社会労働委員会

1989-11-16 衆議院 全245発言

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会議録情報#0
平成元年十一月十六日(木曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 丹羽 雄哉君
   理事 伊吹 文明君 理事 高橋 辰夫君
   理事 野呂 昭彦君 理事 畑 英次郎君
   理事 粟山  明君 理事 池端 清一君
   理事 貝沼 次郎君 理事 田中 慶秋君
      粟屋 敏信君    石破  茂君
      稲垣 実男君    今井  勇君
      古賀  誠君    佐藤 静雄君
      笹川  堯君    高橋 一郎君
      竹内 黎一君    津島 雄二君
      戸沢 政方君    中山 成彬君
      三原 朝彦君    持永 和見君
      大出  俊君    大原  亨君
      川俣建二郎君    河野  正君
      永井 孝信君    渡部 行雄君
      新井 彬之君    伏屋 修治君
      吉井 光照君    児玉 健次君
      田中美智子君    大橋 敏雄君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 戸井田三郎君
 出席政府委員
        内閣官房副長官 藤本 孝雄君
        北海道開発庁計
        画監理官    竹中 勝好君
        厚生政務次官  近岡理一郎君
        厚生大臣官房総
        務審議官    加藤 栄一君
        厚生大臣官房審
        議官      森  仁美君
        厚生大臣官房老
        人保健福祉部長 岡光 序治君
        厚生省健康政策
        局長      仲村 英一君
        厚生省保健医療
        局長      長谷川慧重君
        厚生省生活衛生
        局長      目黒 克己君
        厚生省薬務局長 北郷 勲夫君
        厚生省社会局長 長尾 立子君
        厚生省児童家庭
        局長      古川貞二郎君
        厚生省保険局長 坂本 龍彦君
        厚生省年金局長 水田  努君
        社会保険庁運営
        部長      土井  豊君
 委員外の出席者
        議     員 大出  俊君
        議     員 坂井 弘一君
        議     員 吉田 之久君
        警察庁刑事局保
        安部生活経済課
        長       篠原 弘志君
        総務庁人事局参
        事官      畠中誠二郎君
        大蔵大臣官房企
        画官      河上 信彦君
        厚生大臣官房審
        議官      清水 康之君
        労働省職業安定
        局高齢・障害者
        対策部高齢者雇
        用対策課長   長谷川真一君
        自治省行政局選
        挙部管理課長  谷合 靖夫君
        社会労働委員会
        調査室長    滝口  敦君
    ─────────────
委員の異動
十一月十六日
 辞任         補欠選任
  永井 孝信君     大出  俊君
同日
 辞任         補欠選任
  大出  俊君     永井 孝信君
    ─────────────
十一月十六日
 国民医療の改善に関する請願(岡崎万寿秀君紹介)(第三四八号)
 年金・医療制度の改悪反対等に関する請願(安藤巖君紹介)(第三四九号)
 同(田中美智子君紹介)(第三五〇号)
 同(田中美智子君紹介)(第四三六号)
 年金の改善に関する請願(岡崎万寿秀君紹介)(第三五一号)
 脊髄空洞症を特定疾患難病指定に関する請願(西中清君紹介)(第三五二号)
 同(伏屋修治君紹介)(第三五三号)
 同(大久保直彦君紹介)(第三七五号)
 同(木内良明君紹介)(第三七六号)
 同(斉藤節君紹介)(第三七七号)
 同(水谷弘君紹介)(第三七八号)
 同(吉浦忠治君紹介)(第三七九号)
 同(坂口力君紹介)(第三八九号)
 同(冬柴鉄三君紹介)(第四八三号)
 国民医療改善に関する請願(岡崎万寿秀君紹介)(第三九六号)
 同(田中美智子君紹介)(第三九七号)
 同(不破哲三君紹介)(第三九八号)
 同(渋沢利久君紹介)(第四一七号)
 同(新村勝雄君紹介)(第四一八号)
 同(戸田菊雄君紹介)(第四一九号)
 同(山花貞夫君紹介)(第四二〇号)
 同(工藤晃君紹介)(第四三七号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第四三八号)
 同(松本善明君紹介)(第四三九号)
 同(松本善明君紹介)(第四八四号)
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願外一件(大原亨君紹介)(第四一五号)
 国民年金等公的年金の改悪反対に関する請願(大原亨君紹介)(第四一六号)
 看護職員の大幅増員と労働・生活条件改善に関する請願(児玉健次君紹介)(第四三二号)
 同(田中美智子君紹介)(第四三三号)
 同(村上弘君紹介)(第四三四号)
 同(山原健二郎君紹介)(第四三五号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
 公聴会開会承認要求に関する件
 国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百十四回国会閣法第六六号)
 被用者年金制度間の費用負担の調整に関する特別措置法案(内閣提出、第百十四回国会閣法第七七号)
 平成元年度における国民年金法等の年金の額等の改定の特例に関する法律案(大出俊君外二名提出、第百十四回国会衆法第一〇号)
 厚生関係の基本施策に関する件
     ────◇─────
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丹羽雄哉#1
○丹羽委員長 これより会議を開きます。
 この際、戸井田厚生大臣及び近岡厚生政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。戸井田厚生大臣。
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戸井田三郎#2
○戸井田国務大臣 戸井田三郎でございます。
 私は、御承知のとおり、長い間この委員会でお世話になり、このたび海部内閣の発足に伴い、厚生大臣に就任することになりました。今までも本当にいろいろと御指導をいただいたわけでありますが、これからはさらに一層の御指導を心からお願い申し上げます。特に厚生行政は二十一世紀に向かって長寿社会、新たな構築をしていかなければなりません。年金も医療も福祉も、そしてハンディキャップを持った方々あるいは児童、こういった方々のこれからの福祉行政を進めていく上におきましても、皆様方の御指導をいただかなければなりません。今後ともよろしくお願い申し上げ
ます。拍手
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丹羽雄哉#3
○丹羽委員長 近岡厚生政務次官。
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近岡理一郎#4
○近岡政府委員 厚生政務次官に再任されました近岡理一郎でございます。
 厚生行政は多くの重要な課題を抱えておりますが、私は、委員各位の御協力をいただいて大臣を補佐し、人生八十年の長寿社会にふさわしい安定した社会保障制度の確立を図ってまいる所存でございます。
 何とぞよろしく御指導、御鞭撻を賜りますようお願いを申し上げます。拍手
     ────◇─────
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丹羽雄哉#5
○丹羽委員長 第百十四回国会、内閣提出、国民年金法等の一部を改正する法律案、被用者年金制度間の費用負担の調整に関する特別措置法案及び第百十四回国会、大出俊君外二名提出、平成元年度における国民年金法等の年金の額等の改定の特例に関する法律案の各案を議題とし、順次趣旨の説明を聴取いたします。戸井田厚生大臣。
    ─────────────
 国民年金法等の一部を改正する法律案
 被用者年金制度間の費用負担の調整に関する特別措置法案
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
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戸井田三郎#6
○戸井田国務大臣 ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 我が国は、世界に例のない速度で高齢化が進んでおり、老後の問題は国民の最大の関心事となるとともに、老後生活の主柱としての公的年金制度に寄せる国民の期待は極めて大なものがあります。
 こうした国民の期待にこたえていくため、昭和六十年の年金制度の改正においてすべての国民に共通する基礎年金制度の導入が行われ、公的年金制度全体の長期的な安定と整合性ある発展を図る上での礎が築かれたところでありますが、高齢化のピークを迎える二十一世紀に向けて、さらに、年金制度全体を揺るぎなきものとしていく努力を重ねてまいることが必要であります。
 このような考え方に基づき、今回提出いたしました改正案では、必要な年金額の確保を図るとともに、後代の負担を適正なものとするため、厚生年金の支給開始年齢を十分な準備期間を設けて段階的に引き上げていくためのスケジュールを明示する等所要の改正を行うこととしております。
 以下、改正案の内容につきまして、御説明申し上げます。
 まず、国民年金法及び厚生年金保険法の一部改正について申し上げます。
 第一に、年金額の引き上げにつきましては、本年十月から、国民年金の基礎年金の額を月額五万五千五百円に引き上げるとともに、厚生年金保険の制度成熟時における加入期間四十年の場合の標準的な年金額を月額十九万七千四百円に引き上げることとしております。旧法国民年金及び旧法厚生年金保険の額も、これに準じた引き上げを行うこととしております。そのほか、配偶者や子に係る加算・加給年金の額を引き上げることといたしております。
 第二に、物価スライド制につきましては、平成二年四月から、物価変動に完全に対応して年金額の改定を行う完全自動物価スライド制とすることといたしております。
 第三に、厚生年金保険の在職老齢年金につきましては、本年十月から、その支給割合を現行の三段階から五段階に改める等の改善を図ることとしております。
 第四に、老齢厚生年金の支給開始年齢につきましては、給付水準を維持しつつ、後代の負担を適正なものとするため、十分な準備期間を設けて、平成十年度から平成二十二年度にかけて段階的に六十五歳に引き上げることといたしております。また、これに伴い、老齢厚生年金の繰り上げ支給制度を創設することとしております。なお、これらの改正の施行につきましては、別に法律で定める日からとしております。
 第五に、厚生年金保険の標準報酬につきましては、最近における賃金の実態に即して、本年十月から、八万円から五十三万円の三十等級に改めることとしております。
 第六に、保険料につきましては、年金額の引き上げ及び受給者増等に対応して年金財政の健全性を確保するため、国民年金については平成二年四月から月額八千四百円に改定し、以後段階的に引き上げることといたしております。また、厚生年金保険については、本年十月から保険料率を男子については千分の二十二引き上げ、女子については男子との格差を解消するため、千分の二十三・五引き上げ、その後男子の料率に達するまで毎年千分の一・五ずつ引き上げることといたしております。
 第七に、現在、国民年金に任意加入となっている二十歳以上の大学、専修学校等の学生につきましては、年金を保障するため、平成二年四月から、国民年金の当然加入の被保険者とすることとしております。
 第八に、基礎年金、厚生年金等の支払いにつきましては、本年十月から、年六回支払いに改善することといたしております。
 第九に、自営業者等に対する基礎年金の上乗せ年金制度を実現するため、現行の業種単位の職能型の国民年金基金の設立要件を緩和するとともに、一般の自営業者等が加入する都道府県の区域を単位とする地域型の国民年金基金を創設することといたしております。
 第十に、厚生年金基金につきましては、積立金の運用の一層の効率化を図るため、運用方法を拡大するとともに、積立金の管理及び運用に関する業務について、所要の規定の整備を行うこととしております。
 次に、平成元年度におきます年金額の特例物価スライド等について申し上げます。
 拠出制国民年金及び厚生年金保険の年金額につきましては、最近における社会経済情勢にかんがみ、特例的に昭和六十三年の物価上昇率に応じて年金額の引き上げを行う特例物価スライドを実施することとしております。また、老齢福祉年金の額につきましても、拠出制年金の額の引き上げに準じて引き上げを行うこととしております。
 最後に、児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部改正について申し上げます。
 児童扶養手当及び特別児童扶養手当等の手当額につきましては、年金額の引き上げに準じて引き上げを行うとともに、平成二年四月から、物価変動に完全に対応して手当額を改定する完全自動物価スライド制を導入することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 続きまして、ただいま議題となりました被用者年金制度間の費用負担の調整に関する特別措置法案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 我が国の公的年金制度を今後の高齢化の一層の進展や産業構造、就業構造の変化の中で、公平で安定した揺るぎないものとしていくためには、公的年金制度の一元化を図る必要があります。
 その第一段階として、昭和六十年の年金制度の改正においては基礎年金制度の導入を行い、公的年金制度の一階部分について給付と負担の両面にわたる一元化を行うとともに、二階部分に相当する被用者年金制度についても、共済年金の給付水準を将来に向けて厚生年金の給付水準にそろえることにより給付面における公平化を図ったところでありますが、公的年金制度の一元化を完了するためには、被用者年金制度の負担面における不均衡を是正していくことが課題となっているところであります。
 この法律案は、このような課題を踏まえ、被用者年金制度間の負担の調整を進めるため、公的年金制度の一元化が完了するまでの間の当面の措置として、厚生年金及び共済年金の老齢・退職年金
給付のうち共通の部分について費用負担を調整するための制度間調整事業を実施しようとするものであります。
 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一は、調整交付金の交付であります。制度間調整事業の実施主体たる政府は、各被用者年金保険者が行う老齢・退職年金給付のうち各制度に共通する部分の費用に充てるため、各被用者年金保険者に対し調整交付金を交付することとしております。
 第二は、調整拠出金の拠出であります。調整交付金の財源に充てるため、各被用者年金保険者は、その標準報酬総額に応じて、制度間調整事業の実施主体たる政府に対し、調整拠出金を拠出することとしております。
 第三に、制度間調整事業の事務の執行に要する費用は、国が負担することとしております。
 第四に、制度間調整事業は社会保険庁が実施することとしておりますが、その円滑な実施のため、各共済組合からの社会保険庁長官への報告等について所要の規定を設けております。
 このほか、厚生保険特別会計法、被用者年金各法等について、制度間調整事業の実施のための所要の改正を行うこととしております。
 なお、この法律の施行期日は、平成二年四月一日としております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
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丹羽雄哉#7
○丹羽委員長 大出俊君。
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 平成元年度における国民年金法等の年金の額等の改定の特例に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
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大出俊#8
○大出議員 平成元年度における国民年金法等の年金の額等の改定の特例に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 私は、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合の三会派を代表して、平成元年度における国民年金法等の年金の額等の改定の特例に関する法律案を提案する趣旨について、簡潔に述べたいと思います。
 本案の対象となる拠出制国民年金、老齢福祉年金、厚生年金、各共済組合年金、及び児童扶養手当、特別児童扶養手当等の受給者およそ二千五百万人は、新たに導入された消費税による打撃を最も大きく受けるにもかかわらず、所得税減税による恩恵を受けない人々がほとんどであります。これらによる影響を緩和するためには、せめて年金、手当の給付改善を急がなければなりません。とりわけ、必要経費二百五億円が既に平成元年度予算に組み込まれ、政府提案の国民年金法等改正案にも含まれている四月からの〇・七%物価スライド措置については、これ以上その実施をおくらせるべきではないと考え、去る六月十九日に提案手続をとったものであります。
 この措置については、与野党ともに全く異論かないにもかかわらず、この臨時国会まで持ち越され、既にさきの通常国会で給付改善の法改正が行われた原爆被爆者、戦傷病者、戦没者遺族などとの間に不公平が生じているのであります。本案がもしこの国会で成立を見ないならば、来年二月の支給月にさえ間に合わなくなり、お年寄りたちをさらに五月まで待たせる事態を招くのであります。
 一方、政府提案の国民年金法等改正案については、与野党合意の可能な点だけを速やかに成立を図るべきであります。今国会においてそれが円滑に行われるならば、本案は必要がなくなる性格のものであり、私たちは、もしそれが成立に至らなかった場合に備えて、本案を準備した次第であります。
 以上の理由から、本案を可及的速やかに審議されることをお願い申し上げ、簡単ではありますが、私の提案を終わります。拍手
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丹羽雄哉#9
○丹羽委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ─────────────
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丹羽雄哉#10
○丹羽委員長 この際、公聴会開会承認要求の件についてお諮りいたします。
 ただいま趣旨の説明を聴取いたしました各案につきまして、議長に対し、公聴会開会の承認要求をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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丹羽雄哉#11
○丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 なお、公聴会は来る十一月二十七日開会することとし、公述人の選定そのほかの手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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丹羽雄哉#12
○丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ────◇─────
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丹羽雄哉#13
○丹羽委員長 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊吹文明君。
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伊吹文明#14
○伊吹委員 ただいま、国民の大変な関心事でございます年金各法案及び野党三党の共同提案に係る法案の趣旨説明がございました。きょうは、一般質疑とあわせて年金の問題について、自由民主党を代表して厚生大臣に御意見を伺いたいと思います。
 まず、一般論として申し上げれば、参議院選挙で自民党が大変な敗北を喫しました。これは自民党にとってはまことに残念なことではございましたけれども、その後、国会に緊張感が戻り、野党、与党ともに議論し合うという議会本来の風潮が戻ってきたことは、私は議会人として大変よかったと思います。
 良薬は口に苦しという言葉がありますけれども、我々自民党も税制改革の議論を振り返るときに、率直に申し上げまして、健康な体にし、健康な日本社会にし、健康な、将来にわたって元気に生きられる日本の税制をつくるということを余りにも強調し過ぎて、そのために痛い手術が必要だ、あるいは苦い薬を飲まねばならないということについて国民に率直にお話ができなかった点を反省いたしております。しかし同時に、あの参議院選を通じて、一部野党の皆さん方の選挙戦を通じての御議論も、手術は痛いからやめた方がいい、この薬は苦いから好きか嫌いかという議論に終始をして、まことに残念なことだったと私は思います。しかしその後、参議院選挙が終わって税制改革法案が、消費税の廃止法案が参議院で審議が始まって、野党の皆さんにも我々がいろいろなことをお伺いし、野党の皆さんの御意見に対する批判も国会を通じて国民の方々にお示しできる状況になったことは非常によかったと思います。
 一般質問としてお伺いしたいのでございますが、政治家として大臣は、このような、お互いに議論をし合い、その中から妥協点を見出すという雰囲気が国会に戻ってきたということについて、どのように評価をされますか。
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戸井田三郎#15
○戸井田国務大臣 委員御指摘のとおり、国会が審議を通じて機能を果たすということは当然なことでありますが、そのときそのときの政治問題というものが、やはり政党間それぞれの主張がありますので、いろいろな形でそのときに一つの激しい対立等が起こることも、これまた政党間の政治というものを行う上において当然あり得ることだろう、私はかように思います。
 しかしながら、そういった意味でなく、例えば年金法のようにイデオロギーではなく、将来定年退職後の所得保障をしようというお互いに国民間の約束事である、こういったような問題については、やはり審議を通じて国民の期待にこたえるということが当然だと思いまずけれども、これは私ども政府の立場で申し上げることではなくして、当然私も一人の政治家としてそういう姿勢を貫い
ていきたい、かように思っております。
 そこで、この年金法案についても最近各党間で非常に関心を持っていただき、熱心な御意見等も私ども承っていること、これは大変ありがたいことであると思いますし、そして二千五百万人の受給者の期待にこたえることが当然重要な役割だろう、その期待に私どもはこたえて、皆さん方の御熱意にこたえて一生懸命に頑張っていきたい、かように思っております。
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伊吹文明#16
○伊吹委員 今大臣がお話しになったように、ただいま趣旨説明の行われました年金法案は、イデオロギーの問題よりも国民生活安定のために各党が知恵を出し合ってお互いの妥協点を絞り出して、しかしながら国民に口当たりのいいことだけをやっては年金というものは成り立たないのだということを十分認識し合って議論をしていくことが私は大切だと思います。したがって、今後の年金審議の中で野党三党の御提案になった法案の問題点についても今回は我々自民党として十分の質問をさせていただき、野党としてのお答えもいただきたいと思っております。
 さて、今回の年金改革法案は、当委員会、大蔵委員会、農林水産委員会、文教委員会、地方行政委員会にまたがる大改革法案でございまして、その骨子は、四月から〇・七%、そして十月から六%給付を改善するという政府提案、そのための保険料の見直し、また平成十年から厚生年金の支給開始年齢を段階的に六十五歳に引き上げていくという第二点、国民年金基金の創設、厚生年金基金等の運用預託先の拡大、そして国鉄共済年金への援助を通じて、まじめに善良に働いてきた国鉄の人たちへの年金の支払いに支障を来さないようにする、この五点が私は大きなポイントだと思いますが、この認識に間違いはございませんか。あるかないかだけ、大臣簡単にお願いいたします。
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戸井田三郎#17
○戸井田国務大臣 そのとおりに認識をいたしております。
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伊吹文明#18
○伊吹委員 それではまず、この年金法案をぜひとも早期に成立させねばならないという観点から幾つかのお尋ねをいたしたいと思います。
 今大臣がおっしゃいましたように年金受給者は約二千五百万人と言われております。この二千五百万人の方々の給付をふやすということはもちろんでありますが、将来年金の受給を受ける我々にとっても、安定した年金を給付されるという基盤を確立する意味からしても、この法案はぜひ早期に成立させねばなりません。四月から消費税が導入されました。そして年金生活をしておられる方の生活水準は、消費税導入に伴う物価上昇のために実質的に目減りをしていると言われております。年金生活者の数が二千五百万と言われておりますが、国民年金、厚生年金、各種共済年金ごとにどれぐらいの数になっているのか、年金局長、時間が余りありませんから、数だけ答えてください。
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水田努#19
○水田政府委員 六十三年三月末、今から一年半前の数字でございますが、国民年金千百八十五万人、厚生年金八百六十四万人、国共五十七万人、鉄道共済四十六万人、電電共済十一万人、たばこ共済三万人、地方公務員共済百二十一万人、私学共済八万人、農林共済十七万人、計二千三百十三万人でございますが、その後の差を見ますと、先ほど申し上げました二千五百万になると思います。
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伊吹文明#20
○伊吹委員 各種年金にわたって約二千五百万人の方の生活が消費税導入によってどうなったかということでございます。おのおのの各種年金の平均給付月額はどれくらいですか。
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水田努#21
○水田政府委員 拠出制国民年金は、六十三年三月末現在で二万九千円、厚生年金十三万二千円、国家公務員共済十七万七千円、鉄道共済十七万二千円、NTT共済十八万六千円、たばこ共済十七万円、地方公務員共済十九万三千円、私学共済十五万六千円、農林共済十三万三千円でございます。
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伊吹文明#22
○伊吹委員 約二千五百万人の人が今政府委員が御答弁になった年金で毎月の暮らしを立てております。例えば厚生年金を例にとって、年金受給者のうちで所得税の納付をしておられない方、つまり税制改革に伴い所得税減税の恩恵を受けられなかった方はどれぐらいおられますか。
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水田努#23
○水田政府委員 六十三年十二月末で年金のみで生活をしておられる方の厚生年金で推計をいたしますと、課税対象者は七十二万人全体の約一六・二%、非課税対象の方は三百七十二万人約八四%、こういう関係になっております。
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伊吹文明#24
○伊吹委員 そうしますと、消費税が導入されて、もちろん税制改革の結果かえって値段の下がったものもたくさんあることは事実でありますが、大部分のものの価格は平均三%上がっておると考えるべきだと思いますが、今政府委員がおっしゃったようなことだとすると、年間収入百五十万、二百万、三百万、それで夫婦お二人だとして所得税、住民税の減税額と消費税の負担増額との関係で生活が苦しくなっている層が大部分だと思いますが、百五十万、二百万、三百万について各家庭の税制改革に伴う負担増の状況を教えてください。
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水田努#25
○水田政府委員 厚生省がお答えするのが適当かどうかでございますが、お尋ねでございますので、あえて私の方で試算いたしますと、百五十万の年金収入のみの夫婦の場合は消費税の影響額が一万三千円、それから二百万の階層が一万八千円、三百万の階層は消費税の影響が二万五千円でございますが、住民税、所得税の減税効果が三万一千円ございますので、プラス六千円の減税効果があった、こういうことでございます。
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伊吹文明#26
○伊吹委員 そうすると、税制改革の結果、負担増になっている年金受給者の家庭の比率はどれぐらいですか。
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水田努#27
○水田政府委員 お尋ねでございますが、そこまではちょっと厚生省の方では追求しておりません。
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伊吹文明#28
○伊吹委員 私どもの方で調べている数字では、厚生年金の受給者で大体八割五分ぐらいじゃないかと思うのですが、それらの人たちは生活が実質的に目減りをしている、つまり減税の恩恵が少ないが消費税の負担効果の方が高いということですね。消費税が逆進性があると言われるのは、まさにこういうところに問題があると私は思うのです。税制改革というのは、日本の将来をしっかりと健康な社会として立ち行かせるためには私は避けて通れないものだと思いますが、その結果生ずる弱者に対して十分な手当てをする、そこに政治の本来の意味がある。それがまさに今回の政府提案の法案の一番大切なポイントだと私は思います。
 野党の方をも含めて、平均六%の給付改善ということについては反対はだれもないと私は思うのです。ところが、保険というものは厳密な数理計算によって成り立っておる。つまり、将来年金を受給する人、例えば国民年金でいえば六十五歳、厚生年金でいえば現在六十歳、こういう人たちは各年度何人ずつふえてくるかということは、あらかじめこれはわかっております。そして給付の月額を決めれば、それから逆算をして現在そして将来にわたってこの保険料を負担しなければならない人数も推計としてわかっております。そして、納めてもらった保険料を運用する利回りが、これは公定歩合の動きによって違うであろうけれども、大体平均してわかっておる。だとすれば、給付額を平均六%引き上げるとすれば、できたらそうしたくはないけれども保険料の一部を引き上げさしていただくかあるいは給付の年限を少し後ろへずらさせていただくか、さもなければ国民の税金、つまり消費税としていただいたものの一部を国庫負担としてその中へ投入するか、これは野党が考えても自民党が考えても三つに一つしか答えは出てこない、これ以外の答えは出てこないと思うのです。
 ところが、とかく国民に受けのいいことはみんなやりたがる。しかし、国民の嫌がることはやりたがらない。その結果、やりたいこと、つまり国民に受けのいいことだけがどんどん先行していくということがあってはならぬと私は思うのですね。これは将来的には大変な問題を呼び起こす。このことについては後ほど詳しく質問をいたしま
すが、まず政治家として、苦しいけれども整合性ある提案をしなければならないと思いますが、厚生大臣、政治家戸井田三郎としていかがですか。
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戸井田三郎#29
○戸井田国務大臣 御承知のとおり、今お話ありましたように、この公的年金というものは、やはり定年退職後の将来の生活、所得保障というものの基礎になっているわけでありまして、そういう意味からすれば、日本の年金制度はちょうど昭和四十八年の改正以来、物価スライド、そして今度は完全物価自動スライド、こういう仕組みで将来の保障を安定していこう、そういう仕組みになっております。そのことは、同時に世代間で支えていくわけでありますから、年金を受給する人の立場からすれば、給付が完全に安定した形で常に保障されていることは非常に大事なことであります。それを平均的な所得水準の七〇%保障をしようということでありますから、支えていく人たちの負担というものも当然それに見合った負担をしていかなければならない。今厳密な数理計算と言われましたが、まさにそのとおりであります。
 そういうふうな形で仕組まれているわけでありますが、それでは負担をする人が何ぼ負担があってもいいのかというと、これは負担の限界というものがあります。そういう観点からするというと、特に長寿社会が急速に進んできて、お年寄りの数がふえてくる。そうなってくるというと、今度は数の上でその負担をどう支えていくかということになると、同じ負担の中でも、大勢のお年寄りを少数の現役世代が支えるということになると、安定した世代間扶養の約束を実施していく上においては、その年齢というものも非常に大事なことになってくる。したがって、給付の改善と、そして同時に現役世代の負担の問題、それでは幾つから支給するかという問題は常に関連をして、安定という大原則に物差しを合わせていかなければならない問題だと思います。
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