政府開発援助及び国際協力・人道支援等に関する特別委員会

2026-04-01 参議院 全111発言

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会議録情報#0
令和八年四月一日(水曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         古川 俊治君
    理 事
                石田 昌宏君
                大家 敏志君
                牧山ひろえ君
                堂込麻紀子君
    委 員
                生稲 晃子君
                臼井 正一君
                松村 祥史君
                松山 政司君
                若林 洋平君
                青木  愛君
                石橋 通宏君
                古賀 之士君
                庭田 幸恵君
                上田  勇君
                高橋 光男君
                猪瀬 直樹君
                岡崎  太君
                大津  力君
                大島九州男君
   国務大臣
       外務大臣     茂木 敏充君
   副大臣
       外務副大臣    国光あやの君
   大臣政務官
       外務大臣政務官英利アルフィヤ君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        有安 洋樹君
   政府参考人
       外務省大臣官房
       参事官      門脇 仁一君
       外務省大臣官房
       参事官      北郷 恭子君
       外務省中東アフ
       リカ局アフリカ
       部長       高橋美佐子君
       外務省国際協力
       局長       今福 孝男君
       農林水産省大臣
       官房審議官    笹路  健君
   参考人
       独立行政法人国
       際協力機構理事
       長        田中 明彦君
       独立行政法人国
       際協力機構理事  安藤 直樹君
       独立行政法人国
       際協力機構理事  吉田 昌弘君
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  本日の会議に付した案件
○政府開発援助及び国際協力・人道支援等に関する調査
 (政府開発援助及び国際協力・人道支援等の基本方針に関する件)
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○令和八年度一般会計予算(衆議院送付)、令和八年度特別会計予算(衆議院送付)、令和八年度政府関係機関予算(衆議院送付)について
 (政府開発援助関係経費)
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古川俊治#1
○委員長(古川俊治君) ただいまから政府開発援助及び国際協力・人道支援等に関する特別委員会を開会いたします。
 政府開発援助及び国際協力・人道支援等に関する調査を議題とします。
 政府開発援助及び国際協力・人道支援等の基本方針について、茂木外務大臣から所信を聴取いたします。茂木外務大臣。
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茂木敏充#2
○国務大臣(茂木敏充君) おはようございます。外務大臣の茂木敏充です。
 政府開発援助及び国際協力・人道支援等に関する特別委員会の開催に当たり、古川委員長を始め、理事、委員各位に御挨拶申し上げるとともに、所信を申し述べます。
 現在の中東情勢を含め、国際情勢は厳しさを増しており、世界は今、大きな構造的変化の中にあります。地球規模課題の解決に向けた国際協力も一層重要なものとなっています。
 ODAは、国際社会の変化に対応した多角的、重層的連携をリードする包容力と力強さを兼ね備えた外交を展開するための重要なツールです。日本らしい顔の見える開発協力を通じて、相手国のニーズも踏まえたきめ細やかな協力を進めてまいります。
 これらを踏まえ、次の三点に重点的に取り組んでいきます。
 第一に、自由で開かれたインド太平洋、FOIPの戦略的な進化におけるODAの活用とグローバルサウスとの連携強化です。
 ODAを通じたAI、データ基盤やサプライチェーンといった経済基盤の強化、経済成長の機会創出、さらには地域の平和と安定のための連携拡大を通じ、時代の変化や新たな課題に対応するFOIPの戦略的な進化に貢献していきます。この一環として、TICAD9で発表したインド洋・アフリカ経済圏イニシアティブを具体化してまいります。
 また、私は年初の中東訪問の際、パレスチナの国づくり支援の現場であるジャラゾン難民キャンプを視察し、ODAの意義を改めて実感しました。パレスチナの国づくりに向けた包括的な支援を含む平和を支える取組を通じて、人道支援の速やかな実施や早期の復旧復興に関する国際的な取組に積極的に貢献してまいります。
 ウクライナについては、国際社会と緊密に連携しつつ、ウクライナの社会、経済を強靱なものにしていく観点から、官民一体の復旧復興支援を始めとする取組を推進していきます。
 第二に、複雑化し、深刻化する地球規模課題への国際的取組の主導です。
 人間の安全保障の理念の下、国際社会全体で二〇三〇年までのSDGs達成に向け、気候変動、環境、国際保健、自然災害、食料、エネルギーといった分野の課題解決に取り組んでまいります。また、ポストSDGsを見据えての国際的なルール形成を主導します。
 昨年、発足六十周年を迎えたJICA海外協力隊は、日本らしい顔の見える開発協力の担い手として、開発途上国の経済、社会の発展、そして日本との友好促進に貢献してきました。本事業を引き続き積極的に推進してまいります。
 第三に、ODAの戦略的かつ効果的な活用と、開発協力の実施体制の強化です。
 オファー型協力や民間投資を促す新しいODAの仕組みも活用し、各国のニーズに沿った重点投資を行うことにより、日本経済へもメリットをもたらすとともに、経済安全保障等の重要課題にも対応していきます。
 今般、私の下に、戦略的な開発協力の実施体制に関する有識者会議を立ち上げ、本年夏頃をめどに提言を受け取る予定です。JICAには、外交政策と連動しながら開発協力をより機動的に展開する実施体制が求められています。国際環境の変化や開発ニーズの多様化、これに伴うJICAの業務の広がりを踏まえ、開発協力の実施体制の強化に取り組んでいきます。
 また、公的資金を原資とするODAには、国民の理解と協力が不可欠です。ODAの意義や成果について国民の納得と共感を得られるよう、広報、情報発信にこれまで以上に力を入れてまいります。
 古川委員長を始め、理事、委員各位、そして国民の皆様の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。
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古川俊治#3
○委員長(古川俊治君) 以上で所信の聴取は終了いたしました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
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古川俊治#4
○委員長(古川俊治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務省大臣官房参事官門脇仁一君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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古川俊治#5
○委員長(古川俊治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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古川俊治#6
○委員長(古川俊治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に独立行政法人国際協力機構理事長田中明彦君、同理事安藤直樹君及び同理事吉田昌弘君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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古川俊治#7
○委員長(古川俊治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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古川俊治#8
○委員長(古川俊治君) 去る三月三十日、予算委員会から、四月一日の一日間、令和八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、政府開発援助関係経費について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 政府から説明を聴取いたします。茂木外務大臣。
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茂木敏充#9
○国務大臣(茂木敏充君) 令和八年度政府開発援助に係る予算案について、その概要を御説明いたします。
 令和八年度一般会計予算案のうち、政府開発援助、ODAに係る予算は、政府全体で対前年度比三・〇%増の五千八百三十五億二千八百五十九万五千円です。このうち、外務省所管分については、対前年度比二・七%増の四千四百九十六億八千五百六十四万四千円です。
 ODAは、高市内閣の掲げる平和と繁栄を創る責任ある日本外交を推進し、国際社会の変化に対応した多角的、重層的連携をリードする包容力と力強さを兼ね備えた外交を展開するための重要なツールです。日本らしい顔の見える開発協力を通じて、相手国のニーズも踏まえたきめ細やかな協力を進めてまいります。ODAを戦略的かつ効果的に活用し、FOIPの戦略的な進化や経済安全保障等の重要課題にも対応してまいります。
 次に、協力の形態ごとに概要を御説明申し上げます。
 まず、無償資金協力については、外務省として、対前年度比一・一%増の千五百三十一億円を計上しております。
 政府全体の技術協力については、対前年度比二・五%増の二千七百一億四千三百五十五万円です。このうち、外務省所管の国際協力機構、JICAの運営費交付金等は、対前年度比一・一%増の千五百億三千万円を計上しています。
 政府全体の国際機関への分担金、拠出金については、対前年度比九・二%増の一千九十億五百四万五千円です。このうち、外務省所管分については、対前年度比七・二%増の五百七十六億四千三百七万円を計上しています。
 有償資金協力の出融資については、対前年度比〇・四%増の二兆三千二百億円を計上しています。
 以上が令和八年度ODAに係る予算案の概要です。
 令和八年度ODAに係る予算案について、古川委員長を始め、理事、委員各位、そして国民の皆様の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。
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古川俊治#10
○委員長(古川俊治君) 以上で予算の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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石田昌宏#11
○石田昌宏君 おはようございます。自民党の石田昌宏です。今日はよろしくお願いいたします。
 今の大臣の予算の説明並びに所信の方でも触れられていますけれども、ODAを戦略的かつ効果的に活用してFOIPの進化をさせるといった趣旨があります。FOIPとODAはかなり密接な関係があると思いますので、これについて今日は質問していきたいというふうに思っています。
 FOIP、自由で開かれたインド太平洋は、御存じのとおり、アジアとアフリカ、そして太平洋とインド洋を自由で開かれた平和の海としてつなぎ、その中で、法の支配ですとか航行の自由、また自由貿易などを促進して定着させていく、それによって経済の繁栄を追求していきましょうと、それから平和と安定を確保しましょうといった、もう日本の提唱する外交、そして安全保障の基本的なもう構想になるということですけれども、このFOIPを推進するためには、当然クアッドですとかASEANですとか、そういった国々との連携も大事ですし、何よりもこの地域に対するODAもこの趣旨に沿って、自由ですとか開放性ですとか、法の支配ですとか連結性とか、こういった観点で進められていくことは重要だというふうに思っています。
 実際、この一月に私たちはインドネシアと東ティモールの方にこのODAの調査に行かせていただきました。まさにこの対象の地域だと思います。実際に相手方と話す中で何度もFOIPの話をしましたし、それは相手方にも伝わっていっているというふうに思っています。
 まず最初に確認なんですけれども、このFOIPにおけるODAの位置付けについて、目的を整理していただきたいと思います。
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今福孝男#12
○政府参考人(今福孝男君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、FOIPの中核的な理念は、これは自由、開放性、多様性、包摂性、法の支配の尊重です。ODAはFOIPの実現に向けた重要な手段の一つと考えております。開発協力大綱におきましても、FOIPのビジョンの下、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持強化に取り組んでいくことが重点政策の一つとして位置付けられております。
 外務省といたしましては、FOIPの実現に向け、ODAにより様々な取組を今後とも推進していく所存でございます。
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石田昌宏#13
○石田昌宏君 是非、そんな感じで進めていかなきゃならないというふうに私も思っています。
 ODAとFOIPは本当に、例えばインフラ整備であっても、例えば、開かれた大洋の観点からすると港湾の整備ですとか、またその国の道路の整備ですとか、重要だというふうにも思いますし、当然、海上の保安能力をどう高めるかの支援というのも大事です。様々なやり方があると思いますけれども、ちょっと具体的にもっと考えてみたいというふうには思います。理念的には分かるんですけれども、具体の話をしたいと思います。
 ちょうどインドネシアと東ティモールに行きましたので、この国で見たことを事例にしながら進めたいと思っていますが、今日ちょうど、昨日までか、インドネシアのプラボウォ大統領がいらっしゃったのでインドネシア例にしようかなと思ったんですけど、あそこ三億人もいる大きな国で、余りにも大きいので例にするには大き過ぎると思いましたので、申し訳ないけども、人口百四十万人の東ティモールの例でいきたいというふうに思っています。
 ODAは評価報告がちゃんとされていまして、これ大事なことだと思いますけれども、毎年、外務省が第三者によるODA評価報告書を出しています。その中で、この東ティモールについても日本が推進するFOIPの観点からも外交的な重要性を増しているというふうに明確に書かれていますので、FOIPの観点でODAが含まれているというふうに考えることもできると思うんですけれども、その中で、上位政策との整合性を評価する項目を見てみるとこんな感じで書いているんですけど、重点支援分野が基本方針である持続的な国家開発の基盤づくりを支援してきたという点で整合しているというふうにありますので、重点支援分野というか、とにかく持続的な国家開発の基盤づくりを支援してきたという意味で上位の政策と整合性があるという形とは書かれているんですけども、FOIPの関係については触れられていなかったわけです。
 これは第三者の評価ですのでそういうことだと思うんですけれども、外務省としてはこの東ティモールへのODAとFOIPの整合性についてどう捉えているか、説明をお願いします。
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今福孝男#14
○政府参考人(今福孝男君) お答え申し上げます。
 確かに東ティモールはインドネシアに比べまして非常に人口の少ない国ではございますが、我が国にとりましては、民主主義や法の支配といった価値を共有するFOIPの実現のために重要なパートナーであると東ティモールのことを考えております。
 あと、委員御指摘のとおり、第三者評価報告書におきましては御指摘のとおりFOIPとの整合性について明記されていないということがございますが、我が国は近年、東ティモールに対して、連結性強化、保健衛生や防災といった社会課題への対処、海上保安能力強化など、FOIPの実現に貢献するODA、これを積極的に展開してきておりまして、このFOIPの考え方と東ティモールへのODAの支援、これは整合しているものというふうに評価しております。
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石田昌宏#15
○石田昌宏君 ばくっと何となく分かるんですけど、もうちょっと各論でお願いしたいと思うんですけど、実際私たちの調査では、東ティモールでは空港の支援ですとか、あとは水道の支援、また中学校に行って教育の支援、それからまた病院にも行きまして医療的な支援、さらに、向こうで活躍している日本人と会うことで、例えばサッカーなどスポーツを教えている方もいました、JICA通じて。
 そういった支援しましたけど、それぞれに対して、これどうFOIPと関係しているのか、説明してほしいと思います。
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今福孝男#16
○政府参考人(今福孝男君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の今各分野の支援、これはいずれもFOIPの実現に資するものでございますが、FOIPの柱の中に幾つかございますが、多層的な連結性の強化というものがございます。この中で、例えば物理的なインフラといたしましては、今御指摘いただいた空港、ディリ国際空港の整備といったものがございます。また、人の連結性という観点からいいますと、教育分野における、学校を建てたりとかそういったものとか、あと、これも委員から御指摘ありましたスポーツ分野におけるJICAの海外協力隊の派遣といった支援、こういったものを実施しておりまして、これらは多層的な連結性の強化に資するものと考えております。
 また、水道、医療の分野につきましては、これもFOIPのほかの柱の一つであるインド太平洋流の課題対処という柱がございますが、その中で各国社会の強靱性、持続可能性の向上といった項目に資するものでありまして、東ティモールの保健衛生分野の強靱性の向上に貢献しているものと評価しております。
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石田昌宏#17
○石田昌宏君 そうなんですよね。
 そうすると、FOIPとODA、かなり重なっていて、ちょっとどっちがどっちだかとか、なかなか分かりにくい話なんで、FOIPはじゃ何に重点を置いているのかというのを広げて考えてしまったら、ODAはかなり広いので、ちょっと分かりにくいんですね。ただ、実際、FOIPが目指しているところで特に重いところは、やはり安全保障とか経済的な利益の面が強いんだというふうに思います。
 そう考えていくと、どちらかというと港の整備ですとか、そういったインフラ系ですとか、又は、法の支配ですから、東ティモールの場合はまだ国ができて浅いですから、それに対する政府の法的な支援ですとか、例えば選挙の支援なんてやりましたし、そういった形の支援が比較的分かりやすいんだと思います。
 ただ、従来から結構ODAでやられている母子保健ですとか教育の支援ですとか医療的な支援というのは、確かにFOIPといえばFOIPなのかもしれないんですけど、ちょっと直接どうなんだかなというのはやっぱりありまして、ここはちょっと整理して考えなきゃいけないと思います。
 自分のイメージでは、最初はFOIPがあって、その中の手段としてODAを使うといったこの構想かなというふうに思ったんですけど、逆にそれを今度出し過ぎちゃうと、今度はどちらかというと、経済とか安全保障の、日本の国が提唱しているので、日本の国が有利になるようにその国に、押し付けるとは言いませんけれども、その国の方針に対して日本の国が有利になるようにお願いしていくといった形に、それを強調されてしまうと、場合によっては、外交的にはむしろ中国との対峙の中でそれを進めているんじゃないかといったことを思われてしまうリスクもあって、それが逆に国民感情から離れてしまうこともあります。むしろ、国民的に見ると、そういった安全保障とか経済の概念よりも今日の生活どうするかが大事ですので、雇用をちゃんとつくってくれるとか、さっきの教育だとか、命の安全を守ってくれるとか、そういった支援が大事で、それはさっきのFOIPの分野かもしれないけど、ちょっと外れてくる感じがするんです。これをよく整理していく必要があると思います。
 ODAは多分FOIPの手段と最初言いましたけど、本当はその手段とは限らなくて、むしろ広く国民から支持されるようなODAを、さっきの教育だとかスポーツもそうですね、医療もそうです、ふだんからやっているがゆえに、それで日本の国の信頼とか基盤ができてきて、その基盤に乗って今度はしっかりとしたFOIPの経済的、安全保障的な面をしっかりと構築できるといったこととして位置付けた方がいいんではないかなというふうに思っています。
 こういった、ちょっと哲学的な話になってしまっているかもしれませんけど、多分整理をしていかないと、相手の国にとって、FOIPって何とか、ODAって何でやっているのというのが見えなくなっちゃうし、日本も構想とか戦略上の戦略性が曖昧になってしまうというふうに思いますので、最後にお聞きしたいんですけれども、このFOIPとそれからODAについて、どう進めていったらいいのかについてまとめた見解を、今日は政務官いらっしゃっているので、せっかくなので政務官にお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
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英利アルフィヤ#18
○大臣政務官(英利アルフィヤ君) 石田委員、ありがとうございます。お答えいたします。
 まず、FOIPですけれども、FOIPは、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持強化することにより、インド太平洋地域、ひいては世界の平和と安定、そして繁栄を確保していくというビジョンでありまして、ODAはそれを実現する重要な手段の一つだと考えております。
 ODAの実施に当たりましては、開発協力大綱に基づきまして、共創を基本方針として、相手国を中核に置いた上で、それぞれが対等なパートナーシップの下、対話と協働を通じ新たな解決策を共につくり上げていくことを重視しております。
 引き続き、ODAによる日本らしい顔の見える開発協力を通じて、相手国のニーズも踏まえたきめ細やかな協力を進めることにより、グローバルサウスなどの国々との連携強化に取り組んでまいります。
 ありがとうございます。
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石田昌宏#19
○石田昌宏君 ありがとうございます。
 ということは、やっぱりもう最初に言った方で、ODAはFOIPの手段であるという形で今お話しになったと思うんですね。それはそれで、その考えだとは、それもそれでいいのかなと思いつつも、そうすると、FOIPが余りにもばくっと広い形であって、戦略性とか構想性というのがなかなか分かりにくい感じになってしまいます。もう一遍整理する必要がやっぱりあるんじゃないかなというふうに思います。
 僕は、ベースはODAだと思います。ただ、それをしっかりとFOIPにどう生かしていくかという観点になるんじゃないかなというふうに思います。これはまた是非これからも一緒に考えていきたいというふうに思います。
 以上です。どうもありがとうございました。
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石橋通宏#20
○石橋通宏君 立憲民主・無所属の石橋です。
 今日は予算委嘱ということで質問させていただきますが、最初に、今日、茂木大臣の所信でもお述べいただきましたが、本当に現下の国際情勢、各地で残念ながら戦争や紛争が頻発をしている、さらには貧困や格差、差別主義、排外主義の蔓延も見られる中で、やっぱりODAの極めてこの重要性、今まで以上に我々それ認識すべきではないかというふうに思っています。
 特に、このODA特別委員会は参議院ならではの委員会です。石田委員からも、これまでずっと我々としては参議院としてODAの視察も派遣して、続けております。
 今回は、これまで沖北とODA一緒にしておりましたが、今日、議運の理事の皆さんもおられますけれども、与野党で協議をした上で、やはりODA、国際協力、人道支援、しっかりと特別委員会で議論すべきだということで、昨年から単独の特別委員会としてまた仕切り直しをさせていただきました。
 そういった趣旨も踏まえて、是非、委員長そして両筆頭にはとりわけ、今後精力的にこの委員会開催をしていただいて、現下の重要課題について是非議論させていただきたいというふうに思いますので、そのことはまずお願いをさせていただければと思います。
 その上で質問に入らせていただきたいと思いますが、まず大臣、今日は予算委嘱ですが、所信も述べていただきました。資料の一に、今日、委員の皆さんはもう既に重々御存じのとおりで、長年にわたって我が国ODAは極めて重要な役割を果たしてきたわけですけれども、ピークから比べれば、今、残念ながらこのレベルにとどまってしまっています。来年度予算では若干増の要求をしていただいてはおりますけれども、さはさりながら、みんなで実現していこうという国際目標、GNI比〇・七%からすれば、まだまだ遠く及ばないというのが現実、実態であります。
 茂木大臣、先ほど述べたとおり、今のこういう状況だからこそODAが重要であり、とりわけ先進国がみんなで協力してこのGNI比〇・七%を達成していくべきだ、日本がそのリードをしていくべきではないかと私強く思っておりますが、大臣の見解、決意をここでまずお聞きしたいと思います。
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茂木敏充#21
○国務大臣(茂木敏充君) 石橋委員の基本的な考え方には、全く私も同意をするところであります。
 令和八年度予算案におけます政府全体のODA予算につきましては、一般会計当初予算ベースで対前年度比二・七%増の約五千八百三十五億円を計上しております。そして、我が国のODA実績に係る対GNI比について、最新の二〇二四年の数値は〇・三九%となっており、年ごとに多少の増減は見られますものの、最近のトレンドとしては上昇傾向となっております。
 開発協力大綱では、ODAの対GNI比を〇・七%とする国際目標を念頭に置きつつ、我が国の極めて厳しい財政状況も十分踏まえ、様々な形でODAを拡充し、必要な努力を行う旨明記をされておりまして、引き続きこうした取組を進めてまいりたいと考えております。
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石橋通宏#22
○石橋通宏君 問題意識は共有いただけているというふうに認識をしますが、ただ、残念ながら、今、若干その要求額は増やしていただいてはおりますが、実質的なことを考えると、今、円安が大きく進んでしまっています。さらには、様々な物価高騰も含めて、これ額は増えるんだけれども、じゃ、実質的にODAの様々な事業に使える事業費という意味では、いや、実は実質的には減少しているのではないかという懸念を強く持っています。
 こういう状況の中で、じゃ、我が国のODAをいかに戦略性持って具体的な、時に取捨選択もしながら、本質的な価値あるODAの実践が本当に今こそ求められているというふうに思うのですが、大臣、そこのところは、具体的に戦略持って、所信でも少しお述べいただきましたけれども、どういうふうな戦略性を持って来年度予算を提案されているのかをいま一度簡潔に御説明いただけないでしょうか。
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茂木敏充#23
○国務大臣(茂木敏充君) 確かに、石橋委員おっしゃるような影響、これはあると、そのように考えておりまして、委員御指摘のとおり、国際機関に対して外貨で拠出をします分担金や拠出金の邦貨建ての総額というものは為替レートの変動によります影響を受けます。
 また、物価高騰等の影響に伴います国内外における調達価格や輸送費、労務費等の高騰はODA事業経費の増加につながっているところであります。
 このような状況を踏まえつつも、ODA事業の実施に必要な運営体制や環境を整備し、深刻化する地球規模課題への対応に求められる国際機関に対する分担金であったり拠出金を確保するため、外務省として予算を計上しているところであります。
 引き続き、財務当局とも相談をしながら必要な予算の確保に努めるとともに、ODAによる日本らしい顔の見える開発援助を通じて、相手国のニーズも踏まえたきめ細やかな協力を進めてまいりたいと考えております。
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石橋通宏#24
○石橋通宏君 日本らしい顔の見えるというのを先ほど所信でも強調されておりました。ちょっと後ほどまた戻って、こちらからの提案も含めて、ODAの今後の展開について少し後ほどまた議論させていただきたいと思いますが。
 あわせて、今これだけODAが必要、重要性を増しているという認識は大臣も共有いただきましたけれども、一方で、残念ながら、これまで最大の支援国、拠出国であった米国が、昨年のトランプ政権、第二次トランプ政権発足後、極めて残念ながら、この分野で消極的な方向性に転換をされてしまっております。
 御存じのように、米国開発庁、USAIDが事実上閉鎖をされてしまいました。解体をされてしまいました。また、国際協力関係の予算も、多くの国連団体から脱退をされたり拠出を止めたりされておりまして、支援の現場は悲鳴を上げています。大臣の元にも声が届いているのではないかというふうに思います。
 私も、この間、各地で継続的にODAの現場、支援の現場に入らせていただいて、とりわけ、後ほど触れますが、タイのミャンマーとの国境沿い、ミャンマー避難民、難民支援の現場を毎年毎年訪れて現場の状況を見ておりますが、昨年の一月以降、米国からUSAIDが解体されて支援が止められてから、これまで米国の支援に依存していた特に医薬品ですとか食料、人道支援ですとかが完全に止まってしまっていて、命に関わる問題が発生をしています。これ、世界の各地で同じことが起こっているのではないかというふうに思っています。
 大臣、せっかくの機会ですので是非お聞きしたかったのですが、これまでも大臣、度重なる日米の外相会談含めてアメリカ側とやり取りをされておりますが、この国際協力、人道支援、トランプ政権の下でこれが止められてしまっているという問題については、大臣、米国側と懸念を示されたり、何らかの働きかけをされたりというのがこの間あったでしょうか。是非お聞かせください。
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茂木敏充#25
○国務大臣(茂木敏充君) ルビオ長官始め、米国との間では様々な、何というか、国際協力も含めてやり取りを行ってきているところであります。
 米国政府、昨年の七月にUSAIDによります対外援助の正式な停止を公表し、ほぼ全ての機関を国務省に再編をしたわけであります。また、本年二月に成立をいたしました対外援助費を含みます国務省の予算、これは前年と比べて一六%減になったと、このように承知をいたしております。
 こうした米国の動きは人道支援を含みます幅広い開発協力分野で影響をもたらす可能性がありまして、特にUSAIDによります支援で比率が高かったアフリカ、中東地域、石橋委員の方から東南アジアについてもお話ありましたが、また保健、そしてジェンダー、難民関連分野への支援、一部の国際機関への影響等が懸念されていると承知をいたしております。
 このように開発協力を取り巻く国際環境は大きく変化をする、また厳しくなると、こういった中で日本のODAの戦略的意義というものは一層高まっていると、このように今考えております。
 引き続き、ODAによります日本らしい顔の見える開発協力を通じて、相手国のニーズも踏まえたきめ細やかな協力を進め、国際社会で発言力を高めるグローバルサウスの国々との連携を強化していきたいと思っております。また、地球規模課題に対応する国際機関についてもできる限りの協力進めていきたい、こんなふうに考えております。
 グローバルサウスの国々に対して特定国が影響力を強めようとしている、こういう傾向に対しては懸念も持っているところでありまして、米国との間でも、そういった今発言力を高めるグローバルサウスの国々、いかにして様々な問題に関与をして、言ってみますと我々と一緒に行動できるような体制は極めて重要なんだと、こういう話はさせていただいております。
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石橋通宏#26
○石橋通宏君 私、これすごくピンチではありますが、大臣言っていただいたとおり、これは我が国のODAにとってはある意味これをチャンスに是非変えていただきたいと。
 これまで米国のプレゼンスが極めて高かった分野で、今そのプレゼンスが極めて小さく、見えなくなってきた。今こそ日本の、大臣がおっしゃるように、見える形の支援というものを是非やっていただきたいし、そのためには、私はやっぱり人を中心とするODAの支援、これまで、ともすれば大型のインフラ案件ですとかエネルギー案件ですとか、それはそれでまだ重要な地域もあるかもしれませんが、ただ一方で、やっぱり今大事なのは人を育てるためにどう日本として貢献するか。これはほかの、まあ余り名前は出しませんが、ほかの国のODAでは見られないことを日本は長年、本当に地道だけれども、裨益国の国力の増強、それは人を育てることにすごく注力をして、それは感謝をされてきたと私は理解をしております。
 ですので、今こそそこに日本としてのODA、さっき言った額がなかなか絶対的には増やせない中でどう有効な効率的な効果的な支援をしていただくか。人を中心とする支援を是非展開をいただきたいし、そのためにこそ、後ほど触れますが、NGO、NPOチャンネルを通じたより効果的な開発協力を是非実践していただきたいということは、ちょっとこれ答弁求めませんが、お願いをしておきたいというふうに思います。
 その中で、ちょっと一言だけOSAについても懸念も込めて触れておきたいと思うんですが、この間、政府の方でOSAを立てられて、資料の二にありますけれども、我々当初ちょっと懸念を示しておりましたが、だんだんだんだんとOSAの予算が拡大をして、来年度、何と百億の増要求をOSAでされております。
 これ、我々この間、OSA、裨益国の軍に対する支援も可能だと、あくまで非軍事的な支援と言いながら、それ垣根、境界なかなかないので、幾ら日本が非軍事って言いながらも現場で軍事転用されてしまったら、軍事的な支援を拡大していることになります。その懸念はずっと民間のNGO、NPOの皆さんからも外務省、外務大臣に度重なる要請、要望出されたと、大臣も見ていただいていると思いますが。
 そんな中で、今、先ほど言った本体のODAこそ今増額をしなければいけないと僕らは思っていますが、一方で、それが微増にとどまる中でOSAが百億もの増額を、倍以上ですからね、これ極めて私は懸念をしておりますが、これ、何でODA本体を増やさずにOSAに倍増以上の百億もの増をするのか。大臣、これは国民に対する説明が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
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茂木敏充#27
○国務大臣(茂木敏充君) まず、先ほど石橋委員から御提案のありました人材育成、日本としてもODAの中でも力を入れてまいりました。
 そして、何というか、例えばインフラを造るにしても、鉄道を通すと、そういう場合に、単にそれを通せばいいんではなくて、日本としては、その運営ノウハウ、こういった研修であったりとかそれを行うことによって現地の方々が自分たちでそれを運営できると、こういう長い目で見た支援というのも行っているところでありまして、こういったことは続けていきたいと思っております。
 そして、今御提起のありましたODAとOSA、事実関係につきましては、よろしければ参考人の方から答弁させていただきます。
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門脇仁一#28
○政府参考人(門脇仁一君) お答え申し上げます。
 OSA、政府安全保障能力強化支援でございますけれども、二〇二三年の創設以来、これまで計十一か国に対して十六案件を決定、実施してきました。海洋における警戒監視用あるいは災害対処用の資機材などを供与しておりまして、各国の方からも高い評価を受けているところでございます。
 厳しさを増す国際情勢の中でございまして、こういった中でOSAの重要性というのは一層高まっているというふうに認識しておりまして、取組を戦略的に強化していく必要があるという考えから、今年度は百八十一億円のOSA予算を政府予算案に計上させていただいております。
 ODAもOSAもいずれも重要な外交ツールであると考えておりますところ、それぞれに必要な所要額を検討の上、計上させていただいている次第でございます。
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石橋通宏#29
○石橋通宏君 余り我々の懸念に対する回答になっていない、事実を述べられただけなんですけれども。
 じゃ、これまで、資料の三にもありますが、様々なOSA案件、拡大をされてきました。既に民間団体からは、これ一部軍事転用されていないのかという指摘を具体的に受けています。
 じゃ、これ軍事転用されていないということを確実に、確実に証明する、確保するためのスキーム、これできているんですか。じゃ、そこに民間団体、NGO、NPO、これは日本の民間団体もそうですが、現地の、裨益国の民間NGO、NPO、第三者団体がその軍事転用がされていないということをきちんと証明して確保するためのスキームというのは、既にできているんですか。
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