外務委員会

1957-09-11 参議院 全87発言

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会議録情報#0
昭和三十二年九月十一日(水曜日)
   午前十時五十一分開会
  —————————————
  委員の異動
八月二十一日委員梶原茂嘉君辞任につ
き、その補欠として井野碩哉君を議長
において指名した。
  —————————————
 出席者は左の通り。
   理事
           佐野  廣君
           鶴見 祐輔君
           曾祢  益君
           佐藤 尚武君
   委員
           井野 碩哉君
           鹿島守之助君
           小滝  彬君
           黒川 武雄君
           杉原 荒太君
           永野  護君
           野村吉三郎君
           岡田 宗司君
           佐多 忠隆君
           竹中 勝男君
           羽生 三七君
           吉田 法晴君
           石黒 忠篤君
  国務大臣
   外 務 大 臣 藤山愛一郎君
   厚 生 大 臣 堀木 鎌三君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       渡辺 信雄君
  —————————————
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選
○国際情勢等に関する調査の件
 (国際情勢に関する件)
  —————————————
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鶴見祐輔#1
○理事(鶴見祐輔君) それではこれから外務委員会を開きます。
 速記をちょっととめておいて下さい。
   〔速記中止〕
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鶴見祐輔#2
○理事(鶴見祐輔君) 速記を取って下さい。
 委員長は海外旅行中でございますので、私が委員長の職務を代行いたします。
 最初に理事の補欠互選についてお諮りいたします。当委員会におきましては、去る八月二十一日以来、理事に一名欠員を生じておりますので、理事の補欠互選を行いたいと思います。互選は投票によることなく、便宜その指名を委員長に御一任願うこととして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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鶴見祐輔#3
○理事(鶴見祐輔君) 御異議ないと認めます。それでは私から佐藤尚武君を指名いたします。
 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
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鶴見祐輔#4
○理事(鶴見祐輔君) それでは委員会を再開いたします。
 本日は、国際情勢などに関する調査を議題といたします。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
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羽生三七#5
○羽生三七君 私は議事進行で最初に一口発言をさしていただきますが、それは、当委員会の運営の問題でありますけれども、大臣の御多忙のことはよくわかりますが、しかしこの委員会がたまたま開かれて、質疑の時間がわずか一時間とか一時間半、答弁時間を含めてそういうことになりますと、大ぜいの委員の発言の要求があった場合に、全く先ほどの委員長のお話の通り、一人当りにすれば四分何がしということで、とても質疑も意を尽せるようなものではありませんので、今後、与党各位のお骨折りもありましてこういう委員会が開会できたわけでありますが、外務大臣も近くアメリカへ行かれ、国連に出られ、またアメリカ当局とも会われ、引き続きイギリス等も訪問される等、いろいろ重要な用務を持って海外へ出られる際でありますので、国内における外務委員会については、できる限り時間を差し繰っていただいて、十分意見も交換し得るよう、御配慮をいただきたい。これは大臣にも、与党の皆さんにもお願いするわけであります。野党も一々こまかいことにあげ足をとって人の時間を妨げるということを毛頭考えておらないわけで、重要な問題について十分意を尽す時間をほしいというだけで、別段他意はないわけでありますから、この点は佐野理事等のお骨折りもありましたけれども、なお一段一つ与党の方のお骨折りをいただき、外務大臣においても院外のいろいろな御用事もおありでしょうが、外務委員会の運営については格別の御配慮をいただくよう、特に質疑に入る前に希望を申し上げておきます。委員長によろしくお取り計らいを願います。
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鶴見祐輔#6
○理事(鶴見祐輔君) 承知いたしました。
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曾禰益#7
○曾祢益君 外務大臣がこれから国連総会に御出席になるわけでして、これはまあ前の国連総会にも日本が途中から加わったのでありますが、非常に日本としてはまあ初舞台みたいな、きわめて重要な機会だと思うわけであります。また外務大臣も御就任早々非常な重要な会談に臨まれるわけでありまして、私ども国民としてりっぱに使命を果されんことを心から願うものでありますとともに、いろいろな御苦労のあろうことをわれわれもお察しするわけであります。しかも今度の国連総会——ただいま特別総会も開かれておりまするが——並びに通常総会等は、時局柄特にわが国民として最も重視しておりまする諸般の問題が取り上げられる、こういうきわめて重要な会議だと思うわけであります。特に半年ばかりロンドンの軍縮小委員会で、軍縮並びに核兵器の禁止、あるいはそれに先立っての、第一歩としての核兵器実験の停止等についての話し合いが行われて参ったのでございまして、私どもその結果に非常な関心を持っておりましたが、はなはだ残念なことには、大国のそれぞれの立場からの宣伝はありましたが、互譲の精神に基く具体的な成果なしに、問題はすべて今度の国連総会に移されるという段階に至っておるのでございます。従いまして、この際、外務大臣が、この軍縮並びに核兵器の問題で、日本の明確な意思をどういうふうに表わしていただくかということは、これは国民の最大の関心事でございますとともに、また世界的にも日本政府の態度いかんということは、非常に大きな影響を持つであろうことは、私から申し上げるまでもないところだと考えます。新聞の伝えるところによれば、このたびの国連総会に対する外務大臣及び岸内閣の態度は、少くとも過般の総会における実験登録制度というような、内、国民から非常な不満を買い、外、外国に対しても日本の真意を疑われるようなあいまいな態度はやめられまして、相当積極的な、少くとも実験の停止と申しまするか、これについては相当明確な態度を打ち出されるやに伺っておるのでありますが、私どもはそれだけの進歩を大いに歓迎するものでございますが、遺憾ながら、これらの点についてまだ政府から明確な方針が国民に示されておらない。私どもは、なし得るならば、こういうことは国会を通じて政府の所信を明らかにし、国会の累次の決議もあることでありますから、単なる岸内閣の提案でなく、その。バックには全国民の意見の一致があるという形を作ることによって、きわめて困難であるけれども有意義な提案を通すような力を作っていただく必要があろうと考えるのであります。非常に前置きが長くなりまして恐縮ですが、そういう意味から、この際、軍縮並びに核兵器の禁止なかんずく実験禁止といいますか、停止に関する政府の所信を御披瀝願いたいと思います。その御答弁によってさらにその問題の内容について御質問をいたしたいと考えます。
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藤山愛一郎#8
○国務大臣(藤山愛一郎君) ただいま曾祢委員からの御質問でありますが、私も同様にロンドンの軍縮委員会が十分な成功をおさめませんでしたことはまことに残念だと思っております。従いまして、今回お説のように、総会においてこの問題がいろいろの角度から取り上げられることに相なりました。日本の立場としては、むろん大きな意味において、戦争の回避、軍備の縮小、核兵器の製造、生産禁止ということは、これは大きな目標として日本が達成しなければならぬ国民的要望だと思うのであります。ただ、最終的理想論だけを言っておりましても、必ずしも現実的でない場合もありますので、従ってそれぞれの段階において、その段階における処置をとっていかなければならぬ。私の見るところによりますれば、現在登録制というような問題については、今日の場合において、必ずしもこれを再び主張することは適当でないと思うのでありまして、従って、何らかの形において将来の核兵器の製造、生産の禁止とあわせて、実験登録ないし禁止の措置をとるような案を考慮したい、こう思っております。
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曾禰益#9
○曾祢益君 全般的の考えとして、日本は、特に戦争を追放するといいますか、禁止すると、それから国際情勢の緩和を来たすような外交をとる、そのため一環として軍縮を——これは一般兵器を含めて、特に核兵器は重要でありまするが——これを強く主強する、それだけのモーラルな十分な立場を持っておると思うのですが、しかし、今、外務大臣の言われたように、現段階に応じてこの核兵器の禁止と実験の禁止とをどう組み合せ、あるいはこれをどう切り離していくかということが一つの大きな山になっておるわけでございます。従って、もっと明確に、これは新聞に出ていることで、私は正確なことはわからないのですが、伝うるところによれば、核兵器の実験禁止といいまするか、停止だけは、これはまあ一般軍縮から切り離して、いわばこれは即時無条件で要求する、しかし、これと続いて、もちろん実験禁止だけでいいというわけではありませんから、製造も保有も、いわんや他国に対する持ち込み等もこれは一切やめるべきである、こういうような二段がまえと申しますか、そういうような明確な線をお出しになるお考えはあるのかないのか、もし、そういう核兵器の実験禁止を無条件即時ということを強くいたすと、あるいは政府が重要視されておるアメリカとの提携といいますか、協調という線からはずれるような感じがあるかもしれないけれども、それは日本の自主的な立場から強く実験だけは切り離して即時やめるようにというその線をお出しになるかどうかという点が問題の核心の一つだと思うのですが、その点をもう少し明確にお示し願いたいと思います。
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藤山愛一郎#10
○国務大臣(藤山愛一郎君) 日本の立場といたしまして、核兵器を使う戦争の絶滅を期しておるわけなんでございます。従って、核兵器の製造が行われまして、そういうものの蓄積されることも、将来の核兵器の戦争を終末に持っていくためには、ないがしろにできないわけなんです。しかし、同時に実験というものにつきましても、実験そのものによる損害も受けておりますし、また、実験によって核兵器というものが非常に進歩していくということも、核兵器の問題としては適当でないのであります。従って、核兵器の実験だけを切り離して、実験さえやめれば永久に核兵器の製造は認めてもいいのだという立場は私はとれないと思います。従って、何らかの形において核兵器の実験と製造禁止というものとは関連があると思います。日本の終局の目的からいえば、そういう立場をとっていきたい、こう思っております。
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曾禰益#11
○曾祢益君 私も核兵器実験禁止オンリーでいいという立場はとっておらないことは、今申し上げた通りでございます。ただ問題は、実験の禁止をするためには、まず製造の禁止の約束あるいは厳重な一般軍縮に非常に関係のありますことですが査察制度のこれこれというものができなければ、実験の停止もやれない、こういう立場をとるのか、もとより相互に関係がありますが、われわれは、まず実験の禁止だけはこれは先にやる。もちろんそれだけでいいのじゃないのですから、それに沿って核兵器の保有、製造、使用あるいは他国持ち込みもやめるべきである、こういうような立場を明確に出す方が具体的ではないか。これは、この前に日本において行いました第三回の世界大会においても、まさにそういう立場をとったと思います。しかし、それがゾーリンの、ソ連の主張に賛成するというのではなくして、これは最近の新聞にも伝えられておりますように、イギリスの労働組合総同盟の決議でも、満場一致核兵器の実験禁止だけはまずやるべきである、これはもう外務大臣が御承知のように、イギリスの労働党なり労働組合が、一般軍縮に関しては非常に厳重な査察制度を要求しております。それがそういう態度をとっておる、だからそういう点については、日本の独自性、自主性を出すか出さないかということのテスト・ケースになると思う。それをあいまいにして、いや核兵器の実験禁止はもちろんやってもらう、製造禁止もやってもらう、だから関連させるという立場をとると、それは日本の意図いかんにかかわらず、これは、存外世界から見ると、アメリカなり西欧の主張にのみくみしているという非難すらこうむる。私は、それが非常に重要な点だと思いますから、いずれ外務大臣の提案の説明によって明らかになる点なんですから、その踏み切りをどうつけるかという点だけ明確にしていただきたい。
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藤山愛一郎#12
○国務大臣(藤山愛一郎君) 国際間の不信が非常に目立っておる、お互いに相互信頼の状態にありますれば、むろん核実験だけを切り離してすぐ禁止する、翌日からそういう問題について話し合いがどんどん進行していくという状態ならば、核兵器の実験だけを切り離して、そうして禁止するということも考えられないことはないと思いますが、私どもの判断によりますれば、まだ、翌日からすぐにそういう査察制度を切り離してやりましても、査察制度等がすぐに引き続いて妥結していくというわけには必ずしもならないのじゃないか、そこに国際間の今日のいろいろな問題があるのだと思うのであります。従って、日本の立場からすれば、核兵器の製造禁止、従ってこれが戦争目的に用いられることを絶対に反対している以上は、実験と同時に何らかの形でそういうものが進行していくということを私は考えなければならぬと思います。ですから、それは、考えられるような国際間に不信の状態があるかないか、相互信頼があるかないかという情勢判断に私はなってくると思うのです。従って、私も先般衆議院でも申し上げましたように、そういう情勢が、私が国連に出まして、あるかないかという判断が一つの大きな私としての最終的決定をするところではないかと思っております。しかし、私は、やはりそのために実験禁止がおくれてはならぬということも、むろん考えておるのであって、日本は実験によって被害もこうむっているのですから、そういう意味であわせて考慮していくわけです。
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曾禰益#13
○曾祢益君 情勢判断については、これはもうお互い大体客観的にも判断ができていると思うのです。つまり大国間には遺憾ながら非常な不信感がみなぎっておる。にもかかわらず一方においては、この核兵器戦争による人類共滅だけはこれはできない、また、核兵器による実験だけでもこれは非常に学術上の論争をこえた危険が迫っている、従って、この問題は、不信があるけれどもやっぱり何とかしなければならないだろう。しかし、その裏である査察問題が非常に問題になっておることは事実です。従って、私の申し上げるのは、査察は実験の禁止についても、禁止し合う、停止し合うということを言ったとたん、実験停止だけの査察ということについて、やはり大国間の意思の合致ということは必要になると思う。しかし、それをさらにむずかしい製造の査察制度云々に至ったら、大国間は手がつかない。だから使用しないような、不意打ちをしないような査察制度を作ろうということは、大国間の意思もやや一致しておる。だから問題をあまりむずかしくせずに、実験の禁止はやる。禁止をやるということにきめれば、実験禁止についての査察問題、これは大国間話し合いがつかなければ実施できません。しかし、それをさらに製造の査察制度ということに広めて日本から徴すべきじゃないか。その点からすれば、不信があれば査察の必要があるということは認めるけれども、査察制度の完備ということだけをねらっていけば、これは実験禁止はできないということを、明確な立場をとって——私は、理想主義ということを言われても、日本の立場を強く進めるべきじゃないかと考えるのです。だから、きょうここに詳細なる時期についてまで御発表願いたいとは思いませんが、今申し上げましたような点から、結局向うに行っていろいろ聞いてみて、情勢判断すると言われますけれども、情勢判断はお互いにできているはずだ。決してなまやさしいものじゃない。むしろ情勢を作っていくような、どっちの陣営にも強く言えるような、明確な日本の独自の態度を出すべきじゃないか。これは意見になって恐縮ですが、申し上げておきます。
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羽生三七#14
○羽生三七君 関連して。
 今の外務大臣の曾祢委員に対する御答弁は、私の方が言うならばわかるのですよ、社会党が言うならば。社会党がそれは単に実験禁止だけじゃいけない、製造使用の禁止まで即時やれという議論なら、これはわかりますが、政府が今それを言われることは、むしろ実験禁止を逆に製造の禁止にまで持っていくことによって、かえって私は問題の現実化を妨げる結果になるという見通しの方が多いと思う。だから、私はむしろ政府が、これは社会党の言う理想論ではなしに、政府の現実論の立場に立つならば、とりあえずまずもって現実的な実験禁止の処置で全関係諸国の足並みをそろえて、これをステップにして次の段階にだんだん入っていくという立場をとった方が、より効果的である、具体的であると思うのですが、どうですか。
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竹中勝男#15
○竹中勝男君 関連して。
 原水爆禁止協議会及び世界大会の日本人の大多数の世論は、実験の即時禁止ということで、これは国民の世論だと思われますので、外務大臣にはそれは十分に記憶しておかれたいと思うのです。
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藤山愛一郎#16
○国務大臣(藤山愛一郎君) 私が査察制度と申しました中に、ちょっと誤解があったと思うのですが、ただいま曾祢委員の言われましたように、実験禁止も何らかの査察制度が伴わなければならぬ、それはすでに歩み寄りが、ある程度できつつあるのではないか。そういう意味において私も考えておるわけで、ただ、曾祢委員の言われましたように、実験禁止に伴う査察制度も、それの歩み寄りができつつあるかということに、私は、まだ最終的な確保が持てなかったということでございます。
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曾禰益#17
○曾祢益君 まだこの問題についても各委員からの御発言もあろうと思いますが、続けさしていただきます。
 特にその点についてはもう少し明確に、要するに実験禁止だけを切り離してきめて、それに伴う査察の問題を大国間で話し合えばいいじゃないか。さらに日本としては核兵器の全面的禁止をこれまた強く要求する、こういう態度を明確にしておきたいというのがわれわれの意向です。これに関進しまして、特に最近の世界の動きから見ますと、非常に遺憾なことには、大陸間弾道兵器の競争、いわゆるボタン戦争で相手方を戦わずして圧倒しようというような動きが非常に強い。これはもちろん全般的な軍縮の問題、特に核兵器戦争と関連することでありますが、こういう競争をやること自身が、これがさっき言った……外務大臣も同様の趣旨で言われたと思うのですが、こういうような競争自身が、国際間をますます緩和どころか緊張に持っていっている最大の原因の一つでありますから、特に大陸間弾道兵器に関する競争をやめるように、これも強く一つ要求していただきたいと考えております。
 次に、国連に対する総会、理事会全般についての日本の態度でございますが、特にこの際伺いたい一つは、安全保障理事会に日本が立候補する問題でございます。われわれやはり国民として日本が国際連合に加盟し、さらに日本がその中でもやはり最も重要な機関である安全保障理事会に適当な時期に……日本は常任理事国ではありませんが、また常任理事国というような大国主義は、われわれはむしろイデオロギー的に反対ですが、非常理事国の一つとして日本が迎えられる、その栄誉といいますか、またその責務を背負う覚悟がなければならぬ。また立候補する以上は、日本が当選することを、これはすべての選挙も同様で、当選を願うわけですが、しかし、私どもちょっと今回の安全保障理事会に対する立候補が、果して時宜を得ているかどうかについて、はなはだ遺憾ながら、内側からこういう議論が出るのはどうかという御意見があるかもしれませんが、率直に私はやや疑点を持つ。その第一は、その動機をこれは明確にしておいていただきたいのですが、岸さんがアメリカに行っておられるときに、アメリカ側から立候補せぬかという勧めがあった。普通の選挙でもよくあることですが、ボスの方から勧められて立候補するのと、選挙民の意思に従って立候補するのと二つあります。どうもその筋がよくないというような感じがしてならない。果して日本としては今の段階において安保理事会に立候補するのがいいのかどうか。それとも二年生とはいうものの実質的には総会の一年生です。総会の一年生として、むしろ安保理事会は何といっても大国中心主義であり、しかもそれが重要な場合には必ずしも機能を果さない、麻痺する。むしろ国連の今後の新しい行き方としては、三分の二で民主的に中小国の意見を相当聞く総会にある意味で政治的のウエートが移っている。その総会に二年生、実質的の一年生としての日本の立場を強く築いていき、そのうちに時期がきたならば安保理事会に推されるというのが、この方が順序ではないか、私はそういう感じがするわけです。従って、今まず伺いたいのは、この立候補の動機について、果してこれは自主的な決定かどうか、アメリカから勧められたのか、まずこの点を伺いたい。
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藤山愛一郎#18
○国務大臣(藤山愛一郎君) 私は立候補は自主的であったと信じておるわけであります。当時外務大臣をしておりませんので、はっきりした状態は知りませんが、私は完全に自主的にきめた、こう思っております。
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曾禰益#19
○曾祢益君 そこで、動機は別として、すでに立候補されることはさまっておるようですが、もうすでにおととい安保理事会においては、南ヴェトナムそれから南朝鮮あるいは外蒙あるいは南朝鮮と北朝鮮との同時加盟問題というような問題が審議されている。安保理事会のそういう事情をよく考えて、ほんとうに政府が安保理事会——総会でももちろん基本的には同じですが、安保理事会みたいな直ちに大国の冷い戦争の場になるような所に日本が出て行って、果して内外に十分なる威信が維持できるような、りっぱな外交的政策が、基本ができているのかどうか、はなはだこれは失礼ですが、国民としての点を心配するのです。外務大臣は今度立候補するので、この間外人記者会見においてはむしろアジアの声を友とするといいますか、アジアの一員としての日本ということを強く選挙演説には訴えられているわけであります。どうも私はその前に、岸さんの外交の路線は別のやっぱり方向、つまりアメリカとの協調ということがもっと大きく底にあるのじゃないか。これは現状におきまして今の日本の保守党の政府が置かれる立場の困難なことはわかる。しかし、そういう点が不明確なままに投票を得るときには、あっちにもこっちにもいいことを言ったけれども、さて当選のあとに両方から不信を買うような鳥でもない獣でもないコウモリという立場に置かれることを、日本国民はおそれる。そういう点について、ほんとうに確信を持ってアメリカとの提携とAAグループの立場、これは両立しない立場があるということを十分に認識して立候補されたのかどうか、これを一つ伺いたい。
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藤山愛一郎#20
○国務大臣(藤山愛一郎君) 国際間のメンバーになって、世界の政治に日本が発言の機会を持つ、一つのシートを持つということ自体が、私は非常に大きな問題だと思うのです、お話のように。従って、安保理事会というばかりじゃなく、総会のメンバーとして出席して、日本がその中で行動するということは、これは非常に大きなことであり、また責任のあることである。従って、日本としてはこれに重大な責任を国際政治の上に負わされたということであって、これはやはり日本がりっぱな態度を持って将来終始していくように、日本の外交というものを今後十分国連を中心にして動いていく場合に、考えていかなければならぬ、この点は、私そう考えております。
 それから先般外人記者クラブの演説が私の選挙演説だというお話ですが、どうも選挙演説ではないのでありまして、私としてはかねがね、曾祢さんともいつかAAグループに一緒に行ったこともあるのですが、あれ以来大体AAグループの中に地理的にも経済的にも日本はあると、そういうことによってまた一員としての、メンバーとしての自覚を持たなきゃならぬということを私としては考えておるわけです。日本の外交がアメリカとの協調を主にするということは、これは私は当然のことであり、また日本の今日の外交の大きな基礎はそこにあると考えていい。またそれをできるだけ緊密な連絡をとり、緊密な協議をしながらいくということは当然だと思います。その意味において私はこういうふうに考えておるわけなんですが、たとえばインドが大英帝国の一環として行動してるということは、インドの必ずしも立場を大きく出しているわけでないので、その中においてインドの立場において行動している、従って日本がアメリカと対等の立場で、しかも協力していくということからいえば、ときにアメリカのいやなことも言っても、私は立場が違う場合にいいんじゃないか、そのこと自体をはっきりさせることによってアメリカとの協調が一そうスムーズにもなり、また東南アジアの、あるいは中近東方面の人のはっきりした日本に対する信頼感を起すゆえんでもある、こういうふうに私は考えておるんです。ですからその意味において将来ともそういうような方向で私の外交政策、というと大きいかもしれませんが、まあ外交の見解をそういうふうに考えております。
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曾禰益#21
○曾祢益君 大へんけっこうなお話で、われわれの希望は岸さんの両岸外交でなく、藤山さんのAAグループに足を乗っけたかけ橋外交をやっていただきたい。その意味で大いに支持したいと思っているのですから、ぜひそういうことがほんとうの内閣の外交政策になるように御努力を願いたい。
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羽生三七#22
○羽生三七君 他のお方の発言時間がありますから、私簡単に一問だけ関連して伺います。
 今の曾祢委員の御質問に対する外務大臣の御答弁よくわかりましたが、しかし最近の中東情勢を見ておりますと、各国の利害が対立して分裂傾向にある。しかもその原因を探求していってみると、アメリカの政策の影響でアラブ諸国が分裂させられておる。これは非常な大きな問題であります。しかし今もお話のように、アジア・アラブができるだけ一体であることを希望するし、また一体であることが世界平和のためにも、あるいはまたアジア・アラブ諸国の経済的理由のためにも必要であろうと思うのです。従ってこういう場合においては親米政策というものも一応限界があるということで、しかしそれは限界があるだろうことをある程度今外務大臣は認められましたが、その点は親切に言えばアメリカもわかってくれるというなまやさしいものではないと思う。現実にいよいよ国連の場において具体的に特殊なケースについての態度を明確に決定を迫られたときには、かなりきびしい私は現実であろうと思う。そういう場合にやはり政府としては、あるいは外務大臣としては日本の根本方針が親米政策であることは、とやかく言いませんが、しかしふだんに、やはり根本的にはアジア・アラブの側に立つ、必要によっては明確に、単に意見ではなしに態度としてもアメリカと異なる態度をとることもあり得るということを、私はこの際特に明確にしていただければ非常にけっこうじゃないかと思うのですが、まあ御無理なことかどうかしりませんが、お答えいただきたい。
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藤山愛一郎#23
○国務大臣(藤山愛一郎君) このアジア・アラブの国々の利害関係というものは、私は必ずしも一致した問題ばかりではないと思うのでありまして、パキスタン、インドの例をとりましても紛争点はあります。従ってそれらの問題に対する、あるいは中近東の問題に対してもわれわれは単にアメリカとの協調ということよりも、自由主義陣営の立場をとる、少くとも保守党内閣として自由主義陣営の立場をとる、ということをはっきり私は申し上げておきます。
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羽生三七#24
○羽生三七君 時間がないから、これは下手な質問をしておってもわけがわからなくなりますから、他日の機会に譲ります。
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岡田宗司#25
○岡田宗司君 私は主として経済問題についてお伺いしたいのですが第一には中国との貿易の問題でございます。前の委員会のときには岸総理が出席されて、藤山外務大臣とともにお話になったことは、たとえば中国との貿易を発展せしめる上に障害物となっております指紋の問題、あるいはその他通商代表部の問題等についてかなりきつい態度、ところが今日までの経過を見ておりますと、指紋問題等につきましてもやや緩和された態度をとっておる。また第四次協定の問題について、その三団体の代表が向うに行く際に、特に自民党の池田正之輔君に政府の方の案を持たしてやったというようなことになっておるわけです。これは若干の進歩が見られるわけでありますけれども、私は最近の中国の状態あるいはまた最近の中国の態度というものから見て、これではなかなかむずかしい問題がなお残るのではないかということを心配しておるのです。一方におきましてイギリスなりあるいは西独なり、あるいはフランスなりイタリーなりというものを見ておりますと、これは中国に対してかなり積極的な貿易を拡張するための手段をとっております。そういうふうに手段をとっておるのに対して、中国はまた日本よりもむしろそちら側にいろいろと話し合いを進めていくというような格好になっておるのです。日本はこのままではなお非常に立ちおくれをするというふうに考えられるのです。過日外務大臣が記者会見等における、あるいはその他の機会にも発表になりました、指紋問題あるいは通商代表部、これは通商代表部という名前はおきらいのようですけれども、そういうものに対するあなたの考え方はあるいは発表されたものが最終的な案なのか。たとえば第四次協定のために向うに行く三団体の諸君が、もっと幅のあるものを持って行くように、政府の方で配慮されておるのかどうか。特に池田正之輔君に対して政府並びに自民党としては、なお幅のある態度をとらし得る余地をお持たしになった、その辺をお伺いしたい。
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藤山愛一郎#26
○国務大臣(藤山愛一郎君) 中共との貿易を増進させ、しかもこれを円滑に実行させるという点については、私もできるだけ努力をする考えであります。希望しておるわけです。指紋問題は御承知のように見本市の問題としては、一応見本市に関しての特例を作りましたことによって、中共問題もその中で私は解決したと思うのです。中共問題解決のためにやったわけではありませんけれども、その中で解決できたのではないかと、こう考えております。貿易をスムーズにやっていくということに対してはわれわれも十分考えております。また貿易に伴いますいろいろな弊害がないとも言えないと考えますので、そういう問題も取り除いていくということにつきましても考えております。ただしこの問題は純経済的な貿易上の問題でありまして、政治的な意味での承認、あるいは政治的な問題の解決というのとは、全く切り離して考えるのが当然だと考えております。従って貿易をスムーズにするためには、中共において貿易事務を取り扱っておられる代表者の方に来ていただいて、そうしてそれらと日本の人とが話し合いをすることが円滑にいく一番大きな道だと思いますので、そういう道はできるだけ開いていきたいとこう考えております。ただし今御指摘のように、池田正之輔議員に対しては、私は個人的に、私の考え方はこういうことであって、こういう方向に沿って解決していくのが、一番実際的に貿易をなめらかにしていく考えである、と私は確信しているのだということは申したわけでありますけれども、政府として何らかの形で決定をし、池田正之輔議員にその旨を伝えたことはないのでありまして、さよう御承知願いたいと思います。
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岡田宗司#27
○岡田宗司君 それはおかしいので、たとえば今言った指紋の問題でも、第四次協定ができた後のそれの実行の問題につきましても、これは政府の関与するところがかなりあるわけです。従いまして、政府がこれは関与しないというような考え方は私はおかしいと思う。池田君は、たとえあなたの個人的な意見にしろ、外務大臣からの個人的な意見にしろ、何か持っていかれたのですが、こちらでもって外務大臣の発表されました態度になお弾力性があるのかどうか。弾力性があるものと解してよろしいのかどうか、そこのところをお伺いしたい。
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藤山愛一郎#28
○国務大臣(藤山愛一郎君) この問題について弾力性があるかどうかということは、非常に、御質問の趣旨が私にはわかりかねるのでありますけれども、私としては、今言ったような解決方法で解決するのが日本のためにいいし、またむろんこれはやはり両国の折衝のことでありますから、中共側はいろいろな説を出すかもしれません。しかし今の貿易をスムーズにする限りにおいて、貿易のことを管掌している人が、ここに事務所を持つということが、貿易問題をスムーズにする意味においては最終的なことだと私は思うのです。従って、その面において何か弾力があるというふうには私は考えておらぬのでして、アメリカに対して御主張のように自主外交をやると同時に、中共に対してもわれわれは日本の立場からの意見をなるべく主張していきたい、こういうふうに考えております。
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岡田宗司#29
○岡田宗司君 まあ相手のあることですし、折衝の問題ですから、まさかあの態度でそれで動かないのだということもないのだろうと、これは外務大臣としてあるいは動くのだとも言えないからだろうと思うけれども、それはそれとして、次にお伺いしたいのは、インドネシアとの賠償の問題です。
 これは、こんど岸総理がこの次東南アジアを回られるときにはインドネシアへ行かれる。それ前に賠償問題が解決することが私は望ましいと思う。またそれが日本の東南アジア諸国との貿易を促進する上に役に立つことであるし、インドネシアと日本との関係をさらによくする上にも役に立つと思うのですが、これもまた価額その他の点についてかなり難関にぶつかっておると思うのですが、大体外務大臣の見通しとしては、歩み寄りができてこの十一月までにはこれは成立し得る見込みに達し得るものか。その点お伺いしたい。
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