文教委員会

1997-07-16 参議院 全141発言

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会議録情報#0
平成九年七月十六日(水曜日)
   午前九時開会
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   委員の異動
 六月十八日
    辞任        補欠選任
     久保  亘君     本岡 昭次君
七月四日
    辞任        補欠選任
     馳   浩君     岡  利定君
 七月七日
    辞任         補欠選任
     鹿熊 安正君     石井 道子君
     清水嘉与子君     北岡 秀二君
七月十六日
    辞任         補欠選任
     石井 道子君     谷川 秀善君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         大島 慶久君
    理 事
                小野 清子君
                北岡 秀二君
                石田 美栄君
               日下部禧代子君
    委 員
                井上  裕君
                岡  利定君
                谷川 秀善君
                菅川 健二君
                林 久美子君
                山下 栄一君
                本岡 昭次君
                上山 和人君
                阿部 幸代君
                江本 孟紀君
   国務大臣
       文 部 大 臣  小杉  隆君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
   説明員
       警察庁刑事局捜
       査第一課長    松尾 好將君
       法務省刑事局刑
       事法制課長    渡邉 一弘君
       文部政務次官   佐田玄一郎君
       文部大臣官房長  小野 元之君
       文部省生涯学習
       局長       長谷川正明君
       文部省初等中等
       教育局長     辻村 哲夫君
       文部省教育助成
       局長       御手洗 康君
       通商産業省生活
       産業局文化関連
       産業課長     高橋 牧人君
       郵政省電気通信
       局電気通信事業
       部業務課長    貝沼 孝二君
       郵政省放送行政
       局放送政策課長  伊東 敏朗君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (児童生徒の問題行動に関する件)
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大島慶久#1
○委員長(大島慶久君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る六月十八日、久保亘君が委員を辞任され、その補欠として本岡昭次君が選任されました。
 また、去る四日、馳浩君が委員を辞任され、その補欠として岡利定君が選任されました。
 また、去る七日、鹿熊安正君及び清水嘉与子さんが委員を辞任され、その補欠として石井道子さん及び北岡秀二君が選任されました。
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大島慶久#2
○委員長(大島慶久君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りをいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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大島慶久#3
○委員長(大島慶久君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に北岡秀二君を指名いたします。
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大島慶久#4
○委員長(大島慶久君) この際、委員長から委員の皆様方にお願いを申し上げます。
 当委員会におきましては、従来より委員会室における禁煙を実施してまいりましたが、各会派の合意に基づき、引き続き委員会室における喫煙を御遠慮願うこととなりましたので、何とぞ御協力のほど、よろしくお願いをいたします。
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大島慶久#5
○委員長(大島慶久君) 教育、文化及び学術に関する調査のうち、児童生徒の問題行動に関する件を議題といたします。
 まず、神戸市須磨区における児童殺害事件について、文部省及び警察庁から説明を聴取いたします。佐田文部政務次官。
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佐田玄一郎#6
○説明員(佐田玄一郎君) 御紹介いただきました、政務次官を仰せつかっております佐田玄一郎でございます。
 御説明をする前に一言、今回、神戸市須磨区の一連の事件によりましてとうとい命を落とされました土師淳君、そして山下彩花ちゃんに対しまして心から哀悼の意を表する次第でございます。そしてまたなおかつ、おけがをされたお子さん方に対しましても心からお見舞いを申し上げる次第でございます。
 それでは説明をさせていただきます。
 今回の神戸市須磨区の連続児童殺害事件において、十四歳の中学生が被疑者として六月二十八日に逮捕され、さらに昨日再逮捕されたことを文部省としては重く受けとめている次第であります。
 文部省としては、まず、最初の逮捕翌日の六月二十九日に担当課長を現地に派遣いたしましたが、今回の事件の背景として推測される事柄、関係者に与える影響等が広範にわたるものと考えられるため、七月五日の土曜日に、状況の把握のため文部大臣の命を受け私が現地に赴いた次第であります。
 神戸市教育委員会との意見交換においては、子供たちや保護者等が心の安定を得られるようにすることが当面の最重要課題であるとの報告を受けました。また、子供たちの教育に当たり、学校、家庭、地域がより一層連携を深めていくことが教育行政にかかわる今後の課題であるとの報告もあわせて受けた次第であります。私からは、現在、今回の事件に関して政府全体としても取り組みが進んでおり、文部省としても支援に努めたい旨を発言させていただきました。
 兵庫県教育委員会との意見交換においては、県教育委員会として、これまで人間関係のあり方、今の大切さを理解させる教育を重要かつ緊急の課題として進めてきましたが、さらなる検討が必要であるとの報告を受けた次第であります。その後に、ホラービデオの問題なども視野に入れた、県としての全庁的な取り組みの推進について意見交換を行った次第であります。
 これまで文部省としては、兵庫県教育委員会、神戸市教育委員会との連携を十分にとるよう努めてまいりましたが、今後さらに一層連携を密にするとともに、両教育委員会の取り組みについて積極的に支援をしてまいる所存であります。
 以上であります。
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大島慶久#7
○委員長(大島慶久君) 次に、警察庁刑事局松尾捜査第一課長。
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松尾好將#8
○説明員(松尾好將君) 捜査一課長の松尾でございます。
 それでは、神戸市須磨区におきます小学生を対象とした一連の殺人事件等の捜査状況等につきまして御報告をいたします。
 まず、土師淳君殺人事件でありますが、この事件は、去る五月二十四日の夜に、被害者の家族から所轄の須磨警察署に対しまして、被害者が午後一時半過ぎに祖父の家へ行くと言って家を出たまま帰ってこないと、こういうふうな届け出を受けたわけであります。
 兵庫県警察におきましては、所要の体制によりまして発見等の捜索活動を推進していたわけでありますが、五月二十七日になりまして、淳君の頭部が神戸市市立の友が丘中学校の正門前で、また胴体部分を同校から西方約七百メーターぐらい離れました竜が山所在のケーブルテレビアンテナ基地内において、それぞれ発見をしたわけであります。兵庫県警察におきましては、即日、所轄の須磨警察署におきまして百三十名体制の捜査本部を設置し、聞き込み捜査等、所要の初動捜査を開始したわけであります。
 さらに、その後になりまして、六月四日でありますが、地元の神戸新聞本社に対しまして、いわゆる犯行声明文が送達をされてまいりました。
 兵庫県警察におきましては、本事件は極めて反社会性が強く、残虐な特異犯行であるということから、捜査本部の百三十名体制のほかに、京都あるいは大阪両府警からの応援も得まして、再発防止のための警戒活動等を実施してまいりまして、現場中心の聞き込みあるいは被害者の足取り捜査等を重点に捜査を推進してまいったわけであります。
 その結果、神戸市の須磨区内居住の中学三年生A少年、十四歳、彼が容疑者として浮上してまいりまして、捜査をしましたところ、本件の容疑が濃厚になったということで、六月二十八日の朝に被疑者を兵庫県警察本部に任意同行を求めまして取り調べを行いました結果、自供したと。さらに、それとあわせまして実施した自宅の捜索によりまして、本事件に使用したと認められる凶器等の発見をいたしましたために、同少年を本件被疑者と断定をいたしまして、同日午後七時五分に通常逮捕したものであります。
 被疑者につきましては、六月二十九日の午後に神戸地方検察庁に身柄を送致し、勾留が決定され、現在、須磨警察署に勾留をいたしまして、動機、背景等も含めた詰めの捜査を推進しているところであります。
 なお、この間、七月六日の日曜日から八日間にわたりまして、被疑者の供述に基づきまして、犯行に使用した凶器等を投棄した現場付近の池について捜索をしました結果、本人の自供どおり、金のこなど証拠品を押収したところであります。
 次に、いわゆる連続通り魔事件であります。
 この事件は、ことしの二月十日、同じ須磨区内の中落合一丁目の路上におきまして、雑談中の女子児童、当時十二歳でありますが、この二名が鈍器様のもので頭を殴打されまして、うち一名が加療一週間を要する傷害を負ったという事件であります。
 また、さらに三月十六日になりまして、同じく須磨区内の竜が台二丁目の路上におきまして、通行中の当時十歳の女子児童がやはり鈍器のようなもので頭を殴打されまして、三月の二十三日に頭蓋骨粉砕骨折を伴う脳挫傷で死亡したということであります。さらに、その事件から約十分後でありますが、現場から約二百メーター離れました同じ竜が台の三丁目の路上におきまして、通行中の当時九歳の女子児童が鋭利な刃物で腹部を刺されたということで加療約十四日間の傷害を負った事件であります。
 これらの事件につきましては、この淳君事件と現場が近いということ、それから小学校の生徒が対象になっているということ、さらに期日が近接しているというようなことから、これらの事件との関連性も視野に入れながらこれまで捜査をしてまいったわけでありますが、昨日までに必要な裏づけがなされ、容疑が固まりましたので、同少年をこれらの事件におきましても被疑者と断定をいたしまして、昨日の午前九時三十七分に再逮捕したものであります。被疑者の身柄につきましては、本日午前中に神戸地方検察庁に送致をする予定にしております。
 いずれにいたしましても、この事件におきましては被疑者が十六歳未満の少年であるということから、今後とも法に照らし、少年の特性に十分配慮しながら適正な捜査を推進してまいりたい、そして、この取り調べを通じまして一連の犯行を解明してまいりたいと考えているところであります。
 以上でございます。
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大島慶久#9
○委員長(大島慶久君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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小野清子#10
○小野清子君 自由民主党の小野清子でございます。
 このたびの神戸市須磨区で、大変残念なことでございますけれども、土師淳君の殺害事件、そしてまた連続通り魔事件で山下彩花さん、その他、事件の中におけるけがをされた皆様方に心から哀悼の意とお見舞いをまずは申し上げたいと思います。
 余りの大きな衝撃でございまして、私自身も本当に言葉に言い尽くせない思いで今ここに立っております。このたびの神戸須磨区で起きました事件というのは、その当事者、御家族、そして周辺の皆様方の大変大きなショックあるいは衝撃であると同時に、この問題は子供を持つ親すべての国民に同じような思いを抱かせたのではないかと、そんな気がいたします。ある意味では生活環境を一変させたような、今までさまざまな事件もございましたけれども、余りにも衝撃的な事件であり、何かしら日本という国が一体どうなってしまったんだろうかという悲しささえ私自身覚えたところでございます。
 ですから、児童生徒の問題としてとらえるのには私は大変抵抗感もあります。と申しますのは、通常の子供たちが過ちによってこの問題を起こしたという次元の問題ではなくて、ある心理学あるいは精神科医の先生たちの言葉をかりますと、この子は通常の人間とは全く別世界にいるのだど、そして、我々普通の人間には想像できない世界であるから論評すらできないという評論をしていらっしゃる先生もおります。
 しかし、この事件が起きたことは事実でありますから、やはりこの事実を厳粛に受けとめながら、この原因がどこにあったのか、そして絶対こういう事件を二度と繰り返してはならないということの中において、私ども行政の立場にいる者が、この事件を通してどのように何を変えていかなきゃならないのか、変えていくべきなのかをこの委員会を通し皆さんで論じ合っていけたらいいなということを感じております。やはり安心して生活できる社会を保障していくというのが私たちの責任でもあるわけです。
 そういう観点に立ちますと、今後A君がどのような裁きを受けるのか受けないのか、あるいは何よりも次の事件を起こさないために、私は原因究明ということを先ほどから申し上げておりますけれども、今回の質問をさせていただくに当たりましても、ただいま捜査中でありますという言葉の中で、警察関係の方は内容に関してはほとんどおっしゃっていただけていない。
 そしてまた、現実に新聞を拝見いたしますと、新聞あるいは雑誌等々からしか私も情報が得られないわけですけれども、「「学校に復讐」予告」という言葉があると思えば、次の供述では恨みがないと。暴力があったという記事があれば、全くなかったというふうに毎日毎日内容が変わってまいります。今質問するに当たり、こういう状態を一つ一つ重ねていきますと、本当につかみようのない、そしてまた恐ろしさが改めて込み上げてくるようなそんな気持ちにもなっているところでございます。
 大臣も、この前衆議院の文教委員会が終わったところでございますけれども、あれ以降もまた多々変動もあるようでございます。これまでの様子についての御感想をお聞かせいただきたいと思います。
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小杉隆#11
○国務大臣(小杉隆君) まず、神戸市須磨区内で起きた一連の事件で亡くなられました土師淳君、山下彩花ちゃんに謹んで哀悼の意を表したいと思います。そして、心に深い傷を負われた遺族の方々にも心からの弔意を表したいと思います。また、けがをされたお子さんにもお見舞いを申し上げたいと思います。
 この事件の容疑者として中学三年生、十四歳の少年が逮捕されたということを聞きまして、私は大変深刻な衝撃を受けまして、その事態の重大さを深く受けとめております。今警察庁からも御報告がありましたように、本件は捜査中でありまして、まだその捜査の進展を待つ必要がありますけれども、教育を預かる立場にある者として、私は特に心の教育の重要性を痛感しております。
 文部省としては、先ほど政務次官からも御報告がありましたように、容疑者逮捕という報を受けまして、翌日早速担当官を現地に派遣し、また政務次官にも行っていただくということで事態の把握のために努力をしておりますし、またその情報収集ということでプロジェクトチームを設けて今検討を進めております。それから、問題行動の児童生徒に関しての専門家会議をつくりまして、今月中に人選を終えたいと思っております。それから中央教育審議会、本来九月に諮問を予定しておりましたが、繰り上げまして、八月四日に心の教育について幅広く検討していただきたいということで諮問をお願いする予定にしております。
 以上でございます。
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小野清子#12
○小野清子君 ありがとうございました。
 私は、よくラジオを聞いておりまして、「こどもと教育電話相談」とかを聞いておりますと、親の教育に関する悩みが実に多いことを日ごろから感じておりますけれども、夏休み近くになりますと子供自身からも相談が入っているんですね。きのう調べてみましたら、年間千七百件くらいの相談があるということですけれども、今回の問題を考えさせていただきますと、子供だけが悩んでいるのでもなく、同様に親が一緒に相当苦しんでいる。こういう親のカウンセリングというのは文部省はどういうかかわり方をしていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
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長谷川正明#13
○説明員(長谷川正明君) 今、先生御指摘がございましたように、子供にとりまして家庭というのは人間形成が行われる最初の場でございます。子供に基本的な生活習慣とか生活能力、あるいは他人に対する思いやり、そして善悪の判断など、こういうまさに人間にとって最も基本的な資質や能力を育成する上で親の果たす役割、家庭教育というものは極めて重要であるというふうに文部省でも認識をしておりまして、このことについては、さきの中央教育審議会の第一次答申におきましても、「子供の教育や人格形成に対し最終的な責任を負うのは家庭であり、」「家庭教育は、」「家族との触れ合いを通じ、「生きる力」の基礎的な資質や能力を育成するものであり、すべての教育の出発点である。」、こういう指摘がございます。
 そのことを受けまして、文部省では、家庭の教育力の充実を支援するための諸施策を展開しております。家庭教育に関する啓発資料の作成あるいは集会の開催。また市町村におきましては、家庭教育学級の開設など、子供の発達段階に応じた親に対する学習機会の提供を行っておりますほか、都道府県におきましても、親子のきずなが一層深まることを期待して親子の共同体験の機会を設けたり、あるいは家庭教育における父親の役割の重要性を再認識してもらうための事業などを展開しております。
 また、今先生から、親が悩んでいる、苦しんでいる、こういうお話がございました。そこで、都市化とかあるいは核家族化、こういうものがどんどん進んでいく中で、親の不安あるいは負担感にこたえるための相談体制あるいは情報の的確な提供の充実というようなこと、つまり子育てに対する支援体制の充実ということが非常に重要であるということもあわせ認識をしております。
 そのために、家庭に関する親からの相談に電話で応じたり、あるいは巡回相談を行うための体制の整備、これは都道府県を通じてそういう体制の整備に努めておりますほか、市町村単位ではございますけれども、地域の子育て経験者、つまり子供を既に育て上げたそういう経験者と、それからまさに悩みながら子供を育てている親との交流の促進、こういうことを目指した子育て支援のためのネットワークづくりということの推進も図っておるところであります。
 このように、地域、家庭、そして学校との連携に配慮しながら、また関係省庁の協力も得ながら、親が実践を行う家庭教育の充実に資する施策の充実にさらに努力をしてまいりたい、このように考えております。
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小野清子#14
○小野清子君 ありがとうございます。
 今回の事件の中でいろいろな情報を拝見させていただきますと、児童相談所の先生に親が相談に行っていたということなんですね。親が行っていたときに、児童相談所あるいは病院にと書かれてありますけれども、親に病院に連れていかれてカウンセリングを受けたら、先生が親の育て方がおかしいと言った、それ以来親は自分を殴らなくなったと、こういうことが書いてあります。子供の前でカウンセリングの先生が親の状況を言うということは通常は考えられないことだと思うんですけれども、これが一つ。
 それから、児童相談所の先生に、余り子供を抑圧するのはよくないから自由にさせてとアドバイスをされたと。そういうことで、いわば今まで親としてのある意味でのしつけ、制約と申しますか、そういうことをしていたのが、相談したことによって放任した方がいいと。私も放送などを聞いていると、学校へ行きたくないという子供がいると、行かせないでほっときなさいというのがほとんどですね、カウンリングの先生たちは。果たしてそれで子供が行く気が起きるんだろうかということをいつも思いながら私はラジオ放送なんかも聞いているんです。
 昨年十一月に東京都内で、家庭内暴力を繰り返す不登校の中三の少年を父親が金属バットで殴り殺した事件というのはまだ私たちの記憶に新しいわけでございますけれども、そのときも、カウンセリングのアドバイスに従い、長男のわがままをすべて許して、敬語まで使って無抵抗に従っていた父親が最後に爆発をしてしまったと。親が第三者の言ったとおりに従って、そして突然子供に接する態度を変え、必要以上に放任してしまうということが果たしていいことなのか、逆に子供を暴走させてしまうんではないかということを危惧するわけです。
 カウンセリングに当たられる先生たちというものに対して、今までの状況でいいのかどうかということを今回の事件も通して私自身非常に感じているんですけれども、短く御感想を伺いたいと思います。
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長谷川正明#15
○説明員(長谷川正明君) カウンセリング体制を、例えば電話相談の機会を設ければいいということではなくて、それへの対応ということが極めて大事であって、間違うとむしろ結果を悪くすることさえ起こりかねない、こういう御指摘でございます。
 したがいまして、私どもとしてもその辺の重要性ということは認識をしておりまして、そのための講習会とか、あるいは研修の機会等について考えておるところでございますけれども、さらに今回のような事件、あるいは今の先生の御指摘のようなことを受けまして、本当の専門家、臨床心理士あるいは精神科医あるいは教育学者、こういう方々のお力も得ながら、どういうカウンセリング体制が必要なのか、あるいはどういう仕組みをつくることが実際の親御さんの悩みにこたえていくことになるのか等については真剣な研究をスタートさせたい、このように考えております。
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小野清子#16
○小野清子君 また、今回の少年は、幼児期からめ基本的な人格障害であり情緒障害だから、学校だ社会だと、この問題の責任であるということを言っても意味がないのではないかという、ある意味では大変悲しい言葉ですけれども言われております。それだけに異常な事件ではなかったかというわけですけれども、異常事件は再発性が非常に強いと、こうなったときに、現在の少年法でこの問題を取り扱うということで一体足りるのかどうか、その辺を警察庁の方に伺いたいと思います。
 では、今対応していただくように、ちょっと待たせていただく間に。
 私は、今回の事件を通して、思春期のこの時期というものと、ちょうど今の親の年代が団塊の世代と言われる、いわゆる三無主義、無責任、無感動、そういう時代の親が子供たちを育てる年代になっているので、精神構造がいわゆる子供時代のままで大人になっちゃっている。そこに自分自身が子供に対する対応ができていないのではないかということが言われておりますけれども、その辺に関しましては文部省ではどういうふうにお考えになっていらっしゃるんでしょうか。
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長谷川正明#17
○説明員(長谷川正明君) 今の御指摘の極めて特異なケースとか、そういう場合にはかなり専門的な観点からのアドバイスなり指導というものが大事でありまして、いわゆる一般の親が、普通の環境の中で、そういうところまで配慮できる知識を得るということは大変困難であろうと思います。
 したがって、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、かなり突っ込んだ形で、これまでの一般的な意味での子育て相談とか、あるいは家庭教育の指導ということを超えたような深い意味での研究、検討という作業をとる必要が出てきているのかなということを痛感しております。
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小野清子#18
○小野清子君 現状での中学校での校内暴力の発生状況、件数等々はどのようになっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
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辻村哲夫#19
○説明員(辻村哲夫君) 校内暴力は、対教師暴力、それから生徒間の暴力、それから器物損壊というものを合わせまして私ども校内暴力というふうにとらまえております。
 平成七年度間の調査でございますけれども、中学校につきましては、発生いたしました学校数として千四百六十校、発生件数が五千九百五十四件でございまして、公立学校に占めます発生率といたしましては十三・八%。また高等学校につきましては、発生学校数が七百七十五校、発生件数が二千七十七件でございまして、発生率といたしましては十八・六%というふうに承知いたしております。
 この数字は、前年度と比較いたしますと漸増している、ふえていると、こういう状況になってございます。
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小野清子#20
○小野清子君 この件数の中で、先生に対してあるいは同級生同士あるいは器物破損等々、その辺の内容はどんなものでしょうか。
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辻村哲夫#21
○説明員(辻村哲夫君) まず対教師暴力でございますけれども、中学校につきましては四百五十五校で発生をいたしております。発生件数といたしましては八百八十八件、生徒数といたしますと千一人、被害を受けました教師は千三十六人という数字になってございます。高等学校につきましては百二十七校で発生いたしておりまして、発生件数としては二百二十七件、加害生徒数が二百三十六人、被害を受けました教師は二百二十人というような数字でございます。
 それから、生徒間の暴力の関係でございますけれども、発生いたしました学校が千百八十四校、発生件数三千五百三十件、加害生徒数が六千三百八十六人、被害を受けました生徒が四千六百五十六人。高等学校につきましては、発生学校数が七百二十一校、発生件数千七百二十一件、加害生徒数三千百十二人、被害生徒数千八百八十八人、このような数字でございます。
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小野清子#22
○小野清子君 ありがとうございました。
 とにかくこの件数を聞きますと、教育現場というものが、子供たちの夢を育てつつも、片や大変な状況であるということの認識も改めてさせられるわけでございます。
 とにかく今回の事件を通して、いらいらするとか腹が立つ、むしゃくしゃする、それが何かしら受験戦争のあおりのような認識を子供たちが発言しておりますけれども、人はやはりいつの日かは、どこかで学び、苦しみ、そしてそれを乗り越えていくという時期が必要なわけですから、子供たちの言うことに私は一〇〇%同情するつもりはありません。やはりそこに対応しながら子供たちが伸びていくものだと思います。
 それにしましても、親の子育てのあり方の過程というものが、従来のように複数の大勢の人間の中ではぐくまれていく時代と非常に1親といっても片親であったり、時には親が家の中にいないで自分一人孤立するような、家庭という言葉で言えないような状況で子供たちが育っているということも現実でありますし、あるいはまた学校の教師の指導のあり方にしましても、やはり従来のような何かゆとりがないような気はいたします、ゆとりある教育をたたえながら、訴えながら。それから社会環境としても、歯どめのない情報の洪水のような状況の中で子供たちがそれを取捨選択しながら安定した心境で青春時代を過ごしていくということは、ある意味では大変それこそ洪水の中でおぼれてしまう状況が出てきているのかもしれない。
 そういうことを考えていきますと、大臣がおっしゃったように、心の問題ですとか人間性の問題ということの中に、道徳教育等々、日本古来の礼儀正しく、まじめで、正直で、勤勉でなどという言葉が今の子供たちには何かしら余り当てはまらないような気がするんですけれども、特に私は、このごろ起きますさまざまな事件の中で、ひきょうという言葉はこのごろ余り使われない言葉ですけれども、一人の人間を多数であやめてしまうとか、これは高齢者あるいは弱い者、あるいは大人であっても数人が、おやじ狩りなどという大変嫌な言葉がありますけれども、勇気がなく憶病であるがゆえに事を運ぶというふうな非常に卑劣な行動が私は何かしら目立つような気がするんです。
 校内暴力が発生していくということも、ある意味ではそういうことのあらわれを学校で、まずいことですけれども表現しているのかなと、そんな気もしないでもないわけですけれども、人は人にもまれて人になるという言葉がございます。学校の中で心の問題を問うときに、紙の上で心づくりというのはできるのだろうかということを感じている一人でもございます。
 そういった意味においては、他との違いを知り、自分を大切にしながら他も大切にし、協調、共同、協力精神の中でということは、社会というのはまさに自分一人では生きていけないわけですから、その社会の中に自分が立つ最初の教育の場が家庭ですけれども、家庭に教育の力がないとすれば、それを学校教育なり社会教育なりがどう補っていくかをしない限り人間教育というのはできていかないと思うんです。
 私は、今回の問題を通して何かを変えていかなければ次の問題がまた出てくるのではないかという大変大きな危惧を抱くわけです。何を変えていったらいいんだろうかということを考えさせていただきますと、三同効果というのがあるんですね。同じところで同じものを食べ、同じ問題について語り合いながら三日暮らせば心が通じ合うよという三同効果という言葉があるんですけれども、それに似たようなものが修学旅行なのかなと、そんな気もしないわけではありません。
 私は、学校教育というこの教育の場で、いわば人づくり、心づくりというものをこの機会を通して大きく取り上げて何かしらぶつけてみることが次への進歩につながっていくのではないかと思いますけれども、大臣、この辺の考え方はどうでしょうか。
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小杉隆#23
○国務大臣(小杉隆君) 私は、子供の心の教育は、家庭、学校、社会、この三者が連携してやっていかなければいけないと思います。
 今御指摘のように、最近の家庭を見てみますと、核家族化、少子化という中で子供に対する教育力は非常に低下しております。昔はおじいちゃん、おばあちゃんが大変いいことを教えてくれましたし、また兄弟が大勢いて兄弟げんかを通じて社会性というようなものも身につけることができた。それから、父親が大変夜遅く帰ってきて子供と接触する時間がない、母親も男女共同社会ということでパートタイム等に出て子供に接する時間も少ない、こういう状況であります。
 それから学校におきましても、先ほど大変深刻な数字が報告されましたけれども、教師に対する暴力、同級生に対する暴力、大変憂慮すべき状況です。私は、学校の中でも、もう全部覆い隠すというような形ではなくて、教師として学校としてできるところと、そしてそれの手に余るところはもっと私は社会なりあるいは関係機関に訴えていくべきだと思います。
 それから社会におきましても、今御指摘のように大変各種情報がはんらんしております。ホラービデオも含め、またテレビ、新聞あるいはその他のマスメディアが大変はんらんしておりますだけに、子供にとってこのはんらんして押し寄せてくる情報をどう処理していくか、その情報の選択力という、そういう力をつけさせることも今後大切だと思いますし、社会一般が余りにも子供に対して無関心過ぎる。人間関係が希薄になって、昔ですと、私なんかいたずらをすると、他人の親にそんなことをしちゃいけませんよと注意されたんですが、最近そんなことを言ったらその親からどなり込まれると、こんなようなことがあります。
 私はそういう意味では、家庭教育においても学校教育あるいは社会教育においても多々考えなければならない点があると思いますし、いずれにしてもその三者の連携、協力ということは大変これからの重要な課題だと思っております。
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小野清子#24
○小野清子君 ありがとうございます。
 人の痛みを分かち合う、あるいは命を大切にする等々、私は共同・寮生活などというものがこれから考え直されていかなければならないんじゃないかと思うんです。例えば中高一貫教育というものが今提唱されておりますし、また、人の心の痛みがわかるようにという免許法の改正もしましたけれども、教員がただそれを実体験することだけではとてもとても教え切れるものではない。
 そういう意味では、例えば中高一貫教育の中において、ある時期、半年くらいは寝食をともにして、やっぱり親友というもの、本当に信じ合う子供をお互いがっくり合えるような状況でなければ、家の中が空っぽで、このA君にしても、自分の部屋に入って、このときだけが心休まるなどということを言っているのを見ますと、ある意味では大変気の毒だと思います。ですから、気ままな自由を個室で満喫している悲劇が今回の悲劇ではないかと私は思います。共回生活というのは一見窮屈なんですね、他人に気を配らなきゃなりませんし、我慢しなきゃならない。しかし、集団生活のもたらす別の意味でのバイタリティーというものはすばらしいものがある。そこにやはり感動とか、?りさを乗り越える克己心とか、まさに生きる力というものが生まれてくると思うんです。
 私は、今回のことを通して、これからの学校教育の中における社会教育の接点としてのこのような共同部生活環境というものをぜひつくっていくべきではないかと思いますけれども、いかがなものでしょうか。
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小杉隆#25
○国務大臣(小杉隆君) 今度の教育改革プログラムの中でもあるいは中教審の答申の中でも、今まさに小野委員が言われた方向を目指したところでございます。
 そこで、今度の教育改革プログラムにしても中教審の答申にしても、子供たちにできるだけボランティア活動、自然体験、あるいは共同体験、こういうものを推し進めるために中高一貫教育、ゆとりのある教育の中でそういった体験をしていただこうと。あるいは週五日制完全実施二〇〇三年と目標を掲げましたのも、そうした中で、子供たちが勉強だけではなくて、家族との触れ合い、自然との触れ合い、そういった実体験を持てるような、そういう環境づくりということを目指したものであるというふうに私どもは考えております。
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小野清子#26
○小野清子君 ありがとうございます。
 それでは、ちょっと少年院における更生状況ということで質問をさせていただきたいと思います。
 きのう帰りましたら、夜のニュースで、特異な例だからといって今回だけを少年法の規定から外すということではなくという言葉が添えられておりましたけれども、更生状況が悪ければ拘置期間を延ばすことも検討を始めたという法務大臣の談話を夜のニュースで拝見させていただきました。
 少年法を基準とすることは当然とは思いますけれども、少年法で裁き切れる範囲を超えたものと今回の事件を考えさせていただいているわけでございますけれども、その辺は、GHQの指導によって昭和二十三年に少年法ができて今四十九年たっている。アメリカの方の実際のお手本を示した法はどんどんその内容を変えて、特に七〇年以降はこの少年法の変更の中で、たとえ十歳であっても厳しく実名、顔写真、すべてを公表するというところまで変化をさせておりますけれども、日本の場合には二十三年にできて以来そのままになっておりますし、今回のような例を考えますと、この少年法についてどのようなお考えをお持ちなのか、お伺いさせていただきます。
 警察庁の方にお願いをいたします。
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松尾好將#27
○説明員(松尾好將君) 捜査につきましては、法の趣旨にのっとりまして、証拠に基づきまして事実関係を明らかにするということでありますので、今回の少年につきましては、少年法の趣旨にのっとってその事実関係を明らかにしていくということで私どもは現在捜査をやっているところであります。
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小野清子#28
○小野清子君 大体お答えはそのようだと思っておりました。
 しかし、教育の世界にこの事件を生かしていくためには、やはり私どもも、文部省もそうですし世間もそうだと思いますけれども、家裁でいわゆる審判に付されるわけですけれども一保護処分が前提であるとなれば、犯罪行為の事実というものを私たちは知ることができないのかどうか、その辺をお知らせいただきたい。
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松尾好將#29
○説明員(松尾好將君) 審判は家裁で行われることでありますが、私どもは捜査の結果を踏まえて家裁の方に送致をするということでありまして、法は、審判につきましては非公開ということになっておりますので、事実関係についてはその審判の過程で明らかにされていくものというふうに承知しております。
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