世界貿易機関設立協定等に関する特別委員会

1994-11-22 衆議院 全282発言

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会議録情報#0
平成六年十一月二十二日(火曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 佐藤 孝行君
   理事 越智 伊平君 理事 川崎 二郎君
   理事 田中 直紀君 理事 中川 昭一君
   理事 小平 忠正君 理事 畑 英次郎君
   理事 日笠 勝之君 理事 伊藤  茂君
   理事 辻  一彦君
      逢沢 一郎君    赤城 徳彦君
      荒井 広幸君    岸本 光造君
      久間 章生君    栗原 博久君
      小杉  隆君    斉藤斗志二君
      塩崎 恭久君    七条  明君
      福田 康夫君    二田 孝治君
      松岡 利勝君    松下 忠洋君
      御法川英文君    山本 有二君
      青山  丘君    井奥 貞雄君
      石破  茂君    今津  寛君
      遠藤 乙彦君    大石 正光君
      金子徳之介君    鴨下 一郎君
      川島  實君    木幡 弘道君
      古賀 正浩君    坂本 剛二君
      鮫島 宗明君    田名部匡省君
      千葉 国男君    仲村 正治君
      平田 米男君    松田 岩夫君
      山本  拓君    若松 謙維君
      秋葉 忠利君    大畠 章宏君
      永井 哲男君    鉢呂 吉雄君
      横光 克彦君    高見 裕一君
      錦織  淳君    前原 誠司君
      藤田 スミ君    松本 善明君
      牧野 聖修君
 出席国務大臣
       外 務 大 臣  河野 洋平君
       文 部 大 臣  与謝野 馨君
       農林水産大臣  大河原太一郎君
       通商産業大臣   橋本龍太郎君
 出席政府委員
       外務省大臣官房外
       務参事官     谷内正太郎君
       外務省アジア局
       長        川島  裕君
       外務省北米局長  時野谷 敦君
       外務省経済局長  原口 幸市君
       外務省経済協力
       局長       平林  博君
       外務省条約局長  折田 正樹君
       大蔵政務次官   萩山 教嚴君
       大蔵省主計局次
       長        中島 義雄君
       大蔵省関税局長  鏡味 徳房君
       文部省初等中等
       教育局長     野崎  弘君
       文化庁次長    林田 英樹君
       厚生省生活衛生
       局長       小林 秀資君
       農林水産大臣官
       房長       高橋 政行君
       農林水産省経済
       局長       東  久雄君
       農林水産省構造
       改善局長     入澤  肇君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     日出 英輔君
       農林水産省畜産
       局長       高木 勇樹君
       農林水産省食品
       流通局長     鈴木 久司君
       食糧庁長官    上野 博史君
       林野庁長官    塚本 隆久君
       通商産業省通商
       政策局長     坂本 吉弘君
       通商産業省機械 
       情報産業局長   渡辺  修君
       通商産業生活
       産業局長     江崎  格君
 委員外の出席者
       自治大臣官房審
       議官       嶋津  昭君
       外務委員会調査
       室長       野村 忠清君
       大蔵委員会調査
       室長       中川 浩扶君
       文部委員会調査
       室長       長谷川善一君
       農林水産委員会
       調査室長     黒木 敏郎君
       商工委員会調査
       室長       石黒 正大君
    —————————————
委員の異動
十一月二十二日
 辞任        補欠選任
  赤城 徳彦君    山本 有二君
  塩崎 恭久君    荒井 広幸君
  井奥 貞雄君    石破  茂君
  川島  實君    大石 正光君
  坂本 剛二君    金子徳之介君
  鮫島 宗明君    鴨下 一郎君
  平田 米男君    若松 謙維君
  吉田  治君    青山  丘君
  和田 貞夫君    大畠 章宏君
  前原 誠司君    高見 裕一君
  遠藤 利明君    牧野 聖修君
同日
 辞任        補欠選任
  荒井 広幸君    塩崎 恭久君
  山本 有二君    赤城 徳彦君
  青山  丘君    吉田  治君
  石破  茂君    井奥 貞雄君
  金子徳之介君    坂本 剛二君
  鴨下 一郎君    鮫島 宗明君
  若松 謙維君    平田 米男君
  大畠 章宏君    和田 貞夫君
  高見 裕一君    前原 誠司君
  牧野 聖修君    遠藤 利明君
    —————————————
十一月二十二日
 ガット・ウルグアイ・ラウンド協定の承認反対に関する請願(岩佐恵美君紹介)(第一〇四〇号)
 同(遠藤登君紹介)(第一〇八一号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一〇八二号)
 同(藤田スミ君紹介)(第一〇八三号)
 同(古堅実吉君紹介)(第一〇八四号)
 同(松本善明君紹介)(第一〇八五号)
 同(佐々木陸海君紹介)(第一一七四号)
 同(志位和夫君紹介)(第一一七五号)
 同(寺前巖君紹介)(第一一七六号)
 同(東中光雄君紹介)(第一一七七号)
 同(不破哲三君紹介)(第一一七八号)
 同(古堅実吉君紹介)(第一一七九号)
 同(正森成二君紹介)(第一一八〇号)
 同(松本善明君紹介)(第一一八一号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第一一八二号)
 同(吉井英勝君紹介)(第一一八三号)
 ガット合意の国会承認反対に関する請願(東中光雄君紹介)(第一〇四一号)
 同(松本善明君紹介)(第一〇四二号)
 食糧自給率の向上、日本農業の発展に関する請願(東中光雄君紹介)(第一〇四三号)
 同(松本善明君紹介)(第一〇四四号)
 食糧自給の安定的確保、食糧管理制度の廃止反対等に関する請願(古堅実吉君紹介)(第一〇八六号)
 同(古堅実吉君紹介)(第一一八四号)
 食糧管理制度廃止反対等に関する請願(松本善明君紹介)(第一〇八七号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の締結について承認を求めるの件(条約第一号)
 著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一一号)
 加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第二一号)
 繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出第二二号)
 農産物価格安定法の一部を改正する法律案(内閣提出第一四号)
 特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)
 関税定率法等の一部を改正する法律案一内閣提出第一六号)
 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律案(内閣提出第一七号)
     ————◇—————
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佐藤孝行#1
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の締結について承認を求めるの件、著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の一部を改正する法律案、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案、繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部を改正する法律案、農産物価格安定法の一部を改正する法律案、特許法等の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案及び主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律案の各案件を一括して議題といたします。
 本日は、農林水産大臣を中心とする集中審議を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岸本光造君。
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岸本光造#2
○岸本委員 きょうは農林の集中審議ということでありますので、特に私はミカン問題と林業問題の二点に絞りまして質問を申し上げたいと思います。
 私は、農業というのは四つの分野から成っておるのではないかな、こういうふうに考えております。と申しますのは、米を中心にした米農業、それからミカンとかカキとかリンゴとかいう果樹農業を中心にした農業、それから野菜とか花とか、いわば蔬菜、花卉園芸と言われております。そういう農業、それからもう一つは酪農、この四つの分野から日本の農業は成っておると思うのですが、この間から特に主食糧品であります米につきましてかなり熱心な論議が行われてきて、ミカンについては余り論議をされておりませんので、この問題できょうは質疑を行いたいと思います。
 ミカンに関しましては、昭和六十三年からオレンジ並びにオレンジ果汁の自由化ということで、平成四年に至るまでの間に段階的に自由化されてきて、今は完全に自由化されておるわけですが、その結果非常に、対策は、当時一千五十億でしたが、果樹関係に配慮をいただいたわけですが、なかなかそれでは追いつかない現場の状態でございまして、今度ウルグアイ・ラウンドの交渉でこれが発効しますと、一律最低一五%、平均の三六%という関税の引き下げが義務づけられてくるわけでございます。
 そうなりますと、ミカンは御存じのように安値が横ばい状態でずうっと続いておるということでありますので、生果も期待できない。あるいは、ジュースはまた後ほど申し上げますが、ジュース工場も全滅に近い状態でとまっておる。ジュース工場なんかは、果汁の自由化がされるまで中南米から入ってきておるわけですが、それまではかなり、まあまあいけるのではないかというふうに見込んでおったのですが、この自由化によりまして、すごい販売競争を一生懸命、死に物狂いで熾烈な販売競争をやる、それから、低コストになるように工場そのものが物すごくリストラをして頑張る。ところが全滅の状態だ。
 だから、いわばミカン産業を取り巻く状況というのは非常に厳しい状態に、生果、ジュースともにあるわけでございまして、その辺、大臣どのように、特に六十三年の自由化の影響をどのようにとらまえられておるか、その辺ちょっとお伺いをしたいと思います。
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大河原太一郎#3
○大河原国務大臣 お答え申し上げますが、ただいま委員の御質疑の中にも既にその影響についてのお話を的確にお示しになっておるところでございまして、平成三年の生果の自由化、オレンジの自由化、一年置いての果汁の自由化、これが我が国のミカン産業に対してそれぞれ厳しい影響をもたらしておることはもう事実でございます。
 生果につきましては、平成三年の自由化でございましたが、それに対応して生産、出荷に対するいろいろな措置、摘果あるいは園地転換、そういうもので備えましたので、自由化後はすぐには比較的需給調整がうまくいきまして、価格もよかったわけでございますが、その後やはり、まあ四年、五年が気象の関係で小玉であったという関係もあるようでございますが、市場価格が下落して、本年はようやく、干ばつの影響がございまして小玉でございますが、糖度が高いとか、あるいは生産、出荷計画が相当うまくいったということで、価格が堅調に推移しているというわけでございますが、全体としての、オレンジ生果の輸入についても影響がある。
 特に厳しいのは、今もお話がございましたような、果汁工場、果汁の部分でございまして、これは一年おくれて自由化されておりましたが、内外価格差が大変大きいという点もございまして、輸入はいわば激増しておる。その結果、加工向けの生果の価格の問題、あるいはそのストックの増大による果汁工場の経営の問題、非常に厳しい情勢が続いておりまして、そういう現状認識を踏んまえて、今後の対策を講じなければ相ならぬというふうに思っております。
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岸本光造#4
○岸本委員 ことしは、今大臣も申されましたけれども、百年ぶりの異常気象でございました。こんな暑い夏はなかったそうでございますけれども、百年ぶりの異常気象で、そのおかげで、果実は小玉ですけれども、糖度が高い、酸味もよく切れているということがありまして、やや高値でありますけれども、これは大臣、百年ぶりの、何というか、突然変異みたいな高値でありますから、これを毎年のミカンの値段だというふうに思ってもらったら困るわけです。
 実際、日裏の小玉の生果なんかは、これは全部ジュース工場へ出すことによって——生果に出すと生果の質全体が下がりますから、生果のレベルを上げるためにどうしてもこれはジュースにして生産調整、需給調整、こういうものをやらなければいかぬと思うのです。それについての見通しが今立たぬような状態だと私は思うのですが、このままで自由化されていきますと、泣きっ面にハチという言葉がありますけれども、ジュースについてはまさに私はそのとおりになると思うのです。だから、このジュースについて、どういうふうにこれから対策を立てられるのか、ちょっとその辺、御意見ありましたらお願いします。
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日出英輔#5
○日出政府委員 先生お話しのように、ミカンの果汁の問題は、生果問題以上に大変大きな問題がございます。
 国民の嗜好といたしますと、温州ミカンの果汁よりもオレンジ果汁の方に徐々に嗜好が向いてきているというような構造的な問題もあるわけではございます。ただ、基本的に言いますれば、ミカン農家の方々は、生果の価格がきちんと維持されて、なおかつ果汁向けの原料にそれなりの価格が保証されるということが望ましいわけでございまして、今般ウルグアイ・ラウンドの果樹対策の中で、そういった対策といたしまして、生果の需給調整対策の創設をいたしております。これは、表向きは生果の需給調整対策でございますが、基本的には果汁の問題、果汁向けの生果の経費を一部補てんすることによりまして、生果の果汁の生産調整にも役立ちますし、果汁対策に大いに役立つ対策を特に一項目入れまして私ども整理をした次第でございます。
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岸本光造#6
○岸本委員 ミカンは、西日本中心に二十五府県。静岡、和歌山、愛媛、大分など主要な産業でございまして、特に日本の冬の風物詩、こたつの上にミカンを置いて一家団らんをするという、そういう日本の伝統的な風物詩、文化を形成するそういう果物でもあったわけでございますけれども、今この果物離れという言葉がよく言われまして、ミカン離れが進んでおります。そんな状態でありますので、抜本的な対策をウルグアイ・ラウンドに向けてやってもらわないと、全滅をしてしまうようなおそれがあると私は考えるわけです。
 そこで、ウルグアイ・ラウンド農業対策の大綱の中に、果樹対策の概要というくだりがあるんですが、果樹対策はリンゴも桃もカキもいろいろあるわけですが、特にこの中で、ミカンについて具体的にどうしていくのか、そういうことがありましたらちょっと、大綱の中の果樹対策の方針みたいなのがありましたけれども、項目が一行か何か載っていましたよね。それちょっと具体的にどんなことか、ミカンについてどんなことか、ちょっと教えていただきたい。
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日出英輔#7
○日出政府委員 ラウンド対策の中で、今先生お話しのミカンの関係でございますが、先ほど申し上げました生果の需給調整対策の創設、これはまさしく温州ミカンの対策でございますが、そのほかに、主として温州ミカンをねらいました対策といたしましては、一つは園地転換対策の実施がございます。これは、過去に五十三年度以降やっておりますが、まだもう少し転換をいたしまして足腰の強い産地をつくっていくということでございます。
 そのほかに、果汁工場の再編対策の問題、それから同じミカンでございますけれども、他の優良品種系統への改植の問題、これは高糖度系のミカンヘかえていくといった対策も盛り込まれているところでございます。
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岸本光造#8
○岸本委員 そこで、加工用原料ミカンについて、これはただでジュース工場へ持っていって、運んでジュースにしてもらうというわけにもいきませんし、ガソリン代と、とる手間賃ぐらいは出してもらわなくてはいかぬ、そういうふうに思うわけでして、この加工用原料ミカンの価格安定対策についてはどのように考えているのか、それをちょっと教えていただきたい。
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日出英輔#9
○日出政府委員 今般、先ほど申し上げましたように果実の緊急需給調整対策といたしまして行いますものは、特に価格低落の主因となりますおそれの強い特定規格、小さなものS、あるいは3Lの少し大きいもの、こういうものが加工に仕向けられましたときに、選別でありますとか輸送等の掛かり増し経費等を生産団体に助成したいということで、今そういった中身の検討をいたしているところでございます。
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岸本光造#10
○岸本委員 それは必ず実現をしてもらうように、特に原料用ミカンを粗末にしないで、需給調整のこれは大きな柱になりますので、生果に対する需給調整の柱になりますので、その辺は配慮をいただきたいと思います。
 ミカン離れという言葉が言われ出してから久しいわけですが、今でもしかし、高品質なおいしいミカンは、これは新鮮でありますし、安全でありますし、非常に食べやすいという、皮をむいたらすぐ食べられるわけです、衛生的でもありますし。そういう意味では果物の王様であるというふうに、私はミカンというのは果物の王様だと今でもそう思っておりますけれども、これがことしは大体百五十万トンぐらい、需給調整も農林水産省の方でいろいろ検討いただいて、需給調整、摘果などやっていただいてかなりカットされたわけですが、百四十万トンぐらいことしもやはりそれでも不作の大凶作の年でありながらなっておるだろうというふうに私は思います。正確な数字ではありませんからよくわかりませんけれども。
 しかし、これは考えてみますと、年々の累計を見てみますとミカンの生果の出回る総量は大体百万トンぐらいにするのが全国適正規模でないかな、私は、こういうふうにかねがね申し上げて、機会あるたびに主張しておるわけですが、この百万トン体制をつくるために園地の転換などをこれは一遍やってもらう必要がある。六十三年に一回それはやってもらっておるのですが、さらにこれをやっていただく必要があるのではないか。
 で、園地の転換といいましても、一番初めには、先ほど大臣も申されましたが、優良品種、高品質な産品を生産する系統への転換というのがありますけれども、それは、木を切りかえたり、いい品種のものを入れかえるということになるわけですが、特に和歌山とか愛媛とか、段々畑でミカンを、いわゆる中山間地域ですね、そういうところでミカンをつくっておるというのがありますから、こういうところでは、傾斜地でありまして、条件不利地域とでもいいますか、そういうところでやっておりますので、こういうものの克服ですね、土地改良、これをやっぱりやってもらう必要があるだろう。
 それから、米の場合は圃場整備というような形で大規模な園地の変革がされたわけですけれども、ミカンは、愛媛や和歌山など段々畑が非常に多いわけですから、大々的な生産基盤の調整ということがなかなか進んでいない。こういう現実でありますので、その辺を踏まえて、木と土の両面から、木はミカンの木でございます、土は土づくりや土壌の改良や園地の転換など、そういうことも含めて総合的な対策が園転の場合は必要ではないか。
 特に、広いカリフォルニアみたいな平野でミカンつくっているわけでありませんから、労働集約型ミカン農業でありますので、その辺の全体的な配慮、これもいただいて、私は、やっぱり全体で百万トン体制がつくれるようにしてもらうということが物すごく重要ではないか。やっぱり日本の冬の風物詩、果物の王様ミカンをつくる農家の立場にも立ってそういう政策が必要ではないか。
 特に園地の転換について、今申し上げたようなことを含めて答弁をいただきたいと思います。
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日出英輔#11
○日出政府委員 ただいま先生がお述べになりましたように、ミカンの場合の目標数字、私どもの方も大体百四十万トン前後と実は置いておるわけでございます。平成六年産につきまして、生産出荷安定指針を発動いたしまして摘果等をいたしたわけでございますが、この目標もまあ百四十万トンの目標で、生果を約百万トンというふうにいたしておるわけでございます。
 いずれにしましても、果樹は永年性作物でございまして、長期的な視点に立ちました計画的な生産誘導を行う必要があります。そういう意味で、今先生お話しのように、園地転換を進めていかなきゃいかぬというような考え方に立っているわけでございます。
 適地適産の考え方を基本にいたしまして、他の果実あるいは他作物への転換等を緊急にこれからも実施してまいりたいというふうに思っている次第でございます。
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岸本光造#12
○岸本委員 今の局長の話だと、全体で百四十万トンというふうに言われたのかな。私は、生果で大体百万トンにしなくちゃいかぬ。そうしたら、四十万トンというのは加工用ということに理解していいんですかな。そういうことになりますと、これはもうジュース工場は全滅になりますよ、今の答弁だと。これはだめですよ。どうですか。
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日出英輔#13
○日出政府委員 先生御案内のとおり、大体百四十万トン前後でございますが、その中の約二割程度が果汁向けということになるわけでございます。そういたしますと、その差がございます。この間の数字は、大体おおむね一割程度が通常自家用、自家需要用とか、あるいは減耗といいましょうか、そういったものでございますので、私ども、ことしの出荷安定指針の中でも、今申し上げたように、百四十万トンの生産目標の中で、生食用の出荷量百万トン、それから加工用の出荷量二十四万トンということでございまして、そのアローアンス部分は、今申し上げましたように、自家消費用に充てるとか、減耗に当たるとか、そういう部分でございます。
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岸本光造#14
○岸本委員 局長のお話、よくわかりましたけれども、なかなかそうはうまいこといかぬのですよね、現実は。天候にもまずこれは左右されます。ことしなんか、ミカンがこういうふうな高値になるとはだれも予想しなかった。ところが、夏のああいう異変によって高値で推移している。そういう非常にうれしい悲鳴でございます。
 そういうことで、ともかく私がいろいろ申し上げましたように大変厳しい状態であって、しかもこのミカン産業、ミカン農家というのは西日本を中心にして二十五府県、かなり大きな範囲にわたってこれで生活し、おいしいミカンを食料品として供給してきておるわけで、今後、これはウルグアイ・ラウンド後の温州ミカン、これからも生果も入ってくるでしょうし、ジュースはもっともっと入ってくるでしょうし、そのときに、二十五府県のミカン農家は全部死んでしまえ、ミカン産業は全部死んでしまえ、こういうことになるのかどうか、瀬戸際に私はおると思うので、特段の手厚い政策を展開してもらわないと食料品の一部がなくなってしまうということになりますから、その辺、ウルグアイ・ラウンド以降のミカン対策について、大臣から一遍、その感じているところ、決意などを聞かせていただきたい、こう思いますので、お願いいたします。
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大河原太一郎#15
○大河原国務大臣 お答えを申し上げます。
 委員の段々の御質問の中にも、問題なり対策の方向が指摘され、提案されておるわけでございますけれども、温州ミカンは我が国の果樹農業の柱の一つであることはもう申し上げるまでもございませんし、殊に西日本を中心とした中山間地域なんかにおける重要な果樹であることは確かでございまして、その動向というのが我が国の果樹産業に大きく響くものであるというふうにも思っておるところでございます。
 それで、お話しのように、生産の面においても、やはり急傾斜地だというような制約ですね、機械化がおくれる、あるいは担い手の労働が高齢化するという問題も抱えておられますし、それから消費の面でも、消費者の果樹に対する消費が多様化しておりまして、一品で大きな量の供給が消化されるということはなかなかに難しくなっているというような需給関係もございます。
 そういうこともございまして、そういう厳しい情勢を、特にジュース問題については、輸入品の増加によって価格が非常に影響を受けておる。そういう厳しい状況を前提として、この我が国の温州ミカンのミカン産業を、加工を含めたミカン産業を、これはやはり振興を図らなければならないということは確かでございまして、今、園地転換の重点的実施についての御提案がございましたが、園地については、園地の整備あるいは規模の拡大というようなことで機械化という問題も進めなければならないし、あるいは適切な、計画的な出荷安定、これをさらに強めて需給と価格の安定を図らなければならないし、また消費の拡大あるいは輸出というような面についても一層の力を入れなければ相ならぬということで、総合的にミカン産業の振興に努めていくというのが我々どもの考えでございます。
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岸本光造#16
○岸本委員 次に林業の話なのですが、日本人は木食い虫というふうに世界の人々から言われているそうです。何で木食い虫と聞いてみたら、木を食うていると言うのですね。つまり、外材を盛んに輸入して、世界じゅうの山を裸にしておる、地球砂漠化、環境破壊の張本人である、木を食うて生きている国民であると。それで、調べてみましたら、木材の自給率はわずか二四%しかない。あとの七六%は諸外国から、特に開発途上国から輸入をしている。そういう意味で、地球環境破壊、環境の問題、しょっちゅう言われているわけですが、その辺を指摘されているのだ、私はこう思います。
 そういう状態で、国内の林が、森林、林業などなど林にかかわる問題が、非常にもう産業としても崩壊しつつあるし、森林としても管理をする人間がいなくなってきているという大変ピンチな状態になっておるように思います。この辺、今のままでいくと一体どうなるのか、現状と林業を取り巻く状況について若干コンパクトに御説明いただけませんか。
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塚本隆久#17
○塚本政府委員 我が国の木材自給率でございますが、今お話にございましたように、木材輸入の増大によりまして逐次低下をいたしまして、現在二四%という状況になってございます。
 このような中で、さらに今後、ガット・ウルグアイ・ラウンド合意によって林産物の関税が引き下げられた場合に、外材の輸入圧力が増大いたしまして、国内の林業あるいは木材産業に対する影響が心配されておるわけでございます。我が国には現在一千万ヘクタールを超える人工林がございまして、これが逐次成長しているわけでございますが、こうした資源を有効活用していくということが我々に課せられた大きな課題であるというふうに思っております。
 しかし、やはり安い外材が入ってくるということや、あるいは林業労働力が高齢化、減少しているということ等々いろいろな理由がございまして、なかなか国内の生産力を回復するという状況には至っていないわけでございますが、今後私どもといたしましては、流域を単位といたしまして、上下流が一体となり、あるいは国有林、民有林が一体となりまして、流域林業の振興あるいは森林の整備、こういったものを図ってまいる、こういうことで現在鋭意努力をいたしておるところでございます。
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岸本光造#18
○岸本委員 なかなか大変だろうと思うのですが、これは、森林がこのままでいくと、後継者がいなくなっておりますから、今は、和歌山県の後継者というか働いておる林業関係の平均年齢は五十八・九歳、もう六十歳の人が中心ぐらいで林業に従事している、こういう現実でございまして、これが後十年たったときに、後継者がいなくなって山をお守りする人がおらぬようになる、こういうことになりますと、山は荒れほうだいということになります。山が荒れほうだいになりますと、風水害、国土保全というようなこともままならぬようになるのではないか。
 そういう危険性もあるし、特にそのためには、林業に従事する人たちが、働いてよかった、金もうけができる、こんな状態になればそれは一番いいわけですが、和歌山県の龍神村という村があります。物すごく大きな村、大阪市と同じぐらいの面積の山の村ですが、そこで従業員を募集をした、二億円生涯賃金を差し上げますということで。そうしたら、毎年五人ずつ採るのですが、五十人ほどの応募があって、魅力がある、金もうけができるということになれば若手がここへ入ってくるわけですね。そうやって林業の後継者が育ってくる。だからつまり、あなたたちは将来賃金が保障されていますよ、これで御飯が食べられますよということになれば、これはこれで成り立つわけです。そういう一つの例が和歌山県の龍神村というところにあるのです。
 だから、そんなことも含めて、飯が食えるような林業をどう展開するのか。それがひいては国土の保全にもつながっていくということになりますから。しかしこれ、ウルグアイ・ラウンドになってまた外材がぎょうさん入ってくるということになりますと、それこそこれはまたぺしゃんこになるのではないか、そういう危機感を持つわけですが、ウルグアイ・ラウンド以降の林業をめぐる諸対策、これはどんなものか、答弁願います。
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塚本隆久#19
○塚本政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、今後さらに安い外材の輸入が増加されることによりまして、国内林業あるいは木材産業、大変厳しい状況に立たされることが予想されるわけでございますが、私ども、川上から川下まで一体としてとらえまして、外材に対抗し得るような生産、加工、流通対策を確立していかなければならないということで、平成七年度の予算要求でも必要な対策についてお願いをいたしておるところでございます。先生のお話にもございましたように、林業従事者の減少という一番大きな問題がございますし、また木材価格が低迷しているということも林業の経営を非常に困難にしている状況でございますので、こういった我が国の林業の活性化をどうやって図っていくかということが極めて大きな課題であると認識をいたしております。
 現在我が国の森林は、人工林を中心として成熟化の道をたどっているわけでありまして、これを何とか国内の木材産業の素材として利用するということを確立する中で、森林・林業の活性化を目指してまいりたい、このように考えておるところでございます。
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岸本光造#20
○岸本委員 頑張ってください。終わります。
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佐藤孝行#21
○佐藤委員長 岸本君の質疑は終了いたしました。
 次に、栗原博久君。
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栗原博久#22
○栗原(博)委員 新潟二区の栗原博久ですが、よろしくお願いします。
 私は、このWTO委員会の委員に選んでいただきまして、感謝申し上げます。昨年の暮れに実は、米の自由化というものの、どうしてもやはり国内の米を守らねばならぬというような趣旨で、国会の前で断食、座り込みまでいたしまして抵抗をいたしたわけでありますが、本委員会でこのような問題に絡んで委員の立場で発言をさせていただきますと、何かこう胸に詰まるものがございます。
 私どもの日本の国は、やはり高度経済成長に伴いまして食生活が充実してまいったと思うのです。それによって食事も多様化し、そしてまたやはり肉類を食べますから、当然、畜産農家というものが規模拡大し、国家の経済成長と国民の食糧のニーズに合わせて、実は畜産農家が大きな負債をこうむっておる。これはまた農業の米にも言えることだと思うのであります。でありますから、今日の農業問題というものが我が国の経済の成長のひずみの中にあるということをまず明記させていただきたいと思うのであります。
 その中で、諸先生がいろいろ質問されましたので、私は農業の負債の問題について実はお聞きしたいと思うのですが、何か、農家の全体の借金は七兆円ほどあると伺っております。そのうち農業構造改善、要するに基盤整備等に絡みます問題につきまして、現在その利子を含めて四兆円ほどあると伺っているわけでありますが、今回のウルグアイ・ラウンドの対応の中で、私ども、私も農林水産委員会等でも強く今まで求めてまいったわけでありますが、この負債整理を何とかしていただきたいと。こうして米の一部自由化というに同じミニマムアクセスの問題ですが、国家の外交的な約束事によって農民が犠牲をこうむるわけですから、当然それはやはり国家の責任のもとにおいて処理をしてもらわねばならぬということを絶えず訴え続けてまいったわけであります。
 そういう中で今回のウルグアイ・ラウンドの対策を見ますと、土地改良の負担金の軽減の問題、これにちょっと絞って御質問したいと思うのですが、約二千六百億円の金を用意してあるというように伺っております。あるいはまた低利の融資ということで自作農維持資金とか、あるいはまた農家の負担の軽減支援の特別資金の創設とか、貸付金利が二・五%、大変ありがたい金利でありますが、果たして金利を安くしたから農家がお金を借りるかとなると、これはまた別問題。私は、この国の対策の中で、例えば融資事業として七千七百億円を計上しておりますが、果たしてこの七千七百億円が消化されるかどうかという一つの疑問も持っておるわけであります。
 と申しますのは、土地改良の事業を今日までいろいろなされてきました。しかし私は、やはりこの土地改良事業というものは、見ますると、どうも土地改良事業に対して農民の方は関心が薄れつつあるのじゃなかろうかという実は疑問を持っております。あるいはまた、土地改良をやりましても、その施設の維持管理に対してもう大変な困難を伴っている、困難性がある。それは、やはり水管理の問題ですが。農家が米はとてもつくれぬということで遠い方に売り渡しをしたり、あるいはまた都市近郊の、一反売ったら一億も入るような人が安いところの土地を買って、その土地を実際部落の人たちと仲よく維持できないという状況にも実際あるわけであります。
 また、当然、土地改良事業は農地の集団化を目指しているわけですが、果たしてこの農地の集団化がうまくいっているだろうかということなどを考えまして、大変私は、今後農家の方から、本当に心から喜んで土地改良事業を要求されるかとなるとなかなか難しい。その前にやるべきことは、まず今農家の皆さんが抱えています土地改良の約四兆円に余る、これを何とか軽減してもらわねばならぬということを絶えず御要望をしてまいったわけであります。
 そういう中で、我が国の金利のレートを見ますと、公定歩合は今一・七五%です。平成二年には六%ですから、大変その後安くなったと思うのですが、問題は、平成二年前後に財政投融資によって借りました金利が約八%に及ぶ、その金利に基づく、現在、土地改良の償還を迫られている地域がたくさんあるわけであります。
 この中で、私は絶えずお願いしたことは、こういうやはり高い金利の部分を何とか今のレベルに落としてほしいということを申し上げてまいったわけでありますが、それに対して、やはり財政投融資というものの特殊性からいって、預貯金の方々の金利を守るためになかなか難しいと。今、農協の系統単独でも四・五%で貸すところがあるわけでありますから、そういう中で、私はやはり金利を、農家の皆さんは金利の問題です。孫子に借金はもうつくりたくない。
 今こういうウルグアイ・ラウンドの中における農業の厳しい状況にあって、自分だけは農業するけれども、私と同じ年代、ちょうど私のころは新潟県で百万トン増産運動をやっておりまして、私も農業をしようということで地元の農学部へ入ったわけでありますが、私が卒業するころ生産調整が始まった。しかし、あのころ私どもの同級生はたくさんの方々が農業をしております。しかし、今自分の子供に絶対農業させないというのが大半である。それは、そのためにもう一つは子供に借金を残したくないということでまた苦しみを負っているわけです。
 こういう中で、今回のこのウルグアイ・ラウンド対応の中で、私は、農林省がどのような形でこの土地改良の軽減、特に今まで返済の平準化ということでなかなか御苦労されまして、三万円以上の償還については、その分についての三〇%を後生の方に送ろうということで、当面の返済を猶予していただくような形になっておるわけであります。ところが、先送りしましても、先送りされるとこれは孫にも及ぶということで、農家の方、目をぱちっと開いたら、いやいや、借金の返済はちょこっとおさまっても、これは孫の代までいく、こういうことで、今回のウルグアイ・ラウンドの対応の中でどのようにお考えいただいたかということを、ひとつ御答弁お願いしたいと思います。
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大河原太一郎#23
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。
 土地改良事業は従来も活発に行われておりまして、栗原委員の負担金問題の御指摘でございますが、実情については認識全く一致しております。
 土地改良事業の負担金問題につきましては、従来もこの事業費が地元なり農家の意向というものを十分参酌しないで非常に高い事業費になったことがその後の負担金の重さを加えるという意味で、適正水準にするとか、あるいは国営事業の償還方法をいろいろ考えるとか、今お話にも出ました年償還額が十アール当たり三万円以上というような場合には、その三万円を超える一定部分については繰り延べをして、それについて措置するとか、あるいは負担そのものについても地方財政の方で、地方団体が負担をする場合の十分負担できる財源措置として地方財政措置をお願いしているとか、それから圃場整備事業等非常に構造改善上重要なものについての補助率を若干かさ上げするとか、それぞれ各般の面で負担についての軽減には努めておるところでございますが、このたびの対策等については、農地の集積を非常にやろうとしているようなところについては償還金利が三分五厘までになるような措置を講ずるとか、また、米その他、今度の自由化品目につきましては、従来の自由化品目についての対策と同様に、やはり償還額が三万円以上という通常の原則から、一万円以上の場合についてその償還の平準化をし、金利を措置する等、いろいろな措置を今回も講じようとしておるところでございます。
 なお、具体的な点については的確な説明が必要かと思いますので、構造改善局長から答弁させます。
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入澤肇#24
○入澤政府委員 今大臣からるる御説明がありましたけれども、全体として四兆円の借金を抱えております。元本が二兆五千億円、それから金利分が一兆五千億円、こういうふうな状況でございますので、今回、何としても利子の軽減に踏み切らなくちゃいかぬということで、その一定の条件がある場合には三分五厘まで利子補給をするということでその対策を講じたわけでございます。これによりまして、一兆五千億円の金利は約二千億円軽減されます。個々の農家で見ますと、大体その一割程度償還金が減るということになっております。
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栗原博久#25
○栗原(博)委員 私は、この六年間で事業認定をされたものについて、要するにこの平準化ですか、されたものについて、金利が三・五以上のものを安くするということ、大変これはありがたいことだと思うんです。しかし、もう少し欲張ってお願いするならば、この三割分、償還金の三割分、中山間地では四割分までと言っているらしいんですが、これをもっと拡大できないものか。現在、今入澤局長さんのお話を承りますと、全体融資の返済分の約一割が安くなると。これは、今後十年から十五年間に安くなることだと思うんですが、そしてもう一つは、財政的な、ウルグアイ・ラウンドの間六年間において認定されたものと言われておるようですが、この運用を、やはり土地改良区によってはまだ認識の足りない方もおられると思います。これは周知徹底されて、早くやはりこの対象になるようにお取り計らいをいただきたい。それによってやはり農家の方の負担が軽減されるわけでございますから、ぜひひとつお願いしたいと思います。
 もう一つは、今私どもやはり農村におきまして、こうして国も対応をしていただいておるわけでありますが、やはり土地改良についても維持費というものもかかるわけであります。地方財政措置によって土地改良区のやはり事務員等の補助というものもあるやに伺っておりますが、問題は、やはり水系別に土地改良区等の合併をこれは図っていただきたい、図るように指導いただきたいと思うのです。やはり、一つの農家が幾つもの土地改良区にまたがっておったり、あるいはまた土地改良区によっては、理事者等が肩書が欲しいというわけじゃないと思うんですが、なかなか合併を拒んでいるところもある。これはすべて農家の負担になるわけでありますから、私は、まず、農業者も身を切る、農業団体も身を切っでこのような経費の軽減を図れるように、ぜひひとつ全力を尽くして政府は当たっていただきたいということを要望申し上げたいと思います。
 さて、そういう中で、こういうふうにウルグアイ・ラウンドの対応によって農村は大変これから困難の時代を迎えます。私どもの新潟県、とりわけ私どもの方は繊維産業が多いわけでありまして、新潟県の全産業の約二〇%が繊維でございます。五泉市とかあるいはまた栃尾市、見附市、加茂市周辺等におきまして、特に米を基盤とするところに繊維産業が成り立っておる。全国的に見ましても、例えば福井県は三〇%でございますが、京都は昔から西陣織であるから伝統あることで多いと思うのですが、大体米か、あるいはまた先ほど岸本議員もお話しされましたが、ああいうふうにミカン産地の農業に依存している、そういうところに繊維が多いわけです。
 そうしますと、今繊維の中で問題になっていることは、昨日の夕刊にも載っておりましたが、私もきのう通産省の通商課長からもお越し願ってお話ししたのですが、「繊維製品に緊急輸入制限」ということで、今まで発動したことのなかったMFAを発動する状況も考える。この前の金曜日ですか、通産大臣も、我が国はMFAについてはやはり発動する意思もあるというような確固たる声明もあったわけであります。
 私どものこういう地域の歴史を見ますと、かって日米の繊維交渉の中で、今は亡き田中角栄先生が、私ども地元の繊維業者に、構造改善をしなきゃならぬ、要するに質の充実したのに転換するようにということで、大分日米繊維交渉に基づく中で地元の業者に対する手厚いものの指導があった、融資もあった、補助もあった。しかしながら、業者の皆さんは、田中角栄先生の助言に反しながら現状は規模拡大をしてしまった。それで実は私どもの地域の繊維業者が大変な状況になってしまいました。
 こういって外国からどんどん入ってくる。特に中国からはもう入ってまいっておるわけですから、特に絹織物関係については、既存の業者は恐らく一割しか残っていないだろう。特に大きな機屋さんは、中には入水自殺したり、首をつったりということで、もう大変な状況にかつてはなったわけであります。そして、こうして今回の繊維問題が放置されてまいった。
 ところが、米がこういって農家の不安定さ、要するにこういう絹の織物とかニット関係の下請は、みんな農家のお母さんたちが安い単価で仕事をしてまいったわけです。今度米がこう不安定になりますと、そう簡単に繊維の下請をしていられないということになってくる。そうすると、なおさら繊維問題について厳しい経営の対応が迫られてくると思うのです。そこに中国とかあるいはまた東南アジア等から安いものが入ってくる。我が国の現在の輸入構成を見ますと、大半がもう外国の品物であります。こういう中で日本の織物をどのようにして守るかということだと思うのであります。
 例えば、倒産をすれば人に迷惑をかける。廃業をしたいけれども、廃業をするにしても、じゃ廃業したら何をするかという、そういうものの指針がないわけです。そうしますと、当然、構造政策の中で、じゃ融資をしてと。金を借りても、もう金は要らない、要するに売る先が欲しいということ。売る先が欲しい、つくって売りたいんだという、このものに対して私はやはり強力な国の施策というものが必要だと思うのですが、昨日のこの毎日新聞の夕刊を見ますと、円高の進展に対応して、この問題をひとつ真剣に橋本通産大臣が取り上げるというようなことを言っておるわけであります。これについて、ひとつ御見解をお聞きしたいと思うのです。
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江崎格#26
○江崎政府委員 委員御指摘のように、今日本の繊維産業、輸入品が大変な勢いで入ってきておりまして、大変厳しい情勢にあるわけでございます。こうした情勢を受けまして、この五月に繊維産業審議会の通商問題小委員会というところで、今御指摘の繊維のセーフガード措置の発動の問題につきまして御議論をいただきまして、提言をいただきました。この提言に沿いまして、このたびこのセーフガード措置の発動についてのルールを決めたわけでございます。
 この措置は国際的な取り決めで認められた措置でございまして、今まで国内的な取り扱いについて十分明確でなかったという点がございましたので、今回の手続の制定によりまして、この措置にかかわる運用手続等の明確化を図ることにしたわけでございます。これによりまして、必要に応じてセーフガード措置をとれるような体制を整えたということでございます。
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栗原博久#27
○栗原(博)委員 もう少し具体的に教えてください。具体的に。
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江崎格#28
○江崎政府委員 どういう場合に今申し上げたセーフガード措置を発動するかという条件でございますけれども、これも先ほど御紹介した通商問題小委員会の提言に沿っているわけでございますが、私どもとしては、二つの要素を総合的に勘案することにしております。一つが技術的な判断要素、もう一つが政策的な判断要素でございます。
 技術的な判断要素と申しますのは、輸入の増加の実態、例えば輸入の伸び率ですとかあるいは輸入の浸透率、こういったもの、あるいは国内産業の損害の程度、こうしたものが技術的な判断要素でございます。
 それから政策的な判断要素と申しますのは、セーフガード措置の実施によりましてどのようなメリットがあるのか、どのようなデメリットがあるのかということで、メリットといたしましては、例えば構造改善をこのセーフガード措置によって進めることができるかどうかとか、あるいは急激な雇用問題の発生を回避できるかどうかといったような点、あるいは、輸入を制限することでございますから、消費者への不利益がないかどうかとか、それから相手の国との間で極端な通商問題が生じないかどうかといったようなことでございますが、この二つの、技術的な判断要素と政策的な判断要素を総合的に判断してセーフガード措置の発動の可否を決めるということでございます。
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栗原博久#29
○栗原(博)委員 新聞によりますと来春にも発動というふうな記事が載っておるわけですが、この点についてひとつお聞きします。
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