外務委員会

1966-04-19 参議院 全76発言

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会議録情報#0
昭和四十一年四月十九日(火曜日)
   午前十時五十一分開会
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   委員の異動
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     上原 正吉君     鈴木 万平君
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     鈴木 万平君     上原 正吉君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         木内 四郎君
    理 事
                草葉 隆圓君
                長谷川 仁君
                森 元治郎君
    委 員
                笹森 順造君
                高橋  衛君
                廣瀬 久忠君
                岡田 宗司君
                佐多 忠隆君
                羽生 三七君
                黒柳  明君
                曾祢  益君
   国務大臣
       外 務 大 臣  椎名悦三郎君
   政府委員
       外務政務次官   正示啓次郎君
       外務大臣官房長  高野 藤吉君
       外務省アジア局  小川平四郎君
       長
       外務省北米局長  安川  壯君
       外務省条約局長  藤崎 萬里君
   事務局側
       常任委員会専門  瓜生 復男君
       員
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  本日の会議に付した案件
○第三次国際すず協定の締結について承認を求め
 るの件(内閣提出、衆議院送付)
○在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する
 法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○国際情勢等に関する調査(国際情勢に関する件)
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木内四郎#1
○委員長(木内四郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 第三次国際すず協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。外務大臣。
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椎名悦三郎#2
○国務大臣(椎名悦三郎君) ただいま議題となりました、第三次国際すず協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 この協定は、第二次国際すず協定の有効期間が本年六月三十日に満了するので、それにかわるものとして昨年ニュー・ヨークで開催された国連すず会議で採択されたものでありまして、わが国、英、仏等十六のすず消費国及びマレイシア、インドネシア等七のすず生産国が署名を行ないました。
 この協定の骨子は、すずの国際価格を協定で定める最低価格と最高価格との間に安定させるようにするため、すずの供給が過剰となったときに生産国に輸出統制を課する制度のほか、生産国がすずの現物及び資金を供与し合って緩衝在庫としてプールしておき、市価が上昇ぎみのときはこの緩衝在庫の現物を市場に売り出し、市価が下降ぎみのときは緩衝在庫の資金で市場のすずを買い上げる制度を設けることであります。このように、価格安定措置は生産国側の義務として行なわれるものでありまして、消費国側に輸入量、輸入価格等について具体的制約を課するものではありません。なお、この協定は、若干の技術的改正を除き第二次協定の規定をそのまま踏襲するものであります。
 すずの国際価格の安定は、需要の九割以上を輸入に依存しているわが国にとって望ましいことであるのみならず、また、すずの価格安定を通じて開発途上にある生産国の経済発展に寄与することとなるので、わが国が第二次協定に引き続いてこの協定の締約国となりますことはきわめて有意義と存じます。
 よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御承認あらんことを希望いたします。
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木内四郎#3
○委員長(木内四郎君) 本件に対する自後の審査は、後日に譲ることといたします。
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木内四郎#4
○委員長(木内四郎君) 次に、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。——別に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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木内四郎#5
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。——別に御発言もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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木内四郎#6
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決をいたします。
 在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。
 〔賛成者挙手〕
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木内四郎#7
○委員長(木内四郎君) 全会一致と認めます。よって本件は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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木内四郎#8
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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木内四郎#9
○委員長(木内四郎君) 次に、国際情勢等に関する調査を議題といたします。
 これより、当面の国際情勢について質疑を行ないます。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
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羽生三七#10
○羽生三七君 先日来、日米安保条約に対する外務省の統一見解が出たり、それからまた自民党自身としても、これに対処する何か特別の委員会を設ける構想等が発表されておる。また昨日は、下田外務次官の、核に対するものと安保との関連性についてまた重ねて見解の表明があったわけですが、この種の問題は、ここでわずかな短時間に簡単に論議して片づく性質のものではないと思いますので、これはいずれ時間もあることですから、長期にわたって本格的に政府、野党が十分に取り組みをすべきものと思いますが、それにしても、とりあえずそういう見解が一応示されましたので、二、三これについてお尋ねをしておきたいと思います。
 この種の、安保というような重要な問題は、政府の最高首脳部が十分な検討をして、それから案を練って、その上に見解を発表すべきだと思うのですが、外務省がそのつどひんぱんに見解を表明されておる。私はこれはどうかと思う。むしろ高度の政治的な判断に基づいて日本政府自身が取りまとめた意見を述ぶべきだと思いますが、それはともかくとして、まだ時間が十分あるのに、どうしてこんなにも急いでこの問題についての見解を発表されるのか。むしろ、私どもから言うならば、時間があるのだから、その間に安保を必要としないような客観的な条件、国際情勢、それをつくり上げることこそ、いまの日本の政府にとりまして一番重要な問題があると思うのですが、それを、そういう緊張緩和や安保を必要としないような情勢に取り組むのがむしろおろそかになっておって、しきりと安保長期固定化のPRをする、いまからPRする、こういうことは私たちは合点がいかないのです。まだ先に日が長いのにどうしてこんなにPRしなければならぬのか、この点からひとつ。
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椎名悦三郎#11
○国務大臣(椎名悦三郎君) これはただ外務省で従来の国会の審議の経過等を取りまとめたものにすぎないのでございまして、要約したものにすぎない。それで、今後日米安保条約というものをどういうふうにしていくかということについては、御指摘のとおり、高度の政治的判断の問題でございまして、十分に時間もありますので、研究を重ねてそうしてタイムリーに結論を得たい、こう考えております。特別にこれを長期固定化するというような考えが固まっているわけでも何でもございませんし、また、そういう方向でPRしているわけです。
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羽生三七#12
○羽生三七君 この問題は、いま申し上げましたように、日本を取り巻くアジアの国際情勢、特に緊張緩和に重点を置いて、対中国問題あるいはベトナム問題、これらの取り組みの中にこそ解決の指標が見出されるのであって、そういう問題を度外視して、一方的に長期固定化というようなのが出てくるのは私たちは納得できませんが。
 そこで、ごく具体的な問題になりますけれども、一、二伺っておきたいことは、この統一見解ではこう書いてあります。「もし米軍が日本の基地を使用していることを理由にして、ある国がわが国にある米軍基地を攻撃したとすれば、それは安保条約第五条にいう日本に対する武力攻撃を意味するものにほかならない。従ってこのような武力攻撃を行なおうとする国は、安保条約第五条によって日本防衛にあたる米国との間の、武力衝突を覚悟しなければならない。」こううたっておるわけです。日本の基地を使用して第三国に対する攻撃が行なわれない限り、相手国が日本に攻撃をしかけてくるはずのないことは、これは当然のことであります。そんなことはあり得べからざることだ。問題は、そうではなくて、日米安全保障条約によって結ばれたこの日米というものが、特に日本が米国との協力次第によってはかえってアジアの緊張を高めて、そうして相手国の防衛力あるいは軍事力を一そう強めていく。その結果として相手もまたさらにそれに相応する体制を強めるわけですから、事と次第によっては、その結果として、日本が、基地使用あるいは日本からの発進を認めざるを得ないような矛盾をさらに深めていく。そこに問題があるわけです。ですから、何も問題がないのに相手が攻撃してくるはずはないのであって、むしろ、この安保があることによって、あるいは日本が今度のような考え方をとることによって、それでアジアの緊張が弱まるかというならば、逆に強まる場合もある。それなら、相手もいっそ核の開発を積極的にやろうという国も出てくるかもしれない。そうなれば、日本のアメリカの核に対する依存力は一そう強化して、そして終局的には、基地の使用は認めない、その場合には事前協議と言っておりますけれども、認めざるを得ないような条件が出てくるのじゃないか、際限のない矛盾を繰り返していくんじゃないか、そう思うのですが、いかがでしょうか。
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椎名悦三郎#13
○国務大臣(椎名悦三郎君) あくまで防衛の趣旨を持っておるのでありまして、米軍の基地が緊張を高め、そのためにアジアに無用な混乱を巻き起こすというようなことは考えておりません。むしろ、まる裸でおるということがかえって主観的にも客観的にも非常に安全を脅威されるというような状況になるのでありまして、日米安保条約によって米軍の基地が存在するということによりましてそういう不安というものを未然に防止することができる、いわゆる抑止力の存在ということによって主観的にも安全感を強めることができます。客観的にもそういう情勢を招かないということになる、こういうことをわれわれは考えておる次第でございます。
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羽生三七#14
○羽生三七君 そういう点は、根本的に意見が違うのですから、それはとにかくとして、もう一つ、この統一見解ではこう書いております。「核抑止力をいかに配備管理するかについて、日本がこれに参画し、または協議に加わることを、米国から求められたことはないし、また日本が米国に対し、このような意味での核戦略に対する参画ないし協議を求めたこともない。」こう言っておりますが、そうすると、これは核に関する限りは、一切の権利権限、その配備、戦略みなアメリカにゆだねることになるのですが、いざ有事の場合には、当然そういう問題が起こってくると思いますから、いまは参画しておらないにしても、実際に何もなければいいのですよ、ないために、核抑止力ということで、つまり、何らの問題が起こらぬことを予想してあるいは政府としてはこの核抑止力ということを言っておるかもしれませんが、しかし、かりに何かあった場合には、日本が核戦略にも参画しないし、配備の管理に関して何らの意見をアメリカから求められたことはないと言っておりますけれども、終局的には、すべての権利権限をアメリカにゆだねるということを意味するのじゃないのですか。
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椎名悦三郎#15
○国務大臣(椎名悦三郎君) これは、言うなれば、ありそうもないことを予想してのいまの御質問でございますが、とにかく現実問題としては、核の持ち込みはこれは方針として認めない方針を堅持しております。それからまた、わがほうの領域外の核戦略の諸問題について、日本側が相談を受けたこともないし、また、その要求を日本から出したこともない、こういう事実をそのままうたっているのでございまして、これが将来どうなるかというようなことにつきましては、私は、あまりにどうもありそうもない事実に立脚する御質問でございますので、この際としてはお答えいたさないほうがかえって誤解を生じないと思うのであります。お答えできません。
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羽生三七#16
○羽生三七君 大臣、お断わりしておきますが、私もあり得べからざるようなことを特に問題にして論議しておるのじゃないのですよ、私はそういうことは大体きらいな性分ですから。だが、外務省の統一見解に、参画を求められたこともないし、日本も参画する意思も何もないと言っているでしょう。しかし、アメリカの核防衛に依存すると言うんでしょう。それはことばのあやで言ったのならいいのです。それが日本の基本的な防衛政策であるなら、それじゃ、あり得べからざることだと言うなら、安保は要らぬわけです。もし起こったならどうするというのですか。すべての権限をゆだねるのですか、核戦略についても、核の配備についても。それまで説明しなかったら、こんな統一見解を出すのは迷惑です。
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椎名悦三郎#17
○国務大臣(椎名悦三郎君) とにかく、いかなる外部の攻撃であろうと、アメリカが日本との間に集団防衛条約を結んでおるたてまえに立って日本の安全をあくまで防衛する、その責任を果たす、こういうことを言っておるのでありまして、問題は核ばかりではありません。一般通常兵器における戦略構想等についても、日本が絶えずアメリカと相談して、戦略構想を練っているというような事実はないのであります。アメリカはアメリカとしての独自の戦略というものによって条約上の責任を果たそう、こうしているのであります。核戦略についても同様であると、こういう事実を申し上げておるわけでございます。
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羽生三七#18
○羽生三七君 それはわかっているのですよ。そこはわかっているのです。それはそこまではわかった上でこういう質問をしておるので、だから、こういうことは、いま申したように、私の性にあまり合わないのです。合わないけれども、しかし、そういう事態がかりに起こったような場合に、日本は寝ころんで御自由に、そんなことで済まされるのかどうかということですね。しかも、そんな先のことを予想して議論するのはおかしい話ですけれども、外務省の見解が明らかにそういうことは、日本に何も関係ないと言っているのだから、質問せざるを得ないだけの話です。いまの外務大臣のお答えなら、そこまでのことはわれわれも承知の上で言っているのです。全然そういうことが起こり得ないものだと言うなら、核柳止力があるから起こらないとおっしゃるけれども、そういうことが起こらないなら、私たちはむしろこんないまの現行体制を長期固定化する必要は毛頭ない、そう判断せざるを得ない。起こった場合にはどうなさいますかと言っているのです。
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椎名悦三郎#19
○国務大臣(椎名悦三郎君) とにかく、そういう日本が攻撃を受けたという場合には、日米の間で絶えず協議が行なわれるわけでございます。その協議の内容は、私は、事戦争に関する問題でございますから、どういう協議が行なわれるはずであるというようなことはちょっと申し上げにくいのでございます。いずれにしても、日本は日本としての自主的な防衛力を持っておるわけでありますから、それをどういうふうに日本がやるのが適当であるかということを判断するために、アメリカと——米軍と絶えず協議する、そして自分の防衛上のなすべき問題を発見してこれを実行するということになると思います。
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羽生三七#20
○羽生三七君 これは結局は、先ほど来申し上げておるように、日本自身がこのアジアの緊張を緩和するために、対ベトナム、対中国問題等、具体的にどういう施策を、しかも、それを積極的に緊張緩和に役立つような政策を進めて、そして一九七〇年には安保を必要としないような条件——われわれはいまでも必要としないと思うけれども、政府の立場からいっても、安保を必要としないような条件をできるだけつくっていくという、そのために日本が全面的な、日本の外交が全力をあげて努力を積み上げていくということであるべきだと思うんですね、私たちは。ところが、もうそういうことについてはほとんどそれはもう、ベトナム問題で平和解決に努力するとかなんとか言っておりながら、実際にはアメリカの政策を支持しており、対中国の問題についても、解決の糸口はほとんどない。依然として昔ながらの立場を堅持しておる。そういう一方の緊張緩和に対する努力をおろそかにしながら、それで他面においてはこの安保の長期固定化だけを問題にしておる。だから、いまこそ日本は全力をあげて、この日本の置かれた環境をよりよいものにするために、安保を必要としないような条件をつくるために最善の努力を払うという、そういうことがいまの、これから一九七〇年までの、日本の外務当局はもとより、日本政府に課せられた至上の課題ではないかと思うんです。そういう努力を幾ら政府がやってもなかなか成果があがらないという場合は、これは別ですよ。しかし、そういう努力は全然見えないじゃないですか。むしろ、ただいま、昨日から始まっておる韓国主催のアジア外相会議等、これは日本の立場はいろいろ言われましても、むしろわれわれが要請しておる問題とは逆行するような方向に進みつつある。ですから問題は、今後数年間を目ざして日本外務省あるいは政府が全力をあげて国際情勢の緊張緩和のために努力することが当面日本外交に課せられた任務で、いまからその長期固定化をPRするなんていうことは論外だと私は思うんです。時間もあることですから、私は、こまかいことはこれから先何年も論議せぬならぬのですから、多くを申し上げませんが、そういう点は外務大臣としてひとつはっきりした考え方を持っていただきたいと思います。
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椎名悦三郎#21
○国務大臣(椎名悦三郎君) まあ、安保条約を必要としない環境を日本がつくることができれば、これはたいへんなことだと思うのであります。結局、そういう環境は国際世論というものによって漸次つくり上げられるものであると思うのであります。日本はしかし、その間に処して何もしないのかということでございまするが、そういう点では日本としてはみずから核の開発をしない、それからまた、海外派兵もしない、日米安保条約は日本の安全を保持するための最小限度のものであって、核の持ち込みもこれはまあ認めない方針を固めておる。核拡散防止の問題についても日本はこれに賛意を表しておる。しかし、これに参加しようという態度を示しておらない国があるのでありまして、核拡散防止ということはそういう面からも非常にむずかしいのではないか。日本自身といたしましては、とにかくまあ平和外交という基本線に沿うてしっかりした信念に基づいてたびたび対外的に声明も出し、それからみずからも守るべきところは守っておる。これはまあ日本としては努力の最大限ではないか。しかし、情勢いかんによっては、また日本のできることは今後もやっていかなきゃならぬと思うのでありますが、何もしないということはこれは当たらないのではないか、こう思います。
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羽生三七#22
○羽生三七君 日本がですね、下田次官の見解によれば、日本が史上初の被爆国としての立場にある。同時に、核開発能力を持ちながらも核を保有しないと、こういう立場に立って、積極的に大国——核保有国に対して核軍縮を迫っていくというそういう立場であるならば、むしろ、日本自身がこのアメリカの核に依存するというようなことを公然と表明しないことのほうが、より効果的であり、説得力を持つのじゃないですか。日本はアメリカの「核のかさ」にあるのだから——まあ「かさ」ということばはとにかくとして、そういう立場をとりながら、そうして、一面でいま下田次官の言われたようなこと言いましても、これは説得力がない。この問題どうですか。
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椎名悦三郎#23
○国務大臣(椎名悦三郎君) まあ、国の安全は理論では片づかない問題でありまして、もう何もしない、無防備、平和中立主義、それでは、まことに遺憾なことでありますけれども、現実問題として安全感は得られない。そういう現況でございますから、日本自身としては、国の安全ということはどうもかえられない。理屈だけ通って国の安全が脅威されるというのでは、これは大多数の国が承知しないのではないかと思います。
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羽生三七#24
○羽生三七君 そういう議論をされると、こちらも大いに議論があるのです。それはね、防衛の方法の問題なんですよ。これはもう、ずいぶん私、日韓のときに総理や外相とやりとりしましたから多くを申しませんが、防衛の方法の問題ですね。ですから私たちは、いま私たちが考えておるような立場のほうがより多く日本の安全に役立つという立場をとっておるのでありますから、無防備といいますけれども、おそらくアジアでは、韓国あるいは台湾あるいは中国本土のこの地上部隊を別にすれば、最強の軍隊でしょう。それだけのものを持っておる。それは、いま社会党がかれこれ言ったところで自衛隊がなくなるわけでもない。そういうものを持っておるわけです。そういう中で、特定な国に依存するような外交政策はとらぬほうがいいじゃないかと言っておるだけで、裸で寝ころんでへ理屈を言っておるということじゃないのです、それは。まあしかし、こんなことはそれは水かけ論になりますから多くを申し上げませんが、先ほど来外務省は、何もしないと言うけれどもと言われましたが、積極的に中国問題についても打開の道はない。それからベトナム問題についても、今日までのところ、ただアメリカの立場を、北からの浸透に対してはやむを得ないということでアメリカの立場を支持しておる。だから、結局力の均衡の拡大でしょう。だから、均衡を縮小させるような努力というものはほとんど払われておらない。そこに問題がある。何もやっておらぬというのはどうかと言われましたが、やるにはやるけれども、力の均衡を拡大することをやっておるわけですね。やり方が違うわけです。確かにおやりになっておる、いろんなことを。しかし、それはわれわれの指向する問題と全く異質のものであるということです。まあ、そういうことでありますが、安保問題は先ほど来申し上げて、時間のあることでありますから、これは機を見てゆっくり申し上げます。
 そこで、これに関連してアメリカのラスク国務長官が議会で対中国問題についていろいろ具体的な証言をされたし、あるいは武内駐米大使と会談をして、かなりベトナム問題あるいは中国問題について突っ込んだ会談が行なわれたのではないかといわれておる。これは来たるべき日米経済合同委員会においてもこれらの問題はさらに深い論議がかわされるのではないかとも伝えられておりますが、この後に予想される日米経済合同委員会等ではどういうことを議題として討議されるお考えを持っておるのか。まだ時間もあることですが、武内大使とかなり突っ込んだ意見もかわされたということであるし、それからラスク長官もいろんな意見を議会で証言されておる。これらと関連して、日本がもしアメリカのこれらの多数の閣僚を迎えて会談をするというならば、どういうことを中心に討議をされるのか、この機会に伺っておきます。
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安川壯#25
○政府委員(安川壯君) 閣僚委員会の議題、日取りもまだ確定しておりませんし、どういう議題を取扱うかということについて、まだ先方と協議いたします段階になっておりません。いずれ日取りが確定いたしましてから先方と協議いたすことになると思います。ただ、この会議それ自体は、その名のとおり経済貿易委員会でございますから、その会議の議題として、たとえば、ベトナムの問題でございますとか、中国政策というようなものそれ自体をこの会議の議題として討議の対象にするということは、この会議の目的から申しまして、あり得ないと思います。ただ、これはことしに限りませず、毎年、ラスク国務長官も見えますので、この会議と別に、外務大臣と国務長官との別個の会談というものは、例年の例もございますので、今回もおそらくあるかと思いますが、ここでどういうことを議題にするかにつきましても、まだ具体的に先方と協議する段階に至っておりません。
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羽生三七#26
○羽生三七君 もう一点だけ。議題が何であるかは実を言うと私はそうたいした問題じゃないのです。そのときに一体椎名外相としてどういうことでアメリカのラスク長官その他の閣僚と話し合いをされるのか。対中国問題、ベトナム問題、特にベトナム問題などは最近の情勢はいままでの事態と全く違っておるのじゃないかということもいわれておる。そういう情勢の中で、議題を何にするかということはとにかくとして、外相としてはたとえばベトナム問題の積極的打開のためとか、あるいは対中国問題の前進のために積極的に取り組む意思を持っておられるのかどうか。
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椎名悦三郎#27
○国務大臣(椎名悦三郎君) この合同委員会の性格からいってどういう議題に限定されるかというようなことは、いま北米局長から申し上げたとおりであります。
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羽生三七#28
○羽生三七君 いや、個別会談でもいい。
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椎名悦三郎#29
○国務大臣(椎名悦三郎君) 個別会談等においては、やはり両国の関心を持つ国際情勢について問題を取り上げることになるのでありますから、したがって、東南アジアの動乱しておる今日の情勢に対して、やはりどうしても話はそちらのほうに入ることになると思いますし、また中共の問題、これはきわめて国際的に重要な問題でございますから、これらの問題についても話し合うことになると思います。
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