外務委員会
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会
会議録情報#0
昭和四十五年四月二十七日(月曜日)
午後一時二十一分開議
出席委員
委員長 田中 榮一君
理事 青木 正久君 理事 坂本三十次君
理事 田中 六助君 理事 永田 亮一君
理事 山田 久就君 理事 戸叶 里子君
現事 大久保直彦君 理事 曽祢 益君
石井 一君 野田 武夫君
福田 篤泰君 藤波 孝生君
豊 永光君 堂森 芳夫君
松本 七郎君 中川 嘉美君
樋上 新一君 不破 哲三君
出席国務大臣
外 務 大 臣 愛知 揆一君
出席政府委員
外務政務次官 竹内 黎一君
外務省アメリカ
局長 東郷 文彦君
外務省条約局長 井川 克一君
外務省国際連合
局長 西堀 正弘君
委員外の出席者
外務省アジア局
外務参事官 金沢 正雄君
外務委員会調査
室長 吉岡 俊夫君
—————————————
本日の会議に付した案件
国際情勢に関する件
————◇—————
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出席委員
委員長 田中 榮一君
理事 青木 正久君 理事 坂本三十次君
理事 田中 六助君 理事 永田 亮一君
理事 山田 久就君 理事 戸叶 里子君
現事 大久保直彦君 理事 曽祢 益君
石井 一君 野田 武夫君
福田 篤泰君 藤波 孝生君
豊 永光君 堂森 芳夫君
松本 七郎君 中川 嘉美君
樋上 新一君 不破 哲三君
出席国務大臣
外 務 大 臣 愛知 揆一君
出席政府委員
外務政務次官 竹内 黎一君
外務省アメリカ
局長 東郷 文彦君
外務省条約局長 井川 克一君
外務省国際連合
局長 西堀 正弘君
委員外の出席者
外務省アジア局
外務参事官 金沢 正雄君
外務委員会調査
室長 吉岡 俊夫君
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本日の会議に付した案件
国際情勢に関する件
————◇—————
田
曾
曾禰益#2
○曽祢委員 昨日、中国が人工衛星を打ち上げるのに成功したわけでございますが、私ども本年二月のアメリカのレアード国防長官の議会に対する報告、これは相当信頼できる情報に基づくものと思うのでありますが、それによりますると、中国は大体一千マイルの射程距離を持つ二十キロトン程度の準中距離弾道兵器を七〇年中には配備を始める。そして七〇年中までには八十ないし百基くらいの配備を終わるであろう。また一方大陸間弾道弾すなわち六千マイルの射程距離を持ち、三メガトン級の本格的大陸間弾道弾につきましては七〇年代に発射実験が可能だろう。ことしじゅうにそれから七三年くらいまでには配備ができるようになるのではないか。七五年には十ないし十五基くらいのICBMの配備を擁するのではないか。かような報道もございましたので、中国側の人工衛星の成功には必ずしも不意をつかれたという感じは持っておりません。それだけの実力があってのことだと思うのであります。しかし、いずれにいたしましてもこの中国の人工衛星の発射実験に成功したことは、いろいろな国際的な波紋を起こしていることは事実であります。したがって、この中国の人工衛星発射成功に関して、これを外務大臣はいかに評価されるか、簡単に基本的な評価を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →愛
愛知揆一#3
○愛知国務大臣 ただいまいろいろ御意見を交えての御質疑でございましたが、大体今回の人工衛星打ち上げの問題については、政府としても案外早い時期に成功するのではないかと見ておりましただけに、このことの事実は事実として、起こりましたことについてはそういうことになったかなという感じを受けているわけでございます。同時にICBMの開発にかねて努力をしてきたようでございますが、ICBMの関係は、あるいはやはり最近の機会に実験が行なわれるのではないだろうか。そうだとすると、太平洋なりインド洋なりに向けて発射することが考えられるのではなかろうかというようなことも想定はいたしておったわけですけれども、そのことよりも先にどういうふうな考え方が行なわれたかわかりませんが人工衛星の打ち上げということ、しかしそういうふうな見方からすれば、今後ICBMと関連なくしては見られないのではないか。政府としては人工衛星の打ち上げについてはこれがほんとうに軍事的な意味というよりも平和的な利用という面に大いにその効果を発揮してもらいたいものだなという希望を持つわけでございます。
それからICBM等についての考え方においては、もう言うまでもないことでございますが、かねて核防条約の問題についても御審議といいますか御論議をいただきましたときにも言っておりますように、現に米ソ間のSALT交渉も進行中でもある。やはり中共としてもこういうものの開発に成功しあるいは成功しつつある、こういう状況下においては、国際的な責任あるいは世界の平和ということについて、もう少し建設的な態度に今後出てくれるように、あるいは国際間の話し合いにも参加するように出てくることが望ましい。私は今回のこうした実験成功についてとりあえずこういうふうに考えております。
この発言だけを見る →それからICBM等についての考え方においては、もう言うまでもないことでございますが、かねて核防条約の問題についても御審議といいますか御論議をいただきましたときにも言っておりますように、現に米ソ間のSALT交渉も進行中でもある。やはり中共としてもこういうものの開発に成功しあるいは成功しつつある、こういう状況下においては、国際的な責任あるいは世界の平和ということについて、もう少し建設的な態度に今後出てくれるように、あるいは国際間の話し合いにも参加するように出てくることが望ましい。私は今回のこうした実験成功についてとりあえずこういうふうに考えております。
曾
曾禰益#4
○曽祢委員 評価並びに今後に対する希望も交えて言われたのでありますが、もう少し話を詰めて、非常に重大な問題と思うので検討してみたいと思うのでありますが、大体中国が人工衛星の打ち上げに成功したことは、言うまでもなく少なくともIRBMの開発に成功しつつある。配備も始めている。ICBMにも手が届きそうだ、こういうことでありまして、いかにわれわれが科学的、平和的にのみ使ってほしいということを希望いたしましても、現実的な国際政治における意味というものは中国がますます独自の核武装及び核武装を運ぶ弾道弾の体系の開発に成功しつつある、こういう意味だと思うのです。したがって、これが一体現在の米ソ中心の、核強大国中心の世界の政治構造にいかなる変化を与えるのか。やはりこれはかなり大きな変化を与えるのではないか。それがはたして国際平和にプラスなのかどうか。いろいろな中国と米ソの関係、これに非常に大きな影響を与えるのではなかろうか、これを私は考えるのでありますが、外務大臣のお考えを伺いたい。
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曾
曾禰益#6
○曽祢委員 特にいま大臣も触れられた米ソ間の戦略兵器の制限に関する、いよいよこれから始まろうとするいわゆるSALT交渉にかなり重大な影響を与えるのではないだろうか。むろんそれは織り込み済みであるといえばそうであるけれども、やはり中国の核開発の、ことにミサイル開発の進歩ということを現実に示したという点において、やはりSALT交渉の前途にますます中国の影を鋭く濃く投影すると思うのですが、この点を一体どういうふうにお考えでしょうか。
この発言だけを見る →愛
愛知揆一#7
○愛知国務大臣 今後の情勢の推移については、私はやはり米ソとしてもこれに対して重大な関心を払いながら、現に進行中のSALT交渉の上にどういうふうにこれを反映させていくか、また、そこからどういうふうな意見、動向が出てくるかということは非常に注意を要するところではなかろうかと考えております。ただいまのところは先ほど申し上げましたように、こういう大勢になってきつつあるということはもう既定の事実というふうにも考えておりましたから、おそらく関係国もそういう意味で織り込み済みということで研究をしておったんだろうと思います。しかしやはり事実は事実としてあらわれればそれだけにまた比重の重さというものを当然予想していかなければならないと思います。
この発言だけを見る →曾
曾禰益#8
○曽祢委員 米ソ間の戦略核兵器を制限する交渉そのものに非常にむずかしい問題がある。両方とも不必要に軍備を強化したくはないが、さりとて第一撃に対する備えはどうしてもやらなければいかぬ。そこで最近のABMみたいなものをやっているし、もしできるならばむだなABMをつくらないで、そしてこの核兵器のこれ以上の競争は避けられるなら避けたいなという気持ちでSALT交渉をやろうとしているんだと思うんですね。しかし、それにしてもそこに相互の不信感がある。いわんや核兵器を制限するといっても現地でそれを制限しているかどうかを検証する、査察することは、これはソ連のたてまえからいうと許しそうもない。そういう意味だけから見ても非常にこのSALT交渉は望ましいがそれが成果を生むことについての困難が当然あるわけですね。
しかしもう一つ、そこで一番やっかいな問題が、中国という第三の核保有大国がいまできつつある。したがって、ことにソ連は境を接している中国であるから、ソ連のABM網は、ソ連をして言わせればアメリカとの間ならまあまあ話がついてもいるけれども、中国側からの脅威に対してどうしてもやらなければならぬのだ、こういう理屈もあり得るのではないか。またアメリカにしても、かつてジョンソン時代にそうであったがごとく、またいまの政権でも御承知のようにいまのABM網の中にやはり中国からの攻撃に対してもという面もありますが、ソ連に、決してお前を相手にしているのじゃないけれども、中国のほうの出方がちょっとわからないから、これは中国に対するABMとしてどうしても必要なんだ、こういうことに傾きがち。ところがABMそのものは来る核兵器がどっちの国であろうと関係なしにやはりABMができるということに大きな意味があると思うんですね。したがって、実際上中国がますます核大国として乗り出してき、その核保有の内容が程度が現実にソ連なりアメリカを脅威するようなふうになればなるほど、そしてこの中国とアメリカなりソ連との政治的な話し合いが困難だとするならば、単に中国とアメリカ、中国とソ連の関係だけではなく、米ソだけならばもっと話がついたかもしれないのに、中国がそこに入り込んでくることによるこのSALT交渉が非常に困難になる、こういう面を私は心配されるのですが、その点はどうお考えでしょうか。
この発言だけを見る →しかしもう一つ、そこで一番やっかいな問題が、中国という第三の核保有大国がいまできつつある。したがって、ことにソ連は境を接している中国であるから、ソ連のABM網は、ソ連をして言わせればアメリカとの間ならまあまあ話がついてもいるけれども、中国側からの脅威に対してどうしてもやらなければならぬのだ、こういう理屈もあり得るのではないか。またアメリカにしても、かつてジョンソン時代にそうであったがごとく、またいまの政権でも御承知のようにいまのABM網の中にやはり中国からの攻撃に対してもという面もありますが、ソ連に、決してお前を相手にしているのじゃないけれども、中国のほうの出方がちょっとわからないから、これは中国に対するABMとしてどうしても必要なんだ、こういうことに傾きがち。ところがABMそのものは来る核兵器がどっちの国であろうと関係なしにやはりABMができるということに大きな意味があると思うんですね。したがって、実際上中国がますます核大国として乗り出してき、その核保有の内容が程度が現実にソ連なりアメリカを脅威するようなふうになればなるほど、そしてこの中国とアメリカなりソ連との政治的な話し合いが困難だとするならば、単に中国とアメリカ、中国とソ連の関係だけではなく、米ソだけならばもっと話がついたかもしれないのに、中国がそこに入り込んでくることによるこのSALT交渉が非常に困難になる、こういう面を私は心配されるのですが、その点はどうお考えでしょうか。
愛
愛知揆一#9
○愛知国務大臣 私は先ほどから申しておりますように、曽祢さんのお述べになりましたような問題が相当にますます複雑になってくるのでございます。ますます困難さを加えるその面がかなり強くなってきているということを否定することはできないと思います。
この発言だけを見る →曾
曾禰益#10
○曽祢委員 これは世界の大局に与える一つの心配される影響だと思うのですが、これをもう少し地域を限って中国周辺の非核諸国から見るならば、何といっても中国がもはや準中距離というとあれですけれども、一千マイル、千七百キロメートル飛ぶ核兵器を現実に保持し、それを運ぶミサイルを現実に配備するということになれば、確かに心理的にせよ脅威を感じるのではないかと思うのです。そういう意味からいいましても、中国の意図が主として米ソに対する自衛という立場からやられているということが想像できましても、中国がIRBMの配備を進めていくということ自身が、中国周辺諸国に与える影響というものは相当重大なものがあるのではないか、大国であるソ連に対しても影響を及ぼすのですから。その点はどういうふうにお考えですか。
この発言だけを見る →愛
愛知揆一#11
○愛知国務大臣 この点も大体において私も同感でございます。中共の意図しているところが米ソに向けられているのかどうか、このことも実はまだはっきり分析する余地もあるかと思いますけれども、しかしいま心理的にもとおっしゃったけれども、まことに私はそのとおりだと思うのです。周辺近隣のアジア諸国に対してこれがどう受け取られるか、一言に言ってこれは相当の脅威と受け取られるとしても無理からぬことではなかろうか。どういうふうな反響が起こり得るだろうかということについては、政府としても十分よく見きわめていかなければならぬところだろうと思います。
この発言だけを見る →曾
曾禰益#12
○曽祢委員 たいへん迂遠なアカデミックみたいなことを申し上げて恐縮でありましたが、そういうような情勢の中で、やはりわれわれが直接に心配するのはむろん日本との関係でありますが、この点について外務大臣の御所見を伺いたいのです。私は中国の核武装ははなはだ望ましくない、困ったことだ、こういうように考える。かといって、日本がここで度を失って衝動的にわが日本の核武装に走るとかあるいは重武装に走るとかいうような対抗策に出るべきではないのではないか。確かに中国の核保有は一つの心理的にもせよ脅威であります。しかし同時にやはり現状だけで見るならば、中国の準中距離核兵器に対してそこにやはりアメリカ、ソ連の核の抑止力というものは、これはきいていると思うのです。逐次それがアメリカに対するICBM等になればなるほど精度が強くなり、また距離的にもアメリカ本国を脅かす、したがってその脅威の程度が違うことは事実であるが、現状において考えるならば、中国のIRBMに対するやはり核大国のソ連やアメリカの抑止力というものは十分にきいていると見ていいのではないでしょうか。そういう意味で、わが国がここであわてふためいて核武装を考えるというようなことはすべきではない。やはり日本としては安全保障の機構あるいは日米安全保障以外にもソ連というもう一つの核抑止力が現実にある、こういうことをやはり見きわめて、いわゆるあわてふためくというようなことは慎んでいくべきじゃないかと思うけれども、そういうことを含めて私の考え方は甘過ぎるのか、伺いたいと思います。
この発言だけを見る →愛
愛知揆一#13
○愛知国務大臣 結論的に言えば私も大体同感でございます。
まず第一に、こういうことは、かねて先方が着着と準備しておることは情報としては承知しております。そして、同時に日本の安全ということについては、かねての政府としての考え方は間違っていない、かように考えております。すなわち、私はあわてふためいて、あるいはあわてふためくのではなくて、別の角度からも核武装の開発というようなことは考えるべきでないと思います。これは核に対する政府の従来からとってきた体制、方針というものは堅持していくべきものである、かように考えます。同時に、しかし自主的な平和国家としてなし得る自衛力というものと、これを補完するのに核の抑止力ということで、安保条約をもってこれを補完する、これがやはり最善の選択であろう、私はかように考えております。先ほど来お話のございます米ソのSALTの協議、話し合いというものがこれによってどういうふうな変化が行なわれるであろうかということも、やはり米ソのそれぞれの立場において、安全保障についてはどうすればいいかという角度から現実問題として考えるべきものだろうと私は思います。将来こうありたいというようなことについては、これはまた中共側の態度の変化にまつところが多いと思いますけれども、さしあたりの各国のこれに対する対処の方向としては、やはりそれぞれの自国あるいは自国を含む安全保障の体制がいかにあるべきかということについて、最善の考慮をめぐらすのは当然だと思います。そういう点から考えまして、わが国としては現在とっている政策の選択は誤りでない、こういう事態になりましてもこれを推し進めていくべきである、政府としてはかように考えております。
この発言だけを見る →まず第一に、こういうことは、かねて先方が着着と準備しておることは情報としては承知しております。そして、同時に日本の安全ということについては、かねての政府としての考え方は間違っていない、かように考えております。すなわち、私はあわてふためいて、あるいはあわてふためくのではなくて、別の角度からも核武装の開発というようなことは考えるべきでないと思います。これは核に対する政府の従来からとってきた体制、方針というものは堅持していくべきものである、かように考えます。同時に、しかし自主的な平和国家としてなし得る自衛力というものと、これを補完するのに核の抑止力ということで、安保条約をもってこれを補完する、これがやはり最善の選択であろう、私はかように考えております。先ほど来お話のございます米ソのSALTの協議、話し合いというものがこれによってどういうふうな変化が行なわれるであろうかということも、やはり米ソのそれぞれの立場において、安全保障についてはどうすればいいかという角度から現実問題として考えるべきものだろうと私は思います。将来こうありたいというようなことについては、これはまた中共側の態度の変化にまつところが多いと思いますけれども、さしあたりの各国のこれに対する対処の方向としては、やはりそれぞれの自国あるいは自国を含む安全保障の体制がいかにあるべきかということについて、最善の考慮をめぐらすのは当然だと思います。そういう点から考えまして、わが国としては現在とっている政策の選択は誤りでない、こういう事態になりましてもこれを推し進めていくべきである、政府としてはかように考えております。
曾
曾禰益#14
○曽祢委員 そこで、日本の中国に対する政策全般について言及したいのですけれども、時間の関係がありますので、やや観点を変えまして、この間北京で発表されました、覚書貿易継続のバックグラウンドになったいわゆる日中交渉代表団のコミュニケに言及して政府のお考えをただしたいと思います。
私、率直に言いまして、この共同コミュニケができたことによって覚書貿易が継続されたことはけっこうだ。何となれば、覚書貿易は単に貿易だけではなくて、もっと大きな政治的な意味があって、現在の不幸な日中関係の準政府的パイプとしての役割りということで、覚書貿易の継続というものは非常に意味があると思う。したがって、これを喜び、かつここに至る古井君その他の御努力に感謝するものであります。しかし、率直に言って、日本人としてこれを読んでまことにいやな感じに打たれることはいなめないことであります。自分のことにわたってはなはだ恐縮でありますけれども、私は五七年、五九年と浅沼ミッションの一員として中国に旅し、この種に類する交渉に現実に当たった経験もございますが、そういう経験から言っても、一国の総理大臣を呼び捨てにして「佐藤榮作」というような文章は、ちょっと常識から考えても実に考えられない、まことにいやな感じがするわけであります。
それから内容から見ましても、あちらこちらに中国の独断——誤解だけならばいいのですが、独断と言ってもいいくらいのところもあるようであります。それはむろん多くの場合は中国側の発言として書かれておりますけれども、その最大なるものは三点ある。
第一は、日本が軍国主義が復活しておる。これは断定ですね。われわれはその懸念を否定しませんし、そういうことはあってはならない。しかし日本軍国主義が米帝国主義、ソ連修正主義と並べて何か現実の問題としてでき上がったものだという取り上げ方にはわれわれは賛成できないのであります。
また国民の悲願である沖繩返還の交渉の結果が、これをどう評価するにしろ、いわゆる早期本土並み返還の原則はかろうじてであっても貫かれた。ペテンなどということは日本国民は考えておる人は絶対ないと私は思います。危険はあるけれども、ペテンだという評価は間違っておる。
ただ、私どもが考えまして、台湾に対する日米ワシントン佐藤・ニクソン共同声明の言及は、共同声明の中の最大のマイナス点だと私自身は考えておる。なるほど表現そのものは韓国と違って——「韓国の安全は、日本自身の安全にとって緊要であると述べた。」はっきり韓国の安全ということを朝鮮半島に関しては言っておるのですね。ところが台湾のほうは、「大統領は、米国の中華民国に対する条約上の義務に言及し、米国はこれを遵守するものであると述べた。総理大臣は、台湾地域における平和と安全の維持も日本の安全にとってきわめて重要な要素である」、よくいえば台湾地域でどっちがやるにしても戦争してほしくないという意味にとれないことはない。ところが、どうも現実にはあまりアメリカの立場を考え過ぎて、台湾で一朝事あるときは、日本地区からの発進に無条件オーケーするのではないかと思われるようにとれないこともない。これは私は共同声明の中で一番譲り過ぎた点ではないかと思うのであります。
そういう観点で、やはりこういったような正式外交文書であろうと、今度の共同声明を見ても、確かにわれわれが中国側のあまりにも激しい意向にそっくりそのままオウム返しになっておりはせぬかと思われている点がありますが、その中でいま申し上げた軍国主義と沖繩返還がペテンであるということのほかに、もう一つ非常に重要な問題だと私思うのは、何といっても台湾に関してであります。これに関してこういうことを言っておるのですね。「中国側は次のように重ねて強調した。中国人民は必ず台湾を解放する。これは中国人民の神聖にして侵すことのできない権利である。」これは中国の立場としてこういう立場を表明することはあり得ると思う。その次に、「いつ、どのような方式で台湾を解放するかは全く中国の内政問題であり、いかなる国も干渉してはならない。」これを受けて、「日本側は中国側の立場に賛同するとともに、」それから中華人民共和国が唯一の合法政府であり、台湾省は中国の領土の一部であり、二つの中国の隠謀には加わらない。終わりのほうは従来から使っておった字句と思いますけれども、台湾問題には二つの面があって、なるほど中国人から見れば中国の国内問題だとこれを強調されるのは当然だ。しかし、これが現実に国際の平和を決定するかぎであることは事実なんです。したがって、日本の立場からいえば、いついかなる場合であってもどういう方法でも解放は御自由ですということはないはずじゃないでしょうか。あくまで日本は、平和的に中国側が話し合ってくれるならけっこうである。実力によって云々ということは絶対困りますよというのが日本の立場ではなかろうかと思う。
そういう意味からいって、この点が私が一番心配する点であります。時間がありませんが、一応その点に関する、あるいは共同声明全体に対する評価について、また私がいま申し上げた諸点についての御所見を簡単に伺いまして、最後に私がもう一点だけ質問する時間を与えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →私、率直に言いまして、この共同コミュニケができたことによって覚書貿易が継続されたことはけっこうだ。何となれば、覚書貿易は単に貿易だけではなくて、もっと大きな政治的な意味があって、現在の不幸な日中関係の準政府的パイプとしての役割りということで、覚書貿易の継続というものは非常に意味があると思う。したがって、これを喜び、かつここに至る古井君その他の御努力に感謝するものであります。しかし、率直に言って、日本人としてこれを読んでまことにいやな感じに打たれることはいなめないことであります。自分のことにわたってはなはだ恐縮でありますけれども、私は五七年、五九年と浅沼ミッションの一員として中国に旅し、この種に類する交渉に現実に当たった経験もございますが、そういう経験から言っても、一国の総理大臣を呼び捨てにして「佐藤榮作」というような文章は、ちょっと常識から考えても実に考えられない、まことにいやな感じがするわけであります。
それから内容から見ましても、あちらこちらに中国の独断——誤解だけならばいいのですが、独断と言ってもいいくらいのところもあるようであります。それはむろん多くの場合は中国側の発言として書かれておりますけれども、その最大なるものは三点ある。
第一は、日本が軍国主義が復活しておる。これは断定ですね。われわれはその懸念を否定しませんし、そういうことはあってはならない。しかし日本軍国主義が米帝国主義、ソ連修正主義と並べて何か現実の問題としてでき上がったものだという取り上げ方にはわれわれは賛成できないのであります。
また国民の悲願である沖繩返還の交渉の結果が、これをどう評価するにしろ、いわゆる早期本土並み返還の原則はかろうじてであっても貫かれた。ペテンなどということは日本国民は考えておる人は絶対ないと私は思います。危険はあるけれども、ペテンだという評価は間違っておる。
ただ、私どもが考えまして、台湾に対する日米ワシントン佐藤・ニクソン共同声明の言及は、共同声明の中の最大のマイナス点だと私自身は考えておる。なるほど表現そのものは韓国と違って——「韓国の安全は、日本自身の安全にとって緊要であると述べた。」はっきり韓国の安全ということを朝鮮半島に関しては言っておるのですね。ところが台湾のほうは、「大統領は、米国の中華民国に対する条約上の義務に言及し、米国はこれを遵守するものであると述べた。総理大臣は、台湾地域における平和と安全の維持も日本の安全にとってきわめて重要な要素である」、よくいえば台湾地域でどっちがやるにしても戦争してほしくないという意味にとれないことはない。ところが、どうも現実にはあまりアメリカの立場を考え過ぎて、台湾で一朝事あるときは、日本地区からの発進に無条件オーケーするのではないかと思われるようにとれないこともない。これは私は共同声明の中で一番譲り過ぎた点ではないかと思うのであります。
そういう観点で、やはりこういったような正式外交文書であろうと、今度の共同声明を見ても、確かにわれわれが中国側のあまりにも激しい意向にそっくりそのままオウム返しになっておりはせぬかと思われている点がありますが、その中でいま申し上げた軍国主義と沖繩返還がペテンであるということのほかに、もう一つ非常に重要な問題だと私思うのは、何といっても台湾に関してであります。これに関してこういうことを言っておるのですね。「中国側は次のように重ねて強調した。中国人民は必ず台湾を解放する。これは中国人民の神聖にして侵すことのできない権利である。」これは中国の立場としてこういう立場を表明することはあり得ると思う。その次に、「いつ、どのような方式で台湾を解放するかは全く中国の内政問題であり、いかなる国も干渉してはならない。」これを受けて、「日本側は中国側の立場に賛同するとともに、」それから中華人民共和国が唯一の合法政府であり、台湾省は中国の領土の一部であり、二つの中国の隠謀には加わらない。終わりのほうは従来から使っておった字句と思いますけれども、台湾問題には二つの面があって、なるほど中国人から見れば中国の国内問題だとこれを強調されるのは当然だ。しかし、これが現実に国際の平和を決定するかぎであることは事実なんです。したがって、日本の立場からいえば、いついかなる場合であってもどういう方法でも解放は御自由ですということはないはずじゃないでしょうか。あくまで日本は、平和的に中国側が話し合ってくれるならけっこうである。実力によって云々ということは絶対困りますよというのが日本の立場ではなかろうかと思う。
そういう意味からいって、この点が私が一番心配する点であります。時間がありませんが、一応その点に関する、あるいは共同声明全体に対する評価について、また私がいま申し上げた諸点についての御所見を簡単に伺いまして、最後に私がもう一点だけ質問する時間を与えていただきたいと思います。
愛
愛知揆一#15
○愛知国務大臣 覚書貿易に関連する共同コミュニケの問題につきましては、政府といたしましては、先般、御承知のように内閣としてこの声明の中に盛られている事項についての見解を官房長官の記者会見において述べましたことに、内容的には尽きていると思います。その内容的にと申しますのは、いまおあげになった諸点であると思いますが、軍国主義云々については、これはもう全国民的に、率直にいえば誤解どころじゃない、誤解以上のものの見方であって、これについては全国民的にその当たらざることをよく自覚しておられ、またこれに対して政府の考えておりますことは問題なく全国民的な支持を受けているものと私は確信いたしております。
それから沖繩の問題についても御同様でございます。ことに私は当事者といたしまして、あの国民的な要望、国会におきましてもあれだけの御論議を通してコンセンサスができ上がった、早期返還、本土並み、核抜きということを貫くことができまして、着々と返還準備が進んでいることは御承知のとおりでございます。また国会におきましても、もう全会一致で沖繩の国政参加も実現することになった、こういう点について、ペテンだとかなんとかいうことは、こちら側からいえば歯牙にかけることもないくらい、事実はあまりにも明白であり、また政府の態度に対しまして、自由に、公正に、正規の手続によって行なわれて、そして総選挙の結果においてこれが明らかになっておるところを見ましても、これはとかくこちらで言うほどもないくらい、日本的にいえば事柄は明白であると思います。
それから三番目におあげになりました台湾問題につきましても、これはしばしば当委員会でも申し上げておりますように、一つの中国という、国民政府、北京政府の主張については、これはわれわれとしては中国の内政の問題であって、こういう問題は平和的な何らかの処理、そして結末が出てほしいということを望んでいるだけでありまして、とかくそれに対して言うべきではない、こういう態度で来ておるつもりでございます。いわんや、この問題が武力によって解決されるということは、全くわれわれの希望せざるところであって、先ほど御引用になりました日米共同声明あるいはいわゆる総理大臣のプレスクラブでの演説にも御言及いただきましたけれども、台湾海峡においての武力的な紛争ということも予見しない、したくない、こういうことであるということが一項入っておりますことも、これはプレスクラブの演説でございますが、これが基本的な認識であります。万々一武力抗争が起こるようなことがあって日本の安全に関連してくるようなことになればこれはたいへんであるから、そういうことのないようにかまえていこうというのが、この趣旨でございます。したがって、台湾解放をいかなる手段によってもやるのだということを容認するというようなことは、私、政府といたしましては全然容認することはできない、これは明確にしなければならない点である、かように考えるわけでございます。
総じて、もう率直な感想を申し上げますと、先ほど申しましたように、これは誤解とかなんとかいう以上の、あるいは次元の違う問題である、あるいはもっと奥深く、背景その他も十分洞察していかなければならないことである、かように考えております。要するに、ここに表現されたことについて、私個人といたしましては、売りことばに買いことばというような取り上げ方は私としてはしたくない。ここにあらわれているような中国側のものの見方というもの、これはどういうことであろうかということについては、もっと真剣に、深刻に考えていかなければならない、かように思っておる次第でございます。
この発言だけを見る →それから沖繩の問題についても御同様でございます。ことに私は当事者といたしまして、あの国民的な要望、国会におきましてもあれだけの御論議を通してコンセンサスができ上がった、早期返還、本土並み、核抜きということを貫くことができまして、着々と返還準備が進んでいることは御承知のとおりでございます。また国会におきましても、もう全会一致で沖繩の国政参加も実現することになった、こういう点について、ペテンだとかなんとかいうことは、こちら側からいえば歯牙にかけることもないくらい、事実はあまりにも明白であり、また政府の態度に対しまして、自由に、公正に、正規の手続によって行なわれて、そして総選挙の結果においてこれが明らかになっておるところを見ましても、これはとかくこちらで言うほどもないくらい、日本的にいえば事柄は明白であると思います。
それから三番目におあげになりました台湾問題につきましても、これはしばしば当委員会でも申し上げておりますように、一つの中国という、国民政府、北京政府の主張については、これはわれわれとしては中国の内政の問題であって、こういう問題は平和的な何らかの処理、そして結末が出てほしいということを望んでいるだけでありまして、とかくそれに対して言うべきではない、こういう態度で来ておるつもりでございます。いわんや、この問題が武力によって解決されるということは、全くわれわれの希望せざるところであって、先ほど御引用になりました日米共同声明あるいはいわゆる総理大臣のプレスクラブでの演説にも御言及いただきましたけれども、台湾海峡においての武力的な紛争ということも予見しない、したくない、こういうことであるということが一項入っておりますことも、これはプレスクラブの演説でございますが、これが基本的な認識であります。万々一武力抗争が起こるようなことがあって日本の安全に関連してくるようなことになればこれはたいへんであるから、そういうことのないようにかまえていこうというのが、この趣旨でございます。したがって、台湾解放をいかなる手段によってもやるのだということを容認するというようなことは、私、政府といたしましては全然容認することはできない、これは明確にしなければならない点である、かように考えるわけでございます。
総じて、もう率直な感想を申し上げますと、先ほど申しましたように、これは誤解とかなんとかいう以上の、あるいは次元の違う問題である、あるいはもっと奥深く、背景その他も十分洞察していかなければならないことである、かように考えております。要するに、ここに表現されたことについて、私個人といたしましては、売りことばに買いことばというような取り上げ方は私としてはしたくない。ここにあらわれているような中国側のものの見方というもの、これはどういうことであろうかということについては、もっと真剣に、深刻に考えていかなければならない、かように思っておる次第でございます。
曾
曾禰益#16
○曽祢委員 これをもって最後といたします。
そこで、これらの二つの共同コミュニケと中国の人工衛生の成功と、やはり二つ案件として考えてみたいのですけれども、日本の中国に対する政策です。一つは、やはり何といっても中国を国際社会に引っぱり出す——引っぱり出すということばは少し強過ぎるかもしれませんが、迎える、特に軍縮あるいは国連というようなところに出てくるようにしたほうがいいと思います。これをやはり政府としては、国連その他の国際軍縮機関、会議等にぜひひとつ中国を迎えるという、閉鎖社会ではなくて開放社会に迎える真剣な努力をすることは、やはり日本のセキュリティーのために必要だと思います。
第二には、やはり日本と中国大陸とのパイプですが、覚書貿易及びこれを推進された諸君の努力と熱意を買うとともに、やはりパターンとして、こういうのでいいのかどうか。やはり原則は政府機関の接触が一つ、これはもう大使会談、いろいろありましょうけれども、政府機関の接触。それから交渉、接触のやり方があまりにも一方的だ。日本だけが中国側に行って四十日も北京でさびしい思いをすれば、それはもう貿易交渉をまとめさせるためには政治的に譲ってもいいんじゃないかと考えられるのは、心理的に当然だと思うのです。しかしそういうことは必ずしもほんとうの意味の日中の了解にプラスであるかどうか問題があります。したがって、少なくともこういう種類の準政府交渉をするとすれば、やり方においても、必ず日本側が向こうに行くというのでなくて、中国側の要人を日本に連れてきてよく見てもらうことが特に必要だ。あるいは交渉の形式としては、たとえばルーマニアとかなんとか、中国側も安心して行かれるような第三国で、政府交渉あるいは準政府交渉もやられたらいいんじゃないか。日本側が北京だけに行くというやり方も、やはり検討する必要があるんじゃないか、こういうことです。そういったような覚書交渉等について、政府としては古井氏やあるいは藤山さんが行くときにも、しっかりやれ、頼むよというだけでは済まないと思うのです。そして、できたことをただ批評し非難するだけではいけないのであって、どういうふうにしたらいいかというステップをつくり出していかなければならぬ。そのためにはやはり中国の言っているような条件をそっくりそのままのむわけには、これは台湾との条約関係でできないと思います。その他あらゆる貿易上の障害の撤廃、これはもう言い古されたことであるけれども、吉田書簡の取り扱いをやめるとか、あるいはその他の貿易交渉について、特に中国側の人を迎えることにもっと積極的になるとか、あるいはその他いわゆる積み上げ方式をばかにしないで、気象協定にしろ、郵便協定にしろそれもどんどんやっていく。そして最後にはやはり国連における中国の両政府のこの処理についてどうするか、もっと中国大陸の実権者を国連に迎える積極的な努力を日本としてなすべきだと私は考える。これらの点について、外務大臣のお答えを伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
この発言だけを見る →そこで、これらの二つの共同コミュニケと中国の人工衛生の成功と、やはり二つ案件として考えてみたいのですけれども、日本の中国に対する政策です。一つは、やはり何といっても中国を国際社会に引っぱり出す——引っぱり出すということばは少し強過ぎるかもしれませんが、迎える、特に軍縮あるいは国連というようなところに出てくるようにしたほうがいいと思います。これをやはり政府としては、国連その他の国際軍縮機関、会議等にぜひひとつ中国を迎えるという、閉鎖社会ではなくて開放社会に迎える真剣な努力をすることは、やはり日本のセキュリティーのために必要だと思います。
第二には、やはり日本と中国大陸とのパイプですが、覚書貿易及びこれを推進された諸君の努力と熱意を買うとともに、やはりパターンとして、こういうのでいいのかどうか。やはり原則は政府機関の接触が一つ、これはもう大使会談、いろいろありましょうけれども、政府機関の接触。それから交渉、接触のやり方があまりにも一方的だ。日本だけが中国側に行って四十日も北京でさびしい思いをすれば、それはもう貿易交渉をまとめさせるためには政治的に譲ってもいいんじゃないかと考えられるのは、心理的に当然だと思うのです。しかしそういうことは必ずしもほんとうの意味の日中の了解にプラスであるかどうか問題があります。したがって、少なくともこういう種類の準政府交渉をするとすれば、やり方においても、必ず日本側が向こうに行くというのでなくて、中国側の要人を日本に連れてきてよく見てもらうことが特に必要だ。あるいは交渉の形式としては、たとえばルーマニアとかなんとか、中国側も安心して行かれるような第三国で、政府交渉あるいは準政府交渉もやられたらいいんじゃないか。日本側が北京だけに行くというやり方も、やはり検討する必要があるんじゃないか、こういうことです。そういったような覚書交渉等について、政府としては古井氏やあるいは藤山さんが行くときにも、しっかりやれ、頼むよというだけでは済まないと思うのです。そして、できたことをただ批評し非難するだけではいけないのであって、どういうふうにしたらいいかというステップをつくり出していかなければならぬ。そのためにはやはり中国の言っているような条件をそっくりそのままのむわけには、これは台湾との条約関係でできないと思います。その他あらゆる貿易上の障害の撤廃、これはもう言い古されたことであるけれども、吉田書簡の取り扱いをやめるとか、あるいはその他の貿易交渉について、特に中国側の人を迎えることにもっと積極的になるとか、あるいはその他いわゆる積み上げ方式をばかにしないで、気象協定にしろ、郵便協定にしろそれもどんどんやっていく。そして最後にはやはり国連における中国の両政府のこの処理についてどうするか、もっと中国大陸の実権者を国連に迎える積極的な努力を日本としてなすべきだと私は考える。これらの点について、外務大臣のお答えを伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
愛
愛知揆一#17
○愛知国務大臣 政府の外交の基本方針が、緊張の緩和ということにあることはしばしば申し上げているとおりでございます。そういう角度から、これもしばしば申し上げておりますように、政府機関間の接触、対話の場を持って、双方が同じ立場に立って、言うべきことを十分に言い、自由な条件の上に立って自由な意思交換をするということができれば、いま考え得る最善の方法ではないだろうか。これもいつも申しますことですが、抑留邦人というような人道的な問題もあることでもございますし、そこで大使級会談ということについては、いつでもいかなる場所でもということで、こちらは誠意を持って門をたたいてまいっておるわけですが、この点についていまだに門が開けませんことは、残念に思っておるような次第でございます。なし得る努力は今後とも続けてまいりたい。
それから核防条約の調印の際に、政府の内外に明らかにいたしました声明におきましても、安全保障問題あるいは核の問題等については、フランスや中共もこれに参加をするようにして、世界平和のために、核軍縮のために協力をしてもらいたいという日本政府の意向というものは明らかにしておりますことも、御承知のとおりであると思います。これもどうかそういうふうになるようなことに努力をいたしたいものだと考えております。
それから覚書貿易については、これは私といたしましても謙虚に、この覚え書きが出たあとにおきましてもいろいろのことを真剣に考えておるわけであります。またいろいろの立場の方の御意見も謙虚に伺って、政府のとるべき態度を間違いのないようにいたしたい。私なりに努力を続けておるつもりでございます。その中には、たとえば日中間の貿易の量というものは、昨年の実績を見ましてもかなり伸びております。ことしもおそらく友好貿易が相当伸びるのじゃないかと思いますが、それだけに、当初のLTのときに比べて覚え書きの比重がどんどん減っております。こういうことからいって、こういう形式のものを続けても意味が薄くなってきたのじゃないか、あるいは薄くなってきているものに政治会談というものをどうしてもくっつけておかなければならないのだろうかというような意見もございます。それも一面の根拠はあろうかとも思いますが、ただ私率直に申しまして、先ほどお触れにもなりましたように、この共同コミュニケには非常に私も、さっき申しましたように受け取れない、あるいはそれ以上の気持ちを持ちますけれども、しいていえば一つのパイプがとにかくあるということは、これはメリットだと私も考えます。この点は同感でございます。ただこのやり方で今後も続けることがいいか、あるいはその中に改善の余地がないだろうかというような点については、少しじっくり、今回も行かれて御苦心された方々の冷静な御意見なども十分伺いまして、また各方面の方々の御論議なども十分伺いまして、かりにこれが改善の方法があるとすれば、これも考えていいのじゃなかろうか。ただ、これもまた相手のあることでございますから、こちらだけがこの点について一人相撲をするわけにもまいりますまい。こういうふうな考え方で、今後とも善処いたしたいと考えておる次第であります。
この発言だけを見る →それから核防条約の調印の際に、政府の内外に明らかにいたしました声明におきましても、安全保障問題あるいは核の問題等については、フランスや中共もこれに参加をするようにして、世界平和のために、核軍縮のために協力をしてもらいたいという日本政府の意向というものは明らかにしておりますことも、御承知のとおりであると思います。これもどうかそういうふうになるようなことに努力をいたしたいものだと考えております。
それから覚書貿易については、これは私といたしましても謙虚に、この覚え書きが出たあとにおきましてもいろいろのことを真剣に考えておるわけであります。またいろいろの立場の方の御意見も謙虚に伺って、政府のとるべき態度を間違いのないようにいたしたい。私なりに努力を続けておるつもりでございます。その中には、たとえば日中間の貿易の量というものは、昨年の実績を見ましてもかなり伸びております。ことしもおそらく友好貿易が相当伸びるのじゃないかと思いますが、それだけに、当初のLTのときに比べて覚え書きの比重がどんどん減っております。こういうことからいって、こういう形式のものを続けても意味が薄くなってきたのじゃないか、あるいは薄くなってきているものに政治会談というものをどうしてもくっつけておかなければならないのだろうかというような意見もございます。それも一面の根拠はあろうかとも思いますが、ただ私率直に申しまして、先ほどお触れにもなりましたように、この共同コミュニケには非常に私も、さっき申しましたように受け取れない、あるいはそれ以上の気持ちを持ちますけれども、しいていえば一つのパイプがとにかくあるということは、これはメリットだと私も考えます。この点は同感でございます。ただこのやり方で今後も続けることがいいか、あるいはその中に改善の余地がないだろうかというような点については、少しじっくり、今回も行かれて御苦心された方々の冷静な御意見なども十分伺いまして、また各方面の方々の御論議なども十分伺いまして、かりにこれが改善の方法があるとすれば、これも考えていいのじゃなかろうか。ただ、これもまた相手のあることでございますから、こちらだけがこの点について一人相撲をするわけにもまいりますまい。こういうふうな考え方で、今後とも善処いたしたいと考えておる次第であります。
曾
田
不
不破哲三#20
○不破委員 最近の国際情勢に関連をしまして、沖繩の問題について若干伺いたいと思います。
政府は沖繩返還についての構想を示されるにあたって、大体七二年までにはベトナムの問題が解決しているだろうという見通しを何べんも表明されていました。しかし最近の状況を見ますと、ベトナムの問題自体が非常に解決の見通しが明るくない。それからさらに、ラオスとかカンボジアとかいう地域、インドシナ全域に戦火が拡大しており、ラオスの場合にはB52の爆撃とか、カンボジアの場合にもアメリカからの武器の提供であるとか、アメリカからの介入の問題も、ずっと具体的にあらわれてきているという状況にあります。そういう意味で私どもは、沖繩返還の問題と不可分の問題として、こういう情勢に関連しての沖繩の米軍基地の役割り、こういう問題を一そう深刻に考えざるを得ないという状況が生まれていると思いますので、そういう点から二、三の質問をいたしたいと思います。
第一に、沖繩の基地の機能の問題でありますけれども、先日三月三十日の予算委員会で私が質問しました際に、アメリカのレアード国防長官のことばを引いて、アメリカ側が西太平洋全域あるいは東アジア全域に対する作戦補給通信基地としての沖繩の機能を考えている、こういう状態が沖繩の施政権が返還された後に認められるかということを質問したのに対して、佐藤首相並びに愛知外相から、安保条約に基づく本土並み基地というからには、西太平洋あるいは東アジア全域に対する作戦補給基地のようなものは、施政権返還後は考えられないという答弁をたしかいただいたと思っております。
それでそれに関連して、具体的にもう一歩突っ込んで伺いたいのですけれども、その政府の見解は、突き詰めていえば、施政権返還後に、東アジア、西太平洋という地域の中で、政府が考えられている極東以外の地域、その中にはインドシナ諸国が含まれますけれども、こういう地域に対して沖繩の米軍が、沖繩を基地にして戦闘作戦行動に出ようというような場合には、これは認めないというのが政府の方針であるのかどうか。つまり、先日の西太平洋全域に対する戦闘作戦あるいは補給基地としては認めないと言われた御見解は、そういう場合の戦闘作戦行動などについては応じないというのが政府の見解だと解していいのかどうか。その点を立ち入って伺いたいと思います。
この発言だけを見る →政府は沖繩返還についての構想を示されるにあたって、大体七二年までにはベトナムの問題が解決しているだろうという見通しを何べんも表明されていました。しかし最近の状況を見ますと、ベトナムの問題自体が非常に解決の見通しが明るくない。それからさらに、ラオスとかカンボジアとかいう地域、インドシナ全域に戦火が拡大しており、ラオスの場合にはB52の爆撃とか、カンボジアの場合にもアメリカからの武器の提供であるとか、アメリカからの介入の問題も、ずっと具体的にあらわれてきているという状況にあります。そういう意味で私どもは、沖繩返還の問題と不可分の問題として、こういう情勢に関連しての沖繩の米軍基地の役割り、こういう問題を一そう深刻に考えざるを得ないという状況が生まれていると思いますので、そういう点から二、三の質問をいたしたいと思います。
第一に、沖繩の基地の機能の問題でありますけれども、先日三月三十日の予算委員会で私が質問しました際に、アメリカのレアード国防長官のことばを引いて、アメリカ側が西太平洋全域あるいは東アジア全域に対する作戦補給通信基地としての沖繩の機能を考えている、こういう状態が沖繩の施政権が返還された後に認められるかということを質問したのに対して、佐藤首相並びに愛知外相から、安保条約に基づく本土並み基地というからには、西太平洋あるいは東アジア全域に対する作戦補給基地のようなものは、施政権返還後は考えられないという答弁をたしかいただいたと思っております。
それでそれに関連して、具体的にもう一歩突っ込んで伺いたいのですけれども、その政府の見解は、突き詰めていえば、施政権返還後に、東アジア、西太平洋という地域の中で、政府が考えられている極東以外の地域、その中にはインドシナ諸国が含まれますけれども、こういう地域に対して沖繩の米軍が、沖繩を基地にして戦闘作戦行動に出ようというような場合には、これは認めないというのが政府の方針であるのかどうか。つまり、先日の西太平洋全域に対する戦闘作戦あるいは補給基地としては認めないと言われた御見解は、そういう場合の戦闘作戦行動などについては応じないというのが政府の見解だと解していいのかどうか。その点を立ち入って伺いたいと思います。
愛
愛知揆一#21
○愛知国務大臣 念のために、前段の前提にされていたところにも触れて申し上げたいと思いますが、ベトナムあるいはインドシナ半島の情勢については、一般的な情勢判断としても私も憂慮いたしております。そしてたとえば当今、カンボジアを中心にした情勢等については大きな関心と憂慮を抱きまして、日本政府としてもなし得る限りの努力、すなわち平和的に処理ができるように、また軍事的な紛争がエスカレートしないように、なし得る限りの努力をいたしたい。これはいろいろ申し上げたいこともございますが、時間の関係もございますから、その意図だけを申し上げておくにとどめたいと思いますが、これと沖繩返還とは、前々から申し上げておりますように、七二年中の返還、核抜き本土並みという原則はかかわりがございませんことを、念のために明らかにいたしておきたいと思います。
同時に、ベトナムに対する米軍の撤退も、先ごろも向こう一カ年間の撤兵計画も明らかにされているということも御承知のとおりでございます。
そこで具体的な沖繩の基地の構想問題でございますが、三月三十日に申し上げたところに変わりはございません。要するに、沖繩の基地が本土並みに日本に返還されてまいります場合におきましては、安保条約の性格、使命のワクの中で、かつ事前協議ということが当然に適用されるというそのワクの中で処理すべきものである、かように存じておりますから、これが範囲が、あるいは対象が広がるということは考えるべきではないと思っております。
それからなお、その当時御質問がございましたしいたしますが、その後も米側からこういう点について公式、非公式を問わず政府側に連絡あるいは要請というものはございません。
それからさらに、いろいろのアメリカ側の言動等を調査いたしておりますけれども、前に申し上げましたように、全体として御案内のようにアメリカの、ミリタリープレゼンスが減少される。そしてこれは予算削減という問題ももちろん関連いたしておりますが、そこで縮小しながら合理化をはかりたい。そこで場合によれば、あるところにおりました補給の司令部というものを他の場所に移転する、そしてマネージメントをより効率化するというようなことが中心に考えられているようでございますから、実質的な大きな問題に転換するとは見られませんし、いわんやただいま申しましたように、具体的にそういう動きもございませんし、またたてまえとしてただいま申しましたようなワクの中で処理すべき問題である、かような考え方、要するに三月三十日にお答えいたしました線と何ら変わるところはございません。
この発言だけを見る →同時に、ベトナムに対する米軍の撤退も、先ごろも向こう一カ年間の撤兵計画も明らかにされているということも御承知のとおりでございます。
そこで具体的な沖繩の基地の構想問題でございますが、三月三十日に申し上げたところに変わりはございません。要するに、沖繩の基地が本土並みに日本に返還されてまいります場合におきましては、安保条約の性格、使命のワクの中で、かつ事前協議ということが当然に適用されるというそのワクの中で処理すべきものである、かように存じておりますから、これが範囲が、あるいは対象が広がるということは考えるべきではないと思っております。
それからなお、その当時御質問がございましたしいたしますが、その後も米側からこういう点について公式、非公式を問わず政府側に連絡あるいは要請というものはございません。
それからさらに、いろいろのアメリカ側の言動等を調査いたしておりますけれども、前に申し上げましたように、全体として御案内のようにアメリカの、ミリタリープレゼンスが減少される。そしてこれは予算削減という問題ももちろん関連いたしておりますが、そこで縮小しながら合理化をはかりたい。そこで場合によれば、あるところにおりました補給の司令部というものを他の場所に移転する、そしてマネージメントをより効率化するというようなことが中心に考えられているようでございますから、実質的な大きな問題に転換するとは見られませんし、いわんやただいま申しましたように、具体的にそういう動きもございませんし、またたてまえとしてただいま申しましたようなワクの中で処理すべき問題である、かような考え方、要するに三月三十日にお答えいたしました線と何ら変わるところはございません。
不
不破哲三#22
○不破委員 その縮小しながら合理化という問題についてはあとでまた伺いたいと思うのですけれども、念のために重ねて伺いますと、そういたしますと、たとえばラオスとかカンボジアとかベトナムとかいう地域の戦闘行為に対して、沖繩の基地を戦闘作戦行動に使いたいというような問題については、事前協議があっても七二年返還以後はお断わりになるというふうに理解をしてよろしいわけですね。
この発言だけを見る →愛
愛知揆一#23
○愛知国務大臣 これはただいま申しましたように、いま私どもの考え方並びに行動は、少なくとも現状以上に軍事的にエスカレートしないように、平和的な解決策ができるように、周辺の国々も含めまして、早急に何らかの対策を講ずべきであるという態勢に立っておりますから、いまお尋ねのような事態が起こることを予想しておりませんので、その点は御了承いただきたいと思います。
この発言だけを見る →不
不破哲三#24
○不破委員 そうすると、かりに政府が考えられているような見通しがそのとおり実現しないでそのような事態が生まれた場合のことはいまはイエスともノーとも答えられないという御回答でしょうか。
この発言だけを見る →愛
愛知揆一#25
○愛知国務大臣 これは単なる仮定の問題だからお答えできないというのではなくて、政府の意図としてデスカレーションと申しましょうか、平和的な処理になし得る限りの努力を傾倒したい、そして周辺の国々にも呼びかけをいたしておるところでございますから、その目的が達成できるようにここで大いに努力を集結しているときでございますから、それが成功しない場合のことは予想したくない、こういう意味でお答えを補充させていただきたいと思います。
この発言だけを見る →不
不破哲三#26
○不破委員 じゃ次に伺いますけれども、そういう七二年返還以後の沖繩の基地の機能を考える場合に、どうしてもその前に基地の返還の交渉の問題がございます。それでこの点についても先日お伺いしたわけですけれども、七二年施政権返還の際に残される基地というのは、日米両国合意した基地に限る。これは従来の地位協定を適用するというたてまえからいって、日米両国の合意した基地だけが残されるということは、確認をしてよろしいでしょうか。
この発言だけを見る →愛
愛知揆一#27
○愛知国務大臣 これはまあ法律的にお答えすれば、返還前は向こうがまだ施政権を持っておりますから、日本の要望に対して向こうがこれをアクセプトし得る、そういう意味で両方の合意のある点で処理をしたいということになると思いますけれども、できるだけ日本側の主張というものは十分に貫徹するようにいたしたいと思います。それから同町に、返還の準備については、先般準備委員会に関連する法律も通していただきましたし、着着とと申し上げてもいいかと思いますが、進めておるわけでございますが、ひとつこの基地の問題については、やはり現場の状況の掌握ということが、これは私からお答えするよりも防衛庁の直接の問題でございますけれども、現地を十分に調査するということが、現場の掌握ということが、そうした話し合いに臨むにつきましても、絶対的に必要な要件でございます。これは返還話がきまります前とあととでは状況もすっかり変わってきたわけでございますから、日米の協力によって現場の掌握、そして沖繩の安全の防衛ということについては、これは当然のことながら日本側の責任になるわけでもございますから、そういう点も踏まえまして、十分現場の掌握ということを早急にいたさなければならない、かように考えております。その上に立って十分日本側の意向が貫徹できるように、日米間の返還準備の段階におきまして話し合いを持ちたい、こういうふうな順序で考えていきたいと思っております。
この発言だけを見る →不
不破哲三#28
○不破委員 具体的な整理あるいは返還のプログラム、これは確かに調査の上に立って進められると思いますけれども、それの前提になる外交上の取りきめ、つまり交渉のワクになる取りきめですね、それについて限定をして伺いたいと実は思っているわけです。
それで、私どもが沖繩の七二年返還の際の状況を考える場合に一つの参考になるのは、日本の場合に一九五二年に日本が占領状態からサンフランシスコの平和条約によって状態が変化した、あの時点の交渉ですね、これが一つの参考になると思っているわけなんです。あの際には、この講和条約の発効前に日米間で基地全部について合意がたしかできなくて幾つかの基地は合意できないまま講和発効時点を迎えたというふうに記憶をしているわけです。それで、やはりそういうことは今度の沖繩の基地交渉についても当然起こり得る。それで、先日愛知外相は、日本の側からいってどの基地が必要かということを、これから調査の上検討をして交渉をしたいと言われましたけれども、その結果と、それからアメリカ側の構想が合致しないという場合は当然予想をしないわけにいかないわけですね。その場合に、日本の本土での五一年の条約の場合には岡崎・ラスク交換公文によって意見が合わないものは残すという取りきめがたしか行なわれて、何十カ所かの基地がそういう形で残ったというふうに記憶をしているわけですけれども、今度の沖繩返還交渉の場合に、日米両国の見解が合致しなかった場合、それはどういうことになるのか、その点について伺いたいと思うのです。岡崎・ラスク交換公文のように日本側の要求と合わないけれども残すということが絶対あり得ないかどうか。
この発言だけを見る →それで、私どもが沖繩の七二年返還の際の状況を考える場合に一つの参考になるのは、日本の場合に一九五二年に日本が占領状態からサンフランシスコの平和条約によって状態が変化した、あの時点の交渉ですね、これが一つの参考になると思っているわけなんです。あの際には、この講和条約の発効前に日米間で基地全部について合意がたしかできなくて幾つかの基地は合意できないまま講和発効時点を迎えたというふうに記憶をしているわけです。それで、やはりそういうことは今度の沖繩の基地交渉についても当然起こり得る。それで、先日愛知外相は、日本の側からいってどの基地が必要かということを、これから調査の上検討をして交渉をしたいと言われましたけれども、その結果と、それからアメリカ側の構想が合致しないという場合は当然予想をしないわけにいかないわけですね。その場合に、日本の本土での五一年の条約の場合には岡崎・ラスク交換公文によって意見が合わないものは残すという取りきめがたしか行なわれて、何十カ所かの基地がそういう形で残ったというふうに記憶をしているわけですけれども、今度の沖繩返還交渉の場合に、日米両国の見解が合致しなかった場合、それはどういうことになるのか、その点について伺いたいと思うのです。岡崎・ラスク交換公文のように日本側の要求と合わないけれども残すということが絶対あり得ないかどうか。
愛
愛知揆一#29
○愛知国務大臣 岡崎・ラスク交換公文は、十年前の安保条約改定のときにこれは失効したと申しますか、消えたわけでございます。それから今度沖繩の場合に、かりにそういう点で合意といいますか、両方の見解が十分でなかったという場合におきましては、返還になり発効すれば地位協定が変更なしに適用されるわけですから、そして安保協議委員会におきまして基地の縮小といいますかそういうことも含んで日米間の協議事項になるわけでございますから、本土並みに、返還後におきましては日米の相談の場においてこれをさらに進めていくということになるのが自然の姿であると思います。
この発言だけを見る →