大蔵委員会

1982-02-16 参議院 全109発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
昭和五十七年二月十六日(火曜日)
   午前九時四十四分開会
    —————————————
   委員の異動
 十二月二十三日
    辞任         補欠選任
     山中 郁子君     近藤 忠孝君
 一月二十二日
    辞任         補欠選任
     福間 知之君     赤桐  操君
     大木 正吾君     丸谷 金保君
 二月九日
    辞任         補欠選任
     近藤 忠孝君     小笠原貞子君
 二月十日
    辞任         補欠選任
     小笠原貞子君     近藤 忠孝君
 二月十六日
    辞任         補欠選任
    大河原太一郎君     福田 宏一君
     初村滝一郎君     関口 恵造君
     多田 省吾君     中野 鉄造君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         河本嘉久蔵君
    理 事
                衛藤征士郎君
                中村 太郎君
                藤井 裕久君
                塩出 啓典君
    委 員
                岩動 道行君
                梶木 又三君
                嶋崎  均君
                鈴木 省吾君
                関口 恵造君
                塚田十一郎君
                土屋 義彦君
                福田 宏一君
                藤井 孝男君
                藤田 正明君
                赤桐  操君
                鈴木 和美君
                丸谷 金保君
                和田 静夫君
                多田 省吾君
                中野 鉄造君
                矢追 秀彦君
                近藤 忠孝君
                三治 重信君
                野末 陳平君
   衆議院議員
       大蔵委員長代理  粕谷  茂君
       大蔵委員長代理  伊藤  茂君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  渡辺美智雄君
   政府委員
       大蔵政務次官   増岡 康治君
       大蔵大臣官房審
       議官       矢澤富太郎君
       大蔵省主計局次
       長        西垣  昭君
       国税庁直税部長  吉田 哲朗君
       農林水産省経済
       局長       佐野 宏哉君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       農林水産省経済
       局統計情報部作
       物統計課長    藤井  薫君
       農林水産省農蚕
       園芸局農蚕企画
       室長       近長 武治君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○租税及び金融等に関する調査
 (財政及び金融等の基本施策に関する件)
○農業共済再保険特別会計における農作物共済、
 畑作物共済及び果樹共済に係る再保険金の支払
 財源の不足に充てるための一般会計からする繰
 入金に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○昭和五十六年度の水田利用再編奨励補助金につ
 いての所得税及び法人税の臨時特例に関する法
 律案(衆議院提出)
○派遣委員の報告に関する件
    —————————————
この発言だけを見る →
河本嘉久蔵#1
○委員長(河本嘉久蔵君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る一月二十二日、福間知之君及び大木正吾君が委員を辞任され、その補欠として赤桐操君及び丸谷金保君が選任されました。
    —————————————
この発言だけを見る →
河本嘉久蔵#2
○委員長(河本嘉久蔵君) 租税及び金融等に関する調査を議題とし、財政及び金融等の基本施策について渡辺大蔵大臣から所信の聴取をいたします。渡辺大蔵大臣。
この発言だけを見る →
渡辺美智雄#3
○国務大臣(渡辺美智雄君) 今後における財政金融政策につきましては、先般の財政演説において申し述べたところでありますが、本委員会において重ねて所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いする次第であります。
 現在、欧米先進国の多くは、依然として二けたのインフレとそれに近い大量の失業に苦しむ等経済面できわめて困難な事態に直面しております。特に、失業の増大は治安の悪化を招き、国民生活を不安に陥れています。
 一方、わが国の経済は、良好な実績を示しております。
 すなわち、物価上昇率は四%程度と先進諸国の中で最も鎮静化し、失業率も二%台と最低となっております。
 景気については、内需の回復の足取りは緩慢でありますが、今後は、次第に改善し、明るさが増してくるものと期待されます。
 国際収支については、経常収支は昨年四月以降黒字傾向にあります。これを背景として、欧米諸国から貿易不均衡の是正を求める声も高まってきております。
 このような内外経済情勢のもとにおいて、私は、特に次の点を基本的課題として今後の財政金融政策の運営に当たってまいりたいと考えております。
 まず第一は、引き続き物価の安定を基本とし、国内民間需要を中心とした景気の着実な回復を促進することであります。
 物価の安定は、国民生活安定の基本であり、今後とも、財政金融政策を通じ、物価の安定に努力してまいる所存であります。
 景気については、その着実な回復を図るとの見地から、昭和五十七年度予算においては、厳しい財政事情のもとではありますが、住宅建設の促進を図るため、住宅金融公庫の融資枠の拡大、税制上の措置等の施策を講じております。公共投資につきましても、財源の効率的配分、地方単独事業の拡充、民間資金の活用等により事業量の確保に努めております。
 また、金融政策においては、一昨年八月以降一連の金融緩和措置を講じてまいりました。昨年十二月には、第四次の公定歩合引き下げ措置がとられ、これを受けて預貯金金利を含む金利水準全般の引き下げを図ったところであります。
 今後の金融政策の運営に当たりましては、物価、景気、海外経済情勢等経済の動向を総合的に判断して、引き続き適切かつ機動的に対処してまいりたいと存じます。
 第二は、調和ある対外経済関係を促進し、世界経済の発展に貢献していくことであります。
 世界経済の活力の源泉は、自由貿易にあり、わが国としても積極的にこれを推進することにより、世界経済の調和ある発展に貢献していかねばなりません。
 かかる観点から、政府は、先般、対外経済対策を決定したところでありますが、特に関税につきましては、わが国市場の開放に資するとの見地からいち早く対応し、その引き下げを図ることを決定いたしました。すなわち、東京ラウンドの合意にのっとった関税の段階的引き下げ措置を来年度に予定した分に加え、さらに、一律に例外なく二年分繰り上げて実施する等の前向きの改正措置を講ずることといたしております。
 また、原油代金の産油国への偏在が、世界経済をゆがめていることにかんがみ、世界貿易を円滑ならしめるため、オイルマネーの還流について、わが国は引き続き積極的にその役割りを果たしていくことが必要であります。
 さらに、開発途上国の経済発展のための自助努力を支援することは、これらの国々の国民福祉の向上と民生の安定に寄与するのみならず、世界経済全体の均衡のとれた成長と安定を確保するためにも重要であります。このような観点から、経済協力については、着実に拡充を図ることとし、あわせて、その効率的実施に十分配意し、政府開発援助の中期目標の達成に引き続き努めることといたします。
 世界経済の円滑な発展のためには、国際通貨の安定は欠くことのできないものであります。円相場は、わが国経済の良好な基礎的諸条件を反映して、基調としては、円高方向に動くことが期待されております。今後、関係諸国とも密接な連絡を保ちつつ、円相場の安定に努めていきたいと考えております。
 次に、最も緊急かつ最大の課題であります財政再建について申し述べます。
 わが国の公債発行残高は、昭和五十六年度末で八十三兆円、五十七年度末で九十三兆円程度の巨額に上り、その利払い等に要する経費も五十七年度予算においては、一般会計歳出の一六%程度を占めるに至りました。これは公共事業関係費をも上回り、防衛関係費の三倍程度にも相当いたします。
 将来を展望いたしますと、わが国が世界有数の長寿国となったため、年金や医療の経費は、ますます増加が見込まれる一方、天災や、エネルギー問題等今後の経済情勢の変化にも財政は対応していかねばなりません。しかし、遺憾ながら現状のままでは、財政にはこのような課題を解決するために新たな施策を講ずる余力はありません。
 また、公債発行残高の累増は、金利水準の引き下げの阻害要因になる等、金融政策の円滑な運営に大きな影響を及ぼすに至っております。さらに、大量の公債発行を続けることは、民間資金を圧迫し、経済にインフレ要因をもたらすことにもなりかねません。ことに、インフレは現に世界にその例を見るがごとく、景気を後退させ、失業の増大を招き、国民生活の安定そのものを損なうものであります。
 したがって、できるだけ早く公債依存の体質から脱却する必要があります。
 政府は、このような考え方に基づき、鋭意、公債発行の減額に努力しているところであります。昭和五十七年度予算に関しては、何よりも行財政の徹底した合理化、効率化によって財政再建を進めるべきであるとの世論がつとに高まっていることにかんがみ、行財政改革による歳出削減を中心として、予算編成を行うこととし、公債発行額を前年度当初予算より一兆八千三百億円減額いたしました。
 財政再建の道のりは、険しく、また困難なものでありますが、すでに財政再建に向かって軌道の上を着実に歩んでおります。私は、昭和五十九年度特例公債脱却を目指し、引き続き財政の再建に全力を傾注する決意であります。
 大蔵委員各位の御理解と御協力を切にお願いする次第であります。
 昭和五十七年度予算につきましては、ただいま申し述べました考え方に立ち、経費の徹底した節減合理化によりその規模を厳しく抑制したところであります。特に、国債費及び地方交付税交付金以外の一般歳出を極力圧縮いたしました。
 また、補助金等については、昨年八月に決定された「行財政改革に関する当面の基本方針」に定めるところにより、整理合理化を行いました。
 さらに、国家公務員の定員については、新たに策定された第六次定員削減計画に基づいて、削減を着実に実施する一方、増員は、極力抑制いたしました。この結果、行政機関等職員については、一千四百三十四人に上る大幅な縮減を図ったのであります。
 これらの結果、一般会計予算の規模は、前年度当初予算に比べて六・二%増の四十九兆六千八百八億円となっております。また、このうち、一般歳出の規模は、前年度当初予算に対し一・八%増の三十二兆六千二百億円であります。一般会計予算及び一般歳出の伸び率が、このように低い水準にとどまったのは、それぞれ昭和三十一年度及び昭和三十年度以来実に二十数年ぶりのことであります。
 歳入面におきましては、経済情勢の変化等により、昭和五十七年度の自然増収が、ゼロシーリング決定の際参考とした「財政の中期展望」における自然増収より約七千億円不足することが見込まれましたので、経済の実態に即し、この不足分を補うため次の措置を講じました。
 まず、税外収入において極力増収を図ることとしました。
 次に、なお残る不足分を税制面の見直しにより措置することといたしました。すなわち、税負担の公平確保の重要性等に顧み、租税特別措置については、期限の到来するものを中心に整理合理化を図るとともに、交際費課税を強化することとしております。また、法人税については、貸し倒れ引当金の法定繰入率の引き下げ及び延納制度における延納割合の縮減等を図ることとしております。
 なお、税の執行につきましては、国民の信頼と協力を得て、今後とも一層適正・公平な税務行政を実現するよう努力してまいる所存であります。
 公債につきましては、さきに申し述べましたように、その発行予定額を前年度当初予算より一兆八千三百億円減額し、十兆四千四百億円といたしました。この減額の内訳は、特例公債一兆五千六百十億円、建設公債二千六百九十億円となっております。これにより、特例公債の発行予定額は三兆九千二百四十億円となり、建設公債の発行予定額は六兆五千百六十億円となります。
 財政投融資計画につきましては、厳しい原資事情に顧み、民間資金の活用に努めるとともに、対象機関の事業内容、融資対象等を見直すことにより、規模の抑制を図り、政策的な必要性に即した重点的、効率的な資金配分となるよう努めたところであります。
 この結果、昭和五十七年度の財政投融資計画の規模は、二十兆二千八百八十八億円となり、前年度当初計画に比べて四・一%の増加となっております。
 以上、財政金融政策に関する私の所信の一端を申し述べました。
 本国会に提出し御審議をお願いすることを予定しております大蔵省関係の法律案は、昭和五十六年度補正予算に関連するもの一件、昭和五十七年度予算に関連するもの七件、合計八件でありますが、このうち七件につきましては、本委員会において御審議をお願いすることになると存じます。それぞれの内容につきましては、逐次、御説明することとなりますが、何とぞよろしく御審議のほどお願いする次第でございます。
この発言だけを見る →
河本嘉久蔵#4
○委員長(河本嘉久蔵君) ただいまの大臣の所信に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    —————————————
この発言だけを見る →
河本嘉久蔵#5
○委員長(河本嘉久蔵君) 次に、農業共済再保険特別会計における農作物共済、畑作物共済及び果樹共済に係る再保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案及び昭和五十六年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案を便宜一括して議題とし、順次趣旨説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
この発言だけを見る →
渡辺美智雄#6
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました農業共済再保険特別会計における農作物共済、畑作物共済及び果樹共済に係る再保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 昭和五十六年度におきましては、東北、北海道地方を中心として低温、暴風雨等による水稲、バレイショ、リンゴ等の被害が異常に発生したことに伴い、農業共済再保険特別会計の農業勘定及び果樹勘定の再保険金の支払いが著しく増大するため、これらの勘定の再保険金の支払い財源に不足が生ずる見込みであります。この法律案は、これらの勘定の再保険金の支払い財源の不足に充てるため、昭和五十六年度において、一般会計から、農業共済再保険特別会計の農業勘定に四百九十二億二千七百十万二千円、果樹勘定に百十六億七万千円を限り、それぞれ繰り入れることができることとしようとするものであります。
 なお、これらの一般会計からの繰入金につきましては、後日、農業共済再保険特別会計の農業勘定または果樹勘定におままして、決算上の剰余が生じ、この剰余から再保険金支払基金勘定へ繰り入れるべき金額を控除して、なお残余がある場合には、それぞれこれらの繰入金に相当する金額に達するまでの金額を一般会計に繰り戻さなければならないことといたしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
この発言だけを見る →
河本嘉久蔵#7
○委員長(河本嘉久蔵君) 次に、衆議院大蔵委員長代理粕谷茂君。
この発言だけを見る →
粕谷茂#8
○衆議院議員(粕谷茂君) ただいま議題となりました昭和五十六年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案につきまして、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、二月十日、衆議院大蔵委員会におきまして全会一致をもって起草、提出いたしましたものであります。
 御承知のとおり、政府は、昭和五十六年度におきまして米の生産抑制の徹底と水田利用の再編成を図るため稲作の転換を行う者等に対し、奨励補助金を交付することといたしておりますが、本案は、この補助金に係る所得税及び法人税について、その負担の軽減を図るため、おおむね次のような特例措置を講じようとするものであります。
 すなわち、同補助金のうち個人が交付を受けるものについては、これを一時所得とみなすとともに、農業生産法人が交付を受けるものについては、交付を受けた後二年以内に固定資産の取得または改良に充てた場合には、圧縮記帳の特例を認めることといたしております。
 省お、本案による国税の減税額は、昭和五十六年度において約十二億円と見積もられるものでありまして、衆議院大蔵委員会におきましては、本案の提出を決定するに際しまして、内閣の意見を求めましたところ、稲作転換の必要性に顧み、あえて反対しない旨の意見が開陳されました。
 以上が、この法律案の提案の趣旨とその概要であります。
 何とぞ速やかに御賛成あらんことを御願い申し上げます。
この発言だけを見る →
河本嘉久蔵#9
○委員長(河本嘉久蔵君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
    —————————————
この発言だけを見る →
河本嘉久蔵#10
○委員長(河本嘉久蔵君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 ただいま大河原太一郎君及び初村滝一郎君が委員を辞任され、その補欠として福田宏一石及び関口恵造君が委員に選任されました。
    —————————————
この発言だけを見る →
河本嘉久蔵#11
○委員長(河本嘉久蔵君) それでは、これより両案の質疑に入ります。
 質疑のある方は逐次御発言願います。
この発言だけを見る →
鈴木和美#12
○鈴木和美君 まず最初に、私は農業共済の一般会計からの繰り入れ問題について、基本的な問題についてお伺いしたいと思います。
 私は、先般の行革委員会で、日本の農業の現状に対して農業は国の基本政策でなければならない。つまり、食糧は国民生活の中で最も中心的な課題でありますし、ましてや今日、農業基本法施行後根本的な政策実施の誤りによって構造問題が高度成長のあおりで土地の高騰を呼び、農業人口は工業人口に移動し年々減少の傾向にあります。食糧の国内自給率は低下するばかりであります。食糧の国内自給率が低下するという現状を見たときに、二十一世紀を展望し、いまや食糧は総合安全保障に組み入れて抜本的な対策をとることの必要性を感ずるということを私は述べまして、総理や農水大臣と意見の一致を見たところであります。もちろん具体的な政策の面では若干の相違はありますが、問題は農業経費について、食管制度も含めて経済合理性だけから追求して単純な赤字論争にだけ終わってはならないことを述べました。むしろ基盤整備拡充のために農業経費は国の必要経費と見ることが妥当であることを述べてまいりました。いたずらな農業過保護論にくみしてはならないことを述べ、そのためにこそ先般の国会で全党挙げて食糧自給力の向上決議が行われたことを確認しました。
 さてそこで、そのような観点から農業共済制度を見ると、それなりに評価すべきところはありますが、根本的な思想は国が農業の不慮の事態に対して救済するということよりも農民自身で相互に助け合うという、つまり自衛手段を強調しているように思えてなりません。そういう観点から、農業共済制度の目的と運用の概要について基本的な考え方をこの際伺っておきたいと思います
 同時に、農水省にそれは伺うのでありますが、二番目の問題は、この農業共済について財政当局からの見解を、この際基本的な問題をまずお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →
佐野宏哉#13
○政府委員(佐野宏哉君) 農業共済制度の基本的な考え方についてのお尋ねでございますが、法律の第一条にもございますように、国の災害対策の重要な一環といたしまして、農業者が不慮の事故によって受けることのある経済上の損失を、保険の仕組みを採用して合理的に補てんし農業経営の安定を図り、農業生産力の発展に資するということを目的といたしておりまして、この見地から国は必要な範囲内で掛金、事務費の国庫負担を行っておるわけであります。
 保険の仕組みを採用して気象災害を対象とする制度でございます以上、その収支を短期的に均衡させるということはむずかしいのでございますが、長期的には掛金の国庫負担も含めて安定的に推移させていくといったてまえになっておるものでございます。
この発言だけを見る →
鈴木和美#14
○鈴木和美君 私は、農業共済制度というものはそれなりに効果を上げていますし、それはそれなりに評価ができると思っておるんです。ただ基本的な考え方として、先ほども申し上げましたように、農家の人たちが相互に助け合うということだけが強調されちゃって、むしろ農業に対して国がめんどうを見てやるというような基本的なその態度がどうもないみたいに思うんです。
 その点から尋ねますと、たとえば、国が掛金に対していま幾らかの補助というか、見ていますね。その率も七割でしょうか、いま。もう少しそれを率を上げて、農民の掛金に対する補助をもっと高くしたらいいんじゃないかというように私は思うんですが、そういう点から見て、国の基本政策としてむしろ農業保護という立場に立つべきじゃないかと思いますが、その点はどんなふうにお考えですか。
この発言だけを見る →
佐野宏哉#15
○政府委員(佐野宏哉君) 現在掛金の国庫負担割合を数字についてちょっと申し上げますと、農作物共済で六〇・一%、蚕繭で五五・七、果樹共済で五〇、畑作物共済で六〇%というような負担をいたしております。
 それで、このような高い国庫負担割合になっておりますのは、ただいま先生御指摘のように、農業に対する災害補償として国が応分の負担をすべきものであるという考え方によって負担をしておるわけでございますが、ことに最近におきましては、五十四年度から本格実施に移されました畑作物共済に対して六割の負担にする、あるいは畜産関係の家畜共済につきまして近年何回にもわたって国庫負担割合の引き上げを行ってまいっておりまして、そういう意味ではそれぞれの時点における農政上の重要性に応じてアクセントを置きながら国庫負担割合の向上に努めてまいったわけでございます。
 しかしながら、そういう努力を積み重ねて現在、先ほど申しましたようにすでに相当高い国庫負担割合に到達いたしておりますので、現下の財政事情にもかんがみ、これ以上さらに国庫負担割合を引き上げるということは残念ながら至難のわざではあるまいかというふうに考えております。
この発言だけを見る →
鈴木和美#16
○鈴木和美君 いまのお話はいろんな御説明がありましたが、要は、現状の財政事情の観点から見て現在の掛金に対する国庫補助がもう限界であると、こういうお答えであると伺ってよろしゅうございますか。
この発言だけを見る →
佐野宏哉#17
○政府委員(佐野宏哉君) 財政事情は確かに一つの事情でございます。それからもう一つは、それぞれ従来国庫負担割合を引き上げてまいりましたのも、それぞれの時点における農政上の考慮を踏まえて引き上げてきたわけでございまして、現下の財政事情との兼ね合いで農政上の見地から見ても、財政上の相当の負担を覚悟してまで国庫負担割合の引き上げをしなければならない必然性が、現状においてあるというふうには考えられないという点もございます。
この発言だけを見る →
鈴木和美#18
○鈴木和美君 財政事情の方は、それなりにまた財政が豊かになったときにどうするかということで議論は後日に譲りたいと思うんです。
 よくわからないのは、農政上の観点からも現行の掛金率の国庫補助はこれで適当であるという御説明ですね。もう少し説明していただけませんか。農政上の観点、現実はどういう意味なのか、よくわかりません。
この発言だけを見る →
佐野宏哉#19
○政府委員(佐野宏哉君) 現在臨時行政調査会等でいろいろ御議論を賜っておるわけでございますが、そういう中で、農政上の金の使い方の優先劣後の関係が現在厳しく吟味されざるを得ない事態になっておるわけであります。
 それで、先ほど申し上げましたように、現在の掛金の国庫負担割合は畑作物共済とか、繭、麦とか、もう高いものはすでに相当高くなっておるわけでございまして、農政上の見地から見ても、これ以上さらに国庫負担割合を引き上げるということを主張すべき必然性というのは、先ほど申し上げましたような農政としての財政支出の優先度から見て、そういう高い優先性を主張し得るものであるというふうには考えにくいというふうに思っております。
この発言だけを見る →
鈴木和美#20
○鈴木和美君 農水省か大蔵省がわかりませんが、出どころは。私、先般説明をしていただいた中に、この国庫負担のことにつきまして政府の説明では、農業災害補償制度の特色として五つ挙げているわけですね。一つは、農作物及び繭、家畜共済は事業の実施が強制されていることということが一つある。二つ目には、農作物、繭共済は一定規模以上の農家の加入が強制されていること。三つ目は、農家の支払う共済掛金のうち多くの部分を国が負担していること。四つ目は、事務費の大半を国が負担していること。五つ目は、災害対策として農作物、繭、家畜、果樹、畑作物、園芸共済について再保険を行っていることが五つの特色であると、こう述べているわけですね。
 私はこれを見たときに、先ほど述べたように、共済制度ですから、ある意味では保険も伴って農家自身がお互いに相互扶助をやっていく、基本的な精神はそういうところにあることはよくわかるんです。しかし、災害補償ですから、大変な、米やその他愛、繭にしても災害をこうむったときに、これはむしろ食糧安保というような立場から、もっと国が助成とかめんどう見るというようなことがあってもいいんじゃないかと思うんです。ここで五つの特色を述べている中でも、三番目に農家の支払う共済掛金について多くの部分国が負担しているというけれども、本当に多くの部分というように規定していいんだろうかということで、私は答弁要りませんけれども、これからもそういう面では掛金を上げるようなこともぜひ再検討してもらいたいというように思っています。
 さてその次は、この掛金に対して率をはじいたり、それから収支の均衡を見るのに二十年という期間が設定されてますね。これは何で二十年になっているんですか、お教えいただきたいと思うんです。
この発言だけを見る →
佐野宏哉#21
○政府委員(佐野宏哉君) 農作物は年によりまして、農作物の被害が年によってきわめて激しい変動を示すものでございますので、単年度で収支を償うということは、まずこれはあり得ないわけでございます。したがいまして、農作物の保険設計におきましては、なるべく大きな変化のない掛金率を設定をして、ある期間内に全体として収支の均衡を図るという、そういう考え方をとらざるを得ないわけでございます。
 それで、安定的な料率を算定するという観点から見ますと、できる限り期間は長い方がよろしいわけでございますが、一方あんまり長い期間を設定し過ぎるということは、その間における環境条件の変化、耕種技術の進歩等のために被害態様の異なるものまで算定の基礎に入ってしまうという事態になりまして、これもまた不都合であると、そういうことで年次別の被害率の変動状況と大災害の発生の周期等を考慮して期間を二十年ということにいたしておるわけでございます。
この発言だけを見る →
鈴木和美#22
○鈴木和美君 つまり、気象とか農作物の何というんでしょうか、凶、不凶というか、そういうものが主体になって二十年間というように設定されていると理解していいんですか。
この発言だけを見る →
佐野宏哉#23
○政府委員(佐野宏哉君) はい。
この発言だけを見る →
鈴木和美#24
○鈴木和美君 わかりました。
 それから、もう一つ私は疑問に思うのは、掛金の改正については三年ごとに行われていますね。で、最近は去年、ことし冷害、災害等があって法律がここに出るように、非常に不足額が生じるわけですね。そういう面から見ると、農家にもっと掛金を高くして収支均衡を図るという意味で聞くんじゃないんですけれども、その三年で見直すということは特別また理由があるんですか。
この発言だけを見る →
佐野宏哉#25
○政府委員(佐野宏哉君) これは理論的に申しますれば、二十年間の期間一年たつごとに新しい一年を加えて、最も古い一年を削って、直近の二十年ごとで毎年改定をするというやり方もあるわけでございますけれども、ただ、そういうやり方をやりますと、そのために料率算定の実務を担当いたします共済団体の事務量も激増いたしまして、そういう面から事業運営に支障を来すという心配もございますし、また新たに追加される年次の特定の一年ごとに足していきますと、その一年ごとの被害率の高低によりまして料率が毎年毎年変わるということも、保険者、被保険者双方にとって一般的に好ましいことではないというふうに思いまして三年というタームにいたしておるわけでございます。
この発言だけを見る →
鈴木和美#26
○鈴木和美君 事務の繁雑という面ではわかります。そんなら五年ではだめなんですか。
この発言だけを見る →
佐野宏哉#27
○政府委員(佐野宏哉君) まあ、これはどっちかと申しますと便宜論でございますから、絶対に何年ではいけないかということについてそれほど断定的な根拠があるわけではございませんが、従来三年でやってまいりまして、私どもといたしましては特段の不都合は感じておりませんので、まあよくよくのことがなければ従来どおり三年でやっていきたいというふうに思っておるわけでございます。
この発言だけを見る →
鈴木和美#28
○鈴木和美君 いままでの経験や長い歴史の中で三年で支障がないというようにお考えであると、そう承っていいですね。——
 さて、いまの答弁の中で、事務量が仮に一年ごとに見直すというと大変繁雑になって、量もふえるというお話があったんですが、現在のこの三年見直しの中での事務量というものについて農水省は、非常に激増しているのか適当であるのか、その判断をどういうふうにお持ちでしょう。
 私は、農業共済制度を支えているというのは、共済連絡員とか損害評価員とか、損害評価会委員とかそれから役職員とか、そういう人たちが農業共済の普及に対して大変な努力をしていると思うんですね。で、いろんな話を聞くと最近非常に事務量が多いというんですね。後ほど果樹共済についてもちょっとお尋ねしますけれども、そういう果樹共済に対する普及であるとか新しい事業に対しての、つまり浸透させる大変な努力が行われているわけですね。事務量がそういう意味では増大していると私は見ているんですが、ところが、御案内のように、法律十四条に言う事務費国庫負担をゼロシーリングで抑えちゃって、臨調ではむしろ事務経費を削減しろみたいな話があるわけですね。
 そうしますと、先ほど申し上げましたこれから共済制度の重要性にかんがみて普及徹底をしなければならない、その努力を担当している共済連絡員や損害評価員や損害評価会委員や役職員の人たちの意欲というものがなくなってくると思うんですよ。そういうことに対して農水省としてどのような対応をこれからしようとしているのか。私はむしろ事務経費が非常に膨大になっているからもっと国庫負担をふやすべきじゃないかという見解を持っているんですが、どういう現状に見ているのか、またその対策をどうしようとしているのかお聞かせいただきたいと思うんです。
この発言だけを見る →
佐野宏哉#29
○政府委員(佐野宏哉君) 共済団体の事務量につきましては、ただいま先生御指摘のように、最近二年ほどはこういう法律案を御審議を賜っておるということ自体に示されておりますように、大規模の災害が続きました。それから、御指摘のように、先年の果樹共済の制度改正などもございましたから、そういう意味で事務量についてかなりの負担をかけておるということは、私どもも認識をいたしておるところでございます。
 もちろんそういうことにつきましては電算機の導入とか、そういう形で事務の合理化によってできるだけ対応してもらいたいというふうに思っておりますが、同時に、まあ私どもとしては事務費の国庫負担額について、要るものは要るということで、ゼロシーリングのもとでも適切な事務費の国庫負担には心がけておるつもりでございます。
 それで、今国会で御審議をいただいております五十六年度の補正予算におきましても、五十六年四月一日にさかのぼりまして、国家公務員に準じた給与改善を実施するよう所要の経費を計上いたしておりますし、五十七年度の予算におきましてもこれまた国家公務員と同様に給与改善経費を計上しております。また、五十七年度予算案におきましては農林年金の掛金の負担につきまして、従来千分の四十九でございましたものを千分の五十四・五に引き上げる、あるいはただいま先生が言及なさいました共済連絡員、損害評価員等の手当につきましてもそれぞれ増額をして予算案に計上いたしておりますが、私どもとしてはゼロシーリングの中で大変窮屈ではございましたが、それぞれ必要な手当ては講じておるというつもりでおります。
この発言だけを見る →
← 戻る