世界貿易機関設立協定等に関する特別委員会
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会
会議録情報#0
平成六年十一月二十四日(木曜日)
午前十時二分開議
出席委員
委員長 佐藤 孝行君
理事 越智 伊平君 理事 川崎 二郎君
理事 田中 直紀君 理事 中川 昭一君
理事 小平 忠正君 理事 畑 英次郎君
理事 日笠 勝之君 理事 伊藤 茂君
理事 辻 一彦君
逢沢 一郎君 赤城 徳彦君
片岡 武司君 金田 英行君
岸本 光造君 久間 章生君
栗原 博久君 小杉 隆君
塩崎 恭久君 七条 明君
福田 康夫君 二田 孝治君
松下 忠洋君 御法川英文君
井奥 貞雄君 石田 美栄君
今津 寛君 遠藤 乙彦君
大石 正光君 川島 實君
木幡 弘道君 古賀 正浩君
坂本 剛二君 鮫島 宗明君
田名部匡省君 千葉 国男君
仲村 正治君 平田 米男君
松田 岩夫君 山本 拓君
吉田 治君 秋葉 忠利君
佐々木秀典君 永井 哲男君
鉢呂 吉雄君 横光 克彦君
和田 貞夫君 錦織 淳君
前原 誠司君 藤田 スミ君
松本 善明君 遠藤 利明君
出席国務大臣
外 務 大 臣 河野 洋平君
文 部 大 臣 与謝野 馨君
厚 生 大 臣 井出 正一君
農林水産大臣 大河原太一郎君
通商産業大臣 橋本龍太郎君
労 働 大 臣 浜本 万三君
国 務 大 臣
(経済企画庁長
官) 高村 正彦君
国 務 大 臣
(環境庁長官) 宮下 創平君
出席政府委員
公正取引委員会
委員長 小粥 正巳君
公正取引委員会
事務局経済部長 塩田 薫範君
公正取引委員会
事務局取引部長 大熊まさよ君
経済企画庁調整
局長 吉川 淳君
経済企画庁物価
局長 谷 弘一君
経済企画庁総合
計画局長 土志田征一君
経済企画庁調査
局長 大来 洋一君
環境庁長官官房
長 大西 孝夫君
環境庁企画調整
局長 石坂 匡身君
環境庁大気保全
局長 大澤 進君
外務政務次官 柳沢 伯夫君
外務大臣官房外
務参事官 谷内正太郎君
外務省総合外交
政策局長 柳井 俊二君
外務省総合外交
政策局国際社会
協力部長 高野幸二郎君
外務省総合外交
政策局軍備管
理・科学審議官 林 暘君
外務省アジア局
長 川島 裕君
外務省北米局長 時野谷 敦君
外務省経済局長 原口 幸市君
外務省経済協力
局長 平林 博君
外務省条約局長 折田 正樹君
大蔵政務次官 萩山 教嚴君
大蔵省関税局長 鏡味 徳房君
大蔵省証券局長 日高 壮平君
大蔵省銀行局長 西村 吉正君
大蔵省国際金融
局長 加藤 隆俊君
文部省高等教育
局長 吉田 茂君
文化庁次長 林田 英樹君
厚生省生活衛生
局長 小林 秀資君
農林水産大臣官
房長 高橋 政行君
農林水産省経済
局長 東 久雄君
農林水産省構造
改善局長 入澤 肇君
農林水産省農蚕
園芸局長 日出 英輔君
農林水産省畜産
局長 高木 勇樹君
食糧庁長官 上野 博史君
通商産業省通商
政策局長 坂本 吉弘君
通商産業省産業
政策局長 堤 富男君
通商産業省環境
立地局長 齊藤 眞人君
通商産業省機械
情報産業局長 渡辺 修君
特許庁長官 高島 章君
特許庁特許技監 油木 肇君
特許庁総務部長 森本 修君
中小企業庁長官 中田 哲雄君
中小企業庁次長 鈴木 孝男君
労働省職業安定
局長 征矢 紀臣君
委員外の出席者
外務委員会調査
室長 野村 忠清君
大蔵委員会調査
室長 中川 浩扶君
文教委員会調査
室長 長谷川善一君
農林水産委員会
調査室長 黒木 敏郎君
商工委員会調査
室長 石黒 正大君
―――――――――――――
委員の異動
十一月二十四日
辞任 補欠選任
松岡 利勝君 金田 英行君
大石 正光君 川島 實君
吉田 治君 石田 美栄君
鉢呂 吉雄君 佐々木秀典君
同日
辞任 補欠選任
金田 英行君 松岡 利勝君
石田 美栄君 吉田 治君
川島 實君 大石 正光君
佐々木秀典君 鉢呂 吉雄君
―――――――――――――
十一月二十四日
ガット・ウルグアイ・ラウンド協定の承認反対
に関する請願(岩佐恵美君紹介)(第一二六八
号)
同(穀田恵二君紹介)(第一二六九号)
同(不破哲三君紹介)(第一二七〇号)
同(岩佐恵美君紹介)(第一三二三号)
同(古堅実吉君紹介)(第一三二四号)
同(不破哲三君紹介)(第一四九〇号)
同(古堅実吉君紹介)(第一四九一号)
同(山原健二郎君紹介)(第一四九二号)
同(岩佐恵美君紹介)(第一六二三号)
同(佐々木陸海君紹介)(第一六二四号)
同(志位和夫君紹介)(第一六二五号)
同(嶋崎譲君紹介)(第一六二六号)
同(中島武敏君紹介)(第一六二七号)
同(藤田スミ君紹介)(第六二八号)
同(古堅実吉君紹介)(第一六二九号)
同(松本善明君紹介)(第一六三〇号)
同(矢島恒夫君紹介)(第一六三一号)
同(山原健二郎君紹介)(第一六三二号)
同(吉井英勝君紹介)(第一六三三号)
ガット合意の国会承認反対に関する請願(岡崎
宏美君紹介)(第一三四三号)
同(岡崎宏美君紹介)(第一四九三号)
食糧自給率の向上、日本農業の発展に関する請
願(岡崎宏美君紹介)(第一三四四号)
同(岡崎宏美君紹介)(第一四九四号)
ガット農業合意の国会承認反対等に関する請願
外七件(山元勉君紹介)(第一四八九号)
食糧管理制度改革等に関する請願(逢沢一郎君
紹介)(第一六二二号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
十一月二十四日
ガット農業合意批准反対に関する陳情書外五十
四件
(第一九三号)
米の輸入自由化阻止及び日本の食糧・農業の堅
持に関する陳情書外二十八件
(第一九四号)
ガット農業合意の国会批准反対及び農業振興施
策の確立に関する陳情書外十七件
(第一九五号)
食糧自給・食管対策・水田農業確立に関する陳
情書外十件
(第一九六号)
ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意の受け
入れに伴う農林業施策の拡充・強化に関する陳
情書外一件
(第一九七号)
米・乳製品等のガット農業合意の国会批准反対
及び日本農業の再建に関する陳情書外十四件
(第一九八号)
は本委員会に参考送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の締結
について承認を求めるの件(条約第一号)
著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作
権法の特例に関する法律の一部を改正する法律
案(内閣提出第一一号)
加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を
改正する法律案(内閣提出第一二号)
繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団
法の一部を改正する法律案(内閣提出第一三号
)
農産物価格安定法の一部を改正する法律案(内
閣提出第一四号)
特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出第
一五号)
関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
出第一六号)
主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律案
(内閣提出第一七号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前十時二分開議
出席委員
委員長 佐藤 孝行君
理事 越智 伊平君 理事 川崎 二郎君
理事 田中 直紀君 理事 中川 昭一君
理事 小平 忠正君 理事 畑 英次郎君
理事 日笠 勝之君 理事 伊藤 茂君
理事 辻 一彦君
逢沢 一郎君 赤城 徳彦君
片岡 武司君 金田 英行君
岸本 光造君 久間 章生君
栗原 博久君 小杉 隆君
塩崎 恭久君 七条 明君
福田 康夫君 二田 孝治君
松下 忠洋君 御法川英文君
井奥 貞雄君 石田 美栄君
今津 寛君 遠藤 乙彦君
大石 正光君 川島 實君
木幡 弘道君 古賀 正浩君
坂本 剛二君 鮫島 宗明君
田名部匡省君 千葉 国男君
仲村 正治君 平田 米男君
松田 岩夫君 山本 拓君
吉田 治君 秋葉 忠利君
佐々木秀典君 永井 哲男君
鉢呂 吉雄君 横光 克彦君
和田 貞夫君 錦織 淳君
前原 誠司君 藤田 スミ君
松本 善明君 遠藤 利明君
出席国務大臣
外 務 大 臣 河野 洋平君
文 部 大 臣 与謝野 馨君
厚 生 大 臣 井出 正一君
農林水産大臣 大河原太一郎君
通商産業大臣 橋本龍太郎君
労 働 大 臣 浜本 万三君
国 務 大 臣
(経済企画庁長
官) 高村 正彦君
国 務 大 臣
(環境庁長官) 宮下 創平君
出席政府委員
公正取引委員会
委員長 小粥 正巳君
公正取引委員会
事務局経済部長 塩田 薫範君
公正取引委員会
事務局取引部長 大熊まさよ君
経済企画庁調整
局長 吉川 淳君
経済企画庁物価
局長 谷 弘一君
経済企画庁総合
計画局長 土志田征一君
経済企画庁調査
局長 大来 洋一君
環境庁長官官房
長 大西 孝夫君
環境庁企画調整
局長 石坂 匡身君
環境庁大気保全
局長 大澤 進君
外務政務次官 柳沢 伯夫君
外務大臣官房外
務参事官 谷内正太郎君
外務省総合外交
政策局長 柳井 俊二君
外務省総合外交
政策局国際社会
協力部長 高野幸二郎君
外務省総合外交
政策局軍備管
理・科学審議官 林 暘君
外務省アジア局
長 川島 裕君
外務省北米局長 時野谷 敦君
外務省経済局長 原口 幸市君
外務省経済協力
局長 平林 博君
外務省条約局長 折田 正樹君
大蔵政務次官 萩山 教嚴君
大蔵省関税局長 鏡味 徳房君
大蔵省証券局長 日高 壮平君
大蔵省銀行局長 西村 吉正君
大蔵省国際金融
局長 加藤 隆俊君
文部省高等教育
局長 吉田 茂君
文化庁次長 林田 英樹君
厚生省生活衛生
局長 小林 秀資君
農林水産大臣官
房長 高橋 政行君
農林水産省経済
局長 東 久雄君
農林水産省構造
改善局長 入澤 肇君
農林水産省農蚕
園芸局長 日出 英輔君
農林水産省畜産
局長 高木 勇樹君
食糧庁長官 上野 博史君
通商産業省通商
政策局長 坂本 吉弘君
通商産業省産業
政策局長 堤 富男君
通商産業省環境
立地局長 齊藤 眞人君
通商産業省機械
情報産業局長 渡辺 修君
特許庁長官 高島 章君
特許庁特許技監 油木 肇君
特許庁総務部長 森本 修君
中小企業庁長官 中田 哲雄君
中小企業庁次長 鈴木 孝男君
労働省職業安定
局長 征矢 紀臣君
委員外の出席者
外務委員会調査
室長 野村 忠清君
大蔵委員会調査
室長 中川 浩扶君
文教委員会調査
室長 長谷川善一君
農林水産委員会
調査室長 黒木 敏郎君
商工委員会調査
室長 石黒 正大君
―――――――――――――
委員の異動
十一月二十四日
辞任 補欠選任
松岡 利勝君 金田 英行君
大石 正光君 川島 實君
吉田 治君 石田 美栄君
鉢呂 吉雄君 佐々木秀典君
同日
辞任 補欠選任
金田 英行君 松岡 利勝君
石田 美栄君 吉田 治君
川島 實君 大石 正光君
佐々木秀典君 鉢呂 吉雄君
―――――――――――――
十一月二十四日
ガット・ウルグアイ・ラウンド協定の承認反対
に関する請願(岩佐恵美君紹介)(第一二六八
号)
同(穀田恵二君紹介)(第一二六九号)
同(不破哲三君紹介)(第一二七〇号)
同(岩佐恵美君紹介)(第一三二三号)
同(古堅実吉君紹介)(第一三二四号)
同(不破哲三君紹介)(第一四九〇号)
同(古堅実吉君紹介)(第一四九一号)
同(山原健二郎君紹介)(第一四九二号)
同(岩佐恵美君紹介)(第一六二三号)
同(佐々木陸海君紹介)(第一六二四号)
同(志位和夫君紹介)(第一六二五号)
同(嶋崎譲君紹介)(第一六二六号)
同(中島武敏君紹介)(第一六二七号)
同(藤田スミ君紹介)(第六二八号)
同(古堅実吉君紹介)(第一六二九号)
同(松本善明君紹介)(第一六三〇号)
同(矢島恒夫君紹介)(第一六三一号)
同(山原健二郎君紹介)(第一六三二号)
同(吉井英勝君紹介)(第一六三三号)
ガット合意の国会承認反対に関する請願(岡崎
宏美君紹介)(第一三四三号)
同(岡崎宏美君紹介)(第一四九三号)
食糧自給率の向上、日本農業の発展に関する請
願(岡崎宏美君紹介)(第一三四四号)
同(岡崎宏美君紹介)(第一四九四号)
ガット農業合意の国会承認反対等に関する請願
外七件(山元勉君紹介)(第一四八九号)
食糧管理制度改革等に関する請願(逢沢一郎君
紹介)(第一六二二号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
十一月二十四日
ガット農業合意批准反対に関する陳情書外五十
四件
(第一九三号)
米の輸入自由化阻止及び日本の食糧・農業の堅
持に関する陳情書外二十八件
(第一九四号)
ガット農業合意の国会批准反対及び農業振興施
策の確立に関する陳情書外十七件
(第一九五号)
食糧自給・食管対策・水田農業確立に関する陳
情書外十件
(第一九六号)
ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意の受け
入れに伴う農林業施策の拡充・強化に関する陳
情書外一件
(第一九七号)
米・乳製品等のガット農業合意の国会批准反対
及び日本農業の再建に関する陳情書外十四件
(第一九八号)
は本委員会に参考送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の締結
について承認を求めるの件(条約第一号)
著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作
権法の特例に関する法律の一部を改正する法律
案(内閣提出第一一号)
加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を
改正する法律案(内閣提出第一二号)
繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団
法の一部を改正する法律案(内閣提出第一三号
)
農産物価格安定法の一部を改正する法律案(内
閣提出第一四号)
特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出第
一五号)
関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
出第一六号)
主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律案
(内閣提出第一七号)
――――◇―――――
佐
佐藤孝行#1
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の締結について承認を求めるの件、著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の一部を改正する法律案、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案、繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部を改正する法律案、農産物価格安定法の一部を改正する法律案、特許法等の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案及び主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律案の各案件を一括して議題といたします。
本日は、外務大臣、通商産業大臣及び文部大臣を中心とする集中審議を行います。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小杉隆君。
この発言だけを見る →世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の締結について承認を求めるの件、著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の一部を改正する法律案、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案、繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部を改正する法律案、農産物価格安定法の一部を改正する法律案、特許法等の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案及び主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律案の各案件を一括して議題といたします。
本日は、外務大臣、通商産業大臣及び文部大臣を中心とする集中審議を行います。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小杉隆君。
小
小杉隆#2
○小杉委員 小杉でございます。きょうは、時間が制約されておりますので、私は、主として貿易と環境、知的所有権、さらには経済制裁、その三点に絞って質問をしたいと思います。
このWTOの協議につきましては、七年有半に及ぶ長期間、しかも先進国、途上国、大変な利害を乗り越えて合意に達した。それに至る各歴代政府並びに交渉担当者の御労苦に、私は大いな敬意を表したいと思います。
ただ、この協定の中で今後の大きな一つの議論の対象となるのが、環境と貿易との調和という問題であろうと思います。
具体的な例を申し上げますが、一九九〇年、アメリカは、メキシコの漁民が大量のキハダマグロを捕獲する際にイルカを混獲してしまう、こういうことを理由としてメキシコのキハダマグロの輸入を禁止する、こういう措置をとったんですね。これに対してメキシコは、これはガット違反じゃないかということで提訴をしたんです。そしてガットの方は、これはガット違反であるという裁定を下したわけであります。
そこで、現在幾つかの環境保護のための条約があるわけですね。一つは絶滅のおそれのある野生生物を保護するワシントン条約、それからフロンガスを規制するモントリオール議定書、それから有害廃棄物を制限するバーゼル条約の三条約であります。ガットは自由貿易ということをうたっているわけですが、その中でも特に、自由貿易であるけれども、例えば自分の国の住民が輸入した農産物の中に有害物質が含まれていればそれを拒否することができる、こういうふうに、自国内のことについてはそういう例外的に貿易制限をするということが認められているわけです。
ただ、ここで問題になるのは、ガットの加盟国であって国際条約に入っていない、そういうワシントン条約とかモントリオール議定書、バーゼル条約の非締約国であるという場合に、これはガットとしては、ガットに入っている者がそういう不当な扱いを受けた場合にはこれは最恵国待遇に反する、こういうことになるわけですね。こういう場合にはどういう措置をとるんでしょうか。ちょっと専門的になるんであれかな。
この発言だけを見る →このWTOの協議につきましては、七年有半に及ぶ長期間、しかも先進国、途上国、大変な利害を乗り越えて合意に達した。それに至る各歴代政府並びに交渉担当者の御労苦に、私は大いな敬意を表したいと思います。
ただ、この協定の中で今後の大きな一つの議論の対象となるのが、環境と貿易との調和という問題であろうと思います。
具体的な例を申し上げますが、一九九〇年、アメリカは、メキシコの漁民が大量のキハダマグロを捕獲する際にイルカを混獲してしまう、こういうことを理由としてメキシコのキハダマグロの輸入を禁止する、こういう措置をとったんですね。これに対してメキシコは、これはガット違反じゃないかということで提訴をしたんです。そしてガットの方は、これはガット違反であるという裁定を下したわけであります。
そこで、現在幾つかの環境保護のための条約があるわけですね。一つは絶滅のおそれのある野生生物を保護するワシントン条約、それからフロンガスを規制するモントリオール議定書、それから有害廃棄物を制限するバーゼル条約の三条約であります。ガットは自由貿易ということをうたっているわけですが、その中でも特に、自由貿易であるけれども、例えば自分の国の住民が輸入した農産物の中に有害物質が含まれていればそれを拒否することができる、こういうふうに、自国内のことについてはそういう例外的に貿易制限をするということが認められているわけです。
ただ、ここで問題になるのは、ガットの加盟国であって国際条約に入っていない、そういうワシントン条約とかモントリオール議定書、バーゼル条約の非締約国であるという場合に、これはガットとしては、ガットに入っている者がそういう不当な扱いを受けた場合にはこれは最恵国待遇に反する、こういうことになるわけですね。こういう場合にはどういう措置をとるんでしょうか。ちょっと専門的になるんであれかな。
坂
坂本吉弘#3
○坂本(吉)政府委員 ただいま委員御指摘のケースでございますが、例えばワシントン条約におきましては、この条約の加盟国からの輸入は禁止できるんですけれども、非加盟国からのものは、条約上はできるけれども、ガットのただいまの二十条に照らして考えますと、この点は貿易制限はできないということに相なります。したがいまして、例えば貿易制限を受けた国から提訴が行われましてパネルが設置されますと、ただいまのガットのもとでは、この貿易制限は正当化されないということになるわけでございます。
この発言だけを見る →小
小杉隆#4
○小杉委員 そこが私は、最近環境問題に対する意識が非常に高まってきたことと、環境問題は自分の国の中だけの問題ではなくて、国際的な関連といいますか、非常にグローバルになってきているわけでありますから、従来のガットの判断だけで十分律し切れるかどうかというのは非常に問題だと思うのです。今後、貿易政策と環境政策というものをどうやって調和させていくか、これは非常に大きなこれからの課題だと思うんですね。
これについて、通産大臣は環境問題にも非常に関心持っておられるんですが、通商政策と環境政策の調和という点についての基本的な考え方を聞かしていただきたいと思うのです。
この発言だけを見る →これについて、通産大臣は環境問題にも非常に関心持っておられるんですが、通商政策と環境政策の調和という点についての基本的な考え方を聞かしていただきたいと思うのです。
橋
橋本龍太郎#5
○橋本国務大臣 これはもう委員が既に御承知でありますけれども、さきのマラケシュ会合におきまして、貿易と環境に関する決定が採択された中で、WTOにおきまして貿易と環境に関する委員会が設立をされることになっております。このテーマは、環境問題に関する世界的な関心の高まりの中での議論でありまして、貿易の分野におきましては、ウルグアイ・ラウンド後の重要課題の一つとして、WTOだけではなく、OECDでも検討の進められている内容であります。我々としては、この両面に、調和に対して十分な配慮をしながら、積極的にその議論に参画していきたいと考えております。
ただ、そこで一つ私どもが考えなければなりません点は、その貿易と環境の議論をいたします際に、先進国と途上国の環境基準の差というものが競争力の格差を生むという議論の組み立て方の中で、ややもすると保護主義的な議論に陥りがちな面がございます。これは、確かに理論的には、守るべき環境基準が違えば当該基準遵守という点においてのコストの差が出るということはあり得るわけでありますけれども、実際果たしてそれが国際競争上、先進国に対して不利益を与えるほど大きなものになるかというならば、これは少々の間がございます。率直に申し上げて、私は必ずしもそうしたケースばかりではないと思います。
これが、低い環境基準というものが国際競争力に有利に働くという議論、これも保護主義を正当化しかねないものでありまして、我々としては、環境と貿易という点で議論をいたしますときに、この点には特にやはり注意をしていく必要がある、そのような気持ちでおるところであります。
この発言だけを見る →ただ、そこで一つ私どもが考えなければなりません点は、その貿易と環境の議論をいたします際に、先進国と途上国の環境基準の差というものが競争力の格差を生むという議論の組み立て方の中で、ややもすると保護主義的な議論に陥りがちな面がございます。これは、確かに理論的には、守るべき環境基準が違えば当該基準遵守という点においてのコストの差が出るということはあり得るわけでありますけれども、実際果たしてそれが国際競争上、先進国に対して不利益を与えるほど大きなものになるかというならば、これは少々の間がございます。率直に申し上げて、私は必ずしもそうしたケースばかりではないと思います。
これが、低い環境基準というものが国際競争力に有利に働くという議論、これも保護主義を正当化しかねないものでありまして、我々としては、環境と貿易という点で議論をいたしますときに、この点には特にやはり注意をしていく必要がある、そのような気持ちでおるところであります。
小
小杉隆#6
○小杉委員 今お話がありましたように、こうした問題は今後多発すると思うんですね。
例えば今ドイツでは、包装材についても、外国から輸入をする場合に包装材にいろいろリサイクルのことを義務づけているわけですね。そういうものをやってないところから輸入はもうしない、こういうようなことを言い出しておりますし、また、北欧諸国はガソリンに対して課税をする環境税というようなことをやっておりまして、今後、環境問題がグローバルになればなるほど、そういう今までの概念では律し切れない問題がいっぱい頻発してくると思うのですね。
そこで、一応WTOの中に環境と貿易に関する委員会というものが設置されることになったという、今大臣のおっしゃったとおりであります。これについては私も、一昨年の十一月でしたか、私が総裁をやっている世界の議員連盟、GLOBE、これは橋本大臣もメンバーですけれども、この代表のヨーロッパとアメリカの議員とともにジュネーブを訪れまして、国連特使のアガ・カーン氏の調停によって、インドとかブラジル、エジプト、ジンバブエのガットの交渉担当者と面談をしまして、今後、こういう環境と貿易との関係を論議するための委員会を創設すべきだということを強く迫ったのですが、そのとき途上国側は頑として、時期尚早である、こういうことで反対を受けたのです。最終的には、ことしの四月のマラケシュの閣僚会議で設置が決まったということですが、議論はこれからだと思うのですね。
そこで、私はこれからの、環境と貿易に関する、このWTOの中に設置される委員会、これの構成メンバーというのは非常に大事だと思うのです。今までガットの関係者は、貿易の専門家は非常に多いのですけれども、環境に関しては必ずしも専門家ばかりではない。したがって、私は、やはり日本政府としても、今後この委員会にどんどん人を送っていく場合に、やはり環境の専門家も大いに出していくべきだ。環境庁長官としては、そういうことに対してどういう気持ちでしょうか。
この発言だけを見る →例えば今ドイツでは、包装材についても、外国から輸入をする場合に包装材にいろいろリサイクルのことを義務づけているわけですね。そういうものをやってないところから輸入はもうしない、こういうようなことを言い出しておりますし、また、北欧諸国はガソリンに対して課税をする環境税というようなことをやっておりまして、今後、環境問題がグローバルになればなるほど、そういう今までの概念では律し切れない問題がいっぱい頻発してくると思うのですね。
そこで、一応WTOの中に環境と貿易に関する委員会というものが設置されることになったという、今大臣のおっしゃったとおりであります。これについては私も、一昨年の十一月でしたか、私が総裁をやっている世界の議員連盟、GLOBE、これは橋本大臣もメンバーですけれども、この代表のヨーロッパとアメリカの議員とともにジュネーブを訪れまして、国連特使のアガ・カーン氏の調停によって、インドとかブラジル、エジプト、ジンバブエのガットの交渉担当者と面談をしまして、今後、こういう環境と貿易との関係を論議するための委員会を創設すべきだということを強く迫ったのですが、そのとき途上国側は頑として、時期尚早である、こういうことで反対を受けたのです。最終的には、ことしの四月のマラケシュの閣僚会議で設置が決まったということですが、議論はこれからだと思うのですね。
そこで、私はこれからの、環境と貿易に関する、このWTOの中に設置される委員会、これの構成メンバーというのは非常に大事だと思うのです。今までガットの関係者は、貿易の専門家は非常に多いのですけれども、環境に関しては必ずしも専門家ばかりではない。したがって、私は、やはり日本政府としても、今後この委員会にどんどん人を送っていく場合に、やはり環境の専門家も大いに出していくべきだ。環境庁長官としては、そういうことに対してどういう気持ちでしょうか。
宮
宮下創平#7
○宮下国務大臣 今御指摘のように、貿易と環境の問題というのは大変密接な関係がございまして、リオのアジェンダ21でも相互支援的といいますか、ミューチュアルサポーティブということを言っておりますね。
そういう意味で、貿易政策と環境政策を両立させるといいますか、統合させるといいますか、そういうことはそれぞれの政策の主体性においてきちっとした調整を要すべきものだと思います。それにはやはり、環境行政というのはそうした専門家、人材確保が重要でございますから、私どもとしても、このWTOの中の貿易と環境に関する委員会には相当な関心と熱意を示してこれから議論に参画していきたい、かように思っております。
この発言だけを見る →そういう意味で、貿易政策と環境政策を両立させるといいますか、統合させるといいますか、そういうことはそれぞれの政策の主体性においてきちっとした調整を要すべきものだと思います。それにはやはり、環境行政というのはそうした専門家、人材確保が重要でございますから、私どもとしても、このWTOの中の貿易と環境に関する委員会には相当な関心と熱意を示してこれから議論に参画していきたい、かように思っております。
小
小杉隆#8
○小杉委員 さらにこれに関連して、NGOの関与についても伺いたいと思います。
先ごろ、日本海にロシアの海軍の潜水艦が核廃棄物を投棄した問題が国際的に非常に大きな問題になりました。これの発端をつくったのがいわゆるグリーンピースであります。このように、最近、環境問題に関するNGOの役割というのは非常に大きくなってきております。この前のブラジルでの地球サミットにおきましても、つい先ごろのカイロにおける人口の会議におきましても、NGOの参加というのが非常に多くなってきているわけですけれども、このWTOで今後、こういう国際的な貿易と環境に関連しての紛争が多発した場合に、環境NGOなどの民間のそういう専門知識、環境の知識を大いに活用すべきだという意見が強くなっております。
ところが、一方において、余り民間団体が直接国際機関で口を挟むべきではなくて、各国政府を通じて意見を反映させていくべきだというような意見もあります。しかし、私は、環境NGOのそういった国際的な活動がどんどんふえていく、しかも政府ではいろいろと力の限界もある、そういうことから考えますと、NGOの関与についてもう少し積極的に考えていいんじゃないかと思いますが、外務大臣並びに環境庁長官、お話を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →先ごろ、日本海にロシアの海軍の潜水艦が核廃棄物を投棄した問題が国際的に非常に大きな問題になりました。これの発端をつくったのがいわゆるグリーンピースであります。このように、最近、環境問題に関するNGOの役割というのは非常に大きくなってきております。この前のブラジルでの地球サミットにおきましても、つい先ごろのカイロにおける人口の会議におきましても、NGOの参加というのが非常に多くなってきているわけですけれども、このWTOで今後、こういう国際的な貿易と環境に関連しての紛争が多発した場合に、環境NGOなどの民間のそういう専門知識、環境の知識を大いに活用すべきだという意見が強くなっております。
ところが、一方において、余り民間団体が直接国際機関で口を挟むべきではなくて、各国政府を通じて意見を反映させていくべきだというような意見もあります。しかし、私は、環境NGOのそういった国際的な活動がどんどんふえていく、しかも政府ではいろいろと力の限界もある、そういうことから考えますと、NGOの関与についてもう少し積極的に考えていいんじゃないかと思いますが、外務大臣並びに環境庁長官、お話を伺いたいと思います。
河
河野洋平#9
○河野国務大臣 小委員会でさまざまな団体であるとか個人であるとかの意見を聞く、あるいは意見を聞く必要があるという場合があると思いますね。そういうときにその小委員会においては、WTOの協定上、小委員会はいかなる個人または団体に対しても情報及び技術上の助言の提供を要請できる、こういうことになっているようであります。
これは、小委員会の判断によって必要に応じてNGOの意見も聞くことができる、こういうふうに我々理解をしているところでありまして、委員御指摘のとおり、まさに必要に応じて、政府ではなかなか情報収集が十分でないというようなことがあれば、その都度、小委員会の判断によって個人または団体の意見を聞くということは適切であろうと思います。
この発言だけを見る →これは、小委員会の判断によって必要に応じてNGOの意見も聞くことができる、こういうふうに我々理解をしているところでありまして、委員御指摘のとおり、まさに必要に応じて、政府ではなかなか情報収集が十分でないというようなことがあれば、その都度、小委員会の判断によって個人または団体の意見を聞くということは適切であろうと思います。
宮
宮下創平#10
○宮下国務大臣 環境問題とNGOとの関係は、世界的に見ますと委員御指摘のとおりでございまして、我が国の場合は非常にNGOの規模も小さいし、数も少ないと思うのですね。しかし、国際的に見ると非常に大きな広がりを見せつつありまして、今委員御指摘のように、リオでは二万四千人集まった、それからカイロの人口会議でも相当の数のNGOがプレ会議をやるというようなことで、影響力を与えていることは事実です。私どもも、国内政策としてNGOを健全に育てていく、そしてその意見を環境政策に反映していくことは、国民一人一人が環境問題に関心を持つために大変必要なことだとは思っております。
しかし、今委員の御指摘なのは、WTOの中の貿易と環境に関する委員会にその意見を反映するなりなんなり組み込んだらどうかというようにも受け取られますが、これは国際社会の機構の運営の問題でございますから、実質的に健全なNGOの意見であれば、専門家の派遣等を通じて、やはりそれはある程度政府レベルで私は反映できるんじゃないかなという率直な個人的な感じを持ちました。いずれにいたしましても、そういうことが非常に重要なことであることは間違いございません。
この発言だけを見る →しかし、今委員の御指摘なのは、WTOの中の貿易と環境に関する委員会にその意見を反映するなりなんなり組み込んだらどうかというようにも受け取られますが、これは国際社会の機構の運営の問題でございますから、実質的に健全なNGOの意見であれば、専門家の派遣等を通じて、やはりそれはある程度政府レベルで私は反映できるんじゃないかなという率直な個人的な感じを持ちました。いずれにいたしましても、そういうことが非常に重要なことであることは間違いございません。
小
小杉隆#11
○小杉委員 これからWTOの中にそうした委員会ができるときにNGOの意向というものを反映させるという面では、両大臣とも認められたわけです。その仕組みについては若干議論があると思いますが、いずれにしても、私は、これからの国内の政治においてもあるいは国際政治においても、こういった健全なNGOの意見というものはどうやって取り入れていくかという工夫を大いにやっていくべきだと思っております。WTOの委員会の中にも恐らく小委員会とか部会とかいろいろな組織もできると思いますから、直接本会議に出るとかそういうことじゃなくて、どういう形にせよ参画できる、意見が反映できるというシステムをつくるということで努力を願いたいと思います。
それでは次に、何といいますか、エコダンピング、ちょっと聞きなれない言葉ですけれども、エコダンピングとエコ保護主義について、特にこれは、先ほど大臣から触れられたように、どうしても環境と貿易問題で一番頭の痛いのは先進国対途上国の対立なんですね。先進国に言わせますと、開発途上国は非常に環境基準が甘い、そして環境保全のためのコストを払っていない、そういうところで国際的な価格競争力をどんどん持って、どんどんダンピングみたいな形で輸出をするじゃないか、こういうことでありますね。それから、途上国から言わせますと、さっき通産大臣が懸念をされたように、先進国はとかく環境に名をかりた偽装された貿易制限というものをやりがちである。要するに、エコ保護主義、エコプロテクショニズムというようなことを言っているわけですけれども。
そうすると結局、私もこの間ジュネーブでインドとかブラジル、エジプト、ジンバブエの政府代表と会ったときにも、非常に抵抗するわけですね。そこで三時間にわたって激論を交わしたのですが、とかく途上国の方はそういうことですべて先進国の責任論をぶつけてくるわけです。もしそういう環境問題をやるというならば、先進国は責任として資金を出せ、あるいは技術をよこせ、こういうことですね。それから先進国の方では、このエコダンピングに対して貿易制限とか輸入課徴金を課そう、両方にそういう傾向が出てくると思うのですね。こういう姿勢について通産大臣、どう考え、また日本としてどうすべきか、お考えがあったら伺いたいと思います。
この発言だけを見る →それでは次に、何といいますか、エコダンピング、ちょっと聞きなれない言葉ですけれども、エコダンピングとエコ保護主義について、特にこれは、先ほど大臣から触れられたように、どうしても環境と貿易問題で一番頭の痛いのは先進国対途上国の対立なんですね。先進国に言わせますと、開発途上国は非常に環境基準が甘い、そして環境保全のためのコストを払っていない、そういうところで国際的な価格競争力をどんどん持って、どんどんダンピングみたいな形で輸出をするじゃないか、こういうことでありますね。それから、途上国から言わせますと、さっき通産大臣が懸念をされたように、先進国はとかく環境に名をかりた偽装された貿易制限というものをやりがちである。要するに、エコ保護主義、エコプロテクショニズムというようなことを言っているわけですけれども。
そうすると結局、私もこの間ジュネーブでインドとかブラジル、エジプト、ジンバブエの政府代表と会ったときにも、非常に抵抗するわけですね。そこで三時間にわたって激論を交わしたのですが、とかく途上国の方はそういうことですべて先進国の責任論をぶつけてくるわけです。もしそういう環境問題をやるというならば、先進国は責任として資金を出せ、あるいは技術をよこせ、こういうことですね。それから先進国の方では、このエコダンピングに対して貿易制限とか輸入課徴金を課そう、両方にそういう傾向が出てくると思うのですね。こういう姿勢について通産大臣、どう考え、また日本としてどうすべきか、お考えがあったら伺いたいと思います。
橋
橋本龍太郎#12
○橋本国務大臣 たまたま先般のAPEC、インドネシアの総会の際に、インドネシアの経済界の方々にお話を申し上げる機会がありました。私は、今委員が環境問題から議論をされましたが、実は先進国がよく取り上げます偽装された保護主義に転化しやすいテーマとして、労働の問題がございます。低賃金労働あるいは婦女子の労働といったとらえ方の問題がございます。そして、それはそれなりに理のあるところではありますが、同時に、それを強調することは途上国の産業をつぶしてしまう危険性のあるテーマでもあります。
ちょうど私は、ジャカルタでインドネシアの経済人の方々にお話をいたします際に、昭和四十年代前半、日本が公害に非常に苦しみ、これを解決するために四十年代の半ばにわざわざ環境庁というその先端の役所をつくってこれに取り組んだ。二十年たった後に、これを費用対効果の面で分析をした。そして、非生産的経費でありながら経済成長にマイナスを起こさなかったのみならず、むしろ新たな産業の育成、創造というものにもこれはつながった。そして、それを翌年の環境白書でなお追跡調査をし、企業行動にこれがどう反映したかを分析した。我々は、かつて非常に苦しんだその体験を、いわばマイナスの情報として各国に提供する用意がある。そして、それを解決するためにどのような努力を払い、それがどういう結果を生んだかということについても情報提供の用意がある。我々は、日本がかつて繰り返した失敗をこの地球上において他の民族が繰り返すことを決して好まないという趣旨のお話を申し上げました。非常に素直に聞いていただき、そうした面からの協力というものに期待する声をいただきました。たまたまこれはジャカルタの経験でありますが、他の地域でも私は同じような体験をいたしております。
日本は、むしろ積極的に意思疎通を途上国との間に図りながら、これは資金ももちろん必要でありましょう、しかし資金だけではなく、技術協力を含め、あるいは制度を含め、かつてのお互いの経験の中から学んでいただくための失敗の情報も含めて提供していくことにより、こうした問題の解決に相当な役割を果たし得る、そのように考えております。
この発言だけを見る →ちょうど私は、ジャカルタでインドネシアの経済人の方々にお話をいたします際に、昭和四十年代前半、日本が公害に非常に苦しみ、これを解決するために四十年代の半ばにわざわざ環境庁というその先端の役所をつくってこれに取り組んだ。二十年たった後に、これを費用対効果の面で分析をした。そして、非生産的経費でありながら経済成長にマイナスを起こさなかったのみならず、むしろ新たな産業の育成、創造というものにもこれはつながった。そして、それを翌年の環境白書でなお追跡調査をし、企業行動にこれがどう反映したかを分析した。我々は、かつて非常に苦しんだその体験を、いわばマイナスの情報として各国に提供する用意がある。そして、それを解決するためにどのような努力を払い、それがどういう結果を生んだかということについても情報提供の用意がある。我々は、日本がかつて繰り返した失敗をこの地球上において他の民族が繰り返すことを決して好まないという趣旨のお話を申し上げました。非常に素直に聞いていただき、そうした面からの協力というものに期待する声をいただきました。たまたまこれはジャカルタの経験でありますが、他の地域でも私は同じような体験をいたしております。
日本は、むしろ積極的に意思疎通を途上国との間に図りながら、これは資金ももちろん必要でありましょう、しかし資金だけではなく、技術協力を含め、あるいは制度を含め、かつてのお互いの経験の中から学んでいただくための失敗の情報も含めて提供していくことにより、こうした問題の解決に相当な役割を果たし得る、そのように考えております。
小
宮
宮下創平#14
○宮下国務大臣 まず第一に、我が国のたどった歴史を振り返りながら、今通産大臣のおっしゃられたように、この我が国の経験を、開発途上国等に経験や技術を与えていくということが必要でございますが、しかし一義的には、その開発途上国における環境基準をきちっと定め、それを中央政府なり地方政府なりまた事業主体なりが守ることができるようにならなければなりません。
そのためには、日本としてなし得ることは、そういう環境基準の設定やその実行等について、技術者を派遣するなりいろいろセンターをつくるなりノウハウを与えるなり、それは精力的にやはりやった方がいいと思います。現に、中国とかインドネシアとかタイあたりには環境センターを、これはODAの予算の範囲内でやっておりますけれども、同時に環境庁として特に力を入れておるのは、人材の派遣、それから研修生を受け入れたりする、あるいは機材を供与する等のセット的な技術援助をやっておるわけでございまして、こうした点等々を通じて大いにひとつ環境の啓蒙に努めていきたい、こう思っております。
この発言だけを見る →そのためには、日本としてなし得ることは、そういう環境基準の設定やその実行等について、技術者を派遣するなりいろいろセンターをつくるなりノウハウを与えるなり、それは精力的にやはりやった方がいいと思います。現に、中国とかインドネシアとかタイあたりには環境センターを、これはODAの予算の範囲内でやっておりますけれども、同時に環境庁として特に力を入れておるのは、人材の派遣、それから研修生を受け入れたりする、あるいは機材を供与する等のセット的な技術援助をやっておるわけでございまして、こうした点等々を通じて大いにひとつ環境の啓蒙に努めていきたい、こう思っております。
小
小杉隆#15
○小杉委員 まだ指摘したい点はいっぱいあるんですが、時間の制約がありますので、また別の委員会でやりたいと思いますけれども、いずれにしても、環境と貿易という新しい視点からのアプローチを、これは通産省も環境庁も、もちろん外務省も挙げてひとつ取り組んでいただきたいと思います。
それで次に、知的所有権問題に移りますが、今マルチメディア社会の到来ということがやかましく言われております。世界全体がソフト化、情報化しておりますし、ゴア副大統領の情報スーパーハイウエーとかGII構想とか、日本でも二〇一〇年までに今度マルチメディア化によって百二十三兆円の新しい産業、そして二百四十三万人の雇用が生まれる、こういうことでやっております。
残念ながら、このマルチメディアの世界では日本は世界の十八番目でございまして、アメリカをトップとして、シンガポールにも抜かれているというような現状であります。私は、やはりもっともっと画期的に日本がマルチメディアの構築に全力を挙げなきゃいけないと思いますが、ただ一点懸念をしておりますのは、どうもマルチメディアについての知的所有権というものが、確かに今度のWTOではその対象として取り上げられはしましたけれども、それをどうやって実施していくのか、それが非常に不明確であります。
今やコンピューターやネットワークの上でやりとりされているソフトウェア、これはどんどん国際貿易の非常に大きな主役になりつつあります。ところが、ソフトウエアというものはもうほとんどディジタル化されておりまして、コピーしても全然劣化しない。ビデオテープなんかですと、コピーすると劣化してしまうからわかるのですけれども、そういうことですからなかなか、違法のコピーだとかソフトウエアの無断使用なんというのはもっともっと厳しく取り締まらなきゃいけませんし、必ずしもこういうコンピューターソフトとかデータベースというのは目に見える形で水際でチェックができない。コンピューターに詳しい人の話によりますと、もう情報ネットワークにアクセスして、機械の上だけでソフトウエア、データベースを売り買いできる、こういう状態になっているわけですね。
そういうマルチメディア社会の到来とともに、このような目に見えない取引というか貿易というか、こういうもの、その著作権の侵害ということがこれから物すごく起こってくると思うのですが、協定の中ではこうした問題はどのように扱われているのか、これを外務大臣に伺いたいのと、それから通産大臣に伺いたいのは、これからはソフトウエアやデータベースの産業界にとっては死活問題になりかねませんので、通産省はこうしたマルチメディア時代における著作権の問題について、あるいは産業界の死活問題ということについてどういう認識を持っておられるのか。そして文部大臣には、特にこれは文化庁の方でやっておられると思いますけれども、これからの著作権保護の立場からマルチメディア問題にどう対処していかれようとしているか、三大臣から伺いたいと思います。
この発言だけを見る →それで次に、知的所有権問題に移りますが、今マルチメディア社会の到来ということがやかましく言われております。世界全体がソフト化、情報化しておりますし、ゴア副大統領の情報スーパーハイウエーとかGII構想とか、日本でも二〇一〇年までに今度マルチメディア化によって百二十三兆円の新しい産業、そして二百四十三万人の雇用が生まれる、こういうことでやっております。
残念ながら、このマルチメディアの世界では日本は世界の十八番目でございまして、アメリカをトップとして、シンガポールにも抜かれているというような現状であります。私は、やはりもっともっと画期的に日本がマルチメディアの構築に全力を挙げなきゃいけないと思いますが、ただ一点懸念をしておりますのは、どうもマルチメディアについての知的所有権というものが、確かに今度のWTOではその対象として取り上げられはしましたけれども、それをどうやって実施していくのか、それが非常に不明確であります。
今やコンピューターやネットワークの上でやりとりされているソフトウェア、これはどんどん国際貿易の非常に大きな主役になりつつあります。ところが、ソフトウエアというものはもうほとんどディジタル化されておりまして、コピーしても全然劣化しない。ビデオテープなんかですと、コピーすると劣化してしまうからわかるのですけれども、そういうことですからなかなか、違法のコピーだとかソフトウエアの無断使用なんというのはもっともっと厳しく取り締まらなきゃいけませんし、必ずしもこういうコンピューターソフトとかデータベースというのは目に見える形で水際でチェックができない。コンピューターに詳しい人の話によりますと、もう情報ネットワークにアクセスして、機械の上だけでソフトウエア、データベースを売り買いできる、こういう状態になっているわけですね。
そういうマルチメディア社会の到来とともに、このような目に見えない取引というか貿易というか、こういうもの、その著作権の侵害ということがこれから物すごく起こってくると思うのですが、協定の中ではこうした問題はどのように扱われているのか、これを外務大臣に伺いたいのと、それから通産大臣に伺いたいのは、これからはソフトウエアやデータベースの産業界にとっては死活問題になりかねませんので、通産省はこうしたマルチメディア時代における著作権の問題について、あるいは産業界の死活問題ということについてどういう認識を持っておられるのか。そして文部大臣には、特にこれは文化庁の方でやっておられると思いますけれども、これからの著作権保護の立場からマルチメディア問題にどう対処していかれようとしているか、三大臣から伺いたいと思います。
原
原口幸市#16
○原口政府委員 事実関係でございますので、事務当局からお答えさせていただきます。
TRIPs協定の十条におきまして、コンピュータープログラム及びデータベースは、一九七一年のベルヌ条約の第一条から二十一条まで及び附属書の規定に従って、書籍、楽曲等の著作物と同様に保護されることになっております。また、同協定の十一条におきまして、コンピュータープログラムにつきましては、その原作品または複製物を公衆に商業的に貸与することを許諾しまたは禁止する権利、すなわち貸与権をその著作者に与えることが加盟国に義務づけられていると承知しております。
この発言だけを見る →TRIPs協定の十条におきまして、コンピュータープログラム及びデータベースは、一九七一年のベルヌ条約の第一条から二十一条まで及び附属書の規定に従って、書籍、楽曲等の著作物と同様に保護されることになっております。また、同協定の十一条におきまして、コンピュータープログラムにつきましては、その原作品または複製物を公衆に商業的に貸与することを許諾しまたは禁止する権利、すなわち貸与権をその著作者に与えることが加盟国に義務づけられていると承知しております。
橋
橋本龍太郎#17
○橋本国務大臣 問題意識は委員と全く同じにいたしております。
そこで現在、産業構造審議会におきまして、知的財産権の適正な保護に関する法制度及び技術的対応策を含めて、情報化の推進に向けての諸課題について総合的な検討をいたしているさなかでございます。今後、この検討を踏まえながら、通産省としても所要の対策を講じてまいりたいと存じます。
この発言だけを見る →そこで現在、産業構造審議会におきまして、知的財産権の適正な保護に関する法制度及び技術的対応策を含めて、情報化の推進に向けての諸課題について総合的な検討をいたしているさなかでございます。今後、この検討を踏まえながら、通産省としても所要の対策を講じてまいりたいと存じます。
与
与謝野馨#18
○与謝野国務大臣 問題は三つございまして、一つは、先生が懸念されているように、現行の著作権法で保護されている権利、これが知らず知らずのうちに利用される、その結果、著作権を持っている方に十分なかっ適切な保護がなされないという運用上の問題、これをどうしていくか。それからもう一つは、マルチメディア時代に新しく著作権法の対象となるような権利が生まれる可能性もあるという問題。それからもう一つの問題は、これは日本一国では解決できない問題で、やはり国際的な場である種の共通のルールというものが必要になる可能性がある、こういう三つの問題意識を持っております。
日本国内では、著作権審議会の中にマルチメディア小委員会というものをつくりましてこれらの検討を進めているところでございまして、この検討は、現行著作権法の運用に関する件に関しても問題意識を持っておりますし、また、将来著作権法を改正しなければならないというようなこともやはり視野に入れて物を考えていかなければならない。また、国際的な問題については、WIPO等の適正な国際機関を通じてやはり共通の土俵というものを構築していくということが日本の立場であろう、そのように思っております。
この発言だけを見る →日本国内では、著作権審議会の中にマルチメディア小委員会というものをつくりましてこれらの検討を進めているところでございまして、この検討は、現行著作権法の運用に関する件に関しても問題意識を持っておりますし、また、将来著作権法を改正しなければならないというようなこともやはり視野に入れて物を考えていかなければならない。また、国際的な問題については、WIPO等の適正な国際機関を通じてやはり共通の土俵というものを構築していくということが日本の立場であろう、そのように思っております。
小
小杉隆#19
○小杉委員 時間の制約がありますのでこれで終わりますが、いずれにしても、私がきょう取り上げた問題はまだまだ今後詰めなければならない問題点ばかりでございまして、どうぞ関係各省でもひとつ真剣に取り組んでいただきたいということを要望して、質問を終わります。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →ありがとうございました。
佐
逢
逢沢一郎#21
○逢沢委員 逢沢でございます。
十一時までの時間という制限がございますので、橋本通産大臣、また通産省、特許庁、そして柳沢外務政務次官がおいででございますので、絞らせていただきまして質問を申し上げたいと思います。
まず、橋本大臣、就任以来五カ月間、本当に連日御苦労さまでございます。特にこの間、日米フレームワーク協議の最後の詰め、一番大事な時期もございまして、たしか九月の末には三日か四日の間に日本とワシントンの間を一往復、三往復もされたということで、大変御苦労いただいたわけであります。また、APECの関係では、大阪で中小企業問題担当大臣会議、ボゴールでの会議、まさに東奔西走の毎日を過ごしておられるわけであります。
大臣は、かつて大蔵大臣も歴任をされておられます。そのときには通貨外交、国際金融問題に大変なリーダーシップを発揮をされ、今日では通産大臣として日本の通商貿易問題の責任者として奮聞いただいておるわけでありますが、その大臣にまずお伺いしたいのは、世界で何といっても一番大きな経済力を持つアメリカ、そのアメリカは、率直に申し上げれば我が国日本に対してももちろん大きな影響力を持つ国でありますけれども、大臣がその長い三十年を超える政治家として、このアメリカという国をどう認識なさっておられるか、あるいはその上に立って、あるべき日米関係というのをどのように考えておられるか、それをお伺いしたいと思うのですが、その前にちょっと私自身の問題意識を申し上げさせていただきたいのです。
もちろん、アメリカという国は大変大きな、そして多様な国であります。犯罪の問題とかホームレスがどうとか教育の荒廃とか、いろいろな問題は抱えておりますけれども、しかし、総体としては、私はやはり、民主主義の理念のもとに大変信頼に足りる国家である、そういう思いを強くいたしておりますが、私なりに表現をさせていただくと、その信頼の源泉は何かということを考えたときに、それは民主主義のもとで信頼される国に足る必要なソフトをやはり備えているのがアメリカじゃないかな、基本的にはそういうふうに考えています。政策決定や市場参入へのルールがやはり公平で明確で開かれている、そういうことも理由の一つに挙げていいのではないかと思いますし、したがって、アメリカという国自体が自浄能力を備えている、決して大きな間違いは犯さないし、外から見ていて予測可能な範囲の中でアウトプットが出てくる、基本的には、私はそういう国であるというふうに認識をいたしております。
ただ同時に、ここのところ、ちょっとそのアメリカも、最近言うこと、やることがおかしいな、率直に言ってそのことも感じるわけでありますが、例えば、大臣が御苦労いただいた日米フレームワーク協議の最後の段階、自動車と自動車部品の問題、ガバメントリーチの範囲を超えるということは多分向こう側もわかっていないことはないんだろうと思いますけれども、大変無理な数値目標を強引に主張をする。
あるいは、ガット・ウルグアイ・ラウンドの精神というのは、多国間で公平なルールを決めよう、何か問題があったときにはマルチの場でそれを解決していこう、そのことはアメリカも基本的にはそれはそうだと言うわけでありますけれども、片や制裁をちらつかせながらの二国間交渉というのも、手放そうとしないというよりはむしろそれを前面に押し出してくる。明らかにそこは、やはりダブルスタンダードだなというふうなことも感じるわけであります。
就任以来五カ月間、そういったアメリカと通産大臣は対峙をされてこられた、あるいはよりよい関係を築こうと努力をしてこられたわけでありますが、基本的に、日米は世界の貿易の四〇%以上を持っている、やはり日米主導で新しいWTOの時代を築いていくべきだ、そういう意味で、日米ということを非常に強く認識をなさっておられるのか、それとも、もちろん日米というのは大事だけれども、数ある幾つかの大切な二国間関係の一つなんだといったような認識の方をむしろ強くお持ちであるのか、そのことがまず一点目。
そして二点目に、日本にとってよりよい日米関係、アメリカにとってもよりよい日米関係、そして世界にとってもいい日米関係をつくるために、アメリカに大臣は率直に何を期待されるか、そして、日本はどうあらなければならないのか、大変大きな質問で恐縮でございますけれども、まず最初にお伺いをいたしたいと思います。
この発言だけを見る →十一時までの時間という制限がございますので、橋本通産大臣、また通産省、特許庁、そして柳沢外務政務次官がおいででございますので、絞らせていただきまして質問を申し上げたいと思います。
まず、橋本大臣、就任以来五カ月間、本当に連日御苦労さまでございます。特にこの間、日米フレームワーク協議の最後の詰め、一番大事な時期もございまして、たしか九月の末には三日か四日の間に日本とワシントンの間を一往復、三往復もされたということで、大変御苦労いただいたわけであります。また、APECの関係では、大阪で中小企業問題担当大臣会議、ボゴールでの会議、まさに東奔西走の毎日を過ごしておられるわけであります。
大臣は、かつて大蔵大臣も歴任をされておられます。そのときには通貨外交、国際金融問題に大変なリーダーシップを発揮をされ、今日では通産大臣として日本の通商貿易問題の責任者として奮聞いただいておるわけでありますが、その大臣にまずお伺いしたいのは、世界で何といっても一番大きな経済力を持つアメリカ、そのアメリカは、率直に申し上げれば我が国日本に対してももちろん大きな影響力を持つ国でありますけれども、大臣がその長い三十年を超える政治家として、このアメリカという国をどう認識なさっておられるか、あるいはその上に立って、あるべき日米関係というのをどのように考えておられるか、それをお伺いしたいと思うのですが、その前にちょっと私自身の問題意識を申し上げさせていただきたいのです。
もちろん、アメリカという国は大変大きな、そして多様な国であります。犯罪の問題とかホームレスがどうとか教育の荒廃とか、いろいろな問題は抱えておりますけれども、しかし、総体としては、私はやはり、民主主義の理念のもとに大変信頼に足りる国家である、そういう思いを強くいたしておりますが、私なりに表現をさせていただくと、その信頼の源泉は何かということを考えたときに、それは民主主義のもとで信頼される国に足る必要なソフトをやはり備えているのがアメリカじゃないかな、基本的にはそういうふうに考えています。政策決定や市場参入へのルールがやはり公平で明確で開かれている、そういうことも理由の一つに挙げていいのではないかと思いますし、したがって、アメリカという国自体が自浄能力を備えている、決して大きな間違いは犯さないし、外から見ていて予測可能な範囲の中でアウトプットが出てくる、基本的には、私はそういう国であるというふうに認識をいたしております。
ただ同時に、ここのところ、ちょっとそのアメリカも、最近言うこと、やることがおかしいな、率直に言ってそのことも感じるわけでありますが、例えば、大臣が御苦労いただいた日米フレームワーク協議の最後の段階、自動車と自動車部品の問題、ガバメントリーチの範囲を超えるということは多分向こう側もわかっていないことはないんだろうと思いますけれども、大変無理な数値目標を強引に主張をする。
あるいは、ガット・ウルグアイ・ラウンドの精神というのは、多国間で公平なルールを決めよう、何か問題があったときにはマルチの場でそれを解決していこう、そのことはアメリカも基本的にはそれはそうだと言うわけでありますけれども、片や制裁をちらつかせながらの二国間交渉というのも、手放そうとしないというよりはむしろそれを前面に押し出してくる。明らかにそこは、やはりダブルスタンダードだなというふうなことも感じるわけであります。
就任以来五カ月間、そういったアメリカと通産大臣は対峙をされてこられた、あるいはよりよい関係を築こうと努力をしてこられたわけでありますが、基本的に、日米は世界の貿易の四〇%以上を持っている、やはり日米主導で新しいWTOの時代を築いていくべきだ、そういう意味で、日米ということを非常に強く認識をなさっておられるのか、それとも、もちろん日米というのは大事だけれども、数ある幾つかの大切な二国間関係の一つなんだといったような認識の方をむしろ強くお持ちであるのか、そのことがまず一点目。
そして二点目に、日本にとってよりよい日米関係、アメリカにとってもよりよい日米関係、そして世界にとってもいい日米関係をつくるために、アメリカに大臣は率直に何を期待されるか、そして、日本はどうあらなければならないのか、大変大きな質問で恐縮でございますけれども、まず最初にお伺いをいたしたいと思います。
橋
橋本龍太郎#22
○橋本国務大臣 非常に大きな視点からの御質問でありますので、正確なお答えができるかどうか自信がありません。しかし、私自身、こうして振り返ってみまして、アメリカに対する考え方というものは随分大きくこの三十年の間に動いてきたような気がいたします。
ちょうど私が社会人になりました昭和三十五年というのは、繊維問題が深刻になりまして、初めての経済摩擦としての日米綿製品問題というものが深刻化した年でありました。そして、私はその綿紡績の会社に入りまして、いきなりその渦中にほうり込まれたわけです。しかし、その当時、我々の先輩方には、敗戦、独立というプロセスの中で、アメリカは日本に対して保護者的な立場を必ずとってくれる、そして最終的には日本に理解を示してくれる、そういう期待感は非常に強かったように思います。また、私は、当時のアメリカにはそれだけの余力があったような気がいたします。
しかし、その関係は次第次第に変質をしてきている。我が国の経済力が強まるにつれ、保護者的な色彩というものは減じてきた。そして、対等な競争相手としての位置づけが、日米関係というものを重要視しながらもアメリカの中にふえていった。日本でも当然ふえてきたわけでありますが、その速度に、私は、相当なギャップがあったような気がします。そして、今アメリカにとりまして日米関係というものは、当然のことながら重要な一つのファクターでありますけれども、経済的な側面においては、むしろ競争相手としての位置づけの方が大きくなったのではなかろうか。そして、さまざまな協力関係の中で、経済的な不均衡ということに今アメリカ側の関心は傾き過ぎているのではなかろうか、そのような思いが率直に私にはいたします。
日本側がようやくその保護者的な感じに甘える構造を捨てたのは、それほど前のことではないように思います。そして今、逆に、期待される役割を果たすということに日本自身がその方向を向けながら、世界経済の中で、なおかつそれに対応し切れていない状況というものが率直にあります。そうしたものを解消する努力というものをどう考えていけばよいのかというのが課題でありましょう。
そうなりますと、やはりいろいろな意味で、状況認識を正確にした上で、正しい処方せんを双方が採用することは欠くことができません。その場合に、やはり我が国の経常収支の黒字というものの意味のある縮小というものに努力する姿というものは、まず何よりも優先するのではなかろうかと思います。そして、それはやはりISバランスを踏まえたマクロ的な対応というものは基本として必要でありましょう。また、現実に起きておりますそれぞれの問題につきましては、冷静な摩擦処理の観点からの新たな紛争解決のメカニズムというものを何とか模索しなければならないと思います。
そして私は、今後におきましても、こうした摩擦というものは新たに発生する分野はあると思います。それだけに、WTOでありますとかあるいはOECDあるいはAPECなどの国際的な枠組みの中でどれだけのことができるか、これもひとつ考えていく必要がありますし、日米両国間における新たな紛争処理メカニズムというものを模索する努力も必要であると思います。
しかし、こうしたことを踏まえた上で、なおかつ私は、日米関係というものは、我が国にとりまして他国に対する関係を超える大きなウエートを持つものでありますし、今後もあり続けると思います。また、そうあってほしいと願っております。それは経済的な問題だけではなく、地球環境問題あるいはエイズに象徴されるような、こうした大きなテーマに対する取り組みについて我々は協力しなければならないことをまだまだたくさん持っておりますし、これからも出てくるでありましょう。
そして、アジア・太平洋地域というものを考えますとき、日本にとりましてアメリカというものは何よりもやはり大切な友人関係を保ち続けるべき相手であり、全世界的に見てもその視点は変わらない。基本は、私は、日米関係というものは他より抜きん出た重みを持つもの、そのように考えております。
この発言だけを見る →ちょうど私が社会人になりました昭和三十五年というのは、繊維問題が深刻になりまして、初めての経済摩擦としての日米綿製品問題というものが深刻化した年でありました。そして、私はその綿紡績の会社に入りまして、いきなりその渦中にほうり込まれたわけです。しかし、その当時、我々の先輩方には、敗戦、独立というプロセスの中で、アメリカは日本に対して保護者的な立場を必ずとってくれる、そして最終的には日本に理解を示してくれる、そういう期待感は非常に強かったように思います。また、私は、当時のアメリカにはそれだけの余力があったような気がいたします。
しかし、その関係は次第次第に変質をしてきている。我が国の経済力が強まるにつれ、保護者的な色彩というものは減じてきた。そして、対等な競争相手としての位置づけが、日米関係というものを重要視しながらもアメリカの中にふえていった。日本でも当然ふえてきたわけでありますが、その速度に、私は、相当なギャップがあったような気がします。そして、今アメリカにとりまして日米関係というものは、当然のことながら重要な一つのファクターでありますけれども、経済的な側面においては、むしろ競争相手としての位置づけの方が大きくなったのではなかろうか。そして、さまざまな協力関係の中で、経済的な不均衡ということに今アメリカ側の関心は傾き過ぎているのではなかろうか、そのような思いが率直に私にはいたします。
日本側がようやくその保護者的な感じに甘える構造を捨てたのは、それほど前のことではないように思います。そして今、逆に、期待される役割を果たすということに日本自身がその方向を向けながら、世界経済の中で、なおかつそれに対応し切れていない状況というものが率直にあります。そうしたものを解消する努力というものをどう考えていけばよいのかというのが課題でありましょう。
そうなりますと、やはりいろいろな意味で、状況認識を正確にした上で、正しい処方せんを双方が採用することは欠くことができません。その場合に、やはり我が国の経常収支の黒字というものの意味のある縮小というものに努力する姿というものは、まず何よりも優先するのではなかろうかと思います。そして、それはやはりISバランスを踏まえたマクロ的な対応というものは基本として必要でありましょう。また、現実に起きておりますそれぞれの問題につきましては、冷静な摩擦処理の観点からの新たな紛争解決のメカニズムというものを何とか模索しなければならないと思います。
そして私は、今後におきましても、こうした摩擦というものは新たに発生する分野はあると思います。それだけに、WTOでありますとかあるいはOECDあるいはAPECなどの国際的な枠組みの中でどれだけのことができるか、これもひとつ考えていく必要がありますし、日米両国間における新たな紛争処理メカニズムというものを模索する努力も必要であると思います。
しかし、こうしたことを踏まえた上で、なおかつ私は、日米関係というものは、我が国にとりまして他国に対する関係を超える大きなウエートを持つものでありますし、今後もあり続けると思います。また、そうあってほしいと願っております。それは経済的な問題だけではなく、地球環境問題あるいはエイズに象徴されるような、こうした大きなテーマに対する取り組みについて我々は協力しなければならないことをまだまだたくさん持っておりますし、これからも出てくるでありましょう。
そして、アジア・太平洋地域というものを考えますとき、日本にとりましてアメリカというものは何よりもやはり大切な友人関係を保ち続けるべき相手であり、全世界的に見てもその視点は変わらない。基本は、私は、日米関係というものは他より抜きん出た重みを持つもの、そのように考えております。
逢
逢沢一郎#23
○逢沢委員 ありがとうございました。
WTOを成功させるためにも、よりよい日米関係の維持あるいは発展ということは大変大事なことであろうかと思います。より一層の御活躍をお願いをいたしておきたいと思います。
さて、特許法の改正のことについてお伺いをいたしたいと思いますが、大きな関心としては、よく取りざたがされます例のサブマリン特許の問題、そして米国の先発明主義の問題、時間の関係でこの二つのポイントに絞らせていただきたいと思うわけであります。
かねて問題になっている、いわゆるサブマリンのことでありますが、産業界の方に聞いてみますと、一番代表的な例、有名な事件として、レメルソン・ケース、事件とあえて呼ぶ方もおられるようでありますが、その名前が自動車業界からも、あるいは家電の御関係の皆様からも出てくるわけでありますが、ちょっと調べてみると、このレメルソンのケースは、出願日が一九五四年の十二月二十四日でありますから、たまたま私も一九五四年生まれでありまして、私が生まれた半年後ぐらいに出願がなされている。そして、権利を取得したのが一九九二年の九月一日でありますから、おととしのことなんですね。実に潜伐期間が三十八年という長きに及んでおる、こういうことであります。理由はどういうことなのかなということで伺ってみますと、出願以降、たび重ねて修正をする、あるいは分割等を繰り返し、審査がおくれる、あるいは、こういううがった言い方は恐縮かと思いますけれども、審査をおくらせている、外から見るとそういう評価もできなくはないというふうなことであります。
同様なケースが幾つか報告がされているわけでありますが、今回の合意、マラケシュの合意あるいは日米間の合意で、アメリカ側も、早期公開制度を導入をする、出願後十八カ月たては公開をする、そして権利期間は出願から二十年ということを約束をしたわけでありますけれども、果たしてこの約束で、今レメルソンのケースを挙げさせていただいたわけでありますが、こういった問題がすべて解決をされるかどうかについては、日本の産業界あるいは諸外国でもちょっと疑問が残るかなという懸念もあるようでありますが、もう心配ないんだということなのかどうか、率直なところをお聞かせをいただきたいというふうに思います。
この発言だけを見る →WTOを成功させるためにも、よりよい日米関係の維持あるいは発展ということは大変大事なことであろうかと思います。より一層の御活躍をお願いをいたしておきたいと思います。
さて、特許法の改正のことについてお伺いをいたしたいと思いますが、大きな関心としては、よく取りざたがされます例のサブマリン特許の問題、そして米国の先発明主義の問題、時間の関係でこの二つのポイントに絞らせていただきたいと思うわけであります。
かねて問題になっている、いわゆるサブマリンのことでありますが、産業界の方に聞いてみますと、一番代表的な例、有名な事件として、レメルソン・ケース、事件とあえて呼ぶ方もおられるようでありますが、その名前が自動車業界からも、あるいは家電の御関係の皆様からも出てくるわけでありますが、ちょっと調べてみると、このレメルソンのケースは、出願日が一九五四年の十二月二十四日でありますから、たまたま私も一九五四年生まれでありまして、私が生まれた半年後ぐらいに出願がなされている。そして、権利を取得したのが一九九二年の九月一日でありますから、おととしのことなんですね。実に潜伐期間が三十八年という長きに及んでおる、こういうことであります。理由はどういうことなのかなということで伺ってみますと、出願以降、たび重ねて修正をする、あるいは分割等を繰り返し、審査がおくれる、あるいは、こういううがった言い方は恐縮かと思いますけれども、審査をおくらせている、外から見るとそういう評価もできなくはないというふうなことであります。
同様なケースが幾つか報告がされているわけでありますが、今回の合意、マラケシュの合意あるいは日米間の合意で、アメリカ側も、早期公開制度を導入をする、出願後十八カ月たては公開をする、そして権利期間は出願から二十年ということを約束をしたわけでありますけれども、果たしてこの約束で、今レメルソンのケースを挙げさせていただいたわけでありますが、こういった問題がすべて解決をされるかどうかについては、日本の産業界あるいは諸外国でもちょっと疑問が残るかなという懸念もあるようでありますが、もう心配ないんだということなのかどうか、率直なところをお聞かせをいただきたいというふうに思います。
橋
橋本龍太郎#24
○橋本国務大臣 今代表的なケースを挙げて御説明をいただきました御質問でありますが、今委員からもお話がありましたように、今回、包括協議における日米間の合意で、アメリカ側は、出願から十八カ月後の公開制度の導入と、出願から二十年間の特許期間の改定を行うということを約束をし、立法措置も行われております。
これで確かに出願内容が早くわかるということと同時に、審査が遅延しましても、特許期間がいたずらに長期化をすることはなくなる。その意味からは確かに、事実上サブマリン特許問題というものは理論的には完全に解消されることになると思います。これは本当に、日本だけではなく世界じゅうの産業界が非常に苦しんできた話でありますから、これが解決されるのは非常に意味のあることです。
ただ、問題はやはり、アメリカは依然として、諸国がとっております先願主義に反しまして先発明主義というものを譲っておりません。こうした点についてはこれからもまだ問題が残るという気持ちは、我々は現実に持っております。
この発言だけを見る →これで確かに出願内容が早くわかるということと同時に、審査が遅延しましても、特許期間がいたずらに長期化をすることはなくなる。その意味からは確かに、事実上サブマリン特許問題というものは理論的には完全に解消されることになると思います。これは本当に、日本だけではなく世界じゅうの産業界が非常に苦しんできた話でありますから、これが解決されるのは非常に意味のあることです。
ただ、問題はやはり、アメリカは依然として、諸国がとっております先願主義に反しまして先発明主義というものを譲っておりません。こうした点についてはこれからもまだ問題が残るという気持ちは、我々は現実に持っております。
逢
逢沢一郎#25
○逢沢委員 実は、困っているのは日本を初め諸外国の企業だけではなくて、アメリカ国内の企業もいわば往生じておるという現実があったようでありますが、特に、企業間同士ならば特許をお互いに使用し合う、そういう相対関係でまあまあ常識的な、良識的な権利主張の範囲ということのようでありますが、個人の発明家、アメリカは個人を大切にするという建国以来の精神といいますか、そういうものに裏打ちをされている側面があるやに伺っておりますが、個人の立場になると、言葉を選ばずに言うとすれば、失うものが何もない、そういう感じになって、相当法外な話になりがちだ。
それはアメリカ国内での問題でもあるというふうなことも伺っておりますが、引き続き所管大臣として、この問題が現実的に解決をされ、権利の保護というのは非常に大事なことでありますけれども、一方、発明をされたあるいは開発されたその技術が世界の産業の発展の役に立つという側面も大変重要でございますので、より一層の御努力をお願いをいたしておきたいというふうに思います。
そこで、少し特許の関係の細かい話になろうかと思います。お役所の方からお答えいただいても結構かと思うわけでありますが、調べてみますと、平成三年に全世界で特許、実用新案の出願件数は実に百二十五万件に上る、大変な数ですね。どの国が一番多いかというと、大変立派なことに我が国日本でありまして、四十万件を上回る。全体に占める割合も四割弱。大生家電六社の平均が、年平均一万件もの出願をしているということでありますから、これは大変な数だな、そういうことになります。
ところで、技術貿易の実態がどうなっているかを調べてみますと、結論からいうと、アメリカのどうやらひとり勝ちの実態がある。アメリカは、輸出二百二億ドルに対して輸入が五十億ドル、プラス百七十二億ドルという数字でありますが、日本は輸出三十一に対して輸入七十二、マイナス四十一億ドル。
伺いますと、まあ刈り取りはこれからになるので大変楽しみがあるのですという御説明もあるにはありますけれども、一方四十万件を上回る、毎年毎年出てくる。率直に言えば、まさに玉石混交なのですよ。まあ玉の方が多ければこれは大変結構なことでありますが、相当そうでもないものも多いようだ。数打てはということなのかなというふうにも思わせていただいているわけでありますけれども、大変たくさん出てくるということは、事務処理上も大変な御苦労がおありになるだろう。その辺の実務上の対応はどうなっているのか。あるいは、今は技術貿易は先ほど申し上げたような数字の実態になっておりますけれども、将来の展望はどういうところに置かれておるか、お答えをいただきたいと思います。
この発言だけを見る →それはアメリカ国内での問題でもあるというふうなことも伺っておりますが、引き続き所管大臣として、この問題が現実的に解決をされ、権利の保護というのは非常に大事なことでありますけれども、一方、発明をされたあるいは開発されたその技術が世界の産業の発展の役に立つという側面も大変重要でございますので、より一層の御努力をお願いをいたしておきたいというふうに思います。
そこで、少し特許の関係の細かい話になろうかと思います。お役所の方からお答えいただいても結構かと思うわけでありますが、調べてみますと、平成三年に全世界で特許、実用新案の出願件数は実に百二十五万件に上る、大変な数ですね。どの国が一番多いかというと、大変立派なことに我が国日本でありまして、四十万件を上回る。全体に占める割合も四割弱。大生家電六社の平均が、年平均一万件もの出願をしているということでありますから、これは大変な数だな、そういうことになります。
ところで、技術貿易の実態がどうなっているかを調べてみますと、結論からいうと、アメリカのどうやらひとり勝ちの実態がある。アメリカは、輸出二百二億ドルに対して輸入が五十億ドル、プラス百七十二億ドルという数字でありますが、日本は輸出三十一に対して輸入七十二、マイナス四十一億ドル。
伺いますと、まあ刈り取りはこれからになるので大変楽しみがあるのですという御説明もあるにはありますけれども、一方四十万件を上回る、毎年毎年出てくる。率直に言えば、まさに玉石混交なのですよ。まあ玉の方が多ければこれは大変結構なことでありますが、相当そうでもないものも多いようだ。数打てはということなのかなというふうにも思わせていただいているわけでありますけれども、大変たくさん出てくるということは、事務処理上も大変な御苦労がおありになるだろう。その辺の実務上の対応はどうなっているのか。あるいは、今は技術貿易は先ほど申し上げたような数字の実態になっておりますけれども、将来の展望はどういうところに置かれておるか、お答えをいただきたいと思います。
高
高島章#26
○高島政府委員 委員御指摘ございましたように、出願件数が我が国がずば抜けて大きいというのはそのとおりでございまして、特に最近の技術革新が非常に進展をしております中で、いかにしてこういった知的生産活動の成果物に対しまして迅速かつ的確に保護を図るかということが、実は工業所有権行政の最大の課題であることはもう言うまでもないわけでございます。
今御指摘ございましたように、いかにしてこの大きなる出願に対して的確に処理をしていくかということでございますが、一つは、何と申し上げましても、やはり審査官を増員していくということでございます。それから、かつてのように紙で処理するのではなくて、ペーパーレス計画、コンピューターを使いましたペーパーレス計画で事務の合理化を図ること、さらには、特許庁の中の人間だけでなくて、いろいろな先行の技術調査を外部に委託をいたしまして庁内の処理を早める、合理化するというようなことを幅広く総合的に行ってきております。
過去、これは昭和六十三年に三年一月、平均出願処理にかかっておりましたものが、現在の審査処理期間は約二年四カ月というところまで落ちてきておりまして、こういう政策の成果だと我々は考えておるわけでございます。
それから、さっきございました今後の技術貿易の見通してございますが、これは簡単に今数字的に見通しを立てることは非常に困難でございますけれども、我が国の特許そのものの内容がだんだんと技術成果として濃くなってまいりまして、先ほど御指摘ございましたように、企業と企業との間のクロスライセンスという格好で内容は進展しつつあります。クロスライセンスということになりますと、具体的に金額ということで上がってまいりませんけれども、しかし、実際上は日米の間で非常に技術貿易に関して均衡の方向に向かっていると我々は考えている次第でございます。
この発言だけを見る →今御指摘ございましたように、いかにしてこの大きなる出願に対して的確に処理をしていくかということでございますが、一つは、何と申し上げましても、やはり審査官を増員していくということでございます。それから、かつてのように紙で処理するのではなくて、ペーパーレス計画、コンピューターを使いましたペーパーレス計画で事務の合理化を図ること、さらには、特許庁の中の人間だけでなくて、いろいろな先行の技術調査を外部に委託をいたしまして庁内の処理を早める、合理化するというようなことを幅広く総合的に行ってきております。
過去、これは昭和六十三年に三年一月、平均出願処理にかかっておりましたものが、現在の審査処理期間は約二年四カ月というところまで落ちてきておりまして、こういう政策の成果だと我々は考えておるわけでございます。
それから、さっきございました今後の技術貿易の見通してございますが、これは簡単に今数字的に見通しを立てることは非常に困難でございますけれども、我が国の特許そのものの内容がだんだんと技術成果として濃くなってまいりまして、先ほど御指摘ございましたように、企業と企業との間のクロスライセンスという格好で内容は進展しつつあります。クロスライセンスということになりますと、具体的に金額ということで上がってまいりませんけれども、しかし、実際上は日米の間で非常に技術貿易に関して均衡の方向に向かっていると我々は考えている次第でございます。
逢
逢沢一郎#27
○逢沢委員 時間も押し迫ってまいりましたので、特許関係でもう一つだけお伺いをいたしたいと思うのですが、産業界の方々とお話をいたしますと、確かに特許法の一部改正がかなり頻繁に行われてまいりまして、そのたびごとに、率直に言うとなかなか対応も大変なのですよ、こういう声があります。具体的には、コンピューターソフトの組みかえということが一番、費用も含めて負担が大きかった、こういうことですが、今回の改正でもって一応の大枠が整ったというふうに理解をしていいのか、あるいはこれから始まるWTOの世界、あるいはこれはまあずっと続きます日米協議の世界で、さらに根本的な部分や応用動作の部分も引き続き相当程度手直しか行われるというふうなことになるのかどうか、確認のためにお伺いをしたいと思います。
この発言だけを見る →高
高島章#28
○高島政府委員 御指摘のとおり、特許制度は、この十年間で三回法律改正を行ってきたところでございまして、しかしながら、それぞれ技術開発成果等をいかに適切に保護を図るかというところに重点を持ってきたわけでございます。
それで、現在御審議いただいておりますこの改正によりまして、権利を適切に保護すること、あるいは国際的な調和のための制度づくりということはもうほぼこれで主要部分は完成したものと考えておりまして、たび重なる改正もいわば今回をもちまして一通りでき上がりというぐあいに私どもは考えているわけでございます。
それから、当然のことでございますが、制度改正に当たりましては、これまでも幅広い関係者から成ります審議会で審議を行うほか、制度のユーザーたる産業界と事実上の意見交換を何回も行ってきておりますし、また、制度の変更で今御指摘、御懸念ございましたように関係者に混乱が起こることがないように、その新しい制度の周知徹底につきましては万全を期してまいりたいと思います。いろいろ関係団体等も幅広く協力をいただきまして、こういった新しい制度の円滑な導入がうまく図られますように努力してまいる所存でございます。
この発言だけを見る →それで、現在御審議いただいておりますこの改正によりまして、権利を適切に保護すること、あるいは国際的な調和のための制度づくりということはもうほぼこれで主要部分は完成したものと考えておりまして、たび重なる改正もいわば今回をもちまして一通りでき上がりというぐあいに私どもは考えているわけでございます。
それから、当然のことでございますが、制度改正に当たりましては、これまでも幅広い関係者から成ります審議会で審議を行うほか、制度のユーザーたる産業界と事実上の意見交換を何回も行ってきておりますし、また、制度の変更で今御指摘、御懸念ございましたように関係者に混乱が起こることがないように、その新しい制度の周知徹底につきましては万全を期してまいりたいと思います。いろいろ関係団体等も幅広く協力をいただきまして、こういった新しい制度の円滑な導入がうまく図られますように努力してまいる所存でございます。
逢
逢沢一郎#29
○逢沢委員 ありがとうございました。
それでは、柳沢政務次官、わざわざ大変ありがとうございます。最後に、政務次官に御質問をさせていただきたいわけでありますけれども、六年越し、七年越しの議論がようやくまとまって、ウルグアイ・ラウンドもマラケシュで合意に達したわけでありますが、それに基づいていよいよWTOが設立をされる、そのことが決まりました。
ところで、どうもマスコミの表現をかりるとすれば、顔の見えない日本というふうな表現がよく聞かれるわけでありますが、世界のGNPの、恐らくドルで換算すれば一五%を相当程度上回るということになっていると思える日本が、このWTOの設立、あるいは仏つくって魂入れずではいかぬわけでありますから、それが十分機能を果たすようにする、そのことは日本の国益にもかなうわけでありますが、そのことのために日本が一体どんな役割を果たすべきか。
顔の見えない日本なんというのはマスコミが言うことで、余り意に介せず自然体でいけばいいんだ、むしろそういうお気持ち、お考えか。あるいは、大きな世界の流れは軍事から経済、通商だ、そのことを認識するときに、ある種の戦略的な意図を持ってWTOをこういう形で成功させる、そういう意図を日本の国は持つべきだ、そしてそれがあるならば、どう行動するか、その辺のことを外務省はどのように、あるいは政務次官御自身はどのように認識、お考えをなさっておられるのか。
具体的には、来年の秋になりますか、大阪でAPECの首脳会議も開かれる。これをどういう形で成功をさせるというシナリオを描かれるのか。かって、いろいろ申し上げるようでありますが、町人国家論なんというのが言われた時代がございます。名を捨てても実をとっていけばいいではないか、そういう理解も一部にはあったわけでありますが、今の世界、これからの日本を考えれば、そういう議論にくみすることは当然私はできないというふうに思いますが、そんなことも背景にする中で、お考えをお聞かせをいただきたいと思います。
この発言だけを見る →それでは、柳沢政務次官、わざわざ大変ありがとうございます。最後に、政務次官に御質問をさせていただきたいわけでありますけれども、六年越し、七年越しの議論がようやくまとまって、ウルグアイ・ラウンドもマラケシュで合意に達したわけでありますが、それに基づいていよいよWTOが設立をされる、そのことが決まりました。
ところで、どうもマスコミの表現をかりるとすれば、顔の見えない日本というふうな表現がよく聞かれるわけでありますが、世界のGNPの、恐らくドルで換算すれば一五%を相当程度上回るということになっていると思える日本が、このWTOの設立、あるいは仏つくって魂入れずではいかぬわけでありますから、それが十分機能を果たすようにする、そのことは日本の国益にもかなうわけでありますが、そのことのために日本が一体どんな役割を果たすべきか。
顔の見えない日本なんというのはマスコミが言うことで、余り意に介せず自然体でいけばいいんだ、むしろそういうお気持ち、お考えか。あるいは、大きな世界の流れは軍事から経済、通商だ、そのことを認識するときに、ある種の戦略的な意図を持ってWTOをこういう形で成功させる、そういう意図を日本の国は持つべきだ、そしてそれがあるならば、どう行動するか、その辺のことを外務省はどのように、あるいは政務次官御自身はどのように認識、お考えをなさっておられるのか。
具体的には、来年の秋になりますか、大阪でAPECの首脳会議も開かれる。これをどういう形で成功をさせるというシナリオを描かれるのか。かって、いろいろ申し上げるようでありますが、町人国家論なんというのが言われた時代がございます。名を捨てても実をとっていけばいいではないか、そういう理解も一部にはあったわけでありますが、今の世界、これからの日本を考えれば、そういう議論にくみすることは当然私はできないというふうに思いますが、そんなことも背景にする中で、お考えをお聞かせをいただきたいと思います。