科学技術委員会

1994-11-01 衆議院 全180発言

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会議録情報#0
平成六年十一月一日(火曜日)
    午前十時一分開議
出席委員
  委員長 宮里 松正君
   理事 甘利  明君 理事 臼井日出男君
   理事 原田昇左右君 理事 上田 晃弘君
   理事 岡田 克也君 理事 笹木 竜三君
   理事 今村  修君
      塚原 俊平君    林  義郎君
      近江巳記夫君    川島  實君
      古賀 一成君    斉藤 鉄夫君
      鮫島 宗明君    辻  一彦君
      渡海紀三朗君    鳩山由紀夫君
      牧野 聖修君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      田中眞紀子君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房長     新  欣樹君
        科学技術庁科学
        技術政策局長  石井 敏弘君
        科学技術庁科学
        技術振興局長  工藤 尚武君
        科学技術庁研究
        開発局長    沖村 憲樹君
        科学技術庁原子
        力局長     岡崎 俊雄君
        科学技術庁原子
        力安全局長   笹谷  勇君
 委員外の出席者
        外務大臣官房審
        議官      杉内 直敏君
        外務省アジア局
        北東アジア課長 中村  滋君
        科学技術委員会
        調査室長    吉村 晴光君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 科学技術振興の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
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宮里松正#1
○宮里委員長 これより会議を開きます。
 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原田昇左右君。
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原田昇左右#2
○原田(昇)委員 私は、自由民主党を代表しまして、この前の大臣の所信表明に関係して、科学技術の基本政策について御質問申し上げたいと思います。
 私、この本を読んだのですが、「日本経済の将来像」というのです。これは野村総研の理事長、鈴木さんのお書きになった本ですが、これにも出ているのですが、ジェトロで最近募集した川柳で、「働いて円高にして首をしめ」という川柳があるのですよ。これが入選した。
 我々日本人は、一生懸命働いて、汗水垂らして働いて、そして将来の不安に備えて貯蓄をする。そうすると貯蓄が過剰になって、そして経常収支の黒字が拡大していく。それによって円高になる。そうすると、また産業が競争力を回復せにゃいかぬというので、リストラをやったり首切りをやったり、やれ移転したり空洞化したりしてくる。そうすると、やっぱり不安だから、これは大いに将来に備えて国民は貯蓄に励まなきゃならない、こういうことになって悪循環になっていく。一生懸命働くけれども、円高になって、結局みずからの首を絞めるにすぎない、こういう話でございますが、これでは全くやりきれないわけでありまして、我々としてこんなことを見過ごすわけにはいかぬわけであります。
 一番基本的にどういうように考えていくかということ、私は、円高になって空洞化する産業については、新しい産業のニューフロンティアを開拓していく、そして新しい分野でどんどん産業が興るということにしなきゃならぬ。それは規制緩和もあるでしょうけれども、一番大事なのは、やっぱり科学技術の振興だと思うんですね。基礎的な科学技術が本当に独創的な力を発揮して、新しい産業のニューフロンティアを開拓していくことが必要です。現状をブレークスルーするのは科学技術の力であります。それには基礎研究に、また国のやるべき分野において、大いに科学技術研究開発投資をやっていく、また民間の投資を誘導していく、こういうことが非常に大事だと思うのですが、このような観点から幾つか大臣に御質問申し上げたいと思います。
 まず第一に、我が国の科学技術の水準は欧米諸国と比べでどのような水準にあるか、お伺いしておきたいと思います。
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田中眞紀子#3
○田中国務大臣 お答え申し上げます。
 今ほどは原田委員から大変示唆に富んだいいお話を伺ったと思っております。
 もう御案内のとおりでございますけれども、確かに予算の関係もございまして、基礎研究の分野はなかなか不十分であるというふうに思っております。ただ、応用開発の面は、民間が中心になってやってきているということもあると思いますけれども、ライフサイエンスでありますとか生産とか機械とか海洋とか、まあほどほどに進んできているかなということを思いますけれども、今本当に御指摘があったように、基礎的な科学技術の進歩というものが新しい産業のニューフロンティアになり得るという御視点は大変貴重でございますので、また先輩の御指導も仰ぎながら、予算獲得ももちろんしなきゃいけませんけれども、新しい観点から研究してまいりたいと思います。
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原田昇左右#4
○原田(昇)委員 大臣、私は、応用分野とか実際にプロダクションに移す分野、そういうところでは非常に日本の能力は高いと思うのですけれども、基礎研究の分野、例えばノーベル賞をとるような分野、これは欧米諸国と比べるとかなりハンディがあるような気がするのですね。主要諸国と比べても、基礎研究について本当に独創的な新技術の創出というのをもたらしていかなきゃならぬと思うのですが、それがこれからの一番大事なことではないかと思うのです。
 基礎研究の振興について、これはやはり民間にゆだねるわけにはいきませんから、どうしても国みずからがイニシアチブをとってやっていく必要があるのではないか。これについて大臣の御決意のほどを伺っておきたいと思います。
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田中眞紀子#5
○田中国務大臣 本当に今、原田先生がおっしゃるとおりだと思いますので、時代認識を新たにいたしまして、今おっしゃったような方向に行くように努力をしていくべきだと思います。
 基礎研究の推進というためには、予算の獲得もそうですし、私どもみんなでもって知恵を結集していかなければいけないと思います。ただ、政府の研究開発投資については、対GNP比でもって我が国全体の研究開発投資に占める負担割合というものは、いずれも先進諸国に比べて格段に低いというのが今までの実情でございますから、これからは科学技術振興調整費ですとか政府の研究開発投資等を拡充いたしまして、今後さらに充実を図っていきたい。特に新しい視点を加えていくべきだろうというふうに思っておりますので、御指導いただきたいと思います。
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原田昇左右#6
○原田(昇)委員 どなたか局長さん、研究開発投資の現状というもの、各国との比較、簡単に教えていただきたいのです。私の手元にあるのでは日本の対GNP研究費の比率というのはかなり高いけれども、基礎研究については大臣の言われたようにもう本当に低いということですが、どのくらいですか。
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石井敏弘#7
○石井(敏)政府委員 お答えいたします。
 我が国全体の科学技術関係の経費、国全体で申しますと、平成四年度ベースで十三兆九千億円でございいまして、これはGNP比で二・九六%でございます。この国全体の研究投資額は諸外国に比べまして遜色がないというような水準にあるわけでございますが、基礎研究等公的部門が負担すべき研究費、政府負担研究費というものにつきましては、我が国の場合二兆七千億ということでございまして、対GNP比で申しますと〇・五七%というような水準にございます。
 ちなみに外国の場合を見ますと、この政府負担研究費のGNP比を見ますと、アメリカの場合は一・一三%、フランスが一・二%、ドイツは〇・九七%といったような水準にございまして、そのような意味から申しまして、基礎研究等公的な部門が負担すべき研究負担の割合か低いということが現状でございます。
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原田昇左右#8
○原田(昇)委員 今おっしゃったとおりだと思います。
 そこで、まず基礎研究、政府の負担すべき分野において研究費を大幅にアップすることは大事だと思うのですけれども、そのほかに、かねてから私は、科学技術の振興のため最も重要なのは、何といっても優秀な人材が必要だと思うのですね。創造力豊かな研究者や技術者を養成確保することは何よりも大事ではないか。
 そこで大臣にお伺いしますが、優秀な科学技術系の人材を確保するためにどういう方策を考えておられるのか、お答えいただきたいと思います。
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田中眞紀子#9
○田中国務大臣 現段階では、若手の研究者に対していろいろな研究機会を提供するとか、もう少し研究施設等の環境を整備するというふうなことは当然急務だろうと思います。
 ですが、私は今回つくづく科技庁長官にしていただいてから感じておりますことは、理系離れ、理系離れといっても、その設備や環境の整備は当然ですけれども、それ以前の人づくりという問題を基本から考えていかないと、この先五十年、百年後はやはり先細りになるのではないかということを思います。
 それは、私自身三人子供を育てていながら、結構理科系のことに興味があるのに、受験という問題があるためにだんだんとそういう興味がそがれていってしまう。人それぞれ違うでしょうけれども、基本的な理科的なことに対する関心とか好奇心というのが人間にはあるわけでして、そういうものをはぐくんで大切にしていくことによって、まず基本的な科学技術、興味、人間の関心というものが科学技術の進展にやはり役立つ原点だと思います。
 ですから、与謝野文部大臣ともこういうことについてお話をしておりまして、役所間の枠組みを越えて、近々具体的に視察等も文部大臣と一緒に行こうと思っておりますけれども、科技庁だけでは片づかない問題もございますので、文部省とも連携をとりながらこういう人材育成について検討させていただきたい。また具体的に行動する予定にいたしておりますことを御報告いたします。
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原田昇左右#10
○原田(昇)委員 今、大臣大変示唆に富むお話をしていただきました。確かに、研究環境を整備して、研究者の処遇もよくするということも大変大事でございますけれども、私それについては、この間、海洋科学技術センターを見に行ったら、「しんかい」で一番日本が深くまで潜れるものを持っている、これは世界一だと。それで、底の試料を採取して持ってきて、数百気圧の容器に入れて、その生物をそこで飼っておくことができる、これも世界一だというような話を聞きまして、そういう世界一、日本でなければそういうものがないということになれば、世界の科学者が集まってくるのですね。やっている人も一番プライドを持ってやれる。
 それから、つくばのサイクロトロンとか、通産、省の電子技術総合研究所ですか、ああいうのも世界にないものがあるということになると、日本からももちろんですが、外国からかなり人も来る。そういう環境づくりというのは非常に大事ですね。
 ところが今、大学等へ行きますと、これは本当に東南アジアの大学よりよほど設備が悪いですよ。よくもこんなにひどいところでやっているな、まあよく頑張ってやっているなという気かいたしますけれども、やはりそこの基本的な研究環境をよくするということは非常に大事だと思うのですね。
 それからもう一つ、若者の理科離れというか、受験勉強に追われて、おっしゃるとおり、とても新しい探求心を発揮していろいろ調べてみようというような余裕も何もない。詰め込み一本やりでやるという教育が、確かにこれはもう理科離れを起こしていると思うのですね。
 この辺をやらなければいかぬと思うのですが、何か科学技術庁の審議会ですか、そこでこの問題も取り上げておられるというふうに伺っておりますが、どんなふうに取り上げているのですか。どういう取り組みをしておられるのか。
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石井敏弘#11
○石井(敏)政府委員 科学技術系人材の確保につきましては、内閣総理大臣の諮問機関でございます科学技術会議におきまして、総理からの諮問を受けて現在審議を行っているという状況でございまして、ことしの六月に中間段階の部会における中間報告が出されたというようなことでございまして、本年中には最終答申を行うというようなことになっております。
 特にこの中間報告におきましては、ポイントといたしましては、優秀な人材を確保していくためには、先ほどの大臣の答弁にもございましたように、若手研究者に対する多様な研究機会を与えるとか、あるいは研究者、技術者がその能力を最大限発揮できるような研究環境の整備をしていく、あるいは研究者、技術者の処遇の改善に努める、あるいは女性あるいは外国人等の幅広い人材の確保を図っていくといったようなことをポイントといたした中間報告が出ておりまして、本年中には最終答申にこぎつけるという努力目標のもとに、なお現在審議が進められておる状況でございます。
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原田昇左右#12
○原田(昇)委員 今のお話、承りました。この分野は大変大事なことだと思うので、日本の科学技術教育の根本から、教育そのものの問題から議論しなければならない問題でもあろうかと思いますが、ぜひ頑張ってしっかりした方向を打ち出していただきたいと思います。
 さて、国際的な問題でございますが、私は、かって科学技術委員長をやっておりましたとき、ちょうど海外視察でアメリカに行きまして、ナショナル・インスティチュート・オブ・ヘルスというのですか、アメリカのワシントンにあります国立衛生研究所というのですか、そこを訪ねました。そうしたら、大勢日本人がいるのですよ。日本人の方が研究に従事しておられます。非常に役に立っている、日本人は優秀だといって所長さんが非常にお世辞を言ってくれましたが、と同時に、一つ、アメリカはたくさんの日本人を抱えて給料を払っているのですが、日本の方にアメリカ人はほとんど行っていませんわ、もうちょっとこれの収支バランスをとるようにしてもらったらどうでしょうかということを皮肉で言われまして、これには参ったわけです。
 今や科学技術をめぐる国際環境というのは、非常に先端的な分野でも国境を越えた研究活動が行われており、国際的な交流が不可欠なのですね。そして、日本が外国の研究者にとって魅力のある研究場所だ、研究の場としては非常に魅力がある、ここへ来て勉強して、研究してノーベル賞も獲得できる――今、日本の学者で科学部門でノーベル賞をもらった人は、ほとんどアメリカの研究でもらっておるのじゃないですか。
 何か日本の研究所に、もちろん言葉のハンディの問題もあると思うのですが、外国の人か余り来ない。いろいろ努力はされておるようですが、もっともっと外国の頭脳が日本に流出して困るというくらいのことにならないかな。なぜアメリカがあんなに優秀な頭脳を世界じゅうから集めることができるのか、その辺を考えてもらいたいと思うのですね。どういうことでしょうかね、これは。
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田中眞紀子#13
○田中国務大臣 今、原田先生がNIH、これはたしかメリーランド・ベセスダにある施設でございますね。私もそこのアコーデルという教授をよく知っていまして、視察はしたことございませんけれども、ここがすばらしいところだということは聞いたことがございます。
 確かにアメリカに、私も自分の留学経験からしましても、世界各国から来ているなということはもう随分前から見ておりました。今回科技庁長官にしていただいてから、理研ですとか、あとは放医研は視察させていただきましたけれども、先ほど先生がおっしゃった海洋センターもまだ行ったことはございませんし、東海村もこれから早目に視察をさせていただきたいというふうに思っております。
 今までの経緯の中では、当然重要なことでありましたし、理解はできますが、いわゆる科技庁というところが原子力とそれから宇宙開発に非常に熱心にやってこられた。もちろんどの方も、基礎的な研究面で人材の育成とか国際交流ということが重要なことはわかっていらっしゃったわけですけれども、なかなかそこまで手が回らずにいた。それにまた、いろいろな役所間の枠組みというふうなこともあったと思いますので、皆様が認識なさっていたんだけれども、そこの方になかなか手が回らなかったということが実情ではないかということは、私もこの短い経験の中で感じていることでございます。まさしく先生がおっしゃるとおりなんですね。
 それで、昨日もたまたま福島県の双葉郡の原発地域で会合があって参りましたけれども、そこで一般の方から出たことで、今先生がおっしゃったことに関連がございます。
 それは、東京電力が、原発でいろいろ視察をしてもらって交流を深めるために、具体的には中国それからソ連から留学生を数十人年間に呼んでいる。しかし、その宿泊施設がなくて、全部企業におんぶにだっこしてしまっている。そういうことについて、地方自治体も限界があるんですけれども、そこにもちろん町長さんもいたんですが、国がこういうことをどういうふうにやろうとしているのか。まさしく今先生がおっしゃったように、こういうふうに国際交流をしようと思っていても、なかなか国で今まで配慮がなかったんだということについて、ぜひ今後検討していただきたいというふうな御意見が一般の方から出まして、ああ現場にいる方はよくわかっておられるんだなということを感じました。
 ですから、今までも研究者の交流が不均衡であることを是正するために、科学技術庁のフェローシップ制度というものを昭和六十三年度に創設して、外国人研究者の受け入れを促進しているそうでございますし、また、米国の大学院生を夏休みに二カ月程度日本の研究所に招いて、研究活動及び文化研修を行うサマーインスティチュートというものを平成二年度より実施している。細かい数字がもし必要でございましたらば局長の方から御答弁申し上げますけれども、そういう実態は平成二年ぐらいから始まっているということは私も理解をいたしましたが、まだまだ根本的に足りませんので、ぜひこれは私の在任中に努力をさせていただきたいことの一つであるというふうに思っております。
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原田昇左右#14
○原田(昇)委員 ひとつ大臣、この点は文部省も含めて、研究者の交流促進について、ぜひイニシアチブをとって積極的に御推進いただきたいと思います。
 私も平成五年の入管の統計年報というのを取り寄せて調べてみまして、びっくりしたんですが、研究者の交流で、日本の研究者が外国へ出るのと外国の研究者が日本に入るのとの比率で、出る方が圧倒的に多」いんですよ。平均して十二対一ですか。アメリカについては、日本から出るのが十四人で向こうから来るのが一人。十四倍ですよ。もう話になりませんね。ドイツに対しては五倍、フランスが九倍、イギリスが十二倍、そんなようなことでございます。これは大変なことでありまして、国際収支の黒字のことも議論になりますが、これはもう本当に超黒字というか超出超ですな。十分これは考えていただいて、また世界の科学技術者の知恵を日本に集めるというくらいの心構えでひとつやっていただきたいと思います。
 次に、きく六号の実験についてでございますが、大臣のおっしゃるように、女性宇宙土の向井千秋さんのスペースシャトルにおける実験は、国民に大きな夢と希望を与える画期的な出来事であったと思います。我々もこれから考えていかなきゃならないのは、女性の科学技術の分野においての活躍を大いに期待したらどうかと思うのですね。今まで、どうも科学技術というと男でなければできないような錯覚がありますね。そんなことはないので、これから優秀な女性の頭脳に大いに期待をしたいと思いますが、大臣いかがですか、その点は。
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田中眞紀子#15
○田中国務大臣 確かにおっしゃるとおり、優秀な女性も、頭脳もたくさん地球上におられると思います。向井さんの例をお引きになりましたけれども、私は一般の家庭の主婦も、もう少し科学が易しく、わかりやすくなければ、一般の人たちももっと関心を持つようになると思います。
 やはり女性が子供を育てていく期間というのは大変長うございますから、そういう中において、子育てをしながら基本的なことに興味を持っていく。お母さんが関心がなくて、子供に塾だけで、学校だけで理解しろといっても無理ですから、母親の演じる役割といいますか、大変重要だと思いますので、一般の母親、女の人の認識というものも高めていく。そしてまた専門分野でも、今おっしゃったように、当然優秀な人たちの頭脳を集めていくということは急務だろうと思います。
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原田昇左右#16
○原田(昇)委員 そこで、きく六号でございますが、当初予定した実験がどの程度できるのか。HⅡロケットの成功は非常に心強い限りでありますけれども、アポジモーターの故障でどうも当初予定した実験がほとんどできないということでございますが、どうですか。一言でいいです。
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田中眞紀子#17
○田中国務大臣 研究開発局長から細かいことをお答え申し上げますけれども、私も種子島でもってロケットの打ち上げは拝見いたしました。その後静止軌道に入らずにいて、その後何とか有効活用するためにいろいろと御努力をなさっておられますので、その経過について局長から御報告申し上げます。
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原田昇左右#18
○原田(昇)委員 時間がありませんので、大体書類で見ておりますから細かいことはいいんです。問題は、当初の実験予定が大幅にカットされざるを得ないということでございますが、できるだけ努力をしていただいて、現状においてベストを尽くしていただくということで御努力いただいておると思いますが、ぜひ続けていただきたいと思います。
 そして、なぜ保険を掛けなかったのかな。あんな膨大な投資をふいにしたのは、なぜ保険がなかったのかなということもよく耳にするわけですが、これはどういうことか、ちょっと国民に向かって御説明いただきたいと思います。
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田中眞紀子#19
○田中国務大臣 このきく六号の今回のことが起こりましてから私もまさしく最初に役所に伺ったことは、保険掛けてありますかとまず聞いたんですね。掛けてないとおっしゃったので、なぜ掛けないかということを申し上げて、これは本当に多くの国民が疑問に思っている点だろうというふうに思います。
 役所は、今までの経緯をあれでしたら御説明申し上げますけれども、要するに、国の出資によって宇宙開発事業団が行う衛星の開発、打ち上げに関しては、国の施設等には一般的に保険を掛けないというこれまでの慣行に準じて、特別な場合を除き保険を付していない、きく六号についても特別の事情がなかったために保険を付していないというふうなことでございます。
 あと、ほかには、衛星の打ち上げを米国のロケットで行うため、米国の政府機関の意向を受けて保険を付した事例が「ひまわり」「さくら」「ゆり」などである。あらかじめ打ち上げを予定していて、かつ、そのための経費を速やかに確保する必要があったため保険を付した事例があるんだ、それは「あやめ」とか、きく二号、ひまわり三号であるというふうなことでございます。また、民間と協力して衛星を開発し、打ち上げを行う場合には、相手方の意向を踏まえて付保の判断を行うということにしているんだ、こういう例としては、さくら二号、ゆり二号があるということでございます。
 私も個人的には、ぜひあらゆるときにそれぞれに応じて保険を掛けるということを、義務づけるという言葉が適切かどうかはわかりませんが、もう少し具体的に事務当局とも、研究者とも御相談はするべきことでございますけれども、ぜひ保険を掛けていただきたいというふうに思っております。
 なお、事務当局のあれが必要でしたら、お答え申し上げます。
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原田昇左右#20
○原田(昇)委員 いいえ、結構です。
 大臣、今おっしゃるとおり、今の事故の原因というのは、これはよくアメリカでも大変な事故を経験しているんですね。そして、そこを乗り越えて今日の成果を得るようになるのが、これは先端科学技術の分野ではどうしてもつきまとうわけですから、それを恐れておって何もしないというわけにはいきません。ですから、徹底的に原因を究明していただいて今後の教訓とするとともに、現在の軌道においてできる限りの実験を実施して、最大限の成果を上げていただきたいと思います。保険についても十分これからの御検討をいただきたいと思います。
 最後に大臣、もう時間でございますが、科学技術庁長官は未来担当大臣だという抱負を述べられて、私は大変力強いと思っておるわけでございます。どうかひとつこれからもその意気込みで、研究投資の倍増ということも含めて科学技術振興に向けての大臣の所信を伺いまして、質問を終わりたい。
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田中眞紀子#21
○田中国務大臣 基本的な所信は先日申し上げたとおりでございます。村山総理も科学技術は未来への先行投資であるということをおっしゃっていらっしゃいまして、大変認識を強く持っていらっしゃいますので、その方向で努力したいと思いますので、御指導を仰ぎたいと思います。ありがとうございます。
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原田昇左右#22
○原田(昇)委員 ありがとうございました。
 質問を終わります。
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宮里松正#23
○宮里委員長 笹木竜三君。
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笹木竜三#24
○笹木委員 改革の笹木竜三でございます。質問を始めさせていただきます。
 まず、具体的な質問を行わせていただく前に、大臣に直接お伺いしたいことがございます。
 きょう米朝合意について新聞でいろいろ報道がされているわけですけれども、先般合意された米朝合意に対して、これはIAEAですとかあるいは核不拡散という問題で非常に科学技術委員会とも密接な関係がある問題だと思うわけですけれども、この米朝合意に対して余り科学技術庁長官のコメントが聞かれていないわけです。ぜひここで長官御自身のコメントをお聞かせ願いたいと思います。
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田中眞紀子#25
○田中国務大臣 お答え申し上げます。
 確かに私どもは、基本的にはNPTというものを大事にしていかなければならないと思います。一方では、長い間時間をかけて米朝会議が行われてきたという経緯は、もう先生御案内のとおりでございまして、その結果、決してこれがベストであるとは思っておりませんし、またIAEAのブリクス事務局長も、やや不満なこともちょっとおっしゃっておられるやに聞いております。
 ただ、かなりアメリカも御苦労なさった結果こういうことになったと思いますので、もう少しこの先の動きというものを見守らせていただきたいというふうに思っております。
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笹木竜三#26
○笹木委員 今、不十分という言葉があったわけです。
 具体的には、一番肝心な査察が五年ぐらい行うことができない可能性もあるとか、こういった問題があるわけですけれども、さらに重要なのは、今回の場合、査察を北朝鮮に受け入れてもらう、そのかわり技術的な協力、資金的な協力を行う。言ってみればNPTの体制の強化、さらに核開発の状況に対して透明度を増すために、そのかわり日本とか先進国が金とか技術の協力をするよ、そういったギブ・アンド・テークの関係をこれからかなりふやしていくことになるのではないかと思うわけですけれども、そういった基本路線については長官はよしとされているのかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
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田中眞紀子#27
○田中国務大臣 資金的な協力ということの前に、今笹木先生おっしゃいましたように、まず安全性という問題、透明度を高めてほしいということは、もうこれは国際世論であろうと思います。日本だけではございません。
 ただ、先ほど申し上げましたように、米朝会議というものが長いこと繰り返されて、お互いに、特にアメリカ側は、私どもの側は不十分であるということはわかりながらも、やはりこれからはもう少しまた踏み込んでいくわけでございますから、しっかりと事の推移を見守っていくべき時期だろうというふうに思っております。
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笹木竜三#28
○笹木委員 これぐらいにさせていただきますけれども、非常に重要な問題で、科学技術委員会にとっても非常に重要な問題だと考えております。推移を見守るだけでなくて、今回の合意形成に対しても日本の対応が非常におくれているのではないかと心配するわけですけれども、ぜひ積極的な御発言を今後お願いしたいと思います。
 次に、原子力発電所施設の立地対策についてお伺いをしたいと思います。
 まず、原子力発電所についてですけれども、長期エネルギー需給の見通し、一九九四年によりますと、供給目標で、現在は、一九九二年で原子力が一〇%の割合を占めるわけですけれども、二〇〇〇年には一二・三%、二〇一〇年には一六・九%を目指している。あるいは総発電電力量の、一九九二年で二八・二%、これを二〇〇〇年には三三%、二〇一〇年には四二%にしていく、こういった計画がございます。簡単に言ってしまえば、全体のエネルギーの中で原子力の比重をどんどん高めていくということだと思います。このことについて長官は基本的にどういうふうに考えておられるか。
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田中眞紀子#29
○田中国務大臣 将来にわたりまして今後電力需要が伸びていくということは多言をまたないわけでございまして、そういう中で果たしてどういうふうにしてやっていくかということになって、もちろん核融合、ITERの問題ですとか、あるいは未来型の新エネルギーの開発ということも同時並行で努力してまいりますけれども、やはり原子力というもの、今現在はもう三〇%がこの力に頼っている実情でございますので、原子力というものは安全性というもの、それから透明性ですね、情報を公開していく。
 そして、新規なものの施設の立地に当たりましては、地域の皆様、国民全体の合意とか理解とか、そういうことが十二分に尽くされないとならないと思いますので、地域との信頼関係を構築して、そしてわからないことはいつもお聞きいただくし、こちらは正直ベースで情報を公開していくということによって、今後の需要に対応していくべきであろうというふうに考えます。
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