農林水産委員会

1980-03-27 衆議院 全278発言

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会議録情報#0
昭和五十五年三月二十七日(木曜日)
    午前十時三十二分開議
 出席委員
   委員長 内海 英男君
   理事 片岡 清一君 理事 津島 雄二君
   理事 羽田  孜君 理事 山崎平八郎君
   理事 柴田 健治君 理事 芳賀  貢君
   理事 和田 一郎君 理事 津川 武一君
   理事 稲富 稜人君
      小里 貞利君    久野 忠治君
      近藤 元次君    佐藤 信二君
      佐藤  隆君    菅波  茂君
      田名部匡省君    高橋 辰夫君
      玉沢徳一郎君    西田  司君
      福島 譲二君    保利 耕輔君
      堀之内久男君    渡辺 省一君
      小川 国彦君    角屋堅次郎君
      新村 源雄君    竹内  猛君
      馬場  昇君    日野 市朗君
      細谷 昭雄君    本郷 公威君
      瀬野栄次郎君    武田 一夫君
      中川利三郎君    林  百郎君
      神田  厚君    阿部 昭吾君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  武藤 嘉文君
 出席政府委員
        農林水産政務次
        官       近藤 鉄雄君
        農林水産省経済
        局長      松浦  昭君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    二瓶  博君
 委員外の出席者
        農林水産大臣官
        房審議官    井上 喜一君
        農林水産省経済
        局統計情報部長 柳井 昭司君
        通商産業大臣官
        房調査統計部長 渡辺 全侊君
        通商産業省生活
        産業局総務課長 宇賀 道郎君
        通商産業省生活
        産業局通商課長 村田 文男君
        農林水産委員会
        調査室長    小沼  勇君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十六日
 辞任         補欠選任
  玉沢徳一郎君     田中 六助君
  保利 耕輔君     河本 敏夫君
  堀之内久男君     田澤 吉郎君
同日
 辞任         補欠選任
  河本 敏夫君     保利 耕輔君
  田澤 吉郎君     堀之内久男君
  田中 六助君     玉沢徳一郎君
同月二十七日
 辞任         補欠選任
  小川 国彦君     竹内  猛君
  中林 佳子君     林  百郎君
同日
 辞任         補欠選任
  竹内  猛君     小川 国彦君
  林  百郎君     中林 佳子君
    ―――――――――――――
三月二十七日
 国が行う民有林野の分収造林に関する特別措置
 法案(芳賀貢君外十名提出、衆法第二六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員
 共済組合からの年金の額の改定に関する法律等
 の一部を改正する法律案(内閣提出第八〇号)
 農林水産業の振興に関する件(畜産物及び繭糸
 価格問題)
     ――――◇―――――
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内海英男#1
○内海委員長 これより会議を開きます。
 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の
 一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。武藤農林水産大臣。
    ―――――――――――――
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武藤嘉文#2
○武藤国務大臣 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 この法律案は、恩給制度、国家公務員共済組合制度その他の共済組合制度に準じて、既裁定年金の額の引き上げ等を行うことにより、給付水準の引き上げを行おうとするものであります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明を申し上げます。
 第一は、既裁定年金の額の引き上げであります。これは、退職年金等の年金額の算定の基礎となった平均標準給与を、昭和五十五年四月分以後、昭和五十四年度の国家公務員の給与の上昇率を基準として引き上げ、年金額の増額を行おうとするものであります。
 第二は、退職年金等についてのいわゆる絶対最低保障額の引き上げであります。これは、恩給制度の改善に準じ、退職年金、遺族年金等に係る絶対最低保障額を引き上げようとするものであります。
 第三は、昭和三十九年改正前の農林漁業団体職員共済組合法、いわゆる旧法に基づく遺族年金に係る寡婦加算の額の引き上げ等であります。これは、六十歳以上の寡婦または子がいる寡婦の旧法による遺族年金に加算されるいわゆる寡婦加算の額を引き上げるとともに、寡婦加算の適用を受ける受給者が同時に退職年金等を受けることとなる場合には、必要な調整を行うこととするものであります。
 以上のほか、掛金及び給付の額の算定の基礎となる標準給与の月額の下限及び上限の引き上げ等、所要の改正を行うことといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いをいたします。
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内海英男#3
○内海委員長 引き続き、補足説明を聴取いたします。松浦経済局長。
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松浦昭#4
○松浦(昭)政府委員 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を補足して説明申し上げます。
 この法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。
 第一は、既裁定年金の額の引き上げであります。これは、昭和五十四年三月三十一日以前に給付事由が生じた退職年金、減額退職年金、障害年金、遺族年金、通算退職年金及び通算遺族年金につきまして、その年金額の計算の基礎となった平均標準給与を、昭和五十五年四月分以後、昭和五十四年度の国家公務員の給与の上昇率を基準として、平均三・五%程度引き上げるものであります。
 第二は、いわゆる絶対最低保障額の引き上げであります。これは、退職年金、障害年金及び遺族年金につきまして、年齢または組合員期間の区分に応じ、その絶対最低保障額を昭和五十五年四月分から引き上げ、同年六月分からさらに引き上げることといたしております。たとえば、六十五歳以上の者の退職年金については、絶対最低保障額を昭和五十五年四月分以後六十四万七千円から六十七万一千六百円に、同年六月分以後この額をさらに七十万円に引き上げることといたしております。
 第三は、昭和三十九年改正前の農林漁業団体職員共済組合法、いわゆる旧法に基づく遺族年金に係るいわゆる寡婦加算の額の引き上げ等であります。このうち、寡婦加算の額については、六十歳以上の寡婦または子のいる寡婦の旧法に基づく遺族年金について、子の数等に応じて加算される額を、昭和五十五年八月分から引き上げようとするものであります。
 たとえば、子供が一人いる場合の寡婦加算額については、昭和五十五年八月分以後六万円から十二万円に引き上げることといたしております。
 なお、寡婦加算の適用を受ける受給者が同時に退職年金等を受けることとなる場合の調整については、その詳細を政令で定めることといたしております。
 以上のほか、掛金及び給付の額の算定の基礎となる標準給与の月額につきまして、その下限を農林漁業団体職員の給与の実態等を考慮して六万七千円から六万九千円に引き上げるとともに、その上限を国家公務員共済組合制度に準じて三十九万円から四十一万円に引き上げる等の措置を講ずるほか、所要の規定の整備を図ることとしております。
 以上であります。
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内海英男#5
○内海委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 本案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。
     ――――◇―――――
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内海英男#6
○内海委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 この際、昭和五十五年度の指定食肉の価格算定の説明、昭和五十四年肥育牛・乳用雄肥育牛等の生産費及び蚕糸業をめぐる情勢について、政府から説明を聴取いたします。井上審議官。
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井上喜一#7
○井上説明員 それでは、私から、牛肉と豚肉の指定食肉の安定価格につきまして、本日畜産振興審議会の食肉部会に諮問いたしました内容につきまして、ごく簡単に御説明をいたします。
 お手元に届いております資料のうちで、「昭和五十五年度指定食肉(牛肉)安定価格算定説明参考資料」というのがあると思いますが、それに即しまして御説明をいたします。
 まず、第一ページの「指定食肉(牛因)の安定基準価格及び安定上位価格」という見出しでございまして、その算式は、去勢和牛肉につきまして、1算式、P1イコール大きな括弧、小さい括弧のP0掛けるI、小さい括弧で閉じまして、掛けるmプラスk、大きな括弧で閉じまして、括弧一プラス・マイナスv、こういう算定方式によりまして牛肉の安定価格を求めるわけでございます。
 P1は求める価格でございます。P0が基準期間。基準期間と言いますのは、牛肉につきましては、過去七年間、昭和四十八年の二月から昭和五十五年の一月までの期間でございますが、その間におきます去勢肥育和牛の農家販売価格でございます。Iといいますのが、基準期間、ただいま申し上げました七年間に対します価格決定年度、つまり昭和五十五年度でございますが、その去勢若齢肥育和牛の生産費指数でございます。生産費の変化率でございます。それから、mとkといいますのは、生体を枝肉に換算する係数でございます。vといいますのが平均価格に対します変動係数でございます。
 まず、恥でございますが、恥につきましては、四ページをお開きいただきたいと思います。四ページから五ページにかけまして、昭和四十八年二月から昭和五十五年の一月までの月別の肉牛の農家販売価格と枝肉の卸売価格を入れております。そこで、恥は、四ページの右の方の一番下に「平均」というところがございます。昭和五十五年一月の下の「平均」という欄で、実際値が九百十四円二十銭、その右が九百三円四十銭というのがあります。これがP0でございます。P0の求め方は、牛肉の安定基準価格と安定上位価格の中におさまるように肉牛農家販売価格を修正してございます。その修正値の平均が九百三円四十銭でございます。
 それから次に、生産費の変化率の一でございますが、これにつきましては七ページをお開きいただきたいと思います。生産費指数の計算方法といたしましては、Iイコール∑のq0P0分の∑のq1P1とありまして、分母になっておりますのが、基準期間七年間の第一次生産費に占める各費目の金額と、それから基準期間における各費目に関連する物賃の指数でございます。基準期間の生産費を五十年度の価格を一〇〇として表示したものでございます。それから分子になっておりますのは、同じく五十年度の価格を一〇〇といたしまして価格決定年度の推定した生産費でございます。これで計算いたしますと、1は八万二千二百七十八円分の八万六千九百円になりまして、一・〇五六ということに相なるわけでございます。
 次に、mとkでございますが、これにつきましては十六ページをお開きいただきたいと思いますが、枝肉と肉牛の農家販売価格との関連は、Yイコール二八一六Xプラス一九・二二ということに相なるわけでございます。これらの数値をそれぞれのところに入れます。
 それからvでございますが、また一ページにお戻りいただきまして、vにつきましては一三%、〇・一三ということにいたしております。これは、牛肉の価格安定制度が発足いたしましてちょうど五年になるわけでございます。この変動幅の開き方については、各界からの御批判もあったわけでございますが、最近の数値をとりまして一三%ということにいたしたわけでございます。それで計算をいたしますと、一ページの一番下にございますように安定基準価格は千三百五十七円三十七銭、安定上位価格につきましては千七百六十三円一銭、こういうことに相なるわけでございます。
 それから二ページに参りまして、その他の去勢牛肉ということで言っております乳用の雄牛の安定価格でございますが、これの算定方式といたしましては、去勢和牛肉の安定価格から一定の価格比でもって開く、こういう方式を従来とっておりまして、昭和五十五年度につきましてもこの方式を踏襲いたしております。その比がそこの算式にございますように〇・八一四でございますので、その他の去勢牛肉の安定基準価格につきましては千百四円六十銭、安定上位価格につきましては千四百三十五円八銭、こういうことに相なっておるわけでございます。
 以上が牛肉関係でございます。
 それから豚肉につきましては、豚肉の安定価格の説明参考資料の方で御説明させていただきます。
 まず一ページをお開きいただきたいと思いますが、P1イコール大括弧、括弧のP0掛けるI掛けるαを小括弧で包みまして、掛けるmプラスk、それを大括弧でくくりまして変動係数で開いている、こういう算定方式に立つわけでございます。
 そこで、P1、P0、I等の考え方につきましては牛因価格と同様でございますが、ただ、基準期間は豚肉につきましては五年間をとっております。昭和五十年の二月から昭和五十五年の一月までの期間をとっているわけでございます。そこが違う点でございます。
 それから、αといいますのは、これも牛肉にない点でございますけれども、豚肉の需給調整係数でございます。過剰になる場合あるいは不足をする場合にそれぞれαを働かせまして価格に影響させる、そういう係数でございます。その点が違います。mとkにつきましては枝肉換算係数でございます。牛肉とは違いますけれども、考え方としては同じような考え方で算定をいたしております。
 そこで、算定方法の考え方につきましては牛肉の方で御説明いたしましたので省略させていただきますが、結論だけを申し上げますと、その下にありますP1イコール四百二十七円、これにつきましては、基準期間における農家の肉豚の販売価格が四百二十七円でございます。それから、基準期間に対する価格決定年度の生産費の指数が〇・九八七でございます。それから需給調整係数といたしましては、これは一と置いております。最近の豚肉の供給状況はかなり供給過多の状況でございますが、生産調整をやっているという状況でもございますし、また、片や輸入の方の動向も落ちついてきているわけでございます。そういうような点を勘案いたしまして一と置きまして、価格に対しましては中立的な数値をとったわけでございます。それを計算いたしますと四百二十一円四十五銭でございます。それにmとkを働かせまして枝肉に換算いたしますと六百七十六円三十三銭に相なります。これに変動係数を掛けてございます。この変動係数につきましては従来の変動係数を三%大きくしておりますが、これにつきましてはかねがね畜産振興審議会におきまして御批判があったところでございます。最近の動向を勘案いたしまして一三%と置きまして計算をいたしたものでございます。その結果、安定基準価格は五百八十八円四十一銭、安定上位価格は七百六十四円二十五銭というぐあいに相なったわけでございます。
 それから、牛肉、豚肉ともに算定方式二でもう一つの算定方式を出しておりますが、これはさらに御参考までに従来出しているものでございまして、方式も従来どおりでございます。
 簡単でございますが、以上をもちまして、安定基準価格と安定上位価格についての諮問に出しました試算値についての説明を終わらせていただきます。
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内海英男#8
○内海委員長 柳井統計情報部長。
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柳井昭司#9
○柳井説明員 五十四年の畜産関係の生産費について御説明申し上げます。
 お手元に四つの資料が配付されておると思いますが、まず肥育豚生産費について申し上げますと、これは五十三年の七月から五十四年の六月までの調査でございます。肥育豚生体百キログラム当たりの生産費でございますが、三万八千四百九十三円ということで前年に比較いたしまして六・八%の減少になっております。それから、一頭当たりの生産費は四万百八十八円ということで六・六%の減少でございます。このように百キログラム当たりあるいは肥育豚一頭当たりの生産費が減少しておりますのは、子豚価格とそれから飼料の主体をなす配合飼料の価格が前年に引き続きまして値下がりいたしまして、素畜費と飼料費が減少しているためでございます。
 主要費目について御説明申し上げますと、素畜費でございますが、生体百キログラム当たりで二万四百七十円ということで七・七%減少しておりますが、肉豚市況の低迷を反映いたしまして、仕入れ時におけるところの子豚の価格が、前年に比較しまして値下がりしたためでございます。
 それから飼料費でございますが、これも百キログラム当たりで一万三千百五円ということになっております。八・七%の減少でございますが、これも配合飼料価格が前年に比べまして約一割値下がりしたためでございます。
 それから労働費につきましては、生体百キログラム当たり三千百四円でございまして、一・四%増加しております。この内訳を見ますと、労働時間が多頭化等の進展によりまして約二・四%減少したわけでございますが、労賃の単価の上昇がそれを上回ったためでございます。
 それから飼養規模別の生産費につきましては、時間の関係もございまして詳しい説明は省かしていただきますが、経営規模の拡大につれまして、労働費が著しく逓減しておるということが特徴でございます。
 それから収益性について見ますと、肥育豚一頭当たりの粗収益は、四万二千七百十四円ということで七・五%減少しておりまして、これは豚価の低迷を反映いたしまして生産者の販売価格が前年を下回ったためでございます。一日当たり労働報酬で見ますと、一万二百五十六円ということで七・九%の減少でございます。規模別に見ますと、上層階ほど高くなっておるという特徴がございます。
 次に、子豚の生産費でございますが、子豚の一頭当たり生産費は、二万六百十三円ということで前年対比で六・三%の減少でございます。繁殖雌豚の一頭当たり生産費は、十七万三千百三十三円ということで五・一%の減少でございます。このように減少しておりますのは、費用全体の五割強を占めますところの飼料費が、配合飼料価格の値下がりを反映いたしまして前年に比較しまして約一割減少しておるということが主因でございます。
 費目別に見ますると、飼料費は前年に対して一一・二%の減少でございます。
 それから労働費につきましては、五千二百八十五円で〇・九%の減少でございます。これは労賃単価は前年に比べまして上昇したものの、省力技術等の普及によりまして、投下労働時間が一頭当たり約八%減少いたしまして、賃金水準の上昇の影響を吸収したためでございます。
 収益性について見ますると、繁殖雌豚一頭当たりの粗収益は、二十万百十三円ということで七・九%減少しておりますが、これは子豚の販売価格が前年に比べて一割程度値下がりしたためでございます。それから、一日当たり家族労働報酬は八千四十七円ということで、前年対比六・五%の減でございます。
 次に、肥育牛関係について申し上げます。これは五十三年八月から五十四年七月までの調査でございます。去勢若齢肥育につきましては、生体百キログラム当たりの生産費が九万六千二百四十三円ということで〇・五%の減少でございます。一頭当たりの生産費は五十八万三千五十円ということで〇・九%の上昇でございます。この差は一頭当たりの販売時の生体重が一・四%増加しておる、こういうことによるものでございます。
 主要な構成費目について御説明申し上げますと、素畜費でございますが、生体百キログラム当たりの素畜費は四万八千六百六十円ということで六・五%アップしてございます。これは子牛価格が値上がりしたことや、あるいは前年に比べてやや大型のものが導入された、こういうことによるものでございます。
 それから飼料費につきましては、生体百キログラム当たり三万一千九百五十九円で一二・九%減少しております。これは配合飼料やあるいは大麦、ふすま等の価格が値下がりしたことと、若干肥育期間が短縮したということによるものでございます。
 それから、労働費につきましては、百キログラム当たり一万六百九十円で前年に比べまして二・四%増加しております。これは飼育労働時間が三・七%減少しましたが、賃金水準の上昇が約六%弱上昇したことによるものでございます。
 それから収益性は、一頭当たりの粗収益が六十四万三千九百二十九円ということで、前年対比六・七%増加してございます。それから、一日当たり家族労働報酬は八千七百六十一円ということで六七・一%の増加になっております。
 次に、乳用雄肥育牛の生産費でございますが、生体百キログラム当たりの生産費は六万二千百二十九円ということで四・七%の減少、一頭当たり生産費は三十九万二千三百五十円ということで三・六%の減少でございますが、これは飼料費が減少したことが主因でございます。
 まず、素畜費でございますが、生体百キログラム当たりの素畜費は二万六千五百七十九円ということで二・四%増加しておりまして、これは子牛価格が値上がりしたためでございます。
 それから飼料費につきましては、百キログラム当たりで二万六千七百三十一円ということで前年に比較しまして一二・三%減少しておりますが、これは配合飼料、大麦、ふすま等の価格がかなり値下がりしたためでございます。
 それから労働費につきましては、百キログラム当たりで四千九百三十四円ということで三・〇%減少しております。これは省力化等の進展によりまして、飼育労働時間が七・一%減少いたしまして賃金水準の上昇を吸収したためでございます。
 一頭当たりの粗収益は、四十九万五千二十九円ということで一〇・八%上昇しておりますが、これはこの期間におきます牛肉価格が堅調であったことによりまして、生産者販売価格が上昇したことによるものでございます。それから一日当たりの家族労働報酬は、二万三千七百四十三円ということで前年に比較しまして二・一倍ということに・なっております。
 それから最後に、牛乳生産費につきまして御説明申し上げます。これは五十三年の七月から五十四年の六月の間の調査でございます。
 生乳百キログラム当たり生産費でございますが、これは乳脂率三・二%換算でございまして、四ページにございますように、その算出の方法が記載してありますが、そのような計算によりまして三・二%換算で算出しておるわけでございますが、これによりますと、百キログラム当たりで八千百八十円ということで四・二%の減少でございます。それから一頭当たりにいたしますと四十六万五千百十九円ということで二・三%の減少でございます。このような生産費の減少の主因は、配合飼料等の値下がりによる流通飼料費が減少したことと、子牛価格の高騰によりまして副産物価額が増加したためでございます。
 主要費目について見ますと、まず飼料費でございますが、生乳百キログラム当たりの飼料費は四千二百六十九円ということで四・六%減少しております。このうち採草、放牧等の経費につきましては千五百五十二円ということで三・一%上がっておるわけでございますが、飼料費の六三・六%を占める流通飼料費が八・五%減少したためでございまして、この流通飼料費の減少は配合飼料の値下がりによるものでございます。
 それから労働費でございますが、百キログラム当たり二千四百二十八円ということで〇・七%上昇しております。これは労賃単価は上昇いたしましたが、飼育労働時間が三・八%減少したということによるものでございます。
 それから償却費でございますが、これは百キログラム当たり六百三十円で二・三%増加しております。それから飼育規模別に見ますると、やはり労働時間が規模の拡大につれまして非常に下がっておるということが特徴でございまして、飼料費につきましてはその規模間の格差というものは小さいというふうに考えられるわけでございます。
 それから収益性について見ますと、一頭当たりの粗収益は六十万一千二百五十八円ということで五・一%増加しておりまして、これは搾乳量の増加と副産物価額の上昇によるものでございます。それから一日当たり労働報酬を見ますると、九千八百十三円ということで一九・一%上昇しているという状況でございます。
 以上をもって終わります。
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内海英男#10
○内海委員長 二瓶農蚕園芸局長。
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二瓶博#11
○二瓶政府委員 繭糸価格安定法に基づきまして、五十五生糸年度に適用いたします基準糸価等の行政価格につきましては、二十九日に開催予定の蚕糸業振興審議会繭糸価格部会の審議を経て適正に決定してまいることといたしておりますが、本日は蚕糸業をめぐる最近の諸情勢につきまして、お手元に御配付いたしております資料に従いまして御説明を申し上げたいと思います。
 それで、この資料の一ページをごらんいただきたいと思います。
 まず、生糸価格及び需給の動向について見ますと、五十三生糸年度、五十三年の六月から始まりました五十三生糸年度におきましては中間安定帯のおおむね上方で堅調に推移いたしました生糸価格は、五十四生糸年度に入りますと中間安定帯の下方で推移をいたしたわけでございます。これは一ページの表をごらんいただきますときれいにその辺の関係が読み取れるかと思います。そこで、昨年の七月以降、日本蚕糸事業団によります中間買い入れを行っておるところでございまして、現在までのところ一万二千六百俵の国産糸の買い入れを行っておるわけでございます。生糸現物価格は、五十三生糸年度、これを平均いたしますと、キロ当たりで一万五千百十八円ということであったわけですけれども、五十四生糸年度におきましては、昨年六月からことしの二月までの平均で前年を約五百円下回ります一万四千六百二円ということになっておりまして、現在も一万四千五百円台で推移をいたしておるような状況にございます。
 なお、今回の事業団によります中間買い入れに当たりましては、この一月、二月、三月にもそれぞれ買い入れを行っておりますが、本年のように基準糸価決定の時期におきましても事業団が中間買い入れを行っておる、そういう事態は、十年ほど前の昭和四十四年以来の出来事でございます。
 このような情勢に対処いたしまして、生糸、絹製品の輸入につきましては、中国、韓国との間の二国間協定数量の削減なり、あるいは輸入調整措置の強化等に努めてまいったところでございまして、輸入数量は生糸、絹糸、絹織物、いずれも五十四年の暦年は五十三暦年よりも減少しております。これは二ページをごらんいただきますと輸入数量というのがございますが、上に、左のところに暦年というのがございまして、ここに五十二、五十三、五十四、この五十四のところをごらんいただきますと、生糸は前年対比七二%、絹糸が八五・六、それから一つ飛びまして絹織物九四・八ということで、通関ベースでながめますと五十三年よりは五十四年の輸入数量は減っておる。
 さらに、御参考までに三ページに現在の生糸なり絹製品の輸入コントロールの仕組みにつきまして、生糸、絹糸あるいは絹織物等につきまして一覧表に収録をいたしておるわけでございます。
 しかしながら、このような措置にもかかわらず、日本蚕糸事業団の在庫は、現在、先ほど申し上げました国産糸の中間買い入れの一万二千俵強を含め八万九千俵という事業団設立以来最高の在庫水準になっておりまして、さらに今後、相当量五十四年度の発注をいたしました輸入生糸が入着いたしますので、近々さらにこれに上積みされまして、十万俵を超えるということは確実でございます。これは四ページの表をごらんいただきますと、この在庫数量の推移が四十九年の六月以降収録してございますが、一番右のところに五十五年の三月二十日現在がございますが、八万九千四百八十六俵ということで非常に高い山を形成をいたしております。これがさらに近々じゅうには十万俵を超えるというのは確実でございます。
 それから五ページをちょっとごらんいただきますと、ここに「買入、売渡、在庫状況」というのがございますが、中ごろに五十四年六月というところで線が引いてございます。まず輸入糸の一般でございます。買い入れのところは、六月以来買い入れございまして、三月二十日現在までで九千俵ほど輸入糸の一般糸を買っております。しかし、売り渡しはきれいにゼロが並んでおりまして、在庫は六万七千七十五俵という一般糸の在庫。それから次は、実需者売り渡し用の生糸でごごいますが、これも買い入れが一万六千三百十九俵の買い入れをやっておりますが、売り渡しは昨年の十月でストップをいたしておりまして、わずかに六千五百四十六俵売っただけで、在庫は九千七百七十三俵。それから国産糸の方は、買い入れは先ほど来申し上げておりますように一万二千六百三十八俵でございますが、これも糸価低迷いたしておりますから、当然売り戻し、売り渡し一切ないわけでございます。そういうことでこれをそろばんを入れますと、計を入れますと、先ほど申し上げましたような最後の在庫が八万九千四百八十六俵というのがこの三月二十日現在の姿でございます。
 それから、輸入糸の実需者売り渡しにつきましては、糸価低迷のために、今五十四年度におきましては現在までのところ、昨年度のずれ込み分を含めまして約九千俵を行ったのみでございまして、ただいまも申し上げましたように、昨年十月以降糸価がいわゆる下べそ価格であります一万四千七百円というのを上回らないため、五カ月間売り渡しを停止した状態となっております。大体このマル実といいますのは瞬間タッチ方式で売るものでございますが、その瞬間タッチで売るものが五カ月間以上売れずに現在まで続いておるということでございます。現在このように需要者に対する引き渡しが行われないまま事業団手持ちとなっておりますものが九千八百俵でございますが、さらに四月から七月にかけまして五十四年度分の需要者、実需者売り渡し用の生糸が一万六千俵わが国に到着をいたします。そういう状況でございます。
 需要者サイドからは、生糸価格が一万四千五百円あるいは一万四千六百円ということで昨年十月以降推移しておるわけでございますので、何らかの措置によりまして需要者売り渡し生糸が実際に実需者の手元に速やかに渡るようにしてくれという要請があるわけでございます。
 六ページのところに現在の「繭糸価格安定制度の概要」、金額の方はこれは五十四生糸年度適用の現在の価格、これをはめ込んでおるわけでございますが、中ごろに斜線で、この棒のところに斜線がございますが、これが中間安定帯でございます。この中間安定帯の下限が一万四千四百円の基準糸価でございます。上限の方が一万五千九百円、標準中間売渡価格でございます。この中に実は下べそ価格と上べそ価格という、いわゆるそういうものの設定をいたしております。そこで、この一万四千七百円という下べそ価格といいますのは、需要者に対しまして瞬間タッチで売り渡します場合の一応のめどを一万四千七百円というふうに決めておるわけでございますが、糸価がこれの下で低迷していますので実需者売り渡しが実際できない、停止しておるということでございます。
 これまで申し上げてきましたような糸価低迷の要因につきましては、いろいろあろうかと思いますが、基本的には末端需要の停滞によるものと見られております。これは七ページをごらんいただきますと、「和服等購入状況」というのがございます。全国、全世帯一人当たり平均でございますが、右の方に数量がございます。婦人絹着物、絹着尺地、絹地とございますが、五十四年はこの下のところに対前年比がございますが、婦人の絹着物は九六・二%ということで前年より落ち込んでおる。それから絹着尺地、いわゆる反物でございます。これが、絹の反物が八六%でございます。それから絹地、これは広幅で、いわゆる洋装などいたしますときに、洋服などつくるときの絹地でございますが、これが九一・八ということで、いずれも落ち込んでおる、こういう状況でございます。
 それから、もう一つのメルクマールとして八ページをごらんいただきますと、これは国内生糸の引き渡し数量でございます。絹織物業者に引き渡されました数量でございますけれども、これが五十二、五十三、五十四とございますが、五十三年は前年より一〇八・一%とふえたわけでございますが、五十四年に入りますと落ち込んでおりまして、昨年の六月からことしの一月までを前年同期と比較しますと、八一・一ということで二割ほど減少をいたしておるわけでございます。これをグラフにしたのが九ページでございまして、五十三生糸年度の方が上の破線、下の方の実線が五十四生糸年度でございますが、昨年の下のラインを五十四生糸年度では線グラフが走っておる、こういう姿になっておるわけでございます。
 そういうことで、絹全体、生糸、絹糸、絹織物の在庫が増加をいたしております。これは十ページの「絹の在庫の推移」というのがございますが、ごらんいただきますと、上のところに暦年、五十二、五十三、五十四とありますが、この五十四年の暦年のところをごらんいただきますと、一番右のところに合計がございます。そうすると三十万三千二百十一俵ということで、絹糸も絹織物等も全部生糸に換算をして積み上げますと三十万三千二百十一俵の五十四暦年末、十二月末の在庫になるわけでございます。これは前年が二十七万ですから約三万俵在庫がふえておるということでございます。これは、「生糸」のところに「事業団」という欄が左の方の四欄目ぐらいにございますが、八万二千七百三十六俵、前年が五万俵ということで、全体で三万俵ふえているのが事業団のところに積み上がっておりまして、ここでたな上げされているという姿で、昨年十二月末では八万二千俵という姿になっておるわけでございます。そこで、さらに昨今の経済情勢下におきまして、在庫の圧迫感が非常に強まっているという需給事情にございます。
 十一ページに「絹の需給表」というのがございますが、右の方の一番下の欄をごらんいただきますと、内需が八九%ということで、五十四暦年は前年対比八九%方の内需でございます。一番すみのところに「末在庫」というので二〇・四%ということで、先ほど申し上げました二十七万が三十万俵になっていますので三万俵ほどふえておる、そういうことで一割ほど在庫がふえておる、それが一つの圧迫要因にも相なっておるという厳しい需給情勢でございます。
 次に、繭生産の動向についてながめてみたいと思います。
 十二ページをお開きいただきますと「養蚕業の概況」というのがございますが、繭生産は天候に恵まれたこともありまして、官民挙げての努力により、五十四年は六年ぶりに増加をいたしまして、「繭生産量」というところの一番右すみにございますが、八万一千トンとなったところであります。この五十四年の繭生産において特徴的なことは、十アール当たりの収繭量が六十四・九キロで、対前年比八%ふえてございます。それから、二戸当たりの収繭量四百六十一キログラムで一一%増加というようなことで、いずれも大幅に増加を示しておりまして、生産性向上及び規模拡大が見られるということでございます。このような傾向が継続いたしますよう今後とも努力する必要がある、かように考えているわけでございます。
 以上で、最近の蚕糸業をめぐります諸情勢についての御説明を終わらしていただきます。
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内海英男#12
○内海委員長 以上で説明は終わりました。
    ―――――――――――――
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内海英男#13
○内海委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小里貞利君。
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小里貞利#14
○小里委員 ただいまそれぞれ説明がございましたように、農畜産物政策価格の試算価格の決定あるいは審議もいよいよ大詰めに迫っているようでございます。大臣を初め関係省庁の皆さん御苦労でございますが、また一面、御案内のとおり、それこそはるかに遠い地方の生産現地、すなわち農民や生産団体の数多くの諸君が足しげく国会あるいは政府周辺に交渉方々立ち入りをいたしておられます。このことは、それだけ生産農民あるいは関係団体が畜産物の価格決定に対しまして非常な関心を持っておるということと同時に、それだけ今日の農民や農政にとりましてはきわめて重要な意味を持っていることを象徴しておると私は察するわけです。しかしながら、このようなことが例年とり行われておるわけでございますが、一面から言いますと、遠いところから生産農民や生産団体の諸君が押しかけてまいりまして、苦しい農村や農民あるいは生産、経営の状況をつぶさに説明しなければ、政府や関係筋がそれにこたえ得られないといういきさつを考えますときに、一体、このような状況をどういうふうに農林政務次官は考えておられるのか、この機会にお聞かせをいただきたいと思うのです。もちろん、民意を農政に反映するという観点から申し上げますと大変好ましいことでもありますが、まず一点としてそのことをお伺いいたします。
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近藤鉄雄#15
○近藤(鉄)政府委員 御指摘のとおり、ただいま畜産振興審議会が開催されておりまして、五十五年度の指定食肉の価格その他についてもいま御審議を願っておるわけでありますが、小里先生のお話のとおり、私たち農林水産省にも大ぜいの関係者の方々がお見えになって現状についていろいろと御説明があるわけであります。そういうことをしなくても、ちゃんと農家の方々の御苦労を踏まえての価格決定をすべきではないかという御指摘のようでございます。私もそう考えますが、同時に、私たち農林水産省で仕事をしておりますと、一生懸命考えておりますが、ときには実際の現場の農家の方々の実情なりお気持ちなりを十分に把握し切れない面もあると思いますので、御上京賜るのもなかなか大変でございますけれども、私たちのところで現実の問題についていろいろお話をお聞かせいただきますのも適正価格決定に大変参考にもなる、こういうことでございますので、実はいろいろ御説明を承って万全を期している次第であります。
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小里貞利#16
○小里委員 政務次官も心得ておいでになるように、それ相当な時間や経費をかけてあえてそのような場を求めるわけでもない。ただいま政務次官お話のとおり、わが国の食糧政策の原点に立ち帰りまして、農民の説明を聞くまでもなく、食糧政策の重要性にかんがみて、農民の意思あるいは生産、経営の概況を尊重することを前提にした農畜産物の政策価格の試算価格が決定せられることを、この機会に強く要望を申し上げたいわけです。
 次に、今次の試算価格の決定をめぐる諸情勢の中で、いろいろあるわけでございますが、特徴の一つとして、五十五年度の畜産物価格をめぐる情勢の中で、生乳あるいは豚肉が過剰ぎみである反面、いわゆる配合飼料価格など生産資材は軒並みに上昇しつつあります。また、電力料金などを初めとした公共料金なども御承知のとおりであります。そういうことを端的に申し上げますと、需給均衡とコストアップの両面をどのように調整をするかが一つの大きなポイントであろう、こういうふうにとらえたいわけであります。もちろん、見方によりましては、それ以上に外国製品の輸入を、その需給均衡と相照合して日本の生産農民を守る観点からどのように位置づけていくかという問題もあろうかと思うのでございますが、まず、需給均衡と生産コストのアップをどういうふうにとらえておいでになるか、お伺いいたします。
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近藤鉄雄#17
○近藤(鉄)政府委員 御指摘もございましたように、私たち今年度の畜産物の価格を決定する場合の最大の問題点というものは、まさに、特に豚肉や牛乳にあらわれておりますような需給の不均衡の状態と、片方で、御指摘がございましたように、最近までの飼料の値上がりや、また、これからいろいろな電気料金その他の値上がりからのコストアップの様相もある。率直に言って、生産者価格を上げれば、これは需給の原則でございますから、供給がふえて需要が減退してまいりますし、また、需給均衡だけを考えてまいりますと、価格というものは理論的には当然下がらざるを得なくなってくる、こういうことでございますので、この二つの相矛盾する問題をどういうふうに調整するかということが最大の課題でございまして、現在畜産振興審議会でいろいろ御審議を賜っておりますのも、その点についての諸先生の御意見を参考にいたしたい、こういうことでございます。
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小里貞利#18
○小里委員 言葉を返すわけではないのでございますが、政務次官のおっしゃることもよくうなずけるわけであります。ただ、素朴な農民感情から言いますと、需給のバランスがとれてまいりましたから、実は、生産段階において幾らコストアップでありましてもそのことについては責任が負えませんよという意味の姿勢は、これはとっておいでになったとも言いませんし、またそのことは慎まなければならないことだと思うわけです。ただいまお話しの中にもありますように、あくまで、需給のバランスがとれてきた、あるいは生産、供給過剰でありますからというその理由によって、単純に生産農民の立場というものを軽んずるという傾向は、あると申し上げておるわけではございませんが、およそ、しょっぱなで申し上げました日本の食糧政策をより安定的に貫く政府責任という立場から考えましても、十分その点を御配慮いただきたいと思うわけでございます。
 次に、先ほどそれぞれ試算価格の現在段階における推移の概況が説明がございました。それに関連いたしまして二、三点お伺いしてみたいと思うのでございますが、まず、政府は需給実勢方式で試算をしておいでになります。牛肉や豚肉の生産方式につきましては、御承知のとおり、生産者団体は生産費所得補償方式で算定しておるのでありますが、政府がこれを採用しない一つの根拠、考え方をお示しいただきたいと思います。
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近藤鉄雄#19
○近藤(鉄)政府委員 御指摘ございましたように、いわゆる畜安法、畜産物の価格安定等に関する法律の中では、指定食肉さらに原料乳につきまして、「これらの生産条件及び需給事情その他の経済事情を考慮し、これらの再生産を確保することを旨とし、」決める、こういうふうになっておるわけであります。米価におきましては、御案内のように生産費所得補償方式をとっておるわけでございますが、あえて畜安法でこういう規定をしておりますのも、いまもいろいろお話がございましたが、ある程度の自由市場経済というものを前提にしながら、そういう自由な市場取引に基づくところの価格決定というものを一応前提にしながら、しかし、そういう形でありますが、価格の暴騰、暴落というものは避けることが生産者の方々にとって畜産物の再生産を確保していただける道でもある、こういうふうに考えて、自由価格ではありますが、安定の幅を決めて、その中で適正な価格形成ができるような措置をとっているわけであります。いわゆる一方的にといいますか、生産費所得補償方式で決めてしまいますと、たとえばその額で採算が合う生産者の方々が生産をどんどんされて、逆に需給の均衡が大きく壊れてくるということも考えられますし、また、いまのように畜産また酪農が歴史的にも比較的新しい日本でございますと、どういうものを基準的な畜産経営なり酪農の農家として決めるかということもなかなかむずかしい、そういうことも生産費所得補償方式がとれない一つの理由である、こういうふうに考えております。
 そんなことで、先ほど申し上げました一応枠を与えながら、需給の実勢を反映しながら、しかし、なおかつその中で再生産が確保できるような価格を決めるということが実は私たちの最大のねらいでございまして、いろいろな方々の御意見を承っておりますのはまさにそこに焦点を置いてやっておるわけでございます。
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小里貞利#20
○小里委員 ただいまのお話の中にも一部出てまいりました変動幅の問題であります。
 牛肉、豚肉ともに一三%にこの際調整せられるわけでございますが、豚肉につきましては広げて牛肉については狭めていくという考え方のようであります。これは試算過程における一つの体系としてはよくわかりましたが、もっと根本的に、そのような幅を広げたり狭めたりなさった一つの政治的な、生産奨励を含めた、あるいは先ほど私が申し上げました生産農民の立場を食糧政策の一環として原則的には第一に守っていくという背景があるのではないか、私はこういうふうに期待をし、また念願をするわけでありますが、そのような意味における行政効果と申しましょうか、一つのねらいは御説明いただけないものでしょうか。
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近藤鉄雄#21
○近藤(鉄)政府委員 御指摘のとおり、これまで牛肉と豚肉は変動幅に若干差をつけておったわけでありますが、今回一三%に統一したわけでございますけれども、御案内のように変動幅を広げてまいりますと、ある程度需給の変化で暴騰、暴落の変化の度合いが出てまいりますが、逆に縮めてまいりますと、安定はいたしますけれども、しかし実勢から離れるような傾向も往々にしてございます。実は過去の牛肉、豚肉の変動について調べてみますと、牛肉においては実はある程度安定してまいりましたし、また、豚肉の場合にはいささか変動が実際大きかった、こういうような過去の趨勢を踏まえまして、この際実勢に即して大体一三%ぐらいが豚肉、牛肉ともに適当ではないか、こういう判断であるわけでございます。
 しかし、一方、豚肉の場合に変動幅を広げることが片方では生産調整というものをある程度進める効果を持ちますし、また、そういう形で国際的な環境の中で現在の国内的な豚肉の生産をある程度維持するための効果も同時にあるのではないか、こういうふうに私は考えておるわけであります。
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小里貞利#22
○小里委員 時間もありませんので、五十五年度の豚肉の需給の見通し、これは事務局でも結構でございますが、さらにまた、ただいまの政務次官の説明の言葉の背景にも感じられるわけでございますが、外国の豚肉の輸入増加、これはわが国の生産豚肉の品質の問題がうかがわれておるようでございますが、その辺の品質の問題が仮にあるとすれば、それらに対する対応策あるいは指導策をお聞かせいただきたいと思います。
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井上喜一#23
○井上説明員 五十五年度におきます豚肉の需給の見通しでございますが、先生御案内のとおり、豚肉につきましては、ただいま生産がややオーバーしておりまして、生産調整をやっているような現況でございます。そういうことで、当面は過剰でございますけれども、生産調整の浸透もある程度期待いたしまして、生産につきましては、来年度についてはおおむね需要に合った生産をやるのではないかというぐあいに見通しているわけでございます。
 問題になりますのは輸入見通しでございますが、確かに、昨年一年間の経緯を見ますと、非常にふえたわけでございます。ただ、十二月以降につきましては、対前年比で見ますと六〇%台に輸入が減少してきているわけでございます。今後の輸入価格の動向等を見ますと、輸入の方もこういった傾向が続いていくのではないかと考えられますので、供給の方については、ほどほどの供給があるのではないかという見通しでございます。
 片や、需要の方でございますが、過去二年間を見ますと、家庭消費の方は大体三%ぐらいの需要の増でございます。そういう意味で、需要が停滞していたわけでございますが、昨年の秋以降、これは価格が若干低落したということも関係があろうかと思いますが、消費が上向いてきております。そういうことで、生産も全体としてはふえるわけでございますが、需要の方も家庭消費を中心にいたしまして増加をしてきているという現況でございますので、需要と供給についてはおおむねバランスをするのではないかという見通しを持っているわけでございます。そういう点を踏まえまして、先ほど御説明いたしました需給調整係数は一ということにしてございます。つまり、需要超過でも供給超過でもない、ちょうど需給がバランスをする、こういうような前提をとっているわけでございます。
 輸入につきましては、いろいろな原因がございます。特定の規格のものを国内ではまとめてなかなか入手できないとか、あるいは品質の問題もあるわけでございます。
 品質の点につきましては、個々の個体については日本の方も豚の改良が進んでまいりまして、非常にいいものが出てきておりますが、なお、全体として見ますと、特に交雑と言いますか、交配が計画的に行われておりませんのでいろいろな豚が出てくるわけでございます。そういう結果、肉質がいろいろなものが出てまいりまして、その結果品質が低下をしてきている、こういった原因があるわけでございまして、この点、外国の豚肉と競争するためには、どうしても肉質の改良を図っていく必要がございます。そのために、基本は種豚の改良でございますが、さらにそれを基礎にいたしまして、計画的な交配の推進、それから最近指摘されております飼養管理の改善ということについて、これから重点を置いて指導していく必要があろうかと思います。来年度予算につきましても、そういった点に配慮いたしまして、所要の措置をしているところでございます。
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小里貞利#24
○小里委員 御案内のとおり、いまもお話が出ておりますように、養豚農家は最近、特にその顕著な傾向といたしまして、昨年来の低迷価格によりまして負債が顕著な勢いでふえてまいっておる、かような状況下にあるわけでございます。また、農水省としても、その辺の実態は十分把握しておいでになると思うのでございますが、この試算価格決定前後における負債対策というものもあわせて考えられてしかるべきではないかと思うのでございますが、もしその辺の対応策があるとすればお聞かせをいただきたいと思います。
 なおまた、稲作の転換先作目といたしまして、このように牛乳も豚肉も生産が過剰ぎみであるような状況なども考えて、この機会に、肉用牛の生産をもっと比重をかけて奨励するべきではないかという声もあるわけでございますが、もし御意見があればお聞かせいただきたいと思います。
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井上喜一#25
○井上説明員 まず養豚農家の負債対策でございます。私どもが現在までに把握しておりますのは、養豚農家の経営概況につきましては、昭和五十三年度まででございます。それによりますと、これは全国平均でございますが、一戸当たりの……(小里委員「五十四年度はないのですか」と呼ぶ)五十四年度はまだ出ておりませんで、五十三年度まででございますが、五十三年度までに関する限りは、農業所得あるいは資産の状況、負債の状況を見ましても、まずまず経営内容は健全ではないかと思います。ただ、五十四年後半から価格が低迷しておりますので、そういったことが養豚農家の経営にかなりの影響を与えてきているのではないか、このように考えているわけでございます。
 基本的には豚価の低迷にあるわけでございますが、現在、畜産物価格安定法に基づく調整保管を中心にいたしまして、市場隔離をやっております。また、それと並行いたしまして消費拡大対策、これは、農村あるいは都市、それぞれ重点を置きまして消費の拡大対策をやっております。それに合わせまして、先ほどもお答えいたしましたように、中央、地方を通じまして養豚の計画生産を推進しているところでございまして、そういった全体の施策の効果が徐々に出ていっていると思います。そういう効果もありまして、豚肉の卸売価格は漸次快方に向かっているところでございます。三月に入りまして、最近一週間くらいをとってみますと、六百円をちょっと上回るような水準で推移をしてきているような状況でございまして、養豚経営の収益性も、そういう意味では漸次快方に向かいつつあるとは思います。が、ただいま御質問ございました資金対策あるいは負債対策等につきましては、いままでやっております対策の効果をさらに見きわめる必要がございますが、同時に、そういう資金対策が新たに必要であるのかどうかを含めまして慎重に検討してまいる、そういう考えでございます。
 それから、稲転に関連しまして肉牛を導入することについてでございます。牛肉につきましては、畜産関係の作目の中でもこれから一番需要の伸びが見込まれる作目でございますが、他方、生産については、われわれ生産対策あるいは流通対策をやっておりますけれども、なかなか需要に追いつかないのが現状でございます。また、世界的に見ましても、牛肉の生産というのは非常にタイトでございますので、そういう意味からも、一層国内の生産をやっていく必要があるわけでございまして、稲転に関連いたしまして肉用牛を導入していくことも非常に重要なことだと思います。特に稲転につきましては、飼料作物が重要作物になっておりまして、それに関連してと言いますか、さらにその飼料作物を定着させるためにも肉用牛の導入を図っていく必要があろうかと思います。この点につきましても、稲転関連の肉用牛導入事業という予算をお願いしてございまして、そういう予算の執行を中心にいたしまして、稲転に関連した肉用牛の導入を積極的に進めてまいる、こういう考えでございます。
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小里貞利#26
○小里委員 大変具体的な配慮も措置しておいでになるようでございまして、結構に存じます。
 さて、この機会に、関連して政務次官に端的に一点だけお伺いしたいと思うのでございます。
 輸入牛肉につきましては、需要に対して供給不足を補完する、このことが大きな原則にならなければ、生産農家はなかなか安定的、一つの納得のもとにと申し上げましょうか、概観としても一つの経営方針を立てる上におきまして何となく気持ちが定まらないという状況もあります。この原則について政務次官は一体どういうふうに踏まえておいでになるか。万やむを得ず国外牛肉、いわゆる輸入牛肉を放出する場合でも、その時期なり価格、数量等は厳として適正に対処せられるべきもの、こういうふうに私どもは強く期するのでありますが、その辺について政務次官、どういうふうにお考えでしょう。
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近藤鉄雄#27
○近藤(鉄)政府委員 畜産物価格決定についても、ちょっと私申し上げましたのですが、片方ではある程度生産費と見合うような形の価格決定がなされなければならない反面、片方では需給調整もあって、この二つの矛盾するといいますか、相反するような命題をどういうふうにうまく調整するか、こういうお話を申し上げたわけであります。
 特に、需給調整と申しましても、日本の畜産、酪農は、率直に言って戦後のことでございますし、ことに最近非常に急速に発展をした分野でありますが、やはり諸外国、欧米等と比較いたしますといろいろとおくれておる面もございますから、したがって、将来にわたって日本の酪農、畜産を振興していくためにはある程度の措置を講じなければならない、こういうことで、国際的な関係から完全に切り離しはできませんが、しかし、ある程度の国際的な影響については緩和措置を講じていく、こういうことは許されてしかるべきだと思うわけでございます。
 そんなことで、実は牛肉につきましては、御案内のように輸入割り当て制をとっておりますし、豚肉につきましてはいわゆる差額関税である程度、その量は規制しませんが、価格政策をとっておる。二つ扱い方は違っております。
 そこで、お話の牛肉でございますが、やはり今後国内的にもまた国際的にも牛肉の需要は伸びることが予想されますし、一ころアメリカや豪州が日本に対して牛肉の輸入を強く要請してまいった。ところが最近は、それぞれの国において牛肉の価格が結構上がっておりますので、一ころみたいなことがなくなっているというような面もございます。したがって、やはり私たちとしては、牛肉につきましても、あくまでも国内生産増強をメーンにいたしまして、これでできるだけの国内における自給率の達成を図る。しかし、足りない分がございましたらこれはその輸入による。しかし、輸入がそう過度にふくれ上がって国内の生産を圧迫しないように、そこは輸入割り当て制をとって慎重に行う、こういうことであります。
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小里貞利#28
○小里委員 次に、これもでき得れば政務次官にお答えいただきたいのでございますが、今日の農政事業、施策の中で大変生産農民に喜ばれております、また歓迎されました肉用牛子牛生産奨励事業の問題であります。これは御承知のとおり、肉用牛生産経営の意欲を高めるために、二年前からとり行われておるところでございますが、それこそ事業団の助成で、価格の上昇いたしましたことも手伝っておるわけでございますけれども、これが大変生産意欲が向上しつつありますことは御承知のとおりであります。五十四年度の授精頭数などを、見込み数字でありますけれどもお聞き申し上げてみますと、大分増加の傾向にある、こういうようなことでもございまして、徐々ではございますけれども、この施策によりまして生産も低落傾向に歯どめがかかった、こういうふうに申し上げてもいいかと思うのでございます。そのようなことで肉用牛子牛生産奨励金について、農林政務次官は、行政効果として振り返ってどのように評価をしておいでになるのか、それが一点であります。
 もう一つは、ただいま申し上げましたような生産奨励金事業でございましたので、これは当然継続してとり行われるべきものであると判断をしますし、また、それに対応するための準備もとり行われておると思うのでございますが、その辺のことについて、概括でよろしゅうございますがお聞かせいただきたいと思います。
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近藤鉄雄#29
○近藤(鉄)政府委員 御指摘もございましたように、子牛生産に対する子牛生産奨励金につきましては、五十二年ごろの子牛価格の低迷状態がございまして、何とかこの子牛の生産を奨励して肉用牛の生産の拡大を図りたい、こういうことで設けたわけでございますが、結果としては非常に政策効果が上がった措置であるというふうに私たちは考えております。
    〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕
ただ、最近牛肉に対する非常に堅調な需要の伸びに支えられまして子牛価格が結構高くなっておりまして、たとえばことし一月現在でも和牛の子牛雌が一頭当たり三十八万二千円、雄の場合が三十五万八千円、こうなっております。五十二年当時は大体二十四、五万で推移しておったのが、いま三十八万とか五万、こういう数字になっておりますので、十万程度数字が上がってしまった。こういうことから、現段階においてそういう奨励金交付は一つの役割りを終わったのではないか、こういう御意見も実はいろいろ私たちの方に入ってまいりますので、こういう御意見も踏まえながら、今後この事業の実施の必要性等について少し慎重に検討しなければならないかな、こういうふうに思っている段階でございます。
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