農林委員会

1954-12-20 衆議院 全108発言

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会議録情報#0
昭和二十九年十二月二十日(月曜日)
    午後二時三十二分開議
 出席委員
   委員長 綱島 正興君
   理事 福田 喜東君 理事 吉川 久衛君
   理事 川俣 清音君
      松野 頼三君    松山 義雄君
      五十嵐吉藏君    井出一太郎君
      伊東 岩男君    本名  武君
      足鹿  覺君    稲富 稜人君
      久保田 豊君
 出席政府委員
        厚生政務次官  中川 俊思君
 委員外の出席者
        検     事
        (法制局第二部
        長)      野木 新一君
        厚 生 技 官
        (公衆衛生局環
        境衛生部長)  楠本 正康君
        農林事務官
        (畜産局長)  原田  伝君
        農林事務官
        (畜産局経済課
        長)      昌谷  孝君
        専  門  員 難波 理平君
        専  門  員 岩隈  博君
        専  門  員 藤井  信君
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十二月二十日
 委員稲富稜人君辞任につき、その補欠として中
 沢茂一君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した事件
 農業手形制度運用に関する件
 酪農振興及び牛乳の処理に関する件
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綱島正興#1
○綱島委員長 これより会議を開きます。
 開会当初において農林金融に関して吉川委員より発言を求められておりますので、これを許します。吉川委員。
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吉川久衛#2
○吉川(久)委員 本朝の新聞紙の伝うるところによりますと、日本銀行の政策委員会において、農業手形制度の運用に関して大農機具をこれからはずすことを決定をしたような記事が掲載されてありました。もしこれがこの通りであるといたしますならば、これはきわめて重大な問題でございます。私が申すまでもなく、なるほど抽象的にはあるいは理論的には一応大農機具のごときものは一年をもつて決済のつかない金額のもの等もございますので、かくのごときものは別途の金融措置を講じてやるべきでありますが、実際問題といたしまして、現実にはこの手形制度を活用いたしまして、非常にりつぱな成果をあげているのでございます。この現実を無視しまして、抽象的な観念論にとらわれたところのこの金融政策委員会の措置というものは、私どもはどうしても納得することができませんので、ここに農業手形制度運用に関する決議をしていただこう、この決議案を提案する次第でございます。案文を朗読いたします。
 農業手形制度運用に関する件
  日本銀行政策委員会は、農業手形制度運用に関する改正に際し、大農機具(共同施設用として利用を認められるもの)を対象機種より除外する事に決したるやに仄聞するのであるが、右の措置は現在の農家経済の実情に鑑み甚だ不適切である。
  よつて、当分現行通りこれを存続すべきである。
  万一これを除外する場合は、融資諸条件において本制度に代りうる別途の長期資金措置を構ずべきである。
  右決議する。
  昭和二十九年十二月二十一日
   衆議院農林委員会
本件について全員の御賛成をお願いして提案理由の説明にかえます。
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綱島正興#3
○綱島委員長 お諮りをいたします。ただいまの吉川委員提出の農林金融の問題に関しての決議案に御異議はございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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綱島正興#4
○綱島委員長 全会一致でこれを可決いたしました。
 ついてはさらにお諮りいたします。右決議の趣旨を達成するために、委員長よりこの決議に基いて政策委員会にそれぞれ申入れをいたすことについて御異議はございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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綱島正興#5
○綱島委員長 しからば委員長よりその通りにとりはからうことにいたします。
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綱島正興#6
○綱島委員長 これより酪農及び乳価問題並びに牛乳処理の件について調査を進めます。質疑の御希望の方はそれぞれ御質疑を開始を願います。古川委員。
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吉川久衛#7
○吉川(久)委員 政府にお尋ねをしたいのですが、牛乳の問題については早くから問題になりまして、当委員会に厚生省の環境衛生部長たびたびおいでを願つて、当委員会の意向は十分了承をされているはずでございます。当委員会の要求をいたしております問題について、省内において十分検討をされていることと思いますが、その後その成行き、経緯等をつまびらかに御報告をお願いいたします。
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楠本正康#8
○楠本説明員 その後の事務上の取扱いにつきましてお答えを申し上げたいと存じます。当委員会におきましていろいろ御意見の出た点につきましては、私ども事務当局といたしましてはよく承知をいたしております。厚生省といたしましては、その後各方血の御意見等を参考といたしまして、一応事務的の考え方といたしましては、先般もここでお答えを申し上げましたように、殺菌方法につきましては、都市部におきましては従通り低温殺菌一本建の方針といたしました。さらに農村部におきてましては、低温殺菌のほかに、高温殺菌の方法をも積極的にとり得ることといたしたいと考えている次第であります。なおこれらの方法につきましては、特に省令に特例を設けまして、これらの方針を特例として明らかにいたす所存を考えたわけであります。ところがこれらの案は、あくまでわれわれ事務当局の一つの考え方でありまして、その後当委員会あるいはその他多くの委員会等におかれましても神々研究をされております。これらの御研究の結果はまだ結論を得ておらぬように思われるのであります。われわれといたしましては役人でありますので、できるだけ国会の御意思を尊重して、その御意思に従つて善処をいたす所存でおりますので、私どもといたしましては、目下国会の御方針というものが決定いたすと申しましようか、明らかになることを待つておる次第でございまして、遠からずこれらの一致した御意見を承りますれば、その御所信に従つて事務的に処理をいたす所存でございます。
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吉川久衛#9
○吉川(久)委員 ただいまの部長の御説明では、都市部においては低温殺菌で、農村部においては高温殺菌と低温殺菌とを併用して行く、こういうことでございますが、これはすでは早く省令五十二号でもこういう措置はとれるようになつているはずであるのですが、あらためてこういう行き方をすると言われるからには、五十二号を改正されるのか、具体的にどういうような考え方を持つておるのでございますか。
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楠本正康#10
○楠本説明員 お答えを申し上げます。現在の殺菌方法に関する省令におきましては、原則として都市、農村を区別せず低温殺菌をうたつておるわけであります。ただ例外規定として、例外的に特別に知事の許可を求めて高温殺菌を行い得る建前であります。従いまして農村等におきましても、原則はあくまで低温殺菌というのが建前でございます。もちろんただいま御指摘のように、その運営によりましてどんどん高温殺菌を認めて行けば、別に問題はさしつかえもないわけでございます。しかしながらただ法の建前がさようになつておつて、従来各方面の御意見は、どうも農村においても高温殺菌が普及しかねる、行き過ぎがあるというような御意見もありますので、私どもといたしましてはさような意思もありませんので、それならばひとつ特例としてさような規定を明らかにして、酪農地帯等においては高温殺菌を積極的に普及さして行く方法を講じてもよろしい、一応こういうような事務的の案でございます。
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吉川久衛#11
○吉川(久)委員 どうもそこがはつきりしないんです。五十二号の省令でも知事の認可を縛ればできるようになつているのです。それを特例を別に設けても、できてないものはできない。できないいきさつが私にはよくわかるのです。楠本部長はいろいろこの問題に中央で関係をされて、非常に深い研究をされておいでなり、いろいろの面から検討なさいますと、これはやつぱり高温殺菌も認めなければならないということをあなたは十分御承知のはずです。それを次官通牒か何かで出したりいろいろすることもよくお心得になつておいでになるのですが、それを出した場合に、地方庁において衛生部長というような立場の人たちが、その衛生上の見地からと称して中央の指令に従わない。こういう現実が各所に起きているのです。ですから省令を根本的に改正しない限り、どんな特例を幾つ設けても、これは同じことじやないかと私は思うんですが、その辺はどういうお見通しでございますか。
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楠本正康#12
○楠本説明員 ただいまもお答えを申し上げましたように、従来の省令五十二号は、建前として低温殺菌一本建をうたつておるわけであります。あくまで例外許可としてのみ高温殺菌を認めることになつております。そこでこれらの例外許可の運営として、次官通牒等をもちまして、農村地帯には積極的に高温殺菌を普及しろという方針をうたつておるだけでありますが、あくまで例外規定でございます。そこで私どもといたしましては、いろいろな御意見もありますので、今回は農村においては、例外規定としてではなく、当然の行き方として高温殺菌も行い得るようにするためには、さような省令の改正が必要であろう、かように考えた次第であります。
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吉川久衛#13
○吉川(久)委員 そうすると、その省令の改正の特例ともなるべき点は、農村においては高温殺菌もできるということであるとするならば、五十二号の改正にはならない。農村においては高温殺菌を原則とし、低温殺菌もできる、都市においては低温殺菌で行く、こういうところまで改めなければ意味がないと思うんですが、そこまでお考えでございますか。
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楠本正康#14
○楠本説明員 これは農村におきましては低温殺菌でも高温殺菌でもどちらでもよろしい、こういう意思でございまして、いずれか一方を特に理想とする、いずれか一方に偏するというような考え方でなく、もつぱら地方の実際にやられる方のお気持に従つて、どちらでも同じことであります、こういう気持でございます。しかしこれらの点にはいろいろ御意見もございましようが、当初申し上げましたように、これらは一応事務的の案、事務的の考え方であります。しかし私の方といたしましては、いまだ国会の意思というものガ最後的に決定をしないかに伺つておりますので、これらの結論をまちまして、御意思の線に沿いまして事務的には善処すると申し上げる以外に方法はなかろうと思います。
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川俣清音#15
○川俣委員 今楠本部長は国会の意思が決定してからというのですが、楠木部長は国会の意見というのをどういうふうにお考えになつておりますか。少くとも農林委員会は先般決議をいたしまして政府に要請をいたしております。そのほかに何か決議でもありましたか。おそらく国会の意思というからには、委員会の決議があつたものを意思としなければならないと思います。あなたかよそからの業者の運動などを国会の意思などと考えておつたら大間違いですよ。意思決定が一度行われているのですよ。
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中川俊思#16
○中川政府委員 それは本委員会における決議は承知をいたしておりますが、御案内の通りこの問題は厚生委員会とも関連があるわけなんです。そこで厚生委員会では、御承知か存じませんが、今小委員会におきましてどうしたらいいかということについて研究中なんです。そこで厚生省としましては、農林委員会の決議ももちろん大切であるが、厚生委員会でせつかく今研究中であるから、この点もあわせてよく勘案をして考慮することが最善の道ではないかというふうに考えまして、目下のところ正直に申し上げますと、具体的にどうしようという案はまだできていないわけです。御了承願いたいと思います。
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吉川久衛#17
○吉川(久)委員 中川次官にお伺いをいたします。厚生委員会は目下検討中であつて結論が出ていないということでございますが、そもそもこの乳価問題が出たということは、国策として酪農振興ということが数回前の国会から取上げられて参りまして、前国会からこれが確立を見て、そうしてジヤージーの集約酪農地帯の決定となつて今日に来ているわけでございます。ところがその牛の導入をやつて総合食糧の確保をやらなければ日本の食糧事情は非常にむずかしい段階にございましたので、食糧増産という建前で酪農振興をやつて来た。ところが業者のやり方がはなはだ悪辣で、このために生産農家の乳価をうんとたたいて、それでいて消費者の価格が下るんならばこれは相当需要が拡大されまして、酪農振興にも相当役立つのではないかと思つておりましたが、実は生産者の価格をたたいて下げたけれども、消費者にはちつとも下げていないのであります。中側でもつてみんな業者がしかるべくやつているという不健全な運用をやつております。そのために私の郷里長野県のごときは——楠本部長も長野県ですから御存じのはずなんですが、牛を売つているのですよ。国策として酪農振興を盛んに推奨しておきながら、一方で牛を売らなければならないというような状態に追い込まれて来たので、わが農林委員会は、これを放置するに忍びないのでこれを収上げたんですよ。わが国の食糧確保のために重大な結果が生れるということでこの問題を取上げた。そこでこの委員会では決議をして政府に要請をしているのです。ところが厚生委員会と何の関係がありますか、厚生委員会が一生懸命この酪農振興の問題の妨げになつておるようなやり方をしていて、目下検討中だ、目下研究中だなんて荏苒月日を経過して、どんどん乳牛を売つてしまう、一方では一生懸命食生活の改善だ、国民運動だとやつている。莫大な国費のむだをして何らの効果も収め得ないというような矛盾した政策のやり方は、私はないと思うのですよ。そこで厚生委員会は、衛生上の観点から低温殺菌が是か高温殺菌が是か、高温殺菌では衛生上の見地から適当でないということを御検討であるとするならば、これはまだ話はわかるのですよ。そこで私は、一体厚生委員会はなぜいつまでも結論を出さずに、この差迫つたところの、乳牛を生産農家が売らなければならないという段階になつているのにもかかわらず、いつまでも結論を出そうとしないのか、その辺を政務次官にお伺いをし、それから楠本部長に続いてお答えを願いたいことは、耐湿殺菌では、衛生上適当でないとおつしやるのかどうか、あなたは専門家ですからすぐお答えが出るはずでございますから、お答えを願いたい。
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中川俊思#18
○中川政府委員 あなたの方もずいぶん酪農をやつていらつしやるが、私の広島の方もあなたのところに劣らないくらい酪農をやつております。従つて私も多少は承知をいたしております。この問題が過半来国会で取上げられておることも、私も多少実は承知をしております。そこで厚生委員会と関係がないというようなお話でございますが、低温をやりますのには、御承知の通り高温よりか相当大きな施設を要する。従つてその施設費であるとかいろいろな問題で高温殺菌とはそこに差が生ずるわけです。そういうようなことで厚生委員会といたしましても、あらゆる面から検討しなければならないというのでやつておるわけでございまして、結論を一刻も早く出さなきやならぬということは申し上げるまでもございませんが、厚生委員会がサボツておるというわけでもないだろうと思うのですが、今日に至つておるわけです。従つて今の御趣旨の点はよく了承いたしましたから、政府といたしましても厚生委員会の方へ、すみやかに結論を出して、そうして農林委員会の御決議の線に沿うように、私も長いこと厚生委員をやつておつたのですから、ひとつそういうような方向に持つて行きたいと思います。御了承願いたいと思います。
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楠本正康#19
○楠本説明員 低温殺菌、高温殺菌の優劣の問題でありますが、全体的に申しますれば、低温殺菌は高温殺菌にまさつてれるということは既定の事実であります。しかしながら逆に、しからば高温殺菌は有害かというと、これは全然有害ということは申せません。そこで個々の比較は、つまり施設の規模あるいは原料乳のよし悪しによつてきまります。たとえば、きわめて完備した低温殺菌の施設であり、原料乳がある程度優秀であれは、これはむろん衛生的にも低温殺菌は優秀であります。しかしながら施設の規模が小さい、従つて完全な低温殺菌が行えない、あるいは原料乳が比較的質がよくないというような場合には、むしろ高温殺菌の方が安全ということが言えるわけであります。従つて私どもはかれこれ勘案いたしまして、農村等におきましては大きな施設というものは望めませんし、いうならば、一日千本とか、さような小さい範囲でありますので、これらに低温殺菌の施設を要求することは無理でありますし、しいてやればかえつて衛生上害があるというような結果もありますので、これら農村の小規模経営につきましては、むしろ高温殺菌でも適当であるということを申上げまして、先ほどの事務的の案を一応考えたわけであります。
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川俣清音#20
○川俣委員 この際楠本部長にお尋ねしておきます。先ほどから国会の意思と言われておりますが、われわれは主管は農林委員会だというふうに考えておるのです。従つてここで意思決定をしたのだから、国会の意思がまだきまらないというあなたの説明はどこから出て来たのか、これを第一にお尋ねします。
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楠本正康#21
○楠本説明員 この点につきましては、ただいま政務次官からお答え申し上げました次第でありまして、私どもといたしましては、やはり国民の衛生上の観点等を勘案いたしました食生活改善ということは、これは厚生委員会の主管だというふうに考えております。もちろん農林委員会も御関係がありますが、ちようど私どもの仕事と農林省の仕事がお互いに連絡してやつておりますと同じようなことが、やはり国会においても言えるのではなかろうかというふうに私は考えております。
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川俣清音#22
○川俣委員 私はさようには思わないのです。なぜかというと、農林漁業資金の中から低温殺菌の金をお使いになつていますが、あれはおやめになりましたか、厚生省の所管なら厚生省でまかなわれたらどうですか、あれを全部引揚げることに御賛成になりますか、あなた方の所管ならみずからおやりになつたらいいでしよう。あの資金というものは、もちろん国の資金でありますけれども、御承知の通り農林中金の資金です。これはみな農民の自己資金です。処理業者は一銭だつて中金に預金をしておりませんよ。もしあなた方の所管だということを強く主張されるなら、処理業者にやつております資金を全部引揚げてもよろしゆうございますかどうか、この点明瞭に御答弁願いたい。
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楠本正康#23
○楠本説明員 これは御指摘の通り、これに関します施設の資金というものは、いろいろごやつかいになつております。ただ衛生上の取締りということは、これは厚生省の所管であり、従つて明らかに厚生委員会の所管でもあると存じます。またどうしたら質のいいものを安全に食用に供し得るかということも、厚生省並びに厚生委員会の主管だと考えております。従つて私どもは、牛乳に関する限りは衛生上安全であり、しかもできるだけ質のいいものを大量に食生活改善のために与えるということが、厚生省並びに厚生委員会の関与の範囲だと考えております。
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川俣清音#24
○川俣委員 公衆衛生の面から取締られるということについての所管は決して異議は申しません。栄養の多い、いいものをつくらせようという所管は厚生省じやないというのです。それであればこそ、農林漁業資金の対象になつておると思うのです。栄養の多い、いいものの処理がうまく行くようにさせることは、これは農林省の所管だと思つておる。従つて農林漁業資金の対象になり、中金の融資の中からこれらの資金が出ているゆえんだと私は思うのです。もしもあなたのような説明でありますならば、中金及び漁業公庫から出したことは、これは越権行為ですよ。あなたの説によれば、越権行為で出すべきでないところへ出したということになる。私どもはそう理解しないで、今までこれらの融資に対して援助をして来たのです。私はそう理解しておる。どつちの理解が正しいのか。あなたの理解が当然だとすれば、今までに出しておることは間違いですから、これはすみやかに引揚げなければならぬ。あなたの方がその所管でありますならば、そういう金融処置や何かは、全部厚生省がおやりになるのが至当だと思うのです。処理はおれの方だ、資金は農林省の方だ、そんなばかなことはありません。大蔵省なら別ですが、どうなんですか。はつきりしてください。それによつて中金なり公庫の者を呼んで明瞭にしなければならぬ。
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楠本正康#25
○楠本説明員 生産をするという自体におきましては……。
  〔川俣委員「生産設備じやない、処理設備ですよ」と呼ぶ〕
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楠本正康#26
○楠本説明員 処理もやはり生産の範疇だと考えられますから、食べられる姿におけるものまでが私どもは生産と考えております。ただこれらのものは一応私どもは関係がございません。しかしどういうものを食べたらいいか。ただ量だけ多いという量的の問題でなく、質的な面等も十分考慮に入れる、さらに一方衛生上の安全性を確保するという二つの点に関しましては、これは厚生省の主管ではなかろうか、かように考えております。
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川俣清音#27
○川俣委員 だんだんあいまいになつて来た。処理はあなたの方の所管だと言うならば、処理に要するいろいろな設備費は厚生省があつせんされて指導されたらどうだというのです。私どもは処理までは農林省の所管だ、処理によつて生じて参りました生産品が公衆衛生の部面に反する場合はそれからの問題だ、こういうのならばこれは話はわかりますよ。処理工程は厚生省の肝管だと言われるならば——私どもはそうは言わぬ、あなたがそう言われるのですが、それならば厚生省が処理上のすべてのことについてのあつせんをおやりになつたらどうです、こういうのです。それに何か不満があるのですか。あなたの主張を認めれば、われわれが農林漁業資金なり、あるいは中金から融資をしたことは間違いだ。出すべきものじやないところへ出した。厚生省が別なところから——開銀なりあるいは特別融資をすれば、これは法律をつくられるでしよう。そうして融資の方法を講ぜられるのが至当じやないか。
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楠本正康#28
○楠本説明員 この点は、資金計画の方は別といたしまして、処理の方法と、その処理から生れて来る食品の質というものはつまりうらはらの関係にあるのじやないかと思います。(「その通り」 )一方をこうだと言い、一方をどうするということはできないと存じます。従つて、私どもは衛生上の安全性並びに品質の……。
  〔川俣委員「質は違う」と呼ぶ〕
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楠本正康#29
○楠本説明員 質というのは商品価値としてではなく、いわゆる完全な食糧としての質という面から、国民食生活の観点からそこに関与があつて当然だと存じますが、これは何も牛乳に限らず、すべてそのようだと存じます。もつと露骨に言えば、厚生省が一国の栄養政策の面から立てた食糧政策がある、さようなものと農林省の生産計画、処理計画というものがいつもマツチしておることが私どもは望ましい姿だと思つております。さような観点からいたしまして、この処理の過程あるいは処理の方法というものと、この内容というものはうらはらで切り離すことができないのじやないかと思います。この辺が行政のむずかしさで、つまり厚生、農林両省の緊密な連絡を要するところだ、かように考えております。
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