内閣委員会

1986-05-08 参議院 全250発言

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会議録情報#0
昭和六十一年五月八日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月七日
    辞任         補欠選任
     伊藤 郁男君     柳澤 錬造君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         亀長 友義君
    理 事
                曽根田郁夫君
                村上 正邦君
                太田 淳夫君
    委 員
                板垣  正君
                源田  実君
                沢田 一精君
                桧垣徳太郎君
                堀江 正夫君
                穐山  篤君
                小野  明君
                内藤  功君
                柳澤 錬造君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  今井  勇君
   政府委員
       厚生政務次官   丹羽 雄哉君
       厚生大臣官房総
       務審議官     北郷 勲夫君
       厚生大臣官房審
       議官       木戸  脩君
       厚生省健康政策
       局長       竹中 浩治君
       厚生省保健医療
       局長       仲村 英一君
       厚生省保健医療
       局老人保健部長  黒木 武弘君
       厚生省社会局長  小島 弘仲君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        林  利雄君
   説明員
       文部省初等中等
       教育局特殊教育
       課長       山田 勝兵君
       自治省財政局準
       公営企業室長   磐城 博司君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○厚生省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
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亀長友義#1
○委員長(亀長友義君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨七日、伊藤郁男君が委員を辞任され、その補欠として柳澤錬造君が選任されました。
    ―――――――――――――
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亀長友義#2
○委員長(亀長友義君) 厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨説明は前回既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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穐山篤#3
○穐山篤君 最初に、今回厚生省設置法の一部を改正する法律案というものが提出をされたわけですが、この提出に至ります背景、それから内容について、ごく簡単に御説明をいただきたいと思います。
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木戸脩#4
○政府委員(木戸脩君) それでは御説明を申し上げます。
 六十一年度の予算におきまして、いわば国立病院・療養所の質的機能の充実を図るための再編成の一環といたしまして国立精神・神経センターというものが認められたわけでございます。私どもといたしましては、今後の国立病院は他の医療機関が行うことが困難な、あるいはそれをバックアップするような質的機能の高い医療というものを目指しているわけでございまして、従来いわゆるナショナルセンターとしてがんセンター、循環器病センターというものがございましたが、さらにいわば第三のセンターとして国立精神・神経センターが予算化されましたのを機に、今後はいわゆるナショナルセンターを高度専門医療センターというふうに設置目的を類型化いたしまして、今後機動的にナショナルセンターが設置をできるようにいたしたいということで今回の設置法の改正をお願いしているわけでございまして、今回の設置法におきましては、設置目的といたしまして、特定の疾患その他の事項に関し、診断、治療、臨床研究、それから研修と、こういったものを行うということを設置法の設置目的に書かせていただきまして、名称とか所掌事務は政令に譲らしていただくと、こういう改正でございます。
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穐山篤#5
○穐山篤君 そうすると、従来は厚生省設置法の中で法律上の位置づけがされていたわけですが、今回政令に任せるという意味はどういう意味でしょうか。
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木戸脩#6
○政府委員(木戸脩君) 五十八年に国家行政組織法というものが改正をされました。それから、これに伴いまして関係する各省の設置法というものも改正されたわけでございますが、その中でいわゆる附属機関のうちのいろいろ国民の皆様にサービスを提供する施設等機関の組織につきましては、行政需要の変化に即応した組織の機動的、弾力的な編成と運営を図るという観点から、原則としてその設置は政令によるとする国家行政組織法上の整理方針に従い関係法令の整理が行われたわけでございます。
 実は、今回の設置法の一部改正というのもこの整理の基本方針に従っているわけでございます。なぜその五十八年のときにそのような改正を行わなかったのかという点でございますが、この点につきましては、当時国立病院を将来どうするかという大問題がございまして、まだ現在のように施設等を集約して質的強化を図っていくという国立病院・療養所の再編成の大方針が決まっておりませんでしたので実は見送ったわけでございまして、今回、国立病院・療養所については質的強化を図る、その一環として本年十月から国立精神・神経センターの設置を予算で認められた、こういうことを機会にいたしまして設置法の一部改正を行いまして、先ほど申し上げまして、設置目的は法律で特定をいたしまして、各センターの名称及び所掌事務については政令で定める、こういうことにいたしたわけでございます。
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穐山篤#7
○穐山篤君 厚生省からいただきましたこの図によっても、一応法律第八条を改正をしてそれから政令にする、こういう手順になっているわけですが、国立がんセンターあるいは循環器病センターいずれも内容の充実はあったにいたしましても、その性格、機能というものにつきましては変化はないわけですよね。
 それから、今回提案されております国立精神・神経センターにつきましては、これは新設のものでありますけれども、あえて政令でなくても、法律で掲上をしておっても差し支えない問題ではないかというふうに法律体系上私は思いますけれども、その点いかがですか。
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木戸脩#8
○政府委員(木戸脩君) 先ほども申し上げましたように。関係各省の内部部局あるいは施設等機関につきましては五十八年の国家行政組織法の改正あるいはそれに伴います関係各省の設置法の改正におきましていわば大方針というものが示されたわけでございまして、そのうち公権力を行使しないいわゆる施設等機関については、原則としてその設置は政令によるというふうな大方針が立てられたわけでございます。
 それから、私どもといたしましては、先ほどもお答え申し上げましたように、これから国立病院・療養所の質的機能の強化を図っていく、そして国民の期待にこたえていくということで、これからいわゆる高度専門医療センター、ナショナルセンターというものは機動的に設置をしていく必要がある、こういう二つの理由から、設置目的を法律で著かせていただきましてそれで大枠をはめておく、そして具体的に名称とか所掌事務については政令で定める、こういうような扱いにしたわけでございます。
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穐山篤#9
○穐山篤君 どうも余りすっきりした答えではありませんけれども、前に進みます。
 それで、現在東京にあります国立がんセンター、それから大阪にあります循環器病センター、この概要を説明してもらいたいと思います。
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木戸脩#10
○政府委員(木戸脩君) 御説明申し上げます。
 国立がんセンターでございますが、これは昭和三十七年にできまして、がんその他の悪性新生物に関して診断、治療、研究、それから技術者の研修を行うということで、現在五百三十のベッドを持っておりまして、職員が約七百五十人ということで、この中には医療職、お医者さんが百十二人、看護婦さんが三百七人、その他いわゆる他の医療機関にない研究職が百五名、こういったような内容でございます。
 それから、循環器病センターでございますが、これは五十年代の初めにできまして、循環器病に関し診断、治療、調査研究、技術者の研修を行うということで、ベッド数は六百四十ベッド、職員数が約八百九十人ということで、お医者さんが百十三人、看護婦さんが四百十七人、それから研究職も約百名、こういうことでございまして、設置目的にかないまして、がん、循環器病とこういう高度先駆的な医療、あるいは臨床研究、あるいは技術者の研修、こういうことで、国民の負託にこたえて逐次その充実を図ってまいったところでございます。
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穐山篤#11
○穐山篤君 その国立がんセンターの方ですが、昨日いただきました昭和五十九年度の実績の数字が提示をされておりますが、例えば入院患者数、一日平均四百五十九人、外来患者、一日平均五百九十六人、年間手術件数が一万四千五百二十三件、それから研修の実績を見ますと外国人を含めて三百六十七人、こういう数字が出ているわけですが、これは他の病院と比較をして機能的にはどの程度の水準になっているのか、この点はいかがでしょうか。
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木戸脩#12
○政府委員(木戸脩君) まず国立病院の内部で申し上げましても、がんにつきましてはほかに九州に九州がんセンターというのもございますが、患者数あるいは手術件数、それから研修の受け入れの実績、それからいわゆる研究、こういったものにつきましても、国立病院が約百ございますが、その中でもがんについてはもう群を抜く、こういう水準にあると思います。
 それから、がんにつきましては都道府県立のセンター病院クラスにもがんセンターのようなものがあるわけでございますが、独立の研究所というのを持って研究を行い、あるいは外国人を含めて大幅に研修者を受け入れているというものは他にはないわけでございます。
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穐山篤#13
○穐山篤君 吹田の循環器病センターの方の数字を見ますと、これまた入院患者数が一日平均五百三十八人、外来が一日平均六百二十七人、かなり人数も多いような感じがします。ただ、日が浅いということもあるんでしょうけれども、循環器病センターの方の研究費あるいは研究委託費といいましょうか、それが非常に小さい枠であるなどいう感じがするわけです。循環器系統の問題につきましては、特定疾患の方でも篤と研究をされているわけではありましょうけれども、最近の疾病の状況から考えてみまして、がんセンターの方もあるいは循環器病センターの方も、研究費が研究者の数あるいは研究の課題数から見まして非常に枠が小さいような感じがするわけですが、その点大臣、どうでしょうか。
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仲村英一#14
○政府委員(仲村英一君) 御指摘のように、国立がんセンターは昭和三十七年から発足いたしまして、がん研究助成金ということで一括がんセンターが運営するという仕組みをとっております。同様な形で循環器病センターにつきましても、これは昭和五十二年から発足いたしたものでございますから予算的にやや厳しい時期に発足したということもございまして、がん研究助成金の十六億円に対しまして循環器疾患につきましては四億五千万円ということで、御指摘のような形で額はがんより循環粋の方が少ないという実態になっておるわけでございます。
 国民の疾病の保有状況から考えますと、当然循環器疾患というのは非常に多い病気でございますので、私どもとしてはもっと力を入れていかなくてはいけないわけでございますが、ただいまの御質問の中にもございましたように、循環器に関しましてはここの循環器病センターで扱ってないその他の研究、難病その他そういう関係の研究も、一応私どもとしてはできるだけそちらの方へも力を入れていきたいということで考えておる次第でございまして、循環器の研究費の増額というのは私ども今後とも進めてまいりたいと考えておるところでございます。
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今井勇#15
○国務大臣(今井勇君) 確かにおっしゃいますように、研究費が必ずしも十分であるとは、私も残念ながら、もうちょっとやはりふやしていかなきゃならぬという感じはいたしております。しかしながら、今の御時勢でございますのでなかなか一遍にふえませんが、やはりできるだけのことをしていかなきゃならぬ。特にがん研究などにつきましては、国家的な使命でもございますから、例の対がん十カ年総合戦略というようなことに基づきまして、昭和六十年度では相当の研究費を確保しておるわけでございますが、なお一層今後ともこの研究費の問題につきましては、できるだけの努力を私もいたしたいと思っております。
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穐山篤#16
○穐山篤君 中曽根総理はしばしばがんの撲滅という問題について非常に意欲的ではありますけれども、それがただかけ声だけであったのではこれはつまらないと思うんですね。具体的な医療施設とかあるいは医者であるとか、そういうものを含めて全体の予算措置というものがしっかり行われていなければ、ただ演説だけで済ましているのでは今日的な問題の解決にならないと思うんです。これはまあことしはことしの予算で終わるでしょうけれども、昭和六十二年度に向かってはさらに大臣の御努力を特に要請しておきたいと思うわけであります。
 それから、今回この設置法が提案をされました背景は、先ほど審議官からお話がありましたけれども、ずっともとを正していきますと、どうしても臨調行革の答申というものが基軸になっていると思うわけですね。
 そこで、今度の百四国会には、厚生省設置法の一部改正の問題とそれから国立病院あるいは療養所の統廃合という問題が、同時にセットのような形で提案されているわけです。その意味では、それぞれ審査する委員会は違いますけれども同一のテーブルの中の問題だ、こういうふうに私どもは認識をしますが、その点いかがでしょう。
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今井勇#17
○国務大臣(今井勇君) やはり今回の問題は、それぞれ関連した一環の問題であると私は理解をいたしております。
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穐山篤#18
○穐山篤君  そうしますと、昨年の三月二十八日に厚生省から出しました「国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針」というものがあるわけですが、その中で「国立病院・療養所の果たすべき役割」というものが述べられていますけれども、ここはどういうふうな考え方で提案されているんでしょうか。
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今井勇#19
○国務大臣(今井勇君) 国立病院あるいは療養所の再編成の基本方針ということについてのお尋ねであろうと思います。
 私どもは、これから本格的な高齢化社会を迎えるわけでありますが、やはり高齢化社会になりますれば当然医療の果たすべき役割というものもますます重要になってくるわけであります。その中で、いつでもどこでも良質の医療が適切に受けられるというような医療供給体制をつくることが私ども極めて大事だと思っているわけであります。そこで、昨年には医療計画の策定などを内容とします医療法の改正というのをやっていただいたわけでありますが、こういった状況のもとで我が国の医療機関というものが全体的に有効でしかも適切に機能するように、役割の分担と連携というものが強く私は要請されているものだと思っております。
 そこで、国立病院・療養所というものの再編成というのは、このような観点から国立の医療機関としてふさわしいような指導的な役割を果たせるように、質的な機能の強化を図りたいということを私は第一の目的にせにゃいかぬと思っておりまして、そのためにもやはり再編成というのはスクラップ・アンド・ビルドというふうに私も考えまして、と申しますのも、人員、機材等々がこの厳しい情勢下で国立の各医療機関全部についての充足をなかなか果たすことができないような事情でございますので、この際スクラップ・アンド・ビルドをいたしまして、国立医療機関として国民の負託にこたえたいというような気持ちで、私は今回の再編成という問題を取り上げているわけでございます。
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穐山篤#20
○穐山篤君 確かに国立あるいは公立の病院もある。それから各県には医科大学並びに附属病院もある。あるいは法人の民間の病院もある。大学の病院もある。いろいろ医療機関というものがありまして、それぞれがそれぞれの立場で国民医療を行っているわけですが、なかんずく国立の医療機関というものにつきましては、長い歴史と伝統も持っておりますし、また信頼もあるわけですね。地域におきます医療機関としても十分機能を発揮しているし、親しまれていると言う方が適切かもしれません。実は、私のおやじにしろおふくろにしろ、ほとんど国立病院に御厄介になっていました。それはすぐ近くにあるということの利便性もありますけれども、やっぱりその国立病院に対する信頼度という問題が気持ちの上では非常に支配的でありまして、そういう意味では国立の病院が地域の医療に果たしている役割というのは非常に大きいと思うんですね。
 ところが、今回の提案によりますと統合あるいは廃止をするということで、地域の住民から言わせますと、なぜこの際統廃合をするのかという意味で非常に疑問を持っているわけです。それから不安も持っているわけです。国の医療に対する考え方に疑惑を持ち始めている、そういうことが率直に言えると思うんです。したがって、国立の医療機関が本来果たさなければならない役割あるいは機能というものをこの際明確にしてもらいたいと思うんです。もう一度ひとつお願いします。
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木戸脩#21
○政府委員(木戸脩君) 国立病院・療養所の果たすべき役割につきましては、先ほど先生から御指摘がございました昨年の三月二十八日に厚生省が作成し、翌日閣議に報告いたして了解を得ました「国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針」の中に「国立病院・療養所の果たすべき役割」というのが書いてあるわけでございます。
 先ほど大臣から御説明をいたしましたように、今後医療供給体制をどう持っていくかというのは非常に政府・厚生省にとっては重大な課題でございますが、先生も先ほどおっしゃいましたように、各種医療機関がたくさんございます中で国立は何を受け持つか、こういうことでございまして、基本的に先ほど御答弁申し上げましたように、他の医療機関がやることが困難な高度先駆的な医療、あるいは専門的な特殊な医療、こういったようなものを国立病院は主として担当していく、その他のいわゆる基本的、一般的な医療はできるだけ地域の他の医療機関にゆだねる、こういう考え方でございます。
 ただ具体的には、今先生がおっしゃいましたように、昭和二十年以来長いこと地域にやはり根差して地域住民の信頼にこたえてきたという問題がございますものでございますから、具体的にどうするかという問題については地元とよく協議をして、いわゆる後医療の問題については万全を期さなければならない。
 それから、今後国立病院あるいは療養所が具体的に地域でどういう機能を担っていくかという問題につきましては、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、昨年十二月に医療法が通ったわけでございまして、大体これから一年から二年かかって各都道府県が医療計画というものをつくるわけでございます。医療計画におきましては、基本的、一般的な医療を行います二次医療圏というものを設定し、さらに都道府県単位、あるいは大きな県、人口の多い県につきましてはある程度都道府県単位を複数に分割するということもございますが、そこの三次の医療圏という医療圏が設定される。その三次医療圏の中で具体的にどういう機能を国立が担っていくかという点につきましては、具体的にはその段階で各県と御相談しながら明らかにしていく、こういうことになるわけでございます。
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穐山篤#22
○穐山篤君 この国立病院あるいは療養所の全体の施設の数、これが日本のすべての医療機関の割合からいえば飛び抜けてたくさん量的にあるわけではないわけですね。それから歴史的に言いますと、かつての結核療養所を改編した診療所、病院というものも数あると同時に、地域的にも偏在をしているわけですね。厚生省の方はそこに目をつけて統合あるいは廃止ということになったんだろうと思いますけれども、受ける国民医療の立場からいいますと、じゃ離島はどうしてくれる、あるいは僻地はどうしてくれるというふうな、そういった政治的な配慮を当然求めているにもかかわらず、皆さん方の方の十年計画でいきますと相当の数が統廃合をされる。その意味でいいますと、地域医療から撤収をする、こういうことにならざるを得ないと思うわけです。これは、我々としてはそう簡単に承知をするわけにいかない問題です。
 そういう点について各地、各病院から相当厚生省に対しても陳情なり要請というものがあると思うんです。その点いかがですか。
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今井勇#23
○国務大臣(今井勇君) これは、おっしゃいますように私のところへも随分ございます。私はそのときいつを言うんですが、今回の問題というのは、先ほど申し上げましたように、国全体の極めて厳しい財政状況等々がありまして、ある一定方針のもとでこれの再編成というのは避けて通れない、ひとつその私どもの考え方をまず御理解いただきたいということを申し上げると同時に、しかし私どもの考えでおります再編成というものは唯我独尊であってはいけないと思っているわけです。先生おっしゃいますように、やはり地域に随分長いこと密着しておりますし、愛されてもおるわけでございますから、よく地域の方々とのお話し合いといいましょうか意思の疎通といいましょうか、御納得の上でしなければならぬ。したがって、これは十カ年で一応のピリオドを打ちまして十カ年の中でやってまいるわけでございますから、その間私は一度でなければ二遍、二遍でなければ三遍、何遍でもよろしいのでありますが、対話を繰り返しながら、じゃ後医療はどうするんだ、ここがなくなった場合どうするんだということについての御納得を得ながらやっていくことが極めて大事だというふうに事務当局にも申しまして、そのようなことで今事務当局も、年次の計画等については地域の後医療に心配のないようにひとつお話し合いをしたいということで督励をさせているところでございます。
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穐山篤#24
○穐山篤君 この厚生省から出されています指針の中で、基本的、一般的という意味が私にはよくわからないんですが、まあ風邪だとか腹痛であるとか、あるいはけがであるとか、そういったよう
な一般的なものは町の病院で受けなさい、国立の病院というならばもう少し高度のものを扱うのが国立らしいと、こういうふうに言われていると思うんです。しかし、それだけでは国立病院の機能、性格からいってみて無理があるんじゃないかと思うんですよ。
 卑近な例でありますけれども、私の出身の山梨県、私のうちの周りにも病院がたくさんあるわけです。個人の病院、法人の病院もあります。それから、歩いて三十分ぐらいで国立病院に行けるわけです。近くに県立中央病院もあるわけですが、いずれも満杯の状況なんですね。それは、治療を要するものもあるだろうし、ごく簡単な通院というようなものもありますけれども、もし国立病院が統廃合になりますと、この厚生省が言っております一般的あるいは基本的なものは、別の県立中央病院とか法人の病院というものに全部理屈上行くようにならざるを得ないわけです。しかし、そういうふうな設備になっているわけじゃないんですよ。
 それから、例えば国立病院の場合には、どういう分野では信頼のある先生が多いとか、あるいは設備が非常にいいとか検査器具がなかなか立派であるとか、そういう幾つかの要素が絡んで国立病院が地域医療に果たしている役割というのがあるわけですよ。
 もし提案をされておりますように、地域医療から一般的なものはもう撤収してしまう、御遠慮願うということになるとすれば、これは治療、診断を受ける国民の側からいいますと、不便この上もない出来事になろうと思うんです。そういう点についての利便だとかあるいは国立病院の信頼性をさらに高めるというふうな面でもっと研究の余地はなかったでしょうか。私は、自分の地域にあります国立病院あるいは一般的な病院のことを考えてみまして、どうしてもそういう感じがしてならないわけですが、その点いかがですか。
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木戸脩#25
○政府委員(木戸脩君) 今、穐山先生から地元の甲府病院なり療養所の実例を引かれての御質問でございますが、私どもといたしましても基本的な方針としては先ほど来申し上げているとおりでございます。ただ、一般的、基本的な医療と高度先駆的な専門医療というのが全く別のものであるかといえば、それは連続をしているものでございまして、ある高度な医療機関が全く一般的、基本的医療をやらないかといえば、そういうことはないわけでございます。
 ただ、先ほど先生も御指摘になりましたように、国立病院の数というのは極めて限られているわけでございますので、やはり国立病院というのはいわば国民全体にできるだけ公平にサービスをするという観点に立たなければならないわけでございますので、私どもといたしましては、専ら一般的、基本的な医療だけ――もう少し具体的に申し上げますならば、いわゆる今度通りました医療法に基づきます医療計画の二次医療圏の医療というものを専らやるという国立病院は今後は持たない、こういう考え方でございます。
 それで、具体的な医療の確保、先生利便性の問題を御指摘になりましたが、この利便性という問題と高度性と申しますか専門性の問題、これをどう調整するかというのは非常に大きな難しい問題でございます。具体的な医療の確保につきましては、やはり当該地域から統合によって医療機関がなくなった場合にどういうものが必要かというのは、やはり地元市町村あるいは県あるいは医師会あるいは関係の地元の病院協会等々とよく相談をいたしましてやらなければいけない問題だというふうに考えているわけでございまして、今回の再編におきましても、後医療の問題については十分配意するということが再編成の基本指針の中にも入っているわけでございます。
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穐山篤#26
○穐山篤君 その指針を読んでみますと、政策医療に専念をするといいますか、重心を置いていくというふうに書かれているわけですが、これは当然のことだと思うんですよ。あえて政策医療を国立病院がやるということを書かなくても、本来それは国立病院の任務ではないかな、こういうふうに思うわけですね。そして、一般的な、基本的な診療、治療というものの上にその高度専門的なものが乗っかる、こういうことでなければ、医療体系としても私はどうかなという感じがするわけです。あえて「政策医療」というふうに指針には書かれていますけれども、これは当たり前のことであって、これをあたかも国立病院がやるものだというふうに書かなくても当然のことだというふうに私どもは考えるわけですが、あえてこういうところに政策医療に中心を置いたねらいといいますか、意図というものは那辺にあるんでしょうか。
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木戸脩#27
○政府委員(木戸脩君) 先ほどから大臣も申し上げておりますように、医療供給体制におきまして国公私がどういうふうな機能分担をするかというのはやはり大きな問題でございまして、ある地域で国立と公立とあるいは公立に準ずる日赤、済生会が同じようなことをやって、同じように機能が競合するというようなことは、やはり国民経済的に考えましても、病院計画という点から考えましても、それは望ましいことではないわけでございます。
 それから、国立病院・診療所の数は、先ほど先生もおっしゃったように極めて限られているわけでございます。先生御指摘のように、まさに医療というのは一般的、基本的医療の上に高度医療あるいは専門医療というものがあるわけでございますので、やはりその中で限られた数、限られた人、限られたお金で国民の皆さんにできるだけ公平にサービスが行き届くようにするというためには、やはり今回の再編成の基本指針あるいは基本指針に基づきますいわゆるリストアップというものが必要であったわけでございまして、そういったような観点からリストアップをさせていただいたわけでございます。
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穐山篤#28
○穐山篤君 もう一度政策医療のところをただしていきたいと思うんですが、この政策医療には項目が幾つかあるわけですが、第一ががんとか循環器、神経あるいは精神疾患というものが一つの柱ですね。それから、結核であるとか重症の心身障害、これも当然のことだと思うんですね。それから、その次が原因の究明及び治療法の確立という意味で難病、特定疾患のことが指摘をされている、これも当たり前のことであろうというふうに思うわけであります。それから、その次が一般的な医療機関が実施をしております救急医療の問題について補完的なことをする、これもごく通常のことでありますね。
 それから、二十一世紀を展望してみて高齢化社会が相当スピードアップをしてくるわけですが、最近お年寄りの問題というのは深刻な諸問題を抱えていますね。これは国民医療という立場からいえば、老人の問題、ぼけ老人の問題、そういう問題を含めてこれまた国がやるべき当然のことであります。また、その研究の結果あるいはそういうものを広く医療機関に情報を公開していく、こういうことも当然のことでありまして、あえてこれが政策医療というふうに言われますと少し我々考えさせられます。
 それから、その次に開発途上国からの研究生の問題、これは国際的な協力関係では当然日本の現状からいってみて、財政的に許す限りできるだけ研究生を受け入れる、これも国際的な役割であろうというふうに思うわけですね。一般的な民間の医療機関が受けているところもありますけれども、やっぱり種々の外交上の問題も考えてみれば、これは国立の病院が受ける、研修生を引き受ける、これが当たり前のことだと思うんです。
 それから、広域災害医療の拠点整備の問題ですが、地震災害の問題もあるでしょう。それから、ごく最近の例としては国外からの放射能の拡散という問題もあります。そうなりますと、これまた国の医療としても当然率先垂範してかからなければならぬ問題だと思うんですね。どうしてこの政策医療という名前をつけて特定なものだけを国立は、あるいは国の医療は、何といいますかエリアを、限界を示しているのか、どうもそういう点が私ども素人にはわかりづらいわけですが、この点についていかがでしょう。
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今井勇#29
○国務大臣(今井勇君) 先ほどもちょっと申しましたが、確かに一般医療をなぜやらないのかというお話でございます。ただ、国立病院というのは、先生御存じでしょうけれども、全体の病院の数から見ましても、最近非常に民間の病院あるいは公立、公的病院がふえてまいりまして、私の手元にあります資料で見ましても、病院の数が全体で九千五百八十あるわけでございますが、そのうち私どもが今お願いしておりますのは二百三十九、約二百四十の病院でございます。あとは公立あるいは私的でございますし、診療所にしましても、全体で七万八千五百四十九という総数がありますうち、国が今やっておりますのはたかだか数百という感じでございます。
 そういうことから考えますと、やはりこれだけいろいろ一般的な、公的な、あるいはまた私的な病院、診療所というものがだんだんと全国的に広がってまいっているわけでございますから、しかも先ほど私が申し上げますように、国立病院・療養所というものの人員、機材というものが極めて厳しい制約下に置かれますと、やはりどこかの重点的な施策を打ち立てまして、従来からやっておりましたものでもありますけれども、さらにそれを厳選して重点を置いていって、それにひとつさらに傾斜をしていこうというふうに私どもは考えざるを得ないところで実はございます。
 そんなことで、今先生がおっしゃいますように、政策医療といってもほかでもできるんじゃないだろうかとおっしゃいますればそのとおりでございましょうけれども、しかしながらそれに国としてさらに傾斜をしていこうというのは、一般の民間医療というものがだんだんとプリベイルしてまいりましたにもかかわらず、国というものが非常に人員、機材がふえないものですから、そこに的を絞ったというふうに御理解をいただければ大変ありがたいと私は思っております。
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