世界貿易機関設立協定等に関する特別委員会

1994-11-25 衆議院 全179発言

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会議録情報#0
平成六年十一月二十五日(金曜日)
    午前十時三十分開議
出席委員
  委員長 佐藤 孝行君
   理事 越智 伊平君 理事 川崎 二郎君
   理事 田中 直紀君 理事 中川 昭一君
   理事 小平 忠正君 理事 畑 英次郎君
   理事 日笠 勝之君 理事 伊藤  茂君
   理事 辻  一彦君
      逢沢 一郎君    赤城 徳彦君
      岸本 光造君    久間 章生君
      栗原 博久君    小杉  隆君
      斉藤斗志二君    塩崎 恭久君
      七条  明君    中島洋次郎君
      二田 孝治君    松岡 利勝君
      松下 忠洋君    御法川英文君
      安倍 基雄君    井奥 貞雄君
      石破  茂君    今津  寛君
      大石 正光君    川島  實君
      草川 昭三君    倉田 栄喜君
      木幡 弘道君    古賀 正浩君
      坂本 剛二君    鮫島 宗明君
      田名部匡省君    千葉 国男君
      仲村 正治君    松田 岩夫君
      山本  拓君    伊東 秀子君
      遠藤  登君    北沢 清功君
      永井 哲男君    鉢呂 吉雄君
      濱田 健一君    横光 克彦君
      和田 貞夫君    錦織  淳君
      前原 誠司君    藤田 スミ君
      松本 善明君    遠藤 利明君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 河野 洋平君
        大 蔵 大 臣 武村 正義君
        文 部 大 臣 与謝野 馨君
        厚 生 大 臣 井出 正一君
        農林水産大臣 大河原太一郎君
        通商産業大臣  橋本龍太郎君
        運 輸 大 臣 亀井 静香君
        郵 政 大 臣 大出  俊君
        建 設 大 臣 野坂 浩賢君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 山口 鶴男君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      高村 正彦君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 宮下 創平君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 小澤  潔君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        委員長     小粥 正巳君
        公正取引委員会
        事務局経済部長 塩田 薫範君
        公正取引委員会
        事務局審査部長 矢部丈太郎君
        総務庁行政管理
        局長      陶山  晧君
        総務庁行政監察
        局長      田中 一昭君
        経済企画庁物価
        局審議官    井出 亜夫君
        環境庁自然保護
        局長      奥村 明雄君
        国土庁長官官房
        長       三井 康壽君
        国土庁土地局長 山田 榮司君
        外務大臣官房外
        務参事官    谷内正太郎君
        外務省経済局長 原口 幸市君
        外務省条約局長 折田 正樹君
        大蔵政務次官  萩山 教嚴君
        大蔵省主計局次
        長       中島 義雄君
        大蔵省関税局長 鏡味 徳房君
        文部省高等教育
        局長      吉田  茂君
        厚生大臣官房総
        務審議官    太田 義武君
        厚生省生活衛生
        局長      小林 秀資君
        厚生省年金局長 近藤純五郎君
        農林水産大臣官
        房長      高橋 政行君
        農林水産省経済
        局長      東  久雄君
        農林水産省構造
        改善局長    入澤  肇君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    日出 英輔君
        農林水産省食品
        流通局長    鈴木 久司君
        農林水産技術会
        議事務局長   野中 和雄君
        食糧庁長官   上野 博史君
        林野庁長官   塚本 隆久君
        通商産業省通商
        政策局次長   伊佐山建志君
        通商産業省産業
        政策局長    堤  富男君
        資源エネルギー
        庁長官     川田 洋輝君
        特許庁長官   高島  章君
        特許庁特許技監 油木  肇君
        特許庁総務部長 森本  修君
        中小企業庁長官 中田 哲雄君
        運輸大臣官房総
        務審議官    永井 隆男君
        郵政大臣官房長 木村  強君
        郵政省郵務局長 加藤豊太郎君
        郵政省電気通信
        局長     五十嵐三津雄君
        建設省建設経済
        局長      小野 邦久君
        建設省道路局長 藤川 寛之君
        建設省住宅局長 梅野捷一郎君
 委員外の出席者
        会計検査院事務
        総局第四局長  平岡 哲也君
        外務委員会調査
        室長      野村 忠清君
        大蔵委員会調査
        室長      中川 浩扶君
        文教委員会調査
        室長      長谷川善一君
        農林水産委員会
        調査室長    黒木 敏郎君
        商工委員会調査
        室長      石黒 正大君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月二十五日
 辞任         補欠選任
  福田 康夫君     中島洋次郎君
  遠藤 乙彦君     草川 昭三君
  大石 正光君     川島  實君
  田名部匡省君     石破  茂君
  平田 米男君     倉田 栄喜君
  吉田  治君     安倍 基雄君
  秋葉 忠利君     北沢 清功君
同日
 辞任         補欠選任
  中島洋次郎君     福田 康夫君
  安倍 基雄君     吉田  治君
  石破  茂君     田名部匡省君
  川島  實君     大石 正光君
  草川 昭三君     遠藤 乙彦君
  倉田 栄喜君     平田 米男君
  北沢 清功君     濱田 健一君
同日
 辞任         補欠選任
  濱田 健一君     遠藤  登君
同日
 辞任         補欠選任
  遠藤  登君     伊東 秀子君
同日
 辞任         補欠選任
  伊東 秀子君     秋葉 忠利君
    ―――――――――――――
十一月二十五日
 ガット・ウルグアイ・ラウンド協定の承認反対
 に関する請願(岩佐恵美君紹介)(第一九六六
 号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一九六七号)
 同(坂上富男君紹介)(第一九六八号)
 同(寺前巖君紹介)(第一九六九号)
 同外三件(濱田健一君紹介)(第一九七〇号)
 同(東中光雄君紹介)(第一九七一号)
 同(不破哲三君紹介)(第一九七二号)
 同(正森成二君紹介)(第一九七三号)
 同(松本善明君紹介)(第一九七四号)
 同(山原健二郎君紹介)(第一九七五号)
 同(吉井英勝君紹介)(第一九七六号)
 ガット合意の国会承認反対に関する請願(藤田
 スミ君紹介)(第一九七七号)
 食糧自給率の向上、日本農業の発展に関する請
 願(藤田スミ君紹介)(第一九七八号)
 ガット農業合意の国会承認反対等に関する請願
 (山元勉君紹介)(第一九七九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の締結
 について承認を求めるの件(条約第一号)
 著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作
 権法の特例に関する法律の一部を改正する法律
 案(内閣提出第一一号)
 加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を
 改正する法律案(内閣提出第一二号)
 繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団
 法の一部を改正する法律案(内閣提出第一三号
 )
 農産物価格安定法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第一四号)
 特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出第
 一五号)
 関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一六号)
 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律案
 (内閣提出第一七号)
     ――――◇―――――
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佐藤孝行#1
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の締結について承認を求めるの件、著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の一部を改正する法律案、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案、繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部を改正する法律案、農産物価格安定法の一部を改正する法律案、特許法等の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案及び主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律案の各案件を一括して議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。仲村正治君。
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仲村正治#2
○仲村委員 私は、WTO協定の締結と関連法案に対する自社さきがけ連立の村山政権の基本的考え方と、その評価についてお尋ねいたします。
 河野外務大臣は、このWTO協定承認案件提出の所管大臣であります。外務大臣は口癖のように、自社さきがけの連立政権は外交は継続だという言葉を使っています。これは前政権から引き継がれた外交案件だから、我が国の国益に合致するとかしないとかは別にして、とにかく国際約束だから継続ということか。
 つまり、私がお尋ねしたいことは、このWTO協定締結に関することは河野外務大臣として積極的姿勢の継続か、あるいは消極的気持ちでの継続がということであります。河野外務大臣は、この法案の提案者として、この世界貿易機関設立協定をどのように評価するか。私は、まず河野外務大臣の外交姿勢をお尋ねいたしたいと思います。
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河野洋平#3
○河野国務大臣 今国会におきまして御承認をお願いしているWTO協定の締結は、多角的自由貿易体制の維持強化、国際経済秩序に対する信頼の確保という観点から、極めて重要なものという認識を持っております。御案内のとおり、我が国は貿易立国として今後の我が国の発展というものを考えているわけでございますから、そうした観点に立ちましても、このWTO協定の締結というものには極めて大きな意義があるというふうに思っております。
 一方、WTO協定のうち農業協定の部分につきまして、我が国にとってこれは大変厳しいものであったということについては私もそういう認識を持っておりますが、WTO協定全体として見れば国民に大きな利益をもたらすものになるという認識でございます。
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仲村正治#4
○仲村委員 今も大臣がお述べになりましたように、河野外務大臣は、この協定締結の提案理由の意義として、「我が国がこの協定を締結することは、我が国が世界の主要な貿易国であることにかんがみ、多角的貿易体制の発展に寄与するとともに、我が国の国民生活に多大の利益をもたらすこととなるという見地から極めて有意義である」というふうに言っております。
 河野外務大臣、このWTO協定締結の提案理由に書かれているとおり、また今お述べになりましたとおり、WTO協定を我が国が締結することが我が国の国益に合致すると断言できますか。いま一度、その承認案件提出の担当大臣として、WTO協定締結の意義と我が国にもたらす評価について御所見をお願いいたしたいと思います。
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河野洋平#5
○河野国務大臣 世界貿易の中で我が国が生きているということを考えますれば、世界の百二十を超える国と地域が参加をして合意をし、新たに新しいルールのもとで進もう、こう多くの国とともに決意をしたわけでございまして、この協定についてはぜひとも議員各位の御理解と御承認をいただきたい、こう考えております。
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仲村正治#6
○仲村委員 私は二度にわたり河野外務大臣に、この協定に対する意義と評価をお尋ねをしたわけでございます。
 今回提出された我が国にとってのWTO協定の締結の必要性がなぜ発生したか。それは、昨年十二月、細川内閣がその受け入れを決断し、そして本年四月、マラケシュ閣僚会議で我が国が署名した結果として発生したものであります。これの妥結に至るまでの道のりは、一九八六年以来七年余にわたる、百十六の国と地域が自国にとっての利害を背負いながらも十五の分野でしのぎを削る交渉を行い、一国繁栄主義を排除した世界全体の相互利益と繁栄を追求する貿易のルールづくりのために避けて通ることのできない到着点であったと私は思っております。
 細川内閣は、昨年十二月、ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業分野のドゥニー議長調整案の受け入れは、我が国農業、農村に深刻な打撃とその存立の危機すら引き起こしかねないほどの国難にも等しい重大な課題を内包するという苦渋の念に腐心しながらも、我が国の貿易立国という総合的国益の見地から、身を切るような、まさに断腸の思いの決断をしたのであります。
 河野外務大臣、このような交渉の経過と背景の中から生まれたWTO協定は、我が国の国益に合致するから我が国はこれを批准するということだと思いますけれども、そのようなことに間違いないですね。もう一度ひとつ御答弁を求めます。
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河野洋平#7
○河野国務大臣 議員もお述べになりましたように、このウルグアイ・ラウンド交渉というものは、大変長い年月、多くの関係者が大変な努力を積み重ねて行われたものでございます。我が国は我が国の事情から、農業問題についてはぜひ我が国の主張を入れてほしいということを繰り返し主張して、それぞれの国はそれぞれの事情を述べ合って、そしてこの交渉は、極めて長い時間難しい交渉を続けてきたわけでございます。
 私どもにいたしますれば、ドゥニー調停案というものの受け入れについてはもっと我が国の主張を強く押してほしかったという気持ちはございますけれども、結果として、シングルアンダーテーキングという、一括方式というものでこのWTO協定というものがなされるということであれば、これはもうやむを得ないことだ、それならば農業、農村に対する十分な対応措置をするということ以外にないという御議論が現在の政府・与党にはあって、厳しい議論の中でそうした措置をとられたわけでございまして、繰り返して申し上げますが、厳しい問題もありますけれども、全体として意義のあるものだ、こういう認識でございます。
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仲村正治#8
○仲村委員 もちろん細川内閣としても、先ほど申し上げましたようにまさに苦渋の選択であった。しかし、十二月十七日にはきちっとアフターケアをしなければならないという閣議了解をいたしまして、その対策のための対策本部をスタートさせたわけでございます。
 一昨年初めごろから、米の例外なき包括関税化というダンケル案が示され、そして我が国はその調整のために大変な努力を積み重ねてきたわけでございます。しかし、もうどうしようもないところまで来たという感じだったと思いますが、一昨年の十二月に宮澤総理は当時の農林大臣を官邸に呼んで、もうここらで腹を決めなくちゃならない、これは避けて通れない、そういうことで農林大臣に指示をされた、こういうことを私は漏れ聞いているのであります。
 しかし、当時の農林水産大臣は、このダンケル案をのむわけにいかない、もう少し粘るしかない、こういうことで帰ってきた。その努力のかいあって昨年のドゥニー調整案というのが出てきたわけでございます。私は、それは我が国の主張どおりに、あるいは希望どおりにいっていないかもしれないけれども、しかし政治はやはり、最善が求められなければ次善は何なのかということで努力をしなければ、決断をしなければならない、こういうふうに細川総理は決断をされたと思っているわけでございます。
 ここに、昨年十二月十四日の自民党の党声明があります。この声明を要約すると、細川政権がガット・ウルグアイ・ラウンドのドゥニー議長調整案の受け入れを閣議了解したことは全くけしからぬと厳しく糾弾しています。そして、ことしの一月二十六日に、自民党は参議院に畑農林水産大臣の問責決議案を提出しています。今、自民党総裁でもある河野さんは、自社さきがけ連立政権の外務大臣としてその席にお座りになり、このWTO協定案件の提出の所管大臣として、この協定の締結は我が国の国益に合致すると強調し、さらに「我が国がこの協定を締結することは、我が国が世界の主要な貿易国であることにかんがみ、多角的貿易体制の発展に寄与するとともに、我が国の国民生活に多大の利益をもたらすこととなるという見地から極めて有意義である」、こういうふうに法案の中に書いてあります。
 当時厳しい批判を浴びせた自民党の党声明、そして畑農林水産大臣に対する問責決議案と今回のWTO協定締結の意義の中で示されている国益論とは、どう見ても一致するものではないと私は見ております。また、外交は継続だというが、もし昨年十二月に受け入れを決定したガット・ウルグアイ・ラウンド合意、そして本年四月マラケシュで署名したことが、自民党の党声明、畑農林水産大臣問責決議案に示されたように国家の利益に反するものであれば断じて継続すべきものではないし、また、その結果として発生したWTO協定は批准すべきものではないと言わざるを得ないのでありますが、その点について河野大臣の御所見を承りたいと思います。
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河野洋平#9
○河野国務大臣 私、原文を持っております。今ここに持っておりませんが、もしそこにお持ちならば、昨年十二月の自由民主党のこの問題に対する党声明の一番最後の部分をお確かめをいただきますと、我が党は世界貿易の拡大のためにこうしたことが必要なのだという意味のことが書いてあると思います。ただ、そのときにはまだ全体像が明らかでないのでということを断って、このことの重要性については触れていると思います。
 その党声明で重要なものは、この段階でドゥニー調停案を、つまり農業協定を受け入れることについて問題であるということを言っているわけであって、世界貿易拡大のためのこの種のものについて反対をするということは、自民党は党声明で言ったことはないと思います。
 さらに、私は、こうした問題について、その交渉の任に当たられる方が、今議員も御指摘をなさいましたように、自民党内閣当時、閣僚はこの問題に繰り返し繰り返し現地に飛んで交渉に交渉を重ねてきたということを考えれば、もっと交渉をするべきであった、してほしかったという農家、農民の方々の率直な希望というものを我々は体してそうした声明をつくったということだと御理解をいただきたいと思います。
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仲村正治#10
○仲村委員 それでは、十四日の時点では全体像が見えてこなかった、それでそれは満足すべきものでないという党声明を出された、こういうことでありますが、一月の二十六日、この時点ではその全体像というのはもうほとんど明らかになっている時点で、畑農林水産大臣は我が国の農林行政に多大な罪を犯した、大失政を犯した、こういうふうに決議を出されているわけでありますが、その点についてどう思いますか。
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河野洋平#11
○河野国務大臣 今も申し上げましたように、農村そして農業に従事しておられる方々の気持ちは、どうしても農業に大きな影響を与えるこの問題の交渉の任に当たる方々に対して最後まで頑張ってほしいという強い気持ちがあったことは、議員もお感じになっておられたんではないでしょうか。恐らく農業に従事する方々と接触を持つ我々議員ひとしく、この問題が農家の方々にどれだけ大きな不安を与えたかということについては、皆一様に感じておられたに違いないと私は思います。そういう気持ちを表現をするということが、その今御指摘の文言になってあらわれたというふうに私は思います。
 あの当時、あのことについて、農家の皆さんを初め関係者がよくやったというふうにはおっしゃっておられなかったというふうに私は思います。
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仲村正治#12
○仲村委員 当時の世論調査では、やはりウルグアイ・ラウンドの農業合意の受け入れはやむなしとする国民の支持は六五%であったと私は見ております。ただしかし、細川総理は軽々にそれを押し切られた形で受け入れたのではなくて、まさに我が国の農業にとっては国難にも等しい問題である、しかし貿易立国という我が国の総合的な国益の立場からこれは避けて通れないという苦渋の決断であったということは、河野外務大臣も、当時の自民党総裁としてよくよくそれはおわかりのことだったと思うわけであります。そういう立場から私は、今の国益論と当時の皆さんのあの行動とは一致しない、こういうふうに思うから、その点をただしているわけでございます。
 それでは、ことしの一月二十五日に農林水産委員会に自民党から外国産牛肉輸入調整法案なるものが自民党の議員立法として提出されて、現在継続審議案件となっているのであります。これも恐らくガット・ウルグアイ・ラウンド合意受け入れに対する当てつけの行為だと私は見ております。その自民党の畜産関係の大先生、大物の方は、当時の畑農林水産大臣に対しては、ああよくまとめた、よくやってくれた、こういう言葉があったぐらいでありますけれども、裏腹にこういう法律を提出された。そして、今それは継続案件になっているわけでございます。
 今回のこのWTO協定に関連して、政府は関税定率法の一部を改正する法律案を提出されておりますが、あの自民党案の内容とこの関税定率法の改正とは全く整合性がないわけであります。これはどっちか一つをおろしてもらわないと議論のしようがないと私は見ております。これは両立する案件じゃないと私は見ておりますが、自民党総裁として、その議員立法に対してどういう姿勢で臨まれるか、お答えをいただきたいと思います。
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大河原太一郎#13
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。
 仲村委員の御指摘のとおり、輸入牛肉に対して議員立法として輸入調整案が出ておるわけでございます。これは御案内のとおり、自由化後に激増する輸入牛肉、国内生産量を超える輸入牛肉の増大に対して歯どめをかけるという趣旨で提案されたものと承知しております。
 ただ、これは御案内のとおり、牛肉は今回の措置によって自由化されたわけではなくて、既に自由化されております。したがって、ガットの十九条のセーフガードというのが働くわけでございますが、それに徴しますと、その発動案件等についてはそれぞれ整合性を欠いておるという問題があるわけでございまして、これについては発議者その他についても検討中であるというふうに聞いております。
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仲村正治#14
○仲村委員 これは国内生産の五〇%以上輸入牛肉が超過した場合には、現在の関税率の五〇%を七〇%まで引き上げる、こういうふうな内容になっています。今回のこの関税定率法では、今の五〇%を六年間で三八・五%まで下げる。しかし、四半期ごとにおいて一一七%を超す場合には、これは五〇%に戻せる、こういうふうになっています。全く整合しない法律になっている。自民党の総裁として、これをどういうふうにお感じになっていますか。
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河野洋平#15
○河野国務大臣 私は、今政府の一員としてWTO協定の承認のお願いをしているわけでございまして、自由民主党の総裁とはいえ、今議員が御指摘になりました法案の発議者の意見を、今ここで私が代弁をするというだけの資料を持ち合わせておりませんので、お許しをいただきたいと思います。
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仲村正治#16
○仲村委員 発議者の意見を聞いていないということでありますが、しかし、自民党が議員立法で提案をする以上、それなりの党内手続をとられて提出されているということでありますので、やはり最終的な責任は総裁がとらなくちゃならない問題であるからということで、私は、先ほど農林水産大臣が、これは二つは整合しない、両立しない、こういうことでありますので、早目にそれをきちっとしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 沖縄の古典の歌を琉歌と言っています。これは、和歌に対して琉歌という呼び方をしておりますが、大体和歌が五七五七七であるのに対して、琉歌は八八八六でつづられております。その歌の中に、
  我が身孤でんちど人の上や知ゆる無理すゆな
  浮世情びけんという歌がある。これはどういう意味かというと、我が身をつねってみて人の痛さを知れ、人が苦渋苦難にもだえているときには情けをかけて助けてあげなさいということを言っているわけであります。私が先ほど申し上げたような、あの細川総理の苦渋決断に対して真向こうから非難、攻撃を浴びせた自民党総裁の態度はいかがなものかな、私はこういうふうに思っているわけでございます。
 先ほどから、今回のWTO協定案件に対する自民党総裁である河野外務大臣の国益論と、昨年十二月十四日の自民党のウルグアイ・ラウンド糾弾の党声明、本年一月二十六日の参議院で、憲政史上いまだかつて閣僚の問責決議案を提出されたことのない、畑農林水産大臣の問責決議、そして本年一月二十五日、自民党から提出された外国産牛肉輸入調整法案といい、自民党の野党転落のあのなりふり構わぬ非難、攻撃と行為、そして今日、水と油以上に相入れない政治理念と政策で半世紀近くも激突を続けてきた者同士が組んで政権の座についた途端に、ガット・ウルグアイ・ラウンド合意によってできたWTO協定の締結が我が国の国益に合致するという理論の矛盾は、私のような愚直な人間には解き明かすことはできません。
 このことは、与党、野党を超越した国会議論の信義、威厳を保つ基本の問題でありますが、自民党総裁でもあり、かつまた今回のWTO協定案件提出の所管大臣である河野さんがこのような矛盾撞着な態度であれば、真剣に、そしてまじめに天下国家の議論をするむなしさを感じて仕方がありません。私なんか、どこにいるかもわからないぐらいの存在感のない小さい政治家ではありますが、一寸の虫にも五分の魂、こういう気持ちでこの点を強く申し上げておきたいと思います。
 質問を続けます。
 橋本通産大臣、WTO協定締結承認案件提出所管大臣の河野外務大臣は、この協定締結は貿易立国である我が国の総合的国益に照らして極めて有意義であると提案理由でも言っております。我が国が貿易立国といっても、それは輸出もあり、輸入もある。しかし、我が国の貿易国という考え方は、主として安い原材料を輸入して付加価値の高い製品をつくり、輸出して、その利益で豊かな国民生活を維持しているということでありますから、WTO体制の発足によって世界全体の貿易も拡大発展するわけですが、同時に、我が国の貿易量は飛躍的な発展が期待されるということだと思います。
 橋本通産大臣は、貿易の所管大臣として、WTO協定締結をどのように評価しておられますか。御所見を承りたいと思います。
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橋本龍太郎#17
○橋本国務大臣 先日来、本委員会でたびたび私は同じことを申し上げてまいりました。このWTO協定というものが、従来のガット体制とは異なり、物の貿易だけではなく知的財産権やサービスまでカバーする、二十一世紀に向けての今後の国際的な経済活動の総合的な基本原則を確立するという意義を、私はここに見出しております。
 そして、このWTO協定の成立によりまして、世界的な関税の引き下げあるいは貿易障壁の低減といったものを通じまして、貿易自由化と貿易のルールの強化というものが実現され、多角的貿易体制が維持強化されるということは、貿易立国を進めてきた日本にとりまして、我が国の繁栄を考えますときに極めて大切なものだと考えております。
 今後ともにこの中で努力をしてまいりたい、そのように考えております。
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仲村正治#18
○仲村委員 ただいま橋本通産大臣は、このWTO協定を締結することは、貿易立国として生きてきた我が国の総合的な国益の面から非常に有意義である、ぜひその体制を進めるために頑張っていきたいというような趣旨の御答弁であったと私は受けとめております。
 WTO体制発足は、今大臣から評価がありましたとおり、これは世界全体の貿易も質、量ともに発展いたしますが、特に貿易立国として我が国の貿易の拡大発展に大きな希望と期待をしているものであります。もちろん輸出も輸入も拡大するわけですが、ところが、我が国の輸出貿易が拡大発展するという問題は、現在でもアメリカを初め諸外国からの日本の貿易黒字に対する外圧は、手を変え品を変え重くのしかかっている状態であります。
 WTO体制下でもろもろのルールは定められたにしても、我が国の国際競争力の強さからして、我が国の輸出貿易の拡大発展は、国際貿易市場での競争と貿易摩擦の激化を誘発する要素を多分に持っていると私は考えております。今までのようにアメリカからこれもだめだ一、あれもだめだと言われることはWTO体制下でも起こり得るだろうか、その場合に日本としてどう対応をすべきであるか、お答えをいただきたいと思います。
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橋本龍太郎#19
○橋本国務大臣 多少言葉が過ぎればお許しをいただきたいと思うのでありますが、御質問者と私どもが同じ党におりまして、そして皆さんの力で生まれました内閣の中、私は、このWTO協定に至りますプロセスの中で何回か、この将来を心配しながら、例えば海部内閣の際におきましても、閣内における議論を閣僚同士で闘わせる場面を、私が主導権をとりながら進めてまいりました。そして、さまざまな角度から我々はこれに向けての議論をしてきたことを、もう一度御想起願いたいと思うのであります。
 そして、その中で議論をされてまいりました問題点は、今日も本質として変化はいたしておりません。そして、私は、WTO協定というものが、これは世界経済に今大きなプラスになるだけではなく日本にも必要なことだということを申し上げてまいりました。そして現在、我々は、経常収支の黒字の意味のある縮小というものに努めなければならない、そうした命題を負っております。そしてこれは、当然のことながら、貿易のルールが変わります中で、我が国もその規制の緩和が進められ、あるいは非関税障壁と言われましたような商慣行くの是正の努力がなされております中で、当然のことながら輸入の条件も変わってまいります。
 そして、細川内閣で日米関係を大人の関係という言葉のもとに決裂状態にされた、その後を我々は引き継いだわけでありますが、その経常収支の黒字の意味のある縮小というものに向けて、現内閣は減税先行の税制改革をも国会に御審議をお願いしてまいりました。
 また、公共投資の基本計画そのものが、私が日米構造協議のときに大蔵大臣としてまとめたものでありますけれども、その後の経済運営の中でなお拡大の必要を認め、私どもはこれを明年度からの新たな六百三十兆円の規模の公共投資基本計画に改めております。
 マクロの経済政策の運営において、我々は意味のある黒字の縮小に努力をしてまいりますとともに、貿易の、さまざまな批判を受けてまいりました障壁となるような規制の緩和というものにもこれからも取り組んでまいります。そうした中で状況を改善していく努力を進める。当然のことであります。
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仲村正治#20
○仲村委員 資源のない我が国として、先ほどから申し上げておりますように、貿易立国といっても、安い原材料を輸入して、そして付加価値をつけた商品を輸出して、その利益によって豊かな国民生活を維持しているわけでありますので、やはり貿易立国という立場から、日本の国にとってはこのWTO協定は大きな利益になる、そういう立場から我々もそれを支持しております。
 ただ、申し上げたいのは、先ほども申し上げましたが、この体制が発足をいたしますと、世界全体の貿易も拡大しますけれども、それと同時に我が国の貿易も拡大する。貿易といっても、主として我が国は輸出貿易で利益を稼いで国民の暮らしを維持しているという立場からすると、今まで以上にそういう方向が拡大される。
 今アメリカから、やれ経常収支の黒字がどうのこうのというような形で圧力をかけられているけれども、私がお尋ねしたいことは、このWTO体制下でアメリカが、今までみたいに手を変え品を変え、あれもだめだ、これもだめだというようなことが言える状態になるのかということをお聞きしているわけであります。ずばりお答えをいただきたいと思います。
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橋本龍太郎#21
○橋本国務大臣 このWTO協定を批准する、これは我々だけではなく、米国も今、実施法の論議をされております。そして、この中において、先般来本委員会でも御議論がしばしば出ておりますように、我々としてはその精神に反するのではないかと思われる通商法三〇一条あるいはスーパー三〇一条というものが存置されておる状況も御承知のとおりであります。
 しかし同時に、従来なかった新たなルールがそれぞれの分野に出てまいります。そして、我々としてまた議論をする場も新たに生まれてくるわけであります。そして現在、日米包括協議が、私自身これに苦しみながら前政権から引き継いだ中での努力をいたしておりますけれども、こうした議論はこれからも続くかもしれません。いや、また続くでありましょう。新たな分野で問題が発生することもあるでありましょう。しかし、その紛争処理についてのルールは、新たにこのWTO体制のもとで、より制度として整備をされていくわけでありますし、逆に、日本にとってセーフガード等の措置もきちんとルール化されるわけでありますから、よりルールにのっとった問題の処理ができることと思います。
 そして、委員は先ほどから黒字の問題に言及されますけれども、私は、WTO体制とかそうした問題よりも、むしろ、日本の貿易収支だけを議論しますならば、短期的には為替のレートの問題でありますとか、あるいは特に日本にとって影響の多いエネルギー・原油価格、あるいは世界経済の動向といった影響によるものが非常に大きいわけでありまして、やはりマクロの貯蓄・投資バランス等によって規定していく努力をこれからも続けなければならない、そのように考えております。
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仲村正治#22
○仲村委員 今までもアメリカは保護貿易主義を排除する姿勢でありますけれども、しかしやっていることは保護主義的な姿勢が非常に強かった。例えば、日本との貿易協議の中でも、数値目標を求めるとか、いろいろと圧力をかけてきたわけであります。私たちは、このWTO体制の発足によってそういうむちゃなことはできなくなる、そういう考え方を持っているわけでありますが、今大臣は、今後もそれは起こり得るというような感じの御答弁をなさっておられますが、その点については時間をかけてぜひ議論をしていきたい、また勉強もしていきたい、こういうふうに思っているわけであります。
 橋本通産大臣、今、WTO協定体制の発足で我が国の一番の不安と懸念は、生産条件の不利な我が国農産物及び食料品に対する原則自由貿易の市場原理に基づく圧力であります。
 我が国の貿易黒字に対してまずねらわれる分野は、生産コストの高い国内農産物、食料品に対して、安い外国農産物輸入を迫ってくる攻勢が必ず起こってくると思うが、今回、関連国内法改正が行われるのでありますけれども、果たしてこれが完全な防波堤となり得るか、疑問点が心の片隅に残っております。その点、どのような御見解をお持ちか、通産大臣と農林大臣にお答えをいただきたいと思います。
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橋本龍太郎#23
○橋本国務大臣 あえて私へのお尋ねということですから申し上げますと、昨年、私どもが野党として、細川内閣がこの農業合意を受け入れられる決断をされたということを聞きましたとき、非常に不安に駆られたことは間違いがありません。
 それには幾つかの理由がございます。なぜなら、その交渉の最後の段階において、各国が皆閣僚を派遣して現地で必死の努力をしているときに、細川政権は閣僚をお送りになろうとされませんでした。全部事務方にお任せでありました。そして、我々が政府に詰め寄って、閣僚の派遣を求めて初めて、当時の羽田外務大臣が最後の日になって現地に行かれましたが、時既に遅かったということは御承知のとおりであります。
 しかも、当時の政府が合意の内容として公表しましたものが、その発表が二転三転したことも御承知のとおりであります。ですから、必要以上に国内に不安を大きくしたことも間違いがありません。
 それだけに、農林水産大臣が閣内で御努力を重ねられ、現在、政府として六兆百億の、国内の農業をこの状況の中でも守り抜いていくための積み上げの努力をしてこられ、その計画を公表されたことで、私はその御努力を多としておりますし、これによって我が国の農業が引き続き守られていくことを心から願っております。
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大河原太一郎#24
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。
 当委員会でしばしば申し上げておりますように、ウルグアイ・ラウンド農業合意につきましては、長い交渉の際における例外なき関税化、これに対して反対を続けたところでございますが、最終、米については特別取り扱い、その他については関税化ということになったわけでございます。
 その際も、我々としても、関税相当量という高い内外価格差を引きまして、当面の急速な影響は防止できる見通しも持っておりますが、今お話しのように、逐次国際市場の影響が国内農産物市場に及ぼしてくる、その点はもう当然のことだと思うわけでございまして、そのためには、国内農業について力強い農業構造を樹立してこれに対応することが急がれるということで、今も通産大臣が申し上げましたように、国内対策の樹立をということでそれぞれの具体的な施策を盛り込んだ対策を進めようとしているところでございます。
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仲村正治#25
○仲村委員 橋本通産大臣は、お尋ねもしないことをここぞとばかり発言をされたわけでありますが、当時政治改革法案の審議の真っ最中、そして野党自民党は政治改革よりも景気対策だ、こういうことでそれを強調されて十一月三十日に出した。衆議院は二、三日で通った。参議院に行って、十二月十五日の夜中の十一時四十五分ごろ可決をした。大臣を全部くぎづけして、どこがジュネーブに行けという気持ちだったのかということであります。
 そこで私の質問は、今関連国内法の改正が出ておりますが、この防波堤で十分ですかということをお聞きしたわけであります。農林大臣、どうぞ。
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大河原太一郎#26
○大河原国務大臣 繰り返して申し上げましたように、関税の場合にも内外価格差を基準とした相当程度の高い関税を張る。しかも、今回のお願いしております法案に明らかなように、米についてもそのミニマムアクセスについては一定の差益を徴収し、国が輸入管理をしながら行う。麦についても輸入管理をいたしまして、一定の差益をもって国内産との調整を図る。さらには、畜産振興事業団による乳製品につきましても、その関税相当料を張り、その範囲内で差益を徴収して国内の酪農、乳業に影響を与えないようにする。あるいは、生糸についても同様の制度がとられておるということでございまして、当面の影響、これは極力回避し得るような措置をとるため今回法案を提出したところでございますが、お話しのように、中長期で見ますと、先ほども申し上げましたように、国際的な農産物市場の影響が国内市場にも影響を及ぼす。それには、我が国の農業に対してがっちりした農業構造を築き上げる、それによって国際的な競争に耐えなければならない、そういう姿勢で取り組んでおるところでございます。
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仲村正治#27
○仲村委員 武村大蔵大臣は、昨年十二月、細川内閣で官房長官としてガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意案受け入れを行い、さらに十二月十七日のガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意関連の緊急農業農村対策本部設置に際しては副本部長に就任された立場ですが、今回のWTO協定締結をどのように評価されますか。
 また、当時の緊急対策本部の副本部長として、このWTO協定締結によって、我が国農業、農村に及ぼす不利益と不安を解消し、自由貿易体制下で我が国農業が立ち行くための施策の万全を期す責任があると思いますが、この御決意をお尋ねいたします。
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武村正義#28
○武村国務大臣 もういろいろ関係大臣からも答弁がございましたと思いますが、ずっと戦後の歴史の中で、いわゆる鉱工業品をめぐる貿易の交渉はたくさんありました。今回のガット・ウルグアイ・ラウンドは、まさに総合的といいますか、鉱工業製品に限らず農産物が全面的に対象になりましたし、いわゆるサービス、さらには知的所有権、あるいは貿易のルールに至るまで、幅広く貿易にかかわる国際合意が実ったわけであります。数も百二十五カ国でございます。七年半の歳月を経て、ようやく本年の四月にマラケシュで調印されることによってこの長い困難な世界貿易に関するコンセンサスが成就を見ることができた。これは大変大きな意義がある、戦後の貿易、経済の歴史の中で画期的な出来事であるというふうに認識をまずいたしております。ぜひこのことが、今後世界経済の拡大や、文字どおり国境を越えた貿易の促進に大きな成果が上がることを期待していきたいと思っております。
 当時官房長官を務めておりまして、本部の設立、第一回の会合、そしてこの事態に対する当時の政府の考え方の取りまとめ等にもかかわらせていただいたわけでありますが、細川総理の当時の発言にございますように大変苦しい選択をさせていただいたわけではあります。それだけに、農業にとっては異常な厳しい事態に対して真剣に目を向けていこう、そのことが万全の対策という表現につながっていたというふうに思っております。
 そしてそのことが、今日この時期を迎えて、本当に政府が万全の対策をとるかどうかが農業の関係者を含めて幅広く見詰められている状況だと思っております。それだけに、当時の政権にも参画をさせていただいた立場から、一層真剣にこの政府の方針を実現するために全力を尽くさせていただきたいと思っております。
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仲村正治#29
○仲村委員 ぜひ今の御答弁のとおり全力を尽くして万全を期していただきたい、このように希望いたすものであります。
 政府は、昨年十二月十七Bに閣議了解で決定したウルグアイ・ラウンド農業合意関連の緊急農業農村対策に基づき、去る十月二十五日、その関連対策事業費として、平成七年から平成十二年までの六年間で六兆百億円を決定した。この総事業費のうち国費を二分の一としても六年間で三兆円ですから、一年で平均して五千億円ということになります。そして、これは八月末の農水省の概算要求額三兆四千二百六億円の既定予算とはまさに別枠で、ウルグアイ・ラウンド対策費としての上積みとして決定されたものと一般国民、なかんずく全国の農業者は受けとめているし、また、私たち改革としてもそのような理解をいたしております。
 大蔵大臣、何回も何回も繰り返された質問だと思うが、ウルグアイ・ラウンド農業合意緊急農業農村対策費という大義名分からいっても、そのような解釈は否定のしようもなく、逃げようにも逃げられない理屈だと思うが、この点ははっきりと確認をしておきたいと思います。どうぞ御答弁をお願いします。
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