予算委員会
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会
会議録情報#0
昭和四十二年四月三日(月曜日)
午後一時七分開議
出席委員
委員長 植木庚子郎君
理事 赤澤 正道君 理事 小川 半次君
理事 田中 龍夫君 理事 八木 徹雄君
理事 加藤 清二君 理事 中澤 茂一君
理事 伏木 和雄君
相川 勝六君 荒木萬壽夫君
有田 喜一君 井出一太郎君
仮谷 忠男君 川崎 秀二君
北澤 直吉君 坂本三十次君
塩谷 一夫君 鈴木 善幸君
登坂重次郎君 野田 卯一君
野原 正勝君 福田 一君
藤波 孝生君 船田 中君
保利 茂君 石野 久男君
岡本 隆一君 角屋堅次郎君
北山 愛郎君 阪上安太郎君
高田 富之君 長谷川正三君
山中 吾郎君 折小野良一君
河村 勝君 鈴切 康雄君
正木 良明君
出席国務大臣
内閣総理大臣 佐藤 榮作君
法 務 大 臣 田中伊三次君
外 務 大 臣 三木 武夫君
大 蔵 大 臣 水田三喜男君
文 部 大 臣 剱木 亨弘君
厚 生 大 臣 坊 秀男君
通商産業大臣 菅野和太郎君
労 働 大 臣 早川 崇君
建 設 大 臣 西村 英一君
国 務 大 臣 二階堂 進君
国 務 大 臣 藤枝 泉介君
出席政府委員
内閣法制局長官 高辻 正巳君
警察庁警務局長 高橋 幹夫君
警察庁警備局長 川島 広守君
科学技術庁計画
局長 梅澤 邦臣君
科学技術庁研究
調整局長 高橋 正春君
科学技術庁原子
力局長 村田 浩君
法務省入国管理
局長 中川 進君
外務省アジア局
長 小川平四郎君
外務省条約局長 藤崎 萬里君
外務省国際連合
局長 服部 五郎君
大蔵省主計局長 村上孝太郎君
大蔵省主税局長 塩崎 潤君
大蔵省理財局長 中尾 博之君
国税庁長官 泉 美之松君
文部省初等中等
教育局長 齋藤 正君
文部省大学学術
局長 天城 勲君
文部省管理局長 宮地 茂君
厚生省公衆衛生
局長 中原龍之助君
厚生省医務局長 若松 栄一君
厚生省社会局長 今村 譲君
厚生省児童家庭
局長 渥美 節夫君
厚生省保険局長 熊崎 正夫君
農林政務次官 久保 勘一君
農林大臣官房長 桧垣徳太郎君
農林省農地局長 和田 正明君
通商産業省企業
局長 熊谷 典文君
通商産業省石炭
局長 井上 亮君
運輸政務次官 金丸 信君
運輸省鉄道監督
局長 増川 遼三君
運輸省自動車局
長 原山 亮三君
労働省労政局長 松永 正男君
労働省労働基準
局長 村上 茂利君
労働省職業安定
局長 有馬 元治君
建設省計画局長 志村 清一君
建設省都市局長 竹内 藤男君
建設省道路局長 蓑輪健二郎君
自治省行政局長 長野 士郎君
自治省税務局長 松島 五郎君
委員外の出席者
専 門 員 大沢 実君
—————————————
四月三日
委員愛知揆一君、岡本茂君、松浦周太郎君、石
橋政嗣君、大原亨君、畑和君、和田耕作君、沖
本泰幸君及び広沢直樹君辞任につき、その補欠
として塩谷一夫君、山崎巖君、坂本三十次君、
岡本隆一君、石野久男君、長谷川正三君、河村
勝君、正木良明君及び鈴切康雄君が議長の指名
で委員に選任された。
同日
委員石野久男君、岡本隆一君及び長谷川正三君
辞任につき、その補欠として大原亨君、石橋政
嗣君及び畑和君が議長の指名で委員に選任され
た。
—————————————
本日の会議に付した案件
昭和四十二年度一般会計予算
昭和四十二年度特別会計予算
昭和四十二年度政府関係機関予算
————◇—————
この発言だけを見る →午後一時七分開議
出席委員
委員長 植木庚子郎君
理事 赤澤 正道君 理事 小川 半次君
理事 田中 龍夫君 理事 八木 徹雄君
理事 加藤 清二君 理事 中澤 茂一君
理事 伏木 和雄君
相川 勝六君 荒木萬壽夫君
有田 喜一君 井出一太郎君
仮谷 忠男君 川崎 秀二君
北澤 直吉君 坂本三十次君
塩谷 一夫君 鈴木 善幸君
登坂重次郎君 野田 卯一君
野原 正勝君 福田 一君
藤波 孝生君 船田 中君
保利 茂君 石野 久男君
岡本 隆一君 角屋堅次郎君
北山 愛郎君 阪上安太郎君
高田 富之君 長谷川正三君
山中 吾郎君 折小野良一君
河村 勝君 鈴切 康雄君
正木 良明君
出席国務大臣
内閣総理大臣 佐藤 榮作君
法 務 大 臣 田中伊三次君
外 務 大 臣 三木 武夫君
大 蔵 大 臣 水田三喜男君
文 部 大 臣 剱木 亨弘君
厚 生 大 臣 坊 秀男君
通商産業大臣 菅野和太郎君
労 働 大 臣 早川 崇君
建 設 大 臣 西村 英一君
国 務 大 臣 二階堂 進君
国 務 大 臣 藤枝 泉介君
出席政府委員
内閣法制局長官 高辻 正巳君
警察庁警務局長 高橋 幹夫君
警察庁警備局長 川島 広守君
科学技術庁計画
局長 梅澤 邦臣君
科学技術庁研究
調整局長 高橋 正春君
科学技術庁原子
力局長 村田 浩君
法務省入国管理
局長 中川 進君
外務省アジア局
長 小川平四郎君
外務省条約局長 藤崎 萬里君
外務省国際連合
局長 服部 五郎君
大蔵省主計局長 村上孝太郎君
大蔵省主税局長 塩崎 潤君
大蔵省理財局長 中尾 博之君
国税庁長官 泉 美之松君
文部省初等中等
教育局長 齋藤 正君
文部省大学学術
局長 天城 勲君
文部省管理局長 宮地 茂君
厚生省公衆衛生
局長 中原龍之助君
厚生省医務局長 若松 栄一君
厚生省社会局長 今村 譲君
厚生省児童家庭
局長 渥美 節夫君
厚生省保険局長 熊崎 正夫君
農林政務次官 久保 勘一君
農林大臣官房長 桧垣徳太郎君
農林省農地局長 和田 正明君
通商産業省企業
局長 熊谷 典文君
通商産業省石炭
局長 井上 亮君
運輸政務次官 金丸 信君
運輸省鉄道監督
局長 増川 遼三君
運輸省自動車局
長 原山 亮三君
労働省労政局長 松永 正男君
労働省労働基準
局長 村上 茂利君
労働省職業安定
局長 有馬 元治君
建設省計画局長 志村 清一君
建設省都市局長 竹内 藤男君
建設省道路局長 蓑輪健二郎君
自治省行政局長 長野 士郎君
自治省税務局長 松島 五郎君
委員外の出席者
専 門 員 大沢 実君
—————————————
四月三日
委員愛知揆一君、岡本茂君、松浦周太郎君、石
橋政嗣君、大原亨君、畑和君、和田耕作君、沖
本泰幸君及び広沢直樹君辞任につき、その補欠
として塩谷一夫君、山崎巖君、坂本三十次君、
岡本隆一君、石野久男君、長谷川正三君、河村
勝君、正木良明君及び鈴切康雄君が議長の指名
で委員に選任された。
同日
委員石野久男君、岡本隆一君及び長谷川正三君
辞任につき、その補欠として大原亨君、石橋政
嗣君及び畑和君が議長の指名で委員に選任され
た。
—————————————
本日の会議に付した案件
昭和四十二年度一般会計予算
昭和四十二年度特別会計予算
昭和四十二年度政府関係機関予算
————◇—————
植
植木庚子郎#1
○植木委員長 これより会議を開きます。
昭和四十二年度一般会計予算、昭和四十二年度特別会計予算、昭和四十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
これより一般質疑に入ります。長谷川正三君。
この発言だけを見る →昭和四十二年度一般会計予算、昭和四十二年度特別会計予算、昭和四十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
これより一般質疑に入ります。長谷川正三君。
長
長谷川正三#2
○長谷川(正)委員 私は、現在非常に高まっております総評、中立労連その他日本の主要な労働組合の春闘の問題に関連いたしまして、以下、時間の許す範囲で二、三の点について政府の御見解をただしたいと存じます。
まず最初に、最低賃金制の問題につきまして御質問を申し上げたいと思います。
この最低賃金制につきましては、私は当然全国、全産業一律の賃金制度を確立するということが正しい姿であり、望ましい姿であり、その一日も早い実現、確立に向かって努力すべきであると思いますが、政府の御見解はいかがでありますか。この点につきまして、労働大臣に御所見を承りたいと思います。
この発言だけを見る →まず最初に、最低賃金制の問題につきまして御質問を申し上げたいと思います。
この最低賃金制につきましては、私は当然全国、全産業一律の賃金制度を確立するということが正しい姿であり、望ましい姿であり、その一日も早い実現、確立に向かって努力すべきであると思いますが、政府の御見解はいかがでありますか。この点につきまして、労働大臣に御所見を承りたいと思います。
早
早川崇#3
○早川国務大臣 全国一律、全産業一律最低賃金ということも一つの有力な御意見でございます。また、地域別あるいは産業別という御意見もございます。そこで、最低賃金審議会におきまして目下審議をいたしまして、結論を急いでおる、こういう状況でございます。
この発言だけを見る →長
長谷川正三#4
○長谷川(正)委員 ただいま大臣のお答えでは、全国一律最賃制も一つの考え方である、その他の考え方もある。これを伺いますと、非常に並列的、同価値的にお述べになっているように承りました。しかし、その実施に若干の段階を踏むということは必要かもしれませんけれども、最終的に、私は全国一律の最賃制が正しいし、そうでなければ意味がない。また、日本の実情からいっても、一日も早くそこに到達すべきだ、こう考えて御質問をしたのでありますけれども、いまのお答えは、何か問題をただ三つ並べただけの御答弁で、非常に積極的な御態度が見られなかったように思います。再度その点をただしたいのでありますけれども、今日、産業経済の近代的な発展に伴いまして、国民生活の格差を是正し、安定させるという意味からいたしましても、このことは必要であると思うのであります。経済の二軍構造や賃金の二布構造を維持固定して低賃金層を残存させることによって、資本の一時的な利益を守ろうというお考えも根強く残っているように存ぜられるのでありますけれども、大きい目から見ますと、結局これは、いま中小企業や農業の生産性の問題が問題になっておりますように、生産性の向上を阻害し、結局は物価の安定を妨げまして、産業経済や物価の安定を妨げる、停滞させる、こういうことになると思うのでありまして、そういう意味で、適正な全国一律最賃制を一刻も早く実現をする必要があると思うのですが、その点について再度、もう少し突っ込んだ大臣の所見を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →早
早川崇#5
○早川国務大臣 理想論としては、お説のような御意見も石田元労働大臣の時代に言われたことがございますが、北海道と鹿児島というのは、非常に生活条件が違う、また産業関係で、非常にこの一律の最低賃金を設けるのがむずかしい事情も相当あるということも一つの意見であります。したがって、諸外国におきましても、ちょうど同じ公務員でも、都会の人といなかの教員が違うような式の地域別あるいは業種別の格差の最賃がほとんどあるわけなので、その理想論を直ちに日本のそういうものに適用することがはたして可能かどうか、そういうことも含めまして、公益委員、労使を含めました審議会で、最も日本の国情に応じた妥当な結論を出そうというので努力をいたしておるわけであります。ただ、労働大臣としては、この業者間協定、いわゆる原案提案権が業者閥にあるということは、ILO二十六号条約からながめまして、違反とはいえませんけれども、最終的には審議会で決定するわけですが、疑義があるということで、密談会にはそういうことで疑義を解消するような線でひとつ結論を出してくれという意思表示はいたしておるわけでございます。
この発言だけを見る →長
長谷川正三#6
○長谷川(正)委員 ただいまの労働大臣のお答えによりますと、理想としてはということばがございました。理想としてはそういう一律最賃制というものも考えられるが、北海道と東京の実情も違うから、にわかにはどうか、こういうおことばでありました。けれども、その理想としてはということになりますと、やはり最終的には、最賃制としては全国一律最賃制の確立というところに持っていかなければならない。それが近代国家としての正しいあり方だ、こういうお考えを基本にお持ちのようにうかがえたのですが、その点いかがですか。
この発言だけを見る →早
長
長谷川正三#8
○長谷川(正)委員 石田労働大臣のお名前がしばしば出るのでございますが、大体この最賃制の日本における歴史を顧みてみますと、十五年前、昭和二十七年に総評が一律八千円の最賃要求を正式にいたしたのが一つの端緒になったかと思います。自来、その後五年たちまして、十年前の三十二年の春闘におきましていわゆる三・二六最賃ゼネストというのが労働組合側に計画をされまして、これは未然に回避をされたのでありますけれども、その際に、政府が最低賃金について一つの制度をつくるというお約束をなすったと記憶をいたしております。ところが、その結果、二年後の、すなわちいまから八年前の三十四年に出てきましたものは、いま大臣も触れられました業者間協定を中核とするいわゆる現行最低賃金法でありまして、これは労働者側から申しますと、要求とは似ても似つかない形だとして非常な不満を呼んで、今日までこれを一律最賃制に持っていくための努力が、私は労働組合側はもちろん、政府側においてもある程度そういう方向をとってこられたのではないかと理解をいたしております。ですから、現在の最低賃金法というものは、いわば似て非なる、いわゆる最低賃金制の名目はとっておるけれども、実質は最低賃金制度の本質から見まして遠いものである、こういうふうに考えられますし、また、現実的に考えましても、すでに実効のたいへん薄い、いわゆる低賃金に呻吟する者をなくしていくという、そういう考えからいいますと、非常に実効の薄いものに私はなっているのではないかと思いますが、その点いかがでございますか。
この発言だけを見る →早
早川崇#9
○早川国務大臣 長谷川委員も御承知のように、最近、若年労働力が非常に不足をしてまいりまして、社会的、経済的背景が初任給一万六千円、大産業で二万円、こういうふうになっている現状でございますので、大企業の勤労者の場合には、いわゆる最賃というものの必要性が非常に薄くなってきていることは御承知のとおりであります。問題は中小企業——中小企業でも人手不足でありますから、一万ちょっとくらいではなかなか人が来ないという実情でございます。しかし、いわゆる移動できない勤労者をかかえている人というのは——移動できる勤労者の場合には、若年初任給というものは経済法則で平均化してくる。そういう地域、そういう業種を考えまして、業者間協定が結ばれてないところには、十六条方式によりまして労使、公益三者の審議会に御立案を願いまして職権最賃を設けております。これは業者間協定より少し高い。それからさらに、労働大臣として考えなければならないのは、やはり家内労働、これはいわゆる外へ出て自由に移動できない事情にある勤労者、これにはどうしても低い労賃でございますので、これに対しては、最近ようやく山梨と、もう一カ所奈良で家内労働の最賃ができました。しかし、それでは不十分でありますから、長沼さんを会長にした家内労働調査会というものを設けまして、ほんとうに移動できない。自分のうちで仕事をしなければならない、これは経済法則によって賃金が平均化しない境遇にございますから、そういった面の最賃、標準賃金というものも合わせまして実現をいたしたいと考えておるわけであります。御質問の、最賃法ができたけれどもあまり効果が発揮できない、私はそう思っておりません。
この発言だけを見る →長
長谷川正三#10
○長谷川(正)委員 それでは端的に伺いますが、現行最賃法でも、これができてから八年経過する間に、成果としてどういう成果があがったとお考えか、また、欠陥としてどういう点に欠陥が出てきているとお考えか、これをお伺いします。
この発言だけを見る →早
早川崇#11
○早川国務大臣 最賃法の適用になりました中小企業の勤労者が五百三十万人にものぼっております。そうして、特別に低い最低賃金というものはそれで是正されて、勤労者の福祉向上に大いに貢献しているということを御了解賜わりたいと思います。
この発言だけを見る →長
長谷川正三#12
○長谷川(正)委員 いま成果だけお話しになったんですが、欠陥としてどういうことをお考えになっているかということ、このほうが、私はむしろ、特に労働者を保護する任務を持つ労働省としては、最もこれを的確につかんでいなければいかぬと思うのですが、いかがですか。
この発言だけを見る →早
早川崇#13
○早川国務大臣 むしろ、使用主のほうからたいへんな反対と苦情があるわけです。特に職権十六条方式なんかは、中小企業の雇用主からは、最賃を設けられますと、設備の近代化とか生産性の向上がそう大企業みたいにできませんので、これは中小企業がつぶれやせぬかとずいぶん反対が強いわけであります。その反対を押し切って、労働省の労働基準局が職権最賃を設けたところもずいぶんございます。そういう次第でございますから、これはあくまで最低賃金でこうしろというのじゃありません。そこの保障でございますから、大きい欠陥があるということは考えておりませんが、しかし、ILO二十六号条約の精神からいいますと、業者間協定というのは、その最賃の決定の原案を提案する権限が業者だけであるというのは少し疑義がある。最終的には労使、公益三者の審議会で決定するんですけれども、イニシアチブをとる権限が使用者側だけだというのは、これはやはりILOの精神からいいまして一〇〇%いいとは申し上げられない。そういう点は、最低賃金審議会でひとつ改正につきまして御検討賜わりたい、こういう意思表示ははっきり申しておる次第でございます。
この発言だけを見る →長
長谷川正三#14
○長谷川(正)委員 欠陥として、業者間協定というのはILOの二十六号の精神から見て必ずしも完全に合致しないというお話で、何かそれはほんの少しの欠陥かのようなおっしゃり方だと思うのですが、むしろこれは一番基本的な問題であって、最も致命的な欠陥ではないかというふうに考えるのが正しいんじゃないかと思います。致命的ということばはちょっと大げさかもしれませんけれども、本来的に言いますと、そうではないか。十六条方式にたよるというようなことは、本来最も望ましい姿でないんじゃないか。賃金が何によってきまっていくかということを考える場合、最低賃金制の場合も、もちろん私はそこが一番大きな欠陥じゃないか。また、実効の上からも、先ほど五百三十万にのぼる働く人たちがこれの適用を受けることになったということを大きな成果としておっしゃったと思います。もちろんゼロから出発したとすれば大きい成果には違いありませんけれども、基幹産業、大産業以外の中小企業の、この最低賃金制等によって生活を向上させることのできる、一つの水準に達することのできる層と見られる日本の労働者は、全体で何人ぐらいあると押えておいでになりますか。
この発言だけを見る →早
早川崇#15
○早川国務大臣 これはなかなかむずかしい問題ですが、いわゆる被雇用者が二千万人、その中で女子労働者が九百万人、中小企業はその三分の二とか、あるいは零細企業が幾らとか、こういうことになるわけでありまするが、全般的に見ますと、御承知のように若年労働力というものは非常に不足してきておるわけで、安い、いわゆる低賃金では来ないんですね、はっきり申しますと。ですから、どうしても最賃を設けなければならない。たとえば、総評なんか一万五千円最賃といっていますけれども、現実に相当しっかりした中小企業は——大企業はもちろんのこと、初任給は非常に高くなっているわけです。そうでない、ほんとうに安い初任給という範囲は、私はかなり限られてくるんではないだろうか。ただし、もう一つ考えなければならないのは家内労働者、これが大体八十万人おります。奥さんとか外に出てフルタイムに働けない勤労者、これは一時間労働が二十五円とかいうような、十時間働いて三百円とか、移動できない、フルタイムで働けない、子供をかかえている、こういう勤労者は、そういう賃金が上昇する経済の原則からはみ出るわけですね。この問題につきましては、労働省としては真剣に早く検討しなければなりませんから、審議会でこの問題もあわせまして結論を出したい、いわゆる中小企業、零細企業の最賃審議会と並行して努力をいたしておるわけで、結論が出ましたら御審議を賜わりたいと思います。
この発言だけを見る →長
長谷川正三#16
○長谷川(正)委員 いろいろ家内労働等に御着目をいただいて真剣に討議をされるということはたいへんけっこうだし、ぜひそうでなくちゃならないと思いますが、私のお聞きしました御答弁として、二千万人ということをおっしゃったのは、これは全体を含めての意味だったので、私が伺ったのは五百三十万人ということをおっしゃいましたが、最低賃金制を必要とする労働者の数をどのくらいと押えていらっしゃいますかと伺いました。その数をひとつ明確におっしゃっていただきたい。むずかしい点もあろうと思います。基準の引き方で若干動きもあると思いますが、労働省としてはどう考えておられるか。それから、業者間協定というのが二十六号条約に照らして疑義があるとおっしゃったが、そこに現在の最低賃金法の大きい欠陥があるというふうに考えられないかどうか。この二点についてお尋ねしたわけですから、それを明確にひとつお上願いいたします。
この発言だけを見る →村
村上茂利#17
○村上(茂)政府委員 大臣から先ほど御答弁申し上げましたように、最低賃金制を実施すべき労働者数ということになりますと、取り方によりましてかなり数が違ってまいりますが、私ども、その必要性の一番大なるものは、いわゆる中小企業に属する労働者であると存じております。概数約千三百万、その中で中央最低賃金審議会が、従来業者間協定を進めるについても、まず必要業種を選定して、それに最低賃金額の目安をきめまして、そして単なる業者だけの決定じゃなくて、最低賃金額の目安をきめた、その額に接近せしめるように、適合せしめるように努力すべし、こう考えました対象労働者は約五百万近くでございます。先ほど大臣が申し上げました最賃の適用労働者五百三十万、その中で約四百数十万というものは、この必要業種として選定いたしましたその労働者に見合う数でございまして、中小企業全体で申しますと、千三百万に対する五百三十万でございますけれども、審議会が必要と認めた業種につきましては、八〇%近くが一応最低賃金の決定を見た、こういう姿になっております。しかし、それ以外の労働者が非常に多いわけでございまして、それを今後どうして適用拡大していくかということに今後の重要な課題があるわけでございます。
この発言だけを見る →長
早
長
長谷川正三#20
○長谷川(正)委員 それでは、この実情に合わないという点についてちょっと具体的に申し上げますが、労働省の四十二年二月の発表によりましても、最低賃金制の実施状況の金額のランクを見ますと、四百五十円から四百五十九円というところが一番多くなっている。これは四百五十円として押えますと、三十五日として月一万一千二百五十円ですね。ところが、同じ労働省の昨年六月の中卒の初任給の平均を見ますと、一万四千八十円というようになっていると思います。これを出校しただけでも、いまの業者間協定を中心としております最賃制というものが、二年半から三年近く賃金の水準から見ておくれていると申しますか、そういう感じがいたしまして、非常に意味が薄くなっているのじゃないか。ことしの東京都の労働局の発表によりますと、中学卒の初任給は男で一万五千六百七十円、女で一万五千九十円というふうに推定を発表されております。これらから見ましても、どうも実情に非常に即してないと思いますが、いかがですか。
この発言だけを見る →早
早川崇#21
○早川国務大臣 三年前の業者間協定の最賃は、確かにお説のとおりだと思います。その後、職権最賃あたりは五百六十円を上回っているところもございます。しかし、いずれにいたしましても、経済全体からいいまして、若年労働力の不足現象が急速に中卒者の初任給を引き上げた、これがまた中小企業の採用の場合にもやはりそうなってきておる。ですから、いまの経済情勢全般から見ますと、人手が多過ぎた時代の最賃の緊要性というものが薄らいできていることは、私は事実だと思います。同時に、そういう三年前の最賃ではもう人がこない。でございますから、その後もどんどん最賃はかさ上げされておると思いますけれども、なおその後の状況につきましては局長から御報告させます。
この発言だけを見る →村
村上茂利#22
○村上(茂)政府委員 先生御指摘のように、初任給が上昇しておるということは確かでございます。ただ、これは地域的に見ますとだいぶん格差がございまして、初任給の中位数、まん中どころをとってみますと、東京で二万四千九百七十円といった数字になっておりますが、たとえば青森ですと一万百三十円とか、あるいは佐賀では一万九十三円、こういったことで、若干の地域的格差があるのが現状でございます。
ところで、そうはいうものの、最賃の額との見合いはどうか、こういうことになりますわけでございますが、現在やっておりますのは最低が四百十円、最高が五百二十円という幅がございますが、目安をつくりまして、それに適合するように業者間協定を指導しておるような次第でございます。そして、逐年その最賃の決定されます金額がだんだん引き上がってまいっておりまして、現在は四百五十円前後から五百円のものがだんだんふえてきておる、こういうことでございます。
ただ、最低賃金制度そのものが初任給だけを対象にするものか、あるいは中高年層のおばあちゃん方もおるわけでございますが、そういう方をもどう扱うかといった適用労働者の問題でいろいろ幅がございます。御承知のように、全部の労働者ひっくるめるわけでございますので、最近の傾向として、若年労働力が不足するために初任給は上がる、ところが、中高年齢労働者はまだおる、それにも適合する最低賃金ということで、若干の乖離が生じてきておるということはいわれます。しかし、これは賃金額の目安をさらに改定することによりまして、情勢に適応するという努力は今後なされなければならない、かように私ども存じておるわけでございます。問題点意識としては承知しつつ、さらに目安の額についてこれを適正化いたしたい、こういうことでございます。
この発言だけを見る →ところで、そうはいうものの、最賃の額との見合いはどうか、こういうことになりますわけでございますが、現在やっておりますのは最低が四百十円、最高が五百二十円という幅がございますが、目安をつくりまして、それに適合するように業者間協定を指導しておるような次第でございます。そして、逐年その最賃の決定されます金額がだんだん引き上がってまいっておりまして、現在は四百五十円前後から五百円のものがだんだんふえてきておる、こういうことでございます。
ただ、最低賃金制度そのものが初任給だけを対象にするものか、あるいは中高年層のおばあちゃん方もおるわけでございますが、そういう方をもどう扱うかといった適用労働者の問題でいろいろ幅がございます。御承知のように、全部の労働者ひっくるめるわけでございますので、最近の傾向として、若年労働力が不足するために初任給は上がる、ところが、中高年齢労働者はまだおる、それにも適合する最低賃金ということで、若干の乖離が生じてきておるということはいわれます。しかし、これは賃金額の目安をさらに改定することによりまして、情勢に適応するという努力は今後なされなければならない、かように私ども存じておるわけでございます。問題点意識としては承知しつつ、さらに目安の額についてこれを適正化いたしたい、こういうことでございます。
長
長谷川正三#23
○長谷川(正)委員 これはいまずっとお話を伺っていまして、どうも全国一律最賃制への熱意といいますか、そういったものが、時代が進むに従って年々前へ進むならいいのですが、どうやらここ四、五年をとってみますと、むしろ政府の態度が後退しているのではないか。早川労働大臣はまだお若くて、自民党でもこれから先をになう方のように考えまして大いに期待をしておったのですが、先ほど石田労働大臣がちょっと言ったことがあるというようなことを例に出す程度で、どうも前向きでないという感じがしてならないのです。大体これはあれじゃないですか、中央最賃審議会の前の答申によりますと、四十一年の三月まででひとつ整理をして、新しい法律にしていくということになっていたのではないかと思うのです。そうして、しかも大橋労働大臣の時代から、それでもおそ過ぎるので、一年ぐらい早めて実施をし、改正していきたいというほど非常に積極的な意欲が見えておったように記憶しておるのですけれども、どうもいまの大臣の姿勢あるいは政府の姿勢は、非常に前向きでないように思います。三木外務大臣もおいでですが、近代日本として、先日も非常に格調の高い外務大臣の本会議演説をお聞きしたのですが、ああいう立場からいって、この二十六号条約もまだ批准できないような状態に低迷しているこの日本の労働行政は、恥ずかしいと私は思うのですけれども、いかがでございますか。
この発言だけを見る →三
三木武夫#24
○三木国務大臣 御承知のように、日本は、国連外交、国連に協力するという立場です。そして日本の外交政策の背骨は平和外交ということですから、平和維持機構としての国連に協力していきたい、これがもう外交の産調であるわけです。ただしかし、ILO条約ということになりますと、各国ともやはり内政上の問題、経済、社会状態の相違があって、一律という点にいきにくいのです。ただしかし、これは国連の専門機関でありますから、日本は協力をしておるわけで、青木大使のごときは、いまILOの理事であり、議長である。そういうふうな日本の協力は非常にいたしておるのですが、条約の問題になってくると、各国のいま言ったような内政、社会、経済上の相違があって、必ずしも一律にはいかぬ点があると思うのです、しかし、明年度は人権宣言二十周年というわけでありますから、できるだけ男女同一報酬の問題は国会に提案しようというのです。あと、残っておるのは三つですか、これもできるだけ前向きに考えることが必要である。しかし、いま言ったような各国とも事情があって、それをただ一律というようにはいきにくい。これは何も日本の政府がことにうしろ向きということでもないし、国際的に恥ずかしいというわけでもない。各国ともやはり事情があるわけでありますから、そういうふうに私は考えておるものでございます。
この発言だけを見る →長
長谷川正三#25
○長谷川(正)委員 初めのお答えはたいへんいいのですが、どうも最後へいって逃げてしまって、うしろ向きになってしまったと思うのです。実際、青木さんも議長をつとめておって、肩身が狭いんじゃないかと思うのですね。大体、私の記録をたどってみましたらば、三十八年の四月九日、春闘の共闘の代表と大橋労働大臣がお会いになって交渉した際の回答として、現行法は不完全であり、本格的、最終的なものではない、早晩本格的なものに変えなければならない、こう考えている、こう答弁なすっている。いろいろあるわけですが、大橋労働大臣は、最低賃金制として、資本主義国においても全国一律が考えられ、日本も近代国家として不可能とは考えてない、こういうふうに言っておられますね。これは三十八年四月です。もうだいぶ前の話です。それから翌年の三十九年の三月二十七日に、やはり同様に春闘共闘代表との折衝の中で、同じく大橋労働大臣は、現行法については根本的な改革を行なうべきであると考える、ある程度の地域的例外を認めるならば全国一律制も無理ではないと思う、こういうふうに言っておられます。またそのときに、新しい法律は来年、つまり来年というのは、そのときの時点で言うと昭和四十年のことです、来年の春ごろから準備を始めて、来年末からの通常国会に提出することも考えてみたい。つまり四十年の十二月から始まる通常国会、昨年の通常国会にはもう出したい、ここまで言っておられるのです。それから、同じく大橋労働大臣が三十九年の三月三十一日の衆議院の社労委の答弁で、昨年の最賃審議会の答申は三年間の実績を見て総合的に法律を再検討することになっているが、私としては、せめて一年ぐらい短縮して明年、つまり四十年末の通常国会に提案したい、国会の場でもこのことをはっきり大橋労働大臣が答えておるのであります。
それからまた次の、さっき早川労働大臣がおっしゃった石田労働大臣のときになりまして、石田さんも、これは今度は三十九年の十二月三日の総評の代表との話し合いの際の回答として、現行最低賃金制の役割りはもう果たしたものと思う。現行のものはもうその使命を終わっていると、こういう意味ですね。それから、答申の拡大を通じて積極的に展開していく中で全国一律を含めた検討に進んでいきたい、はっきり全国一律に向かって進んでいきたい、次にあるべきものとしては一律の姿勢を考えなくてはならないと思う、こうおっしゃっているのです。それから、新法案の提出については、審議会のいう四十一年末に総合検討というのはどうかと思うけれども、今度の通常国会には無理だと思う——これは三十九年のことです。前大臣が四十年末の通常国会に提出すると言ったのは、全国一律の問題をひっくるめて検討すると言ったのである、答申を高いところから引き上げる指導の中で全国一律を含めた改正にしよう、こういうふうなことをずっとおっしゃっておるのです。
こういうふうになりまして、私は昨年の予算委員会の議事録を読んでみましたところが、このことで非常に紛糾しておりますね。わが党の委員が全部退場するというような騒ぎを起こしている。これは、この前最賃法案を通すときに政府はうそをついたということを多賀谷委員がついているのです。これは山花委員がついた固定資産税の値上げを三年しないというのを二年にするという問題と二つからめまして、大問題になったのです。多賀谷委員はこう言っておるのです。「国会に対してうそを言っておるでしょう。私、非常に問題だと思うのですよ。国会を欺瞞しているのですよ。法案を通過してもらえれば批准できる、こう言って国会へ出したのです。」これはILO二十六号条約のことです。「その国会で法案が通過したら、批准ができない、こうなっておるのです。そのうちにILOに照会をする、こう言っておるでしょう。そうしてその結論が出たら、すみやかに処置をとるという結論は出たわけですから、そのとおりやってもらいたい、こう言っておるのですよ。もう少し国会に対して責任を持ってもらいたい。ですから、批准できる部分だけを批准して、抵触部分だけを早く改めて、今国会に提案をされたらどうですか。」つまり、いま早川さんもおっしゃっておる業者間協定の問題等は問題がある。だったらさっそくこれを直して、そうして二十六号条約が批准できるように持っていく、こういうように前に言っておいて、実際は批准ができなかったということで追及をされたのに対して、当時の小平国務大臣は明確にこう答えています。これはいま多賀谷さんの例を引きましたが、これはずっと八木昇委員が質問しておった中で、多賀谷委員が関連質問で述べたところをいま申し上げたのですが、ずっと質問をしておった八木委員がこの問題に火をつけたわけでした。大臣はこう答えています。「八木委員の御質問に対しまして、お答えを申し上げます。労働大臣は、中央最低賃金審議会に、現行最低賃金法がILO二十六号条約に適合するよう、すみやかに、その改正案を求めるため、諮問をいたします。」こう言っております。早川労働大臣のさっきのお話だと、この線に沿って諮問をしておるのですか、どうですか。
この発言だけを見る →それからまた次の、さっき早川労働大臣がおっしゃった石田労働大臣のときになりまして、石田さんも、これは今度は三十九年の十二月三日の総評の代表との話し合いの際の回答として、現行最低賃金制の役割りはもう果たしたものと思う。現行のものはもうその使命を終わっていると、こういう意味ですね。それから、答申の拡大を通じて積極的に展開していく中で全国一律を含めた検討に進んでいきたい、はっきり全国一律に向かって進んでいきたい、次にあるべきものとしては一律の姿勢を考えなくてはならないと思う、こうおっしゃっているのです。それから、新法案の提出については、審議会のいう四十一年末に総合検討というのはどうかと思うけれども、今度の通常国会には無理だと思う——これは三十九年のことです。前大臣が四十年末の通常国会に提出すると言ったのは、全国一律の問題をひっくるめて検討すると言ったのである、答申を高いところから引き上げる指導の中で全国一律を含めた改正にしよう、こういうふうなことをずっとおっしゃっておるのです。
こういうふうになりまして、私は昨年の予算委員会の議事録を読んでみましたところが、このことで非常に紛糾しておりますね。わが党の委員が全部退場するというような騒ぎを起こしている。これは、この前最賃法案を通すときに政府はうそをついたということを多賀谷委員がついているのです。これは山花委員がついた固定資産税の値上げを三年しないというのを二年にするという問題と二つからめまして、大問題になったのです。多賀谷委員はこう言っておるのです。「国会に対してうそを言っておるでしょう。私、非常に問題だと思うのですよ。国会を欺瞞しているのですよ。法案を通過してもらえれば批准できる、こう言って国会へ出したのです。」これはILO二十六号条約のことです。「その国会で法案が通過したら、批准ができない、こうなっておるのです。そのうちにILOに照会をする、こう言っておるでしょう。そうしてその結論が出たら、すみやかに処置をとるという結論は出たわけですから、そのとおりやってもらいたい、こう言っておるのですよ。もう少し国会に対して責任を持ってもらいたい。ですから、批准できる部分だけを批准して、抵触部分だけを早く改めて、今国会に提案をされたらどうですか。」つまり、いま早川さんもおっしゃっておる業者間協定の問題等は問題がある。だったらさっそくこれを直して、そうして二十六号条約が批准できるように持っていく、こういうように前に言っておいて、実際は批准ができなかったということで追及をされたのに対して、当時の小平国務大臣は明確にこう答えています。これはいま多賀谷さんの例を引きましたが、これはずっと八木昇委員が質問しておった中で、多賀谷委員が関連質問で述べたところをいま申し上げたのですが、ずっと質問をしておった八木委員がこの問題に火をつけたわけでした。大臣はこう答えています。「八木委員の御質問に対しまして、お答えを申し上げます。労働大臣は、中央最低賃金審議会に、現行最低賃金法がILO二十六号条約に適合するよう、すみやかに、その改正案を求めるため、諮問をいたします。」こう言っております。早川労働大臣のさっきのお話だと、この線に沿って諮問をしておるのですか、どうですか。
早
早川崇#26
○早川国務大臣 私は、そういった速記録を全部目を通しました。しかし、石田君にしましても、大橋さんの労働大臣の時代にしましても、全国一律制は理想であるけれども、それに至る道程というものにはいろいろ方法があるから、審議会には全国一律、全産業一律最賃をも含めて検討したいという答弁になっておるわけであります。私も審議会に対しましては、総評などが要求しておる全国一律、全産業一律最賃というものも含めて御検討をいただきたい、こういうことでおるわけであります。ところが、この最終段階になりまして、同盟、中立労連の代表は参加されておるわけでありまするが、総評の代表の方が審議会から中途から出ていきまして、ボイコットしておる。私は、そういう自己の意見というものが通らないならば一切審議会に入らないといういき方でなくて、それは、理想としては、使用者側も意見がありましょうし、公益委員も意見がありましょうし、同盟も意見がありましょうし、そういう全部の最大公約数というように、一歩でも二歩でもILO精神に沿うように業者間協定を直していくとか、あるいは一挙に全国一律方式が無理なれば、地域別あるいは産業の幅も広げてもいいじゃありませんか、そういうことが民主的な前進への道である、こう考えまして、有沢会長からも総評の委員に、早く入ってきて意見を述べてもらいたい、こう言っておるわけでございます。そういう意味で、長谷川先生も首教組御出身でありますから、やはりそういう御意見は御意見として、ひとつ審議会に入って、ILOに適合するような最賃という方向まで御努力を賜わりたい。そうしなければ、総評が入っておらぬ審議会で多数決で結論を出して国会に提案するということは、民主的な政治を理想とする私としてはなかなかやりにくい、こういうことだと私は思います。
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長谷川正三#27
○長谷川(正)委員 私も御質問を申し上げようと思った点にもお触れになったのですが、なぜ総評の代表が参加を拒否したか、これを私は逆に伺いたかったのです。単に自分の主張が通らないから出ない、そういうことでは絶対ないと思うのです。これは総評でも、最賃法ができたときにこの審議会に参加するかどうか、大きな議論があったところでありますけれども、先ほどちょっと触れたように、似ても似つかぬ最賃法ではあっても、やはり中に入って主張すべきものは主張しようということで入った。そうして、さっき私が申し上げたように、大橋労働大臣から石田労働大臣を通じて、前向きの姿勢でずっときておった。早川労働大臣も理想ということばを使われましたけれども、全国一律の最賃制というのが正しいし、そういう方向へ向かって努力したい、こういうことを絶えず言い続けてきた。ところが、この段階になってその態度が後退して、冒頭にも申し上げたとおり、何か並列的ないろいろな場合がただあり得るのだという程度の姿勢に逆転をしましたので、その不誠意をなじって、反省を求めるために出ないという態度をとっておると私は思うのです。出ないことが目的ではなくて、せめて政府に、一律最賃制に向かって努力するという方向、そういう方向性を出して、その間には、もちろん国内の事情によってこういう段階を踏まなければならないとか、こういう地域的配慮が必要だとかいうことはあるかもしれません。あるかもしれませんが、最賃制の本来のあるべき姿に向かって積極的に進むという姿勢を示してはかってないところに、ついに審議会に参加できないという態度をとらざるを得なかった。政府のいままでの態度をひるがえした、この不誠意を追及してのあらわれだと私は思うのです。私どもが考えても当然そういうふうに考えられます。ですから私は、この点を政府がどうしてももう一つ踏み込んで、総評の代表もすみやかに審議会に参加して審議が進むように、一律最賃制への熱意というものを前向きに示す必要があると思いますが、いかがですか。
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早川崇#28
○早川国務大臣 ILO二十六号条約は、全国一律最賃制を規定した条約ではございません。ILO二十六号条約でこの予算委員会で紛争が起こったのは、業者間協定が実は疑義があるのだ、労使同数でなければならぬ、そこが問題で、それはどうしても改めたい、そこへ、世界各国では、先進国でも、沖繩と、アメリカの州にまたがる企業だけより採用しておらない全国一律最賃制、あるいは全産業一律最賃制という御要望が入ってきたわけであります。そこで、これは石田労働大臣もと言われましたが、理想論として、地域格差もない——沖繩のように小さい県、あるいは産業別のいろいろな格差もないとき、いわゆる理想の形においてはそうでありましょう。しかし、ちょうど軍備がないのが理想ですけれども、現実に軍備を持たなければならぬのと同じような意味でありまして、それぞれの国情によりまして、産業の分布状態によりまして、フランスでもイギリスでも、先進諸国は全国一律制、全産業一律制の最賃をとっておらぬわけであります。しかし、それも一つの有力な御意見として、そして使用者側、公益委員、ほかの労働組合の方と審議会で御論議願って、われわれねらうのは、ILO精神に抵触する疑義のある問題だけでも一歩前進できれば、それは勤労者のためにいいことじゃないか、こういう立場で臨んでおるわけでございますから、あくまでILO二十六号の精神に沿った最賃法をつくりたいという熱意は、従来の労働大臣と比べて決して劣るものではないということだけは御了解賜わりたいと思います。
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長谷川正三#29
○長谷川(正)委員 大臣おっしゃるように、ILO二十六号が一律最賃制を規定しているものでないことは、そのとおりです。これは最賃制そのものの精神からいって、労働者側の要望にこたえるべきだ、それが正しいということを、私は、必ずしも三十六号条約にこだわらずに申し上げているわけです。
それで、よく地域格差、地域格差とおっしゃるのですが、この最賃制の一番大事な精神からいいますと、日本の実情は、地域格差の問題で、この問題を適切でないということはできないと思うのです。というのは、東京にもひどい賃金が存在しているのです。それから、非常に日の当たる産業といわれるその産業別に見ましても、どの産業の中にもやはりひどい低賃金が存在しているのです。それはおわかりでしょう。平均の賃金からいってしまうと、あるものは悪くてあるものはいいように見えますけれども、個々の一人一人の労働者を保護するという立場から見たときには、地域的にも、業種的にも、どこにも非常にひどい劣悪な賃金のものがおるのですよ。ですから、全国一律が正しいし、そう持っていかなければならない、そうでないと前近代的な姿が産業の中にいつも残っていく、こういうことを私は申し上げているのです。
そこでこの点は、時間がありませんから、一律制をぜひひとつ前向きの、少なくとも前の姿勢をもっと進める方向にひとつお若い早川労働大臣あたりが推進をしていただかなければならないという意味で要望をいたしますが、いまもお話のあった二十六号条約については、これは実際批准をする気があるのかないのか、明確にひとつお答えを願いたいと思います。
この発言だけを見る →それで、よく地域格差、地域格差とおっしゃるのですが、この最賃制の一番大事な精神からいいますと、日本の実情は、地域格差の問題で、この問題を適切でないということはできないと思うのです。というのは、東京にもひどい賃金が存在しているのです。それから、非常に日の当たる産業といわれるその産業別に見ましても、どの産業の中にもやはりひどい低賃金が存在しているのです。それはおわかりでしょう。平均の賃金からいってしまうと、あるものは悪くてあるものはいいように見えますけれども、個々の一人一人の労働者を保護するという立場から見たときには、地域的にも、業種的にも、どこにも非常にひどい劣悪な賃金のものがおるのですよ。ですから、全国一律が正しいし、そう持っていかなければならない、そうでないと前近代的な姿が産業の中にいつも残っていく、こういうことを私は申し上げているのです。
そこでこの点は、時間がありませんから、一律制をぜひひとつ前向きの、少なくとも前の姿勢をもっと進める方向にひとつお若い早川労働大臣あたりが推進をしていただかなければならないという意味で要望をいたしますが、いまもお話のあった二十六号条約については、これは実際批准をする気があるのかないのか、明確にひとつお答えを願いたいと思います。