予算委員会

1994-10-11 衆議院 全357発言

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会議録情報#0
本国会召集日(平成六年九月三十日)(金曜日)
(午前零時現在)における本委員は、次のとおり
である。
  委員長 佐藤 観樹君
   理事 衛藤征士郎君 理事 中川 秀直君
   理事 野呂田芳成君 理事 深谷 隆司君
   理事 伊藤 英成君 理事 草川 昭三君
   理事 月原 茂皓君 理事 後藤  茂君
   理事 中西 績介君
      伊藤 公介君    浦野 烋興君
      江藤 隆美君    越智 伊平君
      川崎 二郎君    後藤田正晴君
      近藤 鉄雄君    志賀  節君
      島村 宜伸君    関谷 勝嗣君
      高鳥  修君    東家 嘉幸君
      中山 太郎君    野田  実君
      村田敬次郎君    村山 達雄君
      若林 正俊君    綿貫 民輔君
      東  祥三君    石井 啓一君
      市川 雄一君    岡島 正之君
      加藤 六月君    工藤堅太郎君
      笹山 登生君    鮫島 宗明君
      田名部匡省君    高木 義明君
      長浜 博行君    二階 俊博君
      日笠 勝之君    山田  宏君
      伊東 秀子君    坂上 富男君
      鉢呂 吉雄君    細川 律夫君
      三野 優美君  五十嵐ふみひこ君
      不破 哲三君    松本 善明君
―――――――――――――――――――――
平成六年十月十一日(火曜日)
    午前九時開議
出席委員
  委員長 佐藤 観樹君
   理事 衛藤征士郎君 理事 中川 秀直君
   理事 野呂田芳成君 理事 深谷 隆司君
   理事 伊藤 英成君 理事 草川 昭三君
   理事 月原 茂皓君 理事 渡部 恒三君
   理事 池端 清一君 理事 三野 優美君
      伊藤 公介君    浦野 烋興君
      江藤 隆美君    越智 伊平君
      越智 通雄君    川崎 二郎君
      熊代 昭彦君    後藤田正晴君
      近藤 鉄雄君    斉藤斗志二君
      志賀  節君    島村 宜伸君
      関谷 勝嗣君    中谷  元君
      村田敬次郎君    村山 達雄君
      若林 正俊君    東  祥三君
      石井 啓一君    岡島 正之君
      加藤 六月君    北側 一雄君
      笹山 登生君    鮫島 宗明君
      田名部匡省君    高木 義明君
      谷口 隆義君    中野 寛成君
      長浜 博行君    二階 俊博君
      日笠 勝之君    山岡 賢次君
      山田  宏君    今村  修君
      佐々木秀典君    坂上 富男君
      嶋崎  譲君    細川 律夫君
      山崎  泉君  五十嵐ふみひこ君
      錦織  淳君    穀田 恵二君
      志位 和夫君    松本 善明君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  村山 富市君
        法 務 大 臣 前田 勲男君
        外 務 大 臣 河野 洋平君
        大 蔵 大 臣 武村 正義君
        文 部 大 臣 与謝野 馨君
        厚 生 大 臣 井出 正一君
        農林水産大臣 大河原太一郎君
        通商産業大臣  橋本龍太郎君
        運 輸 大 臣 亀井 静香君
        郵 政 大 臣 大出  俊君
        労 働 大 臣 浜本 万三君
        建 設 大 臣 野坂 浩賢君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     野中 広務君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長官
        )       五十嵐広三君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 山口 鶴男君
        国 務 大 臣
        (北海道開発庁
        長官)
        (沖縄開発庁長
        官)      小里 貞利君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 玉沢徳一郎君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      高村 正彦君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      田中眞紀子君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 宮下 創平君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 小澤  潔君
 出席政府委員
        内閣官房内閣内
        政審議室長
        兼内閣総理大臣
        官房内政審議室
        長       藤井  威君
        内閣官房内閣外
        政審議室長
        兼内閣総理大臣
        官房外政審議室
        長       谷野作太郎君
        内閣法制局長官 大出 峻郎君
        内閣法制局第一
        部長      津野  修君
        国際平和協力本
        部事務局長   鈴木 勝也君
        警察庁刑事局長 垣見  隆君
        警察庁交通局長 田中 節夫君
        総務庁長官官房
        長       池ノ内祐司君
        総務庁行政管理
        局長      陶山  晧君
        防衛庁参事官  江間 清二君
        防衛庁長官官房
        長       三井 康有君
        防衛庁防衛局長 村田 直昭君
        防衛庁教育訓練
        局長      佐藤  謙君
        防衛庁経理局長 秋山 昌廣君
        防衛施設庁総務
        部長      粟  威之君
        経済企画庁調整
        局長      吉川  淳君
        経済企画庁物価
        局長      谷  弘一君
        経済企画庁総合
        計画局長    土志田征一君
        経済企画庁調査
        局長      大来 洋一君
        科学技術庁長官
        官房長     新  欣樹君
        科学技術庁科学
        技術政策局長  石井 敏弘君
        科学技術庁原子
        力局長     岡崎 俊雄君
        環境庁長官官房
        長       大西 幸夫君
        環境庁企画調整
        局長      石坂 匡身君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 野村  瞭君
        国土庁防災局長 村瀬 興一君
        法務省刑事局長 則定  衛君
        公安調査庁次長 松浦  恂君
        外務省総合外交
        政策局長    柳井 俊二君
        外務省総合外交
        政策局国際社会
        協力部長    高野幸二郎君
        外務省総合外交
        政策局軍備管
        理・科学審議官 林   暘君
        外務省アジア局
        長       川島  裕君
        外務省北米局長 時野谷 敦君
        外務省欧亜局長 野村 一成君
        外務省中近東ア
        フリカ局長   須藤 隆也君
        外務省経済局長 原口 幸市君
        外務省条約局長 折田 正樹君
        大蔵大臣官房総
        務審議官    竹島 一彦君
        大蔵省主計局長 篠沢 恭助君
        大蔵省主税局長 小川  是君
        大蔵省銀行局保
        険部長     山口 公生君
        大蔵省国際金融
        局長      加藤 隆俊君
        国税庁次長   松川 隆志君
        文部大臣官房長 佐藤 禎一君
        文部省初等中等
        教育局長    野崎  弘君
        文化庁次長   林田 英樹君
        厚生大臣官房総
        務審議官    太田 義武君
        厚生省保健医療
        局長      谷  修一君
        厚生省老人保健
        福祉局長    阿部 正俊君
        厚生省児童家庭
        局長      佐々木典夫君
        農林水産大臣官
        房長      高橋 政行君
        食糧庁長官   上野 博史君
        通商産業省通商
        政策局長    坂本 吉弘君
        通商産業省産業
        政策局長    堤  富男君
        通商産業省機械
        情報産業局長  渡辺  修君
        資源エネルギー
        庁長官     川田 洋輝君
        中小企業庁長官 中田 哲雄君
        運輸省鉄道局長 戸矢 博道君
        運輸省航空局長 土坂 泰敏君
        郵政大臣官房審
        議官      品川 萬里君
        郵政省通信政策
        局長      山口 憲美君
        郵政省電気通信
        局長     五十嵐三津雄君
        労働大臣官房長 伊藤 庄平君
        労働省職業安定
        局長      征矢 紀臣君
        建設大臣官房長 伴   襄君
        建設省道路局長 藤川 寛之君
        自治大臣官房長 秋本 敏文君
        自治大臣官房総
        務審議官    二橋 正弘君
        自治省行政局長 吉田 弘正君
        自治省行政局選
        挙部長     佐野 徹治君
        自治省税務局長 滝   実君
 委員外の出席者
        最高裁判所事務
        総局総務局長  涌井 紀夫君
        予算委員会調査
        室長      堀  一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
九月三十日
 辞任         補欠選任
  野田  実君     越智 通雄君
  伊東 秀子君     池端 清一君
  後藤  茂君     今村  修君
  中西 績介君     佐々木秀典君
  鉢呂 吉雄君     嶋崎  譲君
十月三日
 辞任         補欠選任
  綿貫 民輔君     原田  憲君
同月六日
 辞任         補欠選任
  工藤堅太郎君     渡部 恒三君
同月七日
 辞任        補欠選任
  市川 雄一君     谷口 隆義君
同月十一日
 辞任        補欠選任
  高鳥  修君     熊代 昭彦君
  東家 嘉幸君     中谷  元君
  原田  憲君     斉藤斗志二君
  高木 義明君     中野 寛成君
  谷口 隆義君     北側 一雄君
  二階 俊博君     山岡 賢次君
  今村  修君     山崎  泉君
五十風ふみひこ君     錦織  淳君
  不破 哲三君     穀田 恵二君
同日
 辞任        補欠選任
  熊代 昭彦君     高鳥  修君
  斉藤斗志二君     原田  憲君
  中谷  元君     東家 嘉幸君
  北側 一雄君     谷口 隆義君
  中野 寛成君     高木 義明君
  山岡 賢次君     二階 俊博君
  山崎  泉君     今村  修君
  錦織  淳君   五十嵐ふみひこ君
  穀田 恵二君     志位 和夫君
同日
 理事後藤茂君及び中西績介君九月三十日委員辞
 任につき、その補欠として三野優美君及び池端
 清一君が理事に当選した。
同日
 理事月原茂皓君同日理事辞任につき、その補欠
 として渡部恒三君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 国政調査承認要求に関する件
 予算の実施状況に関する件
     ――――◇―――――
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佐藤観樹#1
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 まず、理事辞任の件についてお諮りいたします。
 理事月原茂皓君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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佐藤観樹#2
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 ただいまの理事辞任並びに委員の異動に伴い、現在理事が三名欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、これは先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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佐藤観樹#3
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、理事に
      渡部 恒三君   池端清一君
   及び 三野 優美君を指名いたします。
     ――――◇―――――
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佐藤観樹#4
○佐藤委員長 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の実施状況に関する事項について、議長に対し、国政調査の承認を求めることとし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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佐藤観樹#5
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
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佐藤観樹#6
○佐藤委員長 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中野寛成君。
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中野寛成#7
○中野委員 おはようございます。
 新しい時代を切り開こう、日本もまた世界的な大変革の中で、それにおくれない、むしろ時代を先取りする、世界の運営をリードする、その意気込みを持ってこれから日本の政治改革や経済改革に取り組んでいかなければいけないと思います。
 私は、一つの期待を持ってきょうはお尋ねをさせていただきたいと思います。
 まず、本論に入りますまでに、緊急問題について一、二お尋ねをいたします。
 今月四日に起きた北海道東方沖地震の被災者、その家族の方々に対して一言お見舞いの言葉を申し上げたいと存じます。政府においては、被災者に対する万全の対策、地域の復旧策に全力を尽くすよう求めたいと存じます。
 また、昨日、本日、テレビの画面等でも、北方領土における悲惨な災害状況が報道されております。人道的に見ましても、これを放置することは許されないと思います。ロシア政府との連携を密にしつつ、緊急に我が国としてもその対策を講じる必要があろう、こう思いますが、このことについてもお尋ねをいたしたいと思います。
 また同時に、新しい災害が起こりますと、以前の災害をつい忘れがちであります。昨年の北海道南西沖地震によって、奥尻島を中心に痛ましい被害が生じました。その傷跡はまだ消えないものがあります。また、雲仙・普賢岳の噴火による災害もなお続いております。これらのことについて政府は万全の対策を講じなければいけないと思いますが、そのことについてまずお伺いしておきたいと思います。
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村山富市#8
○村山内閣総理大臣 今委員からお話がございましたように、国際情勢、国内情勢、大きな変革の時期にあるだけに、そうした新しい時代を築く決意のもとに、一体となってこれからも努力をしていきたいというふうに考えております。
 御指摘のございました災害でございますが、とりわけ先般の北方領土に関連する被害につきましては相当甚大なものがあるというふうに報道もされておりますが、その被害の実態等々も十分に把握をしながら、適切に人道的な援助については惜しみなくやらなきゃならぬというふうに考えて、今対応について検討しているところであります。
 それから、お話にもございました北海道南西沖地震対策、それから雲仙岳の噴火による被害等につきましても、関係省庁一体となってこれまでも取り組んでまいったところであります。
 具体的に申し上げますと、例えば雲仙岳の災害対策の問題につきましては、非常災害対策本部を設置をいたしまして、住宅、民生、農林漁業、中小企業対策等、二十一分野百項目にわたる総合的な体系的な対策を地元県、市と力を合わせて強力に推進してまいっておるところでありまするし、同時に北海道南西沖地震あるいは東方沖地震等につきましても、今申し上げましたように、まず生活をどう立て直していくかという問題やら事後の防災対策にどう万全を期していくかといったような問題、同時にまた、東方沖につきましては道路等が相当崩壊いたしておりますから、したがって生活に必要な水の問題、道路の問題等々についても関係省庁力を合わせて今万全の対策を講じておるところでございます。
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中野寛成#9
○中野委員 なお、北方領土関係については、ロシア政府との関係はどのようになっておりますか。
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河野洋平#10
○河野国務大臣 北方領土関係について、私から御報告を申し上げます。
 先週末、九日現在でございますが、八名の死者がロシア非常事態省、これは役所でございます、ロシア非常事態省により確認されたほか、負傷者も多数発生している模様でございます。多数の建物が倒壊、発電所、パイプライン、電線が破壊されるなど大きな被害が出ている、特に色丹島の被害が甚大であるというふうに伝えられております。子供と年金生活者が数千人単位でサハリンなどへ避難させられているという情報もございます。さらに九日午後、強い余震が発生をいたしまして、色丹島では津波が発生した模様であり、今後被害が拡大することも予想されるというのが現在私ども受けている情報でございます。
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中野寛成#11
○中野委員 ロシア政府との関連はどうですか。要請がありましたか。
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河野洋平#12
○河野国務大臣 ロシア政府、今申し上げましたのは、ロシア非常事態省より確認をされた情報でございます。
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中野寛成#13
○中野委員 日本に救援もしくは協力の要請がありましたか。日本はどういう連絡をロシア政府ととっておりますか。実情の報告だけですか。
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河野洋平#14
○河野国務大臣 現在、政府としては、現地のニーズを確認をいたしまして、非常事態における人道的見地から適切な支援を行うべく情報の収集に努めている段階でございます。
 その関連で、ロシア政府内に設置されております、ヤーロフ副首相を長とする災害復旧に関する政府委員会から派遣された視察団が先般現地を訪問したところ、この結果について連絡が来るという見込みでございまして、その報告等を今待っているところでございます。
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中野寛成#15
○中野委員 北海道、そしてまた北方領土ともにこれから厳しい冬を迎えようとしております。むしろ冬の訪れを既に感じているところだろうと思うのであります。一刻も猶予はならない状況であろうと思います。精いっぱいの努力をされるように要請をしておきたいと思います。
 もう一つ、緊急の課題が起こりました。
 イラク軍がクウエートとの国境地帯、非武装地帯から約二キロメートルぐらいに近づいている、戦車部隊を中心にして。これについて国連も、また一方アメリカ合衆国もこれに対する対応策を今いろいろと講じられているわけでありますが、ひとり日本国だけ無関心というわけにはまいりません。既にけさのニュース等を見ますと、また引き揚げ始めたという報道も一部なされておりますが、どのような情報を得ておられますか。また、それに対して日本はどのような対応をなされますか。
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河野洋平#16
○河野国務大臣 イラク軍の動きについて、私どもが掌握しているところを少し御説明申し上げたいと思います。
 最近、イラクは、十月六日の革命指導評議会の声明等がござましたが、国連がイラクに対する経済制裁の解除に見通しをつけなければ、国連への協力を見直すということを言っておるわけでございまして、この点について国際社会は懸念を持っているわけでございます。
 五日または六日ごろからイラク共和国防衛隊の南下などの動きが見られ、十一日までイラク領内のクウエート国境付近に二個師団を移動させ、既にそこにおりました既存の四個師団と合わせて六万以上、一部の報道では八万の兵力が展開するに至ったというふうに言われているところでございます。これに対しまして、アメリカは今のところ三万六千名の兵員をクウエートに向け輸送中というふうに聞いております。
 現在、国連の安保理におきましてこの点についての議論が行われているところでございます。御指摘のように、イラクの国連関係者から、既に自分たちの兵力は引き返す指示をしているという説明がございましたが、現在のところ現実に兵力が引き返したかどうかについての確認はできておりません。
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中野寛成#17
○中野委員 いずれにせよ、事が起こってからでは既に被害者が出てしまうということになるわけであります。これらのことは、未然に有事を防ぐこと、そのことが何よりも肝要であると思います。日本も、積極的に国連の一員として大きな働きがなされるように強く要請をしておきたいと思います。
 さて、質問の本論に入らせていただきたいと思いますが、私は、新しくできました統一会派改革を代表してお尋ねを申し上げますが、一部所属をいたします民社党や私自身の私見も含めながら、提案とともに質問をさせていただきたいと思います。
 先日、お聞きいたしますと、総理は、母校の明治大学から名誉博士号を受けられたとお聞きをいたしました。おめでとうございました。そこで、村山名誉博士に幾らか歴史観を含めてお尋ねをしたい。なぜかというと、世界的な大変革のときを迎えている、お互いに使う言葉であります。ならば、その歴史観をお互いに共通のものとして持たなければ、今後の対策は論じることができないと思うからであります。
 私は、話が少々大きくなりますが、今二十世紀の終わりを迎え、二十一世紀に向かおうとしている、よく使われる言葉であります。ただ、これは数字上の言葉だけではなくて、偶然ではあろうと思いますけれども、世界史で開拓時代が始まったのがちょうど紀元一〇〇〇年以降なのであります。実際、ヨーロッパでも、十世紀に民族大移動が終わり、十一世紀から十三世紀に、イングランド諸都市、それからライン川沿岸、南ドイツ、スイス、イタリアなどに都市の帯が形成をされております。ところが、大きなパラダイムシフトとも言える思想的な大転換がこの一〇〇〇年紀末に訪れているわけであります。
 一昔前までは、環境保護派とか、エコロジストというと過激な政治集団に思われがちでありました。今は、だれでも何らかのエコロジストを自認していると思うのであります。開拓至上主義、人間が自然を支配するという価値観の見直しの時期に差しかかっていると言っても過言ではないと思います。西暦一〇〇〇年までは、人類が自然に屈服し、または自然が与えてくれる恵みの範囲の中で生活をした時代であったろうと思います。
 しかし、後半の千年、すなわち現在までの千年は、人類が、産業革命にもあらわれておりますけれども、自然の恵みまたは自然がつくるその生産能力、地球の新しい資源をつくる能力を超えて消費をし始めた。簡単に言えば、人類が地球を食いつぶし始めた千年であったと言っても過言ではないと思います。これからは、人類と自然、人類と地球が、まさにお互いにお互いを守り育て合う友情の時期を迎えたと言っても過言ではないだろうと思うのであります。
 よくリストラだとか規制緩和とかという言葉が使われます。これは、現在不景気だからリストラを進めている、案外リストライコール合理化と勘違いしている人もいますけれども、そうではなくて、この地球規模で歴史的に物事を考えたときに、我々はいやが応でもリストラをしなければいけないし、それを進める規制緩和をしなければいけない時代を迎えているんだ、こう思うんですね。
 また、ちょっと長くなりますが、今は千年単位で申し上げました。百年単位で申し上げます。これは、社会党の綱領的文書と民社党の綱領とルーツが同じということもあるかもしれませんが、社会主義インターにともに加盟している政党として、実は数年前、社公民国民連合政権をつくろうと言ったときに、私は社会主義インターの資料を、諸決議をまとめて当時の社会党の政審会長にお渡しをしたことがあります。それまでは余り御存じなかったようでありますが、最近はだんだん共通用語がふえてまいりました。
 その中で拝見をいたしますと、自由、公正、友愛という言葉を私どもは使いますが、社会党の文書を最近見ましたら、自由、公正、連帯などという言葉になっているんですね。自由をまず最初に持ってくるのには反対だといって随分社会党さん、当時抵抗された、公正を先にしようといって。近ごろは大分変わったようでございます。
 そこで、私は、十九世紀は言うならば経済優先の自由の時代、それによって、しかし十九世紀から二十世紀の初頭にかけて世界大恐慌が起こった。やはり政治の仕組みを、政治が経済をコントロールしなければという考え方で共産主義や民主社会主義や修正資本主義が生まれたと思うのです。これも現在すべての思想が壁にぶち当たったと言っても過言ではない。言うならば、十九世紀は経済的自由放縦の時代であった。しかし、それをコントロール、政治がコントロールするために、二十世紀は政治の時代、公正の時代であったと思います。
 しかし、これも窮屈さを生んでしまいました。そうすると、これからは何の時代だ。社会党であれば連帯の時代と言うのかもしれません。私どもは、連帯というよりももっと広い意味での友情、友愛の時代にしなければいけない、こう思っているわけであります。
 友情の本質というのは、上下関係ではないと思います。人々に優しいと総理は演説でおっしゃるが、私は優しいという言葉はすばらしい言葉だと思います。しかし、政治家が安易に使うと、時にこれは傲慢な態度を示す言葉になります。上から下の人に優しくする、先進国が開発途上国に優しくしてあげる、そういう言葉になりかねません。むしろ人間の使命として、人類が本来持っている責任感としてさせていただくという姿勢の方がむしろ私は正しいのではないかと思います。
 ならば、友情の本質というのは、上下関係ではありませんで、互いに成長するために努力をし合っているその姿を見て尊敬し合う、いたわり合う、補い合うという関係だろうと思うのであります。
 これからの経済政策も、税制も、そして外交、防衛も、その視点がなければいけないと思うのであります。国と国との間の友情、大企業と中小企業の友情と助け合い、男と女の間の友情、過去と未来の友情、現在と未来社会の友情が大切なのだろうと思うのであります。
 そこで、村山名誉博士の二十一世紀のビジョンと日本の役割について、まず基本的に、大変革の時代ですから、そして社会党は大胆に政策を転換された、これからどうなるかますますわからないというときですから、まず基本的なスタンスをきちっと総理にお伺いしておきたいと思います。
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村山富市#18
○村山内閣総理大臣 明治大学の名誉博士をいただいたことについても触れられましたけれども、これは私は何も学問的にすぐれているからというのでなくて、たまたま大学の卒業生で総理になられたという意味でいただいたものだというふうに、まあ恐縮しながら受け取っておった次第であります。
 今委員から、これまでの世界の歴史の経過について、千年単位、百年刻みの分析をしたお話がございました。私もそういう時代の変化についてはほぼ同じ認識を持っておると思いますけれども、まあそういう経過を踏まえて、これからどういう理念と位置づけをしながら取り組むつもりなのか、こういう御質問だったかと思うのです。
 私はこれからはやっぱり、まあ俗に言われますように、冷戦構造も崩壊してまさに世界は平和と協調の時代になりつつある、しかしそれだけではなくて、ユーゴ等に見られますように、地域的な、民族的、宗教的あるいはまた国境的ないろんな問題があって、紛争もまたあちらこちらで起こっておる、こういう現状にあると思いますけれども、今何よりも大事なことは、先ほど委員からもお話がございましたように、これからの世界について、地球上に住んでおる人類がお互いに共生できるような、貧富の差をなくしていくために何をすべきか、あるいは一番大事な、人間の生存にとって必要な地球環境というものがだんだんオゾン層を中心にして今彼壌されつつある、こういう人類共通して生存に必要な環境問題というものをどう大事にしていくかというようなことも、やっぱりこれからお互いに取り組まなければならぬ大きな課題であるというふうに思います。
 同時に、国内を見ましても、これはやっぱり力の強い者もあれば弱い者もある。同時に、今お話がございましたように、大企業もあれば中小企業もある。こういった状況の中で、お互いに共生できるような社会的公正というものをどう確保して維持していくかというようなことについても、政策的には極めて大事ではないかというふうに考えておりますが、まあ一言で申し上げますのならば、何よりもやっぱり平和は大事に守っていこう、同時に、お互いに連帯して共生できるような、そういう世界、そういう日本というものをどうつくっていくかということが、これから二十一世紀に向けて課せられた大事なことではないかと思うんです。
 私は、人間にとって何よりも大事なことは、どうしたら自由に生きられるかという、自由というものもやっぱり保障はされる必要がありましょうし、自由が余りにも放任され過ぎますと強弱の不公平というものが生まれてまいりますから、そういう意味では、やっぱり弱者を助ける意味の、ある意味における社会的な規制というものもまた幾らか必要ではないか。そのことを通じてお互いが公平に、公正に生きられるような社会の土台をつくっていくというようなことがやっぱり大事なことではないかというふうに考えておるところでございます。
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中野寛成#19
○中野委員 かなり共通の認識を持つことができたと思います。
 そこで、私は今までのことを今度は国民生活に置きかえて考えますと、物価も上がる、税収もふえる、賃金も上がる、予算もふえる、こういうイタチごっこをしてでも社会がもってきた時代だったと思いますね。ところが、これからは、賃金は上がらない、でも物価が下がって実質上の生活には余裕ができた、税制改革も、内外価格差を中心にして物価を思いっ切り下げました、よって、消費税が少々上がっても実質消費者の負担はふえない、または下がるというくらいの大胆な施策というものが必要になってくる。そしてそのことの意識の転換は、しかし簡単なことではない。政治が勇気を持ってリードしていく必要が当然ある。この大転換期に向かってその変化をリードするためには、政治が信頼されていなければならない。だから、信頼を回復するために政治改革なんでしょう。
 私は、経済もこれからはデフレ経済に軟着陸させていくという意識が必要なんですね。将来景気が回復する、自然増収がふえる、だから税制改革は先送りし、サボっていてもいいという話にはもはやならない。その意識を持たないと、減税をするときに、減税財源はまあ後で考えようという発想につながってしまう、無責任な政治につながってしまう、こう思うのです。
 先ほど来、私は、友情、現在と未来の間の友情、後世代にツケを残してはいかぬという、これは友情から生まれるものでなければならないはずであります、そのようなことを申し上げたかったわけでありまして、そういう意味で、これから、政治不信を招くことのないようにするためにはいかにすべきか、幾らか各論を交えてお尋ねをしたい、こう思うのであります。
 そこで、さて、社会党はさきの総選挙においてそういう公約をされました。幾らか引用しますと、「金まみれの自民党には政治改革を断行する資格も能力もなく、政権党としてはもはや失格である。」「現状の自衛隊は違憲状態である。」「PKO法については、自衛隊とは別組織をつくり、自衛隊参加を容認している規定を中心とした法の見直しが必要である。」「消費税率は上げるべきではない。」「緊急措置として、逆進性緩和のため飲食料品の非課税化を実施する。」などと公約されているわけであります。
 その後、社会党は単独政権ではもちろんありませんし、自民党の単独政権でもございませんで、連立政権、細川内閣、羽田内閣を経て今日に至っているわけであります。しかしながら、過半数を割った自民党、百四十議席が半減をし七十議席ほどになった社会党とが肩を寄せ合って連立政権。
 しかし、その結果として、わずか一年しかたたない中で、政権党としては失格と烙印を押したはずの自民党と連立政権を組み、しかも、総理になったからという理由で、自衛隊は合憲であるかのごとくPKO法に基づく自衛隊派遣も容認、そして消費税率の引き上げ等々、まさに公約と反することを次々に言明をし、実行をなさってきているわけであります。
 このことについて総理は、公約というものはどういうものなのかという御認識を私はお聞きしたい気がいたします。
 我々は、選挙公約をするときに、我々が政権をとればこうします、またはこうしたい、努力する、そういうことを公約に掲げます。よって、政権をとれなかったので、申しわけありませんが公約の実施はおくれますということはあります。しかし、政権をとりましたから公約を変えますというのは、これは吉本の漫才みたいになってしまいます。政権をとりました、国民の皆さんお待たせいたしました、これから公約を実施いたしますというのが本来の政治家の務めであり、公約の性格というものではないでしょうか。どうお考えですか。
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村山富市#20
○村山内閣総理大臣 委員御指摘のように、公約というのは、申すまでもなく政党、政治家が国民に対して約束をすることでありますから、その公約を守らなきゃならぬのは当然だと思いまするし、それがまた民主主義政治の基盤になっておるということについても、そのとおりだと私は思います。
 しかし、その公約したことが具体的にどう実践をされていくかということにつきましては、その事態に対応したアプローチがあっても私はいいと思いますし、同時に、その変わった事態にその約束した公約が、どう実践することが可能なのかという選択的な政策の課題はあってもいいと私は思うんですよ。そういう意味で私はやっぱり公約というものは理解されるべきものだと思います。
 これは誤解があってはいけませんから申し上げますけれども、いつも私が言っておりますように、まあこれだけ時代も変わってきているわけでありますし、恐らくこの七月の総選挙の際に、どういう連立政権ができるかということについてはどなたも想定はできなかったと思うんですよ。で、この選挙後のこれだけの大きな政局の変化の中で、やはりそれぞれの政党が責任を持った対応をしていこうというので政策の選択もしながら来ているわけですから、そういう経過についても私はある意味では御理解はいただけるのではないかというふうに思います。
 社会党が、今御指摘のございましたように、例えば自衛隊の問題とか、あるいは安保の問題とか等々について政策の転換をしてまいりました。これは何も突然変異が起こって変えるんではないんですよ。これは冷戦構造が変化していく中で社会党の党内ではずっと一貫して議論されてきているんですよ。その議論を踏まえた上で、政権にもついたことだし、そういう立場もあって、そういう点からなされたというふうに私は思っています。したがって、それは何もその公約に反したものではない、明らかに国民の皆さんには御理解をいただけるものだというふうに確信をいたしておるところであります。
 それから、現にここに私は公報も持っておりますけれども、社会党が昨年の七月の選挙のときに出したパンフレットなんかにつきましては、例えば「所得税の実質増税構造の解消や、飲食料品の非課税化による消費税の逆進性緩和など、国民的な要望に責任をもって応えられる取り組みを」いたします、こういうふうに七月の総選挙のときには公約には書いてあるわけであります。
 私は、こういう意味では、飲食料品の非課税化については、これは議論はしているんです。議論はしておるけれども、この段階でそこまで持ち込むのはちょっと無理があるというので、三党間で合意をして、これからも検討する課題だというふうに残してありますけれども、私は、こういう意味におきましては、七月のこの総選挙におけるときの公約には反しているとは思っていないわけです。したがって、そのように御理解をいただきたいというふうに思います。
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中野寛成#21
○中野委員 政策の大転換を遂げられたとおっしゃっている、議論も積み重ねてこられたとおっしゃっている。ならば、四月八日に細川総理が総辞職を表明をされて、それから二十数回にわたって当時の連立与党の中で政策論議が積み重ねられました。恐らく社会党はその後論議を積み重ねたのではないはずであります、今の総理の答弁では。それまでも総理は、この何年間か議論を積み重ねてきたというおつもりでの御答弁だったろうと思います。
 しかし、あの段階、四月の段階と七月の段階とどう情勢が変わったんですか。例えば経済情勢が変わったのですか、国際情勢が変わったのですか。もし情勢が変わったとするならば、ただ一つ、あなたが総理大臣になったという、このこと一つだけではありませんか。当時も社会党は与党だったのです。とすれば、情勢の変化とは何なのですか。むしろ社会党から総理を出した、すなわち社会党政権ができたということのみだったのではないのでしょうか。
 私は、政権をとったら総理がリーダーシップを発揮して、公約を実行するために具体的にどれだけの努力を示すかということが誠意ある政治家としての態度だと思います。連立政権ですから、また現実、今日までの行政との継続性も保たなければいけませんから、むちゃを申し上げようとは思いません。私は、総理が社会党からお出になったということになりますと、当然問題点の少々の先送りはあるかもしれません。連立政権なるがゆえに社会党だけの思惑どおりにはいかないでしょう。しかし、社会党はどのような努力をし、そして、どのような説得をした中で問題点が先送りになったのかということが大切なのであります。そのプロセスが大切なのであります。
 例えば、原発はやがてなくすエネルギー源だという言い方、これは無責任であります。原発も、これは経過的な措置であります。未来永劫我々はそのウランやプルトニウムを使えるというものではなくて、限りある資源でありますから、当たり前のことなんであります。当たり前のことを、例えば軍備なき国家、当たり前なんであります。人類のこれが目標なんであります。それを社会党の基本理念でありますと言うところにこっけいさがあるんです。それは人類みんなが持っていることであって、政党の政策以前の問題なんです。常識なんです。
 そういうことをお考えになるときに、政党の政策、政治家の公約というものに対して、もっと真剣に、そして具体的に現実性を持ってお立てになることが大事なんでありまして、まず政治の信頼というのはそこから始まりますから、しつこいようですが、重ねて総理の見解を問いたいと思います。
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村山富市#22
○村山内閣総理大臣 具体的にお答えした方がおわかりがいくと思いますから申し上げたいと思うんですけれども、一つは、七月の総選挙以後、細川連立政権が誕生しました。その細川連立政権に社会党も与党として参画をさせてもらったわけです。そのときに合意した事項があります。その合意した事項の基本的な大綱については、ほぼ今の自民党、社会党、さきがけが組んでおりまする連立政権も引き継いできておると私は思っています。
 それから、自衛隊の問題について若干お話がありましたけれども、これは本会議でも私は答弁いたしましたが、自衛隊は違憲であるという主張を社会党は言い続けてまいりました。それは、一つはやはり国際的な冷戦構造の中で米ソの超大国は対立をし合う、そして軍拡競争が熾烈に行われる、その軍拡競争の流れの中で当時の政権は、日本の防衛力の強化についてもいろんな角度から軍拡を推し進めようとしておる、これは何としてもやはり平和憲法の理念に立って食いとめなければいかぬ、こういう社会党の立場から、自衛隊は違憲であるという立場をとって抵抗していたわけです。
 その自民党が軍拡を進めようとする力、それを阻止しようとする社会党の力等々が、私はやはりそれなりの経過を踏まえた上で、今日の例えは文民統制とかあるいは専守防衛とか、あるいは徴兵制の不採用とか自衛隊の海外派兵の禁止、集団的自衛権の不行使、非核三原則の遵守、核・化学・生物などの大量破壊兵器の不保持、武器輸出の禁止といったような原則を確立する上において大きなやはり力になってきたんではないかというふうに考えておりますが、そういう闘ってきた経過については、私は決して誤りではなかったというふうに自分では自負しているつもりであります。
 ただ、先ほど来申し上げておりますように、そういう冷戦構造というものが崩壊して国際的な対立というものがなくなって、これからは話し合いでお互いに協調し合っていこう、できれば軍縮も進めていこう、こういう状況になってきているわけでありますから、もう今やそういうイデオロギーで対立する時代ではなくなった、これからは国民のためによりよい政策を選択していく時代になったんだ、こういう立場に立って私どもは、政策について合意できるというものについてはお互いに選択していこうではないか、こういう立場から連立政権が組まれていると思うのですよ。
 連立政権というのは、もう申し上げるまでもありませんけれども、やはりそれぞれの持っている党の持ち味もありまするし、歴史もありますし、理念も違うし、政策の違いもあるわけですよ。しかし、そういう違いを乗り越えて、何が一番今必要なのかということをお互いに選択し合って、国民のためによりよい政治をしていこうという意味で連立政権というものがつくられているわけでありますから、そういう点については、私は国民の皆さんにも十分御理解いただけると思うのです。
 ただ、その場合に必要なことは、できるだけやはり透明性を高める、民主的な仕組みというものは守っていく、そして党内での議論は十分尽くすとともに各党間の議論も尽くし合って、それがまた客観的に国民の皆さんにもよくわかって理解してもらえる、ああ、連立政権というのはこういうものなのかと。
 私は、今これだけ価値観が多様化しているわけですから、したがって、一つの政党が一つの政策でもって推し進めるには無理がある。多様な国民の意見が政治に反映されていくような、そういう仕組みというものが私はやはりある意味では大事な時期ではないかというふうに思いますから、連立政権は、そういう意味で大事にしていかなければならぬというふうに考えているところでございます。
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中野寛成#23
○中野委員 今の総理の御答弁には重大な問題が指摘をされなければならないと思います。
 一つは、自民党政権下で軍拡に次ぐ軍拡の動きがあった、これを牽制するために、対抗手段として、自衛隊は違憲と称し抵抗運動をしたとおっしゃった。そうすると、社会党は、自衛隊は腹の中では合憲と思っていたということですか。イデオロギー闘争の中で違憲と称する手段を講じたということでありますか。
 憲法の解釈というものは、政策の手段は、野党のときにこう主張をし、または与党になったからこう提案をする、しかし連立政権だから一党の主張だけでは実現できない、よって、政府としてまとまるときにはこうなりますという一種の使い分けは、政策判断の中では幅があるものと私も理解をいたします。しかしながら、憲法解釈は、与党であろうと野党であろうと政府であろうと、その解釈の違いが変わってはいけません。
 まして、時代の変化とともに憲法解釈や法律の解釈というものがある程度弾力性を持って、時代の趨勢とともに判決も変わっていくことを私も承知をしております。しかしながら、自衛隊が合憲であるか違憲であるかという国憲の基本にかかわる問題について、そのような解釈の違いというものがあったのでは困ります。自民党以上に、そうであれば社会党は解釈改憲をしておったということになってしまうではありませんか。
 また、冷戦構造の崩壊を一つの環境変化に取り上げられました。冷戦構造が明らかに崩壊をしたのは五年、六年前の話ではありませんか。それが、細川内閣をともにつくったときになぜその発想に立てなかったのですか。情勢の変化とは、まさにあなたが総理になったこと以外に何もないではありませんか。
 まさに自衛隊は腹の中で合憲と思いつつ、自民党の軍拡に次ぐ軍拡路線に抵抗するためのイデオロギー的手段として違憲を唱えたという今の総理の答弁から考えるならば、我々はこの国会においてあなたを相手にして論議することさえできないではありませんか。
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村山富市#24
○村山内閣総理大臣 誤解しないように御理解をいただきたいと思うのですが、社会党は、自衛隊は違憲であるという位置づけをして、そして一貫をして運動を続けてきたわけです。これは間違いありません。
 その上に立って、先ほど来申し上げておりますような国際情勢の変化やら、あるいは国内的ないろいろな要因やら、とりわけ国民の皆さんの中には、自衛権はあると、これはもうだれでも認めておるわけですから、その自衛権に基づいて必要最小限の実力組織というものは違憲ではない、こういう認識を示したのですよ。認識を示したのですよ。
 それは、そういう時代の変化に対応して、しかし護憲という社会党の立場は変わっていませんよ。変わっていませんよ。ただ、自衛隊に対する解釈というものは、今申し上げましたように、今の実力組織というものは、自衛権を保障する意味の最低の実力組織だという意味で合憲と認めるということにしたわけでありまして、それは七月の連立政権のときからも、今あなたがおっしゃいましたように、もう六、七年前から社会党の中ではけんけんがくがくの議論をしてきているわけですよ。その議論をしている積み上げの上にその結論を出したのですよ。
 その結論を出したことについて、党が決定する前に、私は総理という立場から私の見解を申し上げました。しかし、これは、私の見解の是非については九月三日の党大会で十分議論を尽くされた上で、それでよかろうといって了解をしていただいた、こういう経過があるわけでありまして、それなりの議論は尽くして、手続はどって、社会党の方針はそういうふうに決められたというふうに私は受けとめています。
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中野寛成#25
○中野委員 今日の自衛隊の規模ならば憲法の範囲内だ、イコール合憲だという意味ですね。しかし、歴史的に見て、自民党の軍拡に次ぐ軍拡が行われていた時代には、それをセーブするために違憲論を唱えて運動されたと、先ほどおっしゃった。
 私は、そこで具体的にお尋ねしたい。現在の自衛隊は合憲だとおっしゃるならば、その合憲の論拠を、我々は共通認識を持っておかなければ、今後の例えは安全保障理事国入りの問題も議論できないから、それではこうお尋ねをいたしましょう。
 先ほども総理御自身がおっしゃったように、我が国にも自衛権があるということは総理もお答えになった。これは、政党でもこれを否定しているところはありません。それでは、自衛権というのは、自衛力の保持が備わって初めて権利というものは意味がありますね。そうすると、自衛力は持つことができるということになりますね。そして、現在の自衛力は憲法の範囲内であると総理はおっしゃっているわけですね。
 それでは、その自衛力についてお尋ねをしたいと思いますが、まず国際法的に見れば、戦争は侵略戦争、自衛戦争、制裁戦争の三つに区分される、これは国際法上の通説ですね。総理は、このうち九条で放棄している戦争はどれだとお考えですか。自衛権を発揮する、その現在の自衛隊の力というものを必要とするものはそのどれだと思っておりますか。ヤジ総理はどうお考えですかと聞いているんです。社会党の合憲論を聞いているんです。社会党の合憲論を聞いているんです。ヤジ
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佐藤観樹#26
○佐藤委員長 大出法制局長官。
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中野寛成#27
○中野委員 委員長、私は今さら、法制局長官がどう答えるかはわかっております。総理の見解を聞いているんです。
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大出峻郎#28
○大出政府委員 憲法の解釈にかかわる問題でございますので、まず私の方から申し上げさせていただきたいと思いますが、憲法九条の一項というものは、これは戦争を放棄しておる、こういうことでございますけれども、我が国を防衛するための自衛権の行使、こういうものまで否定をしているものではない、こういうことであります。
 先ほど三つのタイプに分けてお話がございましたが、いわゆる自衛戦争、侵略戦争、それから制裁戦争というおっしゃり方をなさったわけでありますが、我が憲法九条というのは、我が国を防衛するために必要最小限度の実力を行使する、こういうことが認められておる、こういうことであります。
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村山富市#29
○村山内閣総理大臣 今法制局長官から憲法上の解釈についてお話があったわけであります。
 御指摘のように、これまでの戦争の中には自衛のため、あるいは侵略のため、あるいは制裁のためというその項目があるかと思いますけれども、日本の場合には、あくまでも憲法第九条というのは、すべての戦争を放棄しているわけです。したがって、これはもう専守防衛に徹するという意味でありますから、その限りにおいては、今までの戦争で、名目は自衛のためとつけられたにしても、それを名目にして戦争が行われたということも私はあり得たのではないかと思うのですね。
 したがって、そんな意味では、そうした意味における戦争というものは、一切これは放棄しているというのが日本国の憲法である。あくまでもこれは自衛のための専守防衛に徹した実力組織であるというふうに理解しなければならぬというふうに思っています。
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