが知られています。この仕事と生活の両立と、生活時間の確保に当たって、時間帯はやっぱり無視できないポイントというふうに考えます。
ここで、日本の帰宅時刻の遅さには通勤時間の長さというのも大いに関わります。
十ページを御覧ください。
通勤時間は、言うまでもなく、地域差が大きな現象です。端的に述べるならば、長時間通勤の問題は東京圏などの大都市部の問題と言うことができます。そして、通勤時間が長いと、当然、生活時間、休息時間を制約してきます。
ここでは、ちょっと分かりにくいグラフかもしれませんが、通勤時間と睡眠時間について、都道府県別の平均値を算出して、その二つの関係を図に示しました。御覧いただきますと分かるとおり、右下ですね、神奈川、埼玉、東京、千葉といった東京圏の通勤時間が際立って長くて、近畿圏や中京圏の通勤時間も比較的長いということが分かります。そして、通勤時間が長い県ほど睡眠時間が短いという関係にあるということも明瞭に示されております。
これ、通勤時間どうするかということですが、人々の居住地選択の自由というのがありますので、社会政策や企業の雇用管理でどうにかできるという部分は少ないかもしれません。しかし、現状、労働者にとっては生活時間、休息時間の制約に関わる問題となっているということが分かります。これは認識する必要があるというふうに考えます。
ここで、こうした生活時間、休息時間の確保に当たって、テレワークの活用というのは一つの方策となり得ると思います。
十一ページを御覧ください。
十一ページ、テレワークですが、主に在宅勤務ですが、仕事と生活の両立にプラスとなる働き方として注目されております。
考えてみますと、テレワークは、コロナ禍で非常に拡大したわけですけれども、コロナ禍以前から政策的に推進されてきました。しかし、私どもも調査いたしましたが、余り普及しておりませんでした。それが、二〇二〇年以降のコロナ禍で、感染対策としてテレワークが急拡大しました。現在、ポストコロナという局面においてテレワークがどの程度定着するのかというものが注視されるところと存じます。
当然のことながら、テレワークはどのような仕事でも同じように可能な働き方ではありません。コロナ禍においても、地域や業種、職種によってテレワーク実施率に大きな違いがあるということが様々な調査研究で示されました。
今後、テレワークという働き方を選択肢として定着させていくためには、克服すべき課題が幾つかあると思います。一つは、一番大事なことではあると思いますが、テレワークでいかに生産性を保つかということだと思います。そのためには、テレワークで業務を進める際の課題、いろいろコロナ禍で見えてきたところもありますが、それに一つ一つ対処していく必要があるというふうに考えます。
次に、十二ページを御覧ください。
テレワークを行うことで労働者の生活配分がどう変わるのかを見てみたいと思います。ここでは、テレワーカーと通勤勤務者の生活時間配分について男女別に比較した研究を御紹介します。
これを御覧いただきますと、男女とも、テレワーカーほど家事、育児、あるいは余暇、睡眠時間が長いということが示されております。これは、当然のことながら、テレワークで通勤時間が削減されるということによるものだと考えられますが、このように、テレワークは生活時間配分にゆとりをもたらすプラスの効果があるというふうに示唆されます。
ただし、注意しなきゃいけない点もあります。テレワーク、在宅勤務の場合によく言われることですが、仕事と生活の境界が曖昧になりやすいということが言われます。これは、ともすると、仕事と生活をミックスさせやすいんですが、仕事から心理的に解放されにくい状況になってしまう場合もあります。こうなると、仕事と生活の両立という観点からは全く望ましくない、望ましい状態ではないということが言えると思います。
ここまでの発表をまとめます。十三ページを御覧ください。
本日の前半では、仕事と生活の両立と、特に、働く者の健康に関わる過重労働の現状と企業の残業削減策の状況、課題を見てまいりました。
過重労働はいまだなくなっておりません。長時間労働、過重労働の背景には、業務量やタイトなスケジュールといった業務負荷や事業場の労働時間管理の問題がありました。また、御覧いただきましたように、残業削減策が進んでいる企業でも幾つかの課題が見えてきております。その代表的なものが管理職の負担です。こうした課題にいかに対処していくかということが今求められていると考えます。
本日の後半では、生活時間、健康確保のための働き方の課題として、労働時間の長さ以外にも、就業時間帯や通勤時間の問題があるということをお示ししました。この点、在宅勤務などのテレワークは両立のための有効な手だてです。ただ、先ほど申し上げたとおり、仕事と生活の両立の観点からは注意すべき点もあります。
テレワークに限らず、情報通信技術、ICTの発展の中、働く時間、場所を柔軟に選択できる余地が拡大しております。しかし、曜日や時間を問わず、例えば業務連絡が頻繁にあると、生活や健康というのは容易に阻害されてしまいます。つながらない権利という言葉もありますが、業務時間外の連絡について社内ルールを作るなど、働く者の生活や健康を守る取組が必要と考えるところです。
総じて、日本社会はこれまで長時間労働を評価する、あるいは是認するというところがございました。社会構造や人々の意識が変化する中で、長時間労働を前提としない働き方に向けて社会や企業の意識変革が必要と考えます。
以上で発表を終わります。御清聴、誠にありがとうございました。
福
近
近藤絢子#10
○参考人(近藤絢子君) よろしくお願いいたします。
早速始めたいと思います。(資料映写)
まず最初に、ちょっと私がどういうバックグラウンドの人間かということをお話ししたいんですけれども、私、専門が労働経済学で、特に外的な要因に対して個々の労働者や個人がどう反応したかということを実証するのが主な研究対象になっておりまして、そのため、企業行動の分析というのは余りしておりません。なので、安定した雇用というテーマでお話いただいたんですけれども、安定した雇用を創出するための方法というのはやっぱり企業の方の分析をしている人じゃないとなかなか分かりませんので、ちょっとその提言はできないということを御理解いただければと思います。
今回、これからお話しする話は主に就職氷河期世代の話を中心に、安定した雇用が確保できていない実態とその対策についてのお話をさせていただければと思います。ほかに、年収の壁ですとか女性のキャリアパスみたいな話も研究しておりますので、もし質問のときに必要でしたらばそういった話も対応可能です。
では、早速本題に入らせていただきます。
就職氷河期世代という言葉自体は非常にもう皆さん御存じかと思うんですけれども、これをどのように、ほかの世代と比べるとどうであるかということで、既に知られていることではありますけれども、論点を整理するためにお話しさせていただきます。
私が「就職氷河期世代」という本を書いたんですけれども、その本の中では世代をこのように分けました。
まず、バブル世代というのは氷河期世代のすぐ上の世代なんですけれども、これは八七年から九二年、おおむねバブルの景気が良かったときに就職活動をした世代で、現在の年齢ですと、大卒ですと五十代後半、高卒ですと五十代前半に相当する人たちで、この世代は必ずしもそれより更に上と比べて恵まれているわけじゃないんですけれども、下の世代に比べると年収が高くて大企業の正社員の割合が多いので、あくまで氷河期世代と比べると、この世代まではかなり大企業が多かったり年収が安定したりしていたと。
その下の氷河期前期世代というのが、バブル崩壊してから金融危機が起こる前までの間に就職した世代で、大卒ですと五十歳前後、高卒ですと四十代後半に当たりますけれども、実は彼らは、それより下の世代よりは数値自体は良いということは余り知られていないかもしれないんですが、ただ、すぐ上がバブル世代なので、それとのギャップが大きいので非常に目立つという世代になります。
その後、後期世代というふうに名付けていますけれども、これが二〇〇〇年前後の一番失業率が高かった時期に卒業した世代で、彼らは客観的な数字で見て最も状況の悪い世代になっています。これが今大卒で四十五歳前後、高卒ですと四十代前半の人たちですね。
その次の世代、この世代がすごい非常に誤解されやすい世代なんですけれども、二〇〇五年から二〇〇九年、ちょうど景気が回復し始めたと言われていた時期からリーマン・ショックまでの時期ですね、に卒業した世代というのは、現在、大卒が四十歳前後で高卒が三十代半ばですけれども、大卒の就職は確かにやや回復しているんですけれども、実は大卒以外の人たちというのはそれほど回復していませんで、非正規雇用も全然減っていなくて、その後すぐにリーマン・ショックが来ていますので、実はこの世代は全然状況は良くなっていないと。
さらに、リーマン・ショックから東日本大震災ぐらいの時期に就職活動をした世代というのが、現在の大卒で三十代後半、高卒ですと三十代前半ぐらいの人たちですね。彼らは、もう若年期の状況は氷河期後期と同じぐらい厳しかったんですが、まだ三十代ですのでこれから先どうなるかはまだ分からないというような感じで分けております。
主な主張としては、氷河期と呼ばれているこの氷河期前期、氷河期後期だけの話ではなくて、もうバブル世代と氷河期世代の間に境目があって、そこから先の世代はもうみんな同じぐらい大変な状況になっているということが私のメインの主張であります。
これ、ちょっと図が小さくて見づらいんですけれども、こちらの図見ていただくと、正規雇用の比率と年収をグラフにしたものですけれども、やっぱり、上に何か、どのグラフも上に実線が飛んでいる感じになっているの、これがバブル世代ですね。やっぱり、バブル世代はそれより下の世代に比べると正規雇用比率も高いですし年収も高いと。で、その下にある点線が氷河期前期世代で、それより下の世代、もうぐちゃぐちゃっとなっていて判別不能な感じになっていると思うんですけれども、これは何を意味しているかというと、氷河期前期世代とバブル世代の間にはっきり差があるんですけど、氷河期前期世代とそれより下の世代の間にも結構差があると。
高校卒に関しては正規雇用比率が低いまま年を取っても差が縮まらないんですが、大卒や高専、短大卒の場合は、男性に関しては正規雇用比率自体は十五年ぐらいたつと上の世代に追い付いていると。なので、一応、非正規が多い非正規が多いと言われますけれども、卒業してから十数年たってくると大半の人は一応正規雇用にはなっていると。ただ、正規雇用の中身が何であるかというのはまた別の問題で。
年収を見てみると、年収の格差というのは卒業後十五年たってもまだ全然厳然として残っているので、正規、非正規というそのディメンションだけじゃなくて、平均的な年収というのは正規雇用の中でも年収に差が付いているだろうということが示唆されます。
女性の方は、ちょっとこの世代間の比較をすると別の要因が入ってきます。晩婚化とか出産が遅くなったというタイミング、出産のタイミングが遅くなったということもありますし、それから、結婚して子供を持っている女性の就業率が上がったり、正社員として就業を続ける確率が上がったりといった、そういう時代の変化も入ってきます。なので、男性と違って、そのスタート時点は男性同様バブル世代が一番正規雇用比率も高いし年収も高いんですけれども、その後どんどん逆転していきます。女性の場合は、若い方がより正規雇用を続けやすくなっていますし、年収に関しても、正規雇用を続けている人が多いために若い世代の方が年収が高くなっています。ただ、これ、賃金センサスという別の統計を使ってフルタイム雇用者だけ見ると男性と女性で全然傾向が同じなので、これは平均年収が上がっているというのは、単純に正規雇用で働き続ける人が増えていることが影響しています。
この変化が、特に世代が若くなるほど正規雇用を続けやすくなる、年収が高くなるという変化が大卒の方が顕著ですので、女性の場合は学歴が高い層では若い世代の方が実は現在のパフォーマンスは良くなっているというような感じになっています。なので、男女で結構状況が違っています。
それから、ここから、今まで平均の話をしていたんですけれども、少し、より困難な状況にある人たちの話をさせていただくと、いろんな定義が、話が、言葉があるんですけれども、概念があるんですけれども、取りあえず、有名なものとしてニートとスネップそれぞれについて、ちょっと人口に占める割合というのを計算したのがこちらのグラフになります。
ニートは、労働力調査を使ってニートの数を計算するに当たっては、求職活動をしていない未婚の無業者で、主な活動に学校や家事を挙げていない人という定義で計算してみました。こちら見ていただくと、まず、高校卒と短大、高専卒、大卒で全然レベルが違うんですね。高校卒の方がすごく多くなっています。こちら、グラフは縦軸がもう、縦軸の目盛りがもう全然違う目盛りになっています。
男女で差があるように見えるのは、これ、女性は家事手伝いを自称しやすい問題というのがあって、家事を主な活動に挙げている未婚の人というのをニートに含めると女性の方が多くなりますので、必ずしも男性の方が多いとは一概には言えないところがあります。ただ、高卒と短大卒以上で明らかに差があると。
それから、あとは、こちら、若い世代の方が多いんですけれども、その世代の中では年を取っても余り減っていかない。なので、ニートというと若者の問題というイメージがあるかもしれませんけれども、それはニートという話が出てきた頃、その世代が若者だったせいであって、必ずしも若い人だけではなくて、ずっと続いていると。
同じような傾向が、スネップ、こちらはニートとはちょっと定義が違いまして、無業者のうちふだん家族以外と会わない人という定義になっていまして、こちらはスネップの人数を、玄田有史先生が試算したものを私が人口で割って計算したものですけれども、これもやっぱり同じように若い世代の方が多くなっていると。同じ世代の三十代前半と三十代後半を比べると余り減っていないというような感じになっています。これは無業者ですね。
無業者というのは本当に仕事をしていない人ですので、次のスライドに出てくるのは、無業者ではなくて、仕事をしている人も含むんですけれども、親と同居していて、仕事が非正規雇用であったり、あるいは今失業中であったりする人ですね。なので、これニートとかスネップとは全然違う概念であることは強調しておきたいんですけれども。この人たちの人口に占める割合というのをやっぱり学歴別に見てみると、これはやっぱりニートやSNEPよりは全然数が多いです、やっぱり非正規で働いている人が入ってきますので。男性、高卒の男性ですと、七〇年代後半生まれですと、もう人口の一割ぐらいを占めますし、女性に関しても、女性とか、あと大卒の男性とかでも人口の五%ぐらいを占めています。
この人たちはどういう人たちかというと、働いている人たちの方が多分、数としてはずっと多いんですけれども、働いてはいるのだけれども、独り暮らしをするほどの安定した収入がなくて親と同居している、そして未婚であるという人の割合だと考えてください。これが人口の五%とかぐらいのオーダーで存在しているというのが就職氷河期以降の世代になります。
この世代が今もう既に中年になっているわけですけれども、これから高齢期を迎えるに当たって心配されることとして、親世代の加齢による生活困窮者の増加の懸念があります。今まで親と同居することによって生活費が、住居費とか食費が節約されていたりとか、親にも年金収入があったりとかといったような人たちなわけですけれども、これ、住居や食事などを親に頼っている低所得の独身者が、親が加齢によって亡くなる、亡くなれば年金なくなりますし、あとは、介護が必要になったりとかすると、逆に今度は子供が親を助けなきゃいけない立場になったりとかしますので、そうなってきたときに困窮するおそれがあります。
一番よく、極端なケースが、八〇五〇問題と言われている、五十代の引きこもりの子と八十代の親がいて、八十代の親がもう限界を迎えてというような話があると思いますけれども、そのイメージだけでこの問題を見るとちょっとミスリーディングで、大多数はこのようなパターンの、大多数は不安定雇用ながらも就業している、今、いわゆるワーキングプアと呼ばれる言葉が以前ありましたけれども、いわゆるワーキングプア層であると推測されていて、これは長期無業者とは違います。既に働いているので、とにかく就業につなげようという段階の人たちではなくて、ちゃんと働いているんだけれども収入が足りていない人たちというのが、親と同居することで今は何とか回っているんだけれども、それが破綻するおそれがあるという人たちが相当数いるということです。
まだ氷河期世代の親の大半は現時点で七十代以下、七十代、六十代ですので、まだまだ元気なんですね。なので、これから増えていくことが懸念されます。ただ、氷河期世代の中で一番年配の団塊ジュニア世代では、もう既に親が八十近くなって顕在化してきています。もっと下の世代の方が人口比は高いですので、これからどんどん増えてくるであろうことが予想されます。
しかも、この状況で本人の生活もつらいところに、さらに介護の負担が生じてしまうと更に追い打ちを掛けてきますし、また、未婚率は非正規雇用者の方が高いので、世代の中で経済的に恵まれない人の方が単身者である確率が高いんですね。なので、家庭内分業も困難になってきますので、一人で全部どうにかしなきゃいけない立場になってしまって破綻してしまうという人が増えてくるおそれがあります。
現行の就職氷河期世代活躍支援、私が把握している限りなので、もし私が認識していないことがあったら申し訳ないんですけれども、基本的には、就職氷河期世代活躍支援の三つの柱は、ハローワークによる就職支援と無業者を対象としたサポステと、あと引きこもりなどの相談サポートをする各種支援機関であるということで、就労支援がメインになっています。
これはやっぱり、二〇〇〇年代につくられた若年向けの自立支援、就労支援の仕組みがそのまま延長されているものが大半であるように見受けられて、なので、四十代、五十代である氷河期世代が二十代、三十代の時期に失われた機会について、これから就労することで取り戻すというのは非常に難しいのではないかと思います。
なので、どちらかというとこれ、この三つの柱が有効なのは、まだ三十代のリーマン・ショック世代の方にこそ有効なので、何か世代で切るというよりは、この支援自体は世代で切らずにそのままあった方がいいんですけれども、対象となる年齢層というのはちょっと氷河期世代より少し下の年齢層の方にマッチしているような感じになっているのではないかと思います。
あと、長期無業者を念頭に置いた社会参加の支援というのは、昔に比べると随分充実してきて、それ自体は非常にいいことだと思うんですけれども、ただやっぱり、大多数の不安定雇用者というのは収入は低くても継続的に就業していますので、とにかく就業につなげましょうという段階ではなくて、その次の段階の人なんですね。その人たちに対して何もないというのが現状です。
よくあるパターンでは、雇用主に対して働きかけて彼らの収入を引き上げるようにするというのがあるんですけれども、それはやっぱり、企業は営利企業ですので、営利企業に対してその採算が取れないような賃金設定を強いるということはやっぱりできませんので、それはちょっと非現実的であろうと。やっぱり、それならばもうちょっとストレートに所得再分配みたいなことをした方がいいのではないかというのが個人的な私の意見になります。
というわけで、セーフティーネットの拡充が必要であるというお話なんですけれども、大前提として、もう少し若い世代のためには、既に行われている各種の就労支援を継続して、能力開発の機会を提供したりとか、非正規雇用の正社員登用を促進したりすることは今後も必要です。
もちろん、氷河期世代の人たちであっても本人に就労意欲が高い人たちというのは、こういった支援によって就労につなげたり、あるいは既に就労している人たちをステップアップさせたりと、そういった政策自体を否定するわけじゃなくて、それ自体は非常に大事だと思います。
ただ、それだけでは問題の全ては解決できなくて、やっぱり年齢重ねれば教育訓練投資の効率は下がってしまいますから、投資を回収できる期間が短くなりますので、やっぱり企業としても同じ条件だったらより長く勤めてくれそうな若い人を雇うというふうになるのは自然な話なので、やっぱりそこだけに任せておくのでは恐らく全ての解決することは難しいと。
やっぱり、既に中高年となってしまった氷河期世代に関しては、就労による経済的自立が難しい層が一定数存在するということ、そのこと自体はやっぱりもう受け入れて、それを前提として政策を考えていかなければいけない段階になっていて、それはやっぱり就労支援じゃなくて福祉の拡充という形を考えていくべきだろうと思います。
やっぱりワーキングプア対策としては、やっぱり現役世代内でもう少しその所得の再分配みたいなことを行う必要が恐らくあって、もちろん累進課税制度ではあるんですけれども、所得の下の方の階層に対する再分配の方がやっぱり薄い。それから、あと老後の貧困対策というのも、やっぱり若年期に不安定雇用だった人というのは、貯蓄もないし年金の額も低いという、その若いときに困窮していた人の方が老後も困窮しやすいという、その若年期と老後がつながっているということを考えて考えていく必要があると思います。
やっぱり現行の社会保障制度の弱点としては、現役世代の再分配が薄い。ちょっとこちら、皆さんも御存じの図かとは思うんですけれども、所得再分配調査を見てみると、所得再分配前後のこのジニ係数の変化、もちろん再分配すると少し縮むんですけど、非常に変化が小さいんですね、年齢層で見ると。高齢層で物すごく再分配があるんですけど、これは年金なので、年金以外のところの再分配が余りないというのが日本の現状になっています。
雇用保険の失業給付金とかでどうにかしようとしても、やっぱり雇用保険って働いている人が納めた保険料で賄っている制度ですので、もう無理があると。あと、生活保護は基準が厳しくて、生活保護基準を満たすほど困窮してしまうとそこから挽回するのは難しいので、その手前で何かあった方がいいだろうと考えています。
それから、将来低年金に陥る人たちがいっぱいいるであろうことはもうほぼ確定していますので、それに対する対策も必要です。ただ、ここは非常に政治的に難しいということは私も理解はしておりますので、トレードオフがあるかなと思います。
済みません、ちょっと時間がオーバーしてしまいますので、ここなんですけど、最後に一言言わせていただきますと、社会保障制度の変革も同時に進めていかなければいけないだろうと、雇用だけではないだろうというのが私のメインの意見であります。
済みません、時間が足りなくなってしまいました。ありがとうございます。
この発言だけを見る →早速始めたいと思います。(資料映写)
まず最初に、ちょっと私がどういうバックグラウンドの人間かということをお話ししたいんですけれども、私、専門が労働経済学で、特に外的な要因に対して個々の労働者や個人がどう反応したかということを実証するのが主な研究対象になっておりまして、そのため、企業行動の分析というのは余りしておりません。なので、安定した雇用というテーマでお話いただいたんですけれども、安定した雇用を創出するための方法というのはやっぱり企業の方の分析をしている人じゃないとなかなか分かりませんので、ちょっとその提言はできないということを御理解いただければと思います。
今回、これからお話しする話は主に就職氷河期世代の話を中心に、安定した雇用が確保できていない実態とその対策についてのお話をさせていただければと思います。ほかに、年収の壁ですとか女性のキャリアパスみたいな話も研究しておりますので、もし質問のときに必要でしたらばそういった話も対応可能です。
では、早速本題に入らせていただきます。
就職氷河期世代という言葉自体は非常にもう皆さん御存じかと思うんですけれども、これをどのように、ほかの世代と比べるとどうであるかということで、既に知られていることではありますけれども、論点を整理するためにお話しさせていただきます。
私が「就職氷河期世代」という本を書いたんですけれども、その本の中では世代をこのように分けました。
まず、バブル世代というのは氷河期世代のすぐ上の世代なんですけれども、これは八七年から九二年、おおむねバブルの景気が良かったときに就職活動をした世代で、現在の年齢ですと、大卒ですと五十代後半、高卒ですと五十代前半に相当する人たちで、この世代は必ずしもそれより更に上と比べて恵まれているわけじゃないんですけれども、下の世代に比べると年収が高くて大企業の正社員の割合が多いので、あくまで氷河期世代と比べると、この世代まではかなり大企業が多かったり年収が安定したりしていたと。
その下の氷河期前期世代というのが、バブル崩壊してから金融危機が起こる前までの間に就職した世代で、大卒ですと五十歳前後、高卒ですと四十代後半に当たりますけれども、実は彼らは、それより下の世代よりは数値自体は良いということは余り知られていないかもしれないんですが、ただ、すぐ上がバブル世代なので、それとのギャップが大きいので非常に目立つという世代になります。
その後、後期世代というふうに名付けていますけれども、これが二〇〇〇年前後の一番失業率が高かった時期に卒業した世代で、彼らは客観的な数字で見て最も状況の悪い世代になっています。これが今大卒で四十五歳前後、高卒ですと四十代前半の人たちですね。
その次の世代、この世代がすごい非常に誤解されやすい世代なんですけれども、二〇〇五年から二〇〇九年、ちょうど景気が回復し始めたと言われていた時期からリーマン・ショックまでの時期ですね、に卒業した世代というのは、現在、大卒が四十歳前後で高卒が三十代半ばですけれども、大卒の就職は確かにやや回復しているんですけれども、実は大卒以外の人たちというのはそれほど回復していませんで、非正規雇用も全然減っていなくて、その後すぐにリーマン・ショックが来ていますので、実はこの世代は全然状況は良くなっていないと。
さらに、リーマン・ショックから東日本大震災ぐらいの時期に就職活動をした世代というのが、現在の大卒で三十代後半、高卒ですと三十代前半ぐらいの人たちですね。彼らは、もう若年期の状況は氷河期後期と同じぐらい厳しかったんですが、まだ三十代ですのでこれから先どうなるかはまだ分からないというような感じで分けております。
主な主張としては、氷河期と呼ばれているこの氷河期前期、氷河期後期だけの話ではなくて、もうバブル世代と氷河期世代の間に境目があって、そこから先の世代はもうみんな同じぐらい大変な状況になっているということが私のメインの主張であります。
これ、ちょっと図が小さくて見づらいんですけれども、こちらの図見ていただくと、正規雇用の比率と年収をグラフにしたものですけれども、やっぱり、上に何か、どのグラフも上に実線が飛んでいる感じになっているの、これがバブル世代ですね。やっぱり、バブル世代はそれより下の世代に比べると正規雇用比率も高いですし年収も高いと。で、その下にある点線が氷河期前期世代で、それより下の世代、もうぐちゃぐちゃっとなっていて判別不能な感じになっていると思うんですけれども、これは何を意味しているかというと、氷河期前期世代とバブル世代の間にはっきり差があるんですけど、氷河期前期世代とそれより下の世代の間にも結構差があると。
高校卒に関しては正規雇用比率が低いまま年を取っても差が縮まらないんですが、大卒や高専、短大卒の場合は、男性に関しては正規雇用比率自体は十五年ぐらいたつと上の世代に追い付いていると。なので、一応、非正規が多い非正規が多いと言われますけれども、卒業してから十数年たってくると大半の人は一応正規雇用にはなっていると。ただ、正規雇用の中身が何であるかというのはまた別の問題で。
年収を見てみると、年収の格差というのは卒業後十五年たってもまだ全然厳然として残っているので、正規、非正規というそのディメンションだけじゃなくて、平均的な年収というのは正規雇用の中でも年収に差が付いているだろうということが示唆されます。
女性の方は、ちょっとこの世代間の比較をすると別の要因が入ってきます。晩婚化とか出産が遅くなったというタイミング、出産のタイミングが遅くなったということもありますし、それから、結婚して子供を持っている女性の就業率が上がったり、正社員として就業を続ける確率が上がったりといった、そういう時代の変化も入ってきます。なので、男性と違って、そのスタート時点は男性同様バブル世代が一番正規雇用比率も高いし年収も高いんですけれども、その後どんどん逆転していきます。女性の場合は、若い方がより正規雇用を続けやすくなっていますし、年収に関しても、正規雇用を続けている人が多いために若い世代の方が年収が高くなっています。ただ、これ、賃金センサスという別の統計を使ってフルタイム雇用者だけ見ると男性と女性で全然傾向が同じなので、これは平均年収が上がっているというのは、単純に正規雇用で働き続ける人が増えていることが影響しています。
この変化が、特に世代が若くなるほど正規雇用を続けやすくなる、年収が高くなるという変化が大卒の方が顕著ですので、女性の場合は学歴が高い層では若い世代の方が実は現在のパフォーマンスは良くなっているというような感じになっています。なので、男女で結構状況が違っています。
それから、ここから、今まで平均の話をしていたんですけれども、少し、より困難な状況にある人たちの話をさせていただくと、いろんな定義が、話が、言葉があるんですけれども、概念があるんですけれども、取りあえず、有名なものとしてニートとスネップそれぞれについて、ちょっと人口に占める割合というのを計算したのがこちらのグラフになります。
ニートは、労働力調査を使ってニートの数を計算するに当たっては、求職活動をしていない未婚の無業者で、主な活動に学校や家事を挙げていない人という定義で計算してみました。こちら見ていただくと、まず、高校卒と短大、高専卒、大卒で全然レベルが違うんですね。高校卒の方がすごく多くなっています。こちら、グラフは縦軸がもう、縦軸の目盛りがもう全然違う目盛りになっています。
男女で差があるように見えるのは、これ、女性は家事手伝いを自称しやすい問題というのがあって、家事を主な活動に挙げている未婚の人というのをニートに含めると女性の方が多くなりますので、必ずしも男性の方が多いとは一概には言えないところがあります。ただ、高卒と短大卒以上で明らかに差があると。
それから、あとは、こちら、若い世代の方が多いんですけれども、その世代の中では年を取っても余り減っていかない。なので、ニートというと若者の問題というイメージがあるかもしれませんけれども、それはニートという話が出てきた頃、その世代が若者だったせいであって、必ずしも若い人だけではなくて、ずっと続いていると。
同じような傾向が、スネップ、こちらはニートとはちょっと定義が違いまして、無業者のうちふだん家族以外と会わない人という定義になっていまして、こちらはスネップの人数を、玄田有史先生が試算したものを私が人口で割って計算したものですけれども、これもやっぱり同じように若い世代の方が多くなっていると。同じ世代の三十代前半と三十代後半を比べると余り減っていないというような感じになっています。これは無業者ですね。
無業者というのは本当に仕事をしていない人ですので、次のスライドに出てくるのは、無業者ではなくて、仕事をしている人も含むんですけれども、親と同居していて、仕事が非正規雇用であったり、あるいは今失業中であったりする人ですね。なので、これニートとかスネップとは全然違う概念であることは強調しておきたいんですけれども。この人たちの人口に占める割合というのをやっぱり学歴別に見てみると、これはやっぱりニートやSNEPよりは全然数が多いです、やっぱり非正規で働いている人が入ってきますので。男性、高卒の男性ですと、七〇年代後半生まれですと、もう人口の一割ぐらいを占めますし、女性に関しても、女性とか、あと大卒の男性とかでも人口の五%ぐらいを占めています。
この人たちはどういう人たちかというと、働いている人たちの方が多分、数としてはずっと多いんですけれども、働いてはいるのだけれども、独り暮らしをするほどの安定した収入がなくて親と同居している、そして未婚であるという人の割合だと考えてください。これが人口の五%とかぐらいのオーダーで存在しているというのが就職氷河期以降の世代になります。
この世代が今もう既に中年になっているわけですけれども、これから高齢期を迎えるに当たって心配されることとして、親世代の加齢による生活困窮者の増加の懸念があります。今まで親と同居することによって生活費が、住居費とか食費が節約されていたりとか、親にも年金収入があったりとかといったような人たちなわけですけれども、これ、住居や食事などを親に頼っている低所得の独身者が、親が加齢によって亡くなる、亡くなれば年金なくなりますし、あとは、介護が必要になったりとかすると、逆に今度は子供が親を助けなきゃいけない立場になったりとかしますので、そうなってきたときに困窮するおそれがあります。
一番よく、極端なケースが、八〇五〇問題と言われている、五十代の引きこもりの子と八十代の親がいて、八十代の親がもう限界を迎えてというような話があると思いますけれども、そのイメージだけでこの問題を見るとちょっとミスリーディングで、大多数はこのようなパターンの、大多数は不安定雇用ながらも就業している、今、いわゆるワーキングプアと呼ばれる言葉が以前ありましたけれども、いわゆるワーキングプア層であると推測されていて、これは長期無業者とは違います。既に働いているので、とにかく就業につなげようという段階の人たちではなくて、ちゃんと働いているんだけれども収入が足りていない人たちというのが、親と同居することで今は何とか回っているんだけれども、それが破綻するおそれがあるという人たちが相当数いるということです。
まだ氷河期世代の親の大半は現時点で七十代以下、七十代、六十代ですので、まだまだ元気なんですね。なので、これから増えていくことが懸念されます。ただ、氷河期世代の中で一番年配の団塊ジュニア世代では、もう既に親が八十近くなって顕在化してきています。もっと下の世代の方が人口比は高いですので、これからどんどん増えてくるであろうことが予想されます。
しかも、この状況で本人の生活もつらいところに、さらに介護の負担が生じてしまうと更に追い打ちを掛けてきますし、また、未婚率は非正規雇用者の方が高いので、世代の中で経済的に恵まれない人の方が単身者である確率が高いんですね。なので、家庭内分業も困難になってきますので、一人で全部どうにかしなきゃいけない立場になってしまって破綻してしまうという人が増えてくるおそれがあります。
現行の就職氷河期世代活躍支援、私が把握している限りなので、もし私が認識していないことがあったら申し訳ないんですけれども、基本的には、就職氷河期世代活躍支援の三つの柱は、ハローワークによる就職支援と無業者を対象としたサポステと、あと引きこもりなどの相談サポートをする各種支援機関であるということで、就労支援がメインになっています。
これはやっぱり、二〇〇〇年代につくられた若年向けの自立支援、就労支援の仕組みがそのまま延長されているものが大半であるように見受けられて、なので、四十代、五十代である氷河期世代が二十代、三十代の時期に失われた機会について、これから就労することで取り戻すというのは非常に難しいのではないかと思います。
なので、どちらかというとこれ、この三つの柱が有効なのは、まだ三十代のリーマン・ショック世代の方にこそ有効なので、何か世代で切るというよりは、この支援自体は世代で切らずにそのままあった方がいいんですけれども、対象となる年齢層というのはちょっと氷河期世代より少し下の年齢層の方にマッチしているような感じになっているのではないかと思います。
あと、長期無業者を念頭に置いた社会参加の支援というのは、昔に比べると随分充実してきて、それ自体は非常にいいことだと思うんですけれども、ただやっぱり、大多数の不安定雇用者というのは収入は低くても継続的に就業していますので、とにかく就業につなげましょうという段階ではなくて、その次の段階の人なんですね。その人たちに対して何もないというのが現状です。
よくあるパターンでは、雇用主に対して働きかけて彼らの収入を引き上げるようにするというのがあるんですけれども、それはやっぱり、企業は営利企業ですので、営利企業に対してその採算が取れないような賃金設定を強いるということはやっぱりできませんので、それはちょっと非現実的であろうと。やっぱり、それならばもうちょっとストレートに所得再分配みたいなことをした方がいいのではないかというのが個人的な私の意見になります。
というわけで、セーフティーネットの拡充が必要であるというお話なんですけれども、大前提として、もう少し若い世代のためには、既に行われている各種の就労支援を継続して、能力開発の機会を提供したりとか、非正規雇用の正社員登用を促進したりすることは今後も必要です。
もちろん、氷河期世代の人たちであっても本人に就労意欲が高い人たちというのは、こういった支援によって就労につなげたり、あるいは既に就労している人たちをステップアップさせたりと、そういった政策自体を否定するわけじゃなくて、それ自体は非常に大事だと思います。
ただ、それだけでは問題の全ては解決できなくて、やっぱり年齢重ねれば教育訓練投資の効率は下がってしまいますから、投資を回収できる期間が短くなりますので、やっぱり企業としても同じ条件だったらより長く勤めてくれそうな若い人を雇うというふうになるのは自然な話なので、やっぱりそこだけに任せておくのでは恐らく全ての解決することは難しいと。
やっぱり、既に中高年となってしまった氷河期世代に関しては、就労による経済的自立が難しい層が一定数存在するということ、そのこと自体はやっぱりもう受け入れて、それを前提として政策を考えていかなければいけない段階になっていて、それはやっぱり就労支援じゃなくて福祉の拡充という形を考えていくべきだろうと思います。
やっぱりワーキングプア対策としては、やっぱり現役世代内でもう少しその所得の再分配みたいなことを行う必要が恐らくあって、もちろん累進課税制度ではあるんですけれども、所得の下の方の階層に対する再分配の方がやっぱり薄い。それから、あと老後の貧困対策というのも、やっぱり若年期に不安定雇用だった人というのは、貯蓄もないし年金の額も低いという、その若いときに困窮していた人の方が老後も困窮しやすいという、その若年期と老後がつながっているということを考えて考えていく必要があると思います。
やっぱり現行の社会保障制度の弱点としては、現役世代の再分配が薄い。ちょっとこちら、皆さんも御存じの図かとは思うんですけれども、所得再分配調査を見てみると、所得再分配前後のこのジニ係数の変化、もちろん再分配すると少し縮むんですけど、非常に変化が小さいんですね、年齢層で見ると。高齢層で物すごく再分配があるんですけど、これは年金なので、年金以外のところの再分配が余りないというのが日本の現状になっています。
雇用保険の失業給付金とかでどうにかしようとしても、やっぱり雇用保険って働いている人が納めた保険料で賄っている制度ですので、もう無理があると。あと、生活保護は基準が厳しくて、生活保護基準を満たすほど困窮してしまうとそこから挽回するのは難しいので、その手前で何かあった方がいいだろうと考えています。
それから、将来低年金に陥る人たちがいっぱいいるであろうことはもうほぼ確定していますので、それに対する対策も必要です。ただ、ここは非常に政治的に難しいということは私も理解はしておりますので、トレードオフがあるかなと思います。
済みません、ちょっと時間がオーバーしてしまいますので、ここなんですけど、最後に一言言わせていただきますと、社会保障制度の変革も同時に進めていかなければいけないだろうと、雇用だけではないだろうというのが私のメインの意見であります。
済みません、時間が足りなくなってしまいました。ありがとうございます。
福
近
福
近
近藤絢子#14
○参考人(近藤絢子君) はい。じゃ、最後のスライドなので。
制度設計考える上で大事なのは、この特効薬みたいなものはないので、あったらとっくにやっていると思いますので、それはない。ただ、人口が減る中で、なるべく多くの人に生産活動に従事してもらうような政策というのはもちろん一方で必要なので、働きたい人がなるべく働けるように支援すると、それは当然必要です。なんですけれども、全ての人が老後の備えまで含めて十分な安定収入を就労から得るということを目標に掲げても、それは多分実現不可能な目標なので、それができないということを前提として、そうなった場合にどうするかということを考えたセーフティーネット、それが社会保障の役割だと思いますので、それを変革を同時に進めていかないといけなくて、今の社会保障制度というのは、ずっと非正規雇用で来た人たちというのが年を取ったらどうなるかということが余り想定されていないと思いますので、そこが非常に大事だと思います。
済みません。ありがとうございました。
この発言だけを見る →制度設計考える上で大事なのは、この特効薬みたいなものはないので、あったらとっくにやっていると思いますので、それはない。ただ、人口が減る中で、なるべく多くの人に生産活動に従事してもらうような政策というのはもちろん一方で必要なので、働きたい人がなるべく働けるように支援すると、それは当然必要です。なんですけれども、全ての人が老後の備えまで含めて十分な安定収入を就労から得るということを目標に掲げても、それは多分実現不可能な目標なので、それができないということを前提として、そうなった場合にどうするかということを考えたセーフティーネット、それが社会保障の役割だと思いますので、それを変革を同時に進めていかないといけなくて、今の社会保障制度というのは、ずっと非正規雇用で来た人たちというのが年を取ったらどうなるかということが余り想定されていないと思いますので、そこが非常に大事だと思います。
済みません。ありがとうございました。
福
浅
浅倉むつ子#16
○参考人(浅倉むつ子君) 浅倉と申します。よろしくお願いいたします。
私、男女賃金格差の解消と同一価値労働同一賃金という少し小難しいテーマを選んでしまいましたので、今ちょっと後悔をしておりますが、気を取り直して報告させていただきます。
ページの二ページなんですが、一番目は男女賃金格差の実態です。
①で、男女間の賃金格差は、男性一〇〇としたときに、女性は七四・八と言われております。ただ、この中には非正規のパート労働者が入っておりませんので、②で申し上げているんですが、男女別ではない正規、非正規の賃金格差、時給で見てみますと、正規の労働者を一〇〇としたときに、パートは六九・一になっております。③で、非正規労働者の割合を見ますと、男性は二二・五%で女性は五三・二%なものですから、まあ女性が圧倒的に非正規です。そして、④で言っておりますが、女性たちの実感としては、やはりこの女性が男性の五五・五でしかないという、この平均給与の格差というのがかなり実感として捉えているところだと思います。
二番目に参りますが、現行の法規定を見ますと、労働基準法四条は、御存じのように、賃金に関する性差別を禁止しております。ただし、同一価値労働同一賃金原則とは言っておりません。
次の四角ですが、労働基準法というのは罰則付きの強行規定で、労働基準監督官が行政指導を行いまして、悪質と判断する場合には刑罰を科するために送検をいたします。ただ、この送検件数というのは非常に少なくて、年間に数件あるかないかだと思われます。また、監督官は未払賃金を徴収はいたしませんので、未払の賃金を求めたいとなると、労働者自身が民事訴訟を提起するということになり、かなりの負担があると思います。
このように見てくると、立法上は男女賃金格差の救済というのがなかなか難しいかなという実態にございます。
大きい三番目ですが、国連の女性差別撤廃委員会が昨年十月に第六回目の対日審査を行いました。二〇二四年十月三十日にはそこから総括所見という文書が出ておりますが、そのパラグラフの三十九というところでは、同一価値労働同一賃金の原則の実施が不十分であるということが留意されております。
次のページに参りまして、ページ三ですが、そのパラグラフ四十というところでは、(c)で、ジェンダー賃金格差を縮小してなくすためには同一価値労働同一賃金原則を有効に実施することと言われておりまして、その二番目ですが、非差別的かつ主観的でない職務分類、職務評価方法を適用しなさいということが勧告されております。
さて、四番目ですが、それでは、同一価値労働同一賃金原則とそれから職務評価というものをどのように考えたらいいのかということについて触れたいと思います。
一つ目は、一九五一年のILOの百号条約でございます。ただし、この百号条約は同一価値労働についての男女労働者への同一報酬に関する原則をうたっておりますけれども、ただ、同一価値労働の明確な定義はこの条約の中にあるわけではありません。
ILOは、その下に行きますと、ただ、二〇〇八年に採用すべき職務評価のガイドブックというものを出版しております。これによりますと、労働をですね、職務を、二つの異なる職務を、価値を比較しなさいということを言っておりまして、そのためには職務評価が必要であると言っておりまして、その方法の中には、いろいろあるんですけれども、得点要素法というものが最適の方法であると言っております。
得点要素法についてちょっと説明をしていないので申し訳なかったんですが、七ページのちょっと資料に飛んで見ていただきたいのですが、これは資料ですので後ほどは御説明できないんですが、私どもがちょっと実施した職務評価の中のやり方を示しておりますが、ステップ三というところを見ていただくと、職務評価の四大ファクターと出てまいります。職務評価の四大ファクターというのは、知識・技能、それから負担、責任、労働環境ですね、この四つの大きなファクターを使って職務を分析し、点数評価をする、これが得点要素法というものです。
戻っていただきまして、三ページですね、に戻っていただきまして、下から十行目ぐらいの(2)というところなんですが、性に中立的な職務評価制度というものはどういうものかということなのですけれども、それが得点要素法であるというふうに言われております。
ただ、それをいきなり日本に持ってくる場合には、日本的な特殊性というのがありまして、その下に書いてありますが、正規、非正規格差というのが日本の場合は非常に大きいものですから、そもそも同一価値労働同一賃金原則というのは男女間の賃金格差について言われているものなのですけれども、日本の場合には、この正規、非正規格差というものもやはり触れないとなかなか格差が把握できないと考えております。
次のページです。四ページになります。
私どもが日本の企業の中で実際に得点要素法というものを使いまして職務評価を実施した事例というのが幾つかあります。それを御紹介しているのが一番上に①、②とあるものなんですが、そのうちの②というのが二〇二二年に出版した本の中で御紹介しているものです。大手家電量販店の販売職というのが男性が主に就いている職種です。それから、レジカウンター職というのが女性が主に就いている職種です。その中にはパート、正社員、契約社員というのが混在しております。これをどのようにして分析したかというのが、先ほど御覧いただいた後ろの方にあります資料一なんですけれども、それは後で御覧いただければと思います。
そこで、大きな五番目ですが、同一価値労働同一賃金原則をそれでは実施するための法制度というのはどのようなものがあるだろうかというふうに考えてみたいと考えております。
まず、日本はこの原則を実施していないという批判を何度も何度も国際機関から繰り返し言われております。一九六七年には日本はILO百号条約を批准いたしましたけれども、批准した際に、余りこの原則のことを深刻に捉えていなかったものですから、法改正はありませんでした。その後、ILOの条約勧告適用専門家委員会は、繰り返しになりますけれども、この条約の原則を日本は十分に反映していないというふうに指摘しております。この対応を日本は迫られているのではないかと考えています。
ただし、これをいきなり日本に導入するというのも非常に難しくて、この原則は日本になじまないという意見も当然あります。なぜかといいますと、欧米では基本的に職務給というものが確立しておりまして、法制度の中にこの同一価値労働同一賃金原則を導入するというのは当然のことだというふうに理解されておりますけれども、日本の場合は、御存じのように、職能給制度が大企業では主にありますので、なかなかこれを実現させる、同一価値労働同一賃金原則というのを実現させるのは困難だという考え方を取る研究者も多いと思います。
私たちは、私たちといいますか、私は、確かにこの原則というのは職務の内容と格付に応じた職務給制度というのが採用されている国で取られてきた原則であるというふうには考えますけれども、ただ、これはやはり日本においても導入されるべき原則だと考えております。自然に委ねていては日本では実現しないからこそ、立法の中にこれを導入して、何とかどのようにしたら実現できるだろうかと知恵を絞るべきであるというふうに考えています。
基本給の在り方というのは様々で、実はパート・有期労働法、それから同一労働同一賃金ガイドラインというのは今現在厚労省も取っている政策ですけれども、この中でも厚労省は、基本給の在り方を法的に強制することはできない、それから、職務給制度を法的に義務付けるのではないというふうに繰り返し述べつつ、しかし、どのような形態の賃金制度とするかは基本的に労使の決定に委ねるけれどもという前提を置きながら、この有期労働法というものを運用していると思います。
ただし、私は、男女間の賃金差別とか、それから正規、非正規間の賃金差別をめぐる個別紛争の事案の中で、その解決手法として同一価値労働同一賃金原則を実施していくということが極めて重要ではないかと考えております。なぜなら、この原則が基準とするのはあくまでも労働、それから職務なものですから、この性と雇用形態に中立的な職務分析や職務評価システムを紛争解決の手法の中に組み込むことによって、日本でも公正な解決方法が実現するのではないかと考えております。
さて、五ページ目に参ります。
以下、二つのことを提案させていただきたいと思っております。
(3)と(4)というのがそれに当たるのですけれども、一つは、個別的な紛争解決の事案を解決する法制度としての同一価値労働同一賃金原則というものです。これを盛り込むためには、同一価値労働同一賃金原則を明文化する、まずは立法の中に明文化するということが必要だと考えております。
例えば、労働契約法の中にこのように書くというのも一つの仕方ですし、それから、労働基準法四条というのを改正して、労働基準法四条の中に書き込むというのも一つのやり方だと考えております。実は、韓国の法制度もまさに労働基準法四条に当たる法律を改定して、後ろの方に資料二として載せておきましたけれども、そのような条文化をして、この問題を解決しております。
それから、その下の②では、やり方としてはもう一つ、個別紛争事案の解決制度の中に職務評価能力を持つ独立専門家という方を置いて、報告書を依頼できる仕組みというのを導入するということもやり方だと思っております。これは、イギリスの制度を参考にした提案でございます。イギリスではこのようなやり方でこれを運用しております。
それから、③は、パート・有期労働法を改正して、一案ですけれども、基本給については、合理的と認められない相違の有無は、客観的で公平な職務評価を用いて判断されなければならないとここに書き込むというのも手だと思います。
実は、現在、厚労省も、パート・有期労働法の下に、基本給に関する不合理な待遇差を解消する一つの方法として職務評価の手法というものを紹介しておられます。職務評価を用いた基本給の点検・検討マニュアルというものです。これは、少し先ほど御紹介した国際的な基準に照らすと、私の考えからいえば修正が必要だと思いますが、しかし、基本的にはこの国際的な評価項目を運用している考え方に通ずるものだと考えております。
さて、四番目ですが、もう一つの提案になりますが、こちらの方は賃金格差是正のプロアクティブモデルというものです。個別救済の申立てをして、自分で格差賃金、差別賃金を取り戻すということは非常に個人が負担になりますので、その効果というのはしかも本人に及ぶだけでありまして、職場全体の賃金格差解消にはなっておりません。
そこで、今の各国の法制度のトレンドとしては、一定規模以上の事業主に賃金格差の是正を義務付けるというプロアクティブなモデルというものを導入していこうというのがヨーロッパなどを中心に行われている立法政策です。典型的には、最初に取り上げたのはカナダのオンタリオ州のペイエクイティー法というものですが、こちらについては後掲の資料三に少しだけ載せておきましたので、後ほど御参考いただきたいと思います。最近では、イギリスの二〇一〇年平等法、またドイツ、それからフランス、またEUの二〇二三年の賃金透明化指令というものも出ております。
プロアクティブモデルの一番の特色というのは、個人の申立てを待たずに事業主が一定の作為をするというところにありまして、また、効果は職場全体に及ぶというものでございます。
ここまでお話しすると、御存じだと思いますが、日本も二〇二二年に女性活躍推進法の省令と指針を改正しまして、三百一人以上の事業主に男女間の賃金の差異の状況把握と公表を義務化しております。これが一種のプロアクティブなシステムであるということが言えると思います。
ただし、日本の場合には幾つかまだ限界がありまして、賃金の差異というものが、全労働者の中の男女比、それから正規労働者の中の男女比、それから非正規労働者の中の男女比として示されることになっておりまして、これではなかなか格差の実態が見えにくい状態です。
なぜかといいますと、賃金の格差は、最高位にあるのが恐らく正社員の男性であり、最低位にあるのが非正規の女性なんですけれども、その格差が比率として示されて初めて賃金の格差が認識できるのですけれども、少なくとも非正規労働者の中での男女比を比較しても余り実態の賃金格差には理解が進まないと考えております。そこがちょっとポイントです。
それから二番目は、男女の賃金の差異の縮小というものが行動計画で目標化されるべき項目にはなっておりませんので、縮小がなかなか難しいだろうと、現状のままでは。また、③は、行動計画の実現が努力義務にすぎず、モニタリングの仕組みがないという問題点がございます。
そこで、最後のページですけれども、より国際基準に沿ったプロアクティブモデルを提案するということが、一つの賃金格差の縮小のポイントかと考えます。
第一に、事業主が、男女、それから正規、非正規の賃金格差の状況把握義務を負って、その場合に、やはり男性の多い職、男性職と、それから女性の多い職、女性職とを職務評価の手法を使って比較するということをやるべきではないかと思っております。で、格差がある場合には、その正当化理由の有無を確認してはどうかと考えます。
②に、その正当化理由がない場合には、賃金格差を調整する義務を負うというふうにしてはどうかということです。カナダのオンタリオ州などではそのようにしております。
それから、③では、一定以上の規模の事業主が賃金格差調整行動計画の策定義務を負うとして、それは一挙にやるのではなくて、少しずつ賃金格差を調整していくというプログラムを組むということです。
④は、その行動計画に沿って格差調整を実施していく。それが実現したか否かというときに、企業内の労使委員会というものがモニタリングしていく。そのような仕組みを取っていきますと、かなり日本の男女賃金格差の縮小に有益な立法政策になるのではないかというふうに考えております。
私の報告は以上です。どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →私、男女賃金格差の解消と同一価値労働同一賃金という少し小難しいテーマを選んでしまいましたので、今ちょっと後悔をしておりますが、気を取り直して報告させていただきます。
ページの二ページなんですが、一番目は男女賃金格差の実態です。
①で、男女間の賃金格差は、男性一〇〇としたときに、女性は七四・八と言われております。ただ、この中には非正規のパート労働者が入っておりませんので、②で申し上げているんですが、男女別ではない正規、非正規の賃金格差、時給で見てみますと、正規の労働者を一〇〇としたときに、パートは六九・一になっております。③で、非正規労働者の割合を見ますと、男性は二二・五%で女性は五三・二%なものですから、まあ女性が圧倒的に非正規です。そして、④で言っておりますが、女性たちの実感としては、やはりこの女性が男性の五五・五でしかないという、この平均給与の格差というのがかなり実感として捉えているところだと思います。
二番目に参りますが、現行の法規定を見ますと、労働基準法四条は、御存じのように、賃金に関する性差別を禁止しております。ただし、同一価値労働同一賃金原則とは言っておりません。
次の四角ですが、労働基準法というのは罰則付きの強行規定で、労働基準監督官が行政指導を行いまして、悪質と判断する場合には刑罰を科するために送検をいたします。ただ、この送検件数というのは非常に少なくて、年間に数件あるかないかだと思われます。また、監督官は未払賃金を徴収はいたしませんので、未払の賃金を求めたいとなると、労働者自身が民事訴訟を提起するということになり、かなりの負担があると思います。
このように見てくると、立法上は男女賃金格差の救済というのがなかなか難しいかなという実態にございます。
大きい三番目ですが、国連の女性差別撤廃委員会が昨年十月に第六回目の対日審査を行いました。二〇二四年十月三十日にはそこから総括所見という文書が出ておりますが、そのパラグラフの三十九というところでは、同一価値労働同一賃金の原則の実施が不十分であるということが留意されております。
次のページに参りまして、ページ三ですが、そのパラグラフ四十というところでは、(c)で、ジェンダー賃金格差を縮小してなくすためには同一価値労働同一賃金原則を有効に実施することと言われておりまして、その二番目ですが、非差別的かつ主観的でない職務分類、職務評価方法を適用しなさいということが勧告されております。
さて、四番目ですが、それでは、同一価値労働同一賃金原則とそれから職務評価というものをどのように考えたらいいのかということについて触れたいと思います。
一つ目は、一九五一年のILOの百号条約でございます。ただし、この百号条約は同一価値労働についての男女労働者への同一報酬に関する原則をうたっておりますけれども、ただ、同一価値労働の明確な定義はこの条約の中にあるわけではありません。
ILOは、その下に行きますと、ただ、二〇〇八年に採用すべき職務評価のガイドブックというものを出版しております。これによりますと、労働をですね、職務を、二つの異なる職務を、価値を比較しなさいということを言っておりまして、そのためには職務評価が必要であると言っておりまして、その方法の中には、いろいろあるんですけれども、得点要素法というものが最適の方法であると言っております。
得点要素法についてちょっと説明をしていないので申し訳なかったんですが、七ページのちょっと資料に飛んで見ていただきたいのですが、これは資料ですので後ほどは御説明できないんですが、私どもがちょっと実施した職務評価の中のやり方を示しておりますが、ステップ三というところを見ていただくと、職務評価の四大ファクターと出てまいります。職務評価の四大ファクターというのは、知識・技能、それから負担、責任、労働環境ですね、この四つの大きなファクターを使って職務を分析し、点数評価をする、これが得点要素法というものです。
戻っていただきまして、三ページですね、に戻っていただきまして、下から十行目ぐらいの(2)というところなんですが、性に中立的な職務評価制度というものはどういうものかということなのですけれども、それが得点要素法であるというふうに言われております。
ただ、それをいきなり日本に持ってくる場合には、日本的な特殊性というのがありまして、その下に書いてありますが、正規、非正規格差というのが日本の場合は非常に大きいものですから、そもそも同一価値労働同一賃金原則というのは男女間の賃金格差について言われているものなのですけれども、日本の場合には、この正規、非正規格差というものもやはり触れないとなかなか格差が把握できないと考えております。
次のページです。四ページになります。
私どもが日本の企業の中で実際に得点要素法というものを使いまして職務評価を実施した事例というのが幾つかあります。それを御紹介しているのが一番上に①、②とあるものなんですが、そのうちの②というのが二〇二二年に出版した本の中で御紹介しているものです。大手家電量販店の販売職というのが男性が主に就いている職種です。それから、レジカウンター職というのが女性が主に就いている職種です。その中にはパート、正社員、契約社員というのが混在しております。これをどのようにして分析したかというのが、先ほど御覧いただいた後ろの方にあります資料一なんですけれども、それは後で御覧いただければと思います。
そこで、大きな五番目ですが、同一価値労働同一賃金原則をそれでは実施するための法制度というのはどのようなものがあるだろうかというふうに考えてみたいと考えております。
まず、日本はこの原則を実施していないという批判を何度も何度も国際機関から繰り返し言われております。一九六七年には日本はILO百号条約を批准いたしましたけれども、批准した際に、余りこの原則のことを深刻に捉えていなかったものですから、法改正はありませんでした。その後、ILOの条約勧告適用専門家委員会は、繰り返しになりますけれども、この条約の原則を日本は十分に反映していないというふうに指摘しております。この対応を日本は迫られているのではないかと考えています。
ただし、これをいきなり日本に導入するというのも非常に難しくて、この原則は日本になじまないという意見も当然あります。なぜかといいますと、欧米では基本的に職務給というものが確立しておりまして、法制度の中にこの同一価値労働同一賃金原則を導入するというのは当然のことだというふうに理解されておりますけれども、日本の場合は、御存じのように、職能給制度が大企業では主にありますので、なかなかこれを実現させる、同一価値労働同一賃金原則というのを実現させるのは困難だという考え方を取る研究者も多いと思います。
私たちは、私たちといいますか、私は、確かにこの原則というのは職務の内容と格付に応じた職務給制度というのが採用されている国で取られてきた原則であるというふうには考えますけれども、ただ、これはやはり日本においても導入されるべき原則だと考えております。自然に委ねていては日本では実現しないからこそ、立法の中にこれを導入して、何とかどのようにしたら実現できるだろうかと知恵を絞るべきであるというふうに考えています。
基本給の在り方というのは様々で、実はパート・有期労働法、それから同一労働同一賃金ガイドラインというのは今現在厚労省も取っている政策ですけれども、この中でも厚労省は、基本給の在り方を法的に強制することはできない、それから、職務給制度を法的に義務付けるのではないというふうに繰り返し述べつつ、しかし、どのような形態の賃金制度とするかは基本的に労使の決定に委ねるけれどもという前提を置きながら、この有期労働法というものを運用していると思います。
ただし、私は、男女間の賃金差別とか、それから正規、非正規間の賃金差別をめぐる個別紛争の事案の中で、その解決手法として同一価値労働同一賃金原則を実施していくということが極めて重要ではないかと考えております。なぜなら、この原則が基準とするのはあくまでも労働、それから職務なものですから、この性と雇用形態に中立的な職務分析や職務評価システムを紛争解決の手法の中に組み込むことによって、日本でも公正な解決方法が実現するのではないかと考えております。
さて、五ページ目に参ります。
以下、二つのことを提案させていただきたいと思っております。
(3)と(4)というのがそれに当たるのですけれども、一つは、個別的な紛争解決の事案を解決する法制度としての同一価値労働同一賃金原則というものです。これを盛り込むためには、同一価値労働同一賃金原則を明文化する、まずは立法の中に明文化するということが必要だと考えております。
例えば、労働契約法の中にこのように書くというのも一つの仕方ですし、それから、労働基準法四条というのを改正して、労働基準法四条の中に書き込むというのも一つのやり方だと考えております。実は、韓国の法制度もまさに労働基準法四条に当たる法律を改定して、後ろの方に資料二として載せておきましたけれども、そのような条文化をして、この問題を解決しております。
それから、その下の②では、やり方としてはもう一つ、個別紛争事案の解決制度の中に職務評価能力を持つ独立専門家という方を置いて、報告書を依頼できる仕組みというのを導入するということもやり方だと思っております。これは、イギリスの制度を参考にした提案でございます。イギリスではこのようなやり方でこれを運用しております。
それから、③は、パート・有期労働法を改正して、一案ですけれども、基本給については、合理的と認められない相違の有無は、客観的で公平な職務評価を用いて判断されなければならないとここに書き込むというのも手だと思います。
実は、現在、厚労省も、パート・有期労働法の下に、基本給に関する不合理な待遇差を解消する一つの方法として職務評価の手法というものを紹介しておられます。職務評価を用いた基本給の点検・検討マニュアルというものです。これは、少し先ほど御紹介した国際的な基準に照らすと、私の考えからいえば修正が必要だと思いますが、しかし、基本的にはこの国際的な評価項目を運用している考え方に通ずるものだと考えております。
さて、四番目ですが、もう一つの提案になりますが、こちらの方は賃金格差是正のプロアクティブモデルというものです。個別救済の申立てをして、自分で格差賃金、差別賃金を取り戻すということは非常に個人が負担になりますので、その効果というのはしかも本人に及ぶだけでありまして、職場全体の賃金格差解消にはなっておりません。
そこで、今の各国の法制度のトレンドとしては、一定規模以上の事業主に賃金格差の是正を義務付けるというプロアクティブなモデルというものを導入していこうというのがヨーロッパなどを中心に行われている立法政策です。典型的には、最初に取り上げたのはカナダのオンタリオ州のペイエクイティー法というものですが、こちらについては後掲の資料三に少しだけ載せておきましたので、後ほど御参考いただきたいと思います。最近では、イギリスの二〇一〇年平等法、またドイツ、それからフランス、またEUの二〇二三年の賃金透明化指令というものも出ております。
プロアクティブモデルの一番の特色というのは、個人の申立てを待たずに事業主が一定の作為をするというところにありまして、また、効果は職場全体に及ぶというものでございます。
ここまでお話しすると、御存じだと思いますが、日本も二〇二二年に女性活躍推進法の省令と指針を改正しまして、三百一人以上の事業主に男女間の賃金の差異の状況把握と公表を義務化しております。これが一種のプロアクティブなシステムであるということが言えると思います。
ただし、日本の場合には幾つかまだ限界がありまして、賃金の差異というものが、全労働者の中の男女比、それから正規労働者の中の男女比、それから非正規労働者の中の男女比として示されることになっておりまして、これではなかなか格差の実態が見えにくい状態です。
なぜかといいますと、賃金の格差は、最高位にあるのが恐らく正社員の男性であり、最低位にあるのが非正規の女性なんですけれども、その格差が比率として示されて初めて賃金の格差が認識できるのですけれども、少なくとも非正規労働者の中での男女比を比較しても余り実態の賃金格差には理解が進まないと考えております。そこがちょっとポイントです。
それから二番目は、男女の賃金の差異の縮小というものが行動計画で目標化されるべき項目にはなっておりませんので、縮小がなかなか難しいだろうと、現状のままでは。また、③は、行動計画の実現が努力義務にすぎず、モニタリングの仕組みがないという問題点がございます。
そこで、最後のページですけれども、より国際基準に沿ったプロアクティブモデルを提案するということが、一つの賃金格差の縮小のポイントかと考えます。
第一に、事業主が、男女、それから正規、非正規の賃金格差の状況把握義務を負って、その場合に、やはり男性の多い職、男性職と、それから女性の多い職、女性職とを職務評価の手法を使って比較するということをやるべきではないかと思っております。で、格差がある場合には、その正当化理由の有無を確認してはどうかと考えます。
②に、その正当化理由がない場合には、賃金格差を調整する義務を負うというふうにしてはどうかということです。カナダのオンタリオ州などではそのようにしております。
それから、③では、一定以上の規模の事業主が賃金格差調整行動計画の策定義務を負うとして、それは一挙にやるのではなくて、少しずつ賃金格差を調整していくというプログラムを組むということです。
④は、その行動計画に沿って格差調整を実施していく。それが実現したか否かというときに、企業内の労使委員会というものがモニタリングしていく。そのような仕組みを取っていきますと、かなり日本の男女賃金格差の縮小に有益な立法政策になるのではないかというふうに考えております。
私の報告は以上です。どうもありがとうございました。
福
福山哲郎#17
○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一巡後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
発言は着席のままで結構でございます。
また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようお願いいたします。
なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間が一巡目はお一人十二分以内となるように御協力をお願いいたします。
これより一巡目の質疑を行います。
質疑のある方は挙手を願います。
山本啓介君。
この発言だけを見る →以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一巡後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
発言は着席のままで結構でございます。
また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようお願いいたします。
なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間が一巡目はお一人十二分以内となるように御協力をお願いいたします。
これより一巡目の質疑を行います。
質疑のある方は挙手を願います。
山本啓介君。
山
山本啓介#18
○山本啓介君 山本啓介です。
三名の参考人の方々におかれましては、大変貴重な時間を我々の調査のために割いていただきましたことをまず心から御礼を申し上げたいと思います。また、日頃から社会の大変厳しい状況下にある方々の改善のための資料とか調査、研究に御尽力をいただいていますことに対しましても、改めて敬意を表したいと思います。
非常に内容が多岐にわたる説明であったと私自身は認識しているんですけれども、その上、質問も伺いながら考えてはいましたけれども、非常に、特に近藤参考人の内容は、本当に角度が多角的なものがあったなというふうに感じているのと、我々が社会の現象として捉えている事柄の見方とはちょっと違う、で、説明を聞けば、ああ、当然そうであるなという認識を持つことばかりでありました。
できるだけ与えられた時間内で全員にちょっとお尋ねをしたいなというふうに思っています。
まず、高見参考人に少し尋ねていきたいと思いますけれども、御説明いただいた内容は実は以前も私ちょっと動画等々でも拝見する機会がありまして、そのときから少し思っておりました。参考人の話は、やはりこの社会やその企業体というものが生産とか経済的な効果、結果というものを照らしていたときよりも、やはり、もう少しそのプレーヤーである労働者の方々のその時間、又はその時間の向こう側にある家族との時間や人生、ライフステージ、そういったものにもしっかりと目を向けた要は施策を打たないと根本的な解決につながらないというところがまとめであったというふうに私は理解をしています。
その上で少しお尋ねしたいのが、職場の課題解決ができていない、これらに行政や政府若しくはその地域の自治体がアプローチしていく場合、やはりなかなか、その立ち行かなくなった経営状況というものと、雇用している側とされている側の環境というのはやはり違うわけでして、こういったものを公がアプローチする際、気を付ける必要のあること、またそのアプローチの手法について何かお考えがあればお話しいただきたいと思います。
この発言だけを見る →三名の参考人の方々におかれましては、大変貴重な時間を我々の調査のために割いていただきましたことをまず心から御礼を申し上げたいと思います。また、日頃から社会の大変厳しい状況下にある方々の改善のための資料とか調査、研究に御尽力をいただいていますことに対しましても、改めて敬意を表したいと思います。
非常に内容が多岐にわたる説明であったと私自身は認識しているんですけれども、その上、質問も伺いながら考えてはいましたけれども、非常に、特に近藤参考人の内容は、本当に角度が多角的なものがあったなというふうに感じているのと、我々が社会の現象として捉えている事柄の見方とはちょっと違う、で、説明を聞けば、ああ、当然そうであるなという認識を持つことばかりでありました。
できるだけ与えられた時間内で全員にちょっとお尋ねをしたいなというふうに思っています。
まず、高見参考人に少し尋ねていきたいと思いますけれども、御説明いただいた内容は実は以前も私ちょっと動画等々でも拝見する機会がありまして、そのときから少し思っておりました。参考人の話は、やはりこの社会やその企業体というものが生産とか経済的な効果、結果というものを照らしていたときよりも、やはり、もう少しそのプレーヤーである労働者の方々のその時間、又はその時間の向こう側にある家族との時間や人生、ライフステージ、そういったものにもしっかりと目を向けた要は施策を打たないと根本的な解決につながらないというところがまとめであったというふうに私は理解をしています。
その上で少しお尋ねしたいのが、職場の課題解決ができていない、これらに行政や政府若しくはその地域の自治体がアプローチしていく場合、やはりなかなか、その立ち行かなくなった経営状況というものと、雇用している側とされている側の環境というのはやはり違うわけでして、こういったものを公がアプローチする際、気を付ける必要のあること、またそのアプローチの手法について何かお考えがあればお話しいただきたいと思います。
高
高見具広#19
○参考人(高見具広君) 重要な御質問を誠にありがとうございます。
今委員の御質問は、企業が従業員の生活や健康を守るということに対して、社会政策的にどういうふうにアプローチできるのかというところだというふうに存じます。
今、委員も御存じのことかもしれませんが、企業は、もちろん営利目的ではありながら、従業員の健康、あるいは広くウエルビーイングと言ったりしますが、福、幸福ですね、そういうものを重視するというところも出ております。まあ、一つの言葉としては、健康経営という言葉があります。
それは、何でそういうことをするかというと、従業員が健康で働けることというのは企業活動にとってもプラスであると。それは考えてみれば当然のことであって、従業員の健康状態が悪くて生産性が下がれば企業活動にも影響出るわけだから、短期的には、もし悪い企業であってとにかく働かせてというふうなことがあるかもしれませんが、長期的に見れば、従業員が健康であって仕事にも満足して働けるというのは、企業にとっても、企業へのコミットメントも高まるし、プラスであろうというふうに思います。ただ、そういうふうな長期的な視点を持ってどの企業さんも取り組めばいいんですが、なかなかそうじゃない場合もあるというのは何となく想像が付きます。
そこで、そういう取組を、まあ政策的にというか、社会として後押ししていくにはどうしたらいいかということだと思いますが、なかなかこれは結構難しいというか、法規制がなじむことではないかなというふうに私自身は思っていて、例えば、一番簡単に考えられるのは情報開示といいますか、単純な手法ですけれども、企業の労働時間等の状況を開示をしてもらうと、まあ今でもしているところはありますが、その開示を進めることによって、言わば労働市場の調整機能といいますか、簡単に言うといい企業が選ばれやすくなるようにするということですが、そういう形で企業の労務環境の改善をしていくと。それは、もちろん就職とか転職のときに、就職する、転職しようという人が選ぶという意味での調整機能も大事ですが、企業内に向けての情報開示というのもまた大事になるかなと。
例えば、管理職の人が部下の残業時間というのがどうなっているかというのを知ることによって、ほかの部署と比べて自分の部署はどうか、問題があれば改善していくというふうな内部の情報開示もあるし、本人に対しても情報開示の意味があるし、そういう意味では、まだまだそういう意味では開示の余地があって、社会政策としては、そういうふうないいプラクティスを後押ししていくと、紹介していくというのが、まあオーソドックスではありますが、方法かなというふうに考えるところでございます。
以上でございます。
この発言だけを見る →今委員の御質問は、企業が従業員の生活や健康を守るということに対して、社会政策的にどういうふうにアプローチできるのかというところだというふうに存じます。
今、委員も御存じのことかもしれませんが、企業は、もちろん営利目的ではありながら、従業員の健康、あるいは広くウエルビーイングと言ったりしますが、福、幸福ですね、そういうものを重視するというところも出ております。まあ、一つの言葉としては、健康経営という言葉があります。
それは、何でそういうことをするかというと、従業員が健康で働けることというのは企業活動にとってもプラスであると。それは考えてみれば当然のことであって、従業員の健康状態が悪くて生産性が下がれば企業活動にも影響出るわけだから、短期的には、もし悪い企業であってとにかく働かせてというふうなことがあるかもしれませんが、長期的に見れば、従業員が健康であって仕事にも満足して働けるというのは、企業にとっても、企業へのコミットメントも高まるし、プラスであろうというふうに思います。ただ、そういうふうな長期的な視点を持ってどの企業さんも取り組めばいいんですが、なかなかそうじゃない場合もあるというのは何となく想像が付きます。
そこで、そういう取組を、まあ政策的にというか、社会として後押ししていくにはどうしたらいいかということだと思いますが、なかなかこれは結構難しいというか、法規制がなじむことではないかなというふうに私自身は思っていて、例えば、一番簡単に考えられるのは情報開示といいますか、単純な手法ですけれども、企業の労働時間等の状況を開示をしてもらうと、まあ今でもしているところはありますが、その開示を進めることによって、言わば労働市場の調整機能といいますか、簡単に言うといい企業が選ばれやすくなるようにするということですが、そういう形で企業の労務環境の改善をしていくと。それは、もちろん就職とか転職のときに、就職する、転職しようという人が選ぶという意味での調整機能も大事ですが、企業内に向けての情報開示というのもまた大事になるかなと。
例えば、管理職の人が部下の残業時間というのがどうなっているかというのを知ることによって、ほかの部署と比べて自分の部署はどうか、問題があれば改善していくというふうな内部の情報開示もあるし、本人に対しても情報開示の意味があるし、そういう意味では、まだまだそういう意味では開示の余地があって、社会政策としては、そういうふうないいプラクティスを後押ししていくと、紹介していくというのが、まあオーソドックスではありますが、方法かなというふうに考えるところでございます。
以上でございます。
山
山本啓介#20
○山本啓介君 ありがとうございます。
雇用する側がしっかりと命だったり人生だったりという、働いている方々のそういった部分に意識を持っていくこと、それを促す方法というのは、おっしゃるとおり、制度や決まりでできるようなことではないと、社会全体の意識を変えていくことであろうかと思います。ありがとうございます。
次に、浅倉参考人にお尋ねしたいんですけれども、今、高見参考人とやり取りさせていただきましたけれども、やはりそれぞれの働いている方々にはそういう人生があったり家庭があったりと、当然それというのは、いろんな社会保障の部分とか整備、国が取り組んでいたり行政が取り組んでいるものによって支えられている部分というもの多分にあるんだと思うんですけれども、そういった社会保障というのは、例えば欧米であれば、よく例に出されていましたけれども、欧米であれば、負担というよりも拠出をすることで権利を得ているというようなところに認識があって、社会の雰囲気はまた違うと思うんですね。先ほど御説明いただいた内容からしても、やっぱりおっしゃるとおり、同一価値労働同一賃金の部分の話にしても、なかなか日本においては、職務給というよりもキャリアの年数だったり経験だったり、そういった部分が照らしているという現状が今もなおあるんだと。それに加えて、男女の差と正規、非正規のところを説明いただいたというふうに理解します。
その中で、今、その働いている方々の人生や家庭やという部分に対して、例えば今差がなくなったとして、そういった部分も、社会保障の観点、こういったことも含めて少し説明を補足していただければと思います。
この発言だけを見る →雇用する側がしっかりと命だったり人生だったりという、働いている方々のそういった部分に意識を持っていくこと、それを促す方法というのは、おっしゃるとおり、制度や決まりでできるようなことではないと、社会全体の意識を変えていくことであろうかと思います。ありがとうございます。
次に、浅倉参考人にお尋ねしたいんですけれども、今、高見参考人とやり取りさせていただきましたけれども、やはりそれぞれの働いている方々にはそういう人生があったり家庭があったりと、当然それというのは、いろんな社会保障の部分とか整備、国が取り組んでいたり行政が取り組んでいるものによって支えられている部分というもの多分にあるんだと思うんですけれども、そういった社会保障というのは、例えば欧米であれば、よく例に出されていましたけれども、欧米であれば、負担というよりも拠出をすることで権利を得ているというようなところに認識があって、社会の雰囲気はまた違うと思うんですね。先ほど御説明いただいた内容からしても、やっぱりおっしゃるとおり、同一価値労働同一賃金の部分の話にしても、なかなか日本においては、職務給というよりもキャリアの年数だったり経験だったり、そういった部分が照らしているという現状が今もなおあるんだと。それに加えて、男女の差と正規、非正規のところを説明いただいたというふうに理解します。
その中で、今、その働いている方々の人生や家庭やという部分に対して、例えば今差がなくなったとして、そういった部分も、社会保障の観点、こういったことも含めて少し説明を補足していただければと思います。
浅
浅倉むつ子#21
○参考人(浅倉むつ子君) ちゃんとこういうお答えでいいのかどうか分からないんですけれども、賃金格差の主な原因としてはですね、男女間の賃金格差の主な原因としては、勤続年数の違いと、それから管理職であるかどうかのそこの二点が非常に現在の日本の男女賃金格差の大きな原因であるということは皆さん言っておりますし、それは立証されております。
ただ、なぜ、それではそのような管理職の数値、それから勤続年数に男女差があるのかというそもそもの原因のところを考えると、非常に性別役割分業というのが日本では甚だしく大きいというのがかなり大きく関係していると考えております。つまり、日本の場合には女性の家事労働に掛ける時間というのは男性の五・五倍と言われておりまして、ヨーロッパ諸国ではせいぜい一・三倍から一・八倍ぐらいなんですね。
ですので、時間の中で、家事、育児労働時間に女性が掛けている時間が非常に長いので、しかも男性は長時間労働ですので、そこにおいて管理職になる人というのはおのずと長時間働ける男性でなければいけないという、そういう企業社会、企業文化がかなり根強くありますので、そういうところに大きな賃金格差の原因があると考えておりますので、おっしゃいましたように、家庭とか人生とかですね、そういうものを含めていろいろな要因として総括的に考えていかなければいけない問題だというふうに、こんなお答えでよろしいでしょうか。
この発言だけを見る →ただ、なぜ、それではそのような管理職の数値、それから勤続年数に男女差があるのかというそもそもの原因のところを考えると、非常に性別役割分業というのが日本では甚だしく大きいというのがかなり大きく関係していると考えております。つまり、日本の場合には女性の家事労働に掛ける時間というのは男性の五・五倍と言われておりまして、ヨーロッパ諸国ではせいぜい一・三倍から一・八倍ぐらいなんですね。
ですので、時間の中で、家事、育児労働時間に女性が掛けている時間が非常に長いので、しかも男性は長時間労働ですので、そこにおいて管理職になる人というのはおのずと長時間働ける男性でなければいけないという、そういう企業社会、企業文化がかなり根強くありますので、そういうところに大きな賃金格差の原因があると考えておりますので、おっしゃいましたように、家庭とか人生とかですね、そういうものを含めていろいろな要因として総括的に考えていかなければいけない問題だというふうに、こんなお答えでよろしいでしょうか。
山
山本啓介#22
○山本啓介君 曖昧な質問にしっかり答えていただいたというふうに思っております。ありがとうございます。
最後に、近藤参考人にお尋ねします。済みません、時間がなくなってしまいましたけれども。
機会に恵まれず中高年となった氷河期世代の方々が今もなおやっぱり機会が狭いままだと、だから今から働く機会をと。例えば高齢者の方々や女性というものの活躍する場面をしっかりつくっていったとしても、我が国の労働力というのは足りていないと。そこに、かつてそうやって機会に恵まれなかった就職氷河期世代の方々にも是非とも社会で活躍していただけるような方策を考えるべきだという認識はみんなあるんだと思うんですけれども、自立できなかった場合、今後、家にいらっしゃる、親御さんの元にいらっしゃる方々というのは、親御さんがいらっしゃらなくなった場合はその後どうなるんだというところを少し想定していない、想定してやはり施策を打っていくべきだということがありました。
この部分が一番私の印象に残っているんですけれども、もう少し詳しく御説明を残り時間でいただきたいと思います。ヤジ
この発言だけを見る →最後に、近藤参考人にお尋ねします。済みません、時間がなくなってしまいましたけれども。
機会に恵まれず中高年となった氷河期世代の方々が今もなおやっぱり機会が狭いままだと、だから今から働く機会をと。例えば高齢者の方々や女性というものの活躍する場面をしっかりつくっていったとしても、我が国の労働力というのは足りていないと。そこに、かつてそうやって機会に恵まれなかった就職氷河期世代の方々にも是非とも社会で活躍していただけるような方策を考えるべきだという認識はみんなあるんだと思うんですけれども、自立できなかった場合、今後、家にいらっしゃる、親御さんの元にいらっしゃる方々というのは、親御さんがいらっしゃらなくなった場合はその後どうなるんだというところを少し想定していない、想定してやはり施策を打っていくべきだということがありました。
この部分が一番私の印象に残っているんですけれども、もう少し詳しく御説明を残り時間でいただきたいと思います。ヤジ
福
近
近藤絢子#24
○参考人(近藤絢子君) ありがとうございます。
正直に申し上げますと、私も財政学は余り専門ではないので、具体的な制度設計まで踏み込んだ提言というのはちょっと難しいものがあるんですけれども、やはり大本の問題は、低賃金で働いていますので、そのために転職とかスキルアップみたいな投資をする時間もないという層が一定数存在していて、その人たちというのは結局今親がセーフティーネットみたいになっているんですけれども、そこがなくなったときどうするかということなんで、それは親であれ何であれ、要は金銭的な問題で困窮しているというところが問題の本質だと思うんですね。
なので、やはりそこに関しては、当然、本人の自助努力を妨げないという難しい課題が出てくるんですけれども、やはり何らかの形で、所得再分配という形で困窮しないようにするということを考えていく必要があるだろうという、非常に曖昧なお答えで申し訳ないんですけれども。何らかの形で、その同じ世代の中でも所得の高い人と低い人がいるということを、何らかの形で政府が所得再分配するというようなことをしていかないと、逆に社会不安みたいなことが起こってくるのではないかと思うんですけれども。ただ、やっぱり再分配政策には非常に政治的な抵抗が大きいというのも存じ上げていますので、実現するにどうすればいいのかというのは非常に難しい問題だなと思っております。
済みません、余り答えになっていないですけれども、以上です。
この発言だけを見る →正直に申し上げますと、私も財政学は余り専門ではないので、具体的な制度設計まで踏み込んだ提言というのはちょっと難しいものがあるんですけれども、やはり大本の問題は、低賃金で働いていますので、そのために転職とかスキルアップみたいな投資をする時間もないという層が一定数存在していて、その人たちというのは結局今親がセーフティーネットみたいになっているんですけれども、そこがなくなったときどうするかということなんで、それは親であれ何であれ、要は金銭的な問題で困窮しているというところが問題の本質だと思うんですね。
なので、やはりそこに関しては、当然、本人の自助努力を妨げないという難しい課題が出てくるんですけれども、やはり何らかの形で、所得再分配という形で困窮しないようにするということを考えていく必要があるだろうという、非常に曖昧なお答えで申し訳ないんですけれども。何らかの形で、その同じ世代の中でも所得の高い人と低い人がいるということを、何らかの形で政府が所得再分配するというようなことをしていかないと、逆に社会不安みたいなことが起こってくるのではないかと思うんですけれども。ただ、やっぱり再分配政策には非常に政治的な抵抗が大きいというのも存じ上げていますので、実現するにどうすればいいのかというのは非常に難しい問題だなと思っております。
済みません、余り答えになっていないですけれども、以上です。
山
福
古
古賀千景#27
○古賀千景君 こんにちは。立憲民主・社民・無所属の古賀千景と申します。
私は教員を七年前までしておりまして、今回国会にも給特法の見直しというところで法案が出てきますので、是非議員の皆さんにも知っていただきたくて、教員のことについてちょっと話をさせていただきます。
教員は、労基法ではなく給特法という法律、一九七一年に、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法というのが本名ですが、これにおける公立学校の教育職員の給与や労働条件を定めた法律となります。
教育は自発的や創造性が必要とされるということで、正解や上限がない仕事と言われています。そのために、こういう公立の義務教育諸学校等の教職員の職務と勤務体系の特殊性に基づきというこの言葉があって、この給与は、その他の給与条件についても特例を定めた法律となります。
原則的には、私たちには、教職員には残業時間が全く手当が出ません。代わりに教職調整額というのが四%出ます。この法律ができたとき、学校の教職員の残業は月に八時間でした。今は月に四十七時間平均と言われていますが、この四%は変わらぬままです。これから法律としては、一%ずつ上げていこうというふうな法律が今回出るんではないかと言われている状況です。
業務はたくさんあります。授業の準備から、評価をすることから、保護者との連絡から。しかし、そういうのは、この法律が残業を命じられるのは四つだけということが明記されていて、これが校外実習、修学旅行などの学校行事、職員会議、非常災害だけの四つです。ですので、教員がどれだけ遅くまで丸を付けても、あしたの授業の準備をしても、それは残業にはならず、自発的に教職員がやりたくてやっている仕事だという、この認識になっているのがこの法律になります。
ただ、私立や国立学校は三六協定の労基法適用なんですよね。同じ職務で働いていても、労基法適用がある、給特法がある、このような状況で、私はとてもおかしいと思っております。
まず、高見参考人の方にこの法律についてどう思われるかを、御認識お聞かせください。
この発言だけを見る →私は教員を七年前までしておりまして、今回国会にも給特法の見直しというところで法案が出てきますので、是非議員の皆さんにも知っていただきたくて、教員のことについてちょっと話をさせていただきます。
教員は、労基法ではなく給特法という法律、一九七一年に、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法というのが本名ですが、これにおける公立学校の教育職員の給与や労働条件を定めた法律となります。
教育は自発的や創造性が必要とされるということで、正解や上限がない仕事と言われています。そのために、こういう公立の義務教育諸学校等の教職員の職務と勤務体系の特殊性に基づきというこの言葉があって、この給与は、その他の給与条件についても特例を定めた法律となります。
原則的には、私たちには、教職員には残業時間が全く手当が出ません。代わりに教職調整額というのが四%出ます。この法律ができたとき、学校の教職員の残業は月に八時間でした。今は月に四十七時間平均と言われていますが、この四%は変わらぬままです。これから法律としては、一%ずつ上げていこうというふうな法律が今回出るんではないかと言われている状況です。
業務はたくさんあります。授業の準備から、評価をすることから、保護者との連絡から。しかし、そういうのは、この法律が残業を命じられるのは四つだけということが明記されていて、これが校外実習、修学旅行などの学校行事、職員会議、非常災害だけの四つです。ですので、教員がどれだけ遅くまで丸を付けても、あしたの授業の準備をしても、それは残業にはならず、自発的に教職員がやりたくてやっている仕事だという、この認識になっているのがこの法律になります。
ただ、私立や国立学校は三六協定の労基法適用なんですよね。同じ職務で働いていても、労基法適用がある、給特法がある、このような状況で、私はとてもおかしいと思っております。
まず、高見参考人の方にこの法律についてどう思われるかを、御認識お聞かせください。
高
高見具広#28
○参考人(高見具広君) 貴重な御意見及び御質問、誠にありがとうございます。
私事ですが、娘が公立中学に通っておりますので、教員の業務が多岐にわたって大変忙しいというのは容易に想像が付くところでございます。
今委員から御指摘あったように、公立の学校と私立の学校で法律、適用される法律が違って、その結果として公立の教員が非常に残業手当が十分出ない中、長時間の労働をしているという状況というのは非常に私自身は問題だというふうに考えます。
もちろん、そのときにどういうふうに変えていくのがいいのかというのはいろいろ、私も法律は専攻しておりませんで分からないところはありますが、もちろん、今の残業時間に見合った残業手当を支給するというのはもちろん当然大事なことではあります。ただ、根本的なものとして、その健康ですよね、生活、健康。生活というよりは多分健康を害するようなレベルというのも多分多々あると思いますので、そういう意味では、それは時間外労働の手当が支給されればそれでいいというものではないというのは当然のことであります。
ですので、法律にどうというのは分かりませんが、その長時間労働を歯止めを掛けるような規制というのが私自身としては求められるというふうに考えるところでございます。
以上でございます。
この発言だけを見る →私事ですが、娘が公立中学に通っておりますので、教員の業務が多岐にわたって大変忙しいというのは容易に想像が付くところでございます。
今委員から御指摘あったように、公立の学校と私立の学校で法律、適用される法律が違って、その結果として公立の教員が非常に残業手当が十分出ない中、長時間の労働をしているという状況というのは非常に私自身は問題だというふうに考えます。
もちろん、そのときにどういうふうに変えていくのがいいのかというのはいろいろ、私も法律は専攻しておりませんで分からないところはありますが、もちろん、今の残業時間に見合った残業手当を支給するというのはもちろん当然大事なことではあります。ただ、根本的なものとして、その健康ですよね、生活、健康。生活というよりは多分健康を害するようなレベルというのも多分多々あると思いますので、そういう意味では、それは時間外労働の手当が支給されればそれでいいというものではないというのは当然のことであります。
ですので、法律にどうというのは分かりませんが、その長時間労働を歯止めを掛けるような規制というのが私自身としては求められるというふうに考えるところでございます。
以上でございます。
古
古賀千景#29
○古賀千景君 ありがとうございました。
おっしゃっていただいたとおり、手当を付けるとか賃金を上げるだけでは働き方改革はできなくて、今、教職員は自殺が過去最高ですし、病休者がどんどん出ていって、それが欠員状況、学校に担任がいないという状況はこの法律が基にあると私は思っていて、業務削減又は職員を増やすというのがとても大事だと考えております。
この視点で浅倉参考人の方にもお伺いしたいと思います。
このような状況の中に、表には余り出ておりませんが、実は女性、小学校教員は結構女性が多い、六割いたんですね、数年、十年前ぐらいまで。今は四割の受験者になりました、女性の割合は。そして、病休も早期退職も女性が多いんです。だから、その女性が多いという、辞めなければならない、そして受験もしなくなっている、このような法律、そしてこの学校の働き方というのをどのようにお考えか、お願いします。
この発言だけを見る →おっしゃっていただいたとおり、手当を付けるとか賃金を上げるだけでは働き方改革はできなくて、今、教職員は自殺が過去最高ですし、病休者がどんどん出ていって、それが欠員状況、学校に担任がいないという状況はこの法律が基にあると私は思っていて、業務削減又は職員を増やすというのがとても大事だと考えております。
この視点で浅倉参考人の方にもお伺いしたいと思います。
このような状況の中に、表には余り出ておりませんが、実は女性、小学校教員は結構女性が多い、六割いたんですね、数年、十年前ぐらいまで。今は四割の受験者になりました、女性の割合は。そして、病休も早期退職も女性が多いんです。だから、その女性が多いという、辞めなければならない、そして受験もしなくなっている、このような法律、そしてこの学校の働き方というのをどのようにお考えか、お願いします。