社会労働委員会

1967-06-08 参議院 全9発言

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会議録情報#0
昭和四十二年六月八日(木曜日)
   午前十時三十八分開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         山本伊三郎君
    理 事
                土屋 義彦君
                丸茂 重貞君
                佐野 芳雄君
                藤田藤太郎君
    委 員
                黒木 利克君
                佐藤 芳男君
                山下 春江君
                山本  杉君
                横山 フク君
                大橋 和孝君
                小平 芳平君
   国務大臣
       労 働 大 臣  早川  崇君
   政府委員
       労働大臣官房長  辻  英雄君
       労働省労政局長  松永 正男君
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  本日の会議に付した案件
○労働問題に関する調査
 (国際労働条約の諸問題に関する件)
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山本伊三郎#1
○委員長(山本伊三郎君) ただいまより社会労働委員会を開会いたします。
 労働問題に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。御質問のある方は、順次御発言を願います。
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藤田藤太郎#2
○藤田藤太郎君 社会労働委員会において、特に労働問題に関しましては、一九一九年にできたILO、日本は今日常任理事国でありますが、ILOには百十幾つという条約が結ばれて、特に常任理事国である加盟国が率先して批准し、その条約を実現していくというたてまえで成り立っているのがILOだと、私はそう思いますので、このILO問題について今日までしばらく問題を明らかにしなかったので、この国会ではILO問題と日本の労使関係、労働保護問題を明らかにしていかなければならぬ、こう思っているわけですが、きょうは大臣がお忙しいようでありますので、この次の労働関係の委員会から具体的に質問や議論をしたい、こう思うわけであります。そのために、きょうはILOに関する数点の資料や考え方を聞いておいて、この次の委員会から始めたいと思います。
 第一点は、これは昭和三十三年、四年に、労働省をはじめ、通産省や外務省や関係省に来てもらって一緒に審議したことがございます。それからちょうど十年たちました。ですから、労働者側も理事に入る、政府側も常任理事国であるという状態で、十年間にILOも進歩しましたし、日本の政府も、国といたしましてもILOと取り組んできたのでありますから、今日ILO条約をどれだけ批准しているかという一覧表をひとつ出していただきたい、この次の委員会までに。それから、最近に批准したいという考え方の条約は何かということを出していただきたい。それから、根本的に勧告の取り扱いをどうしているか、これも明らかにしていただきたい。それから、来年は国際人権の年でありますから、人権年といわれて、関係の条約が七つほど出ているわけであります。これに関する条約ばかりじゃなしに、勧告も、人権というものを尊重するたてまえから条約もつくられ、勧告もありますから、これの取り扱いは、来年までに条約は批准されるのか、されないのか、勧告の取り扱いをどうされるか、こういうこともひとつ来週までに明らかにしてもらいたい。それから、ILOには毎年総会があるわけです。総会でいつも次官や大臣がお行きになるわけですが、肝心の労働行政に非常に関係のある立法府の社会労働委員会がつんぼさじきで今日まできているわけです。報告すらない。だから、その総会でどういう議論がされ、どういう条約や勧告がきめられ、また、決議がきめられたかということをやはり文書によって明らかにしてもらいたい。だから、私は労働省に資料があると思います。私も行ったことがあるわけですが、集約してそれだけ資料こしらえて政府に保管するだけじゃどうにもならぬ、これは立法府に出してもらいたい。いまやっているのでありますから、昨年のやつ、できる限りのものを出してもらいたい。集約して冊子にしたやつがあると思う。
 それから、各国の労使関係を見ると、やはりILOを基準にして、何といいますか、ILOの精神をくんでいろいろの労使関係や、それから、労働時間から賃金のきめ方から、いろいろのものが皆さまっている。特に百二号条約のように、社会保障の最低基準をきめる条約すらたな上げになっているのでどうにもならぬという状態です。これは労働省ばかりじゃないと思いますけれども、日本の政府がILOというものに対してもっと関心を持たなきゃいかぬのではないか。一九四四年のフィラデルフィア宣言であらわしているように、まあ私は言いませんけれども、要するに組織の自由、いずれかにおける貧乏は全体の繁栄の障害になるという大精神のもとにILOが再出発している。こういうことも国内政治には非常に影響のあるものだと、私はそう思っておるわけであります。だから、ここで大臣に、このいろいろの問題はこの次の週からやりますから、これに関係した資料を一週間の間に細大ひとつ並べてもらいたい。
 ただ、大臣にお聞きしておきたいのは、ILOとどう取り組もうとしているのか、いままで全く社会労働委員会はつんぼさじきだったわけですから、どう取り組もうと政府はしているのか。来年は国際人権年といわれている。関係条約をどうしようとしているか、この二つだけ私は聞いておきたい。
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早川崇#3
○国務大臣(早川崇君) ILOにつきましては、わが国の政府といたしましても、労働者の福祉向上の国際機関として、常にその精神を尊虚し、今日まで二十五の条約につきまして批准をしてまいった次第でございます。なお、今回国会におきまして、男女平等の条約でございますILO百号条約というものをすでに国会に批准をお願いをいたしておるわけでございます。さらに、IKO二十六号条約の関連におきまして、最低賃金の法律を、ILO精神に沿って、労使、公益三者構成に直していくという最賃法の改正案も提案いたしておりまするのは、国会の御審議で、ILO二十六号条約と少し関連して疑義があるんじゃないかという、いろいろな御議論を尊重いたしまして最賃法の改正案を出しております。これが成立をし、実施になりますと、ILO二十六号条約というものを批准をいたしたいというつもりの法律案を提案いたしておるわけであります。来年は国際人権イヤーでありまするので、むろんそれまでに少しでも多く条約を批准をいたしまして、国際間における日本の地位を高めたい、こういう念願で努力をいたしておる次第でございます。
 なお、ジュネーブにおけるILO総会の代表、あるいは顧問というのは、従来とも政府代表ということになっておりまして、残念ながら、国会の先生方に御出席願えないのは遺憾でございますが、実は今回の代表団の派遣につきましても、事務当局に国会の先生にひとつ政府代表なり政府顧問になってもらう方法はないかと、ずいぶん検討していただいたのでございまするが、残念ながらそういう方法も見出せませんでしたわけでございまして、しかしながら、ILO総会の決議とか、あるいは勧告とか、そういった資料は国会に従来とも提出いたしておるようでございますけれども、今後、御要望の有無にかかわらず、ILOの資料は国会に提出して御参考に供したいと、かように思っております。
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藤田藤太郎#4
○藤田藤太郎君 ILOに参加していくという意義については、意義としては認めるが、いま私はその問題を取り上げているわけじゃなしに、そのILO全体の中でどういうことが議論されたかという収録を出してもらいたい。きまった条約だけをぽっと文書箱にほうり込まれてもどうにもならぬわけです。ですから、そういうことでなしに、各年にILOでどういうことをなされたかということを私は申し上げているわけです。
 もう一つ、これはいずれあとで議論することですけれども、一つ申し上げておきたい。ILOというのは、一九三七年に日本が三国同盟で脱退をした。それから、戦後の国際間のつながりをまずILOからということで、労使、政府、国一体となってILO加盟促進運動をやった。加盟促進運動をやってようやくILOに参加ができて、経済的な、文化的な、社会的なつながりを世界の国と伍していくように敗戦の日本がなった。ところが、その当時は、百二号の、たとえば社会保障の最低基準の条約なんかは、これまた国内で労使、政府三者で検討して、これとこれを直せば、昭和二十五、六年ごろから始まって、もう批准できるというところまでなっておって、そうしてそれがILOに加盟ができて労使の代表がILOの総会に臨んだ。そうしたら、あんな三者構成でそのきまったものは日本の国は受け入れない、受け入れられない。だから、日本の経営者団体としてはILOボイコットだ。ILO運動もボイコットなら、批准の問題についても、ああいうかっこうできめるようなことじゃボイコットだといって、一切ILO協会という促進団体から手を引いてしまった。それから条約というものが全部とまってしまった。政府も無関心だ。そういう歴史を、ここ十年、十二、三年を振り返ってみると、ILOが、日本の立場だけ抗弁をするために常任理事国として行っているけれども、国内のILOに関係した労働問題なんというものは無関心で今日まで来ているというのが今日の日本の歴史。大臣は今度なられたんでありますから、そういうことを振り返ってみてもらって、日本とILOのつながりという、いかなる日本が立場にあって、ILOできまったもの、世界の労使関係、労働保護というものはいかにあるべきかということを真剣にひとつ取り組んでもらいたい。私はいまここで答弁を云々といいませんけれども、来週からそういう問題について提起をいたしますから、どうすればよいかという御相談をいただいて、かまえをいただいて今度の委員会に臨んでいただきたいということを私はお願いをしておきたいと、こう思うわけであります。
 それにつけ加えて、私は、資料ですが、各国の労使関係、ILOを批准して、各国の労使関係というものが、特にヨーロッパの国は、非常にILOの決議、条約、勧告決議、その他運営の問題、労働保護の問題は、社会保障を含んで、非常に深いつながりを持っているわけであります。ですから、ILOと、後進国のことはいいませんけれども、先進国といわれているヨーロッパ各国の労使関係にはどうつながっていま取り組んでいるか、そういう資料もできたらひとつ出していただきたい。
 それから、世界各国のILO条約に対する批准状況、一覧表がありますから、これもひとつ出していただきたい。そうして来年の国際人権年に対する答え、それから、日本がいまたった二十五しか批准していないというようなことは、十年前から何ぼふえたかというと、三つですか、昭和三十三年当時から三つくらいしかまだ批准していない。一年ごとに一つとか二つ、三つ条約をつくって、その前の一九一九年からの条約というものはたくさんあるわけですけれども、ほうっておるといっていいと思う。そういう問題をやっぱり社会労働委員会で進めなければならぬと私は思う。ただ、労働省が、むろんILOの精神に沿って、熱意を持って処理されるならわれわれも応援をします。しかし、ほっぼらかされておるなら、私はここが推進機関だと思いますから、そういう資料もひとつ出していただきたい。
 それから、もう一つは、いまのILOの代表というのは、政府代表が二名、それから顧問、労使代表が一名ずつ、労使代表の顧問というぐあいに行っているわけですね、行っているわけですけれども、行くことは行くけれども、たとえばわれわれ社会労働委員会には、大臣や次官がまず行って帰ってくる。ILOへ行って帰ってきましてから、いままで帰ってきましたというあいさつが何もない、口でも。あえてあいさつしてくれというわけではないけれども、かくかくのことがあって、かくかくのような議題がありましたというような、世界の労使状態はどういうものが議論されましたくらいのことはここへ報告してあたりまえだと私は思う。口で言わなくても、書類で報告するのはあたりまえです。そういうことをされていないので、これも先ほど申し上げましたように、資料をそろえて出していただきたい。きょうはあまり多く申し上げませんけれども、いまの私どもの討議する資料なんかにしていただきたい。
 それから、もう一つは、昭和三十二、四年に、私は、私ばかりとは申しませんが、何回もILO関係の質疑がいままでずっと行なわれて、集約的にILO批准小委員会というものが社労委員会の中でつくられて、これで何回か開かれておりまして、三国会やられている。結論として、たとえば百五号の批准をいたします、誠意をもってやりますというようなことをいわれっぱなしで、それもそのままになっているわけですが、ですから、そこらの関係の議事録も、十年前のことですから、なかなかさがすのはたいへんでしょうから、新しいほうの関係の議事録などを集約して、資料として提出していただければ非常にけっこうだと私は思いますから、それをひとつ出していただきたい。これだけはお願いしておきます。
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辻英雄#5
○政府委員(辻英雄君) ただいま先生から御指摘のございました資料につきましては、できる限り取りそろえて提出させていただきたいと思います。
 なお、各外国の、ヨーロッパの労使関係で、ILO関係ということになりますと、直ちにできますかどうか、確信は持てませんが、御趣旨に沿うようにできるだけ効力をいたします。その他の具体的な資料につきましては、すみやかに提出させていただくようにいたします。
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藤田藤太郎#6
○藤田藤太郎君 もう一つお願いしておきたいのですが、ユネスコの教員関係の決議、取り扱いの資料、待遇等の資料などでございましたら、あれはユネスコは文部省関係になりますか、あるいは労使関係になりますから、労働省でその関係の書類を取りそろえてもらいたいと思います。
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辻英雄#7
○政府委員(辻英雄君) 文部省と連絡いたしまして、提出するようにいたしたいと思います。
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山本伊三郎#8
○委員長(山本伊三郎君) 他に御発言もなければ、本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十六分散会
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