法務委員会

2001-05-18 衆議院 全292発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成十三年五月十八日(金曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 保利 耕輔君
   理事 奥谷  通君 理事 塩崎 恭久君
   理事 田村 憲久君 理事 長勢 甚遠君
   理事 佐々木秀典君 理事 野田 佳彦君
   理事 漆原 良夫君
      荒井 広幸君    太田 誠一君
      熊代 昭彦君    左藤  章君
      笹川  堯君    鈴木 恒夫君
      棚橋 泰文君    谷川 和穗君
      中川 昭一君    松宮  勲君
      山本 明彦君    吉野 正芳君
      渡辺 喜美君    枝野 幸男君
      日野 市朗君    平岡 秀夫君
      水島 広子君    山内  功君
      山花 郁夫君    上田  勇君
      都築  譲君    藤井 裕久君
      木島日出夫君    瀬古由起子君
      植田 至紀君    徳田 虎雄君
    …………………………………
   法務大臣         森山 眞弓君
   内閣府副大臣       松下 忠洋君
   法務副大臣        横内 正明君
   法務大臣政務官      中川 義雄君
   厚生労働大臣政務官    佐藤  勉君
   最高裁判所事務総局民事局
   長
   兼最高裁判所事務総局行政
   局長           千葉 勝美君
   最高裁判所事務総局家庭局
   長            安倍 嘉人君
   政府参考人
   (内閣法制局第一部長)  阪田 雅裕君
   政府参考人
   (内閣府男女共同参画局長
   )            坂東眞理子君
   政府参考人
   (警察庁警備局長)    漆間  巌君
   政府参考人
   (総務省行政管理局長)  坂野 泰治君
   政府参考人
   (総務省自治行政局公務員
   部長)          板倉 敏和君
   政府参考人
   (法務省大臣官房長)   但木 敬一君
   政府参考人
   (法務省大臣官房訟務総括
   審議官)         都築  弘君
   政府参考人
   (法務省大臣官房司法法制
   部長)          房村 精一君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    山崎  潮君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    古田 佑紀君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    鶴田 六郎君
   政府参考人
   (法務省人権擁護局長)  吉戒 修一君
   政府参考人
   (法務省入国管理局長)  中尾  巧君
   政府参考人
   (公安調査庁次長)    三谷  紘君
   政府参考人
   (外務省アジア大洋州局長
   )            槙田 邦彦君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  篠崎 英夫君
   法務委員会専門員     井上 隆久君
    —————————————
委員の異動
五月十八日
 辞任         補欠選任
  藤井 裕久君     都築  譲君
  不破 哲三君     瀬古由起子君
同日
 辞任         補欠選任
  都築  譲君     藤井 裕久君
  瀬古由起子君     不破 哲三君
    —————————————
五月十八日
 弁護士法の一部を改正する法律案(内閣提出第六二号)
同月十七日
 治安維持法犠牲者国家賠償法の制定に関する請願(阿部知子君紹介)(第一五四二号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第一五四三号)
 同(上田清司君紹介)(第一五四四号)
 同(大出彰君紹介)(第一五四五号)
 同(奥田建君紹介)(第一五四六号)
 同(菅直人君紹介)(第一五四七号)
 同(北橋健治君紹介)(第一五四八号)
 同(今田保典君紹介)(第一五四九号)
 同(永井英慈君紹介)(第一五五〇号)
 同(葉山峻君紹介)(第一五五一号)
 同(藤村修君紹介)(第一五五二号)
 同(細川律夫君紹介)(第一五五三号)
 同(松本善明君紹介)(第一五五四号)
 同(松本龍君紹介)(第一五五五号)
 同(大島敦君紹介)(第一五七六号)
 同(大島令子君紹介)(第一五七七号)
 同(大谷信盛君紹介)(第一五七八号)
 同(鍵田節哉君紹介)(第一五七九号)
 同(木島日出夫君紹介)(第一五八〇号)
 同(古賀一成君紹介)(第一五八一号)
 同(佐々木秀典君紹介)(第一五八二号)
 同(志位和夫君紹介)(第一五八三号)
 同(鈴木康友君紹介)(第一五八四号)
 同(原陽子君紹介)(第一五八五号)
 同(春名直章君紹介)(第一五八六号)
 同(不破哲三君紹介)(第一五八七号)
 同(山村健君紹介)(第一五八八号)
 同(吉井英勝君紹介)(第一五八九号)
 同(伊藤忠治君紹介)(第一六一〇号)
 同(釘宮磐君紹介)(第一六一一号)
 同(熊谷弘君紹介)(第一六一二号)
 同(島聡君紹介)(第一六一三号)
 同(東門美津子君紹介)(第一六一四号)
 同(中川正春君紹介)(第一六一五号)
 同(楢崎欣弥君紹介)(第一六一六号)
 同(伴野豊君紹介)(第一六一七号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第一六二九号)
 同(池田元久君紹介)(第一六三〇号)
 同(石井郁子君紹介)(第一六三一号)
 同(石毛えい子君紹介)(第一六三二号)
 同(小沢和秋君紹介)(第一六三三号)
 同(大幡基夫君紹介)(第一六三四号)
 同(大森猛君紹介)(第一六三五号)
 同(木島日出夫君紹介)(第一六三六号)
 同(児玉健次君紹介)(第一六三七号)
 同(五島正規君紹介)(第一六三八号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一六三九号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第一六四〇号)
 同(佐藤敬夫君紹介)(第一六四一号)
 同(志位和夫君紹介)(第一六四二号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一六四三号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第一六四四号)
 同(中林よし子君紹介)(第一六四五号)
 同(春名直章君紹介)(第一六四六号)
 同(不破哲三君紹介)(第一六四七号)
 同(藤木洋子君紹介)(第一六四八号)
 同(細野豪志君紹介)(第一六四九号)
 同(松本善明君紹介)(第一六五〇号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第一六五一号)
 同(山口富男君紹介)(第一六五二号)
 同(横光克彦君紹介)(第一六五三号)
 同(吉井英勝君紹介)(第一六五四号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件

     ————◇—————
この発言だけを見る →
保利耕輔#1
○保利委員長 これより会議を開きます。
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣法制局第一部長阪田雅裕君、内閣府男女共同参画局長坂東眞理子君、警察庁警備局長漆間巌君、総務省行政管理局長坂野泰治君、総務省自治行政局公務員部長板倉敏和君、法務省大臣官房長但木敬一君、法務省大臣官房訟務総括審議官都築弘君、法務省大臣官房司法法制部長房村精一君、法務省民事局長山崎潮君、法務省刑事局長古田佑紀君、法務省矯正局長鶴田六郎君、法務省人権擁護局長吉戒修一君、法務省入国管理局長中尾巧君、公安調査庁次長三谷紘君、外務省アジア大洋州局長槙田邦彦君及び厚生労働省健康局長篠崎英夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
保利耕輔#2
○保利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
この発言だけを見る →
保利耕輔#3
○保利委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所千葉民事局長及び安倍家庭局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
保利耕輔#4
○保利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
この発言だけを見る →
保利耕輔#5
○保利委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐々木秀典君。
この発言だけを見る →
佐々木秀典#6
○佐々木(秀)委員 民主党の佐々木です。
 新任されました森山大臣にいろいろお伺いをしたいと思います。
 実は、私は、森山法務大臣の御就任は、亡くなられましたけれども、大臣の御夫君であられた森山欽司先生は天国で大変喜んでおられるのではないか、また期待しておられるのではないかと思います。
 実は、今からもう三十二、三年前になりますけれども、あれは昭和四十四年でしたか、夏に、札幌地方裁判所で、長沼町というところに自衛隊がナイキ基地をつくる、それに対して住民が反対をする、そこで馬追山という山に保安林がある、これは農林大臣の管轄になっているわけですけれども、これを基地に転用するためには保安林を解除しなければならない、それで保安林の解除を農林大臣が許可した、その処分の取り消しをめぐっての裁判だったのですね。実は、これが自衛隊の違憲性が争われることになるというので、全国から大変注目をされた。
 この裁判をめぐって、その裁判を担当していた福島裁判官が青年法律家協会という団体の会員である。この団体は現在もございまして、大変活発な活動をしておりますが、たまたま私はその青年法律家協会の議長をそのときにやっておりました。時折、青法協は政治的な発言もすることがあったのですけれども、そういう政治行動をやっている団体ではない。その当時、青年法律家協会には、少壮の弁護士、学者、それから検察官若干名、二百名を超える裁判官が加入しておりまして、それで裁判官部会というものをつくって、非常にまじめな法律研究をやって、新聞、雑誌などにも発表したりしていたのですね。ところが、これが政治的な色彩が強い、それに裁判官が入っているというのはゆゆしい問題だということに火をつけられたのが実は森山欽司先生だったわけでございます。
 森山欽司先生は、法曹出身ではありませんけれども、大変、司法の問題に造詣が深く、また御関心が深く、いろいろな御提言もなさっていた。その森山先生が火をつけられたようなことから、裁判官のあり方、裁判所のあり方、あるいはその独立性、中立性などをめぐっての大議論が沸き起こりまして、その後に、宮本裁判官の再任拒否問題だとか、あるいは司法修習生の裁判官になることについての新任拒否事件だとか、いろいろな具体的事件に発展していくわけですが、その間に私と森山先生は何度かテレビだとかあるいは報道の場で論議をする機会を持たせていただいて、その御造詣の深さに大変感心しつつも、かなり意見を異にいたしまして、しかし非常に真摯に対応していただいて、私などはまだぺいぺいの弁護士だったのですけれども、そのことを思い起こしたりしております。
 それだけに、森山先生が御存命でしたら恐らく法務大臣にもおなりになっただろうと思われるだけに、今度、森山大臣が御就任ということはいろいろな意味で私は感慨深いと思います。どうかひとつ、また女性の目も交えてこの司法の問題にお取り組みをお願いしたい、このように思います。
 先般、所信をお伺いいたしました。時間がありませんから多少かいつまんでということになりますけれども、御案内のように、今、小渕内閣のときに発足いたしました司法制度改革の審議会が、短い期間で非常に精力的な御検討で、いよいよ来月には最終答申が出ることになっております。ここで討議されている中身、そして既に昨年の秋に中間報告も出ておりますので大体基本的な姿勢はわかるのですけれども、言ってみれば、我が国の司法制度の根本にかかわり、そのあり方に関しての論議、それに基づく提案が具体化されるということになりますと、私は、本当に我が国の歴史上百年に一度とも言えるような大改革になるだろう、こんなふうに思っております。
 そこで、大臣はこの間の所信で時代の要請にこたえるべく司法制度の変革ということを言われておる。小泉内閣はあらゆる分野での改革ということを言われておりますけれども、この司法改革というのはその中でも非常に重大な意味を持ってくると思いますので、この司法制度改革のイメージについて、まずお聞きをしたいと思います。
この発言だけを見る →
森山眞弓#7
○森山国務大臣 佐々木先生の、亡夫の森山欽司についても言及いただきまして、大変温かいお言葉をいただき、まことに恐縮に存じます。私は、大変微力ではございますが、一生懸命やりたいと思っております。
 そこで、司法制度改革の問題でございますが、今日本はあらゆる面で非常に大きな改革の必要に迫られておりまして、行政改革、財政改革、その他さまざまな改革に取り組むところでございますが、その中核をなすのが実は司法制度改革ではないかというふうに思っております。
 ですから、これからの社会が、特に司法の面から申しますと、事後監視・救済型へと転換していく中で、国民の権利、利益の救済を図る司法の役割というのは大変重要になっていく、一層重要性を増していくというふうに考えられます。
 さらに、国民が身近に利用することができて、社会の法的ニーズに的確にこたえることができる、そのような司法制度をつくっていくということがどうしても必要であるというふうに考えております。
 司法制度改革審議会の中間報告におきましては、先生十分御承知のとおり、裁判の迅速化、司法へのアクセスの拡充などの制度的基盤の整備、それから、法曹等の大幅な増加などの人的基盤の充実強化、さらには、司法の国民的基盤の確立といった点が司法制度改革の三つの柱ということになっておりまして、これらの課題は、時代の要請にこたえるべき司法制度を築く上でいずれも全部重要でございますので、審議会がこれらの問題を含めまして実りの多い最終意見を取りまとめてくださるように期待しているところでございます。
この発言だけを見る →
佐々木秀典#8
○佐々木(秀)委員 そこで、まだ最終的な答申が出される前段ですので、具体的な問題については、この答申が出た後にまたこの委員会でもいろいろと議論させていただきたいとは思うんです。
 しかし、この答申が出されますと、いずれにしても、政府としてそれをどう具体化していくか。そのとおりではない。もちろん、それに基づいて検討をされて具体化の方策を取り決められるんだろうと思うんですけれども、この答申が出た場合に、その答申の内容を具体化する受け皿、そして、それを検討し具体化する推進体制、これが非常に重要になってくると思うんですね。これについては今どういうようにされようという構想がおありなのか、その辺をお聞かせいただければと思います。
この発言だけを見る →
森山眞弓#9
○森山国務大臣 先生おっしゃいますとおり、これは非常に大きな広範にわたる改革でございます。ですから、司法制度改革審議会の最終意見が六月に出るという予定でございますが、これについては政府全体で取り組んでいく必要があるのではないかというふうに考えておりまして、法務省といたしましても、もちろん、政府の一員といたしまして、特に深いかかわりのあります立場といたしまして、改革の実現に向けて最大の努力をしていきたいというふうに考えております。
この発言だけを見る →
佐々木秀典#10
○佐々木(秀)委員 まさに政府全体として取り組んでいただかなければならないわけですね。これは法務省だけの問題ではありませんが、しかし、何といっても法務省が主になっていただかなければなりませんので、どうか関係の各省庁、各大臣にもぜひ御協力方を求めていただきながら、しっかりとこの答申に取り組み、そしてその内容をよりよいものにするために御努力をいただくようにぜひお願いをしたいと思います。
 もう一つ、この所信の中で大臣は、「この変革期にあって、時代に即応した経済活動を支えるにふさわしく、かつ、国民にわかりやすい民事、刑事の基本法制の整備を早急に行う必要がある」ということを強調されて、法務省としては、平成十七年までを目途に全力を挙げて集中的にこれに取り組んでいるところだ、こういうようにおっしゃっております。つまり、現在進行形でもうやっているんだということなんですけれども、だとすれば、取り組んでおられる法制の内容など、余り細かくなくて結構ですけれども、特にその重立ったものなどについてお話をいただければと思います。
この発言だけを見る →
横内正明#11
○横内副大臣 私から御答弁をさせていただきます。
 民事、刑事の基本法制の整備、多方面から多岐にわたる検討を行っているところでございます。
 簡単に申し上げますと、商法関係につきましては、まず、コマーシャルペーパーのペーパーレス化のための法律案を今国会に近く提出をさせていただく。それから、ストックオプション制度の改善等に関する商法の改正案を今年秋の臨時国会に提出することを目指して検討を行っております。
 そして、商法関係で一番大きい課題は会社法制の大幅な見直しでございまして、そのための商法改正案を平成十四年の通常国会に提出する予定で検討しておりまして、現在、法制審議会の会社法部会でも審議を行っておりますけれども、本年の四月十八日にその中間試案を公表して、関係方面の意見を聞いているところでございます。
 倒産法関係も大きな課題でございまして、会社更生法の見直しを平成十四年度中、それから破産法の見直しを平成十五年度中に結論を得るということで、現在、法制審議会で検討、審議中でございます。
 民法につきましては、抵当権等の担保権の執行手続の法制の見直し、あるいは建物区分所有法の法律の見直し等を法制審議会で近々議論を始めるということにしております。同時に、民法、商法の、全面的な平仮名化といいましょうか、現代口語化の改正をしていきたいと考えております。
 刑事基本法制につきましても、現在は、健全な経済活動を推進するための経済関係の罰則の見直しについて検討を進めております。
 同時に、コンピューターの普及に伴いますハイテク犯罪に的確に対応するための捜査手続の整備とか、あるいはハイテク犯罪に関する罰則の整備等についても検討を進めているところでございます。
 なお、今、今国会に検討をお願いしているわけでありますが、クレジットカードに関する犯罪が多発している状況から、そういったものに対する罰則の整備を行うべく、刑法の一部改正に関する法律を今国会に提出してお願いをしているところでございます。
 以上でございます。
この発言だけを見る →
佐々木秀典#12
○佐々木(秀)委員 一つ、老婆心というか老爺心ながら申し上げておきますけれども、確かに、司法というのは社会のあらゆるものに対してさまざまな影響を持ち、また、さまざまなところに役に立つという役割があることは否定はしないわけで、特に経済と司法というものの結びつきの大きさも私はわかるんですけれども、ただ、それが経済のためにというのならいいんですけれども、経済界の、特に一部経済界のために資するなどということではならないと私は思うんです。
 今お話があった中で、ストックオプションの問題もありました。実は、前にストックオプション導入のときには大変問題になりまして、自己株の取得というのは本来、我が国の商法上は原則禁止だったんですね。これを解禁したわけです、規制緩和したんですね。これはまさに経済界全体というよりも経済界の一部の御要請が強かったと私は思うんです。今、さらにそれに検討を加えるということですけれども、どうかひとつ、そういう大きな視点に立ってお考えをいただいて、特定の利益団体などだけのためになるような法律というのは私はいかぬと思うんです。このことを十分にひとつお気にかけていただきたい。また、そういう論議も私どもさせていただきたいと思います。
 それともう一つ、私は、司法の役割の大事なのは、何といっても国民の権利を守るということだろうと思うんです、人権を守る。特に、規制緩和の中で競争社会になってまいりますと、どうしても弱者が出てくるのは間違いない。その弱者のためのセーフティーネットといいますかセーフガードというか、そういうことに考慮した司法の役割というもの、これは強調し過ぎることはないだろうと思うんです。
 そういう意味では、所信の中で、今のくだりに続いて、大臣は人権擁護のことについても触れられております。近々、人権擁護推進審議会が、これまた二十五日と聞いておりますけれども、人権救済制度のあり方に関する答申を出される予定のようですね。これについては、一部新聞がその全文を入手したなどということを報道しておりますけれども、まだ正式に出ておらないわけですから、これが出た段階でまたこの人権の問題については議論をさせていただきたいと思っております。どうかそういう点での配慮をぜひお願いしたいと思います。
 それと、私たち民主党としても、司法制度改革への意見、議論をいたしまして取りまとめをいたしまして、この意見を取りまとめたものを昨日付で実は内閣官房それからこの審議会の方にもお出しをしておりますので、大臣も、そう大部のものではありませんので、お手元で見ていただければありがたいと思います。
 きょうは裁判所も来ておりますけれども、時間がないので、これはまた後の機会に裁判所とも議論したいと思うんですが、今度の審議会の中で非常に法曹人口の具体化についていろいろな提言をなさっている。特にその中で、弁護士人口、これを十年後には今の倍以上にするんだ、五万人体制にするんだということをまず言われて、その手だてとして、司法試験の大改正、それから司法試験の合格者を一気に三千人までふやす、それからまた、法科大学院構想なども打ち出しておられるんです。
 しかし、私は、どちらかというと一番問題なのは、裁判所、裁判官だと思うんですよ。
 現に、もうここでもさんざん議論になりましたように、裁判官の数が本当に足りない。それで、現場の裁判官は、通常事件で訴訟を担当する裁判官が、民事事件など二百件以上の事件を抱えてあっぷあっぷしているということで、ゆとりなどというものはとてもない、人間的な生活あるいは家庭を持っている裁判官は家庭生活を楽しむなんという時間が全くないというような状況、こういうことでは私はまともな裁判ということは期待できないと思うんですよ。ですから、裁判官の給源をどうするかということが非常に大問題になると思うんです。
 この審議会に過日、最高裁判所が裁判所改革のあり方についての提言をなさっておられる。それなりになかなか評価に値するところもあるわけですけれども、しかし裁判官の増員については、ここ十年間であと五百人ぐらいふやしたいというようなことを言っているようなんですが、こんなものではとても足りない。片っ方で毎年毎年三千人からの司法試験合格者が出るという中で、十年間で五百人なんというのは、これは話にならないんだと思うんですよ。しかも、弁護士の数がどんどんふえてくると、それに従ってやはり事件だって多くなるのは間違いないんですから、そんなみみっちいことを言っていないで、もっとどかんとふやす手だてを講ずることが必要だろう。
 そのためには、実は、今度の審議会の中間答申の中で、私はやや残念だなと思われるのは、法曹一元についてはっきりとした提言をなさっておられないことなんです。私どもの民主党の意見書では、やはり法曹一元ということを、裁判官、検察官になる人は弁護士経験を経た者からとるというように、アメリカのようにする方がいい。それによってよい裁判官、よい検事もたくさん得られるんじゃないかということを実は提言しておりますので、この点についても御考慮いただきたい。
 それからまた、今まで何といっても国民と裁判所あるいは司法との距離が遠過ぎたと思うんですね。そういう意味で、国民の司法参加の方策を審議会がいろいろ提言されているのは、これも評価に値することだろうと私は思います。しかし、残念ながら、裁判員制度が刑事事件だけに限って今考えられているというのはいかがなものか。民事事件でも、あるいは、特に国や行政機関を相手とするような裁判の場合に、国民から裁判員を求めるというようなことももっと積極的に考えられるべきではなかろうかというようなことを私どもの意見書では提言しております。
 それから、国選弁護人あるいは公選弁護人の制度を、起訴された人だけではなくて被疑者の段階からつけるべきこと。それから、法律扶助の制度も、以前に比べますと財政援助も大分拡大はしましたけれども、先進諸国に比べるとまだまだ足りないものですから、こういうことについてももっと国は積極的に取り組んだらどうかというような提言もしておりますので、大臣、ぜひこれも御参考にしていただければと思います。
 時間の関係もございますから、司法改革の問題はこの程度にいたします。
 実は、入管の問題は、この間、長勢委員が非常に現状についていろいろな問題点を指摘された質問をいたしました。これもいろいろお聞きしたいと思ったんですが、時間がありませんので端的に。
 この間、長勢委員の質問でも明らかなように、とにかく入管業務は非常に大事だし、ますます忙しくなってきていますね。それから、地方空港などで外国からのチャーター便をどんどん出すようになって、実は私の地元の旭川空港などでも、ことしは台湾からのチャーター便が非常に多くなってきている。そのたびに、出張所がないものですから、入管、税関の関係の方、ほかから来ていただいてやっていただくんですけれども、これは需要はますますふえると思うんですよ。
 しかし、この間、総務省のお話のように、定員枠の中でやりくりしなきゃならないから大変だというんですね。しかし、法務行政というのはどうしたってこうやって人手がかかるわけですよ。人手の要るところに人を配置しなければならない。しかし、それは定員枠の中でやるとすれば、こっちにふやせばこっちは減らさなきゃならない。しかし、登記事務なんかだって、これは幾らコンピューター化するからといったって、やはり人の力によるところが大きいわけです。
 そこで、入管局長、一つは、いずれにしても入管行政についてはもっと定員が欲しいんでしょう。たくさん必要なんでしょう。そのことだけ、要るか要らないかだけ確認させてください。
この発言だけを見る →
中尾巧#13
○中尾政府参考人 非常に委員の方から温かいお言葉をちょうだいして、そのとおりでございますと申し上げたいところでございます。
 二千五百四十五人の体制、入管職員の中で、入国審査官が千百九十六人、それから入国警備官が千十二人という状況でございますので、私どもといたしましては、このような現況を踏まえまして、出入国管理体制の一層の充実に向けまして、体制整備に今後とも最大限の努力をしていきたいと存じております。
この発言だけを見る →
佐々木秀典#14
○佐々木(秀)委員 局長としてはそのぐらいしか答えられないんだろうけれども、僕はもっと遠慮しないで言った方がいいと思うんだね。
 そこで、総務省、この間、定員の枠があるものだからということを言っているんだけれども、これは特別扱いで、例えば政府が、これは特別扱いだよ、枠外でこれしたらどうだということになったらどうなるんですか。考えられるんですか。
この発言だけを見る →
坂野泰治#15
○坂野政府参考人 委員の御指摘の点でございますけれども、私ども定員管理を行っております立場からいたしますれば、現在の総定員法のもとで、部門を問わずそれぞれの部門で可能な限り合理化努力を払っていただき、そこで生み出された削減原資をもとに必要な部門に増員を行って、全体として行政の効率化を進める、この方針及び枠組みというものはやはり今後も維持をしていく必要があると考えておるわけでございます。
 その中で、御指摘の入管あるいはその他の部門についてもいろいろな御事情があるわけでございまして、私ども、できる限りそういう御事情を伺いながら、可能な限りの努力はさせていただきたいと考えております。
この発言だけを見る →
佐々木秀典#16
○佐々木(秀)委員 結局、定員枠を維持してその中で考えるとなれば、必要なところにはふやすけれども、どこか削らなきゃならないんですね。だけれども、そうなると削られたところだって大変なんだ。
 ですから、どうか大臣、閣議でこういうことも議論をしていただいて、どうしても必要なものには必要な人事配置をするということについての御議論をやっていただきたい、ぜひお願いしたいと思います。
 時間がありませんのでこの程度にはしょって、最後の質問。これも限られましたけれども、実は、弁護士法二十三条の二で、「弁護士は、受任している事件について、所属弁護士会に対し、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることを申し出ることができる。」という規定がございます。六法全書では「報告の請求」という見出しがついておりますが、私たちは、照会請求権、こういうように言っております。強制的な調査権限を持たない弁護士にとって、事件の解決のために、依頼者の権利擁護のために、この条項というのは非常に大事な条項で、できるだけ、支障のない限り、この照会を受けた公務所あるいは団体などはこの報告に協力をしていただく必要があるだろうと思っておるんですけれども、しかし、これについて、どうも最近地方の自治体などがなかなか素直に応じてくれないという事例が見受けられるわけです。
 そこで、実は私、この間、森総理大臣あてに質問主意書を提出いたしまして、四月六日付で森総理大臣名によってこの答弁をいただいたんですけれども、どうもちょっと明確でないところがあるものですから、お尋ねをしたいと思います。
 これについては、内閣法制局で「法制意見百選」という刊行物を出しておられる。これは昭和六十一年刊行のものですけれども、これにこの条項についての解説がある。これについては実は内閣法制局が昭和三十八年の三月十五日付で内閣法制局第一部長の回答を出されている。これについて、今言った「法制意見百選」の中で、現在最高裁判所の事務総長をやっておられる堀籠幸男さんが解説を書かれておられます。
 この解説では、この条項の照会については、照会があった場合には、ただ、公務員には守秘義務があるわけですね、これとの関係であるわけですけれども、守秘義務によって守られるべき公益と照会に基づく報告によって得られる利益とを個々の事案ごとに比較考量することによって報告義務の有無を決定すべきものだと。そして、比較考量の結果、報告を受けることによって得られるべき利益の方が勝る場合には、公務所は報告すべき義務を負うものである、そして、報告すべき義務があると認められるときには、守秘義務の課されている事項について報告をしても、刑法三十五条に言う法令によりなしたる行為として違法性が阻却され、秘密漏えいの罪は成立しないことになる、こう言っているのですね。
 内閣法制局にお伺いしますけれども、この見解は今でもこのとおりであるとお伺いしてよろしいですか。
この発言だけを見る →
阪田雅裕#17
○阪田政府参考人 政府としての弁護士法二十三条の二についての考え方は、先日の先生の質問主意書に対する答弁書の中で明らかにしておるとおりであります。
 今御指摘がありました法制意見は、何分四十年近く前の古いものでありまして、率直に申し上げて、その中に、やや舌足らずで、どうも十分に意を尽くしていないのではないかと考えられるような部分があると私は思っておりますけれども、その結論の部分におきまして、御案内のように、他に違法性阻却事由がある等特段の事由が認められるときは格別云々と述べておりますことからも明らかなように、その真意は、地方公務員法第三十四条等に規定する秘密に該当する事項について、これを開示することが正当視されるような特段の事由が認められる場合にまで弁護士会からの照会に対して回答することが許されないというような趣旨ではございません。そのことを今先生が御指摘になりました堀籠元参事官も述べておられるものだというふうに承知をしております。
この発言だけを見る →
佐々木秀典#18
○佐々木(秀)委員 そこで総務省にお伺いいたしますけれども、実は総務省の前身である自治省が、これは昭和六十三年の四月ですけれども、窓口事務質疑応答集というのを自治省の行政局振興課が編集して出しておられるのです。これがいろいろ、地方自治体などが行政運営について大変参考にしておられるようなんです。
 この中で、今の弁護士法の二十三条の二の解説が千七百五十一ページに載っているのですけれども、この抜粋が今の法制局第一部長の見解を紹介しているのですけれども、非常にこれは間違った紹介の仕方をしていると僕は思うんです。
 これによると、内閣法制局見解として、弁護士会の照会は、結局は照会を申し出た弁護士の依頼者の利益のためのものであるから、他人の私人の秘密を犠牲にすべきではないとの理由で報告を拒否すべき旨回答した行政実例があります。昭和三十八年三月十五日第一部長回答、こうなっているのです。
 地方自治体でこの報告を拒否してきた例、例えば平成十一年六月一日に、富山市長が富山弁護士会からの照会に対してこれを拒否している。それに今のこれを添付しているのですよ、この別紙のように。こういうことがあるからお答えできませんと言っているのです。
 これは非常に私は間違っていると思うんです。総務省として、これを直す考えがあるのかどうか。こういうことで使われたのでは私はまことに困ると思うんだけれども、どうなんですか、総務省。
この発言だけを見る →
板倉敏和#19
○板倉政府参考人 お答え申し上げます。
 弁護士法第二十三条の二の規定に基づく弁護士会からの照会の対象事項が地方公務員法または地方税法に規定する秘密に該当する場合には、秘密に該当する事項を開示することが正当視されるような特段の事由が認められない限り、秘密を漏らした者は地方公務員法または地方税法に規定する罰則の対象になるということで、照会に応じて当該事項を報告することは許されないというふうに解しております。この内容は、先ほどの質問主意書で御回答を申し上げたとおりでございます。
 この点につきましては、各地方公共団体におきまして今申した趣旨を十分理解した対応がなされますように、会議等を通じまして周知を図るとともに、今後とも必要に応じて助言等を行ってまいりたい、こういうふうに考えております。
この発言だけを見る →
佐々木秀典#20
○佐々木(秀)委員 時間がありません。残念ですけれども、これ以上議論できませんけれども、この主意書でも御回答いただいた、今もお話があったように、総務省としては、弁護士法二十三条の二に基づく照会があった場合には、各地方公共団体において前段で述べた趣旨を十分理解した上での対応をなされるよう今後とも助言を行ってまいりたい、こういう行政指導をすることになっております。
 だとすれば、さっき内閣法制局の方で言ったような趣旨をきちんと伝えていただいて判断させるというふうにしていただきたい。さっき御紹介したようなマニュアル、このマニュアルの記載は、私は間違っておると思いますよ。だとすれば、これを直していただかないと、間違った行政指導になってしまうと思いますよ。この点、まず検討してください。今は即答は求めませんけれども、後にまたお尋ねをいたしますけれども、ぜひそういうふうに御指導いただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
この発言だけを見る →
保利耕輔#21
○保利委員長 次に、枝野幸男君。
この発言だけを見る →
枝野幸男#22
○枝野委員 時間がありませんので、端的にお答えください。
 ハンセン病の判決が出ております。控訴期限は来週ですが、控訴するかどうか、結論は出たのか、出ていないのか、答えられないのか、三つのうちどれですか。
この発言だけを見る →
森山眞弓#23
○森山国務大臣 まだ今のところお答えする段階ではございません。
この発言だけを見る →
枝野幸男#24
○枝野委員 裁判所あるいは司法制度というのは何のために存在するのですか。
この発言だけを見る →
森山眞弓#25
○森山国務大臣 司法制度というのは、具体的な争訟につきまして法を適用し、これを解決することにより権利の実現及び法秩序の維持を図ることを目的とするものであると理解しております。
この発言だけを見る →
枝野幸男#26
○枝野委員 権利の擁護はわかるのですが、法秩序は何のために維持するのですか。
この発言だけを見る →
森山眞弓#27
○森山国務大臣 大きく申せば、国の安定のため、国民の安定した生活のためということになるのではないでしょうか。
この発言だけを見る →
枝野幸男#28
○枝野委員 三審制度は何のためにあるのですか。
この発言だけを見る →
森山眞弓#29
○森山国務大臣 我が国では三審制度を採用しておりますが、当事者が下級審の判断に不服がある場合には、さらに上級審の判断を求めることができるということになっておりまして、この制度によりまして、下級審の判断に誤りがある場合にはそれが是正され、当事者の権利の保護と法令解釈の統一を図ることができるものと考えております。
この発言だけを見る →
← 戻る