予算委員会第一分科会

1981-03-31 参議院 全162発言

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会議録情報#0
昭和五十六年三月三十一日(火曜日)
   午前十時開会
    —————————————
   分科担当委員の異動
 三月三十日
    辞任         補欠選任
    目黒今朝次郎君     佐藤 三吾君
     山田  勇君     青島 幸男君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    主 査         平井 卓志君
    副主査         粕谷 照美君
    分科担当委員
                木村 睦男君
                竹内  潔君
                林  寛子君
                八木 一郎君
                山崎 竜男君
                佐藤 三吾君
                藤原 房雄君
                青島 幸男君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (内閣官房長
       官)       宮澤 喜一君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)
       (沖繩開発庁長
       官)       中山 太郎君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       中川 一郎君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房会計課長
       兼内閣参事官   鴨澤 康夫君
       内閣総理大臣官
       房同和対策室長  小島 弘仲君
       内閣総理大臣官
       房総務審議官   和田 善一君
       公正取引委員会
       委員長      橋口  收君
       公正取引委員会
       事務局経済部長  伊従  寛君
       科学技術庁長官
       官房長      下邨 昭三君
       科学技術庁長官
       官房会計課長   永井 和夫君
       科学技術庁研究
       調整局長     勝谷  保君
       科学技術庁原子
       力局長      石渡 鷹雄君
       科学技術庁原子
       力安全局長    赤羽 信久君
       沖繩開発庁総務
       局長       美野輪俊三君
       沖繩開発庁総務
       局会計課長    宮島  茂君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        道正  友君
   説明員
       通商産業省産業
       政策局産業組織
       政策室長     鳥居原正敏君
       会計検査院事務
       総局次長     藤井健太郎君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○昭和五十六年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十六年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十六年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    —————————————
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平井卓志#1
○主査(平井卓志君) ただいまから予算委員会第一分科会を開会いたします。
 まず、分科担当委員の異動について御報告いたします。
 昨三十日、目黒今朝次郎君及び山田勇君が分科担当委員を辞任され、その補欠として佐藤三吾君及び青島幸男君が分科担当委員に選任されました。
    —————————————
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平井卓志#2
○主査(平井卓志君) 昭和五十六年度総予算中、科学技術庁所管を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。藤原房雄君。
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藤原房雄#3
○藤原房雄君 予算委員会の分科会ということで、時間も限られておるわけでございますが、科学技術庁関係につきまして二、三の問題について若干御質問をいたしたいと思うんであります。
 最初に、本年度の異常豪雪ですか、ことしの被害額は三八豪雪をはるかに上回るということで、政府といたしましてもこれに対しましての早急ないろんな対策を講じてきたことにつきましては、私どもも補正予算の段階でもいろんな議論をいたしましたし、また災害対策でもこの問題についてはいろいろ論議されまして、それなりの施策を講じておる、このように思うのであります。ことしの豪雪は去年の暮れから被害が出始めまして、現在およそ八百億ですか、順次またその被害額が増大しつつあるというふうに言われておるわけであります。
 日本列島見ますと、この前補正予算のときも私申し上げましたが、豪雪地帯というのは日本の総面積のおよそ半分にも至るということでありますから、またそこに住まう人口がおよそ二割、こういうことでありまして、雪によりましての被害、これは人命はもちろんのこと財産、そしてまた公共施設等に毎年多くの被害をもたらすわけであります。こういうことに対しましての雪害対策、こういう観点から雪害研究ということは非常に大事なことだろうと思いますし、このたび異常な豪雪があったということだけではなくして、毎年雪のためにいろんな被害があるわけでありますから、常日ごろからの基礎研究や、またそれが実用的な問題への研究調査というものが大事であることは論をまたないところだろうと思うのであります。こういう観点から豪雪対策、雪害対策、こういうことにつきまして科学技術庁の見解を二、三お伺いをしたいと思うんであります。
 最初に、国立防災センター、ここが中心になって雪害研究に対してはいろいろなさっているわけでありますが、五十六年度の予算、そしてまた雪害研究に対して予算がどういうように組まれておって、研究課題としてはどういう問題に取り組みなさるということになっておるのか。それから、五十六年豪雪に対しまして特別研究ということでいろいろ科学技術振興調整費等でなさっているようでありますが、ひとつ現在科学技術庁が五十六年度予算で計上して取り組もうとしていること、それからことしの、五十五年度になりますか、五十五年度の異常豪雪を教訓としてそれに対しての施策、こういうこと等についてお伺いしたいと思います。
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勝谷保#4
○政府委員(勝谷保君) お答えいたします。
 まず最初に、五十六年度予算案でございますが、五千六百十万一千円でございまして、五十五年度の五千四百六十万二千円に対して百数十万円の増を見込んでおります。先生御存じのとおりに、雪害のための特別の研究所が三八豪雪以来設立されておりまして、新庄並びに長岡で研究をいたしておりますが、特別研究といたしましては、生活関連雪害防止技術の開発研究に三千五百七十三万円を充当いたしまして、特に太陽熱を利用します屋根雪処理技術の研究とか、家屋周辺の雪処理技術の研究等をいたしております。さらに、なだれの災害調査資料収集といたしまして、百四十二万九千円ばかりを充当いたす予定でございます。そのほか雪害実験研究所の運営、さらに新庄支所の運営等に残りの予算を充当いたす予定でございます。
 五十五年の正月から始まりましたこの豪雪に対しましては、実は早速北陸地方の豪雪によりまして、各種の被害が生じていることにかんがみまして実態調査が必要でございます。三八豪雪以来大量の豪雪はこのたびが初めてでございますので、早速二つの班を編成いたしまして豪雪地帯の調査をいたしました。
 調査の内容といたしましては気象状況と降雪量の関係、さらに屋根雪の積雪状況と屋根の破損とか倒壊状況との関係、さらに積雪の地域特性となだれ発生の関係、生活活動への影響調査等々をテーマにいたしまして、早速に二班に分けまして約五日間の調査をいたしたところでございます。
 さらに、このたびは特別研究促進調整費によりまして、五十六年の豪雪に関する特別研究というものを緊急研究として設定をいたしました。研究の項目といたしましては、第一がランドサット、いま人工衛星が飛んでおりますが、このランドサットのデータ並びに航空機のデータをもとにいたしまして、リモートセンシング・データによる積雪等の推定に関する研究と、さらになだれ危険地域の予測に関する研究、それから建物、園芸施設等の耐雪性の研究、さらに春ごろになりますと、これが融雪いたしまして洪水等を起こす可能性もございますので、融雪時の出水予測に関する研究、この四つの研究項目を中心にいたしまして緊急研究を設定いたしました。
 担当実施機関といたしましては、科学技術庁のほかに国鉄、農水省、建設省、さらに地方自治体の担当部局並びにそれぞれの地方の大学の専門機関と協調を図りまして、調査に着手いたしたところでございます。第一回の委員会はすでに富山で開催いたしまして、その委員会の後関係者で積雪の状況の調査もいたしたところでございます。
 以上でございます。
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藤原房雄#5
○藤原房雄君 去年の暮れからの豪雪、今日になってみますともう相当雪が解けておりまして、とかく豪雪というものにつきましては、そのときはその必要性なりなんなり非常に感ずるのでありますが、各省庁それぞれ取り組んでおるとは思いますけれども、とかく忘れがちになる、こういうことで、やっぱり基礎研究をもとにして恒久的な対策、こういうことを真剣に取り組んでいただくことが大事だと思います。いまいみいろ御説明あったようでありますが、ぜひひとつそれらのものが実効あるものであることを要望いたしたいと思うんでありますが、成果を上げることを要望する次第であります。
 同立防災センター、これが中心になって雪害問題についてはいろいろ取り組んでいらっしゃるわけでありますが、私は何も担当する方の人数のことだけで云々するわけじゃありませんが、非常に少人数で御苦労なさっておるという、私ども委員会で視察に行ったときも目の当たりに見まして、非常に要望が多いといいますか、重要な立場にあるにもかかわらず少人数で非常な御苦労なさっているということを見ているわけであります。新潟、山形さらにまた青森、北海道、それぞれ地域によりまして雪の比重といいますか、雪質の相違というのはあるわけで、それに伴いましての施策もまたそれぞれ違うわけでございますから、南北に長い日本の面積をカバーすることは非常に困難なことだろうと思います。しかし、それなりにいろいろ施策をなさっていることはよく存じておるのでありますが、やはりその地域性ということを考えますと、いまの体制ではカバーし切れないものがあるんだろうと思います。今日までも大学とかまたは地方自治体と共同研究といいますか、こういう形でいろいろ進めてきたんだろうと思いますが、今後こういう地方の時代とか地域性というものが非常に重要視される中にありまして、もっときめ細かなこういう地元の要望等を吸い上げ、そしてそういう問題について取り組むという、こういうことについても、科技庁としましてやはりいろいろ御検討なさっていると思うんでありますが、これは大学との共同研究とか、さらにまた地方自治体、こういう要望に対しまして科技庁の取り組みといいますか、今後の考え方についてはどうでしょうか。
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勝谷保#6
○政府委員(勝谷保君) 先生御指摘のように三八豪雪の後、実は長岡の研究所が三十九年の十二月に設立を見ました。そして、目下定員十一名できめの細かいじみちな研究を着実に進めてまいったとこでございます。その後四十四年に新庄支所が山形の新庄に義立をされたわけでございます。先生御指摘のように新潟地方の雪と新庄を含む東北、北海道の雪は雪質が違いますので、この二つの研究所を設けまして、それぞれの研究所で特色ある研究を推進しているところでございます。
 このたびの豪雪にかんがみまして、先生御指摘のような各地域、県、市町村からそれぞれの地域に雪害の研究所をつくってくれという要望が殺到いたしましたことも事実でございます。しかし、私どもはこの二つの研究所はそれぞれ新庄市や長岡市のためではございません。いま申しました重い雲とさらさらした雪のための二つの研究所でございまして、各地方自治体とも連絡をとりながら研究を進めてまいった経緯がございますので、今後もそのような地方自治体、さらには地方の大学と連携をとりながら進めてまいる所存でございますので、新しい施設ということは現在の体制からいかがかと思いますが、連絡を従来以上に大学、地方自治体ととりながら、それぞれの雪質に応じた研究を進める予定でございます。
 さらに人員につきましても長岡が十一名、新庄が七名という少人数でございますけれども、豪雪がありましたときには大変でございますが、その間じみちな研究を続けまして、いま申しました地域ぐるみの研究ということで、小さいながらも充実したじみちな研究を中心に進めてまいったらいかがかと私どもは考えるわけでございます。
 ちなみに外国の例を申し上げますと、米国でもこういう研究所がございますが、約十名程度の研究者で雪害関連の研究をいたしておりますし、あのスイスにおきましても研究者は十八名程度の研究所でございます。さらにフランスも十二名、カナダも十名程度でございまして、雪の研究というのは、研究者はそのような少数精鋭主義で地方と一体となった地域ぐるみの研究を着実に進めるべきではないかと考えておるわけでございます。今後も御指摘に従いましてそういう方向での着実な研究を進めてまいる、かように考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
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藤原房雄#7
○藤原房雄君 ことしの豪雪で新潟ではなだれで大変なとうとい人命を失うという事故がございました。なだれは毎年やっぱり融雪期にあるわけでありますが、ことしは融雪期というよりも暮れに障った雪にちょっと期間置いてまたその上に新雪が降った、こういうこともございまして非常に悲惨な事故が発生したわけであります。こういうことで一つの部落なり、または数戸の、または大きなこのたびは養老院ですか、お年寄りの方々の医療施設、こういうものが直撃されたということで、多くの犠牲者を出したわけでありますが、そのほかにも実際は雪が降りますと、雪国では車の通行のために除雪はしましても、人の通る歩道の確保がなかなかむずかしいとか、また降り続く雪を屋根からおろす、こういうことのために除雪中に人命を失うとか、いろんな人命にかかわる問題が積雪寒冷地域には多いわけであります。
 ことしは北陸を中心にして豪雪ということを言われておるんですが、北海道もこれは大変雪が多かったわけです。北海道は雪が降るのはあたりまえみたいに言われているわけですが、大臣御存じのように、ことしは例年から見ますと非常に多かったわけです、これは地域にもよりますけれども。こういうことからしましてどうしても毎年何人かの犠牲者が出るということでありますので、いまお話ございました全国をカバーするということは非常にむずかしいことで、ただ研究員の人数だけで私云々するわけじゃないんですけれども、やっぱりこういう協力体制というものも、より綿密に連携をとりまして、その地域に合った対策というものについてひとつやっていただきたいと思います。
 それで、現在これ資料があるかどうかわかりませんが、北海道についてはどことどういうふうになっているとか、東北の青森県、秋田県の方についてはどこの大学を中心にしてとかという、こういう地域分布的に連携をとり合っているような関係性というのは、お考えになっていらっしゃるんでしょうか、あるんでしょうか。
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勝谷保#8
○政府委員(勝谷保君) 残念ながら現時点で全地域を網羅した大学の資料手元にございませんが、現在まで私どもが雪害研究をいたすときに協力をとらしていただきました大学の名前を申し上げますと、北海道大学の低温科学研究所、さらにはこのたびの雪害研究で新潟大学、それから京都大学の学部ははっきりいたしておりませんが、そこらの御協力はいただいております。ただこういう時期でございますので、このたびの雪害緊急研究で大学の先生にも相当集まっていただいておりますので、こういう資料を整備いたしまして提出さしていただきたいと思っております。
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藤原房雄#9
○藤原房雄君 私も新庄の研究所に行かしていただきましたときに、日程が書いてありまして、もうびっちりでしたね。それで山形というのは比較的なだれや何かの多いところなものですから、そういうことで各地方自治体からの要望ということで、少ない人数の中でフル回転みたいな状況でありました。まあこの人たちだけでカバーできるわけではないだろうと思いますが、共同研究とかそういうことで、地域性といいますか、こういうことが非常に最近重要視されるときでありますし、また地方自治体からもそういうことについての指導なり要望というのは、恐らくたくさんあるんだろうと思います。そういうことで、ぜひ日本列島との地域はどことどういうふうになるのかというようなこと等もひとつ考え合わせまして、カバーするような体制というものも御検討いただきたいというふうに思うんです。
 それともう一つは、自然科学的なことについては、じみちにそれぞれの大学、それからまた研究所もできて、国立防災センターを中心としましてやっておるわけですが、雪が住民生活に及ぼす影響といいますか、こういうことについてはそれぞれの立場で研究なさっている方もいらっしゃると思うんです。人文科学的といいますか、経済とか住民生活とか、こういうものに及ぼす影響というものもこれは無視できない。その地域の産業活動とかこういうものに対しての影響についても、限られた範囲内のことについてはいろいろやっておるようです。国土庁等においても山村振興というようなことはあるのかもしれませんが、北海道とか東北とかまた積雪寒冷地、そういうところについての基礎的なことについて、やはりぜひ取り組んでいただきたいと思うんです。
 三全総で東北、北海道へ大きく眼が向けられておるといいながら、工場誘致とか工場の立地条件とか生活権、こういうことになりますと、どうしても雪のないところとのハンディといいますか、大きな地域差というのは否めない事実です。それがどういうところにどういう影響があるということになりますと、個々にはいろいろなことが言われておるわけですけれども、ぜひ人文科学的な調査というもの、科学技術庁は調整官庁ということでありますから、ぜひこういう問題についても、これは総理府とか科学技術庁、経済企画庁とか国土庁とか、それぞれに関係するんだろうと思いますが、こういうこと等についても、今後の積雪寒冷な地域における生活権、そうしてまた、地域経済の発展ということが望まれる、そういう中でどういうことが隘路となり、それをどういうふうに進めていくことが大事なのか。これはいま北海道では、北方圏センターというようなことで、同じ地域、雪国でお互いに知恵を出し合ってどういうことをやっているかということで、情報交換等をいろいろやっているわけですけれども、これは他国とのいろんな比較とかそういう中での情報交換ということです。そういうことも大事なことだと思うんですが、やはり国としましても、こういう南北に長い日本列島であります、東京が中心になって日本があるわけじゃございません。雪のない国と雪のあるところについて、どういう地域差というものがあるのか、こういうやっぱり基礎的な問題いろいろ検討した上で、そういうものを土台とし、ましてその地域の経済活動とか住民生活とか、そういうものに対して適用するようないろんな施策というのは、その中から生まれてくるのだろうと思うんであります。こういうことについてぜひ御検討いただきたいし、また過日補正予算のときに大臣にちょっと申し上げたんだけれども、時間がないものだから説明不足であったし、また大臣も何かほかの話をおっしゃっていたようなんですけれども、現在何かそういうことでやっていらっしゃれば御報告いただきたいし、なければ、大臣からこういうことについてどういうふうにお考えになるか、そういう取り組む姿勢、問題についてひとつお聞きしたいと思いますが、どうでしょうか。
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中川一郎#10
○国務大臣(中川一郎君) 雪の問題は、わが国の半分の地域が豪雪地帯と言われて、特にことしは非常な被害をもたらしまして、地域の方々に大きな被害を与えております。科学技術庁でも御指摘のように、少ない人間で少ない研究所ではありますけれども、基礎的なあるいは恒久的な研究、各方面での研究を大学あるいは関係省庁と連絡をとりながら積極的にやっておりますが、今後ともことしを契機にさらに積極的に研究を進めていきたい。
 同時にまた、御指摘の研究のみならず、経済あるいは暮らし、人文科学的というのですか、御指摘の点についてはこれはもっと高い次元から、国土庁あたりが中心になってやるんだろうと思いますが、わが国の国土開発上こういった点についても力を入れなければならぬなあと、私も政治家として、特に私も北海道の豪雪地帯ですし、私の父方が富山県でありまして、ことし一番雪の降った地帯でもありまして、非常な関心を持っております。いままとまった豪雪地帯に対する政策がないことは何か物足りない気もいたしますので、今後また、閣僚として政治家として真剣に取り組んでみたいと、こう思っております。
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藤原房雄#11
○藤原房雄君 ぜひひとつ大臣のいまの御決意、何らかの形で具体化するように強く要望いたしたいと思うのであります。これはもう雪の国に住まった者でないと、雪が解けてから雪の話してもなかなかぴんとこないし、雪国に住んだことのない人に、雪の話をしても寒さの話をしても、本当にぬかにくぎみたいなもので、やっぱりそういうことをよく認識している方に本当に真剣に取り組んでいただきませんと、なかなか実効ある政策がないのではないかと思います。私もまあ十三年国会におりますが、雪の話いろいろしましても、そこに住まったことのない人に何ぼ話してもなかなか御認識いただけないような感じしますので、ぜひひとつ大臣、調整官庁ということもあり、閣僚の一人ということで御決意ありましたが、要望いたしておきたいと思います。時間もありませんので次に移ります。
 これは電調審で電源開発に対しまして政府から、政府といいますか、電調審から電源開発に対しての認可が出たようでありますが、その中に原子力発電所二カ所三基、これ入っているわけであります。原子力発電所の問題については、科学技術特別委員会を中心としましていろいろ議論されて今日まできているわけであります。しかし、国民の大きな安全ということに対しましての不安といいますか、こういうものが根強くありまして、いままでもいろいろな論議がなされてきたわけでありますが、特にスリーマイルアイランドの事故がございましてから、やはりこういうことがあるんだということで、非常に危機感を深めたわけであります。政府もそういうことで、非常に慎重に取り組まなければならぬという配慮もあり、また海の向こうの事件ではありますが、これがわが国にとってはどういう教訓となるのかということで、調査団の派遣とかこういうことでいろいろ取り組んできたことは、私どもよく承知をいたしておるわけであります。そういうスリーマイルアイランドの事故、これを教訓として今後の原子力行政、技術的な問題につきましても、十四項目にわたります専門部会からございました意見、それから審査、設計、運転、こういうものに関しましては十六項目、こういうものがまとめられたようであります。こういうことを一つの成果として、反省の上に立って御決定になったわけでありますが、このたびの電調審の決定に当たりましては、こういう一つの基礎の上に立って、原子力発電についてはさらに万全を期するということにおいて、さらにより安全性への前進ができたというような、こういう認識の上に立ってこのたびの決定があったんではないかというふうな気もするんですけれども、スルーマイルアイランドの事故、それを教訓として今日まで検討された問題、そしてまた、今日の時点において原子力行政、安全性のことについてなおいろいろな論議が重ねられて、過日はまたいろいろなことがございましたが、担当大臣として原子力問題、原子力行政の中でこういう推移をしてきました諸問題、そして現時点に立ちましてなおかつ厳しい住民の声があるわけでありますけれども、担当大臣としてこれらの問題についてはどのようにお考えになっていらっしゃるか、お伺いをいたしたいと思います。
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中川一郎#12
○国務大臣(中川一郎君) 原子力の平和利用につきましての必要性は、これはもう日を追うて石油事情が厳しくなってまいりますので、大きくなってくることは国民大方の理解も得られておるようでございます。ただ、これと反比例するように、安全性についてなかなか理解が得られないということについて非常に困ったものだと思って心配をいたしております。さらに、御指摘のように、スリーマイルアイランドでああいう事故があったものですから、非常にむずかしくなってきているという実態がございます。
 そこで、科学技術庁あるいは原子力委員会としては安全性については特に力を入れまして、従来の原子炉等規制法に基づく安全審査だけではなくして、民間の専門家から成る原子力安全委員会によってダブルチェックをする、こういうことで安全を期したい。さらに、スリーマイルアイランドの事故を契機として、あそこから学ばなければならない教訓として五十二項目にわたって検討し、改善するべきは改善しなきゃならぬということになって、そういうことを取り入れる等、安全性については最善の努力を払うと同時に、また国民の皆さんにも安全性についての理解を得られるように、必要以上の不安を持ってアレルギー的に反発を感じないように、これまた両々相まって何とか平和利用を達成していきたい、こういう姿勢で取り組んでおるところでございます。
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藤原房雄#13
○藤原房雄君 基本的には、いま大臣のお話しになったこと私もよく理解し、また現在のエネルギー需要の中で石油に大きく依存することのできないこういう現況の中では、原子力の平和利用といいますか、原子力依存というものもある時期はこれはやはりやむを得ないことだと思います。しかしながら、安全性ということになりますと、科学技術の発展、進展に伴いまして大きくカバーできる面は当然あるわけでありますけれども、まあ諸外国の様子を見ましても、人命にかかわる大きな問題はないとは言いながら、やっぱりトラブルはありますし、日本の国におきましても時折事故があるわけであります。そしてまた、何年かたたなければ実態について明確にならない放射線による影響というものについても、非常に住民としては危惧の念を抱くわけであります。
 いま五十二項目にわたって云々とありましたけれども、これは大臣でなくて結構ですけれども、主にスリーマイルアイランドの事故を教訓として、どういう点が一つの大きな課題として、教訓として取り入れられたのか。これは個々に一つ一つなんというのは、とてもそんな時間もございませんから、主なものについて、こういうことについてはこのように教訓にして受けとめ、そして取り入れたんだというようなことで御説明いただければいいんですが。
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赤羽信久#14
○政府委員(赤羽信久君) 御指摘のとおり、スリーマイルの事故は、安全性が高まりつつあると思われておりました原子力発電についてなれがきた結果かもしれませんけれども、非常に世界の人に心配を与えるという不幸な事故でございました。しかし、ここで得られました経験というのは、いままでのような機械だけをしっかりやっていればいいということに加えて、人間の面が非常に大事であるということを教訓として与えられたように感ずるわけでございます。特に、人が普段訓練されておっても緊急の場合に遭いますと、間違いが間違いを呼ぶという誤操作の連続を続けるということが一つ大事な教訓でございましたし、それから、機器も点検されていても間が悪いときには信頼性が損なわれる、これはもっと厳重にチェックしなければいけない。それから、地元民に対しましては情報連絡が円滑、正確でないと非常によけいな不安を与え、そちらの方の害が大きくなる。こういった教訓が与えられたものと思われます。
 そこで、原子力安全委員会を中心にいたしまして特別委員会をつくって、五十二項目の事項を指摘したわけでございますが、その主なものを申し上げますと、安全審査につきまして、これはすでに確立したものに付加していったわけでございますけれども、より審査の内容を深めるということでございます。今回の電調審を通過いたしました発電所につきましても、この新しい方針が全部適用されておりますし、それから既存の発電所につきましても、考え方としてはこの方向でより安全性を高めるという形が現在着々実行されているところでございます。
 さらに防災対策、これはすでにあったわけでございますけれども、情報の正確な連絡が非常に重要であるということで、連絡網の整備それから地方の防災計画をより具体的にするということが現在着々進められておりまして、近く完成する予定でございます。
 さらに人の面につきましては、個々の運転員の訓練をよくやると同時に、組織としての体制を整備するような指導を行っており、これも着々計画が進んでいるところでございます。
 概要は以上のようなところでございます。
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藤原房雄#15
○藤原房雄君 いろいろな問題の提起があり、それなりに分析をし提言が出され、それの実施に移っていることはいま御説明ございました。
 その中で、一番大事な住民の問題としては防災計画のことだろうと思いますが、このことについてもいろいろ議論があり、取り進められているんだろうと思いますが、地元地方自治体と連携を密にし、そしてまた地方自治体の実情に沿った形でぜひひとつ進めていただきたいと思います。
 時間もありませんからもう余り細かいことは言いませんが、最後に大臣、原子力船「むつ」のことでありますが、私どももこれは非常に関心を持って見ておるわけですし、今日の推移というものは非常にむずかしい時点になっているわけであります。大臣も就任早々すぐ青森県知事とお会いになって、去年の八月十四日ですか、精力的にこの問題に取り組んでいらっしゃる、このように私ども思うわけでありますが、いままでの経緯が経緯だけになかなかこれはむずかしいことで、四者協定、五者協定、そういう一つの枠の中でのことであります。そしてまた、現在、原子力船の工事そのものについて、これは五者協定が守られる中で工事が完了するのかどうかということもあります。また、できた後にどこへ帰るのかという問題も出てくるわけでありまして、問題が山積していると言わなければなりません。これはまた当該委員会でいろいろ議論しなければならぬことだと思うんですが、私はそういういままでの推移の中で、一つは工事が約束どおりできるのかどうか、これはちょっと技術的なことがあるもんですから、まあ報ずるところによってはもうだめだということが先行して、何か出ているようなんですけれども、報道関係のことしか私どもは聞いておりませんので、現状として技術的にこの五者協定が守られることができるのかどうかということですね。そういう見通し等について、現在検討をいろいろなさっているようでありますからあれですけれども、期限内にこれは完成するのかどうか。そうすれば母港問題で、「むつ」のことで知事さんや四者協定の関係の方々といろいろお話し合いなさっておるようでありますし、過日はまた知事とお会いになっていろいろ長時間にわたって御懇談なさった。それで四月の十日ですか、現地へいらっしゃる。いままでは来ること自体も拒まれたような状態だったんですが、実態を見てくれということで、それだけ話し合いの場が持たれたということで、私ども大臣が今後どういう姿勢でこれにお取り組みになるのか、またどういうように話を進めていくのか、こういうことについては非常に関心を持っておるわけですけれども、せっかく意義が認められつくられた原子力船、時代の推移があって、またいろんなトラブルがあって、今日こういう状況になっていることはよく存じておるわけですが、このまま放置するわけにはいきませんし、何らかの決着を見なければならぬ。そういったところで大臣としても非常に苦境にあるだろうと思いますけれども、佐世保にいま修理中の「むつ」が約束どおりできるということが現在の段階では言えるのか言えないのか。またいま調査中ということですけれども、いつごろになると、そういうめどがつくのかということと、それから今度青森に参りまして、大臣としてはどういう決意でお話し合いに臨まれるのかという、その辺のことについてお伺いして終わりたいと思いますが。
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中川一郎#16
○国務大臣(中川一郎君) 原子力船「むつ」につきましては、いきさつが非常にこんがらかっておりまして、私の頭の痛い最大の課題でございます。
 当面する課題としては二つございまして、一つは、この十月までに修理を終えなければならない。しかも、修理に着工いたしましたのが、三年間の期間のうち一年数カ月たった昨年の八月からでございますから、工期に間に合うのかどうか非常に心配があるわけでございます。しかしながら、事業団は修理業者との間で鋭意この期間内に完成せしめるようにいま大変な努力をいたしております。いまのところ工事は順調に進んでおりまして、五月には第三期工事も発注をする、こういうことになっております。そして何とかこの工期期間内に完成せしめるように努力はいたしておりますが、何分にも着工がおくれたことと、それからああいう特殊な工事でございますから、安全性を無視した早期工事の進行ということは非常に問題がありますので、やはり安全性を守らなければいけない、慎重な工事をしなければならない。しかもむずかしい船の中での工事でございますから、なかなか大変なところがあります。何とかむずかしくはありますけれども、工期期間内にやりたいと現段階では最善の努力をしておるところでございます。第二番目は、十月以降は新母港を決定すると、こういうお約束になっておりますので、それまでの間に「むつ」の定係港を決めなければいかぬ。そういう課題がありまして私もいろいろ悩んだんでありますが、現在の状況では大湊にもう一度、四者協定の決まりはあるにいたしましても、何とかもう一度御検討いただけないかということで、知事さん、市長さん、漁連の代表の方々にお願いをしてあったところでございます。もう相当日にちもたちましたし、佐世保の修理の関係から言っても、新母港を決めなければならないということになって差し迫っております。
 先般、知事さんがお見えになりまして、検討の結果いろいろの方面の意見を聞いて、原子力船の開発については理解できるんだが、ただ一点、漁民の方々がホタテ漁場を持っておる、こういう観点からなかなか同意が得られない。これを早期に話し合いをつけるのには難点があるということが第一点。
 第二番目として、漁民の方々も現地を見てもらいたいという意向のようであるので、知事としてもぜひ現地を見ていただくようにというお話がありました。そこで私としても、早期に、いまのところ四月十日から三日間ぐらいの予定で現地にお伺いし、過去のいきさつについておわびするところはおわびをし、私の考え方もまた申し上げるところは申し上げ、漁民の方々の率直な意見もお聞きし、またホタテ漁場もつぶさに見していただいて、そうしてまた、そのほかの方々にも御意見を承って、そろそろ煮詰めをしなければいかぬかな、こういう感じでおります。いまのところ私としては、何とか大湊にもう一度ひとつ再母港化できますように、こういう気持ちで現地に乗り込み、現地の皆さんとひざを交えて判断をいたしたい、こういうことでございます。
 いずれにいたしましても、修理の問題も、あるいは新母港決定の問題も、いきさつもあり、また特殊なああいった新しい開発でございますので、むずかしくはありますけれども、これは避けて通れない大事な課題でございますので、私としては誠心誠意交渉を続けて打開の道を求めたい、こう思っておる次第でございます。
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平井卓志#17
○主査(平井卓志君) 以上をもって藤原房雄君の質疑は終了いたしました。
 他に御発言もないようですから、科学技術庁所管に関する質疑は、これをもって終了したものと認めます。
 それでは、午後一時から分科会を再開することとし、これにて休憩いたします。
   午前十時四十六分休憩
     —————・—————
   午後一時三分開会
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平井卓志#18
○主査(平井卓志君) ただいまから予算委員会第一分科会を再開いたします。
 昭和五十六年度総予算中、内閣、総理府本府及び沖縄開発庁所管を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。佐藤三吾君。
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佐藤三吾#19
○佐藤三吾君 きょうは、総務長官にお願いして、同和問題を中心に質問をしたいと思います。
 長官も御承知のように、特措法が三年延長になりまして来年が期限と、こういう状態になっておるわけですが、しかし、通算して同対審の答申が出てから十五年近くたっていますけれども、依然として差別の事例を挙げるのにいとまがない。私は昨年この委員会で主として地名総鑑の問題を中心にやったのですが、その地名総鑑の問題についてもいまだにけりがついていない。これは法務省、法務大臣を中心にやっていますが、できるだけ早くこの問題について処理をしたいという大臣の回答が結果的には一年たった今日何らめどが立っていない。非常に遅々とした対策がとられておるわけですが、そのために次々に差別が起こっておるというのがいま実態じゃないかと思うのです。
 この本は見ましたか、長官。これは全国の相次ぐ差別事件が収録されておるわけですけれども、これは主にこの二、三年を中心に、しかも確実性のあるものを中心にまとめておる内容なんですね。これについてまず長官の、読んでおれば感想と、同時にどういう責任を感じておるのか、お聞きしておきたいと思います。
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中山太郎#20
○国務大臣(中山太郎君) いまお示しのその書物につきましては、先般ちょうだいをいたしまして拝見をいたしました。最初の三分の一程度は、今日までの同和のいわゆる解放運動の歴史、それから現状の問題点、こういう問題が記載されてございますし、第二章ともいうべき次の三分の一の分野については、全国各地における差別用語の問題が新聞の記事を中心に載せられております。後半の三分の一につきましては、いわゆる同対法あるいはその法のいわゆる時限立法のときについての附帯決議の趣旨等が精密に記載されておるというふうに理解をいたしております。
 なお、こういう問題について、私どもとしては、差別のない社会というものの実現のために今後とも努力をしてまいらなければならない、このように感じた次第でございます。
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佐藤三吾#21
○佐藤三吾君 いま長官もおっしゃったように、これは七八年、七九年、八〇年に中心に起こった事件で、差別問題を取り上げておるわけですが、言うならばこの三年の延長期間を中心に起こっておると言っていいと思うのです。就職、結婚、学校、地域、職場、行政、出版、各面にわたって行われています。こういう差別をなくすように努力をしたいと言うのだけれども、私は努力は否定はしません。しませんが、にもかかわらず次々に起こってくるこの実態について、長官として、どこにどういう努力が足らなかったのか、どこに問題があるのか、この三年間を含めてあなたのお考えがあればひとつ聞いておきたいと思うのです。
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中山太郎#22
○国務大臣(中山太郎君) この差別問題というものは、日本の社会における長い歴史の中で相当長期にわたった、まことに残念なことでございますけれども、われわれの過去の社会に存在をし続けてきたと、それに対して松本治一郎先生を中心にされたいろいろないわゆる解放運動というものが行われてき、今日もなおこの差別撤廃のためにいろいろな方々が御苦労いただいておる。政府もまた、法律をつくって、そういうふうな部落問題の一日も早い解消のために国費をすでに一兆円以上投下をしておるというのが今日までの姿でございます。
 また、こういうふうな差別意識をなくするために啓蒙をするという問題につきましても、政府としてはできるだけの努力を傾けておりますし、先般時限立法が行われました際の附帯決議の御趣旨も体して、政府としては今日もなお努力をしているところでございますが、残念ながらこういうふうな政府の考え方あるいは法律の理想あるいはいわゆる関係各方面の希望というものに反するようなことがいろいろな場所で起こっておるということもまことに残念でございますけれども、これもまた私は現実の姿であろうというふうに考えております。どうしてこういう問題が今日なお起こってくるのかということについてもいろいろと調査をいたし、またこういう問題が発生しましたという報告を受ければ、直ちに関係各方面に厳重な取り締まり方を要望しておるというのが総理府としての今日の姿勢でございます。
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佐藤三吾#23
○佐藤三吾君 この中に、百九十ページから「ろこつな差別文書」ということで、生江の解放会館の掲示板の問題とかいろいろ出ておるのですが、大体、長百の出身の大阪で、昨年から今年にかけてきわめて悪質な事件が続発しているわけですね。昨年の八月十日に、同和対策審の答申が出されて十五年目というその前日に、大阪市内の旭区にある同和地区において、解放会館の前の看板に大学ノート七枚にわたって張りつけてあるわけです。地区の名前を書いて「〇〇はエタ、ヒニンのすみかだ」とか、「奴らは大阪のウジ虫である。ただちに強制収容所へ送り、毒ガス室へ入れろ」とか、それから「彼らにあるものは死のみである。」、こういう落書きが出されている。
 また、今年の二月二日の日に同じ地区の今度は保育所の壁に「エタ、ヒニン死ね」と、こういう落書きが行われたわけです。三月七日の日は、東淀川区において、同和地区の子供たちが通学しておる中学校の体育館の壁に、一文字が四十センチですから、このくらいの字だと思うのですが、そういったので七十メートルにわたって「部落民は国民の敵だ」「○○住民を消せ」とか、こういったスフレーで落書きというか、そういうものがされています。これはここだけではなくて、東京、長野、京都、兵庫、奈良、福岡、それから高知、こういうところでも同様な事件が続発しておるわけです。だからほとんど全国的と言っていいんじゃないかと思うのです。
 これらについて長官は先ほど、一兆円近い投資をして云々、努力してきたと、こういうことを言っておりますけれども、しかし事態はむしろ悪化しておる、こういうことを言っていいのじゃないかと思うのです。
 淀川区の加島の解放会館前に、機関紙大の差別投書が行われたわけですが、その内容を見ると、ここへ張ってあるこういう内容なんです。このコピーが投げ込まれたわけです。こういった事例、コピーのこの実態等を見て、長官自身が努力をしたと、そういうことを強調なさるのですが、しかし努力したという口の裏からこういう事実が次々に起こってきておるという事態に対して、私は、やっぱり責任ある政府の立場として、しかもあなたの地元で起こっておる例が一番、かなり激しいわけです。もっと責任ある態度が必要じゃないかと思うのですが、いかがですか。
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中山太郎#24
○国務大臣(中山太郎君) どういり人がどういう時期にこういうことをやるのか、それはなかなか、警察あるいは地方自治体においても差別撤廃問題で努力をしておる最中ですけれども、その人目を盗んでやるわけでございますから、政府の責任だとおしかりを受けることも私どもとしては十分受けとめますけれども、何百人という集団によってこういう落書きを行うということになればそれなりの処置が講じられる。しかし、夜陰に紛れてこういうことをやられるということはただ残念であり、私どもとしては、この政府の姿勢を理解しない人たちの行為に対しては、ぜひひとつこういうことはやめてもらいたい。また、こういう事態の発生をしないように努力をしてまいりたいと考えているところでございまして、法務当局に対しましても、総理府といたしましてはそういう事態が発生したという通告を受ければ必ず連絡をして調査方を要求しておるという経過でございます。
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佐藤三吾#25
○佐藤三吾君 長官、長官がいまおっしゃったように、やみに紛れてという状態じゃないのですよ。やみに紛れたような状態なら、言うならこそこそやったとか、そういうことが言えると思うんですが、いま起こっておる事例というのは、やみに紛れてというよりもむしろ公然となってきておる、そういうことが言えるのじゃないですか。
 各大学に起こっておる事例をちょっと言いますと、大阪市立大学で三十六件ほど起こっています。それから桃山学院大学で二十五件、近畿大学で七件、関西大学で五件、大阪大学で四件。また、東京において昨年一年間で東京大学、早稲田、立正、都立、東京水産大学、こういうところでも起こっておるわけです。これは、当初は、いまあなたがおっしゃったように、やみに紛れてひそかにということだったのですが、いまは決してそうではなくて、その当時はトイレとかいろいろそういう状態だったのが、いまは公然と掲示板に張ったり、スプレー、墨で書いたり、こういう実態が現状なんですよ。ですから、私はかなりエスカレートしてきておるんじゃないかというような感じがするのですけれども、どこに原因があるのか。同時にまた、こういった実態に対してどう対処していくのかということを抜本的に考え直していかないと私はこの問題の解決の糸口が出てこないのじゃないかという感じがするんです。政府の場合、たとえばことしは障害者年で、障害者に対するいろいろな差別の問題がございますね、政府は、一例を挙げますと、たとえばこういう大新聞に出したもの、(資料を示す)これは総理府が出したのでしょう。これは私は相当な金を使っておると思うのですよ、あれだけ出したわけですから。こういった措置というのを、これだけ頻繁にしかも公然化してくる現状の中で、いまあなたがおっしゃるような意味のことを、どうしてこういう方法を通じてでも差別の問題についてやろうとしないのか。やっぱり金もかける、同時にまた、金をかけるだけじゃなくて、国民に堂々と政府の、いまあなたがおっしゃった気持ちが間違いなければ、こういうふうに障害者年に対して出すようなそういう施策というものはとれないのか。こういった措置をとっていかなければ、もういまの同和差別の問題に対する行政としてはこそくな手段ではどうにもならないところへきておるのじゃないかというような感じがしますから、そこら辺を含めてひとつあなたの見解というものを聞いておきたいんです。
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中山太郎#26
○国務大臣(中山太郎君) 政府の国際障害者年に当たるその新聞の記事等につきましては、国連加盟国として今年は障害者の問題についての国民の理解を得るために政府としては認められた予算の範囲内でやらしていただいておるということでございますが、同和に関する問題での啓蒙運動関係予算は、昭和五十三年が一億三千八百万円でございました。五十四年が一億八千七百万円、これは三五%アップになっております。昭和五十五年が二億三千百万円、前年度比二三%アップ。昭和五十六年度、ただいま御審議いただいている予算におきましては三億一千二百万円、三四・九%の伸びを示しておりまして、他の一般の予算のシーリングの枠をはるかに超える四倍近いいわゆる予算枠というものを獲得するために、総理府としては、微力でございますが、財政当局の財政厳しい中でこの啓蒙運動については格段の配慮をしてまいったということでございます。
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佐藤三吾#27
○佐藤三吾君 これは参考のためですが、大体どのくらいの予算をかけたのですか。
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中山太郎#28
○国務大臣(中山太郎君) その件につきましては、私はしかとした数字は存じておりませんが、今年の一月の初頭に総理大臣談話とともに、その「希望」というサリドマイドの方の字を全国主要紙に掲載するということでありまして、その金額は一億を切っておると思います。一億を相当切った金額だと記憶しております。
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佐藤三吾#29
○佐藤三吾君 私はそうだろうと思うんですよ、これはほとんどの新聞に出ていますし週刊誌にも出ていますから。ですから相当な思い切った手だてだと思いますよ。確かにいまあなたがおっしゃったように、五十六年度予算で三億一千二百万ですか、計上しておるけれども、同和の問題についてはこういう思い切った意味での啓蒙というか、措置がいまだかつてとられていないですね。これはまたどういう理由ですか。そんなに、何というのですか、軽く見ておるわけですか。
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