農林水産委員会

1999-03-18 参議院 全115発言

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会議録情報#0
平成十一年三月十八日(木曜日)
   午後一時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     久保  亘君     北澤 俊美君
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     北澤 俊美君     久保  亘君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         野間  赳君
    理 事
                岩永 浩美君
                三浦 一水君
                和田 洋子君
                須藤美也子君
                村沢  牧君
    委 員
                国井 正幸君
                佐藤 昭郎君
                中川 義雄君
                長峯  基君
                森下 博之君
                小川 敏夫君
                久保  亘君
                郡司  彰君
                風間  昶君
                大沢 辰美君
                谷本  巍君
                阿曽田 清君
                石井 一二君
   政府委員
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局長      山田 昭雄君
       農林水産政務次
       官        亀谷 博昭君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 威男君
   説明員
       農林水産大臣官
       房審議官     城  知晴君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○農林水産に関する調査
 (畜産物等の価格安定等に関する件)
 (畜産物価格等に関する決議の件)

    ─────────────
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野間赳#1
○委員長(野間赳君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 農林水産に関する調査のうち、畜産物等の価格安定等に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
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中川義雄#2
○中川義雄君 きょうは、主に乳価のことにつきまして質問してまいるわけですけれども、畜産局の皆さん方にはきのう遅くまで大変御苦労されて、朝九時半からまた衆議院で、昼飯もとらないで引き続きということでございますので、本当に御苦労なことだと思いますが、数点お聞かせ願いたいと思います。
 第一点は、新たな酪農・乳業対策における牛乳・乳製品の価格政策、これをこれまでとどのように変えていくのか、そしてスケジュール的にどんな形でそれを実施していくのかについて説明していただきたいと思います。
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亀谷博昭#3
○政府委員(亀谷博昭君) 乳製品あるいは加工原料乳につきましては、価格が硬直的である、あるいは固定的であるとされておりまして、需要者のニーズに応じた生産、供給が行われないというような問題が指摘されているところであります。
 そこで、お話ございましたような、新たな酪農・乳業対策大綱におきまして、平成十三年度を目途に、市場実勢を反映した形で価格が形成される制度に移行することといたしております。
 今回の改革に当たりましては、高い関税相当量と国家貿易のもと、計画生産の推進や必要に応じた調整保管の実施等により、生乳等の需給の安定、またこれを通じた全体としての価格水準の安定を図りながら、実際の取引、生乳についての指定団体と乳業メーカー、あるいは乳製品についての乳業メーカーと実需者の取引等における価格につきまして、市場実勢を反映する観点から価格政策を改定しようとするものであります。
 この価格政策の見直しによりまして加工原料乳の取引価格は変動することになってまいりますけれども、生産者が安心して酪農経営に取り組むためには価格低落に対応した経営安定措置が必要となってまいります。そこで、単価の具体的な算定方式等の検討とあわせまして、過度の価格低落の影響を緩和するための生産者の自主的な取り組みを前提とした措置につきましても、その必要性を含めて検討することといたしております。
 そうした所要の措置を講ずることによりまして、加工原料乳地域における生乳の再生産を確保し、生産者の経営の安定及び所得の確保を図ってまいる所存であります。
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中川義雄#4
○中川義雄君 御承知のように、新たな農業基本法におきましては、価格は市場のメカニズムに基づいて決めていきたい、しかしそれと農業者の経営との間に乖離が出てきますから、農業者の経営または所得については政策でこれを援助していきたいというのが基本になっておると思うんです。
 それで、今回の乳価の決定におきましてもそういった点が加味されておりまして、その中で特筆されるのは例の二円の問題でありますが、この二円を価格の本体から取り外すが、これを何とか酪農の振興策として、新たな政策として切りかえていきたいということが非常ににじみ出ているわけであります。
 今回の乳価決定に際しまして、例えば草地を規模別に見て、酪農家に二円分につきまして新たな政策に基づいて給付するというような形に変えていっていると言われておりますが、その点の政策のねらいと、今回の価格決定に際しまして農水省として一定の方針が出たと聞いておりますので、まだ審議会にかける前だと思いますが、農水省の考え方をこの際明らかにしていただきたいと思います。
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城知晴#5
○説明員(城知晴君) ただいま中川先生から御指摘のございました特別対策につきましては、いわゆる俗称、横積みと称しておりますが、平成三年度から毎年度、額は変わってきておりますが、設けているものでございまして、その基本的な趣旨は、当面する酪農経営の課題に対する生産者の積極的な取り組みを誘導する、そういう趣旨からつくられたものでございます。私ども、この特別対策は、現在までの過程におきまして、加工原料乳地域の酪農経営の安定を図る上で極めて大きな効果があったものと理解いたしております。
 ただ、私ども、加工原料乳の保証価格につきましては、御案内のように、生産費を基礎といたしまして加工原料乳農家の再生産を確保するという仕組みであるにかかわらず、この特別対策分、現行二円分につきましては生産費とは無関係に上積みされている。そういうことから、価格算定上の問題といたしましてさまざまな御論議がございまして、従来から価格決定のたびに問題にされてきたわけであります。
 今回、私どもといたしましては、このような二円特別対策につきましては、まさに現在、加工原料乳地域の酪農家が直面する諸課題に対しまして積極的な取り組みを誘導するという、その名のとおりの対策に変えたいということでございます。具体的には、現在特に問題となっております畜産環境問題に積極的に対応する、あるいは飼料自給率の向上に積極的に対応する、そういう酪農家の経営動向を促進する、横から支える、そういう面での対策に抜本的に切りかえたい、このように考えております。
 具体的には、各酪農家に一頭当たりの飼料作物作付面積ごとに一定の金額を交付する、こういう仕組みにいたしたいと思っておりまして、すなわち生乳生産量とはデカップリングする、こういう基本的考え方でございます。
 現時点におきましてまだ関係方面との調整は終了いたしておりませんが、例えば北海道で申し上げますと、搾乳牛一頭当たりの飼料作物作付面積が五十ないし百アールの場合におきましては一万一千円程度を支払う、それより大きい場合は一万三千円、少ない場合は九千円、非常に小さい場合は三千円、そういうことで支払っていきたい、このように思っております。
 また、内地につきましては、それぞれ北海道とは飼料基盤の置かれている状況が違いますので、内地に適した具体的な運用状況を早急に定めまして各都道府県と御相談の上決定いたしたい、このように考えております。
 以上でございます。
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中川義雄#6
○中川義雄君 要するに、規模に応じて格差を設けることによって、草地なら草地がもっと大きくなって生産性の向上がそのことによって図られるというのが政策のねらいだと思って、私もそういった点からは今後ともこういった施策につきましては十分配慮して効果が出るように期待していきたい、こう思っております。
 次に、これまでの乳価の決定におきましては生産費ということを基礎に置いて積み上げられてきたわけですが、それはそれとして一つの考え方だと思うんですが、問題は、酪農家が個々に生産費を切り下げる努力をする。経営規模を拡大したりしていろんなことを工夫したり、また新たな施設を導入したりして生産費を低減する努力をする。これは所得を得るために生産費の低減に努力するのは当然のことなんですが、しかし生産費にシフトするというこれまでの原則でいきますと、安くなるとまた価格が安くなって、結局は酪農家の経営意欲を低減させるという逆の効果も出てきたような気がしてならないんです。
 それで、今度の新たな対策においてはこの問題をどのように考えて、これをどのような方向に変えていくつもりなのか、もし考え方がありましたらお示ししていただきたいと思います。
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野間赳#7
○委員長(野間赳君) ちょっと答弁が聞き取りにくいですから、明確にひとつよろしくお願いします。
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城知晴#8
○説明員(城知晴君) ただいま御指摘のございました件につきましては、従来から価格決定のたびに生産者側からは、生産性向上の努力が常に価格引き下げに結びついてしまう、必死に頑張って規模を拡大したり乳量をふやしたりすると価格が引き下がってしまう、そういう強い御不満が出てきておりまして、先生方からも種々御指導を賜ってきたわけでございます。
 私ども、この点につきましては、今回の乳価自体につきましては現行の枠組みのもとに決定いたしておるわけでございますが、従来そのような生産者の努力に報いるという意味から二つの配慮事項を行ってきております。一つは、乳量につきましては生産費調査の結果をそのまま用いることなく前三カ年の平均伸び率を用いて価格算定の乳量とする。また、労働時間につきましては前年との平均値を用いる。
 そういうことで価格算定を行ってきたわけでございますが、近年、規模拡大等に伴いまして、あるいは乳量増加に伴いまして、さらに一キログラム当たりの労働時間がかなり減少してきておりますので、そういう面から今回の価格算定に当たりましては三カ年平均で労働時間を算定する、そういうような配慮をさらに加えまして、今回の七十三円三十六銭という諮問案を作成いたした次第でございます。
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中川義雄#9
○中川義雄君 これまでのやり方はやり方といたしまして、新しい農業基本法におきましては経営の安定化というようなことを考えて十年ぐらいの計画をつくりながら、そしてまた五年ぐらいでそれを見直しながらこの基本法が実施されるようにやっていくという方式をとっているようであります。
 そんな観点からいいますと、一つの方法として、ある時期において生産費に基づいて価格を決めておいて、それが毎年変わるんじゃなくて、できれば計画期間の十年なら十年を目標価格として設定して、その間に酪農家が努力して生産費を下げた分はその分が酪農家の所得として、ゆとりとして、また再生産の資本として、そしてまた酪農経営の転換の原資として残るような施策をとるべきでないのか。そうすると、酪農家も安心して経営目標をつくってやっていける、そうなると思うんですが、そんな私の考え方に対するもし農林省の考え方があればお示しいただきたいと思います。
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城知晴#10
○説明員(城知晴君) ただいまの御指摘の点につきましては、酪農家が将来にわたって自分の経営をどのような方向に持っていくか、その経営判断の目標あるいは今後の経営の目安となるような形で価格を決定すべきではないか、そのように理解いたしております。
 これにつきましては、新たな酪農・乳業対策大綱におきましても、一定期間における生産者の経営判断等の目安となるような手法の確立ということを検討させていただきたいということを申し上げまして、今後の検討課題にさせていただいております。
 したがいまして、私ども、現在の時点におきましてこうする、ああするという具体的な案を持っているわけではございませんが、年々の価格決定で大きくぶれるのではなくて、少なくとも数年間、生産者から見てそれを目標とし得るような水準として価格を設定できないかということでさまざまな分野の先生方のお知恵もかりまして早急に検討を進めてまいりたい、このように思っております。
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中川義雄#11
○中川義雄君 この点につきましては積極的に検討して前向きの回答をぜひ得たい、それは本当に酪農家の悲痛な願いでありますので、よろしく御配慮いただきたいと思います。
 それから、今回、農林省から出たいろんな数字を見まして、私は酪農というのは日本農業の中で非常に優等生、非常に短期間で生産性も上げて、そして価格も一定の水準、常に安くなるような努力をしてきた、これは評価されていいと思うんです。しかし、その中で、私は、乳製品工場や乳製品の企業の努力がそれに対して非常におくれているような気がしてならないんです。ですから、これから消費者に安くておいしい乳製品を供給するためにも、私はメーカーの努力というものが、ともに血の出るような努力をしていかないと、これは何ぼ酪農家が頑張っても片手落ちになると思うんです。
 そういった意味で、メーカーに対する農林省としての今後の指導方針などがありましたらここで明らかにしていただきたい、そして徹底していただきたいと思うんです。
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城知晴#12
○説明員(城知晴君) お答えいたします。
 現在、我が国の酪農の生産コストは諸外国と比べまして大体二倍ないし三倍の高さにございます。ただ、残念ながら、乳業工場につきましては、今御指摘ございましたように、四倍ないし五倍のコストをかけている、そういう状況になっております。
 なぜ乳業工場のコストがこれほど高いかと申し上げますと、一工場当たりの処理量が諸外国と比べまして極めて小そうございます。我が国の場合は一工場大体一万トン程度でございますが、これに対しましてドイツで約九万トン、小さなフランスでも二万七千トン、アメリカで約四万三千トン、こういうことでございまして、バター、脱粉をつくるという製造過程のものといたしましては極めて規模の問題がコストにはね返りますので、このような面から見まして我が国の乳製品工場の規模が余りにも小さ過ぎるということが大きな課題ではないか、このように思っております。
 したがいまして、私どもといたしましては、このような乳製品工場につきまして何とか再編合理化を行っていただきたいということでございまして、現在も再編合理化のための予算を四十数億円毎年いただいておりますが、今回、新たな酪農・乳業対策大綱の策定を機に、酪農及び肉用牛生産の近代化に関する基本方針という大臣計画を改めまして、その中で具体的な再編統合の目標、各地域ごとの目標、生産性向上の目標を明記いたしまして、その線に沿った乳業界の再編合理化の御努力をお願いし、政府としても可能な限りの指導、支援をしてまいりたい、このように考えております。
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中川義雄#13
○中川義雄君 この問題の解決にはいろんな努力が必要でありますが、私は、現実としてこれだけの経営努力がされなかったというのは、この国ではメーカーが競争原理の外にあるということも一つの要因だと思うんです。指定団体がメーカーを指定して、また収入の範囲も指定して、その範囲のものは特定のメーカーに必ず一定の価格で行くというこれまでのやり方では、なかなか自助努力しようといっても、それで食べていけるということが原則になりますと、これでは経営努力がなかなか促進されない。やはり、ある種の競争の原理が導入されて、一生懸命頑張った者が、合理化を進めたところがそれが利益としてきちっと反映されるというようなシステムに切りかえていかなければならないと思いますが、この点につきましては意見にとどめさせていただきたいと思います。
 もう一つ問題なのは、御承知のように、例えば飲用乳ですと大体九十三円ぐらいで酪農者がメーカーに渡しているはずなんです。メーカーでそれを殺菌したり瓶詰めか何かをして、そして消費者に渡る。その店の現場では、本当にその間に一日ぐらいの処理だけで、現実には私もけさ幾らぐらいしているのかなと思ったら、一キロ大体二百円以上しているのであります。これは余りにも、酪農家が努力して九十三円で売ったものが、ある流通過程を経由してそれが倍以上、二百円以上になっているというのは、少しそこら辺ではここもまた流通過程においてもっと工夫してもいいのではないか、努力してもいいのではないかというような感じがするんですが、やっぱりこの乳製品の流通過程についても、透明性とまたはそこに少しでも工夫して安い乳製品を消費者に提供するという流通についても関心を持たなければならないと思うんですが、いかがなものでしょうか。
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城知晴#14
○説明員(城知晴君) ただいま御指摘ございましたように、飲用向けの生乳につきましては価格は全国平均で約九十三円程度でございますが、現実に小売店等で売られておりますミルクは約二百円、そのような二倍強の差がある、このように理解いたしております。これらの格差につきましては、基本的には製造コスト、流通コスト並びにマージン、これが加わってちょうど倍になるというわけでございますが、今、中川先生御指摘のように、これから国際化の時代を迎えまして、酪農家の方々につきましてもさらなる生産性の向上の御努力をお願いするという時代でございますので、流通部門につきましても当然のことながら物流コストの低減ということを積極的に進めていきたいと考えております。
 また、現在、ミルクの流通が県内だけではなくて隣の県を動くというのがふえてまいっておりますので、こういう観点から、生乳の流通コストの削減ということを指定団体の広域化を通じてぜひとも実現していきたい、このように考えております。
 いずれにいたしましても、飲用牛乳の流通につきまして私ども十分勉強させていただきまして、さらなる合理化策を打ち出していきたい、このように考えております。
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中川義雄#15
○中川義雄君 要するに、製造費用がどのぐらいかかって、流通の費用がどのぐらいかかって、そのうちにマージンがどんな形になっているのか、輸送費がどんな形になっているのか少し調査した上で、そこの隘路みたいなものを改善していかなければならない、こう思いますので、その点の努力をお願いしておきたいと思っております。
 畜産経営で大きなウエートを占めるのは、一つはやはりえさ代であります。特に、その中で配合飼料のウエートが高いわけでありますが、最近、配合飼料が非常に価格変動が大きいわけであります。安くなるときは、これはこれなりにいいわけですが、これがあるときはまた急な高値をつけるときもあるわけであります。
 そういったことで、配合飼料の価格変動が酪農経営に大変不安な要素を残しているわけですが、安定的な酪農経営を図るために、この配合飼料の価格の変動が少しでも酪農経営に影響を与えないような方策が必要だと思いますが、その点についての考え方を示していただきたいと思います。
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城知晴#16
○説明員(城知晴君) 我が国の畜産につきましては、牛乳・乳製品もそうでございますが、特に豚肉、ブロイラー、鶏卵等につきまして、生産費に占めます配合飼料価格のコストが大体五割を超えている、そのような状況になっておりまして、配合飼料価格の価格変動が我が国畜産経営の収益性等に極めて大きな影響を与えるものと、このように認識しております。
 このため、現在、政府といたしましては、配合飼料価格安定制度というのを設けております。具体的に申し上げますと、生産者と配合飼料メーカーでお金を出し合って積んでいます基金と、その基金ではとても対応できない異常な変動が起きました場合に、その基金の上積みといたしましてさらに補てん金を交付する、親基金と俗称言っておりますが、国と製造メーカーの両者で半分ずつ持つ基金と、この二つをつくっております。
 配合飼料価格は、我が国の円高の影響を受けまして極めて低位安定をいたしておりましたが、平成七年十月からシカゴ相場の暴騰といいますか高騰によりまして一気に値上がりいたしまして、この間この配合飼料価格安定制度を運用いたしまして、通常基金から約千四百億円、国が出資いたしております親基金、異常基金から四百七十五億円、合わせまして一千九百億円程度のお金を平成七年十月から今回までに出していただくということでございます。
 他方、現時点におきましてはシカゴ相場が極めて安いものでございますので、年間で五千百円程度の値下がりを見た、こういう状況でございまして、私ども、今後とも配合飼料価格の畜産経営、各畜種ごとの畜産経営に占めますシェアにかんがみまして、配合飼料価格安定制度の適切な運営ということに十分意を用いていきたいし、予算面からも、今申し上げました異常基金に対する、現在は安いわけでございますが、積み増しということをこの時期に行っていきたい、このように思っております。
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中川義雄#17
○中川義雄君 今お話にありました、最近はこのシカゴ市場が大変な暴落を重ねている。我々が心配したのは、その暴落が生産費にはね返って、これが今回の乳価決定に大きく作用するのではないか。私たちが試算してみましても、この価格をそのまま生産費にしますと一円数十銭の値下げになるというような厳しい現実でありまして、聞くところによりますと、いろんな努力をされて、それが最低限に圧縮されたと聞いておりまして、これだけはそのことを確実に実施していただきたいものだと、こう思っております。
 これからの酪農の歩んでいく方向について少し考えていきたいと思うんです。
 私の十勝に最近ロボットが導入されまして、それが大変な反響を呼んでいるんです。私の友人、これは普通の企業を経営していた人なんですが、酪農家出身の人が自衛隊に入って、退職して、普通のコンクリート業をやっていて、ある程度の余裕ができて、将来長い目で見たら農業をやりたいという話があって、酪農を勧めたら、その方が酪農を始めた。資金に余力があったものですから、ロボットを三台導入したのだそうであります。やめた酪農家の跡地を利用して、そして三台利用して、今二百頭ぐらいの搾乳をして、多分、十勝で四、五年の間に一番になったと、こう聞いているんです。
 それが非常に隣近所の酪農家に影響を与えて、ロボットを導入したいという気持ちが強くなってきているんですけれども、そのロボットは五千万以上するんだそうです、ワンセット。しかし、大変すぐれたものなんです。
 この点について二点ぐらい聞きたいんですが、将来必ずこれはロボット化すると思うんです。ロボット化することによっての酪農家の極端な労働、苦痛とも言える労働から解放されて、そして未来豊かな経営になっていくと。ところが、五千万ということになりますと、今の酪農家の実態からいってそう簡単に導入することはできません。これを導入しやすくするために、例えばリース制度だとかなんとかというものを考えていけないかが一つのあれです。
 もう一つは、これがすべてオランダ製品なんです。オランダでこれだけすぐれたものを考えて五千万になる。日本はオランダ以上に機械とか電化製品についてもすぐれた技術を持っているはずですから、日本人の手で日本人のためにこんな機械をつくって少しでも安く酪農家に提供できないものだろうか、本当に悲痛な願いを持っているのでして、そんなことについて農林省としての考え方があればお示しいただきたいと思います。
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城知晴#18
○説明員(城知晴君) ただいま御指摘のございました搾乳ロボット、私どもの聞いております範囲では、本体価格が大体三千万から四千万でございまして、その周辺の施設を入れれば先生御指摘の五千万程度になるんじゃないか、このように思っております。
 現在、酪農労働は一人平均二千六百時間ということで、我が国の全農業の中におきまして最も労働時間の長い部門でございますが、そのうちの約半分近くが搾乳労働でございます。しかも、この搾乳労働が周年拘束性のもとでございまして、この搾乳労働をロボット化できるということになりますれば、現在の酪農労働で最大の問題でございます超長期的労働が一気に解決されるということでございまして、私どももこの搾乳ロボット問題について極めて関心を持って見ておるところでございます。
 現在、先生がおっしゃいましたように、オランダではメーカー二社が市販いたしておりまして、ヨーロッパで大体百台以上、我が国でも十数カ所で設置され動いております。この中において、事例として聞いております範囲におきましては非常にうまくいっているものもあるんですが、搾乳ロボットのセンサーが乳首になかなか吸いつかないという問題もございまして、なかなかうまくいかないところもあるということでございまして、結果といたしましては現在まだ開発途上、そういう感じのように理解いたしております。
 この問題につきましては、特にヨーロッパにおきましてはそれほど大きな問題があると聞いておりませんので、我が国の環境条件における適した技術を早急に開発することが重要と考えております。このため平成九年度から実用化事業というのに取り組んでおりまして、現在、都道府県の試験場内におきまして具体的な実験を繰り返しておるところでございます。また、メーカーの方におきましては、生物系特定産業技術研究推進機構、俗称、生研機構と言っておりますが、ここの出資によりまして、現在、搾乳ロボットの開発に取り組んでおるわけでございます。一定の品質のものができ上がりますれば、我が国の酪農の実態から見まして相当の需要があるということでございまして、値段の方も現在売られているものよりはかなり安い値段で供給できるんじゃないか、このような期待を持って現在、技術開発なり各試験場におきます実験結果というのを見ているところでございます。
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中川義雄#19
○中川義雄君 まだまだ聞きたいことがたくさんあるんですけれども、時間が来ましたので、この辺で終わります。
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久保亘#20
○久保亘君 畜産価格の決定に関して、今、畜産振興審議会が開かれておりますけれども、この問題は新しい食料・農業・農村政策に関する基本方向を考えるまでもなく、農業にとって非常に重要な問題であり、また我が国の今後にとっても極めて重大な意味を持つものだと思っているのでありますが、このことに関して議会の意見が述べられる機会に大臣も担当の畜産局長も出席できないというような状況は極めて遺憾なことだと思います。私は、まずそのことを申し上げておきたい。
 審議官にお尋ねいたしますが、今の我が国の畜産の状況はどういうとらえ方をされておりますか。非常に厳しい状況というふうに見ておられるのか、それとも新しい基本法が示そうとしている畜産拡大の方向へ進みつつあると思っておられるのか、少し具体的に話をしてみてください。
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城知晴#21
○説明員(城知晴君) お答えいたします。
 ただいまの久保先生からの御質問でございますが、我が国の畜産につきましては、御案内のように、現行基本法のもとにおきまして選択的拡大の代表選手ということで、この間に大幅な生産の拡大、需要の拡大を見てきたわけであります。しかしながら、近年におきましては豚肉、鶏肉、鶏卵につきまして需要に陰りが出てきております。現在、ほぼ横ばいで推移いたしてきております。また、牛乳・乳製品につきましても、ここ数年間、飲用乳需要がやや低下いたしておりまして、需要面におきまして天井感的なものが出てきておる状況でございます。
 このような状況の中におきまして、これを担う人々、畜産農家の方々につきましては、酪農でこの間に戸数が十分の一になったことに象徴されますように、各畜産農家の規模拡大は急速なスピードで進んできております。したがいまして、現在の畜産農家、肉用牛繁殖農家を別といたしますれば、ほとんどの方が専業的、プロ的な農家でありまして、まさに経営としての農業を担っておられる方々になってきたということでございます。
 したがいまして、そういう担い手の面におきましては、我が国の他の農業部門に比べまして極めて恵まれた状況にあるわけでございますが、ただ他の農業部門にない問題といたしまして、残念ながら畜産環境問題というのが極めて深刻化してきております。一戸当たりの経営規模が非常に大きくなりますればなりますほど、あるいは畜産が地域特化すればするほど、この畜産環境問題は極めて深刻な問題になってきておりまして、この問題にどのように対応するかということが今後の畜産振興上の一つの大きな課題ではないかと考えております。
 また、国際的な問題につきましては、平成三年の牛肉自由化、ウルグアイ・ラウンドによります牛乳・乳製品の関税化等によりまして諸外国との競合が次第に深まってきておりまして、今後とも我が国の畜産全体の現在の規模を維持していきますために、あるいは今後さらに国内生産の拡大を図っていきますためにはさらなる生産性の向上努力というのも必要な課題、このように考えております。
 このような状況の中で、昨年末、新たな食料・農業・農村政策の指針といたしまして農政改革大綱が出され、プログラムが出されたわけでございますが、私ども、先ほど申し上げました大きな課題二つを含めまして、我が国が畜産の振興を図ってまいりますために、まず一つは国内生産を基本とした畜産物供給ということを柱に、具体的には酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針というものを新たに策定いたしまして、各地域ごとの生産量の目標、飼養頭数の目標を明示いたしまして今後の生産対策に取り組んでまいりたい、このように思っております。
 また、前述の環境問題につきましては、今国会に農林水産省から畜産環境を適切に管理するための法案を提出いたしまして、これから御審議をお願いいたすところでございますが、この新たな法律に沿いまして国が基本的な方針を示し、県が具体的な施設整備の計画をつくり、それに沿って国、県、市町村、関係団体が一体となって畜産環境問題に対処する、そういう方向でこの問題の解決に当たってまいりたい、このように考えております。
 また、明年度から始まります次期ラウンド交渉につきましては、私どもといたしましては現在のTE、関税相当量も含めまして、我が国の畜産が今後とも持続的に発展できるようなものを次期ラウンドの過程において実現したい、このように考えているところでございます。
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久保亘#22
○久保亘君 畜産に関して国内の生産基盤というのは新しい基本法が示そうとしているような方向に向かって拡大基調にありと見ておられますか。
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城知晴#23
○説明員(城知晴君) 新たな基本法の目指すところにつきましては、私ども畜産分野におきまして、まず畜産の自給率の向上ということを中心に考えなきゃいかぬだろうと思っておりまして、一番最大の問題となりますのは、重量ベースの自給率もさることながら、カロリーベースの自給率が畜産はたしか一七%と記憶いたしておりますが、極めて低いという状況にございます。
 したがいまして、国産粗飼料を積極的に拡大していく、国産粗飼料の増産を図ることがカロリーベースひいては重量ベースの自給率増大につながる、このように考えておりまして、新たな基本法が成立いたしました後、基本計画というのを策定する予定になっておりますが、その基本計画策定の過程におきまして、そのような具体的な今後の生産努力目標、自給率の目標等を明示いたしましてその目標に向かって努力いたしたい、このように考えております。
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久保亘#24
○久保亘君 少し私と見方が違うのかもしれませんけれども、畜産の生産基盤が私は必ずしも拡大基調にあるとは見ていないのでありまして、そういう中で、今どうやったら努力目標を定めて国内生産を拡大の方向へ持っていけるか、中長期的な計画や方向性が問われているんだと思うんです。
 そういう中で、価格政策というのはどういう意味を持つと考えておられますか。ただ単に、計算式をもって価格が決まればよいということではなくて、そういう中長期の畜産政策が基本にあって価格政策というものが樹立されなければならないと思うのですが、そこはいかがお考えでしょうか。
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城知晴#25
○説明員(城知晴君) 価格政策につきましては、個々の価格につきましてはそれぞれの関係法令に基づきまして需給事情、生産条件その他もろもろのものを勘案いたしまして決定いたすわけでございますが、価格政策が設定されております趣旨並びにそれぞれの価格決定の基本的目的は、関係する農業者の方々の再生産を確保する、経営の安定を図るということにある、そのように理解いたしております。
 したがいまして、毎年毎年の価格は確かに当該年度の生産費等から算定いたすわけでございますが、制度運用といたしましてそういう価格を設定することにおいて長期的に畜産農家の経営が安定するよう運用することは当然御指摘のとおりではないか、このように思っております。
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久保亘#26
○久保亘君 短い時間ですから、それでは具体的に、今、畜産振興審議会に諮問されております四つの法律に基づく諮問は具体的に数字を示して行われていると思うのでありますが、まず、部会の一番最初に開かれました飼料需給安定法に基づく飼料需給計画についてお尋ねいたします。
 今度の畜産振興審議会に畜産局長が報告されました報告書がございますが、この報告書にあります平成十年度飼料需給計画の数字と今回、平成十一年度飼料需給計画試案として審議会に諮問されました数字とは全く関係のない大変な違いがありますが、これらの数字というのはどういう根拠でつくられたものでしょうか。そして、なぜこういう状況が起きているのか。
 例えば、昨年度、需給計画として審議会もこれを答申の趣旨に即し試案は適当なものであるということで答申されて決まったんだということになっておりますけれども、例えば小麦の売買数量は百三十五万トンと計画で決められておりますが、実際に平成十年度の実績見込みはその半分に近い八十七万八千トンと今度の試案では示されております。こういう違いというのはどこから生まれてくるんですか。
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城知晴#27
○説明員(城知晴君) 先生御承知のように、飼料用麦も麦でございますので、いわゆる食管物資になっております。したがいまして、食管物資でございます麦につきまして、政府といたしまして政府が操作する麦の上限を定めるというのがこの飼料需給計画の趣旨でございます。
 したがいまして、私ども、飼料需給計画を策定いたします場合に、現実に使われるであろう量というのはもちろん計算いたすわけでございますが、過去の実績等を見て、あるいは需要が伸びるという可能性も見まして、枠といたしましてかなり大きなものを採用いたしております。その結果といたしまして、実は昨年だけでございませんで、毎年度、需給計画に掲げました数字と実績との間に大幅な乖離がある、そのような状況になっております。
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久保亘#28
○久保亘君 前年度の実績とは関係なく上限の数量だということでこの需給計画をお決めになるとすれば、それは需給計画と言えるものなんでしょうか。
 そして、今度出されました試案には、昨年実績が加味されて、昨年の小麦の売り渡し数量百三十五万トンが百十一万トンに下げられているじゃありませんか。これはどういうことですか。
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城知晴#29
○説明員(城知晴君) お答えいたします。
 現在の我が国の飼料の需給規模は二千数百万トンに達しておりますが、政府操作飼料はそのうちの一部ということでございます。まず、麦だけということになっております。したがいまして、飼料全体の需給の変動によりまして、結果として政府が責任を持って供給せざるを得ない量が大幅にふえるということも想定いたしまして、過去の最高数値的なものを従来この飼料需給計画として設定してきたわけであります。
 過去の需給計画との間におきまして、今、先生御指摘のように乖離がございますが、小麦につきましてはそのような状況でずっと百三十五万トンという数字で設定してきたわけでございますが、このような水準に近づくという可能性が極めて薄いということでございますので百十万トンまで下げさせていただいたというのが今回の経緯でございます。
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