政治改革に関する特別委員会

1994-11-18 参議院 全99発言

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会議録情報#0
平成六年十一月十八日(金曜日)
   午前十時一分開会
    —————————————
   委員の異動
 十一月十七日
    辞任         補欠選任
     佐藤 静雄君     吉村剛太郎君
     楢崎 泰昌君     溝手 顕正君
     森山 眞弓君     野村 五男君
     角田 義一君     村田 誠醇君
     寺崎 昭久君     平野 貞夫君
 十一月十八日
    辞任         補欠選任
     清水 達雄君     加藤 紀文君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         上野 雄文君
    理 事
                岡  利定君
                下稲葉耕吉君
                松浦  功君
                一井 淳治君
                本岡 昭次君
                木暮 山人君
                山下 栄一君
                吉川 春子君
    委 員
                岡部 三郎君
                加藤 紀文君
                片山虎之助君
                久世 公堯君
                永田 良雄君
                野村 五男君
                溝手 顕正君
                村上 正邦君
                吉川 芳男君
                吉村剛太郎君
                会田 長栄君
                岩本 久人君
                川橋 幸子君
                千葉 景子君
                深田  肇君
                村田 誠醇君
                山本 正和君
                都築  譲君
                寺澤 芳男君
                中村 鋭一君
                平野 貞夫君
                猪熊 重二君
                和田 教美君
                橋本  敦君
                下村  泰君
                西野 康雄君
   衆議院議員
       政治改革に関す
       る調査特別委員
       長        松永  光君
       政治改革に関す
       る調査特別委員
       長代理      大島 理森君
       発  議  者  三塚  博君
       発  議  者  冬柴 鐵三君
       発  議  者  茂木 敏充君
       発  議  者  保岡 興治君
       発  議  者  堀込 征雄君
       発  議  者  三原 朝彦君
   国務大臣
       内閣総理大臣   村山 富市君
       自 治 大 臣  野中 広務君
        —————
       会計検査院長職
       務代行
       検  査  官  疋田 周朗君
        —————
   政府委員
       内閣法制局第三
       部長       阪田 雅裕君
       法務省刑事局長  則定  衛君
       自治省行政局選
       挙部長      佐野 徹治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○公職選挙法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
○政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人
 格の付与に関する法律案(衆議院提出)
    —————————————
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上野雄文#1
○委員長(上野雄文君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十七日、佐藤静雄君、楢崎泰昌君、森山眞弓君、角田義一君及び寺崎昭久君が委員を辞任され、その補欠として吉村剛太郎君、溝手顕正君、野村五男君、村田誠醇君及び平野貞夫君がそれぞれ選任されました。
 また、本日、清水達雄君が委員を辞任され、その補欠として加藤紀文君が選任されました。
    —————————————
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上野雄文#2
○委員長(上野雄文君) 公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、公職選挙法の一部を改正する法律案及び政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律案、以上三案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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下稲葉耕吉#3
○下稲葉耕吉君 自由民主党の下稲葉でございます。
 まず、総理にお伺いいたしたいと思いますが、APEC等に御出席なされ、連日御多忙な政治日程で御苦労さまでございます。
 六年越しの一連の政治改革法案もいよいよ本日の参議院の政治改革特別委員会の審議をもって大詰めを迎えようといたしておるわけでございます。大変感慨深いものがあるわけでございまして、三百の小選挙区の区割り法案、あるいは政党に対する法人格の付与に関する法律、それから連座制の強化に対する公職選挙法の一部改正が本日のこの委員会で審議されているわけでございます。
 細川内閣のときに政府は一連の政治改革法案を御提出になりました。そして、それは衆議院では可決されました。参議院のこの委員会でいろいろ御審議なされました。そして、参議院の本会議で否決されたわけでございます。憲法の規定に基づきまして両院協議会が開かれました。両院協議会においても議調わなかったわけでございます。そこで、議長がお出ましになりましてお話し合いがなされ、細川総理大臣と当時野党でございました自由民主党の河野総裁との会談によって妥協が図られました。そして、その妥協の結論が両院協議会に戻されまして、両院の合意ができたということで法案がそれぞれ成立いたしました。それを受けまして区割り法案なりなんなり本日の法案になっているわけでございます。
 申すまでもございませんけれども、区割り法の施行の日からいわゆる三百、二百の小選挙区、比例区を決めました公職選挙法が施行されるわけでございまして、そして来年の元旦から政治資金規正法が動き出すわけでございます。そして、政治資金規正法と深い関連がございます政党助成法というふうなものも動き出すというふうなことで、大詰めに来ているわけでございます。まさしく政治改革を中心とする一連の動きが一つの大きな山場を迎えようとしているわけでございます。
 そういうふうな中におきまして、まず総理の行政に対する最高責任者としての御感想と、それからそういうふうなものが具体的な現実の問題となった今日、将来を展望しての総理の御決意等についてまずお伺いいたしたいと思います。
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村山富市#4
○国務大臣(村山富市君) 今、委員からるるお話がございましたように、六年がかりでようやく一連の政治改革に関連する法案が大詰めを迎えて、成立寸前にまでこぎつけてまいりました。
 お話がございましたように、その間にはいろんな紆余曲折がございました。しかし、こうしたことが国民の非常に高い関心と期待の中で議論をされてきておるその原点というのは、一連の政治に対する不祥事が続いてまいりまして、何としても政治に対する信頼を回復する必要がある。同時に、言うならば選挙が政策を中心にして、政党政治ですから政党があらわされるような選挙の体制というものをつくる必要がある。いろんな観点からいろんな意見が出されながら総合的に、選挙制度を変えるとか、あるいは公職選挙法を改正する、あるいは政治資金規正法を改正する、同時に健全な政党政治をつくっていくためにはやはり民主主義を賄うコストとして税金を投入するというようなこともあってもいいのではないか。いろんな意見が出されました結果、今お話もございましたような一連の法案が成立を見て、今回区割り法案やら政党助成法案が成立すれば関連法案すべてが来年から施行されるというところまでこぎつけることができた。
 まさに感慨無量なものがございますが、しかしそれだけに、引き締めて私どもは国民の期待にこたえ、政治の信頼回復のために頑張っていく必要があるのではないかという気持ちでいっぱいでございます。
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下稲葉耕吉#5
○下稲葉耕吉君 ありがとうございました。
 一連の法案が成立いたしますと、一部の報道には総選挙をすぐやったらいいじゃないかというふうな意見も報道されております。政治家の中にもそういうふうに主張される方もおられるようでございます。しかし、総選挙をやるかやらぬかというのは全く総理の専権、解散するかしないかというのは総理の専権でございまして、この機会にひとつ総理のお気持ちを伺っておきたいと思います。
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村山富市#6
○国務大臣(村山富市君) これまで衆参両院の委員会で議論をする中で、今お話のございましたような意見も随分出されてまいりました。
 よくお話を承っておりますと、今できておるこの連立政権というのは国民がそのことを認めている政権ではないという意見もございますし、それから選挙制度が変わったんだから変わった制度のもとで信を問い直して出直しをするのは当然ではないか、こういう意見もある。私はある意味では当を得たまともな意見だというふうに思います。
 しかし、選挙というのはやっぱり一定の空白をつくるわけでありますから、今、当面する内外の諸課題を解決するための責任というものもございますし、同時にこれだけ大きく制度が変わってくるわけでありますから、その変わった制度の中で何を選択してもらうのかという政党としての国民に訴える責任というものもあるわけでございますから、そういう点も総合的に判断をして私は決断をしなきゃならぬというふうに思いますが、もろもろ考えてまいりましてまだまだその時期ではないんではないか。世論調査なんかを見ましても、そう急いで解散総選挙はすべきでないという声も相当反映されているところを見ますと、やはり当面する諸課題についてもっと責任を持って解決をしてほしいと、こういう期待の方が大きいのではないかというふうにも思われますので、今のところ解散は考えておりません。
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下稲葉耕吉#7
○下稲葉耕吉君 これは歴代の総理がそうでございますが、総理が一言解散をほのめかされますと、もう世の中はとまらなくなっちゃって走り出すわけでございますし、歴代の総理が寸前まで今のような御答弁をなさっておられるわけでございますが、非常に率直に御意見をおっしゃる村山総理のことでございますので、今の御発言のとおりに素直に受け取ってまいりたい、このように思います。
 それで、具体的な法案の中身に入りたいと思いますが、実は衆議院の審議の状況も私は記録等で拝見させていただきましたし、それから参議院の状況も承知いたしておるわけでございます。大体出尽くしたような感じでございますけれども、まだ基本的に大切なところで審議が残されているような面もございますので、きょうはその点だけをピックアップいたしまして御質問いたしたいと思うのでございます。
 まず、政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律、いわゆる政党等に対する法人格付与法について御質問いたしたいと思います。
 この法律はいろいろ書いてございますけれども、特に大切な問題は、提案理由の説明にもございましたように、そしてまたこの法律の第二条解釈規定の中にも明確に書いてあるのでございますが、「この法律のいかなる規定も、政党の政治活動の自由を制限するものと解釈してはならない。」、こういうふうに規定されております。そしてまた、この法律と関連いたします政党助成法の第四条にも「国は、政党の政治活動の自由を尊重し、政党交付金の交付に当たっては、条件を付し、又はその使途について制限してはならない。」、こう書いてございます。これは素直に読めばそのとおりでございます。
 そこで、具体的にこの条項が問題になるのは何だろうかというふうなことで私なりに考えてみたわけでございますが、二つございます。一つは会計検査の問題がどういうふうになるかということ、一つは司法との関係、検察との関係がどういうふうになるのか、この二点だろうと思うのでございます。きょうはその点に絞りましてまず御質問いたしたいと思うのでございます。
 そこで、まず会計検査院にお伺いいたしたいと思うのでございますが、今申し上げましたように、政党助成法、それから今議題になっている法律の第二条に政治活動の自由というもの、それに対する制限を加えてはならないというふうな規定がございます。片や憲法第九十条には、国の収入支出の決算はすべて毎年会計検査院がこれを検査し、国会に提出しなければならないという規定がございます。それとの調整が具体的にどういうふうな形で行われるのかが一番問題だろうと思うのでございますが、まず検査院のお考えを承りたいと思います。
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疋田周朗#8
○会計検査院長職務代行(疋田周朗君) お答え申し上げます。
 私ども会計検査院の検査活動は、先生御承知のとおり、会計検査院法に基づいて行われるものでございます。会計検査院は、国の毎月の収入支出について検査をすることになっておりますことから、国から政党に交付金が交付された場合における国の支出の段階の経理につきましては当然に検査の対象となるものでございます。それからまた会計検査院は、国が直接または間接に補助金、助成金等を交付しているものの会計につきましても必要と認めるときには検査できることになっております。したがいまして、国から政党に交付金が交付された場合には、交付された政党の経理についても本院の検査の対象となるというのが基本的な会計検査院法の認める権限でございます。
 そして、私ども会計検査院といたしましては、政党交付金が交付されることになりました場合には非常に多額の国費が支出されることになるわけでございますから、その予算の執行状況について関心を持って検査に臨む必要があると考えております。
 現在、政党助成法等の施行に関する政省令がまだ制定されておりませんことから、具体的な取り扱い手続については承知しておりませんけれども、政党助成法等の規定によります限り、交付金に係る報告書ですとか領収証書の写しあるいは内部監査人の監査意見書、公認会計士の監査報告書、こういった多数の関係書類が交付主体でございます自治省に提出されることになっております。
 したがいまして、会計検査院といたしましては、今後……
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下稲葉耕吉#9
○下稲葉耕吉君 時間がないからちょっと結論だけ言ってください。
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疋田周朗#10
○会計検査院長職務代行(疋田周朗君) 実際に政党交付金が交付されることになった場合に、自治省における支出段階の経理につきまして鋭意取り組んで検査を行ってまいりたい、このように考えております。
 それで、自治省の検査の結果に基づきまして政党交付金の支出の適否を確認することになるわけでございますが、その結果必ずしも十分に支出の適否の確認ができなかったような場合には、個別に会計検査院法第二十三条一項第三号の規定によります検査指定を行うかどうか、こういった点につきまして、政党に対する法人格の付与に関する法律案あるいは政党助成法に規定されております政党の政治活動の自由との関係を十分に体しまして慎重に個別に検討してまいりたい、このように考えているところでございます。
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下稲葉耕吉#11
○下稲葉耕吉君 今の御説明を聞きますと、会計検査ができるんだと。ということになりますと、本法の二条の関係あるいは政党助成法の先ほど読みました四条の関係、本当にこんがらかってくるんです。そこが私は一番問題だと思うんです。条文には書いてあるけれども実際やりますというのじゃ、これは法の趣旨に合わない。
 私は私なりに検討してみますと、今、会計検査院法をおっしゃいましたけれども、会計検査院法では、例えば検査官会議でどういうふうなものを検査するかということを決めると十一条の三号に書いてある。それから検査の範囲の問題で、必要的な検査事項とそれから任意的な検査事項がある。まさしく政党助成というのは必要的な検査事項に該当しない、幾ら条文読んだって。二十三条の任意的な検査事項になっている。二十三条の三号に「国が直接又は間接に補助金、奨励金、助成金等を交付し又は貸付金、損失補償等の財政援助を与えているものの会計」と、こういうふうに書いてある。これはやるかやらぬかというのは検査官会議で決めるということなんですね。そういうことですよ。
 まず、そのとおりかどうか、それだけ返事してください。
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疋田周朗#12
○会計検査院長職務代行(疋田周朗君) 今、先生のおっしゃったとおりでございます。
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下稲葉耕吉#13
○下稲葉耕吉君 そこで、昨年の十一月、衆議院の政治改革調査特別委員会でこの問題が議論されまして、法制局長官、それから当時の総理大臣も答弁なさっておられました。結局、細川総理はどういうふうなことをおっしゃっているかといいますと、「会計検査につきましては、これは立法事務費と同じ扱い、」云々というようなことをおっしゃっています。立法事務費とね。それから山花国務大臣は、「御指摘の問題については、先ほど引用になりました会計検査院法二十三条によって、内閣の請求があるときは会計経理の検査をすることができると、選択的な検査事項になっております。」ということを言っておられます。だから、検査するか検査しないかというのは任意的な検査事項であって、しかもそれは立法事務費と同じような扱いなんだというふうなことを言っておられる。
 私は、そこに法律の二条なりあるいは助成法の四条の規定、その政治活動を制限しちゃならないというふうな規定との調和がある、調整しなければならぬところがあるんですよ。今、検査院がおっしゃるようなことで、できますできますということじゃ、それは法律が死文化するんですよ。そういうふうなことで、任意的な検査事項であるということはおっしゃったとおりでございますから、その辺のところを十分やっていだだかぬとそれは行政の政治に対する干渉ということになりますよ。
 今の議論をあれしまして、総理の御見解を承りたいと思います。
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村山富市#14
○国務大臣(村山富市君) 会計検査院の持つ機能、それから今回御審議をいただいておりまする政党助成法との関連には、扱い方についてどのように調整をしなきゃならぬかという課題は私は確かにあると思います。しかし、思想信条の自由とか政治活動の自由というのは憲法で保障されている基本的な権利みたいなもので、それだけにまた政治活動の自由というものも保障される、されなきゃならぬという意味で第二条が設けられているわけでありますから、したがってその第二条の規定を踏まえてどう扱っていくかという調整をきちっとしていただく必要がある。
 私の聞いているところでは、自治省に届け出て、そして自治省がそれを掌握して、もしその自治省に出されたものを会計検査院が一遍調査するとか検討するとかいうことになるというふうに今聞いておりますけれども、そこらの点は、今お話にございましたような問題も含めて何としても政治活動の自由が保障されると、政党活動の自由が保障されるということを大前提にしてその扱い方については考えていかなきゃならぬというふうに私は考えています。
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下稲葉耕吉#15
○下稲葉耕吉君 行政の最高責任者としての総理の御答弁はなかなかすばらしいものだと思います。そういうような点を十分考慮してやられなければいたずらに摩擦を起こすというふうなことになる。
 突き詰めて言いますと、それは政党に対して助成金を出した、その政党が例えば県の組織に出す、選挙区に流す、あるいは市町村までその助成金を流すということになりますと、形式的には市町村支部まで会計検査の対象になり得るわけですよ。そういうようなことまでやられますと、それはとてもじゃないが本法の趣旨にならないということを十分申し上げておきますし、総理の今の御答弁で私は満足でございます。
 同じようなことで法務省にお伺いいたしたいと思うんですが、今までは政党というものは人格なき団体でございました。ところが今度、法人格を与えられ、財産なりなんなりができるということでぴしっと決まっており、そしてそういうふうな団体に対して、政党要件を備える政党に対して交付金が来るということになります。
 今までは、私どもが例えば自由民主党の部会におきましていろいろ議論する。そこで政策を決め、あるいは法律案なりなんなりを審議する。最近は、今度はそれがさらに連立与党の政策調整会議に持ち込まれてそこで議論するというようなことになっている。そして案なりなんなりが決まったら政府にお届けして、そこで議論される。そして閣議決定されれば国会提案される。
 私どもは公務員でございますので、委員会の場でいろいろ審議する、これはまさしく職務行為でございます。ところが、その前の段階の政党の活動としての政策決定なりなんなりというのは、これが職務行為に今度はなるんだというふうなことになりますと、それに関連して汚職だとか何だかんだということになる可能性なしとしない。だから、そういうふうな性格がこの政党助成法なり今度の法律によって変わるのか変わらないのか。私は変わらないと思うんですけれども、法務省の責任ある御回答をいただきたいと思います。
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則定衛#16
○政府委員(則定衛君) お答えいたします。
 結論的には、今、下稲葉委員の御質問にございましたように、私どもが今回審議されております法案の内容や審議のやりとり等から理解いたしておりますところによりますと、政党助成法なりあるいは法人格付与法なりが成立いたしました場合に、国会議員の職務権限あるいは地方議会の議員の職務権限等に影響を及ぼすものではないというふうに理解するわけでございます。
 そういたしますと、かねがね議論されております国会議員の活動として考える場面と政党人としていろんな活動される場面とが異なってくるものではないと。そういう意味では、結論的に職務権限の消長に何らの影響を及ぼすものではないというふうに理解しているわけでございます。
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下稲葉耕吉#17
○下稲葉耕吉君 法務省の御答弁、非常にすっきりいたしておりまして、大体従来どおりの解釈でいいというふうなことでございますので、それはそれで私もいいと思いますし、二条との関係もすっきりするというふうに思います。
 時間もございませんので、今度はいわゆる腐敗防止、連座制の強化を中心といたしました公職選挙法の一部を改正する法律案につきましてお伺いいたしたいと思います。
 これもいろいろ議論ございましたが、審議の過程でいろいろ聞いていまして、これだけはどうしてもはっきり確認しておいた方がいいと思う点が一点ございます。それを中心としてお伺いいたしたいと思うのでございますが、その前に総理にお伺いしておきたいと思います。
 今度、一連の政治改革関連法案が一段落いたします。特に問題になって、これは国民にどうしても周知徹底していただかなければならないなと私が思いますのは、今回の腐敗防止を中心とする連座制の強化、当選無効、この法律の内容だと思うんです。
 問題点は後で一点ほどまた確認いたしますけれども、それについて国民に対する広報の問題がございます。今までいろいろお伺いしますと、自治省は一生懸命やりますと、あるいは内閣の総理府広報室の系統で一生懸命やりますというふうな御答弁をいただいているんですけれども、率直に申し上げまして、従来の役所の広報活動で果たして十分かどうかというと、これは大変危惧いたします。そして、それが政治を変えるまでに私は影響するんじゃないかと思うんです。今度の法律の改正というのはそれほど重大なんですね。
 したがって、国民の一人一人がまずそれを十分理解して、こういうふうなことはできないんだ、特に連座制の対象になるような買収、供応なんというのはおよそ日本の選挙からはもうなくさなくちゃいけないんだというふうなお気持ちになってもらうことが、その罰則の適用だ何だかんだ具体的なそういうふうな問題よりもまず大事なことだろうと思うんです。
 そういうふうなことになれば、こういうふうな規定をつくったけれども規定が死文化する、それぐらいのことが望ましいわけなんですね。率直に申し上げまして、今の政府がお考えになっていることを私ども答弁で聞きますと、非常に不十分だと思います。徹底しないと思います。
 私どもは、そういうふうなことのために周知期間をもっと長くしたらいいじゃないか、あるいは適用の期間を国政選挙から、我々自身がつくる法律だから、統一地方選挙じゃなくて我々自身が最初その適用をいただくということで潔いじゃないかという意見もあったんですけれども、与野党の調整で三月一日からというふうな形になります。国政選挙がその前にあればまた別ですけれども、ということになる。
 その広報活動ということについて、これは私は、もうこの法律の条文を適用する適用しないよりも、適用しない方がいいに決まっているんですから、そういうふうな意味で私は、総理にもっと中心になって声をかけていただいて、そしてその選挙運動をやる人間ももちろんのことでございますが、国民一人一人がその理解に立っていただくということが必要だと思いますが、総理のひとつ御所見なり決意がございましたらお伺いいたしたいと思います。
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村山富市#18
○国務大臣(村山富市君) 先ほど来お話がございますように、六年かかっていろんな角度から議論をし検討し、ようやく合意を得て関連法案が一括成立をしようと、こういう状況になっているわけでありますから、その中身をよく国民の皆さんにも知っていただく、御理解をいただく、そのための周知徹底をどうしていくかというようなことについても、やっぱり全国の地方の選挙管理委員会等を通じてお互いに知恵を出し合い工夫し合って取り組んでいく必要があるというふうに思いますし、同時に内閣、行政も一体となって、やっぱりこれは政治に対する責任があるわけでありますから考えていく必要があると思いまするし、何よりもやっぱり該当者である政治家お互いもそういう意味では責任もあるわけでありますから、そうした周知徹底方についても努力をする必要があると思います。
 私は今、お話を聞きながら思い出したんですけれども、寄附の問題等についても、よく政治家の皆さんは寄附をねだられますよね。その場合に、そんな寄附はできないんだ、これは寄附をした者ももらった方も罰せられるよと、こう言ったら、ああそんなことになっているんですかといって向こうが辞退をする。こういうふうなこともございますけれども、やっぱりそういう具体的な事例を通じて、こんなことはできないんだと、こんなことになったら罰せられるよというようなことをお互いの中で周知徹底を図っていくことも大事ではないかというふうに思いますけれども、これは行政に責任があるわけですから、行政は行政で、今申し上げましたように、工夫をし知恵を出し合って周知徹底方が図られるように今後取り組んでいかなきゃならぬというふうに私は思っております。
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下稲葉耕吉#19
○下稲葉耕吉君 それでは、腐敗防止の関連の内容について一つだけ、時間がございませんので。主として御答弁いただいたのは保岡先生でございますので、御答弁いただければありがたいと思いますが、もう時間がございませんので、イエス、ノーだけで結構でございますからお願いしたいと思います。
 それはいわゆる組織的選挙運動管理者の問題でございます。用語によりますと、候補者等と意思を通じて組織により行われる選挙運動において、選挙運動の計画立案、調整または選挙運動に従事する者の指揮、監督その他選挙運動の管理を行う者を組織的選挙運動管理者等として位置づけと、こう書いてあります。
 ですから、要するに計画の立案、調整する、これは相当上の人だろうと思いますね。それから従事する者の指揮、監督、それは中間ぐらいの人かもしれません。その他選挙運動の管理を行う者、こういうふうに書いてあります。大ざっぱに言ってこの条文は三つの段階をそれぞれ選挙運動管理者と、こういうふうに位置づけてございますが、それは間違いございませんですね。それだけでいいです。
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保岡興治#20
○衆議院議員(保岡興治君) 組織的選挙運動管理者は、今、先生が言われたようないろんな態様の責任を負っている者をいうものだと思いますが、それは必ずしも上下の関係でなくて、一体で任務を遂行するというんでしょうか責任を負うという場合もあり、階層的に分かれて組織立ってやる場合もあろうかと思います。
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下稲葉耕吉#21
○下稲葉耕吉君 そこで、一つの例で申し上げます。
 ある会社の社長さんがいます。わかりやすく申し上げます。会社の社長さんがいます。その同窓生でも何でもいいですが、候補者と大変親しい。その候補者も国会議員であっても結構なんです。その人が、今度選挙だ、小選挙区制ができて大変だ、ひとつよろしく頼むというふうな話がある。それは今までもやってきたから、おれ一生懸命やるよ、お前も一生懸命国政で頑張れというふうな話をする。これは明らかに意思を通じていたと、こう思います。これはもう間違いないと。うなずいておられますからそうですね。
 そこで、その社長が会社へ戻って、そして支店長でも課長でもいい、集めまして、それで候補者と意思を通じたという話はしないんです。僕は信念としてあの男が好きなんだ、だから選挙運動を何とか皆さん協力してくれぬかという話をされる。意思を通じてないですよ。そこで、その課長なり支店長が、いやそれはわかったということで、今度は部下を集めて、部下に今度は、ここでいう二番目の指揮ですな、指揮してやらすわけです。
 その支店長なりあるいは課長の気持ちとしては、それは自分の信頼する社長が言うことだから一生懸命やろうというふうなそういうふうな意図の人もあるかもしらぬし、一生懸命やって票でも集めてやれば月給が上がるんじゃないかなと思う人もあるかもしらぬし、あるいは偉くなるかもしらぬと思うこともあるかもしらぬ。そして、その課長自身は全然その候補者は知らない、面識もないというふうなことだとしましょう。それで部下を集めて指揮、監督する。そうするとこの人も選挙運動管理者ですわね。この人が買収、供応なりやって捕まっちゃった。
 そういうふうな場合に、候補者は連座の対象になって当選無効になるのかならないのか、そこだけお答えいただきたいと思います。
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保岡興治#22
○衆議院議員(保岡興治君) じっこんにしている国会議員と社長との間で先生が言われるような関係があれば、それは支店長であれ、そのまた下で支店長と一緒に中心的役割を担う者が違反をすれば、それは連座にかかると思います。
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下稲葉耕吉#23
○下稲葉耕吉君 今申し上げました点が審議の過程で必ずしも明らかにならなかった点でございます。ということは、結果的に買収、供応で捕まるような人は、それは事件の立て方によってはもう全部連座にひっかかっちゃって当選無効になるんです。それほど大変な法律だということを国民のお一人お一人、候補者自身あるいは選挙運動に従事なさる方々が御認識されているかどうか。そこまでの大変な法律だということを認識されているかどうか。これは私はよくわからないと思いますよ。疑問だと思いますよ、私自身は。
 そこで、最初に僕は総理に、その辺が重大なところだと。これは普通の広報のようなやり方でやっていて後でぞろぞろやるんじゃだめなんだと。犯罪のないような社会をつくることが大切だ、そのためには国民に周知しなくちゃならないという、そういうふうな大変重大な問題だと思うんです。もう一遍、総理のひとつ御解釈を承りたい。
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村山富市#24
○国務大臣(村山富市君) 連座制にかかるかかからぬかという判断というのは、それは具体的なやっぱり事実関係に基づいて判断をせざるを得ませんから、どの程度までその意思が通じておったのか、個人が単独で自分の判断でやったのか、そこらは大変難しい微妙な問題があろうかと思うんですよ。
 しかし、どういう事例があろうとも、連座制にかかる、かからぬにかかわらず、選挙活動の中で供応、買収があるということはそれはよろしくないことでありますから、それは十分お互いに注意しなきゃならぬと思いますけれども、しかしそういうこともありますから、よほど考えてこの周知徹底方を図らないと逆にまたいろんなマイナス面も出てくるような面も心配されますから、正しく認識ができるような形で周知徹底方を図ることは本当に大事なことだし必要なことだということをお話も聞きながら今さらに深く考えておるところであります。
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下稲葉耕吉#25
○下稲葉耕吉君 時間も参りましたので、最後に総理にお伺いいたしたいと思いますが、私は今回の法案が成立することによって政治改革が終わっ、たとは決して思いません。もう基本的な問題がたくさん残っております。政治倫理の問題にしましても、問題が起こるとわっとその意向が上がりますけれども、歳月がたっとあとまたしぼんじゃうとか、あるいは国会改革の問題にいたしましても、それぞれの党の改革の問題にいたしましても、あるいは地方分権の問題にいたしましても、その他いろいろ政治改革全体の問題についてまだたくさん問題が残っておる。
 私は、もともと衆議院と参議院は、衆議院が五十一対四十九が一対ゼロというような格好で民意をドラスチックに反映するような選挙制度ですから、それなら参議院は五十一対四十九がそのまま議席に反映するような比例を中心とした選挙制度にして、そして参議院が抑制、均衡、補完といいますか、というふうな機能を果たして、両院が相まってそれぞれ特色を生かしてやるような制度がいいと思うんです。ところが、参議院についてはわずかに四増四減が終わっただけのことで、参議院の選挙制度の問題も今後の問題だろうと思います。
 それから政治倫理の問題にしても、いろいろ議論はされますけれども、なかなか進まない。国会改革の問題にいたしましても、少しずつ進んでいることは事実ですけれども、まだまだです。それから政治資金の問題も、今度こういうふうな事柄でございました。あるいは今度、法定選挙費用との関連において私ども一つの考えをお示ししたんですが、野党の御協力ができなくて今回見送りになっています。大変いろいろな問題があるわけでございまして、一つのめどは立ちますが、将来の展望といたしまして政治改革についての総理の御決意なりなんなりお伺いして、終わりたいと思います。
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村山富市#26
○国務大臣(村山富市君) 今、委員から御指摘がございましたように、今度は一応今までの中選挙区制を小選挙区制に変える。同時に、それに関連をして公職選挙法やら政治資金規正法の改正やらあるいは政党助成法やら、あるいは助成を受ける政党を法的の主体に変えていくというような一連の法案がそれぞれ出てきているわけでありますけれども、これができたからもうそれですべてが終わりだということには私はならないと思います。これはあくまでも出発点でありまして、それに関連をして、今御指摘のございましたような例えば行政全体の姿勢のあり方をどう変えていくかとか、あるいはそのために地方分権をどう進めていくかとか、あるいはまた行政府と国会との関係をどのように位置づけることが一番いいのかといったような課題も残されておるというふうに思います。
 国会改革につきましては、これは与野党間で十分それぞれ政党間でも議論をされているところだと思いますが、そうしたことで議論が深まって合意が得られればその合意を尊重してまいりたいというふうに思いますけれども、そうした一連の課題が残されておる。その課題についても真剣に取り組んでいって、総体的に日本の政治が正されていく、そして国民の信頼が回復する、こういうことになっていくようにこれからもさらに決意を固めて努力をしなきゃならぬというふうに私は認識をいたしております。
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下稲葉耕吉#27
○下稲葉耕吉君 終わります。ありがとうございました。
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本岡昭次#28
○本岡昭次君 総理、APEC御苦労さまでございました。帰国後、一息入れる間もなく税制改革、そしてWTO、そしてきょう政治改革というふうに引き続いて頑張っていただいておるわけでございます。きょうこれから私に与えられた三十分間御質問させていただきます。
 まず、具体的な質問に入る前に、政治改革の審議について総理の御心境を伺っておきたいと思います。先ほど下稲葉委員の方からも経過を踏まえた御質問がありましたが、社会党の立場から私の方からも改めてお伺いをしておきたいと思うんです。
 政治改革関連の三法案が審議されまして、きょう村山総理の御出席をいただき大詰めを迎えております。これは六年にわたる政治改革の総仕上げであります。もちろん総理もおっしゃいましたように、これはスタートの仕上げたというふうに言えるんじゃないかと思います。顧みますと、昨年の参議院でこの審議が始まったときは、私は政治改革特別委員会の委員長でありました。政治改革の大波の中で、審議途中で不信任を受けました。そして、参議院委員会は可決、しかし本会議では否決というまことに不幸な状態が生まれました。その後の両院協議会では合意ができなかった。しかし、総・総会談で何とか合意が成立する。こういうふうに数々のドラマが展開されて最終的に両院における成案の可決成立となったのであります。
 そして今、我々が審議しておりますのは、その合意内容から来る最後の調整を法案として仕上げているんだと理解しております。この一時代を画することになる政治改革の一部始終にかかわってまいった者としまして、感無量のものがあります。これらの制度改革が政治腐敗の根源を断ち切って、そして新しい時代の要請に適切に対応し、民主主義のよりよい実現に役立ってほしいと私は痛切に願っております。総理の御心境を聞かせていただければありがたい、こう思います。
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村山富市#29
○国務大臣(村山富市君) 先ほどもお答え申し上げましたけれども、また今、委員からもるる経過を含めてお話がございましたけれども、六年間、その間には政権もたびたびかわるし、同時にまた、今お話がございましたように、衆議院で自民党案が否決をされて政府案が可決される、可決された法案が参議院に回ったらその法案が否決される、そしてまた戻ってきて、そして衆議院で否決されたその法案が生き返ってくる、こういうようないまだかつてないようなことまで起こって、そしてようやくこちらに達しようとしている。
 その経過を振り返ってみますと、全く感慨深いものがあるわけでありますけれども、それだけに、何のためにこんなことをしてきたのかということを考えてみますと、やっぱりこれは政治をきれいにする、そして政党政治、議会政治ですから、主権者である国民が本当に政治を信頼できるようなそういう体制をどうつくっていくかということにあると私は思いますから、そういう意味から申し上げますと、この審議も通じ、この法案の成立を機にお互いに心してやっぱり取り組んでいかなきゃならぬし、その目的が達成されるような努力を共通してお互いにやらなきゃならぬという認識で、気持ちでいっぱいであります。
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