外務委員会

1989-11-01 衆議院 全122発言

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会議録情報#0
本国会召集日(平成元年九月二十八日)(木曜日
)(午前零時現在)における本委員は、次のとお
りである。
   委員長 相沢 英之君
   理事 大石 正光君 理事 柿澤 弘治君
   理事 北川 石松君 理事 中村正三郎君
   理事 浜田卓二郎君 理事 河上 民雄君
   理事 神崎 武法君 理事 林  保夫君
      石原慎太郎君    糸山英太郎君
      小沢 一郎君    唐沢俊二郎君
      鯨岡 兵輔君    坂本三十次君
      椎名 素夫君    中村喜四郎君
      丹羽 兵助君    浜野  剛君
      深谷 隆司君    石橋 政嗣君
      岡田 利春君    佐藤 観樹君
      高沢 寅男君    正木 良明君
      渡部 一郎君    岡崎万寿秀君
      松本 善明君
──────────────────────
平成元年十一月一日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 相沢 英之君
   理事 大石 正光君 理事 柿澤 弘治君
   理事 北川 石松君 理事 中村正三郎君
   理事 浜田卓二郎君 理事 河上 民雄君
   理事 神崎 武法君 理事 林  保夫君
      石原慎太郎君    糸山英太郎君
      坂本三十次君    椎名 素夫君
      中村喜四郎君    丹羽 兵助君
      浜野  剛君    深谷 隆司君
      石橋 政嗣君    岡田 利春君
      高沢 寅男君    渡部 一郎君
      松本 善明君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 中山 太郎君
 出席政府委員
        外務大臣官房長 佐藤 嘉恭君
        外務省アジア局
        長       谷野作太郎君
        外務省北米局長 有馬 龍夫君
        外務省欧亜局長 都甲 岳洋君
        外務省経済局次
        長       内田 勝久君
        外務省国際連合
        局長      遠藤  實君
 委員外の出席者
        防衛施設庁施設
        部施設取得第一
        課長      中田 唯之君
        外務大臣官房審
        議官      丹波  実君
        大蔵省主税局国
        際租税課長   黒田 東彦君
        大蔵省国際金融
        局調査課長   水盛 五実君
        国税庁間税部消
        費税課長    濱田 明正君
        国税庁調査査察
        部国際調査管理
        官       日出島恒夫君
        外務委員会調査
        室長      藪  忠綱君
    ─────────────
九月二十八日
 国際開発協力基本法案(川崎寛治君外十五名提出、第百十四回国会衆法第九号)
 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とベルギー王国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(第百十四回国会条約第四号)
 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とインド共和国政府との間の条約の締結について承認を求めるの件(第百十四回国会条約第五号)
十月十一日
 国際開発協力基本法案(中西珠子君外二名提出、参法第五号)(予)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とベルギー王国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(第百十四回国会条約第四号)
 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とインド共和国政府との間の条約の締結について承認を求めるの件(第百十四回国会条約第五号)
     ────◇─────
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相沢英之#1
○相沢委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 国際情勢に関する事項について研究調査し、我が国外交政策の樹立に資するため、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中国政調査を行うため、議長に対し、承認を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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相沢英之#2
○相沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ────◇─────
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相沢英之#3
○相沢委員長 この際、中山外務大臣より発言を求められておりますので、これを許します。中山外務大臣。
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中山太郎#4
○中山国務大臣 このたび、外務大臣に就任いたしましたので、外務委員会の冒頭に当たりまして一言ごあいさつを申し上げます。
 今日、国際情勢は大きな変化のさなかにあります。東西関係におきましては、対話が定着し、社会主義国がさまざまな改革を試みており、地域紛争も解決に向けて動き出しております。このように世界は新しい時代を模索していると申せましょう。
 我が国としましては、国際情勢の好ましい動きを定着させ、発展させていくために、従来にも増した積極的な外交努力を行ってまいる所存でございます。
 特に、我が国の国益を確保するため、また、国際社会の期待にこたえるためにも、我が国は国際秩序の主要な担い手として「世界に貢献する日本」を推進していくことが必要であります。その際、先進民主主義諸国の主要な一員として、また、アジア・太平洋地域の一国としての二つの座標軸に立脚して世界の平和と繁栄に最大限の貢献を行っていく方針です。また、我が国は今や世界のGNPの一割を超える経済大国でありますが、他国に脅威を与えるような軍事大国にはならないということも一貫した方針であります。
 このため、具体的には、我が国の安全確保、世界経済の健全な発展への取り組みに加え、平和のための協力、ODAの拡充、国際文化交流の強化を三本柱とする国際協力構想を積極的に推進するとともに、環境問題等地球的規模の問題の解決にも力を注いでまいる所存であります。
 本委員会の皆様方は、外交問題に精通され、多年にわたってこれに取り組んできておられます。皆様のよき御指導、御鞭撻を賜り、外務大臣としての重責を全うできるよう、皆様の御協力をお願い申し上げ、ごあいさつにかえさせていただき
ます。
 よろしくお願いします。拍手
     ────◇─────
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相沢英之#5
○相沢委員長 第百十四回国会から継続になっております所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とベルギー王国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件並びに所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とインド共和国政府との間の条約の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。
 これより両件について政府より提案理由の説明を聴取いたします。中山外務大臣。
    ─────────────
 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とベルギー王国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とインド共和国政府との間の条約の締結について承認を求めるの件
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
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中山太郎#6
○中山国務大臣 ただいま議題となりました所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とベルギー王国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 政府は、昭和四十三年三月に署名されたベルギー王国との間の現行の租税条約を一部改正するための議定書を締結するため、昭和六十三年四月から交渉を行いました結果、昭和六十三年十一月九日にブラッセルにおいて両国政府の代表者の間でこの議定書の署名を行った次第であります。
 この議定書による改正の主な内容は次のとおりであります。すなわち、配当に関し、現行条約においては一律一五%とされている源泉地国での限度税率が、親子会社間の配当の場合には、日本国においては一〇%、ベルギーにおいては五%に、また、利子に関し、現行条約において一五%とされている源泉地国での限度税率が一〇%におのおの引き下げられることであります。
 この議定書の締結によりまして、我が国とベルギー王国との間の二重課税回避の制度がさらに整備され、両国間の経済関係の緊密化に資することが期待されます。
 よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とインド共和国政府との間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 政府は、インドとの間の現行租税協定にかわる新たな租税条約を締結するため、インド政府と数次にわたって交渉を行いました結果、平成元年三月七日にニューデリーにおいて両国政府の代表者の間でこの条約に署名を行った次第であります。
 この条約は、現行協定に比し、条約全般にわたって最近の租税条約の改善された規定をできる限り取り入れたものであり、従来我が国が諸外国との間で締結した租税条約同様OECDモデル条約案に基本的に沿ったものとなっております。
 この条約の主な内容としまして、まず、事業所得につきましては、企業が相手国内に支店等の恒久的施設を有する場合に限り、かつ、当該恒久的施設に帰属する利得に対してのみ相手国で課税できるものとしております。また、航空機及び船舶を国際運輸に運用することによって生ずる利得に対する租税につきましては、相手国において全額免除すること。ただし、船舶所得については十年の過渡期間を設けることを定めております。また、投資所得につきましては、配当、利子並びに使用料及び技術的役務対価についてそれぞれ源泉地国における限度税率を定めております。
 この条約の締結によって日・インド間の二重課税の回避等の制度がさらに整備され、両国間の経済及び文化の面での交流が一層促進されるものと期待されます。
 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
 以上二件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
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相沢英之#7
○相沢委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
    ─────────────
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相沢英之#8
○相沢委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高沢寅男君。
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高沢寅男#9
○高沢委員 大臣、衆議院の外務委員会としてはきょう初めて大臣をお迎えいたしましたが、御就任に心からお祝い申し上げ、また今後の御健闘をまずお祈りいたします。
 ただいまの租税二件について、ただいまから御質問いたしたいと思います。
 初めに総論的な御質問を申し上げたいと思いますが、かつてアメリカとソ連の大変な対決の時代があった、今それは対話と協力の時代に変わりつつあります。米中も同じような大変な対決があったが、同じように対話と協力、それから中ソも大変な対決の時代がありましたが、今や対話と協力、こういうふうにすべてが対話と協力へ動いてきておりますが、アジアの重要な要素である中国とインド、中印の関係は、かつて国境戦争までやったという関係で、非常な対立といいますか対決的要素が強かったと思いますが、現状ではどうなっているか、あるいは今後の中印関係の見通しはどうか、まず御所見をお聞きしたいと思います。
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中山太郎#10
○中山国務大臣 ただいま委員から御懇篤な御祝意をいただいて、厚く御礼を申し上げたいと思います。
 今お尋ねのインドと中国との関係でございますが、超大国間の対決から対話へという流れが最近大きく流れておりまして、昨年十二月、ガンジー首相がインドの首相としては三十四年ぶりに中国を訪問いたし、中印関係改善の機運を盛り上げ、さらに本年十月、呉学謙中国副首相がインドを訪問いたしましたことは、両国関係の改善を象徴しているものとして歓迎をいたしております。中印関係における最大の懸案である国境問題が一挙に解決されるとは現在まだ考えられておりませんけれども、ガンジー首相訪中の際に、本件について平和的、友好的に交渉を通じて解決をすることで合意がされておりまして、今後の経緯を注目してまいりたいと考えております。
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高沢寅男#11
○高沢委員 私も、流れはそういう方向だと思いますが、ちょっと気がかりなのは、最近ダライ・ラマがノーベル賞をもらったという問題ですね。ダライ・ラマという人はもともとチベットの方であって今インド政府の保護を受けておる、この関係で中国はダライ・ラマがノーベル賞をもらったということに大変不快感を表明しているというふうなことがありますが、これが変にチベット問題に反作用して、そしてそれが中印関係の緊張をまた招くというふうな、そういう心配がないのかどうか。今御承知のとおり、かつてはインドのネール首相と中国の周恩来総理の間で平和五原則というものが確認されて、これが平和五原則のスタートになったという中印間の歴史もありますので、このチベット問題なりダライ・ラマの問題が何か阻害要因にならないか、この辺の御所見はいかがでしょうか。
    〔委員長退席、柿澤委員長代理着席〕
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谷野作太郎#12
○谷野政府委員 お答え申し上げます。
 お答えの仕方が大変難しい問題でございますけれども、委員まさに御指摘のように、中国側は少なくともチベットの問題というのは中国の内政の問題であるという立場をとっておりまして、したがいまして、この問題については、いかなる政府といいますか外国の政府、組織あるいは個人からの干渉は許さないという立場であるわけでござい
ます。そういう脈絡で、ただいま仰せのダライ・ラマ氏のノーベル平和賞受賞に対しましても、これも委員御案内のとおり、これは中国の内政に対する粗暴な干渉である、中国の人民の気持ちを傷つけるものだという大変激しい反応をしております。
 私ども日本政府として、第三国の内政にかかわることでございますから、これについて答弁はなかなか難しゅうございますけれども、いずれにいたしましても、チベットの問題につきましては、国内の問題と言っているわけでございますけれども、当事者の方々のお話し合いにより平和的に解決されればよろしいな、かように考えております。
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高沢寅男#13
○高沢委員 谷野局長も言われたとおり、大変デリケートな問題なので、この点に余り踏み込んだお答えも無理かと思いますが、それでは、中印関係がこういうことにもかかわらず相互に前進することを期待するということで一度おさめておきましょう。
 文明論の立場から、かつての世界はギリシャ、ローマの地中海の時代であった、その次に来たのは大西洋の時代であった、これからはもう太平洋の時代だ、こういうことを言う学者の方もありますけれども、こういう見通しについては、文明論の立場で大臣の御所見はいかがでしょう。
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中山太郎#14
○中山国務大臣 今委員御指摘のように、メソポタミアから始まった人類の文明というものがやがてエジプトへ渡る、そしてヨーロッパへ行って、大西洋を越えてアメリカに行き、そして今二十一世紀に向かってアジア・太平洋に向かってくるという委員のお説は同感でございます。
 これから二十一世紀にかけてアジア・太平洋地域の経済の発展、こういうものが考えられておりまして、十一月六日、七日、オーストラリアのキャンベラにおいて初めてアジア・太平洋閣僚会議が開催されることになっておりますが、まさしくこれらの会議は、委員御指摘のそのような視点をとらえて、これからのアジア・太平洋問題をお互いが考えていくという最初の会議になろうかと考えております。
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高沢寅男#15
○高沢委員 私もアジアに住んでいる一人として、これからのアジア・太平洋地域がいわば世界をリードするというふうな時代になることを非常に期待しながら、しかし、そのリードという意味は、これはあくまでアジア・太平洋地域が非常に平和な地域で、その平和の中で地域の経済的な、文化的な発展が行われる、それが世界に貢献するというふうな流れになることを期待するわけであります。
 そこで、そういう立場で見ますと、アジア・太平洋の関係諸国のいわゆる信頼醸成措置というふうなものが非常に求められると思いますが、今までの流れでは、ヨーロッパの方では、そういう東西間の信頼醸成措置の話し合いが非常に進んでおると見て間違いないと思います。急速にというよりも、むしろ急激にそういう過程が進行しておると見て間違いないと私は思いますが、このアジア・太平洋地域の信頼醸成措置を関係国で話し合っていくという仕組みが今後必要になるだろうと思いますけれども、日本がそのイニシアチブをとることが非常に必要じゃないのか。先ほど大臣のごあいさつの中にも、今や日本は世界のGNPの一〇%も占めるようになった、経済大国という面では世界各国がだれでもそれを認めるという状態になっておりますが、国際政治の中でそれにふさわしい役割を日本がやる、やるべきだという意見があるし、また我々もそうだと思う。その場合に、今言ったアジア・太平洋地域の平和と信頼醸成措置、この方向に向かって日本がイニシアチブを発揮することが非常に必要じゃないかと思いますが、大臣の御所見はいかがでしょうか。
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中山太郎#16
○中山国務大臣 委員御指摘のように、アジア・太平洋地域において信頼を醸成し、平和、繁栄を求めるために日本がイニシアチブをとるという考えはどうかということでございますが、当然日本としては、この地域の繁栄と平和のためにできる限りの協力をしていくという基本的な姿勢があろうかと思います。
 問題は、ヨーロッパがアジアと比べて非常に——経済の問題も大体均てんしておりますし、またヨーロッパ経済統合というような新しい市場の形成も迎えつつございます。そういう状況と比べて、まだアジアの中には、カンボジアにおける内戦の問題、これをめぐる国際的な平和への機構がつくられておりますし、なおまた中国のこれからの開放・改革路線というものがどうなっていくのか、ヨーロッパと比べてアジアには解決をしなければならない問題点がまだいろいろと多数存在することも事実であろうと思います。そういう中で、委員御指摘のように、平和と繁栄のために日本ができるだけの貢献をするという基本的な姿勢は堅持しなければならないと考えております。
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高沢寅男#17
○高沢委員 ややそれに関連いたしますけれども、けさのニュースで、アメリカのブッシュ大統領とソビエトのゴルバチョフ最高会議議長の会談が十二月の二日、三日に行われることになりました。まず、この会談の意味といいますか、あるいはその中身でどういうことが前進することが期待されるか、どういうことの話し合いが行われるか、この辺の見通しについて大臣の御所見はいかがでしょうか。
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中山太郎#18
○中山国務大臣 来年に予定されております米ソの首脳会談、こういうものを大体これからのスケジュールとして私どもは国際的に認識をいたしておりましたが、昨夜、このように十二月初頭に地中海方面で米ソの首脳会談が行われるということは、私は、激動する東ヨーロッパ、またソビエト国内におけるペレストロイカの進展状況あるいはグラスノスチの影響、そういうものも含めて米ソの首脳がお互いに意見を交換し協議をするということが必要になってまいったのではなかろうかと思います。しかし、これはあくまでも中間的な会談で、しかもブッシュ政権になってからはソビエトの最高首脳のゴルバチョフ書記長との首脳会談がまだ行われておりません。そういう意味で極めて注目すべき会談であろうと私は考えております。
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高沢寅男#19
○高沢委員 この米ソの地中海会談で何かアジアの問題が協議される可能性は一体あるのかどうか、この辺の御認識はいかがでしょうか。
    〔柿澤委員長代理退席、委員長着席〕
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中山太郎#20
○中山国務大臣 米ソ間の話し合いのことでございますから、私ども直接関係のない立場におきまして、今からこの問題の内容について意見を述べることは差し控えたいと思いますが、国際情勢全般にわたっての意見の交換は当然あるものと考えております。
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高沢寅男#21
○高沢委員 先ほど申しましたアジア・太平洋地域の信頼醸成措置の問題に戻りますけれども、さっきヨーロッパの条件とアジア・太平洋の条件の違いを大臣御説明になって、私もその違いはそうだと思います。アジア・太平洋地域では、日本のような大変先進的な水準になった国もある、あるいはまさに途上国という立場の国もある、途上国を脱して、今やNIESと呼ばれる状態になった国もある。また、そのNIESという国は大変急速に経済的な発展の過程にあるというふうな、各国の置かれた経済的、文化的条件が必ずしもヨーロッパのようにそろっていないという条件の中で、一体どうやってアジア・太平洋の信頼醸成措置をつくるかと考えた場合、問題のかぎは、平和問題というところに絞って、先進の国であれ、あるいは途上国であれ、あるいはNIESの国であれ、いずれも平和という前提がなければ成り立たないというふうに考えれば、そのことについてのアジア・太平洋地域の協議が国際間で当然あるべきではないのか、私はこんなふうに考えるわけであります。それが結局軍縮の問題にもつながってくるでしょう。
 例えば、アジアの焦点である朝鮮半島、この南北の朝鮮の関係も、緊張緩和と相互の軍隊を減らすという軍縮の問題が南北朝鮮の相互の信頼関係とかいうふうなことに当然貢献していくことにもなろうかと思います。カンボジア問題の解決もその線でとらえていけば、やはり早く内戦を終わら
せて、そしてカンボジアの民族的な自主あるいは独立というものが達成されるというようなことにいかなければいけないと思います。今度ベトナム軍がカンボジアから撤退したということは、それなりの一歩であったと思いますけれども、そういう立場を日本がアジア・太平洋の諸国に呼びかけて、そういう平和の観点、軍縮の観点あるいは地域紛争防止の観点というような形で信頼醸成措置の話し合いをまずやろうよということを提起されることは、大変歴史的な意味がある、私はこんなふうに考えるわけですが、もう一度大臣の御所見をお願いします。
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中山太郎#22
○中山国務大臣 今委員御指摘のように、朝鮮半島問題あるいはカンボジア問題、いろいろと問題がアジアにはたくさんあると思うのです。そういうふうな中でアジア・太平洋地域の平和をどのようにこれから構築していくかということについては、日本としては、この会議での議論をする一つの大きな課題であるというふうに認識をいたしております。
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高沢寅男#23
○高沢委員 その場合に、南西アジアにおける大国のインドという国がそういう中で果たすべき役割というものは一体どういうことがあり得るか。よその国のことだから、あるいは言いにくいことがあるかもしれませんが、その辺の御認識はいかがでしょうか。
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谷野作太郎#24
○谷野政府委員 私は、やはりそういう中で、まさに委員御指摘のように、インドというのは大変な大国でございますから、果たすべき役割は非常に多いと存じます。そういう中で、先ほど来御議論が出ていますように、インドも中国とは積極的に関係改善を進め、パキスタンとも久しぶりに首脳会談が行われるということで、インドはインドでこの地域の平和と安定のためにそれなりの大きな努力をしておると思いますし、そういう努力が、徐々にではありましょうけれども、いずれこの地域のより一層の平和と安定のためによい結果をもたらし得ればと思っております。
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高沢寅男#25
○高沢委員 そのインドの役割という際に絡んでくるのは核の問題ではないかと私は思います。アジア・太平洋地域には、もともとアメリカ、ソ連という二つの大きな核の大国のプレゼンスがある。そのほかに中国という大国、これはもう間違いなく核保有国である。それからインド、パキスタン、こういうところが核兵器を持つ能力を持っている、いつ核保有国になるかもわからない可能性を持った国というふうな形で見られております。
 そういたしますと、それらの五つの核保有国なり核の潜在的可能性を持つ国というものがアジアにある中で、それをどう処理するか、その問題をどうするかということが、さっき言った信頼醸成措置の本質につながっていくと私は考えるわけです。この辺の核保有国なり核の潜在的保有国の間に、核軍縮の問題を一体どういうふうに進めていくか。世界的な規模では米ソ間で今や中距離核戦力はゼロ、そして今度は戦略核は半分に、あるいはヨーロッパでは戦術核をどうするかというふうな協議のレベルになっておりますが、アジアではその種のことがまだ全く協議されていない。少なくもアジアでも、そういうことの協議の糸口を開くために、さっき言った日本がイニシアチブを発揮する。日本の国はどの国から見ても経済大国という立場からすれば、経済的、技術的に核兵器を持とうと思えばいつでも持てる国である。これはもう間違いない。しかし、日本は非核三原則という国是によって、断じて持たない、つくらない、持ち込ませない、この原則を持っておる日本がほかのそういう核の関係国に対して、この問題の協議をしましょう、やろうじゃないかというふうに呼びかけることは大変説得性があるのじゃないか、こんなふうにも思いますが、この辺はひとつ大きく一歩踏み出すというふうなお気持ちを込めて、大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
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中山太郎#26
○中山国務大臣 現実的な核の抑止力の中で平和が保たれている、また我々の国もその中にあって平和が維持され経済が繁栄している、この中での日本がアジア・太平洋地域において平和を醸成していくための大きな推進力になっていくということは、国家としての一つの大きな理想だと思っております。また、これからそうあるべきであろうと思います。
 ただ問題は、先生御指摘のいろいろな核を保有している国あるいは核を保有する能力を持っていると思われる国、これらの国々はやはりそれぞれの考え方に基づいていわゆる核を保有し、あるいは核を保有する能力を持っているということでございまして、先ほど先生お尋ねのとおり、米ソの首脳会談が極めて突発的に行われるというような激しく流動する国際情勢の中で、このような核に関する問題は、単にアジア・太平洋地域のみに限らず、この超大国を含めた国際社会の中での大きな議論の中で協議をしていかなければならない、それが初めて現実的にこの問題の解決の道を開くのではないか、このように私は考えておりまして、先生のお気持ちは十分理解をいたしておるつもりであります。
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高沢寅男#27
○高沢委員 遠藤国連局長、手を挙げましたが、御説明ありますか。
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遠藤實#28
○遠藤(實)政府委員 実は、ちょっと大臣の前に事実関係だけ申し上げたかったわけでございます。
 インド亜大陸におきまして、インドとパキスタンがまだ核不拡散条約に入っておりません。したがいまして、我が国といたしましては、この両国に対して核不拡散条約に加盟するよういろいろな機会を通じまして慫慂している、そういう状況がございます。
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高沢寅男#29
○高沢委員 次へ移りまして、インドの経済の問題でお尋ねしたいと思います。
 ここにありますのは、内閣情報調査室で発行されている資料です。「国際情勢資料」。これは、ことしの八月十五日のアメリカのインターナショナル・ヘラルド・トリビューンという新聞が「成長期に入ったインド経済」という特集をしていて、そのことをここでもってまた紹介しているわけです。その特集記事の中でこういう言い方をしているわけですね。過去四年間の力強い経済成長からすると、一九八九、九〇両年のインドの国民総生産は年平均五・二%の高い伸び率になると見られる。これはインド経済が過去三十年にわたる低成長の時代を抜け出したことを示すものである。政府はさらに第八次五カ年計画、九〇年から九四年の成長率目標を六%かそれ以上に設定する可能性もある。それからインド経済の現状は、過去五年間の民間部門の活況に負うところが大きい。現行の第七次五カ年計画に占める民間部門のシェアは五〇%前後であるが、今後このシェアは拡大するものと見られる。それから工業生産は、石炭、鉄鋼、セメントといった基幹産業の好調に支えられ、過去四年間平均八%という空前の高水準で拡大した。一方、ことしの穀物生産も近代技術の普及によって一億七千二百万トンの史上最高に達するものと予想されている。それからインドの国内の金融状況ですが、金融部門の発展も著しい。銀行の預金総額は、六九年の四百六十四億ルピーから今では一兆四千百八十億ルピーに拡大、預金者も百六十万人から三億人に急増した。こういうふうなインド経済の状況を紹介しているわけであります。
 この数字をそのままに受けとめてみれば、確かにインドは非常なカースト制度があって、ごく少数の大富豪の人たちと非常に多数の極端に貧しい人たちというような社会的な分裂状態というのがインドだ、こう伝えられておりましたが、今のこの預金者が百六十万人から三億人に、銀行に預金する人が三億人にもなったということは、インドでもそういう国民経済的な基礎がいわゆる下層というところまでずっと浸透してきているというふうな状況ではないか。こうなれば、インドの経済成長というものの活力は、本格的な力というものは、この中から出てくるのじゃないか、そういう段階に来たんじゃないのか、私はこんなふうに考えます。これから日本、インドのそういう租税条約で、日本がインドといろんな経済関係を結んでいくのに、これは非常に重要な要素として着目し
なければならないのじゃないか、こんなふうに思いますが、政府の御認識はいかがでしょうか。
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