内閣委員会

1958-10-31 衆議院 全73発言

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会議録情報#0
昭和三十三年十月三十一日(金曜日)
    午前十時四十七分開議
 出席委員
   委員長 内海 安吉君
   理事 岡崎 英城君 理事 高橋 禎一君
   理事 平井 義一君 理事 前田 正男君
   理事 飛鳥田一雄君 理事 受田 新吉君
      今松 治郎君    植木庚子郎君
      臼井 莊一君    小金 義照君
      纐纈 彌三君    始関 伊平君
      田中 龍夫君    田村  元君
      高橋  等君    富田 健治君
      橋本 正之君    古川 丈吉君
      保科善四郎君   茜ケ久保重光君
      石橋 政嗣君    石山 權作君
      柏  正男君    中原 健次君
      西尾 末廣君    八木  昇君
 出席政府委員
        内閣官房長官  赤城 宗徳君
        内閣官房副長官 鈴木 俊一君
        憲法調査会事務
        局長      武岡 憲一君
 委員外の出席者
        専  門  員 安倍 三郎君
    ―――――――――――――
十月三十一日
 委員今松治郎君及び船田中君辞任につき、その
 補欠として古川丈吉君及び臼井莊一君が議長の
 指名で委員に選任された。
同 日
 委員臼井莊一君及び古川丈吉君辞任につき、そ
 の補欠として船田中君及び今松治郎君が議長の
 指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十月三十日
 紀元節復活に関する陳情書
 (第二七二
 号)
 旧軍人の恩給加算制復元に関する陳情書
 (第二八九号)
 同外二件
 (第三四四号)
 滋賀県地方行政監察局における人事管理の不当
 に関する陳情書
 (第二九三号)
 市町村青少年問題協議会設置促進等に関する陳
 情書
 (第三〇〇号)
 恩給法における内科疾患の元傷病軍人の項症引
 上げに関する陳情書
 (第三一
 〇号)
 国家公務員に対する寒冷地手当、石炭手当及び
 薪炭手当の支給に関する法律の一部改正に関す
 る陳情書
 (第三四五号)
 金鵄勲章年金復活に関する陳情書外一件
 (第三四六号)
を本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 憲法調査会法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一号)
     ――――◇―――――
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内海安吉#1
○内海委員長 これより会議を開きます。
 憲法調査会法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。柏正男君。
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柏正男#2
○柏委員 憲法調査会法の一部を改正する法律案の提案理由の中に、昨年八月発足以来調査審議は広範な事項にわたって、細部にわたって行われておるというように言われておりますが、事務局長の方で、審議の経過の中で、どういうように今まで審議を行なってこられたか、総会、委員会並びに今後どういうような方法によってこの審議を継続されていかれるか、それに伴う事務局の方針というようなものについてお伺いしたいと思います。
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武岡憲一#3
○武岡政府委員 お答え申し上げます。憲法調査会が昨年の八月に発足いたしまして以来の大体の審議経過につきましては、前にも御説明申し上げましたが、大体申し上げますと、建前といたしまして総会を月に二回ずつ開いて参っておるのでございます。昨年八月以来現在までに十九回の総会を開会いたしました。総会におきましては、初めの三回までは調査会としての一般的な調査審議の進め方と申しますか、調査会の審議の一般的方針についての討議が行われました。それによりまして、まず最初に調査会として調査いたします議題は、日本国憲法がいかなる経過のもとに制定されたかという、いわゆる憲法制定の経過というのを議題として取り上げるということを決定いたしたのであります。そこでその議題に基きまして、第四回から第十回までの総会におきまして、つまり七回にわたる総会で、この憲法制定の経過にいろいろなお立場で関係になられた方々を参考人としてお招きいたしまして、調査を進めて参ったのでございます。一方本年の一月から憲法制定の経過に関する小委員会というものを設置いたしまして、総会において一般的な審議の行われました憲法制定の経過という問題につきまして、さらに具体的な精細な調査を行うということで、この小委員会が今年の一月以来今日まで十三回にわたって調査を続けて参っておるのでございます。一方、総会におきましては、この憲法制定の経過というものに続きまして、次は日本国憲法運用の実際についてというのを議題として取り上げました。憲法が施行せられましてから今日まで実際にどのように運用されて参ったか、またどういう点に問題点があったかという事実を客観的に調査するというのが主眼でございます。そこでその問題のうち、特に最初に取り上げましたのは司法関係の問題でございまして、裁判に現われた憲法問題、また司法の手続の問題、あるいは司法機構の問題等につきまして調査が行われました。これがことしの八月まで、総会で申しますと十七回の総会まで行われたのでございます。この司法関係の憲法運用の実際という問題につきましては、その後第一委員会というものを設置いたしまして、この第一委員会でさらに詳細な具体的な調査を進めるということで、今日に及んでおるのでございます。なお総会におきましては、司法関係のものに続きまして、現在は国会関係を取り上げております。国会において憲法上のいかなる点が論議の対象になったか、また国会制度そのものの運用というものについて、どういう実情であるかというような点を調査しておるのが現状でございます。以上申し上げたような状況でございます。
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柏正男#4
○柏委員 この提案理由の中に、会議もひんぱんに開催され、今後ますますその回数が増加するということが言われておるのですが、増加するとかいう見込みについては、どういう点の調査が行われるからふえるという点を示していただきたいと思います。
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武岡憲一#5
○武岡政府委員 ただいま調査会が定めております調査の方針と申しますか、計画から申しますと、総会におきまして、いわば一般的な総論的な調査を行います。それぞれの事項について一応総会の一般的な調査が終りますと、これは次々に委員会に付託していくという方針をとっておるのでございます。ただいま委員会といたしましては、先ほどちょっと申し上げました第一委員会のほか、第二委員会及び第三委員会という三つの委員会が接地されておるのでございます。この三つの委員会はそれぞれ憲法の条章別に所管を分担することになっておるのでございますが、第一委員会は基本的人権と司法の問題、第二委員会は国会、内閣、財政及び地方自治の問題、第三委員会は前文、天皇、戦争放棄、改正及び最高法規、それらの条章を分担することになっておるわけでございます。さきに申し上げましたように、司法関係についての憲法運用の実際という調査は、総会としては一応終了いたしましたので、それを第一委員会に移したわけでございますが、さらに今後総会における調査が進行するに伴いまして、それぞれの所管に応じて第二委員会、第三委員会というものに、それぞれの事項が付託されるわけでございます。そうなりますと、各委員会がそれぞれ調査を開始するわけでございます。なおこれらの委員会は、さらにその具体的な事項ごとに分科会を設けて調査しようではないかということになっておりますので、そこで各委員会とも事項別に委員会の中にさらに分科会というものを設置いたしまして、若干名の委員の方が担当するという調査方式を考えているのでありますから、今後審議が進んで参りますと、各委員会、分科会というような単位における調査がだんだん多く開催されることになりまして、従って会議開催の回数も相当ふえて参るではないか、それだけに調査が具体的、精細に入っていく、こういう見通しであります。このことを申し上げたわけであります。
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柏正男#6
○柏委員 大体総会から委員会に移すという段階になり、さらに委員会から分科会に入るという状態になっているわけですね。ではこういう論議の中で、ただいま憲法改正という目的のために調査が進められておるというところまで行っておりませんか。
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武岡憲一#7
○武岡政府委員 ただいま憲法調査会が調査をいたしておりますのは、さきに言いました憲法運用の実際についてという議題でございます。これは憲法実施以来今日まで実際にどのように運用されたかという事実を、客観的な資料によって明らかにするというのが主眼でございます。文字通りこれはいわば調査ということでございまして、特に憲法の条文をどう改めるとか、あるいはどうしたらよいかというような意見を交換する段階ではございません。そういう実質的な意味における審議というものは、ただいまやっておらないのであります。最初に調査会がやってきたと申し上げました憲法制定の経過というのも、文字通りこれは制定の経過がどうであったか、どういう経過において作られたかという事実の調査でございますし、また現在やっておりますのも、憲法がどのように運用されたかという事実を明らかにすることが主眼でございまして、御指摘のような改正についての審議と申しますか、意見の交換と申しますか、まだそういうような段階ではございません。
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柏正男#8
○柏委員 私ども社会党では、憲法第九十六条その他から見て、この憲法調査会がどうしても憲法改正の問題について調査を進めていくのだという見方をいたしておりますが、今までの事務局長のお話では、実質的な調査の範囲を出ていないということであります。しかしながら総理大臣は、みずから憲法改正論者であるということを言っておられる。さらに第九条を含めた憲法改正を考えておるのだという発言もあるのでございます。そういう点から見ますと、やはりこの憲法調査会は、この次の段階においてはどうしても憲法改正の論議に進んでいくのではないかと私どもは思うのでございます。そうしますと憲法調査会は、その行為が憲法発案の内容に触れていくというおそれが多分にあるのではないかと思います。そういう点から見まして、今後憲法改正という考えから調査を進めていくようなことが考えられるのか考えられないものか。これは事務局長にお伺いするのは変だと思いますが、調査会審議の状況から、事務局長の方ではどういうように御判断をされておるか、また今後そういう改正の資料を整えるため調査を進められるような準備があるのか、そのためにこういう増員というような計画があるのかどうかお伺いします。
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武岡憲一#9
○武岡政府委員 調査会の今後の運営の仕方というようなことにつきまして、私からあまりとやかく申し上げがたいのでございますが、一応私として理解しております範囲でお答え申し上げます。先ほど申し上げましたように現在の段階においては、いわゆる憲法がどういう経過で制定されてきたか、またそれが実際にどのように運営されてきたかという事実の調査をやっているわけでございますが、この段階における調査が一応終了いたしますれば、その次に考えられるのは、それでは実際にやってきた上の問題点を一体どうするのかということになるのであろうと考えられます。ただしかしながらその場合も調査会として、それでは今の憲法について、これをこう改正するとか、あるいはしないとかいうようなことを調査会として決定するのかどうか、そういう調査会としての一本の意見というものを出すのかどうか、この点につきましては、実はもちろん調査会としてきめているわけでもございませんし、私として特に申し上げる点はないのでございますが、最初調査会の一般的な運営方針というものに付随いたしまして、議事規則を制定いたしました際に、御指摘のような問題があったのでございます。しかしその点につきましては、結局憲法上のいろいろな問題点について、これを改正すべしとか、あるいはすべからずということについては、これはそういう段階において各委員の方々が御意見をお述べになるということになりますれば、委員の方々にそれぞれいろいろな御意見があることだろうと思うのでございますが、それらの点については、かりにある一つの問題点について、これを改正すべしという意見の方が何人おられ、だれだれであったとか、それから改正すべからずという意見の方がだれだれであったかというその事実を報告するのも、これは法律に定められておるいわゆるその結果を内閣及び内閣を通じて国会に報告するという憲法調査会の一つの使命なのではないか。すなわち法律の第二条に規定されております憲法調査会の使命というものは、必ずしも調査会として一本の意見、一つの憲法改正案というようなものをきめて報告するということではないのであって、慎重調査審議した結果は、このような意見がある、このような意見が述べられたということを報告するということでもよろしいのではないかというような意見があったのでございます。最後においてどのような姿になりますかは、もとより私が軽々に申し上げるべきことでございませんけれども、改正というような問題についての審議の段階に入った場合に、どういうことになるかということにつきましては、一応そういう今申し上げたようなことが考えられるのではないか、このように私は考えております。
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柏正男#10
○柏委員 四回から十回までの憲法制定の経過についての総会の結論というようなものについては、何か今までに結論的なものを得られたものがあるのでございますか。
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武岡憲一#11
○武岡政府委員 別に結論というようなものはございません。これは先ほども申し上げましたように、ただいま小委員会におきまして継続調査中でございます。従いましてまだ最終的な段階でございませんので、お尋ねのような結論というようなものは別にございません。
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柏正男#12
○柏委員 第一委員会においては、基本的人権について特別な調査を進められる。そうしますとこの第一委員会の中にいろいろな分科会ができると思いますが、その分科会は幾つぐらいに分れて、どういう条項について分科会をお作りになりますか。
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武岡憲一#13
○武岡政府委員 これは別に何も定めがございませんので、ただ事項ごとに適宜分科会を作るということになっております。従いまして現実にはどのような分科会ができるかは予測できません。
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柏正男#14
○柏委員 では第二委員会、第三委員会においても、まだそういう特別な分科会を作っていくという予定はないわけでございますか。
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武岡憲一#15
○武岡政府委員 委員会は、総会から付託を受けた事項について調査をするということなのでございます。現在の段階におきましては、司法関係の問題については、一応総会における審議を終った段階でございますので、その事項だけは第一委員会に付託になりまして、従って第一委員会が今調査中でございますが、ほかの委員会の所管する事項につきましては、まだ実は総会における調査が終っておりません。従って具体的な付託がございませんために、第二及び第三の委員会というのは、設置はされましたけれども、まだ実際活動の段階には入っておりません。
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柏正男#16
○柏委員 私どもはこういう第二委員会、第三委員会において各分科会を設けて、憲法の条項につき委員会の審議を進められるようになるといたしますれば、その中で特にたとえば第三委員会のような、前文、天皇あるいは戦争放棄の条項、最高法規というようなものについて委員会を作られることにつきまして、国民は非常に関心を持っておると思います。この分科会の構成につきましては、現在の委員が分担をされるというように、各分科会を人をダブることなく各委員に振り当てて、分科会を構成されるということになりますか。
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武岡憲一#17
○武岡政府委員 各委員会の構成は、現在、各委員がそれぞれいずれか一つの委員会に所属するという建前になっております。しかしながら分科会を構成する段階になりますと、必ずしもその所属の委員会の委員だけで構成するということはございませんで、分科会を構成いたします場合には、他の委員会に属する委員もその分科会の審議に参加できるような建前を考えておるわけであります。従いまして第一委員会である事項についての分科会が設置されます場合には、第二委員会あるいは第三委員会に一応所属しておられる委員の方でも、その御希望により、あるいは委員会側といいますか、分科会側の要求によりましてその分科会の調査に参加することができるような構成を考えておるわけであります。
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柏正男#18
○柏委員 私どもはそういう分科会において論議が進められていき、さらにその論議が中心になって憲法改正がだんだんと一つの既成事実になっていくのではないか、そういうように考えますときに、分科会の今後の活動というものに対して非常に注目をする次第でございます。それにつきまして、この憲法調査会の分科会の内容というものは、どういうような形で国民に周知させるようになっておるのでございますか。
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武岡憲一#19
○武岡政府委員 分科会はまだ具体的には実際に開かれておりませんので、現実的な運営について申し上げる段階でございませんけれども、ただいま私たちの調査会でやっております会合は、総会にいたしましても、また小委員会にいたしましても、また委員会にいたしましても、いずれも公開の建前でございます。それから各会議ごとに議事速記録を作成いたしまして、この速記録は一般の者が購入できるように、政府刊行物サービス・センターを通じて一般に頒布いたしております。従いまして、もちろんこれは各報道機関によって新聞等にもそのつど発表されておりまするし、そのほかに、詳細にその記事の内容をお知りになりたいという方は、その議事録によってごらんいただけるというような建前になっております。
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柏正男#20
○柏委員 将来の段階において、そういう分科会で公聴会というような形のものがやられるような計画を持っておられるのですか。
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武岡憲一#21
○武岡政府委員 公聴会についてのお尋ねでございましたが、もちろんこれは議事規則の中にも公聴会が開けるような道を講じてございます。これは憲法調査会としての公聴会もあって、明日大阪において行いますし、八日には金沢において、そのほか引き続きまして名古屋あるいは仙台、福岡といったような主要地において開催する計画を持っております。なお将来委員会または分科会というような段階に入りましても、それぞれ各委員会なり分科会が調査いたしておりますような事項を主題にした公聴会というようなものも、当然考えておるわけでございます。具体的にどのような格好でどういうふうに開かれるかは将来の問題でございますが、考え方といたしましては公聴会等をできるだけ開きまして、一般国民のこの問題に対する所見というものも十分伺って参りたい、こういう考えであります。
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柏正男#22
○柏委員 私どもは憲法調査会が現在の憲法に関する関心を高める意味において公聴会を開かれ、あるいは分科会においてもそういう制度を御採用になるということについては、その点は憲法を周知せしめるという意味を持つことにおいてけっこうなことだと私どもは思います。しかしながらこれが今度改正の問題を取り上げていく、改正の宣伝の機関にそういうものをお使いになるというような事態になっていきますれば、私どもはそういう公聴会のやり方とか、そういうようなものに対してもっと違う意味でこれを考えていかなければならない。そういう意味におきましては、私どもは現在ここに五名の事務官を増すというようなことにつきましても、現実にただ今の説明を承わっただけでは、総会が委員会の段階に移り、委員会が分科会の段階に移るという程度であって、必ずしも実質的な事務の量の増大というようなものが、その形だけでは現われてこないのではないか。ただ委員会が分科会に移るというようなことによって回数が多くなり、あるいはそういう速記の量がふえたり頒布する書類の量がふえたりという形は考えられぬことはございませんが、憲法改正というような段階まで入りませんと、実は七人が十二人になるというだけの事務量が考えられないというように思うのでございます。しかしもうすでに予算にも計上されておることでもございますから、今さら言ってもいたし方ないと思いますが、そういう面から見て私どもは憲法調査会が現在の段階においては決して改正のところまでは進まず、現在の憲法の内容を明らかにしていくという程度のところで進んでおるのだと思います。
 次は官房長官にお尋ねいたしたいのでございますが、現在の状態において国民の中には憲法調査会は憲法を改正する一つの予備機関である。総理大臣自身も、自分は憲法改正論者である、ことに九条を含めた憲法改正を考えているのだ、あるいはこの問題は憲法とは離れましても、安保条約も改正する、ことにその中には防衛の範囲が拡大されていく、あるいは国民が心配するような核兵器を使うような戦争への中に巻き込まれていくのじゃないかということに対しても心配をいたしております。そういうことと今度の警職法の問題なども関連して考えてみなければならないという情勢のもとで、憲法調査会が新しく陣容を増される、また今後の調査の範囲を広げていかれるということにつきましては、私どもも果してそういう状態が将来のためになるものかどうかということを心配いたします。それで憲法調査会の仕事は、今後どういうプログラムで、あと何年くらいこういう状態が続けられていくものか。憲法改正までの間に、どのくらいのプログラムをもってこの憲法調査会を運営されていくか、これは一つ官房長官の方で何らかの目安を持っておいでだろうと思いますからお聞きいたしたい。
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赤城宗徳#23
○赤城政府委員 だんだんお話を承わりましたが、憲法調査会は憲法を改正するという目標のもとに置かれていないことは御承知の通りであります。ただ今お話のように、岸総理個人としては改正論者であるけれども、しかし憲法改正の問題は、憲法調査会等の結論を得なければ自分できめるべき問題ではない、こういうふうに言っておられますので、前申し上げましたように憲法調査会は憲法改正という目的ではない。しかしどういう結論が出るか、これは結論は将来のことにわたっておりますので、私どもが予測できませんけれども、改正を目的としておることでないことは、憲法調査会の設置された当時から変っておりません。それから安保条約のお話が出ましたが、この問題につきましても、総理大臣が再々説明申し上げていますように、現行の憲法の範囲内において、この問題については交渉すべきである、こういうことを言っておりますので、この点も御了承願いたいと思います。
 それから憲法調査会のこれからの審議のプログラム等はどうか、こういうお尋ねでございますが、それにつきましては今のところ何年たったならば結論が出るかというプログラムは立っておりません。いろいろな資料を集め、検討を続けておる段階でありますので、今目安は立っておりません。
 それから人を増すということがどんなものであろうかということでありますけれども、この職員を増すことは、現在調査範囲が非常に広まってきましたので、全く事務的な意味において職員を増したい、こういうことでありますので、ほかに目的は持っておらないわけであります。以上のようなことでありますので、御了承願いたいと思います。
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柏正男#24
○柏委員 憲法調査会の委員会の構成を見ておりますと、第一委員会は、基本的人権の問題、これには裁判所の問題もあるのですが、司法、基本的人権、第二委員会は国会関係、地方制度、第三委員会は前文、天皇、戦争放棄の条項、最高法規、こういうようにお分けになって審議を進められるように承わりましたが、こういうようにお分けになりましたには、何か特別にお考えがあってお分けになったのですか。
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武岡憲一#25
○武岡政府委員 格別な理由はございません。大体憲法の各条章を各委員会にできるだけ均分的に、関連のあるものを拾って分けたということでございます。それ以上の意味はございません。
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柏正男#26
○柏委員 私はそういう意味であろうとは思いましたけれども、第三委員会において前文、天皇、戦争放棄、最高法規というようにお分けになったのにはなかなか意味があることだろうと思います。私どもは特に第三委員会、第一委員会につきましては関心を持つものでございますが、最近警職法の問題が論議されまして、この委員会においても総理大臣が出席され、第九十九条の問題というようなものが憲法擁護の義務として問題になりました。私はこの九十七条、八条、九条を一緒にした最高法規の問題を特に憲法調査会が取り上げていることに関心を持ちます。というのは、九十七条においては基本的人権が人類の長い戦いの結果に得られたものであることをうたい、その次の条項において、この憲法にはっきりもとる法律その他を認めない、その次の九十九条においては、これを擁護する義務があるというふうに、この三つのことを関連させて最高法規としておる。この事態から見まして、政府においても最高法規として、基本的人権はどうしてもこれを変えられないものである。この変えられない憲法を守らなければならない義務がある。この三つの関連事項が九十九条においてはっきりされておる。この十章の最高法規という意義は、基本的人権をいじることはできないのだぞということで、ここに大きな意味があると私は思います。そういう点につきまして、今度の警職法の改正の問題は、十章の最高法規の問題と相いれないものがあると私は考えますが、官房長官はこういう問題についてどういうお考えを持っておられますか。
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赤城宗徳#27
○赤城政府委員 最高法規であるという九十九条の規定は、将来憲法を改正する場合があってもその精神は残すべきものだと私は考えております。今の警職法と憲法が最高法規であるという九十九条との関連でありますが、警職法につきましては第三章の基本的人権の規定と相当関連を持っているわけであろうと思います。そこで十三条とかその他の条項もありますが、十二条という憲法の条項もありますし、公共の福祉と基本的人権との関係、広くいえば公共の福祉も基本的人権の中に入ると私は思うのでありますが、狭く考えて基本的人権と公共の福祉、この辺の調整をどういうふうにするかということが相当問題であろうと思うのであります。絶対無規制に自由とかあるいはまた幸福を追求する権利が認められていいというふうには、憲法でも規定していないのであります。これはお互いの間の自由あるいは幸福追求の自由というようなものを関連的に考えなければならないという点にも、考慮しなければならぬ点があろうと思います。そういう点におきまして私どもは警職法と憲法との関係については相当検討いたしたのでありますが、今提案している限度におきましては憲法に違反しているとは考えておらない、こういう立場に立っておるのであります。
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柏正男#28
○柏委員 私は法の支配の問題において、法の適法な裁量者がだれであるかということが、法治国家の中で非常に大事な問題だと考えます。憲法において私どもが逮捕、監禁その他身体を守れる一つのよりどころは、法の適法なる解釈者が少くも判事の段階に自由主義諸国家においては守られておる。こういうことは非常に私どもの安全感を高めるものだと思うのでございます。自由主義国家でない共産国家におきましても、法の適法なる裁量をする者としては検事を充てておる。共産主義の諸国家においてすらそういう段階を設けて、法の適法なる解釈、裁量をさせておる。しかし今度の警職法によりますと、その段階がはずされてしまっておるということは、私ども非常な不安を感ずるものでございます。ことにこれが自衛隊法の八十九条との関連をもちまして、自衛隊が出動をするようになると、自衛隊員が警職法を執行するようになります。そうしますと、現在警察官よりももっと法律というものについて低い段階の自衛隊員が、法の適法なる解釈、裁量をする立場に立つということは、法治国家として非常なる危険なる状態になるのではないかと私は考えるものでございますが、そういう点につきまして官房長官はいかなる御所見を持っておられるか。
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赤城宗徳#29
○赤城政府委員 憲法に規定されております逮捕、監禁、処罰、これは今お話のように判事の段階においてきめるべきである、これは御説の通りであります。でありますので、その点につきましては今度の警察官職務執行法においても、警察官がそういうことをするのでなくて、刑事訴訟法に基いて逮捕、監禁、尋問、処罰をする建前になっておりますので、今度の警察官職務執行法においても逮捕、監禁、処罰につきましては、刑法あるいは刑事訴訟法その他刑法関係の法規またはその法の手続に基いてやることになっております。でありますから今度の改正案におきましては、その点は刑事訴訟法に基いてやるので、その以前において制止あるいは警告というようなことができることになっておりますけれども、これは行政的の手続であって、決して刑事訴訟法に違反したりあるいは憲法に違反しているというふうには私どもは解釈しておらないのでございます。
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