外務委員会
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会
会議録情報#0
昭和五十五年三月二十七日(木曜日)
午後二時一分開会
—————————————
委員の異動
三月五日
辞任 補欠選任
成相 善十君 長田 裕二君
金井 元彦君 園田 清充君
三月六日
辞任 補欠選任
長田 裕二君 二木 謙吾君
園田 清充君 大鷹 淑子君
三月十八日
辞任 補欠選任
藤田 進君 松本 英一君
藤井 恒男君 三治 重信君
三月十九日
辞任 補欠選任
松本 英一君 藤田 進君
三月二十一日
辞任 補欠選任
三治 重信君 藤井 恒男君
三月二十四日
辞任 補欠選任
藤田 進君 野田 哲君
小野 明君 案納 勝君
三月二十六日
辞任 補欠選任
案納 勝君 小野 明君
野田 哲君 藤田 進君
三月二十七日
辞任 補欠選任
二木 謙吾君 熊谷 弘君
—————————————
出席者は左のとおり。
理 事
稲嶺 一郎君
鳩山威一郎君
戸叶 武君
渋谷 邦彦君
委 員
大鷹 淑子君
亀長 友義君
熊谷 弘君
町村 金五君
小野 明君
立木 洋君
藤井 恒男君
田 英夫君
国務大臣
外 務 大 臣 大来佐武郎君
政府委員
防衛施設庁労務
部長 伊藤 参午君
外務大臣官房長 柳谷 謙介君
外務大臣官房領
事移住部長 塚本 政雄君
外務省アジア局
長 木内 昭胤君
外務省北米局長 淺尾新一郎君
外務省欧亜局長 武藤 利昭君
外務省中近東ア
フリカ局長 千葉 一夫君
外務省経済局次
長 羽澄 光彦君
外務省条約局長 伊達 宗起君
外務省国際連合
局長 賀陽 治憲君
外務省情報文化
局長 天羽 民雄君
事務局側
常任委員会専門
員 山本 義彰君
説明員
防衛施設庁施設
部首席連絡調整
官 千秋 健君
外務大臣官房調
査企画部外務参
事官 馬淵 晴之君
—————————————
本日の会議に付した案件
○在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務
する外務公務員の給与に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————
〔理事稲嶺一郎君委員長席に着く〕
この発言だけを見る →午後二時一分開会
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委員の異動
三月五日
辞任 補欠選任
成相 善十君 長田 裕二君
金井 元彦君 園田 清充君
三月六日
辞任 補欠選任
長田 裕二君 二木 謙吾君
園田 清充君 大鷹 淑子君
三月十八日
辞任 補欠選任
藤田 進君 松本 英一君
藤井 恒男君 三治 重信君
三月十九日
辞任 補欠選任
松本 英一君 藤田 進君
三月二十一日
辞任 補欠選任
三治 重信君 藤井 恒男君
三月二十四日
辞任 補欠選任
藤田 進君 野田 哲君
小野 明君 案納 勝君
三月二十六日
辞任 補欠選任
案納 勝君 小野 明君
野田 哲君 藤田 進君
三月二十七日
辞任 補欠選任
二木 謙吾君 熊谷 弘君
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出席者は左のとおり。
理 事
稲嶺 一郎君
鳩山威一郎君
戸叶 武君
渋谷 邦彦君
委 員
大鷹 淑子君
亀長 友義君
熊谷 弘君
町村 金五君
小野 明君
立木 洋君
藤井 恒男君
田 英夫君
国務大臣
外 務 大 臣 大来佐武郎君
政府委員
防衛施設庁労務
部長 伊藤 参午君
外務大臣官房長 柳谷 謙介君
外務大臣官房領
事移住部長 塚本 政雄君
外務省アジア局
長 木内 昭胤君
外務省北米局長 淺尾新一郎君
外務省欧亜局長 武藤 利昭君
外務省中近東ア
フリカ局長 千葉 一夫君
外務省経済局次
長 羽澄 光彦君
外務省条約局長 伊達 宗起君
外務省国際連合
局長 賀陽 治憲君
外務省情報文化
局長 天羽 民雄君
事務局側
常任委員会専門
員 山本 義彰君
説明員
防衛施設庁施設
部首席連絡調整
官 千秋 健君
外務大臣官房調
査企画部外務参
事官 馬淵 晴之君
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本日の会議に付した案件
○在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務
する外務公務員の給与に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————
〔理事稲嶺一郎君委員長席に着く〕
稲
稲嶺一郎#1
○理事(稲嶺一郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
委員長は病気のため、本日委員会に出席できないとのことでございますので、委託を受けまして、私が委員長の職務を行います。
まず、委員の異動について御報告いたします。
去る五日、成相善十君及び金井元彦君が委員を辞任され、その補欠として長田裕二君及び園田清充君が選任されました。
続いて、去る六日、長田裕二君及び園田清充君が委員を辞任され、その補欠として二木謙吾君及び大鷹淑子君が選任されました。
また、本日、二木謙吾君が委員を辞任され、その補欠として熊谷弘君が選任されました。
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この発言だけを見る →委員長は病気のため、本日委員会に出席できないとのことでございますので、委託を受けまして、私が委員長の職務を行います。
まず、委員の異動について御報告いたします。
去る五日、成相善十君及び金井元彦君が委員を辞任され、その補欠として長田裕二君及び園田清充君が選任されました。
続いて、去る六日、長田裕二君及び園田清充君が委員を辞任され、その補欠として二木謙吾君及び大鷹淑子君が選任されました。
また、本日、二木謙吾君が委員を辞任され、その補欠として熊谷弘君が選任されました。
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稲
稲嶺一郎#2
○理事(稲嶺一郎君) 次に、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。大来外務大臣。
この発言だけを見る →まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。大来外務大臣。
大
大来佐武郎#3
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について御説明いたします。
改正の第一は、在外公館の設置関係であります。今回新たに設置しようとするのは大使館三、総領事館一の計四館であります。大使館は、いずれも他の国に駐在するわが方大使をして兼轄させるものでありまして、カリブ海にあるセント・ビンセント及びセント・ルシア並びに大洋州のキリバスの三国に設置するものであります。これら三国は、いずれも昨年英国の施政下から独立したものであります。他方、総領事館は、ブラジルのクリチバに実際に事務所を開設するものであります。
クリチバは、ブラジルにおける南部経済圏の中心であるパラナ州の州都でありますが、同州には十四万人の在留邦人及び日系人が居住し、有力な日系社会を形成しているのみならず、最近では同州の経済発展に呼応し、わが国よりの企業進出も増加しております。
改正の第二は、現在ペルーにある在リマ領事館を総領事館に昇格させるものであります。
改正の第三は、これらの在外公館に勤務する在外職員の在勤基本手当の額を定めるものであります。
最後の改正点は、為替相場の変動、物価上昇等を勘案して既設の在外公館に勤務する在外職員の在勤基本手当の額を改定するものであります。以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
この発言だけを見る →改正の第一は、在外公館の設置関係であります。今回新たに設置しようとするのは大使館三、総領事館一の計四館であります。大使館は、いずれも他の国に駐在するわが方大使をして兼轄させるものでありまして、カリブ海にあるセント・ビンセント及びセント・ルシア並びに大洋州のキリバスの三国に設置するものであります。これら三国は、いずれも昨年英国の施政下から独立したものであります。他方、総領事館は、ブラジルのクリチバに実際に事務所を開設するものであります。
クリチバは、ブラジルにおける南部経済圏の中心であるパラナ州の州都でありますが、同州には十四万人の在留邦人及び日系人が居住し、有力な日系社会を形成しているのみならず、最近では同州の経済発展に呼応し、わが国よりの企業進出も増加しております。
改正の第二は、現在ペルーにある在リマ領事館を総領事館に昇格させるものであります。
改正の第三は、これらの在外公館に勤務する在外職員の在勤基本手当の額を定めるものであります。
最後の改正点は、為替相場の変動、物価上昇等を勘案して既設の在外公館に勤務する在外職員の在勤基本手当の額を改定するものであります。以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
稲
戸
戸叶武#5
○戸叶武君 情報化時代と言われているのは、日本の外交も世界の動きを正確にキャッチして、それに対応し得るだけの姿勢を持たなければ外交ができないことを意味するんだと思います。そういう意味において、いままで外交陣の充実というものが欠けていた日本において、外務省では長い間その充実を図ってきたのですが、今度出したような予算要求は当然なことであるし、まだ非常に長い間の習性から遠慮している向きもあると思いますが、軍備の充実ということにのみ夢中にならないで、戦争への道は絶望への道である、平和共存のデタントヘの道を崩しちゃならないというだけの日本の外交の、また国是の基本方針に沿うて、外交陣の整備ということは日本の目下の急務だと思います。その点において、この提案に対してはまだ足りないと思う点が多々ありますが、これに対しては私たちは一歩一歩手がたく、一つの日本で生きた外交の躍動ができるようなとりでをつくり上げてもらいたいと考えております。
そこで、第一に外務大臣にお願いしたいのは、目下の急務は、石油問題から火を噴いたイラン革命とソ連のアフガンに対する軍事進出によって世界は大きく揺れております。中東問題と取り組むのに当たっては、非常な慎重な態度で、悔いを後に残すようなことのないような取り組みが必要だと思います。
昨日、きょうあたりの新聞を見ると、大平首相の特使で行った園田前外務大臣と大来現外務大臣との受けとめ方において、ニュアンスの違いでしょうが、若干違いがあるようにも見受けられるんですが、それはイランに園田さんが飛び込もうとするのに際しても、もう少しやはり中東における複雑多岐な動きを正確に把握してから後に行ってもいいのじゃないかという考え方、特に中東における自主的な、アラブ諸国において問題を解決する努力をやりたいという向きもあるし、また中東問題に対して前々から深い関心を持っていたEC諸国においても、特にフランスのジスカールデスタン氏の動きや何かを見ても、日本よりも情報網を持っている国における動きとして参考にしなければならない点も多々あるように私たちは欧州議会との懇談に参った者として感じさせられたんですが、大来外務大臣はこの問題に対してどういう点に問題点があるか、その煮詰めた御見解を承りたい。それと同時に、先ほどのアメリカ訪問における応答において、どういう点でアメリカとの間に違いがあったか、誤解があったか、問題点はどこにあったかもこの機会に報告を願いたいと思います。
この発言だけを見る →そこで、第一に外務大臣にお願いしたいのは、目下の急務は、石油問題から火を噴いたイラン革命とソ連のアフガンに対する軍事進出によって世界は大きく揺れております。中東問題と取り組むのに当たっては、非常な慎重な態度で、悔いを後に残すようなことのないような取り組みが必要だと思います。
昨日、きょうあたりの新聞を見ると、大平首相の特使で行った園田前外務大臣と大来現外務大臣との受けとめ方において、ニュアンスの違いでしょうが、若干違いがあるようにも見受けられるんですが、それはイランに園田さんが飛び込もうとするのに際しても、もう少しやはり中東における複雑多岐な動きを正確に把握してから後に行ってもいいのじゃないかという考え方、特に中東における自主的な、アラブ諸国において問題を解決する努力をやりたいという向きもあるし、また中東問題に対して前々から深い関心を持っていたEC諸国においても、特にフランスのジスカールデスタン氏の動きや何かを見ても、日本よりも情報網を持っている国における動きとして参考にしなければならない点も多々あるように私たちは欧州議会との懇談に参った者として感じさせられたんですが、大来外務大臣はこの問題に対してどういう点に問題点があるか、その煮詰めた御見解を承りたい。それと同時に、先ほどのアメリカ訪問における応答において、どういう点でアメリカとの間に違いがあったか、誤解があったか、問題点はどこにあったかもこの機会に報告を願いたいと思います。
大
大来佐武郎#6
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいまの御質問、中東問題についての考え方でございますが、日本にとりまして、中東湾岸地帯は日本の主たるエネルギー、石油の大部分、八割までを供給しておるという直接の関係がございますが、同時に中東地域がいま世界で最も問題の多い地域の一つであるということも認識しておるわけでございます。中東におきましては、日本の技術力、経済力等に対する信頼があり、また同じくアジアの一国であるというようなこともしばしば言われるわけでございます。それから中東の問題について、過去に日本が余り関係を持ってなかったということを評価する向きもあるわけでございますが、同時に中東の事情というのはきわめて複雑をきわめておるということは戸叶委員も御承知のところと存じます。で、これについては、やはりかなり慎重なアプローチが同時に必要である。前向きには、やはり中東の包括的、永続的な平和の建設のために協力するということが日本の役割りだろうと思うのでございます。
せんだってワシントンに参りまして、バンス長官とも会談の機会がありましたが、中東問題についてのアメリカの考え方としては、キャンプ・デービッドの申し合わせ、つまりまずエジプトとイスラエルの和平という、こういう方向で進めてまいっておるわけでございますが、キャンプ・デービッドが二国間の講和に終わってしまうことになりますと、他のアラブ諸国が非常に強い反対といいますか、をいたすわけでございまして、すでに御承知のように、エジプトの立場はかなり微妙なものがございますが、アメリカ側から見ればこういうキャンプ・デービッド・アプローチのほかに適当な選択がない、いろんな意見、いろんな議論、いろんなアプローチがあるけれども、それは事態を混乱させるだけだという立場をとっておるわけでございますし、それからPLOについて、アメリカとしてはPLOが明確にイスラエル国の存立を認める、イスラエルの存続を認めるということを言わない限りアメリカ側としては態度変更が不可能だということを申しておりました。
なお最近、御承知のように国連の投票をめぐって多少問題があったわけでございますが、これは主としてイスラエルの占領地域内におけるイスラエル人の定住問題、国連の決議はこれに反対する、あるいはすでに定住しておる者の撤退というようなことも含むことでございまして、これをめぐりましてアメリカの表決に、一たん賛成した表決を後で撤回するというようなことがあったわけでございますが、これはアメリカにとっても中東の問題がきわめて扱いにくいいろいろな側面を持っておるということの一つのあらわれかとも存じます。基本的にいま日本にとって中東はきわめて重要な地域でございますし、これの永続的な、総括的な平和に対して、いかに日本が寄与できるかという立場から中東政策を考えていく必要があろうかと思っております。
この発言だけを見る →せんだってワシントンに参りまして、バンス長官とも会談の機会がありましたが、中東問題についてのアメリカの考え方としては、キャンプ・デービッドの申し合わせ、つまりまずエジプトとイスラエルの和平という、こういう方向で進めてまいっておるわけでございますが、キャンプ・デービッドが二国間の講和に終わってしまうことになりますと、他のアラブ諸国が非常に強い反対といいますか、をいたすわけでございまして、すでに御承知のように、エジプトの立場はかなり微妙なものがございますが、アメリカ側から見ればこういうキャンプ・デービッド・アプローチのほかに適当な選択がない、いろんな意見、いろんな議論、いろんなアプローチがあるけれども、それは事態を混乱させるだけだという立場をとっておるわけでございますし、それからPLOについて、アメリカとしてはPLOが明確にイスラエル国の存立を認める、イスラエルの存続を認めるということを言わない限りアメリカ側としては態度変更が不可能だということを申しておりました。
なお最近、御承知のように国連の投票をめぐって多少問題があったわけでございますが、これは主としてイスラエルの占領地域内におけるイスラエル人の定住問題、国連の決議はこれに反対する、あるいはすでに定住しておる者の撤退というようなことも含むことでございまして、これをめぐりましてアメリカの表決に、一たん賛成した表決を後で撤回するというようなことがあったわけでございますが、これはアメリカにとっても中東の問題がきわめて扱いにくいいろいろな側面を持っておるということの一つのあらわれかとも存じます。基本的にいま日本にとって中東はきわめて重要な地域でございますし、これの永続的な、総括的な平和に対して、いかに日本が寄与できるかという立場から中東政策を考えていく必要があろうかと思っております。
戸
戸叶武#7
○戸叶武君 園田元外相がパレスチナ問題は中東の恒久和平のかぎではないというふうに述べたことに対して、大来さんがパレスチナ問題は中東問題の重要な課題であるというふうに、それを否定しているわけではないが、もっと幾つかの問題がある、その意味において重要問題はパレスチナ問題だけではないという意味で問題を言われているのかどうか、その辺のことはどういう見解の上に立っての、園田特使の発言に対する修正でしょうか。
この発言だけを見る →大
大来佐武郎#8
○国務大臣(大来佐武郎君) 園田特使が帰られまして、私も直接お会いもいたしましたが、この問題、いまのパレスチナ問題について直接御意見をたたいたわけではございませんが、私の判断といたしましては、パレスチナ問題が中東におけるきわめて重要な問題だということはもちろん園田特使も御認識だと考えます。ただ、いろいろ現地を歩かれてパレスチナ問題以外にも相当複雑な問題があの地域にあるということを見てこられたのではないか、そういう意味で、パレスチナの問題が重要でないという意味ではなくて、きわめて重要だが、ほかにも問題があるという意味での御発言だったのではないかと私は受けとめておるわけでございます。
この発言だけを見る →戸
戸叶武#9
○戸叶武君 パレスチナ問題はそれとして、イランのパーレビ前国王がパナマから離れてエジプトに移られたということは、新しく問題がまたここに提出されたわけであります。いま始まったことでなく、すでにエジプトにおいては国会に対して、古い友情ということを捨てるわけにはいかぬという形で、人道的見地からかと思いますが、パーレビ前国王をエジプトは迎える用意があるという説得をすでにサダト大統領はやっているのですが、それはそれだけの意味なのでしょうか。それとも、エジプトにおいてはアラブ諸国に大きな影響力を及ぼす律法関係の権威者が相当おるので、イランにおける指導者たちの中においても法に従ってパーレビ前国王を裁くというような見解を発表しているので、そういう形の方法に乗せるために、ワンクッションを置くためにエジプトに向かい、中東自身で、特にアラブ諸国の合意の上に立って問題を解決しようとしているのか。それともイランにおける行き過ぎ行為を行き過ぎと思い、それを是正しようという意図のもとに行っているのか、そういう情報は外務省としてはどのように受けとめておりますか。
この発言だけを見る →千
戸
戸叶武#11
○戸叶武君 的確なる情報はないというのが事実でしょうが、私はエジプトに行って、カイロ大学の総長であって、一院制の議会のもとにおける議長に就任した最高のエジプトの知性人といわれる方の御招待も受け、意見の交換も行いました。そういう事態が起きる前ですから、そういうことは私も予測し発言することはできませんけれども、アラブ全体の中において穏健派あるいは急進派、いろんな流れはあると思いますが、その中において、この問題は中東全体と重要な関連があるのであるから、他国の介入よりも中東自体において自主的にこの問題はあるところまで煮詰めて、ある合意に到達しなけりゃならないのじゃないかという意図も、回教圏において先進国的な、いや先進国というよりは近代国家的な体制を整備しつつあるエジプトでは、そういうふうな考え方もその中にはひそんでおるのであって、エジプト自体の思いつきでやっているとは思えないのですが、その程度の情報は、いかに正確な情報が入らない外務省といえども、大体は入っていると思います蚕もう少しその点、突っ込んだところをお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →大
大来佐武郎#12
○国務大臣(大来佐武郎君) 後で政府委員からまた補足いたさせますけれども、このパーレビ前国王がパナマを離れたという方の理由につきましては、現在パナマ国のロヨ大統領が日本に参っておりまして、せんだって会談の際にいろいろこの問題についての話も出たわけでございますが、パナマ側としてはパーレビ前国王に対して、パナマに引き続きおられた方がいいのではないかということを申したと。一つには、仮にそういうイランからの引き渡し要請があっても、これを決定するのは大統領自分自身の権限であるし、もし引き渡せば、場合によると死刑というような問題もある、パナマは死刑を廃棄している国であって、そういうたてまえからいっても引き渡すことはできない、そういうこともパーレビ前国王に話してあるのだけれども、今回はどうしても二の国を出たいという要請で、それをパナマ側に引きとめる理由はなかった、権限がなかった、という事情だと申しておりました。
エジプトに行く理由につきましては、これはロヨ大統領の推定であるけれども、パーレビ前国王がエジプトに親戚を持ち、また前王妃といいますか、王妃はエジプト人であったとか、いろいろエジプトに深い縁があるということと、サダト大統領から必要なときには受け入れるという招請が以前からあった。それからもう一つは、アメリカ側の医師がパナマで手術をすることについて、パナマ側の反対がある、医師の間の反対がある。アメリカからはジョーダン特使がパナマに参りまして、パナマにやはりパーレビ前国王の出国をしない方がいいという意見を伝えたけれども、これもやはり前国王は承知しない。エジプトに行けば病院の施設、手術の施設があるということも一つの理由でなかったのだろうかと、大体私どもの得ておる情報としてはそういうことでございまして、戸叶先生のお尋ねのエジプト側の考え方、立場ということは正確につかんでおらないわけでございますが、この点、政府委員よりもし何かあればさらにお答えしますが、先ほどのように、正確な情報をつかんでおらないように思います。
この発言だけを見る →エジプトに行く理由につきましては、これはロヨ大統領の推定であるけれども、パーレビ前国王がエジプトに親戚を持ち、また前王妃といいますか、王妃はエジプト人であったとか、いろいろエジプトに深い縁があるということと、サダト大統領から必要なときには受け入れるという招請が以前からあった。それからもう一つは、アメリカ側の医師がパナマで手術をすることについて、パナマ側の反対がある、医師の間の反対がある。アメリカからはジョーダン特使がパナマに参りまして、パナマにやはりパーレビ前国王の出国をしない方がいいという意見を伝えたけれども、これもやはり前国王は承知しない。エジプトに行けば病院の施設、手術の施設があるということも一つの理由でなかったのだろうかと、大体私どもの得ておる情報としてはそういうことでございまして、戸叶先生のお尋ねのエジプト側の考え方、立場ということは正確につかんでおらないわけでございますが、この点、政府委員よりもし何かあればさらにお答えしますが、先ほどのように、正確な情報をつかんでおらないように思います。
戸
戸叶武#13
○戸叶武君 いまパナマのロヨ大統領が日本に来ており、きのうもロヨ大統領にお目にかかって、それほど突っ込んだ話はできませんでしたが、お話を聞くと、やはり米国からジョーダン大統領補佐官と医師が来て、前国王は脾臓の手術を行うということで、数日前、自分の意思で旅行を選んだのだというふうに語っておりますが、やはりパナマとしては、なぜエジプトを選んだのかということについては、むしろ本人の意思、それからアメリカ側からの何らかのサジェストがあったのかどうかは明瞭にしておりませんでした。しかし、この問題は後でわかることでありますが、このパレスチナ問題に命をかけたサダト大統領は、やはりエジプトとイスラエルの立場は違うけれども、ともに近代国家的な体制を整えつつあるこの二つの国で、宗教やいろんな立場を乗り越えて中東の平和と繁栄を保つためには、現状打開のために具体的な手を打たなければならないということを私は考えているのであって、単なる思いつきの冒険政策とは思えない。これはイランやあるいはエジプトにおけるアラブの急進派からの相当の反対やデモも計算に入れて、問題はここから問題を打開しなければならない、幾多の問題があるけれども、これを回避しては通れないという、かなり思い詰めたものがあるのじゃないかと思いますが、これはこれ以上しても水かけ論になってしまいますし、また外務省としては正確な情報が入っても、いまこうこうだという不的確——不的確というよりはその情報をこうだというふうに伝えるべき段階ではないと思いますが、中東の動きというものについては、フランスあるいはニューデリー、エジプトというような国々は日本以上に情報を持っております。やはりそういうところで相当の情報をキャッチして、情報に尾ひれをつけるのでなく、世界史の展開の中においていま中東は何を苦悩し、何を模索し、何を行わんとするかということだけは、やはり見通しを正確に立てないと、予測なしには外交のプログラムは進められないと思うのでありまして、このことが欠けている点に日本外交の非常にいままでの幾多の失敗点があるのだと思いますので、いま予算を十分——十分と言わないにしても取るに当たっては、この情報を整備し、もっと生きたニュース、それから日本のために、世界のためにプラスになるような正確なニュース、これをやはりとるということが必要であって、いまのソ連なりアメリカなりは力を持っているが、力に任せて権謀術策の外交がどれだけ災いをなしているかということは、ソ連なりアメリカが、あのイラン問題でアメリカが前進もできず、アフガンに戦車を並べたソ連が世界からの袋だたきに遭って動きがとれない状態を見ればわかるので、第三次世界戦争は、いままでの戦争に対する考え方と違って人類の破滅を意味します。ソ連やアメリカが考えているような簡単な形で、中東諸国はアメリカなりソ連を歓迎しておりません。特に、イランにおいて、イラクにおいて、沿岸諸国において、アメリカに対する危惧感も非常に強いのであります。
日本の新聞は——新聞というか外電は、アメリカにコントロールされている面も非常に多いので、正確な情報が必ずしも入っているとは思えない点が多々あると思うのであります。これは新聞が悪いのじゃなくて、どこかにそういうゆがんだ一つの情報の修正というものが、権力を持っている政府なり、あるいはアメリカからなされるのであって、やはりあの沿岸諸国、アラブ全体からの一般の市民の受けとめている感情というものは、石油が出たけれどもアメリカのメジャーのためにいい加減にされ、アメリカのメジャーを支えている勢力に翻弄せられてしまって、ニクソンにだまされ、カーターに裏切られたというのが合い言葉になっているのが事実であります。
このアフガンに進出したソ連に対する抵抗と同時に、もうアメリカにだまされないぞ、アメリカもソ連も自分のことだけを考えて、第二のヤルタ秘密協定のような形で、アフガン及びイランの分割協定までなされているのじゃないかというまでの憶測がなされておるのであります。現に、サンケイ新聞に、アラブの中だけでなく、石油問題で駆けめぐっている田中清玄君のごときは、それを率直に述べておりますが、アラブへ入って私たちも驚いたことは、やはり過去のイギリスに対する不信感、バルフォア宣言に対して、あるいはアラビアのロレンスに対して、彼らがアラブを分割して今日の統一なき状態を醸し出したのだという恨みを持っております。
イギリス外交は、きわめて不利な中にあっても、アラブへは足を突っ込まないが、冷静な形でEC諸国を説きめぐって中立化の方向を方向づけておりますが、これは私はイギリス独特の外交の鍛練からくるものと、先取りと思うのでありますが、それにしても、ECの諸国は決議でそれを出しましたが、まだまだアラブの諸国の中においては疑心暗鬼の面も私はあると思います。しかしながら、事は急速に、ソ連並びにアメリカのいまのような孤立化打開のために私は大きな変化が生まれてくると思うんです。確信しております。
それにもかかわらず、この災難に便乗して軍備の拡大だけをねらっているような行き方が果たして世界に、この国にどれだけの貢献をするかということは、疑問です。世界の潮流に逆行しての動きは、ソ連、アメリカ、日本たりといえどもむなしき、それは徒労に帰する危険性が多分にあると思うんです。もう少し国の運命を担って立っている外交、軍事の問題を担当する人は、今日様ではなく明日への道に一つの希望を託すだけの大所高所の対策を持たなけりゃならぬと思いますが、大来さんにはそれを大きく期待しております。アメリカでは当たりがあなた非常によかったんだが、この問題は後で私の方の国会対策委員長の質問でお聞きしてもらうことにしますが、日本がやはりアメリカとのパートナーシップを維持するのは、アメリカの言うなりに振り回されることでなく、ソ連に対しての態度と同じように、ソ連のいまの態度に対してはアメリカよりもより厳しい態度が必要かもしれませんが、やはり世界全体を考えるならば、覇権主義の上に立つと思われるような、自分自身に反省を何一つ持たないで、自分の国の都合のよいように世界を振り回そうとするような行き方は、その国にも世界にも災いをつくり上げることですから、EC諸国以上に日本は自主外交を展開して、ソ連に対して苦言を呈すると同時に、アメリカに対しても、回顧録は売れるかもしれないけれども、やったことはろくなことはやらなかったという、キッシンジャーのような悪名を後で残すようなことのないような外交を私は日本の外交はとってもらいたいと思うんですが、大来さん、アメリカへ行ってはなかなかわれわれの考え方と違う面も多々あると思いますが、あなた当たりのいい方ですが、どうです。本当にパートナーシップというのはアメリカベースで動くことでなく、アメリカに対してもやはり苦言を呈するだけのみずからの姿勢というものがなければ相手を動かすことはできないと思いますが、どうでしょうか。
この発言だけを見る →日本の新聞は——新聞というか外電は、アメリカにコントロールされている面も非常に多いので、正確な情報が必ずしも入っているとは思えない点が多々あると思うのであります。これは新聞が悪いのじゃなくて、どこかにそういうゆがんだ一つの情報の修正というものが、権力を持っている政府なり、あるいはアメリカからなされるのであって、やはりあの沿岸諸国、アラブ全体からの一般の市民の受けとめている感情というものは、石油が出たけれどもアメリカのメジャーのためにいい加減にされ、アメリカのメジャーを支えている勢力に翻弄せられてしまって、ニクソンにだまされ、カーターに裏切られたというのが合い言葉になっているのが事実であります。
このアフガンに進出したソ連に対する抵抗と同時に、もうアメリカにだまされないぞ、アメリカもソ連も自分のことだけを考えて、第二のヤルタ秘密協定のような形で、アフガン及びイランの分割協定までなされているのじゃないかというまでの憶測がなされておるのであります。現に、サンケイ新聞に、アラブの中だけでなく、石油問題で駆けめぐっている田中清玄君のごときは、それを率直に述べておりますが、アラブへ入って私たちも驚いたことは、やはり過去のイギリスに対する不信感、バルフォア宣言に対して、あるいはアラビアのロレンスに対して、彼らがアラブを分割して今日の統一なき状態を醸し出したのだという恨みを持っております。
イギリス外交は、きわめて不利な中にあっても、アラブへは足を突っ込まないが、冷静な形でEC諸国を説きめぐって中立化の方向を方向づけておりますが、これは私はイギリス独特の外交の鍛練からくるものと、先取りと思うのでありますが、それにしても、ECの諸国は決議でそれを出しましたが、まだまだアラブの諸国の中においては疑心暗鬼の面も私はあると思います。しかしながら、事は急速に、ソ連並びにアメリカのいまのような孤立化打開のために私は大きな変化が生まれてくると思うんです。確信しております。
それにもかかわらず、この災難に便乗して軍備の拡大だけをねらっているような行き方が果たして世界に、この国にどれだけの貢献をするかということは、疑問です。世界の潮流に逆行しての動きは、ソ連、アメリカ、日本たりといえどもむなしき、それは徒労に帰する危険性が多分にあると思うんです。もう少し国の運命を担って立っている外交、軍事の問題を担当する人は、今日様ではなく明日への道に一つの希望を託すだけの大所高所の対策を持たなけりゃならぬと思いますが、大来さんにはそれを大きく期待しております。アメリカでは当たりがあなた非常によかったんだが、この問題は後で私の方の国会対策委員長の質問でお聞きしてもらうことにしますが、日本がやはりアメリカとのパートナーシップを維持するのは、アメリカの言うなりに振り回されることでなく、ソ連に対しての態度と同じように、ソ連のいまの態度に対してはアメリカよりもより厳しい態度が必要かもしれませんが、やはり世界全体を考えるならば、覇権主義の上に立つと思われるような、自分自身に反省を何一つ持たないで、自分の国の都合のよいように世界を振り回そうとするような行き方は、その国にも世界にも災いをつくり上げることですから、EC諸国以上に日本は自主外交を展開して、ソ連に対して苦言を呈すると同時に、アメリカに対しても、回顧録は売れるかもしれないけれども、やったことはろくなことはやらなかったという、キッシンジャーのような悪名を後で残すようなことのないような外交を私は日本の外交はとってもらいたいと思うんですが、大来さん、アメリカへ行ってはなかなかわれわれの考え方と違う面も多々あると思いますが、あなた当たりのいい方ですが、どうです。本当にパートナーシップというのはアメリカベースで動くことでなく、アメリカに対してもやはり苦言を呈するだけのみずからの姿勢というものがなければ相手を動かすことはできないと思いますが、どうでしょうか。
大
大来佐武郎#14
○国務大臣(大来佐武郎君) 中東の情勢あるいは南西アジアにつきましては、園田特使が回られまして各国の首脳ともいろいろ意見交換をしてこられたわけでありますが、その結論の一つもやはりあの地域に、あの地域として独自の動きを続けたいと、超大国の抗争の場にされては困るという考え方が強くあることを感じてこられたようであります。
私からも今回ワシントンに参りましたときに、園田特使が見てこられたところ、まあいまのような趣旨がかなりあるわけでございますが、これを率直にバンス長官にも伝えましたし、また書いた物で、その特使の報告の概要を直接バンス長官にも手渡しをいたしました。とにかく中東及び南西アジアの地域におきまして、たとえばアフガニスタンの中立構想などにつきましても、できるだけ周辺諸国の自主的な動きを尊重するという立場が必要だと考えるという意見を先方に伝えたわけでございまして、日本と米国、あるいは西欧の間にはやはり政治的な制度について共通なものがございますし、そういう意味での基本的な友好関係を維持する、特にアメリカとの間においては、これはまた日本の将来にとって重要だと思いますので、基本的な関係を崩すということは避けるべきだと思いますが、いま申しましたような具体的な問題についていろいろ日本側としての見方を、今回も先方に申してまいったわけでございます。
この発言だけを見る →私からも今回ワシントンに参りましたときに、園田特使が見てこられたところ、まあいまのような趣旨がかなりあるわけでございますが、これを率直にバンス長官にも伝えましたし、また書いた物で、その特使の報告の概要を直接バンス長官にも手渡しをいたしました。とにかく中東及び南西アジアの地域におきまして、たとえばアフガニスタンの中立構想などにつきましても、できるだけ周辺諸国の自主的な動きを尊重するという立場が必要だと考えるという意見を先方に伝えたわけでございまして、日本と米国、あるいは西欧の間にはやはり政治的な制度について共通なものがございますし、そういう意味での基本的な友好関係を維持する、特にアメリカとの間においては、これはまた日本の将来にとって重要だと思いますので、基本的な関係を崩すということは避けるべきだと思いますが、いま申しましたような具体的な問題についていろいろ日本側としての見方を、今回も先方に申してまいったわけでございます。
戸
戸叶武#15
○戸叶武君 私はエジプトにおいて、エジプトのすぐれた知性人と言われるターレブ議長からも歓待を受けて、親しく意見を交換した折にも、エジプトの指導者の中においてこういう問題を私に提起してきた方があります。それはエジプトにおいて、ちょうど日本が日露戦争に勝った前後、日本の国威が発揚された時分の明治天皇に匹敵するようなエジプト近代化のために貢献したところのモハメッド・アーリーというすぐれた方があったが、しかし、日本と比較するときに、破壊の道は簡単だが建設への道は困難であるということをしみじみ私たちは感じている。同じく近代化の道をたどったのにもかかわらず、エジプトが六千年の文化道統を持っていると言いながら、国の近代化において日本と比較にならないようなおくれをとったのはどういうところに原因があるのかということを私たちはいま反省し、検討している、政治家戸叶はどういうふうにそれを見るか、という御意見でしたが、私は言うことはないと、エジプト自身の国民の中に、有識者の中において近代国家をつくり上げる道はなかなか困難であるという自己批判が生まれてきたこと自体がすでに近代国家への道を歩む選択をなすモデルをつくり上げる可能性を示しているものじゃないかと思うので、これがエジプトにおいていち早くそういう自己批判が生まれてきたということは、これは大変な収穫ではないかと思う、というふうに答えておきましたが、自分の国さえよければよいというような排他的なショービニズムは排すべきであるが、各民族に所を得せしめるだけの自主独立への道をたどらせて、その苦悩の中から近代国家を自主的につくり上げるという努力、それを世界が包んでやるというだけの思いやり、そういう愛情なしには世界の平和共存への基盤は築かれないのじゃないかと思っております。やはり経済恐慌と戦争と暴力革命の苦い経験を持ってそれを乗り切ってきたヨーロッパにおいてはその配慮が私は出てきていると思います。そういう意味においてヨーロッパ、ECの諸国と、敗戦において苦い目に遭ってきた日本、再び戦争はしまいという考え方は日本だけの考え方でなく、国際連帯の上に立ってこそ初めてそこにそれが成果を得るのだと思うのですが、大平さんはそのような考え方の上に立って私は日本外交を進める方だと思いますが、御見解はいかがでしょうか。
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戸
大
大来佐武郎#18
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいまのような御趣旨、つまり特に開発途上国の近代化への意欲に対して日本がその経験なり技術を提供する、それでそれらの国々の近代化への要求、欲求にこたえるということは日本の外交の一つの大きな建設的な役割りと私も思っておりますし、この点は総理もその考え方に違いはないと思っております。
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小野明#19
○小野明君 大臣は先ごろアメリカに行ってこられたわけですが、その際のいろんな新聞報道を読みますというと、アメリカのいろんな方にお会いになってこられた。特にブラウン長官との会談がこれは主であると思うのでありますが、、日本の防衛費につきまして、向こうからの要請は、着実そして顕著な防衛費の増強の要請があったと、こういうふうに伝えられております。それに対しまして、外務大臣は、着実な増強はこれは応ずるけれども、顕著な増強という点についてはこれは応じられないと拒否をされたと、こういうふうに報道されておるわけです。ところが、着実といい、顕著といい、いずれもこれは形容詞でありましてね、一体何を中身で意味をしておるのか、これがよくわからない。しかし、それでは交渉にならないのではないかと思うんですね。そこで、外務大臣が着実な増強には応ずる、顕著な増強はだめだと、こういうふうに言われた。いずれも内容があるのではないかと考えられます。着実な増強には応じていくんだと、こういうふうにオーケーを出した大臣の含み、内容というのは一体どういうことなんでしょうか。
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大来佐武郎#20
○国務大臣(大来佐武郎君) ブラウン長官からのこの発言は、最近の極東情勢あるいは中東情勢等にかんがみて、日本が防衛力を着実かつ顕著に強化していくことが自分たちの希望である、ということを申したわけでございます。それにつきましては、具体的には今回の場合にそう深く立ち入ったわけでもございませんし、そもそも防衛庁あるいは防衛関係者同士が話し合うべき問題でもございますので、一般的な考え方について今回は意見の交換をしたわけでございます。日本側にはこの問題について、昭和五十一年の国防会議及び閣議決定がございます。一%を超えないことを当面のめどとして防衛力を考えていくというこの閣議の決定がございまして、私どももこの閣議決定なり国防会議の決定というのは、その当時において政府が一つの意思決定を行ったことであろうと受け取っておるわけでございます。まあ、そういう意味では当面一%を超えない範囲での防衛力の強化ということであれば、これは当面というのを何年ぐらいの時期に見るかにもよりますけれども、従来の日本政府の考え方から外れるものではないと一応了解しておるわけでございまして、そういう意味で、私はこの着実なということについては日本政府も考えていることであるけれども、急速に大幅にということになると、これはできないと思います。そういう意味で、顕著ということは無理だというふうに申し上げたわけでございます。
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小野明#21
○小野明君 そうしますと、大臣は五十一年の閣議決定である一%以内——ここ数年のうちに一%に持っていくということを示唆されたわけですか。そのブラウン長官とのやりとりの中身がよくわからないんですよ。先般の予算委員会の秦君の質問に対して、防衛庁が中期業務見積もりというものを持っておりますが、まあ内部的なものなんですが、これについても米側の要求があったと、で、ある程度大臣はこれを尊重しなければならぬという答弁をされておるわけです。それから見ると、まあ顕著な要求にこれは私は拒否したのでなくてオーケーをしたのではないかということも感じられるわけなんですね。ブラウン長官とのやりとりの中身というのは一体どういうことだったんでしょうか。
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大来佐武郎#22
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいまのこの中期業務見積もりというものはこれは防衛庁限りの作業としてあるわけでございまして、これは日本政府ないし国防会議で決定したものではないわけでございます。これはこちらから今度の会議でも持ち出さなかったのですけれども、ブラウン長官の方から自分たちはあの中期業務見積もりを評価している、できることならそれをある程度早くできないだろうかということが具体的——これはまあその「着実かつ顕著な」ということの内容になるかと思うのでございますが、私としてはいろいろな日本の考え方、世論の動向、国民のコンセンサス、それから終戦以来日本がとってきております日本の基本的な防衛問題に対するコース、考え方という点もある。それから同時にいろいろな国際情勢の変化ということも認識をしておるのであるけれども、そういう立場からいえば着実に防衛努力を進めることは必要だと考えるけれども、顕著というわけにはいかないと、まあ大体そういうことになるわけでございまして、それ以上の内容につきましては、これは前にブラウン長官が中国の帰りに日本に寄りました際、あるいはその前、昨年の十月に日本に参りました際等に防衛当局との話し合いもあったわけでございますが、特に海、空における防衛能力、対潜、対航空機に対する防衛能力を強めてほしいという意向の表明があったわけでございます。
今回も日本としては、いまのような基本的な立場からいって専守防衛、この大きな枠を踏み越えることは絶対できない、そういう点についてもこちらから念を押したわけでございますが、ブラウン長官もその日本の持っておる基本的な立場ということは自分たちも十分理解しているつもりだ、ただ、その専守防衛という基本的な枠の中で日本自身が日本を守るためにまだなすべき余地が残されておるように思う、そういう意味で現下の国際情勢にかんがみて着実かつ顕著な防衛努力というものを希望している、で、もちろんこの問題は日本国民自身が決める問題であるということも自分たちは十分認識しておるので、われわれとしての希望を申し述べるのだ、という大体のやりとりであったわけでございます。
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小
小野明#23
○小野明君 そうしますと、いわゆる米側のブラウン長官の顕著な増強というのは防衛庁の中期業務見積もりであると、こういうふうに大臣はお考えで、そしてこれは応ずることができないと、こういうふうにはっきりおっしゃったわけですか。
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大来佐武郎#24
○国務大臣(大来佐武郎君) そうではございませんで、中期業務見積もりの、まあ米側の立場としては繰り上げて実行できないかという意味が含まれておったと思います。その「顕著な」ということの中に。で、それは困難だという立場で私は返事をしたわけでございます。
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小野明#25
○小野明君 そうすると、これは計画は五年だったと思いますよね、繰り上げて実施はできないが、結局中期業務見積もりは米側から要求があった問題については応ぜざるを得ないと、こういう内容になりますというと、これは結局着実な増強にも応じ、あるいは顕著な増強要求にも応じてきたんだと、こういうふうに見ても差し支えないのじゃないですか、応じてこられたのじゃないですか。
この発言だけを見る →大
大来佐武郎#26
○国務大臣(大来佐武郎君) 先ほど来申しておりますように、着実だとか顕著だとかいうその判断の問題ございますけれども、中期業務見積もりというのは、これは防衛庁限りのものでございまして、先ほど来申しますように、この点についてどうこうということはまだ私の立場で申し上げるわけにいかない立場で今回も向こうに参っておったわけでございますし、今回の国会のいろいろな御討議の中でも、防衛力の増強についてのいろいろな質疑も行われたわけでございますけれども、私どもとしてはいまのような基本的な立場を守る、この専守防衛という基本的な立場を守り、また日本の財政経済の現状、国際情勢の推移、国民のコンセンサス、こういうものを踏まえて可能な限り進めていくことだろうと、具体的な内容はこれは防衛当局が考えることだという立場をとっておるわけでございまして、この点は今回先方にもはっきり申したことでございまして、向こうの言っておりますこの着実かつ顕著なということについて同意を与えたことには決してならないと私は考えております。
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小野明#27
○小野明君 いま大臣おっしゃったように、この中期業務見積もりというのは、国防会議あるいは閣議決定を経たものではありませんよね、これはない。ただ単なるこれは内部のものであると。したがって、これについてどうということは大臣は言われなかったかもしれませんが、これは五年計画であるが、この防衛庁の中期見積もりに対してある程度応じなければならぬ、尊重しなければならぬと、こういうふうに大臣は予算委員会で答弁されておるわけですよね。そうしますと、五年では無理だが、こういう内部の計画に対してあるいはアメリカから指摘があった。そうすると、アメリカの意向を尊重するためにはこの中期業務見積もりを何らかの形で実現をしなければならぬ、尊重しなければならぬと言われておるんですが、どういう達成の仕方を大臣考えておられるのですか。
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大来佐武郎#28
○国務大臣(大来佐武郎君) 中期業務見積もりというこの防衛庁の案におきましては、まあ大体五年後に防衛支出がGNPの一%近くになるというようなことになっておるようでございまして、それは先ほど申し上げましたように、昭和五十一年の国防会議あるいは閣議決定の枠内の考え方でございますので、その当時の防衛に対する政府の意思決定、考え方を超えるものではない、そういう意味での一つの政府の方針としての枠内に置かれておるものだというふうに解釈しておるわけでございまして、中期業務見積もりの規模は昭和五十一年の閣議決定の線を逸脱するものではないというふうに従来から考えてきておるわけでございます。
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小野明#29
○小野明君 そうしますと、このブラウン長官とのやりとりで、大臣は、ここ数年のうちにGNP比一%に持っていくというお約束をされて帰ったわけですね。そしてその内容は中期業務見積もりを含むと、こう解釈してよろしいわけですか。
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