社会労働委員会

1991-03-26 衆議院 全208発言

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会議録情報#0
平成三年三月二十六日(火曜日)
    午前十時四分開議
 出席委員
   委員長 浜田卓二郎君
   理事 粟屋 敏信君 理事 石破  茂君
   理事 加藤 卓二君 理事 丹羽 雄哉君
   理事 野呂 昭彦君 理事 池端 清一君
   理事 永井 孝信君 理事 遠藤 和良君
      小沢 辰男君    岡田 克也君
      木村 義雄君    坂井 隆憲君
      鈴木 俊一君    住  博司君
      野呂田芳成君    畑 英次郎君
      平田辰一郎君    福永 信彦君
      星野 行男君    三原 朝彦君
      宮路 和明君    村田 吉隆君
      山口 俊一君    山下 徳夫君
      網岡  雄君    伊東 秀子君
     岩田 順介君    宇都宮真由美君
      沖田 正人君    川俣健二郎君
      小岩井 清君    小松 定男君
      五島 正規君    仙谷 由人君
      外口 玉子君    大野由利子君
      倉田 栄喜君    児玉 健次君
      柳田  稔君    菅  直人君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 小里 貞利君
 出席政府委員
        中小企業庁長官 高橋 達直君
        中小企業庁計画
        部長      渡辺  修君
        労働省労働基準
        局長      佐藤 勝美君
        労働省職業安定
        局長      若林 之矩君
        労働省職業安定
        局次長     伊藤 欣士君
        労働省職業能力
        開発局長    菊地 好司君
 委員外の出席者
        労働省労働基準
        局安全衛生部長 山口 泰夫君
        労働省職業安定
        局地域雇用対策
        室長      青木  豊君
        社会労働委員会
        調査室長    滝口  敦君
    ─────────────
委員の異動
三月二十六日
 辞任         補欠選任
  岩屋  毅君     福永 信彦君
  岡田 克也君     星野 行男君
  片岡 武司君     木村 義雄君
  古賀  誠君     村田 吉隆君
 岡崎 宏美君     宇都宮真由美君
  五島 正規君     仙谷 由人君
  土肥 隆一君     小岩井 清君
  石田 祝稔君     倉田 栄喜君
同日
 辞任         補欠選任
  木村 義雄君     片岡 武司君
  福永 信彦君     岩屋  毅君
  星野 行男君     岡田 克也君
  村田 吉隆君     古賀  誠君
 宇都宮真由美君     岡崎 宏美君
  小岩井 清君     土肥 隆一君
  仙谷 由人君     五島 正規君
  倉田 栄喜君     石田 祝稔君
    ─────────────
三月二十日
 中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律案(内閣提出第四四号)
同月二十六日
 救急救命士法案(内閣提出第七三号)(参議院送付)
同月二十日
 在日外国人障害者の年金保障等に関する請願外一件(永井孝信君紹介)(第一九七二号)
 公的骨髄バンク早期実現に関する請願外二件(赤松広隆君紹介)(第一九七三号)
 同(佐藤観樹君紹介)(第一九七四号)
 同(早川勝君紹介)(第一九七五号)
 同(塚本三郎君紹介)(第二一二四号)
 骨髄バンクの早期実現に関する請願外一件(川島實君紹介)(第一九七六号)
 同外四件(早川勝君紹介)(第一九七七号)
 同外三件(渡辺嘉藏君紹介)(第一九七八号)
 同(浅野勝人君紹介)(第二〇一八号)
 同(今枝敬雄君紹介)(第二〇一九号)
 同外一件(浦野烋興君紹介)(第二〇二〇号)
 同外二件(江崎真澄君紹介)(第二〇二一号)
 同外二件(久野統一郎君紹介)(第二〇二二号)
 同外一件(杉浦正健君紹介)(第二〇二三号)
 同(塚本三郎君紹介)(第二〇二四号)
 同(塚本三郎君紹介)(第二〇三二号)
 公的骨髄バンクの早期実現に関する請願(早川勝君紹介)(第一九七九号)
 同(金子一義君紹介)(第二〇二五号)
 乳幼児から学童期までの保育充実に関する請願(伊東秀子君紹介)(第二一〇四号)
 同(岩田順介君紹介)(第二一〇五号)
 同(小沢和秋君紹介)(第二一〇六号)
 同(金子満広君紹介)(第二一〇七号)
 同(木島日出夫君紹介)(第二一〇八号)
 同(児玉健次君紹介)(第二一〇九号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第二一一〇号)
 同(菅野悦子君紹介)(第二一一一号)
 同(辻第一君紹介)(第二一一二号)
 同(寺前巖君紹介)(第二一一三号)
 同(永井孝信君紹介)(第二一一四号)
 同(東中光雄君紹介)(第二一一五号)
 同(不破哲三君紹介)(第二一一六号)
 同(藤田スミ君紹介)(第二一一七号)
 同(古堅実吉君紹介)(第二一一八号)
 同(正森成二君紹介)(第二一一九号)
 同(三浦久君紹介)(第二一二〇号)
 同(山原健二郎君紹介)(第二一二一号)
 同(吉井英勝君紹介)(第二一二二号)
 医療の改善等に関する請願(永井孝信君紹介)(第二一二三号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
三月二十二日
 国民健康保険財政の健全化に関する陳情書外四件(第三四号)
 食品の安全確保に関する陳情書外五件(第三五号)
 育児休業法の早期制定に関する陳情書外二十一件(第三六号)
 造血機能障害者対策の充実に関する陳情書外一件(第三七号)
 児童手当制度の抜本的改善に関する陳情書外二件(第三八号)
 介護手当制度の確立に関する陳情書外二十一件(第三九号)
 原爆被爆者援護法即時制定に関わる陳情書外四十四件(第四〇号)
 白内障手術に関する陳情書外二件(第四一号)
 産業廃棄物処理対策の充実強化に関する陳情書外五件(第四二号)
 パートタイマーの労働条件の改善に関する陳情書外二件(第四三号)
 山林従事者の労働災害保険等福利厚生制度充実に関する陳情書(第四四号)
 厚生年金保険法の改正に関する陳情書(第四五号)
 看護職の確保及び待遇改善に関する陳情書外三十二件(第四六号)
は本委員会に参考送付された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 地域雇用開発等促進法の一部を改正する法律案(内閣提出第四三号)
 中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律案(内閣提出第四四号)
     ────◇─────
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浜田卓二郎#1
○浜田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地域雇用開発等促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂井隆憲君。
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坂井隆憲#2
○坂井(隆)委員 地域雇用開発等促進法の一部を改正する法律案が提出されているわけでありますので、その法律について御質問したいと思います。
 現行の地域雇用開発等促進法は、四年前の昭和六十二年三月に成立したものでありますが、当時の我が国の経済状況を見てみますと、昭和六十年以来の急激な円高がありまして経済の拡大テンポというのは鈍化していたわけであります。さらに、造船など構造的な不況業種の発生がありまして、雇用需要の減退、失業率の上昇等、非常に厳しい状況で推移していたわけであります。特に、地域における雇用情勢は、当時は労働力需給の地域間格差が拡大すると同時に、雇用情勢が極めて厳しい地域が見られて、地域の雇用問題が深刻化していたわけでありまして、そういう中でこの地域雇用開発等促進法が成立したわけであります。
 それで、四年前と現在とを比較しますと、最近の雇用情勢を見ますと、景気の拡大局面の中で求人が引き続き堅調に推移しておりまして、ことしの一月の有効求人倍率を見ますと、一・四四倍と引き続き高水準となっております。人手不足感が広がるなど、昭和六十二年当時の状況と比べると非常にさま変わりの状況だと思います。このような状況の中で今回法律の一部改正をするということでありますが、現下の雇用情勢、特に地域的な雇用状況をどのように認識し、また、今後の見通しについてどのように考えてこの法律改正を行おうとしているのか、大臣の御見解を伺いたいと思います。
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小里貞利#3
○小里国務大臣 お答え申し上げます。
 いわゆる最近の雇用失業情勢について、中でも地域におけるそういう状況についてのお話でございますが、御案内のとおり、景気の持続的拡大の中にありまして求人はおおむね堅調に推移いたしておる、こういうふうに申し上げられると思うのでございます。有効求人倍率におきましても、あるいはまた、雇用者数が増加を続けてまいりまして完全失業率も低い水準にありますことも、御承知のとおりでございます。
 こうした中におきまして、労働力の不足する事業所も増加をいたしてまいっておりますし、また、多くの地域におきまして企業の人手不足感が広がりつつありますことも御承知のとおりでございます。しかしながら、北海道、九州など一部の地域におきましては、雇用失業情勢の改善が依然として緩慢である、そして、全国的に見た地域間格差も大きくなりつつある、そのほか、総量といたしましては雇用機会不足は解消されたと見られる地域におきましても良質な雇用機会が乏しい、そして、若年者を中心とした労働力が流出するなどの問題が見られるところでございます。
 今後については、労働力人口の伸びの鈍化が見込まれることから、これは大体一九九五年を分岐点にいたしましてこれからは微増でございますが、そういうこと、あるいは経済が安定した拡大を続ければ全体としては労働力需給は不足基調で推移するものと見込まれるわけでございまして、地域間の雇用機会の格差の拡大も懸念されるところでございます。その是正が必要な政策課題となってきた、こういうふうに考えておるところでございます。
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坂井隆憲#4
○坂井(隆)委員 雇用機会の格差が地域間において依然として大きいし、また懸念されるということは、確かに御指摘のとおりだと思います。そのような雇用情勢の中で、今回のこの一部法律改正ですけれども、法改正における施策の概要はどのようなものであるのか、お聞かせ願えればと思います。簡潔で結構です。
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小里貞利#5
○小里国務大臣 それでは、時間の関係もあられるようでございますから、簡潔に要点を整理して申し上げますが、新規学卒者、Uターン就職希望者の地元就職を促進いたしたい、今般の改正法においては、地方圏においてこれらの者の能力等にふさわしい職業の雇用機会を創出するための諸施策を講ずるというのが主なる一つの目的でございます。
 概して申し上げまして恐縮でございますが、時間の関係あるとおっしゃいますから……。
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坂井隆憲#6
○坂井(隆)委員 雇用環境整備地域というものを設けるというふうに伺っておりますが、指定地域としては何カ所ぐらい予定されているのか、また、具体的にはどのような地域を想定されているのかを教えていただきたいと思います。
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若林之矩#7
○若林政府委員 雇用環境整備地域としての指定を受けますには、道府県が自主的にその地域に関します雇用環境整備計画を策定するなど、地域の創意と努力を前提とした主体的な取り組みが必要になるわけでございます。私どもといたしましては、こうしたことを踏まえまして、初年度におきます雇用環境整備地域は約十カ所程度を見込んでおるわけでございます。
 また、こういった地域は、全体としての雇用機会不足は解消されたわけでありますけれども、職種別に見た場合の雇用機会が不足しておるわけでありまして、新規学校卒業者等の若年者が他地域において就職する傾向が見られるなどの要件を満たす地域であって、また地域における一極集中を排除するといった観点を加味いたしますと、一つの具体的な例としては、県下第二、第三の都市というものを中心とする地域が一応の具体例というふうに考えられるわけでございます。
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坂井隆憲#8
○坂井(隆)委員 今回の改正によって、魅力のある雇用機会が不足していることから、労働力の流出が続いている地域を雇用環境整備地域として指定して、種々の施策を講ずるということでございましたけれども、地方で聞いておりますと、本人もですけれども、お父さんたちも強く地元に子供たちが定住して勤務されることを希望しているような感じであります。そういう意味で、地域社会のあすを担う新規学卒者等の若年層の流出状況、そしてその背景、そういうものがどうなっているのか教えていただきたいと思います。
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若林之矩#9
○若林政府委員 先生がただいま御指摘のとおりでございまして、新規高校卒業者は地元で就職したいという気持ちを強く持っているわけでございますが、文部省の平成二年度学校基本調査報告書によりますと、平成三年三月の新規高校卒業者の
うちで県外に就職した者の割合は、全国平均で二三・八%でございまして、約四人に一人が県外に就職をいたしておるわけでございます。この割合は北東北とか山陰、九州等で特に高い傾向にあるわけでございまして、これらの地域におきましてはほぼ四〇%を超えるような状況になっておるわけでございます。
 このような新規学校卒業者が就職に当たりまして重視しております点を見ますと、仕事の中身や自分の能力が生かせること等を挙げる者が多いわけでございまして、また希望する職種も、事務職とか専門職を挙げる者が多いわけでございますけれども、地方圏におきましてはこれらの雇用機会が少ない現状にございまして、どうしてもやはりこういった関係から新規学校卒業者は域外に出ていってしまう、こういう状況にあるわけでございます。
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坂井隆憲#10
○坂井(隆)委員 新規学卒者は、確かに今おっしゃるとおり私の地元でもかなり県外に流出しております。私の同級生自身も県内に残っておるのがかなり少ない状況でございまして、そのような新規学卒者等若年者の地元定着対策としては、現在労働省はどのような施策を講じているのか、教えていただきたいと思います。
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伊藤欣士#11
○伊藤(欣)政府委員 お答え申し上げます。
 最近の若者、労働省の統計で見ましても、地元定着の希望が、若干ではございますがふえてきておるようでございます。そういうことで、公共職業安定所では、まず学校と密接な連携を図りまして、これら新規学校卒業者の希望に沿うように、地元で就職をなさるように援助を行っておるところでございます。
 具体的には、新規中学、高校卒の就職希望者につきまして、学校の就職担当の先生方と協力いたしまして、職業適性検査を活用した職業指導によりまして適切な職業選択を行うように促しますとともに、本人の希望に応じました職業情報を提供し、あるいは希望に応じた求人がないかどうか、求人開拓を行い、また、地元の企業に一堂に会していただきまして合同の選考会等をを開きまして的確な職場をあっせんする。さらには、地元に就職されました方々の定着を図るために職場適応指導をするなど、一貫した援助を行いまして、新規学校卒業者の方々の適性、希望に合った就職の定着の促進に努めているところでございます。
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坂井隆憲#12
○坂井(隆)委員 若年労働者の地元定着を促進するためには、若年者の就業ニーズを踏まえた魅力のある雇用機会の開発が重要であるということでございますが、今回の法律改正では、そのような雇用機会を開発するための支援措置として具体的にどのようなものを用意されているのか、御答弁願いたいと思います。
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若林之矩#13
○若林政府委員 先ほど申し上げましたように、新規学校卒業者は専門的な職種等を希望しておるわけでございます。また、労働条件面でも魅力のある職場を期待しておるわけでございまして、そういった職種、労働条件等質的な面におきまして、その地域雇用開発に大きなインパクトを与えるようなモデル的な雇用機会を提供するという事業主につきましては、五年間にわたりまして計一億円の助成金を支給するということを盛り込んでおります。
 考えられますことは、例えば研究所を設置してもらうとか本社機能をつくってもらう、あるいはソフトウエア等の情報関連職種等が考えられようと思いますけれども、そういったようなモデル的な雇用機会を提供する事業主に対して助成をするというものでございます。
 また、そういったモデル的ということではございませんでも、地域の策定する雇用環境整備計画に適合する雇用機会を提供いたしまして、かつ、福祉施設等を充実させる事業主に対しましては、日本開発銀行等による低利融資をするようにしたいと思っておりますし、また、新たに設けます基金制度によります資金の融通の円滑化を図るための債務保証を行うことによりましてバックアップをしていきたいというふうに考えております。
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坂井隆憲#14
○坂井(隆)委員 この地域雇用開発等促進法が成立した昭和六十二年ですけれども、このときに第四次全国総合開発計画が閣議決定されているわけであります。この第四次全国総合開発計画においても、東京一極集中の是正が緊急な課題として位置づけられておりまして、政府全体として各種施策が強力に推進されてきているところであります。
 例えば、東京圏への人口転入超過数というものは、平成元年においては約十二万人と幾分低下しているものの、なお大幅な流入が続いております。こうした人口または産業の東京圏への一極集中の結果、地価が高騰している、過密がある、そのような弊害が生じておりまして、こうした首都圏における過密による弊害の結果、首都圏労働者を中心に、より豊かな勤労者生活を求めてUターン志向など地方定住志向が高まっていると思われます。
 例えば、雇用問題研究会が実施した「大都市圏と地方圏の労働力需給の不均衡と勤労者生活に関する調査」というものがありますが、その調査によりますと、東京の勤労者のうち、地方出身者は五四・三%とかなり多くの人がUターンなど地方志向を持っております。また、地方志向の者の中では、二十から二十四歳の人たちよりも四十代の人がUターン志向が強く、五十五歳から五十九歳の定年を迎えるころの年齢の人にも四〇%を超える地方志向が示されております。具体的にも、私の先輩なんかでやはり東京に住んでいて、定年退職を迎えるころに東京からかなり離れたところに住んでいても、その辺で東京まで二時間もかかって出てくるぐらいだったら田舎に引っ込んだ方がましというような考えを持っている人がいまして、したがって、地域雇用対策としては、新規学卒者だけでなくて、中高年の都市圏勤労者のUターン対策も全体として必要とされると思うわけであります。
 現在、労働省は、このあたりについてどのような施策を講じていらっしゃるのか、御答弁願いたいと思います。
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伊藤欣士#15
○伊藤(欣)政府委員 先生のお話のとおり、最近、Uターン希望者というのは、単に新規学校卒業者のみならず、中高年齢者を含めてその意欲は非常に強いようでございます。従来、職業安定機関におきましては、学生職業センターという形で、特に若年、新規学卒の方々を中心とする職業センターをつくりまして、Uターン等についてもお手伝いしてきたわけでございますけれども、平成元年度から人材地方還流促進事業というものをスタートさせまして、その具体的な実施機関といたしまして、東京都内にございます飯田橋の公共職業安定所と同じ建物の中に人材Uターンセンターを設置いたしまして、各地方の職業安定機関との密接な連携のもとに、先生御指摘の、中高年齢者の方を含めましてUターンを希望している方々に対しまして、現在、地方におきまして企業が新たに立地しているとか、現存の企業がどういう人を求めているのかとか、それから、技術革新等に伴う新たな事業展開をしておるのでこういう人材を必要としているというような情報を提供いたしまして個別の相談に応じますとともに、反面、地方におきましてUターン希望者を採用している企業につきましても、こういう希望者がいる、こういう人材がいるというような情報も提供いたしまして、その採用等についての相談を行っているところでございます。
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坂井隆憲#16
○坂井(隆)委員 今回の法律改正に当たって、若年者の地元定着対策と並んで、ただいま御答弁にありましたように、都市圏勤労者のUターン対策も念頭に置いているということでありますが、そのような都市圏勤労者のUターンを促進するため、魅力のある雇用機会の開発のほかにどのような支援措置を用意しているのか、御答弁をお願いします。
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若林之矩#17
○若林政府委員 都市圏の勤労者のUターンを促進するための具体的な施策といたしましては、雇用環境整備地域において造成されます基金によりまして、この地域へのUターン就職希望者に対し
てこの地域における求人情報等を提供する業務を行うこととしておりますが、そのほかに、雇用促進事業団によります移転就職者用の宿舎の設置におきましては、この地域に特別の配慮を行うことといたしております。また、入居者要件の緩和によりまして、他の地域からのUターン就職者に対して、公共職業安定所の紹介を得ないでも貸し付けが行われるようにいたしますなどの措置も用意をいたしております。また、Uターン希望者の多くは、地元において文化的な施設等も求めておるわけでございまして、やはり雇用促進事業団の設置いたします福祉施設の設置につきましても特別の配慮をしてまいる考えでございます。
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坂井隆憲#18
○坂井(隆)委員 ただいま御答弁にありましたように、Uターン希望者の中には、確かに地元の方で住宅とかいろいろな附帯的な施設を要望している人も非常に多いと思います。そういう点についてもこれから十分配慮していっていただきたいと思いますけれども、基金で行う人材確保事業においては、どういった職種に携わる者とかどういった年齢層の者をターゲットにしているのか、そしてまた、そうしたUターン希望者をどのように把握し、かつ把握したUターン希望者をどのように当該地域において創出した魅力ある雇用機会に結びつけ、地元定着を図っていくつもりなのか、お答え願いたいと思います。
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若林之矩#19
○若林政府委員 基金で行います雇用情報の提供におきましては、そのような各地域の必要に応じまして地域ごとに職種を、場合によりましては年齢も含めて定めて事業を実施していくことになるわけでございますが、一般的に申し上げますれば、専門的、技術的な職業でございますとか、あるいは事務的職業等の職種が考えられるわけでございます。Uターン志向が強い二十代後半から三十代の年齢層が中心になろうかというふうに考えております。
 また、都市圏在住のUターン希望者の把握方法といたしましては、地元に住む父兄等の親類縁者の方や、あるいは出身校の関係者から幅広く情報を提供していただくことを考えております。そうしまして、こうして把握しましたUターン希望者を地域において開発されました雇用機会に効果的に結びつけますために、全国の公共職業安定所のネットワークもこういった基金と有機的に連携をとって仕事を進めてまいりたいというふうに考えております。
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坂井隆憲#20
○坂井(隆)委員 Uターン対策については、まず、今御答弁ありましたように、実際の実情、どういう人が希望しているのか実情を把握することがまず先決でございますから、今御答弁にありましたように、十分これから念頭に置いて対策を講じていかれることを心から念願する次第であります。
 ところで、先ほど、昭和六十二年に決定しました第四次全国総合開発計画のことを申し上げましたけれども、この第四次全国総合開発計画とか、あるいは昭和六十三年に閣議決定された経済運営五カ年計画、この計画にも人材の地方定住促進ということがうたわれております。当該計画と今回の地域雇用環境整備構想、その関係がどうなっているのか、その点についてお聞かせ願えればと思います。
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若林之矩#21
○若林政府委員 第四次全国総合開発計画におきましても、地方圏において若年者、高学歴者等にとっての就業の場がふえ、若年層を含め人口の地方定住が進むということが一つのビジョンとして考えられているわけでございまして、今般の地域雇用環境整備構想は、東京一極集中の是正や国土の均衡ある発展を直接的な目的としたものではございませんけれども、魅力のある雇用機会が少ないこと等から東京圏へやむを得ず来ている若い方々の地方定住や、都市圏在住のUターン希望者等の地方還流を促進するための雇用環境を整備することによりまして、勤労者の職業及び生活の安定の実現を図ろうとするものでございます。
 したがいまして、今回のこの地域雇用環境整備構想というものは、地域の活性化を図り、人口及び産業の東京一極集中を是正いたしまして国土の均衡ある発展を実現するという、この第四次全国総合開発計画等の基本理念にも沿うものであるというふうに考えております。
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坂井隆憲#22
○坂井(隆)委員 我が国において国内的な大きな問題は、やはり東京に一極集中している、いろいろな、人口も、そしてまた産業も一極集中が図られている、地方は農業問題もありますし、いわゆる過疎が進んでいるということが非常に問題だと思います。そのために、先ほどから何度も申し上げるように、若年者の地元定着、そしてまたUターン対策、そういうものを進めていって、そして人材の地方定住促進というものを通じた地域の活性化ということが国政上の喫緊の課題であると強く感ずるところであります。雇用機会の開発とあわせて、各種生活環境の整備などの魅力ある地域づくりも含めた我が国全体の総合的な全体的な取り組みが必要でありまして、そのためには、まさに人を扱う労働担当大臣として、労働大臣が各省庁の先頭に立ってかかる総合的な政策を推進していくべきだと思います。
 そういう意味で、ぜひ大臣の熱意ある御答弁、決意のほどをお伺いして、最後の質問としたいと思います。
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小里貞利#23
○小里国務大臣 先ほどから坂井先生、地域雇用法、新法の趣旨につきまして基礎的なところをいろいろ御指摘をいただいておるところでございますが、特に、ただいま御指摘、御質問いただきました、いわゆる今回のごとく一工夫をいたしまして、あるいは二工夫をいたしまして、魅力ある地域におきまする雇用の機会の拡大も大事であるけれども、同時にまた、その地域全体の各種の環境整備も必要ではないか、そういうお話でございます。私も全く同感でありますと同時に、あわせまして私ども労働省、労働行政の観点から、各関係機関、団体等に、際立ってこの機会に、この法案が成立をいたしまするなれば、基礎にいたしまして、一段と努力を積み上げてまいらなければならないと思う次第でございます。
 殊に、地方に、いわゆるゆとりと豊かさのある勤労者生活の実現に向けまして、平素私ども申し上げておりまするように、今や産業優先の時代からいわゆる労働力尊重の時代、そういうふうに地方におきましても大きな変貌を遂げつつある、かように私どもは考えておりまして、ただいま先生御指摘の関係機関等との連絡を密にいたしながら努力を続けてまいりたい、かように考えております。
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坂井隆憲#24
○坂井(隆)委員 どうもありがとうございました。
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浜田卓二郎#25
○浜田委員長 岩田順介君。
    〔委員長退席、石破委員長代理着席〕
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岩田順介#26
○岩田委員 ただいま坂井委員が御質問なされましたが、若干ダブる部分があると思いますけれども、なるべく割愛をしてまいりますが、ぜひともよろしく御答弁のほどをお願い申し上げておきたい、このように思うわけであります。
 この地域雇用開発等促進法、これは六十二年に制定をされたところであります。この制定された当時の経済状況は、私が言うまでもないわけでありますけれども、円高不況のもとで大変な雇用調整が行われた時代でありました。例えば、当時、中小企業庁の調査がございますが、これは昭和六十年から六十一年、輸出型、輸出に依存をしておる産業の、とりわけ中小企業が最も打撃を受けた時代ではなかったか、こういうふうに思うわけでありますが、例えばパート化が積極的に進められる、これはやがて特殊地域、特定の地域だけではなくて全国的に蔓延をしていくという状況になっていくわけであります。同様に、その時期は新規採用が全く手控えられた、こういう産業も多く出ているわけであります。もちろん人員削減、さらには六十一年の秋以降というのは解雇、一時休業、こういったものが全国に広まっていく、そういう状況の中でこの法律は制定をされたわけであります。
 四年後、経済は一変をいたしましたけれども、総務庁の統計によりますと、これは昨年の十二月の統計でございますが、全体的には雇用情勢は非
常に好調になっております、回復をしておりますけれども、しかし、一定の地域には完全失業率、さらには有効求人倍率が依然として上がらない、こういうことが明確になってきておるわけであります。
 さらに心配しますのは、今後、経済の推移のいかんによらず、そういった不況地域、いわゆる回復の遅い地域の中での格差がもっともっと広がっていくのではないか、こういうことが心配をされるわけであります。経済の動向とこの雇用情勢というのは表裏一体のものでありまして、湾岸戦争後の経済がどうなるのか、とりわけアメリカ経済が回復するかどうか非常に議論が集中しておるところでありますが、しかし、我が国にとってはこの日米経済摩擦というのは、けさのニュースでも、自動車等のアメリカにおける深刻さが報道されておりましたが、米に加えて、一層逼迫するものになるのではないか。一方、東アジアのASEAN、NIES等の台頭やECの統合、こういったものと絡み合って、果たして日本の経済はどうなっていくかという心配がありますけれども、とりわけここでは、現在のこの労働情勢、特に地域別に見た雇用の状況がどうなっているのか、さらに、今後の見通しについてまずお伺いをしたい、こういうふうに思います。
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若林之矩#27
○若林政府委員 最近の雇用失業情勢は、景気の持続的拡大の中で求人が堅調に推移いたしておりまして、求人倍率も一・四倍台の高水準で推移をいたしておりますし、雇用者数も増加を続けておるわけであります。完全失業率も二・〇から・二%の低い水準となっておるわけでございまして、労働力不足の事業所が増加をいたしまして、多くの地域で企業の人手不足感が広がっているわけでございますけれども、ただいま先生御指摘のように北海道、九州等の一部の地域におきましては、有効求人倍率がまだかなり低い水準にございます。現在は全国の有効求人倍率、一・四四でございますけれども、北海道は〇・六八でございますし、九州は〇・九八でございます。依然として雇用情勢の改善が緩慢でございまして、全国的に見た地域間格差も大きいわけでございます。また、全国的には雇用情勢はよくなっておるわけでございますけれども、総量としての雇用機会不足は解消されましたけれども、地域的に良質な雇用機会が乏しいということから、若い方々を中心に労働力が地方から出てきてしまう、こういう問題も見られるわけでございます。
 今後につきましては、若年の労働力が減少していくなどによりまして、労働力人口の伸びが鈍化していくことが見込まれておるわけでございまして、経済が安定した拡大を続けますれば、全体としては労働力需給は不足基調で推移することが見込まれるわけでございます。
 そういうことで、労働力不足の基調で推移することが見込まれるわけでございますけれども、しかし、やはり政策の的確な対応をいたしませんと、地域における格差といったようなものが拡大するということは十分に考えられるわけでございまして、こういった点への対応がただいまから十分に行われるべきであるというふうに考えておるわけでございます。このような状況を踏まえまして、今後とも雇用対策の適正な運用を進めてまいりたいというふうに考えております。
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岩田順介#28
○岩田委員 今、見通しについてお話がございましたが、なおかつその中で心配いたしますのは、全体的にもそうでありますが、地域における中高年の対策です。これはなお厳しいものがありますが、これから先の対応には十分な御配慮をいただきたい、かようにお願いをしておきたいと思います。
 次に、地域雇用対策の現状についてお尋ねをいたしますけれども、まず政府は、昭和六十四年度の予算で大規模雇用開発モデルプロジェクトにかかわる大規模雇用開発促進助成金というものを支給をされております。これは百名以上の雇用の場の開発を行う事業者に対して助成を行う、こういうふうになっておる事業でありますが、私の地元、北九州におきましても、新日鉄が行いましたスペースワールド、これが計画をされまして、今オープンをしておりますけれども、この大規模雇用開発モデルプロジェクトの概要及びその事業内容も含めた実施状況についてお伺いをしておきたいと思います。
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伊藤欣士#29
○伊藤(欣)政府委員 お答え申し上げます。
 大規模雇用開発モデルプロジェクトは、地域雇促進法に基づきます雇用開発促進地域内におきまして、地域の関係者が一体となって推進します大規模で良質な雇用機会の開発を促進するための取り組みに対しまして援助措置を講ずることによりまして、効果的な地域雇用開発の促進及び地域の活性化に資することを目的として発足、運営されているものでございます。具体的には、今お話ございましたように、百人以上の雇用の場の開発を行い、かつ地域の経済、雇用への相当程度の波及効果があることなど、雇用開発に特に資すると認められるものを対象とすることといたしております。認定した計画につきましては、関係の道府県、関係の公共職業安定所、計画を策定いたしました事業主等を構成員とする推進会議を設置いたしまして、そのプロジェクトに求職する方々の職業能力の開発、就職の促進を図りまして、計画を元了した事業主に対しましては、雇い入れ規模が百人以上の場合は二億五千万、二百人以上の場合は五億円の大規模雇用開発促進助成金を支給することといたしております。
 この大規模雇用開発モデルプロジェクトといたしましては、これまで北海道のMt.レースイ・スキーリゾート計画及び製紙工場の建設計画、先生お話ございました福岡県のスペースワールド建設計画、大分県の一村一品クラフト公園のハーモニーランド計画及び熊本県のマリンレジャーボート工場建設計画の五つについて認定しているところでございます。なお、現在まで製紙工場建設計画、及びスペースワールド建設計画につきましては、既に計画を完了いたしまして営業を開始しております。そしてこれらの計画によりまして、それぞれスペースワールドは四百七十八名、製紙工場につきましては百一名の雇用機会の開発が行われているところでございます。
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