予算委員会

1996-04-08 衆議院 全189発言

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会議録情報#0
平成八年四月八日(月曜日)
   午前十時開議
出席委員
  委員長 上原 康助君
   理事 桜井  新君 理事 近岡理一郎君
   理事 深谷 隆司君 理事 保利 耕輔君
   理事 今津  寛君 理事 草川 昭三君
   理事 野田  毅君 理事 三野 優美君
 理事 五十嵐ふみひこ君
      相沢 英之君    伊藤 公介君
      江藤 隆美君    小澤  潔君
      越智 伊平君    越智 通雄君
      大野 功統君    菊池福治郎君
      小杉  隆君    後藤田正晴君
      志賀  節君    高鳥  修君
      谷川 和穗君    蓮実  進君
      原田  憲君    村山 達雄君
      谷津 義男君    安倍 基雄君
      愛野興一郎君    伊藤 達也君
      石井 啓一君    石田 勝之君
      川島  賢君    笹川  堯君
      中野 寛成君    平田 米男君
      広野ただし君    松岡滿壽男君
      山口那津男君    山田  宏君
      今村  修君    佐々木秀典君
      坂上 富男君    田中 昭一君
      細川 律夫君    横光 克彦君
      錦織  淳君    佐々木陸海君
      松本 善明君    海江田万里君
      土肥 隆一君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 長尾 立子君
        外 務 大 臣 池田 行彦君
        大 蔵 大 臣 久保  亘君
        文 部 大 臣 奥田 幹生君
        厚 生 大 臣 菅  直人君
        農林水産大臣  大原 一三君
        運 輸 大 臣 亀井 善之君
        労 働 大 臣 永井 孝信君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 臼井日出男君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 大森 政輔君
        警察庁刑事局長 野田  健君
        防衛庁参事官  小池 寛治君
        防衛庁防衛局長 秋山 昌廣君
        防衛施設庁長官 諸冨 増夫君
        防衛施設庁総務
        部長      大野 琢也君
        防衛施設庁施設
        部長      小澤  毅君
        法務省民事局長 濱崎 恭生君
        法務省刑事局長 原田 明夫君
        外務省総合外交
        政策局国際社会
        協力部長    朝海 和夫君
        外務省アジア局
        長       加藤 良三君
        外務省北米局長 折田 正樹君
        外務省条約局長 林   暘君
        大蔵省主計局長 小村  武君
        大蔵省銀行局長 西村 吉正君
        国税庁次長   若林 勝三君
        文部大臣官房長 佐藤 禎一君
        文部省初等中等
        教育局長    遠山 耕平君
        厚生省保健医療
        局長      松村 明仁君
        厚生省薬務局長 荒賀 泰太君
        農林水産大臣官
        房長      高木 勇樹君
        農林水産省経済
        局長      堤  英隆君
        運輸省鉄道局長 梅崎  壽君
        労働大臣官房長 渡邊  信君
        労働省職業安定
        局長      征矢 紀臣君
 委員外の出席者
        予算委員会調査
        室長      堀口 一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月八日
 辞任         補欠選任
  武藤 嘉文君     小杉  隆君
  若林 正俊君     蓮実  進君
  谷口 隆義君     広野ただし君
  前田 武志君     中野 寛成君
  佐々木秀典君     横光 克彦君
  海江田万里君     土肥 隆一君
同日
 辞任         補欠選任
  小杉  隆君     大野 功統君
  蓮実  進君     若林 正俊君
  中野 寛成君     前田 武志君
  広野ただし君     谷口 隆義君
  横光 克彦君     佐々木秀典君
  土肥 隆一君     海江田万里君
同日
 辞任         補欠選任
  大野 功統君     武藤 嘉文君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成八年度一般会計予算
 平成八年度特別会計予算
 平成八年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
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上原康助#1
○上原委員長 これより会議を開きます。
 平成八年度一般会計予算、平成八年度特別会計予算、平成八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、理事会協議に基づく一般質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。笹川堯君。
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笹川堯#2
○笹川委員 まず最初に、大蔵省にニューヨークの大和銀行の事件についてお尋ねいたします。
 新聞では、もう既に大和銀行そのものは司法バーゲンに応じて罰金を払ったそうでありますが、元支店長の津田さんという方が裁判をして無罪を主張しておりましたが、これも司法取引に応じたというふうに報道がなされております。実際にもう司法取引に応じてしまったのかどうか、大蔵省に多分通知があったと思うのですが、ちょっと説明していただけますか。
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西
西村吉正#3
○西村政府委員 今回、司法取引が議論をされておるということは私どもも仄聞しておるところでございますけれども、これはあくまでも津田元ニューヨーク支店長と米国の検察当局との問題でございまして、当局といたしましてこの問題についてコメントをすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
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笹川堯#4
○笹川委員 二月の私の質問のときに、大和銀行の事件につきましては大蔵省が関与している、大蔵省のアメリカ政府に対する通報がおくれた、これはもう既に大蔵省も認めておられるわけでありますが、今回、支店長も司法取引をせざるを得なかった。これは、いかに支店長が裁判で無罪を申し立てても、雇用主であります大和銀行が司法バーゲンに応じてしまうと、これはもう一人で闘うといったって闘えるわけじゃありませんし、その辺について今大蔵省はコメントする立場にないと言うのだけれども、実は大蔵省もアメリカでその共犯じゃないか、同罪だということを私は申し上げたのでありますが、私は今でもその考え方は崩しておりません。
 大蔵省というところは、どんな小さなことでも全部実は情報が入るシステムになっています。にもかかわらず、やはり四十日以上延ばしてしまった。私は、大蔵省として、もう少しアメリカに誠心誠意やっていかないと、これから日米が対等にあるいはまた共同に繁栄をしていくのだという建前の上に立つと、もとはこういう小さな問題であっても、アメリカの金融界全般に及ぼす影響があろうと思いますので、今後は絶対に、こういう届け出がありあるいはまた話があったときには、速やかに相手の政府に通告するということはもう国際的な儀礼だと思うのですけれども、大蔵大臣いかがですか。
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久保亘#5
○久保国務大臣 お話のように、金融の国際化、グローバル化が進んでまいります中で、国際的なルールを守る、信頼を確保するということは極めて重要なことであると考えております。
 ただいま御意見がございましたような立場で、大蔵省としては今後臨むべきであると考えております。
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笹川堯#6
○笹川委員 大蔵大臣がそのように答弁されるわけでありますが、ぜひお願いしたいのは、どうも日本の役所というのは、大臣がそのとき決意を述べられても、政府がかわるとまたすぐ変わってしまう。ですから、やはり私は、大臣がかわっても大蔵省の事務当局の中でしっかりしたものをきちっと持っておらないと、大臣の答弁したことと事務当局の答弁したことが実際形であらわれてこないということが今まで長い歴史の中であったと思うのです。
 今回は、今まで大蔵省に何の関係もなかった久保新大蔵大臣がなったわけでありますから、今までの既存のものを断ち切って、今大蔵省解体論だとかあるいは再建論だとか見直し論だとかいろいろありますが、私は解体論にくみすることは考えておりませんし、そうかといって、やはり大蔵省が金を入る方と出る方と両方一つでコントロールしているということは非常にそこには危険性もあるというふうに思いますので、ぜひひとつ今後とも今の大蔵大臣の答弁がきちっと隅々まで行き渡るようにお願いをしたいと思います。
 さて、農林大臣にちょっとお尋ねいたします。これは経済局長でも結構ですが、JAの組織でありますが、役員の無限責任について、有限責任と二つあるわけですが、農協の場合には無限責任社員になっている。これを将来やはり普通の金融機関と同じように有限責任社員に変えるようなおつもりはあるかどうか、いかがでしょうか。
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堤英隆#7
○堤政府委員 農協につきましては、組合員と役員の関係というのは委任関係にございまして、当然ながら、そういった意味で善良な管理者の注意義務をもってこの職務を執行しなければならない、それから、過失があります場合には第三者に対してもそういう責任を負うという形になっておりまして、法制上は現在他の商法あるいは信用組合等と全く同じ形になっております。したがいまして、法制度上何か農協だけが無限責任ということになっているわけではございません。法制度上はそういうことでございます。
 ただ、現実の具体的な問題が起こった場合の処理を見てみますというと、どうしても、農村の社会ということの影響は受けているかと思いますけれども、私的な財産のところまで責任を追及される。そういう意味で、無限責任という言葉が正しいかどうかわかりませんけれども、法令上認められております有限責任の範囲を超えまして、無限責任というか、私的な財産のところまで責任を追及されるという場合が事例としてはあるということでございます。
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笹川堯#8
○笹川委員 聞くところによりますと、鹿児島かどこかの農協で事件を起こしたときに、無限責任社員ということで、組合長が財産まで何か提供して解決したことがあるというようなことは聞いております。
 もちろん、今度の住専問題について、何兆円の話でありますからそんな話、とてもじゃないけれどもできないわけでありますが、さりとてお金を預ける農協の組合員の立場にしてみると、預けたものは必ず返ってくるということが前提でありますので、ぜひひとつ一般の金融機関と同じようにやはり高度の自覚ですね、お金を貸している、それからもう一つは預かっているというこの自覚が普通の金融機関に比べてはやや薄いような気がいたしますが、大蔵大臣どうでしょうか、ほかの金融機関と全く同じように農協は運営されてきたという自信がおありになるかどうか、ちょっとお答えいただきたい。
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大原一三#9
○大原国務大臣 大蔵大臣がお答えになる前に私からお答えしたいのでありますが、笹川委員の御指摘、私も非常に心当たりないしは御批判の原点というのはわかるような気がいたします。
 ドライな商業主義的な経営というようなものが、これからの金融自由化の波の中で選択肢が非常に膨れていく中で、農協の金融のプロフェッショナルなスタッフというのが非常に少ない、ここらがやはりこれから基本的にこたえられていかなければならぬところではないかな。
 先ほどの無限責任問題でございますけれども、農協の理事の責任というのは、信用組合、信用金庫の理事と全く同様な規定があるにかかわらず、農村社会の慣習から、やはりどうしても理事さんというのは選挙で選ばれる。そういうことで、おまえ責任持てと言われると逃げられないという慣習的な実態があることも事実でありまして、ここらもやはりもう少しドライに割り切らなければならぬ時期が来たのではないか、こんな感じを受けております。
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笹川堯#10
○笹川委員 今農林大臣から、時期が来たのじゃないかという答弁でありますが、まさしく私はそのとおりだと思います。一農協単位の預金量というものは少ないかもわからぬけれども、合計しますと一流銀行より多いわけでありますから、そういう意味では、農協の職員の質の向上、同時にまた、これから金融マンとして生きていくのだということになれば、やはり教育をきちっと徹底をしていただきたい、こういうことをぜひひとつ農林大臣にお願いをいたしておきます。
 さて、前の質問のときに覚書の問題で大分時間を食いました。また、大蔵と農林の答弁が食い違ったわけでありますが、最終的には大蔵大臣も五・五兆円は支払うべきものだというふうなお答えをいただいて、そのとき私は大変満足をしたわけでありますが、いろいろな人からの話がありまして、きょう、蒸し返すわけではありませんが、もう一度実はお尋ねをしたいと思っております。
 実は、この覚書にございますのは、あくまでも大蔵省と農林省は住専を再建する、再建計画なんですな。今度預金保険機構から独立をして住専の機関をつくると、これに書いてあることと違って、再建じゃなくして清算をするんだ、住専はもうつぶしちゃうんですよということをこれにはっきり書いてあるわけですね、政府の広報に。「住専は消滅します。救済はしません。」こう書いてあるのです。そうすると、本来は再建というのは、住専を生かしながら住専をてこ入れして住専の借金を返す、これが私は再建計画だと思うのですが、政府の広報に書いてある「住専は消滅します。」ということと整合性がちょっとないような気もするのだけれども、これは事務当局で結構です、お答えいただきたい。
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西
西村吉正#11
○西村政府委員 平成五年二月三日のいわゆる覚書は、そこにも明記されておりますように、「再建支援について、下記により、それぞれ誠意をもって、当事者間の協議が円滑に行われるよう対処して行くものとする。」ということでございまして、今回清算をせざるを得ないという事態に立ち至ったことはまことに残念なことでございますけれども、当時とは状況が変わっているということは、私どももそういう前提で考えざるを得ないと考えております。
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笹川堯#12
○笹川委員 今銀行局長が残念に思っているということは、もう既に、この覚書よりもこちらの「住専は消滅します。」という方に軸足が移ってしまっている、当然。そうすると、法律的に言うとこの覚書というのはもともと、大蔵省の人は私の質問に答えて、これは法律的に有効なものじゃないんだ、ただのペーパーなんだ、何ら法律的に拘束されるものじゃないんだという答弁をされたわけですが、最終的には倫理的に拘束されるというようなことになったのです。
 法制局長官にお尋ねしますが、この再建計画書、今言っているように、もう認識が変わって、「住専は消滅します。」と言っているんだということになりますと、この覚書そのものの内容はもう全く本当の紙っぺらだ、全く効力ないんだというふうにとるべきなのでしょうか。お尋ねをいたします。
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大森政輔#13
○大森(政)政府委員 そもそもこの覚書の法的性格は何かということに関係しようかと思いますが、この点に関しましては、既に本委員会でも大蔵省等から答弁があったと思いますとおり、住専の再建問題の進め方について議論の整理をしたものである、したがいまして、この覚書自体によって当事者間の権利義務を制約したりあるいは左右したりするものではそもそもないということでございますから、この再建の前提が崩れたから、覚書によって生じた権利関係がどうこうなるというものではそもそもないということではなかろうかと思います。
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笹川堯#14
○笹川委員 これはどっちに移っても、もともとこれは法的に拘束力のないものだ、こう今おっしゃっているわけなんですが、そうしますと、法的に何ら拘束力のないということになってしまうと、これは大蔵大臣、農林大臣が答弁したことと全然変わってくるんじゃないのかな。農林大臣は、もうこれに基づいて金利もまけたし、私の方は払ってくれるということと認識している、こう前におっしゃった。大蔵大臣の方は、最初大分もたもたしたけれども、最後は明快に、やはり広義に解釈して払わざるを得ない。
 それはそうでしょう。払うと言わなければ、金利をまける話なんかいきっこないんですから。これ以上の負担はかけないという負担は何かというと、私は、五・五兆円のものはきちっと払いますよと、それを払わないなんということを言わないというふうにとれると思うのですね。そうじやなかったら再建なんかできないんだから。
 だから、再建について支援をするというんだから、役人の書いた文書が法律に全くのっとらない、法律的に何ら効力のないものだなんて言われてしまうと、これはこの委員会で議論するのは非常に難しいと思うのですね、ここは法律をつくるところですから。
 また、その書いた字句を大蔵大臣は読んでいただいて、文書以上のものでもなければ文言以下のものでもない、こういう御答弁をいただいたのですが、私は、これを見なければ、再建計画で再建をしていくんだ、それをしながら、やはり最終的にどうしてもうまくいかないからここで税の投入というような話が出るのならば、時間的経過があって国民も理解をしてくれると思うのだけれども、しょっぱなから、もうこれは返ってこないものですから、お金は出してしまうのですと。返ってこないお金なのに貸すのはおかしいという議論を大蔵大臣もなさっておりましたね、六千八百五十億は返ってこないのだから貸付金と言うのはおかしいと。あくまでもこれは国が負担をするものだということを言われたのです。
 実は、事情があって私は委員会に出られなかったのですが、土田参考人とそれから寺村参考人が出たこの議事録を読ませていただきました。自民党の桜井先生が大分厳しくやっていただいたのでそこを読んだのですが、どうもお二人出た参考人は、余り我々が考えているほど厳しく現状認識がなかったような気がするのですね。
 それからもう一つは、私も一員だということを反省しているということを前の委員会で申し上げました。やはり自民党のときにも申し上げましたが、この住専問題ばかり大きくなっております。実は住専問題というものはノンバンクの中の一翼なんですね。ノンバンクの不良債権は七十兆か八十兆かわかりませんが、あります。その中の住専は一つの角度なんだ、これはもうみんなそう認識しているし、土田参考人もそう答弁されている。
 その点について大蔵大臣は、この住専問題というのはノンバンクのあの大きい枠の中の一環として考えられるのか、あるいは住専だけはもう全くノンバンクと独立して別なものだというふうに考えて、このことだけを今回法案で解決すればもうあとはノンバンクに公的資金は導入しないとおっしゃっているわけだから、そういうふうに理解をされておられるのか、ちょっとお尋ねをいたします。
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久保亘#15
○久保国務大臣 最初の問題から申し上げたいと思いますが、平成五年二月三日の覚書の段階は、これは第二次再建計画を進めようとする時代でございます。再建計画に基づいての両省の担当局長の覚書であったと思っております。
 この覚書の見方がそれぞれございましたが、今日の段階におきましては、この再建計画を断念し、整理、清算に入る、その上で不良債権を処理するということになってまいったわけでありまして、その段階で第二次再建計画を進めようとしたときの覚書に基づく系統側からの主張があり、これらの問題を協議をした結果、住専を整理するに当たっての損失、欠損の処理をどうするかという当事者間の合意が得られたものと考えております。
 私、住専問題は不良債権の象徴的で喫緊の課題であるということを抽象的に申しておりますけれども、今住専に集中的にあらわれております不良債権の問題は、不良債権処理の一つの入り口であると思っております。しかし、この問題の処理に続くいわゆるノンバンクの処理に関しては、公的資金の導入なしに、預金保険機構等の役割を果たす中で一定の期間に不良債権の処理を終えるよう努力をすべきであるという立場をとっているものと考えております。
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笹川堯#16
○笹川委員 今大蔵大臣が、ノンバンクの方は預金保険機構でやっていくのだというふうに……ヤジもう一遍、ちょっと。
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久保亘#17
○久保国務大臣 少し言葉が足りませんでしたけれども、いわゆる預金者に影響が及びます場合は、預金保険機構の保険料率等を引き上げることによって保全の体制を整えながら、預金者の保護に万全を期すような体制とともに、ノンバンクの不良債権に対する扱いは、十二月十九日の閣議決定もございます。これらに基づいて処理されるということになるわけでございます。
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笹川堯#18
○笹川委員 今大蔵大臣は、預金保険機構の料率を引き上げることによって預金者の保護をするのだ、もうこれは当然でありますが、ノンバンクも実は預金は受けていないのですよね。住専と全く同じだと思うのだけれども、ちょっと答弁が――銀行局長、変えるのですか。
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西
西村吉正#19
○西村政府委員 事務的に論点を整理して申し上げたいと存じます。
 一般的に申し上げまして、金融制度調査会でも明確に議論されたところでございますが、金融機関の破綻処理におきましては預金保険が発動されることとなりますが、預金保険の発動により保護されるべきは預金者、信用秩序であり、破綻金融機関ではない、経営者でもない、株主、出資者でもないという原則が明らかにされているわけでございます。その場合に、破綻金融機関は存続させない、そして経営者の退任及び民事、刑事上の厳格な責任追及が行われる、また株主、出資者の損失負担が行われる、このような原則が明記されているところでございます。これが預金受け入れ金融機関の破綻の原則でございます。
 さて、住専を含みますノンバンクにつきましては、これは預金受け入れ金融機関ではございませんので、本来であるならばこのような預金保険の発動であるとかあるいはそれが不可能な場合の公的関与とかいう問題にはならないわけでございますけれども、住専という緊急かつ象徴的な課題につきましては、これは国際的な問題もございますし、また、日本の不良債権問題を解きほぐす糸口をつけるということもございまして、ノンバンクではございますけれども、その処理について今回公的な資金の導入をもお願いして早急な解決を図りたいという御提案も申し上げているところでございます。
 しかしながら、そのほかのノンバンク、住専を含めまして八十九兆円ばかりノンバンクの貸し出しというものはあるわけでございますが、住専以外のノンバンクにつきましては、あくまでも原則に戻りまして、ノンバンクの破綻をしたという段階では公的な資金の問題についてお願いはすることはいたしません。それは原則に戻って、ノンバンクの破綻が預金受け入れ金融機関の破綻につながる、そういう段階になって初めて議論をするという原点に戻らせていただきますというのがただいま大臣が申し上げた趣旨でございます。
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笹川堯#20
○笹川委員 これは大蔵省の元の銀行局長が明確に、住専はノンバンクの一部分なのだということをはっきりおっしゃっている。我々も自民党にいたときはそういうふうな理解で、ノンバンクをどうしようか、大変だという議論は何遍もいたしました。ただ、当時の幹部の人の認識が甘いといえば甘かったのでしょうからそのまま先送りされてしまった。ということでありまして、今、住専は緊急の課題だけれども、聞いていると、ノンバンクは全く緊急の課題ではないようにも銀行局長の説明で聞こえるのですね。
 ノンバンクの問題は、預金者がいないのだから本来は政府が関知すべきものではないのだけれども、住専については特別だ、こうおっしゃる。そうすると、住専について特別だとおっしゃるなら、ではノンバンクは特別ではないのだ、何かそこに物すごく差別があるように思うのです。大きい方はそのままほっておくのだよ、自力でやりなさい、小さい方は国の予算を投入してということになると、私は、両方やります、だけれども、こっちの方が先なのだからこっちは先にやりますけれども、後の方の大きい方も責任を持ってそういう事態があればやりますよと言うのなら整合性があるのだ。もう一遍。
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西
西村吉正#21
○西村政府委員 広い意味でのノンバンク、住専を入れて考えますと、ノンバンク全体では先ほど八十九兆円に上る融資残高があるわけでございます。そのうち住専は十二兆円ばかりでございますので、確かにノンバンクの一部であるということは笹川先生御指摘のとおりでございます。
 ただ、ノンバンクの中で住専というものが特殊な位置づけを持っておりますのは、一つには、住専に対します金融機関の貸し付けでございますが、非常に多数の金融機関、母体行で申しますと百六十余り、金融機関全体では三百に上るという大変多数の当事者がいる。通常、ノンバンクの場合にはそれほど多くの関係者はおりません。したがって、非常に権利関係がふくそうしているというのが第一点でございます。
 もう一つは、七つの住専につきまして、共通した最大の融資先として系統金融機関というものの存在がございます。したがいまして、七つの住専一つだけをその当事者が解決を図ろうと努力をいたしましても、七つの住専に共通した課題を解決できないとなかなかこの問題を解きほぐすことができない、こういう特殊性がございます。
 要するに、関係金融機関が非常に多数に上ること、そして共通した最大の融資先として系統金融機関というものが存在すること、こういう特殊な問題でございますので、政府も解決に協力をしつつ、関係者とこの問題の解決に一緒になって努力をするということが必要だということでございます。
 その他のノンバンクにつきましては、恐らくこの住専問題という特殊な問題が片づきますならば、それぞれの当事者の努力と意欲によりまして解決が可能になるのではないかと考えております。
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笹川堯#22
○笹川委員 今、銀行局長の答弁の中で、特殊なものだ、こう言われた。私はわかっていないから聞いているわけじゃありませんで、わかっておりますが、なかなか口に出していただけないので、何とか発言をしてもらいたいと思ってしつこく聞いているわけです。
 私は、ノンバンクも住専も置かれている状況は一緒だ、ただノンバンクの方は、金融機関がじかに五〇%以上株を持っているから、法律的に言うと子会社だ、だから責任を持つんだ、これは法律的にも明確にわかるわけであります。住専の方は、法律的には子会社の扱いにはなっておりません。だから、そういうことも言えるかもわからぬけれども、住専には人的つながりがあるのだから、株を五〇持っている持っていないというのは私は議論にならないと思うのですね、今回は。
 恐らく銀行局長は、特殊と言うのだから、住専がつぶれれば農協系統に多大な迷惑をかける、これは金融不安につながるんだよ、だからこの覚書の中で、引き揚げたいというときに引き揚げては困るということでこれはもともと結んだものなんだから、はっきり銀行局長は、住専の問題については母体行が責任を負うべき法律的な責任はないけれども、やはり返すと言った以上は返すんだよという、銀行というのは、金融業界というのは信用と信頼なんですね、大蔵大臣。
 信用と信頼というのは、約束したことは文書になくても守るというのが私は金融秩序だと思っているのです。それを、書いたものも守れない、書かないことでもやりますよと言ってしまうと、金融秩序の維持というのは口で言っているだけの話で確立しないから、銀行局長、思い切って、それは特殊と言ったのは、農協系統のお金を返せなくなると大変だから、これはやはり倫理的にも責任がありますと。大蔵省は農林省へ行って頼んだのでしょう、再建に母体行は協力するという、みんな紙っぺら持っていって、判を押してあるけれども、それは取締役会にかけた書類じゃないと私は思うけれども。
 だから、やはり農協系統に迷惑かけないようにするための今度の住専ですということをはっきり言いなさいよ、ここで。その方が格好がいいよ、もうすっきりするから。そうじゃないと、筋が通らぬと議論できない。
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西
西村吉正#23
○西村政府委員 住専の設立、そしてその後の経営の経緯につきましては、今までも御説明してきたとおりでございますが、母体行がやはりその経営について大きな責任を持っているということは、皆様から御指摘もございましたし、私どもも認識をしているところでございます。しかしながら、その点につきましては、今回の御提案の中で、母体行、一般行それぞれ最大限の努力をしているということは、またこれも御説明してきたとおりでございます。
 ただ、御指摘のように、しからば、このような解決がなされない場合にどのようなことになるのかという点に関しましては、私ども、日本全国の預金者の保護という点について遺憾な点が発生することも考えておかなければいけない。その場合に、やはり最大の貸し手である系統金融機関というものに対する影響というものが一番大きいであろうということは、また私どももそのように思っているところでございます。
 したがいまして、そういう日本の金融全体のことを考えまして、関係者全員がそれぞれの責任、立場に応じまして最大限の努力をするということを前提とした処理案が、今回の政府の提案だと理解しているところでございます。
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笹川堯#24
○笹川委員 銀行局長の話を聞いていると、最初の一行はわかったように言うのだが、だがしかしと、こう来るものだから非常にわかりづらくていかぬわけでありますが、五・五兆円という巨額の債権を系統が持っているのですから、このことが引き金になって預金者に迷惑をかけるという議論も一つあります。そうならば、完全に預金者に迷惑をかけるということになるのなら、預金保険機構で整理しても私はおかしくないと思うのですが、銀行局長どうですか、それの方が私は正当だと思うが。
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西
西村吉正#25
○西村政府委員 笹川先生御指摘のとおりの面もございます。預金保険の発動によって金融機関の破綻処理をするということがあくまでも原則でございます。
 ただ、問題は、先ほども金融制度調査会の答申を引用いたしましたように、預金保険を発動するという場合には、あくまでも預金受け入れ金融機関を存続させない、破綻をさせるということがまた原則になっているわけでございます。
 さて、今回の住専の処理について考えますと、そのようないわば事後方式と申しますか、預金受け入れ金融機関を破綻をさせた後に処理をするという方式をこの十三兆円という膨大な債権債務関係の処理に適用できるかということは、私どもとして大変に心配でございます。やはりこれだけ大きな債権債務関係の処理ということになりますと、預金保険を活用したいわば事後方式でなくて、特例的ではございますが、事前的な何らかの処理があわせて考えられなければならないのではないか、こういう考え方に基づいて今回の政府の御提案を申し上げている、こういうことでございます。
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笹川堯#26
○笹川委員 法律的な意味の解釈をしてみたり、あるいはまた十三兆という巨額だからということを今言われた。そうすると、私の言っているノンバンクというのはもっと巨額ですよ、こういう議論を言うと、ノンバンクの方は母体行があって法律的に五〇%だから、そっちはそっちで自己責任でやってください。それでは、そっちは自己責任で、こっちは自己責任ないのか。
 どうも国民一般がやはりその辺のことで、私は六千八百五十億の税金を投入することに八〇%以上の人が反対している原因はここにあると思うのですね。これはみんな聞いているわけですよ、活字になるし。だから、それは農林省と大蔵省で約束した以上は、やはり私は守ってもらわなければ困る。しかも、こういう文書を書いたからには、はっきり申し上げた方がいいと思うのですね。
 だから、農協の人が引き揚げたいといって引き揚げてしまった、それで破綻をしたのなら、私はこの場で農協は農協として自己責任でやるべきだと申し上げたいけれども、そうじゃないのだからしようがない。これで払うと言っているのだから、だから協力してください、金利もまけてください。
 だから、これに沿った答弁をしてもらわないとやはり我々は納得できないし、国民の税金を使うのですから、後の議論に進めなくてこれで時間を食ってしまうので、ぜひひとつ、本来は金融機関がつぶれたら預金保険機構が出動する、これは当たり前です。だけれども、住専は金融機関ではありません。けれども、ここでけれどもを使うのならいいんだよ。けれども、大蔵省の通達で準金融機関の扱いを受けているわけでしょう。だから、系統も安心して、担保もとらないで貸したわけだから、ここには信頼関係があったんだね。この信頼関係を崩すようなことを言われると、今度国民自体が大蔵省の言っていることは信用できないということになってしまう。これはまた大蔵省に対する信用が失墜すると大きな社会問題なんですよ。
 だから、こっちの方が大きいんだよ、大蔵省はこれから信頼されるのかされないのか。このことをぜひひとつここで、大蔵省は前任者であろうが前々任者であろうが約束したことは守ります、だから今回は、預金保険機構の出動じゃない、だけれども、どうしても社会的に大きいので、これはぜひさせてほしいんだ、そういうふうに言いなさいよ。思っていることを言った方がいいんだよ。
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西
西村吉正#27
○西村政府委員 御指摘のように、金融行政は信頼が基盤であるということは私ども肝に銘じておかなければならないことだと存じます。今後、国民の皆様の御信頼を得る金融行政を展開できるように、誠心誠意努力をしてまいりたいと考えております。
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笹川堯#28
○笹川委員 なかなかぬかにくぎというか、ぬかがあればいい、何か空気にくぎを打っているような気がするんですが、さて、これだけやっていると時間がなくなってしまうので、大蔵省がこの問パンフレットをお出しになりました。
 どなたかの質問で幾らつくったかというのを、私帰ったら新聞に載っていましてね、大蔵大臣。何か三十万部で九百万でつくったというふうに言われておりますが、もう当日載っているんだ、朝日新聞に。大蔵省は知らなんだと言うんだけれども、もう朝日新聞に載っているんだ。だから我々、自民党時代も、何か大蔵省のコメントというのは自民党に来て説明するより前に新聞見た方が早いと言われちゃうんだ。よくこういうことがありました。どうですか、三十万部で九百万。
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西
西村吉正#29
○西村政府委員 政府広報といたしまして支出いたしました金額が九百五十万円、作成部数は三十万部でございます。
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