文教委員会

1996-02-22 参議院 全193発言

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会議録情報#0
平成八年二月二十二日(木曜日)
   午前十時開会
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         小野 清子君
    理 事
                木宮 和彦君
                森山 眞弓君
                山下 栄一君
                三重野栄子君
    委 員
                井上  裕君
                釜本 邦茂君
                世耕 政隆君
                田沢 智治君
                馳   浩君
                石田 美栄君
                菅川 健二君
                浜四津敏子君
                林  寛子君
                上山 和人君
                阿部 幸代君
                堂本 暁子君
                江本 孟紀君
   国務大臣
       文 部 大 臣  奥田 幹生君
   政府委員
       文部大臣官房長  佐藤 禎一君
       文部大臣官房総
       務審議官     辻村 哲夫君
       文部省初等中等
       教育局長     遠山 耕平君
       文部省教育助成
       局長       小林 敬治君
       文部省高等教育
       局長       雨宮  忠君
       文部省学術国際
       局長       林田 英樹君
       文部省体育局長  佐々木正峰君
       文化庁次長    小野 元之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青柳  徹君
   説明員
       警察庁生活安全
       局少年課長    宮本 和夫君
       総務庁青少年対
       策本部参事官   得能 英夫君
       法務省刑事局刑
       事法制課長    渡邉 一弘君
       厚生省児童家庭
       局企画課長    粥川 正敏君
       郵政省電気通信
       局電気通信事業
       部業務課長    桜井  俊君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (文教行政の基本施策に関する件)
    —————————————
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小野清子#1
○委員長(小野清子君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十五日、今泉昭君が委員を辞任され、その補欠として石田美栄君が選任されました
    —————————————
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小野清子#2
○委員長(小野清子君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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小野清子#3
○委員長(小野清子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に三重野栄子君を指名いたします。
    —————————————
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小野清子#4
○委員長(小野清子君) 教育、文化及び学術に関する調査のうち、文教行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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馳浩#5
○馳浩君 おはようございます。自由民主党の馳浩と申します。
 本日は、いじめ問題と、それからボランティア教育に関する問題と、そしてアンチドーピング教育に関して、この三点に絞りまして質問させていただきます。
 まず最初に、御就任早々奥田文部大臣におかれましては、いじめ問題に対して大変な御理解とともに、非常に強力に対応しておられるということですけれども、改めましてこのいじめ問題に対して、その取り組む姿勢と決意というものをお伺いしたいと思います。
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奥田幹生#6
○国務大臣(奥田幹生君) 今お尋ねの問題につきましては以前から心配されておったことで、文部省としてもその都度真剣に取り上げて、都道府県、市町村の教育委員会に協力を要請してまいったところでありますが、私が先月文部大臣に就任をさせていただいた以後におきましても、大体二週間ぐらいの間に福岡県とそれから愛媛県、福岡県は中学校三年生の男子、愛媛県は中学校二年生の女子の生徒がそれぞれいじめによって自殺をするという事件がございましたので、私としましてもこれを非常に深刻に受けとめまして、一月三十日でございましたが緊急アピールを発表させていただきました。その中身については時間の関係で割愛しますが、いじめる子供、いじめられる子供、それから学校の先生、家庭の親、それから地域社会、それぞれの分野に分けて私からお願いをしたところであります。
 なお、この月に入りまして、二月十日でありましたけれども、休みでございましたが、国会の都合でなかなか時間がとれませんので、にわかに各都道府県それから政令指定都市の教育長さんにお集まりをいただきました、その席上で、直接具体的に私からお頼みをしました。午後においては、文部省、教育関係三十九団体のそれぞれ責任者の方にまたお願いをしたということでございました。
 この教育長会議におきましても、私からあるいは文部省の担当局長から一方的にお願いをするだけでなくて、それぞれ以前から真剣に各県教委、指定都市の教育長さんも取り組んでいただいておりますから、それで向こうの方からもいろいろなお話、御提言があって、非常に実りの多かった会議が持てたと。その成果についてはいろいろこれから上がるんではなかろうかと私は期待をしておるところでございます。
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馳浩#7
○馳浩君 一月二十七日の毎日新聞を参考にさせていただきますけれども、愛媛県の松山市で三年前に同市立中学校の三年生の男子生徒が自殺をしましたが、その生徒に加えられていた過酷ないじめの実態というものが調査報告書「君の死を無駄にしないために」としてまとめられました。それをまとめたのは、保護者の方であるとか市民グループの方がまとめられたわけですけれども、その方々のおっしゃることには、その事件のあった学校側が、「教育現場で犯人捜しはできない」と、いじめた生徒たちへの調査や適切な指導を怠ってきた」というふうな発言をしております。
 これは、教育委員会といいますか文部省側のどういう御意見でこういう対応をしていたと感じられるような事態になってしまったのでしょうか。これは質問通告はしておりませんけれども、見過ごすことのできない事項でございますので、もしお答えできる方がございましたらお答えいただきたいんですけれども、よろしいでしょうか。
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遠山耕平#8
○政府委員(遠山耕平君) その件につきまして現在ちょっと資料を持ち合わせていないんですが、文部省の考え方といたしましては、いじめの事件が起きたときに、いじめている者それからいじめられている者、それを特定することは非常に大事でございまして、決していじめている者を見過ごすということはよくないわけでございまして、いじめている子をはっきりさせまして、その子に対しても教育的指導をしていくというのが文部省の考え方でございます。
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馳浩#9
○馳浩君 わかりました。
 では、具体的に教育的指導というような方面で質問させていただきます。
 児童生徒の退学処分についてお伺いいたします。
 国立や私立の学校におきましては退学処分が認められているのに、なぜ公立の小中学校においては認められていないのでしょうか。
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遠山耕平#10
○政府委員(遠山耕平君) 公立の小中学校におきましては、学齢の児童生徒を受け入れる義務があるわけでございます。それに対しまして国立あるいは私立の小中学校におきましては、学齢児童生徒を受け入れる義務はございません。
 したがいまして、国立あるいは私立の学校におきましてその学校の児童生徒としてふさわしくない行為があった場合には退学処分ができるわけでございますが、公立の義務教育諸学校におきましてそういう児童生徒として不良行為というかそういうものがあった場合に退学処分をしますと、その子供たちにとっては就学すべき学校がなくなりますので、義務教育を受ける権利が憲法上保障されているものが実現できないことになるわけでございます。したがって公立の小中学校におきましては退学処分ができないと、こういう制度になっているわけでございます。
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馳浩#11
○馳浩君 ありがとうございます。
 公立の小中学校におきましてもいじめの問題というのはあるわけでございます。そうしますと、いじめられっ子の方は転校という手段をとることはできますが、教育的な指導を十分行ったにもかかわらずいじめっ子の方が相も変わらず性行が改まらないというときに、そういういじめっ子の側に対してどういう対処、処分ということを考えておられるのでしょうか。
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遠山耕平#12
○政府委員(遠山耕平君) そういう子供に対しましては出席停止という措置が学校教育法上認められているところでございます。これは、学校の秩序を維持し、ほかの児童生徒の教育を受ける権利を保障する観点から設けられているものでございまして、義務違反があった場合にその児童生徒に対する懲戒として行われるものではございません。ほかの児童生徒の教育を受ける権利を保障すると、こういうためにとられる措置でございます。
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馳浩#13
○馳浩君 ほかの児童生徒が義務教育を受ける権利を保障するという観点からということで、今の問題で言うならば、ほかの児童生徒というのはいじめられっ子のことだと思います。
 それでは、公立の諸学校で退学処分が認められないのならば、そのかわりとなりますような出席停止処分と言っていいのでしょうか措置と言っていいのでしょうか、この措置が的確に適切に配慮をした上で行われなければいけないと思います。
 そこで、ここにおいていじめの問題を当該理由として強調し始めたのはいつからのことで、その実態はどうなっているのでしょうか、十分処分が行われているのでしょうかという、そういう質問でございます。
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遠山耕平#14
○政府委員(遠山耕平君) 出席停止をされた生徒につきまして、その理由でございますが、平成六年度で一番多いのが、生徒間の暴力によりまして出席停止を受けたというのが二十四件ございます。その次に多いのが対教師暴力でございまして、先生に対して暴力行為を行ったというものが十二件でございまして、それに次いでいるわけでございます。いじめを理由として出席停止が行われたというのは、平成六年度では一件もございません。これは、いじめが教師の見えないところで行われるということがほとんどでございまして、出席停止の措置の対象となるかどうかの判断が難しいということなど、個々の判断に当たりまして学校として慎重にならざるを得ないことなどがその要因としてあるものと考えております。
 先生がおっしゃるように、いじめている生徒に対する出席停止の措置については、平成七年の十二月の初等中等教育局長通知におきましても改めて指導を行ったところでございますので、今後ともその適正な運用につきまして指導していきたいと考えております。
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馳浩#15
○馳浩君 ちょっと理解できないんです。どうしてかと申しますと、警察庁の調べによりましたら、平成六年度にいじめに起因する事件の補導人員は小・中学生で二百八十四名と、こうはっきりとした数字が出ておるわけでございますけれども、学校の教育現場において出席停止はゼロ件というのは、どう考えても先生方の対応が十分ではない。
 冒頭に申し上げましたけれども、学校の教育現場で犯人捜しはできないというような認識が教員の皆さん方にあって、その観点からなかなか処分を下しづらいというような気持ちが働いているのではないかと思います。けれども、この問題に関しましては、いじめられる側の子供の気持ちになって取り組まなければいけない強力な問題だと思います。
 そういう意味からもう一度見解をお願いいたしたいと思いますし、取り組みの姿勢をもう一度改めてお聞きしたいと思います。
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遠山耕平#16
○政府委員(遠山耕平君) 先生御指摘のいじめを起因として補導された人員が二百八十四人もいるのに、出席停止がゼロなのはおかしいというお話ですが、先ほど申し上げましたように、いじめを起因として補導されて、それは結果でございますので、警察の方に補導されてから出席停止という措置は学校としてはとれないということでございまして、後追い措置になるわけでございます。
 警察に補導される前に学校として出席停止の措置をとるべきものだとは思いますが、先ほど申し上げましたように、いじめというのが先生の見えないところで行われているのがほとんどでございますので、そういう点で、表ざたになる前に学校の方でそれを把握して、そして出席停止の措置をとるということが、例えば校内暴力なんかに比べて非常に難しいという点を御理解いただきたいと思います。
 しかし、学校としてはできるだけ児童生徒の状況を早く把握して、一定の限度を超えたいじめが行われる場合には、余りちゅうちょすることなく出席停止の措置もとっていくべきものだというぐあいに考えておりますので、そのように指導していきたいと考えております。
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奥田幹生#17
○国務大臣(奥田幹生君) 局長の答弁をちょっと補足させてもらいますが、お話しのとおり、先生のいないところでいじめが行われている、先生は知らない。
 私は、この間も各教育長さんを通じて、あるいは校長会の幹部の先生を通じてお願いをしましたのは、先生は子供と接触する時間を少しでも長く持ってくださいと。中学校の場合は、御案内のとおり、大体学科担任でありますが、一方ではクラス担任もいらっしゃるわけでございますね。したがって、少なくとも学校給食の行われているところでは、クラス担任の先生は、給食も生徒と一緒にとってください、授業が終わりました後の教室のお掃除も生徒と一緒にやってくださいと。
 そういう接触の時間を長く持って一緒に作業をしておる中で、ちょっと元気がない子供とか、そういうことはおのずからわかってきますから、声をかければいじめられているというようなことが自然とわかるようなことになるのと違いますかねというようなお願いを具体的にしたんです。
 平成六年度五万七千件にも達する数字で非常に私どももびっくりしておるわけでありますけれども、そのおよそ半分が中学校に集中しておる。でございますから、とりわけ中学校のクラス担任の先生は、授業が終わって、お掃除が終わってなお時間があるならハグラウンドへ出てソフトボールをやるとかドッジボールをやるとか、そういうようなところまで配慮してもらう。そのためには、職員室での他の作業がいろいろ煩雑になっている嫌いもあるから、職員室でのお仕事はスリム化してもらって、そして子供との接触時間を少しでも多く持ってもらうということを強くお願いしております。
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馳浩#18
○馳浩君 ありがとうございます。
 それでは、出席停止についての質問を続けますけれども、平成六年度においてはゼロ件ということで、相当ひどいいじめというものを出席停止の処分で防止するということはなかなか難しいということが先ほどの答弁でわかりました。
 ならば、発想を転換して、いじめられっ子が義務教育を受ける権利を保障するためにも、いじめられっ子に対しての出席停止を認める必要がある時期に来ておるのではないかと思います。学校を休んでもいいんだよということは文部省の側からなかなか言いづらいかもしれませんけれども、ただ、大変ないじめがあったときに、いじめられっ子が出席停止という措置で学校を休んでいる間に、十分な調査を先生方が、親がするという意味では一つの教育的な措置ではないかと思いますが、どのような御見解でしょうか。
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遠山耕平#19
○政府委員(遠山耕平君) 先ほど大臣の方から申し上げましたように、できるだけ先生の方で子供たちと接触する時間を長く持ちまして、なるべく早くいじめを発見することが第一でございますが、いじめが発見された場合には速やかに教職員相互の情報を伝達するなど、いじめを解決するために学校挙げて取り組むことがまず必要でございます。
 しかし、深刻ないじめを受けまして心身の安全面が脅かされていると本人が深刻に悩んでいる、そのような場合には児童生徒が命の危険を冒してまで学校に通わなければならないかにつきましては、当該児童生徒やいじめの実態に応じまして弾力的な対応がなされる場合があるのではないかと考えております。
 しかし、あくまで学校に復帰することを前提にして、欠席をしている児童生徒の家庭と十分連絡を図り、児童生徒への指導の機会を確保するなど万全の措置を講ずることが必要であると考えております。
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馳浩#20
○馳浩君 昨年の六月十七日の日経新聞のコラムで、登校拒否を考える全国ネットワーク代表の奥地さんという方が「いじめから子供の命守る」ということで寄稿しておられます。その中にこういう二点を行政側も考えていただきたいというふうな提言をしておられますので、紹介をさせていただきます。それに関してのまた見解をいただければお願いいたします。
 まず一つは、人間はどういう状況にあるときに人をいじめたくなるのかにもっと思いをはせる必要があると。つまり、いじめという問題が教育体制、社会的構造の中でどういったところに根源があるのか。どういう理由で人はいじめをするようになるのか。つまり、恐らく学校教育の中においても、あるいは社会においても、我々大人の世界
 においてもいじめというものはあるのではないか、その根源的なものを探っていかなければいけないのではないかという提言です。
 もう一つは、登校拒否の積極的な意味を理解していただきたいということです。いじめを受けて登校拒否をした子に命を捨てないで済んでいる子供が多い。そういう観点から、本当に自殺に走るまでのいじめがあった場合に登校拒否ということを積極的に認めてあげるような体制づくりをすべきではないかという提言でございます。
  これをまた私は紹介しただけかもしれませんが、これに対して御見解があればお願いいたします。
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遠山耕平#21
○政府委員(遠山耕平君) いじめの原因につきましては、私どもはそういう教育の体制なりなんなりの根源的なものももちろんあると思いますけれども、やはり基本的には学校、家庭、地域社会のいろいろな要因が複雑に絡み合っていじめの問題が起きているものというぐあいに考えておりまして、一義的にこれが原因だというようなものは現在のところはなかなかつかめないというぐあいに考えております。
 例えば、学校ではなかなか学校の体制が現在の児童生徒の多様な実態に対応し切れていないのではないかということもその一つの原因でありますし、あるいは家庭環境、あるいは社会の環境なんかも大きく変化をしているということもその大きな原因であろうというぐあいに考えているわけでございます。
 それで、先生がおっしゃったことでございますが、義務教育でございますので、学校は子供たちが義務教育の段階ではやはり行くということを前提にいろんな施策を考えていく必要があろうかと思います。もちろん、学校に登校できない子供たちもいるわけですけれども、学校に行くまでに適応指導教室とかそういうところもございますので、集団生活にまずなじんで、それからまた学校に復帰をして教育を受ける、そういうことを前提にしていろんな施策を考えていくべきものと考えております。
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馳浩#22
○馳浩君 そうはおっしゃいますものの、ただ、今回の場合には学校に行きたくても行けない児童に対しての措置ということでございますので、そういう子供たちに対する適切な措置としての出席停止、これを十分に認めていただけるような方向で検討をお願いいたしたいと思います。
 続きまして、今週の月曜日、二月十九日の夕刊の日経の一面にこういう記事が出ておって、大変センセーショナルな書き方をされておりましたので、質問させていただきます。
 就学校指定制度を、自治体にこの権限を委譲することによっていじめへの対応が迅速にできるのではないかという見出してございます。この見出しを読んだだけでは、じゃそういう対策もとれるならばとった方がいいんじゃないかと、読んだ人はそういう気持ちになります。
 これはどういうことかというと、ちょっと読ませていただきます。「地方分権推進委員会は十九日までに、文部省の機関委任事務である就学校指定制度などを地方自治体固有の事務に委譲するよう提言する方針を固めた。」と。方針を固めたということですから、恐らくこれは日経はどこかから情報を仕入れて書いたということだと思います。続けて、「いじめによる中学生の自殺事件などが目立つ中、教育の分権化を進めることで自治体に教育行政の大幅な裁量権を与え、地域の実情に即した教育環境を整えるのが狙いだ。」と。読めばなるほどなというふうに見られます。
 そこで、次なんですけれども、「就学校の指定権限を自治体に委譲することで、いじめにあっている児童、生徒の転校手続きなどが迅速にできるようになる」とこの地方分権推進委員会が指摘しているようですけれども、本当にこれが迅速にできるようになるのでしょうか。これが一つ目の質問でございます。
 そして、こういう提言について、文部省側が権限委譲には強く反対しているということで、そういう理由があるのであれば、強く反対する理由を教えていただきたい。これが二つ目の質問でございます。
 その前に、簡単にでよろしいですから、就学校指定制度とは本来何なのかということを簡単にお答えいただければと思います。よろしくお願いいたします。
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遠山耕平#23
○政府委員(遠山耕平君) まず、全体の仕組みを御説明申し上げたいと思いますが、憲法二十六条に規定する教育を受ける権利、この保障につきましては、国が憲法上責務を負っているわけでございまして、その責務を果たし、保護者が就学義務を履行することを確実に担保するために、就学事務自体は国の事務としておりますが、市町村あるいは都道府県の教育委員会にこの事務を機関委任しているものでございます。したがって、就学すべき学校の指定はこの就学事務の一環として行われているものでございます。
 それで、具体的に就学すべき学校の指定でございますが、これは各市町村の教育委員会が、道路の状況ですとかあるいは河川の地理的な状況、あるいは地域社会がつくられてきた長い歴史的な経緯、あるいは住民の感情等、こういう地域の実情に応じて行っているわけでございまして、実際に指定するのは市町村の教育委員会が指定をする仕組みになっております。
 現在、地方分権推進委員会におきまして、国の機関委任事務全般につきまして広範に審議を進めているわけでございますが、就学すべき学校の指定についてもその一環としまして検討されていると承知しているところでございます。
 文部省としましては、基本的には国と地方公共団体の適切な役割分担のもとで地方分権を推進していくことが重要であると考えているところでございます。しかし、個々の機関委任事務のあり方につきましては、地方分権推進委員会の方から、今後、国と地方の役割分担と責任のあり方、それから国の関与の仕組みなどについて具体的に示された段階で国の責任が担保できることとなるのかどうか、事務の趣旨、目的、それから運用の実態等を十分踏まえましてきめ細かく検討することが必要であると考えております。
 それで、まず第一の、地方の事務になったら就学する学校の変更が迅速にできるかどうかと、こういうことでございますが、これは現在も実際に就学する学校を指定しているのは市町村の教育委員会でございます。国が一々個々の児童生徒について就学すべき学校について指導してはおりません。したがって、地方分権推進委員会が言うようなそういう制度になっても、仕組みは市町村の教育委員会が就学すべき学校を指定するということが変わりませんので、その点では現在と同じだと思われます。
 それから、地方分権推進委員会の言うように、国の現在の事務を機関委任するのではなくて、地方の事務にすることに文部省は強く反対するのかというお話でございますが、それにつきましては、先ほど申し上げましたように、今後、地方分権推進委員会の方からさらに具体的な検討案が出てくると思いますので、それを踏まえてさらにきめ細かく検討していきたいと考えております。
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馳浩#24
○馳浩君 おっしゃることはわかりましたけれども、一つだけお願い申し上げたいのは、教育を受ける権利の保障と教育の機会均等の実現は国の責務であるという部分はわかるんですけれども、全国の統一性、公平性という部分になってまいりますと、また文部省側の全国全地域に対する統一性という主張は教育現場において実際に受け入れられがたいこともあるのではないかと思います。そういう意味からも、余り統一性とか公平性というのではなくて、地域実情に即応した対応ができますように、その辺のお取り組みをお願いしたいと思います。
 そこで、幾つか質問してまいりましたが、ここで文教委員会の委員長にお願いというか提案を申し上げます。
 ぜひこの文教委員会の下に社会的な問題になっておりますいじめ問題対策の小委員会を設置していただけないかという提案でございます。
 その理由は幾つかございますけれども、例えば私の所属する自由民主党におきましても、女性のための政治情報誌の「りぶる」という雑誌でいじめ問題に対しての取り組みをしておりますし、ほかの党派、会派におかれましても、それぞれの立場で調査等をされております。
 ただ、せっかく参議院の文教委員会というものがあるわけでございますから、それぞれの教育問題に対する本当のプロフェッショナルといいますか、有識者の方がたくさんこうやって出てきておられるわけですから、我々の大事な将来を任せなければいけない子供たちの教育現場の問題、いじめについて超党派で取り組んでいっていただきたいという、これが理由の一つ。
 それから、先ほどの日教組の教研集会におきまして子供たちや保護者の皆さんを呼んで意見をお伺いしておりました。ここは我々政治家としても、実際に真摯な立場で教育現場に出かけていき、その生の声に耳を傾けることも必要なのではないか。そして、これは一回、二回対策をしたから済むという問題ではなくて、教育というのは未来永劫に続いていくものでございますから、そういう意味でも持続的に活動をしていく必要があるのではないかという、それが提案理由なんですけれども、ぜひ理事会で検討するかしないかという観点から御協議いただければありがたく存じます。あえて今答弁はお求めいたしません。
 なかなか衆議院の方は選挙選挙といって腰が落ちつかないような方もいらっしゃるんですけれども、参議院は六年という任期がある以上、落ちついてこういう問題に取り組めるのではないか、今こそ参議院がやらなければいけないのではないかという私なりの意見も申し上げておきます。
 これに関して、奥田文部大臣に、これは文部大臣という立場として私の提案をどういうふうに受けとめられるか、一言お願いできればありがたく存じます。
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奥田幹生#25
○国務大臣(奥田幹生君) 今、先生御提案の小委員会設置云々のことにつきましては、これは議会の方でお決めいただくことでございますから、私からどうこう申し上げる筋ではないと思います。ただ、議会の方で決定していただきましたら、文部省としましては、当然のことながら関係を密にしていろいろと御相談をさせていただきたいというように思っております。
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馳浩#26
○馳浩君 大変心強い応援のお言葉をありがとうございます。
 続きまして、現在審議中の第十五期の中央教育審議会第一小委員会の審議報告案の内容につきまして先週来新聞等で報告されておりますけれども、その内容を全部お伺いすると時間がなくなってまいりますので、特にキーワードである「生きる力」という部分に関しましてと、それから見出しにもなっておりました学校週五日制の完全実施、この点に関しましてどういう報告案が上がってきておるか、お伺いいたします。
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辻村哲夫#27
○政府委員(辻村哲夫君) 中央教育審議会は第一小委員会で今精力的な審議が行われておりますが、そこで審議されておりますテーマは、今後における教育のあり方及び学校、家庭、地域社会の役割と連携のあり方ということで審議されているところでございます。
 そこで、まだ中央教育審議会は春を目途にした審議中でございますので、明確な御答弁はなかなかしにくいわけでございますが、「生きる力」という点につきましては、これからの子供たちの教育を展望するときにどういうキーワードと申しましょうかポイントを教育の基本に据えるかということでさまざまな議論がされておるわけでございます。
 「生きる力」ということでは、これまでややもするとたくさんの知識を覚えるということに偏りがちであった教育のあり方というものを変えて、むしろ、どのようにみずから考え、判断し、そして行動し、そしてみずからの行動には責任をとっていくか、そういうような力というものがより重要なのではないかということで、それをまとめる言葉として「生きる力」というようなワードも一つのキーワードとして上がっているというのが「生きる力」ということが報道された事情でございます。
 それから、学校週五日制につきましては、これも審議中であるわけでございますけれども、学校、家庭、地域社会の役割、連携ということを考えましたときに、言葉はいろいろあるわけでございますけれども、これからはもう少し学校がスリムと申しましょうか引いて、家庭とか地域社会というところで子供たちがみずから判断して、生活し行動していく、そして自然体験とか社会体験とかというものが伸び伸びとできるような、そういう形での学習環境ということが望まれるのではないかということで議論されておるわけでございます。
 その流れの中で、学校週五日制につきましては、現在、月二回土曜日がお休みになっているわけでございますけれども、これをすべての土曜日をお休みにする完全学校週五日制という方向に向けて議論は固まりつつあるというような状況が今の状況でございます。
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馳浩#28
○馳浩君 ありがとうございます。
 完全に報告がまとまっていない段階でこうやって質問するのも失礼とは存じますが、あえて質問させていただきます。
 ここまで新聞、テレビ等で完全週五日制ということが報道されますと、やはり現場の特に教員の側が戸惑いがあると思います。そういう意味での、今の報告素案にもありましたけれども、教育内容の厳選あるいは授業時間数の縮減ということに関して、文部省側としてもある程度の案というものを提示していかなければ、それに対する国民的な議論が巻き起こってこないのではないかということを懸念いたします。そういう点に関しての見解をひとつお願いいたします。
 それと、これは素案の中にあったんですけれども、国公立、私立すべての学校に週五日制を強く求めていくということでございますが、私学を言いますならば、特に大都市においては学力重視のところがあります。そういう点もありまして、今でも学校週五日制をとっているところは三〇%程度しかないのでございます。そういうところに対していきなり文部省の側から、こういう理由があるから五日制ということの指導を強く求めていってよいものだろうか。私学というのは本当にその私学なりの教育理念というのがございますから、それにまた網をかけるような形をとっていいものかなということは懸念いたします。
 これを二点目として質問申し上げます。
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辻村哲夫#29
○政府委員(辻村哲夫君) まず第一点の、学校関係者も非常に関心を持っていて、動揺のないようにという御指摘でございますが、中央教育審議会におきましても、その点は大変重要なことと考えて今審議が続けられております。
 学校週五日制を展望するといいましても、それを円滑に実施されなければある意味では意味がないわけでございます。そういう意味で、子供たちの家庭、地域社会での過ごし方の問題とか、あるいは学校の教育内容のあり方、あるいは授業時数のあり方、そういったものも含めまして、学校週五日制が円滑に完全に移行するとしたらどのような整備をしながらそれを進めていくかということでの御議論は、今精力的に行われているところでございます。
 具体の細かな教科を云々とかあるいは時間数云々ということは、これは中教審の事項と申しますよりも、中教審の基本的な方向を踏まえての教育課程審議会での御議論ということになろうかと思いますので、そのあたりの兼ね合いを含めながら、中教審としてはわかりやすい基本的なあり方を御答申するということが作業になるだろうというふうに思っております。
 それからもう一点、学校週五日制の関係で私立の関係について余り無理強いをというような御指摘でございますけれども、今の議論、まだ明確に一つの方向に固まっているわけではないわけでございますけれども、学校制度の基本にかかわる事柄だと。つまり、学校を五日間で実施するのか六日間で行うのかということは基本にかかわる事柄だと。そこで、同じような小学校であり中学校であり高等学校でありながら、国公と私の間でその基本にかかわるところが異なるということでは、学校を選択しようとする親御さんたちのお気持ち等を考えてもいかがなものだろうかというような観点から、やはり足並みをそろえてこれは実施していくことが望まれるのではないかというような議論が出ているというのが率直な状況でございます。
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