世界貿易機関設立協定等に関する特別委員会

1994-12-01 衆議院 全131発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成六年十二月一日(木曜日)
    午前九時三十一分開議
出席委員
  委員長 佐藤 孝行君
   理事 越智 伊平君 理事 川崎 二郎君
   理事 田中 直紀君 理事 中川 昭一君
   理事 小平 忠正君 理事 畑 英次郎君
   理事 日笠 勝之君 理事 伊藤  茂君
   理事 辻  一彦君
      逢沢 一郎君    赤城 徳彦君
      片岡 武司君    岸本 光造君
      久間 章生君    栗原 博久君
      小杉  隆君    斉藤斗志二君
      塩崎 恭久君    七条  明君
      長勢 甚遠君    福田 康夫君
      二田 孝治君    松岡 利勝君
      松下 忠洋君    御法川英文君
      井奥 貞雄君    石破  茂君
      今津  寛君    大石 正光君
      倉田 栄喜君    木幡 弘道君
      古賀 正浩君    坂本 剛二君
      鮫島 宗明君    田名部匡省君
      千葉 国男君    仲村 正治君
      平田 米男君    松田 岩夫君
      矢上 雅義君    吉田  治君
      秋葉 忠利君    永井 哲男君
      鉢呂 吉雄君    横光 克彦君
      和田 貞夫君    錦織  淳君
      前原 誠司君    藤田 スミ君
      松本 善明君    遠藤 利明君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  村山 富市君
        外 務 大 臣 河野 洋平君
        大 蔵 大 臣 武村 正義君
        文 部 大 臣 与謝野 馨君
        農林水産大臣 大河原太一郎君
        通商産業大臣  橋本龍太郎君
        自 治 大 臣 野中 広務君
 出席政府委員
        総務庁長官官房
        審議官     菊池 光興君
        経済企画庁総合
        計画局長    土志田征一君
        外務大臣官房外
        務参事官    谷内正太郎君
        外務省総合外交
        政策局軍備管
        理・科学審議官 林   暘君
        外務省アジア局
        長       川島  裕君
        外務省経済局長 原口 幸市君
        外務省条約局長 折田 正樹君
        大蔵省主計局次
        長       中島 義雄君
        大蔵省関税局長 鏡味 徳房君
        文部省体育局長 小林 敬治君
        農林水産大臣官
        房長      高橋 政行君
        農林水産省経済
        局長      東  久雄君
        農林水産省構造
        改善局長    入澤  肇君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    日出 英輔君
        食糧庁長官   上野 博史君
        通商産業省通商
        政策局長    坂本 吉弘君
        自治省財政局長 遠藤 安彦君
 委員外の出席者
        外務委員会調査
        室長      野村 忠清君
        大蔵委員会調査
        室長      中川 浩扶君
        文教委員会調査
        室長      長谷川善一君
        農林水産委員会
        調査室長    黒木 敏郎君
        商工委員会調査
        室長      石黒 正大君
    —————————————
委員の異動
十二月一日
 辞任         補欠選任
  栗原 博久君     長勢 甚遠君
  遠藤 乙彦君     倉田 栄喜君
  田名部匡省君     石破  茂君
  山本  拓君     矢上 雅義君
同日
 辞任         補欠選任
  長勢 甚遠君     栗原 博久君
  石破  茂君     田名部匡省君
  倉田 栄喜君     遠藤 乙彦君
  矢上 雅義君     山本  拓君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の締結
 について承認を求めるの件(条約第一号)
 著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作
 権法の特例に関する法律の一部を改正する法律
 案(内閣提出第一一号)
 加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を
 改正する法律案(内閣提出第一二号)
 繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団
 法の一部を改正する法律案(内閣提出第一二号
 )
 農産物価格安定法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第一四号)
 特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出第
 一五号)
 関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一六号)
 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律案
 (内閣提出第一七号)
     ————◇—————
この発言だけを見る →
佐藤孝行#1
○佐藤委員長 ただいまより会議を開きます。
 世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の締結について承認を求めるの件、著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の一部を改正する法律案、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案、繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部を改正する法律案、農産物価格安定法の一部を改正する法律案、特許法等の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案及び主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律案の各案件を一括して議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。最初に、小平忠正君。
この発言だけを見る →
小平忠正#2
○小平委員 おはようございます。
 いよいよきょうで当委員会がスタートしましてから十日目といいますか、公聴会まで入れますと十一回目になりますが、連日、総理大臣には初日と二日目、きょうで三回目ですか、本当に御苦労さんでございます。また関係大臣の皆さんにも連日お疲れさまでございました。いよいよきょうが採決を前にして最後の委員会でありますので、私から、今までの幾つかの問題点等々含めて、許された時間、質問をさせていただきます。
 まず最初に、総理、この問題はまだ総理も御記憶に鮮明に残っておられると思いますけれども、当時社会党、今も委員長ではあられますけれども、明け方までかかって大激論、まさしく党内的にも大変な修羅場を経てああいう苦渋の選択をされた。そのことは御記憶にまだ生々しく残っていると思います。私も当時、私は民社党ですが、その党内にあってこの問題に対して大変苦慮いたしました。しかし、大勢としては、我が国は国際社会で貿易立国としてこのことを受け入れなければ孤立をしてしまう、したがって、我が国の国益、権益を守るために、言うならば避けて通れない道である、そういう御意見が大勢を占めまして苦渋の選択を強いられた、こういうこと、これは御同感であられると思います。
 その結果は、これは間違いなく農業界に大変なる影響、迷惑をかけることになる、したがって、最小限この影響を食いとめるためにラウンド後の万全の対策を講じる、これがある意味では前提の条件でした。私どもはそのことを肝に銘じながら、関係者には、今こういうラウンドの受諾という選択をせざるを得ない、しかしこの後のことはしっかり取り組んでいくからよろしく御理解をいただきたい、そのことを涙ながらに農民に向かって御理解をいただいてまいりました。そのことについては私が今ここで御質問しなくても御同感であると思います。
 そういう中で、今日まで十回の質疑を通じて同僚議員からも入れかわり立ちかわり、言うならばこの国内対策六兆百億円という対策費が別枠か否かということについて、大変な時間を要しながら入れかわり立ちかわり質問いたしました。そのことはなぜかというと、政府の明快な御答弁がいただけなかったから、だから、繰り返しになりましたけれども、何度も何度も執拗に質問したわけであります。しかし、昨日まで各大臣含めて微妙な御発言のずれもあり、まだまだ今の段階でも私どもは納得いたしておりません。
 したがって、きょうは最高指揮官の総理大臣閣下がお出ましですから、ぜひこの場で、政府の統一見解的な意味において、私どもが要求してまいりましたこの六兆百億円、これについてはどう総理としてお答えいただくのか、まずそのことをお伺いさせていただきます。
この発言だけを見る →
村山富市#3
○村山内閣総理大臣 ウルグアイ・ラウンド調停案を受け入れるかどうかという経過の中では、今委員から御指摘がございましたように、それぞれ各党とも、これは社会党もそうですが、真剣な議論を踏まえて、これからの農業はどうなるのかといったような問題も含めて苦渋の選択をされて、日本の国、経済全体の立場に立って一応やむを得ないという形で受け入れたことは、もう今御指摘のあったとおりであります。それだけに、これからの農業をどうするかということは真剣にお互いに検討しなきゃならぬ課題であるというふうに受けとめていることだけは申し上げておきたいと思うんです。
 その上に立って、今御質問のございました六兆百億円の位置づけの問題についてでありますが、きょうは言われますように最終日ですから、これまでの答弁を改めて整理をして申し上げておきたいと私は思います。
 今回の対策につきましては、六年間の新しい事業として六兆百億円の事業を講ずる旨を政府・与党が責任を持って決定したものでございます。これについては、各年度の予算編成過程で検討の上きちんと対処する考えでございます。
 また、従来の農林水産予算につきましては、これに支障を来さないよう配慮されることとなっておりまして、他の予算同様、予算編成過程で総合的に検討されるものでございますが、従来の農林水産予算を、ただいま申し上げましたとおり、新しい事業の財源を捻出するために削減、抑制するようなことは考えていないということだけは申し上げておきたいと思います。
この発言だけを見る →
小平忠正#4
○小平委員 今の総理の御答弁は、初日、二日目と総理が同僚議員からの質問に対して御答弁された、あのときは、別枠でないというそういう御答弁もありましたけれども、その後今日までのこの委員会の質疑の経緯を踏まえて、そして政府の統一見解として今の御答弁があった、そのように理解をしてよろしいですか。
この発言だけを見る →
村山富市#5
○村山内閣総理大臣 統一見解といいますと少し仰々しくなりますけれども、今までそれぞれ答弁をされてきた、その答弁を整理をして、このとおりにやりますということを申し上げたわけでございます。
この発言だけを見る →
小平忠正#6
○小平委員 なぜ私がこれについて重ねて、かぶせてお聞きするかということは、これは非常に大事なことでありまして、このことがこの委員会で整理をされなければ、この後年末に控える予算編成、このことにもつながってきますし、また、この六年間というスパンの中でこの対策がしっかりと講じられていかなければ、言うならば、国会は、政府は国民に対してうそをついた、こうなります。したがって私は、繰り返してお聞きしたのはその意味においてであります。
 なぜならば、今私どもがこの立場に立って関係者に話をするときに、相手の農民の皆さんは不信感いっぱいで我々を見詰めております。それは与野党関係なしてあります。これは与党の皆さんも同じだと思います。非常に今厳しい大変な立場に置かれている。したがって、ここのところを明確にしておかなければならない。そうしなければ政治の信頼が完全に失われてしまう。私は、政治に信頼がなくなれば、それはもう政治ではございません。言うならば、信頼というものは私は政治の要請だと思います。そういう意味において大事なポイントですから、重ねてお聞きしたのであります。
 したがって、今総理の御答弁の一番最初に、今までの答弁を改めて整理をして御答弁いただけると、そうありました。したがって、政府の統一見解としてよろしいのですねと、こうお聞きしたのです。それでよろしいのですね。
この発言だけを見る →
村山富市#7
○村山内閣総理大臣 先ほど来、ウルグアイ・ラウンド受け入れに対する経過、あるいはまたこの委員会でこれまで御審議をいただきました御審議の状況等も踏まえまして、最終的に整理をして、政府の考えはこうですということを申し上げたのでありまして、そのとおりに御理解を賜りたいと存じます。
この発言だけを見る →
小平忠正#8
○小平委員 いや、私は、そうでなくて、統一見解でいいかとお聞きしているのです。そこは大事なポイントですよ。
この発言だけを見る →
村山富市#9
○村山内閣総理大臣 いや、ですから、私は総理大臣、最高責任者として御答弁申し上げておりますから、そのとおりに御理解をいただければそれで結構ですと。これは政府の答弁だというふうに御理解を賜りたいと思います。
この発言だけを見る →
小平忠正#10
○小平委員 回りくどい言い方はやめてください。これは政府の統一見解だと、そのことがなければ先に進めませんよ。
この発言だけを見る →
村山富市#11
○村山内閣総理大臣 統一見解という言い方が必要であるかどうかということは、これは、そう言えば、統一見解でございますと言っても結構ですけれどもね。これは政府を代表しての答弁ですから、そのように御理解を賜りたいと言っているわけです。
この発言だけを見る →
小平忠正#12
○小平委員 今求められていることは、簡潔に、明快に、一国の最高責任者、総理大臣が、今までの一連の質疑を通じて、このことが、今冒頭総理は言われました、今までの答弁を改めて整理して申し上げると、閣僚の皆さんの今までの御答弁を踏まえて結論として申し上げると。ということは政府の統一見解だと、そのことをはっきりと明言していただきたい。
この発言だけを見る →
村山富市#13
○村山内閣総理大臣 今まで答弁をしてまいりまして、例えば、総理と農林大臣の答弁が食い違っているとか、あるいは閣僚の各答弁が食い違っているとかいう場合に、皆さん方から、はっきり統一見解を求めるという形で統一見解を求められた場合もありますね。そういう場合には、これが政府の統一見解ですと、こういうふうに申し上げておりますけれども、まあ、若干のニュアンスの違いはあったかもしれませんけれども、言っていることにそれほど大きな違いはないわけですから。ただ、いろいろ言い方に若干のニュアンスの違いもあるので、この際整理をしてしっかり答弁をしてほしいと、こういう皆さん方の要望だと思いましたから、これは整理をして政府の見解として申し上げましたと、こう言っているわけですから、そのように御理解をいただきたいと思うんです。
 これをあえて統一見解かと問われれば、政府の統一見解で結構ですと、こういうふうに申し上げます。
この発言だけを見る →
小平忠正#14
○小平委員 これは委員長にも確認いたしますけれども、今、総理が最後に、あえて政府の統一見解だと問われればそうですと言われましたね。ということは、私はこれは政府の統一見解だと、そういうふうに理解してよろしいですか。
 これは、委員長、そのように私は理解していいというふうに、この委員会の委員長としてこのことはどうされますか、それでよろしいですか。
この発言だけを見る →
佐藤孝行#15
○佐藤委員長 総理の最後の、統一見解として理解して結構ですという言葉をそのとおり尊重したいと思います。
この発言だけを見る →
小平忠正#16
○小平委員 それでは、総理が政府を代表して、最高指揮官として、統一見解、そのように確認をいたします。今、委員長もそうありましたので。
 これは皆さん、大事な問題ですよ、このことは。そうしなければ私は前に進めません。これだけでも大変時間をとってしまったんですよ。それでは、そのことを私は信じて、信頼をして、前に進みます。
 さあ、次に外務大臣、一連の質疑を通じて外務大臣はこうおっしゃってきた。外交の継続性、外交の一元化ということですね。それで、河野外務大臣は自民党の総裁でもあられる。そういう中で、この経緯からして、当初は党声明まで出されて反対を表明された。しかし、同僚議員からの質問を受ける中において、外交の継続性等々をおっしゃってこのラウンドを受諾するということを表明されたわけですね。これについて、外務大臣、この継続性ということについて外務大臣からの御意見を、改めていただきたいと思います。
この発言だけを見る →
河野洋平#17
○河野国務大臣 この委員会で何度がお尋ねがございまして、私から何度がお答えをいたしましたが、もう一度申し上げておきたいと思います。
 自由民主党は、昨年十二月に、細川内閣がドゥニ調停案の受諾、受け入れということを言われたときに、当時、我々自由民主党は野党として、それまで長い間与党としてこの問題にかかわり合ってきた経過もございますから……(小平委員「簡潔に」と呼ぶ)お尋ねでございますから整理して申し上げておりますので、若干時間はちょうだいしないと説明ができませんので、よろしくお願いをいたします。
 そこで、ドゥニ調停案受け入れというお話がございましたので、私どもとしては、それは余りに日本の農村、農業に対する打撃は大きいという点を非常に心配をして、こういうことで果たしていいのかという意味の党声明を出したわけです。これはドゥニ調停案の受け入れが果たして適当かという党声明を出したわけです。したがって、議員も党声明をお読みをいただいていると思いますが、その党声明の後半には、全体像がまだ明確でないから全体を評価するわけにはいかないということは書いてあるわけです。そしてその後、四月に最終文書の確定がなされて、署名が行われたという時間的推移があるわけです。
 その後、村山政権に我々も参加をして、そこでいよいよWTO協定を国会に承認をお願いをするという状況になりましたので、これは政府・与党一体となって、厳しい議論の中で農村農業の対策大綱を決め、その大綱に従って六兆百億、今お尋ねのございました六兆百億円の対策費を確定、確認をして、この対策に基づいて改めて自由民主党としては声明を出しまして、そしてこの協定の批准、成立に向けて国会へお願いをしている、こういう経過でございます。
この発言だけを見る →
小平忠正#18
○小平委員 私がお聞きしたいことは、その経緯はもう何度も聞きました。それはわかっています。ただ、外務大臣、同時に自民党総裁というお立場で、外交の継続性だからこれを受け入れた。ということは、本心は反対だけれども、今一転野党から与党になって、しかもその立場にあられる、したがって渋々、本心は反対だけれども仕方がないから外交の継続性で賛成だ、そういう意味ですか。それとも、本心からこれは必要だからラウンドは受諾せんきゃならぬという、そういう意味において賛成、そういうことなんですか。どっちですか。
この発言だけを見る →
河野洋平#19
○河野国務大臣 これも何度がお答えを申し上げました。恐らく小平議員も、日本の農業に対する大きな打撃については心を痛めていらっしゃるに違いないと思います。そういう気持ちを我々は非常に強く持っているわけです。
 しかしながら、そのためには農業農村対策というものをできる限り十分な対策をつくって、その点については農村の皆様方に御理解をいただきたいという気持ちを持ちつつも、世界経済の中でこうした世界の貿易、経済の拡大という未来的な発想を考えれば、これは進めていくべきものだ、トータルに考えれば、これは我が国にとってもよいものであるに違いない、こう確信をして、繰り返しになりますが、農業を初め体質的に問題のある方々には非常に厳しい選択になるが、しかし全体的に考えて、しかも、国際的に百二十五の国と地域の合意があるということを考えれば、外交の継続性あるいは多数国間の約束事という状況を踏まえれば、これは我々は国際信義という意味からも進めていくことが適当だ、こう考えているわけでございます。
この発言だけを見る →
小平忠正#20
○小平委員 大臣の苦しい御答弁、まあよしとしましょう。ただ、できるだけ農業にというようなお話がありましたけれども、それはできるだけじゃなくて最大限するということ、それを私からも強く指摘をさせていただきます。
 そこで、そういうことで受け入れてこれを進めていくならば、今当委員会で一協定七法案、この審議を進めてまいりました。そこで、政府としては、このWTO協定が来年一月一日から発足するためにぜひこの関連七法案も一括して成立をしていただきたい、これが政府の御希望であることは、これはわかります。
 しかし、特にこの七法案の中でも新食糧法、これは御承知のように、八割方がこのラウンドの自由化とは関係ない部分なんですよね。言うならば、この六年間、ミニマムアクセス、これを受け入れるためにはこの新食糧法の確かにこの条文が必要です。この中に含まれている意味が必要です。しかし、残り八割方はWTOには関係ない、言うならば国内の、これからの我が国の大事な基幹産業であるお米、国民にとっても主食であるお米、これを生産者に安心して営農していただくという点、もう一点は消費者に安定供給をするという観点、この点から今新しい法律をつぐろうとしたわけですね。しかしそれは、今申し上げたように、ラウンドとは別な意味があるわけです。
 そうなると、政府が主張するような、WTO協定どこの七法案一括処理がどうしても必要、私はそうは思えないんですが、そこのところは外務省としてはどういうふうに主張されますか、簡潔にお答えいただきます。
この発言だけを見る →
河野洋平#21
○河野国務大臣 条約を締結をして国際的な約束とするためには、その条約が締結後、きちんと我が国が守れるという体制でなければならないと思います。協定だけは批准した、しかしその協定に基づく国内の諸規定というものがまだできておりませんという形で協定が締結されるということは、実は大変不誠実であり、なおかつ、それはあり得ないことだというふうに私どもは思っております。国際的な約束をするならば、その約束に基づいて仕事がきちんとできますという国内的な諸規定は全部一括して整って、そして初めて国際的に約束をするということでなければならぬというのが我々の立場であり、皆様方へのお願いでございます。
この発言だけを見る →
小平忠正#22
○小平委員 外務大臣が今政府の立場、見解というものも言われましたが、私は、そういうふうにした方が外務省としても外交の場で作業はしやすい、これはわかりますよ。しかし、私は、WTO協定を、日時も追っている、そのために、国内法の今新しい法律をつくるのにそこをしっかり審議を尽くして、問題点もすべて解明をして、これなら安心をして国会はこの法律をつくって世に出しますと、その責任があるわけですよね。ですから、そこのところが私は、まだ審議が不十分ならこれをもっと詰めて審議するという、そういう度量も持っていなければいかぬと思うのですよ。そこのところを私は強く指摘をいたしておきます。
 しかし、政府のそういう見解、私とはちょっと考えが違いますけれども、私は、大事なこの法案はもっと審議を尽くしてもいい。しかも、WTOの協定の発足は一月一日だ。しかし、各国間で合意したこの農業協定は、我が国は四月一日からでもよろしいわけですよね。そこにタイムの、時差があるわけですよ。したがって、それは何も問題ない、私はこう思いますけれども、大臣のそういう御見解、それも立場は理解しましょう。じゃ、その上でしっかりと取り組んでいってもらいたい、このように思うわけであります。
 そこでもう一点、今度は大蔵大臣、お聞きいたしますが、今六兆百億円の中身についてはいろいろと質問等ありました。そこで主に農水大臣がお答えになった、まあ所管の大臣ですから。しかし、私は特に大蔵大臣にお伺いしたいことは、この六兆百億円という事業は、先般も私の質問に対して大臣から、この国庫負担の率について約半分だ、このように御答弁ありましたね。そうなっているそうですね。それはそれとして、非公共はそれとしても、特に公共の分野で約半分の言うならば地元負担、受益者負担では、こんな農業状況が厳しい中でだれも新規事業へなんか着手しませんよ。これが、国庫負担が大勢を占める状態でしたら、それは営農改善にあるいは合理化に規模拡大に農民は意欲を持って取り組んでいこうということで、新規事業に着手をしていただきたいということを多くの方が要望しできますよ。しかし、国庫負担率は約半分では、そんな受益者負担の多い状況ではだれもやりませんよ。ということは、これは絵にかいたもちになるんじゃないですか。そうでしょう、絵にかいたもちに。大臣、聞いていていただけますか。
 ですから、財政当局、お金を預かる大蔵省として、今そういう方向で六兆百億円のことはスタートされるそうですけれども、ぜひ国庫負担率をふやしていただきたい。極力受益者負担を減らす方向で持っていっていただきたい。そうしていただければ、私はこの事業が名実ともに動いていくと思うんです。そうしなければ、これは絵そらごとで、空手形に終わってしまう。大臣、そこのところどうですか。
この発言だけを見る →
武村正義#23
○武村国務大臣 国の負担は約半分と、申し上げたとおりでございます。あとが全部受益者負担とおっしゃるのは、あとのかなりの部分は都道府県あるいは市町村が……(小平委員「いや、それも含めて言っているのです、それも含めていわゆる地方負担ですよ」と呼ぶ)そうですね、持っていただいておりますから、本当の意味の農家の負担を受益者負担ととるなら、これはかなり、市町村負担の幅によって多少変化はありますが、小さくなっておるわけであります。やはり新しい時代の新しい農業の道を切り開いていこうということでございますから、私は、私の県でのささやかな経験を振り返りましても、先般もこれをもう丸々一〇〇にしたらどうだという提案もございましたけれども、精いっぱい今の国、県、市町村の負担は負担率としては対応がなされているのではないかというふうに思っております。
 ちょっと私の経験を申し上げますと、市町村が、私の県下にも丸々全額負担をして受益者負担なしのところが二、三ございましたけれども、そういうところと、もう国、県のルールだけで市町村は一切負担しない、二十何%受益者が負担するという町がございましたけれども、むしろ後者の方が生き生きとして、一定の負担をしながらやっていく土地改良区の方が非常に事業もスムーズにいって、むしろ感謝された経験もございまして、一つの例ですよ。だから、このぐらいで私はひとつ御理解をいただきたいと思っております。
この発言だけを見る →
小平忠正#24
○小平委員 大蔵大臣、受益者負担を農民負担だけにすりかえて答弁されましたけれども、地元負担ということは、受益者負担ということは地方自治体、道府県から地方自治体まで含めたことを言っているんですよ。今実態は、例えば私は北海道です。道も、これは県も同じだといいます。道庁、県庁、そういうところがもうあっぷあっぷしているんですよ。それから自治体、市町村長さん方も真剣に訴えておられます。こんなことで市町村にげたを預けられても、こんな今の財政状況ではそんなものはできない、国は何を考えているんだ、そういうことなんですよ。だから、このことは、これからの、予算編成も控えております、今後のこの六年間という、言うならばスパンでやるわけですよね。ぜひこのことは考慮に入れていただきたい。時間がありませんので、もっとこれを詰めたいのですけれども、先に進みます。
 きょうは農水大臣にまだ御質問しておりませんので、もう時間も余りありませんので質問いたしますが、この新食糧法、実は私これ三十数ページ、この九十何条ある新食糧法、一条から、総則から始まって、質問したいことはいっぱいあるんですよ、用意したんです。ところが時間がなくてできませんで、一点、このことをお伺いいたします。
 これは何条でしたか、この中の、いわゆる緊急時への対応というところがございましたね。これは、この中にございますね。これは先般、中央公聴会でも、ちょうどこの席で公述人の花開津さん、東大教授の、その方も指摘されておりました。私もこのことは冒頭から疑問を持っておりました。ということは、この緊急時の対応ということは、言うならば、昨年のようなああいう不作のときを想定をして、お米が不足した場合には消費者に向かって確かに安定供給せんきゃなりません。だって、昨年もああいう緊急の輸入をいたしましたよね。それも政府の、食糧庁の見通しの甘さによって九十八万トン、約百万トンですよ、大幅に輸入超過して、今それが非常にあっぷあっぷしておられる。これは何とかすると言っていますけれども、お手並み拝見ですわ。
 とにかく、そういうことを想定してこの緊急時の対応、これをつくられたんでしょう。これはわかります。消費者に安定的に供給せんきゃならぬという、このことはわかります。しかし、この新食糧法の精神というものは、お米を市場経済にゆだねよう、これが精神でしょう。そうなると、八十二条ですか、この中の条文のところにこういうことがあるのですよ。第二項で、抜粋して言いますと、米穀の生産者が正当な理由がなくその指示に従わなかったときは政府に売り渡すべきことを命ずることができる、こう言っているのですよね。これは命令ですよ、命令。言うならば食管法の精神ですよ。確かに、そういう強権を発動せんきゃ困るということを、昨年のああいう冷害を想定してこういうことをつくられたんでしょう。でも、ならば逆に豊作時、余剰時のときに、では生産者にどう配慮するか。それが欠けているのですよ。
 言うならば、これは当然市場原理からいって、お米が余れば価格は下落しますよね。でも、それが暴落という状況になった場合にはやはり大変なことですよね。そういうことは、価格が暴落すればもう農家経済、混乱することは、これは目に見えていますよね。そこの対応について何ら規定がこの中に入っていないのですよ、この新食糧法。これでは片手落ちじゃないですか。片一方で強制権をもってやるのなら、同時に余剰時に対してもその配慮をすべきことを明記するのが、これが公平な政治というものじゃないですか。大臣、いかがですか。
この発言だけを見る →
大河原太一郎#25
○大河原国務大臣 新食糧法八十条以下、特に今委員御指摘の八十二条、これについての御指摘でございましたが、これは委員の御質問にもございましたように、米穀の供給が著しく不足するということによって国民経済なり国民生活に極めて甚大なる影響を及ぼす、そういう事態に対する対策ということで、順を追って流通業者に対する規制から始まって、流通業者からだんだんにいって最後に生産者に対して一定の約束した計画流通等における基準数量の中で出してくださいと指示する、それに対して従わなかった方に命令でお願いする、そういうことになっておるわけでございまして、異常緊急な事態ということでお願いをしなければならない。従来の食管法において、狂乱物価等の際においても、その管理が国の管理によって行われたということでございます。
 暴落のお話がございましたが、これについてはしばしば申し上げておりますように、需給関係の調節については的確な生産調整の見通しによる全体需給の調整、さらには備蓄の制度の運用によってこれに対処する、そういうことでございまして、備蓄についても基準備蓄数量以外に一定の幅を持たせてそして需給変動に応じるということを考えておるわけでございますし、備蓄の買い入れ価格についても再生産を確保するというような配慮事項が入っております。配慮事項が入っておりまして、その点についての配慮はされておるというふうに私は思います。
この発言だけを見る →
小平忠正#26
○小平委員 時間が来ましたので最後にまとめますが、この新食糧法、一方では強制命令をしておきながら、この法案は七十二ですかの政省令があるのですよ。今後それによって決める、運用面について。ということは、言うならば政府が自由裁量で今後その状況によって方向を決められるというその余地があるわけですね。したがって、これは今後この運用をどうするかによってこの成功がかかっています。したがって、これから議会にも国会にもこのことをしかと相談をしながらこのことは真剣に取り組んでいかなければならない、こう思いますので、大臣、ひとつよろしくお願いいたします。——いや、もう時間がないから結構です。
 それで、最後に総理大臣、今まで質疑を続けてまいりました。したがって、この協定もそうですけれども、関連法案も含めていろいろとまだ解明すべき問題点も多々ございます。しかし大事なことは、国民から見てうそ偽りなく政治の信頼というものをきちんと評価をしていただきながら進めなきゃならぬ。このことはもう論外ですね。したがって、最後に最高指揮官として総理大臣閣下から改めて決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
この発言だけを見る →
村山富市#27
○村山内閣総理大臣 ウルグアイ・ラウンド受け入れ後の日本の農業がどうなるか、そういう点についていろいろな角度から御心配をされる意見をお聞きいたしました。何といってもやはり食糧というのは国民生活にとって大事なものですから、これは農民のためにも国民のためにも、この委員会の御審議も十分踏まえた上で万全の対策をするべく取り組んでいきたいということだけは申し上げておきたいと思います。
この発言だけを見る →
小平忠正#28
○小平委員 終わります。ありがとうございました。
この発言だけを見る →
佐藤孝行#29
○佐藤委員長 小平君の質疑は終了いたしました。
 次に、二田孝治君。
この発言だけを見る →
← 戻る