国民生活・経済及び地方に関する調査会
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会
会議録情報#0
令和七年二月十二日(水曜日)
午後一時開会
─────────────
委員の異動
二月五日
辞任 補欠選任
伊藤 孝江君 三浦 信祐君
二月十日
辞任 補欠選任
中条きよし君 嘉田由紀子君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 福山 哲郎君
理 事
清水 真人君
田中 昌史君
長峯 誠君
古賀 千景君
河野 義博君
伊藤 孝恵君
山添 拓君
委 員
今井絵理子君
白坂 亜紀君
堂故 茂君
友納 理緒君
長谷川英晴君
星 北斗君
山本 啓介君
山本佐知子君
若林 洋平君
三上 えり君
森屋 隆君
竹内 真二君
三浦 信祐君
嘉田由紀子君
高木かおり君
大島九州男君
木村 英子君
事務局側
第二特別調査室
長 高嶋 久志君
参考人
株式会社日本総
合研究所調査部
上席主任研究員 藤波 匠君
日本大学名誉教
授
博士(商学) 桜井 徹君
埼玉大学教授 宮崎 雅人君
─────────────
本日の会議に付した案件
○国民生活・経済及び地方に関する調査
(「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」のうち、社会経済、地方及び国民生活における希望の実現(希望が持てる地域社会の実現)について)
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この発言だけを見る →午後一時開会
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委員の異動
二月五日
辞任 補欠選任
伊藤 孝江君 三浦 信祐君
二月十日
辞任 補欠選任
中条きよし君 嘉田由紀子君
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出席者は左のとおり。
会 長 福山 哲郎君
理 事
清水 真人君
田中 昌史君
長峯 誠君
古賀 千景君
河野 義博君
伊藤 孝恵君
山添 拓君
委 員
今井絵理子君
白坂 亜紀君
堂故 茂君
友納 理緒君
長谷川英晴君
星 北斗君
山本 啓介君
山本佐知子君
若林 洋平君
三上 えり君
森屋 隆君
竹内 真二君
三浦 信祐君
嘉田由紀子君
高木かおり君
大島九州男君
木村 英子君
事務局側
第二特別調査室
長 高嶋 久志君
参考人
株式会社日本総
合研究所調査部
上席主任研究員 藤波 匠君
日本大学名誉教
授
博士(商学) 桜井 徹君
埼玉大学教授 宮崎 雅人君
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本日の会議に付した案件
○国民生活・経済及び地方に関する調査
(「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」のうち、社会経済、地方及び国民生活における希望の実現(希望が持てる地域社会の実現)について)
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福
福山哲郎#1
○会長(福山哲郎君) ただいまから国民生活・経済及び地方に関する調査会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、伊藤孝江君及び中条きよし君が委員を辞任され、その補欠として三浦信祐君及び嘉田由紀子君が選任されました。
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この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、伊藤孝江君及び中条きよし君が委員を辞任され、その補欠として三浦信祐君及び嘉田由紀子君が選任されました。
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福
福山哲郎#2
○会長(福山哲郎君) 国民生活・経済及び地方に関する調査を議題といたします。
本日は、「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」のうち、「社会経済、地方及び国民生活における希望の実現」に関し、「希望が持てる地域社会の実現」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
御出席いただいております参考人は、株式会社日本総合研究所調査部上席主任研究員藤波匠君、日本大学名誉教授・博士(商学)桜井徹君及び埼玉大学教授宮崎雅人君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席を賜り、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、藤波参考人、桜井参考人、宮崎参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず藤波参考人からお願いいたします。藤波参考人。
この発言だけを見る →本日は、「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」のうち、「社会経済、地方及び国民生活における希望の実現」に関し、「希望が持てる地域社会の実現」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
御出席いただいております参考人は、株式会社日本総合研究所調査部上席主任研究員藤波匠君、日本大学名誉教授・博士(商学)桜井徹君及び埼玉大学教授宮崎雅人君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席を賜り、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、藤波参考人、桜井参考人、宮崎参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず藤波参考人からお願いいたします。藤波参考人。
藤
藤波匠#3
○参考人(藤波匠君) 日本総合研究所の藤波と申します。(資料映写)
本日は、「希望が持てる地域社会の実現」という大きなテーマでオーダーをいただいておりまして、特に私はその中で、地域経済活動の担い手をいかに確保していくかという、そんなような視点でお話ができたらというふうに考えております。
こちら、私の自己紹介になりますけれども、近年、私は、少子化問題、それから地方の人口減少などを主な研究テーマとして執筆活動などを行っております。
早速本題に入ってまいりたいと思いますけれども、地方創生戦略、かれこれ十年ぐらいがたちますけれども、その成果といいますか、その状況を人口移動の観点から少し見ていきたいというふうに考えております。
こちらは東京圏の転入超過数になります。
地方創生戦略が実効的に始まったのが二〇一五年頃ということで、それ以降の東京の転入超過を見ていただいているわけですけれども、地方創生戦略立ち上がったときに、大きな目標として、東京圏転入超過をゼロにするという目標が掲げられておりました。
しかし、現実には、こちら御覧いただくとおり、一五年以降横ばいから一九年にかけて非常に多い状況が続いておりました。コロナ禍になって、二〇二〇年、大きく減少したわけですけれども、二〇二〇年の一、二、三月までの水準を見ますと、実は一九年の水準とほとんど変わらない状況で、恐らくコロナ禍がなければ東京の転入超過というのは非常に高い水準を維持しただろうということは容易に想像できるわけです。
ただ、コロナ禍で一旦減少し、その後緩やかに回復途上にある、まだ一九年の水準は回復していないけれども、少しずつ回復していますよというのが東京の転入超過ということになります。
地方創生戦略、いろんな取組があって、非常に良い取組もあるんですけれども、中でも移住者を獲得していこうという取組が各基礎自治体の中で積極的に行われていました。これ、一見成功しているように見えるわけですね。これはある県の、左側のグラフですね、ある県の移住者数の推移を表したもので、二〇一五年、地方創生戦略始まった頃ですね、百人だったものが現在では毎年七百人ぐらい入ってきますよということ、合計でこの十年間で四千人ぐらい入りましたというのがある県の報告書に載っているものなんですね。
一見成功しているようなんですが、右側のグラフ、全体としての、その県全体としての転入超過数であるとか転出入者数を見ていただきますと、ほとんど連動していないということがお分かりいただけると思います。この赤い線で表しました転入者数見ていただいても、移住者数が増えている割に、徐々に転入者数減っております。特に二三年辺り、ぐっと減ってきているわけですね。全くこの移住者数と連動していないという状況があります。また、転入超過数、この黒い折れ線グラフですが、これは左軸の方を見ていただきたいんですけれども、三角千と書いています。これはマイナス千という意味で使っております。ですから、この県はずっと転出超過、出ていく人の方が多かったという状況なんですが、これも結構激しく動いているんですが、それと移住者数が全く連動していないということです。結局、移住者というのは、この大きな人口移動の流れの中で全く別の力学で動いているという理解が必要だと思います。
この地方創生戦略、十余年やってきて一つ分かったこと、まあ改めて分かったことなんですけれども、結局、大きな人口移動というのは、人の流れというのは、より良い雇用がどこにあるかということによって大きな枠組みが決まってしまうということなんですね。移住者支援、全く無意味かと言われるとそうでもないかもしれませんけれども、大きな流れを変える力はなかったということだと思います。
その重要なより良い雇用、優良な雇用はどこにあるかという話の延長線なんですけれども、こちら見ていただきたいと思います。
これは、東京圏の転入超過を年齢別に見たグラフということになります。黒の折れ線グラフは総数を表しておりまして、あとは年齢別、棒グラフは年齢別なんですね。特に濃い青、見ていただきたいと思いますが、こちらは、やはり一九年の段階で非常に多くて全体の八割ぐらいを占めていた、九割ぐらいですかね、占めていたという状況なんです。コロナ禍で一旦この青も減っていくんですが、この青は十八歳から二十九歳という新卒世代なんですね。なので、東京圏の経済にすごく影響を受けやすいという状況があります。コロナ禍で少し減ったんですが、既に二三年の段階で一九年の水準、戻っているということなんですね。東京圏の転入超過、まだ一九年の水準、戻っていないよというのが一般論なんですが、若い世代だけ見ると、既に東京圏の転入超過は非常に強い状況にあるということがお分かりいただけると思います。まさにこれが、雇用の強さによって人の移動というのは決まってくるんだ、特に若い世代は決まってくるんだということだと思います。
そうした中で、特に雇用の面を注意深く見ていただきたいと思います。こちらの表なんですけれども、ちょっと細かいので、もしかしたらお手元で見ていただいた方がいいかもしれません。
二つの表が載っておりまして、これはどちらも似たような話なんですが、上が二〇一四年を基準としたときに一九年までに増えた雇用の総数、それを一〇〇としたときに、どの地域でどの産業が受皿になったかというのを見ることができる、そういった表になっているんですね。二〇一四年、地方創生戦略が始まった頃を基準としたときに、増えた雇用の総数がどこでどの産業で増えたかというのを見れるということです。
まず、どの地域でというのは、横に見ていっていただきたいんですが、東京圏四五%です。東京の雇用というのは三割強しかないのにもかかわらず、新規雇用は東京で四五%生まれました。半分近く生まれていますよということなんですね。そのほかにも、東海、近畿がなかなか強い状況にありまして、三大都市圏がひとしく人を引っ張っていたということがお分かりいただけると思います。
今度は、じゃ、どの産業が受皿になったかというのは、この縦軸方向に見ていただきたいんですけれども、まず製造業ですね。三角〇・二と書いてあります。これはマイナス〇・二という意味で使っておりますけれども、まあ、ほぼゼロ、増えも減りもほとんどしていませんでしたというのがこの製造業五年間の実績ということです。
主にサービス業で雇用が伸びたわけですけれども、その内訳を細かく見ていただきたいと思います。情報通信業以下ですね。一部抜粋ではあるんですけれども、例えば情報通信業、五・七%の増加でしたということですね。それから、宿泊業、飲食サービス業一〇%。この当時、既にインバウンドが一九年にかけて非常に伸びていたということもあって、雇用が伸びました。また、医療、福祉は、介護とか高齢化の影響で二二%という非常に大きな伸びを示した。ただ、全般的に言って、どの産業が特別強かったということはなくて、全般的に産業が増えていった、それが二〇一九年までの雇用の伸び方だったということになります。
こうした状況が一変するのがコロナ禍なんですね。下の表に移っていただきたいと思いますが、これは、今度は二〇一九年を基準として二四年、昨年までの雇用の増加分、それを一〇〇としたときに、新規雇用はどこで生まれたか、あるいはどの産業が受皿になったかというのを見ています。
横に見ていただきますと、一番上の行ですね、東京圏五八%、前の期よりも大きく伸びていることが分かります。東京の新規雇用をつくる力というのが伸びてきているということです。ずっと横を見ていただきますと、東海が四・二%、かなり落ちているんですね。東海は製造業中心ということもあるのかもしれませんけれども、少し弱め、弱含みであったということ。また、近畿は比較的強くて、結局コロナ禍では東京と近畿、関西圏ですね、この二つの地域が雇用の担い手であった、創出の担い手であったということが分かります。
じゃ、どの産業がというのは縦軸方向に見ていただきたいんですが、実は製造業を見ていただきますと、三角一二・六とあります。要は、製造業はもう雇用が減っているということなんですね。これは生産性が向上したことによるものという場合もあるんですけれども、全体としてやっぱり産業として弱含みであるということが言えるかと思います。
主にサービス業で伸びているんですが、情報通信業を見ていただきたいと思います。四八%近い数字ということで、増えた雇用の半分近くを情報通信業が担っていましたというのが、これが二四年までの五年間ということなんですね。結局、リモートワークとかあるいはAIが伸びてくるというような状況の中で情報通信業は非常に多くの雇用を増やしたということです。
それから、一番下、医療、福祉ですね。これ、やはりコロナ禍ということで、介護それから看護の辺り、すごく雇用を増やしたんですが、それが終わって、二三年、二四年と、これ実はもう大きく数が減ってきているんです。数字としては減ってきているので、雇用としてはパイはだんだんだんだん伸びが小さくなっていると。
結局、産業として成長に寄与しているのは情報通信業一択であるというのがコロナ禍以降の雇用の伸びということになります。そうした中で、そういった人材、IT関係の人材が東京に集中してくるということで、東京に多くの若者が流入してくるという状況があったと思います。
情報通信業が成長していただくこと自体は結構なことなんですが、ここには一つ大きな問題があると思っています。実は、IT人材と呼ばれるこれからの日本の成長を担っていく人材だと思いますけれども、例えばプログラマーであるとかプログラムを考える人、設計する人ですね、それからAI技術者、ホームページを作る人、こういった特殊技能を持っている人たちの人材がIT企業に集中しているということがあるんですね。
これ、日本の特殊性なんですけれども、この表を見ていただきたいと思います。IT人材がIT企業に集中している割合が七五%近い、特に女性では七五%ということですね。特に、それ近年伸びてきているという状況なんです。
IT人材がIT企業で働くのは当然じゃないかと、こう一般に思われるかもしれませんが、これは日本の特殊性なんですね。アメリカを含む先進国諸国、右下に書いておきました。IT企業で働いている人の割合、三五%から五〇%に届かない水準であるということですね。多くのIT人材がそれ以外の企業、私どもではよく事業会社なんという表現しますけれども、AI、IT関係以外の会社で働いていて、そういった個々の会社でDXの中心的担い手となっていく、内発的なDXを進めていく人材になっているんだということなんですね。
日本の場合は、残念ながら、IT人材がIT企業に集約しているものですから、それぞれの企業とか中小企業に人材がいないんですね。ですので、DX進めなさいと言っても、外の方にお願いしてコンサルティングを受けるというパターンが一般的です。それでうまくいく場合もありますが、場合によってはうまくいかないということもあるし、契約が切れればDXが止まってしまうということもあるかもしれません。そういった問題を抱えているということですね。
もう一つ重要なポイントとして、IT企業というのはどうしても東京に集まっているものですから、おのずと東京に人材が集まっちゃうという問題が、東京圏への集中、六〇%以上、特に女性で高い状況にありますので、これをどうにかできないか。地方に若い人材、特に女性の定着ということを考えていく上で、いかに中小企業とか、それまでIT人材を抱えていなかったようなところにITの人材を導入していくかと、その辺り、それによって地方に若い経済人を誘導することができるのではないかというふうに考えています。
ここで御紹介したいのが、フジワラテクノアートという岡山県の会社です。こちらはもう既に有名な、ここ二、三年で一気に有名になった会社で、もしかしたら、この中にも訪問された方とかもいらっしゃるかもしれません。醸造機械メーカーで、社員は百五十名程度の中小企業なんですけれども、社長が女性でして、女性の働き方改革に非常に熱心に取り組んでおられる。女性の幹部登用などにも取り組んでおられるんですけれども、そういったことを好感して、二〇一七年に一人のIT技術者、女性のIT技術者が転職をしてきてくれたということなんですね。
二〇一六年までは、この企業はもう全くのアナログ企業でした。他社とのやり取りはファクス、図面は全て紙管理というような状況でした。それが、一人の技術者が、女性が入ってきてくれたことによって一気にDXが進んで、今では普通の技術者、中高年の技術者が自らプログラミングをつくって生産性向上に資するというところまで僅か五年ぐらいで進んでしまったということだそうです。これは、経産省のDXセレクションという表彰制度でもグランプリを二三年に受賞するというところまで来ております。
たまたまここでは女性技術者ということなんですが、もちろん男性でも結構だと思います。ただ、近年、御存じのとおり、女性の地方からの流出が多い、東京へ女性が多く入ってくるということは聞いたことがあるかと思います。二〇一〇年以降、やはり女性が男性を上回って東京圏転入超過が続いている状況にあるわけですね。ですので、女性の職場として、IT系の仕事、特に地方でIT事業者以外のところでも定着していくということが重要だと思います。
もう一つ重要なポイントが、特に地方の場合、問題となると思うんですが、ジェンダーギャップの問題があると思います。
こちらの右側のグラフをちょっと注目していただきたいんですけれども、これは非常に難しいグラフです。これ、産業ごと、産業大分類の産業ごとにジェンダーギャップの状況を一つの表、グラフでまとめたものというふうに御理解ください。ちょっと細かいので、私、一つずつ説明をしたいと思います。
横軸を見ていただきたいんですが、これは正規職、各産業の正規職で働いている男女のジェンダーギャップ、賃金であるとか昇進のスピードがどれだけジェンダーギャップがあるかというのを統合指標にしたものだというふうに御理解いただければいいと思います。正規職で働いている人同士のジェンダーギャップですね。
右側に行けば行くほどジェンダーギャップが大きく、左側の方が小さいということになりますけれども、例えば、この一番右の方にあるのは金融、保険業なんですね。金融業というのは、総合職のほかに、昔は一般職というような、窓口業務を主に担うような女性を正規職で採用していたんですね。今はもうそういった制度はほとんどないんですけれども、その名残が今も残っていて、賃金が女性の方が低かったりというようなことがあって、右側の方に寄っています。
今度は縦軸なんですけれども、縦軸は、今度は正規雇用比率のジェンダーギャップを見ています。
一番上の方に、左上の方にある宿泊業、飲食サービス業とか卸売、小売ですね、この辺りはどうしても、特に地方などそうなんですけれども、非正規の女性に依存した産業ということでジェンダーギャップが大きくなっているということだと思います。下に行けば行くほどジェンダーギャップが小さいということで、この図表、望ましい方向性としては、この緑の大きな矢印のように原点に近づいてくることが望ましいと考えられるわけですね。
で、このグラフの中に各産業を落とし込んでみますと、奇妙なことにというか面白いことに、この点線に沿った、右下に下がっていくような点線に沿った形のところにいろんな産業が分布してくるということなんですね。だから、どっち付かずなんです。大体、日本の産業はどっちかの特徴を持っているということなんですね。
ところが、少し原点に近い方に、赤く書いていますけど、情報通信業が一つだけぽんと離れてあるということは、今、情報通信業が新興産業として、より能力の高い人たち、これもう男女問わずですね、採りたいという強い意向があって、ジェンダーギャップのない雇用慣行というものをつくっているということがそういったことをもたらしているんだということだと思います。ですから、ほかの産業でも、自らの立ち位置というものをしっかりと理解してジェンダーギャップを改善していくということも一つ地域に女性を定着させる大きな方向性かなというふうに考えています。
最後、まとめさせていただきます。
人口流出への対処ということで、今まで細かいことをいろいろと言ってきましたけれども、私は、目の前の転出超過に余り焦らない方がいいだろうというふうに考えています。東京圏の転入超過をゼロにするという大きな目標を掲げてスタートしたわけですけれども、そこに注目してしまうと、どうしても基礎自治体レベルでは人口の奪い合いというような状況が生じてきてしまうということになります。移住促進にお金を投じても、地域によっては、特に比較的大都市では余り大きなリターンは得られないだろうというふうに考えています。特に、昨年話題となりました消滅可能性自治体みたいな言葉に余り踊らされずに、地道にやっぱり産業競争力を高めていく、あるいは企業の競争力を高めていくということが重要だと思います。
企業に高度人材をいかに雇っていくか、IT人材を含め理系人材とか研究開発にお金を投じていく、そういったところにこそ人材定着の大きな方向性があるのではないかと思います。
そのときに、地方の企業は一つ考えなければいけないことがあると思っています。これまでは、人が欲しいといったときに、自分たちの県のある程度のエリアの中にいる人たちを採用しようというふうに動いていたと思います。ただ、今リモートワークとかができるようになったことによって、既に人材獲得競争というのはもう日本全国、一つの土俵しかないということですね。東京が人が欲しいと思ったら、地方にいようが何しようが、リモートワークで働いてもらえばいいじゃないかと、そういったような動きになってきているわけですね。ですから、地方の企業、中小企業であっても、東京の企業と同じ土俵にのっているんだという理解は必要だと思っています。それだけ待遇とかを改善していかなければいけない、ジェンダーギャップを改善していかなければいけないということです。
また、具体的にと書いたのは、これは具体的に国とか地方自治体がどのようなことを考えていかなければいけないかということなんですが、やはり理系人材を育成していくということですね。IT人材を含む研究開発ができるような人、そういった人たちを増やし、特に女性で増やしていくということが必要だと思っています。それは、やはり大学の再編であるとか、あるいは中高のキャリア教育、そういったところからも見ていくという意味で国の責務は大きいのではないかと私は考えています。
それから、産業育成、雇用の創出ということ、特に雇用の創出という話になってきますと、基礎自治体にはやや荷が重いかなというふうに考えていて、人口問題はなるべく広いエリアで考えることが望ましいと私は考えています。余り小さなところでやると、どうしても移住促進みたいな話に集約していってしまうので、ある程度の、県レベルであるとか圏域レベルで議論をする、どういった人たちを定着してもらうのかということですね。ですから、県の責務というのは非常に大きくなってくるというふうに思います。
最後に、地域企業の生産性向上、これはもう不可欠です。人を採用するためにはやはり高い賃金を払える企業になっていくということです。ですので、当然、IT人材とここでは書いていますけれども、研究開発などにしっかりと投資をしていく。その際には、地元の経済界などと連携しながら経営者の意識改革などを進めていくということが必要だと考えております。
私の方からは以上です。
この発言だけを見る →本日は、「希望が持てる地域社会の実現」という大きなテーマでオーダーをいただいておりまして、特に私はその中で、地域経済活動の担い手をいかに確保していくかという、そんなような視点でお話ができたらというふうに考えております。
こちら、私の自己紹介になりますけれども、近年、私は、少子化問題、それから地方の人口減少などを主な研究テーマとして執筆活動などを行っております。
早速本題に入ってまいりたいと思いますけれども、地方創生戦略、かれこれ十年ぐらいがたちますけれども、その成果といいますか、その状況を人口移動の観点から少し見ていきたいというふうに考えております。
こちらは東京圏の転入超過数になります。
地方創生戦略が実効的に始まったのが二〇一五年頃ということで、それ以降の東京の転入超過を見ていただいているわけですけれども、地方創生戦略立ち上がったときに、大きな目標として、東京圏転入超過をゼロにするという目標が掲げられておりました。
しかし、現実には、こちら御覧いただくとおり、一五年以降横ばいから一九年にかけて非常に多い状況が続いておりました。コロナ禍になって、二〇二〇年、大きく減少したわけですけれども、二〇二〇年の一、二、三月までの水準を見ますと、実は一九年の水準とほとんど変わらない状況で、恐らくコロナ禍がなければ東京の転入超過というのは非常に高い水準を維持しただろうということは容易に想像できるわけです。
ただ、コロナ禍で一旦減少し、その後緩やかに回復途上にある、まだ一九年の水準は回復していないけれども、少しずつ回復していますよというのが東京の転入超過ということになります。
地方創生戦略、いろんな取組があって、非常に良い取組もあるんですけれども、中でも移住者を獲得していこうという取組が各基礎自治体の中で積極的に行われていました。これ、一見成功しているように見えるわけですね。これはある県の、左側のグラフですね、ある県の移住者数の推移を表したもので、二〇一五年、地方創生戦略始まった頃ですね、百人だったものが現在では毎年七百人ぐらい入ってきますよということ、合計でこの十年間で四千人ぐらい入りましたというのがある県の報告書に載っているものなんですね。
一見成功しているようなんですが、右側のグラフ、全体としての、その県全体としての転入超過数であるとか転出入者数を見ていただきますと、ほとんど連動していないということがお分かりいただけると思います。この赤い線で表しました転入者数見ていただいても、移住者数が増えている割に、徐々に転入者数減っております。特に二三年辺り、ぐっと減ってきているわけですね。全くこの移住者数と連動していないという状況があります。また、転入超過数、この黒い折れ線グラフですが、これは左軸の方を見ていただきたいんですけれども、三角千と書いています。これはマイナス千という意味で使っております。ですから、この県はずっと転出超過、出ていく人の方が多かったという状況なんですが、これも結構激しく動いているんですが、それと移住者数が全く連動していないということです。結局、移住者というのは、この大きな人口移動の流れの中で全く別の力学で動いているという理解が必要だと思います。
この地方創生戦略、十余年やってきて一つ分かったこと、まあ改めて分かったことなんですけれども、結局、大きな人口移動というのは、人の流れというのは、より良い雇用がどこにあるかということによって大きな枠組みが決まってしまうということなんですね。移住者支援、全く無意味かと言われるとそうでもないかもしれませんけれども、大きな流れを変える力はなかったということだと思います。
その重要なより良い雇用、優良な雇用はどこにあるかという話の延長線なんですけれども、こちら見ていただきたいと思います。
これは、東京圏の転入超過を年齢別に見たグラフということになります。黒の折れ線グラフは総数を表しておりまして、あとは年齢別、棒グラフは年齢別なんですね。特に濃い青、見ていただきたいと思いますが、こちらは、やはり一九年の段階で非常に多くて全体の八割ぐらいを占めていた、九割ぐらいですかね、占めていたという状況なんです。コロナ禍で一旦この青も減っていくんですが、この青は十八歳から二十九歳という新卒世代なんですね。なので、東京圏の経済にすごく影響を受けやすいという状況があります。コロナ禍で少し減ったんですが、既に二三年の段階で一九年の水準、戻っているということなんですね。東京圏の転入超過、まだ一九年の水準、戻っていないよというのが一般論なんですが、若い世代だけ見ると、既に東京圏の転入超過は非常に強い状況にあるということがお分かりいただけると思います。まさにこれが、雇用の強さによって人の移動というのは決まってくるんだ、特に若い世代は決まってくるんだということだと思います。
そうした中で、特に雇用の面を注意深く見ていただきたいと思います。こちらの表なんですけれども、ちょっと細かいので、もしかしたらお手元で見ていただいた方がいいかもしれません。
二つの表が載っておりまして、これはどちらも似たような話なんですが、上が二〇一四年を基準としたときに一九年までに増えた雇用の総数、それを一〇〇としたときに、どの地域でどの産業が受皿になったかというのを見ることができる、そういった表になっているんですね。二〇一四年、地方創生戦略が始まった頃を基準としたときに、増えた雇用の総数がどこでどの産業で増えたかというのを見れるということです。
まず、どの地域でというのは、横に見ていっていただきたいんですが、東京圏四五%です。東京の雇用というのは三割強しかないのにもかかわらず、新規雇用は東京で四五%生まれました。半分近く生まれていますよということなんですね。そのほかにも、東海、近畿がなかなか強い状況にありまして、三大都市圏がひとしく人を引っ張っていたということがお分かりいただけると思います。
今度は、じゃ、どの産業が受皿になったかというのは、この縦軸方向に見ていただきたいんですけれども、まず製造業ですね。三角〇・二と書いてあります。これはマイナス〇・二という意味で使っておりますけれども、まあ、ほぼゼロ、増えも減りもほとんどしていませんでしたというのがこの製造業五年間の実績ということです。
主にサービス業で雇用が伸びたわけですけれども、その内訳を細かく見ていただきたいと思います。情報通信業以下ですね。一部抜粋ではあるんですけれども、例えば情報通信業、五・七%の増加でしたということですね。それから、宿泊業、飲食サービス業一〇%。この当時、既にインバウンドが一九年にかけて非常に伸びていたということもあって、雇用が伸びました。また、医療、福祉は、介護とか高齢化の影響で二二%という非常に大きな伸びを示した。ただ、全般的に言って、どの産業が特別強かったということはなくて、全般的に産業が増えていった、それが二〇一九年までの雇用の伸び方だったということになります。
こうした状況が一変するのがコロナ禍なんですね。下の表に移っていただきたいと思いますが、これは、今度は二〇一九年を基準として二四年、昨年までの雇用の増加分、それを一〇〇としたときに、新規雇用はどこで生まれたか、あるいはどの産業が受皿になったかというのを見ています。
横に見ていただきますと、一番上の行ですね、東京圏五八%、前の期よりも大きく伸びていることが分かります。東京の新規雇用をつくる力というのが伸びてきているということです。ずっと横を見ていただきますと、東海が四・二%、かなり落ちているんですね。東海は製造業中心ということもあるのかもしれませんけれども、少し弱め、弱含みであったということ。また、近畿は比較的強くて、結局コロナ禍では東京と近畿、関西圏ですね、この二つの地域が雇用の担い手であった、創出の担い手であったということが分かります。
じゃ、どの産業がというのは縦軸方向に見ていただきたいんですが、実は製造業を見ていただきますと、三角一二・六とあります。要は、製造業はもう雇用が減っているということなんですね。これは生産性が向上したことによるものという場合もあるんですけれども、全体としてやっぱり産業として弱含みであるということが言えるかと思います。
主にサービス業で伸びているんですが、情報通信業を見ていただきたいと思います。四八%近い数字ということで、増えた雇用の半分近くを情報通信業が担っていましたというのが、これが二四年までの五年間ということなんですね。結局、リモートワークとかあるいはAIが伸びてくるというような状況の中で情報通信業は非常に多くの雇用を増やしたということです。
それから、一番下、医療、福祉ですね。これ、やはりコロナ禍ということで、介護それから看護の辺り、すごく雇用を増やしたんですが、それが終わって、二三年、二四年と、これ実はもう大きく数が減ってきているんです。数字としては減ってきているので、雇用としてはパイはだんだんだんだん伸びが小さくなっていると。
結局、産業として成長に寄与しているのは情報通信業一択であるというのがコロナ禍以降の雇用の伸びということになります。そうした中で、そういった人材、IT関係の人材が東京に集中してくるということで、東京に多くの若者が流入してくるという状況があったと思います。
情報通信業が成長していただくこと自体は結構なことなんですが、ここには一つ大きな問題があると思っています。実は、IT人材と呼ばれるこれからの日本の成長を担っていく人材だと思いますけれども、例えばプログラマーであるとかプログラムを考える人、設計する人ですね、それからAI技術者、ホームページを作る人、こういった特殊技能を持っている人たちの人材がIT企業に集中しているということがあるんですね。
これ、日本の特殊性なんですけれども、この表を見ていただきたいと思います。IT人材がIT企業に集中している割合が七五%近い、特に女性では七五%ということですね。特に、それ近年伸びてきているという状況なんです。
IT人材がIT企業で働くのは当然じゃないかと、こう一般に思われるかもしれませんが、これは日本の特殊性なんですね。アメリカを含む先進国諸国、右下に書いておきました。IT企業で働いている人の割合、三五%から五〇%に届かない水準であるということですね。多くのIT人材がそれ以外の企業、私どもではよく事業会社なんという表現しますけれども、AI、IT関係以外の会社で働いていて、そういった個々の会社でDXの中心的担い手となっていく、内発的なDXを進めていく人材になっているんだということなんですね。
日本の場合は、残念ながら、IT人材がIT企業に集約しているものですから、それぞれの企業とか中小企業に人材がいないんですね。ですので、DX進めなさいと言っても、外の方にお願いしてコンサルティングを受けるというパターンが一般的です。それでうまくいく場合もありますが、場合によってはうまくいかないということもあるし、契約が切れればDXが止まってしまうということもあるかもしれません。そういった問題を抱えているということですね。
もう一つ重要なポイントとして、IT企業というのはどうしても東京に集まっているものですから、おのずと東京に人材が集まっちゃうという問題が、東京圏への集中、六〇%以上、特に女性で高い状況にありますので、これをどうにかできないか。地方に若い人材、特に女性の定着ということを考えていく上で、いかに中小企業とか、それまでIT人材を抱えていなかったようなところにITの人材を導入していくかと、その辺り、それによって地方に若い経済人を誘導することができるのではないかというふうに考えています。
ここで御紹介したいのが、フジワラテクノアートという岡山県の会社です。こちらはもう既に有名な、ここ二、三年で一気に有名になった会社で、もしかしたら、この中にも訪問された方とかもいらっしゃるかもしれません。醸造機械メーカーで、社員は百五十名程度の中小企業なんですけれども、社長が女性でして、女性の働き方改革に非常に熱心に取り組んでおられる。女性の幹部登用などにも取り組んでおられるんですけれども、そういったことを好感して、二〇一七年に一人のIT技術者、女性のIT技術者が転職をしてきてくれたということなんですね。
二〇一六年までは、この企業はもう全くのアナログ企業でした。他社とのやり取りはファクス、図面は全て紙管理というような状況でした。それが、一人の技術者が、女性が入ってきてくれたことによって一気にDXが進んで、今では普通の技術者、中高年の技術者が自らプログラミングをつくって生産性向上に資するというところまで僅か五年ぐらいで進んでしまったということだそうです。これは、経産省のDXセレクションという表彰制度でもグランプリを二三年に受賞するというところまで来ております。
たまたまここでは女性技術者ということなんですが、もちろん男性でも結構だと思います。ただ、近年、御存じのとおり、女性の地方からの流出が多い、東京へ女性が多く入ってくるということは聞いたことがあるかと思います。二〇一〇年以降、やはり女性が男性を上回って東京圏転入超過が続いている状況にあるわけですね。ですので、女性の職場として、IT系の仕事、特に地方でIT事業者以外のところでも定着していくということが重要だと思います。
もう一つ重要なポイントが、特に地方の場合、問題となると思うんですが、ジェンダーギャップの問題があると思います。
こちらの右側のグラフをちょっと注目していただきたいんですけれども、これは非常に難しいグラフです。これ、産業ごと、産業大分類の産業ごとにジェンダーギャップの状況を一つの表、グラフでまとめたものというふうに御理解ください。ちょっと細かいので、私、一つずつ説明をしたいと思います。
横軸を見ていただきたいんですが、これは正規職、各産業の正規職で働いている男女のジェンダーギャップ、賃金であるとか昇進のスピードがどれだけジェンダーギャップがあるかというのを統合指標にしたものだというふうに御理解いただければいいと思います。正規職で働いている人同士のジェンダーギャップですね。
右側に行けば行くほどジェンダーギャップが大きく、左側の方が小さいということになりますけれども、例えば、この一番右の方にあるのは金融、保険業なんですね。金融業というのは、総合職のほかに、昔は一般職というような、窓口業務を主に担うような女性を正規職で採用していたんですね。今はもうそういった制度はほとんどないんですけれども、その名残が今も残っていて、賃金が女性の方が低かったりというようなことがあって、右側の方に寄っています。
今度は縦軸なんですけれども、縦軸は、今度は正規雇用比率のジェンダーギャップを見ています。
一番上の方に、左上の方にある宿泊業、飲食サービス業とか卸売、小売ですね、この辺りはどうしても、特に地方などそうなんですけれども、非正規の女性に依存した産業ということでジェンダーギャップが大きくなっているということだと思います。下に行けば行くほどジェンダーギャップが小さいということで、この図表、望ましい方向性としては、この緑の大きな矢印のように原点に近づいてくることが望ましいと考えられるわけですね。
で、このグラフの中に各産業を落とし込んでみますと、奇妙なことにというか面白いことに、この点線に沿った、右下に下がっていくような点線に沿った形のところにいろんな産業が分布してくるということなんですね。だから、どっち付かずなんです。大体、日本の産業はどっちかの特徴を持っているということなんですね。
ところが、少し原点に近い方に、赤く書いていますけど、情報通信業が一つだけぽんと離れてあるということは、今、情報通信業が新興産業として、より能力の高い人たち、これもう男女問わずですね、採りたいという強い意向があって、ジェンダーギャップのない雇用慣行というものをつくっているということがそういったことをもたらしているんだということだと思います。ですから、ほかの産業でも、自らの立ち位置というものをしっかりと理解してジェンダーギャップを改善していくということも一つ地域に女性を定着させる大きな方向性かなというふうに考えています。
最後、まとめさせていただきます。
人口流出への対処ということで、今まで細かいことをいろいろと言ってきましたけれども、私は、目の前の転出超過に余り焦らない方がいいだろうというふうに考えています。東京圏の転入超過をゼロにするという大きな目標を掲げてスタートしたわけですけれども、そこに注目してしまうと、どうしても基礎自治体レベルでは人口の奪い合いというような状況が生じてきてしまうということになります。移住促進にお金を投じても、地域によっては、特に比較的大都市では余り大きなリターンは得られないだろうというふうに考えています。特に、昨年話題となりました消滅可能性自治体みたいな言葉に余り踊らされずに、地道にやっぱり産業競争力を高めていく、あるいは企業の競争力を高めていくということが重要だと思います。
企業に高度人材をいかに雇っていくか、IT人材を含め理系人材とか研究開発にお金を投じていく、そういったところにこそ人材定着の大きな方向性があるのではないかと思います。
そのときに、地方の企業は一つ考えなければいけないことがあると思っています。これまでは、人が欲しいといったときに、自分たちの県のある程度のエリアの中にいる人たちを採用しようというふうに動いていたと思います。ただ、今リモートワークとかができるようになったことによって、既に人材獲得競争というのはもう日本全国、一つの土俵しかないということですね。東京が人が欲しいと思ったら、地方にいようが何しようが、リモートワークで働いてもらえばいいじゃないかと、そういったような動きになってきているわけですね。ですから、地方の企業、中小企業であっても、東京の企業と同じ土俵にのっているんだという理解は必要だと思っています。それだけ待遇とかを改善していかなければいけない、ジェンダーギャップを改善していかなければいけないということです。
また、具体的にと書いたのは、これは具体的に国とか地方自治体がどのようなことを考えていかなければいけないかということなんですが、やはり理系人材を育成していくということですね。IT人材を含む研究開発ができるような人、そういった人たちを増やし、特に女性で増やしていくということが必要だと思っています。それは、やはり大学の再編であるとか、あるいは中高のキャリア教育、そういったところからも見ていくという意味で国の責務は大きいのではないかと私は考えています。
それから、産業育成、雇用の創出ということ、特に雇用の創出という話になってきますと、基礎自治体にはやや荷が重いかなというふうに考えていて、人口問題はなるべく広いエリアで考えることが望ましいと私は考えています。余り小さなところでやると、どうしても移住促進みたいな話に集約していってしまうので、ある程度の、県レベルであるとか圏域レベルで議論をする、どういった人たちを定着してもらうのかということですね。ですから、県の責務というのは非常に大きくなってくるというふうに思います。
最後に、地域企業の生産性向上、これはもう不可欠です。人を採用するためにはやはり高い賃金を払える企業になっていくということです。ですので、当然、IT人材とここでは書いていますけれども、研究開発などにしっかりと投資をしていく。その際には、地元の経済界などと連携しながら経営者の意識改革などを進めていくということが必要だと考えております。
私の方からは以上です。
福
桜
桜井徹#5
○参考人(桜井徹君) 自己紹介は、時間の都合上省略いたします。
お手元にある報告書といいますか、配付資料に誤りがありました。まずそれをおわびいたします。
表のナンバリングで、十一ページの表四と五があるんですけど、その番号を、表三、表四、表五とあるんですけど、表三の一、表三の二、表三の三というように変更をお願いいたします。
いろいろ難しい問題で、今日の朝まで考えていまして、それで新しい表を入れたところがナンバリングが、後、繰り下げるのを忘れていまして、御迷惑をお掛けいたしました。
そのほかも誤りがありますが、それは報告の中で追ってお知らせしていきます。
私は非常に滑舌が悪いということで、いつも言うんですけれども、学生に評判が悪いんですね。そういうことで、皆様にも御迷惑をお掛けすると思いますが、よろしくお願いします。
さらに、今日は、三十七枚のスライドを用意しているんで、二十分ですから、三十秒に一枚報告しなきゃいけないので、これまた皆さんの脳力アップ、脳活動のスピードアップをお願いいたしたいと思います。
それでは早速、目次は省略いたしまして、三枚目から入ります。
初めに、持続可能な社会と交通、移動ということで、SDGsですね、御存じのSDGsでも交通に関する目標が書かれています。二〇三〇年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子供、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、全ての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供すると書いてあります。二〇三〇年までにやるということです。
この今日の委員会との関連でいえば、地方で全ての人々がアクセスし得る持続可能な輸送システムが我が日本で確立されているかどうか、そういう点を述べたいと。なぜ確立されていないのか、まあ結論ですけど、その原因について述べたいということです。
報告の順序は、まず、移動の保障の重要性を社会的共通資本との関連でまず述べます。その後、フランス、ドイツと比較した日本の法律での移動保障がどうなっているかということについての規定、そして、その特徴を指摘します。それが一番目。二番目は、次いで、車社会の進行と公共交通の衰退の下での移動制約者の増加の現状を述べ、これが二と三です。その上で、公共交通衰退の外的、内的要因を分析し、その解決方向を提示します。とはいえ、JR、私、JRを専門にやっておりますけど、JRのローカル線分離問題は、そうした公共交通の衰退の外的、内的要因という分析だけでは解決できない問題があります。JRと自治体との間での摩擦といいますか、あつれき、対立があるからです。これは分割・民営化の問題に端を発しているんですけど、そのことについても触れます。最後に、公共交通を代替、補完する交通手段として最近登場してきているコミュニティーバスとデマンドタクシーの現状と論点を述べる。最後に結論を述べます。
まず、次のページ、権利、失礼、市民的権利としての移動ということであります。
まず、私は、もう亡くなられましたけれども、宇沢弘文という大先生の社会的共通資本論というものに陶酔しております。この社会的共通資本論は、次のページに書いてありますけれども、市民の基本的権利に関わるものとして社会的共通資本の重要性を宇沢さんは訴えているのです。つまり、市民的、基本的権利、市民の基本的権利、生存権ですね、生存権を維持するためには社会的共通資本が重要だ、道路とか公共交通機関、電力、通信施設、上下水道などなど、その場合の管理原則は、営利的な基準で管理してはいけない、社会的管理でなきゃいけない、フィデューシャリーといいますが、信託、国民から信託を受けて、専門的な人々による管理が重要だと言っております。
社会的共通資本の中でも、宇沢先生は徒歩と自転車を重視するんです。歩行者用や自転車用の道路整備の重要性を言います。その上で、鉄道サービスや公共交通の重要性を指摘しております。自家用自動車ですけれども、これについては、市民の基本的権利に重要な関わりは持たないと言っておりまして、それはなぜかというと、それは個人の市場原理に任せて、市場というか、個人の選択の範囲にあるということです。同時に、自動車は、環境問題、交通事故、騒音、渋滞等々、膨大な自動車の社会的費用を発生しているから、これをなくすことが重要だということを宇沢さんは言います。
それで、その上で、もう一度四ページに戻ってきていただきまして、そうしたことを踏まえて、私なりに移動手段というのを階層的に把握するということは重要だと思っています。一つは、アクティブモビリティーとパッシブモビリティーの区別です。日本で初めて聞く言葉だと皆さんは思うかもしれませんが、アクティブモビリティーというのは、自分の力で移動するということです、歩行、自転車ですね。パッシブモビリティーというのは、他の力で、基本的には内燃機関なんですけれども、ガソリンであるとか電気であるとか、そういう内燃機関で走る移動手段、これを区別するということはヨーロッパで今一番重要になってきています。そういう意味では、徒歩や自転車を重視する宇沢さんの社会的共通資本論と一致しております。
その上で、パッシブモビリティーにおける公共交通と私的交通を区別する必要があると。だから、一番重要なのは徒歩、自転車で、その次、公共交通、その次、私的交通、自家用自動車、二輪車ということになります。電動は、最近出ている電動アシストというのは、このアクティブモビリティーとパッシブモビリティーのハイブリッドだということになっています。
それでは、もう時間ないので次に行きます。
じゃ、法律で移動権、移動の保障はどうなっているかということで、次に、フランス、ドイツ、日本を大急ぎでぱっとやります。
八ページを御覧ください。
フランスの交通基本法では、一九八二年の国内交通基本法で交通権というものを提示しました。全ての人に移動権を国が保障するんだということになっております。その後、それが二〇一〇年十二月に移動する権利を拡充して、そして、二〇一九年十二月にモビリティー法になりました。当初の交通権、国内交通基本法では単に移動を保障するということだったんですけど、最近のフランスでは、日常交通ですね、新幹線はもう要らない、日常的な交通が大事である、また、地域的な格差が大きくなっているのでそれを是正することが必要だというようになっております。それで、現代のところですね、五年間で百三十四億ユーロの投資で、日常交通への優先投資、投資の四分の三は鉄道にするんだというようになっております。
ここで一番重要なことは、その財源ですけれども、①のbに書きましたように、地域公共交通の財源は各市による交通税、事業所税とも言われますけれども、これがあるんだということで、各自治体がこの交通基本法に基づきまして、経営というか運営をしているということです。
その次、ドイツ。私、ドイツの専門家です。学生から、ドイツ大好き桜井先生ということになっております。
ドイツでは、一九九四年に、まあ日本でいえば民営化になるんですけど、鉄道改革が行われます。その際に、地域鉄道輸送を州に移管し、地域交通の一元的管理を目的に、一九九六年一月に公共近距離旅客輸送地域化に関する法律が制定されます。
そこで、法律の内容に入りますが、公共任務だと言っているんですね。つまり、公共近距離旅客輸送サービスの国民への十分な提供の保障は、これは生存配慮の任務である、ドイツ語ではフォアゾルゲというんですけど、前もって生存を保障するという一九二〇年代にドイツで確立された概念です、そういうようなものだと。ここでいう公共近距離旅客輸送サービスというのは、鉄道やバス、タクシーも含めて五十キロ圏内で輸送されるサービスだということになっています。
そして、ここで重要なのは、これは公益サービスであるということを重視しています。さらに、もっと重要なのが財源でありまして、②の例に書きましたように、資金調達と配分で各州に連邦税収から一定額が交付されます。連邦税収というのは、具体的に言うとガソリン税ですね。ガソリン税から各州に一定割合、一定額を配賦しまして、それで地域公共交通を維持しなさいということを言っております。これ、毎年額が変動いたします。結構大きくなっております。
また、最近の重要な特徴としましては、地球温暖化問題を背景として廃止、一旦廃止した鉄道路線を復活する。あるいは、格安切符というんですけれども、一か月乗り放題で、現在ちょっと値上がりしまして五十八ユーロです。まあ八千円ぐらいですけど、全ての公共近距離旅客輸送が乗り放題だというものも行われております。
その次、資料五を御覧ください。十二ページです。
日本も遅れて交通に関する法律ができます。一九八七年四月に国鉄の分割・民営化が行われ、二〇〇〇年初頭に需給調整規制が廃止あるいは緩和されます。いわゆる市場競争原理が入ってきます。
しかし、二〇〇七年五月に、地域公共交通活性化再生法、これは省略した名前ですけれども、市場競争原理を部分的に転換いたします。
その流れを受けて、二〇一三年十二月に交通政策基本法ができます。ここで重要なのは、交通政策基本法では、交通権には、国民その他の者の基本的な需要を適切に充足することだと言っているんですね。フランスは交通権、ドイツは生存配慮、日本は基本的な需要の充足。違いありますか、どうですか。私はあると思うんですけど。
もっと重要なのは、②のdに書きましたところです。交通手段の選択に係る競争と国民等の自由な選択を踏まえつつそれぞれの特性に応じた役割分担をしなさいと書いてある。
私が引っかかっているのは、交通手段の選択に係る競争なんですよ。総合交通体系というものを否定しているところに日本の現在の交通問題があるんですけれども、そういう輸送機関の間で競争しなさい、競争原理は重要ですよということで、国鉄分割・民営化のときに言った、あるいは二〇〇〇年の需給調整規制の緩和のときに言われた、市場競争原理を修正すると言いながら、修正できていないんですね。ここに最大の問題があります。
それでも、③に書きましたように、地域公共交通活性化再生法が数次に改正されていきます。少しずつ公的関与を増やしていくわけですね。ただ、その場合に、自治体の関与を増やすんですけど、国の関与は余り増やさないという方向で行きます。
そして、一昨年、二〇二三年四月に、私もこの国土交通委員会で発言させていただきましたけれども、JRのローカル線の分離の促進の問題が出てきます。これは後で言います。
そういうことで、日本の交通政策基本法は、一つには国の関与が十分行われていない。二番目は財源ですね。財源については法律で何も書いていないです。適切に維持するということだけです。じゃ、どれだけの規模で維持するのかというのは、本来は法律で、直接数字を明記しなくてもいいけど、ある程度は明記する必要があると思います。
その上で、十三枚目行きます。
車依存社会の進行と移動制約者の増加。ここはもう図を見ていただければいいので省略したいんですけど、車依存社会が進行しております。乗用車保有台数が、二〇〇〇年でも五千百二十二万台あったものが更に増えまして、二〇二四年で六千百九十七万台になっております。さらに、都道府県別見ますと、地方ですね、群馬県であるとか福井県であるとか富山県であるとか、そういうところが保有率が高いです。
なぜそういう車依存社会が生まれてきているかというと、もちろん車というのは非常に便利です。ドア・ツー・ドアですと歩かなくてもいい。本当は歩けと私言いたいんですけど、歩かなくてもいいと。
政策的要因としては、自動車のための道路投資。道路中心の町づくり、郊外大型ショッピングセンター。私も、焼津であるとかいろんなところに、町行きましたけど、ほとんど商店街空っぽですよ。実は自動車でですね、四国の西条市にも行きましたけど、歩いている人はほとんどいない、昼間。皆、車でどっか行くんですよ。そういう町でいいのかどうかというのが問題です。それからさらに、三番目に公共交通が不便だから乗用車が増加するという相互作用があります。
その上で、次のところはもう表になって、その上で、特に図六を見てください。群馬県の距離別代表手段構成比、十四ページ。百メートル未満の移動でも二六・九%の人が自動車を使うというんです。ということで、とにかく非常にすごい状況です。車なしでは生きていけないというこの状況ですね。
その次、十五ページ行きます。
車依存社会の進行と移動制約者の増加ということで、移動制約者が増加しております。
自動車事故の問題、省略。障害者の増加も省略。
運転免許の非保有者ですけど、これは運転免許を所有している人じゃなく、人口の中で運転免許を所有していない人を計算いたしました。そうすると、そういうような数字になりまして、だんだん運転免許を持っていない人の数が減っています。つまり、多くの人が持つようになってきているわけです。
ただ、七十五歳以上の運転免許非保有者数は、二〇〇一年、七百九十九万人ですけど、二〇二三年に千二百七十九万人と増えています。
もう一つ、十六歳から十九歳及び二十歳から二十九歳の運転免許を持たない人が増えているんですよ。運転免許は、若い人は、運転免許、昔は取ったんですけど、今は取らない。これも、次の車社会の崩壊を暗示するんですけれども。
それで、d行きます、②のd。
高齢者の運転免許返納者、これは増えているんですけれども、二〇一九年のあの痛ましい池袋の事故がありましたが、お母さんと子供が亡くなった事故がありましたけれども、それ以降、それまでは運転免許返納者数が増えているんですけど、それ以降は減っているんですよ、コロナ禍の下で。減っているので、これは私の独断ですけど、高齢者の死亡事故が増えているんです。
特に、返納率を東京都と群馬県で比較しますと、群馬県の方が返納率は低いんですよ。やっぱり車なしでは生きていけないわということなんです。それは、表五ですね、十九ページの表五に書いてあります。後でよく見てください。
それでは、三行きます。
ここが本来のメインではないんですけど、公共交通の衰退に基づきまして空白地域が増加しているということを書いてあります。ここはちょっと省略いたします。ここで重要なことは、鉄道が駄目になったらバス転換という風潮が強いんですけど、バスにするともっと不便になるということをここでも言いたいわけです。
それでは、二十三ページ行きます。
もう時間でしょうか。
この発言だけを見る →お手元にある報告書といいますか、配付資料に誤りがありました。まずそれをおわびいたします。
表のナンバリングで、十一ページの表四と五があるんですけど、その番号を、表三、表四、表五とあるんですけど、表三の一、表三の二、表三の三というように変更をお願いいたします。
いろいろ難しい問題で、今日の朝まで考えていまして、それで新しい表を入れたところがナンバリングが、後、繰り下げるのを忘れていまして、御迷惑をお掛けいたしました。
そのほかも誤りがありますが、それは報告の中で追ってお知らせしていきます。
私は非常に滑舌が悪いということで、いつも言うんですけれども、学生に評判が悪いんですね。そういうことで、皆様にも御迷惑をお掛けすると思いますが、よろしくお願いします。
さらに、今日は、三十七枚のスライドを用意しているんで、二十分ですから、三十秒に一枚報告しなきゃいけないので、これまた皆さんの脳力アップ、脳活動のスピードアップをお願いいたしたいと思います。
それでは早速、目次は省略いたしまして、三枚目から入ります。
初めに、持続可能な社会と交通、移動ということで、SDGsですね、御存じのSDGsでも交通に関する目標が書かれています。二〇三〇年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子供、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、全ての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供すると書いてあります。二〇三〇年までにやるということです。
この今日の委員会との関連でいえば、地方で全ての人々がアクセスし得る持続可能な輸送システムが我が日本で確立されているかどうか、そういう点を述べたいと。なぜ確立されていないのか、まあ結論ですけど、その原因について述べたいということです。
報告の順序は、まず、移動の保障の重要性を社会的共通資本との関連でまず述べます。その後、フランス、ドイツと比較した日本の法律での移動保障がどうなっているかということについての規定、そして、その特徴を指摘します。それが一番目。二番目は、次いで、車社会の進行と公共交通の衰退の下での移動制約者の増加の現状を述べ、これが二と三です。その上で、公共交通衰退の外的、内的要因を分析し、その解決方向を提示します。とはいえ、JR、私、JRを専門にやっておりますけど、JRのローカル線分離問題は、そうした公共交通の衰退の外的、内的要因という分析だけでは解決できない問題があります。JRと自治体との間での摩擦といいますか、あつれき、対立があるからです。これは分割・民営化の問題に端を発しているんですけど、そのことについても触れます。最後に、公共交通を代替、補完する交通手段として最近登場してきているコミュニティーバスとデマンドタクシーの現状と論点を述べる。最後に結論を述べます。
まず、次のページ、権利、失礼、市民的権利としての移動ということであります。
まず、私は、もう亡くなられましたけれども、宇沢弘文という大先生の社会的共通資本論というものに陶酔しております。この社会的共通資本論は、次のページに書いてありますけれども、市民の基本的権利に関わるものとして社会的共通資本の重要性を宇沢さんは訴えているのです。つまり、市民的、基本的権利、市民の基本的権利、生存権ですね、生存権を維持するためには社会的共通資本が重要だ、道路とか公共交通機関、電力、通信施設、上下水道などなど、その場合の管理原則は、営利的な基準で管理してはいけない、社会的管理でなきゃいけない、フィデューシャリーといいますが、信託、国民から信託を受けて、専門的な人々による管理が重要だと言っております。
社会的共通資本の中でも、宇沢先生は徒歩と自転車を重視するんです。歩行者用や自転車用の道路整備の重要性を言います。その上で、鉄道サービスや公共交通の重要性を指摘しております。自家用自動車ですけれども、これについては、市民の基本的権利に重要な関わりは持たないと言っておりまして、それはなぜかというと、それは個人の市場原理に任せて、市場というか、個人の選択の範囲にあるということです。同時に、自動車は、環境問題、交通事故、騒音、渋滞等々、膨大な自動車の社会的費用を発生しているから、これをなくすことが重要だということを宇沢さんは言います。
それで、その上で、もう一度四ページに戻ってきていただきまして、そうしたことを踏まえて、私なりに移動手段というのを階層的に把握するということは重要だと思っています。一つは、アクティブモビリティーとパッシブモビリティーの区別です。日本で初めて聞く言葉だと皆さんは思うかもしれませんが、アクティブモビリティーというのは、自分の力で移動するということです、歩行、自転車ですね。パッシブモビリティーというのは、他の力で、基本的には内燃機関なんですけれども、ガソリンであるとか電気であるとか、そういう内燃機関で走る移動手段、これを区別するということはヨーロッパで今一番重要になってきています。そういう意味では、徒歩や自転車を重視する宇沢さんの社会的共通資本論と一致しております。
その上で、パッシブモビリティーにおける公共交通と私的交通を区別する必要があると。だから、一番重要なのは徒歩、自転車で、その次、公共交通、その次、私的交通、自家用自動車、二輪車ということになります。電動は、最近出ている電動アシストというのは、このアクティブモビリティーとパッシブモビリティーのハイブリッドだということになっています。
それでは、もう時間ないので次に行きます。
じゃ、法律で移動権、移動の保障はどうなっているかということで、次に、フランス、ドイツ、日本を大急ぎでぱっとやります。
八ページを御覧ください。
フランスの交通基本法では、一九八二年の国内交通基本法で交通権というものを提示しました。全ての人に移動権を国が保障するんだということになっております。その後、それが二〇一〇年十二月に移動する権利を拡充して、そして、二〇一九年十二月にモビリティー法になりました。当初の交通権、国内交通基本法では単に移動を保障するということだったんですけど、最近のフランスでは、日常交通ですね、新幹線はもう要らない、日常的な交通が大事である、また、地域的な格差が大きくなっているのでそれを是正することが必要だというようになっております。それで、現代のところですね、五年間で百三十四億ユーロの投資で、日常交通への優先投資、投資の四分の三は鉄道にするんだというようになっております。
ここで一番重要なことは、その財源ですけれども、①のbに書きましたように、地域公共交通の財源は各市による交通税、事業所税とも言われますけれども、これがあるんだということで、各自治体がこの交通基本法に基づきまして、経営というか運営をしているということです。
その次、ドイツ。私、ドイツの専門家です。学生から、ドイツ大好き桜井先生ということになっております。
ドイツでは、一九九四年に、まあ日本でいえば民営化になるんですけど、鉄道改革が行われます。その際に、地域鉄道輸送を州に移管し、地域交通の一元的管理を目的に、一九九六年一月に公共近距離旅客輸送地域化に関する法律が制定されます。
そこで、法律の内容に入りますが、公共任務だと言っているんですね。つまり、公共近距離旅客輸送サービスの国民への十分な提供の保障は、これは生存配慮の任務である、ドイツ語ではフォアゾルゲというんですけど、前もって生存を保障するという一九二〇年代にドイツで確立された概念です、そういうようなものだと。ここでいう公共近距離旅客輸送サービスというのは、鉄道やバス、タクシーも含めて五十キロ圏内で輸送されるサービスだということになっています。
そして、ここで重要なのは、これは公益サービスであるということを重視しています。さらに、もっと重要なのが財源でありまして、②の例に書きましたように、資金調達と配分で各州に連邦税収から一定額が交付されます。連邦税収というのは、具体的に言うとガソリン税ですね。ガソリン税から各州に一定割合、一定額を配賦しまして、それで地域公共交通を維持しなさいということを言っております。これ、毎年額が変動いたします。結構大きくなっております。
また、最近の重要な特徴としましては、地球温暖化問題を背景として廃止、一旦廃止した鉄道路線を復活する。あるいは、格安切符というんですけれども、一か月乗り放題で、現在ちょっと値上がりしまして五十八ユーロです。まあ八千円ぐらいですけど、全ての公共近距離旅客輸送が乗り放題だというものも行われております。
その次、資料五を御覧ください。十二ページです。
日本も遅れて交通に関する法律ができます。一九八七年四月に国鉄の分割・民営化が行われ、二〇〇〇年初頭に需給調整規制が廃止あるいは緩和されます。いわゆる市場競争原理が入ってきます。
しかし、二〇〇七年五月に、地域公共交通活性化再生法、これは省略した名前ですけれども、市場競争原理を部分的に転換いたします。
その流れを受けて、二〇一三年十二月に交通政策基本法ができます。ここで重要なのは、交通政策基本法では、交通権には、国民その他の者の基本的な需要を適切に充足することだと言っているんですね。フランスは交通権、ドイツは生存配慮、日本は基本的な需要の充足。違いありますか、どうですか。私はあると思うんですけど。
もっと重要なのは、②のdに書きましたところです。交通手段の選択に係る競争と国民等の自由な選択を踏まえつつそれぞれの特性に応じた役割分担をしなさいと書いてある。
私が引っかかっているのは、交通手段の選択に係る競争なんですよ。総合交通体系というものを否定しているところに日本の現在の交通問題があるんですけれども、そういう輸送機関の間で競争しなさい、競争原理は重要ですよということで、国鉄分割・民営化のときに言った、あるいは二〇〇〇年の需給調整規制の緩和のときに言われた、市場競争原理を修正すると言いながら、修正できていないんですね。ここに最大の問題があります。
それでも、③に書きましたように、地域公共交通活性化再生法が数次に改正されていきます。少しずつ公的関与を増やしていくわけですね。ただ、その場合に、自治体の関与を増やすんですけど、国の関与は余り増やさないという方向で行きます。
そして、一昨年、二〇二三年四月に、私もこの国土交通委員会で発言させていただきましたけれども、JRのローカル線の分離の促進の問題が出てきます。これは後で言います。
そういうことで、日本の交通政策基本法は、一つには国の関与が十分行われていない。二番目は財源ですね。財源については法律で何も書いていないです。適切に維持するということだけです。じゃ、どれだけの規模で維持するのかというのは、本来は法律で、直接数字を明記しなくてもいいけど、ある程度は明記する必要があると思います。
その上で、十三枚目行きます。
車依存社会の進行と移動制約者の増加。ここはもう図を見ていただければいいので省略したいんですけど、車依存社会が進行しております。乗用車保有台数が、二〇〇〇年でも五千百二十二万台あったものが更に増えまして、二〇二四年で六千百九十七万台になっております。さらに、都道府県別見ますと、地方ですね、群馬県であるとか福井県であるとか富山県であるとか、そういうところが保有率が高いです。
なぜそういう車依存社会が生まれてきているかというと、もちろん車というのは非常に便利です。ドア・ツー・ドアですと歩かなくてもいい。本当は歩けと私言いたいんですけど、歩かなくてもいいと。
政策的要因としては、自動車のための道路投資。道路中心の町づくり、郊外大型ショッピングセンター。私も、焼津であるとかいろんなところに、町行きましたけど、ほとんど商店街空っぽですよ。実は自動車でですね、四国の西条市にも行きましたけど、歩いている人はほとんどいない、昼間。皆、車でどっか行くんですよ。そういう町でいいのかどうかというのが問題です。それからさらに、三番目に公共交通が不便だから乗用車が増加するという相互作用があります。
その上で、次のところはもう表になって、その上で、特に図六を見てください。群馬県の距離別代表手段構成比、十四ページ。百メートル未満の移動でも二六・九%の人が自動車を使うというんです。ということで、とにかく非常にすごい状況です。車なしでは生きていけないというこの状況ですね。
その次、十五ページ行きます。
車依存社会の進行と移動制約者の増加ということで、移動制約者が増加しております。
自動車事故の問題、省略。障害者の増加も省略。
運転免許の非保有者ですけど、これは運転免許を所有している人じゃなく、人口の中で運転免許を所有していない人を計算いたしました。そうすると、そういうような数字になりまして、だんだん運転免許を持っていない人の数が減っています。つまり、多くの人が持つようになってきているわけです。
ただ、七十五歳以上の運転免許非保有者数は、二〇〇一年、七百九十九万人ですけど、二〇二三年に千二百七十九万人と増えています。
もう一つ、十六歳から十九歳及び二十歳から二十九歳の運転免許を持たない人が増えているんですよ。運転免許は、若い人は、運転免許、昔は取ったんですけど、今は取らない。これも、次の車社会の崩壊を暗示するんですけれども。
それで、d行きます、②のd。
高齢者の運転免許返納者、これは増えているんですけれども、二〇一九年のあの痛ましい池袋の事故がありましたが、お母さんと子供が亡くなった事故がありましたけれども、それ以降、それまでは運転免許返納者数が増えているんですけど、それ以降は減っているんですよ、コロナ禍の下で。減っているので、これは私の独断ですけど、高齢者の死亡事故が増えているんです。
特に、返納率を東京都と群馬県で比較しますと、群馬県の方が返納率は低いんですよ。やっぱり車なしでは生きていけないわということなんです。それは、表五ですね、十九ページの表五に書いてあります。後でよく見てください。
それでは、三行きます。
ここが本来のメインではないんですけど、公共交通の衰退に基づきまして空白地域が増加しているということを書いてあります。ここはちょっと省略いたします。ここで重要なことは、鉄道が駄目になったらバス転換という風潮が強いんですけど、バスにするともっと不便になるということをここでも言いたいわけです。
それでは、二十三ページ行きます。
もう時間でしょうか。
福
桜
桜井徹#7
○参考人(桜井徹君) はい。
地域公共交通の衰退の要因としては外的要因と内部要因があるんですけど、外的要因は乗用車の増加と人口減で、特に人口減は後で宮崎さんが述べるかもしれませんが、グローバル化の産業政策があります。したがいまして、この外的要因を除去する必要があるんですけど、日本の場合は外的要因はもう所与のものとして、義務のものとしてしてしまって、外的要因を変えようという、変更がないんですね。そのために、受け身、公共交通政策が、デマンドタクシーであるとかそういうもので受け身的になってしまうんです。
もう一つは内部要因で、負のスパイラルというんですけど、これは自立経営、自立採算経営が出てくるということです。
本当はこの図十四で、二十四ページの図十四を説明したいんですけど、私、一生懸命作りました図で、非常にすばらしいと自慢しているんですけれども、いつも。もう省略いたします。
それで、その後、公共交通の外的要因と内的要因の問題を解決することが重要だけど、それだけではJRのローカル線問題が解決できないよということで、JRのローカル線問題を解決するためには、まずJRがもうけ過ぎなので、そのもうけ過ぎということで内部補助をしたらいいんじゃないかと。でも、分割・民営化を見直した場合には、内部補助しなくて、新しい地域公共交通の、ローカル線の経営の在り方を模索すべきだということをここで書いてあります。
それで、最後に、デマンドタクシーとコミュニティーですけど、これは今も言いましたように、あくまでも苦肉の策としてやっているので、自動車依存社会の中で移動制約者が増えてくる、公共交通の廃止で移動制約者が増えてくる、その下でコミュニティーバスやデマンドタクシーが増えている、でも、財源どうするんですかと、市町村の負担が増えているんですよということです。ですから、フランスやドイツのような財源を解決しないと、本当はデマンドタクシーやコミュニティーも解決しないということです。
最後、結びに代えて、三十七枚目。いろいろ話しているのでもう省略いたしますが、一番最後のところです。⑤と⑥だけ読みます。
受け身的になっているということを言いました。本当は幹線交通が大事なんですけど、幹線交通を大事にしないで、幹線交通が廃止されているから、枝に当たる、あるいは葉っぱに当たるデマンドタクシーやコミュニティーをやりましょうというのが国の政策になってきているように思うんです。本当は道路投資や産業政策を転換しないといけないわけです。
なぜそうなっているかということは省略いたしますが、それらの背景に恐らく、交通政策基本法の理念に交通機関間の競争の語句が存在し、交通権が基本的需要の適切な充足に変化したことがあると言えば言い過ぎなのでしょうかと。
二〇一一年に民主党政権が交通基本法を出したときに、移動権というのは明記されていました。それがいつの間にか、基本的需要、まあ基本的需要でもいいかなとは個人的には思うんですけど、ちょっと弱いんですね。フランスの交通権、ドイツの生存配慮という言葉に比べれば弱い。
そういう点で、もう一度、可能でしたら交通政策基本法を見直していただいて、大所高所から考えないと、パッチワークでびほう的な移動権を保障、移動を保障するような現在の状況はいけないのではないかということで、私の報告は終わります。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →地域公共交通の衰退の要因としては外的要因と内部要因があるんですけど、外的要因は乗用車の増加と人口減で、特に人口減は後で宮崎さんが述べるかもしれませんが、グローバル化の産業政策があります。したがいまして、この外的要因を除去する必要があるんですけど、日本の場合は外的要因はもう所与のものとして、義務のものとしてしてしまって、外的要因を変えようという、変更がないんですね。そのために、受け身、公共交通政策が、デマンドタクシーであるとかそういうもので受け身的になってしまうんです。
もう一つは内部要因で、負のスパイラルというんですけど、これは自立経営、自立採算経営が出てくるということです。
本当はこの図十四で、二十四ページの図十四を説明したいんですけど、私、一生懸命作りました図で、非常にすばらしいと自慢しているんですけれども、いつも。もう省略いたします。
それで、その後、公共交通の外的要因と内的要因の問題を解決することが重要だけど、それだけではJRのローカル線問題が解決できないよということで、JRのローカル線問題を解決するためには、まずJRがもうけ過ぎなので、そのもうけ過ぎということで内部補助をしたらいいんじゃないかと。でも、分割・民営化を見直した場合には、内部補助しなくて、新しい地域公共交通の、ローカル線の経営の在り方を模索すべきだということをここで書いてあります。
それで、最後に、デマンドタクシーとコミュニティーですけど、これは今も言いましたように、あくまでも苦肉の策としてやっているので、自動車依存社会の中で移動制約者が増えてくる、公共交通の廃止で移動制約者が増えてくる、その下でコミュニティーバスやデマンドタクシーが増えている、でも、財源どうするんですかと、市町村の負担が増えているんですよということです。ですから、フランスやドイツのような財源を解決しないと、本当はデマンドタクシーやコミュニティーも解決しないということです。
最後、結びに代えて、三十七枚目。いろいろ話しているのでもう省略いたしますが、一番最後のところです。⑤と⑥だけ読みます。
受け身的になっているということを言いました。本当は幹線交通が大事なんですけど、幹線交通を大事にしないで、幹線交通が廃止されているから、枝に当たる、あるいは葉っぱに当たるデマンドタクシーやコミュニティーをやりましょうというのが国の政策になってきているように思うんです。本当は道路投資や産業政策を転換しないといけないわけです。
なぜそうなっているかということは省略いたしますが、それらの背景に恐らく、交通政策基本法の理念に交通機関間の競争の語句が存在し、交通権が基本的需要の適切な充足に変化したことがあると言えば言い過ぎなのでしょうかと。
二〇一一年に民主党政権が交通基本法を出したときに、移動権というのは明記されていました。それがいつの間にか、基本的需要、まあ基本的需要でもいいかなとは個人的には思うんですけど、ちょっと弱いんですね。フランスの交通権、ドイツの生存配慮という言葉に比べれば弱い。
そういう点で、もう一度、可能でしたら交通政策基本法を見直していただいて、大所高所から考えないと、パッチワークでびほう的な移動権を保障、移動を保障するような現在の状況はいけないのではないかということで、私の報告は終わります。
ありがとうございました。
福
宮
宮崎雅人#9
○参考人(宮崎雅人君) 埼玉大学の宮崎でございます。今日は、このような機会を頂戴いたしましてありがとうございます。(資料映写)
私の方は、地域コミュニティーの再生ということでお話をしたいと思います。
まず初めにということで、私、もう三年前になりますけれども、「地域衰退」という本を書きまして、その中で、基盤産業が衰退した地域が衰退しているという、まあ、ある種当たり前の話をしまして、基盤産業アプローチというものに依拠してそういった話を書きました。
先ほど桜井先生からお話がありましたけど、そういう背景には、グローバル化の中の産業の変化といいますか、工場がなくなるというような話があるわけです。そういった中で、衰退した地域においては市場経済を復活させるしかないのか、もう少し丁寧に言えば、例えば工場がなくなったところでは新しい工場をですね、半導体とか今かなり盛り上がっておりますけれども、そういったものを呼んでくるしかないのかとか、あるいは、シンガポールのようにスタートアップ支援に力を入れて、地域においてもそういった企業を興していくということしかないのかというふうに考えたりもするんですけれども、そういったことができる地域というのは限られているだろうという前提に立って今日のお話をしていきたいと思っています。
そういった衰退した地域において地域コミュニティー再生のためにどういったことが必要かということなんですけれども、例えば地域の外からどうやって収入を得るかとか、あとは、先ほど桜井先生からありましたけれども、移動の話ですとか、今日取り上げるのは買物難民の話なので移動と関わる話なんですけれども、地域の困ったことにどう対応していくかということで、そういった対応のために一つの解決策として社会的連帯経済の取組があるのではないかということで、今日、事例を幾つか紹介していきたいと思っています。
この社会的連帯経済は何かというと、分かりやすく言うと、人々の協力によって成り立つ仕組みであって、危機が起こると人々が助け合うということですね、その中で、参加者が議論していく中で経済をつくり上げていくという、そういう仕組みです。これは、国連の社会的連帯経済に関する国連機関間タスクフォースの方で定義がありまして、ここに書いてあるような内容なんですけれども、重要なのは、やはり民主的、参加型のガバナンスであるといったところですとか、あとは集団的利益あるいは一般的利益に奉仕する活動ですね、そういった組織を包括するものであるということです。これは既に国連総会で持続的発展のための社会的連帯経済の促進という宣言が採択をされているものであるということであります。
それで、社会的連帯経済が生産するものは何かということなんですけれども、あらかじめこういうものを生産するということが決まっているわけではなくて、参加する人々の議論の中でどういったものが必要なのか、供給すべきなのかということが決まってくるというものであります。
繰り返しになりますけれども、集まる人々がそれまで漠然と考えていたようなことが認識されて、特定されて供給と需要がつくられていくような、そういう世界であるということです。
実は、新しいものでもないといいますか、既に日本において社会的連帯経済の範疇に入る組織というものはありまして、協同組合が中心的な担い手ですので、農協が特に大きいですけれども、農協、漁協、森林組合、あとは生協ですとか、あとは商店街振興組合、更に言うと信金とか労金、こういったものが中心的な担い手とされております。
ただ、これ以外にも重要な担い手がありまして、特に地域ということを念頭に置いたときに、例えば山口県においては、社会的連帯経済の範疇に入るような取組が地域経営会社という呼び方をされておりまして、中山間地域の地域課題を解決するようなNPOですとか一般社団とか、こういったここに書いてあるような組織において取り組まれているということで、協同組合以外も社会的連帯経済として位置付けることができるということです。
ここがちょっと抽象的なお話でありまして、じゃ、具体的にどういった取組があるのかということで事例を挙げたいと思うんですけれども、協同組合が社会的連帯経済の中心的な取組だと今申し上げたんですけれども、必ずしもそういった協同組合だけではないという事例を、地域における事例を御紹介したいと思うんですが、まず一つは熊本県小国町のわいた地区というところの取組です。わいた会という組織の取組です。
ここでは、地熱発電ですね、温泉というか、湯気がもうそこらじゅうから噴き出しているような地区でありますけれども、その地域において地域資源である地熱を使って発電を行っております。
当初といいますか、初めは、一九九〇年代に外部の大手ディベロッパーが開発しようとしまして、共有地を取得しようとしました。共有地の取得に際して、推進派、地熱発電進めるべきだという推進派と、いや、そうではないという慎重派に地域で分かれてしまって、鋭い地域対立が起こってしまって、結局そのときは用地取得できませんで、大手ディベロッパーは撤退をしていきます。そこでできてしまった対立が地域の中で尾を引きまして、共有地の野焼きですとか用水路の管理ですとか、あとは盆踊りですね、地域の統合の象徴といいますか、そういったものまで行われなくなってしまったわけです。
そういった中でも、地域衰退、地域がどんどん高齢化が進んで人口も減っていくということで、これをどうにかせねばならぬということで、推進派だった世帯がわいた会を設立をいたしまして、今申し上げた発電事業に着手をすると。その後、進める中で、これが非常に重要だと思うんですけれども、慎重派も参加をして、わいた会に加入をして、発電事業に参入といいますか、発電事業を行っていくという仕組みになりました。
ちょっとスライド戻りますけれども、このわいた会が共有している土地を使って、ふるさと熱電という会社が、これ東京が本社だったようですけれども、熊本の小国町に本社を移転したようですけれども、そこが協力をして発電を行っております。
売電収入は年間六億円ということで、現在、第一発電所ですけれども、第二発電所の建設を今行っているようですけれども、八割は業務委託費としてふるさと熱電に支払われると。残りの二割ですね、まあ残りの二割といってもかなり大きな額になるかと思いますけれども、わいた会が配当として受け取って、ここに書いてあるような地域における課題ですね、これを解決するようなものに対して支出をしているということです。
中でも用水路の補修に関しては、自治体である小国町も財政が厳しい中で、町と協議したわけではないというお話でしたけれども、町が行っているようなことも含めてわいた会の方で、農業に従事されている方も多いと伺いましたけれども、地域における課題をこの発電によって得られた財源で賄っているということです。
ここにあります岳の湯大地獄の整備ですけれども、これ動画配信サイトというんですかね、そこで簡単に見ることができますので、御興味のある方は是非御覧いただきたいと思います。この取組は、以前どこかのテレビ局でも朝取り上げられておりましたので、それなりに注目されている取組なのかなというふうに思っております。
今見てまいりました、わいた会が持っている熱電ですね、地熱の資源というのは、これ共有地ということでコモンズということになります。先ほど宇沢先生のコモンズという議論もありましたけれども、有名なノーベル経済学賞も取ったオストロムが議論しておりますけれども、彼女の議論を引用すれば、スイスと日本では共有という形、共同体所有という形で、村落経済の重要な一面としても土地を使用してきたんだということですね。なので、社会的連帯経済は別段新しいというか、更に言うと輸入品でもなくて、日本において、日本の村落においてずっと行われてきたようなものであるということですね。
なので、何というか、抽象的な概念が先にあって、それに取り組むというよりは、この危機に際して、今回わいた会はそうですけれども、危機に際して実践をしていくという、そういう積み重ねの中でできてきた考え方というか、そういう取組ということになります。わいた会は、地熱資源を守りながら、地域の持続可能性を高めるような努力をしているということです。これが一つ目の事例ということになります。
もう一つは、寺前村振興公社ということで、これは兵庫県の神河町というところで買物難民対策ということで取り組まれているような地域のスーパーですね。
平成の大合併でできた神河町ですけど、それ以前の昭和の大合併の単位ということで寺前村というものがあったんですね。そこ、地域唯一のスーパーが突然閉店をしてしまったそうだということで、その閉店直後に地域の方のどなたかが亡くなって、お通夜があって地域の方がわあっと集まったときに、どうしようということで相談になったそうで、そのときにいろいろ議論があったんだと思います。結果として、区長さんやその町から選出されている町会議員の方や、あと県会議員の方が発起人になって対策を考えたということです。
民間のスーパーが閉店をしたので、民間が続けるというのはなかなか難しいだろうということだったわけですね。じゃ、町営でできるかとなりますと、これ合併自治体だったので、旧町村というんですかね、旧自治体の単位というのがあるので、このバランスを崩すというのもなかなか難しいということで、町営の施設でスーパーを設置するのも難しいという議論になって、じゃ、どうしようかというときに、寺前地区はお金を持っていたということなんですね。
どういうお金かといいますと、これ、神河町の中にある寺前財産区が持っていた土地が、共有地がですね、関西電力のダムの用地になりまして、そこで売払い金とか協力金が得られた、貯金を持っていたと。これ、地域振興基金としてお金を持っていて、それをじゃ使いましょうということで、区長さんから成る寺前地区活性化協議会というものが組織されて、そこがスーパーをつくろうということで取組を始めたと。これはまさに民主主義ということになりますけれども、住民同士の意見交換を行っていて、経営とか決算の状況について報告会を行っているということです。
スーパーが閉店したのは二〇一七年の九月ということだったんですけれども、もう二〇一八年の七月には、次のというか、後継のスーパーですね、寺前楽座「まちの灯り」という施設ができ上がったということで、かなり開店まで急いだそうです。お客さんが離れてしまうということもありますし、地域の人たちにアンケートを取ったそうですけれども、やっぱりスーパーが必要だということで、急いでいろいろな国の財源も集めながら、国の制度も活用しながらお金をかき集めて、貯金も使いながら何とかスーパーを設置したということで、この寺前村振興公社は、ここに挙げているような人たちが役員になって、出資金を、みんなでお金を出し合って、もちろん、このみんなで出し合うお金だけでは足りないので、貯金ですとか国の交付金というものが活用されたわけですけれども、そういったお金を出し合って地域のスーパーを再生させたと、そういう取組です。
文字が多いスライドをなぜパワポでやっているのかというと、写真をカラーで見ていただきたいということで、雰囲気を伝えたかったからなんですけれども、実際、私も参りまして、実は埼玉大学の学生がこの事例を見付けてくれまして、じゃ、私も一緒に行こうということで行ったんですけれども、現地に行ったんですけれども。こういう形で、地域の買物難民といいますか、買物に困るようなお年寄りがいらしているんですけれども、それ以外に地域のコミュニティーの核にしようという思いが寺前村振興公社にはあったということで、「まちの灯り」という名前になっております。
それで、国の交付金という話をいたしましたけれども、店舗の整備、改修資金には、総務省の地域経済循環創造事業交付金が充てられたりして、あとは、土地は、民間スーパーが開店する前は、社会的連帯経済の担い手である農協が経営していたAコープがあったんですね、それが、Aコープさんもいろいろ大変だと思いますので、撤退をして次のスーパーができたんですけれども、それも撤退してしまったということで、その用地を貯金を使って町名義で所有をすると。運転資金については、これは住民から出し合うということではなくて、一戸当たり、地域振興基金から出すということでお金を出し合ったということですね。
なので、先ほどは、小国町のわいた会は熱源ということになりますけれども、今度は共有林ですね、共有林を売り払って得た資金を活用して地域のスーパーを運営しているということです。
ここまで簡単にまとめますと、地域におけるコモンズを活用して資金を調達し、地域課題を解決していくと。そういったものがない地域はどうするかというのは残りの数分でお話しいたしますけれども、アイデアとして一つあるかなと思っています。
この社会的連帯経済の取組と位置付けている二つの事例においては、住民による議論と協力が非常に重要な役割を果たしていたということで、地方創生二・〇の基本的な考え方で、産官学金労言の議論に至らなかったという問題点を政府自ら指摘をしていますけれども、より小さい単位で議論をしていくと、地域にとって本当に必要なことは何かということを真剣に議論して課題を解決していくという意味で、こういった取組は一つ参考になるのかなと思っております。
最後、財源がないところはどうするかということで、時間迫っていますけれども、営農ソーラーの取組ということで、ソーラーシェアリングですね。太陽光パネルについてはかなり問題点を指摘する声も大きくなっていることは承知しておりますけれども、こちらの取組は別に、幽霊団体といいますか、太陽光パネルの下で何もしていないというものではなくて、太陽光パネルを設置してその下で農業を行っております。
耕作放棄地だったところ、かなり石があって大変だったようですけれども、そこを農地化して、ここに挙がっているような、中には社会的連帯経済の担い手が入っていますけれども、こういったところが協力してソーラーシェアリングの取組を行っているということです。実際に、農業用水も確保できて、昨年秋からホウレンソウを株式会社アグレスさんが生産を始めていったということです。利点としては、水の管理ですとか、今温暖化と言われておりますけれども、遮光をすることで水の利用の効率が高まるということが言われております。
資金調達は、地元の地方銀行であるところの出資ですとか融資ですとか、あとは生活クラブ生協による出資、こういったものがあって、固定価格終了後は生活クラブ生協が買い取るという仕組みになっております。
こんな感じで、私、実際参りましたけれども、この下で、元々ハウスがあるようなところなので、その上に太陽光がばあっと並んでいても余り違和感がないような、そんな印象を受けました。
時間来ましたのでまとめますけれども、地域におけるコモンズを活用した二つの事例と、あとは、そういったところがない場合は太陽光発電という形で資金を得ることができるんではないかということですね。そういった資金を使いながら、地域の衰退ですとか買物難民ですとか耕作放棄地の問題に対処していくと。そういった中で、住民が議論、協力しながら、いろいろなリソースを活用して経済をつくっていく中で、地域コミュニティーというものは再生していくんではないかというふうに考えております。
私の報告は以上とさせていただきます。ありがとうございました。
この発言だけを見る →私の方は、地域コミュニティーの再生ということでお話をしたいと思います。
まず初めにということで、私、もう三年前になりますけれども、「地域衰退」という本を書きまして、その中で、基盤産業が衰退した地域が衰退しているという、まあ、ある種当たり前の話をしまして、基盤産業アプローチというものに依拠してそういった話を書きました。
先ほど桜井先生からお話がありましたけど、そういう背景には、グローバル化の中の産業の変化といいますか、工場がなくなるというような話があるわけです。そういった中で、衰退した地域においては市場経済を復活させるしかないのか、もう少し丁寧に言えば、例えば工場がなくなったところでは新しい工場をですね、半導体とか今かなり盛り上がっておりますけれども、そういったものを呼んでくるしかないのかとか、あるいは、シンガポールのようにスタートアップ支援に力を入れて、地域においてもそういった企業を興していくということしかないのかというふうに考えたりもするんですけれども、そういったことができる地域というのは限られているだろうという前提に立って今日のお話をしていきたいと思っています。
そういった衰退した地域において地域コミュニティー再生のためにどういったことが必要かということなんですけれども、例えば地域の外からどうやって収入を得るかとか、あとは、先ほど桜井先生からありましたけれども、移動の話ですとか、今日取り上げるのは買物難民の話なので移動と関わる話なんですけれども、地域の困ったことにどう対応していくかということで、そういった対応のために一つの解決策として社会的連帯経済の取組があるのではないかということで、今日、事例を幾つか紹介していきたいと思っています。
この社会的連帯経済は何かというと、分かりやすく言うと、人々の協力によって成り立つ仕組みであって、危機が起こると人々が助け合うということですね、その中で、参加者が議論していく中で経済をつくり上げていくという、そういう仕組みです。これは、国連の社会的連帯経済に関する国連機関間タスクフォースの方で定義がありまして、ここに書いてあるような内容なんですけれども、重要なのは、やはり民主的、参加型のガバナンスであるといったところですとか、あとは集団的利益あるいは一般的利益に奉仕する活動ですね、そういった組織を包括するものであるということです。これは既に国連総会で持続的発展のための社会的連帯経済の促進という宣言が採択をされているものであるということであります。
それで、社会的連帯経済が生産するものは何かということなんですけれども、あらかじめこういうものを生産するということが決まっているわけではなくて、参加する人々の議論の中でどういったものが必要なのか、供給すべきなのかということが決まってくるというものであります。
繰り返しになりますけれども、集まる人々がそれまで漠然と考えていたようなことが認識されて、特定されて供給と需要がつくられていくような、そういう世界であるということです。
実は、新しいものでもないといいますか、既に日本において社会的連帯経済の範疇に入る組織というものはありまして、協同組合が中心的な担い手ですので、農協が特に大きいですけれども、農協、漁協、森林組合、あとは生協ですとか、あとは商店街振興組合、更に言うと信金とか労金、こういったものが中心的な担い手とされております。
ただ、これ以外にも重要な担い手がありまして、特に地域ということを念頭に置いたときに、例えば山口県においては、社会的連帯経済の範疇に入るような取組が地域経営会社という呼び方をされておりまして、中山間地域の地域課題を解決するようなNPOですとか一般社団とか、こういったここに書いてあるような組織において取り組まれているということで、協同組合以外も社会的連帯経済として位置付けることができるということです。
ここがちょっと抽象的なお話でありまして、じゃ、具体的にどういった取組があるのかということで事例を挙げたいと思うんですけれども、協同組合が社会的連帯経済の中心的な取組だと今申し上げたんですけれども、必ずしもそういった協同組合だけではないという事例を、地域における事例を御紹介したいと思うんですが、まず一つは熊本県小国町のわいた地区というところの取組です。わいた会という組織の取組です。
ここでは、地熱発電ですね、温泉というか、湯気がもうそこらじゅうから噴き出しているような地区でありますけれども、その地域において地域資源である地熱を使って発電を行っております。
当初といいますか、初めは、一九九〇年代に外部の大手ディベロッパーが開発しようとしまして、共有地を取得しようとしました。共有地の取得に際して、推進派、地熱発電進めるべきだという推進派と、いや、そうではないという慎重派に地域で分かれてしまって、鋭い地域対立が起こってしまって、結局そのときは用地取得できませんで、大手ディベロッパーは撤退をしていきます。そこでできてしまった対立が地域の中で尾を引きまして、共有地の野焼きですとか用水路の管理ですとか、あとは盆踊りですね、地域の統合の象徴といいますか、そういったものまで行われなくなってしまったわけです。
そういった中でも、地域衰退、地域がどんどん高齢化が進んで人口も減っていくということで、これをどうにかせねばならぬということで、推進派だった世帯がわいた会を設立をいたしまして、今申し上げた発電事業に着手をすると。その後、進める中で、これが非常に重要だと思うんですけれども、慎重派も参加をして、わいた会に加入をして、発電事業に参入といいますか、発電事業を行っていくという仕組みになりました。
ちょっとスライド戻りますけれども、このわいた会が共有している土地を使って、ふるさと熱電という会社が、これ東京が本社だったようですけれども、熊本の小国町に本社を移転したようですけれども、そこが協力をして発電を行っております。
売電収入は年間六億円ということで、現在、第一発電所ですけれども、第二発電所の建設を今行っているようですけれども、八割は業務委託費としてふるさと熱電に支払われると。残りの二割ですね、まあ残りの二割といってもかなり大きな額になるかと思いますけれども、わいた会が配当として受け取って、ここに書いてあるような地域における課題ですね、これを解決するようなものに対して支出をしているということです。
中でも用水路の補修に関しては、自治体である小国町も財政が厳しい中で、町と協議したわけではないというお話でしたけれども、町が行っているようなことも含めてわいた会の方で、農業に従事されている方も多いと伺いましたけれども、地域における課題をこの発電によって得られた財源で賄っているということです。
ここにあります岳の湯大地獄の整備ですけれども、これ動画配信サイトというんですかね、そこで簡単に見ることができますので、御興味のある方は是非御覧いただきたいと思います。この取組は、以前どこかのテレビ局でも朝取り上げられておりましたので、それなりに注目されている取組なのかなというふうに思っております。
今見てまいりました、わいた会が持っている熱電ですね、地熱の資源というのは、これ共有地ということでコモンズということになります。先ほど宇沢先生のコモンズという議論もありましたけれども、有名なノーベル経済学賞も取ったオストロムが議論しておりますけれども、彼女の議論を引用すれば、スイスと日本では共有という形、共同体所有という形で、村落経済の重要な一面としても土地を使用してきたんだということですね。なので、社会的連帯経済は別段新しいというか、更に言うと輸入品でもなくて、日本において、日本の村落においてずっと行われてきたようなものであるということですね。
なので、何というか、抽象的な概念が先にあって、それに取り組むというよりは、この危機に際して、今回わいた会はそうですけれども、危機に際して実践をしていくという、そういう積み重ねの中でできてきた考え方というか、そういう取組ということになります。わいた会は、地熱資源を守りながら、地域の持続可能性を高めるような努力をしているということです。これが一つ目の事例ということになります。
もう一つは、寺前村振興公社ということで、これは兵庫県の神河町というところで買物難民対策ということで取り組まれているような地域のスーパーですね。
平成の大合併でできた神河町ですけど、それ以前の昭和の大合併の単位ということで寺前村というものがあったんですね。そこ、地域唯一のスーパーが突然閉店をしてしまったそうだということで、その閉店直後に地域の方のどなたかが亡くなって、お通夜があって地域の方がわあっと集まったときに、どうしようということで相談になったそうで、そのときにいろいろ議論があったんだと思います。結果として、区長さんやその町から選出されている町会議員の方や、あと県会議員の方が発起人になって対策を考えたということです。
民間のスーパーが閉店をしたので、民間が続けるというのはなかなか難しいだろうということだったわけですね。じゃ、町営でできるかとなりますと、これ合併自治体だったので、旧町村というんですかね、旧自治体の単位というのがあるので、このバランスを崩すというのもなかなか難しいということで、町営の施設でスーパーを設置するのも難しいという議論になって、じゃ、どうしようかというときに、寺前地区はお金を持っていたということなんですね。
どういうお金かといいますと、これ、神河町の中にある寺前財産区が持っていた土地が、共有地がですね、関西電力のダムの用地になりまして、そこで売払い金とか協力金が得られた、貯金を持っていたと。これ、地域振興基金としてお金を持っていて、それをじゃ使いましょうということで、区長さんから成る寺前地区活性化協議会というものが組織されて、そこがスーパーをつくろうということで取組を始めたと。これはまさに民主主義ということになりますけれども、住民同士の意見交換を行っていて、経営とか決算の状況について報告会を行っているということです。
スーパーが閉店したのは二〇一七年の九月ということだったんですけれども、もう二〇一八年の七月には、次のというか、後継のスーパーですね、寺前楽座「まちの灯り」という施設ができ上がったということで、かなり開店まで急いだそうです。お客さんが離れてしまうということもありますし、地域の人たちにアンケートを取ったそうですけれども、やっぱりスーパーが必要だということで、急いでいろいろな国の財源も集めながら、国の制度も活用しながらお金をかき集めて、貯金も使いながら何とかスーパーを設置したということで、この寺前村振興公社は、ここに挙げているような人たちが役員になって、出資金を、みんなでお金を出し合って、もちろん、このみんなで出し合うお金だけでは足りないので、貯金ですとか国の交付金というものが活用されたわけですけれども、そういったお金を出し合って地域のスーパーを再生させたと、そういう取組です。
文字が多いスライドをなぜパワポでやっているのかというと、写真をカラーで見ていただきたいということで、雰囲気を伝えたかったからなんですけれども、実際、私も参りまして、実は埼玉大学の学生がこの事例を見付けてくれまして、じゃ、私も一緒に行こうということで行ったんですけれども、現地に行ったんですけれども。こういう形で、地域の買物難民といいますか、買物に困るようなお年寄りがいらしているんですけれども、それ以外に地域のコミュニティーの核にしようという思いが寺前村振興公社にはあったということで、「まちの灯り」という名前になっております。
それで、国の交付金という話をいたしましたけれども、店舗の整備、改修資金には、総務省の地域経済循環創造事業交付金が充てられたりして、あとは、土地は、民間スーパーが開店する前は、社会的連帯経済の担い手である農協が経営していたAコープがあったんですね、それが、Aコープさんもいろいろ大変だと思いますので、撤退をして次のスーパーができたんですけれども、それも撤退してしまったということで、その用地を貯金を使って町名義で所有をすると。運転資金については、これは住民から出し合うということではなくて、一戸当たり、地域振興基金から出すということでお金を出し合ったということですね。
なので、先ほどは、小国町のわいた会は熱源ということになりますけれども、今度は共有林ですね、共有林を売り払って得た資金を活用して地域のスーパーを運営しているということです。
ここまで簡単にまとめますと、地域におけるコモンズを活用して資金を調達し、地域課題を解決していくと。そういったものがない地域はどうするかというのは残りの数分でお話しいたしますけれども、アイデアとして一つあるかなと思っています。
この社会的連帯経済の取組と位置付けている二つの事例においては、住民による議論と協力が非常に重要な役割を果たしていたということで、地方創生二・〇の基本的な考え方で、産官学金労言の議論に至らなかったという問題点を政府自ら指摘をしていますけれども、より小さい単位で議論をしていくと、地域にとって本当に必要なことは何かということを真剣に議論して課題を解決していくという意味で、こういった取組は一つ参考になるのかなと思っております。
最後、財源がないところはどうするかということで、時間迫っていますけれども、営農ソーラーの取組ということで、ソーラーシェアリングですね。太陽光パネルについてはかなり問題点を指摘する声も大きくなっていることは承知しておりますけれども、こちらの取組は別に、幽霊団体といいますか、太陽光パネルの下で何もしていないというものではなくて、太陽光パネルを設置してその下で農業を行っております。
耕作放棄地だったところ、かなり石があって大変だったようですけれども、そこを農地化して、ここに挙がっているような、中には社会的連帯経済の担い手が入っていますけれども、こういったところが協力してソーラーシェアリングの取組を行っているということです。実際に、農業用水も確保できて、昨年秋からホウレンソウを株式会社アグレスさんが生産を始めていったということです。利点としては、水の管理ですとか、今温暖化と言われておりますけれども、遮光をすることで水の利用の効率が高まるということが言われております。
資金調達は、地元の地方銀行であるところの出資ですとか融資ですとか、あとは生活クラブ生協による出資、こういったものがあって、固定価格終了後は生活クラブ生協が買い取るという仕組みになっております。
こんな感じで、私、実際参りましたけれども、この下で、元々ハウスがあるようなところなので、その上に太陽光がばあっと並んでいても余り違和感がないような、そんな印象を受けました。
時間来ましたのでまとめますけれども、地域におけるコモンズを活用した二つの事例と、あとは、そういったところがない場合は太陽光発電という形で資金を得ることができるんではないかということですね。そういった資金を使いながら、地域の衰退ですとか買物難民ですとか耕作放棄地の問題に対処していくと。そういった中で、住民が議論、協力しながら、いろいろなリソースを活用して経済をつくっていく中で、地域コミュニティーというものは再生していくんではないかというふうに考えております。
私の報告は以上とさせていただきます。ありがとうございました。
福
福山哲郎#10
○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一巡後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
発言は着席のままで結構でございます。
また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようお願いいたします。
なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間が一巡目はお一人十二分以内となるように御協力をお願いいたします。
これより一巡目の質疑を行います。
質疑のある方は挙手を願います。
白坂亜紀君。
この発言だけを見る →以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一巡後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
発言は着席のままで結構でございます。
また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようお願いいたします。
なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間が一巡目はお一人十二分以内となるように御協力をお願いいたします。
これより一巡目の質疑を行います。
質疑のある方は挙手を願います。
白坂亜紀君。
白
白坂亜紀#11
○白坂亜紀君 自由民主党の白坂亜紀でございます。
参考人の皆様、今日は貴重なお話をいただいてありがとうございました。
まず、藤波参考人にお尋ねをします。
ジェンダーギャップというお言葉が出てきましたけれども、私は、九州、大分県の選出の参議院議員でございます。大分を出て大学に入ってから長く東京で生活をしておりまして、二年前の選挙で参議院議員になったんですけれども、九州と東京のジェンダーギャップ、九州はよりジェンダーギャップが大きいなというのを今実感しております。
以前に、九州県内の大学教授、研究者が集まって、女性の大学教授とか研究者の睡眠時間が少な過ぎるという問題について話し合う会議に参加させてもらったことがあったんですが、やはり女性の家事負担が余りにも大きいなということを感じております。九州には長男の嫁という言葉もありますけれども、長男と結婚した女性は更に家事負担が多いという、そういう現状でございます。
参考人は、「なぜ少子化は止められないのか」の著書の中で、少子化問題において変わるべきは若い人ではなく、社会の枠組みの構築の力を持っている政治家とかリーダーとか企業経営者、さらには子育て期間を過ぎた御年配の方々に問題があるというようなことを書かれております。
私事で恐縮ですが、娘が今年結婚するんですが、二十五歳です。相手も二十五歳。東京の会社に二人とも勤めていて、給料はほぼ一緒です。働く時間も一緒です。なので、その結婚する男性は、家事は半分ずつ分担しますと、さらに、女性は子供を産むという大変な作業があるので、どちらかといえば僕の方が家事をしますと言っていたんですね。
これが今の若い人の普通の感覚ではないかなと思いますけれども、九州に行きますと、本当に女性の家事負担が多く、そのことでフルタイム働けないとか、そういう問題があるんではないかなと思いますが、こういう政治家とかリーダーとか御年配の方々の、変わるべき層のこの意識をどうお感じになっているか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。
この発言だけを見る →参考人の皆様、今日は貴重なお話をいただいてありがとうございました。
まず、藤波参考人にお尋ねをします。
ジェンダーギャップというお言葉が出てきましたけれども、私は、九州、大分県の選出の参議院議員でございます。大分を出て大学に入ってから長く東京で生活をしておりまして、二年前の選挙で参議院議員になったんですけれども、九州と東京のジェンダーギャップ、九州はよりジェンダーギャップが大きいなというのを今実感しております。
以前に、九州県内の大学教授、研究者が集まって、女性の大学教授とか研究者の睡眠時間が少な過ぎるという問題について話し合う会議に参加させてもらったことがあったんですが、やはり女性の家事負担が余りにも大きいなということを感じております。九州には長男の嫁という言葉もありますけれども、長男と結婚した女性は更に家事負担が多いという、そういう現状でございます。
参考人は、「なぜ少子化は止められないのか」の著書の中で、少子化問題において変わるべきは若い人ではなく、社会の枠組みの構築の力を持っている政治家とかリーダーとか企業経営者、さらには子育て期間を過ぎた御年配の方々に問題があるというようなことを書かれております。
私事で恐縮ですが、娘が今年結婚するんですが、二十五歳です。相手も二十五歳。東京の会社に二人とも勤めていて、給料はほぼ一緒です。働く時間も一緒です。なので、その結婚する男性は、家事は半分ずつ分担しますと、さらに、女性は子供を産むという大変な作業があるので、どちらかといえば僕の方が家事をしますと言っていたんですね。
これが今の若い人の普通の感覚ではないかなと思いますけれども、九州に行きますと、本当に女性の家事負担が多く、そのことでフルタイム働けないとか、そういう問題があるんではないかなと思いますが、こういう政治家とかリーダーとか御年配の方々の、変わるべき層のこの意識をどうお感じになっているか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。
藤
藤波匠#12
○参考人(藤波匠君) まさに言われたとおりで、九州、ジェンダーギャップが大きいところが多いんですね。
それで、今、事例として娘さんが二十五歳同士の結婚でということを言われました。今、結婚の実相を見ていただきますと、昔は大体旦那さんの方が三歳くらい年上というパターンが多かったんですね。七〇年代とか、平均年齢の年齢差が大体三歳でした。今は一・五歳です。で、同い年婚が一番多いという統計データが出ているんですね。
これは、実は男女共に経済的自立をするための時間を要するようになってきたということなんです。昔は、シングルインカムで男性だけが所得を、なので、男性はちょっと時間が、結婚まで時間が掛かりますよと。ただ、女性はすぐに結婚できますよということで男性の方が上だったわけですけれども、それが今は、女性の方もちゃんとキャリアを積んで自分のポジションをつかんでということで時間が掛かるようになってきているために、男性と女性の結婚の年齢差がどんどんどんどん縮まっているんですね。
ですので、何となく、自分の子供とか、私もそろそろ子供がそういった年齢になってきますけれども、そういったところに何となく昔の、自分たちの時代のことを押し付けてしまいがちですね。社会もそういったものが、別に周りはそうだけど、あなたはどうなのみたいな、あなたはこの地域から出ないでここで幸せになればいいんじゃないのみたいなことを女性に押し付けたりとか、例えば九州でいえば、福岡だったら、女性に対してですね、福岡だったら行っていいけど、ちょっと大阪、東京はねみたいな、何となくぼそっと言ってみたりというような形で、長い蓄積の、子供時代の長い蓄積の中で、いろんなところでまだまだそういったジェンダーギャップが当然起こるような社会を前提とした言動というのが私たちから抜けていないと思うんですね。
やっぱり、そこは若い人たちというのはもうしっかりと分かっていて、結婚も男女ほぼ同じ年になってきたということをやっぱり私たちしっかりと理解して社会を変えていく、それを受け入れていくということが必要だと思っています。
以上です。
この発言だけを見る →それで、今、事例として娘さんが二十五歳同士の結婚でということを言われました。今、結婚の実相を見ていただきますと、昔は大体旦那さんの方が三歳くらい年上というパターンが多かったんですね。七〇年代とか、平均年齢の年齢差が大体三歳でした。今は一・五歳です。で、同い年婚が一番多いという統計データが出ているんですね。
これは、実は男女共に経済的自立をするための時間を要するようになってきたということなんです。昔は、シングルインカムで男性だけが所得を、なので、男性はちょっと時間が、結婚まで時間が掛かりますよと。ただ、女性はすぐに結婚できますよということで男性の方が上だったわけですけれども、それが今は、女性の方もちゃんとキャリアを積んで自分のポジションをつかんでということで時間が掛かるようになってきているために、男性と女性の結婚の年齢差がどんどんどんどん縮まっているんですね。
ですので、何となく、自分の子供とか、私もそろそろ子供がそういった年齢になってきますけれども、そういったところに何となく昔の、自分たちの時代のことを押し付けてしまいがちですね。社会もそういったものが、別に周りはそうだけど、あなたはどうなのみたいな、あなたはこの地域から出ないでここで幸せになればいいんじゃないのみたいなことを女性に押し付けたりとか、例えば九州でいえば、福岡だったら、女性に対してですね、福岡だったら行っていいけど、ちょっと大阪、東京はねみたいな、何となくぼそっと言ってみたりというような形で、長い蓄積の、子供時代の長い蓄積の中で、いろんなところでまだまだそういったジェンダーギャップが当然起こるような社会を前提とした言動というのが私たちから抜けていないと思うんですね。
やっぱり、そこは若い人たちというのはもうしっかりと分かっていて、結婚も男女ほぼ同じ年になってきたということをやっぱり私たちしっかりと理解して社会を変えていく、それを受け入れていくということが必要だと思っています。
以上です。
白
白坂亜紀#13
○白坂亜紀君 ありがとうございます。
ジェンダーギャップをなくすことで、地方で結婚したり子供を産むということも増えていくんではないかと思いますので、頑張っていきたいと思います。
次に、桜井参考人にお尋ねをします。
先ほどの二十四ページの図をちょっとまた詳しく説明していただきたいのと、日本においての法整備どのようにすれば、私も議員になってまだ一年九か月なんですが、大分県内を回っていて、バスが二週間に一本しか来ない地域があったんですね。それで、移動権とか交通権の問題はどうなっているんだろうというふうに思っていたんですが、どのようにこれから法整備を進めればいいか、もうちょっと詳しく聞かせてください。
この発言だけを見る →ジェンダーギャップをなくすことで、地方で結婚したり子供を産むということも増えていくんではないかと思いますので、頑張っていきたいと思います。
次に、桜井参考人にお尋ねをします。
先ほどの二十四ページの図をちょっとまた詳しく説明していただきたいのと、日本においての法整備どのようにすれば、私も議員になってまだ一年九か月なんですが、大分県内を回っていて、バスが二週間に一本しか来ない地域があったんですね。それで、移動権とか交通権の問題はどうなっているんだろうというふうに思っていたんですが、どのようにこれから法整備を進めればいいか、もうちょっと詳しく聞かせてください。
桜
桜井徹#14
○参考人(桜井徹君) 図十四を少し詳しくということでした。
図十四を見ていただきますと、上半分にグローバリゼーションと海外進出、都市への産業集中、産業空洞化、産業の衰退ということで、それが地方から都市への人口流出を招いていると。それが利用者減少との関連が出てきます。
他方で、道路偏重の交通インフラ投資や道路中心の町づくりは自家用乗用車の利用の増加を引き起こしている。この自家用乗用車の利用の増加がまた回り回って、利用者の減少、公共交通の利用者の減少の方に行くんですけど、同時に、その利用者の減少があるのは、単に外部要因だけではなくて、内部要因、負のスパイラルとそこに書いていますが、利便性が低下している、利便性を低下させる。それは、なぜ利便性を低下させるかというと、もうけなきゃいけないので経費を削減するということですね。列車本数を減便にしたり、あるいはバスでも本数を減便にするということで、それが再び、やはり公共交通は使いにくいわということで自動車を持つようになるというような悪循環が今、日本で生まれています。
こういうことをなくすためにも、先ほど言いましたような交通政策基本法で、地域経済の活性化の問題と道路偏重、投資、インフラ政策、インフラ投資政策も併せて、包括的に交通基本法のようなものを再度作り直す必要があると思います。それは、法整備は、その交通基本法が民主党政権のときに出されて、それが今回、二〇一三年の交通政策基本法になったわけですけど、その法整備と逆のルートをたどっていけば法整備は可能じゃないかと思いますが、そんなに難しいものではないです。
もう全ての政党が交通が大事だということで、交通基本法あるいは交通政策基本法を作ったわけですから、そこに何を盛り込むかということで議論があって、それが、交通権は、いや、権利だから事業者の方でということで拒否反応があったんですけど、本当は事業者じゃなくて、やっぱり国として交通権、権利というのはいかがなものかということで拒否されたわけですけど、現代のように、もうほとんどの、多くの人々が交通権という言葉を何げなく使うんですね。共産党だけが、共産党や立憲民主党だけが交通権を言っている時代じゃないんです。移動権でもいいんですけれども、そういうものなので、是非自民党さんも含めてお願いしていただければなと。私は残り少ない人生なので、是非お願いします。
この発言だけを見る →図十四を見ていただきますと、上半分にグローバリゼーションと海外進出、都市への産業集中、産業空洞化、産業の衰退ということで、それが地方から都市への人口流出を招いていると。それが利用者減少との関連が出てきます。
他方で、道路偏重の交通インフラ投資や道路中心の町づくりは自家用乗用車の利用の増加を引き起こしている。この自家用乗用車の利用の増加がまた回り回って、利用者の減少、公共交通の利用者の減少の方に行くんですけど、同時に、その利用者の減少があるのは、単に外部要因だけではなくて、内部要因、負のスパイラルとそこに書いていますが、利便性が低下している、利便性を低下させる。それは、なぜ利便性を低下させるかというと、もうけなきゃいけないので経費を削減するということですね。列車本数を減便にしたり、あるいはバスでも本数を減便にするということで、それが再び、やはり公共交通は使いにくいわということで自動車を持つようになるというような悪循環が今、日本で生まれています。
こういうことをなくすためにも、先ほど言いましたような交通政策基本法で、地域経済の活性化の問題と道路偏重、投資、インフラ政策、インフラ投資政策も併せて、包括的に交通基本法のようなものを再度作り直す必要があると思います。それは、法整備は、その交通基本法が民主党政権のときに出されて、それが今回、二〇一三年の交通政策基本法になったわけですけど、その法整備と逆のルートをたどっていけば法整備は可能じゃないかと思いますが、そんなに難しいものではないです。
もう全ての政党が交通が大事だということで、交通基本法あるいは交通政策基本法を作ったわけですから、そこに何を盛り込むかということで議論があって、それが、交通権は、いや、権利だから事業者の方でということで拒否反応があったんですけど、本当は事業者じゃなくて、やっぱり国として交通権、権利というのはいかがなものかということで拒否されたわけですけど、現代のように、もうほとんどの、多くの人々が交通権という言葉を何げなく使うんですね。共産党だけが、共産党や立憲民主党だけが交通権を言っている時代じゃないんです。移動権でもいいんですけれども、そういうものなので、是非自民党さんも含めてお願いしていただければなと。私は残り少ない人生なので、是非お願いします。
白
白坂亜紀#15
○白坂亜紀君 ありがとうございます。自民党としてもしっかり取り組んでまいりたいと思います。
宮崎参考人にお尋ねをします。
地熱で町おこしということで、私の大分県も八丁原発電所、それから大岳発電所、多くの地熱発電所があるんですが、九州電力が運営しておりますので町づくりにはつながっておりません。小国町というのは、もう大分と県境の町なんですけれども、片やこちらは町づくりになっているということで、とても羨ましいなというふうに思います。
この地熱を使っての町おこし、福島県土湯なども私、見学に行ったんですけれども、これからここの地熱による町づくりを進めるに当たって、現在の国の施策で十分でないと思われる、こんな法整備をした方がいいと思われることがあったら教えてください。
それと、最後の耕作放棄地を使った発電ですけれども、これ、私が代表をしていますNPO法人銀座ミツバチプロジェクトでもやっているんですけれども、下でソバを、太陽の光が余り必要のないソバを育てているんですが、農業委員会がとても厳しくて何年も許可をいただけなかったんですね。こういうことに対するその法整備も、もっとこういうことが必要だということがあれば教えてください。
この発言だけを見る →宮崎参考人にお尋ねをします。
地熱で町おこしということで、私の大分県も八丁原発電所、それから大岳発電所、多くの地熱発電所があるんですが、九州電力が運営しておりますので町づくりにはつながっておりません。小国町というのは、もう大分と県境の町なんですけれども、片やこちらは町づくりになっているということで、とても羨ましいなというふうに思います。
この地熱を使っての町おこし、福島県土湯なども私、見学に行ったんですけれども、これからここの地熱による町づくりを進めるに当たって、現在の国の施策で十分でないと思われる、こんな法整備をした方がいいと思われることがあったら教えてください。
それと、最後の耕作放棄地を使った発電ですけれども、これ、私が代表をしていますNPO法人銀座ミツバチプロジェクトでもやっているんですけれども、下でソバを、太陽の光が余り必要のないソバを育てているんですが、農業委員会がとても厳しくて何年も許可をいただけなかったんですね。こういうことに対するその法整備も、もっとこういうことが必要だということがあれば教えてください。
宮
宮崎雅人#16
○参考人(宮崎雅人君) 御質問ありがとうございました。
一番目の御質問に関して、具体的にどういう法整備が必要かということよりかは、私なんかは、この取組を見ていますと、住民の意欲というか、この場合は大手のディベロッパー、外部の、買収に反対をして自分たちの地熱を守ろうという動きがあってこういう取組がなされたというふうに理解しておりますので、それを、じゃ、どうやって整備、それを受けて、どうやって法律にしていくかというと、そうなりますと、例えば電力会社が地域の地熱開発をできないようにする、極端な言い方をすればですね、そういうことになっちゃいますから、それはさすがに現実的ではないと思いますので、一国全体の制度としてどうするかというのは、ちょっと私、今考えを持ち合わせておりませんけれども、重要なのは、やっぱり住民の共有地を守るといいますか、そういう意識なんだろうなというふうに思っております。
法整備、具体的にどういうふうにやったらいいかというのは、これ宿題として私もこれから、今本を書いておるので、そういうところで考えていきたいと思っております。
二番目につきましてはですね……
この発言だけを見る →一番目の御質問に関して、具体的にどういう法整備が必要かということよりかは、私なんかは、この取組を見ていますと、住民の意欲というか、この場合は大手のディベロッパー、外部の、買収に反対をして自分たちの地熱を守ろうという動きがあってこういう取組がなされたというふうに理解しておりますので、それを、じゃ、どうやって整備、それを受けて、どうやって法律にしていくかというと、そうなりますと、例えば電力会社が地域の地熱開発をできないようにする、極端な言い方をすればですね、そういうことになっちゃいますから、それはさすがに現実的ではないと思いますので、一国全体の制度としてどうするかというのは、ちょっと私、今考えを持ち合わせておりませんけれども、重要なのは、やっぱり住民の共有地を守るといいますか、そういう意識なんだろうなというふうに思っております。
法整備、具体的にどういうふうにやったらいいかというのは、これ宿題として私もこれから、今本を書いておるので、そういうところで考えていきたいと思っております。
二番目につきましてはですね……
福
宮
宮崎雅人#18
○参考人(宮崎雅人君) 済みません。
二番目につきましては、これも、済みません、どういうふうにやっていくべきかということだと思うんですけれども、これについては、済みません、御質問もう一度よろしいですか。
この発言だけを見る →二番目につきましては、これも、済みません、どういうふうにやっていくべきかということだと思うんですけれども、これについては、済みません、御質問もう一度よろしいですか。
福
白
福
森
森屋隆#22
○森屋隆君 立憲・社民・無所属会派の森屋隆と申します。
御説明、ありがとうございました。
最初に、藤波参考人と宮崎参考人に地域経済活動の担い手確保の観点から伺いたいと思います。
埼玉県八潮市の道路陥没事故を見ても、インフラの点検や老朽化に対するメンテナンスがこれまで以上に大事だということが思い知らされましたし、昨年の能登半島地震などでも現場職がもう全く足りないと、こういうふうなことが指摘をされています。
今、日本は、この建設だったり公共交通だったり、あるいは物流、介護、水道、電気、スーパーやごみ収集、こういったいわゆるエッセンシャルワーカーが長年低賃金、低待遇であえいでいるんですけれども、その結果、なかなか少ないと思うんですね。
そして、日本の大学の進学率が今五九・一%、約六割の方が大学に行くというふうに言われていますし、その若者の大半がオフィスワーカー希望だということだそうです。そして、農林水産業を始め第一次産業、この後継ぎも減少しています。
私も現場出身なんですけれども、この東京一極集中の是正というのは、やっぱり地方創生を推し進めることは大事だと思うんですけれども、今日の日経新聞の中で、テレワークやAIとかに地方創生の予算を付けても使い残しが大分あると、そして、使ったんだけど、実質成長率、この十年間で〇・五%ぐらいしか経済成長していないと、さらに、十年前は〇・七あったものが逆に落ちちゃっていると、それで出生率も下がっていると、こんなようなことも書いてあったんですけれども。
こういったことを鑑みると、私は、オフィスワークへの支援は大事だと当然思うんですけれども、地方や地域のこの生活維持サービスを担う働き手の賃金、労働条件等を、ここに積極的にお金を付けていかない限り、政策として付けていかない限りは、東京一極集中は終わらないし、地方創生、人口減少も止まらないんじゃないかなというふうには思っているんですけれども、二名の先生方から、今テレワークやAIなんかに予算付けることが割と多いと思うんですけれども、いや、そうじゃなくて、やっぱりその現場職に、やること自体が地方を守ることにつながるんじゃないのかなと思っているんで、御所見をそれぞれからお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →御説明、ありがとうございました。
最初に、藤波参考人と宮崎参考人に地域経済活動の担い手確保の観点から伺いたいと思います。
埼玉県八潮市の道路陥没事故を見ても、インフラの点検や老朽化に対するメンテナンスがこれまで以上に大事だということが思い知らされましたし、昨年の能登半島地震などでも現場職がもう全く足りないと、こういうふうなことが指摘をされています。
今、日本は、この建設だったり公共交通だったり、あるいは物流、介護、水道、電気、スーパーやごみ収集、こういったいわゆるエッセンシャルワーカーが長年低賃金、低待遇であえいでいるんですけれども、その結果、なかなか少ないと思うんですね。
そして、日本の大学の進学率が今五九・一%、約六割の方が大学に行くというふうに言われていますし、その若者の大半がオフィスワーカー希望だということだそうです。そして、農林水産業を始め第一次産業、この後継ぎも減少しています。
私も現場出身なんですけれども、この東京一極集中の是正というのは、やっぱり地方創生を推し進めることは大事だと思うんですけれども、今日の日経新聞の中で、テレワークやAIとかに地方創生の予算を付けても使い残しが大分あると、そして、使ったんだけど、実質成長率、この十年間で〇・五%ぐらいしか経済成長していないと、さらに、十年前は〇・七あったものが逆に落ちちゃっていると、それで出生率も下がっていると、こんなようなことも書いてあったんですけれども。
こういったことを鑑みると、私は、オフィスワークへの支援は大事だと当然思うんですけれども、地方や地域のこの生活維持サービスを担う働き手の賃金、労働条件等を、ここに積極的にお金を付けていかない限り、政策として付けていかない限りは、東京一極集中は終わらないし、地方創生、人口減少も止まらないんじゃないかなというふうには思っているんですけれども、二名の先生方から、今テレワークやAIなんかに予算付けることが割と多いと思うんですけれども、いや、そうじゃなくて、やっぱりその現場職に、やること自体が地方を守ることにつながるんじゃないのかなと思っているんで、御所見をそれぞれからお聞きしたいと思います。
藤
藤波匠#23
○参考人(藤波匠君) まず、私の方からお答えさせていただきたいと思いますが、これ、非常に多岐にわたる議論が必要なところで、全てはお答えし切れないかもしれないんですけれども、エッセンシャルワーカーとかあるいは建設業関係従事者で今人手不足ということになっております。これは、もう基本的には賃金の問題、労働条件の問題だと私は考えていて、それ改善なしに、幾らいい仕事ですよということを若い人たちに言っても、これは基本的に無理な話で、やっぱり、例えば先ほど取り上げた情報通信業が非常に高い賃金を払っていると、あるいはコンサルタントが非常に高い賃金をもらっているというような状況で、そこを目指さない若者はだんだんだんだん少なくなっていくということだと思います。やはり賃金をしっかりと引き上げていくということが重要だと思っています。
あと、大学の問題とかという話もありました。
私の資料を見ていただきたいんですけれども、お手元に配ったもので十五ページ見ていただきたいんですが、参考として付けたものがございます。後ろの十五ページの方ですね。これ、ちょっと分かりにくいんですが、民間企業で働く研究者の推移なんです。民間企業で働く研究者ですね。横軸が製造業、縦軸が非製造業です。約十年間での変化を見ているんですね。で、どうでしょう。日本ですね、民間企業で働く研究者は増えていないんですね。ほかの国々がすごく伸びているということがお分かりだと思います。製造業も非製造業も伸びているんですね。
結局、日本が成長できない、〇・五%だというものの根本的な原因というのはここにあると私は考えています。結局、研究開発とか何か投資みたいなことをしていかなければ成長はできないわけですね。研究者がもう全くこの十年間増えていませんよというのが日本の現状です。ですから、私は、大学教育というのはやはり重要で、大学でしっかりと研究人材みたいなものを育てて、それが社会の中で活躍できるような雇用慣行をつくっていくという流れを生み出していくことが必要だというふうに考えております。
ですから、そのエッセンシャルワーカー的な部分が、人が、人手不足であるということとともに、大きな日本の経済成長を支えるこういった研究職員みたいな人たちの増加、これをやはり、今非常に難しいんですけれども、両立をさせていくということが必要だと考えています。
以上です。
この発言だけを見る →あと、大学の問題とかという話もありました。
私の資料を見ていただきたいんですけれども、お手元に配ったもので十五ページ見ていただきたいんですが、参考として付けたものがございます。後ろの十五ページの方ですね。これ、ちょっと分かりにくいんですが、民間企業で働く研究者の推移なんです。民間企業で働く研究者ですね。横軸が製造業、縦軸が非製造業です。約十年間での変化を見ているんですね。で、どうでしょう。日本ですね、民間企業で働く研究者は増えていないんですね。ほかの国々がすごく伸びているということがお分かりだと思います。製造業も非製造業も伸びているんですね。
結局、日本が成長できない、〇・五%だというものの根本的な原因というのはここにあると私は考えています。結局、研究開発とか何か投資みたいなことをしていかなければ成長はできないわけですね。研究者がもう全くこの十年間増えていませんよというのが日本の現状です。ですから、私は、大学教育というのはやはり重要で、大学でしっかりと研究人材みたいなものを育てて、それが社会の中で活躍できるような雇用慣行をつくっていくという流れを生み出していくことが必要だというふうに考えております。
ですから、そのエッセンシャルワーカー的な部分が、人が、人手不足であるということとともに、大きな日本の経済成長を支えるこういった研究職員みたいな人たちの増加、これをやはり、今非常に難しいんですけれども、両立をさせていくということが必要だと考えています。
以上です。
宮
宮崎雅人#24
○参考人(宮崎雅人君) 御質問の内容を踏まえて御発言させていただきますと、まず、インフラの整備の維持管理の人材が足りないというのは、これは技術労働職の減少というものが背景にありますので、これは地方自治体の人材が確保できるように財源をきちんと確保していくということが非常に重要になるだろうと思います。
医療に関して言えば、アメリカとかなり日本の制度というのは違いますけれども、州の中で、二十八ですかね、かなりの割合が医療で一番、一番の雇用主は誰かというと医療なんですね。もう全然違う仕組みではあるんですけれども、そういうことを踏まえますと、医療費が増えたからイノベーションが起こらないとかそういうことは全くなくて、そういったところにお金を、もちろんアメリカは市場原理で医療を運営しているので全く違うことは承知していますけれども、医療にお金をつぎ込んでいって、併せて地方の医師不足というものがなくなるような仕組みをつくっていきながら人材を確保していくということが重要だろうと思います。
地方創生の中では、そういった医療を中心とした町づくりみたいな話は余りなくて、観光ですとか、それこそはやりのITといいますか、そういったところに注目されがちなんですけれども、そういったところも踏まえながら地方創生二・〇では取組が必要なんだろうなというふうに考えております。
以上です。
この発言だけを見る →医療に関して言えば、アメリカとかなり日本の制度というのは違いますけれども、州の中で、二十八ですかね、かなりの割合が医療で一番、一番の雇用主は誰かというと医療なんですね。もう全然違う仕組みではあるんですけれども、そういうことを踏まえますと、医療費が増えたからイノベーションが起こらないとかそういうことは全くなくて、そういったところにお金を、もちろんアメリカは市場原理で医療を運営しているので全く違うことは承知していますけれども、医療にお金をつぎ込んでいって、併せて地方の医師不足というものがなくなるような仕組みをつくっていきながら人材を確保していくということが重要だろうと思います。
地方創生の中では、そういった医療を中心とした町づくりみたいな話は余りなくて、観光ですとか、それこそはやりのITといいますか、そういったところに注目されがちなんですけれども、そういったところも踏まえながら地方創生二・〇では取組が必要なんだろうなというふうに考えております。
以上です。
森
森屋隆#25
○森屋隆君 ありがとうございます。
続いて、桜井参考人に伺いたいと思います。
当時、国鉄分割・民営化のときに政府は、ローカル線はなくなりませんと、そしてこの分割・民営化、御安心くださいというのが売りだったと思うんですけれども、結果として、三十七年、八年たったときに、やっぱり地方から鉄道が、線路がどんどんどんどんなくなってきていますし、バスに代替しても、バスの方もなかなかうまくいっていないと。そして、これ、経営安定基金のこの運用といいますか、想定どおり、パーセンテージが、想定したパーセンテージで運用できなかったことが大きな原因だとは思っているんですけれども、この民営化も含めて、その後、物流の規制緩和だとか鉄道事業法の改正やバスの規制緩和だとかタクシーの規制緩和だ、この交通分野の規制緩和がことごとくうまくいかなかった大きな要因というか、政策のどこが足りなかったのかということを一点お聞きしたいのと、もう一点は、今、国は、公共交通の在り方は事業者と自治体との共同だというふうに言っているんですけれども、そのことを言い続けるということは、地方の公共交通は多分私はなくなっていくんじゃないのかなというふうに思っているんですけど、その二点お聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
この発言だけを見る →続いて、桜井参考人に伺いたいと思います。
当時、国鉄分割・民営化のときに政府は、ローカル線はなくなりませんと、そしてこの分割・民営化、御安心くださいというのが売りだったと思うんですけれども、結果として、三十七年、八年たったときに、やっぱり地方から鉄道が、線路がどんどんどんどんなくなってきていますし、バスに代替しても、バスの方もなかなかうまくいっていないと。そして、これ、経営安定基金のこの運用といいますか、想定どおり、パーセンテージが、想定したパーセンテージで運用できなかったことが大きな原因だとは思っているんですけれども、この民営化も含めて、その後、物流の規制緩和だとか鉄道事業法の改正やバスの規制緩和だとかタクシーの規制緩和だ、この交通分野の規制緩和がことごとくうまくいかなかった大きな要因というか、政策のどこが足りなかったのかということを一点お聞きしたいのと、もう一点は、今、国は、公共交通の在り方は事業者と自治体との共同だというふうに言っているんですけれども、そのことを言い続けるということは、地方の公共交通は多分私はなくなっていくんじゃないのかなというふうに思っているんですけど、その二点お聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
桜
桜井徹#26
○参考人(桜井徹君) まず、三十ページを御覧ください。資料九です。
分割・民営化のときに、ローカル線は基本的には二千人未満及び四千人なんですけれども、その輸送密度がそれ以下の場合は切り離すということを当初は言っていたんですけれども、反対論もあって、とにかく分割・民営化をしなきゃいけないということで内部補助をそのままにしてずっとやってきたわけですね。
そういう点で、広島県知事や島根県知事はその分割・民営化の際に、国民に対して、内部補助でやるんだと、地方も分割・民営化で元気になるからいいんだというような論理でやったわけですけれども、今こうなっていると。で、そのときになって約束が違うというのが地方自治体の意見なんですね。それに対して私は、同時にですね、現在、JRはもうかっているんですよ。
一番重要なところだけ言いますが、表十四、三十二ページ見てください。
昔は、大手私鉄よりはJRはもうかっていないということを言われていたんですけれども、DOEというんですけど、純資産配当率ってあるんですけれども、最近注目されている指標なんですけれども、JR東日本や西日本、JR九州は非常に高いDOEなんですね。近鉄や京王、京急を全部調べましたけれども、小田急を除いてほとんど一点台なんですよ。
JRの場合は公益事業なんですよ。で、分割・民営化をして、完全民営化したときに、心配になって、当時の扇千景大臣が、私も参考人に呼ばれましたけれども、ローカル線は廃止にしないんですよね、そのおそれがあるんじゃないですかということで大臣指針というのを出したんです。それが今有名無実になってきているんですけれども、こういうように、大手私鉄よりも更にもっと高い、もうける、公益事業としての役割から大きく逸脱しているんですね。民間企業よりももうかっている。イトーヨーカドーよりももうかっている。
そういうような会社を鉄道事業法で規制しなきゃいけないんですよ。利潤も規制しなきゃいけない。本来、公益事業統制、パブリック・ユーティリティー・レギュレーションというのは利潤も規制するんですけど、現在、運賃規定も大きく、JRにとって有利なように変更させられているんですよ。単にJR北海道に対して……
この発言だけを見る →分割・民営化のときに、ローカル線は基本的には二千人未満及び四千人なんですけれども、その輸送密度がそれ以下の場合は切り離すということを当初は言っていたんですけれども、反対論もあって、とにかく分割・民営化をしなきゃいけないということで内部補助をそのままにしてずっとやってきたわけですね。
そういう点で、広島県知事や島根県知事はその分割・民営化の際に、国民に対して、内部補助でやるんだと、地方も分割・民営化で元気になるからいいんだというような論理でやったわけですけれども、今こうなっていると。で、そのときになって約束が違うというのが地方自治体の意見なんですね。それに対して私は、同時にですね、現在、JRはもうかっているんですよ。
一番重要なところだけ言いますが、表十四、三十二ページ見てください。
昔は、大手私鉄よりはJRはもうかっていないということを言われていたんですけれども、DOEというんですけど、純資産配当率ってあるんですけれども、最近注目されている指標なんですけれども、JR東日本や西日本、JR九州は非常に高いDOEなんですね。近鉄や京王、京急を全部調べましたけれども、小田急を除いてほとんど一点台なんですよ。
JRの場合は公益事業なんですよ。で、分割・民営化をして、完全民営化したときに、心配になって、当時の扇千景大臣が、私も参考人に呼ばれましたけれども、ローカル線は廃止にしないんですよね、そのおそれがあるんじゃないですかということで大臣指針というのを出したんです。それが今有名無実になってきているんですけれども、こういうように、大手私鉄よりも更にもっと高い、もうける、公益事業としての役割から大きく逸脱しているんですね。民間企業よりももうかっている。イトーヨーカドーよりももうかっている。
そういうような会社を鉄道事業法で規制しなきゃいけないんですよ。利潤も規制しなきゃいけない。本来、公益事業統制、パブリック・ユーティリティー・レギュレーションというのは利潤も規制するんですけど、現在、運賃規定も大きく、JRにとって有利なように変更させられているんですよ。単にJR北海道に対して……
福
桜
桜井徹#28
○参考人(桜井徹君) はい。済みません。
そういうことで、約束が違うということなので、分割・民営化を見直す必要があるわけです。ということが一つ。
それからもう一つは……
この発言だけを見る →そういうことで、約束が違うということなので、分割・民営化を見直す必要があるわけです。ということが一つ。
それからもう一つは……
福